JP2006308886A - 非磁性一成分トナー及び画像形成装置 - Google Patents

非磁性一成分トナー及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】長期間の使用においてもトナーの帯電量を良好な状態で使用することができ、特に非磁性一成分トナーを使用しても、良好な画像を安定して供給することができる現像装置、及びこれを使用する画像形成装置、画像形成方法を提供する。
【解決手段】少なくとも潜像担持体11と現像装置30とを有する画像形成装置1であって、現像装置30は、カートリッジ部32と現像ユニット31内のトナーが補給孔33を介して相互に入れ替え可能であり、カートリッジ部32は、少なくともトナーを攪拌/移動させる回転体32aと、回転体32aと接触して前記カートリッジ32内部へのトナーの返送を促進する返送促進手段35とを有し、前記トナーは、粉壁崩壊角が30〜70°であることを特徴とする画像形成装置1である。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置、及びこれに使用される現像装置、プロセスカートリッジに関するものであり、また、これらに適用される画像形成方法に関するものである。
電子写真、静電記録、静電印刷等に於いて使用される現像剤は、その現像工程において、例えば、静電荷像が形成されている像担持体(代表的には感光体)に一旦付着され、次に転写工程において感光体から転写紙等の転写媒体に転写された後、定着工程において紙面に定着される。
現像工程で使用される現像剤としては、キャリアとトナーから成る二成分系現像剤及び、キャリアを必要としないでトナーのみからなる一成分系現像剤(磁性トナー、非磁性トナー)が知られている。
二成分現像方式は、トナー粒子がキャリア表面に付着することにより現像剤が劣化し、また、トナーのみが消費されるため現像剤中のトナー濃度が低下するので、キャリアとトナーとの混合比を一定割合に保持しなければならず、そのため現像装置が大型化するといった欠点がある。
一方、一成分現像方式では、上記欠点が無く、装置が小型化等の利点を有しており、あらゆる環境下(低温低湿、高温高湿)での使用が容易であるなどの理由から現像方式の主流になりつつある。
また、一成分系現像剤を用いた一成分現像方式は、更に磁性トナーを用いる磁性一成分現像方式と、非磁性トナーを用いる非磁性一成分現像方式とに分類される。磁性一成分現像方式は、内部にマグネットなどの磁界発生手段を設けた現像スリーブを用いて、マグネタイトなどの磁性体を含有する磁性トナーを保持し、層厚規制部材により、薄層化し現像するもので、近年小型プリンターなどで多数実用化されている。
これに対して、非磁性一成分現像方式は、トナーが磁気力を持たないため、現像スリーブにトナー補給ローラなどを圧接して現像スリーブ上にトナーを供給し、静電気的に保持させ、層厚規制部材により、薄層化して現像するものであり、有色の磁性体を含有しないためカラー化に対応できるという利点があり、また現像スリーブにマグネットを用いないため、装置のより軽量化、低コスト化が可能となり、近年小型フルカラープリンター等で実用化されている。
また現像工程では、一般に、像担持体の潜像を現像する現像部と、現像部にトナーを供給するトナーカートリッジからなる現像装置が用いられているが、この現像装置では、現像部からトナーカートリッジにトナーが逆流して、トナー供給容器内のトナー量が減少し、異常画像が発生するという問題があった。
このような問題を解決するため、例えば特許文献1では、トナーにより感光体ベルト1の静電潜像を現像する現像部と、現像部にトナーを供給するトナーカートリッジとを備え、プリンタ本体に対して着脱可能な現像装置において、トナーカートリッジは現像部に対して着脱自在に設けられ、トナーカートリッジのトナーはトナー補給口を通って現像部に供給されており、このトナー補給口には、現像部からトナーカートリッジへのトナーの逆流を阻止する弾性体からなる逆止弁が設けられている現像装置が開示されている。
特許文献1では、現像器からトナー供給容器へのトナーの逆流が防止され、現像器内のトナーが減少することによる異常画像発生を防止することができるが、一方で、現像部のトナーがトナー供給容器に移動できない構成とすることによる、種々の不具合もある。
例えば、現像部内には、経時での使用により弱帯電のトナーが多く残る傾向にあり、特許文献1に記載の現像装置のように、現像部内のトナーがトナー供給容器に移動できない構成となっていると、現像部内のトナーとトナー供給容器内のトナーの帯電量差を改善する手段がなく、画像不良、トナー飛散が発生する。
特に、非磁性一成分現像剤を用いて現像を行った場合は、粒径が小さく、帯電量の高いトナーが優先的に現像に供され、現像部内には粒径の大きい低帯電量のトナーが残留する、選択現像と言われる現象が起こりやすいため、現像部内のトナーとトナー供給容器内のトナーの帯電量差の問題が一層深刻に現れてくる。
トナーに適度な帯電量を付与するための手段としては、一般的に、トナー中の結着樹脂の酸価を高くする方法(例えば特許文献2参照。)が従来より提案されている。しかし、樹脂の酸価を高くすることは、帯電量を付与し易くなる反面、環境安定性に乏しくなるという問題がある。即ち、低温低湿下では帯電量が上昇し過ぎ、また高温高湿下では帯電量が低下し画像濃度の低下や地肌汚れなどの品質に影響を及ぼす。
また、従来よりトナー原材料の一つとして頻繁に用いられている、帯電制御剤の添加量を多くすることにより、トナーに適度な帯電量を付与する方法(例えば、特許文献3参照。)も提案されている。しかし、帯電制御剤の添加量を多くすると、樹脂中での帯電制御剤の分散性が悪化し、長期間の使用において、地肌汚れなどの画像品質劣化が招かれる。
また一方で、帯電制御剤を一切添加せずに適度な帯電量を付与する方法(例えば、特許文献4参照。)も提案されている。この方法は、トナー表面に無機微粒子を付着させることのみにより、トナーの帯電量を保持することができることを特徴としている。
このように、特許文献2ないし4に記載の発明により、トナーに適度な帯電量を付与し、弱帯電トナーが発生するのをある程度防止することはできるが、経時での使用により現像部内とトナー供給容器内の帯電量差が生じてくるのを、完全に抑制するのは困難である。
特開2002−162817号公報 特開2000−227676号公報 特開2004−354530号公報 特開2003−280256号公報
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、長期の使用においても、トナーの帯電性、流動性の低下を抑える現像装置及びこれを用いることで、長期にわたって高品位の画像を得ることができる画像形成装置を提供することである。
上記課題を解決するための手段である本発明の特徴を以下に挙げる。
1.本発明は、少なくとも、潜像担持体と、潜像担持体上にトナー画像を形成して現像する現像装置と、を有し、前記トナー像を定着媒体に定着させる画像形成装置において、前記現像装置は、少なくとも、画像形成部にトナーを供給する現像ユニットと、前記現像ユニットにトナーを供給するカートリッジ部と、前記カートリッジ部から前記現像ユニットに供給するトナーを、一次的に貯留するホッパー部と、を有し、前記カートリッジ部と前記ホッパー部との間を隔てる内壁に設けられた補給孔より、前記ホッパー部のトナーの一部が、前記カートリッジ部内に返送可能な現像装置であり、前記カートリッジ部は、少なくとも、トナーを攪拌/移動させる回転体と、該回転体と接触して前記カートリッジ内部へのトナーの返送を促進する返送促進手段と、を有し、前記トナーは、粉壁崩壊角が、30°〜70°であることを特徴とする画像形成装置である。
2.また、本発明の画像形成装置は、1.に記載の発明において、前記回転体は、湾曲可能な一枚の羽根からなることを特徴とする。
3.また、本発明の画像形成装置は、1.又は2.に記載の発明において、前記返送促進手段は、前記カートリッジ部内壁に備えられた板状部材であることを特徴とする。
4.また、本発明の画像形成装置は、1.ないし3.のいずれかに記載の発明において、 前記現像装置は、凝集度が6%〜15%の範囲のトナーを使用することを特徴とする。
5.また、本発明の画像形成装置は、1.ないし4.のいずれかに記載の発明において、 前記現像装置は、ゆるみ見掛け密度が0.35〜0.50の範囲にあるトナーを使用する ことを特徴とする。
6.また、本発明の画像形成装置は、1.ないし5.のいずれかに記載の発明において、 前記トナー表面には、外添剤が付着されてなり、前記外添剤の添加量は、トナー母体100重量部に対して、1.3〜3.2重量部であることを特徴とする。
7.また、本発明の画像形成装置は、1.ないし6.のいずれかに記載の発明において、前記トナー表面には、少なくとも2種類の粒径を有する外添剤を添加されてなり、前記外添剤の各粒径粒子ごとの添加量は、トナー母体100重量部に対して、0.1〜3.0重量部であることを特徴とする。
8.また、本発明の現像装置は、少なくとも、画像形成部にトナーを供給する現像ユニットと、前記現像ユニットにトナーを供給するカートリッジ部と、前記カートリッジ部から前記現像ユニットに供給するトナーを、一次的に貯留するホッパー部と、を有する現像装置であって、前記カートリッジ部の室内と前記ホッパー部の室内の間に存在する壁に、補給孔を有し、該補給孔より、前記ホッパー部内のトナーの一部が、前記カートリッジ部内に返送可能な現像装置において、前記カートリッジ部は、少なくとも、トナーを攪拌/移動させる回転体と、該回転体と接触して前記カートリッジ部内部へのトナーの返送を促進する返送促進手段と、を有し、前記トナーは、粉壁崩壊角が、30°〜70°であることを特徴とする。
9.また、前記現像装置は、更に、2.〜7.のいずれかに記載の画像形成装置に備えられることを特徴とする。
10.また、本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像が形成される像担持体と、像担持体表面に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤で現像し、トナー画像を形成する現像装置とを少なくとも含んで一体に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に形成されるプロセスカートリッジであって、前記現像装置は、8.又は9.に記載の現像装置である ことを特徴とする。
上記解決するための手段により、本発明の画像形成装置、及びこれに用いられる現像装置、プロセスカートリッジは、長期の使用においても、トナーの帯電量を安定した状態で使用することができ、画像劣化、トナー飛散等の発生を抑制できる。また、トナーの流動性の低下を抑えられることで、現像スリーブに安定してトナーを供給できることで、長期にわたって濃度の高い画像を安定して得ることができる。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態に係る現像装置30の概略構成を示す図である。
現像装置30は、像担持体である感光体11の潜像を現像剤であるトナーで現像する現像ユニット31と現像ユニット31にトナーを補給するトナーカートリッジ32とを備える。
現像ユニット31は、感光体11に対向していて、感光体11との間に形成される現像領域にトナーを搬送する現像剤担持体である現像スリーブ31aと、現像スリーブ31a上にトナーを供給する供給ローラ31bと、現像スリーブ31a上のトナー量を規制する層厚規制部材である規制ローラ31cと、トナーを搬送する第1搬送パドル31dとを備える。また、現像ユニット31内には、トナーカートリッジ32から供給されるトナーを一時的に貯留する、現像ホッパー311を備えている。
図2は、第一実施形態に係る現像装置30のトナーカートリッジ32及び現像ホッパー311内部の構成を簡略に示した図である。
トナーカートリッジ32は、トナーを収納している第1及び第2収納室321、322と、現像ユニット31へトナーを搬送する第2及び第3搬送パドル32a、32bと、また、第2搬送パドル32aが回転している部分のトナーカートリッジ32の底部には突き出たリブ35を備えている。
ここで、現像剤としては、一成分現像剤を用いる。後述するように現像剤を入れ替えることに対して、二成分現像剤では一旦混合した後にキャリアからトナーを分離するのは非常に困難である。一成分現像剤であればトナーカートリッジ32と現像ユニット31内にある現像剤は基本的には同じで、入れ替えすることが可能であり、本発明の現像装置30に適用させることができる。特に、一成分現像剤でも非磁性一成分現像剤を用いることが好ましい。非磁性一成分現像剤では、トナー表面の外添剤が、トナーの帯電性、流動性に与える影響が大きい。磁性一成分現像剤では、磁性材料の量による磁化の強さで現像性を制御することができる。非磁性一成分現像剤では、外添剤による帯電量、流動性によって現像性が大きく影響されることから、本発明の現像装置30に用いることで、安定したトナー表面状態を得ることができる。
また、この現像装置30は、現像ユニット31とトナーカートリッジ32とを水平方向の横方向に並列させて配置している。さらに、トナーカートリッジ32と現像ユニット31とには、トナーカートリッジ32と現像ユニット31との間をトナーが通過する補給孔33(以下、連通口と示す。)が設けられている。
本発明の現像装置30は、この連通口を介してトナーを通過させる。これによって、現像ユニット31で消費されたトナーをトナーカートリッジ32から現像ユニット31へトナーを補給し、また、この連通口を介して、現像ユニット31で劣化したトナーを現像ユニット31からトナーカートリッジ32へトナーを返送(以下、排出と示すことがある。)する。また、このトナーカートリッジ32は、現像ユニット31とは別に単独で独立して交換することが可能である。
トナーは、現像ユニット31におけるトナー供給ローラ31b、規制ローラ31cで押圧力を受ける。この押圧力を受けることで、トナー表面の凸凹が欠けて表面が滑らかになり、感光体との付着力が大きくなりクリーニングされにくくなる。そのために、環境が低湿になるとクリーニング不良が発生することがあり、また、転写性が向上するが、従来転写されても目視上表れなかった白地背景部にカブリが表れるようになる。また、トナーが押圧を受けることで、トナー表面に存在する外添剤がトナー内部に埋没する。これは、後で外添剤に関しては詳説するが、外添剤はトナーより硬度が高い。このために、トナー内部に埋没する。トナー表面に存在する外添剤が少なくなることで、トナーの帯電性が変わる。特に、外添剤として用いるシリカは、比表面積が大きいので帯電量が高く埋没によるトナー表面の外添剤量によってトナーの帯電量は大きく変化する。また、もう一つの影響として、外添剤埋没によってトナーの流動性が低下する。この流動性は、トナーの付着力を示すもので、トナーと例えば感光体等との間に存在して、その間の付着力を小さくする。同様に、現像スリーブ31aとトナーとの間の付着力を小さくして現像性を高める。逆に、埋没でトナー表面に存在する外添剤量が少なくなると、現像性が低下する。
また、トナーを非磁性一成分現像剤で使用した場合は、トナー補給ローラにより粒径の小さいトナーから優先的に現像スリーブ上に供給される選択現像が行われる。このため、トナーカートリッジから新たなトナーが供給される前の現像ホッパー内には、粒径の大きい、劣化トナーが多く残留し、画像劣化やトナー飛散等が引き起こされる。
そこで、本発明の現像装置30では、現像ユニット31で消費されたトナーをトナーカートリッジ32から現像ユニット31へトナーを補給する連通口33を介して、現像ユニット31にあるトナーをいったんトナーカートリッジ32に排出して戻して、トナーカートリッジ32にある劣化していないトナーと混合して、劣化したトナー量の存在比率を低下させた上で再度現像ユニット31に連通口33を介して供給して補給する。
図3は、トナーカートリッジ32内のトナーの、第二搬送パドル32aの回転に伴う動きを示す図である。
このトナーカートリッジ32には、第2収納室322の第3搬送パドルで第1収納室321に搬送して、さらに、第2搬送パドル32aで現像ユニット31側に搬送する。
第2搬送パドル32aは、湾曲可能に構成された単数のパドル用フィルム(羽根)を備えていて、このフィルムを回転させることで、フィルムの湾曲した先端部がトナーをかきとり、現像ユニット31側に搬送する。さらに、第1収納室321にリブ35を設けておくことで、図3に示すように、先のパドル用フィルムがリブ35に当たると、リブ35の部分でトナーが堰き止められ、リブ35とパドル用フィルムとの間にトナーの無い空間Pが形成される。この空間Pは、流動性のよいトナーの侵入によって少しずつ埋められていくが、ある一定時間は、第2搬送パドル32aのパドル用フィルムの回転方向下手に空間が形成された状態(図3(b)参照。)となる。
更に、図3(b)で示される状態から、第2搬送パドル32aが先に回転すると、パドル用フィルムによりトナーは現像ユニット31側に押し込まれて、連通口33を通してトナーカートリッジ32側から現像ユニット31側に移動して供給される。一方、トナーカートリッジ32の連通口33近傍に、第2搬送パドル32aのパドル用フィルムと、リブ35によって形成された空間Pには、現像ホッパー311側から、第一搬送パドル31dによって攪拌されたトナーが移動する。このように、第2搬送パドルのパドル用フィルムとリブ35によって空間Pが形成されることで、現像ユニット31からトナーカートリッジ32へのトナーの返送が促進される。
ところで、この空間Pは、流動性の大きいトナーが侵入することで、徐々にその容積が減少する。トナーカートリッジ32内で、空間Pが一定時間十分な容積を維持し、トナーカートリッジ32内へのトナーの返送が潤滑に行われるためには、トナーの流動性がある程度抑えられ、一定の固さを有していることが必要であり、トナーの流動性を示す指標としての粉壁崩壊角は、30°〜70°であることが好ましい。
(粉壁崩壊角)
なお、粉壁崩壊角は以下のように測定できる。図4は、トナーの粉壁崩壊角の測定方法を説明するための図である。トナー10gを直径3cm、高さ7cmの円柱状のガラス容器に入れ蓋をして、振とう器(ヤヨイ社製 Model−YS−8D)にセットし、ストローク幅80mm、ストローク数100回/分で1分間振とうさせる。上記操作によりトナーに一定以上の流動性を与えた後、以降の操作を行う。以降の操作はパウダテスタ(ホソカワミクロン社製 PT−N型)を用いる。安息角測定用付属部品を取り付けた後、直径3cm、高さ5cmの上底部なしの円柱状のガラス容器(以下筒)を前記付属部品の上に置き前述のトナー全量を流し込む。1分間静置した後、筒を3cm/secで垂直に持ち上げ、筒とトナーを引き離す。これにより形成されるトナーの山の頂点A、山裾B、Cを結ぶ三角形の底角∠ABCもしくは∠ACBを粉壁崩壊角と定義し、この角度を測る。
即ち、トナー粉体の山の傾斜面の角度により、トナーの崩れやすさを規定したものである。角度の測定は安息角測定用の測定アームを∠ABCもしくは∠ACBの位置に合わせれば自動計測される。
上述のように、流動性をある程度抑えたトナーを使用することで、第2搬送パドルのパドル用フィルムがリブの先に回転したときに、リブ35が障害になってトナーが搬送されないために形成された空間Pが、十分な体積を持った状態で維持されるため、現像ホッパー311からトナーカートリッジ32へのトナーの返送が、潤滑に行われる。
粉壁崩壊角が30°未満であると、トナーの流動性が大きすぎるため、カートリッジ内でトナー中に十分な空間容積が確保することができない。一方、粉壁崩壊角が70°より大きいと、トナーの流動性が十分でないため、安定した現像状態を得ることができない
(凝集度)
また、本発明のトナーは、凝集度が6〜15%であることが好ましい。凝集度 は、粉体同士の凝集性を見る指標であり、数値が低いほど凝集しにくいことを示す。一般的には粉体の流動性と相関があり、凝集度 が低いほど粉体の流動性が良くなる。
凝集度が6%未満であると、トナーの流動性が大きすぎるため、カートリッジ内でトナー中に十分な空間を確保することができない。逆に、凝集度が15%を超えると、トナーの流動性が十分でないため、安定した現像状態を得ることができない。
なお、本発明に於いて、凝集性・流動性の評価は、ホソカワミクロン社製 パウダーステーターの振動篩機を用いて、振動台に400mesh、200mesh、100meshの順で篩を重ねてセットする。この、重ねた篩の上にトナー2gを静かに載せ、次に10秒間振動を加える。その後、各篩上に残ったトナーの質量を測定し、下記式(1)により、凝集度を求める。
Figure 2006308886
(ゆるみ見掛け密度)
本発明のトナーは、外添剤付与後のトナー処理を一定条件下で行い、外添剤付着率を上記範囲に制御することで、流動性が制御される。
具体的には、本発明のトナーはゆるみ見掛け密度が0.38〜0.43の範囲のトナーである。なお、ゆるみ見掛け密度とは、トナーをふるいにかけて、ふるい落としたままの状態での密度であり、トナーの流動性を表すものである。本発明においては、ゆるみ見掛け密度は、パウダーテスター(ホソカワミロン社製、PT−N型)を用い、振動台に246μmの篩をセットし、その中に試料を250cc入れ、30秒振動させ、付属のブレードにてカップ上の余分なトナー をすりきった後、重量を測定する。この作業を5回繰り返し、平均値を測定値とする。PT−N型では、自動で測定値が表示される。ゆるみ見掛け密度 =重量(g)/カップの容積(100cc)。
ここで、現像装置についてさらに詳述する。現像装置30は、感光体ベルト11表面の静電潜像を現像するためにトナーを表面に担持して回転する現像スリーブ31aと、トナーを汲み上げて撹拌するために回転するトナー第1搬送パドル31d、及び、トナーカートリッジ32から供給されたトナーを一時的に貯留する現像ホッパー311とを含む現像ユニット31と、トナーを収容するトナーカートリッジ32で構成されている(図1参照。)。このように2つのユニットに分割されている理由は、現像ユニット31は、トナーカートリッジ32を数回交換して使用しても耐えうる耐久性を有しているからである。
現像装置30は、現像ユニット31内にある第1搬送パドル31dで、トナーを攪拌しつつ現像剤供給ローラ31bに搬送し、供給ローラ31bが現像スリーブ31aに摺擦しながら、同時にトナーを摺擦させて摩擦帯電させて、トナーを帯電させる。帯電したトナーは、現像スリーブ31aに鏡像力で吸着されて搬送される。その後、規制ローラ31cで現像領域に搬送されるトナー量を規制する。現像スリーブ31a上に形成されるトナー薄層が現像領域における現像バイアスで感光体ベルト(図8参照。)に現像される。
このときに、供給ローラ31bで現像スリーブ31aに摺擦されたトナーは大きな押圧力を受けて、トナー表面の凸凹が削られて球形化しトナーの付着力が大きくなる。また、この押圧力でトナー表面の外添剤が埋没して流動性が低下し、さらに、外添剤による帯電量調整ができなくなるために帯電量が変わってくる。これらの影響でトナーの現像性が低下し、さらに、転写性、クリーニング性が低下する。
このように、現像ホッパー内に劣化したトナーが多くなり、また、トナーが現像によって消費されるために現像ユニット31内のトナーが少なくなる。そこで、連通口33を通過してトナーカートリッジ32から、現像ユニット31へとトナーが補給される。トナーカートリッジ32内には、トナーカートリッジ本体32の内壁に先端が摺接する第2搬送パドル32a、第3搬送パドル32bがそれぞれ第1収納室321と第2収納室322に設けられており、第2又は第3搬送パドル32a,32bが回転することによりトナーを現像ユニット31側に押し込んで、現像ユニット31に連通口33からトナーが補給される。
さらに、この連通口33を通して現像ユニット31内のトナーがトナーカートリッジ32側に排出されて、このトナーがトナーカートリッジ32内のトナーと混合される。
トナーカートリッジ32内には、未使用のトナーが多く収納されており、現像ユニット31内で劣化したトナーと混合される。この混合によって、未使用トナーの表面に多く存在する外添剤が劣化したトナーに再分配され、また、粒径の大きい劣化トナーが、粒径の小さい未使用トナーと混合されて、トナーの平均粒径が小さくなることで、劣化したトナーの帯電量、流動性が元の未使用トナーの状態に近くなる。
これは、現像ユニット31から第1収納室321に排出されたトナーは、さらに、第2搬送パドルで第2収納室322に搬送されて、次に、第3搬送パドルで第1収納室321に戻される。この間に、外添剤の再分配を受けることになる。
この元の未使用の状態に近づいたトナーを、トナーカートリッジ32の第1収納室321から現像ユニット31に、再度供給する。この元の状態に近づいたトナーと未使用のトナーで、現像スリーブ31aに薄層を形成してトナーを現像することで、長期にわたって高品位の画像を得ることができる。
(第二実施形態)
さらに現像装置には、連通口33近傍に制御弁34を設けてもよい。
図5は、本発明の第二実施形態に係る現像装置30’の概略構成を示す図である。
第2実施形態に係る現像装置30’では、現像ユニット31の連通口33近傍に制御弁34を備えている。そして、制御弁34と第1搬送用パドルのパドル用フィルムとが、接触したりあるいは離れたりすることで、トナーカートリッジ32から現像ユニットへの、トナーの供給が促進される。
また、制御弁34により、連通口34が閉じられたり、開いた状態となったりすることで、トナーカートリッジ32から現像ホッパー311へのトナーの供給と、現像ホッパー311からトナーカートリッジ32へのトナーの返送を、制御することができる。
図6は、本発明の現像装置における現像ユニット31に配置される制御弁34の構造を示す概略図である。制御弁34は、現像ユニット31の連通口33に対応して設けられ、制御弁34を支持部34aに貼着されていて、筐体に配置されている。制御弁34の形態は、図6に示すように、各連通口33に対応して矩形状にして連通口33がない部分は制御弁34を設けず交互にする。支持部34aは、剛性を有する金属製でSUS、Cu、Alを用いる。制御弁34は、弾性のある樹脂フィルム34bで、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂を用いる。
現像ユニット31の第1搬送パドル31dは、パドル用フィルムを備える。このフィルムは、1枚であっても、複数枚設けてもよい。第1搬送パドル31dは、回転してトナーカートリッジ32側から供給されたトナーを現像スリーブ31aに供給する。また、このフィルムは、板状であってもよい。また、連通口33に対応して設けられた櫛歯状の矩形状の制御弁34に対して、同様に制御弁34に当たる部分をのみを矩形形状にしたものであってもよい。また、複数枚設けるときはこれらを組み合わせて用いてもよい。
図7は、第2実施形態に係る現像装置30’で、トナーカートリッジ32側から現像ユニット31にトナーが供給される状態を模式的に説明するための図である。
第1搬送パドル31dは、回転して制御弁34に当たり、制御弁34が押さえられる。その後、第1搬送パドル31dが通過して、弾性を有する制御弁34が素早く弾かれて戻り、そのときに同時に、トナーカートリッジ32側から押し込まれていたトナーが連通口33を介して現像ユニット31側に引きつけられて、トナーが供給される。
さらに本発明の第2実施形態に係る現像装置30’では、図3で示したのと同様にして、第2搬送パドル32aのパドル用フィルムとリブ35により、第2搬送パドル32aのパドル用フィルムの回転方向下手に区間Pが形成される(図3(b))。
なお、第二実施形態に係る現像装置30’では、図3(b)で示す状態から更に第2搬送パドル32aが回転してゆくと、パドル用フィルムは、トナーを現像ユニット31側に押し込む状態になっている時と、現像ユニット31の制御弁34が第1搬送パドル31dのパドル用フィルムに押さえられていなくて制御弁34が開放されている時(定位置にある時)と重なることでトナーは、連通口33を通してトナーカートリッジ32側から現像ユニット31側に移動して供給される。
次に、開放された制御弁34には現像ユニット31にあるトナーが入り込んでくる。その後、第1搬送パドル31dのパドル用フィルムが回転して制御弁34を押し込むトナーを現像ユニット31側からトナーカートリッジ32側に押し込んでいる時と第1収納室321で第2搬送パドルのパドル用フィルムによってトナー内部に空間ができ、その空間がちょうど連通口33にかかった時が重なることでトナーは、連通口33を通して現像ユニット31側からトナーカートリッジ32側に移動して排出される。
このときの現像装置30’における現像ユニット31とトナーカートリッジ32との第1、第2及び第3搬送パドルの動きとトナーの移動についてさらに詳細に説明する。
図8は、現像装置30’での現像ユニット31とトナーカートリッジ32との間におけるトナーの移動について模式的に示した図である。なお、ここでは、現像ユニット31内の現像スリーブ31a等は省略してある。
現像装置30では、図6(1)に示すように、現像ユニット31内にある制御弁34は、連通口33が設けられた壁面に対して所定の角度θを有している。
第1搬送パドル31dは複数のパドル用フィルムを回転させている。また、トナーカートリッジ32内の第2及び第3搬送パドルは、単数のパドル用フィルムを回転させている。図8(2)に示すように、現像ユニット31内で、第1搬送パドル31dは複数のパドル用フィルムが制御弁34を押し込み、このときに、制御弁34と連通口33との間にあるトナーは、トナーカートリッジ32側もトナーで満たされていることで、連通口33を移動することができず、現像ユニット31内の制御弁34から横方向で、現像ユニット31内に戻る。次に、図8(3)に示すように、第1搬送パドル31dは複数のパドル用フィルムが制御弁34をさらに押し込み、制御弁34と連通口33との間にはほとんど隙間がない状態(作動位置)になる。次に、図8(4)及び図8(5)に示すように、第1搬送パドル31dは複数のパドル用フィルムが制御弁34からはずれることで、制御弁34が元の角度まで戻り、このときに、大きな隙間ができ、空間を形成することでトナーカートリッジ32側から連通口33を通してトナーが移動して供給される。
さらに、図8(6)に示すように、複数枚有することで第1搬送パドル31dのパドル用フィルムが、再度制御弁34を押し込んでいく。このときに、トナーカートリッジ32内の第2収納室322で第2搬送パドルのパドル用フィルムがリブ35に当たっている。さらに回転すると、図8(7)に示すように、第1搬送パドル31dのパドル用フィルムが制御弁34をさらに押し込み、制御弁34と連通口33で隙間のない状態を形成してゆく。このときに、第2搬送パドルのパドル用フィルムがリブ35から先に回転したときにリブ35が障害になってトナーが搬送されないために、トナーカートリッジ32内に、第2搬送パドルのパドル用フィルムの回転方向下手に空間を形成する。さらに、図8(8)及び図8(9)に示すように、第1搬送パドル31dは複数のパドル用フィルムが制御弁34からはずれることで、制御弁34が元の角度(定位置)まで戻り、このときに、大きな隙間ができ空間を形成することで、さらに、第2搬送パドル34aのパドル用フィルムによって持ち上げられたトナーが、トナーカートリッジ32側から連通口33を通してトナーが移動して供給される。
しかし、次に、図8(10)に示すように、複数枚有することで第1搬送パドル31dのパドル用フィルムが、再度制御弁34を押し込んでいく。これまでは、トナーカートリッジ32側の連通口33付近にはトナーがあったが、第2搬送パドル32aのパドル用フィルムの回転方向下手に形成された空間が存在する場合は、現像ユニット31内の制御弁34から横方向で、現像ユニット31内に戻るのではなく、連通口33を通して現像ユニット31側からトナーカートリッジ32側に移動して排出される。図8(11)及び図8(12)に示すように、第1搬送パドル31dのパドル用フィルムが、再度制御弁34を押し込んでいくことで、さらに、現像ユニット31側からトナーカートリッジ32側に移動して排出される。
このとき、トナーの流動性が大きすぎると、図8(11)及び(12)で示される状態において、連通口33近傍で形成された空間Pに、空間P周辺のトナーが流れ込んで、一定時間、十分な体積を維持することができない。このため、トナーはある程度流動性が抑えられ、一定の固さを有しているこのが望ましく、トナーの流動性を示す指標としての粉壁崩壊角は、30°〜70°であることが好ましい。
なお、粉壁崩壊角の測定は、上記の同様の方法により行うことができる。
さらに、第1搬送パドル31dの回転スピードを第2搬送パドルより早くすることで、図8(13)から図8(16)に示すように、現像ユニット31側からトナーカートリッジ32側に移動して排出させることができる。
これを繰り返すことで、現像ユニット31とトナーカートリッジ32との間で連通口33を通してトナーを移動させることができる。
ここでは、現像ユニット31内の第1搬送パドル31dとトナーカートリッジ32内の第2搬送パドル32aの回転数を制御することでトナーの移動による供給・排出の量を調整することができる。特に、現像ユニット31内の第1搬送パドル31dの回転数をトナーカートリッジ32内の第2搬送パドルよりも早くすることで、トナー内部に形成される空間が連通口33に接する回数を少なくして、第1搬送パドル31dが制御弁34を押し込む回数を多くすることで、連通口33を通してトナーを供給させる回数を多くすることができる。
また、トナーの移動による供給・排出の量は、連通口33の数によって調整することができ、したがって、連通口33は、1以上設けることができる。この連通口33は、画像形成装置本体の画像形成する速度によって適宜数を決定する。
以下に、本発明に係る画像形成装置について詳細に説明する。
図9は、本発明の画像形成装置の構成を示す概略図である。この画像形成装置1は、感光体ユニット10、書き込み光学ユニット20、現像ユニット30、中間転写ユニット40、2次転写ユニット50、定着ユニット60、両面印刷用紙反転ユニット70等で構成されている。そして、黒(以下、Bkという)、シアン(以下、Cという)、マゼンタ(以下、Mという)、イエロー(以下、Yという)のカラー画像を感光体ユニット10の感光体ベルト11上に順次顕像化し、これらを重ね合わせて最終的な4色フルカラー画像を形成する。感光体ベルト11の周りには、感光体クリーニング装置12、帯電ローラ13、複数の現像装置30、中間転写ユニット40の中間転写ベルト41などが配置されている。感光体ベルト11は、駆動ローラ14、1次転写対向ローラ15、張架ローラ16間に張架され、駆動モータによって回転する。また、上記書き込み光学ユニット20は、カラー画像データを光信号に変換して、各色画像に対応した光書き込みを行い、感光体ベルト11に静電潜像を形成する。この書き込み光学ユニット20は、光源としての半導体レーザ21、ポリゴンミラー22、3つの反射ミラー23などで構成されている。
また、上記現像装置30は、画像形成装置1本体の下側から順に、黒トナーを収容したBk現像装置30K、シアントナーを収容したC現像装置30C、マゼンタトナーを収容したM現像装置30M、イエロートナーを収容したY現像装置30Yとなっている。ここでは、さらに、各現像装置を図中左右方向に移動させ感光体ベルト11に対し、接離動作を行う接離機構を備える。
現像装置30内のトナーは所定の極性に帯電され、現像スリーブ31aには、現像バイアス電源によって現像バイアスが印加され、現像スリーブ31aが感光体ベルト11に対して所定電位にバイアスされている。また、接離機構は、モータから各現像装置30に駆動を伝達するための図示しない電磁クラッチがオンになるとその駆動力で現像装置30を感光体ベルト11側に移動させるようになっている。現像時には、現像装置30のうち選択されたいずれか一つが移動し、感光体ベルト11に当接する。一方、電磁クラッチをオフにして駆動伝達を解除すると感光体ベルト11に当接していた現像装置が感光体ベルト11から離間する方向に移動する。
画像形成装置1本体の待機状態では、現像装置30K、C、M、Yも感光体ベルト11と離間した位置にセットされており、画像形成動作が開始されると、カラー画像データに基づきレーザ光による光書き込み、静電潜像の形成が開始される(以下、Bk 画像データによる静電潜像をBk静電潜像という。C、M、Yについても同様)。このBk静電潜像の先端部から現像可能とすべくBk現像位置に静電潜像先端部が到達する前に、Bk現像スリーブ31aを回転開始して、Bk静電潜像をBkトナーで現像する。そして、以後、Bk静電潜像領域の現像動作が続行されるが、Bk静電潜像後端部がBk現像位置を通過した時点で、K現像装置30Kが感光体ベルト11から離間し、次の色の現像に備えて該当する色の現像装置が感光体ベルト11に当接する。これは少なくとも、次の画像データによる静電潜像先端部が現像位置に到達する前に完了される。
また、上記中間転写ユニット40は、中間転写ベルト41、ベルトクリーニング装置42、位置検出用センサ43などで構成されている。中間転写ベルト41は駆動ローラ44、1次転写ローラ45、2次転写対向ローラ46、クリーニング対向ローラ47及びテンションローラ48に張架されており、図示しない駆動モータによりに駆動制御される。中間転写ベルト41端部の非画像形成領域には複数の位置検出用マークが設けられており、これらの位置検出用マークのうちのいずれか一つを位置出用センサ43で検出し、この検出タイミングで画像形成を開始する。また、ベルトクリーニング装置42は、クリーニングブラシ42a、接離機構等で構成されており、1色目のBk画像を中間転写ベルト41に転写している間、及び、2、3、4色目の画像を中間転写ベルト41に転写している間は接離機構によって中間転写ベルト41面からクリーニングブラシ42aを離間させておく。
さらに、2次転写ユニット50は、2次転写ローラ51、2次転写ローラ51を中間転写ベルト41に対して接離するためのクラッチ等を備えた接離機構等で構成されている。転写紙が転写位置に到達するタイミングに合致させて2次転写ローラ51が接離機構の回転軸を中心に揺動する。この2次転写ローラ51と2次転写対向ローラ46とにより転写紙と中間転写ベルト41とを一定の圧力で接触させる。2次転写ローラ51は中間転写ユニット40に設けられた図示しない位置決め部材により2次転写対向ローラ46との平行度の位置精度が保たれている。また、2次転写ローラ51に設けた図示しない位置決めコロにより中間転写ベルト41に対する2 次転写ローラ51の接触圧を一定にしている。2次転写ローラ51を中間転写ベルト41に接触させると同時に、2次転写ローラ51はトナーと逆極性の転写バイアスが印加され、中間転写ベルト41上の重ねトナー像を転写紙に一括転写する。
一方、画像形成動作が開始される時期に、転写紙は上記転写紙カセット80又は手差しトレイ83のいずれかから給送され、レジストローラ82対のニップで待機している。そして、2次転写ローラ51に中間転写ベルト41上の4色重ねのトナー像先端がさしかかるときに、ちょうど転写紙の先端がこのトナー像の先端に一致するようにレジストローラ対82が駆動され、転写紙とトナー像との位置合わせが行われる。そして、転写紙が中間転写ベルト41上のトナー像と重ねられて2次転写位置を通過する。このとき2次転写ローラ51による転写バイアスで転写紙が荷電され、トナー画像のほとんどが転写紙上に転写される。そして、中間転写ベルト41から4色重ねトナー像を一括転写された転写紙は、定着ユニット60に搬送され、所定温度に制御された定着ベルト61と加圧ローラ62のニップ部でトナー像が溶融定着され、装置本体外に送り出され、排紙トレイ84 に裏向きにスタックされ、フルカラーコピーを得る。
更に、両面印刷を行う場合には、定着ユニット60を通過した転写紙は両面切替爪85により両面印刷用紙反転ユニット70に送られる。両面印刷用紙反転ユニット70においては、転写紙はまず反転切替爪71によって矢印D方向に案内され、転写紙後端が反転切替爪71を通過した後、反転ローラ対72が停止し、転写紙も停止する。そして、反転ローラ対72が一定のブランク時間ののち逆転を開始し、転写紙はスイッチバックを始める。このときに、反転切替爪71が切り替わり、転写紙はレジストローラ対82に送られる。レジストローラ対82に送られた転写紙は表裏反転した状態でレジストローラ対82のニップで待機する。そして、所定のタイミングでレジストローラ対82が駆動され、転写紙は2次転写位置に送られて中間転写ベルト41から4色重ねトナー像を一括転写された後、定着ユニット60でトナー像が溶融定着され、装置本体外に送り出される。
一方、1次転写後の感光体ベルト11の表面は、感光体クリーニング装置12でクリーニングされ、除電ランプ等で均一に除電して、クリーニングしやすくすることもできる。また、転写紙にトナー像を転写した後の中間転写ベルト41の表面は、ベルトクリーニング装置42のクリーニングブラシ42aを接離機構で押圧することによってクリーニングされる。中間転写ベルト41からクリーングされたトナーは廃トナータンク49に蓄えられる。
ここで、現像装置についてさらに詳述する。現像装置30は、感光体ベルト11表面の静電潜像を現像するためにトナーを表面に担持して回転する現像スリーブ31aと、トナーを汲み上げて撹拌するために回転するトナー第1搬送パドル31dとを含む現像ユニット31と、トナーを収容するトナーカートリッジ32で構成されている。このように2つのユニットに分割されている理由は、現像ユニット31は、トナーカートリッジ32を数回交換して使用しても耐えうる耐久性を有しているからである。
図10は、本発明の現像装置における連通口33の構成を示した概略図であり、(A)は現像ユニット31側の構成を示し、(B)はトナーカートリッジ側の構成を示している。現像ユニット31の筐体の外側にはスライドシャッターを備え、そのスライドシャッターには弾性部材を貼付している。このスライドシャッターを開閉することで現像ユニット31の連通口33の開閉を行う。また、トナーカートリッジ32側は、筐体に設けられた連通口33に対応して開けた部分のある弾性部材、連通口33からトナーがこぼれるのを防止し、または、トナーを補給できるように開放するスライドシャッター、これらを筐体に固定する固定シールが設けられている。
トナーカートリッジ32を現像装置に配置して、現像ユニット31側のスライドシャッターを開け、また、トナーカートリッジ32側のスライドシャッターを開けて、トナーを通過させることができる連通口33ができる。
現像ユニット31側の連通口33は複数あり、現像ユニット31とトナーカートリッジ32との間には弾性部材を貼着したスライドシャッターを設けている。このスライドシャッターを移動させることで、現像ユニット31筐体に設けた連通口33の開閉を行う。トナーカートリッジ32がない場合又は画像形成装置本体に装着していない場合は、スライドシャッターで連通口33を閉じておくことで現像ユニット31からのトナーのこぼれるのを防止する。
また、トナーカートリッジ32も、現像ユニット31がない場合又は画像形成装置本体に装着していない場合は、トナーカートリッジ32からのトナーのこぼれるのを防止するために、連通口33を閉じておくためにスライドシャッターを設ける。トナーカートリッジ32に対して、弾性部材、スライドシャッター、固定シールを設ける。弾性部材は、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等の発泡材が好ましい。
図10に示すように、現像ユニット31とトナーカートリッジ32に設けられた連通口33に対応してスライドシャッターに開放した窓部を設ける。連通口33を閉じるときはスライドシャッターの窓部のないところで連通口33を塞ぎ、連通口33を開放するときはスライドシャッターを移動させて、窓部と連通口33を合わせて、連通口33全体を連通させる。
画像形成装置1において現像装置30は、現像ユニット31内にある第1搬送パドル31dで、トナーを攪拌しつつ現像剤供給ローラ31bに搬送し、供給ローラ31bが現像スリーブ31aに摺擦しながら、同時にトナーを摺擦させて摩擦帯電させて、トナーを帯電させる。帯電したトナーは、現像スリーブ31aに鏡像力で吸着されて搬送される。その後、規制ローラ31cで現像領域に搬送されるトナー量を規制する。現像スリーブ31a上に形成されるトナー薄層が現像領域における現像バイアスで感光体ベルトに現像される。
このときに、供給ローラ31bで現像スリーブ31aに摺擦されたトナーは大きな押圧力を受けて、トナー表面の凸凹が削られて球形化しトナーの付着力が大きくなる。また、この押圧力でトナー表面の外添剤が埋没して流動性が低下し、さらに、外添剤による帯電量調整ができなくなるために帯電量が変わってくる。これらの影響でトナーの現像性が低下し、さらに、転写性、クリーニング性が低下する。
このように、現像ホッパー内に劣化したトナーが多くなり、また、トナーが現像によって消費されるために現像ユニット31内のトナーが少なくなる。そこで、連通口33を通過してトナーカートリッジ32から、現像ユニット31へとトナーが補給される。トナーカートリッジ32内には、トナーカートリッジ本体32の内壁に先端が摺接する第2搬送パドル32a、第3搬送パドル32bがそれぞれ第1収納室321と第2収納室322に設けられており、第2又は第3搬送パドル32a,32bが回転することによりトナーを現像ユニット31側に押し込んで、現像ユニット31に連通口33からトナーが補給される。
さらに、この連通口33を通して現像ユニット31内のトナーがトナーカートリッジ32側に排出されて、このトナーがトナーカートリッジ32内のトナーと混合される。トナーカートリッジ32内には、未使用のトナーが多く収納されており、現像ユニット31内で劣化したトナーと混合される。この混合によって、未使用トナーの表面に多く存在する外添剤が劣化したトナーに再分配されることで、劣化したトナーの帯電量、流動性が元の未使用トナーの状態に近くなる。これは、現像ユニット31から第1収納室321に排出されたトナーは、さらに、第2搬送パドルで第2収納室322に搬送されて、次に、第3搬送パドルで第1収納室321に戻される。この間に、外添剤の再分配を受けることになる。
この元の未使用の状態に近づいたトナーを、トナーカートリッジ32の第1収納室321から現像ユニット31に、再度供給する。この元の状態に近づいたトナーと未使用のトナーで、現像スリーブ31aに薄層を形成してトナーを現像することで、長期にわたって高品位の画像を得ることができる。
また、上記現像装置30は、感光体10と共に一体に支持され、画像形成装置本体に対し着脱自在に形成されるプロセスカートリッジとすることができる。このプロセスカートリッジは、この他に帯電手段、クリーニング手段を含んで構成してもよい。
なお、本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤と帯電制御剤を含有するものである。以下に本発明のトナーの製造方法を詳細に説明する。
(ポリエステル樹脂)
結着樹脂としてはフルカラートナー用結着樹脂として発色性、画像強度の点から好適なポリエステル樹脂が用いられる。カラー画像は、数種のトナー層が幾重にも重ねられるため、トナー層が厚くなってしまい、トナー層の強度不足による画像の亀裂や欠陥が生じたり、適度な光沢が失われたりする。このことから適度な光沢や優れた強度を保持させるためポリエステル樹脂が用いられる。
ポリエステル樹脂は、一般に多価アルコールと多価カルボン酸とのエステル化反応により得ることができる。本発明におけるポリエステル樹脂を構成しているモノマーのうち、アルコールモノマーとしては、ジオールモノマーとしては、たとえばエチレングリコール、ジエチレングリコールトリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタジエンオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物、その他の二価のアルコールがあげられ、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、ノボラック型のフェノール樹脂のオキシアルキレンエーテル、その他の3価以上の多価アルコールがあげることができる。3価以上のアルコールモノマーは主に架橋成分として用いられる。これらのモノマーのうち特に、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物を主成分モノマーとして用いたものが好適に用いられる。ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物を構成モノマーとして用いた場合、ビスフェノールA骨格の性質上、比較的高めのガラス転移点のポリエステルが得られ、耐コピーブロッキング性、耐熱保存性が良好となる。また、ビスフェノールA骨格両側のアルキル基の存在が、ポリマー中でソフトセグメントとして働き、トナー定着時の発色性、画像強度が良好となる。特にビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物のうち、エチレン基、プロピレン基のものが好適に用いられる。
本発明におけるポリエステル樹脂を構成しているモノマーのうち酸モノマーとしては、たとえばマレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸等のアルケニルコハク酸類またはn−ドデシルコハク酸等のアルキルコハク酸類、これらの酸の無水物、アルキルエステル、その他の二価のカルボン酸が、そして、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、及びこれらの無水物、アルキルエステル、アルケニルエステル、アリールエステル、その他の3価以上のカルボン酸を挙げることができる。ここで述べているトリカルボン酸及びそのアルキル、アルケニルまたはアリールエステルの具体例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリメチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリエチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリn−ブチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリイソブチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリn−オクチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリ2−エチルヘキシル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリベンジル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリス(4−イソプロピルベンジル)等が挙げられる
本発明のポリエステル樹脂は特に、THF不溶分がなく、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)における分子量分布において、分子量500以下の成分の含有割合が4重量%以下、好ましくは1〜4重量%であり、分子量3000〜9000の領域に1つのピークを有することが好ましい。THF不溶分が入ると光沢性が下がるとともに透明性が落ち、OHPシートを使用したときに高品質な画像を得ることができない。また分子量500以下の成分が4重量%にすることで樹脂として脆い成分を低減でき、融着するいわゆるフィルミング成分や現像機内中での微粒子化を抑制することができる。これにより非磁性一成分現像方式においても長期間の使用に耐えることができ、トナー補給方式に於いても使用できるのである。製造上の容易性から、分子量500以下の成分割合は1重量%以上とするのが好ましい。
本発明の分子量分布は、GPCにより以下のように測定される。40℃のヒートチャンバー内でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mLの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6重量%に調整したトナー母体のTHF試料溶液を200μL注入して測定する。THF試料溶液は注入前に0.45μmの液クロ用フィルターで、THF不溶成分を除去する。トナーの試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、PressureChemical Co.あるいは、東洋ソーダ工業社製
の分子量が6×10 、2.1×10 、4×10 、1.75×10 、5.1×10 、1.1×10 、3.9×10 、8.6×10 、2×10 、4.48×10のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。なおバインダー樹脂のTHF不溶分有無は、分子量分布測定のTHF試料溶液作成時に判断される。すなわち、0.45μmのフィルターユニットをシリンジの先に取り付けて液をシリンジ内から押し出す際に、フィルター詰まりがなければTHF不溶分はないと判断される。
また、ポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)は、55〜70℃の範囲であることが好ましい。ガラス転移点の測定は、理学電機社製TG−DSCシステムTAS−100を用いて測定した。測定は、まず試料を約10mgのアルミ製試料容器に入れ、それをホルダーユニットに乗せ、電気炉中にセットする。まず、室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10min放置、室温まで試料を冷却して10min放置、窒素雰囲気下で再度150℃まで昇温速度10℃/minで加熱してDSC測定を行った。Tgは、TAS−100システム中の解析システムを用いて、Tg近傍の吸熱カーブとベースラインとの接点から算出した。
(帯電制御剤)
帯電制御剤としては、感光体に帯電される電荷の正負に応じて適宜正又は負の荷電制御剤を用いればよい。負の荷電制御剤としては、例えば電子供与性の官能基を持つ樹脂又は化合物、アゾ染料や有機酸の金属錯体を用いることができる。具体的には、ボントロン(品番:S−31、S−32、S−34、S−36、S−37、S−39、S−40、S−44、E−81、E−82、E−84、E−86、E−88、A、1−A、2−A、3−A)(以上、オリエント化学工業社製)}、カヤチャージ(品番:N−1、N−2)、カヤセットブラック(品番:T−2、004)(以上、日本化薬社製)}、アイゼンスピロンブラック(T−37、T−77、T−95、TRH、TNS−2)(以上、保土谷化学工業社製)}、FCA−1001−N、FCA−1001−NB、FCA−1001−NZ、(以上、藤倉化成社製)}等を用いることができる。また、正の荷電制御剤としては、例えばニグロシン染料等の塩基性化合物、4級アンモニウム塩等のカチオン性化合物、高級脂肪酸の金属塩等を用いることができる。具体的には、ボントロン(品番:N−01、N−02、N−03、N−04、N−05、N−07、N−09、N−10、N−11、N−13、P−51、P−52、AFP−B)(以上、オリエント化学工業社製)、TP−302、TP−415、TP−4040(以上、保土谷化学工業社製)、コピーブルーPR、コピーチャージ(品番:PX−VP−435、NX−VP−434)(以上、ヘキスト社製)、FCA(品番:201、201−B−1、201−B−2、201−B−3、201−PB、201−PZ、301)(以上、藤倉化成社製)、PLZ(品番:1001、2001、6001、7001)(以上、四国化成工業社製)等を用いることができる。
特に、補給機構より補給されるトナーの帯電立ち上がり性が早い点や、トナーへのストレスが長期に渡って加わる使用環境下においても帯電量分布がシャープである観点からサリチル酸金属塩を用いることが好ましい。また、帯電制御剤の添加量は、トナー粒子に対して0.5〜5.0重量%が好ましく、より好ましくは1.5〜3.0重量%である。0.5重量%より少ないと一成分現像方式では特に長期間において帯電を保持することが難しい。5.0重量%より多いと樹脂中での帯電制御剤の分散性が悪化し易くなり長期間の使用において地肌汚れなどの品質劣化を招く。
(外添剤)
トナーの流動特性、帯電特性等を改善する目的でトナー粒子と各種金属酸化物等の無機粉末等を混合して使用する方法が提案されており、添加剤と呼ばれている。また必要に応じて該無機粉末表面の疎水性、帯電特性等を改質する目的で特定のシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、シリコーンオイル、有機酸等で処理する方法、特定の樹脂を被覆する方法なども提案されている。前記無機粉末としては、例えば、二酸化珪素(シリカ)、二酸化チタン(チタニア)、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化鉄、酸化銅、酸化錫等が知られている。特にシリカや酸化チタン微粒子とジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、シリコーンオイル等の有機珪素化合物とを反応させシリカ微粒子表面のシラノール基を有機基で置換し疎水化したシリカ微粒子が用いられている。
トナー表面には、上述の外添剤としての無機微粒子が、トナー母体100重量部に対して、1.3〜3.2重量部添加されていることが好ましい。
これらの中で2種以上の粒径の異なる外部添加剤を含有することが好ましく、平均粒径で2〜5倍程度の粒径差のある外部添加剤を含有することが好ましい。2種以上の粒径の異なる外部添加剤を含有しない場合は、経時での外部添加剤のトナー母体への埋没が急激に進み、トナー流動性の悪化が急激に進んでしまう。トナーの流動性が低下することによる画像むらが発生しやすく、また、トナーへの付着力が強くなり難く、トナーからの脱離が容易に起こり、感材傷、画像ぬけの原因となる。2種以上の粒径の異なる外部添加剤を含有すれば、大粒径外部添加剤がスペーサーの役割を果たし、トナー流動性に効果がある小粒径外部添加剤のトナー母体への埋没が防止され、トナー流動性を維持できる。また、原因は不明ではあるが、経時での現像担持体の薄層が均一となる。
例えば、大きな粒径の外部添加剤とは、BET比表面積が30から80m /gの範囲にあるものが好ましく、BET比表面積がこの範囲にあれば、種々の表面処理されたものが使用可能であり、特に、40から60m /gのものがより好ましい。30m /g未満の場合はトナーの流動性が急激に低下することによる画像むらが発生しやすく、また、トナーへの付着力が強くなり難く、トナーからの脱離が容易に起こり、感材傷、画像ぬけの原因となる。これら大きな粒径の外部添加剤は、トナー母体100重量部に対して0.1〜3.0重量部の範囲で添加するのが好ましく、0.8〜2.0重量部の範囲で添加するのがより好ましい。0.1重量部未満の場合は転写不良が発生し、3.0重量部を超える場合ではトナーからの脱離が容易に起こり、感材傷、画像ぬけの原因となる。
小さな粒径の外部添加剤とは、BET比表面積が100から250m /gの範囲にあるものが好ましく、BET比表面積がこの範囲にあれば、種々の表面処理されたものが使用可能であり、特に、120から200m /gのものがより好ましい。特に、トナーの付着力を低減するため効果がある。これらの外部添加剤は、トナー母体100重量部に対して0.1〜3重量部の範囲で添加するのが好ましく、0.5〜1.5重量部の範囲で添加するのがより好ましい。0.1重量部未満の場合は、その効果が十分に発揮されにくく、3重量部を超えると、トナーから脱離する外部添加剤が多くなり、感光体傷等を引き起こし易くなる。
(着色剤)
また、本発明のトナーの、他の構成材料を以下に示す。
本発明に用いられる着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用できる。例えば、ブラックトナーに用いる黒色系着色剤としては、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒等が使用できる。イエロートナーに用いる黄色系着色材としては、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー等が使用できる。
マゼンタトナーに用いる赤色系着色剤としては、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレトVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ等が使用できる。
シアントナーに用いる青色系着色剤としてはコバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン等が使用できる。その他の着色剤としては酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。使用量は一般にバインダー樹脂100重量%に対し0.1〜50重量%である。
特に着色剤については前記バインダー樹脂であらかじめ処理することにより、顔料のバインダー樹脂への分散性を高め、前記含有量で十分な着色力を得、トナーの透明性、発色性を高め、帯電制御をしやすくできる。樹脂による前処理はバインダー樹脂と着色剤を一定の割合で溶融混練し、粗粉砕したものである。混合比は一般に着色剤1重量%に対し樹脂1〜5重量%が望ましい。樹脂1重量%に対し、着色剤が1重量%未満では着色剤を十分分散させることができない。また着色剤1重量%にたいし樹脂5重量%より多くなると着色剤に分散力が働かず十分な分散ができない。2種以上の着色剤を用いる場合は個々で処理を行っても、またあらかじめ顔料を混合してから処理しても良い。
(ワックス)
製造されるトナーに離型性を持たせる為に、トナーの中にワックスを含有させても良い。前記ワックスは、その融点が40〜120℃のものであり、特に50〜110℃のものであることが好ましい。ワックスの融点が過大のときには低温での定着性が不足する場合があり、一方、融点が過小のときには耐オフセット性、耐久性が低下する場合がある。なお、ワックスの融点は、示差走査熱量測定法(DSC)によって求めることができる。すなわち、数mgの試料を一定の昇温速度、例えば(10℃/min)で加熟したときの融解ピーク値を融点とする。
本発明に用いることができるワックスとしては、例えば固形のパラフィンワックス、マイクロワックス、ライスワックス、脂肪酸アミド系ワックス、脂肪酸系ワックス、脂肪族モノケトン類、脂肪酸金属塩系ワックス、脂肪酸エステル系ワックス、部分ケン化脂肪酸エステル系ワックス、シリコーンワニス、高級アルコール、カルナウバワックスなどを挙げることができる。また低分子量ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンなども用いることができる。特に、環球法による軟化点が70〜150℃のポリオレフィンが好ましく、さらには当該軟化点が120〜150℃のポリオレフィンが好ましい。
潜像担持体11や一次転写媒体41に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることができる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01から1μmのものが好ましい。
(粉砕法)
本発明のトナーの製造方法は従来公知のいずれの方法でもよく、少なくともバインダー樹脂と着色剤と帯電制御剤を含むトナー原材料を機械的に混合する工程と、溶融混練する工程と、得られた混練物を冷却粉砕する工程と、分級する工程とを有するトナーの製造方法が適用できる。また機械的に混合する工程や溶融混練する工程において、粉砕または分級する工程で得られる製品となる粒子以外の粉末を戻して再利用する製造方法も含まれる。
ここで言う製品となる粒子以外の粉末(副製品)とは溶融混練する工程後、粉砕工程で得られる所望の粒径の製品となる成分以外の微粒子や粗粒子や引き続いて行われる分級工程で発生する所望の粒径の製品となる成分以外の微粒子や粗粒子を意味する。このような副製品を混合工程や溶融混練する工程で原料と好ましくは主原材料100に対し副製品を1〜20重量%混合するのが好ましい。
以上の混合工程が終了したら、次いで混合物を混練機に仕込んで溶融混練する。溶融混練機としては、一軸、二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所社製KTK型2軸押出機、東芝機械社製TEM型押出機、ケイ・シー・ケイ社製2軸押出機、池貝鉄工所社製PCM型2軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。この溶融混練は、バインダー樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが重要である。具体的には、溶融混練温度は、バインダー剤樹脂の軟化点を参考に行うべきであり、軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温過ぎると分散が進まない。
以上の溶融混練工程が終了したら、次いで混練物を粉砕する。この粉砕工程においては、まず粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
この粉砕工程が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中で分級し、もって所定の粒径例えば平均粒径が5〜20μmのトナーを製造する。
また、トナーを調製する際には、トナーの流動性や保存性、現像性、転写性を高めるために、以上のようにして製造されたトナーにさらに先に挙げた疎水性シリカ微粉末等の無機微粒子を添加混合してもよい。添加剤の混合は一般の粉体の混合機が用いられるがジャケット等装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。添加剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中または漸次添加剤を加えていけばよい。もちろん混合機の回転数、転動速度、時間、温度などを変化させてもよい。はじめに強い負荷を、次に比較的弱い負荷を与えても良いし、その逆でも良い。使用できる混合設備の例としては、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。次いで、250メッシュ以上の篩を通過させ、粗大粒子、凝集粒子を除去し、本発明のトナーを得る。
なお、本発明に係る現像装置では、上記のように製造されたトナーを、主に磁性キャリアを使用しない1成分系の非磁性トナーとして使用するが、この他に、トナー中に磁性成分を含有させ、1成分系の磁性トナーとして用いることも可能である。
また、本発明の画像形成装置で使用されるトナーとしては、上記のような粉砕法により製造されるトナーの他、重合法により製造されるトナーとすることも可能である。
これら重合法で製造されるトナーのうち、少なくとも、活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中にそれぞれ溶解又は分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られる。以下に、トナーの構成材料及び製造方法について説明する。
(変性ポリエステル)
本発明に係るトナーはバインダ樹脂として変性ポリエステル(i)を含む。変性ポリエステル(i)としては、ポリエステル樹脂中にエステル結合以外の結合基が存在したり、またポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合、イオン結合などで結合した状態をさす。具体的には、ポリエステル末端に、カルボン酸基、水酸基と反応するイソシアネート基などの官能基を導入し、さらに活性水素含有化合物と反応させ、ポリエステル末端を変性したものを指す。
変性ポリエステル(i)としては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応により得られるウレア変性ポリエステルなどが挙げられる。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合物で、かつ活性水素基を有するポリエステルを、さらに多価イソシアネート化合物(PIC)と反応させたものなどが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
ウレア変性ポリエステルは、以下のようにして生成される。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。
なお、2価アルコール(DIO)、及び3価以上の多価アルコール(TO)としては、上記粉砕法で使用したのと同様のものを使用することができる。
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。
なお、2価カルボン酸(DIC)、及び3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、上記粉砕法で使用したのと同様のものを使用することができる。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
なお、多価アルコール化合物(PO)、及び多価カルボン酸(PC)としては、上記粉砕法で使用されたものの他、重縮合により活性水素基を有するポリエステルを形成できるものであれば、他のものを使用することも可能である。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
本発明で用いられる変性ポリエステル(i)は、ワンショット法、プレポリマー法により製造される。変性ポリエステル(i)の重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。この時のピーク分子量は1000〜10000が好ましく、1000未満では伸長反応しにくくトナーの弾性が少なくその結果耐ホットオフセット性が悪化する。また10000を超えると定着性の低下や粒子化や粉砕において製造上の課題が高くなる。変性ポリエステル(i)の数平均分子量は、後述の変性されていないポリエステル(ii)を用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。(i)単独の場合は、数平均分子量は、通常20000以下、好ましくは1000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
変性ポリエステル(i)を得るためのポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
(未変性ポリエステル)
本発明においては、前記変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、未変性ポリエステル(ii)をバインダ樹脂成分として含有させることもできる。(ii)を併用することで、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(ii)としては、前記(i)のポリエステル成分と同様な多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
(ii)のピーク分子量は、通常1000〜10000、好ましくは2000〜8000、さらに好ましくは2000〜5000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。(ii)の酸価は1〜5が好ましく、より好ましくは2〜4である。ワックスに高酸価ワックスを使用するため、バインダは低酸価バインダが帯電や高体積抵抗につながるので二成分系現像剤に用いるトナーにはマッチしやすい。
バインダ樹脂のガラス転移点(Tg)は通常35〜70℃、好ましくは55〜65℃である。35℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、70℃を超えると低温定着性が不十分となる。ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、本発明のトナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
また更に、荷電制御剤、離型剤、着色剤については、粉砕法で使用したものと同様のものを使用することができる。
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
(トナーの製造方法)
1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を右する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
樹脂微粒子は、水性分散体を形成しうる樹脂であればいかなる樹脂も使用でき、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよい。例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。樹脂としては、上記の樹脂を2種以上併用しても差し支えない。
このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。例えばビニル系樹脂としては、ビニル系モノマーを単独重合また共重合したポリマーで、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂が挙げられる。樹脂微粒子の平均粒径は5〜200nm、好ましくは20〜300nmである。また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
5)上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。
荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
本発明に係る現像装置では、上記のように製造されたトナーを、主に磁性キャリアを使用しない1成分系の非磁性トナーとして使用するが、この他に、トナー中に磁性成分を含有させ、一成分系の磁性トナーとしても用いることもできる。
上記製造方法により得られるトナーは、カラートナーとして用いることが好ましい。細線、微小ドットの再現性に優れ、トナーの粒状性にも優れており、中間色のカラーの再現性に優れていることからカラー画像を形成するカラートナーに用いることにいっそう適している。
以下、本発明について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。先ず、実施例、比較例で使用するトナーカートリッジの形態を示す。
(カートリッジC1)
[カートリッジC1]には、トナーを攪拌/移動させる搬送パドル(回転体)32aと、搬送パドル(回転体)32aと接触して、カートリッジ32内部へのトナーの返送を促進するリブ35(板状部材)をカートリッジ32内壁に設けた。図11に[カートリッジC1]の断面図を示す。
(カートリッジC2)
[カートリッジC2]には、トナーを攪拌/移動させる搬送パドル(回転体)32aのみを設けた。図12に[カートリッジC2]の断面図を示す。
(合成例1)
〜ポリエステル樹脂aの合成〜
攪拌装置、温度計、窒素導入口、流下式コンデンサー、冷却管付き4つ口セパラブルフラスコに、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン740g、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン300g、テレフタル酸ジメチル466g、イソドデセニル無水コハク酸80g、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリn−ブチル114gをエステル化触媒とともに加えた。
次いで、窒素雰囲気下、210℃で8時間反応させ、その後、210℃減圧にて攪拌しつつ5時間反応させた。これによりガラス転移温度(Tg)62℃、Mw/Mn比5.1、の[ポリエステル樹脂a]を合成した。
(合成例2)
〜ポリエステル樹脂bの合成〜
合成例1において、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン650g、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン650g、イソフタル酸515g、イソオクテニルコハク酸70g、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸80gをエステル化触媒とともにフラスコに加えた以外は、合成例1と同様の装置、同様の処方にて反応させたが、反応時間をそれぞれ短縮して、[ポリエステル樹脂b]を合成した。
得られた[ポリエステル樹脂b]は、ガラス転移温度(Tg)61℃、Mw/Mn比2.7であった。
(合成例3)
〜ポリエステル樹脂cの合成〜
合成例2と同様な処方で、合成例1と同様の方法により、[ポリエステル樹脂c]を合成した。
得られた[ポリエステル樹脂c]はガラス転移温度(Tg)67℃、Mw/Mn比4.6であった。
(製造例1)
〜母体トナーAの作製〜
原料組成
結着樹脂:ポリエステル樹脂a・・・100質量%
着色剤:カーボンブラック・・・5質量%
帯電制御剤:ボントロンE−84(オリエント化学工業社製)・・・2質量%
上記トナー材料をヘンシェルミキサー(三井三池社製)を用いて混合した後、ロール表面を100℃に設定した2本ロールにより30分間混練を行った。その後、圧延冷却、粗粉砕後、ジェットミル方式の粉砕機(I−2式ミル:日本ニューマチック工業社製)と旋回流による風力分級(DS分級機:日本ニューマチック工業社製)を行い、重量平均粒径が7.0μmのブラックの[母体トナーA]を得た。
〜トナーT1の作製〜
[母体トナーA]100質量%に対し、添加剤として疎水性シリカH2000(クラリアントジャパン社製 BET比表面積120m/g)を1.8質量%、及びRX−50(日本アエロジル社製 BET比表面積50m/g)を1.2質量%添加し、ヘンシェルミキサーで混合して[トナーT1]を作製した。[トナーT1]の重量平均粒径は7.0μm、粉壁崩壊角は50°、凝集度は12%、ゆるみ見掛け密度は0.42g/cmであった。
(製造例2〜製造例4)
〜母体トナーB〜母体トナーDの作製〜
製造例1において、処方については表1に示す結着樹脂、帯電制御剤の種類及び量を用いた以外は、製造例1と同様にして、[母体トナーB]〜[母体トナーD]を作製した。なお、帯電制御剤としては以下のものを用いた。
帯電制御剤:ボントロンE−84(オリエント化学工業社製)
・帯電制御剤:ボントロンX−11(オリエント化学工業社製)
Figure 2006308886
〜トナーT2〜トナーT8の作製〜
製造例1において、処方については表2に示す母体トナー、添加剤を用いた以外は、製造例1と同様にして[トナーT2]〜[トナーT8]を作製した。[トナーT2]〜[トナーT8]の重量平均粒径、粉壁崩壊角、凝集度、ゆるみ見掛け密度についても表2に示す。
なお、添加剤としては以下のものを用いた。
シリカ(H−2000、クラリアントジャパン社製 BET比表面積120m/g)
シリカ(H−3004、クラリアントジャパン社製 BET比表面積200m/g)
シリカ(RX−50、日本アエロジル社製 BET比表面積50m/g)
Figure 2006308886
本発明で使用する静電荷像現像用トナー(現像剤)としては、前記の粉砕トナーに何ら限定されるものでなく、重合トナーを使用しても良い。以下に重合トナーの製造例を記載する。
(製造例5)
〜無機微粒子の作製〜
コア用原料の液状SiClを液体原料供給装置を用いてキャリアガスとしてArガスを流量300SCCM(毎分標準体積流量(CC))で吹き込み、流量250SCCMのSiCl蒸気を、Hガス20SLM(毎分標準体積流量(L))、Oガス20SLMと共にコア用バーナーに送り火炎加水分解、融合させてSiO微粒子を生成させた。この微粒子を所定の一次粒子径になるまで成長させ、得られた微粒子をヘキサメチルジシラザンにより疎水化処理を行ない、平均一次粒子径が5nmの[無機微粒子1]を得た。
(製造例6)
〜有機微粒子エマルションの合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン80部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、チオグリコール酸ブチル12部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液を得た。これを、[微粒子分散液1]とする。該[微粒子分散液1]をレーザー回折式粒度分布測定器(LA−920 島津製)で測定した体積平均粒径は、120nmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは42℃であり、重量平均分子量は3万であった。
(製造例7)
〜水相の調製〜
水990部、[微粒子分散液1]65部、ドデシルジフェニルェーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノール MON−7 三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
(製造例8)
〜低分子ポリエステルの合成〜
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[低分子ポリエステル1]を得た。[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2500、重量平均分子量6700、Tg43℃、酸価25であった。
(製造例9)
〜中間体ポリエステルの合成〜
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価51であった。
(製造例10)
〜少なくとも活性水素基を有する化合物と反応可能な変性されたポリエステル系樹脂(プレポリマー1という)の合成〜
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、前記[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート125部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、平均2.15個であった。
(製造例11)
〜ケチミンの合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行ない、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
(製造例12)
〜マスターバッチの合成〜
水1200部、カーボンブラック(キャボット社製、リーガル400R)40部、ポリエステル樹脂(三洋化成製、RS801)60部を、さらには水30部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
(製造例13)
〜油相、すなわち無機微粒子を含有するトナー組成物の作製〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、前記[低分子ポリエステル1]400部、カルナバワックス110部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1Kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、ワックスの分散を行なった。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部、前記の[無機微粒子1]34部を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・ワックス分散液1]を得た。[顔料・ワックス分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
(製造例14)
〜乳化〜
[顔料・ワックス分散液1]648部、[プレポリマー1]を154部、[ケチミン化合物1]8.5部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数10000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
すなわち、樹脂微粒子を含む水系媒体中で分散させると共に伸長反応が行なわれる。
(製造例15)
〜脱溶剤〜
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行ない、[分散スラリー1]を得た。
(製造例16)
〜洗浄・乾燥〜
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液1OO部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い、ケーキ状物を得た。これを、[濾過ケーキ1]とする。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmメッシュで篩い、重量平均粒径が6.5μmの[母体トナーE]を得た。
(製造例17)
〜帯電制御剤、無機微粒子の固定化〜
[母体トナーE]を100質量%、帯電制御剤(ボントロンE−84、オリエント化学工業社製)1.5部をQ型ミキサー(三井鉱山社製)に仕込み、タービン型羽根の周速を50m/secに設定して混合処理した。混合操作は、2分間運転、1分間休止を5サイクル行い、合計の処理時間を10分間とした。
さらに、シリカ(H−2000、クラリアントジャパン社製)1.8質量%、(RX−50、日本アエロジル社製)1.2質量%を添加し混合処理した。混合操作は、周速を15m/secとして30秒混合、1分間休止を5サイクル行い、[トナーT9]を得た。[トナーT9]の重量平均粒径は6.5μm、粉壁崩壊角は55°、凝集度は13%、ゆるみ見掛け密度は0.40g/cmであった。
(製造例18〜製造例20)
〜母体トナーF〜母体トナーHの作製〜
上記乳化工程のTKホモミキサーの回転数・時間、脱溶剤工程での温度・時間を逐次変更して、重量平均粒径の異なる[母体トナーF]〜[母体トナーH]を得た。
〜トナーT10〜トナーT14の作製〜
製造例17において、処方については表3に示す母体トナー、添加剤を用いた以外は、製造例17と同様にして[トナーT10]〜[トナーT14]を作製した。
[トナーT10]〜[トナー14]の重量平均粒径、粉壁崩壊角、凝集度、ゆるみ見掛け密度についても、表3に示す。
Figure 2006308886
(実施例1)
リコー製「IMAIO NEO C320」を用いてコピーテストを実施し、画像評価を行った。本実施例ではトナーカートリッジとして[カートリッジC1]を、トナーとして[トナーT1]を用いた。評価結果を表4に示す。
(実施例2〜実施例9)
実施例1において、トナーを[トナー2]〜[トナー5],[トナー9]〜[トナー12]のいずれかを用いた以外は実施例1と同様にして画像評価を実施した。評価結果を表4に示す。
(比較例1〜比較例5)
実施例1においてトナーカートリッジとして[カートリッジC1]又は[カートリッジC2]を、トナーとして[トナー1]〜[トナー14]のいずれかを用いたい以外は実施例1と同様にして画像評価を実施した。評価結果を表4に示す。
<画像評価>
以下に、表4に記載する画像評価について詳細を示す。コピーテストは、トナー補給を6回繰り返し、10万枚フルカラーモードで実施した。得られた画像の画質は、地肌汚れ、白スジ画像等の有無を目視で評価した。いずれの項目も3%画像面積の画像チャートを10万枚まで連続でランニングした後、以下に述べる評価を行った。
(1)地肌汚れ
白紙画像を現像中に停止させ、現像後の感光体上の現像剤をテープ転写し、未転写のテープの画像濃度との差を938スペクトロデンシトメーター(X−Rite社製)により測定した。
(2)白スジ、薄層形成性
コピーテスト開始直後と10万枚コピー実施後における現像剤担持体上トナーの薄層形成および白スジ画像の有無について、下記基準により評価した。
[評価基準]
:均一で良好な状態である。
△ :0.3mm未満幅の白スジが若干見られるが画像にはスジがはっきり出ない状態である。
× :0.3mm以上幅の白スジが発生し、画像にも白スジとしてはっきり画像が抜けている状態である。
(3)フィルミング
現像スリーブまたは感光体上のトナーフィルミング発生状況の有無を観察し、下記基準により評価した。
[評価基準]
:フィルミングがない。
△ :スジ状のフィルミングが見られる
× :全体的にフィルミングがある。
Figure 2006308886
表4で示されるように、本発明に係るトナーを使用した実施例1〜9では、長期の使用においても、地肌よごれ、白スジ、フィルミング等もなく、良好な結果が得られた。
一方、比較例1〜3では、返送促進手段としてのリブを設けていないカートリッジを使用しており、初期での品質には問題ないものの、長期間での使用において地肌汚れや白スジといった、品質劣化を招く結果となった。
また、比較例4、5では、トナーの粉壁崩壊角が、本発明の規定範囲外にあるため、経時での使用により、地肌汚れや白スジ等の品質劣化が見られた。
本発明の第一実施形態に係る現像装置の概略構成を示す図である。 第一実施形態に係る現像装置のトナーカートリッジ及び現像ホッパー内部の構成を簡略に示した図である。 トナーカートリッジ内のトナーの、第二搬送パドルの回転に伴う動きを示す図である。 トナーの粉壁崩壊角の測定方法を説明するための図である。 本発明の第二実施形態に係る現像装置の概略構成を示す図である。 本発明の現像装置における現像ユニットに配置される制御弁の構造を示す概略図である。 第2実施形態に係る現像装置で、トナーカートリッジ側から現像ユニットにトナーが供給される状態を模式的に説明するための図である。 現像ユニットとトナーカートリッジとの間におけるトナーの移動について模式的に示した図である。 現像ユニットとトナーカートリッジとの間におけるトナーの移動について模式的に示した図である。 現像ユニットとトナーカートリッジとの間におけるトナーの移動について模式的に示した図である。 本発明の画像形成装置の構成を示す概略図である。 本発明の現像装置における連通口33の構成を示した概略図であり、(A)は現像ユニット31側の構成を示し、(B)はトナーカートリッジ側の構成を示している。 [カートリッジC1]内部の構造を示す断面図である。 [カートリッジC2]内部の構造を示す断面図である。
符号の説明
1 画像形成装置
11 感光体
12 感光体クリーニングユニット
13 第1の帯電手段
14 駆動ローラ(感光体)
15、16 従動ローラ(感光体)
20 露光手段
21 レジストローラ
25 給紙ローラ
26 接離機構
30 現像装置
30’ 現像装置
31 現像ユニット
31a 現像スリーブ
31b 供給ローラ
31c 規制ローラ
31d 第1搬送パドル
31e スライドシャッター
31f 弾性部材
31g 窓部
32 トナーカートリッジ
321 第1収納室
322 第2収納室
32a 第2搬送パドル
32b 第3搬送パドル
32c スライドシャッター
32d 弾性部材
32e 固定シール
33 連通口
34 制御弁
34a 支持部
34b フィルム
35 リブ
40 中間転写ベルトユニット
41 中間転写ベルト
42 ベルトクリーニングユニット
43 マークセンサ
44 駆動ローラ(中間転写ベルト)
45 一次転写バイアスローラ
46、47 従動ローラ
49 ベルト位置検出マーク
50 二次転写ユニット
51 二次転写バイアスローラ
60 定着手段
70 両面搬送装置
80 給紙装置
81 給紙ローラ
83 手差しトレイ
90 転写材

Claims (10)

  1. 少なくとも、潜像担持体と、潜像担持体上にトナー画像を形成して現像する現像装置と、を有し、前記トナー像を定着媒体に定着させる画像形成装置において、
    前記現像装置は、少なくとも、画像形成部にトナーを供給する現像ユニットと、
    前記現像ユニットにトナーを供給するカートリッジ部と、
    前記カートリッジ部から前記現像ユニットに供給するトナーを、一次的に貯留するホッパー部と、を有し、前記カートリッジ部と前記ホッパー部との間を隔てる内壁に設けられた補給孔より、前記ホッパー部のトナーの一部が、前記カートリッジ部内に返送可能な現像装置であり、
    前記カートリッジ部は、少なくとも、トナーを攪拌/移動させる回転体と、該回転体と接触して前記カートリッジ内部へのトナーの返送を促進する返送促進手段と、を有し、
    前記トナーは、粉壁崩壊角が、30°〜70°である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    前記回転体は、湾曲可能な一枚の羽根からなる
    ことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
    前記返送促進手段は、前記カートリッジ部内壁に備えられた板状部材である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記現像装置は、凝集度が6〜15%の範囲のトナーを使用する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記現像装置は、ゆるみ見掛け密度が0.35〜0.50の範囲にあるトナーを使用する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記トナー表面には、外添剤が付着されてなり、
    前記外添剤の添加量は、トナー母体100重量部に対して、1.3〜3.2重量部である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1ない6のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記トナー表面には、少なくとも2種類の粒径を有する外添剤を添加されてなり、
    前記外添剤の各粒径粒子ごとの添加量は、トナー母体100重量部に対して、0.1〜3.0重量部である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  8. 少なくとも、画像形成部にトナーを供給する現像ユニットと、
    前記現像ユニットにトナーを供給するカートリッジ部と、
    前記カートリッジ部から前記現像ユニットに供給するトナーを、一次的に貯留するホッパー部と、を有する現像装置において、
    前記現像装置は、前記カートリッジ部の室内と前記ホッパー部の室内の間に存在する壁に、補給孔を有し、該補給孔より、前記ホッパー部内のトナーの一部が、前記カートリッジ部内に返送可能な現像装置において、
    前記カートリッジ部は、少なくとも、トナーを攪拌/移動させる回転体と、該回転体と接触して前記カートリッジ部内部へのトナーの返送を促進する返送促進手段と、を有し、
    前記トナーは、粉壁崩壊角が、30°〜70°である
    ことを特徴とする現像装置。
  9. 前記現像装置は、更に、請求項2〜7のいずれかに記載の画像形成装置に備えられる
    ことを特徴とする現像装置。
  10. 静電潜像が形成される像担持体と、像担持体表面に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤で現像し、トナー画像を形成する現像装置とを少なくとも含んで一体に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に形成されるプロセスカートリッジにおいて、
    前記現像装置は、請求項8又は9に記載の現像装置である
    ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
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