JP5446613B2 - 電子写真用トナー、一成分現像剤、二成分現像剤、画像形成方法、画像形成装置およびプロセスカートリッジ。 - Google Patents
電子写真用トナー、一成分現像剤、二成分現像剤、画像形成方法、画像形成装置およびプロセスカートリッジ。 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5446613B2 JP5446613B2 JP2009199823A JP2009199823A JP5446613B2 JP 5446613 B2 JP5446613 B2 JP 5446613B2 JP 2009199823 A JP2009199823 A JP 2009199823A JP 2009199823 A JP2009199823 A JP 2009199823A JP 5446613 B2 JP5446613 B2 JP 5446613B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- toner
- image
- image forming
- pigment
- developing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Electrophotography Configuration And Component (AREA)
- Developing Agents For Electrophotography (AREA)
Description
特に、オンデマンドのデジタル印刷に電子写真方式の画像形成が使用されつつある昨今、前記トナー技術における高光沢性を保持し、定着オフセットバンドおよび色再現範囲の広範囲化が要求されている。
この重合法による造粒は、水はもとより、溶剤、界面活性剤、分散安定剤などの種々の材料を使用するため、トナーの諸特性が所望の特性となるように材料の分散性をコントロールしながら造粒することが不可欠であるが、使用する材料の相性が伴うため、従来よりもコントロールすることは大変難しく、技術要求レベルはさらに高くなっている。
その結果、トナー中の顔料分散が良好な状態と比較し、単位重量あたりの吸収スペクトル強度が低下し、これにより着色度や色度が期待している品質よりも劣ってしまうという問題があった。
そのため、顔料がトナー表面に偏在する場合でも、カブリ等の生じないトナーが求められている。
式(3): 顔料(1):顔料(2)=10:90〜100:0
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載の電子写真用トナーにおいて、前記式(1)あるいは前記式(1)と前記式(2)の顔料を含む顔料の総含有量が、全樹脂100重量部に対し1.0〜15.0重量部であることを特徴とする。
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の電子写真用トナーにおいて、前記式(1)あるいは前記式(1)と前記式(2)の顔料の含有量が、全樹脂100重量部に対し1.0〜15.0重量部であることを特徴とする。
(6)本発明の一成分現像剤は、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の電子写真用トナーからなることを特徴とする。
(7)本発明の二成分現像剤は、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の電子写真用トナーとキャリアとからなることを特徴とする。
(8)本発明の画像形成方法は、少なくとも像担持体表面を帯電させる帯電工程と、像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体上に転写して未定着画像を形成する転写工程と、前記未定着画像を前記記録媒体に定着させる定着工程とを有する画像形成方法であって、
前記可視像の形成に用いられるトナーが、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の電子写真用トナーであることを特徴とする。
(9)また本発明の画像形成装置は、少なくとも像担持体と、前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電された像担持体表面に露光を行い静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を、トナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段と、前記現像されたトナー像を記録媒体上に転写して未定着画像を形成する転写手段と、前記未定着画像を前記記録媒体に定着させる定着手段とを備えた画像形成装置であって、
前記可視像の形成に用いられるトナーが、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の電子写真用トナーであることを特徴とする。
(10)本発明のプロセスカートリッジは、像担持体と、前記像担持体の表面を帯電する帯電手段、帯電された像担持体表面に露光を行い静電潜像を形成する露光手段、形成された静電潜像を、トナーを用いて現像する現像手段、現像されたトナー像を記録媒体に転写させる転写手段、転写後に前記像担持体の表面に残存したトナーを除去するクリーニング手段から選択される少なくとも一つの手段とが一体化し、画像形成装置本体に着脱可能であるプロセスカートリッジであって、
前記トナーが、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の電子写真用トナーであることを特徴とする。
また本発明の画像形成方法及びの画像形成装置によれば、プロセス線速が高速でも異常画像の発生がなく、高画質で安定した画像を出力することができる。また、本発明の画像形成方法および画像形成装置を用いれば、電子写真法を用いた電子写真応用分野(例えば、静電式複写機やレーザービームプリンタ等)に広く適用することができる。
本発明のトナーは、水系媒体中で生成されるトナー(重合トナー)である。ここにいう重合トナーとは、有機溶媒中に、結着樹脂又は結着樹脂前駆体の少なくとも1つと、着色剤の含有物を溶解又は分散させた溶解液又は分散液からなる油相を、水系媒体中に分散させて乳化分散液を得、トナー粒子を造粒することにより得られるトナーであることを意味する。
本発明のトナーで用いられる前記着色剤には、顔料と、樹脂とを予め溶融混練して得られた溶融混練物が用いられる。顔料としては特に下記式(1)、または下記式(1)と(2)で表されるマゼンタ顔料の併用によるマゼンタ顔料が好ましく用いられる。
即ち、本発明の前記課題を解決するには、マゼンタ顔料として式(1)を含む顔料を予め樹脂と溶融混練した溶融混練物を用いることが好ましい。
下記式(1)の顔料が好ましい理由は、前記顔料分子の端部に結合している塩素基の影響による。
その理由は、この塩素基が、例えばPR269よりも外側に結合していることで、最表面に式(1)の顔料がトナー中で偏在した場合においても、ハロゲン元素特有の電子供与性により、トナーの帯電を負側にさせやすくすることができるからである。
また、PR269のように、式(1)の顔料よりも塩素基が分子の幾分内部に存在するPR269を単独で使用した場合は、式(1)の顔料を使用する場合と比較して、画質の低下が生じやすい。
その理由は、PR269には現像剤の帯電時に帯電部材またはキャリアと塩素基の接触機会がトナーを負側へ帯電させにくい特徴がある。このため、PR269を単独で使用するとトナーの負帯電性が低下し、相対的に弱負帯電トナーとなるため、この帯電の状態(弱負帯電)で現像したトナーはカブリなどの出力画像の画質低下の原因となるからである。
添加量比が10:90より式(1)のマゼンタ顔料が少なくなる場合は、負帯電量が低下し、かぶり等の画質低下につながり、本発明を達成することが出来ない。
また、添加量が15.0重量部よりも多い場合には着色度が高まり、彩度の低いトナーができる場合があり、好ましい条件ではない。
また、添加量が15.0重量部よりも多い場合には着色度が高まり、彩度の低いトナーができる場合があり、好ましい条件ではない。
本発明のトナーを製造するのに用いられる樹脂としては、従来より公知の結着樹脂が使用される。例えば、スチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、石油樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラート樹脂などが挙げられるが、特に定着特性の面からポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
前記のポリエステル樹脂は、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分との重縮合反応によって得ることができる。ポリエステル樹脂を構成するモノマーとしては、限定されるものではないが以下のものが挙げられる。
本発明において好ましく用いられる結着樹脂、特にポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、トナーの耐熱保存性が悪化しない範囲で低いことが望ましいが、一般的には、そのTgは40〜70℃、好ましくは60〜65℃である。Tgが40℃より低いと定着時にトナーの一部が定着ローラに付着し易くなり、Tgが70℃より高くなると、トナーの定着下限温度が高くなるため、トナーの低温定着性が悪化する。
なお、ガラス転移温度(Tg)は、後述のトナーのTgと同様に理学電機社製TG−DSCシステム(TAS−100)を使用して測定することができる。
本発明の画像形成用トナーでは、低温定着性と耐熱保存性の両立、適度な光沢性(光沢度)を得るため、トナー中の樹脂(例えば、ポリエステル樹脂)の重量平均分子量(Mw)が1000〜500000程度であることが望ましい。なお、重量平均分子量(Mw)はこれに替えて数平均分子量(Mn)で測定しても構わない。
重量平均分子量(Mw)あるいは数平均分子量(Mn)は、以下のようにして測定することができる。
結着樹脂の重量平均分子量(Mw)はGPC(gel permeation chromatography)によって以下の条件で測定する。
・装置:GPC−150C(ウォーターズ社製)
・カラム:KF801〜807(ショウデックス社製)
・温度:40℃
・溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
・流速:1.0mL/分
・試料:濃度0.05〜0.6%の試料を0.1mL注入
以上の条件で測定した結着樹脂の分子量分布から、単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量の校正曲線を使用して結着樹脂の質量平均分子量を算出する。
結着樹脂の数平均分子量はGPCによって以下の条件で測定する。
・装置:GPC−150C(ウォーターズ社製)
・カラム:KF801〜807(ショウデックス社製)
・温度:40℃
・溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
・流速:1.0mL/分
・試料:濃度0.05〜0.6%の試料を0.1mL注入する。
また、THF100mlに試料(結着樹脂)1gを添加した時の不溶分が75重量%以上である場合は、溶媒として、DMF(ジメチルホルムアミド)を用いる。なお、数平均分子量は、単分散ポリスチレン標準試料を用いて作成した分子量の校正曲線から算出する。
顔料と、樹脂とのマスターバッチを予め溶融混練法により作製し、それを着色剤としてトナーに使用しても良い。この場合、一般的に知られている混練機がすべて使用することができる。例えば、連続式の2軸押出し機(例えば、神戸製鋼所社製のKTK型2軸押出し機、東芝機械社製のTEM型2軸押出し機、池貝鉄工社製のPCM型2軸押出し機、栗本鉄工所社製のKEX型2軸押出し機)、連続式の1軸混練機(例えば、ブッス社製のコ・ニーダ、KCK社の混練機)、ニーデックス混練機(三井鉱山社製)の熱混練機を用いて構成材料をよく混練する。
上記のようにして得られる本発明で用いられるマスターバッチは、結着樹脂、離型剤等と混合されてトナーを形成するが、この場合、マスターバッチはその顔料の総添加分が、結着樹脂100重量部に対して、1.0〜15.0重量部となる量で添加される。
本発明で使用可能なマゼンタトナー用マスターバッチは上記のようにして得られるが、その他、本発明の画像形成用トナーに用いられる他色の着色剤(染料および顔料)としては、公知のものが全て使用できる。
例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボンおよびこれらの混合物が挙げられる。
着色剤の含有量は、画像形成用樹脂に対して通常1〜15重量部であることが好ましい。
本発明のトナーは、必要に応じて、帯電制御剤を含有する。帯電制御剤には、従来から使用されている公知のものが全て使用できる。例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩および、サリチル酸誘導体の金属塩等である。
また、本発明では、トナーを使用する画像形成装置がオイル塗布定着方式の場合は離型剤を特に使用する必要はないが、画像形成装置がオイルレス定着方式の場合などは、必要応じて適量添加しても良い。離型剤は、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、結着樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。
本発明に用いられる外添剤としては、流動性付与、帯電性や現像性付与の目的から、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10-3〜2μmであることが好ましく、特に5×10-3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。
この無機微粒子の添加量は、画像形成用トナーの0.01〜5wt%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
このような外添剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
本発明のトナーが水系媒体中で生成されるもの(重合トナー)では、先ず、上記の着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
ポリエステルには、例えば、多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合反応で得られるポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)が好ましく用いられる。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体は、水単独でもよいし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中に界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加えるのは、着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤等の分散を良好にするためである。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
樹脂微粒子は、水性分散体を形成しうる樹脂であればいかなる樹脂も使用でき、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよい。例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。樹脂としては、上記の樹脂を2種以上併用しても差し支えない。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。
(B1)〜(B5)のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記(B1)〜(B5)のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、(B1)および(B1)と少量の(B2)の混合物である。
反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添剤として母体粒子に付着させ、トナーを得る。なお、荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモルフォロジーも滑らかなもの(たとえば連続多様体)から梅干形状の間で制御することができる。
本発明の画像形成用トナーの重量平均粒径は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、粒状度や鮮鋭性、細線再現性の優れた高品位の画像を得るには、重量平均粒径は3.5μm〜10μmであることが好ましい。粒径は小さい程、画像の鮮鋭性や細線再現性に優れる。特にカラー画像形成装置では、画質への要求が厳しく10μm以下のトナーが必要である。特に7.5μm以下が画質に好ましい。一方、トナー粒径が3.5μm未満と小さくなりすぎると、トナーの流動性や転写性が悪化する。ここで、前記トナーの重量平均粒径は、次のようにして求めることができる。
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーIII(いずれもコールター社製)が挙げられる。本発明においては、コールターマルチサイザーIIIを使用し以下のようにして測定した。
本発明の画像形成用トナーのガラス転移温度(Tg)は60〜65℃が好ましい。Tgが前記範囲より高くなると、トナーの定着下限温度が高くなるため、トナーの低温定着性が悪化する。
画像形成用トナーのTg(DSC最大吸熱ピーク)は、理学電機社製TG−DSCシステム(TAS−100)を使用し、TAS−100システム中の解析システムを用いて、融点近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点から算出した。
すなわち、トナーの試料約10mgをアルミ製試料容器に入れ、それをホルダユニットにのせ、電気炉中にセットする。室温から昇温速度10℃/minで180℃まで加熱し、得られた吸熱カーブをもとに算出した。
本発明の一成分現像剤は、上記のトナーが非磁性の一成分トナーあるいは磁性の一成分トナー(磁性トナー)として使用することができる。
磁性トナーとして使用する場合には、上記のトナーに公知の磁性材料を含有させる。即ち、磁性トナー中に含有される磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属、あるいはこれら金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物などが挙げられる。これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2μm程度のものが望ましく、トナー中に含有させる量としては結着樹脂100重量部に対し20〜200重量部、特に好ましくは樹脂成分100重量部に対し40〜150重量部である。
本発明の二成分現像剤に使用されるキャリアとしては、従来より公知の二成分現像剤用のものを使用することができる。
例えば、鉄やフェライト等の磁性体粒子からなるキャリア、このような磁性体粒子を樹脂で被覆してなる樹脂コートキャリア、あるいは磁性体微粉末を結着樹脂中に分散して成るバインダ型キャリア等を使用することができる。
また、磁性キャリアの体積平均粒径は20〜100μm、好ましくは20〜60μmのものを使用することが高画質の確保とキャリアかぶり防止の観点から好ましい。
本発明の画像形成方法は、少なくとも像担持体表面を帯電させる帯電工程と、像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を、画像形成用トナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体上に転写して未定着画像を形成する転写工程と、前記未定着画像を、前記記録媒体に定着させる定着工程とを有する画像形成方法であって、前記可視像を形成するのに用いられる画像形成用トナーが、前述の画像形成用トナーであることを特徴とするものである。
ここで、前記定着工程における記録媒体の搬送速度が、280mm/秒以上であっても画像形成用トナーは良好に定着可能である。
ここで、前記定着手段における記録媒体の搬送速度が、280mm/秒以上であっても画像形成用トナーは良好に定着可能である。
下記に本発明の画像形成装置としてタンデム方式のフルカラー画像形成装置を例に挙げ、図を参照して説明する。
中間転写体50は、無端ベルトであり、その内側に配置された3個の支持ローラ51で張架され、矢印方向に移動可能に設計されている。3個の支持ローラ51の一部は、中間転写体50へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加することが可能な転写バイアスローラとしても機能する。中間転写体50は、その近傍にクリーニングブレードを有するクリーニング装置90が配置されている。また、被転写体95に可視像を転写(二次転写)するための二次転写バイアスを印加することが可能な転写装置80が対向して配置されている。中間転写体50の周囲には、中間転写体50上の可視像に電荷を付与するためのコロナ帯電器58が、中間転写体50の回転方向において、感光体10及び中間転写体50の接触部並びに中間転写体50及び被転写体95の接触部の間に配置されている。
なお、被転写体95としては、転写紙が用いられている。
この画像形成装置においては、帯電装置20が感光体10を一様に帯電させた後、露光装置30が感光体10上に像様に露光を行い、静電潜像を形成する。次に、感光体10上に形成された静電潜像を、現像装置40が現像剤を供給して現像して可視像を形成する。
なお、図2においては、図1に示す画像形成装置と同一の構成については、同一符号を付してその説明を省略する。また、後述する図3及び図4においても同様とする。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図3中、時計回りに回転することが可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するためのクリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの4つの画像形成ユニット18が対向して並置された画像形成手段120が配置されている。画像形成手段120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、画像形成手段120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対の支持ローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される記録紙と中間転写体50とは互いに接触することが可能である。二次転写装置22の近傍には、定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26及びこれに押圧されて配置された加圧ローラ27を備えている。なお、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、記録紙の両面に画像を形成するために、記録紙を反転させるための反転装置28が配置されている。
また、以上に示すような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。
プロセスカートリッジとは、像担持体(感光体)を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段から選ばれた手段を含んだ1つの装置(部品)である。必要に応じてその他の手段、例えば、除電手段を含んでもよい。プロセスカートリッジの形状等は多く挙げられるが、一般的な例として、図5に示すものが挙げられる。
(マゼンタ顔料1)
式(1)の顔料は、以下のようにして製造した。
4−(1−アミノ−2−メトキシフェニル)−フェニルアニリドの塩酸塩0.027molを無水エタノール20mlに溶解し、この溶液に塩化水素を飽和させたエタノール0.5mlを加えた。混合溶液を氷浴中でかき混ぜながら、亜硝酸ペンチルを4gゆっくりと滴下し、加え終わったら氷浴から取り出し、室温に戻して10分間放置した。ここへ無水ジメチルエーテルをゆっくりと滴下し、析出してくるジアゾニウム塩を完全に乾燥しないよう十分留意しながら結晶をろ過して取り出し、ジメチルエーテルとエタノールの等量混合溶液5mlで素早く洗い出し、[ジアゾニウム塩1]を得た。
乾燥していない[ジアゾニウム塩1]とピリジン25mlとを氷浴中で混合しながら1-塩化アニリド-2-ナフトール(紀和化学工業株式会社製、Grounder E)を0.025molピリジン25mlに溶解させた溶液を加え、さらに1時間氷浴で冷やしながら撹拌を続けた。次に、反応混合物を室温に戻し、1時間さらにかき混ぜて深い赤色の液体を得た。この液体を防爆フード中で反応混合物をかき混ぜながら、塩酸50mlと氷300gの混合物に注意深く注ぎ、氷がとけたら600mlの水を加え、生成物をろ過して取り出し、乾燥させた。エタノールによって再結晶を行い、カップリング反応をさせた結晶をケーキ状として取り出し、[式(1)のマゼンタ顔料1]を得た。
温度計、攪拌機、冷却器および窒素導入管の付いた反応槽中にビスフェノールAのPO付加物(ビスフェノールAにプロピレンオキシドが付加したもの:水酸基価320)443部、ジエチレングリコール135部、テレフタル酸422部およびジブチルチンオキサイド2.5部を入れて、230℃で酸価が7になるまで反応させ、さらにその樹脂を冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に410部投入し、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を添加して100℃にて5時間反応させ、ポリエステル樹脂1を得た。このポリエステル樹脂1のピーク分子量16000であった。
次に、トナーの処方に用いる予め一部の[ポリエステル樹脂1]中に着色剤を均一に分散したもの(マスターバッチ1)を以下のようにして調製した。
下記マスターバッチ1の処方に示した材料を、ヘンシェルミキサー(ヘンシェル20B;三井鉱山社製)を用いて1500rpmで3分間混合し、得られた混合物を、2本ロールを用いて120℃で45分間混練後、圧延冷却してパルペライザーで粉砕し、マスターバッチ1を得た。
水: 25部
マゼンタ顔料1: 50部
マゼンタ顔料2:PR238(上記式(2)の構造の顔料(山陽色素社製)) 0部
ポリエステル樹脂1: 50部
以下、水系溶媒によって造粒されたトナーの実施例を示す。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業社製)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。[微粒子分散液1]をLA−920(堀場製作所社製のレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置)で測定した平均粒径は、105nmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。この樹脂の重量平均分子量は15万であった。
水990部、[微粒子分散液1]99部、ドデシルジフェニルェーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業社製)35部、酢酸エチル70部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下に230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧下に5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で1.8時間反応し、[低分子ポリエステル1]を得た。[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2500、重量平均分子量6700、ピーク分子量5000であった。
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧に230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧下に5時間反応した[中間体ポリエステル1] を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価51であった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル2]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1] を得た。
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物1] を得た。
撹拌棒及び温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1]160部、カルナウバワックス32部、酢酸エチル400部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]を樹脂100重量部に対し30部となるように投入後、酢酸エチルを40部を仕込み、1時間混合し固形分量50wt%の[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]464部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、顔料、WAXの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル1]の50%酢酸エチル溶液を420部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液1] を得た。
[顔料・WAX分散液1]885部、[プレポリマー1]を115部、[ケチミン化合物1]2.9部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化社製)を用い5000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数12500rpmで30分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機及び温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、35℃で7時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。また、脱溶剤の途中の段階で、TKホモミキサーにサンプルを移し、回転数12,500rpmで40分間攪拌しトナーを異形化した。
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、更に、得られた粒子100部に対して、帯電制御剤(サリチル酸金属塩E−84:オリエント化学工業社製)0.6部を、ヘンシェルミキサーを用いて1000rpmで混合した後、Q型ミキサー(三井金属工業社製)により5500rpmで混合し、トナーの表面に帯電制御剤を固着させ、[母体トナー1]を得た。
次に、[母体トナー1]100部に疎水性酸化チタン0.7部をヘンシェルミキサーにて混合して[重合トナー1]として作製を完了した。[重合トナー1]の重量平均粒径(Dw)は5.2μm、個数平均粒径(Dn)は4.6μm、ガラス転移温度(Tg)は56℃であった。図6に、[重合トナー1]の透過型電子顕微鏡写真を示す。
(実施例1)の[マスターバッチ1]において、マゼンタ顔料1の添加量を25部、マゼンタ顔料2(上記式(2)の構造の顔料: PR238)の添加量を25部とした[マスターバッチ2]を使用した以外は全て同様の手法にて[重合トナー2]を作製した。
(実施例1)の[マスターバッチ1]において、マゼンタ顔料1の添加量を5部、マゼンタ顔料2の添加量を45部とした[マスターバッチ3]を使用した以外は全て同様の手法にて[重合トナー3]を作製した。
(実施例2)の[マスターバッチ2]の全トナー用樹脂100重量部に対し添加量を15部とした以外は全て同様の手法にて[重合トナー4]を作製した。
(実施例2)の[マスターバッチ2]の全トナー用樹脂100重量部に対し添加量を2部とした以外は全て同様の手法にて[重合トナー5]を作製した。
(実施例1)の[マスターバッチ1]において、マゼンタ顔料1の添加量を0部、マゼンタ顔料2の添加量を50部とした[マスターバッチ4]を使用した以外は全て同様の手法にて[重合トナー6]を作製した。
上記手法にて得られた[重合トナー1]〜[重合トナー8]をimagio MP C4000(リコー社製)に使用されているキャリアとトナー濃度5%となるように混合し、該画像形成装置のマゼンタユニットに現像剤重量180gとなるように投入した。
この現像剤を用いて、A4サイズの用紙(T6000 70W T目、リコー社製)に面積率20%のマゼンタのみからなる単色画像を出力し、カブリの発生を目視評価した。また、マゼンタの画像濃度をX−Rite(X−Rite社製)のステータスAモードにて測定し、カブリの発生しなかったトナーかつID(Image Density)が1.0以上であったトナーを合格判定、カブリの発生したトナーまたはIDが1.0未満であったトナーを不合格判定とし、ブローオフ法にて現像剤中のトナーの帯電量も同時に測定した。
その結果、本発明の請求範囲内である[重合トナー1]〜[重合トナー5]については、カブリは発生せず、合格判定となった。また[重合トナー6]については、カブリ画像が発生した。
結果を表1に示す。
また、このときの帯電量および画像濃度IDからも、マゼンタ顔料1を表1に示す範囲に添加することで、帯電量の低下が防止でき、画像の不具合が発生しないことが分かった。
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100 画像形成装置
101 感光体
102 帯電手段
103 露光
104 現像手段
105 記録媒体
107 クリーニング手段
108 転写手段
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
Claims (8)
- 請求項1に記載の電子写真用トナーにおいて、前記式(1)の顔料の含有量と、前記式(2)の顔料の含有量の比が重量比で、下記式(3)に示す範囲にあることを特徴とする電子写真用トナー。
式(3): 顔料(1):顔料(2)=10:90〜50:50 - 請求項1〜2のいずれかに記載の電子写真用トナーにおいて、前記式(1)と前記式(2)の顔料の総含有量が、全樹脂100重量部に対し1.0〜15.0重量部であることを特徴とする電子写真用トナー。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用トナーからなることを特徴とする一成分現像剤。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用トナーとキャリアとからなることを特徴とする二成分現像剤。
- 少なくとも像担持体表面を帯電させる帯電工程と、像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体上に転写して未定着画像を形成する転写工程と、前記未定着画像を前記記録媒体に定着させる定着工程とを有する画像形成方法であって、
前記可視像を形成するのに用いられるトナーが、請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用トナーであることを特徴とする画像形成方法。 - 少なくとも像担持体と、前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電された像担持体表面に露光を行い静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段と、前記現像されたトナー像を記録媒体上に転写して未定着画像を形成する転写手段と、前記未定着画像を前記記録媒体に定着させる定着手段とを備えた画像形成装置であって、
前記可視像を形成するのに用いられるトナーが、請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用トナーであることを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体と、前記像担持体の表面を帯電する帯電手段、帯電された像担持体表面に露光を行い静電潜像を形成する露光手段、形成された静電潜像をトナーを用いて現像する現像手段、現像されたトナー像を記録媒体に転写させる転写手段、転写後に前記像担持体の表面に残存したトナーを除去するクリーニング手段から選択される少なくとも一つの手段とが一体化し、画像形成装置本体に着脱可能であるプロセスカートリッジであって、
前記使用されるトナーが、請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用トナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009199823A JP5446613B2 (ja) | 2009-08-31 | 2009-08-31 | 電子写真用トナー、一成分現像剤、二成分現像剤、画像形成方法、画像形成装置およびプロセスカートリッジ。 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009199823A JP5446613B2 (ja) | 2009-08-31 | 2009-08-31 | 電子写真用トナー、一成分現像剤、二成分現像剤、画像形成方法、画像形成装置およびプロセスカートリッジ。 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011053288A JP2011053288A (ja) | 2011-03-17 |
JP5446613B2 true JP5446613B2 (ja) | 2014-03-19 |
Family
ID=43942402
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009199823A Active JP5446613B2 (ja) | 2009-08-31 | 2009-08-31 | 電子写真用トナー、一成分現像剤、二成分現像剤、画像形成方法、画像形成装置およびプロセスカートリッジ。 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5446613B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000191935A (ja) * | 1998-12-24 | 2000-07-11 | Tokyo Shikizai Kogyo Kk | 不溶性アゾ顔料化合物及びその使用 |
JP4006309B2 (ja) * | 2002-10-01 | 2007-11-14 | キヤノン株式会社 | 乾式トナー |
JP4455368B2 (ja) * | 2005-02-25 | 2010-04-21 | キヤノン株式会社 | トナー |
-
2009
- 2009-08-31 JP JP2009199823A patent/JP5446613B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011053288A (ja) | 2011-03-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4105650B2 (ja) | トナー、現像剤、現像装置、画像形成装置 | |
JP4451256B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP4647465B2 (ja) | トナー母体粒子の製造方法、トナー粒子及びトナーの製造方法、トナー | |
JP5467505B2 (ja) | トナーの製造方法、トナー及び現像剤 | |
JP4676890B2 (ja) | トナーの製造方法及びトナー | |
JP2008233411A (ja) | 静電荷像現像用トナー、画像形成装置、トナー容器およびプロセスカートリッジ | |
JP2011017838A (ja) | トナー用着色剤、電子写真用トナー、二成分現像剤、画像形成方法、画像形成装置およびプロセスカートリッジ | |
JP2012083712A (ja) | 画像形成装置及び静電荷像現像用トナー | |
JP4589209B2 (ja) | トナー、画像形成装置及びトナーの製造方法 | |
JP2010097201A (ja) | トナーおよび画像形成方法 | |
JP4757153B2 (ja) | 画像形成装置及び画像形成方法 | |
JP5660377B2 (ja) | 画像形成用トナー、二成分現像剤、画像形成方法、画像形成装置およびプロセスカートリッジ | |
JP4180457B2 (ja) | トナー及びその製造方法、並びに、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 | |
JP4668676B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP2017167370A (ja) | トナー、トナー収容ユニット、及び画像形成装置 | |
JP5446613B2 (ja) | 電子写真用トナー、一成分現像剤、二成分現像剤、画像形成方法、画像形成装置およびプロセスカートリッジ。 | |
JP2009300733A (ja) | 静電荷像現像用トナーの製造方法、トナー、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ | |
JP4368708B2 (ja) | 現像剤、現像装置、画像形成装置、プロセスカートリッジ | |
JP4445418B2 (ja) | 画像形成用トナーの製造方法 | |
JP2010061071A (ja) | トナー、並びにこれを用いた現像剤、及び画像形成方法 | |
JP2012063478A (ja) | 画像形成用トナー、一成分現像剤、二成分現像剤、画像形成方法、画像形成装置およびプロセスカートリッジ。 | |
JP5495036B2 (ja) | 画像形成用トナー、一成分現像剤、二成分現像剤、画像形成方法、画像形成装置およびプロセスカートリッジ | |
JP5412835B2 (ja) | トナーの製造方法 | |
JP4966154B2 (ja) | トナーの製造方法、トナー、現像剤、画像形成装置及びプロセスカートリッジ | |
JP4708172B2 (ja) | カラー画像形成装置、カラー画像形成方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120612 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20130522 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130905 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130917 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20131107 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20131203 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20131216 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5446613 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |