JP2006306247A - 車両用サスペンション装置 - Google Patents

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Toshiji Yoshioka
利治 吉岡
Toru Iiizumi
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Abstract

【課題】 走行時における直進安定性を向上する車両用サスペンション装置を提供すること。
【解決手段】 サスペンション装置Sは、車体に対して固定されたアッパアーム2とロアアーム3に対して、回動可能に取り付けられている。このサスペンション装置Sは、
ホイールW1を回転可能に支持するホイール支持ハブ12bと、キングピン11をピストンロッドとしたシリンダ12と、このシリンダ12の上部に配置した上スプリングSP1と、シリンダ12の下部に配置した下スプリングSP2と、キングピン11に対して回転可能に取り付けられたナックルアーム4とを設け、このナックルアーム4と車輪Wの転舵量を伝達するタイロッドとを連結し、ナックルアーム4とシリンダ12とを上下方向に伸縮可能にかつナックルアーム4によるキングピン11を中心とした回転運動を伝達可能な伝達機構4で連結し、シリンダ12とホイール支持ハブ12bとを固定してなる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車体に対して固定されたアッパアームとロアアームに対して、回動可能に取り付けられたキングピンを備えた車両用サスペンション装置に関する。
従来から自動車には、車体と車輪とを適度な剛性で支えるとともに、車輪に加わった衝撃を緩衝するために、各種のサスペンション装置が使用されている。フロントサスペンション装置の代表的なものとしては、特許文献1に開示されているようなストラット型とダブルウィッシュボーン型とがある。
図5は、従来のサスペンション装置を示す図であり、(a)は平常時のサスペンション装置の状態を示す概略図、(b)は、車輪がバウンドしたときのサスペンション装置の状態を示す概略図、(c)は車輪がリバウンドしたときのサスペンション装置の状態を示す概略図である。
図5(a)に示すように、自動車の車体100と車輪200との間には、車輪200に加わった衝撃を緩衝し支持するために、車輪200を回動自在に支持したナックル300と、このナックル300に設けたリンク機構500と、緩衝用のダンパ装置400と、が介在されている。リンク機構500は、ナックル300の下側と車体100とを連結したロアアーム510と、ナックル300の上側と車体100とを連結したアッパアーム520と、からなる。ダンパ装置400は、ロアアーム510と車体100との間に介在されている。また、ナックル300には、ステアリングハンドルを操舵したときに車輪200を転舵するためのタイロッド600が設置されている。
車輪200は、走行中に路面の凹凸によって、図5(b)、(c)に示すように、バウンドストロークh1およびリバウンドストロークh2の範囲内でバウンドおよびリバウンドする。このときの衝撃は、ダンパ装置400が弾性的に伸縮することによって、車高が調整されて、緩衝されている。そして、タイロッド600は、ナックル300の上昇および下降に伴って上下方向に揺動するように配置されている。車輪200が、キングピン軸k1を中心に回動して転舵されるように配設されている。そして、ステアリング機構は、タイロッドが上下方向に揺動する際に、サスペンション装置によって上下運動する。
特開平5−178041号公報(段落0037、図1〜図2)
特許文献1および図5(a)(b)(c)に示すようなサスペンション装置は、車両が走行中に路面の凹凸などによって車体100が上下動した際に、車輪200のトー角が変化するいわゆるバンプステアが発生するという問題点がある。
このため、従来のサスペンション装置では、このバンプステアを抑制して直進走行の安定性を向上させることが望まれていた。
また、車輪200は、図5(b)(c)に示すように、車体100が上下動した場合であっても、車輪200の傾き角度であるキャンバー角K1,K2が常に一定で、タイヤの接地面積も一定であることが望ましい。
前記のようなサスペンション装置を、特に、超軽量車両に使用した場合、車輪の上下動によって発生するトー変化に伴う横力の変動が、直進安定性の向上のための設定を困難にするという問題点があった。
そこで、本発明は、前記課題を解消すべく発明されたものであり、走行時における直進安定性を向上する車両用サスペンション装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の車両用サスペンション装置は、車体に対して固定されたアッパアームとロアアームに対して、回動可能に取り付けられたキングピンを備える車両用サスペンション装置であって、ホイールを回転可能に支持するホイール支持ハブと、前記キングピンをピストンロッドとし、このピストンロッドに対して摺動可能なシリンダと、このシリンダの上部に配置した上スプリングと、前記シリンダの下部に配置した下スプリングと、前記キングピンに対して回転可能に取り付けられたナックルアームとを設け、このナックルアームと車輪の転舵量を伝達するタイロッドとを連結し、前記ナックルアームと前記シリンダとを上下方向に伸縮可能にかつ前記ナックルアームによる前記キングピンを中心とした回転運動を伝達可能な伝達機構で連結し、前記シリンダと前記ホイール支持ハブとを固定したことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、車両用サスペンション装置は、例えば、ステアリングハンドルを回転操作した場合、車体に固定されたアッパアームとロアアームに対して、回動可能に取り付けられたキングピンを中心として回動して車輪が転舵される。このとき、車両用サスペンション装置は、車輪の転舵の回動中心となるキングピンをピストンロッドとしたシリンダを備え、このシリンダにホイール支持ハブが固定されているため、ホイールがキングピンを中心として回動するようになる。さらに、このシリンダの上部に上スプリングが配置され、その下部に下スプリングが配置されるとともに、シリンダとホイール支持ハブとが固定されて、シリンダとナックルアームとが伝達機構によって連結されている。このため、車輪がバウンドおよびリバウンドしたときに、タイロッドに連結されたナックルアームは、伝達機構、上スプリング、および下スプリングが伸縮し、この上スプリングおよび下スプリングのばね力によって上方向に付勢されているため、上下動せず、車体に対して、常に、一定な高さの位置に保たれている。
この車輪がバウンドおよびリバウンド中であっても、運転者がステアリングハンドルを回転操作すると、操舵量に応じてタイロッドが車幅方向に移動することによって、このタイロッドに連結されたナックルアームが、常に、キングピンを中心として回転して車輪が転舵される。このため、タイヤとシリンダは、キングピン上を上下方向に直線運動し、バンプステア、キャンパー角の変化を無くすことができる。
請求項2に記載の車両用サスペンション装置は、請求項1に記載の車両用サスペンション装置であって、前記伝達機構は、リンク機構を備えてなることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、伝達機構が、リンク機構からなることにより、車輪のバウンドおよびリバウンドに応じて、リンク機構がキングピンの軸線に沿って上下方向に伸縮してナックルアームを所定の位置に保つ。そして、運転者がステアリングハンドルを回転操作した場合、タイロッドが車幅方向に移動するのに伴って、ナックルアームとともにキングピンを中心として回動して車輪を転舵させるため、ステアリングハンドルの操舵角を確実に車輪に伝達することができる。
請求項3に記載の車両用サスペンション装置は、請求項1または請求項2に記載の車両用サスペンション装置であって、前記シリンダには、ハブキャリアが設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、車両が走行中に路面の凹凸などによって車輪がバウンドおよびリバウンドした場合には、シリンダに、ハブキャリアが設けられていることにより、車輪がキングピンの軸線に沿ってシリンダとともに上下動する。
請求項1の車両用サスペンション装置によれば、車輪がバウンドおよびリバウンドしたときに、ナックルアームおよびタイロッドが上下動せず、車体に対して、常に、一定な高さの位置に保たれていることにより、バンプステアが低減されて、車両が直進走行するときのステアリングハンドルの直進操作性が安定される。また、車輪が上下動したときであっても、キャンバー角が常に一定になるので、タイヤの接地面積も一定となるため、ステアリングハンドルの旋回操作性が向上される。
請求項2の車両用サスペンション装置によれば、車輪がバウンドおよびリバウンドした場合であっても、リンク機構が上下方向に伸縮することにより、ナックルアームを所定の位置に保つことができるため、車体の上下動にかかわらずタイロッドの上下方向の揺動がなく、キャンバー角を一定に保ったまま、操舵角を伝達することができる。また、車体の上下動は、上スプリングと、下スプリングと、シリンダ内のピストンとに伝達されて衝撃が緩和させられるとともに、リンク機構の伸縮によって、タイロッドに伝達されることがない。このため、車両は、路面の凹凸によって車輪が上下動した場合であっても、ナックルアームの位置や車高がサスペンション装置によって適宜に調整されるため、直進走行性や乗り心地がよくなる。
請求項3の車両用サスペンション装置によれば、シリンダ、ハブキャリア、車輪とともにキングピンの軸線に沿って上下動するようになるので、バンプステアおよびキャンバー角の変化を抑制することができる。
まず、図1〜図4を参照して、本発明の実施形態に係る車両用サスペンション装置を説明する。以下、本発明の実施形態に係る車両用サスペンション装置は、車体の左右に同一構造のものを配設してなるので、その一方を説明し、他方の説明を省略する。
また、本発明の実施形態では、「前」は車両の進行方向側、「後」は車両の後退方向側、「上」は鉛直上方側、「下」は鉛直下方側、「左右」は車幅方向側とする。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用サスペンション装置を示す要部断面図である。図2は、本発明の実施形態に係る車両用サスペンション装置を示す要部拡大側面図である。図3は、本発明の実施形態に係る車両用サスペンション装置を示す要部拡大平面図である。図4は、本発明の実施形態に係る車両用サスペンション装置を示す要部拡大平面図である。
≪サスペンション装置≫
図1に示すように、サスペンション装置Sは、車体CとホイールW1とを繋ぐ装置であり、車体Cに対して固定されたアッパアーム2とロアアーム3との間に介在されて、路面からの衝撃を吸収するダンパ1を備えて構成されている。このサスペンション装置Sは、車体Cに対して回転可能なキングピン11と、ホイールW1を回転可能に軸支するホイール支持ハブ12bと、キングピン11をピストンロッドとし、このピストンロッドに対して摺動可能なシリンダ12と、このシリンダ12の上部に配置した上スプリングSP1と、シリンダ12の下部に配置した下スプリングSP2と、キングピン11に対して回転可能に取り付けられたナックルアーム4と、このナックルアーム4に連結されて車輪Wの転舵量を伝達するタイロッドTと、ナックルアーム4とダンパ1のシリンダ12との間に介在されて上下方向に伸縮可能にかつ前記ナックルアーム4による前記キングピン11を中心とした回転運動を伝達可能な上下方向に伸縮可能にかつ前記ナックルアーム4による前記キングピン11を中心とした回転運動を伝達可能な伝達機構7と、シリンダ12に固定されたホイール支持ハブ12bと、を備えている。
また、サスペンション装置Sは、シリンダ12に一体に形成されたホイール支持ハブ12bに軸止した車輪Wの車軸W3を備えている。
≪車体≫
図1に示すように、車体Cには、ダンパ1の上端部に配設されたアッパアーム2と、ダンパ1の下端部に配設されたロアアーム3とが固定されている。前記車体Cにおいて、ダンパ1の上端とアッパアーム2との間には、タイロッドTを支持するためのナックルアーム4が配設されている。
タイロッドTは、ステアリングハンドル(図示せず)の操舵力をステアリングギヤボックス(図示せず)、ナックルアーム4などを介して車輪Wに伝達して転舵させるための部材であり、ボールジョイントT1,T2およびタイロッドエンドT3を介してナックルアーム4に軸支されている(図3参照)。このタイロッドTは、車体Cに略水平に配設されて、ステアリングギヤ(図示せず)に接続されている。
≪車輪≫
車輪Wは、ダンパ1のシリンダ(ハブキャリア)12と一体のホイール支持ハブ12bに基端部を固定した車軸W3の先端部に、回転駆動されるように支持されている。なお、この車輪Wは、運転者がステアリングハンドルを回転操作した場合、タイロッドT、伝達機構7を介して後記するシリンダ12内のキングピン11を中心として回動して転舵される。
≪ナックルアーム≫
図1に示すように、ナックルアーム4は、後記するキングピン11の上端部にナックルベアリング41を介して回転自在に軸支される部材であり、車輪Wをダンパ1を介してタイロッドTに連結させるためのものである。図2に示すように、ナックルアーム4は、キングピン11が挿通された軸支部4aと、この軸支部4aに一体に形成されて前記ボールジョイントT1が設けられたアーム部4bと、伝達機構7のリンク72が連結される連結部4cと、を一体形成してなる。このナックルアーム4は、軸支部4aが上スプリングSP1のばね力によって付勢されて、常に、アッパアーム2の下面に当接した状態で配置されている。
≪伝達機構≫
図2に示すように、伝達機構7は、ナックルアーム4とシリンダ12との間に連結されて、ナックルアーム4の回転をシリンダ12に伝達するとともに、シリンダ12が上下動した場合に伸縮してナックルアーム4をアッパアーム2の下に支持するための部材である。すなわち、伝達機構7は、ナックルアーム4とシリンダ12とを上下方向に伸縮可能に連結してナックルアーム4を常に、所定の位置に支持するとともに、タイロッドTによって回動されるナックルアーム4の回動をシリンダ12に伝達して車輪Wを転舵させるための部材である。伝達機構7は、例えば、リンク機構71からなる。
≪リンク機構≫
図2に示すように、リンク機構71は、上下方向に伸縮するパンタグラフ型のステアリングアームである。このリンク機構71は、上端部が連結ピン74によってナックルアーム4の連結部4cに軸支され、下端部が連結ピン74によって下側のリンク73に回動自在に連結されたリンク72と、下端部が連結ピン74によってシリンダ12に一体に形成された連結部12cに軸支されたリンク73と、からなる。このように、リンク機構71は、上端部がナックルアーム4に連結され、下端部が上スプリングSP1を跨ぐようにしてシリンダ12に連結されて、車輪Wがバウンドおよびリバウンドしたときに、キングピン11の軸線方向に伸縮するように屈曲してナックルアーム4の位置を維持する。
リンク機構71は、平常時には、図2に示すような状態にある。リンク機構71は、車輪Wがバウンドしたときに、バンプストロークB1内の範囲でシリンダ12が上昇して、上スプリングSP1および下スプリングSP2を伸縮させながら、リンク機構71のリンク72,73が縮むように屈曲する。
そして、リンク機構71は、車輪Wがリバウンドしたときに、リバウンドストロークB2内の範囲でシリンダ12が下降して、上スプリングSP1および下スプリングSP2を伸縮させながら、リンク機構71のリンク72,73が広がるように延びる。
≪ダンパ≫
図4に示すように、ダンパ1は、車体Cの上下揺動を減衰させるための緩衝装置であり、上スプリングSP1および下スプリングSP2からなるばね部材による緩衝部材と、流体を充填したシリンダ12とピストン13とからなるショックアブソーバ10と、から構成されている。ダンパ1は、車輪Wに対してキングピン傾斜角θ1を有し、上端部が車体中央側に傾斜した状態に配設されている。そして、ダンパ1は、前後方向に対してキャスタ角θ2を有し、上端部が車体後方側に傾斜した状態に配設されている(図2参照)。このダンパ1は、ピストンロッド兼用のキングピン11と、ホイール支持ハブ12bとを固定したシリンダ12と、このシリンダ12の上部に配置した上スプリングSP1と、シリンダ12の下部に配置した下スプリングSP2と、を主に備えている。このダンパ1は、キングピン11の上端をアッパアーム2に固定し、下端部をロアアーム3に固定し、かつ、中央部に配置したシリンダ12をリンク機構71を介してナックルアーム4(図2参照)に連結するとともに、そのシリンダ12に車軸W3を設置している。
≪ショックアブソーバ≫
ショックアブソーバ10は、車体Cの荷重が負荷されるキングピン11に固定されたピストン13が、オイルあるいはエアなどの流体が充填されたシリンダ12に上下動自在に内設されてなる緩衝部材である。
≪キングピン≫
キングピン11は、ロアアーム3に対して回動可能に取り付けられたピストンロッド兼用の金属製棒状部材である。キングピン11は、上端部にアッパアーム2を固定するためのナットNが螺合されるネジ部11aを有し、下端部にロアアーム3を固定するためのナットNが螺合されるネジ部11bを有し、略中央部にピストン13を固定するとともに、シリンダ12が上下動自在に嵌合されている。
≪シリンダ(ハブキャリア)≫
図4に示すように、シリンダ12は、キングピン11に上下動自在に嵌合した略円筒状の部材からなり、上スプリングSP1と下スプリングSP2との間に介在されて両者のばね力によって常時押圧されている。このシリンダ12は、ステアリングハンドルを回転操作すると、前記タイロッドT(図1参照)、ナックルアーム4などを介してリンク機構71(図2参照)とともに回動する。また、シリンダ12の底板部12dには、オイルシールおよびダストシールなどのシール材14が設置されている。一方、シリンダ12の上端部には、流体が充填されてシリンダ12の開口を閉塞するキャップ15、ガイドブッシュ16、およびシール材14が設置されている。
シリンダ12は、車軸W3の軸受としてのホイール支持ハブ12bが一体形成され、ハブキャリアとしての機能も果す。シリンダ12には、車軸W3が軸支される前記ホイール支持ハブ12bと、リンク73を連結するための連結部12cと、ブレーキキャリパ12eとが一体形成されている(図2参照)。このシリンダ12は、運転者がステアリングハンドルを回転操作したときに、ナックルアーム4と、リンク機構71と、車軸W3と、車輪Wとともにキングピン11を中心として回動する(図3参照)。シリンダ12は、車輪Wがバウンドおよびリバウンドしたときに、車輪Wとともにキングピン11に沿って上下動して、ショックアブソーバ10、上スプリングSP1、および下スプリングSP2に荷重を伝達する。
≪ピストン≫
ピストン13は、シリンダ12内を上側流体室と下側流体室とに分離する部材であって、シリンダ12内のキングピン11に固定されている。このピストン13は、シリンダ12を上側流体室と下側流体室と二分するように配設されて、そのシリンダ12内をキングピン11とともに上下動する。ピストン13には、前記上側流体室と下側流体室とに連通する連通孔13aと、その連通孔13aの上側開口に配設されたバウンド側ディスクバルブ13bと、連通孔13aの下側開口に配設されたリバウンド側ディスクバルブ13cとを有する。
図1に示すように、ピストン13は、車輪Wがバウンドしたときに、シリンダ12内の下側流体室の流体を上側流体室に押圧して移動させて、バンプストロークA1内の範囲で下降するように構成されている。
そして、ピストン13は、車輪Wがリバウンドしたときに、シリンダ12内の上側流体室の流体を下側流体室に押圧して移動させて、リバウンドストロークA2内の範囲で上昇するように構成されている。
≪上スプリング、下スプリング≫
上スプリングSP1および下スプリングSP2は、車両が路面から受ける衝撃力をばね力によって伸縮して吸収するための懸架ばねであり、コイルスプリングからなる。上スプリングSP1および下スプリングSP2は、バウンドおよびリバウンド時に、車輪Wの上下動に伴うリンク機構71の伸縮、およびシリンダ12の上下動時に、ショックアブソーバ10が発生する減衰力により、その伸縮振動を抑制するものである。
上スプリングSP1は、キングピン11の周囲に配置され、下端部がシリンダ12の上面に圧接し、上端部がナックルアーム4の下面に圧接した状態に設置されて、車輪Wが上方向にバウンドしたときの衝撃を吸収する。
下スプリングSP2は、キングピン11の周囲に配置され、下端部がロアアーム3に上に載設されたスリップリング17の上部回動部材側の上面に圧接し、上端部がシリンダ12の下面に圧接した状態に設置されて、車輪Wが下方向にリバウンドしたときの衝撃を吸収する。
ちなみに、前記スリップリング17は、下スプリングSP2を回動自在に支持するばね受け部材であり、上側の円形状の回動部材と、この回動部材を回動可能に軸支して下面をロアアーム3の上面に固定した円形状の固定部材とからなる。
≪作用≫
次に、図1〜図4を参照しながら本発明の実施形態に係る車両用サスペンション装置の作用を説明する。
図1に示す車輪Wは、車軸W3を中心として回転することにより、車両が前進および後退する。車両が走行中に路面の凹凸などによって車輪Wがバウンドすると、車輪W、車軸W3、およびシリンダ12とともに上下動する。この動きは、上スプリングSP1、下スプリングSP2、およびショックアブソーバ10によって減衰される。このとき、車輪W、車軸W3、およびシリンダ12は、キングピン11に沿って上下動する。そして、ナックルアーム4は、リンク機構71が伸縮するとともに、上スプリングSP1によってアッパアーム2側に付勢されていることによって、常に、アッパアーム2の下に保持されている。
例えば、運転者がステアリングハンドルを回転操作した場合、図3に示すタイロッドTが車幅方向に移動することにより、ナックルアーム4、リンク機構71、シリンダ12、ホイール支持ハブ12bおよび車輪Wがキングピン11を中心に回動して転舵される。
そして、図1に示すように、車両が走行中に路面の凹凸などによってバウンドしたときには、車輪W、車軸W3、およびシリンダ12が車体Cに対して上昇する。そうすると、シリンダ12は、車体Cに固定のアッパアーム2とロアアーム3との間に配設されたキングピン11の軸線に沿って上昇することによって、内設されたピストン13に対しても上昇することになる。その結果、シリンダ12の上側流体室の流体がピストン13に押圧されて下側流体室へ流れ込み、ピストン13がシリンダ12に対してバンプストロークA1の範囲内で、荷重に応じて下側に移動することになる。このときの流体がピストン13を通過するときの流動抵抗によって、バウンドによる慣性力を減衰させるとともに、キングピン11を介して車体Cにかかる荷重を減衰させる。これにより、車体Cは、車高を適宜な状態に保持されて、乗員の乗り心地を良くすることができる。
さらに、図2に示すように、前記シリンダ12の上部および下部には、上スプリングSP1と下スプリングSP2とが配置されていることにより、シリンダ12の上昇が、メインスプリングである上スプリングSP1によって、緩和される。このとき、リンク機構71および上スプリングSP1は、シリンダ12の上昇に伴ってバンプストロークB1の範囲で、荷重に応じてキングピン11の軸線に沿って圧縮した状態になる。そして、下スプリングSP2は、シリンダ12の上昇した分だけ、キングピン11の軸線に沿って延びる。
このように車輪Wのバウンドは、ショックアブソーバ10と、上スプリングSP1とによって適宜に緩衝される。
そして、運転者がステアリングハンドルを回転操作すると、操舵量に応じてタイロッドTが車幅方向に移動することによって、このタイロッドTに連結されたナックルアーム4がキングピン11に対して回動して車輪Wが転舵される。また、車輪Wがバウンドして上昇したときは、タイロッドTを支持しているナックルアーム4が常にキングピン11の軸線上の所定位置にあるため、バンプステアやキャンバー角θ1の変化を抑制することができ、車両の直進操作性や旋回操作性が向上される。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。
本発明の実施形態に係る車両用サスペンション装置は、FR車のフロントサスペンション装置に使用した場合の一例を挙げて説明したが、車軸W3をドライブシャフトにすることによって、FF車にも適用可能である。
本発明の実施形態に係る車両用サスペンション装置を示す要部断面図である。 本発明の実施形態に係る車両用サスペンション装置を示す要部拡大側面図である。 本発明の実施形態に係る車両用サスペンション装置を示す要部拡大平面図である。 本発明の実施形態に係る車両用サスペンション装置を示す要部拡大平面図である。 従来のサスペンション装置を示す図であり、(a)は平常時のサスペンション装置の状態を示す概略図、(b)は、車輪がバウンドしたときのサスペンション装置の状態を示す概略図、(c)は車輪がリバウンドしたときのサスペンション装置の状態を示す概略図である。
符号の説明
1 ダンパ
2 アッパアーム
3 ロアアーム
4 ナックルアーム
7 伝達機構
11 キングピン
12 シリンダ(ハブキャリア)
12b ホイール支持ハブ
13 ピストン
71 リンク機構
C 車体
S サスペンション装置
SP1 上スプリング
SP2 下スプリング
T タイロッド
W 車輪
W1 ホイール

Claims (3)

  1. 車体に対して固定されたアッパアームとロアアームに対して、回動可能に取り付けられたキングピンを備える車両用サスペンション装置であって、
    ホイールを回転可能に支持するホイール支持ハブと、
    前記キングピンをピストンロッドとし、このピストンロッドに対して摺動可能なシリンダと、
    このナックルアームと車輪の転舵量を伝達するタイロッドとを連結し、
    前記ナックルアームと前記シリンダとを上下方向に伸縮可能にかつ前記ナックルアームによる前記キングピンを中心とした回転運動を伝達可能な伝達機構で連結し、
    前記シリンダと前記ホイール支持ハブとを固定したこと
    を特徴とする車両用サスペンション装置。
  2. 前記伝達機構は、リンク機構を備えてなること
    を特徴とする請求項1に記載の車両用サスペンション装置。
  3. 前記シリンダには、ハブキャリアが設けられていること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用サスペンション装置。
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