JP2006316864A - ダンパ - Google Patents

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Takehiko Tsuji
武彦 辻
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Abstract

【課題】 走行時におけるステアリングハンドルの直進操作性を向上させつつ、旋回操作性をも向上させることができるダンパを提供すること。
【解決手段】 ダンパ5は、ピストンロッド52を車体側に連結する車体側取付部59aを備えたマウント59を固定し、マウント59の下面に回動ベアリング部58aと固定ベアリング部58bとからなる樹脂ベアリング58を介して上スプリングシート57を配設している。樹脂ベアリング58は、マウント59の下面に固定ベアリング部58bを組み付けるとともに、回動ベアリング部58aに上スプリングシート57を組み付け、回動ベアリング部58aと固定ベアリング部58bとが互いに接触する接触面の一部に、他の接触面よりも摩擦係数の大きい高摩擦係数部58g,58hを設けている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、樹脂ベアリングを備えたダンパに関する。
従来から自動車には、車体と車輪とを適度な剛性材で支えるとともに、車輪に加わった衝撃が車体に伝達されるのを防止するために、各種のダンパが利用されている。その内で、ストラットダンパと言われているダンパは、ショックアブソーバを構成するピストンロッド(ストラット)の上端部が車体に取り付けられ、ダンパチューブの下端がコントロールアームを介してナックルに連結されてなる。ピストンロッドの上端部には、車体側取付部を備えたマウントが配設され、このマウントの下面に樹脂ベアリングを介して上スプリングシートが設けられている(例えば、特許文献1参照)。
樹脂ベアリングは、マウント組立体の下面プレートに係止された上レースと、この上レースに面接触するとともに上スプリングシートと一体の取付プレートに取り付けられて車輪の転舵角に応じて回動する下レースと、から構成されている。すなわち、上レースは、マウント組立体を介して車体に固定された状態に設置され、下レースは、取付プレート、上スプリングシート、懸架ばね、下スプリングシート、およびダンパチューブを介して車輪側取付部に固定されて回動可能な状態に設置されている。
特開2002−31180号公報(段落0015、図1〜図3)
前記特許文献1のようなダンパにおける樹脂ベアリングは、ステアリングハンドルを回転操作すると、車輪の転舵角に伴って下レースが上レースに対して回動し、面接触する。
例えば、樹脂ベアリングの上レースと下レースとが互いに接触する接触面の摩擦係数が大きい場合には、摩擦抵抗が大きくなることによってステアリングハンドルの回転操作が重くなる。その結果、車庫入れなどの低速でステアリングハンドルを大きく回転操作するときには、ステアリングハンドルが動き難く、旋回操作性に課題がある。
一方、樹脂ベアリングの上レースと下レースとが互いに接触する接触面の摩擦係数が小さい場合には、摩擦抵抗が小さいことによってステアリングハンドルが動き易くなる。その結果、高速道路などで直線道路を速い速度で運転するときには、ステアリングハンドルが動き易くなり、ステアリングハンドルの回転操作の直進操作性に課題がある。
このようなことから、ステアリングハンドルの回転操作は、高速で直線道路を走行するときの直進操作性が良好で、低速で大きく旋回するときの旋回操作性が良好であることが望まれていた。
本発明は、前記課題を解消すべく発明されたものであり、走行時におけるステアリングハンドルの直進操作性を向上させつつ、旋回操作性をも向上させることができるダンパを提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載のダンパは、ピストンロッドを車体側に連結する車体側取付部を備えたマウントを固定し、前記マウントの下面に回動ベアリング部と固定ベアリング部とからなる樹脂ベアリングを介して上スプリングシートを配設したダンパであって、前記マウントの下面に前記固定ベアリング部を組み付けるとともに、前記回動ベアリング部に前記上スプリングシートを組み付け、前記回動ベアリング部と前記固定ベアリング部とが互いに接触する接触面の一部に、他の接触面よりも摩擦係数の大きい高摩擦係数部を設けたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、ダンパは、例えば、ステアリングハンドルを回転操作した場合、マウントの下面に組み付けられた車体側(固定側)の樹脂ベアリングが静止状態にあり、上スプリングシートに組み付けられた車輪側(回動側)の樹脂ベアリングが転舵角に応じて回動する。そして、高速道路などの直線道路を速い速度で走行中のときには、回動ベアリング部と固定ベアリング部とが互いに接触する接触面の一部に設けた摩擦係数の大きい高摩擦係数部同志が互いに接触し合うようにする。その結果、摩擦が大きくなって樹脂ベアリングが滑り難くなるため、ステアリングハンドルの直進操作性を向上させることが可能となる。
また、ステアリングハンドルを回転操作して左右方向に旋回させるときには、回動ベアリング部が転舵とともに回動して、回動ベアリング部および固定ベアリング部の高摩擦係数部同志が互いに非接触になることにより、摩擦力が小さくなって滑り易くなるため、ステアリングハンドルの旋回操作性が向上される。
請求項2に記載のダンパは、請求項1に記載のダンパであって、前記高摩擦係数部は、前記他の接触面よりも表面粗さが粗く形成されてなることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、前記高摩擦係数部は、前記他の接触面よりも表面粗さが粗く形成されたことにより、容易に摩擦係数の異なる箇所を形成することができる。
請求項3に記載のダンパは、請求項1または請求項2に記載のダンパであって、前記回動ベアリング部の前記高摩擦係数部は、車両が直進走行の状態のときに、前記固定ベアリング部の前記高摩擦係数部に接触するように配設されたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、車両が直進走行するときに、回動ベアリング部と固定ベアリング部の高摩擦係数部同志が互いに接触し合うことにより、摩擦抵抗が大きくなるため、ステアリングハンドルを安定させて、直進操作性を向上させることが可能となる。
本発明に係るダンパは、高摩擦係数部を有する回動ベアリング部と固定ベアリング部とからなる安価で、簡素な構造の樹脂ベアリングによって、走行時におけるステアリングハンドルの直進操作性を向上させつつ、旋回操作性をも向上させることができる。
まず、図1〜図4を参照して、本発明の実施形態に係るダンパを説明する。以下、本発明の実施形態に係るダンパは、左右のストラット型懸架装置に同一構造のものを形成するので、その一方を説明し、他方の説明を省略する。
また、本発明の実施形態では、「前」は車両の進行方向側、「後」は車両の後退方向側、「上」は鉛直上方側、「下」は鉛直下方側、「左右」は車幅方向側とする。
本発明の実施形態に係るダンパの説明に先立って、このダンパが組み込まれているストラット型懸架装置について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るダンパの設置状態を示す要部正面図である。
≪ストラット型懸架装置≫
図1に示すようにストラット型懸架装置1は、ドライブシャフト2が軸支されるハブHと、このハブHが固定されたナックル3と、このナックル3の上部に設置された連結継手4と、この連結継手4に取り付けられたダンパ5と、ナックル3の下部に取り付けられたジョイント6と、このジョイント6を介してナックル3を車体に接続するロアアーム7と、タイロッド8とを備えてなる。
ドライブシャフト2は、車輪9に動力を伝えるための駆動軸であり、ナックル3に設置された軸受部(図示せず)によってハブHに連結されている。
ナックル3は、ハブHを転舵自在に支持する部材であり、ドライブシャフト2を軸支する軸受部(図示せず)、ロアアーム7、タイロッド8などが設置されている。ナックル3は、上下端部が、それぞれ車体に揺動自在に連結されたロアアーム7に連結されている。
連結継手4は、ダンパ5の下部とナックル3の上部とを車体の前後方向に延在するボルトによって連結している。
ハブHは、ホイールW(図6参照)を取り付けるための部材であり、図示しない変速機から車幅方向に延設されたドライブシャフト2によって回転駆動されるようになっている。
タイロッド8は、ステアリングホイール(図示せず)の操舵力をハブHに伝達して転舵させるための部材であり、ナックル3から延出したナックルアームの先端部に連結されている。このタイロッド8は、略水平に配設されて、ステアリングギヤ(図示せず)に接続されている。
≪ダンパ≫
図2は、本発明の実施形態に係るダンパの設置状態を示す分解斜視図である。
図2に示すように、ダンパ5は、車体の上下揺動を減衰させるための緩衝部材であり、コイルスプリングSとショックアブソーバ50とが備えられている。ダンパ5は、下端部の連結継手4がナックル3を介してハブHに連結され、上端部のマウント59の車体側取付部59aが車体に締結されている。
図3は、本発明の実施形態に係るダンパの分解斜視図である。
図3に示すように、ダンパ5は、ダンパチューブ51と、ピストンロッド52と、支持板53と、下スプリングシート54と、バンプクッション55と、コイルスプリングSと、スプリングインシュレータ56と、上スプリングシート57と、樹脂ベアリング58と、マウント59とを主に備えてなる。このダンパ5は、ピストンロッド52にマウント59を固定し、このマウント59の下面に、2枚の樹脂ベアリング58,58を介して上スプリングシート57を配設している。
<ショックアブソーバ>
ショックアブソーバ50は、ダンパチューブ51と、ピストンロッド52とから構成される緩衝部材である。ショックアブソーバ50は、ピストンロッド52の下端部をダンパチューブ51に内蔵してあるシリンダ(図示せず)に挿入し、そのピストンロッド52の上端部がダンパチューブ51から突出してマウント59に締結されている。
ダンパチューブ51は、ナックル3の上端部を連結継手4によって連結された底付円筒状の部材からなり、ステアリングハンドル(図示せず)を回転操作すると、前記タイロッド8などを介してナックル3とともに回動する(図1参照)。ダンパチューブ51の上端部には、オイルまたはエアからなる流体が充填されてシリンダ(図示せず)を閉塞するバンプストッパキャップ51aが設置されている。ダンパチューブ51の外周部には、支持板53が固定されている。
ピストンロッド52は、下側が、ダンパチューブ51内に摺動および回動自在に嵌装され、上側が、ダンパチューブ51の上端から上方に突出した棒状部材である。ピストンロッド52は、下スプリングシート54、バンプクッション55、コイルスプリングS,スプリングインシュレータ56、上スプリングシート57、樹脂ベアリング58,58、およびマウント59を挿通し、先端に形成されたねじ部52aにナットNが螺着されている。このピストンロッド52は、車体が上下動すると、マウント59、樹脂ベアリング58,58、上スプリングシート57、スプリングインシュレータ56とともに上下動するように設置されるとともに、コイルスプリングSのばね力によってそれぞれ対向した部材が互いに圧接し合っている。
支持板53は、下スプリングシート54を下方から支持する略鍔状の板部材であり、外周部に、下スプリングシート54が挿入される環状折曲部が上方向に突設されている。この支持板53には、下スプリングシート54がダンパチューブ51と一体に回動するようにするために、下スプリングシート54の係止部54aに係合する係合部53aと、突起54bが挿入される貫通孔53bとが形成されている。
図3に示すように、下スプリングシート54は、コイルスプリングSの下端部を支持する略リング状の金属製板部材であり、支持板53の上側に係合されてダンパチューブ51とともに回動するように組み付けられている。下スプリングシート54には、コイルスプリングSが載置される座面54cと、この座面54cの周縁部から上側に向けて突出して前記コイルスプリングSが横方向に移動するのを規制する環状リブ54dと、前記係止部54aと、前記突起54bと、が一体形成されている。
バンプクッション55は、ピストンロッド52が挿通される略円筒状の部材であり、例えば、弾性を有する合成ゴムによって形成されている。バンプクッション55は、スプリングインシュレータ56の円筒部56a内に内設されることによって保持されて、ピストンロッド52の上端部を弾性的に支持している。バンプクッション55は、コイルスプリングSおよびショックアブソーバ50の最圧縮時に、このバンプクッション55をダンパチューブ51の上端面のバンプストッパキャップ51aに衝合して最圧縮ストロークを規制する役目を果す。
コイルスプリングSは、車両が路面から受ける衝撃力をばね力によって伸縮して吸収するための懸架ばねである。コイルスプリングSは、その伸縮に伴うピストンロッド52の上下動時に、ショックアブソーバ50が発生する減衰力により、その伸縮振動を抑制するものである。コイルスプリングSは、ピストンロッド52の周囲に配設され、下端部が下スプリングシート54に圧接し、上端部がスプリングインシュレータ56のばね受け部56bに圧接した状態に設置されている。このコイルスプリングSは、ステアリングハンドルの回転操作に伴ってダンパチューブ51が回動したときに、下スプリングシート54によって回動されて、上端方向に設置されたスプリングインシュレータ56、上スプリングシート57、および樹脂ベアリング58の回動ベアリング部58aが連動(回動)されるように付勢した状態に組み付けられている。
スプリングインシュレータ56は、バンプクッション55を介してピストンロッド52を支持するとともに、コイルスプリングSの上端を支持するための部材である。スプリングインシュレータ56は、コイルスプリングS内に配置された円筒部(ガイドヘルパー)56aと、この円筒部56aの上端に形成されコイルスプリングSの上端を支持する鍔状のばね受け部56bと、このばね受け部56bの周縁に外方向に向けて突出した複数の突片56cと、を一体形成してなる。このスプリングインシュレータ56は、突片56cを上スプリングシート57の下側周縁に形成された略L字型の係合部57aに係合することによって取り付けられている。
<上スプリングシート>
図3に示すように、上スプリングシート57は、下面に前記スプリングインシュレータ56を係止し、上面に樹脂ベアリング58の下側の回動ベアリング部58aを保持するための略円盤状の部材であり、合成樹脂などによって形成されている。上スプリングシート57は、中央に穿設された孔57bと、この孔57bの周囲に形成された平らな座面57cと、この座面57cに穿設され回動ベアリング部58aの凸部58cが係合される凹部57dと、前記係合部57aと、を備えてなる。
<樹脂ベアリング>
樹脂ベアリング58は、車体側に係止される固定ベアリング部58bと、ナックル3(図2参照)側に固定されてステアリングハンドルの回転操作によって転舵される車輪9(図1参照)とともに回動する回動ベアリング部58aと、から構成されている。このように樹脂ベアリング58は、ダンパ5において、固定側(車体側)と、回動側(ナックル3(図1参照)とが互いに対向し合う位置に配設されている。この樹脂ベアリング58は、マウント59の下面に上側の固定ベアリング部58bを組み付けるとともに、下側の回動ベアリング部58aに上スプリングシート57を組み付け、面接触するように構成されている。樹脂ベアリング58は、ダンパチューブ51の転陀に伴う回動時に、支持板53、下スプリングシート54、コイルスプリングSと、スプリングインシュレータ56、上スプリングシート57を追従させてスムーズに回転させるためのものである。
図4は、本発明の実施形態に係るダンパにおける樹脂ベアリングの設置状態を示す要部拡大分解斜視図である。
図4に示すように、樹脂ベアリング58,58は、2枚の比較的薄いリング状の部材からなり、互いに接触する接触面の一部に、低摩擦係数部58e,58f(他の接触面)よりも摩擦係数の大きい高摩擦係数部58g,58hが設けられている。樹脂ベアリング58は、固定ベアリング部58bと回動ベアリング部58aとからなる樹脂部材から構成されていることにより、全体の厚さが薄く、軽量で、安価で、耐久性に優れたものとすることが可能となる。回動ベアリング部58aおよび固定ベアリング部58bは、例えば、含油ポリアセタール樹脂などの樹脂材料によって形成され、低摩擦係数部58e,58fの表面粗さを小さく形成し、高摩擦係数部58g,58hの表面粗さを粗く形成してなる。
回動ベアリング部58aと固定ベアリング部58bとは、例えば、同一形状のものからなり、車両が直進走行する状態で高摩擦係数部58g,58hが互いに対向する状態に配置されている。回動ベアリング部58aと固定ベアリング部58bとは、常にコイルスプリングS(図3参照)のばね力によって互いに圧接した状態に組み付けられている。回動ベアリング部58aは、上スプリングシート57の座面57c上に載置されるとともに、凸部58cを凹部57dに係合させることによって設置されている。
固定ベアリング部58bは、マウント59の下面にコイルスプリングSによって付勢されて圧接した状態に配置されるとともに、凸部58dを凹部59bに係合させることによってマウント59に連結されている。
図5は、本発明の実施形態に係るダンパにおける樹脂ベアリングの設置状態を示す要部拡大断面図である。
図5に示すように、回動ベアリング部58aと固定ベアリング部58bとは、低摩擦係数部58e,58fと高摩擦係数部58g,58hとがある接触面を常時互いに圧接させた状態で、上スプリングシート57とマウント59とで挟持されている。
なお、凸部58c,58dと凹部57d,59bとは、互いに係合し合う形状のものであればよく、形状および形成される位置は特に限定されない。
図6は、本発明の実施形態に係るダンパにおける樹脂ベアリングの設置状態の一例を示す要部概略平面図である。図7は、本発明の実施形態に係るダンパにおける樹脂ベアリングの設置状態の一例を示す図であり、(a)は車両が直進状態のときの低摩擦係数部と高摩擦係数部との位置関係を示す説明図、(b)は車両が右側に旋回状態のときの低摩擦係数部と高摩擦係数部との位置関係を示す説明図、(c)は車両が左側に旋回状態のときの低摩擦係数部と高摩擦係数部との位置関係を示す説明図である。
車輪9が図6の直進方向aに転舵されているとき、回動ベアリング部58aの高摩擦係数部58gは、図7(a)に示すように、固定ベアリング部58bの高摩擦係数部58hと互いに面接触し合った状態になるように配設されている。
車輪9が図6の右旋回方向bに転舵されているとき、回動ベアリング部58aの高摩擦係数部58gは、図7(b)に示すように、固定ベアリング部58bの高摩擦係数部58hが車輪9の転舵とともに矢印Dの右方向に回動して、高摩擦係数部58g,58h同志が互いに非接触状態になるように配設されている。
車輪9が図6の左旋回方向cに転舵されているとき、回動ベアリング部58aの高摩擦係数部58gは、図7(c)に示すように、固定ベアリング部58bの高摩擦係数部58hが車輪9の転舵とともに矢印Eの左方向に回動して、高摩擦係数部58g,58h同志が互いに非接触状態になるように配設されている。
このように、低摩擦係数部58e,58fは、車両が左右に旋回走行状態のときに高摩擦係数部58g,58hが面接触するように設置されている。低摩擦係数部58e,58fは、例えば、高摩擦係数部58g,58hよりも表面粗さが小さく形成されていて、摩擦抵抗が小さくなっている。低摩擦係数部58e,58fは、例えば、表面粗さが3〜7μmで、摩擦係数が0.15〜0.2μの状態に形成されている。
高摩擦係数部58g,58hは、車両が直進走行状態のときに互いに面接触し合うように設置されている。高摩擦係数部58g,58hは、例えば、低摩擦係数部58e,58fよりも表面粗さが微細な凹凸によって粗く形成されていて、摩擦抵抗が大きくなっている。高摩擦係数部58g,58hは、例えば、表面粗さが10〜15μmで、摩擦係数が0.3〜0.4μの状態に形成されている。
<マウント>
図3に示すように、マウント59は、車体側取付部59aと、凹部59bと、図示しないマウントラバーと、ダンパ5を車体に取り付けるためのボルトB(図4参照)を挿入する孔59cと、ピストンロッド52の上端部が挿通される貫通孔59dと、ナットN、リング、シール材、グロメット、およびカバーからなる車体固定部保護部材Aが配設される収納溝59eと、を備えてなる。
なお、ダンパ5は、ピストンロッド52を、下スプリングシート54、バンプクッション55、コイルスプリングS、スプリングインシュレータ56、上スプリングシート57、樹脂ベアリング58、およびマウント59を挿通して、ねじ部52aにナットNを螺着することで、各部材がコイルスプリングSのばね力で圧接し合う状態に構成されている。
≪作用≫
次に、図6および図7を主に参照しながら本発明の実施形態に係るダンパの作用を説明する。
図6に示す車輪9は、ロアアーム7(図1参照)の基部を中心に上下動する。この動きは、ダンパ5によって減衰され、その後に車体に伝達される。また、転舵の際には、タイロッド8が車幅方向に移動することにより、キングピン軸Kを中心にナックル3、および車輪9が回動する。このとき、ダンパ5は、ピストンロッド52に対して回動ベアリング部58aなどの回動可能な部材が連動する。
車輪9が図6の直進方向aに転舵されて、車両が直進走行の状態のとき、樹脂ベアリング58は、回動ベアリング部58aの高摩擦係数部58gが、図7(a)に示すように、固定ベアリング部58bの高摩擦係数部58hと互いに重なり面接触し合っている。その結果、樹脂ベアリング58は、摩擦係数が大きい箇所同志が接触し合うことによって、摩擦が大きくなって車輪9の転舵方向を維持するため、直進走行が安定される。このため、樹脂ベアリング58の回動ベアリング部58aなどに連動するステアリングハンドル(図示せず)は、高速道路などで直線道路を高速走行するときの直進操作性が良好になる。
例えば、運転者がステアリングハンドルを右側または左側旋回方向に回転操作すると、図6に示すように、タイロッド8が車幅方向に移動して、ナックル3が回動して車輪9が左右旋回方向b,cに転舵される。
そうすると、図3に示すダンパチューブ51、支持板53、下スプリングシート54、バンプクッション55、コイルスプリングS,スプリングインシュレータ56、上スプリングシート57、および回動ベアリング部58aがピストンロッド52を中心として軸回りに回動する。
そして、車輪9が図6の右旋回方向bまた左旋回方向cに転舵されているとき、回動ベアリング部58aの高摩擦係数部58gは、図7(b)、(c)に示すように、固定ベアリング部58bの高摩擦係数部58hが車輪9の転舵とともに、転舵方向と同じ矢印DまたはE方向に回動する。そうすると、高摩擦係数部58g,58h同志が互いに非接触状態になって摩擦力が小さくなるため、樹脂ベアリング58に連動するステアリングハンドルの旋回走行性が向上される。その結果、車両の車庫入れなどでステアリングハンドルを大きく回転操作するときに、小さな操作力で容易に操作できるようになる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。
本発明の実施形態に係るダンパ5は、フロントサスペンションのストラット型懸架装置1に使用した場合の一例を挙げて説明したが、後輪の向きが変化する4WS車両におけるリヤサスペンションのストラット式ダンパとしても適用可能である。
また、樹脂ベアリング58は、低摩擦係数部58e,58fと高摩擦係数部58g,58hとを表面粗さを相違させるように形成したが、摩擦係数が異なるように形成すればよく、これに限定されるものではない。例えば、樹脂ベアリング58は、摩擦係数が小さい含油樹脂などの樹脂材料と、この樹脂材料より摩擦係数が大きい他の樹脂材料とを2色成形することによって、低摩擦係数部58e,58fと高摩擦係数部58g,58hとを形成してもよい。
さらに、樹脂ベアリング58は、摩擦係数が小さい滑りシートなどの材料と、この材料より摩擦係数が大きい樹脂材料とをインサート成形や接着して一体にすることによって、低摩擦係数部58e,58fと高摩擦係数部58g,58hとを形成してもよい。
本発明の実施形態に係るダンパの設置状態を示す要部正面図である。 本発明の実施形態に係るダンパの設置状態を示す分解斜視図である。 本発明の実施形態に係るダンパの分解斜視図である。 本発明の実施形態に係るダンパにおける樹脂ベアリングの設置状態を示す要部拡大分解斜視図である。 本発明の実施形態に係るダンパにおける樹脂ベアリングの設置状態を示す要部拡大断面図である。 本発明の実施形態に係るダンパにおける樹脂ベアリングの設置状態の一例を示す要部概略平面図である。 本発明の実施形態に係るダンパにおける樹脂ベアリングの設置状態の一例を示す図であり、(a)は車両が直進状態のときの低摩擦係数部と高摩擦係数部との位置関係を示す説明図、(b)は車両が右側に旋回状態のときの低摩擦係数部と高摩擦係数部との位置関係を示す説明図、(c)は車両が左側に旋回状態のときの低摩擦係数部と高摩擦係数部との位置関係を示す説明図である。
符号の説明
5 ダンパ
52 ピストンロッド
57 上スプリングシート
58 樹脂ベアリング
58a 回動ベアリング部
58b 固定ベアリング部
58e,58f 低摩擦係数部
58g,58h 高摩擦係数部
59 マウント
59a 車体側取付部

Claims (3)

  1. ピストンロッドを車体側に連結する車体側取付部を備えたマウントを固定し、前記マウントの下面に回動ベアリング部と固定ベアリング部とからなる樹脂ベアリングを介して上スプリングシートを配設したダンパであって、
    前記マウントの下面に前記固定ベアリング部を組み付けるとともに、前記回動ベアリング部に前記上スプリングシートを組み付け、前記回動ベアリング部と前記固定ベアリング部とが互いに接触する接触面の一部に、他の接触面よりも摩擦係数の大きい高摩擦係数部を設けたこと
    を特徴とするダンパ。
  2. 前記高摩擦係数部は、前記他の接触面よりも表面粗さが粗く形成されてなること
    を特徴とする請求項1に記載のダンパ。
  3. 前記回動ベアリング部の前記高摩擦係数部は、車両が直進走行の状態のときに、前記固定ベアリング部の前記高摩擦係数部に接触するように配設されたこと
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載のダンパ。
JP2005139325A 2005-05-12 2005-05-12 ダンパ Pending JP2006316864A (ja)

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