JP2009096958A - 熱可塑性樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物及びその成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】熱可塑性樹脂に無機フィラーを均一に分散し、分散不良による物性の低下、外観不良を抑制する熱可塑性樹脂組成物及び、それを用いて得られる成形品を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して、平均粒子径が0. 1〜60μmである無機フィラー(B)0. 1〜100重量部、分散剤としてイミダゾリウム系、ピリジニウム系、アンモニウム系、ホスホニウム系、スルホニウム系の少なくとも一種である常温溶融塩(C)からなり、無機フィラー(B)と常温溶融塩(C)の重量比(R=無機フィラー/常温溶融塩)が0.1≦R≦10であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂に無機フィラーを均一に分散し、分散不良による物性の低下、外観不良を抑制する熱可塑性樹脂組成物及び、それを用いて得られる成形品に関する。
従来より、剛性、強度、耐熱性、寸法精度等の製品物性の改良、増粘効果、ダイスエル・メルトフラクチャー抑制等加工物性の改良、導電性、難燃性、耐摩耗性等の機能性付与の方法としては、熱可塑性樹脂に無機フィラーを練り込む方法が行われてきた。しかしながら、一般にポリマーとフィラーの表面張力は著しく異なり、界面張力が大きく、両者の親和性、ぬれ性が乏しくなり分散不良を起こしやすい。フィラーの分散不良は、製品表面のブツ、フィッシュアイ、色むら及び光沢むら、ウェルドライン等の外観不良や、衝撃強度、破断伸度及びウェルド強度等の機械物性の低下という問題を引き起こす。分散性を改良するためにこれまでは、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸やポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等の炭化水素ワックス及びこれらの誘導体が用いられている(特許文献1、2参照)。
しかしながら、金属石鹸や炭化水素ワックスを利用した方法では、樹脂との相溶性が問題となり、両者の相溶性が悪いと、このような樹脂組成物を用いた成形品は外観不良や機械物性の低下が認められ、特にフィルムのような数十ミクロン径の成形品においてはその問題が顕著であった。また、上記分散剤は耐熱性が乏しいため、成形加工温度の高いポリカーボネート樹脂等の場合、熱分解による着色や機能低下を起こす。また揮発成分による作業環境の悪化、人体への悪影響等の問題もある。
特開2000−178450 特開昭63−146935
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、熱可塑性樹脂に無機フィラーを均一に分散でき、分散不良による物性の低下、外観不良を抑制する熱可塑性樹脂組成物及び、それを用いて得られる成形品を提供することを目的とする。
第一の発明は、熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して、平均粒子径が0. 1〜60μmである無機フィラー(B)0. 1〜100重量部、分散剤として常温溶融塩(C)からなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物である。
第二の発明は、無機フィラー(B)と常温溶融塩(C)の比(R=無機フィラー/常温溶融塩添)が0.1≦R≦10である第一の発明記載の熱可塑性樹脂組成物である。
第三の発明は、常温溶融塩(C)がイミダゾリウム系、ピリジニウム系、アンモニウム系、ホスホニウム系、スルホニウム系イオン性液体から選ばれる1種又は2種以上からなる第一又は第二の発明記載の熱可塑性樹脂組成物である。
第四の発明は、第一ないし第三の発明のいずれか記載の熱可塑性樹脂組成物を用いて得られる成形品である。
本発明は、熱可塑性樹脂に無機フィラーを均一に分散でき、分散不良による物性の低下、外観不良を抑制する熱可塑性樹脂組成物及び、それを用いて得られる成形品を得ることが可能である。
まず、本発明詳細について説明する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)、無機フィラー(B)、常温溶融塩(C)を含有する。本発明の樹脂組成物は無機フィラーを比較的高濃度に含有し、成形時に被成形樹脂(ベース樹脂)で希釈されるマスターバッチであっても良いし、無機フィラーの濃度が比較的低く、被成形樹脂で希釈せずにそのままの組成で成形に供されるコンパウンドであっても良い。本発明に用いられる熱可塑性樹脂としては、マスターバッチが製造可能な樹脂であれば特に限定されることはなく、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレンプロピレン共重合体(ランダムまたはブロック共重合体を含む)、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、AS樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、アクリル樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
本発明で用いられる無機フィラー(B)は、金属、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、珪酸塩、複合酸化物等の粉末が対象となる。このうち金属のフィラーとしては鉄、銅、ニッケル、金、銀、アルミニウム等が挙げられる。酸化物のフィラーとしては、シリカ、アルミナ、チタニア、マグタイト等の酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化アンチモン、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等が挙げられる。水酸化物のフィラーとしては水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。炭酸塩のフィラーとしては、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。硫酸塩のフィラーとしては硫酸カルシウム等が挙げられる。珪酸塩のフィラーとしてはタルク、クレー、マイカ、珪酸カルシウム、珪酸ガラス等が挙げられる。その他、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、炭化珪素、チッ化珪素、チッ化アルミ等が挙げられる。
フィラーの特性としては、平均粒子径が0. 1〜60μmであるものであれば特に限定はなく、平均粒子径0.1〜30μm程度のもので特に常温溶融塩を利用することによる分散効果が顕著に現れる。これは、分散過程において水力学的な索引力が集合粒子の凝集力に打ち勝って起こるというメカニズムから、集合粒子の凝集力を変化させる因子、すなわち平均粒子の直径を大きくすることにより、水力学的索引力が凝集力を上まわり、集合粒子は細かく分散するためであり、フィラーの凝集力は静電気力、ファンデルワールス力、双極子力などで、それらは平均粒子径が大きいほど小さい。そのため、この理論からすると、フィラーの粒径が数十μmを超えるものになるとフィラー自体で分散性が良くなるからである。ここで平均粒子径とは、短径、長径の平均を粒径として粒度分布の最大値を示した値をいう。また、平均粒子径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定法や透過型電子顕微鏡、走査型電子顕微鏡で直接観測して求めることができる。
本発明で用いられる常温溶融塩(C)は、室温付近で液体である塩類の総称であり、室温付近の広い範囲において液体で、また、室温付近の蒸気圧が極めて低いという特徴を有するカチオンとアニオンからなる塩である。常温溶融塩(C)は、無機フィラーの分散剤として機能すると考えられる。
常温溶融塩のカチオンとしては、イミダゾリウム、ピリジニウム、アンモニウム、ホスホニウム、スルホニウムであり、例えば、ジアルキルイミダゾリウム、トリアルキルイミダゾリウム、アルキルピリジニウム、ジアルキルピリジニウム、トリアルキルピリジニウム、1-フルオロアルキルピリジニウム、1-フルオロトリアルキルピリジニウム、テトラアルキルアンモニウム、テトラアルキルホスホニウム、トリアルキルスルホニウムなどが挙げられる。
さらに詳細な具体例としては、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム,1-プロピル-3-メチルイミダゾリウム、1-メチル-3-プロピルイミダゾリウム、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム、1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウム、1-オクチル-3-メチルイミダゾリウム、1-メチル-3-オクチルイミダゾリウム、1-デシル-3-メチルイミダゾリウム、1-ドデシル-3-メチルイミダゾリウム、1-テトラドデシル-3-メチルイミダゾリウム、1-ヘキサドデシル-3-メチルイミダゾリウム、1-オクタドデシル-3-メチルイミダゾリウム、1-エチル-2,3-ジメチルイミダゾリウム、1-プロピル-2,3-ジメチルイミダゾリウム、1,2-ジメチル-3-プロピルイミダゾリウム、1-ブチル-2,3-ジメチルイミダゾリウム、1-ヘキシル-2,3-ジメチルイミダゾリウム、1-オクチル-2,3-ジメチルイミダゾリウム1,2-ジメチル-3-オクチルイミダゾリウム、1-ブチル-3-エチルイミダゾリウム、1-ヘキシル-3-エチルイミダゾリウム、1-エチル3-オクチルイミダゾリウム、1-エチル-3-ブチルイミダゾリウム、1-エチル-3-ヘキシルイミダゾリウム、1-オクチル-3-エチルイミダゾリウム、1,2-ジエチル-3,4-ジメチルイミダゾリウム、1-フルオロピリジニウム、1-フルオロ-2,4,6-トリメチルピリジニウム、1-エチルピリジニウム、1-ブチルピリジニウム、1-ヘキシルピリジニウム、1-プロピル3-メチルピリジニウム、1-ブチル-4-メチルピリジニウム、1-ブチル-3-メチルピリジニウム、1-ヘキシル-4-メチルピリジニウム、1-ヘキシル-3-メチルピリジウム、1-オクチル-4-メチルピリジニウム、1-オクチル-3-メチルピリジニウム、1-ブチル-3,4-ジメチルピリジニウム、1-ブチル-3,5-ジメチルピリジニウム、トリメチルペンチルアンモニウム、トリメチルヘキシルアンモニウム、トリメチルヘプチルアンモニウム、トリメチルオクチルアンモニウム、トリエチルプロピルアンモニウム、トリエチル(2-メトキシエチル)アンモニウム、メチルトリオクチルアンモニウム、トリエチルペンチルアンモニウム、トリエチルヘプチルアンモニウム、ジメチルエチルプロピルアンモニウム、ジメチルブチルエチルアンモニウム、ジメチルエチルペンチルアンモニウム、ジメチルエチルヘキシルアンモニウム、ジメチルエチルヘプチルアンモニウム、ジメチルエチルノニルアンモニウム、ジメチルエチルヘプタデシルアンモニウム、ジメチルジプロピルアンモニウム、ジメチルブチルプロピルアンモニウム、ジメチルプロピルペンチルアンモニウム、ジメチルヘキシルプロピルアンモニウム、ジメチルヘプチルプロピルアンモニウム、ジメチルブチルペンチルアンモニウム、ジメチルブチルヘキシルアンモニウム、ジメチルブチルヘプチルアンモニウム、ジメチルヘキシルペンチルアンモニウム、ジエチルヘプチルメチルアンモニウム、ジヘキシルジメチルアンモニウム、ジプロピルブチルヘキシルアンモニウム、ジヘキシルジプロピルアンモニウム、ジエチルメチルプロピルアンモニウム、ジエチルメチル(2-メトキシエチル)アンモニウム、ジプロピルエチルメチルアンモニウム、ジエチルプロピルペンチルアンモニウム、ジエチルメチルペンチルアンモニウム、エチルメチルプロピルペンチルアンモニウム、ジプロピルメチルペンチルアンモニウム、ジブチルメチルペンチルアンモニウム、ジブチルヘキシルメチルアンモニウム、トリヘキシルテトラデシルホスホニウム、トリイソブチルメチルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、トリエチルスルホニウム等が挙げられる。
常温溶融塩のアニオンとしては、ヘキサフルオロホスフェート、テトラフルオロボレート、メチルスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ビストリフルオロメタンスルホン酸イミド、ビスペンタフルオロエタンスルホン酸イミド、ビスシアノイミド、三酸化窒素、酢酸、トリフルオロメタンカルボン酸等が挙げられる。
常温溶融塩の具体例としては、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムアセテート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムクロライド、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムハイドロジェンサルフェート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムメタンスルホン酸、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムメチルサルフェート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミネート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムチオシアネート、1-エチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムエチルサルフェート、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムアセテート、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムクロライド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムエチルサルフェート、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムハイドロジェンサルフェート、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムメタンスルホン酸、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミネート、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムチオシアネート、1-メチルイミダゾリウムクロライド、1-メチルイミダゾリウムハイドロジェンサルフェート、1,2,3-トリメチルイミダゾリウムメチルサルフェート、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムクロライド、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1-ブチル-3メチルイミダゾリウムヘキサフルオロアンチモネート、1-ブチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1-ドデシル-3イミダゾリウムアイオダイド、1-エチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホン酸、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムジシアンアミド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムナイトレート、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド、1,2-ジメチル-3-プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド、1,2-ジメチル-3-プロピルイミダゾリウムビス(ペンタフルオロエチルスルフォニル)イミド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムヘキサフルオロフォスフェート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムオクチルサルフェート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムトシレート、1-エチル-3メチルイミダゾリウムトシレート、1-メチル-3-オクチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1-メチル-3-オクチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、4-(3-ブチル-1-イミダゾリオ)-1-ブタンスルホン酸トリフレート、4-(3-ブチル-1-イミダゾリオ)-1-ブタンスルフォネート、1-アリール-3-メチルイミダゾリウムクロライド、1-ベンジル-3-メチルイミダゾリウムクロライド、1-ベンジル-3-メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフォネート、1-ベンジル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1-ブチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムクロライド、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム2-(2-メトキシエトキシ)-エチルサルフェート、1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリムヘキサフルオロホスフェート、1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンするフォネート、1-ブチル-3-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド、3-メチル-1-プロピルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド、1-ブチル-4-メチルピリジニウムテトラフルオロボレート、1-ブチル-4-メチルピリジニウムブロミド、1-ブチル-4-メチルピリジニウムクロライド、1-ブチル-4-メチルピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、トリブチルメチルアンモニウムメチルサルフェート、メチル-トリオクチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド、テトラブチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド、テトラエチルアンモニウムトリフルオロメタンスルフォネート、テトラブチルアンモニウムブロミド、メチルトリオクチルアンモニウムチオサリチレート、テトラブチルアンモニウムベンゾエート、テトラブチルアンモニウムメタンスルフォネート、テトラブチルアンモニウムノナフルオロブタンスルフォネート、テトラブチルアンモニウムヘプタデカフルオロオクタンスルフォネート、テトラヘキシルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラオクチルアンモニウムクロライド、テトラペンチルアンモニウムチオシアネート、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムトリフルオロアセテート、テトラブチルアンモニウムアイオダイド、テトラブチルホスホニウムテトラフルオロボレート、トリヘキシルテトラデシルホスホニウムビス(2,4,4-トリメチルペンチル)ホスフィネート、トリヘキシルテトラデシルホスホニウムビス(トリフルオロメチルスルフォニル)アミド、トリヘキシルテトラデシルホスホニウムブロミド、トリヘキシルテトラデシルホスホニウムクロライド、トリヘキシルテトラデシルホスホニウムデカノエート、トリヘキシルテトラデシルホスホニウムジシアンアミド、トリヘキシルテトラデシルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリイソブチルメチルホスホニウムトシレート、3-(トリフェニルホスホニオ)プロパン-1-スルホン酸、3-(トリフェニルホスホニオ)プロパン-1-スルフォネート、テトラブチルホスホニウムp-トルエン」スルフォネート、トリエチルスルフォニウムビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミドが挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して、無機フィラー(B)0. 1〜60重量部、常温溶融塩(C)を含有する。常温溶融塩の添加割合は、無機フィラーの種類、常温溶融塩の種類により異なり、画一的に決められないが、好ましくは無機フィラーの添加量と常温溶融塩の添加量の重量比(R=無機フィラー添加量/常温溶融塩添加量)が0.1≦R≦10の範囲であり、更に好ましくは、0.1≦R≦5である。添加量の重量比が10より多いと無機フィラーの表面への濡れが乏しいため分散能が低くなる場合があり10以下が好ましい。0.1未満だと無機フィラーと常温溶融塩をプレミックスした際、スラリー混合物中の無機フィラーが長時間に亘る保管によって継時的に沈降する場合があるため0.1以上が好ましい。

常温溶融塩は、上記の如く室温付近で液体であり、かつその蒸気圧が極めて低く、従来の分散剤として使用されている高級脂肪酸金属塩よりも耐熱性に優れている。また、樹脂に混合する場合、他の溶媒に溶解して添加する必要もなく、更に常温溶融塩のイオンまたは分子は、それが液体であることから、イオン間または分子間の相互作用が小さく、樹脂中において常温溶融塩のみで凝集する傾向が小さく均一に分散、溶解され、無機フィラーが常温溶融塩に包摂されることにより樹脂との界面張力をさげていると推察される。従って、成形加工温度の高いポリカーボネート樹脂等に常温溶融塩を配合した場合でも熱分解による着色や機能低下を生ずる事は少なく、また揮発成分による作業環境の悪化、人体への悪影響等の問題を起こさず、優れた分散能を発揮することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造は特に限定されるものではなく、無機フィラーと常温溶融塩と熱可塑性樹脂とを、一般的な高速せん断型混合機であるヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等を用いて混合した後、二本ロール、三本ロール、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、単軸混練押出し機、二軸混練押出し機等を用いて溶融混練後、ペレット状に押出し成形されることによって製造される。また、無機フィラーと常温溶融塩をあらかじめアトライター、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、ジェットミル、ホモジナイザー、Q型ミキサー、メカノフュージョン等で混合分散処理し粉体状、顆粒状、スラリー状、ペースト状等の任意の形状を得てから熱可塑性樹脂と混合、溶融混練して成形する方が無機フィラーのぬれが良く好ましい。
以下に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。尚、機械物性試験(引張破壊応力、曲げ強度、曲げ弾性率、シャルピー衝撃強度、アイゾット衝撃強度)はJISの規格を用いて行い、分散性は光学顕微鏡にて評価し、結果を表1に示した。
[実施例1]
熱可塑性樹脂(A)としてポリプロピレン樹脂(「プライムポリプロJ707G」プライムポリマー社製)66.5重量%、無機フィラー(B)としてタルク(「P-3」日本タルク社製、平均粒子径5.1μm)30重量%、常温溶融塩(C)(「CIL-312」日本カーリット社製)3.5重量%を用い、無機フィラーと常温溶融塩をヘンシェルミキサーでプレミックスし、ミックス品と樹脂をタンブリングした後、二軸押出し機(日本プラコン社製)により熱可塑性樹脂組成物を作製した。
[実施例2]
(A)をABS樹脂(「スタイラック‐ABS 180」旭化成ケミカルズ社製)に変更した以外は実施例1と同様に熱可塑性樹脂組成物を作製した。
[実施例3]
(B)を炭酸カルシウム(「ソフトン2200」白石工業社製、平均粒子径1.0μm)に変更した以外は実施例1と同様に熱可塑性樹脂組成物を作製した。
[実施例4]
熱可塑性樹脂(A)としてポリプロピレン樹脂(「プライムポリプロJ707G」プライムポリマー社製)45重量%、無機フィラー(B)として炭酸カルシウム(「ソフトン2200」白石工業社製)45重量%、常温溶融塩(C)(「CIL-312」日本カーリット社製)10重量%に変更した以外は実施例1と同様に熱可塑性樹脂組成物を作製した。
[実施例5]
(A)/(B)/(C)の添加重量比を55/15/30に変更した以外は実施例1と同様に熱可塑性樹脂組成物を作製した。
[実施例6]
(C)を(「1‐ブチル‐3‐メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミネート」アルドリッチ社製) に変更した以外は実施例1と同様に熱可塑性樹脂組成物を作製した。
[実施例7]
(C)を(「トリブチルメチルアンモニウムメチルフルフェート」アルドリッチ社製) に変更した以外は実施例1と同様に熱可塑性樹脂組成物を作製した。
[実施例8]
(C)を(「トリヘキシルテトラデシルホスホニウムテトラフルオロボレート」アルドリッチ社製) に変更した以外は実施例1と同様に熱可塑性樹脂組成物を作製した。
[実施例9]
(C)を(「トリエチルスルホニウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド」アルドリッチ社製) に変更した以外は実施例1と同様に熱可塑性樹脂組成物を作製した。
比較例
[比較例1]
実施例1において、常温溶融塩を添加せず、熱可塑性樹脂(A)としてポリプロピレン樹脂(「プライムポリプロJ707G」プライムポリマー社製)70重量%、無機フィラー(B)としてタルク(「P-3」日本タルク社製)30重量%に代えた以外は、実施例1と同様に熱可塑性樹脂組成物を作成した。
[比較例2]
実施例1において、熱可塑性樹脂(A)としてポリプロピレン樹脂(「プライムポリプロJ707G」プライムポリマー社製)40重量%、無機フィラー(B)としてタルク(「P-3」日本タルク社製)30重量%、ステアリン酸カルシウム(日本油脂社製)1重量%に変更した以外は実施例1と同様に熱可塑性樹脂組成物を作製した。
[比較例3]
実施例2において、常温溶融塩を添加せず、熱可塑性樹脂(A)としてABS樹脂(「スタイラック‐ABS」旭化成ケミカルズ社製)70重量%、無機フィラー(B)としてタルク(「P-3」日本タルク社製)30重量%に代えた以外は、実施例2と同様に熱可塑性樹脂組成物を作製した。
実施例で得られた試験片を以下の基準で評価した。
[機械物性評価]
(1)成形品の機械物性を以下の基準で評価した。
実施例1〜9、比較例1〜3で得られた熱可塑性樹脂組成物とベース樹脂であるポリプロピレン樹脂(「プライムポリプロJ707G」プライムポリマー社製)又は、ABS樹脂(「スタイラック‐ABS 180」旭化成ケミカルズ社製)を用いて、無機フィラー濃度15%に配合し、東芝IS100F型射出成形機にてプレート成形した。また、ベース樹脂たるポリプロピレン樹脂(「プライムポリプロJ707G」プライムポリマー社製)、ABS樹脂(「スタイラック‐ABS 180」旭化成ケミカルズ社製)のみも射出成形した。得られた成形品の引張破壊応力、シャルピー衝撃強度、アイゾット衝撃強度をそれぞれ求め、ベース樹脂のプレートの場合を100%とし、15%に希釈した各プレートの物性の保持率を求めた。
◎ 機械物性の保持率75%以上
○ 機械物性の保持率60%以上75%未満
△ 機械物性の保持率50%以上60%未満
× 機械物性の保持率50%未満
[分散能評価]
(2)成形品中における常温溶融塩の分散状態を以下の基準で評価した。
熱可塑性樹脂組成物を射出成形して得られた成形品をミクロトームで薄肉片を作成したのち任意の4mm2内を光学顕微鏡透過法300倍で観察し分散性を評価した。
1 15μm以上の無機フィラー粗大粒子30個以上
2 15μm以上の無機フィラー粗大粒子20〜30個
3 15μm以上の無機フィラー粗大粒子10〜20個
4 15μm以上の無機フィラー粗大粒子5〜10個
5 15μm以上の無機フィラー粗大粒子0〜5個
Figure 2009096958
成形品の機械物性試験の結果、分散剤として常温溶融塩を使用した熱可塑性樹脂組成物の成形品は、既存の金属石鹸を使用した熱可塑性樹脂組成物、又は、分散剤を使用しない熱可塑性樹脂組成物による成形品に比べ、機械物性の向上が確認できた。また、分散評価試験の結果、実施例1〜9のいずれもほぼ均一に分散し、分散性も良好であることが確認できた。

Claims (4)

  1. 熱可塑性樹脂(A)、無機フィラー(B)、および、常温溶融塩(C)からなる熱可塑性樹脂組成物であって、熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して、平均粒子径が0.1〜60μmである無機フィラー(B)0. 1〜100重量部であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 無機フィラー(B)と常温溶融塩(C)の重量比(R=無機フィラー/常温溶融塩)が0.1≦R≦10である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 常温溶融塩(C)がイミダゾリウム系、ピリジニウム系、アンモニウム系、ホスホニウム系、または、スルホニウム系イオン性液体から選ばれる1種又は2種以上からなることを特徴とする請求項1又は2記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 請求項1ないし3いずれか記載の熱可塑性樹脂組成物を用いて得られる成形品。
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