JP4563265B2 - 有機機能性素子用基板、および有機機能性素子 - Google Patents
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Description
まず、本発明の有機機能性素子用基板について説明する。本発明の有機機能性素子用基板は、基材と、上記基材上に形成された電極層と、上記電極層を覆うように形成され、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化する濡れ性変化層とを有する有機機能性素子用基板であって、上記濡れ性変化層が非イオン性導電性無機材料を含有していることを特徴とするものである。
まず、本発明に用いられる濡れ性変化層について説明する。本発明に用いられる濡れ性変化層は、後述する電極層を覆うように形成され、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化するものであって、非イオン性導電性無機材料を含有しているものである。
本発明に用いられる濡れ性変化層の第1の態様は、濡れ性変化層が、非イオン性導電性無機材料と、光触媒と、濡れ性が変化する材料とを含有する光触媒含有層とされている場合である。この光触媒含有層は、光触媒含有層自体に含有される光触媒の作用により濡れ性が変化することから、製造工程が少なく、効率的に濡れ性変化パターンを形成することができる点で有用である。
本発明に用いられる濡れ性変化層の第2の態様は、光触媒を含有しておらず、非イオン性導電性無機材料とバインダとを含有する層である。なおこの場合、濡れ性可変層上に濡れ性変化パターンを形成する際、別途光触媒を含有する層が必要とされる。例えば図3に示すように、濡れ性可変層6と電極層2との間に光触媒処理層5を形成し、フォトマスク11等を用いてエネルギー12をパターン状に照射することにより、光触媒処理層5中の光触媒の作用によって濡れ性可変層6の濡れ性を変化させ、濡れ性変化パターンを形成してもよい。また例えば図4に示すように、基体21と、その基体21上に形成された光触媒処理層5とを有する光触媒処理層側基板22を準備し、光触媒処理層5と濡れ性可変層6とを対向させた状態で、例えばフォトマスク11等を用いてエネルギー12を照射し、光触媒処理層5の作用によって濡れ性可変層6の濡れ性を変化させて、濡れ性変化パターンを形成してもよい。なお、上記光触媒処理層は、上述した光触媒含有層と同様の層とすることができる。
次に、本発明に用いられる電極層について説明する。本発明に用いられる電極層は、後述する基材上に形成されるものであれば特に限定されるものではなく、有機機能性素子用基板の用途等に応じて適宜選択される。またパターン状に形成されているものであってもよく、また全面に形成されているものであってもよい。
例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD法や、CVD法などを挙げることができる。また、電極層のパターニング方法としては、所望のパターンに精度よく形成することができる方法であれば特に限定されないが、具体的にはフォトリソグラフィー法等を挙げることができる。
本発明に用いられる基材は、有機機能性素子用基板の用途等により適宜選択される。このような基材として具体的には、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材等を挙げることができる。また、基材は、必要に応じてアルカリ溶出防止用やガスバリア性付与その他の目的の表面処理を施したものであってもよい。
本発明の有機機能性素子用基板は、上記基材、電極層、および濡れ性変化層を有するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば遮光部等、上記以外の部材が機能性素子用基板の用途に応じて、適宜形成されていてもよい。また上記濡れ性変化層が、上述した濡れ性可変層である場合等には、上記濡れ性可変層と隣接するように、少なくとも光触媒を含有する光触媒処理層が形成されていてもよい。
本発明においては、上記濡れ性変化層がエネルギー照射に伴う光触媒の作用により特性が変化するものであることから、上記濡れ性変化層にパターン状に光触媒の作用を及ぼすことによって、容易に濡れ性変化パターンを形成することができる。濡れ性変化パターンとしては、濡れ性変化層上に形成される有機機能性層の形状に合わせて適宜選択されるものであり、そのパターンは特に限定されるものではない。
まず、上記有機機能性素子用基板中に、光触媒が含有されている場合の濡れ性変化パターンの形成方法について説明する。上記有機機能性素子用基板中に、光触媒が含有されている場合、すなわち濡れ性変化層が光触媒含有層とされている場合、および濡れ性変化層が濡れ性可変層とされており、隣接して光触媒処理層が形成されている場合には、上記濡れ性変化層に対してパターン状にエネルギーを照射することにより、濡れ性変化パターンを形成することができる。
次に、上記有機機能性素子用基板中に、光触媒が含有されていない場合の濡れ性変化パターンの形成方法について説明する。上記有機機能性素子用基板中に光触媒が含有されていない場合には、上述したように、光触媒を含有する光触媒処理層と、上記濡れ性変化層とを対向させて配置し、エネルギーを照射することにより、上記濡れ性変化パターンを形成することができる。
まず、光触媒処理層側基板に用いられる光触媒処理層について説明する。本態様に用いられる光触媒処理層は、濡れ性変化層の濡れ性を変化させることが可能な構成であれば、特に限定されるものではない。
次に、光触媒処理層側基板に用いられる基体について説明する。本態様に用いられる基体を構成する材料は、エネルギーの照射方向等により適宜選択される。このような基体としては、可撓性を有するもの、例えば樹脂製フィルム等であってもよいし、可撓性を有さないもの、例えばガラス基板等であってもよい。これは、エネルギー照射方法により適宜選択されるものである。
次に、本態様におけるエネルギー照射について説明する。本態様においては、上記濡れ性変化層と、上記光触媒処理層とを所定の間隙をおいて配置し、所定の方向からエネルギーを照射することにより、濡れ性変化層上に濡れ性変化パターンを形成することができる。
次に、本発明の有機機能性素子について説明する。本発明の有機機能性素子は、上述した有機機能性素子用基板の上記濡れ性変化層上に形成された有機機能性層と、上記有機機能性層上に形成された第2電極層とを有するものである。
以下、本発明の有機機能性素子の各構成について説明する。なお、上記基材、電極層、濡れ性変化層、および濡れ性変化パターンについては、上述した「A.機能性素子用基板」の項で説明したので、ここでの詳しい説明は省略する。
まず、本発明に用いられる有機機能性層について説明する。本発明に用いられる有機機能性層は、上記濡れ性変化層の濡れ性変化パターンを利用して形成されるものであり、機能を発揮する層であれば、特に限定されるものではない。また有機機能性層は複数の層が積層されたもの等であってもよい。このような有機機能性層の機能等は、有機機能性素子の種類に応じて適宜選択されることとなる。
次に、本発明に用いられる第2電極層について説明する。本発明に用いられる第2電極層は、上記有機機能性層上に形成されたものであれば特に限定されるものではなく、有機機能性層上全面に形成されているものであってもよく、またパターン状に形成されているものであってもよい。また陽極であっても陰極であってもよい。また透明性等は適宜選択される。このような第2電極層としては、上述した電極層と同様とすることができる。
本発明の有機機能性素子は、上述した有機機能性素子形成用基板上に有機機能性層および第2電極層が形成されているものであれば、特に限定されるものではない。例えば第2電極層上に対向基板が形成されていてもよく、またその対向基板と第2電極層との間に遮光部等が形成されているものであってもよい。
次に、本発明の有機EL素子について説明する。本発明の有機EL素子は、上述した有機機能性素子の有機機能性層が有機EL層とされているものである。本発明の有機EL素子は、例えば図6に示すように、基材1と、その基材1上に形成された電極層2と、その電極層2を覆うように形成された濡れ性変化層3上に形成された、濡れ性変化層3の濡れ性が変化した濡れ性変化パターン4と、その濡れ性変化パターン4上に形成された有機EL層7´と、その有機EL層7´上に形成された第2電極層8とを有するものである。また通常、電極層2の一部を覆うように、絶縁層9が形成されることとなる。
本発明に用いられる有機EL層は、上記濡れ性変化層上に形成されたものであり、少なくとも発光層を含む1層もしくは複数層の有機層から構成されるものである。すなわち、有機EL層とは、少なくとも発光層を含む層であり、その層構成が有機層1層以上の層をいう。通常、塗布によるウェットプロセスで有機EL層を形成する場合は、溶媒との関係で多数の層を積層することが困難であることから、1層もしくは2層の有機層で形成される場合が多いが、有機材料を工夫したり、真空蒸着法を組み合わせたりすることにより、さらに多数層とすることも可能である。
以下、このような有機EL層の各構成について説明する。
本発明における有機EL層の必須構成である発光層としては、例えば色素系発光材料、金属錯体系発光材料、高分子系発光材料等の発光材料を用いることができる。
本発明においては、電極層または第2電極層と発光層との間に電荷注入輸送層が形成されていてもよい。ここでいう電荷注入輸送層とは、上記発光層に電極層または第2電極層からの電荷を安定に輸送する機能を有するものであり、このような電荷注入輸送層を発光層と電極層または第2電極層との間に設けることにより、発光層への電荷の注入が安定化し、発光効率を高めることができる。
本発明に用いられる正孔注入輸送層としては、発光層に正孔を注入する正孔注入層、および正孔を輸送する正孔輸送層のいずれか一方であってもよく、正孔注入層および正孔輸送層が積層されたものであってもよく、または、正孔注入機能および正孔輸送機能の両機能を有する単一の層であってもよい。
本発明に用いられる電子注入輸送層としては、発光層に電子を注入する電子注入層、および電子を輸送する電子輸送層のいずれか一方であってもよく、電子注入層および電子輸送層が積層されたものであってもよく、または、電子注入機能および電子輸送機能の両機能を有する単一の層であってもよい。
本発明の有機EL素子は、上記基材、電極層、濡れ性変化層、有機EL層、および第2電極層を有するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば絶縁層やバリア層等、必要に応じて適宜有していてもよい。
次に、本発明の濡れ性変化層形成用塗工液について説明する。本発明の濡れ性変化層形成用塗工液は、中性域のpHを有し、かつ酸化チタンと、撥液性を有する置換基がポリシロキサンを構成するSi原子に直接結合しているポリシロキサンと、非イオン性導電性無機材料とを含有することを特徴とするものである。本発明の濡れ性変化層形成用塗工液が塗布されて形成された濡れ性変化層は、エネルギーが照射されることにより、液体との接触角が低下することとなる。
以下、本発明の濡れ性変化層形成用塗工液について各材料ごとに説明する。
まず、本発明の濡れ性変化層形成用塗工液に用いられる非イオン性導電性無機材料について説明する。本発明に用いられる非イオン性導電性無機材料は、溶液中で電離することのない、導電性の無機材料であって、濡れ性変化層が形成された際に、濡れ性変化層の電気特性を向上させることが可能なものであれば特に限定されるものではない。このような非イオン性導電性無機材料としては例えば、酸化亜鉛、酸化スズ、アンチモンドープ酸化スズ、フッ化処理酸化スズ、インジウムスズ酸化物、およびヨウ化銅等が挙げられる。なお、上記イオン性導電性無機材料は濡れ性変化層形成用塗工液中に1種類のみ含有されていてもよく、また2種類以上が組み合わせて用いられていてもよい。
次に、本発明の濡れ性変化層形成用塗工液に用いられる酸化チタンについて説明する。本発明の濡れ性変化層形成用塗工液に用いられる酸化チタンは、濡れ性変化層形成用塗工液を塗布した際に、光触媒として作用し、表面の濡れ性を変化させるものであれば特に限定されるものではなく、上述した「A.有機機能性素子用基板」の光触媒含有層の項で説明したものと同様とすることができる。
次に、本発明の濡れ性変化層形成用塗工液に用いられるポリシロキサンについて説明する。本発明に用いられるポリシロキサンは、撥液性を有する置換基がポリシロキサンを構成するSi原子に直接結合しているものである。ここで、撥液性を有する置換基として具体的には、アルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基等が挙げられる。この撥液性を有する置換基が、ポリシロキサンを構成するSi原子に直接結合していることから、濡れ性変化層形成用塗工液を塗布して濡れ性変化層を形成した際に、撥液性を発現することができるのである。また、この濡れ性変化層にエネルギーが照射されることにより、上記光触媒の作用によりこれらの置換基が分解等され、親液性を発現するのである。ここで、撥液性を有する置換基がポリシロキサンを構成するSi原子に直接結合するとは、O原子等を介さず、ポリシロキサンを構成する骨格のSi原子と、上記のような置換基が結合していることをいう。また、本発明に用いられる上記ポリシロキサンは、通常、複数のアルコキシル基、アセチル基、またはハロゲンを置換基として有するものである。
YnSiX(4−n)
(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)
で示される珪素化合物を含む珪素化合物の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であることが好ましく、上記2種類以上の珪素化合物等どうしの加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物等であってもよい。なお、ここでYで示される基の炭素数は1〜20の範囲内であることが好ましく、また、Xで示されるアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基であることが好ましい。
次に、本発明の濡れ性変化層形成用塗工液について説明する。本発明の濡れ性変化層形成用塗工液は、中性域のpHを有し、かつ上述した非イオン性導電性無機材料、酸化チタン、および上述したポリシロキサンを含有することを特徴とするものである。
以下、具体的な濡れ性変化層形成用塗工液の製造方法について説明する。
本発明において、上述したように、酸化チタンおよびアルキルシリケートを含有する中性酸化チタンゾル液と、上記ポリシロキサンの加水分解液とを分けて調製してこれらを混合し、さらにこの混合液に、上述した非イオン性導電性無機材料が分散された分散液を混合して製造されることが好ましい。
次に、本発明の有機機能性素子用基板の製造方法について説明する。本発明の有機機能性素子用基板の製造方法は、基材および上記基材上に形成された電極層を有するパターニング用基板の、上記電極層上に、上述した濡れ性変化層形成用塗工液を塗布して濡れ性変化層を形成する濡れ性変化層形成工程と、上記濡れ性変化層にパターン状にエネルギーを照射することにより、上記濡れ性変化層上に撥液性領域と親液性領域とからなる濡れ性変化パターンを形成する濡れ性変化パターン形成工程とを有することを特徴とする方法である。
以下、本発明の有機機能性素子用基板の製造方法の各工程について説明する。
まず、本発明の有機機能性素子用基板の製造方法における濡れ性変化層形成工程について説明する。本発明の有機機能性素子用基板の製造方法における濡れ性変化層形成工程は、基材と、その基材上に形成された電極層とを有するパターン形成用基板上に、上述した中性域のpHを有し、かつ非イオン性導電性無機材料と、酸化チタンと、撥液性を有する置換基がポリシロキサンを構成するSi原子に直接結合しているポリシロキサンとを含有する濡れ性変化層形成用塗工液を塗布し、乾燥または硬化させることにより、エネルギー照射部分の濡れ性が、液体との接触角が低下する方向に変化する濡れ性変化層を形成する工程である。
次に、本発明のパターン形成体の製造方法における濡れ性変化パターン形成工程について説明する。本発明のパターン形成体の製造方法におけるパターン形成工程は、上記濡れ性変化層上にパターン状にエネルギーを照射することにより、上記濡れ性変化層上に撥液性領域と親液性領域とからなる濡れ性変化パターンを形成する工程である。
本発明の有機機能性素子用基板の製造方法においては、上記濡れ性変化層形成工程、および濡れ性変化パターン形成工程を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば上述した工程以外に、濡れ性変化層形成用塗工液調製工程等を有していてもよい。
(濡れ性変化層形成用塗工液の製造)
<中性酸化チタンゾル液の製造>
酸性の酸化チタンゾルSTS-01(石原産業(株)製、商品名)と分散安定剤メチルシリケート51(一般式SinOn-1(OCH3)2n+2(但しnは3〜5)、コルコート(株)製、商品名)とを混合し、これに湿潤した陰イオン交換樹脂アンバーライトIRA-910(オルガノ(株)製、商品名)を攪拌しながら添加し、イオン交換により中性化した。次いで、イオン交換樹脂をろ過後、メタノールを添加してpH6.4、固形分0.25%の中性酸化チタンゾル液を調製した。この試料は、メチルシリケート中のケイ素をSiO2に換算した量と酸化チタン中のチタンをTiO2に換算した量との重量比(SiO2/TiO2)が1であった。
続いて、イソプロピルアルコール30gとフルオロアルキルアルコキシシラン(GE東芝シリコーン(株)製TSL8233)とテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン(株)製TSL8114)3gと0.05規定塩酸2.5gとを混合し8時間攪拌した。これをイソプロピルアルコールにより100倍に希釈し、フルオロアルキルシラン加水分解液を調整した。
上記中性酸化チタンゾルと上記フルオロアルキルシラン加水分解液とを混合し、pH5.7の実質的に中性の撥液性の混合液を得た。
上記混合液と非イオン性導電性無機材料の水分散体SN-100S(石原産業(株)製、商品名)とを混合し、濡れ性変化層形成用塗工液を得た。上記濡れ性変化層形成用塗工液の平均粒径を濃厚系粒径アナライザー(FPAR-1000、大塚電子社製)により測定したところ、80nmであった。
25mm角ガラス基板からなる基材上に、電極層として透明電極(ITO)を形成した。続いて、この電極層を覆うように、スピンコータを用い、上述した濡れ性変化層形成用塗工液を塗布し、乾燥膜厚が100nmになるように成膜した。次に上記濡れ性変化層に、パターンマスクを介して紫外線を照射することで、濡れ性変化性層上に濡れ性の高いパターンを形成した。
上記導電性材料含有濡れ性変化層上の濡れ性の高い部分にマイクロシリンジを用いたシリンジ法を用いて下記の有機EL層形成用塗工液を塗布し、乾燥させて有機EL層を形成させた。
<有機EL層形成用塗工液>
ポリフェニレンビニレン誘導体(ADS製 ADS100RE)1gをトルエン(関東化学(株)製 ELグレード)99gで溶解させて有機EL層形成用塗工液を得た。
上記有機EL層上に、LiF膜3nm、Ca膜10nm、およびAl膜150nm厚になるように真空蒸着し、電子注入層および第2電極を形成した。これにより、有機EL素子を得た。
導電性材料分散液として、塩化第二鉄をイソプロピルアルコールで溶解させた溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。この際、上記濡れ性変化層形成用塗工液の平均粒径を濃厚系粒径アナライザー(FPAR-1000、大塚電子社製)により測定したところ、700nmであった。
比較例では、均一に濡れ性変化層を形成することが困難であった。また、実施例の電気特性を確認したところ、導電性材料を添加することによって素子の駆動電圧が低下することを確認した。
2 …電極層
3 …濡れ性変化層
4 …濡れ性変化パターン
5 …光触媒処理層
6 …濡れ性可変層
7 …有機機能性層
8 …第2電極層
9 …絶縁層
Claims (8)
- 基材と、前記基材上に形成された電極層と、前記電極層を覆うように形成され、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化する濡れ性変化層とを有する有機機能性素子用基板であって、
前記濡れ性変化層が非イオン性導電性無機材料を含有していることを特徴とする有機機能性素子用基板。 - 前記非イオン性導電性無機材料が酸化亜鉛、酸化スズ、アンチモンドープ酸化スズ、フッ化処理酸化スズ、インジウムスズ酸化物、およびヨウ化銅からなる群から選択される1つ、または2つ以上の物質であることを特徴とする請求項1に記載の有機機能性素子用基板。
- 前記非イオン性導電性無機材料が、酸化スズ、またはアンチモンドープ酸化スズ、フッ化処理酸化スズ、およびインジウムスズ酸化物からなる群から選択される1つ、または2つ以上の物質であることを特徴とする請求項2に記載の有機機能性素子用基板。
- 前記濡れ性変化層が光触媒を含有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の有機機能性素子用基板。
- 請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の有機機能性素子用基板の、前記濡れ性変化層上に形成された有機機能性層と、前記有機機能性層上に形成された第2電極層とを有することを特徴とする有機機能性素子。
- 請求項5に記載の有機機能性素子の、前記有機機能性層が有機エレクトロルミネッセント層であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセント素子。
- 中性域のpHを有し、かつ酸化チタンと、撥液性を有する置換基がポリシロキサンを構成するSi原子に直接結合しているポリシロキサンと、非イオン性導電性無機材料とを含有することを特徴とする濡れ性変化層形成用塗工液。
- 基材および前記基材上に形成された電極層を有するパターニング用基板の、前記電極層上に、請求項7に記載の濡れ性変化層形成用塗工液を塗布して濡れ性変化層を形成する濡れ性変化層形成工程と、
前記濡れ性変化層にパターン状にエネルギーを照射することにより、前記濡れ性変化層上に撥液性領域と親液性領域とからなる濡れ性変化パターンを形成する濡れ性変化パターン形成工程と
を有することを特徴とする有機機能性素子用基板の製造方法。
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