JP2005502299A - クランプ回路を備えた電圧レギュレータ - Google Patents

クランプ回路を備えた電圧レギュレータ Download PDF

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Abstract

スイッチング素子にかかる電圧を、入力電圧とクランプキャパシタにかかる電圧との和に等しいかまたはそれよりも小さい値へクランプする回路を提供する。一実施形態において、能動クランプ回路は結合巻線の第1の巻線と並列に接続されたスイッチおよびクランプキャパシタを含み、この回路はこの一実施形態に従って電圧クランプを実現する。能動クランプは、スイッチに亘って電圧スパイクが発生することを抑制する。クランプキャパシタは、結合巻線の第1の巻線に蓄積されたエネルギーを回復する。第2の実施形態において、受動クランプ回路はスイッチング素子とクランプキャパシタと第1および第2のダイオードとを含み、この回路はこの第2の実施形態に従って電圧クランプを実現する。この受動クランプ回路は、スイッチにわたって電圧スパイクが発生することを抑制する、このクランプキャパシタは、結合巻線の第1の巻線に蓄積されたエネルギーを回復する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチング電力供給の分野に関し、特に、スイッチング電圧レギュレータモジュールに関する。
【関連技術】
【0002】
集積回路(IC)技術における発展は、その回路を動作させるのに要求される動作電圧のさらなる低減に頻繁に関わる。動作電圧の低下は、回路の大きさおよび電力消費の低減により、コスト低減につながる。より高速かつ効率的なデータ処理の要求があるために、低電圧集積回路の分野において、発展を大きく促進させた。現在、3ボルトレンジ(例えば、3.3V IC)において動作する低電圧集積回路が強く所望されている。3ボルトICは、標準的な5ボルトICに代わり、高速性や高集積性のために次第に用いられてきている。
【0003】
さらに、3ボルトICは、従来の5ボルトICよりも少ない電力しか消費しない。従って、低電圧集積回路によって、携帯型電話機やラップトップコンピュータのようなバッテリで動作する装置は、動作時により高い電圧を要する装置よりも比例的に長い時間動作することが可能となった。
【0004】
しかしながら、3.3V ICは、さらに速度を改善し、電力消費を低減させるだけでなく、直接、単一セルバッテリの消費をも可能とするようなさらに低い動作電圧を有するICへの移行を示す。次世代のデータ処理ICは1〜2Vの範囲内の電圧で動作可能なものとなると予測されている。同時に、単一プロセッサチップにより多くのデバイスが集積され、かつ、プロセッサはより高い周波数で動作するので、マイクロプロセッサは積極的な電力管理を必要とする。ほぼ13アンペアの電流を要する現在のプロセッサに比べて、後世代のプロセッサは、50〜100アンペアという範囲の電流を要するであろう。その負荷範囲(load range)は1:100にも達し得る。
【0005】
さらに、ICの速度が速くなると、ICは、電力供給源に対してより動的な負荷となる。次世代のマイクロプロセッサは、50A/マイクロ秒の電流速度(current slew rates)を示すと予測されている。さらに、出力電圧調整は、非常に厳格に(例えば、5%から2%に)なってきている。マイクロプロセッサに電力供給する電圧レギュレータモジュール(VRM)は、高効率、速い過渡応答および高い電力密度を有しなければならない。これらの要求は設計変更に深刻な問題をもたらす。
【0006】
図1は、従来の同期化されたバックコンバータ100の模式的な回路図である。回路100は、高効率、速い過渡応答および高い電力密度という要求に適合するVRMとして典型的に用いられる。動作においては、スイッチS1およびS2が、相補的な仕方でオンおよびオフに切り替わる。バックコンバータ回路100の電圧ゲインは、次の式1により表される。
D=V/Nin (式1)
ここで、Dは、スイッチS1のデューティ比率(duty ratio)である。
【0007】
当業者に周知なように、バックコンバータは、ほぼ0.5というデューティサイクルにおいて高効率および良好な過渡応答を有する。5Vの入力電圧および2Vの出力電圧のためには、デューティサイクルは0.4であり、これは高効率を達成するために許容できるデューティサイクル率である。
【0008】
将来のVRMはマイクロプロセッサにより大きな電力を供給することが要求されるため、電力スイッチは、より大きな電流を扱うことが可能でなければならないが、これは効率を低減させてしまう。しかしながら、電力の方程式に従って、将来のマイクロプロセッサによって要求される増大電力は、入力電圧を代わりに上昇させることで達成され、これにより入力電流を低下させることが可能となるので、これにより、伝導損失(conduction losses)が低下する。さらに、これは、キャパシタの大きさをも小さくする。このように、VRMが12Vまたはそれよりも高い入力電圧を有することは好ましい。例えば、ノート型コンピュータに対する入力電圧を19Vと高くすることができる。式1によると、従来の同期型バックコンバータのデューティサイクルは、12V入力および1.2V出力により、0.1と小さい。0.1オーダーのデューティサイクルの欠点は、この回路が効率、電圧調整および過渡応答の観点において性能が劣ることである。
【0009】
図2は、従来例によるタップド(tapped)コンバータ回路200の回路図である。コンバータ回路200は、調整されていないDC入力源Vinを介して接続された第1のパワースイッチS1を含む。パワースイッチS1の一端は、強固に結合された巻線対(N1、N2)の第1の巻線N1に接続されている。結合された巻線対(N1、N2)は、ジャンクション12においてフィルタキャパシタCおよび負荷Rへ接続されている。フィルタキャパシタCおよび負荷Rは並列に接続されている。コンバータ回路200は、巻線対(N1、N2)の第2の巻線N2に直列に接続された第2のパワースイッチS2をさらに含む。直列に接続されたパワースイッチS2おとび第2の巻線N2は、フィルタキャパシタCおよび負荷Rと並列に接続されている。
【0010】
コンバータ回路200の動作は、コンバータ回路200に関連する対応スイッチング波形を図示した図3aから図3gを参照して記載される。
【0011】
時点t1より前の時点においては、スイッチS1はOFFである。時点t1から時点t2までにおいて、スイッチS1はONに切り替えられ(図3a参照)、スイッチS2はOFFに切り替えられる(図3b参照)。入力電圧Vinと出力電圧Vとの間の電圧差、即ち、(Vin−V)は、結合されたインダクタ巻線N1およびN2のうちの巻線N1に印加される。N1内の巻線電流である入力電流iS1は、図3cに示すように線形的に上昇する。従って、時点t1からt2の間に、入力電圧は、スイッチS1および巻線N1の導体部を介して出力へ電力を送る。この時点の間に、エネルギーは巻線N1内に蓄積される。
【0012】
t2に等しい時点において、スイッチS1はOFFに切り替えられ、スイッチS2はONに切り替えられる。時点t1からt2までに巻線N1に蓄積されたエネルギーは、巻線N2へ転送される。巻線電流iN2が、そのエネルギーを出力へ開放するためにスイッチS2を介して流れる。その処理は、フライバック(flybach)コンバータとして動作する。巻線N1における電圧-秒バランス(voltage-second balance)に基づいて、コンバータ回路200の電圧ゲインは、次の式2で表される。
/Vin=1/[1+(N/N)*(1/D−1)] (式2)
ここで、Dは、スイッチS1のデューティ比率である。式2より、およそ0.5のデューティサイクルは、結合されたインダクタのターン比率(turn ratio)を適切に選択することによって高い回路効率を達成することができることがわかる。一具体例として、入力電圧はVin=12V、出力電圧はV=1.5V、所望のデューティサイクルはD=0.5、比率N/N=7である。
【0013】
回路200の1つの欠点は、巻線N1のリークエネルギーが巻線N1とN2との間の不完全な結合により巻線N2へ転送され得ないために、スイッチS1をOFFに切り替えたときに(例えば、図3fの時点t2を参照)、スイッチS1に亘って大きな電圧スパイクが生じることである。巻線N2に転送され得ない、リークインダクタL(図示せず)に蓄積されたリークエネルギーは、導電スイッチS2を通してスイッチS1の出力寄生容量(図示せず)に蓄えられ、スイッチS1にかかる高い電圧ストレスの原因となる。その結果、高電圧規格のMOSFETスイッチが、回路200に使用されなければならず、これにより、電力損失を大きく増大させ、効率を低下させる。
【0014】
高電圧規格のMOSFETスイッチを用いる必要性を避け、回路効率をさらに改善するために結合リークインダクタのリークエネルギーを再利用する回路構成を提供することが所望されている。
【発明の要旨】
【0015】
従って、本発明の第1の目的は、低電圧規格のパワースイッチが回路効率を改善するために用いられ得るような回路を提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、回路効率をさらに改善するために結合リークインダクタのリークエネルギーを再利用する回路を提供することである。
【0017】
本発明のさらに他の目的は、必要最小限の構成要素を用いた回路を提供することである。
【0018】
本発明に従った第1の実施形態によれば、調整されていないDC入力源に直列に接続された第1のスイッチと、第1の巻線および第2の巻線を有する結合巻線に或るジャンクションにおいて結合された第2のスイッチと、結合巻線のうちの1つの巻線に付随するリークインダクタンスと、第2のスイッチと並列に接続されたショットキーダイオードと、直列に接続された第3のスイッチおよびクランプキャパシタを含む能動クランプ回路とを含み、パワースイッチ電圧クランプ機能を有する能動クランプ降圧型コンバータ回路を提供する。このクランプ回路は、リークインダクタンスおよび第1の巻線と並列に接続される。このコンバータ回路は、結合巻線に接続され、負荷に並列に接続されたフィルタキャパシタをさらに含む。
【0019】
クランプキャパシタは、第1のスイッチがOFFである期間に、第1のスイッチにかかる電圧をクランプする。この第1のスイッチにかかるクランプ電圧は、入力電圧とクランプキャパシタ電圧との和である。
【0020】
本発明に従った第2の実施形態によれば、調整されていないDC入力源に直列に接続された第1のスイッチと、第1の巻線、第2の巻線および第3の巻線を有する結合巻線のうちの1端子に或るジャンクションにおいて結合された第2のスイッチと、結合巻線のうちの1つの巻線に付随するリークインダクタンスと、アノードが結合巻線の第3の巻線のうちの一端子に直列に接続されカソードがDC入力源に接続された第2のダイオードおよびカソードが第3の巻線の他端子へ接続されアノードが結合巻線の第2の巻線の一端子に接続された第1のダイオードを含む受動クランプ回路と、を含み、パワースイッチ電圧クランプ機能を有する能動クランプ降圧型コンバータ回路を提供する。ダイオードの第2の端子は、第2のダイオードのアノードに直列に接続されている。このクランプ回路は、第1および第2のダイオード、並びに、結合巻線の第3の巻線に並列に接続されたクランプキャパシタをさらに含む。このコンバータ回路は、結合巻線の途中に接続され、負荷に並列に接続されたフィルタキャパシタをさらに含む。
【0021】
第1の実施形態において、クランプキャパシタは、第1のスイッチがOFFである期間に第1のスイッチにかかる電圧をクランプする。クランプされた第1のスイッチにかかる電圧は、入力電圧とクランプキャパシタ電圧との和である。
【0022】
本発明によってもたらされる主な利点は、各スイッチがOFF状態に遷移する際に生じていた電圧スパイクを防止し、実質的に除去したことである。電圧スパイクは、第1の巻線に並列に能動クランプ回路を組み込むことによって除去される。
【0023】
本発明の他の利点は、従来例のアプローチによれば各スイッチングサイクルにおけるリークエネルギーを浪費していたのに対して、本発明では各スイッチングサイクルにおけるリークエネルギーを回復することによって、回路全体の効率(即ち、電力出力/電力入力)を促進させたことである。リーク電流を捕らえたことのさらに追加の利点は、第1のスイッチの電圧規格を充分に低くすることができ、それによって、そのコストを低減させることができたことである。
【0024】
本発明のさらに他の利点は、この回路が、動的応答およびシステム効率を改善するほぼ0.5のデューティサイクルで動作するように最適化されたことである。ほぼ0.5の公称デューティサイクルで動作することによって、この回路は、負荷条件の変化に対応することができる。即ち、負荷が公称上のものから重負荷に変化した場合、デューティサイクルは、仕様の範囲内に出力電圧の変化を抑えるために、0.5から1.0に近い値へ上昇されなければならない。同様に、負荷が公称上のものから軽負荷へ変化した場合には、デューティサイクルは、仕様の範囲内に出力電圧の変化を抑えるために、0.5から0に近い値へ低下されなければならない。デューティサイクルにおける要求された変化は、本発明に従って動作する回路によって最も容易に達成される。
【好適な実施形態の詳細な説明】
【0025】
本発明の上述の特徴は、添付図面に関連して図示された実施形態に関する次の詳細な記述を参照することによって、より容易に明確にされ、理解され得る。
【0026】
本発明による実施形態において、電圧レギュレータモジュール(VRM)に用いられるクランプ降圧コンバータは、各スイッチングサイクルにおいてOFFに切り替えられている間に回路スイッチング素子にわたって生じる電圧スパイクを無くし、または、これを充分に低減させるように設けられている。さらに、本発明によるコンバータ回路の実施形態は、スイッチング素子による導通の間のインターバル中にインダクタリークエネルギーが回復され、従来技術のコンバータ回路よりも電力効率が良い。
【0027】
図4は、前述した回路200の欠点を克服した第1の実施形態の回路図である。本実施形態のコンバータ回路400は、コンバータ回路400に関して対応するスイッチング波形を図示した図5aから図5jを参照して記載されている。
【0028】
コンバータ回路400は、調整されていないDC入力源Vinを介して接続されている第1のパワースイッチS1を含む。パワースイッチS1の一端は、巻線N1に付随するリークインダクタLに接続されている。リークインダクタLは、ジャンクション30においてクランプキャパシタCrに接続されている。
【0029】
スイッチS3と直列に接続されたクランプキャパシタCrを含む回路部分は、スイッチS1がONからOFFの状態に遷移する間にスイッチS1にかかる電圧をクランプするための能動クランプ回路という。スイッチS3の一端子、磁気的に結合された巻線N1およびN2の共通端子、並びに、フィルタキャパシタCの一端子が、共通ジャンクション32において接続されている。
【0030】
上述したようにパワースイッチS1、S2、パワースイッチS3は、パワーMOSFETまたは当業者によって理解されている他の周知の半導体でよい。スイッチS3は、内部ボディダイオードD3に含まれている。コンバータ回路400は、負荷Rに並列に接続されたフィルタキャパシタCをさらに含む。
【0031】
図5aから図5jを参照して、時点t1より前の時点においては、スイッチS1はOFFである。時点t1から時点t2までにおいては、スイッチS1はONに切り替えられ(図5a参照)、スイッチS2およびS3はOFFに切り替えられている(図5bおよび図5c参照)。入力電圧Vinと出力電圧Vとの間の電圧差は、結合インダクタ巻線対(N1、N2)の巻線N1に印加される。スイッチング電流iS1および出力電流iは、図5dおよび図5gに示すようにそれぞれ線形に上昇する。スイッチS2にかかる電圧は、次の式3で表される。
d2=Vo+(Vin−Vo)*(N2/N1) (式3)
図5jに示されているように、入力電圧は、スイッチS1が時点t2においてOFFに切り替わるまで、電力を出力へ与える。
【0032】
時点t2の後、スイッチS1はOFFに切り替えられる。時点t1からt2までに巻線N1に蓄積されたエネルギーは巻線N2へ転送される。巻線電流iN2は、t3に等しい時点でスイッチS2がONに切り替わるまで、ショットキーダイオードDS(図5f参照)を通して流れる。リークインダクタLに蓄えられたリークエネルギーは、スイッチS3のボディダイオードを介してクランプキャパシタCに蓄えられる。
【0033】
両方のスイッチS2およびS3の逆平行ダイオードが時点t3より前に導通するので、t3に等しい時点で、スイッチS2およびS3はゼロ電圧スイッチングでONに切り替わる。このように、スイッチS2およびS3にはON切替えにおけるスイッチング損失が無い。クランプキャパシタC内に蓄積されたエネルギーは、時点t3の後、結合インダクタ巻線N1およびN2を通して出力へ送られる。クランプキャパシタCにかかるクランプ電圧Vは次の式4で表される。
=(N1/N2)*V (式4)
【0034】
従って、スイッチS1にかかる最大電圧ストレスが入力電圧Vinとクランプキャパシタ電圧Vとの和であることがわかる。電圧Vd1は次の式5で表される。
d1=(N1/N2)*V +Vin (式5)
【0035】
式5は、スイッチS1にかかる電圧ストレスが十分にクランプされていることを示している。巻線電流iN2は、t4に等しい時点でスイッチS2がOFFに切り替えられるまで、スイッチS2を介して流れ続ける。巻線N2に蓄積されたエネルギーは、t5に等しい時点でスイッチS1がONに切り替えられるまで、出力へ送られ続ける。
【0036】
図6は、クランプ降圧コンバータ回路の第2の実施形態の回路図である。図4に示した同一の参照記号は、同一の要素、電流および電圧を示している。コンバータ回路600の動作は、コンバータ回路600に関して対応するスイッチング波形を示した図7aから図7fを参照して記載されている。時点t1より前の時点において、スイッチS1はOFFである。
【0037】
時点t1から時点t2までにおいて、スイッチS1はONに切り替えられ(図7a参照)、および、スイッチS2はOFFに切り替えられている(図7b参照)。入力電圧Vinと出力電圧Vとの間の電圧差は、結合インダクタ巻線(N1、N2、N3)のうち巻線N1に印加される。スイッチング電流iS1は、図7dに示されているように線形に上昇する。クランプキャパシタ電圧Vは、時点t1において巻線N3に印加され、それによって、時点t1からt2までの間に巻線N3へエネルギーを転送する。巻線N3が磁気的にN1へ結合されている結果、キャパシタCから送られた巻線N3内のエネルギーは、巻線N3から巻線N1へ転送される。巻線N1内の転送エネルギーは、次に、負荷Rへ転送される。この期間中に、ダイオードD2は、キャパシタCから巻線N3へ、続いて、巻線N1を介して負荷へエネルギーが転送されることを可能とするために、クランプキャパシタCと巻線N3のインダクタンスとの間の共振を阻止する。上述のエネルギー転送処理、即ち、巻線N1を通してキャパシタC内に蓄積されたエネルギーを出力へ転送することは、キャパシタ電圧Vが結合巻線N1およびN2からの反射電圧(reflected voltage)にクランプされるまで継続される。
【0038】
t2に等しい時点において、スイッチS1はOFFになり、スイッチS2はONになる(図7aおよび図7b参照)。既に巻線N1に蓄積されているエネルギーは、巻線N2へ転送され、巻線N2内の電流はスイッチS2を通して流れる。時点t1からt2までの間に、既にリークインダクタLに蓄積されたリークエネルギーは、巻線N2へは転送されない。このように、時点t2において、このリークエネルギーは、ダイオードD1を通してクランプキャパシタCを充電する。このキャパシタ電圧は次の式6で表される。
=(N1/N2)*V (式6)
【0039】
スイッチS1にかかる最大電圧ストレスVd1は、入力電圧Vinとクランプキャパシタ電圧Vとの和である。電圧Vd1は、次の式7で表される。
d1=Vin+(N1/N2)*V (式7)
【0040】
式7は、スイッチS1にかかる電圧がクランプされ、かつ、巻線N1内のリークエネルギーが回復され、出力へ送られることを示している。
【0041】
本発明が図示によって特定の実施形態に関して記載されてきたが、多くの変形および変更が当業者にとって明らかである。従って、特許請求の範囲は本発明の真の意思および範囲内に含まれる総ての変形および変更をカバーする意図である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】従来技術による電圧調整モジュールとして用いられた同期型バックコンバータ回路の回路図。
【図2】従来技術によるタップド降圧コンバータ回路の回路図。
【図3】図2の回路の波形を示す図。
【図4】本発明による実施形態に従ったパワースイッチ電圧クランプ機能を有する能動クランプ降圧コンバータ回路の回路図。
【図5】図4の回路の波形を示す図。
【図6】本発明による他の実施形態に従ったパワースイッチ電圧クランプ機能を有する能動クランプ降圧コンバータ回路の回路図。
【図7】図6の回路の波形を示す図。

Claims (21)

  1. 第1のスイッチング素子と、第1の巻線と、前記第1の巻線に結合された第2の巻線と、前記第2の巻線に接続されたスイッチ−ダイオード回路とを少なくとも有するベース回路および、
    前記ベース回路に結合され、第2のスイッチング素子およびクランプキャパシタを含み、所定のレベルで前記第1のスイッチング素子にかかる電圧をクランプするクランプ回路を備え、
    前記クランプキャパシタは前記第1の巻線からリークエネルギーを回復するために適用されることを特徴とするコンバータ回路。
  2. 前記第1の巻線および前記第2の巻線は磁気的に結合されていることを特徴とする請求項1に記載のコンバータ回路。
  3. 前記スイッチ−ダイオード回路は前記第2の巻線に接続された第3のスイッチング素子を含むことを特徴とする請求項1に記載のコンバータ回路。
  4. 前記スイッチ−ダイオード回路は、前記第3のスイッチング素子に対して並列に接続されたダイオードを含むことを特徴とする請求項3に記載のコンバータ回路。
  5. 前記ベース回路は、負荷に対して並列に結合されたフィルタキャパシタを含むことを特徴とする請求項1に記載のコンバータ回路。
  6. 当該コンバータ回路は、DC−DCコンバータ回路であることを特徴とする請求項1に記載のコンバータ回路。
  7. コンバータ回路においてスイッチング素子にかかる電圧をクランプする方法であって、
    第1のスイッチング素子と、第1の巻線と、第2の巻線と、前記第2の巻線に接続されたスイッチ−ダイオード回路を少なくとも有するベース回路を設けるステップと、
    前記ベース回路に結合され、第2のスイッチング素子およびクランプキャパシタを含み、所定のレベルで前記第1のスイッチング素子にかかる電圧をクランプするクランプ回路を設けるステップとを具備し、
    前記クランプキャパシタが前記第1の巻線からリークエネルギーを回復するために適用されることを特徴とする方法。
  8. 前記クランプするステップは、前記第1のスイッチング素子がON状態からOFF状態へ遷移した時点で実行されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 前記クランプキャパシタは、前記第1のスイッチング素子がOFF状態である間にエネルギーを回復することを特徴とする請求項7に記載の方法。
  10. 各スイッチングサイクルにおいて前記第1の巻線に付随するリークインダクタからリークを回復するステップをさらに具備することを特徴とする請求項7に記載の方法。
  11. 前記リークインダクタ内のリークエネルギーは、前記第2のダイオードおよび前記第3のスイッチング素子を介してクランプキャパシタを充電することによって回復されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  12. ・DC入力源に直列に接続された第1のスイッチング素子と、
    ・互いに結合された第1の巻線および第2の巻線と、
    ・ 前記第2の巻線に結合された第2のスイッチング素子と、
    を少なくとも有するベース回路および、
    ・クランプキャパシタと、
    ・前記クランプキャパシタに結合された第1のダイオードおよび第2のダイオードと、
    ・前記第1の巻線、前記第2の巻線および前記クランプキャパシタへ結合された第3の巻線と、
    を少なくとも有し、前記ベース回路に結合されたクランプ回路を備え、
    前記クランプ回路は、所定のレベルに前記第1のスイッチング素子にかかる電圧をクランプし、前記クランプキャパシタは前記第1の巻線からリークエネルギーを回復するために適用されることを特徴とするコンバータ回路。
  13. 前記第1、第2および第3の巻線は磁気的に結合されていることを特徴とする請求項12に記載のコンバータ回路。
  14. 負荷に対して並列に結合されたフィルタキャパシタをさらに含むことを特徴とする請求項12に記載のコンバータ回路。
  15. 当該コンバータ回路は、DC−DCコンバータ回路であることを特徴とする請求項12に記載のコンバータ回路。
  16. コンバータ回路においてスイッチング素子にかかる電圧をクランプする方法であって、
    ・DC入力源に直列に接続された第1のスイッチング素子と、
    ・互いに結合された第1の巻線および第2の巻線とを少なくとも有するベース回路を設けるステップおよび、
    ・クランプキャパシタと、
    ・前記クランプキャパシタに結合された第1のダイオードおよび第2のダイオードと、
    ・前記第1の巻線、前記第2の巻線および前記クランプキャパシタへ結合された第3の巻線とを少なくとも有し、前記ベース回路に結合されたクランプ回路を設けるステップを具備した方法。
  17. 前記クランプ回路を設けるステップは、
    前記第1の巻線からリークエネルギーを回復するために、前記クランプキャパシタを設けるステップと、
    前記クランプキャパシタに並列に接続された前記第1のダイオード、第2のダイオードおよび第3の巻線を設けるステップとをさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
  18. 前記スイッチング素子がON状態からOFF状態へ遷移する時点でクランプ動作が実行されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
  19. 前記クランプキャパシタは、前記第1のスイッチング素子がOFF状態である間にエネルギーを回復することを特徴とする請求項17に記載の方法。
  20. 各スイッチングサイクルにおいて前記第1の巻線に付随するインダクタからリークを回復するステップをさらに具備することを特徴とする請求項17に記載の方法。
  21. 前記インダクタ内のリークエネルギーは、前記第1のダイオードおよび前記第3の巻線を介してクランプキャパシタを充電することによって回復されることを特徴とする請求項20に記載の方法。
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