JP2006309888A - 光ピックアップアクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 光ピックアップアクチュエータの可動構造を複雑化することなく、高周波駆動によるチルト制御を可能とすること。
【解決手段】 光ピックアップアクチュエータは、揺動可能に保持されるレンズホルダ10と、レンズホルダ10を貫通する貫通孔11と、貫通孔11と重ねてあるいは貫通孔11内に配設される対物レンズ12と、その軸線が貫通孔11の中心軸と略一致するように、レンズホルダ10の外周に巻回される1つのフォーカスコイル21と、それぞれの軸線方向がフォーカスコイル21の軸線方向と平行でありかつフォーカスコイル21に近接するようにレンズホルダ10に配設される1対のチルトコイル22,23と、を有する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、光ピックアップアクチュエータに関する。
特許文献1は、光ディスク装置を開示する。この光ディスク装置は、対物レンズを有するレンズホルダの両側に一対の梁構造部を設け、各梁構造部内にフォーカスコイルおよびチルトコイルを配設する。各梁構造部の外側にトラッキングコイルを配設する。また、この全体を可動部として制御する。
特許文献2は、光ピックアップを開示する。この光ピックアップでは、対物レンズを有する可動ブロックは、支持バネを介してチルト駆動部に保持される。チルト駆動部は、支持軸を中心としてチルト方向に回転可能に、固定部に保持される。
特許文献3は、光ピックアップ装置を開示する。この光ピックアップ装置は、対物レンズを有するレンズホルダ部は、サスペンションワイヤにより可動ブロックに保持される。可動ブロックは、その下面から下方へ突出するように設けられたボスが、固定ベース部上に固定される台座バネ部材の孔に挿入される。可動ブロックは、チルト方向に揺動可能に台座バネ部材に固定される。
特開2002−279661号公報(発明の詳細な説明、図面など) 特開2004−5910号公報(発明の詳細な説明、図面など) 特開2004−319027号公報(発明の詳細な説明、図面など)
Blue−rayやHD−DVDなどの次世代DVDディスクでは、これまでのDVDディスクに比べて、光ディスクの回転速度の高速化や記録ビットの縮小化が図られている。
高精度に光ディスクの記録面に対して記録や読み込みを行うためには、回転する光ディスクなどの微小な「ずれ」や「ぶれ」に応じて対物レンズの位置や姿勢を高精度に且つ細かく制御し、光ディスクの記録面に対するレーザ光の照射位置および照射範囲を高精度に安定化することが望まれる。
そのため、その光ディスクに対してデータを書き込んだり、データを読み出したりするために使用する光ピックアップアクチュエータでは、これまでのものに比べて、対物レンズの位置や姿勢を高精度に且つ細かく制御することが要求される。対物レンズの位置や姿勢を細かく制御する場合、光ピックアップアクチュエータは、高周波駆動される必要がある。また、対物レンズを搭載するレンズホルダの位置および姿勢は、トラック方向、フォーカス方向およびチルト方向の3軸について調整できるようにすることが望ましい。
しかしながら、特許文献1に開示される光ディスク装置の構造のように、レンズホルダの両側に設けた一対の梁構造部にフォーカスコイル、チルトコイルおよびトラッキングコイルを配設する構造である場合、たとえば、高周波駆動によるチルト制御を実行したとき、その高周波駆動にて実現したい細かなチルト方向の姿勢制御が実現できないおそれがある。
その理由は、たとえば以下のようなものであると考えられる。
レンズホルダの両側に設けられる梁構造部は、その内側にフォーカスコイルおよびチルトコイルが収容される構造を有する。フォーカスコイルおよびチルトコイルの内側には、さらに、それらのコイルに対する磁場を形成するためのヨーク部材が挿入される。ヨーク部材とフォーカスコイルおよびチルトコイルとの間には、チルト制御などの姿勢制御時にこれらが接触しないように隙間を設ける必要がある。その結果、梁構造部は、フォーカスコイルおよびチルトコイルが収容される枠形状に形成される。梁構造部を、それに強度を持たせるような形状にすることは、現実的に困難である。したがって、梁構造部の強度を高くすることは困難である。
一対のチルトコイルに高周波駆動による電流を流した場合、一対のチルトコイルは、電磁気的な力でそれぞれ所望の方向へ動く。しかしながら、各チルトコイルが収容される枠形状の梁構造部は、その強度が十分ではなく、高周波駆動時のチルトコイルの動きに対しては撓んだり変形したりしてしまう。その結果、一対のチルトコイルの動きは一対の梁構造部により吸収されてしまい、対物レンズおよびそれを有するレンズホルダは、コイルの動きに追従しなくなる。制御したい姿勢の制御量が細かくなるほど、駆動周波数は高くなり、対物レンズおよびレンズホルダは、チルト方向へ動かなくなってしまう。
そのため、高周波駆動を必要とする次世代DVDディスク用の光ピックアップアクチュエータでは、現状では、チルト制御機能を具備しないものが採用されている。なお、上述の説明では、チルト方向について説明しているが、フォーカス方向の制御およびトラッキング方向の制御においても、高周波駆動時の問題は同様に発生する可能性がある。
また、高周波駆動によるチルト制御を実現しようとする場合、現状では、特許文献2および特許文献3に記載される構造を採用することになる。すなわち、支持ワイヤを介してレンズホルダを保持する固定部そのものをチルト方向に可動に構成し、その可動とした固定部をチルト方向に制御しなければならない。
しかしながら、このように固定部自体をチルト方向に制御可能な構成とすることは、光ピックアップアクチュエータの可動構造の複雑化や重量増加、チルト制御時の駆動重量や駆動電流の増加、高さ寸法の増大、部品点数の増加、製造コストのアップなどの要因となる。特許文献3に開示される光ピックアップ装置の場合には、さらに、可動ブロックの台座バネ部材への取り付け状態が悪いとチルト制御をすることでフォーカス方向やトラッキング方向への動き成分が発生してしまう。このため、高周波駆動により実現したい精度での駆動が可能となるようにするためには、歩留まりの低下や製造コストの大幅なアップなどが懸念される。
本発明は、その可動構造を複雑化することなく、高周波駆動によるチルト制御が可能な光ピックアップアクチュエータを得ることを目的とする。
本発明に係る光ピックアップアクチュエータは、揺動可能に保持されるレンズホルダと、レンズホルダを貫通する貫通孔と、貫通孔と重ねてあるいは貫通孔内に配設される対物レンズと、その軸線が貫通孔の中心軸と略一致するように、レンズホルダの外周に巻回される1つのフォーカスコイルと、それぞれの軸線方向がフォーカスコイルの軸線方向と平行でありかつそのフォーカスコイルに近接するように、レンズホルダに配設される少なくとも1対のチルトコイルと、を有するものである。
この構成を採用すれば、高周波駆動により少なくとも1対のチルトコイルに通電をした場合、レンズホルダおよびレンズは、少なくとも1対のチルトコイルの動きに追従してチルト方向へ動く。したがって、光ピックアップアクチュエータの可動構造を複雑化することなく、高周波駆動によるチルト制御が可能である。
本発明に係る光ピックアップアクチュエータは、上述した発明の構成に加えて、フォーカスコイルの軸線方向と略垂直な方向においてレンズホルダと離間して配設され、レンズホルダおよびその周辺に磁場を形成する磁場形成手段を有するものである。
この構成を採用すれば、磁場形成手段がレンズホルダおよびその周辺部に形成する磁場との電磁気的な作用により、フォーカスコイルによるレンズホルダおよびレンズのフォーカス方向の姿勢制御と、少なくとも1対のチルトコイルによるレンズホルダおよびレンズのチルト方向の姿勢制御とを実現することができる。その結果、フォーカスコイルと少なくとも1対のチルトコイルとで、磁場形成手段を共用することができる。
本発明に係る光ピックアップアクチュエータは、上述した発明の各構成に加えて、少なくとも1対のチルトコイルが、レンズホルダにフォーカスコイルの軸線方向の両側に分けて巻回され、または、フォーカスコイルの内側に並べて配設されているものである。
この構成を採用すれば、レンズホルダの少ないスペースを利用して、少なくとも1対のチルトコイルをフォーカスコイルとともにレンズホルダに配設することができる。
本発明によれば、光ピックアップアクチュエータの可動構造を複雑化することなく、高周波駆動によるチルト制御が可能である。
以下、本発明の実施の形態に係る光ピックアップアクチュエータを、図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態に係る光ピックアップアクチュエータを示す正面図である。図2は、図1の光ピックアップアクチュエータの上面図である。図3は、図2の光ピックアップアクチュエータのA−A線断面図である。以下、この実施の形態の説明において、図1の姿勢を基準として、上下左右を使用する。また、図1の紙面の手前側を前、図1の紙面の裏側を後とする。
光ピックアップアクチュエータは、略長方形形状のベース部材1を有する。図1の左右方向は、ベース部材1の長手方向である。
ベース部材1の長手方向一端側(図1において左側)には、一対のヨーク部材2,3が配設される。各ヨーク部材2,3は、鉄などの金属を用いて、略平板形状に形成される。一対のヨーク部材2,3は、ベース部材1から上向きに、折曲げ加工等により一体的に立設される。一対のヨーク部材2,3は、ベース部材1の長尺方向に並べて、互いに離間して配設される。
一対のヨーク部材2および3には、磁場形成手段としての一対の永久磁石4および5がそれぞれ配設される。ただし、永久磁石以外の磁石(電磁石など)を磁場形成手段に用いても良い。一対の永久磁石4,5は、一対のヨーク部材2,3の間で、互いに対向させて配設される。この実施の形態において、図1において左側の永久磁石4は、図1に示す姿勢において左側がS極であり、右側がN極である。図1において右側の永久磁石5は、図1に示す姿勢において左側がN極であり、右側がS極である。一対の永久磁石4,5は、それらのN極同士が対向している。各永久磁石4,5の磁力線は、永久磁石4,5毎に閉じる。各永久磁石4,5は、開磁路を形成する。このような磁場を構成する磁気回路は、オープンマグネットタイプと呼ばれている。
ベース部材1の長手方向他端側(図1において右側)には、固定台6が立設される。固定台6の図1において右側の側面には、プリント基板7が配設される。固定台6には、6本のサスペンションワイヤ8が配設される。各サスペンションワイヤ8は、図1において、一端が左側の永久磁石4の近傍となり、他端がプリント基板7より右側へ突出するように、固定台6およびプリント基板7を貫通して配設される。サスペンションワイヤ8は、たとえばピアノ線などの曲げに強い金属製のものである。サスペンションワイヤ8は、導電性を有する。
なお、プリント基板7には、図示外のフレキシブルケーブルが固定される。6本のサスペンションワイヤ8は、このフレキシブルケーブルの配線を介して、図示外の光ディスク装置の駆動制御部に接続される。
6本のサスペンションワイヤ8は、3本ずつ2組に分けて固定台6に配設される。2組のサスペンションワイヤ8は、図2に示すように、固定台6の前後方向両端部に配設される。
サスペンションワイヤ8の一端は、接続基板9を介して、レンズホルダ10に固定される。レンズホルダ10の前面および後面には、一対の接続基板9が配設される。各接続基板9には、サスペンションワイヤ8が3本ずつ固定される。
これにより、レンズホルダ10は、2組のサスペンションワイヤ8の間に挟まれる。6本のサスペンションワイヤ8により、レンズホルダ10は、一対の永久磁石4,5の間の略中央に、それらから離間して安定的に保持される。レンズホルダ10は、ベース部材1から離間して安定的に保持される。
また、6本のサスペンションワイヤ8は、弾性を有する。したがって、レンズホルダ10は、一対の永久磁石4,5やベース部材1などに当たらない範囲において揺動可能である。したがって、レンズホルダ10は、一対の永久磁石4,5および一対のヨーク部材2,3により形成される磁場中において揺動可能となる。
図4は、レンズホルダ10を、図1と同一の正面方向から見た正面図である。レンズホルダ10は、たとえば樹脂を略立方体形状(キューブ形状)に加工したものである。
レンズホルダ10には、その中心に貫通孔11が形成される。貫通孔11は、レンズホルダ10の上面の中心から底面の中心にかけて貫通させて形成される。レンズホルダ10の上には、貫通孔11と重ねて対物レンズ12が配設される。対物レンズ12は、光ディスク装置に装着される図示外の光ディスクと対向されるものである。なお、対物レンズ12は、貫通孔11内に配設されていてもよい。また、ベース部材1においてこの貫通孔11と対応する部位には、貫通孔13が形成される。このようにレンズホルダ10の中心に対物レンズ12が配設されるタイプは、センターレンズタイプと呼ばれている。
また、レンズホルダ10の前後左右の4つの側面には、その全周にわたって凹部16が形成される。これにより、レンズホルダ10の形状は、略ボビン形状である。すなわち、レンズホルダ10は、そのボビンの中心に貫通孔11を有する。
図5は、図4のレンズホルダ10のB−B線断面図である。図6は、図4のレンズホルダ10のC−C線断面図である。図7は、図4のレンズホルダ10のD−D線断面図である。図6は、レンズホルダ10の上下方向の略中央部における断面図である。図5は、それより上寄りでの断面図であり、図7は、それより下寄りでの断面図である。
図6に示すように、レンズホルダ10の上下方向中央部における凹部内外周部の中央部17は、略四角形形状を有する。この略四角形形状を有する凹部内外周部の中央部17には、フォーカスコイル21が巻回される。フォーカスコイル21の両端は、6本のサスペンションワイヤ8の中の2本に接続される。
図5に示すように、レンズホルダ10の上下方向上寄りの部位における凹部内外周部の上部18は、略D(アルファベットの大文字のディー)字形状を有する。略D字の円弧部分が、後側(図2および図5で言えば上側)となる。この略D字形状を有する凹部内外周部の上部18には、第一のチルトコイル22が巻回される。
図7に示すように、レンズホルダ10の上下方向下寄りの部位における凹部内外周部の下部19は、略D字形状を有する。略D字の円弧部分が、前側(図2および図7で言えば下側)となる。この略D字形状を有する凹部内外周部の下部19には、第二のチルトコイル23が巻回される。この図7に示す凹部内外周部の下部19の断面積および外形形状は、図5に示す凹部内外周部上部18の断面積および外形形状と略等しい。また、第二のチルトコイル23の巻数は、第一のチルトコイル22の巻数と略等しい。
第一のチルトコイル22の一端は、第二のチルトコイル23の一端に接続される。第一のチルトコイル22の他端および第二のチルトコイル23の他端は、残りの4本のサスペンションワイヤ8の中の2本に接続される。
そして、第一のチルトコイル22および第二のチルトコイル23は、その2本のサスペンションワイヤ8の中の一方から、第一のチルトコイル22および第二のチルトコイル23を介して、他方のサスペンションワイヤ8までを順番に指でなぞった場合、第一のチルトコイル22での指の回転方向と、第二のチルトコイル23での指の回転方向とは、互いに逆向きとなるように接続される。つまり、たとえば図5において第一のチルトコイル22に沿った指の回転方向が右回転である場合、図7において第二のチルトコイル23に沿った指の回転方向が左回転となるように接続される。
このような第一のチルトコイル22と第二のチルトコイル23との巻き方を実現する場合、具体的にはたとえば以下のように巻線を巻回すればよい。すなわち、レンズホルダ10の上側から下側に向かって巻線を巻回し、レンズホルダ10の凹部内外周部の中央部17においてその巻き方向を逆巻きにすればよい。これにより、第一のチルトコイル22での指の回転方向と、第二のチルトコイル23での指の回転方向とを互いに逆向きにすることができる。その際、巻線に用いる導体として自己融着線を用いることによって、個々のコイルを巻回する度に導体を融着し、コイルの形状を保持することができるため、円滑に作業を行うことができる。
以上のように、レンズホルダ10には、第一のチルトコイル22、フォーカスコイル21及び第二のチルトコイル23がその順番にて上から下へ並べて巻回される。第一のチルトコイル22と第二のチルトコイル23とは、フォーカスコイル21の上下に分けて巻回される。第一のチルトコイル22の巻きの軸線方向と、フォーカスコイル21の巻きの軸線方向と、第二のチルトコイル23の巻きの軸線方向とは、共に、貫通孔11の孔方向と平行になる。第一のチルトコイル22、フォーカスコイル21及び第二のチルトコイル23は、レンズホルダ10に形成される貫通孔11の周囲に巻き付けられる。
また、レンズホルダ10の凹部内外周部の上部18に巻回される第一のチルトコイル22の形状は、その上部18の外径により、その円弧部分が後側となる略D字の形状である。レンズホルダ10の凹部内外周部の下部19に巻回される第二のチルトコイル23の形状は、その下部19の外径により、第一のチルトコイル22とは逆に、その円弧部分が前側となる略D字形状である。したがって、第一のチルトコイル22と第二のチルトコイル23とは、上下方向から見た場合、完全には重ならず、互いに異なる形状となる。また、第一のチルトコイル22の内側の面積は、フォーカスコイル21の内側の面積と比べた場合、後側(図2で言えば上側)において小さい。第二のチルトコイル23の内側の面積は、フォーカスコイル21の内側の面積と比べた場合、前側(図2で言えば下側)において小さい。
レンズホルダ10には、さらに、第一のトラッキングコイル26、第二のトラッキングコイル27、第三のトラッキングコイル28および第四のトラッキングコイル29の、4つのトラッキングコイル26,27,28,29が配設される。図2に示すように、第一のトラッキングコイル26および第二のトラッキングコイル27は、前後方向に並べて、レンズホルダ10の左側面に貼着される。第一のトラッキングコイル26は、後側であり、第二のトラッキングコイル27は、前側である。また、第三のトラッキングコイル28および第四のトラッキングコイル29は、前後方向に並べて、レンズホルダ10の右側面に貼着される。第三のトラッキングコイル28は、後側であり、第四のトラッキングコイル29は、前側である。
第一のトラッキングコイル26の一端は、第二のトラッキングコイル27の一端に接続される。第二のトラッキングコイル27の他端は、第三のトラッキングコイル28の一端に接続される。第三のトラッキングコイル28の他端は、第四のトラッキングコイル29の一端に接続される。第一のトラッキングコイル26の他端および第四のトラッキングコイル29の他端は、残りの2本のサスペンションワイヤ8に接続される。
次に、以上の構成を有する光ピックアップアクチュエータの、対物レンズ12およびレンズホルダ10の高周波駆動による姿勢制御の方法について説明する。以下の説明では、フォーカス方向への駆動制御、チルト方向への駆動制御、トラッキング方向への駆動制御の順番で説明する。
なお、フォーカス方向とは、対物レンズ12と光ディスクとの距離が増減する方向である。図1では、フォーカス方向は、上下方向と一致する。トラッキング方向とは、光ディスクと一定の距離で移動する方向である。図1では、トラッキング方向は、前後方向と一致する。チルト方向とは、トラッキングコイル26,27,28,29の軸線と平行であるレンズホルダ10の重心軸の周囲で回転する方向である。図1では、たとえばレンズホルダ10の重心を通過し、トラッキングコイル26,27,28,29の軸線と同方向となる軸の周囲で回転する方向となる。
図8は、フォーカスコイル21と、一対の永久磁石4,5により形成される磁場との関係を示す説明図である。一対の永久磁石4,5は、それらのN極同士が対向している。したがって、フォーカスコイル21には、フォーカスコイル21の左右方向中央部を境として、左半分の部分には、左側の永久磁石4においてN極からS極に向かう磁力線が交差し、右半分の部分には、右側の永久磁石5においてN極からS極に向かう磁力線が交差する。図8において、磁力線は、二点鎖線で示されている。
フォーカス方向へ高周波駆動による駆動制御をする場合、光ディスク装置の駆動制御部は、フォーカスコイル21に接続される2本のサスペンションワイヤ8を介して、フォーカスコイル21に電流を流す。たとえば磁場中のフォーカスコイル21に右回転の電流が流れると、その導体には、電磁気的な力が作用し、フォーカスコイル21には、その全体に対して上向きの力が作用する。フォーカスコイル21は、レンズホルダ10に直接巻回されている。
その結果、レンズホルダ10およびそれに配設される対物レンズ12は、フォーカスコイル21の上方向への移動に追従して、上方向へ移動する。なお、フォーカスコイル21に流す電流の向きを逆転すると、レンズホルダ10およびそれに配設される対物レンズ12は、フォーカスコイル21の下方向への移動に追従して、下方向へ移動する。このとき、フォーカスコイル21には、その全体に対して、下向きの力が作用している。
図9は、第一のチルトコイル22と、一対の永久磁石4,5により形成される磁場との関係を示す説明図である。図10は、第二のチルトコイル23と、一対の永久磁石4,5により形成される磁場との関係を示す説明図である。図8の場合と同様に、第一のチルトコイル22および第二のチルトコイル23には、それぞれの左右方向中央部を境として、左半分の部分には、左側の永久磁石4においてN極からS極に向かう磁力線が交差し、右半分の部分には、右側の永久磁石5においてN極からS極に向かう磁力線が交差する。図9および図10において、磁力線は、二点鎖線で示されている。
チルト方向へ高周波駆動による駆動制御をする場合、光ディスク装置の駆動制御部は、2本のサスペンションワイヤ8を介して、第一のチルトコイル22および第二のチルトコイル23に電流を流す。これにより、第一のチルトコイル22と第二のチルトコイル23には、互いに逆周りに同じ大きさの電流が流れる。
このように電流を流すことにより、たとえば第一のチルトコイル22の全体に上向きの力が作用する場合、第二のチルトコイル23の全体には、下向きの力が作用する。これらの力は、レンズホルダ10および対物レンズ12を、上方向および下方向へ移動させる力である。そのため、たとえば第一のチルトコイル22と第二のチルトコイル23がともに、フォーカス方向(上下方向)から見て完全に重なっていると仮定した場合、第一のチルトコイル22の上向きの力と、第二のチルトコイル23の下向きの力とは、完全に相殺される。
しかしながら、この実施の形態1では、第一のチルトコイル22および第二のチルトコイル23は、略D字形状の断面を有する。しかも、第一のチルトコイル22は、その円弧部分が図1の後側(図2の上側)となり、第二のチルトコイル23は、その円弧部分が図1の前側(図2の下側)となっている。第一のチルトコイル22および第二のチルトコイル23は、フォーカス方向(上下方向)から見て完全に重なっていない異形状となっている。第一のチルトコイル22は、第二のチルトコイル23より前側へ張り出した配線部分を有し、第二のチルトコイル23は、第一のチルトコイル22より後側へ張り出した配線部分を有する。そのため、第一のチルトコイル22の上向きの力と、第二のチルトコイル23の下向きの力とは、完全に相殺されない。また、第一のチルトコイル22が第二のチルトコイル23から張り出している部分の大きさと、第二のチルトコイル23が第一のチルトコイル22から張り出している部分の大きさとは、フォーカス方向(上下方向)から見て略等しい。
また、第一のチルトコイル22と第二のチルトコイル23は、レンズホルダ10に直接巻回されており、フォーカスコイル21と近接するように巻回されている。
その結果、レンズホルダ10および対物レンズ12は、この相殺されなかった力によるモーメント力に追従して、トラッキングコイル26,27,28,29の軸線と平行であるレンズホルダ10の重心軸を中心として自転する。対物レンズ12が、チルト方向へ回転すると、対物レンズ12の光ディスクの記録面に対する傾きが変化する。なお、第一のチルトコイル22と第二のチルトコイル23とに流す電流の向きを逆転すると、レンズホルダ10は、逆向きのモーメント力に追従して、逆向きへ回転する。したがって、対物レンズ12は、逆の方向へ回転する。
トラッキング方向へ高周波駆動による駆動制御をする場合、光ディスク装置の駆動制御部は、第一から第四の4つのトラッキングコイル26,27,28,29に接続される2本のサスペンションワイヤ8を介して、この4つのトラッキングコイル26,27,28,29に電流を流す。このように電流を流すことにより、4つのトラッキングコイル26,27,28,29には、ともに、たとえば前方向に力が作用する。また、4つのトラッキングコイル26,27,28,29は、レンズホルダ10に貼着されている。
その結果、レンズホルダ10および対物レンズ12は、4つのトラッキングコイル26,27,28,29の前方向への移動に追従して、前方向へ移動する。なお、この場合において、トラッキングコイル26,27,28,29に流す電流の向きを逆転すると、レンズホルダ10および対物レンズ12は、4つのトラッキングコイル26,27,28,29の後方向への移動に追従して、後方向へ移動する。
以上のように、この実施の形態1に係る光ピックアップアクチュエータでは、レンズホルダ10に、直接、フォーカスコイル21、第一のチルトコイル22および第二のチルトコイル23を巻回している。また、第一のトラッキングコイル26、第二のトラッキングコイル27、第三のトラッキングコイル28および第四のトラッキングコイル29は、レンズホルダ10に貼着されている。したがって、レンズホルダ10の少ない配設スペースを利用して、これらのコイルを配設することができる。また、フォーカスコイル21、第一のチルトコイル22および第二のチルトコイル23は、機械的にかつ自動的に、レンズホルダ10に巻回することができる。したがって、自動巻き線によるコストダウンを図ることができる。
また、この実施の形態1では、これらのコイルに高周波駆動による電流を流した場合、レンズホルダ10および対物レンズ12は、これらのコイルの動きに追従して移動し、回転する。したがって、レンズホルダ10および対物レンズ12は、高周波駆動により、フォーカス方向、チルト方向およびトラッキング方向に、細かく且つ高精度に駆動制御することができる。
したがって、この実施の形態1の光ピックアップアクチュエータでは、従来の特許文献1に開示される光ピックアップアクチュエータのように、梁構造部における撓みや変形の影響により、レンズホルダ10および対物レンズ12が、コイルの動きに追従し難くなってしまうことはない。レンズホルダ10および対物レンズ12がコイルの動きに追従可能な剛性を確保することができる。この実施の形態1の光ピックアップアクチュエータの周波数特性は、特許文献1に開示される構成のものよりも高次側に延びる。また、従来の特許文献2および3に開示される光ピックアップアクチュエータのように、チルト制御をするために、固定台6自体を駆動可能に構成する必要もない。
さらに、この実施の形態1では、レンズホルダ10に直接配設されるこれらのコイルは、そのすべてのコイルが一対の永久磁石4,5の間に配設されている。したがって、すべてのコイルで、一対の永久磁石4,5を共用することができる。また、永久磁石の個数を2つとすることで、光ピックアップアクチュエータの軽量化を図ることができる。
実施の形態2.
実施の形態2に係る光ピックアップアクチュエータは、第一のチルトコイル22と第二のチルトコイル23の、レンズホルダへの配設の方法が実施の形態1と異なる。
図11は、実施の形態2に係るレンズホルダ31の正面図である。図12は、図11に示すレンズホルダ31の右側面図である。図13は、図11のレンズホルダ31のB−B線断面図である。図14は、図11のレンズホルダ31のC−C線断面図である。図15は、図11のレンズホルダ31のD−D線断面図である。
レンズホルダ31の前後左右の4つの側面の上下方向中央部には、その全周にわたって中央凹部32が形成される。図14に示すように、この上下方向中央部は、略四角形形状を有する。中央凹部32には、フォーカスコイル21が巻回される。
レンズホルダ31の上部前側には、左側面から右側面にわたって上部凹部33が形成される。図13に示すように、上部凹部33は、前側(図13では下側)から見て、左右方向中央部より両端部の方が後側へ深くなる形状に形成される。上部凹部33内には、空芯巻された第一のチルトコイル22が配設される。したがって、第一のチルトコイル22は、上部凹部33に収容された状態では、コイルの1ターンが三角形を2つ繋ぎ合わせた形状となる。
レンズホルダ31の下部後側には、左側面から右側面にわたって下部凹部34が形成される。図15に示すように、下部凹部34は、後側(図15では上側)から見て、左右方向中央部より両端部の方が前側へ深くなる形状に形成される。下部凹部34内には、空芯巻された第二のチルトコイル23が配設される。したがって、第二のチルトコイル23は、下部凹部34に収容された状態では、コイルの1ターンが三角形を2つ繋ぎ合わせた形状となる。
上述した以外の実施の形態2に係る光ピックアップアクチュエータの各構成要素は、実施の形態1の同名の構成要素と同じものであり、実施の形態1と同一の符号を付してその図示および説明を省略する。
次に、以上の構成を有する光ピックアップアクチュエータの、対物レンズ12およびレンズホルダ31の高周波駆動による姿勢制御の方法について説明する。以下の説明では、チルト方向への駆動制御について説明する。なお、フォーカス方向への駆動制御と、トラッキング方向への駆動制御は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。
図16は、第一のチルトコイル22と、一対の永久磁石4,5により形成される磁場との関係を示す説明図である。図17は、第二のチルトコイル23と、一対の永久磁石4,5により形成される磁場との関係を示す説明図である。第一のチルトコイル22および第二のチルトコイル23には、それぞれの左右方向中央部を境として、左半分の部分には、左側の永久磁石4においてN極からS極に向かう磁力線が交差し、右半分の部分には、右側の永久磁石5においてN極からS極に向かう磁力線が交差する。図16および図17において、磁力線は、二点鎖線で示されている。
チルト方向へ高周波駆動による駆動制御をする場合、光ディスク装置の駆動制御部は、2本のサスペンションワイヤ8を介して、第一のチルトコイル22および第二のチルトコイル23に電流を流す。これにより、第一のチルトコイル22と第二のチルトコイル23には、互いに逆周りに同じ大きさの電流が流れる。
この電流を流すことにより、たとえば第一のチルトコイル22の全体に上向きの力が作用する場合、第二のチルトコイル23の全体には、下向きの力が作用する。第一のチルトコイル22は、レンズホルダ31の前側に配設され、且つ、第二のチルトコイル23は、レンズホルダ31の後側に配設されている。
また、第一のチルトコイル22と第二のチルトコイル23は、レンズホルダ31に直接巻回されている。
その結果、レンズホルダ31および対物レンズ12は、第一のチルトコイル22に作用するモーメント力と、第二のチルトコイル23に作用するモーメント力との合成モーメントに追従して、トラッキングコイル26,27,28,29の軸線と平行であるレンズホルダ10の重心軸を中心として自転する。対物レンズ12がチルト方向へ回転すると、対物レンズ12の光ディスクの記録面に対する傾きが変化する。なお、第一のチルトコイル22と第二のチルトコイル23とに流す電流の向きを逆転すると、レンズホルダ31は、逆向きの合成モーメント力に追従して、逆向きへ回転する。対物レンズ12は、逆の方向へ回転する。
以上のように、この実施の形態2では、レンズホルダ31を略立方体の外形形状とし、その外形と中心に開設される貫通孔11との間となる四つの隅部に、コイルの巻線の1ターンが三角形を2つ繋ぎ合わせた形状である第一のチルトコイル22および第二のチルトコイル23を配設している。その結果、レンズホルダ31の少ない配設スペースを利用して、第一のチルトコイル22、フォーカスコイル21、第二のチルトコイル23などの各種のコイルを配設することができる。なお、第一のチルトコイル22および第二のチルトコイル23は、レンズホルダ31に埋設されていてもよい。
また、この実施の形態2では、第一のチルトコイル22および第二のチルトコイル23に高周波駆動による電流を流した場合に、レンズホルダ31および対物レンズ12は、これらのコイルの動きに追従して回転する。したがって、レンズホルダ31および対物レンズ12は、高周波駆動により、チルト方向などに細かく且つ高精度に駆動制御することができる。
実施の形態3.
実施の形態3に係る光ピックアップアクチュエータは、4つのチルトコイルを有する。
図18は、実施の形態3に係るレンズホルダ41の正面図である。図19は、図18のレンズホルダ41のC−C線断面図である。
レンズホルダ41の前後左右の4つの側面の上下方向中央部には、その全周にわたって凹部42が形成される。図19に示すように、この上下方向中央部は、略ひし形形状を有する。ひし形の一方の対角線は、一対の永久磁石4,5の配列方向、つまりトラッキング方向に沿っている。
凹部42には、レンズホルダ41の外周に沿って、四角形にフォーカスコイル21が巻回される。これにより、レンズホルダ41の四隅には、フォーカスコイル21と、上下方向中央部との間に、4つの三角形の空間が形成される。4つのチルトコイル43,44,45,46は、空芯巻された上で、この4つの三角形の空間内に配設される。4つのチルトコイル43,44,45,46は、フォーカスコイル21の内側に並べて配設されている。この空間に収容された状態では、各チルトコイル43,44,45,46は、コイルの1ターンが略二等辺三角形になる。
以下、4つのチルトコイル43,44,45,46を区別する場合、図19において左上にあるチルトコイル43を第一のチルトコイルと呼び、左下にあるチルトコイル44を第二のチルトコイルと呼び、右上にあるチルトコイル45を第三のチルトコイルと呼び、右下にあるチルトコイル46を第四のチルトコイルと呼ぶ。
第三のチルトコイル45の一端は、第一のチルトコイル43の一端に接続される。第一のチルトコイル43の他端は、第二のチルトコイル44の一端に接続される。第二のチルトコイル44の他端は、第四のチルトコイル46の一端に接続される。第三のチルトコイル45の他端および第四のチルトコイル46の他端は、2本のサスペンションワイヤ8に接続される。
2本のサスペンションワイヤ8の中の一方から、この4つのチルトコイル45,43,44,46を介して、他方のサスペンションワイヤ8までを順番に指でなぞった場合、第三のチルトコイル45および第一のチルトコイル43での指の回転方向と、第二のチルトコイル44および第四のチルトコイル46での指の回転方向とは、互いに逆向きとなるように接続される。つまり、たとえば図19において第三のチルトコイル45および第一のチルトコイル43での指の回転方向が右回転である場合、第二のチルトコイル44および第四のチルトコイル46での指の回転方向は左回転となるように接続される。また、この4つのチルトコイル45,43,44,46の巻線方向における規則性に従っていれば、4つチルトコイルの接続順序は特に限定されない。
上述した以外の実施の形態3に係る光ピックアップアクチュエータの各構成要素は、実施の形態1の同名の構成要素と同じものであり、実施の形態1と同一の符号を付してその図示および説明を省略する。
次に、以上の構成を有する光ピックアップアクチュエータの、対物レンズ12およびレンズホルダ41の高周波駆動による姿勢制御の方法について説明する。以下の説明では、チルト方向への駆動制御について説明する。なお、フォーカス方向へのへの駆動制御と、トラッキング方向への駆動制御は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。
図20は、4つのチルトコイル43,44,45,46と、一対の永久磁石4,5により形成される磁場との関係を示す説明図である。第一のチルトコイル43および第二のチルトコイル44には、左側の永久磁石4においてN極からS極に向かう磁力線が交差する。第三のチルトコイル45および第四のチルトコイル46には、右側の永久磁石5においてN極からS極に向かう磁力線が交差する。図20において、磁力線は、二点鎖線で示されている。
チルト方向へ高周波駆動による駆動制御をする場合、光ディスク装置の駆動制御部は、2本のサスペンションワイヤ8を介して、4つのチルトコイル45,43,44,46に電流を流す。これにより、第三のチルトコイル45および第一のチルトコイル43と、第二のチルトコイル44および第四のチルトコイル45とには、互いに逆周りに同じ大きさの電流が流れる。
このように電流が流れることにより、たとえば第三のチルトコイル45および第一のチルトコイル43の全体に上向きの力が作用する場合、第二のチルトコイル44および第四のチルトコイル45の全体には、下向きの力が作用する。
また、これら4つのチルトコイル43,44,45,46は、レンズホルダ41に直接配設されている。
その結果、レンズホルダ41および対物レンズ12は、第三のチルトコイル45および第一のチルトコイル43の全体に作用するモーメント力と、第二のチルトコイル44および第四のチルトコイル45の全体に作用するモーメント力との合成モーメントに追従して、トラッキングコイル26,27,28,29の軸線と平行であるレンズホルダ10の重心軸を中心として自転する。対物レンズ12がチルト方向へ回転すると、対物レンズ12の光ディスクの記録面に対する傾きが変化する。なお、4つのチルトコイル43,44,45,46に流す電流の向きを逆転すると、レンズホルダ41は、逆向きの合成モーメント力に追従して、逆向きへ回転する。したがって、対物レンズ12は、逆の方向へ回転する。
以上のように、この実施の形態3では、レンズホルダ41を略立方体の外形形状とし、その外形と中心に開設される貫通孔11との間となる四つの隅部に、二等辺三角形形状の4つのチルトコイル43,44,45,46を配設している。4つのチルトコイル43,44,45,46は、フォーカスコイル21と、レンズホルダ10との間に埋設して配設される。その結果、レンズホルダ41の少ない配設スペースを利用して、4つのチルトコイル43,44,45,46、フォーカスコイル21などの各種のコイルを配設することができる。なお、4つのチルトコイル43,44,45,46は、レンズホルダ41の内部に埋設されていてもよい。
また、この実施の形態3では、4つのチルトコイル43,44,45,46に高周波駆動による電流を流した場合に、レンズホルダ41および対物レンズ12は、これらのコイルの動きに追従して回転する。したがって、レンズホルダ41および対物レンズ12は、高周波駆動により、チルト方向などに細かく且つ高精度に駆動制御することができる。
さらに、この実施の形態3では、4つのチルトコイル43,44,45,46は、フォーカスコイル21の内側において同一面内に並べて配設される。したがって、実施の形態1や2の場合のように、フォーカスコイル21の上下(軸線方向の両側)に分けて2つのチルトコイル22,23を配設する場合に比べて、レンズホルダ41を薄く形成することができる。その結果、光ピックアップアクチュエータの高さを薄くすることが可能となる。
逆に、実施の形態1および2では、2つのチルトコイル22,23がフォーカスコイル21の上下にずらして配設されているので、実施の形態3のように4つのチルトコイル43,44,45,46を同一面内に配設する場合に比べて、複数のチルトコイルに作用する力の合力によるモーメント力を大きくすることができる。その結果、実施の形態1および2の構成では、実施の形態3の構成の場合に比べて、2つのチルトコイル22,23の巻数を減らしたり、各チルトコイル22,23に流す電流量を減らしたりすることができる可能性がある。
以上の各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
上記実施の形態1および2では、フォーカスコイル21の上下に配設する第一のチルトコイル22と第二のチルトコイル23の形状、巻数および断面などを略同一に揃えている。この他にもたとえば、フォーカスコイル21の上下に配設する一対のチルトコイル22,23の外形、巻数あるいは断面などを敢えて異なるようにしてもよい。たとえば、チルトコイルの総数を奇数個にしてもよい。これらの変形例の場合でも、その少なくとも一対のチルトコイルに通電することで、レンズホルダ10,31および対物レンズ12をチルト方向へ回転することができる。ただし、発生する力のバランスが悪いとレンズホルダ10,31および対物レンズ12を移動させる力成分が好適にキャンセルされなくなってしまうので、一対のチルトコイル22,23の外形、巻数あるいは断面などは揃えるほうが良い。なお、実施の形態3のように、4つのチルトコイル43,44,45,46をフォーカスコイル21の内側に配設する場合でも、同様の変形が可能である。
上記実施の形態1では、略D字形状の一対のチルトコイル22,23を使用している。実施の形態2では、2つの二等辺三角形を繋ぎ合わせた形状の一対のチルトコイル22,23を使用している。また、実施の形態3では、三角形の形状の4つのチルトコイル43,44,45,46を使用している。この他にもたとえば、各チルトコイルとして、たとえば円形、楕円、正方形あるいは長方形の形状を有するコイルを使用するようにしてもよい。
上記各実施の形態では、レンズホルダ10,31,41は、略立方体形状を有し、その中央部に貫通孔11が形成された形状を有する。この他にもたとえば、レンズホルダ10,31,41は、略円柱形状、三角柱あるいは六角柱などの略多角柱形状であってもよい。また、レンズホルダ10,31,41は、上下方向、左右方向および前後方向の中の少なくとも1方向が、その他の方向より長い略立方体形状であってもよい。
また、レンズホルダ10,31,41は、この他にもたとえば、その質量を減らすなどの目的のために、肉抜き加工などが施されたものであってもよい。たとえば、レンズホルダ10,31,41は、前後左右の側面のみを有する四角い枠形状であってもよい。この場合、その枠の上あるいは内側に対物レンズ12を嵌めることで、レンズホルダ10,31,41に剛性を持たせることができる。
上記各実施の形態では、光ピックアップアクチュエータを高周波にて駆動制御する場合を例として説明しているが、これら各実施の形態に係る光ピックアップアクチュエータは、従来のDVDドライブなどの光ピックアップアクチュエータにおいて使用されている、それよりも低い周波数にて駆動制御するようにしてもよい。この場合、チルトコイル22,23,43,44,45,46やフォーカスコイル21の通電に対するレンズホルダ10,31,41および対物レンズ12の追従性が向上しているので、特許文献1に開示される光ディスク装置より高周波成分の少ない波形の電流にて精度良く駆動制御が可能になる。
本発明に係る光ピックアップアクチュエータは、光ディスクへデータを書き込んだり、光ディスクに記録されたデータを読み出したりする光ディスク装置に利用することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る光ピックアップアクチュエータを示す正面図である。 図2は、図1の光ピックアップアクチュエータの上面図である。 図3は、図2の光ピックアップアクチュエータのA−A線断面図である。 図4は、レンズホルダを、図1と同一の正面方向から見た正面図である。 図5は、図4のレンズホルダのB−B線断面図である。 図6は、図4のレンズホルダのC−C線断面図である。 図7は、図4のレンズホルダのD−D線断面図である。 図8は、フォーカスコイルと、一対の永久磁石により形成される磁場との関係を示す説明図である。 図9は、第一のチルトコイルと、一対の永久磁石により形成される磁場との関係を示す説明図である。 図10は、第二のチルトコイルと、一対の永久磁石により形成される磁場との関係を示す説明図である。 図11は、実施の形態2に係るレンズホルダの正面図である。 図12は、図11に示すレンズホルダの右側面図である。 図13は、図11のレンズホルダのB−B線断面図である。 図14は、図11のレンズホルダのC−C線断面図である。 図15は、図11のレンズホルダのD−D線断面図である。 図16は、第一のチルトコイルと、一対の永久磁石により形成される磁場との関係を示す説明図である。 図17は、第二のチルトコイルと、一対の永久磁石により形成される磁場との関係を示す説明図である。 図18は、実施の形態3に係るレンズホルダの正面図である。 図19は、図18のレンズホルダのC−C線断面図である。 図20は、4つのチルトコイルと、一対の永久磁石により形成される磁場との関係を示す説明図である。
符号の説明
4、5 永久磁石(磁場形成手段)
10、31、41 レンズホルダ
11 貫通孔
12 対物レンズ
21 フォーカスコイル
22 第一のチルトコイル(チルトコイル)
23 第二のチルトコイル(チルトコイル)
43 第一のチルトコイル(チルトコイル)
44 第二のチルトコイル(チルトコイル)
45 第三のチルトコイル(チルトコイル)
46 第四のチルトコイル(チルトコイル)

Claims (3)

  1. 揺動可能に保持されるレンズホルダと、
    上記レンズホルダを貫通する貫通孔と、
    上記貫通孔と重ねてあるいは上記貫通孔内に配設される対物レンズと、
    その軸線が上記貫通孔の中心軸と略一致するように、上記レンズホルダの外周に巻回される1つのフォーカスコイルと、
    それぞれの軸線方向が上記フォーカスコイルの軸線方向と平行でありかつ上記フォーカスコイルに近接するように、上記レンズホルダに配設される少なくとも1対のチルトコイルと、
    を有することを特徴とする光ピックアップアクチュエータ。
  2. 前記フォーカスコイルの軸線方向と略垂直な方向において前記レンズホルダと離間して配設され、前記レンズホルダおよびその周辺に磁場を形成する磁場形成手段を有することを特徴とする請求項1記載の光ピックアップアクチュエータ。
  3. 前記少なくとも1対のチルトコイルは、前記レンズホルダに前記フォーカスコイルの軸線方向の両側に分けて巻回され、または、前記フォーカスコイルの内側に並べて配設されていることを特徴とする請求項1または2記載の光ピックアップアクチュエータ。
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