JP2006310036A - 有機エレクトロルミネッセンス素子用基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、光触媒含有層を用いた有機EL素子用基板であって、発光特性に優れる有機EL素子とすることが可能な有機EL素子用基板を提供することを主目的とする
【解決手段】 本発明は、基材と、上記基材上に形成された電極層と、上記電極層上に形成された光触媒含有層と、上記光触媒含有層上に形成された平滑化層とを有することを特徴とする有機EL素子用基板を提供することにより、上記目的を達成するものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光触媒含有層を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子用基板に関するものである。
有機エレクトロルミネッセンス(以下、ELと略すことがある。)素子は、自発光型のディスプレイとしての使用が注目されている。特に、有機ELディスプレイは、印加電圧が10V弱であっても高輝度な発光が得られるなど発光効率が高く、また単純な素子構造で発光が可能であり、特定のパターンを発光表示させる広告やその他低価格の簡易表示用ディスプレイへの応用が期待されている。
しかしながら、有機ELディスプレイを実際に製造するにあたっては、電極層や発光層のパターニングが必要とされ、典型的にはフォトリソ工程や複雑な成膜装置によるパターニング工程を要し、工程の複雑化やコストの上昇を招く。また、マスク蒸着法では、高価格の真空チャンバーが必要となり、歩留まりや設備コストが問題となる。
このような問題を解決するために、発光層等のパターニングのために光触媒含有層を用いる方法が提案されている(例えば特許文献1および特許文献2参照)。この方法は、光触媒含有層にパターン露光することによって表面の濡れ性を変化させ、この濡れ性が異なるパターンを利用して発光層等をパターニングするというものである。この方法では、より簡便に精度良く微細なパターニングが可能である。
しかしながら、光触媒含有層に含有される酸化チタン等の光触媒は通常、粒状等であることから、光触媒含有層の表面状態が荒れており、平均表面粗さ(Ra)が10nm以上になったり、最大高低差(P−V)が100nm以上になったりすることがある。このため、発光層と光触媒含有層との界面での障壁が大きくなり、電荷の移動が妨げられ、発光特性が低下するという問題がある。また、光触媒含有層の表面状態の荒れによって、比較的厚みの薄い発光層に膜厚むらが生じたり、電極間で短絡が生じたりするという問題もある。
特開2001−257073号公報 特開2002−231446号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、光触媒含有層を用いた有機EL素子用基板であって、発光特性に優れる有機EL素子とすることが可能な有機EL素子用基板を提供することを主目的とする。
本発明者らは、上記実情に鑑み鋭意検討した結果、光触媒含有層と発光層との間に平滑化層を設けることで、有機EL素子の発光特性が向上することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、基材と、上記基材上に形成された電極層と、上記電極層上に形成された光触媒含有層と、上記光触媒含有層上に形成された平滑化層とを有することを特徴とする有機EL素子用基板を提供する。
本発明によれば、光触媒含有層上に平滑化層が形成されているので、本発明の有機EL素子用基板を有機EL素子に用いた場合には、光触媒含有層と平滑化層との界面、および平滑化層と発光層との界面での障壁を低減することができる。したがって、本発明の有機EL素子用基板を用いることにより、発光特性を向上させることが可能である。また、光触媒含有層上に平滑化層を形成することにより、本発明の有機EL素子用基板を有機EL素子に用いた場合には、均一な膜厚の発光層や対向電極層を得ることができる。このため、電極間の短絡を防止することが可能である。
上記発明においては、上記平滑化層が電荷輸送性を有することが好ましい。これにより、電極層から注入された電荷を発光層へ円滑に輸送することができるからである。したがって、本発明の有機EL素子用基板を用いることにより発光効率を向上させることが可能である。
また本発明においては、上記光触媒含有層が、光触媒を含有し、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化する光触媒含有濡れ性変化層であってもよい。光触媒含有層がエネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化するものであることにより、電荷輸送性を有する平滑化層を容易にパターニングできるとともに、本発明の有機EL素子用基板を有機EL素子に用いた場合には発光層等を容易にパターニングすることができる。また、上記光触媒含有濡れ性変化層は、それ自体に含有される光触媒の作用により濡れ性が変化することから、効率的に濡れ性を変化させることができる。
また、上記光触媒含有層が、光触媒を含有する光触媒処理層と、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化する濡れ性変化層とを有するものであってもよい。この場合も同様に、光触媒含有層内の濡れ性変化層がエネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化するものであるので、パターニング特性が向上する。また、上記のような構成の光触媒含有層では機能毎に層が分かれているので、層構成や材料の組み合わせ等を容易に変更することができる点で有用である。
さらに本発明においては、上記平滑化層の平均表面粗さ(Ra)が10nm未満であることが好ましい。平均表面粗さ(Ra)が上記範囲内であることにより、本発明の有機EL素子用基板を有機EL素子に用いた場合、効果的に発光特性を向上させることができるからである。
また本発明においては、上記平滑化層の最大高低差(P−V)が100nm未満であることが好ましい。最大高低差が上記範囲内であることにより、上記の場合と同様に、本発明の有機EL素子用基板を有機EL素子に用いた場合、効果的に発光特性を向上させることができるからである。
本発明は、また、上述した有機EL素子用基板と、上記有機EL素子用基板の平滑化層上に形成され、少なくとも発光層を有する有機EL層と、上記有機EL層上に形成された対向電極層とを有することを特徴とする有機EL素子を提供する。
本発明によれば、上述した有機EL素子用基板を用いるので、発光特性に優れた有機EL素子を得ることができる。
本発明においては、光触媒含有層上に平滑化層が形成されているので、このような有機EL素子用基板を有機EL素子に用いた場合には、発光特性を向上させるとともに、パターニング特性を向上させることができるという効果を奏する。
以下、本発明の有機EL素子用基板および有機EL素子について詳細に説明する。
A.有機EL素子用基板
まず、本発明の有機EL素子用基板について説明する。
本発明の有機EL素子用基板は、基材と、上記基材上に形成された電極層と、上記電極層上に形成された光触媒含有層と、上記光触媒含有層上に形成された平滑化層とを有することを特徴とするものである。
本発明の有機EL素子用基板について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の有機EL素子用基板の一例を示す概略断面図である。図1に例示するように、本発明の有機EL素子用基板10においては、基材1上に電極層2、光触媒含有層3、および平滑化層4が順次形成されている。
本発明によれば、光触媒含有層上に平滑化層が形成され、平滑化層により光触媒含有層の表面状態を改善することができるので、本発明の有機EL素子用基板を有機EL素子に用いた場合には、平滑化層上に均一に発光層を成膜することができ、光触媒含有層と平滑化層との界面における障壁、および平滑化層と発光層との界面における障壁を低減することができる。したがって、本発明の有機EL素子用基板を用いることにより、駆動電圧を低減させ、発光強度や発光効率を高めるなど、発光特性を向上させることが可能である。
また、本発明の有機EL素子用基板を有機EL素子に用いた場合には、光触媒含有層上に平滑化層が形成されているので、均一な膜厚の発光層や対向電極層とすることができ、電極間の短絡を防止することが可能である。
さらに、本発明の有機EL素子用基板を有機EL素子に用いた場合には、光触媒含有層上に平滑化層が形成されており、光触媒含有層が発光層と直接接触しないため、光触媒による発光層中の発光材料の劣化を抑えることができ、発光効率の向上とともに、長寿命化を図ることができる。
以下、本発明の有機EL素子用基板の各構成について説明する。
1.平滑化層
本発明に用いられる平滑化層は、光触媒含有層上に形成されるものである。本発明においては、平滑化層が設けられていることにより、光触媒含有層の表面状態を改善することができる。したがって、光触媒含有層の平均表面粗さをRa1、平滑化層の平均表面粗さをRa2としたとき、Ra2<Ra1となるものである。
平滑化層の平均表面粗さ(Ra)は、10nm未満であることが好ましく、より好ましくは8nm以下、最も好ましくは2nm以下である。本発明の有機EL素子用基板を有機EL素子に用いた場合、平滑化層上に発光層等が形成されるが、平滑化層の平均表面粗さ(Ra)が上記範囲内であることによって光触媒含有層の表面状態がより改善されるので、光触媒含有層から発光層までの各層の界面での障壁をさらに低減することができ、効果的に発光特性を向上させることができるからである。
また、光触媒含有層の最大高低差をP−V1、平滑化層の最大高低差をP−V2としたとき、P−V2<P−V1となる。
平滑化層の最大高低差(P−V)は、100nm未満であることが好ましく、より好ましくは80nm以下、最も好ましくは50nm以下である。上記の場合と同様に、平滑化層の最大高低差(P−V)が上記範囲内であることによって光触媒含有層の表面状態がより改善されるので、光触媒含有層から発光層までの各層の界面での障壁をさらに低減することができ、効果的に発光特性を向上させることができるからである。
なお、上記の平均表面粗さ(Ra)および最大高低差(P−V)は、デジタルインスツルメンツ製 走査型プローブ顕微鏡(Nano Scope)を用い、スキャン範囲4μmの条件下で測定した値である。
また本発明に用いられる平滑化層は、電荷輸送性を有することが好ましい。これにより、電極層から注入された電荷を発光層へ円滑に輸送することができるからである。電荷輸送性としては正孔輸送性および電子輸送性のいずれであってもよく、電極層が陽極であるか陰極であるかにより適宜選択される。例えば電極層が陽極である場合は、平滑化層は正孔輸送性を有することが好ましい。一方、例えば電極層が陰極である場合は、平滑化層は電子輸送性を有することが好ましい。
平滑化層が正孔輸送性を有する場合、本発明の有機EL素子用基板を有機EL素子に用いた際に陰極から移動してきた電子の突き抜けを防止する電子ブロック性を有することが好ましい。これにより、発光層内での正孔および電子の再結合効率を高めることができるからである。
具体的には、平滑化層の擬電子親和力が、発光層の擬電子親和力よりも小さいことが好ましい。また、平滑化層の擬電子親和力をXp1、イオン化ポテンシャルをIp1とし、発光層の擬電子親和力をXp2、イオン化ポテンシャルをIp2としたとき、|Ip2−Ip1|<|Xp2−Xp1|であることが好ましい。
なお、上記イオン化ポテンシャルは、理研計器社製 AC−1にて測定した値(絶対値)である。また、上記擬電子親和力は、上記イオン化ポテンシャル(絶対値)から、イオン化ポテンシャルおよび擬電子親和力間のエネルギーであるバンドギャップを引いた値である(擬電子親和力=イオン化ポテンシャル(絶対値)−バンドギャップ)。バンドギャップは、約800nm未満の可視光以下の電磁波を照射したときに、この電磁波を吸収する最も長波長側の波長(単位:nm)を、エネルギー(単位:eV)に換算した値であり、具体的には、島津製作所社製 紫外可視分光光度計UV−3100にて測定された最も長波長側の吸収の末端部の波長λ(単位:nm)を、1(eV)=1240/λ(nm)として、エネルギー(単位:eV)に換算した値とする。
さらに、後述する光触媒含有層が光触媒およびバインダを含有するものである場合は、平滑化層のエネルギーギャップが2eV以上であることが好ましい。これにより、発光特性を向上させることができるからである。この発光特性向上の理由は必ずしも明らかではないが、平滑化層の擬電子親和力が発光層の擬電子親和力よりも小さく、電子ブロック層として機能しているためであると考えられる。
一方、平滑化層が電子輸送性を有する場合、本発明の有機EL素子用基板を有機EL素子に用いた際に陽極から移動してきた正孔の突き抜けを防止する正孔ブロック性を有することが好ましい。これにより、発光層内での正孔および電子の再結合効率を高めることができるからである。
具体的には、平滑化層のイオン化ポテンシャルが、発光層のイオン化ポテンシャルよりも小さいことが好ましい。また、平滑化層のイオン化ポテンシャルをIp1、擬電子親和力をXp1とし、発光層のイオン化ポテンシャルをIp2、擬電子親和力をXp2としたとき、|Xp2−Xp1|<|Ip2−Ip1|であることが好ましい。
なお、上記擬電子親和力およびイオン化ポテンシャルは、上述した測定方法により測定した値である。
このような平滑化層には、電荷輸送性を有する材料、すなわち正孔輸送性を有する材料または電子輸送性を有する材料が好ましく用いられる。
本発明に用いられる正孔輸送性を有する材料としては、本発明の有機EL素子用基板を用いて有機EL素子とした際に、陽極から注入された正孔を発光層内へ円滑に輸送することができる材料であれば特に限定されるものではないが、中でも正孔の移動度が高いものであることが好ましい。例えば、ポリパラフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリパラフェニレン、ポリシラン、ポリアセチレン、ポリビニルカルバゾール、ポリフルオレン、ポリキノキサリン、ポリアニリン、ポリピロール、およびそれらの誘導体、ならびにそれらの共重合体等の導電性高分子が挙げられる。また例えば、トリフェニルアミン誘導体等のアリールアミン類;フタロシアニン類;酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン等の酸化物;アモルファスカーボン;などを用いることもできる。
これらの中でも、ポリフルオレン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、およびそれらの共重合体、あるいは、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホン酸(PEDOT−PSS)が好ましく用いられる。
また、正孔輸送性を有する材料としては、例えばAmerican Dye Source社製 ADS259BE等も用いることができる。この材料は、電子ブロック性も有する。また中でも、重量平均分子量がポリスチレン換算で10,000以上であるものを用いることが好ましい。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法により測定することができる。
また本発明に用いられる電子輸送性を有する材料としては、本発明の有機EL素子用基板を用いて有機EL素子とした際に、陰極から注入された電子を発光層内へ円滑に輸送することができる材料であれば特に限定されるものではないが、中でも電子の移動度が高いものであることが好ましい。例えば、オキサジアゾール類;トリアゾール類;バソキュプロイン、バソフェナントロリン等のフェナントロリン類;トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq)等のアルミニウム錯体;などが挙げられる。
また、電子輸送性の有機材料にアルカリ金属またはアルカリ土類金属をドープした金属ドープ有機層を平滑化層とすることもできる。この際に用いられる電子輸送性の有機材料としては、例えばバソキュプロイン、バソフェナントロリン等のフェナントロリン類等を挙げることができ、ドープするアルカリ金属またはアルカリ土類金属としては、Li、Cs、Ba、Sr等が挙げられる。
上記平滑化層の厚みは、光触媒含有層の表面状態を改善できるような厚みであれば特に限定されるものではない。具体的には、上述した電荷輸送性を有する材料の種類によって異なるが、20nm〜100nm程度であることが好ましく、より好ましくは30nm〜80nmの範囲内、最も好ましくは30nm〜50nmの範囲内である。平滑化層が薄すぎると、光触媒含有層の表面を平滑化するのが困難となるからである。また、平滑化層が厚すぎると、正孔もしくは電子の輸送を阻害する可能性があるからである。
本発明においては、上述した電荷輸送性を有する材料を溶媒に溶解または分散させた平滑化層形成用塗工液を調製し、この平滑化層形成用塗工液を光触媒含有層上に塗布することにより平滑化層を形成することができる。
平滑化層形成用塗工液の塗布方法としては、平滑化層を均一に形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えばスプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、ビードコート法、ブレードコート法、スピンコート法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ワイヤーバーコート法、キャスト法、インクジェット法、LB法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。
この際、後述する光触媒含有層が、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化するものである場合には、光触媒含有層表面の濡れ性の違いを利用して、平滑化層をパターン状に形成することができる。
一方、後述する光触媒含有層が、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化しないものである場合に、平滑化層をパターニングする場合には、光触媒含有層を利用してパターニングすることはできないので、光触媒含有層上に例えばインクジェット法等を用いて平滑化層を成膜すればよい。
さらに、上記平滑化層形成用塗工液を塗布した後は、通常、乾燥が行われる。乾燥方法としては、均一な膜とすることが可能な方法であれば特に限定されるものではなく、例えばホットプレート、赤外線ヒーター、オーブンを用いる方法が挙げられる。
2.光触媒含有層
本発明に用いられる光触媒含有層は、光触媒を含有するものであれば特に限定されるものではないが、電極層から平滑化層へ正孔または電子を安定して注入する電荷注入機能を有することが好ましい。これにより、本発明の有機EL素子用基板を用いて有機EL素子とした場合に、発光効率を向上させることができるからである。
本発明に用いられる光触媒としては、例えば光半導体として知られている酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タングステン(WO)、酸化ビスマス(Bi)、酸化鉄(Fe)等の金属酸化物を挙げることができる。これらは1種または2種以上を混合して用いることができる。中でも、酸化チタンを用いることが特に好ましい。酸化チタンは、バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定であり、毒性もなく、入手も容易である点で有利である。
酸化チタンとしては、アナターゼ型およびルチル型のいずれも使用することができる。中でも、アナターゼ型酸化チタンを用いることが好ましい。アナターゼ型酸化チタンは励起波長が380nm以下にある。
アナターゼ型酸化チタンとして具体的には、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(石原産業(株)製 STS−02、平均粒子径7nm)、硝酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製 TA−15、平均粒子径12nm)、アナターゼ型チタニアゾル(テイカ(株)製 TK−420、平均粒子径6nm)、酸化チタンコーティング剤を挙げることができる。
光触媒含有層中の光触媒の含有量は、正孔または電子の移動を阻害しない量であれば特に限定されるものではないが、後述するように光触媒含有層はエネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化するものであることが好ましいことから、光触媒含有層の濡れ性を変化させることが可能な量であることが好ましい。具体的には、1〜90重量%程度で設定することができ、50〜80重量%の範囲内であることが好ましい。
なお、光触媒含有層中の酸化チタンの含有量、結晶型、結晶化度等は、X線光電子分光法、ラザフォード後方散乱分光法、核磁気共鳴分光法、または質量分析法を用いて、あるいはこれらの方法を組み合わせて確認することができる。
また本発明に用いられる光触媒含有層は、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化するものであってもよく、濡れ性が変化しないものであってもよいが、中でも、濡れ性が変化するものであることが好ましい。光触媒含有層にパターン状にエネルギーを照射し、光触媒含有層中の光触媒を励起させることによって光触媒含有層の濡れ性を変化させ、エネルギーの照射部分を親液性、未照射部分を撥液性とすることができ、この濡れ性の違いを利用して平滑化層や発光層等を容易にパターニングすることが可能となるからである。
以下、光触媒含有層が、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化しないものである場合と、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化するものである場合とに分けて説明する。
(1)濡れ性が変化しないものである場合
本発明に用いられる光触媒含有層がエネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化しないものである場合、光触媒含有層はバインダを含有していてもよい。これにより、光触媒含有層の成膜が容易になるからである。本発明に用いられるバインダとしては、主骨格が光触媒の光励起により分解されないような高い結合エネルギーを有するものであれば特に限定されるものではなく、例えばアルキルシリケートを用いることができる。アルキルシリケートとしては、一般式:Sin−1(OR)2n+2(ただし、Siはケイ素、Oは酸素、Rはアルキル基を示す。)で表される化合物が挙げられる。ここで、nは1〜6の範囲内、Rは炭素数が1〜4のアルキル基であるものがケイ素の割合が多い点で好ましい。
上記光触媒含有層の厚みは、正孔または電子の移動を妨げない厚みであれば特に限定されるものではないが、具体的には10nm〜500nmであることが好ましく、中でも10nm〜200nm、特に10nm〜100nmの範囲内であることが好ましい。光触媒含有層が薄すぎると、均一に成膜することが困難となるからである。逆に、光触媒含有層が厚すぎると、正孔または電子の移動を阻害する可能性があるからである。
(2)濡れ性が変化するものである場合
本発明に用いられる光触媒含有層がエネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化するものである場合、光触媒含有層としては、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化するものであれば特に限定されるものではないが、好ましい態様として、光触媒含有層が光触媒を含有し、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化する光触媒含有濡れ性変化層である場合(第1の態様)と、光触媒含有層が、光触媒を含有する光触媒処理層と、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化する濡れ性変化層とを有する場合(第2の態様)とが挙げられる。
以下、各態様について説明する。
(i)第1の態様
本発明における光触媒含有層の第1の態様は、光触媒を含有し、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化する光触媒含有濡れ性変化層である。この光触媒含有濡れ性変化層は、光触媒含有濡れ性変化層自体に含有される光触媒の作用により濡れ性が変化することから、効率的に濡れ性変化パターンを形成することができる点で有用である。
本態様の光触媒含有濡れ性変化層は、光触媒を含有し、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化するものであれば特に限定されるものではなく、通常は、光触媒と、光触媒の作用により濡れ性が変化するバインダとを含有するものである。
本態様に用いられるバインダとしては、主骨格が光触媒の光励起により分解されないような高い結合エネルギーを有するものであって、光触媒の作用により分解されるような有機置換基を有するものが好ましく、例えば(1)ゾルゲル反応等によりクロロまたはアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロキサン、(2)撥水牲や撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオルガノポリシロキサン等を挙げることができる。
上記の(1)の場合、一般式:
SiX(4−n)
(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシ基、アセチル基またはハロゲンを示す。nは1〜3までの整数である。)
で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。なお、ここでYで示される基の炭素数は1〜20の範囲内であることが好ましく、また、Xで示されるアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基であることが好ましい。具体的には、特開2000−249821号公報に記載されているもの等を用いることができる。
また、特にフルオロアルキル基を含有するオルガノポリシロキサンが好ましく用いることができる。具体的には、特開2003−195029号公報に記載されているようなオルガノポリシロキサンを用いることができる。
なお、光触媒含有濡れ性変化層中にフルオロアルキル基を含有するポリシロキサンが含有されていることは、X線光電子分光法、ラザフォード後方散乱分光法、核磁気共鳴分光法、赤外分光法、または質量分析法を用いて、あるいはこれらの方法を組み合わせて確認することができる。
また、上記の(2)の反応性シリコーンとしては、下記一般式で表される骨格をもつ化合物を挙げることができる。
Figure 2006310036
ただし、nは2以上の整数であり、R,Rはそれぞれ炭素数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル、アルケニル、アリールあるいはシアノアルキル基である。好ましくは、モル比で全体の40%以下がビニル、フェニル、ハロゲン化フェニルである。また、R、Rがメチル基のものが表面エネルギーが最も小さくなるので好ましく、さらにはモル比でメチル基が全体の60%以上であることが好ましい。また、鎖末端もしくは側鎖には、分子鎖中に少なくとも1個以上の水酸基等の反応性基を有する。
また、上記のオルガノポリシロキサンとともに、ジメチルポリシロキサンのような架橋反応をしない安定なオルガノシリコーン化合物を混合してもよい。
本態様においては、光触媒含有濡れ性変化層に、光触媒の作用により分解し、かつ分解されることにより濡れ性を変化させる機能を有する界面活性剤を含有させることができる。具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKKOL BL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系の界面活性剤、デュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)製サーフロンS−141、145、大日本インキ化学工業(株)製メガファックF−141、144、ネオス(株)製フタージェントF−200、F251、ダイキン工業(株)製ユニダインDS−401、402、スリーエム(株)製フロラードFC−170、176等のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙げることができる。また、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもできる。
また、光触媒含有濡れ性変化層には、上記の界面活性剤の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマー、ポリマー等を含有させることができる。
さらに、光触媒含有濡れ性変化層は、光触媒の光活性を増感させる成分である増感色素を含んでいてもよい。このような増感色素の添加により、低い露光量で濡れ性を変化させる、あるいは異なる波長の露光で濡れ性を変化させることができる。
上記光触媒含有濡れ性変化層の厚みは、表面の濡れ性を変化させることができ、かつ、正孔または電子の移動が可能な厚みであれば特に限定されるものではないが、具体的には10nm〜500nmであることが好ましく、中でも10nm〜200nm、特に10nm〜100nmの範囲内であることが好ましい。光触媒含有濡れ性変化層が薄すぎると、濡れ性の違いが明確に発現しなくなる可能性があるからである。逆に、光触媒含有濡れ性変化層が厚すぎると正孔または電子の移動を阻害する可能性があるからである。
次に、光触媒含有濡れ性変化層表面の濡れ性を変化させる方法について図2を参照しながら説明する。
まず、電極層2が形成された基材1上に光触媒含有濡れ性変化層形成用塗工液を塗布して光触媒含有濡れ性変化層13を形成する(図2(a))。次に、光触媒含有濡れ性変化層13にフォトマスク32を介してパターン状にエネルギー31を照射し、光触媒含有濡れ性変化層13表面の濡れ性を変化させ、親液性領域11および撥液性領域12からなる濡れ性変化パターンを形成する(図2(b))。
このような光触媒含有濡れ性変化層を用いた場合には、図2(c)に例示するように、光触媒含有濡れ性変化層13表面の親液性領域11にのみ平滑化層4を成膜することができる。
光触媒含有濡れ性変化層形成用塗工液に使用することができる溶媒としては、上記光触媒と混合し、上記バインダ等を溶解するものであり、白濁その他の現象による成膜特性およびパターニング特性に影響を及ぼさないものであれば特に限定されるものではない。このような溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、アセトニトリル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチルグリコールモノメチルエーテル、ジエチルグリコールモノエチルエーテル、ジエチルグリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、乳酸メチル、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシド、ジオキサン、エチレングリコール、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ピリジン、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリジノン等が挙げられる。これらの溶媒は2種以上を混合して使用してもよい。
また、光触媒含有濡れ性変化層形成用塗工液の塗布方法としては、例えばスピンコート法、インクジェット法、キャスト法、LB法、ディスペンサー法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法等が挙げられる。
さらに、上記光触媒含有濡れ性変化層形成用塗工液を塗布した後は、通常、乾燥が行われる。乾燥方法としては、均一な膜とすることが可能な方法であれば特に限定されるものではなく、例えばホットプレート、赤外線ヒーター、オーブンを用いる方法が挙げられる。
光触媒含有濡れ性変化層における、光触媒による作用機構は必ずしも明確なものではないが、エネルギーの照射によって光触媒が酸化還元反応を引き起こし、スーパーオキシド(O )や水酸ラジカル(・OH)などの活性酸素種を発生し、この発生した活性酸素種が有機物の化学構造に変化を及ぼすものと考えられている。
なお、本発明でいうエネルギー照射(露光)とは、光触媒を励起することが可能ないかなるエネルギー線の照射をも含む概念であり、紫外線、可視光線、赤外線の他、これらの光線よりもさらに短波長または長波長の電磁波、放射線も含まれる。
エネルギーの照射方法は、光触媒含有濡れ性変化層の濡れ性を変化させることが可能な方法であれば特に限定されるものではない。また、エネルギーの照射は、目的とするパターンが形成された、例えばフォトマスク等のマスクを用いて行ってもよい。これにより、目的とするパターン状にエネルギーを照射することが可能となり、光触媒含有濡れ性変化層の濡れ性をパターン状に変化させることができるからである。この際、用いられるマスクの種類としては、目的とするパターン状にエネルギーが照射可能であれば特に限定されるものではなく、エネルギーを透過する素材に遮光部が形成されたフォトマスク等であってもよく、また目的とするパターン状に孔部が形成されているシャドウマスク等であってもよい。また、これらのマスクの材料として、具体的には金属、ガラスやセラミック等の無機物、またはプラスチック等の有機物等を挙げることができる。
さらに、用いる基材上に遮光部が形成されている場合には、エネルギーの照射は、この遮光部を利用して、基材側から全面に露光を行うものであってもよい。これにより、上記遮光部が形成されていない位置の光触媒含有濡れ性変化層にのみエネルギーを照射することができ、この光触媒含有濡れ性変化層の濡れ性を変化させることができるからである。この場合、上記マスクやレーザー等による描画の必要がないことから、位置合わせや高価な描画装置等が必要としないという利点がある。
エネルギー照射には通常、紫外線が用いられ、具体的な光の波長としては400nm以下の範囲、好ましくは150nm〜380nmの範囲内から設定される。これは、上述したように光触媒含有濡れ性変化層に用いられる好ましい光触媒が酸化チタンであり、この酸化チタンにより光触媒作用を活性化させるエネルギーとして、上述した波長の光が好ましいからである。
このようなエネルギー照射に用いることができる光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマランプ、その他種々の光源を挙げることができる。また、エキシマ、YAG等のレーザーを用いてエネルギー照射を行ってもよい。レーザーを用いてエネルギー照射を行うことにより、上述したフォトマスク等の位置合わせ等が必要なく、また基材上に遮光部を形成することなく、高精細に光触媒含有濡れ性変化層の濡れ性を変化させることができるのである。
また、光触媒としてアナターゼ型酸化チタンを用いた場合は、アナターゼ型酸化チタンの励起波長が380nm以下にあるので、エネルギー照射は紫外線により行うことができる。このような紫外線を発する光源としては、高圧水銀ランプ(154、313、365、405、436、546、577nm)、超高圧水銀ランプ(250〜600nm)、メタルハライドランプ(250〜600nm)、キセノンランプ(300〜1100nm)、エキシマレーザー、およびその他の紫外線光源を使用することができる。
エネルギー照射に際してのエネルギーの照射量は、光触媒含有濡れ性変化層中の光触媒の作用により光触媒含有濡れ性変化層の濡れ性の変化が行われるのに必要な照射量とする。
本態様の光触媒含有濡れ性変化層は、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化するものであり、液体との接触角が低下する方向に変化する。この光触媒含有濡れ性変化層にパターン状にエネルギーを照射することにより、エネルギー照射された部分の親液性領域と、エネルギー未照射部分の撥液性領域とからなる濡れ性変化パターンを形成することが可能となる。
ここで、親液性領域とは、液体との接触角が小さい領域であり、液体に対する濡れ性の良好な領域をいうこととする。また、撥液性領域とは、液体との接触角が大きい領域であり、液体に対する濡れ性が悪い領域をいうこととする。
エネルギー照射により形成される親液性領域と、エネルギー未照射の撥液性領域との、液体に対する接触角は、少なくとも1°以上、好ましくは5°以上、特に10°以上異なることが好ましい。
また、光触媒含有濡れ性変化層は、エネルギー照射した部分、すなわち親水性領域においては、エネルギー照射により液体との接触角が低下して、表面張力40mN/mの液体との接触角が9°以下、好ましくは表面張力50mN/mの液体との接触角が10°以下、特に表面張力60mN/mの液体との接触角が10°以下の濡れ性を示すことが好ましい。エネルギー照射した部分、すなわち親液性領域における液体との接触角が高いと、液体の広がりが劣る可能性があり、平滑化層や発光層の欠け等が生じる可能性があるからである。
一方、光触媒含有濡れ性変化層は、エネルギー照射していない部分、すなわち撥水性領域においては、表面張力40mN/mの液体との接触角が10°以上、好ましくは表面張力30mN/mの液体との接触角が10°以上、特に表面張力20mN/mの液体との接触角が10°以上の濡れ性を示すことが好ましい。エネルギー照射していない部分は、撥液性が要求される部分であることから、液体との接触角が小さい場合は、撥液性が十分でなく、パターニング特性が低下する可能性があるからである。
なお、ここでいう液体との接触角は、種々の表面張力を有する液体との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後)し、その結果から、もしくはその結果をグラフにして得たものである。また、この測定に際して、種々の表面張力を有する液体としては、純正化学株式会社製のぬれ指数標準液を用いた。
(ii)第2の態様
本発明における光触媒含有層の第2の態様は、光触媒を含有する光触媒処理層と、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化する濡れ性変化層とを有するものである。この光触媒処理層と濡れ性変化層とを有する光触媒含有層は、機能毎に層が分かれているので、層構成や材料の組み合わせ等を容易に変更することができる点で有用である。
以下、光触媒処理層および濡れ性変化層について説明する。
(光触媒処理層)
本態様に用いられる光触媒処理層は、光触媒を含有するものであり、この光触媒処理層中の光触媒が、積層されている濡れ性変化層の濡れ性を変化させるようなものであれば特に限定されるものではない。
また、光触媒処理層はさらにバインダを含有していてもよい。これにより、成膜が容易になるからである。本態様に用いられるバインダとしては、主骨格が光触媒の光励起により分解されないような高い結合エネルギーを有するものであれば特に限定されるものではなく、上述の濡れ性が変化しない光触媒含有層に用いられるバインダ、および、上記第1の態様に記載したバインダのいずれも用いることができる。
さらに、光触媒処理層表面の濡れ性は親液性であっても撥液性であってもよい。
上記光触媒処理層の厚みは、正孔または電子の移動を妨げない厚みであれば特に限定されるものではないが、具体的には10nm〜500nmであることが好ましく、中でも10nm〜200nm、特に10nm〜100nmの範囲内であることが好ましい。光触媒処理層が薄すぎると、濡れ性変化層の濡れ性を変化させることが困難となる場合があるからである。逆に、光触媒処理層が厚すぎると正孔または電子の移動を阻害する可能性があるからである。
(濡れ性変化層)
本態様に用いられる濡れ性変化層は、光触媒の作用により濡れ性が変化するものであれば特に限定されるものではなく、通常は光触媒の作用により濡れ性が変化するバインダを含有するものである。なお、バインダについては、上記第1の態様に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
また、濡れ性変化層には、上記第1の態様に記載されているものと同様の界面活性剤や添加剤等を含有させてもよい。
上記濡れ性変化層の厚みは、濡れ性変化パターンの形成が可能であり、かつ、正孔または電子の輸送を阻害しないような厚みであれば特に限定されるものではないが、具体的には0.5nm〜20nmであることが好ましく、中でも0.5nm〜10nmの範囲内であることが好ましい。濡れ性変化層が薄すぎると、濡れ性の違いが明確に発現しなくなる可能性があるからである。逆に、濡れ性変化層が厚すぎると正孔または電子の輸送を阻害する可能性があるからである。
次に、濡れ性変化層表面の濡れ性を変化させる方法について図3を参照しながら説明する。
まず、電極層2が形成された基材1上に光触媒処理層形成用塗工液を塗布して光触媒処理層14を形成し、次いで光触媒処理層14上に濡れ性変化層形成用塗工液を塗布して濡れ性変化層15を形成する(図3(a))。次に、濡れ性変化層15にフォトマスク32を介してパターン状にエネルギー31を照射し、濡れ性変化層15表面の濡れ性を変化させ、親液性領域11および撥液性領域12からなる濡れ性変化パターンを形成する(図3(b))。
このような濡れ性変化層を用いた場合には、図3(c)に例示するように、光触媒含有濡れ性変化層15表面の親液性領域11にのみ平滑化層4を成膜することができる。
なお、濡れ性を変化させる方法のその他の点については、上記第1の態様に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
3.電極層
本発明に用いられる電極層は、陽極および陰極のいずれであってもよく、この電極層が陽極であるか陰極であるかにより上記平滑化層の電荷輸送性の種類が適宜選択される。
本発明の有機EL素子用基板を有機EL素子に用いた場合、有機EL素子用基板側が光の取出し面となる場合には、電極層は透明である必要がある。一方、有機EL素子用基板側が光の取出し面とならない場合には、電極層は透明であっても透明でなくてもよい。
陽極としては、正孔が注入し易いように仕事関数の大きい導電性材料を用いることが好ましく、具体的には酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、金などが挙げられる。
陰極としては、電子が注入しやすいように仕事関数の小さい導電性材料を用いることが好ましく、例えばMgAg等のマグネシウム合金;AlLi、AlCa、AlMg等のアルミニウム合金;Li、Caをはじめとするアルカリ金属類およびアルカリ土類金属類;アルカリ金属類およびアルカリ土類金属類の合金;などが挙げられる。
また、電極層は抵抗が小さいことが好ましく、一般には金属材料が用いられるが、有機化合物または無機化合物を用いてもよい。
さらに、電極層は、基材上に全面に形成されたものであってもよく、パターン状に形成されたものであってもよい。
電極層の形成方法としては、一般的な電極の形成方法を用いることができ、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的蒸着(PVD)法、あるいは、化学的蒸着(CVD)法などを挙げることができる。また、電極層のパターニング方法としては、所望のパターンに精度よく形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、具体的にはフォトリソグラフィー法等を挙げることができる。
4.基材
本発明に用いられる基材は、上述した電極層、光触媒含有層および平滑化層などを支持するものであり、所定の強度を有するものであれば特に限定されるものではない。本発明においては、上記電極層が所定の強度を有する場合には、電極層が基材を兼ねるものであってもよいが、通常は所定の強度を有する基材上に電極層が形成される。
また、本発明の有機EL素子用基板を有機EL素子に用いた場合、有機EL素子用基板側が光の取出し面となる場合には、基材は透明である必要がある。このような基材としては、例えばソーダ石灰ガラス、アルカリガラス、鉛アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、シリカガラス等のガラス基板;フィルム状に成形が可能な樹脂基板;などを用いることができる。
B.有機EL素子
次に、本発明の有機EL素子について説明する。
本発明の有機EL素子は、上述した有機EL素子用基板と、上記有機EL素子用基板の平滑化層上に形成され、少なくとも発光層を有する有機EL層と、上記有機EL層上に形成された対向電極層とを有することを特徴とするものである。
本発明の有機EL素子について図面を参照しながら説明する。
図4は、本発明の有機EL素子の一例を示す概略断面図である。図4に例示するように、本発明の有機EL素子20においては、基材21上にパターン状に電極層22が形成され、電極層22間には絶縁層23が形成されており、この電極層22および絶縁層23の上に光触媒含有層24が形成されている。この光触媒含有層24上にはパターン状に平滑化層25が形成され、平滑化層25上に発光層(赤色発光層26R,緑色発光層26Gおよび青色発光層26B)が形成されている。さらに、発光層26R,26Gおよび26B上には対向電極層27が形成されている。
本発明においては、上述した有機EL素子用基板を用いるものであり、光触媒含有層の表面状態を改善し、表面平滑性に優れた平滑化層上に発光層が形成されているので、光触媒含有層から発光層までの各層の界面での障壁を低減することができる。また、平滑化層は電荷輸送性を有するので、電極層から注入された電荷を発光層に円滑に輸送することができる。したがって本発明においては、有機EL素子の発光特性を向上させることが可能である。
また、光触媒含有層が、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化するものである場合は、平滑化層や発光層等を容易にパターニングすることが可能である。
なお、基材、電極層、光触媒含有層および平滑化層については、上記「A.有機EL素子用基板」の欄に記載したものとそれぞれ同様であるので、ここでの説明は省略する。以下、本発明の有機EL素子における有機EL層および対向電極層について説明する。
1.有機EL層
本発明に用いられる有機EL層は、少なくとも発光層を含む1層もしくは複数層の有機層から構成されるものである。すなわち、有機EL層とは、少なくとも発光層を含む層であり、その層構成が有機層1層以上の層をいう。通常、塗布によるウェットプロセスで有機EL層を形成する場合は、溶媒との関係で多数の層を積層することが困難であることから、1層もしくは2層の有機層で形成される場合が多いが、有機材料を工夫したり、真空蒸着法を組み合わせたりすることにより、さらに多数層とすることも可能である。
発光層以外に有機EL層内に形成される有機層としては、正孔注入層や電子注入層といった電荷注入層を挙げることができる。さらに、その他の有機層としては、発光層に正孔を輸送する正孔輸送層、発光層に電子を輸送する電子輸送層といった電荷輸送層を挙げることができるが、通常これらは上記電荷注入層に電荷輸送の機能を付与することにより、電荷注入層と一体化される場合が多い。その他、有機EL層内に形成される有機層としては、キャリアブロック層のような正孔あるいは電子の突き抜けを防止し、再結合効率を高めるための層等を挙げることができる。
本発明においては、有機EL素子用基板の平滑化層が電荷輸送性を有しており、また光触媒含有層が電荷注入機能を有することが好ましいことから、有機EL層として平滑化層と接する側には電荷注入層や電荷輸送層等は形成されていなくてもよい。一方、対向電極層と接する側には有機EL層として電荷注入層や電荷輸送層等が形成されていることが好ましい。これにより、発光効率を向上させることができるからである。
以下、このような有機EL層の各構成について説明する。
(1)発光層
本発明における有機EL層の必須構成である発光層に用いられる発光材料としては、例えば色素系発光材料、金属錯体系発光材料、高分子系発光材料等の発光材料を用いることができる。
色素系発光材料としては、例えばシクロペンタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマーなどを挙げることができる。
また、金属錯体系発光材料としては、例えばアルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体など、中心金属にAl、Zn、Be等または、Tb、Eu、Dy等の希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を有する金属錯体を挙げることができる。
さらに、高分子系発光材料としては、例えばポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリフルオレン誘導体、ポリキノキサリン誘導体、およびそれらの共重合体等を挙げることができる。
上記発光層中には、発光効率の向上、発光波長を変化させる等の目的でドーピング剤を添加してもよい。このようなドーピング剤としては、例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾン、キノキサリン誘導体、カルバゾール誘導体、フルオレン誘導体を挙げることができる。
発光層の厚みとしては、電子と正孔との再結合の場を提供して発光する機能を発現することができる厚みであれば特に限定されるものではなく、例えば10nm〜500nm程度とすることができる。
本発明においては、上述した発光材料を溶媒に溶解または分散させた発光層形成用塗工液を塗布することにより発光層を形成することができる。
発光層形成用塗工液に用いられる溶媒としては、上述した発光材料を溶解もしくは分散させることができるものであれば特に限定されるものではない。具体的には、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン等を挙げることができる。
また、発光層形成用塗工液の塗布方法としては、発光層を均一かつ高精細に形成することが可能な方法であることが好ましい。このような塗布方法としては、例えばディップコート法、ロールコート法、ブレードコート法、スピンコート法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ワイヤーバーコート法、キャスト法、インクジェット法、LB法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。
この際、光触媒含有層が、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化するものである場合には、光触媒含有層表面の濡れ性の違いを利用して、発光層をパターニングすることができる。
一方、光触媒含有層が、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化しないものである場合に、発光層をパターニングする場合には、光触媒含有層を利用してパターニングすることはできないので、平滑化層上に例えばインクジェット法等を用いて発光層を成膜すればよい。
(2)電荷注入輸送層
本発明においては、対向電極層と発光層との間に電荷注入輸送層が形成されていてもよい。ここでいう「電荷注入輸送層」とは、対向電極層から発光層に電荷を安定に注入する電荷注入機能、および、対向電極層から注入された電荷を円滑に輸送する電荷輸送機能の少なくともいずれか一方を有するものをいう。このような電荷注入輸送層を設けることにより、発光層への電荷の注入が安定化したり、電荷の輸送が円滑になったりするので、発光効率を高めることができる。
このような電荷注入輸送層としては、陽極から注入された正孔を発光層内へ輸送する正孔注入輸送層、陰極から注入された電子を発光層内へ輸送する電子注入輸送層とがある。以下、正孔注入輸送層および電子注入輸送層について説明する。
(i)正孔注入輸送層
本発明に用いられる正孔注入輸送層としては、発光層に正孔を注入する正孔注入層、および正孔を輸送する正孔輸送層のいずれか一方であってもよく、正孔注入層および正孔輸送層が積層されたものであってもよく、または、正孔注入機能および正孔輸送機能の両機能を有する単一層であってもよい。
正孔注入輸送層に用いられる材料としては、陽極から注入された正孔を安定に発光層内へ輸送することができる材料であれば特に限定されるものではない。例えば、上述した発光材料の他、アリールアミン類;フタロシアニン類;酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン等の酸化物;アモルファスカーボン;ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリフェニレンビニレン、およびそれらの誘導体等の導電性高分子;などを用いることができる。具体的には、アリールアミン類としてはビス(N−(1−ナフチル−N−フェニル)ベンジジン(α−NPD)、4,4,4−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられ、ポリチオフェン誘導体としてはポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホン酸(PEDOT−PSS)等が挙げられる。
また、正孔注入輸送層の厚みとしては、陽極から正孔を注入し、発光層へ正孔を輸送する機能が十分に発揮される厚みであれば特に限定されるものではないが、具体的には0.5nm〜1000nmの範囲内、中でも10nm〜500nmの範囲内であることが好ましい。
(ii)電子注入輸送層
本発明に用いられる電子注入輸送層としては、発光層に電子を注入する電子注入層、および電子を輸送する電子輸送層のいずれか一方であってもよく、電子注入層および電子輸送層が積層されたものであってもよく、または、電子注入機能および電子輸送機能の両機能を有する単一層であってもよい。
電子注入層に用いられる材料としては、発光層内への電子の注入を安定化させることができる材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、上述した発光材料の他、アルミリチウム合金、リチウム、セシウム等のアルカリ金属やその合金;フッ化リチウム、フッ化セシウム等のアルカリ金属のハロゲン化物;ストロンチウム、カルシウム等のアルカリ土類金属;フッ化マグネシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム等のアルカリ土類金属のハロゲン化物;酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、酸化アルミニウム等の酸化物;などを用いることができる。また、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム等も用いることができる。
上記電子注入層の厚みとしては、電子注入機能が十分に発揮される厚みであれば特に限定されるものではない。
また、電子輸送層に用いられる材料としては、電極層もしくは対向電極層から注入された電子を発光層内へ輸送することが可能な材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、オキサジアゾール類、トリアゾール類、バソキュプロイン、バソフェナントロリン等のフェナントロリン類、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq)等のアルミニウム錯体等が挙げられる。
上記電子輸送層の厚みとしては、電子輸送機能が十分に発揮される厚みであれば特に限定されない。
さらに、電子注入機能および電子輸送機能の両機能を有する単一層からなる電子注入輸送層としては、電子輸送性の有機材料にアルカリ金属またはアルカリ土類金属をドープした金属ドープ有機層を用いることができる。電子輸送性の有機材料としては、例えばバソキュプロイン、バソフェナントロリン等のフェナントロリン類などを挙げることができ、ドープするアルカリ金属またはアルカリ土類金属としては、例えばLi、Cs、Ba、Sr等が挙げられる。
上記の単一層からなる電子注入輸送層の厚みとしては、電子注入機能および電子輸送機能が十分に発揮される厚みであれば特に限定されるものではない。
2.対向電極層
本発明に用いられる対向電極層は、上記有機EL層上に形成されるものであり、有機EL素子用基板の電極層と反対の電極となる。
なお、対向電極層のその他の点については、上述した「A.有機EL素子用基板」の電極層の項に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
3.隔壁
本発明においては、パターン状に形成された平滑化層間および有機EL層間に隔壁が形成されていてもよい。この隔壁は、異なる色を発光する発光層を形成するときに特に有用である。
隔壁に用いられる材料としては、例えば感光性ポリイミド樹脂、アクリル系樹脂、他、光硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、撥水性樹脂などが挙げられる。
4.絶縁層
本発明においては、パターン状に形成された電極層間に絶縁層が形成されていてもよい。一般的には、絶縁層は電極層の端部を覆うように形成される。この絶縁層は、電極層から有機EL層への電荷の供給を止めるために設けられるものである。また、絶縁層が形成された部分は、発光しないものとすることができる。
このような絶縁層としては、感光性ポリイミド樹脂、アクリル系樹脂等の光硬化型樹脂、または熱硬化型樹脂、および無機材料等を用いることができる。
また、絶縁層の形成方法としては、フォトリソグラフィー法、印刷法等の一般的な方法を用いることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について実施例および比較例を用いて具体的に説明する。
[実施例1]
(ITO基板の洗浄)
150mm角のガラス基板上に透明電極であるITO膜がパターン状に形成されたITO基板を、イソプロピルアルコール、アセトン溶媒中で超音波洗浄した。
(光触媒含有層の形成)
下記の成分を混合することにより、光触媒含有層形成用塗工液を調製した。
・二酸化チタンゾル液(石原産業(株)製 STS−01) 3重量部
・テトラエトキシシラン 1重量部
・2規定の塩酸 40重量部
・イソプロピルアルコール 75重量部
・フルオロアルコキシシラン(トーケムプロダクツ(株)製 MF−160E)
7.5重量部
この光触媒含有層形成用塗工液をスピンコーターで塗布し、150℃で10分間の乾燥処理を行い、膜厚60nmの透明な光触媒含有層を形成した。この光触媒含有層は、平均表面粗さが17nm、最大高低差が130nmであった。
光触媒含有層上にフォトマスクを介して、高圧水銀灯(254nm、365nm)を用いて70mW/cmの照度で50秒間光照射し、濡れ性変化パターンを形成した。
(平滑化層の形成)
PEDOT−PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルフォネート)水分散液(バイエル社製、商品名:Baytron TP CH8000)を濡れ性変化パターン上にスピンコート法にて塗布し、200℃で1時間乾燥させた。これにより、膜厚50nmの平滑化層をパターン状に形成した。平滑化層を設けることにより、平均表面粗さが7.9nm、最大高低差が50nmとなった。
(発光層の形成)
ポリフルオレン誘導体(American Dye Source社製、ADS132GE)のトルエン溶液を平滑化層上にスピンコート法にて塗布し、80℃で30分間乾燥させ、膜厚1000Åの発光層をパターン状に形成した。
(金属電極の形成)
その後、発光部が2mm×2mmになるように、LiF膜(膜厚5nm)およびAl膜(膜厚2000Å)をマスク蒸着法により成膜した。この際、ITO膜のパターンと直交するようにパターン状にLiF膜およびAl膜を形成した。
以上により、有機EL素子を作製した。
[実施例2]
実施例1において、平滑化層を次のようにして形成した以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
(平滑化層の形成)
ポリフルオレン誘導体とトリフェニルアミンとの共重合体のトルエン溶液を濡れ性変化パターン上にスピンコート法にて塗布し、100℃で60分乾燥させた。これにより、膜厚30nmの平滑化層をパターン状に形成した。
光触媒含有層は平均表面粗さが17nm、最大高低差が130nmであったが、平滑化層を設けることにより、平均表面粗さが8.9nm、最大高低差が60nmとなった。
[実施例3]
実施例1において、光触媒含有層を次のようにして形成した以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
(光触媒含有層の形成)
下記の成分を混合することにより、光触媒処理層形成用塗工液を調製した。
・二酸化チタンゾル液(石原産業(株)製 STS−01) 3重量部
・テトラエトキシシラン 1重量部
・2規定の塩酸 40重量部
・イソプロピルアルコール 75重量部
この光触媒処理層形成用塗工液をスピンコーターで塗布し、150℃で10分間の乾燥処理を行い、膜厚60nmの透明な光触媒処理層を形成した。
次に、下記の成分を混合することにより、濡れ性変化層形成用塗工液を調製した。
・フルオロアルコキシシラン(トーケムプロダクツ(株)製 MF−160E)
0.3重量部
・イソプロピルアルコール 3重量部
この濡れ性変化層形成用塗工液をスピンコーターで塗布し、150℃で10分間の乾燥処理を行い、膜厚20nmの透明な濡れ性変化層を形成した。
濡れ性変化層上にフォトマスクを介して、高圧水銀灯(254nm、365nm)を用いて70mW/cmの照度で240秒間光照射し、濡れ性変化パターンを形成した。
濡れ性変化層は平均表面粗さが12nm、最大高低差が110nmであったが、平滑化層を設けることにより、平均表面粗さが5nm、最大高低差が40nmとなった。
[比較例1]
実施例1において、光触媒含有層を次のようにして形成し、平滑化層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
(光触媒含有層の形成)
下記の成分を混合することにより、光触媒含有層形成用塗工液を調製した。
・二酸化チタンゾル液(石原産業(株)製 STS−01) 3重量部
・テトラエトキシシラン 1重量部
・2規定の塩酸 40重量部
・イソプロピルアルコール 75重量部
・フルオロアルコキシシラン(トーケムプロダクツ(株)製 MF−160E)
0.3重量部
この光触媒含有層形成用塗工液をスピンコーターで塗布し、150℃で10分間の乾燥処理を行い、膜厚60nmの透明な光触媒含有層を形成した。
光触媒含有層上にフォトマスクを介して、高圧水銀灯(254nm、365nm)を用いて70mW/cmの照度で50秒間光照射し、濡れ性変化パターンを形成した。
[評価]
実施例1〜3および比較例1の有機EL素子の発光効率−電圧特性、および寿命特性を図5および図6にそれぞれ示す。図5および図6から明らかなように、平滑化層を形成することにより、発光効率−電圧特性、および寿命特性が向上した。
[実施例4]
(透明電極の形成)
洗浄したガラス基板上に透明電極としてITO膜をスパッタリング法により1500Åの膜厚で成膜した。その後、ライン幅:300μm、ピッチ:100μmとなるようにフォトリソグラフィー法によりITO膜をパターニングした。
(絶縁層の形成)
ITO膜が形成された基板に、ネガ型レジスト(新日鉄化学社製、V259PA)を乾燥膜厚が1μmになるようにスピンコート法にて塗布した後、120℃で1時間ベーキングした。その後、ITO膜のないピッチ部分を中心に100μmの幅で、フォトマスクを介して365nmのUV光を500mJの露光量で露光した。このとき、フォトマスクと基板とを1mmのギャップを設けて露光した。これを有機アルカリの現像液(新日鉄化学社製、V259OD)で40秒間現像した後、160℃で1時間ベーキングすることにより、絶縁層を形成した。
(光触媒含有層の形成)
下記の成分を混合することにより、光触媒含有層形成用塗工液を調製した。
・二酸化チタンゾル液(石原産業(株)製 STS−01) 3重量部
・テトラエトキシシラン 1重量部
・2規定の塩酸 40重量部
・イソプロピルアルコール 75重量部
・フルオロアルコキシシラン(トーケムプロダクツ(株)製 MF−160E)
7.5重量部
この光触媒含有層形成用塗工液をスピンコーターで塗布し、150℃で10分間の乾燥処理を行い、膜厚60nmの透明な光触媒含有層を形成した。
光触媒含有層上にフォトマスクを介して、高圧水銀灯(254nm、365nm)を用いて70mW/cmの照度で50秒間光照射し、濡れ性変化パターンを形成した。
(平滑化層の形成)
PEDOT−PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルフォネート)水分散液(バイエル社製、商品名:Baytron TP CH8000)を濡れ性変化パターン上にインクジェット法にて塗布し、200℃で1時間乾燥させた。これにより、膜厚50nmの平滑化層をパターン状に形成した。この平滑化層は、平均表面粗さが7.9nm、最大高低差が50nmであった。
(発光層の形成)
赤色の発光を示すポリフルオレン誘導体(American Dye Source社製、ADS100RE)、緑色の発光を示すポリフルオレン誘導体(American Dye Source社製、ADS132GE)、および、青色の発光を示すポリフルオレン誘導体(American Dye Source社製、ADS135BE)のトルエン溶液をそれぞれ調製した。この溶液をインクジェット塗布装置を用いて、平滑化層上に交互に配列するように塗り分けた。その後、80℃で30分間乾燥させて、それぞれ膜厚1000Åの3色の発光層をパターン状に形成した。
(金属電極の形成)
その後、発光部が2mm×2mmになるように、LiF膜(膜厚5nm)およびAl膜(膜厚2000Å)をマスク蒸着法により成膜した。この際、ITO膜のパターンと直交するようにパターン状にLiF膜およびAl膜を形成した。
以上により、有機EL素子を作製した。
図4は、このようにして作製された有機EL素子を示す概略断面図である。この有機EL素子20においては、基材21上に電極層(ITO電極)22がパターン状に形成され、その電極層22間に絶縁層23が形成されている。さらに電極層22および絶縁層23上には光触媒含有層24が全面に形成され、電極層22が形成されている領域の光触媒含有層24上には平滑化層25が形成され、その上に発光層(赤色発光層26R、緑色発光層26G、および青色発光層26B)が形成されている。そして、発光層26R,26Gおよび26B、ならびに光触媒含有層24の上に対向電極層(金属電極)27が形成されている。
[比較例2]
実施例4において、光触媒含有層を次のようにして形成し、平滑化層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
(光触媒含有層の形成)
下記の成分を混合することにより、光触媒含有層形成用塗工液を調製した。
・二酸化チタンゾル液(石原産業(株)製 STS−01) 3重量部
・テトラエトキシシラン 1重量部
・フルオロアルコキシシラン(トーケムプロダクツ(株)製 MF−160E)
7.5重量部
・イソプロピルアルコール 75重量部
この光触媒含有層形成用塗工液をスピンコーターで塗布し、150℃で10分間の乾燥処理を行い、加水分解、重縮合反応を進行させ、光触媒がオルガノシロキサン中に強固に固定された、膜厚60nmの透明な光触媒含有層を形成した。
光触媒含有層上にフォトマスクを介して、高圧水銀灯(254nm、365nm)を用いて70mW/cmの照度で50秒間光照射し、濡れ性変化パターンを形成した。
[評価]
実施例4および比較例2において作製した有機EL素子(有機ELディスプレイ)を点灯させ、目視で評価したところ、同じ駆動条件において、実施例4の方が表示むら、電極間の短絡のない、安定な駆動が可能であった。
本発明の有機EL素子用基板の一例を示す概略断面図である。 本発明の有機EL素子用基板の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の有機EL素子用基板の製造方法の他の例を示す工程図である。 本発明の有機EL素子の一例を示す概略断面図である。 実施例1〜3および比較例1の有機EL素子の発光効率−電圧特性を示すグラフである。 実施例1〜3および比較例1の有機EL素子の寿命特性を示すグラフである。
符号の説明
1,21 … 基材
2,22 … 電極層
3,24 … 光触媒含有層
4,25 … 平滑化層
10 … 有機EL素子用基板
11 … 親液性領域
12 … 撥液性領域
13 … 光触媒含有濡れ性変化層
14 … 光触媒処理層
15 … 濡れ性変化層
20 … 有機EL素子
23 … 絶縁層
26R、26G、26B … 発光層
27 … 対向電極層

Claims (7)

  1. 基材と、前記基材上に形成された電極層と、前記電極層上に形成された光触媒含有層と、前記光触媒含有層上に形成された平滑化層とを有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子用基板。
  2. 前記平滑化層が電荷輸送性を有することを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用基板。
  3. 前記光触媒含有層が、光触媒を含有し、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化する光触媒含有濡れ性変化層であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用基板。
  4. 前記光触媒含有層が、光触媒を含有する光触媒処理層と、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化する濡れ性変化層とを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用基板。
  5. 前記平滑化層の平均表面粗さ(Ra)が10nm未満であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用基板。
  6. 前記平滑化層の最大高低差(P−V)が100nm未満であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用基板。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用基板と、前記有機エレクトロルミネッセンス素子用基板の平滑化層上に形成され、少なくとも発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス層と、前記有機エレクトロルミネッセンス層上に形成された対向電極層とを有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
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