JP2006311643A - 車両用駆動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動機が惰性回転するときの音を速やかに低減させると共に、電動機の過熱を防止する。
【解決手段】電動モータ3による車輪駆動が停止され且つ電磁クラッチ11で動力の伝達が遮断された後(ステップS1の判定が“Yes”)、電動モータ3が惰性回転するときに(ステップS5の判定が“Yes”)、インバータ9による三相短絡によって電動モータ3にモータブレーキをかける(ステップS10)。そして、モータブレーキを開始してからのモータ回転数Nmの減少量ΔN(=N0−Nm)を算出し、この減少量ΔNが所定値ΔN1以上となるときに(ステップS9の判定が“Yes”)、電動モータ3が過熱傾向にあると判断してモータブレーキを中止する(ステップS4)。
【選択図】図8

Description

本発明は、電動機によって車輪を駆動可能な車両用駆動制御装置に関するものである。
従来、例えば前輪をエンジンによって駆動すると共に、後輪を電動モータで駆動可能なスタンバイ型の4輪駆動車両において、4輪駆動から2輪駆動に切換える際に、電動モータの駆動トルクを略0にしてから、電動モータと後輪との間のクラッチを遮断することが提案されている(特許文献1参照)。
特開2004−142472号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来例のように、単に電動モータの駆動トルクを0にしてからクラッチを遮断すると、電動モータが惰性回転してしまうので、クラッチを遮断したときのモータ回転数(車速)が高いほど、モータ音が大きくなり、乗員に違和感を与えてしまう。
このため、電動モータに対して電気制動(モータブレーキとも言う)をかけることが考えられるが、この電気制動は電動モータの発熱を招来するので、電気制動をかける時間によっては電動モータが過熱して劣化する可能性がある。
そこで、本発明は上記問題に着目してなされたものであり、電動機が惰性回転するときの音を速やかに低減させると共に、電動機の過熱を防止することのできる車両用駆動制御装置の提供を課題としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る車両用駆動制御装置は、車輪を駆動可能な電動機と、電動機と車輪との間で動力の伝達を遮断可能な断続機構と、を備えた車両用駆動制御装置であって、電動機による車輪駆動が停止され且つ断続機構で動力の伝達が遮断された後、電動機が惰性回転するときに、この電動機に電気制動をかけ、電動機の過熱傾向を検知したら電動機への電気制動を制限することを特徴とする。
本発明によれば、電動機による車輪駆動が停止され且つ断続機構で動力の伝達が遮断された後、電動機が惰性回転するときに、この電動機に電気制動をかけることで、電動機が惰性回転するときの音を速やかに低減させることができる。また、電動機の過熱傾向を検知したら電動機への電気制動を制限することで、この電気制動に起因した電動機の過熱傾向を直ちに抑制することができ、過熱による劣化から電動機を保護することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の概略構成図であり、前輪1FL・1FRをエンジン2で駆動する主駆動輪とし、後輪1RL・1RRを電動モータ3で駆動可能な補助駆動輪とするスタンバイ型の4輪駆動車両である。
エンジン2の駆動力は、トルクコンバータを有する自動変速機4、及びディファレンシャルギヤ5を順に介して前輪1FL・1FRに伝達されると共に、Vベルト6を介してジェネレータ7に伝達される。このジェネレータ7は、Vベルト6を介して伝達された動力によって発電を行い、発電した電力はパワーケーブル8で送電され、パルス幅変調(PWM)方式のインバータ9によって直流を交流に変換してから電動モータ3に供給される。電動モータ3の駆動力は、減速機10、電磁クラッチ11、及びディファレンシャルギヤ12を順に介して後輪1RL・1RRに伝達される。
エンジン2の出力は、エンジンコントローラ20によって制御される。エンジンコントローラ20は、アクセルセンサ21で検出されるアクセル開度Accに応じて、スロットルバルブ22に連結されたスロットルモータ23の回転角を調整することにより、エンジン2の出力を制御する。
ジェネレータ7の出力電圧は、4WDコントローラ24によって制御される。4WDコントローラ24は、ジェネレータ7に内蔵されたICレギュレータを介して界磁電流Igを調整することにより、ジェネレータ7の出力電圧Vgを制御する。ICレギュレータの回路電源には、車両の14Vバッテリ25を用い、図2(a)に示すように、ジェネレータ7の出力電圧Vgがバッテリ電圧Vb未満のときにバッテリ電圧Vbを用い、出力電圧Vgがバッテリ電圧Vb以上のときに出力電圧Vgを用いるようにしてもよいし、図2(b)に示すように、常時、バッテリ電圧Vbを用いるようにしてもよい。なお、図中の7aが、界磁電流Igの流れるロータコイルである。
また、パワーケーブル8の途中に設けられたジャンクションボックス26には、4WDコントローラ24からのリレー制御指令に応じて電動モータ3に対する電力供給のON/OFFを行うメインリレーと、通電電流Ia、ジェネレータ電圧Vg、及びモータ誘起電圧Vmを4WDコントローラ24でモニタするための電流センサ及び電圧検出回路と、が内蔵されている。
また、電動モータ3の出力は、4WDコントローラ24によって制御される。4WDコントローラ24は、インバータ9に内蔵されたスイッチング素子のデューティ比を調整すると共に、電動モータ3の界磁電流Imを調整することにより、電動モータ3の出力を制御する。また、インバータ9は、4WDコントローラ24からのブレーキ制御指令に応じて三相短絡されることにより、電動モータ3に電気制動(以下、モータブレーキと称す)をかける。さらに、インバータ9には、インバータ温度を4WDコントローラ24でモニタするためのサーミスタが取り付けられ、電動モータ3には、モータ回転数Nmとモータ温度を4WDコントローラ24でモニタするためのモータ回転センサ及びサーミスタが取り付けられている。
また、電磁クラッチ11は、4WDコントローラ24からのクラッチ制御指令に応じて励磁電流の通電が制御されることにより、電動モータ3から後輪1RL・1RRへの動力伝達が制御される。
また、4WDコントローラ24には、エンジン回転数Neを検出するエンジン回転センサ、アクセル開度Accを検出するアクセルセンサ、及び各車輪速VwFL〜VwRRを検出する車輪速センサ27FL〜27RRの各検出信号も入力される。
図3は、4WDコントローラ24で実行する演算処理のブロック図であり、目標モータトルク演算部24Aと、モータ必要電力演算部24Bと、発電制御部24Cと、モータ制御部24Dと、クラッチ制御部24Eと、モータブレーキ制御部24Fと、を備えている。なお、メインリレーの制御については、その詳細説明を省略するが、4WDコントローラ24は、電動モータ3を駆動制御する際、メインリレーへのリレー制御指令を出力して電動モータ3への電力供給をON状態に制御しているものとする。
先ず、目標モータトルク演算部24Aで実行する演算処理を、図4のブロック図に従って説明する。
スリップ速度算出部30では、前輪1FL・1FRのスリップ速度ΔVFを算出する。このスリップ速度ΔVFは、例えば下記(1)式に示すように、前輪1FL・1FRの平均車輪速から、後輪1RL・1RRの平均車輪速を減じて算出する。
ΔVF=(VwFL+VwFR)/2−(VwRL+VwRR)/2 ………(1)
第1モータトルク算出部31では、図中の制御マップを参照し、スリップ速度ΔVFに応じて第1モータトルクTm1を算出する。ここで、制御マップは、横軸をスリップ速度ΔVF、縦軸を第1モータトルクTm1とし、スリップ速度ΔVFが増加すると、これに応じて第1モータトルクTm1が増加するように設定されている。
一方、車速算出部32では、車輪速VwFL〜VwRRのセレクトローした値と車両の総駆動力Fとに応じて車速Vを算出する。ここで、総駆動力Fは、トルクコンバータ滑り比から推定される前輪駆動力と、目標モータトルクTm*から推定される後輪駆動力との和によって求められる。
第2モータトルク算出部33では、図中の制御マップを参照し、車速Vとアクセル開度Accとに応じて第2モータトルクTm2を算出する。ここで、制御マップは、横軸をアクセル開度Accとし、縦軸を第2モータトルクTm2とし、アクセル開度Accが増加すると、これに応じて第2モータトルクTm2が増加すると共に、車速Vが高いほど第2モータトルクTm2が小さくなるように設定されている。
そして、目標モータトルク算出部34では、第1モータトルクTm1と第2モータトルクTm2とのセレクトハイした値を、後輪速VwRL・VwRR、及び車速Vに基づいて、後輪1RL・1RRの加速スリップを抑制する値まで制限し(公知のトラクションコントロール)、最終的な目標モータトルクTm*を算出する。
次に、図3のモータ必要電力演算部24Bでは、電動モータ3に必要とされるモータ必要電力Pm*を、下記(2)式に示すように、目標モータトルクTm*とモータ回転数Nmとに応じて算出する。
Pm*=Tm*×Nm ………(2)
次に、図3の発電制御部24Cで実行する演算処理を、図5のブロック図に従って説明する。
目標電力算出部40では、ジェネレータ7が出力すべき目標電力Pg*を、下記(3)式に示すように、モータ必要電力Pm*とモータ効率ηmとに応じて算出する。
Pg*=Pm*/ηm ………(3)
制限値算出部41では、出力電力に対する制限値PL1及びPL2を算出する。
ここで、制限値PL1は、Vベルト6のベルトスリップを抑制可能な上限値であり、下記(4)式に示すように、Vベルト6が伝達可能なトルク上限値TL、ジェネレータ回転数Ng、ジェネレータ効率ηgに応じて算出する。
PL1=TL×Ng×ηg ………(4)
また、制限値PL2は、エンジン2の過負荷に起因したエンストや運転性劣化を抑制可能な上限値であり、エンジン回転数Neに応じて算出してもよいし、所定値としてもよい。
最終目標電力算出部42では、目標電力Pg*と制限値PL1及びPL2とのセレクトローした値を最終的な目標電力Pg*として算出する。
制御処理部43では、ジェネレータ7で目標電力Pg*が出力されるように、ジェネレータ7の界磁電流Igを制御する。具体的には、図6に示すように、目標電力Pg*と実際の出力電力Pgとが一致するように、フィードバック制御によって界磁電流Igを制御する。
すなわち、出力電力算出部43aで、ジェネレータ電圧Vgと通電電流Iaとの乗算によって実際の出力電力Pg(=Vg×Ia)を算出する。
そして、目標界磁電流算出部43bで、実際の出力電力Pgと目標電力Pg*との偏差ΔPgが0となるような目標界磁電流Ig*を算出する。
そして、界磁電流制御部44cで、実際の界磁電流Igと目標界磁電流Ig*との偏差ΔIgが0となるように、ロータコイル7aに流れる界磁電流Igを、ICレギュレータを介して制御する。なお、実際の界磁電流Igは電流センサによって検出する。
次に、図3のモータ制御部24Dでは、例えば図7に示すように、目標モータトルクTm*とモータ回転数Nmとに応じて公知のベクトル制御を行い、目標モータトルクTm*が出力されるように、インバータ9に内蔵されたスイッチング素子のデューティ比、及び電動モータ3の界磁電流Imを調整する。
次に、図3のクラッチ制御部24Eでは、目標モータトルクTm*が0のときには、電磁クラッチ11を非締結状態に制御することにより、電動モータ3から後輪1RL・1RRへの動力の伝達を遮断し、目標モータトルクTm*が0より大きくなるときには、電磁クラッチ11を締結状態に制御することにより、電動モータ3から後輪1RL・1RRへの動力の伝達を行う。
次に、図3のモータブレーキ制御部24Fで実行する第1実施形態の演算処理を、図8のフローチャートに従って説明する。
ステップS1では、電磁クラッチ11が非締結状態(OFF)にあり、電動モータ3から後輪1RL・1RRへの動力の伝達が遮断されているか否かを判定する。ここで、電磁クラッチ11が非締結状態(OFF)にあるときには、電動モータ3が惰性回転している可能性があると判断して後述するステップS5に移行する。一方、電磁クラッチ11が締結状態(ON)にあるときには、電動モータ3による車輪駆動が実行されていると判断してステップS2に移行する。
ステップS2では、制御フラグFを“0”にリセットする。
続くステップS3では、後述するステップS8でセットされるモータ回転数Nmの初期値N0をリセットする。
続くステップS4では、インバータ9に対するブレーキ制御指令を出力停止し、電動モータ3に対するモータブレーキを非作動状態(OFF)に制御してから、所定のメインプログラムに復帰する。
一方、前記ステップS1から移行するステップS5では、モータ回転数Nmが所定値Nm1(例えば車速10km/hに相当する値)以上であるか否かを判定する。この判定結果がNm<Nm1であるときには、電動モータ3は惰性回転していない、又は惰性回転していてもそのモータ音が乗員に違和感を与えるほど大きくはないと判断して前記ステップS2に移行する。一方、判定結果がNm≧Nm1であるときには、電動モータ3が惰性回転しており、そのモータ音が乗員に違和感を与える可能性があると判断してステップS6に移行する。
ステップS6では、制御フラグFが“0”にリセットされているか否かを判定する。この判定結果がF=0であるときには、電動モータ3の惰性回転を検知した直後であると判断してステップS7に移行する。
ステップS7では、制御フラグFを“1”にセットする。
続くステップS8では、この時点のモータ回転数Nmを初期値N0として設定してからステップS9に移行する。
一方、上記ステップS6の判定結果がF=1であるときには、初期値N0を設定済みであると判断してそのままステップS9に移行する。
ステップS9では、モータ回転数Nmの初期値N0からの減少量ΔN(=N0−Nm)が所定値ΔN1(例えば3000rpm)以上であるか否かを判定する。この判定結果がΔN<ΔN1であるときには、インバータ9や電動モータ3は過熱傾向にはないと判断してステップS10に移行する。
ステップS10では、インバータ9に対するブレーキ制御指令を出力し、電動モータ3に対するモータブレーキを作動状態(ON)に制御してから、所定のメインプログラムに復帰する。
一方、上記ステップS9の判定結果がΔN≧ΔN1であるときには、インバータ9や電動モータ3がモータブレーキによって過熱傾向にあると判断して前記ステップS4に移行する。
以上より、インバータ9及び電動モータ3が「電動機」に対応し、電磁クラッチ11が「断続機構」に対応している。また、ステップS1、S5、S10の処理が「電気制動手段」に対応し、ステップS2、S3、S6〜S9の処理が「過熱傾向検知手段」に対応し、ステップS9、S4の処理が「制限手段」に対応する。
次に、上記第1実施形態の動作や作用効果について説明する。
今、アクセルペダルが大きく踏込まれたり、或いは降雨路、雪路、凍結路のように路面の摩擦係数が低かったりして、エンジン2によって駆動される前輪1FL・1FRが加速スリップしたとする。
このとき、前輪スリップ速度ΔVFの増加やアクセル開度Accの増加に伴って目標モータトルクTm*が算出され、これに応じてジェネレータ7の発電が開始されると共に、電動モータ3の力行が開始される。こうして、加速スリップで損失する回転エネルギーを電気エネルギーに変換することで、エンジン2の出力が抑制されることになり、前輪1FL・1FRの加速スリップを抑制することができる。
また、ジェネレータ7で発電された電力を電動モータ3に供給し、この電動モータ3によって後輪1RL・1RRを駆動する、つまり4輪駆動状態にすることにより、エネルギー効率を向上させるだけでなく、スムーズで安定した発進性能および走行性能を発揮することができる。
また、電動モータ3に必要とされる必要電力Pm*を算出し、この必要電力Pm*からジェネレータ7が出力すべき目標電力Pg*を算出し、この目標電力Pg*が実際の出力電力Pgと一致するようにジェネレータ7の界磁電流Igを制御するので、ジェネレータ7は電動モータ3に必要とされる必要電力Pm*を正確に供給することができ、目標モータトルクTm*を正確に出力することができる。
また、ジェネレータ7の界磁電流Igを電流センサで検出し、この実際の界磁電流Igが目標界磁電流Ig*に追従するようにフィードバック制御するので、出力電力Pgを確実に目標電力Pg*に追従させることができる。
この状態から、前輪1FL・1FRの加速スリップが抑制される、又は車速Vが所定値(例えば60km/h)を超え、目標モータトルクTm*が略0になるときに、電磁クラッチ11が遮断されて4輪駆動から2輪駆動に移行する。
このとき、図9に示すように、電動モータ3が惰性回転するので、電磁クラッチ11を遮断したときのモータ回転数Nm(車速)が高いほど、モータ音が大きくなり、乗員に違和感を与えてしまう。
そこで、図10に示すように、電動モータ3による車輪駆動が停止され且つ電磁クラッチ11で動力の伝達が遮断された後(ステップS1の判定が“Yes”)、電動モータ3が惰性回転するときに(ステップS5の判定が“Yes”)、インバータ9による三相短絡によって電動モータ3にモータブレーキをかける(ステップS10)。これにより、電動モータ3が惰性回転するときのモータ音を速やかに低減させ、乗員に与える違和感を解消することができる。
但し、モータブレーキは、インバータ9や電動モータ3の発熱を招来してしまうので、モータブレーキを作動させる時間によってはインバータ9や電動モータ3が過熱して劣化する可能性がある。
モータブレーキに起因したインバータ9や電動モータ3の過熱傾向は、どれだけモータ回転数Nmを低下させたかに相関がある。
そこで、本発明における第1実施形態では、モータブレーキを開始してからのモータ回転数Nmの減少量ΔN(=N0−Nm)を算出し、この減少量ΔNが所定値ΔN1以上となるときに(ステップS9の判定が“Yes”)、インバータ9や電動モータ3が過熱傾向にあると判断してモータブレーキを中止する(ステップS4)。これにより、モータブレーキに起因したインバータ9や電動モータ3の過熱傾向を直ちに抑制することができ、インバータ9や電動モータ3を過熱による劣化から保護することができる。
また、上記の第1実施形態では、図11に示すように、電磁クラッチ11を遮断した直後のモータ回転数Nmが所定値Nm1未満である場合、又は図12に示すように、モータブレーキによってモータ回転数Nmが所定値Nm1未満まで減少した場合には(ステップS5の判定が“No”)、モータ音が乗員に違和感を与えるほど大きくはないと判断してモータブレーキを中止する(ステップS4)。
これにより、不必要にモータブレーキを作動させることがなく、インバータ9や電動モータ3の発熱を最小限に抑制できるので、インバータ9や電動モータ3を発熱による劣化から保護することができる。特に、車両の発進性能を高めることを目的とし、前輪の加速スリップの有無に関わらず、低速域で必ず4輪駆動で走行するようなシステムでは、4輪駆動から2輪駆動への切換えが頻繁に行われるため、上記の効果が際立つ。
また、モータブレーキを開始してからのモータ回転数Nmの減少量ΔNが所定値ΔN1以上となるときに、インバータ9や電動モータ3が過熱傾向にあると検知しているので、このインバータ9や電動モータ3の過熱傾向を容易に且つ確実に検知することができる。
なお、上記の第1実施形態では、ステップS5の処理で、モータ回転数Nmに応じてモータブレーキを作動させるか否かを判断しているが、これに限定されるものではなく、車速Vに応じて判断したり、車速V及びモータ回転数Nmの双方に応じて判断したりしてもよい。
また、上記の第1実施形態では、ステップS2の処理で制御フラグをF=0にした後にステップS3の処理でN0をリセットしているが、これに限定されるものではなく、制御フラグをF=0にした後、タイマを作動させて所定時間が経過した後にN0をリセットするようにしてもよい。このようにすると、前回の処理でモータブレーキをかけた後、充分な時間が経過せず再びモータブレーキをかけたときでも、モータの過熱を防止することができる。
また、上記の第1実施形態では、インバータ9による三相短絡によってモータブレーキを作動させているが、これに限定されるものではなく、短絡用のリレー回路を別途設けてもよい。
また、上記の第1実施形態では、インバータ9による三相短絡によってモータブレーキを作動させているが、これに限定されるものではなく、電動モータ3の惰性回転と逆方向のブレーキトルクを発生させることにより、電動モータ3に電気制動をかけるようにしてもよい。
また、上記の第1実施形態では、前輪スリップ速度ΔVFに応じて第1モータトルクTm1を算出しているが、これに限定されるものではない。要は、前輪1FL・1FRのスリップ傾向に応じて第1モータトルクTm1を算出すればよいので、例えば前輪1FL・1FRの車輪加速度やスリップ率に応じて第1モータトルクTm1を算出してもよい。
また、上記の第1実施形態では、前輪1FL・1FRをエンジン2で駆動する主駆動輪とし、後輪1RL・1RRを電動モータ3で駆動可能な補助駆動輪としているが、これに限定されるものではなく、後輪1RL・1RRを主駆動輪とし、前輪1FL・1FRを補助駆動輪としてもよい。
また、上記の第1実施形態では、1台の電動モータ3で後輪1RL・1RRを駆動する1モータ方式のパワートレイン(動力伝達システム)を採用しているが、これに限定されるものではない。例えば、2台の電動モータで夫々の車輪を駆動する2モータ方式や、モータそのものを駆動輪とするホイールインモータ方式を採用してもよい。
また、上記の第1実施形態では、前輪がエンジン駆動で、後輪がモータ駆動となるハイブリッド方式を採用しているが、これに限定されるものではない。その他にも、シリーズハイブリッド方式、パラレルハイブリッド方式、シリーズ・パラレルハイブリッド(スピリットハイブリッド)方式を採用してもよい。更には、内燃機関を搭載しない純電気自動車(EV)に本発明を適用してもよい。
また、上記の第1実施形態では、交流モータを使用しているが、直流モータを使用してもよい。
さらに、上記の第1実施形態では、本発明を4輪車両に適用しているが、2輪車両や3輪車両、或いは5輪以上の車両に適用してもよい。
次に、本発明の第2実施形態を図13に基づいて説明する。
この第2実施形態では、モータブレーキを開始してから所定時間が経過したときに、インバータ9や電動モータ3が過熱傾向にあると判断し、モータブレーキを制限するものである。
そこで、図3のモータブレーキ制御処理部24Fで実行される第2実施形態の演算処理を、図13に示すように、図8の前記ステップS2、S3の処理を、新たなステップS20に変更すると共に、前記ステップS6〜S9の処理を、新たなステップS21、S22に変更したことを除いては、前述した第1実施形態と同様の処理を実行するので、対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
ステップS20では、下記ステップS21で設定されるカウント値Cをリセットしてから前記ステップS4に移行する。
ステップS21では、下記(5)式に示すように、1サンプリング前のカウント値C(n-1)に1だけインクリメントする。なお、初期設定ではカウント値Cは“0”にリセットされている。
C=C(n-1)+1 ………(5)
続くステップS22では、モータブレーキを開始してから所定時間(例えば3.0秒)が経過したか否か、つまりカウント値Cが所定値C1(演算周期が10msecの場合、C1=300)以上であるか否かを判定する。この判定結果がC<C1であるときには、インバータ9や電動モータ3は過熱傾向にはないと判断して前記ステップS10に移行する。一方、判定結果がC≧C1であるときには、インバータ9や電動モータ3がモータブレーキによって過熱傾向にあると判断して前記ステップS4に移行する。
ここで、ステップS20〜S22の処理が「過熱傾向検知手段」に対応している。
モータブレーキに起因したインバータ9や電動モータ3の過熱傾向は、モータブレーキをどれだけ長く作動させたかに相関がある。
そこで、この第2実施形態では、モータブレーキを開始してから所定時間が経過したときに(ステップS22の判定が“Yes”)、インバータ9や電動モータ3が過熱傾向にあると判断してモータブレーキを中止する(ステップS4)。これにより、モータブレーキに起因したインバータ9や電動モータ3の過熱傾向を直ちに抑制することができ、インバータ9や電動モータ3を過熱による劣化から保護することができる。
また、モータブレーキを開始してから所定時間が経過したときに、インバータ9や電動モータ3が過熱傾向にあると検知しているので、このインバータ9や電動モータ3の過熱傾向を容易に且つ確実に検知することができる。
なお、ステップS20のCリセットの前に、カウンタをインクリメントするステップを設けてもよい。このようにすると、前回のモータブレーキで充分な時間が経過せずに、モータブレーキが再作動された場合でも、前回のカウンタが保持されるため、モータの過熱を防止することができる。
その他の作用効果については前述した第1実施形態と同様である。
次に、本発明の第3実施形態を図14に基づいて説明する。
この第3実施形態では、サーミスタで検出したインバータ温度やモータ温度が所定値以上となるときに、インバータ9や電動モータ3が過熱傾向にあると判断し、モータブレーキを制限するものである。
そこで、図3のモータブレーキ制御処理部24Fで実行される第3実施形態の演算処理を、図14に示すように、図8の前記ステップS2、S3、S6〜S8の処理を削除すると共に、前記ステップS9の処理を、新たなステップS30に変更したことを除いては、前述した第1実施形態と同様の処理を実行するので、対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
ステップS30では、インバータ温度とモータ温度が所定値(例えば、耐熱許容温度となる100℃)以上であるか否かを判定する。ここで、インバータ温度とモータ温度が所定値未満であるときには、インバータ9や電動モータ3は過熱傾向にはないと判断して前記ステップS10に移行する。一方、インバータ温度とモータ温度が所定値以上であるときには、インバータ9や電動モータ3がモータブレーキによって過熱傾向にあると判断して前記ステップS4に移行する。
ここで、ステップS30の処理が「過熱傾向検知手段」に対応している。
この第3実施形態では、インバータ温度とモータ温度が所定値以上となるときに(ステップS30の判定が“Yes”)、インバータ9や電動モータ3が過熱傾向にあると判断してモータブレーキを中断する(ステップS4)。これにより、モータブレーキに起因したインバータ9や電動モータ3の過熱傾向を直ちに抑制することができ、インバータ9や電動モータ3を過熱による劣化から保護することができる。
また、サーミスタによって検出したインバータ温度とモータ温度が所定値以上となるときに、インバータ9や電動モータ3が過熱傾向にあると検知しているので、このインバータ9や電動モータ3の過熱傾向を容易に且つ正確に検知することができる。
また、インバータ温度とモータ温度が所定値未満まで減少したら(ステップS30の判定が“No”)、インバータ9や電動モータ3の過熱傾向が解消されたと判断してモータブレーキの制限を解除する、つまりモータブレーキを再開する(ステップS10)。これにより、モータ回転数Nmが所定値Nm1未満になるまで、断続的ではあるがモータブレーキを作動させることができるので、電動モータ3が惰性回転するときの音を確実に低減させつつ、インバータ9や電動モータ3の過熱を確実に防止することができる。
なお、上記の第3実施形態では、モータブレーキを中断させた後にインバータ温度とモータ温度が所定値を下回ると、モータブレーキが再開されて直ぐに所定値以上となってしまう可能性があるので、モータブレーキを再開させる所定値にはヒステリシスを設けてもよい(例えば−20℃)。
また、上記の第3実施形態では、インバータ温度とモータ温度が所定値未満となるときにモータブレーキを再開させているが、これに限定されるものではなく、モータブレーキを中断してから所定時間が経過したときに、モータブレーキを再開させるようにしてもよい。要は、インバータ9や電動モータ3の過熱傾向が解消されて充分に冷却されたら、モータブレーキを再開してよい。
その他の作用効果については前述した第1実施形態と同様である。
なお、上記の第1〜第3実施形態では、インバータ9や電動モータ3の過熱傾向を検知する手法を説明したが、これら第1〜第3実施形態を任意に組み合わせてもよい。
本発明の概略構成図である。 ICレギュレータの電源回路である。 4WDコントローラで実行する演算処理のブロック図である。 目標モータトルク演算部24Aのブロック図である。 発電制御部24Cのブロック図である。 制御処理部43のブロック図である。 モータ制御部24Dのブロック図である。 モータブレーキ制御部24Fで実行される第1実施形態の演算処理を示すフローチャートである。 従来技術の動作を説明するタイムチャートである。 本発明の作用効果を説明するタイムチャートである。 本発明の動作を説明するタイムチャートである(クラッチOFF後のモータ回転数Nmが所定値Nm1未満の場合)。 本発明の動作を説明するタイムチャートである(モータブレーキによってモータ回転数Nmが所定値Nm1未満となる場合)。 モータブレーキ制御部24Fで実行される第2実施形態の演算処理を示すフローチャートである。 モータブレーキ制御部24Fで実行される第3実施形態の演算処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1FL・1FR 前輪
1RL・1RR 後輪
2 エンジン
3 電動モータ
4 自動変速機
5 ディファレンシャルギヤ
6 Vベルト
7 ジェネレータ
8 パワーケーブル
9 インバータ
10 減速機10
11 電磁クラッチ
12 ディファレンシャルギヤ
20 エンジンコントローラ
21 アクセルセンサ
22 スロットルバルブ
23 スロットルモータ
24 4WDコントローラ
25 14Vバッテリ
26 ジャンクションボックス
24A 目標モータトルク演算部
24B モータ必要電力演算部
24C 発電制御部
24D モータ制御部
24E クラッチ制御部
24F モータブレーキ制御部

Claims (6)

  1. 車輪を駆動可能な電動機と、該電動機と前記車輪との間で動力の伝達を遮断可能な断続機構と、を備えた車両用駆動制御装置において、
    前記電動機による車輪駆動が停止され且つ前記断続機構で動力の伝達が遮断された後、当該電動機が惰性回転するときに、当該電動機に電気制動をかける電気制動手段と、前記電動機の過熱傾向を検知する過熱傾向検知手段と、該過熱傾向検知手段で前記電動機の過熱傾向を検知したときに、前記電気制動手段による当該電動機への電気制動を制限する制限手段と、を備えることを特徴とする車両用駆動制御装置。
  2. 前記電気制動手段は、前記電動機の回転速度が所定値以下のときには、当該電動機への電気制動を禁止することを特徴とする請求項1に記載の車両用駆動制御装置。
  3. 前記過熱傾向検知手段は、前記電気制動手段が前記電動機への電気制動を開始してから当該電動機の回転速度が所定量以上減少したときに、当該電動機が過熱傾向にあると検知することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用駆動制御装置。
  4. 前記過熱傾向検知手段は、前記電気制動手段が前記電動機への電気制動を開始してから所定時間が経過したときに、当該電動機が過熱傾向にあると検知することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の車両用駆動制御装置。
  5. 前記過熱傾向検知手段は、前記電動機の温度を検出し、検出した温度が所定値以上となるときに、当該電動機が過熱傾向にあると検知することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の車両用駆動制御装置。
  6. 前記制限手段は、前記電動機に対する電気制動の制限によって当該電動機の過熱傾向が解消されたときに、当該電動機に対する電気制動の制限を解除することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の車両用駆動制御装置。
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US9533602B2 (en) 2015-02-03 2017-01-03 Denso Corporation Electronic control device

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