JP2006315408A - セルロースエステルフィルムの製造方法及びセルロースエステルフィルム - Google Patents

セルロースエステルフィルムの製造方法及びセルロースエステルフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、異物故障が少ない、セルロースエステルフィルムの製造方法を提供することである。
【解決手段】溶液流延法によって光学フィルムを製造する工程において、主ドープにインライン添加される添加液が見掛比重が70g/リットル以上である二酸化珪素粒子を含むものであって、少なくとも2種類以上の、デプスタイプであり、かつJIS Z 8901に規定される試験用粉体1の8種の0.5ppm水分散液を濾過したときの5〜10μmの粒子捕集率が20〜60%であるカートリッジフィルターであり、かつポリプロピレンまたはステンレス鋼よりなるコアに長繊維を巻きつけた糸巻きタイプのフィルターで濾過された後、インライン添加される直前に、絶対濾過精度30〜60μmで、かつ空孔率ε=60〜80%の金属製フィルターで濾過された後、インライン添加されるセルロースエステルフィルムの製造方法によって達成される。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学用途に利用される光学フィルム及びその製造方法に関するものであり、特に液晶表示装置等に用いられる偏光板用保護フィルム、位相差フィルム、視野角拡大フィルム、プラズマディスプレイに用いられる反射防止フィルムなどの各種機能フィルム、又、有機ELディスプレイ等で使用される各種機能フィルム等にも利用することができる光学フィルム及びその製造方法に関するものである。
近年、ノートパソコンの薄型軽量化、高精細化の開発が進んでいる。それに伴って、液晶用偏光板用の保護フィルムもますます薄膜化の要求が強くなってきている。偏光板用保護フィルムには、一般的にセルロースエステルフィルムが広く使用されている。
セルロースエステルフィルムには滑り性(耐ブロッキング)の改善や耐傷性の改善のために、特許文献1などに記載されている様に種々の粒子等を含有させたり、塗布したりすることが知られている。
また、特許文献2には、上記目的で含有させる微粒子の凝集を改善するために、表面にメチル基を有する粒子を採用する添加方法が提案されている。しかしながら、高精細化に伴って、今まで問題とならなかったわずかな微粒子の凝集物が異物として、問題となっている。
特開平1−299847号公報 特開平7−011055号公報
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、異物故障が少なく、生産性にも優れたセルロースエステルフィルムおよびその製造方法を提供することである。
本発明の上記目的は、以下の手段により達成される。
(1)溶液流延法によって光学フィルムを製造する工程において、主ドープにインライン添加される添加液が見掛比重が70g/リットル以上である二酸化珪素粒子を含むものであって、少なくとも2種類以上の、デプスタイプであり、かつJIS Z 8901に規定される試験用粉体1の8種の0.5ppm水分散液を濾過したときの5〜10μmの粒子捕集率が20〜60%であるカートリッジフィルターであり、かつポリプロピレンまたはステンレス鋼よりなるコアに長繊維を巻きつけた糸巻きタイプのフィルターで濾過された後、インライン添加される直前に、絶対濾過精度30〜60μmで、かつ空孔率ε=60〜80%の金属製フィルターで濾過された後、インライン添加されていることを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法により達成される。
(2)前記(1)のセルロースエステルフィルムの製造方法によって製造されたことを特徴とするセルロースエステルフィルムフィルムにより達成される。
液晶表示装置、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等の各種表示装置に偏光板用保護フィルム、位相差フィルム、視野角拡大フィルム、反射防止フィルム等として用いられる異物故障の少ない高品質の光学フィルムが得られる。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明において、主ドープとは、本発明のセルロースエステルフィルムを製造する際のドープ液であり、添加液と区別するために主ドープと呼ぶ。添加液は樹脂成分を高濃度で含有するドープ液と容易に混合せしめるために、ドープ液と同様の樹脂成分を混合する場合があり、これと区別するためフィルム形成樹脂成分の大部分を含む添加液ではないドープ液を主ドープと呼ぶ。
光学フィルムの製造時に混入する微粒子の凝集物(異物)の除去に関連した技術として、これまで、例えば、前記特開平7−11055にあるように主ドープを濾過処理する記載はあるが、主ドープに添加する添加液の濾過に関する記載はない。
特に、微粒子の分散液または微粒子の含有されている添加液の凝集物が問題になる場合、フィルターによって取り除くことは容易に考えられる。しかし、我々の鋭意研究の結果、セルロースエステルフィルムの添加液中の凝集物を取り除くためにはフィルターの構造、細かさなどの条件を適正にすることが重要であることがわかった。通常のフィルタリングにおいては細かいフィルターを使用してフィルタリングを行えば凝集物が減少し、又細かすぎるフィルターを使用するとフィルターが目詰まる。しかし、セルロースエステルフィルムに添加する微粒子の含有されている添加液は細かすぎるフィルターを使用してもフィルターは目詰まらず、凝集物が増加してしまうことを見いだし、この発明にいたったものである。
また濾過や主ドープへの添加に使用するポンプにおいても通常使用されるギヤポンプでは長時間使用したとき、凝集を発生させることを見いだし、この発明にいたったものである。
フィルターはそのメディア構造からサーフェイスタイプとデプスタイプの2つに大きく分類することができる。サーフェイスタイプは被濾過物の通過するメディアの距離が短く、表面の目開きで除去できる粒子の大きさが決まるタイプをいう。本発明においてはサーフェイスタイプのフィルターは長時間使用すると表面でゲル状凝集物同士が接触し、さらに大きな凝集物に成長し、圧力上昇によってフィルターを通過してしまうため、凝集物を除去できず増加させてしまうことが我々の研究で明らかになった。
サーフェイスタイプとしては、例えばアドバンテック東洋(株)製濾紙プリーツカートリッジフィルターTCタイプやふるいに使用されている金属メッシュなどがあげられる。
他方デプスタイプのフィルターは深層濾過または体積濾過とも言い、メディアの厚さをある程度持たせたものである。このタイプのフィルターはフィルター部分での凝集物同士が接触する可能性が、サーフェイスタイプに比べて低く、大きなゲル状凝集物を生成しにくく、長時間使用しても圧力上昇も少なく、又、ゲル状凝集物を除去することができるため好ましい。
デプスタイプとしては、例えばアドバンテック東洋(株)製ワインドカートリッジフィルターTCWタイプ、デプスカートリッジフィルターTCPDタイプや日本精線(株)製ファインポアNFシリーズなどがあげられる。
これらインライン添加される添加液は少なくとも孔径の異なった2種類以上のデプスフィルターで濾過されることがサイズの異なった種々の凝集物に対し有効に濾過を行うとが出来るので好ましく、又、劣化が少なく好ましい。
これら、後述する図1や図3のフィルター12に使用されるフィルターはJIS Z 8901に規定される試験用粉体1の8種の0.5ppm水分散液を濾過したときの5〜10μmの粒子捕集率が20〜60%のフィルターであることが好ましく、添加液はこれらのフィルターで濾過された後、インライン添加されていることが好ましい。粒子捕集率としては30〜50%がさらに好ましい。粒子捕集率が少ない方が凝集を成長させることがない点が好ましく、粒子捕集率が多い方が凝集を除去する点で好ましい。粒子捕集率20〜60%としては、例えばアドバンテック東洋(株)製ワインドカートリッジフィルターTCW−1N、同3N、同5N、同10N、同25N、同50N、プリーツカートリッジフィルターTCPE−10、同30などがあげられる。粒子捕集率30〜50%としては、例えばアドバンテック東洋(株)製ワインドカートリッジフィルターTCW−3N、同5N、同10N、同25Nなどがあげられる。また、粒子捕集率20〜60%のフィルターを粒子捕集率の少ないフィルターで濾過した後、粒子捕集率の多いフィルターでさらに濾過することが凝集を成長させることなく、凝集を除去する点でもっとも好ましい。粒子捕集率は以下のように定義する。
(粒子捕集率)
JIS Z8901に規定される試験用粉体1の8種(使用材料 関東ローム)の0.5ppm水分散液を10リットル/minで濾過し、自動粒子カウンターにて原液及び濾液の粒子数を計測し、5〜10μmの粒子捕集率を求めた。この時使用したフィルターはサイズ250mm×φ60のものを1本用い濾過を行った。濾過回数は1回であった。
粒子捕集率(%)=(原液中の個数−濾液中の個数)/(原液中の個数)×100
本発明の光学フィルムを得るには、溶液流延法によってこれを製造する工程で、主ドープにインライン添加される添加液を濾過するフィルターとして、上記に定義されるフィルター用い、その後、インライン添加する。
このフィルターにおいてもデプスタイプのフィルターが前記の理由により好ましい。
フィルターは濾材構造によってメンブランタイプと糸巻きタイプに分けられる。メンブランタイプは濾材にある一定の大きさと分布を持った穴が多くあいているタイプで、同じ大きさと分布を持った穴があいた濾材を何枚か重ねるとメンブランタイプでサーフェイスタイプのフィルターとなり、外側からコアに向かって濾材の穴の大きさを徐々に小さくした濾材を何枚かある程度の厚み(10〜20mm)になるように重ねて作るとメンブランタイプでデプスタイプのフィルターができる。
メンブランタイプとしては、例えばアドバンテック東洋(株)製メンブランカートリッジフィルターTCFタイプ、プリーツカートリッジフィルターTCPEタイプなどがあげられる。
糸巻きタイプは濾材に一定の空隙を持ったエンドレスの例えばポリプロピレンの様な長繊維を撚糸せずに使用し、コアに一定の密度で巻きつけたもので、芯となるコアから密度勾配を持たせずに巻きつければ、サーフェイスタイプとなり、濾材の空隙を変化させたり、密度勾配を持たせる等、コア方向に細かくしていけば、デプスタイプのフィルターとなる。糸巻きタイプとしては、例えばアドバンテック東洋(株)製ワインドカートリッジフィルターTCWタイプなどがある。(コアとは濾材の糸やメンブランを巻き付ける中空の芯のことである)
本発明のインライン添加液に含まれる凝集は2次、3次凝集のゲル状であるため、メンブランタイプの濾材では凝集(物)が抜けやすく、糸巻きタイプの方が凝集(物)の捕捉力に優れていて好ましい。
このタイプのフィルターにおいてもデプスタイプのフィルターが前記の理由により好ましい。
又、フィルターの、濾材としてはポリプロピレンであることが、耐溶剤性の観点で好ましい。又、フィルターのコア材料としてはポリプロピレンまたはステンレス鋼が好ましく、中でもステンレス鋼がより好ましい。ステンレス鋼は長時間使用しても溶剤でコアが膨潤しにくく、締め付け部から凝集物が抜けることがないため好ましく、これらのフィルターを用いて、添加液を濾過した後、主ドープにインライン添加することが好ましい。
これらのフィルターによる濾過はある回数を設けた方が凝集物の除去の効果が向上する。しかしながら、多すぎても工数の割に効果が少なくなるので濾過する回数としては3〜10回が好ましい。
本発明の光学フィルムの製造方法においては、主ドープ液に添加液をインラインミキサーで混合する直前に(直前の工程において)、絶対濾過精度30〜60μmの金属製フィルターで濾過することが好ましい。直前とは、工程的にいえば、直前に濾過工程があることであり、フローからいえば、濾過の直後、連続的に、添加液が停滞することなく例えばストックタンクや送液ポンプ等を介さないでインラインミキサーに送られ主ドープ液と混合されるということである。それにより液の停滞や、送液ポンプにより新たに凝集物が発生しないことが好ましい。これらのフィルターはインラインミキサーの直前に配設されており、例えばフィルター交換等に伴い経路から発生する大きな凝集物を送液中の添加液から、一度の濾過で、比較的大きな異物を確実にとるためのフィルターで、前記の絶対濾過精度を有する長期に亘り使用が可能な耐溶剤性を有する金属製のフィルターが好ましい。金属としては耐久性の観点からステンレス鋼が好ましい。又、これらのフィルターは前記のデプスタイプのフィルターと異なり、設置後は余り頻繁に交換しないことが好ましく、従って目詰まりの観点からε=60〜80%の空孔率を有していることが好ましい。
従って、最も好ましくは、絶対濾過精度30〜60μmであって、かつ空孔率ε=60〜80%の金属製フィルターで濾過する事であり、これにより、長期に亘り、確実に粗大な異物を確実に除くことができ好ましい。絶対濾過精度30〜60μmでかつ空孔率ε=60〜80%の金属製フィルターとしては、例えば、日本精線(株)製ファインポアNFシリーズのNF−10、同NF−12、同NF−13などがあげられる。
これら、後述する図2や図3においてインライン添加される直前に設けられたフィルター15は絶対濾過精度30〜60μmの金属フィルターで濾過されることが好ましく、40〜50がさらに好ましい。絶対濾過精度が小さい方が凝集を取り除く能力に優れるため好ましく、大きい方が長時間使用しても差圧の上昇が少なく、フィルター交換頻度が少なくでき、生産性に優れる点で好ましい。
(絶対濾過精度)
絶対濾過精度は以下のように定義される。JIS Z 8901に規定される試験用粉体2のガラスビーズと純水をビーカーに入れ、スターラーで撹拌しながら、図4に示すような装置で吸引濾過を行う。ここにおいて、Aが測定しようとするフィルター試料、Bが原液をそしてCが濾液を表す。原液はスターラーで攪拌されており、Pの低圧真空ポンプにより大気圧から−3.99kPaの圧力に維持されて濾過が行われる。Vは開閉できるバルブを表す。この時の原液と濾液のガラスビーズの個数を顕微鏡で観察し、以下の式で粒子捕集率を求める。粒子捕集率95%の時の粒子径を絶対濾過精度とした。
粒子捕集率(%)=(原液中の個数−濾液中の個数)/(原液中の個数)×100
(空孔率)
これらのフィルターは空孔率ε=60〜80%であることが好ましく、65〜75%がさらに好ましい。空孔率の大きい方がと圧力損失が小さくなる点で好ましく、空孔率の小さい方が耐圧性に優れるため好ましい。空孔率を求めるには、まずフィルターを表面張力の低い溶媒中に浸漬し、フィルター中の空気を取り除き、溶媒の増加した量からフィルターの空孔量を求め、フィルターの体積で割れば、算出することができる。
金属製フィルターの材質としてはステンレス鋼が好ましい。長時間の使用しても溶剤でコアが膨潤しにくく、締め付け部から凝集物が抜けることがない等のため好ましい。
従って本発明の最も好ましい態様においては、主ドープにインライン添加され
る添加液を、JIS Z 8901に規定される試験用粉体1の8種の0.5ppm水分散液を濾過したときの5〜10μmの粒子捕集率が20〜60%であるカートリッジフィルターであって、かつポリプロピレンまたはステンレス鋼よりなるコアに長繊維を巻きつけた糸巻きタイプの、少なくとも2種類以上の、デプスタイプフィルターにより濾過した後、更にインライン添加される直前に、絶対濾過精度30〜60μmで、かつ空孔率ε=60〜80%の金属製フィルター(好ましくはステンレス製)で濾過された後、インライン添加されることである。
本発明の溶液流延法によって光学フィルムを製造する工程においては、主ドープにインライン添加される添加液を先ず、フィルターの単位面積あたりの流量10ml/min/cm2以下で濾過することにより凝集物を取り除く。この流量は添加液の種類により、又、微粒子成分の種類により用いるフィルターをかえて実施することが好ましく、前述のように好ましくは複数回の濾過を行い、凝集物を添加液から除く工程であり、なるべく早く添加液を調製することが生産性の上からも好ましく、前記の値迄の比較的流量の多いところで濾過を行う方が、本発明光学フィルムの製造の生産性の上からは好ましい。
又、更に、インライン添加される直前に設けられた金属フィルターはフィルターの単位面積あたりの流量で1ml/min/cm2以下という、前記添加液から凝集物を除くためのフィルターに比べ、流延にあわせた比較的遅い速度で濾過することが好ましい。設置後は余り頻繁に交換しないことから、余り速い流量での濾過はこの場合はフィルターの目詰まりが起きやすくなるので余り好ましくない。これにより大きな異物を取り除くというフィルターの目的を長期に亘り維持できる。
前記のような濾過を行うときの差圧は200kPa以下であることが好ましい。差圧200kPa以下で行うことにより凝集物の捕捉を安定的に行うことができる。差圧が200kPaを越えてしまうと、フィルターに捕捉していた凝集物がフィルターから一部抜けて液中に混入するため、差圧200kPa以下で行うことが好ましい。100kPa以下がさらに好ましい。本発明における濾過を行う時の差圧とは、フィルターの入り側の圧力−フィルター出側の圧力である。
又、濾過を行う時の温度は30〜110℃であることが好ましい。温度は高い方がインライン添加液の粘度が低下し、濾過するときの圧力を低下することができるため好ましい。溶剤の沸点以上温度範囲に設定する場合は、圧力を溶剤が沸騰しないように調整する。通常の設備で設定できる圧力範囲から30〜110℃が好ましい。
本発明の製造方法においては主ドープにインラインで添加される添加液が、微粒子を含むことが好ましく、これを主ドープに含有するよりも微粒子物質の分散や濾過等による工数を少なくすることができる。
本発明において用いられる微粒子については後述する如何なるものにおいてもよいが、微粒子のうちではケイ素を含むものが濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。更に、二酸化珪素微粒子の1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見掛比重が70g/リットル以上の二酸化珪素微粒子であることが好ましい。
送液を行うポンプには回転ポンプと、往復動ポンプがある。回転ポンプには、ギヤポンプ、スクリューポンプ、カムポンプなどがあり、一般にケーシング内部で殆ど間隙の無いようにつくられた歯車、仕切板、スクリューなどを回転し、液体をその間隙に閉じこめて押し動かして輸送するものである。これらの例としては川崎重工業(株)製ギヤポンプH3CMがある。又、往復動ポンプには、プランジャーポンプ、ダイヤフラムポンプなどのポンプがあり、ピストンやプランジャーなどの往復運動により間欠的に液を送るものである。単動は1往復につき2回の吸い込み及び吐出を行う。間欠的に液を送るため脈動が発生する。これを平均化するために2連、3連にシリンダー数を増やして使用することが好ましい。
これらの例としては富士テクノ工業(株)製プランジャーポンプHYSA−16、日揮装(株)製ミルフロー制御容量ポンプC23Y−1.5F−14D1D等がある。
主ドープにインライン添加される添加液の送液は、上記のうち往復動ポンプで送液される事が好ましい。ギアポンプのような回転ポンプにおいては添加液の液層中に微粒子分散液が狭い間隙を通過する構造になっており、凝集物がそこで発生しやすいためと本発明者らは考えている。特に、インラインミキサーにて混合を行う直前に設けられた金属フィルターに送液を行うポンプにおいては、ダイアフラムポンプやプランジャーポンプ等の往復動ポンプを用いることが好ましく、それによりフィルターへの負荷を大幅に低減できる。
上記の製造方法により得られた光学フィルムは、セルロースエステルフィルムであり、液晶表示装置等に用いられる偏光板用保護フィルム、位相差フィルム、視野角拡大フィルム、プラズマディスプレイに用いられる反射防止フィルムなどの各種機能フィルム、又、有機ELディスプレイ等で使用される各種機能フィルム等にも利用することができる。
本発明に用いられるセルロースエステルとしては、セルロースの低級脂肪酸エステルであることが好ましい。
セルロースエステルの低級脂肪酸エステルにおける低級脂肪酸とは炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味し、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート等がセルロースの低級脂肪酸エステルの好ましい例として挙げられる。例えば、2〜4のアシル基を置換基として有し、アセチル基の置換度をX、またプロピオニル基またはブチリル基の置換度をYとして、下記式(I)及び(II)
(I) 2.6≦X+Y≦3.0
(II) 0≦X≦2.5
を同時に満たすセルロースエステルを有機溶媒に溶解させてセルロースエステルドープとし、該ドープを用いて溶液流延製膜法で製膜することが好ましい。
本発明に係わるセルロースエステルの原料のセルロースとしては、特に限定はないが、綿花リンター、木材パルプ、ケナフなどを挙げることができる。又、それらから得られたセルロースエステルはそれぞれ任意の割合で混合使用することができる。本発明に係わるセルロースエステルは、セルロース原料をアシル化剤が酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸)である場合には、酢酸のような有機酸やメチレンクロライド等の有機溶媒を用い、硫酸のようなプロトン性触媒をもちいて反応される。
アシル化剤が酸クロライド(CH3COCl、C25COCl、C37COCl)の場合には、触媒としてアミンのような塩基性化合物を用いて反応が行われる。具体的には、特開平10−45804号に記載の方法等を参考にして合成することができる。又、本発明に係わるセルロースエステルは各置換度にあわせて上記アシル化剤量を調整混合して反応させたものであり、セルロースエステルはこれらアシル基がセルロース分子の水酸基に反応する。
セルロース分子はグルコースユニットが多数連結したものからなっており、グルコースユニットに3個の水酸基がある。この3個の水酸基にアシル基が誘導された数を置換度(モル%)という。例えば、セルローストリアセテートはグルコースユニットの3個の水酸基全てにアセチル基が結合している。
本発明に係わるセルロースエステルとしては、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、又はセルロースアセテートプロピオネートブチレートのようなアセチル基の他にプロピオネート基或いはブチレート基が結合したセルロースエステルが挙げられる。
尚、プロピオネートは、n−の他に、iso−、ブチレートは、n−の他に、iso−、sec−、tert−をそれぞれ含む。
プロピオネート基を置換基として含むセルロースアセテートプロピオネートは耐水性が優れ、液晶画像表示装置用のフィルムとして有用である。
アシル基の置換度の測定方法はASTM−D817−96の規定に準じて測定することができる。
本発明に係わるセルロースエステルの数平均分子量は70,000〜250,000の範囲が、成型した場合の機械的強度が強く、かつ、適度なドープ粘度となり好ましく、更に好ましくは、80,000〜150,000である。
本発明に係わる光学フィルムを用いた偏光板の主たる構成要素である偏光膜とは、一定方向の偏波面の光だけを通す素子であり、現在知られている代表的な偏光膜は、ポリビニルアルコール系偏光フィルムで、これはにポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと二色性染料を染色させたものがある。これらは、ポリビニルアルコール水溶液を製膜し、これを一軸延伸させて染色するか、染色した後一軸延伸し、好ましくはホウ素化合物で耐久性処理を行ったものが用いられている。該偏光膜の面上に本発明の透明な光学フィルムを偏光板用保護フィルムとして張り合わされて偏光板を形成する。
本発明の光学フィルムに用いるセルロースエステルフィルムの製造方法について説明する。
本発明において、セルロースエステルが溶解しているドープ液とは、セルロースエステルが溶剤(溶媒)に溶解している状態であり、前記ドープ液には、可塑剤を加える、勿論、必要によりこの他の添加剤を加えることも出来る。ドープ液中のセルロースエステルの濃度としては、10〜30質量%が好ましく、更に好ましくは、18〜23質量%である。
本発明で用いられる溶剤は、単独でも併用でもよいが、良溶剤と貧溶剤を混合して使用することが、生産効率の点で好ましく、更に好ましくは、良溶剤と貧溶剤の混合比率は良溶剤が70〜95質量%であり、貧溶剤が30〜5質量%である。
本発明に用いられる良溶剤、貧溶剤とは、使用するセルロースエステルを単独で溶解するものを良溶剤、単独で膨潤するかまたは溶解しないものを貧溶剤と定義している。そのため、セルロースエステルの結合酢酸量によっては、良溶剤、貧溶剤が変わり、例えばアセトンを溶剤として用いるときには、セルロースエステルの結合酢酸量55%では良溶剤になり、結合酢酸量60%では貧溶剤となってしまう。
本発明に用いられる良溶剤としては、メチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物やジオキソラン類、酢酸メチルなどが挙げられる。
また、本発明に用いられる貧溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノール、シクロヘキサン等が好ましく用いられる。
上記記載のドープ液を調製する時の、セルロースエステルの溶解方法としては、一般的な方法を用いることができるが、好ましい方法としては、セルロースエステルを貧溶剤と混合し、湿潤あるいは膨潤させ、さらに良溶剤と混合する方法が好ましく用いられる。このとき加圧下で、溶剤の常温での沸点以上で、かつ溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱し、攪拌しながら溶解する方法が、ゲルやママコと呼ばれる塊状未溶解物の発生を防止するため、より好ましい。
加圧は窒素ガスなどの不活性気体を圧入する方法や、加熱による溶剤の蒸気圧の上昇によって行ってもよい。加熱は外部から行うことが好ましく、例えばジャケットタイプのものは温度コントロールが容易で好ましい。
溶剤を添加しての加熱温度は、使用溶剤の沸点以上で、かつ該溶剤が沸騰しない範囲の温度が好ましく例えば60℃以上、70〜110℃の範囲に設定するのが好適である。又、圧力は設定温度で、溶剤が沸騰しないように調整される。
溶解後は冷却しながら容器から取り出すか、または容器からポンプ等で抜き出して熱交換器などで冷却し、これを製膜に供する。このときの冷却温度は常温まで冷却してもよいが、沸点より5〜10℃低い温度まで冷却し、その温度のままキャスティングを行うほうが、ドープ粘度を低減できるためより好ましい。
キャスト工程における支持体はベルト状もしくはドラム状のステンレス鋼を鏡面仕上げした支持体が好ましく用いられる。キャスト工程の支持体の温度は一般的な温度範囲0℃〜溶剤の沸点未満の温度で、流延することができるが、0〜30℃の支持体上に流延するほうが、ドープをゲル化させ剥離限界時間をあげられるため好ましく、5〜15℃の支持体上に流延することがさらに好ましい。剥離限界時間とは透明で平面性の良好なフィルムを連続的に得られる流延速度の限界において、流延されたドープが支持体上にある時間をいう。剥離限界時間は短い方が生産性に優れていて好ましい。
流延(キャスト)される側の支持体の表面温度は、10〜55℃、溶液の温度は、25〜60℃、更に溶液の温度を支持体の温度より0℃以上高くするのが好ましく、5℃以上に設定するのが更に好ましい。
溶液温度、支持体温度は、高いほど溶媒の乾燥速度が速くできるので好ましいが、あまり高すぎると発泡したり、平面性が劣化する場合がある。
支持体の温度の更に好ましい範囲は、20〜40℃、溶液温度の更に好ましい範囲は、35〜45℃である。
また、剥離する際の支持体温度を10〜40℃、更に好ましくは、15〜30℃にすることでフィルムと支持体との密着力を低減できるので、好ましい。
製造時のセルロースエステルフィルムが良好な平面性を示すためには、支持体から剥離する際の残留溶媒量は、10〜80%が好ましく、更に好ましくは、20〜40%であり、特に好ましくは、20〜30%である。
本発明においては、残留溶媒量は下記式で定義される。
残留溶媒量=(加熱処理前質量−加熱処理後の質量)/(加熱処理後質量)×100%
尚、残留溶媒量を測定する際の、加熱処理とは、フィルムを115℃で1時間の加熱処理を行うことを表す。
支持体とフィルムを剥離する際の剥離張力は、通常200〜250Newton/mで剥離が行われるが、セルロースエステルの単位質量あたりの紫外線吸収剤の含有量が多く、且つ、従来よりも薄膜化されている本発明のセルロースエステルフィルムは、剥離の際にシワが入りやすいため、剥離できる最低張力から170Newton/m以内の力で剥離することが好ましく、更に好ましくは、最低張力から140Newton/m以内の力で剥離することである。
また、セルロースエステルフィルムの乾燥工程においては、支持体より剥離したフィルムを更に乾燥し、残留溶媒量を3質量%以下にすることが好ましい、更に好ましくは、0.5質量%以下である。
フィルム乾燥工程では一般にロール懸垂方式か、ピンテンター方式でフィルムを搬送しながら乾燥する方式が採られる。液晶表示部材用としては、ピンテンター方式で幅を保持しながら乾燥させることが、寸法安定性を向上させるために好ましい。特に支持体より剥離した直後の残留溶剤量の多いところで幅保持を行うことが、寸法安定性向上効果をより発揮するため特に好ましい。フィルムを乾燥させる手段は特に制限なく、一般的に熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等で行う。簡便さの点で熱風で行うのが好ましい。乾燥温度は40〜150℃の範囲で3〜5段階の温度に分けて、段々高くしていくことが好ましく、80〜140℃の範囲で行うことが寸法安定性を良くするためさらに好ましい。
セルロースエステルフィルムには可塑剤が含有されるのが好ましい。用いることのできる可塑剤としては特に限定はないが、リン酸エステル系では、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸エステル系では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート等、グリコール酸エステル系では、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等を単独あるいは併用するのが好ましい。
これらの可塑剤を含有することにより、寸法安定性、耐水性に優れたフィルムが得られるため特に好ましい。
本発明においては前述の紫外線吸収剤とこれらの可塑剤のうち融点20℃以下の可塑剤を併用することが加工性に優れ、前記異物故障や面品質の上で好ましい。融点20℃以下の可塑剤としては、融点が20℃以下であれば特に限定されず、上記可塑剤の中から選ぶことができる。例えば、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリブチルホスフェート、ジエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、トリアセチン、エチルフタリルエチルグリコレート等をあげることができる。これらの可塑剤を単独あるいは併用するのも好ましい。
本発明中の融点とは、共立出版株式会社出版の化学大辞典に記載されている真の融点を融点としている。
これらの可塑剤の使用量は、フィルム性能、加工性等の点で、セルロースエステルに対して1〜15質量%が好ましい。液晶表示部材用としては、寸法安定性の観点から5〜15質量%が更に好ましく、特に好ましくは、7〜12質量%である。
又、光学フィルムに含まれる全可塑剤の内、10質量%以上が20℃以下の可塑剤であることが好ましく、20質量%以上がさらに好ましい。
またセルロースエステルに対して融点が20℃以下の可塑剤の含有量は1質量%〜10質量%が好ましく、更に好ましくは、3質量%〜7質量%である。
加工性とはベースフィルムや液晶表示部材をスリット加工や打ち抜き加工する際の加工のしやすさのことで、加工性が悪いと切断面がノコギリ状になり切り屑が発生し、製品に付着して異物故障となるため好ましくない。
またセルロースエステルに対して紫外線吸収剤をポリマーの固形分の総和に対する質量%で、0.01〜3.0質量%、好ましくは、0.5〜2.0質量%、より好ましくは0.8〜2.0質量%程度添加してもよい。紫外線吸収剤の使用量が3.0質量%より多いと透明性が悪くなり、フィルムが黄色く着色する傾向があり好ましくない。例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などがあげられるが、これらに限定されない。
本発明の上記の紫外線吸収剤において、分配係数が9.2以上の紫外線吸収剤を含有していることが好ましく、10.0以上がさらに好ましく、10.1以上がさらに好ましく、10.3以上が最も好ましい。分配係数が大きい程ロール汚れが発生しにくく、異物や押され故障が減少するため好ましい。
分配係数が大きいほど、ロール汚れが発生しにくく、異物や押され故障が減少する理由は完全に明らかではないが、分配係数が大きくなることにより、結晶化しにくくなる効果が効いていると考えられる。このために硬い異物にならず、上記故障が減少することが考えられる。
分配係数とは以下の式で定義できるオクタノールと水の分配率を表す。
logPo/w Po/w=So/Sw
So:25℃でn−オクタノール中での該有機化合物の溶解度
Sw:25℃で純水中での該有機化合物の溶解度
これらはこの通りにn−オクタノールと水を用いて測定することも出来るが、本発明においては、これら分配係数は、HPCLによる計算法を用いた。これは高速クロマトグラフィーを用いる方法であり、OECDガイドライン117分配係数(n−オクタノール/水)高速クロマトグラフィー法(1989年3月30日採択)に記載されているもので、HPLCの測定条件を以下に示す。
装置:LCモジュール(ウォーターズ社製)
カラム:イナートシルODS−2 250mm×4.6mm(GLサイエンス社製)
温度:40℃
溶離液:メタノール:1%リン酸水溶液=90:10
流量:1.0ml/min
検出波長:210nm
注入サンプル:約50ppmのメタノール溶液
又、光学フィルムは380nmにおける透過率が8%以下であることが好ましく、5%以下がさらに好ましい。380nmにおける透過率の低い光学フィルムが偏光板を作製したときの耐光性に優れるため好ましい。
上記、紫外線吸収剤は樹脂フィルムに対し質量で0.5%以上含有されていることが好ましい。これ以下では、紫外線吸収効果が小さく、余りに多すぎるとブリーディングを起こし、又、フィルム強度も損なうので、総量で10%以下が好ましい。
分配係数9.2以上の紫外線吸収剤と前記の融点が20℃以下の可塑剤を組み合わせて使うと、ロール汚れが良化するため好ましい。
前記の紫外線吸収剤のうち、本発明に用いられる好ましい紫外線吸収剤は、以下に示す一般式1で表されるものである。
Figure 2006315408
式中、R1、R2、R3、R4、R5は一価の有機基であり、R1、R2、R3、R4、R5はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。但し、R1、R2、R3の少なくとも1つは総炭素数10〜20の無置換の分岐または直鎖のアルキル基である。
ここで、一価の有機基としては、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、モノ又はジアルキルアミノ基、アシルアミノ基又は5〜6員の複素環基等を表す。
1、R2、R3の少なくとも1つは総炭素数10〜20の無置換の分岐または直鎖のアルキル基であるが、更に好ましいのは総炭素数11〜18であり、最も好ましいのは総炭素数12〜15である。この範囲にあるとき、分配係数が上記の好ましい範囲となり、ロール汚れが減少すると同時に樹脂との相溶性にも優れる。総炭素数の多い方がロール汚れが減少する点で優れ、総炭素数の少ない方が樹脂との相溶性に優れる。余り炭素数が多くなると樹脂との相溶性が損なわれる。これらの紫外線吸収剤の具体的な化合物例を以下にあげるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2006315408
又、好ましい紫外線吸収剤は、以下の一般式2で表される。
Figure 2006315408
式中、R1、R2、R4、R5は一価の有機基であり、一般式1におけるR1〜R5と同じものを表す。又、R6は分岐のアルキル基である。
分岐のアルキル基としてはイソプロピル基、イソブチル基等の炭素数3〜20 迄の分岐のアルキル基であり、好ましくは炭素数3〜18、更に好ましくは3〜15である。
これらの具体例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2006315408
本発明のセルロースエステルフィルムは、高い寸法安定性、良好な紫外線カット性能から液晶表示用部材に用いられるのが好ましい。液晶表示用部材とは液晶表示装置に使用される部材のことで、例えば、偏光板、偏光板用保護フィルム、位相差板、反射板、視野角向上フィルム、防眩フィルム、無反射フィルム、帯電防止フィルム等があげられる。上記記載の中でも、寸法安定性に対しても厳しい要求のある偏光板、偏光板用保護フィルムにおいて、本発明のセルロースエステルフィルムは更に好ましく用いられる。
本発明の光学フィルムには、マット剤として加える微粒子は主ドープに添加してもよいが、前記のように、添加液に加えるのが生産性の上からは好ましい。添加液に添加し光学フィルムに含有せしめる又、主ドープに含有せしめてもよいが、微粒子としてはいかなるものも用いることが出来る。
本発明に使用される微粒子としては無機化合物の例として、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。しかしながら、微粒子はケイ素を含むものが濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。これらの例としては、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されているものがあり、使用することができる。更に、二酸化珪素微粒子の1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見掛比重が70g/リットル以上の二酸化珪素微粒子であることが好ましい。これらを満足する二酸化珪素の微粒子としては、例えば、アエロジル200V、アエロジルR972Vがあり、光学フィルムの濁度を低く保ちながら、摩擦係数をさげる効果が大きいため特に好ましい。
又、ポリマーの例として、シリコーン樹脂、弗素樹脂及びアクリル樹脂を挙げることができ、シリコーン樹脂が好ましく、特に三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール103、同105、同108、同120、同145、同3120及び同240(以上東芝シリコーン(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
又、その他、フィルムの耐熱性を向上させる目的で、ヒンダードフェノール系の化合物等を加えてもよく、これらの化合物の添加量は、セルロースエステルに対して質量割合で1ppm〜1.0%が好ましく、10〜1000ppmが更に好ましい。
又、このほかに、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属の塩などの熱安定剤を加えてもよい。
上記の他に、更に、帯電防止剤、難燃剤、滑り剤等も適宜添加してよい。
図1は本発明の光学フィルムを製造する装置の一例である。
主ドープ溶解タンク1は、セルロースエステルをメチレンクロライド等の溶剤(溶媒)に10〜30質量%の濃度で溶解させ主ドープ液を調製するタンクである。主ドープには、可塑剤、必要によりこの他の添加剤を加えることも出来る。
上記構成成分を主ドープ溶解タンク1に投入し、加熱、攪拌しながら溶解し、送液ポンプ2にてプレスフィルター3で濾過し主ドープストックタンク4に送られる。
一方、添加液は、例えば、添加液ミキシングタンク10に添加液成分を投入し、混合し溶解した後、必要ならフィルター12にて濾過を行い再び添加液ミキシングタンク10に戻す。次いで、二酸化珪素分散液を加えて充分混合し添加液を調製し、更にフィルター12にて添加液を送液ポンプ11添加液ミキシングタンクに循環しつつ濾過し、添加液ストックタンク13に切替弁16を切り替えることにより送液する。
次いで、主ドープストックタンク4から送液ポンプ5によりフィルター6を通し濾過しながら送液し、一方、添加液ストックタンク13から添加液を送液ポンプ14(例えばプランジャーポンプ)を通しインラインミキサー7(例えば東レ静止型管内混合器Hi−Mixer SWJ)に送り、これを主ドープと混合する。
インラインミキサー7で混合されたドープは次いで、ベルト流延装置9上に、必要な温度条件で流延ダイ8から均一に流延される。支持体上で、残留溶媒を適度に蒸発させ、支持体から剥離する。図示されていないが剥離したセルローストリアセテートフィルムはこの後、一定幅にスリットされ、その後、乾燥ゾーンを多数のロールで搬送させながら乾燥を終了させる。
図2は本発明の光学フィルムの製造装置の別の例である。
図2においては、前記図1におけるフィルター12が省略されており、代わりに送液ポンプ14によりインラインミキサー7に送る途中、インライン添加される直前に金属製(ステンレス鋼)フィルター15が設置されているものである。
図3は更に別の一例を示す図であり、ここでは図1の装置に更に、添加液をインラインミキサーに送液し、主ドープ液と混合する直前に金属(ステンレス鋼)製のフィルター15が付設されているものである。
以下、実施例により本発明の態様を具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
実施例1
図1の工程図に従ってトリアセチルセルロースフィルムを作製した。
〈試料101〜120〉
(主ドープ液Aの調製)
リンター綿から合成されたトリアセチルセルロース 85質量部
木材パルプから合成されたトリアセチルセルロース 15質量部
エチルフタリルエチルグリコレート 2.2質量部
トリフェニルホスフェート 9.5質量部
メチレンクロライド 475質量部
エタノール 50質量部
以上を主ドープ溶解タンク1に投入し、加熱し、撹拌しながら、完全に溶解し、プレスフィルター3で濾過し、主ドープ液を調製し、主ドープストックタンク4に送液した。
(酸化珪素分散液A)
アエロジル200V(日本アエロジル(株)製) 10質量部
(一次粒子の平均径12nm、見掛け比重100g/リットル)
エタノール 90質量部
以上をディゾルバーで30分間撹拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行った。分散後の液濁度は93ppmであった。
(添加液Aの作製)
紫外線吸収剤Ti−326(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
3.7質量部
紫外線吸収剤Ti−109(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
6.2質量部
紫外線吸収剤Ti−171(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
6.2質量部
リンター綿から合成されたトリアセチルセルロース 4質量部
メチレンクロライド 100質量部
以上を添加液ミキシングタンク10に投入し、加熱し、撹拌しながら、完全に溶解し、添加液ミキシングタンク10に循環させながらフィルター12で濾過をした。フィルター12には表1記載のフィルターA4をセットして濾過を行った。
又、濾過回数は以下の式で計算した。
濾過回数=濾過時間(min)/(添加液ミキシングタンクの液量(リットル)/濾過流量(リットル/min))
Figure 2006315408
フィルターの粒子捕集率については以下の方法で測定した。
(粒子捕集率)
JIS Z8901に規定される試験用粉体1の8種(使用材料 関東ローム)の0.5ppm水分散液を10リットル/minで濾過し、自動粒子カウンターにて原液及び濾液の粒子数を計測し、5〜10μmの粒子捕集率を求めた。この時使用したフィルターはサイズは250mm×φ60ものを1本用い、フィルターでの濾過回数は1回であった。
粒子捕集率(%)=(原液中の個数−濾液中の個数)/(原液中の個数)×100
前記紫外線吸収剤及びトリアセチルセルロースからなる液に前記酸化珪素分散液Aを10質量部撹拌しながら加えて、さらに30分間撹拌し、添加液Aを作製した。添加液Aを、前記表1に示すフィルターをフィルター12にセットし、添加液ミキシングタンク10に循環させながら表2に示す条件で濾過し、添加液ストックタンク13に送液し、添加液A−1を調製した。この時のフィルターサイズは250mm×φ60でありこれを3本用い濾過を行った。また濾過した添加液Aの量は50リットルであった。濾過回数は以下の式で計算した。
濾過回数=濾過時間(min)/(添加液ミキシングタンクの液量(リットル)/濾過流量(リットル/min))
主ドープストックタンク4から送液ポンプ5で濾過しながら送液し、主ドープ100質量部に対して添加液A−1を1.5質量部の割合になるように添加液ストックタンク13から送液ポンプ14(プランジャホンプ)で加えて、インラインミキサー7(東レ静止型管内混合機 Hi−Mixer SWJ)で十分混合し、次いでベルト流延装置9を用い、温度33℃、1500mm幅でステンレスバンド支持体に流延ダイ8から均一に流延した。ステンレスバンド支持体で、残留溶媒量が25%になるまで溶媒を蒸発させ、剥離張力130Newton/mでステンレスバンド支持体上から剥離した。剥離したセルローストリアセテートフィルムを1300mm幅にスリットし、その後、乾燥ゾーンを多数のロールで搬送させながら乾燥を終了させ、1100mm幅にスリットし、セルローストリアセテートフィルム試料101を作製した。このときのセルローストリアセテートフィルムの膜厚は40μmであった。
又、試料101は濾過する添加液の量を500リットルにかえたものも同様にして作製した。
試料101の添加液Aを濾過するフィルター条件を表1に示すようにかえた以外は同様にしてそれぞれ2つずつの試料102〜120を作製した。
試料110と試料114の動摩擦係数を測定したところ、試料110は0.8で試料114は1.1であった。試料110の方が動摩擦係数が低く好ましい。尚、動摩擦係数の測定は以下のようにして行った。
フィルム表面と裏面間の動摩擦係数(μ)について、JIS−K−7125(1987)に準じ、フィルムの表裏面が接触するように切り出し、200gのおもりを載せ、サンプル移動速度100mm/分、接触面積80mm×200mmの条件で重りを水平に引っ張り、重りが移動中の平均荷重(F)を測定し、下記式より求めた。
動摩擦係数=F(gf)/おもりの重さ(gf)
又、作製した試料について以下のように初期異物を評価した。
(初期異物)
ベルト流延装置の巻き取り部の直前にオンライン欠陥検査機を設置し、流延開始から1時間後のセルローストリアセテートフィルム100m2あたりの100μm以上の異物故障数をカウントした。
Figure 2006315408
実施例2
図2の工程図に従ってトリアセチルセルロースフィルムを作製した。
〈試料201〜213〉
(主ドープ液Aの調製)
リンター綿から合成されたトリアセチルセルロース 85質量部
木材パルプから合成されたトリアセチルセルロース 15質量部
エチルフタリルエチルグリコレート 2.2質量部
トリフェニルホスフェート 9.5質量部
メチレンクロライド 475質量部
エタノール 50質量部
以上を主ドープ溶解タンク1に投入し、加熱し、撹拌しながら、完全に溶解し、プレスフィルター3で濾過し、主ドープストックタンク4に送液し、主ドープ液を調製した。
(酸化珪素分散液A)
アエロジル200V(日本アエロジル(株)製) 10質量部
(一次粒子の平均径12nm、見掛け比重100g/リットル)
エタノール 90質量部
以上をディゾルバーで30分間撹拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行った。分散後の液濁度は93ppmであった。
(添加液Aの作製)
紫外線吸収剤Ti−326(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
3.7質量部
紫外線吸収剤Ti−109(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
6.2質量部
紫外線吸収剤Ti−171(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
6.2質量部
リンター綿から合成されたトリアセチルセルロース 4質量部
メチレンクロライド 100質量部
以上を添加液ミキシングタンク10に投入し、加熱し、撹拌しながら、完全に溶解した。これに酸化珪素分散液Aを10質量部撹拌しながら加えて、さらに30分間撹拌し、添加液Aを作製し、送液ポンプ11で添加液ストックタンク13に送液した。
主ドープストックタンク4から送液ポンプ5で濾過しながら送液し、主ドープ100質量部に対して添加液Aを1.5質量部の割合になるように添加液ストックタンク13から送液ポンプ14(プランジャホンプ)で送液し、インライン添加直前にフィルター15で濾過した後、加えてインラインミキサー7(東レ静止型管内混合機 Hi−Mixer、SWJ)で十分混合し、次いでベルト流延装置9を用い、温度33℃、1500mm幅でステンレスバンド支持体に流延ダイ8から均一に流延した。フィルター15には表3に記載のフィルターB1をセットして濾過を行った。ステンレスバンド支持体で、残留溶媒量が25%になるまで溶媒を蒸発させ、剥離張力127N/mでステンレスバンド支持体上から剥離した。剥離したセルローストリアセテートフィルムを1300mm幅にスリットし、その後、乾燥ゾーンを多数のロールで搬送させながら乾燥を終了させ、1100mm幅にスリットし、セルローストリアセテートフィルム試料201を作製した。このときのセルローストリアセテートフィルムの膜厚は40μmであった。
試料201のインライン添加直前のフィルター15を表4に示すようにかえて濾過した以外は同様にして試料102〜213を作製した。
以上の試料について以下の様な方法にて異物の評価を行った。
(初期異物)
異物故障と実施例1と同様にして、流延開始から1時間後のセルローストリアセテートフィルム100m2あたりの100μm以上の異物故障数をカウントした。
(異物限度時間)
異物故障と同様にして、流延開始から、セルローストリアセテートフィルム100m2あたりの100μm以上の異物故障数をカウントし、異物故障数が400個を越えるまでの時間を計測した。
又、フィルター15に用いたフィルターの絶対濾過精度については、以下の方法により測定した。
(絶対濾過精度)
JIS Z 8901に規定される試験用粉体2のガラスビーズと純水をビーカーに入れ、スターラーで撹拌しながら、図4に示すような装置で吸引濾過を行った。この時の原液と濾液のガラスビーズの個数を顕微鏡で観察し、以下の式で粒子捕集率を求めた。粒子捕集率95%の時の粒子径を絶対濾過精度とした。
粒子捕集率(%)=(原液中の個数−濾液中の個数)/(原液中の個数)×100
Figure 2006315408
Figure 2006315408
実施例3
図3の工程図に従ってトリアセチルセルロースフィルムを作製した。
〈試料301〜311〉
(主ドープ液Aの調製)
リンター綿から合成されたトリアセチルセルロース 85質量部
木材パルプから合成されたトリアセチルセルロース 15質量部
エチルフタリルエチルグリコレート 2.2質量部
トリフェニルホスフェート 9.5質量部
メチレンクロライド 475質量部
エタノール 50質量部
以上を主ドープ溶解タンク1に投入し、加熱し、撹拌しながら、完全に溶解し、プレスフィルター3で濾過し、主ドープストックタンク4に送液した。主ドープ液を調製した。
(酸化珪素分散液A)
アエロジル200V(日本アエロジル(株)製) 10質量部
(一次粒子の平均径12nm、見掛け比重100g/リットル)
エタノール 90質量部
以上をディゾルバーで30分間撹拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行った。分散後の液濁度は93ppmであった。
(添加液Aの作製)
紫外線吸収剤Ti−326(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
3.7質量部
紫外線吸収剤Ti−109(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
6.2質量部
紫外線吸収剤Ti−171(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
6.2質量部
リンター綿から合成されたトリアセチルセルロース 4質量部
メチレンクロライド 100質量部
以上を添加液ミキシングタンク10に投入し、加熱し、撹拌しながら、完全に溶解し、添加液ミキシングタンク10に循環させながらフィルター12で濾過をした。フィルター12には表1記載のフィルターA4をセットして濾過を行った。濾過回数は以下の式で計算した。
濾過回数=濾過時間(min)/(添加液ミキシングタンクの液量(リットル)/濾過流量(リットル/min))
これに酸化珪素分散液Aを10質量部撹拌しながら加えて、さらに30分間撹拌し、添加液Aを作製した。添加液Aを表1に示すフィルターをフィルター12にセットし、添加液ミキシングタンク10に循環させながら表1に示す条件で濾過し、添加液ストックタンク13に送液し、添加液A−1を調製した。この時のフィルターはサイズ250mm×φ60のもの3本を使用した。また濾過した添加液Aの量は50リットルであった。濾過回数は以下の式で計算した。
濾過回数=濾過時間(min)/(添加液ミキシングタンクの液量(リットル)/濾過流量(リットル/min))
主ドープストックタンク4から送液ポンプ5で濾過しながら送液し、主ドープ100質量部に対して添加液A−1を1.5質量部の割合になるように添加液ストックタンク13から送液ポンプ14(プランジャホンプ)で送液し、インライン添加直前にフィルター15で濾過した後、加えてインラインミキサー7(東レ静止型管内混合機 Hi−Mixer、SWJ)で十分混合し、次いでベルト流延装置9を用い、温度33℃、1500mm幅でステンレスバンド支持体に流延ダイ8から均一に流延した。フィルター15には表6に記載の金属フィルターをセットして濾過を行った。ステンレスバンド支持体で、残留溶媒量が25%になるまで溶媒を蒸発させ、剥離張力127N/mでステンレスバンド支持体上から剥離した。剥離したセルローストリアセテートフィルムを1300mm幅にスリットし、その後、乾燥ゾーンを多数のロールで搬送させながら乾燥を終了させ、1100mm幅にスリットし、セルローストリアセテートフィルム試料301を作製した。このときのセルローストリアセテートフィルムの膜厚は40μmであった。
試料301のフィルター13とインライン添加直前のフィルター15を表6に示すようにかえて濾過し、また添加液Aと主ドープ液Aを表5記載の様に以下の添加液、主ドープ液にかえた濾過方法をかえた以外は同様にして試料302〜311を作製した。
(主ドープ液Bの調製)
CAP(セルロースアセテートプロピオネート:アセチル置換度2.0、
プロピオニル基置換度0.8、数平均分子量100000)
85質量部
リンター綿から合成されたトリアセチルセルロース 15質量部
エチルフタリルエチルグリコレート 2.2質量部
トリフェニルホスフェート 9.5質量部
メチレンクロライド 340質量部
エタノール 60質量部
以上を主ドープ溶解タンクに投入し、加熱し、撹拌しながら、完全に溶解し、プレスフィルター3で濾過し、主ドープストックタンク4に送液し、主ドープ液Bを調製した。
(主ドープ液Cの調製)
CAP(セルロースアセテートプロピオネート:アセチル置換度2.0、
プロピオニル基置換度0.8、数平均分子量100000)
15質量部
リンター綿から合成されたトリアセチルセルロース 85質量部
エチルフタリルエチルグリコレート 2.2質量部
トリフェニルホスフェート 9.5質量部
メチレンクロライド 340質量部
エタノール 60質量部
以上を主ドープ溶解タンクに投入し、加熱し、撹拌しながら、完全に溶解し、プレスフィルター3で濾過し、主ドープストックタンク4に送液した。主ドープ液Cを調製した。
(主ドープ液Dの調製)
CAP(セルロースアセテートプロピオネート:アセチル置換度2.0、
プロピオニル基置換度0.8、数平均分子量100000)
100質量部
エチルフタリルエチルグリコレート 2.2質量部
トリフェニルホスフェート 9.5質量部
メチレンクロライド 340質量部
エタノール 60質量部
以上を主ドープ溶解タンクに投入し、加熱し、撹拌しながら、完全に溶解し、プレスフィルター3で濾過し、主ドープストックタンク4に送液した。主ドープ液Dを調製した。
(酸化珪素分散液B)
アエロジルR972V(日本アエロジル(株)製) 10質量部
(一次粒子の平均径16nm、見掛け比重90g/リットル)
エタノール 90質量部
以上をディゾルバーで30分間撹拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行った。分散後の液濁度は110ppmであった。
(酸化珪素分散液C)
アエロジルR972V(日本アエロジル(株)製) 5質量部
(一次粒子の平均径16nm、見掛け比重90g/リットル)
アエロジル200V(日本アエロジル(株)製) 5質量部
(一次粒子の平均径12nm、見掛け比重100g/リットル)
エタノール 90質量部
以上をディゾルバーで30分間撹拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行った。分散後の液濁度は104ppmであった。
試料301〜311について実施例2と同様に評価した結果を以下に示す。
Figure 2006315408
Figure 2006315408
本発明の光学フィルムを製造する装置の一例。 本発明の光学フィルムを製造する装置の別の一例。 本発明の光学フィルムを製造する装置の別の一例。 フィルターの捕集効率の測定の概要を示す図。
符号の説明
1 主ドープ溶解タンク
2、5、11、14 送液ポンプ
3 プレスフィルター
4 主ドープストックタンク
6 フィルター
7 インラインミキサー
8 流延ダイ
9 ベルト流延装置
10 添加液ミキシングタンク
12 フィルター
13 添加液ストックタンク
15 フィルター
16 切り替え弁
A フィルター試料
B 原液
C 濾液
S スターラー
V バルブ
M マノメータ
P 定圧真空ポンプ

Claims (3)

  1. 溶液流延法によって光学フィルムを製造する工程において、主ドープにインライン添加される添加液が見掛比重が70g/リットル以上である二酸化珪素粒子を含むものであって、少なくとも2種類以上の、デプスタイプであり、かつJIS Z 8901に規定される試験用粉体1の8種の0.5ppm水分散液を濾過したときの5〜10μmの粒子捕集率が20〜60%であるカートリッジフィルターであり、かつポリプロピレンまたはステンレス鋼よりなるコアに長繊維を巻きつけた糸巻きタイプのフィルターで濾過された後、インライン添加される直前に、絶対濾過精度30〜60μmで、かつ空孔率ε=60〜80%の金属製フィルターで濾過された後、インライン添加されていることを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
  2. 前記二酸化珪素粒子の一次粒子径が20nm以下であることを特徴とする請求項1記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
  3. 請求項1または2に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法によって製造されたことを特徴とするセルロースエステルフィルム。
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