JP2006311741A - タップインダクタ降圧形コンバータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】従来のタップインダクタ降圧形コンバータと異なり、本発明では、クランプコンデンサCcを1次巻線と直列に挿入し、クランプスイッチにより、タップインダクタの電流を転流させる。これにより、漏れインダクタンスによるスイッチングサージが抑制される。さらに、従来方式の動作が昇降圧形コンバータの動作に似ているのに対し、本発明のコンバータは、降圧形コンバータに近い動作と成るため、より低い出力電圧を生成でき、制御の安定度も高い。さらに、主スイッチとクランプスイッチに低い耐圧の素子を使用でき、インダクタの重畳電流が少なく、駆動回路に既存のICが利用できるため、回路を小型で部品点数の少ないものに出来る。
【選択図】図9
Description
降圧形の利点としては、
(1)インダクタを流れる直流電流成分が負荷電流値以上にはならないので、インダクタのサイズを小さく出来る。
(2)時比率に対する出力電圧特性が線形的であるため、PWM制御の安定度が高い。また、降圧比を大きく取れる。
(3)スイッチ素子の耐圧が電源電圧までしか上がらないので、耐圧の低いスイッチ素子が利用できる。
などがあげられる。これらの利点が失われるため、
(1)インダクタの重畳電流が負荷電流値以上になるため、インダクタのサイズが大きくなる。
(2)時比率に対する出力電圧特性が指数関数的であり、PWM制御の安定度が悪い。また、時比率を大きく取ると、降圧比が大きく取れない。
(3)スイッチ素子の耐圧が電源電圧の2倍前後になるため、耐圧の高いスイッチ素子が必要。
といった問題が生じる。
従来のアクティブクランプ方式を用いたタップインダクタ降圧形コンバータが、クランプコンデンサを1次巻線と並列接続させるのに対して、本発明の特徴は、入力電源と負荷の間に、主スイッチと、整流素子と、第1及び第2巻線を含むタップインダクタと、出力平滑コンデンサと、を備えたタップインダクタ降圧形コンバータにおいて、前記1次巻線にクランプコンデンサを直列接続し、これらと並列又に又は主スイッチの一端と入力電源の一端との間にクランプスイッチを接続したタップインダクタ降圧形コンバータである。
これにより前記主スイッチとクランプスイッチを交互にオン・オフさせることにより、1次巻線とクランプコンデンサを流れる電流を転流させる。
(1)降圧比を大きくとれる(巻数比を減らせる、漏れインダクタを減らせる)
(2)タップインダクタの直流重畳成分が少なくなる(インダクタを小型化できる)
(3)スイッチ素子の耐圧が半分で済む(スイッチ素子を安価にできる)
(4)上記理由から、電力効率が改善できる
(5)制御の安定度が高い(負荷応答特性が改善できる、出力平滑コンデンサを小型化できる)
また、本発明のコンバータでは、メインスイッチとクランプスイッチの間にクランプコンデンサが直列接続されていないため、駆動に、既存のドライブICがそのまま利用できる。そのため、ドライブ回路の設計が容易である。さらに、ソフトスイッチングや電流共振を組み合わせることで、電力効率の向上と低ノイズ化が可能である。また、本発明のコンバータを多相構成にすれば、出力電圧リップルの低減や応答特性の改善も可能となる。
また、2次巻線を前記整流素子と直列接続し、この両端に出力平滑コンデンサを並列接続させることもできる。
なお、整流素子として同期整流スイッチを用いて、主スイッチと交互にオン・オフさせても同様の作用効果が得られる。
クランプスイッチは、直列接続された1次巻線とクランプコンデンサに並列接続させてもよい。
また、クランプスイッチを、主スイッチの一端と入力電源の一端との間に接続させてもよい。これにより、ドライブ回路の設計が容易となる。
なお、スイッチング転換時に全スイッチがオフとなる期間(デッドタイム)を設けることにより、ゼロ電圧スイッチング(ZVS)のソフトスイッチング動作を行うことができる。
また、タップインダクタの持つ漏れインダクタンスとクランプコンデンサとを電流共振させることで、スイッチング転換時の損失を低減できる。
さらに、本発明のコンバータを複数個並列接続し、多相駆動することによって、出力リップルの低減や負荷応答特性の改善が可能である。
本発明におけるタップインダクタ降圧形コンバータの構成する具体的な回路構成例は複数存在しており、以下で述べる回路例に限定されるものではない。
先ず、クランプコンデンサの電圧VCcが、入力電圧Eiと逆向きに発生する。この効果により、従来方式よりも降圧比を大きく取ることが可能となる。これに伴って、タップインダクタの巻数比を小さくできるので、漏れインダクタンスの少ないトランスを作ることが出来る。また、主スイッチの時比率に対する出力電圧は、線形的に変化するため、制御の安定度も高い。さらに、スイッチにかかる耐圧は、従来方式では、電源電圧の約2倍であったのに対し、本方式は、電源電圧までしか加わらないため、耐圧の低い素子を使用できる。さらに、タップインダクタの直流重畳成分が少ないため、コアサイズの小型かも可能である。
図7示す回路は、図1の回路のダイオードを同期整流スイッチSRに交換したものである。
図8に示す回路は、図6の回路のダイオードを同期整流スイッチSRに交換したものである。
Ei : 48 V 、Eo : 1.2 V、Cc : 22mF、Co : 500mF、タップインダクタの1次巻数10巻、2次巻数1巻、スイッチング周波数 : 100 kHz。
図13に、時比率に対する出力電圧の関係を示す。従来方式に比べ、本発明のコンバータは、時比率が大きくても、出力電圧を大幅に降圧することが可能であることがわかる。また、従来方式は昇降圧形コンバータの様に、指数関数的な変化をしているのに対して、本発明のコンバータは、降圧形コンバータの様に、直線状に変化する。したがって、降圧形コンバータと同様に、安定したPWM制御が可能である。図14に、主スイッチのドレイン・ソース間電圧波形を示す。電圧波形にサージの発生はなく、電源電圧48Vにクランプされている。
Sm メインスイッチ(主スイッチ)
D ダイオード
Sc クランプスイッチ
Cc、 クランプコンデンサ
SR 同期整流スイッチ
Co 出力平滑コンデンサ
Trs タップインダクタ
n1 1次巻線
n2 2次巻線
Ti 理想トランス
Lm 励磁インダクタ
Lkg 漏れインダクタ
R 負荷
Claims (3)
- 入力電源と負荷の間に、主スイッチと、整流素子と、第1及び第2巻線を含むタップインダクタと、出力平滑コンデンサと、を備えたタップインダクタ降圧形コンバータにおいて、前記1次巻線にクランプコンデンサを直列接続し、これらと並列又に又は主スイッチの一端と入力電源の一端との間にクランプスイッチを接続したことを特徴とするタップインダクタ降圧形コンバータ。
- 入力電源と負荷の間に、主スイッチと、整流素子と、第1及び第2巻線を含むタップインダクタと、出力平滑コンデンサと、を備えたタップインダクタ降圧形コンバータにおいて、前記1次巻線にクランプコンデンサを直列接続し、これらと並列に又は主スイッチの一端と入力電源の一端との間にクランプスイッチを接続すると共に、前記2次巻線を前記出力平滑コンデンサと直列接続し、この両端に前記整流素子を並列接続したことを特徴とするタップインダクタ降圧形コンバータ。
- 入力電源と負荷の間に、主スイッチと、整流素子と、第1及び第2巻線を含むタップインダクタと、出力平滑コンデンサと、を備えたタップインダクタ降圧形コンバータにおいて、前記1次巻線にクランプコンデンサを直列接続し、これらと並列に又は主スイッチの一端と入力電源の一端との間にクランプスイッチを接続すると共に、前記2次巻線を前記整流素子と直列接続し、この両端に前期出力平滑コンデンサを並列接続したことを特徴とするタップインダクタ降圧形コンバータ。
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