JPH11323017A - セルロースアシレート溶液の調製方法、セルロースアシレートフィルムの製造方法及びセルロースアシレートフィルム - Google Patents
セルロースアシレート溶液の調製方法、セルロースアシレートフィルムの製造方法及びセルロースアシレートフィルムInfo
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- JPH11323017A JPH11323017A JP13676098A JP13676098A JPH11323017A JP H11323017 A JPH11323017 A JP H11323017A JP 13676098 A JP13676098 A JP 13676098A JP 13676098 A JP13676098 A JP 13676098A JP H11323017 A JPH11323017 A JP H11323017A
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Abstract
を実質的に使用しない非塩素系有機溶媒を用い冷却溶解
方法及び高圧溶解方法により、溶解性の良好なセルロー
スアシレート溶液を調製する方法を、またその溶液を用
い、発泡もなく、平面性に優れたセルロースアシレート
フィルム及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 −100〜−10℃で移送中の非塩素系
有機溶媒に、150℃以下で粉砕した粒子径が0.05
〜2.0mmの範囲のセルロースアシレートを連続的に
添加して形成した混合物を膨潤させる工程、膨潤した混
合物から分離手段により非塩素系有機溶媒の一部を分離
して濃縮する工程、及び濃縮後の混合物を0〜120℃
で移送中の前記と同組成の非塩素系有機溶媒を混合し溶
液を形成する工程を経ることを特徴とするセルロースア
シレート溶液の調製方法。
Description
光材料又は液晶画像表示装置に有用なセルロースアシレ
ートフィルム製造に用いるセルロースアシレート溶液の
調製方法、その溶液を用いたセルロースアシレートフィ
ルムの製造方法及びその方法で製造されたセルロースア
シレートフィルムに関する。
画像表示装置に使用されているセルローストリアセテー
トフィルムを製造する際に使用されるセルローストリア
セテート溶液の有機溶媒には、メチレンクロライドのよ
うな塩素系炭化水素が使用されている。メチレンクロラ
イド(沸点41℃)は従来からセルローストリアセテー
トの良溶媒として用いられ、製造工程の製膜及び乾燥工
程において沸点が低いことから乾燥させ易いという利点
により好ましく使用されている。ところが、最近塩素系
化合物の使用が制限される方向にあり、メチレンクロラ
イドを使用しないか大幅に削減できるセルローストリア
セテートフィルムの製造方法の発明が待たれていた。従
来、メチレンクロライド以外にセルローストリアセテー
トに対する溶解性を示す溶媒として知られているものに
は、アセトン(沸点56℃)、酢酸メチル(沸点56.
3℃)、テトラヒドロフラン(沸点65.4℃)、1,
3−ジオキソラン(沸点75℃)、ニトロメタン(沸点
101℃)、1、4−ジオキサン(沸点101℃)、エ
ピクロルヒドリン(沸点116℃)、N−メチルピロリ
ドン(沸点202℃)などがある。これらの有機溶媒は
実際に溶解試験を行ってみると必ずしも良溶媒とは言い
難いものもあり、また爆発などの懸念のあるもの、沸点
が高いもの等実用に供し得るものは殆どなかった。
通常の方法ではセルローストリアセテートを膨潤させる
だけで、溶解させるまでには至らなかった。近年、セル
ローストリアセテートをアセトンに溶解させて繊維やフ
ィルムを作る試みがなされている。
akromolekulare Chemie、143
巻、105〜114頁(1971年)においてセルロー
ストリアセテート(酢化度60.1〜61.3%)をア
セトン中で−80〜−70℃に冷却した後、加温するこ
とによって0.5〜5重量%の稀薄溶液が得られたと報
告している。このような低温で溶解する方法を冷却溶解
方法という。また、上出健二等は、繊維機械学会誌、3
4巻、7号、57〜61頁(1981年)の「三酢酸セ
ルロースのアセトン溶液からの乾式紡糸」の中で冷却溶
解方法を用いた紡糸技術について述べている。
57号公報では、上記技術を背景に、実質的にアセトン
からなる有機溶媒を用いた、或いはアセトンと他の有機
溶媒を共用した冷却溶解方法によってセルローストリア
セテートを溶解し、フィルム製造に適用することを提案
している。
以外のエーテル類、ケトン類或いはエステルから選ばれ
る有機溶媒を用いた冷却溶解方法によりセルローストリ
アセテートを溶解し、フィルムを作製しており、これら
の有機溶媒としては2−メトキシエチルアセテート、シ
クロヘキサノン、ギ酸エチル、及び酢酸メチルなどが好
ましいとしている。
チル基と炭素原子数が3以上のアシル基が特定の関係に
あるアセトンや酢酸メチルなどの溶媒に可溶なセルロー
ス混合脂肪酸エステルが、またセルロース混合脂肪酸エ
ステルの粒子サイズを0.1〜4mmとすることによ
り、粒子内部への有機溶媒の浸透を速めて膨潤時間を短
縮することが提案されている。
よって調製されたセルロースアシレート溶液で、フィル
ムに製膜すると、発泡が起こりその結果平面性が劣化す
るという欠点があった。
うな塩素系炭化水素を実質的に使用しない非塩素系有機
溶媒を用い冷却溶解方法及び高圧溶解方法により、溶解
性の良好なセルロースアシレート溶液を調製する方法
を、またその溶液を用い、発泡もなく、平面性に優れた
セルロースアシレートフィルム及びその製造方法を提供
することにある。
有機溶媒を用いてセルロースアシレートの溶解性につい
て冷却溶解方法を検討していたところ、非塩素系有機溶
媒にセルロースアシレートを添加する際、「ままこ」
(粉が塊になって溶解しない状態をいう)が出来易く、
またその溶液を用いて製膜したフィルムは発泡し易く、
平面性が損なわれていたことを見出した。本発明者らは
鋭意検討した結果、セルロースアシレートを粒子化する
際、150℃以下の温度で粉砕することがよく、更に粒
子のサイズを一定の大きさにし、また、粒子を添加する
際、粒子にイオン風を当てることによって「ままこ」に
なりにくいばかりか、溶解速度を速くすることが出来、
しかもその溶液を用いてフィルムに製膜したところ、発
泡が起こらず、平面性のすぐれたセルロースアシレート
フィルムが得られることがわかった。更にセルロースア
シレートを非塩素系有機溶媒に添加する際、前もって冷
却しておいた有機溶媒に添加することによって、さらに
溶解性が向上することを見出した。また、高圧溶解方法
についても上記のようなセルロースアシレート粒子を用
いることによって、更なる溶解性の向上が得られること
もわかった。
成することが出来た。
で粉砕した粒子径が0.05〜2.0mmの範囲のセル
ロースアシレートとを混合して混合物を形成する工程、
形成した混合物を−100〜−10℃で冷却処理する工
程、及び冷却処理後の混合物を0〜120℃で処理する
工程を経ることを特徴とするセルロースアシレート溶液
の調製方法。
0℃に冷却する工程、150℃以下で粉砕した粒子径が
0.05〜2.0mmの範囲のセルロースアシレートと
冷却した非塩素系有機溶媒とを混合する工程、形成した
混合物を膨潤させる工程、及び膨潤した混合物を加熱溶
解する工程を経ることを特徴とするセルロースアシレー
ト溶液の調製方法。
0℃に冷却する工程、150℃以下で粉砕した粒子径が
0.05〜2.0mmの範囲のセルロースアシレートと
冷却した非塩素系有機溶媒とを混合する工程、形成した
混合物を膨潤させる工程、膨潤した混合物から分離手段
により非塩素系有機溶媒の一部を分離し濃縮する工程、
及び濃縮した混合物を加熱溶解する工程を経ることを特
徴とするセルロースアシレート溶液の調製方法。
0℃に冷却する工程、150℃以下で粉砕した粒子径が
0.05〜2.0mmの範囲のセルロースアシレートと
冷却した非塩素系有機溶媒とを混合する工程、形成した
混合物を膨潤させる工程、0〜120℃に調温した前記
有機溶媒と同組成の非塩素系有機溶媒と膨潤した混合物
とを混合し溶液を形成する工程を経ることを特徴とする
セルロースアシレート溶液の調製方法。
素系有機溶媒に、150℃以下で粉砕した粒子径が0.
05〜2.0mmの範囲のセルロースアシレートを連続
的に添加して形成した混合物を膨潤させる工程、膨潤し
た混合物から分離手段により非塩素系有機溶媒の一部を
分離して濃縮する工程、及び濃縮後の混合物を加熱溶解
する工程を経ることを特徴とするセルロースアシレート
溶液の調製方法。
素系有機溶媒に、150℃以下で粉砕した粒子径が0.
05〜2.0mmの範囲のセルロースアシレートを連続
的に添加して形成した混合物を膨潤させる工程、膨潤し
た混合物から分離手段により非塩素系有機溶媒の一部を
分離して濃縮する工程、及び濃縮後の混合物と0〜12
0℃の前記有機溶媒と同組成の非塩素系有機溶媒を混合
し溶液を形成する工程を経ることを特徴とするセルロー
スアシレート溶液の調製方法。
素系有機溶媒に、150℃以下で粉砕した粒子径が0.
05〜2.0mmの範囲のセルロースアシレートを連続
的に添加して形成した混合物を膨潤させる工程、膨潤し
た混合物から分離手段により非塩素系有機溶媒の一部を
分離して濃縮する工程、及び濃縮後の混合物を0〜12
0℃で移送中の前記有機溶媒と同組成の非塩素系有機溶
媒を混合し溶液を形成する工程を経ることを特徴とする
セルロースアシレート溶液の調製方法。
環して使用することを特徴とする(3)、(5)、
(6)又は(7)に記載のセルロースアシレート溶液の
調製方法。
で粉砕した粒子径が0.05〜2.0mmの範囲のセル
ロースアシレートとを混合して混合物を形成する工程、
形成した混合物を10〜5000kgf/cm2の圧力
をかけて処理する工程、及び加圧後の混合物を0.1〜
10kgf/cm2の圧力下で処理する工程を経ること
を特徴とするセルロースアシレート溶液の調製方法。
炭素原子数2〜5のアシル基で置換されたものであるこ
とを特徴とする(1)乃至(9)の何れか1項に記載の
セルロースアシレート溶液の調製方法。
(I)〜(IV)の全てを満足することを特徴とする
(1)乃至(10)の何れか1項に記載のセルロースア
シレート溶液の調製方法。
れているアシル基の置換度を表し、Aはアセチル基の置
換度、またBは炭素原子数3乃至5のアシル基の置換度
である。
を特徴とする(11)に記載のセルロースアシレート溶
液の調製方法。
加する直前にまたは添加しながらイオン風に曝すことを
特徴とする(1)乃至(12)の何れか1項に記載のセ
ルロースアシレート溶液の調製方法。
セルロースアシレートを非塩素系有機溶媒と混合するこ
とを特徴とする(1)乃至(13)の何れか1項に記載
のセルロースアシレート溶液の調製方法。
基置換度2.70〜2.96のセルローストリアセテー
トであることを特徴とする(1)乃至(11)、(1
3)又は(14)の何れか1項に記載のセルロースアシ
レート溶液の調製方法。
重合度220〜500のセルローストリアセテートであ
ることを特徴とする(1)乃至(11)、または(1
3)乃至(15)の何れか1項に記載のセルロースアシ
レート溶液の調製方法。
重合度350〜800のセルローストリアセテート以外
のセルロースアシレートであることを特徴とする(1)
乃至(14)の何れか1項に記載のセルロースアシレー
ト溶液の調製方法。
のセルロースアシレートの濃度が15〜35重量%であ
ることを特徴とする(1)乃至(17)の何れか1項に
記載のセルロースアシレート溶液の調製方法。
〜12のエステル、炭素原子数3〜12のケトン及び炭
素原子数3〜12のエーテルから選ばれることを特徴と
する(1)乃至(18)の何れか1項に記載のセルロー
スアシレート溶液の調製方法。
量%の酢酸メチル及び25〜35重量%のアセトンであ
ることを特徴とする(1)乃至(19)の何れか1項に
記載のセルロースアシレート溶液の調製方法。
調製する何れかの工程で添加剤を添加するか、前記工程
の後に添加剤を添加する工程を設けることを特徴とする
(1)乃至(20)の何れか1項に記載のセルロースア
シレート溶液の調製方法。
をセルロースアシレートに対して5重量%以上30重量
%以下で添加することを特徴とする(21)に記載のセ
ルロースアシレート溶液の調製方法。
に記載のセルロースアシレート溶液を用いて、溶液流延
製膜方法により製膜することを特徴とするセルロースア
シレートフィルムの製造方法。
たことを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
ースの水酸基への置換度が下記式(I)〜(IV)の全て
を満足するものである。
ているアシル基の置換度を表し、Aはアセチル基の置換
度、またBは炭素原子数3〜5のアシル基の置換度であ
る。セルロースには1グルコース単位に3個の水酸基が
あり、上記の数字はその水酸基3.0に対する置換度を
表すもので、最大の置換度が3.0である。セルロース
トリアセテートは一般にAの置換度が2.6以上3.0
以下であり(この場合、置換されなかった水酸基が最大
0.4もある)、B=0の場合がセルローストリアセテ
ートである。本発明のセルロースアシレートは、アシル
基が全部アセチル基のセルローストリアセテート、及び
アセチル基が2.0以上で、炭素原子数が3乃至5のア
シル基が0.8以下、置換されなかった水酸基が0.4
以下のものが好ましい。炭素原子数3乃至5のアシル基
の場合、0.3以下が物性の点から特に好ましい。
換する酢酸及び炭素原子数3乃至5の脂肪酸の結合度を
測定し、計算によって得られる。測定方法としては、A
STMのD−817−91に準じて実施することが出来
る。
重合度(粘度平均)は200〜700が好ましく、特に
250〜550のものが好ましい。一般的にセルロース
トリアセテートを含むセルロースアシレートフィルム、
繊維又は成型品の機械的強度がタフであるためには重合
度が200以上あることが必要とされており、祖父江
寛、右田伸彦編「セルロースハンドブック」朝倉書房
(1958)や、丸沢廣、宇田和夫編「プラスチック材
料講座17」日刊工業新聞社(1970)に記載されて
いる。本発明のセルロースアシレートフィルムの重合度
は特に好ましくは250〜350である。粘度平均重合
度はオストワルド粘度計で測定することができ、測定さ
れたセルロースアシレートの固有粘度[η]から下記式
により求められる。
ロースとしては、綿花リンターや木材パルプなどがある
が、何れの原料セルロースから得られるセルロースアシ
レートでも使用出来るし、混合して使用してもよい。
ートは写真用グレードのものが好ましく、市販の写真用
グレードのものは粘度平均重合度、酢化度等の品質を満
足して入手することが出来る。写真用グレードのセルロ
ーストリアセテートのメーカーとしては、ダイセル化学
工業(株)、コートルズ社、ヘキスト社、イーストマン
コダック社等があり、何れの写真用グレードのセルロー
ストリアセテートも使用出来る。
原子数3〜5のアシル基を有するセルロースアシレート
はセルロース混合脂肪酸エステルとも呼ばれている。ア
セチル基の他の炭素原子数3〜5のアシル基はプロピオ
ニル基(C2H5CO−)、ブチリル基(C3H7CO−)
(n−、i−)、バレリル基(C4H9CO−)(n−、
i−、s−、t−)で、これらのうちn−置換のものが
フィルムにした時の機械的強さ、溶解し易さ等から好ま
しく、特にn−プロピオニル基が好ましい。
強さ、耐湿熱性が低下する。炭素原子数3〜5のアシル
基の置換度が高いと酢酸メチルとアセトンの混合液への
溶解性は向上するが、それぞれの置換度が前記の範囲で
あれば良好な物性を示す。
酸無水物や酸クロライドである場合は反応溶媒としての
有機溶媒は、有機酸、例えば酢酸やメチレンクロライド
等が使用される。触媒としては、硫酸のようなプロトン
性触媒が好ましく用いられる。アシル化剤が酸クロライ
ド(例えばCH3CH2COCl)の場合には塩基性化合
物が用いられる。工業的な最も一般的な方法は、セルロ
ースをアセチル基及び他のアシル基に対応する脂肪酸
(酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸)又はそれらの酸
無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水
吉草酸)を含む混合有機酸成分でアシル化してセルロー
スアシレートを反応する。反応後は酢酸カルシウムや酢
酸マグネシウムで硫酸触媒を中和し、水で沈殿させてカ
ッティングし、粒子化する。更に水洗を行い、乾燥させ
てセルロースアシレートが出来上がる。本発明に用いら
れるセルロースアシレートの具体的な製造方法について
は、例えば、特開平10−45804号公報に記載され
ている方法により合成出来る。セルロースアシレートを
フレーク状にする過程は中和した後の水洗する際に、カ
ッティングをしてある程度の大きさのフレークにする。
ートの粒子サイズは粒径が0.05〜2.0mmの範囲
とすることが好ましく、上記フレークを150℃以下、
好ましくは80℃以下で、0.1〜300時間分で粉砕
するのがよく、10分〜10時間程度が更に好ましい。
粉砕する方法としては、ボールミル、ジェットミル、コ
ロイドミル、振動ミル、遊星ミル、サンドミル等の粉砕
機を用いてもよく、このサイズ範囲に粉砕出来る機械で
あればいずれも使用し得る。その際、熱が発生したり、
蓄熱したりしないように上記の温度以内に制御する必要
がある。
に帯電しやすく、帯電状態のセルロースアシレートが
「ままこ」を出来易くする原因の一つであることも発見
した。
去する方法として、セルロースアシレートを非塩素系有
機溶媒に添加(投入)する直前にイオン風を曝す方法が
好ましい。イオン風は帯電したセルロースアシレートの
極性を予め知り、その反対の極性のイオンを曝すことが
重要である。イオン風を当てる時間は0.1〜100秒
曝すのが好ましい。イオン風に曝す方法は投入直前の状
態で、また投入の最中に曝してもよい。
ロースアシレートの含水率を0.1〜5.0重量%とす
ることで、帯電がしにくくなり、「ままこ」が出来にく
い。
れぞれの手段を単独で用いてもよいし、また二つ以上組
み合わせてもよい。最も効果的なのはこれら三つを組み
合わせた場合であり、「ままこ」の発生、また泡の発生
を皆無にすることが出来る。更に、セルロースアシレー
トを帯電させないこと、あるいは帯電除去することは、
非塩素系溶媒が引火性の高いため、安全のためにも重要
なことである。
ついて述べる。
クロライドのような塩素系の有機溶媒を実質的に含まな
い有機溶媒であって、その主成分が炭素原子数3〜12
のエステル、炭素原子数4〜12のケトン及び炭素原子
数3〜12のエーテルから選ばれる少なくとも一つの非
塩素系有機溶媒である。塩素系有機溶媒を実質的に含ま
ないとは全有機溶媒中の含有率が混合溶媒中5重量%以
下(好ましくは2重量%以下)であることを意味するも
のである。炭素原子数が3〜12のエステル類として
は、例えば、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ペンチ
ル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチ
ル、酢酸ペンチル及び2−エトキシ−エチルアセテート
等を挙げることが出来、炭素原子数が4〜12のケトン
類としては、例えば、メチルエチルケトン、ジエチルケ
トン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン及びメチ
ルシクロヘキサノン等を挙げることが出来、また、炭素
原子数が3〜12のエーテル類としては、例えば、ジイ
ソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエ
タン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テ
トラヒドロフラン、アニソール及びフェネトール等を挙
げることが出来る。
が1〜6のアルコール類を添加するのが好ましい。これ
らのアルコール類を上記非塩素系有機溶媒に混合したセ
ルローストリアセテート溶液(以降、セルローストリア
セテート溶液をドープと呼ぶことがある)は、製膜時に
溶液流延製膜装置の支持体上に流延された後、有機溶媒
が蒸発しはじめるとドープが流動性を失い、実質的に製
膜速度を早くさせたり、平面性等品質のよいフィルムを
作るのに適している。炭素原子数1〜6のアルコール類
としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノ
ール、イソ−プロパノール、1−ブタノール、t−ブタ
ノール、2−メチル−2−ブタノール、2−メトキシエ
タノール、2−ブトキシエタノール及びシクロヘキサノ
ール等を挙げることが出来る。これら2種以上を併用し
てもよい。
炭素原子数が5から8までの環状炭化水素類があり、こ
れらもアルコール類と同様に、好ましく用いることが出
来る。例としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、
シクロヘプタン及びシクロオクタン等を挙げることが出
来る。
有機溶媒以外に、フルオロアルコールを本発明の全有機
溶媒量の10重量%以下含有させることもフィルムの透
明性を向上させたり、溶解性を早めたりする上で好まし
い。フルオロアルコールとしては沸点が165℃以下の
ものがよく、好ましくは111℃以下がよく、更に80
℃以下が好ましい。フルオロアルコールは炭素原子数が
2から10程度、好ましくは2から8程度のものがよ
い。また、フルオロアルコールはフッ素原子含有脂肪族
アルコールで、置換基があってもなくてもよい。置換基
としてはフッ素原子含有或いはなしの脂肪族置換基、芳
香族置換基などがよい。このようなフルオロアルコール
は例えば、(以下括弧内は沸点である) 2−フルオロエタノール(103℃)、2,2,2−ト
リフルオロエタノール(80℃)、2,2,3,3−テ
トラフルオロ−1−プロパノール(109℃)、1,3
−ジフルオロ−2−プロパノール(55℃)、1,1,
1,3,3,3−ヘキサ−2−メチル−2−プロパノー
ル(62℃)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオ
ロ−2−プロパノール(59℃)、2,2,3,3,3
−ペンタフルオロ−1−プロパノール(80℃)、2,
2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブタノール
(114℃)、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフ
ルオロ−1−ブタノール(97℃)、パーフルオロ−t
ert−ブタノール(45℃)、2,2,3,3,4,
4,5,5−オクトフルオロ−1−ペンタノール(14
2℃)、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−
1,5−ペンタンジオール(111.5℃)、3,3,
4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデ
カフルオロ−1−オクタノール(95℃)、2,2,
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8
−ペンタデカフルオロ−1−オクタノール(165
℃)、1−(ペンタフルオロフェニル)エタノール(8
2℃)、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジル
アルコール(115℃)、などが含まれる。これらのフ
ルオロアルコールは一種又は二種以上使用してもよい。
る。
の非塩素系有機溶媒(特に好ましい例としては酢酸メチ
ルとアセトンであるが)の混合有機溶媒に本発明のセル
ロースアシレートを室温で撹拌しながら徐々に添加し、
セルロースアシレートが有機溶媒中で膨潤状態の混合物
とし、次に、この混合物を冷却し、後に加温して溶解す
る方法である。冷却温度は、溶媒の凝固点以上の温度で
あればよく、溶解性の点と扱い易い温度ということから
−100〜−10℃の温度範囲が好ましい。この冷却物
を0〜120℃の温度に加温すると、セルロースアシレ
ートが溶媒中に溶解して、均一な溶液が得られる。な
お、溶解を速めるために、冷却、加温の操作を繰り返し
てもよい。溶解が十分であるかどうかは、目視により溶
液の概観を観察することで判断することができる。冷却
溶解方法においては、冷却時の結露による水分の混入を
避けるため、密閉容器を用いることが好ましい。また、
冷却操作において、冷却時に加圧し、加温時に減圧する
と、更に溶解時間を短縮することができる。加圧及び減
圧を実施するためには、耐圧性容器を用いることが好ま
しい。
高速溶解方法が本発明の目的を容易に達成し得る方法と
して好ましく用いられる。
する。図1は請求項2の1例を示すもので、混合工程の
断面模式図である。本発明に使用する有機溶媒1を予め
−100〜−10℃に冷却器2で冷却して保温ジャケッ
ト5付きの混合釜3に有機溶媒導入口9から入れ、撹拌
機4で撹拌しながら、サイロ7に貯蔵されているセルロ
ースアシレート6を切り出し送粉機8で輸送し、セルロ
ースアシレート導入口10から混合釜3に投入し混合す
るとセルロースアシレートは即座に膨潤する。本発明の
低温の有機溶媒にセルロースアシレートを投入すること
により、従来のセルロースアシレートと有機溶媒を混合
してから冷却する方法よりも、膨潤時間を大幅に短縮す
ることが出来る。膨潤した混合物は混合物排出口11か
ら次の溶解工程に送られる。溶解工程では膨潤した混合
物を加熱溶解するところで、従来の膨潤した混合物を加
温してもよい。この例の冷却した有機溶媒にセルロース
アシレートを混合する方法以外に、セルロースアシレー
トに冷却した有機溶媒を添加して混合してもよい。
する。図2は、請求項3の1例を示すもので、混合工程
の断面模式図であり、図1の混合釜3と同様の混合釜1
3の内部に円筒形で混合釜13の下部に固定されている
メッシュ(分離手段の1例)14、撹拌機15、保温ジ
ャケット24、有機溶媒導入口19、セルロースアシレ
ート導入口20、混合物排出口21及び分離された有機
溶媒排出口23等を装備している。既に−100〜−1
0℃に冷却されている膨潤した混合物12から膨潤に関
与していない有機溶媒をメッシュ14を通して分離し、
メッシュ14の外側に分離された有機溶媒22を有機溶
媒排出口23から系外に排出することによって膨潤した
混合物12を濃縮することが出来る。分離手段として
は、図2のような混合釜13に固定された円筒形メッシ
ュ14の他に、撹拌機15の回転と反対側に回転する篭
状のメッシュ(固定されていない)のようなものでもよ
く、分離出来るものなら制限なく用いることが出来る。
メッシュの孔の大きさは0.1〜10mm程度でよく、
また目詰まりを防止するために、振動を与えたり、スク
レーパーのようなもので表面を掻いてもよく、目詰まり
防止になるものは制限なく使用出来る。本発明の特徴は
混合工程で多量の有機溶媒中にセルロースアシレートを
投入することによって膨潤をより早く行わせることが出
来ることで、またセルロースアシレートが有機溶媒中で
ままこ(粉体の塊の表面だけが溶解或いは膨潤して中は
粉体のままの状態)にならず膨潤効率がよいのも特徴で
ある。濃縮された混合物は混合物排出口21から排出さ
れ、次の溶解釜(図には描かれていない)に導入され溶
解される。溶解工程では濃縮された状態で溶解してもよ
いし、また仕上がりドープの濃度まで希釈してもよい。
この例の他に、セルロースアシレートに冷却した有機溶
媒を添加してもよい。なお、16はセルロースアシレー
ト、17はサイロ、18は切り出し送粉機である。
する。図3は請求項4の1例を示すもので、溶解工程の
断面模式図である。予め熱交換機(加温器)28で0〜
120℃に調温した冷却の有機溶媒と同組成の有機溶媒
(0〜120℃の有機溶媒は冷却に使用する有機溶媒と
同じ組成であり、以降は断らない限り同組成のものであ
る)を有機溶媒導入口30から溶解釜25に投入してお
き、そこへ−100〜−10℃の冷却膨潤した混合物を
混合物導入口29から溶解釜25に投入し溶解する。混
合物を調温した有機溶媒26に投入すると殆ど瞬時にセ
ルロースアシレートの溶解が起こり、溶解時間を大幅に
短縮することが出来る。また溶解し残りも殆どなく溶解
性も優れている。なお、有機溶媒導入口30からは添加
剤を添加してもよい。溶解された混合物は混合物排出口
31から貯蔵釜(図には描かれていない)に送られる。
この方法の他に、混合物に調温した有機溶媒を添加して
も良い。なお、27は撹拌機、32は保温ジャケットで
ある。
する。図4は請求項5の1例を示すもので、連続混合工
程及び連続有機溶媒分離工程の断面模式図である。冷却
器36で−100〜−10℃に冷却された有機溶媒を有
機溶媒導入口37を通して傾斜している混合機33に導
入し、有機溶媒がインラインミキサー(混合物の輸送手
段の1例として)35を回転させながら混合機33内を
移送し、別にサイロ39からセルロースアシレート38
を切り出し送粉機40で送り、セルロースアシレート導
入口41から混合機33内の移送中の有機溶媒にセルロ
ースアシレートを添加(以降投入という語を使用するこ
とがある)し、仕切板34に沿って回転しているインラ
インミキサー35により有機溶媒の移送と共に混合しな
がら流れ、セルロースアシレートを膨潤し、混合機33
の終点49で有機溶媒を分離手段としてのメッシュ43
を有する有機溶媒分離器42に導入し、膨潤に関与して
いない有機溶媒45をメッシュ43を通して分離して混
合物44を濃縮し、濃縮された混合物44を混合物排出
口46から次の溶解釜(図には描かれていない)に導入
する。分離された有機溶媒45を有機溶媒排出口47か
ら排出する。次に、濃縮後の混合物を次の溶解釜で加温
して溶解するか、調温した有機溶媒中に溶解し希釈して
もよい。移送中の有機溶媒にセルロースアシレートを混
合する時のセルロースアシレートの添加速度は瞬間的な
有機溶媒に対する濃度としては、0.5〜40重量%程
度でよく、好ましくは1〜20重量%である。また、投
入時の濃度が低ければ低いほど膨潤速度が早く効果的で
ある。有機溶媒の流れは0.01〜5m3/秒が好まし
く、0.1〜1m3/秒が特に好ましい。有機溶媒及び
混合物を流動させるには混合機を傾斜させれば移送する
ことが出来るが、図4のようにインラインミキサーのよ
うな動力のいらない回転混合機を用いることは非常に好
ましい例である。また、押し出し機に使用されるような
スクリューを用いて移送させてもよく。また、混合機の
形状は樋状であっても、パイプ型でも、箱形でも、有機
溶媒及び混合物が流動し易い形状であれば制限はない。
また、直線状に長くとも、折り畳まれたつづれ折り状で
あっても、ループ状であってもよい。混合機の外側には
保温ジャケット48を付けておくのがよい。つづれ折り
状或いはループ状の場合には、それぞれが接触している
と、温度のロスも少なく効率を上げることが出来好まし
い。有機溶媒分離器42にも保温ジャケット48が付い
ている。有機溶媒分離器42は傾斜させるだけでも有機
溶媒や混合物を移送させることが出来るが、濃縮されて
流動しにくい混合物を移送させるには、図4のように、
動力のいらないインラインミキサー35を用いることが
好ましい。また、スクリューで強制的に混合物を移送さ
せることもよいし、メッシュ状のベルトコンベアーの上
に混合物を乗せて運び、途中で有機溶媒を分離出来るも
のでもよい。分離手段は図4に示したような有機溶媒分
離器42の中でメッシュ43で分離していてもよいが、
メッシュ板を円筒状にして外側を混合物が移送させて
も、また円筒のメッシュの中側にインラインミキサーや
スクリューを設置して回転させながら混合物を送り、膨
潤に関与しなかった有機溶媒45が外側に分離されるよ
うなものでもよい。濃縮された混合物は混合物排出口4
6から溶解工程に送られるが、溶解は、溶解出来る方法
ならどんな方法でもよく、混合物を加温しても、予め調
温した有機溶媒に溶解して希釈させてもよい。
する。図5は、請求項6の1例を示すもので、連続混合
工程、連続有機溶媒分離工程及び溶解工程の断面模式図
である。図5の混合及び有機溶媒分離工程は図4と同じ
であり、また溶解工程は図3と同じである。濃縮された
混合物は、図4の混合物排出口46と図3の混合物導入
口29につながっている配管を通って移送されるように
なっている。この第5の方法は有機溶媒分離器42で濃
縮された混合物44を0〜120℃に調温した有機溶媒
が既に導入されている溶解釜25に導入して溶解して希
釈する方法である。この方法は膨潤させる時間また溶解
させる時間が従来の方法と比べて大幅に短縮出来る。な
お、有機溶媒導入口30から添加剤を導入してもよい。
する。図6は、請求項7の1例を示すもので、連続混合
工程、連続有機溶媒分離工程及び連続溶解工程の断面模
式図である。図6の混合及び有機溶媒分離工程は図4又
は図5のそれと同じである。図6の溶解工程は、上記の
溶解工程とは異なり、混合工程と同様な方式である。熱
交換機(加温器)51から0〜120℃に調温された有
機溶媒を溶解機50の有機溶媒導入口52より導入し、
溶解機50中を有機溶媒がインラインミキサー35とと
もに回転しながら移送し、別に有機溶媒分離器42で濃
縮された混合物44を混合物排出口46を通して混合物
導入口55から導入し、回転しながら移送する有機溶媒
に溶解し希釈するようになっている。図6の溶解機50
には、混合機33及び有機溶媒分離器42のインライン
ミキサー(混合物の輸送手段として)35と同様なもの
が設置されている。インラインミキサーは混合効率がよ
く、本発明には好ましく用いることが出来る。前述のよ
うに他の方法も同様に用いることが出来る。溶液排出口
54に至る間に混合物は有機溶媒に完全に溶解され、セ
ルロースアシレート溶液(以降ドープということもあ
る)になり、溶液排出口54から次の貯蔵釜(図には描
かれていない)に送られる。なお、53は仕切板であ
る。
する。図7は、請求項8の1例を示すもので、分離有機
溶媒の循環使用工程の模式図である。図7の膨潤した混
合物となる混合機60と有機溶媒分離器61は図4、5
及び6の混合機33及び有機溶媒分離器42と同じもの
を模式したものである。冷却器62で冷却された有機溶
媒を混合機60の有機溶媒導入口63から導入し、別
に、セルロースアシレートをセルロースアシレート導入
口64から導入して混合し、膨潤した混合物を混合物排
出口65から混合物導入口66を通して有機溶媒分離器
61に導入し、有機溶媒の1部を分離して、混合物を濃
縮し、濃縮された混合物を混合物排出口67から次の溶
解工程に送る。分離された有機溶媒を有機溶媒排出口6
8から排出し、ポンプ69でフィルター70に送り、そ
こで不純物を除去して冷却器62に送り有機溶媒を再使
用する。
を非塩素系有機溶媒に添加する際、上記投入口の直前で
落下してくるセルロースアシレートにイオン風を吹かせ
て当て、除帯電することが好ましい。
方法である。本発明の酢酸メチルと他の非塩素系の有機
溶媒を含む混合有機溶媒の中に、本発明のセルロースア
シレートを添加して混合し、この混合物を、高圧力下に
保持し、次いで圧力を解放し混合物を常圧下付近に保持
することによってドープを調製するものである。
法と同様に行える。最初に、室温で本発明の混合有機溶
媒中に、セルロースアシレートを撹拌しながら徐々に添
加する。この段階では、セルロースアシレートは溶媒中
で膨潤している状態の混合物となっている。次に、この
混合物を、高圧力下に保持する。圧力は、10kgf/
cm2以上から効果が認められ、高い程溶解時間が短縮
できるが、あまり高過ぎると設備が大型になり過ぎる
し、溶解時間の短縮効果も徐々に飽和してくるので、5
000kgf/cm2以下であれば十分な効果が得られ
る。所定の時間加圧した後、圧力を解放し、この混合物
を0.1〜10kgf/cm2以下の圧力下に保持する
ことによりセルロースアシレートが溶媒中に溶解し均一
な溶液が得られる。なお、溶解を速めるために、加圧、
圧力解放の操作を繰り返してもよい。溶解が十分である
かどうかは、目視により溶液の外観を観察することで判
断することができる。溶解させる容器は特に限定はなく
圧力に耐える強度を有する構造であれば良い。アルミニ
ウム箔で出来た密閉容器等を用いてバッチ式に行っても
よいし、一軸や二軸式の押し出し機や混練機等で連続的
に行っても良い。また、加圧操作において冷却し、解放
操作において加温すると、更に溶解時間を短縮すること
ができる。高圧をかけた場合、混合物の温度は上昇する
が、圧力下での混合物の温度は、セルロースアシレート
が分解、又は変質しない温度に制御することが好まし
い。好ましくは200℃以下、より好ましくは150℃
以下に制御することが好ましい。溶液中のセルロースア
シレート濃度は、フィルム製膜時の乾燥効率の点から、
なるべく高濃度であることが好ましい。一方、あまり高
濃度になると溶液の粘度が大きすぎて、平面性が劣化す
る場合がある。従って、好ましい溶液のセルロースアシ
レート濃度は、10〜40重量%の範囲である。更に1
5〜35重量%の範囲が好ましい。
で充満させて分解を抑制してもよい。セルロースアシレ
ート溶液の粘度は、製膜の際、流延可能な範囲であれば
よく、通常5〜500ポイズの範囲に調製されることが
好ましい。
解することにより、ドープの経時安定性を向上すること
が出来るし、更に低濃度の溶液は粘度が低いので、未溶
解物やゴミ、不純物などの異物を効率よく濾過除去する
ことができる。
途に応じた種々の添加剤を加えることができる。またそ
の添加する時期はドープ作製工程において何れでも添加
しても良いし、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加
剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。ハロゲ
ン化銀写真感光材料用のセルロースアシレートフィルム
には機械的性質の向上或いは耐水性を付与するために可
塑剤やライトパイピング防止用の着色剤或いは紫外線防
止剤が、また液晶画面表示装置用には耐熱耐湿性を付与
する酸化防止剤などを添加することが好ましい。
ン酸エステル、グリコール酸エステルなどが好ましく用
いられる。リン酸エステルの例としては、トリフェニル
ホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジ
フェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェー
ト、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチル
ホスフェート、トリブチルホスフェートなどがあり、カ
ルボン酸エステルの例としては、ジメチルフタレート、
ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチル
フタレート、ジエチルヘキシルフタレート、クエン酸ア
セチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、オレ
イン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン
酸ジブチル、トリメリット酸エステルなどがあり、グリ
コール酸エステルの例としては、トリアセチン、トリブ
チリン、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフ
タリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリ
コレート、ブチルフタリルブチルグリコレートなどがあ
る。中でもトリフェニルホスフェート、トリクレジルホ
スフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリブ
チルホスフェート、ジメチルフタレート、ジエチルフタ
レート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、
ジエチルヘキシルフタレート、トリアセチン、エチルフ
タリルエチルグリコレートが好ましい。特にトリフェニ
ルホスフェート、ジエチルフタレート、エチルフタリル
エチルグリコレートが好ましい。これらの可塑剤は1種
でもよいし2種以上併用してもよい。可塑剤の添加量は
セルロースアシレートに対して5〜30重量%以下、特
に8〜16重量%以下が好ましい。これらの化合物は、
セルロースアシレート溶液の調製の際に、セルロースア
シレートや溶媒と共に添加してもよいし、溶液調製中や
調製後に添加してもよい。
で示される化合物を添加してもよい。
Rは、それぞれ炭素原子数が1以上4以下のアルキル基
である。上記一般式(I)、(II)又は(III)で示さ
れる化合物の例としては、リン酸2,2′−メチレンビ
ス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ナトリウ
ム(アデカスタブNA−10、旭電化(株)製)及びビ
ス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール(NC−
4、三井東圧化学(株)製)が含まれる。
表されるものが用いられる。
R2、R3及びXは、それぞれ水素原子、アルキル基、ア
ルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、
アルケノキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、
アルケニルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環オキシ
基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルバモイル基、スルフ
ァモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシ
カルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ア
シル基、アシルオキシ基を表す。mは0〜2の整数を表
す。R2、R3及びXは互いに同一でもよいし異なってい
てもよい。上記アルキル基は、例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、iso−プロピル、tert−ブチル、
シクロヘキシル、tert−ヘキシル、tert−オク
チル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ベンジ
ルなどの直鎖、分岐、又は環状のアルキル基を表し、上
記アルケニル基は、例えば、ビニル、アリル、2−ペン
テニル、シクロヘキセニル、ヘキセニル、ドデセニル、
オクタデセニルなどの直鎖、分岐、又は環状のアルケニ
ル基を表し、上記アリール基は、例えば、フェニル、ナ
フチル、アントラニルなどのベンゼン単環や縮合多環の
アリール基を表し、上記ヘテロ環基は、例えば、フリ
ル、ピロリル、イミダゾリル、ピリジル、プリニル、ク
ロマニル、ピロリジル、モルホリニルなどの窒素原子、
硫黄原子、酸素原子の少なくとも一つを含む5〜7員環
からなる基を表す。中でもヒンダードフェノール系の化
合物が好ましく、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ
ール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−
t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチル
チオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチ
ルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ
−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシ
ル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート、N,N′−ヘキサメチレンビ
ス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロ
シンナミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−
トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイトなどが挙
げられる。特に2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−
ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−
(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕が最も好ましい。また例えば、
N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジンなどの
ヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−t
−ブチルフェニル)フォスファイトなどの燐系加工安定
剤を併用してもよい。これらの化合物の添加量は、セル
ロースアシレートに対して重量割合で1〜10000p
pmが好ましく、10〜1000ppmが更に好まし
い。
下記一般式(V)、(VI)に示す化合物が挙げられる。
子、又は、NR23を表す。R1〜R8、R12〜R23は、そ
れぞれ水素原子、水酸基、脂肪族基、芳香族基、複素環
基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、COR9、C
OOR9、NR9R10、NR10COR11、NR10SO2R
11、CONR9R10、SO2NR9R10、COR11、SO2
R11、OCOR11、NR9CONR10R11、CONHS
O2R11、又はSO2NHCOR11を表し、R9、R10は
それぞれ水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基を表
し、R11は脂肪族基、芳香族基、又は複素環基を表す。
1〜20のアルキル基(例えば、メチル、エチル、n−
ブチル、イソプロピル、2−エチルヘキシル、n−デシ
ル、n−オクタデシル)、炭素数1〜20のシクロアル
キル基(例えば、シクロベンジル、シクロヘキシル)又
はアリル基を表し、これらは更に置換基(例えば、ハロ
ゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、カルボン酸
基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数0〜20のア
ミノ基、炭素数1〜20のアミド基、炭素数1〜20の
カルバモイル基、炭素数2〜20のエステル基、炭素数
1〜20のアルコキシ基又はアリーロキシ基、炭素数1
〜20のスルホンアミド基、炭素数0〜20のスルファ
モイル基、5又は6員の複素環を有していてもよい。R
1〜R23で表される芳香族基は炭素数6〜10のフェニ
ル、ナフチルなどのアリール基を表し、前記に挙げた置
換基及び炭素数1〜20のメチル、エチル、n−ブチ
ル、tert−ブチル、オクチルなどのアルキル基から
なる置換基を有していてもよい。R1〜R11で表される
複素環基は、5又は6員の複素環を表し、前記の置換基
を有していてもよい。以下化4〜化9に一般式(V)、
(VI)で表される化合物の好ましい例(V−1)〜(V
−25)、及び(VI−1)〜(VI−4)を示す。
に対する重量割合で10〜1000ppmが好ましく、
50〜500ppmが更に好ましい。この様に着色剤を
含有させることにより、セルロースアシレートフィルム
のライトパイピングが減少でき、黄色味を改良すること
ができる。これらの化合物は、セルロースアシレート溶
液の調製の際に、セルロースアシレートや溶媒と共に添
加してもよいし、溶液調製中や調製後に添加してもよ
い。
には、必要に応じて更に種々の添加剤を溶液の調製前か
ら調製後の何れの段階で添加してもよい。添加剤として
は、紫外線吸収剤、カオリン、タルク、ケイソウ土、石
英、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アル
ミナなどの無機微粒子、カルシウム、マグネシウムなど
のアルカリ土類金属の塩などの熱安定剤、帯電防止剤、
難燃剤、滑剤、油剤などである。
当な濾材を用いて、未溶解物やゴミ、不純物などの異物
を濾過除去しておくのが好ましい。
たフィルムの製造方法について述べる。本発明のセルロ
ースアシレートフィルムを製造する方法及び設備は、従
来セルローストリアセテートフィルム製造に供する溶液
流延製膜方法及び溶液流延製膜装置が用いられる。図8
は溶液流延製膜装置の断面模式図であり、これを用いて
溶液流延製膜方法及び装置について簡単に説明する。前
述の溶解機(釜)から調製されたドープ(セルロースア
シレート溶液)を貯蔵釜77で一旦貯蔵し、ドープに含
まれている泡を脱泡したり最終調製をする。ドープ78
をドープ排出口81から、例えば回転数によって高精度
に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプ82を通して加
圧型ダイ72に送り、ドープを加圧型ダイ72の口金
(スリット)からエンドレスに走行している流延部の支
持体71の上に均一に流延され、支持体がほぼ一周した
剥離点74で、生乾きのドープ膜(ウェブとも呼ぶ)を
支持体71から剥離し、ウェブ73の両端をクリップで
挟み幅保持しながらテンター75で搬送して乾燥し、続
いて乾燥装置84のロール群85で搬送し乾燥を終了し
て巻き取り機76で所定の長さに巻き取る。なお、79
はドープ導入口、80は添加剤導入口、83は保温ジャ
ケットである。テンターとロール群の乾燥装置との組み
合わせはその目的により変わる。ハロゲン化銀写真感光
材料に用いる溶液流延製膜方法においては、図8の溶液
流延製膜装置に記載されている装置の他に、下引層、帯
電防止層、ハレーション防止層、保護層等の支持体への
表面加工のために、塗布装置が付加されることが多い。
れたドープを加圧ダイから支持体上に均一に押し出す方
法、一旦支持体上に流延されたドープをブレードで膜厚
を調節するドクターブレードによる方法、或いは逆回転
するロールで調節するリバースロールコーターによる方
法等があるが、加圧ダイによる方法が好ましい。加圧ダ
イにはコートハンガータイプやTダイタイプ等があるが
何れも好ましく用いることができる。また、ここで挙げ
た方法以外にも従来知られているセルローストリアセテ
ート溶液を流延製膜する種々の方法(例えば特開昭61
−94724号、同61−148013号、特開平4−
85011号、同4−286611号、同5−1854
43号、同5−185445号、同6−278149
号、同8−207210号公報などに記載の方法)を好
ましく用いることが出来、用いる溶媒の沸点等の違いを
考慮して各条件を設定することによりそれぞれの公報に
記載の内容と同様の効果が得られる。
製造するのに使用されるエンドレスに走行する支持体と
しては、表面がクロムメッキによって鏡面仕上げされた
ドラムや表面研磨によって鏡面仕上げされたステンレス
ベルト(バンドといってもよい)が用いられる。
製造に用いられる加圧ダイは、支持体の上方に1基或い
は2基以上の設置でもよい。好ましくは1基又は2基で
ある。2基以上設置する場合には流延するドープ量をそ
れぞれのダイに種々な割合にわけてもよく、複数の精密
定量ギヤアポンプからそれぞれの割合でダイにドープを
送液する。
製造に係わる支持体上におけるドープの乾燥は、一般的
には支持体(ドラム或いはベルト)の表面側、つまり支
持体上にあるウェブの表面から熱風を当てる方法、ドラ
ム或いはベルトの裏面から熱風を当てる方法、温度コン
トロールした液体をベルトやドラムのドープ流延面の反
対側の裏面から接触させて、伝熱によりドラム或いはベ
ルトを加熱し表面温度をコントロールする液体伝熱方法
などがあるが、裏面液体伝熱方式が好ましい。
に用いられている溶媒の沸点以下であれば何度でもよ
い。しかし乾燥を促進するためには、また支持体上での
流動性を失わせるためには、使用される溶媒の内の最も
沸点の低い溶媒の沸点より1〜10℃低い温度に設定す
ることが好ましい。
速度はベルトの長さ、乾燥方法、ドープ溶媒組成等によ
っても変化するが、ウェブをベルトから剥離する時点で
の残留溶媒の量によって殆ど決まってしまう。つまり、
ドープ膜の厚み方向でのベルト表面付近での溶媒濃度が
高すぎる場合には、剥離した時、ベルトにドープが残っ
てしまい、次の流延に支障を来すため、剥離残りは絶対
あってはならないし、更に剥離する力に耐えるだけのウ
ェブ強度が必要であるからである。剥離時点での残留溶
媒量は、ベルトやドラム上での乾燥方法によっても異な
り、ドープ表面から風を当てて乾燥する方法よりは、ベ
ルト或いはドラム裏面から伝熱する方法が効果的に残留
溶媒量を低減することが出来るのである。
製造に係わるフィルム乾燥方法については前述の溶液流
延製膜方法の乾燥方法が好ましい。搬送中のウェブ(フ
ィルム)両面に所定の温度の風を当てる方法やマイクロ
ウェーブなどの加熱手段などを用いる方法によって乾燥
が行われる。急速な乾燥はウェブ(フィルム)の平面性
を損なう虞があるので、乾燥の初期段階では、溶媒が発
泡しない程度の温度で乾燥し、乾燥が進んでから高温で
乾燥を行うのが好ましい。
蒸発によってフィルムは巾方向に収縮しようとする。高
温度で乾燥するほど収縮が大きくなる。この収縮は可能
な限り抑制しながら乾燥することが、出来上がったフィ
ルムの平面性を良好にする上で好ましい。この点から、
例えば、特開昭62−46625号公報に示されている
ような乾燥全工程或いは一部の工程を幅方向にクリップ
でウェブの巾両端を巾保持しつつ乾燥させる方法(テン
ター方式)が好ましい。
あり、本発明では、例えば、特開昭62−115035
号、特開平4−152125号、同4−284211
号、同4−298310号等の公報に記載の延伸方法も
使用し得る。
乾燥工程における乾燥温度は40〜250℃、特に70
〜180℃が好ましい。使用する溶媒によって乾燥温
度、乾燥風量及び乾燥時間が異なり、使用溶媒の種類、
組合せに応じて適宜選べばよい。最終仕上がりフィルム
の残留溶媒量は2重量%以下、更に0.4重量%以下で
あることが、寸度安定性が良好なフィルムを得る上で好
ましい。
雰囲気下でもよいし窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下
でもよい。
製造に係わる巻き取り機は一般的に使用されているもの
でよく、定テンション法、定トルク法、テーパーテンシ
ョン法、内部応力一定のプログラムテンションコントロ
ール法などの巻き取り方法で巻き取ることができる。
スアシレートフィルムの厚さは、使用目的によって異な
るが、通常5から500μmの範囲であり、更に40〜
250μmの範囲が好ましく、特に60〜125μmの
範囲が最も好ましい。フィルム厚さの調製は、所望の厚
さになるように、ドープ中に含まれる固形分濃度、ダイ
の口金のスリット間隙、ダイからの押し出し圧力、支持
体速度等を調節すればよい。
定方法〉 1)セルロースアシレートのアシル基の置換度;アシル
基の置換度は、ケン化法によって測定するものとする。
乾燥したセルロースアシレートを精秤し、アセトン70
mlとジメチルスルホキシド30mlとの混合溶媒に溶
解した後、更にアセトン50mlを加えた。攪拌しなが
ら1Nの水酸化ナトリウム水溶液30mlを加え、25
℃で2時間ケン化する。熱水100mlを加え、フェノ
ールフタレインを指示薬として添加し、1Nの硫酸水溶
液(濃度ファクター;F)で過剰の水酸化ナトリウムを
滴定する。また、上記と同様な方法により、ブランクテ
ストを行う。滴定が終了した溶液の上澄み液を100に
希釈し、イオンクロマトグラフィーを用いて、定法によ
り有機酸の組成を測定した。滴定結果とイオンクロマト
グラフィーの酸組成物分析から下記によりアシル化置換
度を計算した。
4×T[A+B]+(1−56.06×T[A+B])
×(Cb/Ca)} B=A×(Cb/Ca) ここで、T[A+B]:全有機酸量(モル/g) E:ブランク試験滴定量(ml) M:試料滴定量(ml) F:1Nの硫酸のファクター W:試料重量(g) Ca:イオンクロマトグラフィーで測定した酢酸量(モ
ル) Cb:イオンクロマトグラフィーで測定した炭素原子数
3乃至5の有機酸量(モル) Cb/Ca:酢酸と他の有機酸とのモル比 A:アセチル基の置換度 B:炭素原子数3乃至5のアシル基の置換度 である。
度(DP)絶乾したセルロースアシレート約0.2gを
精秤し、メチレンクロライドとエタノールの混合溶媒
(重量比9:1)100mlに溶解する。これをオスト
ワルド粘度計にて、25℃で落下秒数を測定し、重合度
を以下の式によって求める。
ンに入れ精秤し、次に前記フィルム或いはウェブを15
0℃で3時間加熱した後、水分を吸わないように室温ま
で冷却し秤量する。絶乾フィルム或いはウェブの重量
(D)として、 残留溶媒量(%)={(U−D)/D}×100 で求めた。
るが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
る。ドープ(セルロースアシレート溶液)を透明な容器
に入れ、調製後24時間経過後目視で透明性を観察し、
同時に容器を逆さまにして溶液の流動性の変化を観察
し、次の基準で評価しランク付けした。
するとスムーズにドープが移動した B:僅かに濁りはあるが、透明性はある。容器を逆さま
にすると流動性はあるが、移動する界面に若干つぶつぶ
状のものが認められる C:濁りがあり、不溶解物が認められ、容器を逆さまに
するとドープは不均一に移動する D:著しく濁り、不溶解物が多く、相分離しており、又
は、容器を逆さまにしても流動性がなくゲル状になって
いる。
黒紙を貼り、その上に大きさ100cm×40cmの試
料フィルムを置き、斜め上方に配置した3本の蛍光灯を
フィルムに映して蛍光灯の曲がり具合でランク付けし
た。尚、評価におけるランク付けは、写真用フィルムと
しての実用性に基づいて決定されており、ランクB以上
であることが好ましい A:蛍光灯が3本とも真っ直ぐに見える B:蛍光灯が若干曲がって見えるところがある C:蛍光灯が曲がって見える D:蛍光灯が大きく畝って見える。
ープを乾燥膜厚120μmになるように流延し、乾燥す
る。乾燥後のフィルムの中心部分を15cm×15cm
に切り取り、黙視で泡の発生個数を数える。
を用いて分球した。1つの篩いは2.0mmの目のもの
を通してそれ以上の粉を除き、次に0.05mmの篩い
を通してそれ以下の微粉を除き、本発明に使用する0.
05〜2.0mmの範囲のセルロースアシレートを調製
した。なお、0.04mm以下のものと2.1mm以上
のものについても比較として用いた。
素系有機溶媒に投入する際、筒状の投入口を設け、その
筒の中にイオン風を吹き込み、セルロースアシレートと
よく混合しながら投入する。イオン風はスタチックフリ
ーSF−1000((株)井内盛栄堂製)を用いて発生
させた。
に入れ外から冷水で粉砕機を冷却しながら150℃以下
の温度でセルロースアシレートを粉砕する。粉砕時のセ
ルロースアシレートの温度は熱電対をもちいてモニター
した。
示したような目開き5mmのステンレス製のメッシュ付
きの混合釜を用いて、アセチル基置換度2.78、粘度
平均重合度300及び表1に示すように、粉砕温度、粒
径範囲及び水分率のセルローストリアセテート100重
量部を、投入口の手前の所で管内に向かって、落下して
くるセルローストリアセテートに、イオン風を横から吹
かせて(あるいは吹かせないで)、予め混合釜に−70
℃に冷却しておいた酢酸メチルとアセトンからなる混合
有機溶媒(混合重量比6:4〜8:2)1000重量部
中に撹拌しながら徐々に投入した。投入が終了してから
20分後、セルローストリアセテートは全て膨潤した。
膨潤に関与しなかった有機溶媒をメッシュを通して60
0重量部排出し、得られた膨潤した混合物を溶解釜に移
送した。図3の溶解釜に予め50℃に加温しておいた同
組成の有機溶媒200重量部に膨潤させた混合物を投入
し、温度を50℃に保ち、撹拌しながら溶解させた。2
0分もしないうちに溶解しドープを得た。このドープに
可塑剤としてトリフェニルホスフェート(以下TPPと
略す)10重量部を添加し溶解させ、各ドープを製膜に
供した。得られたドープを定量ギヤポンプでダイに送液
し、ドープを図8のような溶液流延製膜方法によりセル
ローストリアセテートフィルムを作製した。即ち、ダイ
からドープをエンドレスに走行しているステンレスベル
トに乾燥後の膜厚が120μmとなるように流延した。
裏面から50℃の温水を接触させて温度制御されたベル
ト上で前半の乾燥を行い、後半は90℃の乾燥風を当て
てウェブを乾燥させた。ベルトがほぼ1周したところで
ベルトからウェブを剥離し、ウェブの両端をクリップで
把持しながら120℃で5分間、続いてロール群を通し
ながら搬送しつつ140℃で20分間乾燥させ最終的に
膜厚120μmのセルローストリアセテートフィルムを
得た。試料No.1〜10とした。各ドープの溶解性、
及び各フィルムの発泡性、平面性を評価し、表1に結果
を示した。
かった。本発明の特徴を全て条件とした場合は、ドープ
の溶解性、フィルムの発泡性及び同平面性全てが満足す
るものであった。比較例の特に粉砕温度及び粒子サイズ
が範囲から外れると粒子自体の溶解性が極端に劣化し、
またイオン風を無しにしたり、水分率を好ましい範囲か
ら外すと「ままこ」が出来やすくその結果溶解性あるい
は発泡性がそれぞれ若干落ちてしまうし、全ての条件を
外すと全く悪くなることがわかる。
ローストリアセテートを100部をイオン風を吹かせな
がら(あるいは吹かせないで)、可塑剤としてトリフェ
ニルホスフェート(以下TPPと略す)10重量部を含
む400重量部の酢酸メチル混合有機溶媒に、添加して
混合し、室温で膨潤させた。膨潤した混合物を撹拌しな
がら容器の外側から−70℃まで冷却し、1時間放置し
た。次に容器の外側から45℃まで加温し、30分放置
した。この冷却と加温を3回繰り返しドープを得た。各
ドープを実施例1と同様な方法で図8のような溶液流延
製膜方法によりセルローストリアセテートフィルムを作
製した。試料No.を11、17、19及び20とし
た。結果を表2に示した。
条件が揃った試料No.11は若干実施例1のNo.1
に比べると若干レベルが下がっているが、良好な結果が
得られた。その他の比較例はいずれも劣化していた。
ーストリアセテートを使用して、図4と図5の連続混合
機、有機溶媒分離器を用いて試験した。図4に示すよう
に、セルローストリアセテートを、予め−70℃に冷却
した移送中の酢酸メチルとアセトンからなる混合有機溶
媒(重量比7:3または8:2)に次々と投入した。投
入の速度は混合溶媒の単位時間当たりの流量に対して5
重量%になるように調整した。また投入に際し、投入口
のすぐ手前でイオン風を吹かせた。投入してから5分後
には混合機の終点ではセルローストリアセテートは全て
膨潤した。投入は10粉で終了した。従って膨潤時間と
しては15分を要した。次に膨潤した混合物を、目開き
1mmのステンレス製のメッシュを備えた有機溶媒分離
器に導入し、膨潤に関与しなかった過剰の有機溶媒を分
離しながら移送中の混合物を濃縮し、濃縮された混合物
を溶解釜に移送した。分離した有機溶媒は使用した量の
60重量%を回収した。溶解釜にはTPP10重量部を
含む予め50℃に加温しておいた前記と同組成の有機溶
媒に、濃縮された混合物を連続的に投入した。濃縮され
た混合物は50℃の有機溶媒に触れるとすぐに溶解しド
ープとなった。全ての濃縮された混合物を投入終了し終
わるのに10分を要した。このドープを用い、実施例1
と同様に溶液流延製膜方法で120μmのセルロースト
リアセテートフィルムを得た。試料No.を21、2
2、24、及び27とした。各ドープ及び各フィルムの
溶解性、発泡性、平面性を評価し、表3に結果を示し
た。
の冷却した有機溶媒にセルローストリアセテートを添加
して行く方法は溶解性がよく、試料No.22及び24
は実施例1よりもレベルが向上し(試料24は溶解性良
いが、平面性がやや劣る)、比較例のNo.27も若干
レベルが実施例1より上昇したものの、粉砕温度及び粒
子サイズが範囲外のため十分な結果は得られなかった。
試料No.21は全く良好であった。
溶解機を用いて試験した。アセチル基置換度2.51、
プロピオニル基置換度0.25及び重量平均重合度60
0のセルロースアセテートプロピオネート(粉砕温度、
粒子サイズ及び水分率を表4に示した如く変化させた)
を、予め−70℃に冷却した移送中の酢酸メチルとアセ
トンからなる混合有機溶媒(重量比7:3または6:
4)に次々に投入した。投入に際し、投入口の直ぐ手前
でイオン風を吹かせた。投入の速度は混合溶媒の単位時
間当たりの流量に対して5重量%になるように調整し
た。投入してから5分後には混合機の終点ではセルロー
スアセテートプロピオネートは全て膨潤した。投入は1
0分で終了した。従って膨潤時間としては15分を要し
た。次に膨潤した混合物を、目開き1mmのステンレス
製のメッシュを備えた分離器に導入し、膨潤に関与しな
かった過剰の有機溶媒を分離しながら移送中の混合物を
濃縮し溶解工程に移送した。濃縮された混合物に対する
セルロースアセテートプロピオネートの濃度は40重量
%になっていた。溶解機には、予め50℃に加温してお
いた酢酸メチルとアセトンの同じ組成の混合有機溶媒
(重量比7:3または6:4)が流れており、その中に
該濃縮された混合物を投入した。溶解機への濃縮された
混合物の加温有機溶媒への投入比は1:1とした。濃縮
された混合物は投入してすぐに溶解が始まり、20重量
%のセルロースアセテートプロピオネート溶液(ドー
プ)を得、貯蔵釜に導入した。全ての濃縮された混合物
を投入し終わるのに10分を要した。ここでTPPをセ
ルロースアシレートに対して10重量%になるように若
干の有機溶媒(同比率の)を貯蔵釜に投入して撹拌しな
がら溶解させた。このドープを用い、実施例1と同様に
溶液流延製膜方法で製膜を行い、120μmのセルロー
スアセテートプロピオネートフィルムを得た。試料N
o.31、32、33、34及び35とした。各ドープ
及び各フィルムの溶解性、発泡性、平面性を評価し、表
6に結果を示した。
例1〜3セルローストリアセテートと同様な結果が得ら
れ、イオン風、有機溶媒比、粉砕温度、粒子サイズ、水
分率と条件が揃うと全く良好な結果が得られた。
25及び重量平均重合度600(粉砕温度、粒子サイ
ズ、水分率を表5の如く変化させた)のセルロースアセ
テートプロピオネート100重量部を用い、TPP10
重量部を含む酢酸メチル280重量部及びアセトン12
0重量部の混合有機溶媒に添加して混合し、室温で膨潤
させた。混合する際、イオン風を吹き付けた。膨潤した
混合物を容量1000mlの肉厚100μmのアルミニ
ウム製の容器に満たし、空気が入らないようにアルミニ
ウム箔で蓋をして、かしめるように密封した。この密閉
された容器ををゴム製の袋にに詰め、軽く脱気後ゴム袋
を封入する。このゴム袋をセラミック成型用のゴム製静
水圧加圧装置(神戸製鋼製)にセットし、20℃に保ち
ながら1000kg/cm2の圧力で加圧する。その後
大気圧に戻し30分静置する。この加圧〜解放のサイク
ルを3回繰り返してドープを得た。実施例1と同様に溶
液流延製膜方法で製膜を行い、120μmのセルロース
プロピオネートフィルムを得た。各ドープ及び各フィル
ムの溶解性、発泡性、平面性を評価し、表5に結果を示
した。試料No.を41、42、43、44及び45と
した。
と同様な結果が得られたが、冷却高速溶解方法と比べる
と若干落ちるものの、粉砕温度及び粒子サイズの他に、
イオン風、有機溶媒比、水分率何れもドープの溶解性、
フィルムの発泡性や平面性に優れた効果があることが認
められた。
セルロースアシレート溶液を調製を行い、セルロースア
シレートの粉砕温度及び粒子サイズを本発明の範囲にす
ることによりドープ溶解性が優れ、更に含水率、またセ
ルロースアシレートを投入する際イオン風に曝すことな
どの条件を付加することによって、塩素系溶媒を実質的
に使用しない有機溶媒へのセルロースアシレートの溶解
性が「ままこ」の生成もなく優れた溶解性を示し、泡も
発生せず、平面性に優れたセルロースアシレートフィル
ムを得ることが出来、ハロゲン化銀写真感光材料や液晶
画像表示装置に用いられる優れたセルロースアシレート
フィルムを提供出来る。
模式図。
工程の断面模式図。
溶解工程の断面模式図。
Claims (24)
- 【請求項1】 非塩素系有機溶媒と、150℃以下で粉
砕した粒子径が0.05〜2.0mmの範囲のセルロー
スアシレートとを混合して混合物を形成する工程、形成
した混合物を−100〜−10℃で冷却処理する工程、
及び冷却処理後の混合物を0〜120℃で処理する工程
を経ることを特徴とするセルロースアシレート溶液の調
製方法。 - 【請求項2】 非塩素系有機溶媒を−100〜−10℃
に冷却する工程、150℃以下で粉砕した粒子径が0.
05〜2.0mmの範囲のセルロースアシレートと冷却
した非塩素系有機溶媒とを混合する工程、形成した混合
物を膨潤させる工程、及び膨潤した混合物を加熱溶解す
る工程を経ることを特徴とするセルロースアシレート溶
液の調製方法。 - 【請求項3】 非塩素系有機溶媒を−100〜−10℃
に冷却する工程、150℃以下で粉砕した粒子径が0.
05〜2.0mmの範囲のセルロースアシレートと冷却
した非塩素系有機溶媒とを混合する工程、形成した混合
物を膨潤させる工程、膨潤した混合物から分離手段によ
り非塩素系有機溶媒の一部を分離し濃縮する工程、及び
濃縮した混合物を加熱溶解する工程を経ることを特徴と
するセルロースアシレート溶液の調製方法。 - 【請求項4】 非塩素系有機溶媒を−100〜−10℃
に冷却する工程、150℃以下で粉砕した粒子径が0.
05〜2.0mmの範囲のセルロースアシレートと冷却
した非塩素系有機溶媒とを混合する工程、形成した混合
物を膨潤させる工程、0〜120℃に調温した前記有機
溶媒と同組成の非塩素系有機溶媒と膨潤した混合物とを
混合し溶液を形成する工程を経ることを特徴とするセル
ロースアシレート溶液の調製方法。 - 【請求項5】 −100〜−10℃で移送中の非塩素系
有機溶媒に、150℃以下で粉砕した粒子径が0.05
〜2.0mmの範囲のセルロースアシレートを連続的に
添加して形成した混合物を膨潤させる工程、膨潤した混
合物から分離手段により非塩素系有機溶媒の一部を分離
して濃縮する工程、及び濃縮後の混合物を加熱溶解する
工程を経ることを特徴とするセルロースアシレート溶液
の調製方法。 - 【請求項6】 −100〜−10℃で移送中の非塩素系
有機溶媒に、150℃以下で粉砕した粒子径が0.05
〜2.0mmの範囲のセルロースアシレートを連続的に
添加して形成した混合物を膨潤させる工程、膨潤した混
合物から分離手段により非塩素系有機溶媒の一部を分離
して濃縮する工程、及び濃縮後の混合物と0〜120℃
の前記有機溶媒と同組成の非塩素系有機溶媒を混合し溶
液を形成する工程を経ることを特徴とするセルロースア
シレート溶液の調製方法。 - 【請求項7】 −100〜−10℃で移送中の非塩素系
有機溶媒に、150℃以下で粉砕した粒子径が0.05
〜2.0mmの範囲のセルロースアシレートを連続的に
添加して形成した混合物を膨潤させる工程、膨潤した混
合物から分離手段により非塩素系有機溶媒の一部を分離
して濃縮する工程、及び濃縮後の混合物を0〜120℃
で移送中の前記有機溶媒と同組成の非塩素系有機溶媒を
混合し溶液を形成する工程を経ることを特徴とするセル
ロースアシレート溶液の調製方法。 - 【請求項8】 前記分離した非塩素系有機溶媒を循環し
て使用することを特徴とする請求項3、5、6又は7に
記載のセルロースアシレート溶液の調製方法。 - 【請求項9】 非塩素系有機溶媒と、150℃以下で粉
砕した粒子径が0.05〜2.0mmの範囲のセルロー
スアシレートとを混合して混合物を形成する工程、形成
した混合物を10〜5000kgf/cm2の圧力をか
けて処理する工程、及び加圧後の混合物を0.1〜10
kgf/cm2の圧力下で処理する工程を経ることを特
徴とするセルロースアシレート溶液の調製方法。 - 【請求項10】 セルロースアシレートが水酸基が炭素
原子数2〜5のアシル基で置換されたものであることを
特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載のセルロ
ースアシレート溶液の調製方法。 - 【請求項11】 セルロースアシレートが下記式(I)
〜(IV)の全てを満足することを特徴とする請求項1乃
至10の何れか1項に記載のセルロースアシレート溶液
の調製方法。 (I) 2.6≦A+B≦3.0 (II) 2.0≦A≦3.0 (III) 0≦B≦0.8 (IV) 1.9<A−B ここで、式中A及びBは、セルロースの水酸基に置換さ
れているアシル基の置換度を表し、Aはアセチル基の置
換度、またBは炭素原子数3乃至5のアシル基の置換度
である。 - 【請求項12】 Bが下記式(V)を満足することを特
徴とする請求項11に記載のセルロースアシレート溶液
の調製方法。 (V) 0<B≦0.3 - 【請求項13】 セルロースアシレートを非塩素系有機
溶媒に添加する直前にまたは添加しながらイオン風に曝
すことを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記
載のセルロースアシレート溶液の調製方法。 - 【請求項14】 含水率が0.1〜5.0重量%のセル
ロースアシレートを非塩素系有機溶媒と混合することを
特徴とする請求項1乃至13の何れか1項に記載のセル
ロースアシレート溶液の調製方法。 - 【請求項15】 セルロースアシレートがアセチル基置
換度2.70〜2.96のセルローストリアセテートで
あることを特徴とする請求項1乃至11、13又は14
の何れか1項に記載のセルロースアシレート溶液の調製
方法。 - 【請求項16】 セルロースアシレートが粘度平均重合
度220〜500のセルローストリアセテートであるこ
とを特徴とする請求項1乃至11、または13乃至15
の何れか1項に記載のセルロースアシレート溶液の調製
方法。 - 【請求項17】 セルロースアシレートが重量平均重合
度350〜800のセルローストリアセテート以外のセ
ルロースアシレートであることを特徴とする請求項1乃
至14の何れか1項に記載のセルロースアシレート溶液
の調製方法。 - 【請求項18】 前記セルロースアシレート溶液中のセ
ルロースアシレートの濃度が15〜35重量%であるこ
とを特徴とする請求項1乃至17の何れか1項に記載の
セルロースアシレート溶液の調製方法。 - 【請求項19】 非塩素系有機溶媒が炭素原子数3〜1
2のエステル、炭素原子数3〜12のケトン及び炭素原
子数3〜12のエーテルから選ばれることを特徴とする
請求項1乃至18の何れか1項に記載のセルロースアシ
レート溶液の調製方法。 - 【請求項20】 非塩素系有機溶媒が65〜75重量%
の酢酸メチル及び25〜35重量%のアセトンであるこ
とを特徴とする請求項1乃至19の何れか1項に記載の
セルロースアシレート溶液の調製方法。 - 【請求項21】 前記セルロースアシレート溶液を調製
する何れかの工程で添加剤を添加するか、前記工程の後
に添加剤を添加する工程を設けることを特徴とする請求
項1乃至20の何れか1項に記載のセルロースアシレー
ト溶液の調製方法。 - 【請求項22】 添加剤が可塑剤であって、可塑剤をセ
ルロースアシレートに対して5重量%以上30重量%以
下で添加することを特徴とする請求項21に記載のセル
ロースアシレート溶液の調製方法。 - 【請求項23】 請求項1乃至22の何れか1項に記載
のセルロースアシレート溶液を用いて、溶液流延製膜方
法により製膜することを特徴とするセルロースアシレー
トフィルムの製造方法。 - 【請求項24】 請求項22に記載の方法で製造された
ことを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
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JP13676098A JP4614116B2 (ja) | 1998-05-19 | 1998-05-19 | セルロースアシレート溶液の調製方法 |
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JPH11323017A true JPH11323017A (ja) | 1999-11-26 |
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