JP2004220709A - 光ピックアップ - Google Patents

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Abstract

【課題】フォーカスコイルと分離駆動型のチルトコイルの各電磁力を大きくしてフォーカス方向の調整とチルト調整の感度を向上させ、且つヨーク部の部品点数を少なくして組み立て作業を簡略化する光ピックアップを提供する。
【解決手段】光ピックアップ1は、チルトコイルをフォーカスコイル7およびトラッキングコイル8とは別個に且つフォーカスコイルの高さ位置より下部に配置して可動部3に設けている。ヨーク部6のコイル用ヨーク12は、フォーカスコイルの内方に配置され面積の大きい一つのフォーカスコイル対向部12a1と、二また状に分岐してチルトコイルの内方にそれぞれ配置されフォーカスコイル対向部より面積の小さい二つのチルトコイル対向部12a2とを有し、側面視で逆U字状に形成されて磁気回路を構成する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクの記録面上に対物レンズで光を集光させて情報の記録,再生などを行う光ピックアップに関する。
【0002】
【従来の技術】
光ピックアップは、光ディスク再生装置および光ディスク記録再生装置など光ディスク装置に使用される。光ピックアップは、記録媒体である光ディスクの記録面上に光たとえばレーザー光を集光させて、情報の記録,再生などを行うための装置である。
光ピックアップは可動部を有しており、この可動部は、複数の支持ワイヤを介して支持台に支持されて移動可能である。可動部は、レーザー光を集光させるための対物レンズと、光ディスクに対する対物レンズの位置を微調整するためのフォーカスコイルおよびトラッキングコイルとを有している。
【0003】
また、可動部は、対物レンズの傾きを微調整(チルト調整)するためのチルトコイルを有していることもある。この場合、フォーカスコイル,トラッキングコイルおよびチルトコイルには、支持ワイヤを介して電流が供給される。
各コイルに電流を供給すれば、フォーカスコイル,トラッキングコイルおよびチルトコイルによりそれぞれ電磁力が生じる。この電磁力により、可動部がその基本位置から移動(シフト)して、対物レンズの位置や傾きなどの状態が微調整される。
チルト調整可能な従来の光ピックアップとしては、たとえば、特許文献1(特開平10−64094号公報)および特許文献2(特許3039617号公報)が知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−64094号公報
【特許文献2】
特許第3039617号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1に記載の対物レンズチルト補正装置(チルト調整可能な光ピックアップ)および前記特許文献2に記載の傾き補正付きレンズアクチュエータ(光ピックアップ)では、いわゆる「分離駆動型」のチルトコイルが使用されている。この「分離駆動型」のチルトコイルは、フォーカスコイルおよびトラッキングコイルとは分離して別個に設けられている。
しかしながら、両方の特許文献では、チルトコイル用のヨークが設けられていないので、チルトコイルの電磁力を大きくすることが困難であった。また、特許文献2では、ヨーク部の部品点数が多くなっていた。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、フォーカスコイルと分離駆動型のチルトコイルの各電磁力を大きくしてフォーカス方向の調整とチルト調整の感度を向上させることができ、且つ、ヨーク部の部品点数を少なくして組み立て作業が容易になる光ピックアップを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明にかかる光ピックアップは、光ディスクの記録面上に光を集光させるための対物レンズが設けられ、前記光ディスクに対する前記対物レンズの位置をフォーカスコイルおよびトラッキングコイルで微調整し、前記対物レンズの傾きをチルトコイルで微調整可能な可動部と、この可動部を支持ワイヤを介して移動可能に支持する支持台と、この支持台が取付けられ、前記フォーカスコイル,前記トラッキングコイルおよび前記チルトコイルとの間でそれぞれ磁気回路を構成するための永久磁石が取付けられたヨーク部とを備えた光ピックアップであって、複数の前記チルトコイルを、前記フォーカスコイルおよび前記トラッキングコイルとは別個に且つ前記フォーカスコイルの高さ位置より下部または上部に配置して前記可動部に設け、前記ヨーク部のコイル用ヨークは、前記フォーカスコイルの内方に配置された一つのフォーカスコイル対向部と、二また状に分岐して前記チルトコイルの内方にそれぞれ配置された二つのチルトコイル対向部とを有し、側面視でほぼ逆U字状に形成されて前記磁気回路を構成している。
前記コイル用ヨークは、互いに平行な一方の部位と他方の部位とを有して側面視でほぼ逆U字状に一体的に形成され、前記一方の部位または前記他方の部位に前記フォーカスコイル対向部が形成され、前記一方の部位または前記他方の部位が二また状に分岐して、前記フォーカスコイル対向部の高さ位置より下部または上部に位置するチルトコイル用対向部を構成する二また部が形成されているのが好ましい。
また、別の実施態様として、前記コイル用ヨークは、前記ヨーク部のヨーク基台の一部を上方に一体的に立ち上げた立ち上がり部材と、側面視でほぼ逆U字状またはほぼ逆L字状に一体的に形成されたヨーク部材とを組み合わせて、全体でほぼ逆U字状に形成されていてもよい。
前記チルトコイルの巻線は、前記可動部の本体部の下部または上部に一体的に形成された巻枠に巻回されているのが好ましい。
好ましくは、前記チルトコイルの巻軸は前記対物レンズの光軸と平行であり、前記巻枠は、前記可動部の前記本体部の側面視で下面側から下方にまたは上面側から上方に若干突出して一体的に形成されている。
たとえば、前記巻枠は、前記可動部の前記本体部に二つまたは四つ配置されている。
前記二つまたは四つの巻枠は、前記可動部の前記本体部に互いに隣り合ってまたは対向位置に配置されているのが好ましい。
四つの前記巻枠は、前記可動部の前記本体部の四つの角部に配置されているのが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる実施の形態の一例を、図1ないし図19を参照して説明する。
図1,図2は、それぞれ光ピックアップの平面図,斜視図、図3は、コイル用ヨークを分離した状態を示す前記光ピックアップの斜視図である。図4は、前記光ピックアップの可動部を上方から見たときの斜視図、図5は前記可動部を下方から見たときの斜視図、図6は前記可動部の底面図である。
図7(A)は、ヨーク部,フォーカスコイル,チルトコイルなどの位置関係を示す組み立て後の斜視図、図7(B)は組み立て前の分解斜視図、図8は図1のVIII−VIII線部分断面図である。なお、図7ないし図19では、可動部の本体部などを省略して描いてある。
【0009】
図1ないし図8において、光ディスク装置(図示せず)に使用される光ピックアップ1は、移動機構(図示せず)により、記録媒体である光ディスクの半径方向に制御されつつ移動可能になっている。
光ディスク装置において、光ディスクが駆動モータにより回転駆動されている状態で、移動機構で所望の位置に光ピックアップ1を移動させる。そして、光ピックアップ1は、光ディスクの記録面上に対物レンズ2で光(たとえば、レーザー光)を集光させて、光ディスクに対して情報の記録,再生などを行う。光ピックアップ1はレンズアクチュエータとも呼ばれている。
光ディスクとしては、CD,CD−ROM,CD−R,CD−RW,MD,MO,DVD−ROM,DVD−RAM,DVD−R,DVD−RWなどがある。
【0010】
光ピックアップ1は、可動部3,支持台5およびヨーク部(継鉄部)6などを有している。
可動部3には、光ディスクの記録面上に光を集光させるための対物レンズ2が設けられている。可動部3は、フォーカスコイル7およびトラッキングコイル8にそれぞれ電流を流すことにより、光ディスクに対する対物レンズ2の位置を微調整可能になっている。
また、可動部3は、四つのチルトコイル10a,10b,10c,10dに電流を流すことにより、光ディスクに対する対物レンズ2の傾きを微調整(チルト調整)可能になっている。
【0011】
なお、説明の便宜上、対物レンズ2の光軸Bと平行な方向すなわちフォーカス方向をX方向とし、特に、光ディスク側(すなわち、対物レンズ2側)を上方向とし、光ディスクと反対側を下方向とする。
このX方向と直交する方向(光ディスクの半径方向)すなわちトラッキング方向をZ方向とし、X方向およびZ方向と直交する方向をY方向とする。特に、図1の左右方向を、光ピックアップ1の左右方向(Z方向)とする。
本実施形態では、対物レンズ2が可動部3のほぼ中央部に配置された「レンズセンタータイプ」の光ピックアップ1の場合を示している。なお、本発明は、対物レンズ2が可動部の外側に配置された「レンズオフセットタイプ」の光ピックアップにも適用可能である。
【0012】
磁性体からなるヨーク部6には、支持台5と永久磁石9が取付けられている。支持台5は、複数(ここでは、合計六本)の支持ワイヤ4,4aを支持しており、この六本の支持ワイヤ4,4aにより可動部3を移動可能に支持している。
ヨーク部6は、所定位置に取付けられた磁石支持用ヨーク26とコイル用ヨーク12とを有している。永久磁石9とコイル用ヨーク12と磁石支持用ヨーク26は、フォーカスコイル7との間で磁気回路を構成し、また、トラッキングコイル8との間で磁気回路を構成し、さらに、チルトコイル10a〜10dとの間でも磁気回路を構成する。
可動部3に設けられたフォーカスコイル7は、可動部3をフォーカス方向(対物レンズ2の光軸Bと平行な方向(X方向))に移動させる。トラッキングコイル8は、可動部3をトラッキング方向(光ディスクの半径方向(Z方向))に移動させる。フォーカスコイル7とトラッキングコイル8には、支持ワイヤ4を介してそれぞれ電流が供給される。
【0013】
可動部3は、平面視でほぼ矩形状の本体部20を有している。本体部20は、絶縁性を有する樹脂材料などにより一体的に形成されている。対物レンズ2,フォーカスコイル7およびトラッキングコイル8などは、本体部20の所定位置に設けられている。
本体部20に支持された対物レンズ2は、光ディスクの記録面上にレーザー光などの光を集光させる。一つのフォーカスコイル7は、その巻軸が対物レンズ2の光軸Bと平行(X方向と平行)になるように、本体部20の外周面全周に巻回されている。なお、可動部にフォーカスコイルを二つ設けた場合でもよい。
【0014】
本体部20の一方の側面22aには、二つのトラッキングコイル8が取付けられている。本体部20の一方の側面22aから180度反対方向の他方の側面22bにも、二つのトラッキングコイル8が取付けられている。
すなわち、本体部20の一方の側面22aに、二つのトラッキングコイル8がZ方向に並んで配置され、他方の側面22bにも、二つのトラッキングコイル8がZ方向に並んで配置されている。
各トラッキングコイル8は、それぞれの巻軸の方向が光軸B(X方向,上下方向)と直交するY方向と平行になるように(すなわち、フォーカスコイル7の巻線方向に対して直角になるように)、巻回されている。
本実施形態では、トラッキングコイル8が空心コイルの場合を示しているが、本体部20に巻枠(ボビン)を一体的に形成し、この巻枠にトラッキングコイル8の巻線を巻回する場合であってもよい。
【0015】
ところで、光ディスクのトラックピッチや情報記録密度がそれほど大きくない場合には、光ピックアップの可動部の姿勢の制御に関しては、それほど高精度な制御は要求されない場合が多い。
ところが、記録情報が高密度化された光ディスクに使用される光ピックアップ1には、チルト調整が要求されるようになってきた。光ピックアップ1をチルト調整することにより、光ディスクに対応して対物レンズ2の光軸Bの傾きが自動的に微調整される。チルト調整には、ラジアルチルト調整とタンジェンシャルチルト調整がある。
ラジアルチルト調整は、光ディスクの記録面に対して直交し且つ光ディスクの半径方向(ラジアル方向)の面内(X,Z面内)で、矢印Cに示すように、光軸Bの傾きを微調整することである。
タンジェンシャルチルト調整は、光ディスクの記録面に対して直交し且つトラックの接線方向(タンジェンシャル方向)の面内(X,Y面内)で、矢印Dに示すように、光軸Bの傾きを微調整することである。
【0016】
高密度化された記録情報の正確な記録,再生などを行うためには、対物レンズ2で集光したスポットを光ディスクの記録面上に最小限に集光させる必要があり、集光を阻害する傾きなどによる収差をなくす必要がある。
そのためには、光ピックアップ1のラジアルチルト調整を高精度に行うことが特に要求される。このラジアルチルト調整に加えてタンジェンシャルチルト調整も行えば、さらに精度よく情報の記録,再生などを行うことができるので好ましい。
【0017】
本発明の光ピックアップ1は、上述のようにラジアルチルト調整可能になっている。そのために、複数(ここでは、合計四つ)のチルトコイル10a〜10dを、フォーカスコイル7およびトラッキングコイル8とは分離して別個に且つフォーカスコイル7の高さ位置より下部または上部に(ここでは、下部に)配置して可動部3に設けている。このような構造の光ピックアップ1は「分離駆動型」と呼ばれている。
なお、チルト調整の精度が若干低下してもよい場合には、チルトコイルの数は合計二つであってもよい。
【0018】
ヨーク部6は、ヨーク基台25と、二つの磁石支持用ヨーク26と、複数(ここでは、二つ)のコイル用ヨーク12とを有している。
ヨーク基台25は、平面視でほぼ矩形の板状に形成され、光ディスク装置のケースまたはベース部材(図示せず)などの固定側に取付けられている。二つの磁石支持用ヨーク26は、ほぼ矩形状を有して互いに平行に配置され、ヨーク基台25にほぼ直角に固定され、且つ可動部3の外側に配置されている。
【0019】
コイル用ヨーク12は、フォーカスコイル7の内方に配置され面積の大きい一つのフォーカスコイル対向部と、二また状に分岐してチルトコイルの内方にそれぞれ配置され、フォーカスコイル対向部より面積の小さい二つのチルトコイル対向部とを有し、側面視でほぼ逆U字状に形成されて磁気回路を構成している。
これにより、フォーカスコイル7とチルトコイルの各電磁力を大きくして、フォーカス方向の調整とチルト調整の感度を向上させ、且つヨーク部6の部品点数を少なくして組み立て作業を容易にしている。
【0020】
二つのコイル用ヨーク12は、同一形状を有して対称に対向配置され、磁石支持用ヨーク26に固定されている。各コイル用ヨーク12は、互いに平行な一方の部位12aおよび他方の部位12bと、両方の部位12a,12bを一体的に連結する天井部12cとを有し、側面視でほぼ逆U字状に一体的に形成されている。
コイル用ヨーク12の一方の部位12aにはフォーカスコイル対向部12a1が形成されている。一方の部位12a(または、他方の部位)が二また状に分岐して、フォーカスコイル対向部12a1の高さ位置より下部に位置するチルトコイル用対向部を構成する二また部12a2が形成されている。一方の部位(ここでは、インナーヨークと記載)12aは、フォーカスコイル7の内方側に配置されるようになっている。
可動部3の本体部20には、フォーカスコイル7の内側に位置する二つの中空部28が、X方向と平行に貫通形成されている。一方の中空部28の下部には二つのチルトコイルの二つの巻回部17が配置され、他方の中空部28の下部には他の二つのチルトコイルの二つの巻回部17が配置されている。巻回部17の内方が、中空部28より下方に位置してこれと連通するチルトコイル用中空部18になっている。
【0021】
コイル用ヨーク12の他方の部位(アウターヨーク)12bは、磁石支持用ヨーク26に固定されている。インナーヨーク12aは、上部の中空部28と、この下部に配置されたチルトコイル用中空部18とを挿通して配設されている。
二つの永久磁石9は、それぞれ二つの磁石支持用ヨーク26に(または、直接基台25に)接着剤などにより取付けられ、一個のフォーカスコイル7,合計四個のトラッキングコイル8および合計四個のチルトコイル10a,10b,10c,10dに対応して所定位置に配置されている。また、二つの永久磁石9は、それぞれ二つ並んだトラッキングコイル8に対向して配置されている。
【0022】
一方のコイル用ヨーク12のインナーヨーク12aは、一方の永久磁石9に対向して配置され、他方のコイル用ヨーク12のインナーヨーク12aは、他方の永久磁石9に対向して配置されている。
両方のコイル用ヨーク12の各インナーヨーク12aは、面積が大きくてフォーカスコイル対向部として作用する根元部12a1と、根元部12a1より面積が小さくて二つのチルトコイル対向部として作用する二また部12a2とを有している。
インナーヨーク12aの根元部12a1は天井部12cから延長されて形成され、二また部12a2は、根元部12a1から二また状に分岐して一体的に形成されている。根元部12a1は上部に位置し、二また部12a2は根元部12a1より下部に位置している。
【0023】
上部に位置する根元部12a1は、中空部28に挿通されてフォーカスコイル7に対向している。根元部12a1は、分岐しておらず最大限の大きさであるので、フォーカスコイル7に対向する面積が大きい。その結果、フォーカスコイル7に対する有効磁束密度が大きくなって、フォーカスコイル7は強い電磁力を発揮する。
根元部12a1の下部に位置する二また部12a2は、中空部28の下部にそれぞれ位置するチルトコイル用中空部18に挿通されて、チルトコイルに対向している。二また部12a2は、なるべく大きな対向面積を有するように形成されている。
このように、コイル用ヨーク12の各インナーヨーク12aを、根元部12a1と二また部12a2とに上下に区分して、上部に位置するフォーカスコイル7用と、下部に位置する一方の二つのチルトコイル用として、兼用している。これにより、コイル用ヨークや永久磁石などの部品点数を少なくすることができ、組み立て作業も容易になる。
【0024】
チルトコイルの巻線11は、可動部3の本体部20の所定位置(たとえば、本体部20の下部または上部)に一体的に形成された複数の巻枠(ボビン)13に巻回されている。巻枠13は、本体部20に二つまたは四つ配置されているのが好ましい。
二つまたは四つの巻枠13は、本体部20に互いに隣り合って(または、対向位置に)配置されている。本実施形態では、四つの巻枠13が、本体部20の四つの角部に配置されている。なお、巻枠13の数(すなわち、チルトコイルの数)は偶数であれば、二つ,四つのほか八つなどであってもよい。
一対のチルトコイル10a,10bは、Z方向に並んで配置され、その巻線11の巻回方向は互いに逆方向である。他の一対のチルトコイル10c,10dも、Z方向に並んで配置され、その巻線11の巻回方向は互いに逆方向である。
そして、支持ワイヤ4aを介してチルトコイル10a〜10dの巻線11に流す電流とその方向を制御することにより、光ピックアップ1のチルト調整(特に、ラジアルチルト調整)を可能にしている。
【0025】
フォーカスコイル7と、一方のコイル用ヨーク12のインナーヨーク12aの根元部12a1と、一方の磁石支持用ヨーク26と、フォーカスコイル7の外方に配置された一方の永久磁石9との間で、磁気回路が構成されている。
これと同様に、フォーカスコイル7と、他方のコイル用ヨーク12のインナーヨーク12aの根元部12a1と、他方の磁石支持用ヨーク26と、フォーカスコイル7の外方に配置された他方の永久磁石9との間でも、磁気回路が構成されている。
本体部20の一方の側面22aに取付けられた二つのトラッキングコイル8は、一方の永久磁石9と一方のコイル用ヨーク12とが形成する磁界中に配置されて磁気回路を構成している。一方の永久磁石9と一方のコイル用ヨーク12との間に、二つのトラッキングコイル8が、一方の永久磁石9の磁束が鎖交するように配置されている。
また、本体部20の他方の側面22bに取付けられた二つのトラッキングコイル8は、他方の永久磁石9と他方のコイル用ヨーク12とが形成する磁界中に配置されて磁気回路を構成している。他方の永久磁石9と他方のコイル用ヨーク12との間に、二つのトラッキングコイル8が、他方の永久磁石9の磁束が鎖交するように配置されている。
【0026】
二つのチルトコイル10a,10bは、それぞれのコイルの内方(チルトコイル用中空部18)に配置された一方のコイル用ヨーク12のインナーヨーク12aの二また部12a2と、一方の磁石支持用ヨーク26と、一方の永久磁石9とが形成する磁界中に配置されて、磁気回路を構成している。
他の二つのチルトコイル10c,10dは、それぞれのコイルの内方(チルトコイル用中空部18)に配置された他方のコイル用ヨーク12のインナーヨーク12aの二また部12a2と、他方の磁石支持用ヨーク26と、他方の永久磁石9とが形成する磁界中に配置されて、磁気回路を構成している。
【0027】
支持ワイヤ4,4aは、可動部3の両側にY方向とほぼ平行にそれぞれ三本ずつ合計六本設けられている。支持ワイヤ4,4aは、その一端部が支持台5側に固定され、他端部が可動部3側に固定されている。
上部と中部に配置された四本の支持ワイヤ4は、たとえばフォーカスコイル7,トラッキングコイル8にそれぞれ電気的に接続されている。下部の二本の支持ワイヤ4aは、たとえばチルトコイル10a〜10dに電気的に接続されている。なお、各支持ワイヤ4,4aは、他のコイルに接続されている場合でもよい。可動部3は、六本の支持ワイヤ4,4aを介して、支持台5とヨーク部6との間の空間に浮いている格好で取付けられている。したがって、可動部3は、移動動作や揺動動作(傾き動作)などを行なって、可動部3の状態(可動部3の位置,姿勢(傾き)など)を自在に変化させることができる。
【0028】
可動部3は、たとえば、フォーカスコイル7,トラッキングコイル8およびチルトコイル10a〜10dに電流が供給されていないときは基本位置に位置している。
ところが、フォーカスコイル7,トラッキングコイル8,チルトコイル10a〜10dにそれぞれ電流を供給することにより、可動部3は、基本位置から、上下方向(X方向)や左右方向(Z方向)にシフト(移動)することができ、またチルト調整される。
ここで、「可動部3の基本位置」とは、たとえば、可動部3が静止している状態で、トラッキングコイル8がヨーク12や永久磁石9などに対して右側および左側において等距離に位置し、可動部3が傾かずにヨーク基台25と平行に位置し、可動部3の上下,左右の中心線がともに基準線(図示せず)と一致しているときの、可動部3の位置をいう。
【0029】
支持台5には、回路導体30がプリントされた基板31が、接着剤などで固定されている。基板31には、支持ワイヤ4,4aを係合させるための複数(ここでは、合計六つ)の孔が、所定位置に穿設されている。
支持台5には、複数(ここでは、六つ)の貫通孔が所定位置に穿設されており、支持ワイヤ4,4aは、支持台5のこの貫通孔に挿通されている。支持ワイヤ4,4aの一端部は、半田で基板31の回路導体30と電気的に接続されて支持台5に支持されている。
【0030】
可動部3の本体部20の左右両側面には、複数(ここでは、二つ)のプリント配線板32が取付けられている。支持ワイヤ4,4aの他端部は、プリント配線板32に半田付けされている。プリント配線板32には、フォーカスコイル7,トラッキングコイル8,チルトコイル10a〜10dの各巻線の端部が、電気的に接続されている。
プリント配線板32を介して、支持ワイヤ4とフォーカスコイル7,トラッキングコイル8とが電気的に接続され、支持ワイヤ4aとチルトコイル10a〜10dとが電気的に接続されている。
フォーカスコイル7の巻線,四つのトラッキングコイル8の巻線および四つのチルトコイル10a〜10dの巻線11は、各巻線が電気的に接続されたプリント配線板32と、支持ワイヤ4,4aと、支持ワイヤ4,4aが電気的に接続された基板31とによって、制御回路(図示せず)に電気的に接続されている。
【0031】
光ピックアップ1は、図示しない光学系を有している。この光学系は、レーザー光を発生する半導体レーザーなどの光源,光検出器,反射ミラー,レンズおよび回折格子などを有している。対物レンズ2も、この光学系に含まれる。
光検出器は、光ディスクの記録面で反射したレーザー光を受光し、再生信号を検出するとともに、光ディスクの記録面の傾きを検出し、フォーカスエラー信号,トラッキングエラー信号なども検出する。
【0032】
次に、光ピックアップ1の動作について説明する。
まず、光ディスク装置において、光ディスクが駆動モータにより回転駆動されている状態で、移動機構により光ピックアップ1を所望の位置に移動させる。そして、光学系で発生したレーザー光を対物レンズ2で記録面上に集光させて、光ディスクに対して情報の記録,再生などを行う。
光ピックアップ1の状態(対物レンズ2の位置,姿勢(傾き)など)を制御する場合には、光検出器で検出された光ディスクの記録面の傾きに関する検出結果を、変換部で電気信号に変換し、制御部に電気信号として出力する。
制御部では、変換部から出力された電気信号に基づいて、フォーカスコイル7,トラッキングコイル8およびチルトコイル10a〜10dにそれぞれ流す電流とその方向を制御する。
【0033】
対物レンズ2をフォーカス方向(X方向)に移動させる場合には、制御部は、移動すべき方向および移動量に応じた制御電流を、支持ワイヤ4を介してフォーカスコイル7に供給する。
すると、フォーカスコイル7により生じる電磁力により、可動部3が光ディスクに対してフォーカス方向(X方向)に移動(シフト)して、対物レンズ2の位置を微調整する。
同様に、対物レンズ2をトラッキング方向(Z方向)に移動させる場合には、支持ワイヤ4を介して四つのトラッキングコイル8に供給する電流とその方向を制御する。
すると、トラッキングコイル8により生じる電磁力により、可動部3が光ディスクのトラッキング方向(Z方向)に移動(シフト)して、対物レンズ2の位置を微調整する。
また、光ピックアップ1をチルト調整する場合には、支持ワイヤ4aを介して四つのチルトコイル10a〜10dに供給する電流とその方向を制御する。すると、チルトコイル10a〜10dにより生じる電磁力に基づくモーメントにより、可動部3が揺動してその姿勢を変化させるので、対物レンズ2の光軸Bの傾きが微調整される。
【0034】
かかる構成の光ピックアップ1においては、可動部3が、光ディスクに対してフォーカス方向およびトラッキング方向にそれぞれ移動して、対物レンズ2の位置を微調整することができる。これに加えて、可動部3の姿勢を制御して、対物レンズ2のラジアルチルト調整も行なっている。
したがって、3軸制御が可能であり、光ディスクに対する光ピックアップ1の状態を高精度に制御することができる。
【0035】
四つのチルトコイル10a〜10dの巻軸は、対物レンズ2の光軸Bと平行である。チルトコイル10a〜10dの複数(ここでは、四つ)の巻枠13は、可動部3の本体部20の側面視で下面14側から下方に若干突出して一体的に形成されている。なお、本体部20の上面15側にスペースがある場合には、四つの巻枠13を、本体部20の上面15から上方に若干突出して一体的に形成した場合であってもよい。
その結果、チルトコイル10a〜10dが、可動部3から平面視で横方向に出っ張ることがないので、光ピックアップ1は、ラジアルチルト調整機能を付加しても、平面視で大型化することなくコンパクトである。
【0036】
全ての巻枠13には、一本の巻線11が連続して巻回されている。モーメントを発生するために隣り合う二つの巻枠13には、巻線11が巻回方向を互いに逆方向にして巻回されている。
隣り合う二つのチルトコイルにおける巻線11の巻回方向が互いに逆方向なので、両方のチルトコイルに作用する電磁力が逆方向になり、可動部3にモーメントが作用して、可動部3が揺動して傾く。
隣り合う巻枠13は、中空部28の下方に配置されている。したがって、この隣り合う巻枠13に巻線11を巻回すると、一つの中空部28の下部に位置する二つのチルトコイル(チルトコイル10aと10b、およびチルトコイル10cと10d)の位置では、中空部28が二つに分割されてチルトコイル用中空部18が形成される。
【0037】
上部に位置する中空部28には、インナーヨーク12aの上部の根元部12a1が挿入されてフォーカスコイル7に対向し、中空部28より下部のチルトコイル用中空部18の高さ位置では、インナーヨーク12aの下部の二また部12a2が、チルトコイル用中空部18に挿入されてチルトコイルに対向することになる。
チルトコイル10a〜10dは、フォーカスコイル7およびトラッキングコイル8とは分離して別個に可動部3に設けられている。したがって、ラジアルチルト調整の制御を、フォーカス方向の制御とトラッキング方向の制御とは別個に独立して行うことができ、全体の制御が容易に行える。
【0038】
四つのチルトコイル10a〜10dを、フォーカスコイル7の高さ位置とは異なる高さ位置に配置している。たとえば、本実施形態では、四つのチルトコイル10a〜10dを、互いに同じ高さ位置で且つフォーカスコイル7の高さ位置より下部に配置している。
このフォーカスコイル7の高さ位置と、チルトコイル10a〜10dの高さ位置とに対応させて、コイル用ヨーク12のインナーヨーク12aは、上部と下部に区分した所定の形状に形成されている。
インナーヨーク12aのうち、上部に位置する根元部12a1はフォーカスコイル7に対向し、下部に位置する二また部12a2はチルトコイル10a〜10dに対向することになる。
フォーカスコイル7は、根元部12a1を取り囲むように配置され、各チルトコイルは、二また部12a2を取り囲むように配置されている。これにより、各コイル7,10a〜10dに対向するコイル用ヨーク12の面積をできるだけ大きくし、各コイルを横切る磁束φを多くして、有効磁束密度を上げることができる。
【0039】
図8は、四つのチルトコイルのうち、一つのチルトコイル10dとフォーカスコイル7に対する磁束φの状態を示している。
図7,図8に示すように、フォーカスコイル7の一つの辺7aが、コイル用ヨーク12のフォーカスコイル対向部(根元部12a1) と永久磁石9との間に配置されている。フォーカスコイル7を構成する辺7aは、永久磁石9から出る磁束φとほぼ垂直に配置されている。
チルトコイル10dの一つの辺10d1は、コイル用ヨーク12のチルトコイル対向部(二また部12a2)と永久磁石9との間に配置されている。チルトコイル10dを構成する辺10d1は、永久磁石9から出る磁束φとほぼ垂直に配置されている。
【0040】
永久磁石9を出た磁束φは、フォーカスコイル7の辺7aをほぼ垂直に横切ってインナーヨーク12a(特に、根元部12a1)に達する。また、永久磁石9を出た磁束φは、チルトコイル10d,10cの辺10d1,10c1をほぼ垂直に横切ってインナーヨーク12a(特に、二また部12a2)に達する。
そして、一部の磁束φは、インナーヨーク12aから天井部12cを通り、アウターヨーク12b,永久磁石用ヨーク26の順に通って永久磁石9に戻る。このように、天井部12cが磁束φの磁路になっている。また、残りの磁束φは、インナーヨーク12aからヨーク基台25,永久磁石用ヨーク26を通って永久磁石9に戻る。
このように、コイル用ヨーク12はほぼ逆U字状に形成されて天井部12cを有しているので、磁束もれがほとんどない。
【0041】
根元部12a1の面積(磁束を受ける有効面積)が大きいので、磁束φがフォーカスコイル7の磁束を切る面積も大きくなる。すなわち、フォーカスコイル7の辺7aを横切る磁束φの量が多くなるので、フォーカスコイル7の電磁力を大きくすることができる。
チルトコイルの場合もこれと同様である。すなわち、チルトコイル10c,10dは、フォーカスコイル7の上側または下側(ここでは、下側)に左右に並んで配置されており、フォーカスコイル7の辺7aと、チルトコイル10c,10dのそれぞれの辺10c1,10d1とは、上下方向に一直線状に配列されている。
このため、永久磁石9を出た磁束φは、隣接して配置した二つのチルトコイル10c,10dの辺10c1,10d1を垂直に横切った後、それぞれ、二また部12a2に達する。
このように、永久磁石9を出た磁束φは二つのチルトコイル10c,10dを別々に横切るため、チルトコイル10c,10dには別々の電磁力が発生する。したがって、チルトコイル10c,10dのそれぞれの巻線数を調整することにより、それぞれのチルトコイル10c,10dで発生する電磁力を別々に調整することができる。
【0042】
また、フォーカスコイル7の辺7aと、チルトコイル10c,10dの辺10c1,10d1とは、上下方向に一直線状に配列されているので、永久磁石9の表面と、フォーカスコイルおよびチルトコイルの各辺7a,10d1,10c1との間の距離(ギャップG)を小さくすることができる。
たとえば、ギャップGは従来より約25%小さくすることが可能であり、またフォーカスコイル対向部の面積(磁束φを受ける有効面積)を従来より約50%大きくすることができる。
その結果、フォーカスコイル7,チルトコイル10d,10cの電磁力を大きくしたり、各コイルを小さくして可動部3を小型化することができる。これは、他の二つのチルトコイル10a,10bについても同様である。
【0043】
このように、フォーカスコイル7とチルトコイル10a〜10dの電磁力が大きくなるので、フォーカスコイル7による駆動力とチルトコイル10a〜10dによる駆動力をそれぞれ大きくすることができる。その結果、フォーカス方向の調整とチルト調整の感度を向上させることができる。また、チルトコイル10a〜10dの感度を別々に調整することもできる。
フォーカスコイル7とチルトコイルが上下に並んでいるので、一つの永久磁石9を、フォーカスコイル7用とチルトコイル用に兼用することができる。
【0044】
チルトコイル10a〜10dをフォーカスコイル7の高さ位置より下部(または、上部)に配置したので、チルトコイルの巻枠13を本体部20の下部(または、上部)に一体的に形成してボビン巻きにすることができる。
チルトコイル10a〜10dの巻枠13は、断面がほぼU字状(または、矩形状)をなして巻線11を巻き付けるための巻回部17と、巻回部17の下方に位置して横方向(水平方向)に広がった板状の鍔16とを有している。
巻回部17は、本体部20の下面14に一体的に突出形成され、鍔16は巻回部17の下端部に一体的に形成されている。鍔16は、平面視で本体部20の外周縁より外方に突出しないほぼU字状(または、矩形状)に形成されている。
また、巻回部17に巻線11を巻き付けた状態で、四つのチルトコイル10a〜10dの巻線11は、平面視で本体部20の外周縁より外方に突出しないようになっている。
【0045】
このようにして、巻枠13を本体部20の所定位置(ここでは、四つの角部)に一体的に形成したので、巻枠13の巻回部17に巻線11を容易に巻き付けることができ、光ピックアップ1の製造が容易になる。
また、巻枠13が角部に位置しており、その周囲に作業スペースを広くとれるので、巻線11の巻回作業が容易である。巻枠13に鍔16が形成されているので、巻線11を、本体部20の下面14と鍔16との間で規則正しく並ぶように、巻回部17に容易に且つ精度よく巻き付けることができる。
巻枠13は、本体部20の所定位置(ここでは、四つの角部)にそれぞれ一体的に形成されているので、四つのチルトコイル10a〜10dの配置位置は、必然的に決められることになる。
なお、チルトコイル10a〜10dとして空心コイルを接着剤で可動部に取付ける場合であってもよい。
【0046】
四つの巻枠13は、本体部20の四つの角部に配置されている。したがって、隣り合ってモーメントを発生する二つのチルトコイルの間の距離(たとえば、チルトコイル10a,10bの間の距離L、およびチルトコイル10c,10dの間の距離L)を、この本体部20に対応する最大寸法に設定することができる。
その結果、前記隣り合う二つのチルトコイルにそれぞれ作用する電磁力に基づくモーメントが大きくなるので、チルト調整の感度が向上する。
【0047】
次に、本実施形態の各種変形例について図9ないし図19を参照して説明する。なお、本実施形態と同一または相当部分には同一符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
図9ないし図19は、図7に相当する各種変形例を示す図で、各図の(A)は、ヨーク部6,フォーカスコイル7,チルトコイル10a〜10dなどの位置関係を示す組み立て後の斜視図、各図の(B)は、組み立て前の分解斜視図である。
【0048】
図9ないし図19に示す光ピックアップは、本実施形態と同様に、複数(二つまたは四つ)のチルトコイルを、フォーカスコイル7およびトラッキングコイル8とは分離して別個に且つフォーカスコイル7の高さ位置より下部または上部に配置して可動部に設けている。
そして、ヨーク部6のコイル用ヨーク12は、フォーカスコイル7の内方に配置され面積の大きい一つのフォーカスコイル対向部12a1と、二また状に分岐してチルトコイルの内方にそれぞれ配置され、フォーカスコイル対向部12a1より面積の小さい二つのチルトコイル対向部12a2とを有し、側面視でほぼ逆U字状に形成されて磁気回路を構成している。
【0049】
ヨーク部6は、ヨーク基台25と、二つの磁石支持用ヨーク26と、二つのコイル用ヨーク12とを有している。コイル用ヨーク12は、側面視でほぼ逆U字状に一体的にまたは別体で形成されている。二つのコイル用ヨーク12は、同一形状を有して対称に対向配置され、ヨーク基台25または磁石支持用ヨーク26に固定されている。
各コイル用ヨーク12は、互いに平行な一方の部位12aおよび他方の部位12bと、両方の部位12a,12bを一体的にまたは別体で連結する天井部12cとを有している。
コイル用ヨーク12の一方の部位12aまたは他方の部位12bには、フォーカスコイル対向部12a1が形成されている。一方の部位12aが二また状に分岐して、フォーカスコイル対向部12a1の高さ位置より下部または上部に位置するチルトコイル用対向部を構成する二また部12a2が形成されている。
フォーカスコイル7の一つの辺とチルトコイルの一つの辺は、上下方向に並んで配置されている。これにより、ギャップGが小さくなるので、フォーカスコイル7とチルトコイルの各電磁力を大きくすることができる。
【0050】
図9,図10は、コイル用ヨーク12が一体的に形成された場合を示している。図11,図13は、可動部に一つのフォーカスコイル7が設けられた場合を示している。
図11ないし図19に示すコイル用ヨーク12は、ヨーク部6のヨーク基台25の一部を上方に一体的に立ち上げた立ち上がり部材12dと、側面視でほぼ逆U字状またはほぼ逆L字状に一体的に形成されたヨーク部材12eとを組合せて、全体でほぼ逆U字状に形成されている。
立ち上がり部材12dとヨーク部材12bは、接着剤などで互いに固定されている。なお、両方の部材12d,12eを互いに固定しない場合や、両方の部材12d,12eの間に隙間がある場合でも、磁束φは通ることができる。
立ち上がり部材12dは、ヨーク基台25を一体的に切り起こすことにより容易に形成することができる。これにより、コイル用ヨーク12の製造が簡単になり、また、ヨーク部6の部品点数を少なくすることができる。
【0051】
図9ないし図15は、チルトコイルがフォーカスコイル7の高さ位置より下部に配置された場合を示しており、図16ないし図19は、チルトコイルがフォーカスコイル7の高さ位置より上部に配置された場合を示している。
図11〜図15,図17,図18は、チルトコイル対向部である二また部12a2がフォーカスコイル対向部12a1と別体に形成された例を示している。
図10,図15,図16,図18は、フォーカスコイル対向部12a1が他方の部位12bに形成され、この他方の部位12bがフォーカスコイル7の内方側に配置されている。二また部12a2は、一方の部位12aに形成されて、チルトコイルの内方側に配置されている。
図9ないし図19に示す各種変形例においても、本実施形態と同じ作用効果を奏する。
ヨーク部6とフォーカスコイル7とチルトコイルとが組み合わされた、図9ないし図19に示すものをモジュール化し、このモジュールを可動部に組み込むようにすれば、組立て作業がさらに容易になる。
【0052】
本実施形態および各種変形例で説明したように、本発明では、フォーカスコイル7とチルトコイル10a〜10dの各電磁力を大きくして、フォーカス方向の調整とチルト調整の感度を向上させることができる。また、ヨーク部6の部品点数を少なくして組み立て作業を簡略化することができる。
コイル用ヨーク12がほぼ逆U字状になっているので、可動部3にフォーカスコイル7,トラッキングコイル8,チルトコイル10a〜10dを組み込んだ後、コイル用ヨーク12を上から差し込んで容易に取付けることができる。
【0053】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲で種々の変形,付加などが可能である。
なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。
【0054】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成したので、フォーカスコイルと分離駆動型のチルトコイルの各電磁力を大きくしてフォーカス方向の調整とチルト調整の感度を向上させることができ、且つヨーク部の部品点数を少なくして組み立て作業を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図8は本発明の一実施形態を示す図で、図1は光ピックアップの平面図である。
【図2】前記光ピックアップの斜視図である。
【図3】コイル用ヨークを分離した状態を示す前記光ピックアップの斜視図である。
【図4】前記光ピックアップの可動部を上方から見たときの斜視図である。
【図5】前記可動部を下方から見たときの斜視図である。
【図6】前記可動部の底面図である。
【図7】図7(A),(B)は、ヨーク部,フォーカスコイル,チルトコイルなどの位置関係を示す組み立て後の斜視図,組み立て前の分解斜視図である。
【図8】図1のVIII−VIII線部分断面図である。
【図9】図9ないし図19は、図7に相当する各種変形例を示す図である。図9(A)は、一変形例にかかるヨーク部,フォーカスコイル,チルトコイルなどの位置関係を示す組み立て後の斜視図、図9(B)は組み立て前の分解斜視図である。
【図10】図10(A)は、他の変形例にかかるヨーク部,フォーカスコイル,チルトコイルなどの位置関係を示す組み立て後の斜視図、図10(B)は組み立て前の分解斜視図である。
【図11】図11(A)は、他の変形例にかかるヨーク部,フォーカスコイル,チルトコイルなどの位置関係を示す組み立て後の斜視図、図11(B)は組み立て前の分解斜視図である。
【図12】図12(A)は、他の変形例にかかるヨーク部,フォーカスコイル,チルトコイルなどの位置関係を示す組み立て後の斜視図、図12(B)は組み立て前の分解斜視図である。
【図13】図13(A)は、他の変形例にかかるヨーク部,フォーカスコイル,チルトコイルなどの位置関係を示す組み立て後の斜視図、図13(B)は組み立て前の分解斜視図である。
【図14】図14(A)は、他の変形例にかかるヨーク部,フォーカスコイル,チルトコイルなどの位置関係を示す組み立て後の斜視図、図14(B)は組み立て前の分解斜視図である。
【図15】図15(A)は、他の変形例にかかるヨーク部,フォーカスコイル,チルトコイルなどの位置関係を示す組み立て後の斜視図、図15(B)は組み立て前の分解斜視図である。
【図16】図16(A)は、他の変形例にかかるヨーク部,フォーカスコイル,チルトコイルなどの位置関係を示す組み立て後の斜視図、図16(B)は組み立て前の分解斜視図である。
【図17】図17(A)は、他の変形例にかかるヨーク部,フォーカスコイル,チルトコイルなどの位置関係を示す組み立て後の斜視図、図17(B)は組み立て前の分解斜視図である。
【図18】図18(A)は、他の変形例にかかるヨーク部,フォーカスコイル,チルトコイルなどの位置関係を示す組み立て後の斜視図、図18(B)は組み立て前の分解斜視図である。
【図19】図19(A)は、他の変形例にかかるヨーク部,フォーカスコイル,チルトコイルなどの位置関係を示す組み立て後の斜視図、図19(B)は組み立て前の分解斜視図である。
【符号の説明】
1 光ピックアップ
2 対物レンズ
3 可動部
4,4a 支持ワイヤ
5 支持台
6 ヨーク部
7 フォーカスコイル
8 トラッキングコイル
9 永久磁石
10a〜10d チルトコイル
11 巻線
12 コイル用ヨーク
12a 一方の部位
12a1 根元部(フォーカスコイル対向部)
12a2 二また部(チルトコイル対向部)
12b 他方の部位
12d 立ち上がり部材
12e ヨーク部材
13 巻枠
14 下面
15 上面
20 本体部
25 ヨーク基台
B 光軸

Claims (8)

  1. 光ディスクの記録面上に光を集光させるための対物レンズが設けられ、前記光ディスクに対する前記対物レンズの位置をフォーカスコイルおよびトラッキングコイルで微調整し、前記対物レンズの傾きをチルトコイルで微調整可能な可動部と、
    この可動部を支持ワイヤを介して移動可能に支持する支持台と、
    この支持台が取付けられ、前記フォーカスコイル,前記トラッキングコイルおよび前記チルトコイルとの間でそれぞれ磁気回路を構成するための永久磁石が取付けられたヨーク部とを備えた光ピックアップであって、
    複数の前記チルトコイルを、前記フォーカスコイルおよび前記トラッキングコイルとは別個に且つ前記フォーカスコイルの高さ位置より下部または上部に配置して前記可動部に設け、
    前記ヨーク部のコイル用ヨークは、前記フォーカスコイルの内方に配置された一つのフォーカスコイル対向部と、二また状に分岐して前記チルトコイルの内方にそれぞれ配置された二つのチルトコイル対向部とを有し、側面視でほぼ逆U字状に形成されて前記磁気回路を構成していることを特徴とする光ピックアップ。
  2. 前記コイル用ヨークは、互いに平行な一方の部位と他方の部位とを有して側面視でほぼ逆U字状に一体的に形成され、
    前記一方の部位または前記他方の部位に前記フォーカスコイル対向部が形成され、
    前記一方の部位または前記他方の部位が二また状に分岐して、前記フォーカスコイル対向部の高さ位置より下部または上部に位置するチルトコイル用対向部を構成する二また部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。
  3. 前記コイル用ヨークは、
    前記ヨーク部のヨーク基台の一部を上方に一体的に立ち上げた立ち上がり部材と、側面視でほぼ逆U字状またはほぼ逆L字状に一体的に形成されたヨーク部材とを組み合わせて、全体でほぼ逆U字状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。
  4. 前記チルトコイルの巻線は、前記可動部の本体部の下部または上部に一体的に形成された巻枠に巻回されていることを特徴とする請求項1,2または3に記載の光ピックアップ。
  5. 前記チルトコイルの巻軸は前記対物レンズの光軸と平行であり、
    前記巻枠は、前記可動部の前記本体部の側面視で下面側から下方にまたは上面側から上方に若干突出して一体的に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の光ピックアップ。
  6. 前記巻枠は、前記可動部の前記本体部に二つまたは四つ配置されていることを特徴とする請求項4または5に記載の光ピックアップ。
  7. 前記二つまたは四つの巻枠は、前記可動部の前記本体部に互いに隣り合ってまたは対向位置に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の光ピックアップ。
  8. 四つの前記巻枠は、前記可動部の前記本体部の四つの角部に配置されていることを特徴とする請求項4ないし7のいずれかの項に記載の光ピックアップ。
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