JP2006307311A - 耐食性部材およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 優れた耐食性を備え、かつ溶射膜と基材との密着性にも優れた耐食性部材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 腐食性環境下で用いられる耐食性部材は、基材53と、該基材53表面の一部もしくは全部を被覆するセラミックスの溶射膜52とを備えている。この溶射膜52は、膜厚が50〜500μmであり、基材53から剥離した状態で、溶射膜52全体の気孔率が10%を超えるとともに、溶射膜52の表面と基材53側の剥離面との両方から、それぞれ表面粗さが0.5μmに達するまで研磨したときの研磨後の溶射膜内部の気孔率が7%以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、腐食性プラズマガス雰囲気などの腐食性環境下で用いられる耐食性部材およびその製造方法に関し、詳細には、例えば半導体装置製造工程や液晶装置製造工程で使用されるハロゲン系腐食ガスやハロゲンガスプラズマに対し、優れた耐性を有する耐食性部材およびその製造方法に関する。
半導体装置や液晶装置の製造において、化学的腐食性の高い環境下で使用される部材、例えば、チャンバー、サセプター、クランプリング等の部材の材質としては、これまで石英ガラスやセラミックスが多く用いられてきた。
近年では、半導体装置や液晶装置の製造においてコスト低減の観点から製造サイズの大型化が図られており、例えば半導体ウエハでは12インチ対応、液晶では1m□超サイズへの対応が要望されている。これに伴い、製造装置やその部品についても大型化が必要になってきている。しかし、製造装置や部品の材質として従来使用されてきた石英ガラスやセラミックスは、強度、剛性の点で大型部品への使用に限界がある。このため、金属基材表面にセラミックスなどの耐食性材料の被膜を形成した部材が用いられるようになってきた。
また、ハロゲンガスプラズマによる化学的腐食の影響を受けづらいと考えられてきたライナー、ガス分散板、チャンバー構成容器などの材質としては、これまでアルミニウム金属や、アルマイトなどの表面酸化処理されたアルミニウム金属などが用いられていた。しかしながら、近年の製造装置の高出力化に伴い、こうしたチャンバー構成部材に関しても、化学的腐食に強い性質が要求されるようになってきた。
耐食性部材の大型化への対応技術としては、例えば耐食性材料としてアルミナや、Yなどの希土類酸化物を用い、溶射法により被膜形成を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
特許第3510993号公報(特許請求の範囲など) 特開2004−10981号公報(特許請求の範囲など)
溶射により耐食性被膜を形成したチャンバーなどの部材を使用して半導体製品を製造する場合、セラミックス溶射膜の剥離や亀裂の発生、密着力の低下などが生じ、著しく半導体製品の生産性を低下させてしまう事態が発生する。本発明者らは、この原因を調査した結果、膜の剥離や亀裂の発生、基材との密着性の低下などの原因として、セラミックス溶射膜の緻密性が関与しており、気孔率が小さく、緻密になればなるほど、基材との間の熱膨張率の差に起因する熱応力の影響をまともに受けるようになり、膜の剥離や亀裂が発生しやすくなる、との知見を得た。
これまで、セラミックス溶射膜の耐プラズマ性を改善するためには、均一で緻密性が高い膜(つまり、膜全体として気孔率が低い膜)が好ましいとされてきた。例えば、上記特許文献1、特許文献2においても、気孔率を抑制することが重要であると記載されている。
しかしながら、前記のように熱応力による膜の剥離や亀裂の発生を考慮すると、溶射膜の緻密化による耐プラズマ性の向上と、基材への密着性の向上とは相反する側面がある。
すなわち、耐プラズマ性に優れた部材を得るには、緻密なセラミックス溶射膜が必要だが、膜全体が一様に緻密でありすぎると、基材への密着性不足や、セラミックス溶射膜と溶射基材との熱膨張率の違いに起因した剥離や割れが発生するものと考えられる。このように、溶射膜の緻密化による耐食性の向上と、溶射膜と基材との密着性の確保とを両立させることは困難であった。
従って、本発明の目的は、優れた耐食性を備え、かつ溶射膜と基材との密着性にも優れた耐食性部材およびその製造方法を提供することである。
本発明者らは上記実情に鑑み、ハロゲン系腐食ガスもしくはハロゲンガスプラズマへの耐性に優れ、基材と溶射膜との密着強度が低下しにくい溶射膜を開発すべく鋭意研究を重ねた。溶射膜と基材との密着性を向上させるためには、溶射膜の気孔率を一定以上に大きくすればよい。しかし、気孔率を上げるだけでは、腐食性のプラズマガスが膜内部に浸透しやすくなり、耐プラズマ性を著しく低下させてしまう。そこで、溶射膜の内部に、耐プラズマ性に優れた緻密な層を設ける一方、溶射膜と基材との界面付近に膜全体の中でも気孔率が大きい疎な部分を形成することによって、耐プラズマ性を確保しつつ基材への密着性を改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の第1の観点は、腐食性環境下で用いられる耐食性部材であって、
基材と、該基材表面の一部もしくは全部を被覆するセラミックス溶射膜とを備え、
前記セラミックス溶射膜は、膜厚が50〜500μmであり、前記基材から剥離した状態で、セラミックス溶射膜全体の気孔率が10%を超えるとともに、前記セラミックス溶射膜の表面と前記基材からの剥離面との両方から、それぞれ表面粗さが0.5μmに達するまで研磨したときの研磨後の膜内部の気孔率が7%以下であることを特徴とする耐食性部材を提供する。
上記第1の観点において、前記セラミックス溶射膜は、材質がYであり、かつ電極間ギャップ100mmの平行平板型RIE装置により、80%CFおよび20%Oからなる混合ガスを用い、流量50mL/min、出力1000W、圧力6.7Paの条件でプラズマエッチングを行ったとき、エッチング速度が5nm/min以下である膜であってもよい。この場合、前記セラミックス溶射膜は、原料として、平均顆粒径を10〜80μmに造粒したのちに、1000〜1900℃で仮焼した顆粒状Yを使用するとともに、2個のアノードトーチを備えた溶射装置により、前記基材に対し40〜110kWの出力でプラズマ溶射して得られるものであることが好ましい。
また、上記第1の観点において、前記セラミックス溶射膜は、材質がAlであり、かつ電極間ギャップ100mmの平行平板型RIE装置により、80%CFおよび20%Oからなる混合ガスを用い、流量50mL/min、出力1000W、圧力6.7Paの条件でプラズマエッチングを行ったとき、エッチング速度が20nm/min以下である膜であってもよい。この場合、前記セラミックス溶射膜は、原料として、平均顆粒径を10〜80μmに造粒したのちに、1000〜1700℃で仮焼した顆粒状Alを使用するとともに、2個のアノードトーチを備えた溶射装置により、前記基材に対し40〜110kWの出力でプラズマ溶射して得られるものであることが好ましい。
前記セラミックス溶射膜は、前記溶射装置により、複数回のパス施工により成膜されたものであり、初回パス施工時の前記溶射装置の出力を、2パス目以降の施工に比べ、2〜15%低減して施工されたものであってもよい。
また、前記セラミックス溶射膜は、前記溶射装置により、複数回のパス施工により成膜されたものであり、初回パス施工時の原料投入量を、2パス目以降の施工に比べ、3〜20%増加させて施工されたものであってもよい。
本発明の第2の観点は、プラズマ溶射により基材表面にY膜を被覆する耐食性部材の製造方法であって、
原料を平均顆粒径が10〜80μmに造粒する顆粒化工程と、
顆粒化したY原料を1000〜1900℃で仮焼する仮焼工程と、
仮焼後の前記Y原料を、2個のアノードトーチを備えた溶射装置により40〜110kWの出力で前記基材表面に溶射するプラズマ溶射工程と、を含み、
膜厚が50〜500μmであり、前記基材から剥離した状態で、膜全体の気孔率が10%を超えるとともに、膜の表面と前記基材からの剥離面との両方から、それぞれ表面粗さが0.5μmに達するまで研磨したときの研磨後の膜内部の気孔率が7%以下であるY膜を形成することを特徴とする耐食性部材の製造方法を提供する。
本発明の第3の観点は、プラズマ溶射により基材表面にAl膜を被覆する耐食性部材の製造方法であって、
Al原料を平均顆粒径が10〜80μmに造粒する顆粒化工程と、
顆粒化したAl原料を1000〜1700℃で仮焼する仮焼工程と、
仮焼後の前記Al原料を、2個のアノードトーチを備えた溶射装置により40〜110kWの出力で基材表面に溶射するプラズマ溶射工程と、を含み、
膜厚が50〜500μmであり、前記基材から剥離した状態で、膜全体の気孔率が10%を超えるとともに、膜の表面と前記基材からの剥離面との両方から、それぞれ表面粗さが0.5μmに達するまで研磨したときの研磨後の膜内部の気孔率が7%以下であるAl膜を形成することを特徴とする耐食性部材の製造方法を提供する。
上記第2の観点または第3の観点において、前記プラズマ溶射工程は、前記溶射装置による複数回のパス施工を含むものであり、初回パス施工時の前記溶射装置の出力を、2パス目以降の施工に比べ、2〜15%低減して施工することが好ましい。
また、上記第2の観点または第3の観点において、前記プラズマ溶射工程は、前記溶射装置による複数回のパス施工を含むものであり、初回パス施工時の原料投入量を、2パス目以降の施工に比べ、3〜20%増加させて施工することが好ましい。
セラミックス溶射膜は、緻密で、全体の気孔率が小さければ小さいほど、プラズマ環境下での耐食性が向上する。しかしながら、こうしたセラミックス溶射製品の基材は、アルミニウムなどの金属材料であったり、あるいはセラミックスであったりするが、基材が溶射膜とは別材料であるため、どうしても溶射膜と基材との熱膨張差に起因した応力が発生し、これにより、溶射膜の剥離・亀裂の発生や密着力の低下を招いてしまう。この応力は、溶射膜全体の気孔率が小さければ小さいほど顕著となり、耐食性を損なうことなく溶射膜の剥離・亀裂の発生や密着力の低下を防ぐことは困難であった。本発明では、セラミックス溶射膜の内部に密な部分を形成し、かつ、基材との界面付近に膜全体の中でも疎な部分を形成することで、溶射膜の耐食性を確保しつつ基材との密着性を改善し、溶射膜の剥離や割れを抑制することが可能になった。
すなわち、本発明の耐食性部材は、セラミックス溶射膜全体の気孔率が10%を超えるとともに、前記セラミックス溶射膜の表面と前記基材側の剥離面との両方から、それぞれ表面粗さが0.5μmに達するまで研磨したときの研磨後の膜内部の気孔率が7%以下であるので、優れた耐食性に加え、基材とセラミックス溶射膜との密着性にも優れている。
このように、本発明の耐食性部材は、プラズマ曝露時のエッチング速度が小さく、かつ熱応力に対する耐久性も高いため、この耐食性部材を用いることによって、半導体装置や液晶装置の製造コストダウン、部品交換頻度減少による生産性の向上などが可能になる。
また、本発明の耐食性部材の製造方法によれば、上記耐食性と密着性に優れた耐食性部材を製造できる。
以下、本発明の好ましい形態について説明する。
本発明の耐食性部材は、腐食性ガスを用いたプラズマ処理などの腐食性環境下で用いられるものであり、例えば半導体ウエハ、液晶基板等への成膜やエッチングの際に使用されるプラズマ装置のチャンバーや、チャンバー内部材であるガス分散板、ライナー、サセプター、クランプリング等の部材として使用できる。
耐食性部材は、少なくとも基材と、その一部もしくは全部を被覆するセラミックス溶射膜と、により構成される。基材の材質は問わず、例えばステンレスやアルミニウム等の金属のほか、カーボン、金属セラミックス複合材料(MMC)などのセラミックス材料等により形成できる。セラミックス溶射膜は、基材の表面、少なくとも腐食性雰囲気に曝される部位を被覆する膜であり、基材から剥離した状態で、セラミックス溶射膜全体の気孔率が10%を超えるとともに、セラミックス溶射膜をその表面と、基材との剥離面の両方から、それぞれ表面粗さが0.5μmになるまで研磨したときの研磨後の膜内部の気孔率が7%以下である。
セラミックス溶射膜内部の緻密性は部材の耐食性を大きく左右する特性であり、セラミックス溶射膜内部の気孔率が7%をこえると、腐食性のプラズマガスが膜内部に浸透しやすくなり、これによりプラズマ耐食性が著しく低下するため好ましくない。
また、セラミックス溶射膜全体の気孔率が10%以下の場合、基材と膜の界面付近から膜表面までの全体が緻密になってしまい、プラズマ耐食性は向上するものの、密着力の低下や、膜剥離、亀裂などを生じることが多くなるため好ましくない。
ここで、図1および図2を参照しながら、本発明におけるセラミックス溶射膜(以下、単に「溶射膜」と記すことがある)の構造について詳細に説明する。図1は、基材53の表面に溶射膜52を備えた溶射製品の要部断面を模式的に示す図面である。この溶射膜52は、基材53に接触する第1の溶射層54と、射ち放し表面側の第2の溶射層56と、これら第1の溶射層54および第2の溶射層56との中間の第3の溶射層55とを備えた三層構造を有している。この第3の溶射層55は、気孔率が7%以下の緻密な層である。一方、第1の溶射層54、第2の溶射層56は、第3の溶射層55に比較して気孔率が大きく、これにより溶射膜52全体の気孔率は、10%を超える値となる。気孔率の高い第1の溶射層54を介在させることにより、緻密な第3の溶射層55を直接基材53と接触させずに済むため、熱応力による溶射膜52の剥離や亀裂の発生を防止できる。つまり、気孔率の高い第1の溶射層54は、基材53と緻密な第3の溶射層55との間で、応力緩衝層として機能するものである。
溶射膜52は、溶射により一体的に成膜されるものであるが、以下のような手法により緻密な第3の溶射層55を、第1の溶射層54や第2の溶射層56と区別することが可能である。まず、図2(a)に示すように溶射膜52を基材53から剥離する。剥離した溶射膜52は、射ち放し表面Sと、剥離表面Sとを有している。射ち放し表面Sから所定の深さまで第2の溶射層56が形成されており、剥離表面Sから所定の深さまで第1の溶射層54が形成されている。これら第2の溶射層56および第1の溶射層54は、中間の第3の溶射層55に比べ気孔率の高い層である。第1の溶射層54は、例えば溶射装置の初回パス(1回目の塗り)によって形成される層であり、後述するように溶射条件を制御することによって気孔率が高く形成されている。第2の溶射層56は射ち放された最表面の層であり、後からセラミックス溶射原料の射ち込みによる圧縮力を受けないため、気孔率が高くなっている。
溶射膜52全体の気孔率は、図2(a)のように剥離された状態の溶射膜52をアルキメデス法により測定することによって得られる。
第2の溶射層56および第1の溶射層54は、気孔率が高い結果、表面粗さが大きいので、図2(b)に示すように、両面、すなわち射ち放し表面S、剥離表面Sのそれぞれの面から、例えばダイヤモンドスラリーを用いたラップ盤などにより表面粗さ(Ra)が0.5μmに達するまで研磨していった場合の研磨分の厚みを持つ層と定義される。第3の溶射層55は、射ち放し表面S、剥離表面Sのそれぞれから、表面粗さ(Ra)が0.5μmに達するまで研磨した後の残りの部分(内部層)として定義される。
従って、溶射膜52内部の気孔率は、図2(b)に示すように、射ち放し表面Sおよび剥離表面Sからの研磨量がRa=0.5μmに達した状態で、第3の溶射層55をアルキメデス法により測定することによって得られる。
耐食性部材の溶射膜52の膜厚は、例えば50〜500μmが好ましく、100〜300μmがより好ましい。膜厚が厚すぎる場合は、繰り返し成膜されることにより熱履歴が多くなり、基材53と溶射膜52との界面でのマイクロクラックが増加し、溶射膜52が剥離しやすくなる。膜厚が薄すぎる場合は、溶射膜52表面から基材53までを連通状態にする貫通気孔が多くなるため、腐食性ガスによって基材53と溶射膜52との界面が腐食されやすくなり、溶射膜52が剥離しやすくなる。
また、溶射膜52全体の気孔率が10%を超えていても、第3の溶射層55の気孔率を7%以下に制御することにより、比較的薄い膜厚の場合においても貫通気孔の数を少なくすることが可能となり、基材53と溶射膜52との界面における腐食を防止し、溶射膜52の剥離を未然に防止し、耐久性を高めることが可能となる。
また、溶射膜52全体の気孔率が10%を超えていても、第3の溶射層55の気孔率を7%以下に制御することにより、セラミックス溶射膜52がY膜である場合、当該膜の特性として、所定の条件、例えば、電極間ギャップ100mmの平行平板型RIE装置により、80%CFおよび20%Oからなる混合ガスを用い、流量50mL/min、出力1000W、圧力6.7Pa(50mTorr)の条件でプラズマエッチングを行ったとき、エッチング速度が5nm/min以下となるエッチング耐性を持たせることができる。上記条件におけるエッチング速度が5nm/min以下であるY膜は、プラズマ照射によってもほとんどエッチングされないので、パーティクル汚染を防止でき、耐食性部材の寿命を長期化させ、部材の交換頻度を少なくし、半導体装置や液晶装置の生産性向上に寄与する。
また、溶射膜52全体の気孔率が10%を超えていても、第3の溶射層55の気孔率を7%以下に制御することにより、セラミックス溶射膜52がAl膜である場合、当該膜の特性として、所定の条件、例えば、電極間ギャップ100mmの平行平板型RIE装置により、80%CFおよび20%Oからなる混合ガスを用い、流量50mL/min、出力1000W、圧力6.7Pa(50mTorr)の条件でプラズマエッチングを行ったとき、エッチング速度が20nm/min以下となるエッチング耐性を持たせることができる。上記条件におけるエッチング速度が20nm/min以下であるAl膜は、プラズマ照射によるエッチング量が少ないので、パーティクル汚染を防止でき、耐食性部材の寿命が十分に得られ、半導体装置や液晶装置の生産性に寄与する。
次に、本発明の耐食性部材の製造方法について述べる。
以上のような溶射膜52を形成するために、本発明では、カソードトーチと、互いに分離した2つのアノードトーチとを備えた溶射装置を用いる。このような分離した2つのアノードトーチを用いることにより、最も高温であるプラズマアーク部に原料を導入することができるため、セラミックス原料を完全に溶融することが可能となり、これにより所望の溶射膜52を得ることができる。アノード一体型の溶射装置では、構造上、原料をプラズマアーク部に導入することができず、セラミックス原料を完全に溶融することが困難である。
セラミックス原料を溶射する際には、酸素元素(O)含有ガスプラズマを用いることが好ましい。O含有ガスプラズマは、例えば酸素ガス(O)もしくは空気、またはこれらの混合ガスを供給して形成することができる。このようにO含有ガスプラズマを用いることにより、セラミックスを高温で溶融した際、セラミックスが還元されて欠陥が生じたり、発色したりすることを防止できる。
ここで、カソードトーチと、互いに分離した2つのアノードトーチとを備えた溶射装置の具体的構造について説明する。図3はこのような溶射装置の一例を示す概略断面図である。この溶射装置は、溶射粒子射出口1aを有する装置本体1と、装置本体1の溶射粒子射出口1aと反対側に設けられたカソードトーチ2と、装置本体1の両側面にそれぞれ支持部材4a,4bに支持されて設けられた2つのアノードトーチ3a,3bとを備えている。
カソードトーチ2の先端にはArガス供給配管11およびArガス導入路11aを通ってArガスが供給され、トーチ(電極)の酸化を防止しつつアークを発生させる。カソードトーチ2の下流側にはアクセルノズル5が設けられており、カソードトーチ2で発生したアークが加速されプラズマアーク40が生成される。カソードトーチ2からのアークには、空気供給配管12から空気導入路12aを通って空気または酸素が供給され、アクセルノズル5から発生するプラズマアーク40はO含有ガスプラズマとなる。
このプラズマアーク40の発生部には、図示しない原料供給ホッパーから原料供給配管13を介して溶射原料粉末であるセラミックス原料粉末が導入され、この原料粉末が完全に溶融して溶射粒子が形成される。プラズマアーク40の先端部に原料粉末を供給しても同様に原料粉末を完全に溶融させることが可能であるが、プラズマアーク40の発生部のほうが高温であるため好ましい。
アノードトーチ3aの先端には、Arガス供給配管21aおよびArガス導入路22aおよび23aを通ってArガスが供給され、トーチ(電極)の酸化を防止しつつアークが生成され、カソードトーチ2から射出されたプラズマアーク40に対して垂直にプラズマアーク41aが延びている。
アノードトーチ3bの先端にも、Arガス供給配管21bおよびArガス導入路22bおよび23bを通ってArガスが供給されてトーチ(電極)の酸化を防止しつつアークが生成され、カソードトーチ2から射出されたプラズマアーク40に対して垂直にプラズマアーク41bが延びている。そして、プラズマアーク40,41a,41bの合流点においてプラズマジェット40aとなる。装置本体1の溶射粒子射出口1a近傍において、空気配管24a,24bからそれぞれ空気導入路25a,25bを通ってプラズマジェット40aに空気を供給し、プラズマジェット40aにおける溶融に寄与しない熱をトリミングする。
カソードトーチ2およびアノードトーチ3a,3bには、アーク発生を開始させる高周波スターターとして機能する補助電源32a,32bと、アークを持続させるエネルギー供給源としての直流主電源31a,31bとが接続されている。なお、これら補助電源32a,32bと、直流主電源31a,31bとは、図示しない制御装置により制御される。
カソードトーチ2およびアクセルノズル5の周囲にはこれらを高温から保護する冷却ジャケット14が設けられ、アノードトーチ3a,3bの周囲にも冷却ジャケット26a,26bが設けられている。
このような溶射装置においては、プラズマジェット40aにキャリアされた溶射粒子51が基材53に当たり溶射膜52が形成される。
溶射の際、溶射出力が低すぎる場合は、原料の溶融化が進まないことにより、緻密な膜形成が困難になってしまい、逆に溶射出力が高すぎる場合はセラミックスが還元されて欠陥が生じる。従って、溶射出力は、40kW以上、110kW以下とすることが好ましい。
図3に示すようなアノード分離型のプラズマ溶射装置を用いる利点として、この装置では、最も高温であるプラズマアーク発生部に原料を投入することが可能なため、溶射原料のセラミック材料を完全に溶融することが可能となる。これに対し、アノード一体型の溶射装置においては、装置構成により、プラズマアーク発生部に原料を供給できないため、原料の溶融が不十分になることがある。
また、アノード分離型の溶射装置の場合は、アノードが分離しており、1つのアノードにかかる出力を半減できるので、高出力化が可能となる。従って、原料をより均一に溶融化させやすく、溶射膜52の緻密性を向上させることができる。しかし、アノード一体型の溶射装置においては、アノードにかかる出力が大きくなると高出力に耐えられず、溶射装置が破損するおそれがある。
また、フレーム溶射装置の場合は、フレーム温度が低いために原料の溶融化が進まず、均一かつ緻密な溶射膜52を形成することは困難である。
図3に示す溶射装置を用い、膜厚が50〜500μmの溶射膜52を施工する場合、2回以上、より好ましくは3回以上の複数回のパスにより所望の溶射膜52を施工し、そのうちの初回パスにのみ、以下に例示するような施工条件の変更を行うことが好ましい。ここで、「パス」とは、簡単にいえば、1度塗り、2度塗り、3度塗りにおける「塗り」の回数を意味するものである。例えば、100mm×100mmの面積に溶射膜52を施工する場合を考えると、溶射粒子射出口1aと基材53の間は、80〜100mmの間隔(溶射距離)を保ったまま、400mm/secの速度で溶射装置が左右に往復する。溶射装置の1回の通過で均一に塗布される溶射幅は、約5mm程度である。溶射装置が左右端に到達すると縦方向に2mm幅(ピッチ)で移動する。これを約25往復(実際には、上下両端部が薄くなることを考慮して、さらに+数往復)すれば、100mm×100mmの面積全体を凹凸なく塗布することができる。この工程を1パスとする。1パスで塗布することのできる膜厚には限界があることから、ある程度の膜厚を必要とする場合は、複数回パスによる施工が必要となる。
なお、1パスの成膜量(膜厚)は、20〜80μmが好ましい。1パスの成膜量が20μm以下の場合は、生産性の低下を招くおそれがあり、80μmを超える場合には、原料の溶融状態が悪くなるため、基材53にセラミックスが付着したときに空孔を形成しやすくなる。
施工条件の変更の1つの手法は、初回パス施工時に限り、2パス目以降の施工に比べ、溶射装置出力を2〜15%低減して施工する方法である。初回パス施工時にのみ出力を低減させることにより、原料の溶融具合が僅かに低下し、結果として比較的疎な第1の溶射層54を形成することができる。2パス目以降は通常の出力に戻して施工することで、緻密な第3の溶射層55が形成され、セラミックス溶射膜52と基材53との界面付近に膜全体の中でも疎な部分を形成することが可能となる。初回パスの溶射装置出力の低減が2%に満たない場合は、2回目以降のパスにて得られる膜と比較して緻密度が低い疎な膜を得ることができなくなるため好ましくない。逆に初回パスの溶射装置出力の低減が20%を超えると原料の溶融具合が著しく低下し溶射膜52の密着度を損なうことになる。
施工条件の変更の別の手法は、初回パス施工時に限り、2回目パス以降の施工に比べ、原料投入量を、3〜20%増加させて施工する方法である。原料投入量を増加させることにより、プラズマアーク中に含まれる溶射粒子が増加し、結果として粒子の溶融度が僅かに低下し、出力を低減した場合と同様に比較的疎な第1の溶射層54を形成することができる。原料投入量の増加が3%に満たない場合、2回目以降のパスにて得られる膜と比較して緻密度が低い疎な膜を得ることができなくなるために好ましくない。また、原料投入量の増加が20%を超えると、原料の溶融具合が著しく低下し、却って溶射膜52の密着力の低下を招くため好ましくない。
なお、施工条件を変更する手法は、疎な第1の溶射層54を形成できるものであれば、上記溶射装置出力および原料投入量に限るものではない。
溶射に用いるセラミックス原料は、一定の嵩密度を持つ顆粒状であることが好ましい。原料の嵩密度が低い場合、原料の重量が軽いためプラズマアーク内部へ原料が入りこまずに、溶融が不十分な状態で成膜されるので、緻密な膜形成が困難になる。また、原料密度が低く、原料段階で気孔が存在する場合には、それが溶射膜52中にも移行し、緻密な溶射膜52が形成できない。このため、原料の嵩密度は、Yについては、1.5g/cm以上が好ましく、1.8g/cm以上がより好ましく、上限は3.0g/cm以下とすることが望ましい。また、Alの嵩密度については、1.0g/cm以上が好ましく、1.2g/cm以上がより好ましく、上限は2.4g/cm以下とすることが望ましい。
また、原料は、通常の市販粉末に造粒を行うことにより顆粒化し、粉末の状態と比較して流動性を改善したものを用いることが好ましい。
前記のように、Y膜の溶射に用いる原料は、1.5g/cm以上の嵩密度を持つものが好ましいが、平均顆粒径が10〜80μmになるように造粒した後に、1000〜1900℃で仮焼したY顆粒を使用することが望ましい。また、Al膜の溶射に用いる原料は、1.0g/cm以上の嵩密度を持つものが好ましいが、平均顆粒径が10〜80μmになるように造粒した後に、1000〜1700℃で仮焼したAl顆粒を使用することが望ましい。
顆粒化と仮焼により、高密度であることに加え、流動性に優れ、原料供給中に容易に崩れることのない、強固な顆粒とすることができる。密度が高く、流動性に優れた強固な顆粒は、プラズマアーク内部への安定した原料供給が可能であり、これにより、緻密で、ボイドの小さい耐食性の良好な膜を得ることができる。
顆粒の造粒は、アトマイザー式やノズル式などの種々のスプレードライヤーなどを用い、公知の造粒方法に従って実施できる。顆粒の平均粒径は10〜80μmが好ましく、これにより溶射原料の流動性が高くなり、所望の製品を得ることができる。より好ましくは、15〜40μmである。平均粒径が10μmに満たない場合、顆粒の流動性向上の効果がみられなくなり、膜自身の密度の低下を招いたり、原料がプラズマにはじかれてプラズマアーク中で溶融する量が減少することによる成膜速度の低減(生産性の低下)を招くため好ましくない。逆に80μmを超えると、プラズマアーク中で原料が十分に融けきれないため、膜内部の気孔率を高めたり、基材53との密着力の低下を招くために好ましくない。
また、顆粒の仮焼方法としては、電気炉、ガス炉など、公知の焼成炉を用いることができる。仮焼の時間としては、0.3〜3時間程度が好ましく、0.5〜1時間がより好ましい。
顆粒化後、Y原料の場合は1000℃〜1900℃の温度範囲で、また、Al原料の場合は1000℃〜1700℃の温度範囲で、それぞれ焼成することにより、顆粒中の一次粒子がネッキングを起こし、これにより顆粒の強度が向上する。よって、プラズマアークへの原料供給の段階で顆粒が崩れて粉末状になって流動性が低下する事態を防ぐことが可能となる。その結果としてプラズマアークへの安定した原料供給が可能になり、所望の溶射膜52が製造できる。焼成温度が1000℃に満たない場合は、一次粒子のネッキングがほとんど起こらないため、焼成による効果が少なく、焼成温度がY原料の場合で1900℃、Al原料の場合で1700℃を超えると、ネッキングの効果が過剰となり、一次粒子だけでなく顆粒同士が付着した凝集粒になってしまうため、流動性の向上効果が得られず、加えてプラズマアーク中での原料溶融が不十分になることにより基材53との衝突時に粒子がつぶれなくなってしまうため、効果が低減する。
仮焼後の原料は、そのまま溶射施工することができるが、仮焼後に顆粒状の原料に水分が付着する場合があるので、溶射施工前に付着した水分を除去するため、さらに乾燥処理することが望ましい。溶射に用いるセラミックス原料の乾燥が不十分な場合、原料に吸着された水分により原料が原料供給器内で詰まり、供給が不安定となって原料溶融も不充分となる。このため、原料は、予め含水率が1質量%以下になるまで乾燥させたものを用いることが好ましい。また、溶射中には原料からの水分蒸発によりボイドが発生する確率が高くなるため、原料の含水率は0.5質量%以下がより好ましい。原料を乾燥する際の目安としては、例えば70℃以上の温度で12時間以上加熱することにより、含水率を概ね1質量%以下にまで低下させることが可能であり、250℃以上の温度で12時間以上加熱することにより、含水率を概ね0.5質量%以下にまで低下させることが可能となる。
基材53としては、ブラスト等の表面処理を施したものを用いることができる。ブラスト処理後の基材53は十分洗浄を行い、表面に付着したブラスト材、削り屑等をきれいに除去しておくことが好ましい。基材53表面にこれらのゴミが残存していると膜の密着力が低下するので好ましくない。
以上述べたように、原料を顆粒化および仮焼した後、図3のような2個のアノードトーチを備えた溶射装置により、40〜110kWの出力でプラズマ溶射することにより、基材53との密着性、機械的抵抗性に優れ、かつ優れたエッチング耐性を兼ね備えた溶射膜52を得ることができる。
以下、実施例、比較例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれによって制約されるものではない。
実施例1〜10、比較例1〜9
表面粗さRa>4μmに粗面させた基材を準備し、異なる種類の溶射装置を用い、Y溶射膜を形成してテストプレートとした。溶射装置としては、互いに分離した2つのアノードトーチを備えた溶射装置(図3参照)、アノードトーチが一体型の溶射装置、および高速フレーム溶射(HVOF)装置を用いた。基材としては、Al(JIS 6061)、ステンレス(SUS304)、純度99.5%の緻密質アルミナセラミックス(99.5%Al)および金属セラミックス複合材料(SiC/Al複合材料)を用いた。
溶射膜の製造条件として、原料の造粒(顆粒化)の有無、平均顆粒径および顆粒焼成温度、並びに溶射膜厚および溶射出力を表1および表2に示すように変化させて実施例1〜10、比較例1〜9とした。なお、他の製造条件として、基材温度は100℃、プラズマガスは酸素ガスを用い、その流量を45L/minとし、溶射距離は90mm、原料供給量(標準)は20g/min、スキャンスピードは400mm/s、合計パス数は、膜厚150μm以下は3回、膜厚150μm超250μm以下は4回、膜厚250μm超350μm以下は6回、膜厚350μm超500μm以下は8回とした。
各実施例、比較例について、成膜性、膜内部気孔率、膜全体気孔率、エッチング速度、プラズマ照射による密着強度劣化、プラズマ照射後の純水超音波洗浄による密着強度劣化をそれぞれ以下に示す方法で評価した。その結果を併せて表1および表2に示した。
<成膜性>
成膜性は、溶射後の膜剥離を確認し、成膜可能な試料を○、膜の一部が剥離したり、膜に亀裂が発生したりした試料を△、膜が付着せず成膜出来なかった試料を×とした。
<気孔率>
溶射膜全体の気孔率は、溶射膜のみを基材から剥離してアルキメデス法により測定した。
溶射膜内部の気孔率は、剥離した溶射膜について、射放し表面と剥離表面(基材と接触していた面)の両面から、それぞれダイヤモンドスラリーを用いたラップ盤による研磨加工を行い、表面粗さが0.5μmになった時点で研磨を止め、溶射膜内部気孔率の試験片とした。これをアルキメデス法により測定した。
<エッチング速度>
エッチング速度に関しては、溶射膜を有するテストプレート表面を研磨した後に研磨面の一部をポリイミドテープでマスクし、RIE(反応性イオンエッチング)を実施し、マスクのある部分とない部分の段差を測定することにより算出した。
このエッチング試験に使用したRIE装置の概略構成を図4に示した。このRIE装置101は、一対の電極板が上下平行に対向した平行平板型RIE装置として構成されている。RIE装置101は、チャンバー102内に、テストプレートTPの載置台であり、かつ下部電極としても機能するサセプター103を有している。この試験では、その直径Lが480mmであるサセプター103を用いた。
サセプター103の上方には、このサセプター103と平行に対向して上部電極として機能するシャワーヘッド105が設けられている。サセプター103とシャワーヘッド105との間隔(電極間ギャップL)は図示しない昇降機構により調節可能となっている。シャワーヘッド105には、ガス供給管108が接続されており、このガス供給管108は、バルブ109の上流側で分岐し、CFガス供給源110およびOガス供給源111に接続されている。これらのガス供給源からの配管には、それぞれ図示しない流量調節手段が設けられ、エッチングガスとしてのCFガスとOガスの流量を調整できるように構成されている。エッチングガスは、ガス供給管108を介してシャワーヘッド105内のガス供給室107に至り、ガス吐出口106から均等に吐出される。
下部電極として機能するサセプター103には、図示しない整合器を介して高周波電源112が接続されており、この高周波電源112は、例えば13.56MHzの周波数の高周波電力を下部電極であるサセプター103に供給することができる。
チャンバー102の底部には、排気口104が形成されており、図示しない真空ポンプを用いてチャンバー102内を所定の減圧雰囲気まで真空引きできるように構成されている。
以上の構成のRIE装置101において、テストプレートTPをサセプター103上に載置し、電極間ギャップLを100mmに調整した後、チャンバー102内の排気を行ない、6.7Pa(50mTorr)の高真空状態とした。その後、エッチングガスをCF:O=80:20の混合比で、流量50mL/min(sccm)に制御しながらチャンバー102内に供給した。この状態で、下部電極としてのサセプター103に1000Wの高周波電力を印加することにより、高周波電界を生じさせ、エッチングガスをプラズマ化してテストプレート表面にエッチングを実施した。エッチングは2時間行った。
<密着強度劣化>
プラズマ照射による密着強度劣化は、上記条件にてプラズマエッチング処理を行った前後での密着強度を、5個のテストピース(φ25mm)について引張りスピード1mm/minの条件で引張り試験を行なって測定し、その平均値を求めた後に、次の式、
密着強度劣化(%)=(プラズマ照射後の密着強度)÷(プラズマ照射前の密着強度)×100
により算出した。このプラズマ照射による密着強度劣化は、その値が高い場合は、プロセス中に溶射膜が剥離する可能性があるため、30%以下であることが好ましい。
純水超音波洗浄による密着強度劣化は、上記条件にてプラズマエッチング処理を行った後、さらに、純水中で40kHzの超音波により10分間洗浄後、70℃で1時間乾燥する洗浄・乾燥工程を30回繰り返し、その30回の洗浄・乾燥工程の前後での密着強度を、5個のテストピース(φ25mm)について引張りスピード1mm/minの条件で引張り試験を行なって測定し、その平均値を求めた後に、次の式、
密着強度劣化(%)=(純水超音波洗浄後の密着強度)÷(純水超音波洗浄前の密着強度)×100
により算出した。この純水超音波洗浄による密着強度劣化の値が高い場合は、プロセス中に溶射膜が剥離する可能性があるため、30%以下であることが好ましい。
Figure 2006307311
Figure 2006307311
表1および表2から明らかなように、実施例1〜10の互いに分離した2つのアノードトーチを備えた溶射装置により溶射したY溶射膜では、膜内部の気孔率が7%以下であり、かつ膜全体の気孔率が10%を超えており、CF+Oプラズマによるエッチング速度が5μm/min以下となっていることが確認された。
また、実施例1〜10の溶射膜においては、プラズマ照射前後の密着強度劣化が30%以内であった。また、プラズマ照射後の基材と溶射膜界面の腐食が小さく、プラズマ照射後かつ純水超音波洗浄後の密着強度劣化も30%以内であることが確認された。
実施例1〜10では、溶射膜の特性に基材の材質の違いに基づく差異は認められず、いずれの材質の基材においても良好な溶射膜が得られることが示された。
一方、溶射の際に、初回パスの条件調整を行なわなかった比較例1では、密着強度劣化の特性が著しく低かった。これは、膜全体の気孔率が8.5%と小さく、緻密すぎるため、熱応力への耐性が低下したものと考えられる。また、初回パスの出力低減量が大きすぎた比較例2や、初回パスの原料増加量が多すぎた比較例3では、成膜性に問題があり(一部剥離が生じた)、実用不可であり、密着強度劣化の測定も不可能であった。
また、原料の顆粒化を行なわなかった比較例4、顆粒化は行なったものの平均顆粒径が大きすぎた比較例5、顆粒焼成温度が低すぎた比較例6では、膜内部の気孔率が7%を超えており、エッチング速度も高くなって耐プラズマ性が悪かった。
また、溶射出力が低い比較例7では、成膜が不能であった。
さらに、アノード一体型の溶射装置を用いた比較例8およびHVOF(高速フレーム溶射)装置を用いた比較例9においては、膜内部の気孔率が7%を超えており、エッチング速度が高く、耐プラズマ性が悪かった。
実施例11〜20、比較例10〜18
表面粗さRa>4μmに粗面させた基材を準備し、異なる種類の溶射装置を用い、Al溶射膜を形成してテストプレートとした。溶射装置および基材としては、Al(JIS6061)、ステンレス(SUS304)、カーボンおよび金属セラミックス複合材料(SiC/Al複合材料)を用いた。
溶射膜の製造条件として、原料の造粒(顆粒化)の有無、平均顆粒径および顆粒焼成温度、並びに溶射膜厚および溶射出力を表3および表4に示すように変化させて実施例11〜20、比較例10〜18とした。他の製造条件は、実施例1等と同様とした。各実施例、比較例について、実施例1等と同様の基準で成膜性、膜内部気孔率、膜全体気孔率、エッチング速度、プラズマ照射による密着強度劣化、プラズマ照射後の純水超音波洗浄による密着強度劣化をそれぞれ評価した。その結果を併せて表3および表4に示した。
Figure 2006307311
Figure 2006307311
表3および表4から明らかなように、実施例11〜20の互いに分離した2つのアノードトーチを備えた溶射装置により溶射したAl溶射膜では、膜内部の気孔率が7%以下であり、かつ膜全体の気孔率が10%を超えており、CF+Oプラズマによるエッチング速度が20μm/min以下となっていることが確認された。
また、実施例11〜20の溶射膜においては、プラズマ照射前後の密着強度劣化が20%以内であり密着性に優れていた。また、プラズマ照射後の基材と溶射膜界面の腐食が小さく、プラズマ照射後の純水超音波洗浄後の密着強度劣化も30%以内であることが確認された。
実施例11〜20では、溶射膜の特性に基材の材質の違いに基づく差異は認められず、いずれの材質の基材においても良好な溶射膜が得られることが示された。
一方、溶射の際に、初回パスの条件調整を行なわなかった比較例10では、密着強度劣化の特性が著しく低かった。これは、膜全体の気孔率が8.1%と小さく、緻密すぎるため、熱応力への耐性が低下したものと考えられる。逆に、初回パスの出力低減量が大きすぎた比較例11や、初回パスの原料増加量が多すぎた比較例12では、成膜性に問題があり(一部剥離が生じた)、実用不可であり、密着強度劣化の測定も不可能であった。
また、原料の顆粒化を行なわなかった比較例13、顆粒化は行なったものの平均顆粒径が大きすぎた比較例14、顆粒焼成温度が低すぎた比較例15では、膜内部の気孔率が7%を超えており、エッチング速度も高くなって耐プラズマ性が悪かった。
また、溶射出力が低い比較例16では、成膜が不能であった。
さらに、アノードー体型の溶射装置を用いた比較例17およびHVOF(高速フレーム溶射)装置を用いた比較例18においては、膜内部の気孔率が7%を超えており、エッチング速度が高く、耐プラズマ性が悪かった。
溶射膜製品の要部断面構造を示す模式図。 気孔率の測定方法の説明に供する図面であり、(a)は溶射膜を基材から剥離した状態を示し、(b)は溶射膜の表面を研磨した状態を示す模式図である。 本発明の耐食性部材における溶射膜を形成する装置を示す概略断面図。 耐食性部材のエッチングに使用するRIE装置の概略構成を示す図面。
符号の説明
1;装置本体
2;カソードトーチ
3a,3b;アノードトーチ
40,41a,41b;プラズマアーク
40a;プラズマジェット
51;溶射粒子
52;溶射膜
53;基材
54;第1の溶射層
55;第3の溶射層
56;第2の溶射層

Claims (11)

  1. 腐食性環境下で用いられる耐食性部材であって、
    基材と、該基材表面の一部もしくは全部を被覆するセラミックス溶射膜とを備え、
    前記セラミックス溶射膜は、膜厚が50〜500μmであり、前記基材から剥離した状態で、セラミックス溶射膜全体の気孔率が10%を超えるとともに、前記セラミックス溶射膜の表面と前記基材からの剥離面との両方から、それぞれ表面粗さが0.5μmに達するまで研磨したときの研磨後の膜内部の気孔率が7%以下であることを特徴とする耐食性部材。
  2. 前記セラミックス溶射膜は、材質がYであり、かつ電極間ギャップ100mmの平行平板型RIE装置により、80%CFおよび20%Oからなる混合ガスを用い、流量50mL/min、出力1000W、圧力6.7Paの条件でプラズマエッチングを行ったとき、エッチング速度が5nm/min以下である膜であることを特徴とする、請求項1に記載の耐食性部材。
  3. 前記セラミックス溶射膜は、原料として、平均顆粒径を10〜80μmに造粒したのちに、1000〜1900℃で仮焼した顆粒状Yを使用するとともに、
    2個のアノードトーチを備えた溶射装置により、前記基材に対し40〜110kWの出力でプラズマ溶射して得られるものであることを特徴とする請求項2に記載の耐食性部材。
  4. 前記セラミックス溶射膜は、材質がAlであり、かつ電極間ギャップ100mmの平行平板型RIE装置により、80%CFおよび20%Oからなる混合ガスを用い、流量50mL/min、出力1000W、圧力6.7Paの条件でプラズマエッチングを行ったとき、エッチング速度が20nm/min以下である膜であることを特徴とする、請求項1に記載の耐食性部材。
  5. 前記セラミックス溶射膜は、原料として、平均顆粒径を10〜80μmに造粒したのちに、1000〜1700℃で仮焼した顆粒状Alを使用するとともに、
    2個のアノードトーチを備えた溶射装置により、前記基材に対し40〜110kWの出力でプラズマ溶射して得られるものであることを特徴とする請求項4に記載の耐食性部材。
  6. 前記セラミックス溶射膜は、前記溶射装置により、複数回のパス施工により成膜されたものであり、初回パス施工時の前記溶射装置の出力を、2パス目以降の施工に比べ、2〜15%低減して施工されたものであることを特徴とする、請求項3または請求項5に記載の耐食性部材。
  7. 前記セラミックス溶射膜は、前記溶射装置により、複数回のパス施工により成膜されたものであり、初回パス施工時の原料投入量を、2パス目以降の施工に比べ、3〜20%増加させて施工されたものであることを特徴とする、請求項3または請求項5に記載の耐食性部材。
  8. プラズマ溶射により基材表面にY膜を被覆する耐食性部材の製造方法であって、
    原料を平均顆粒径が10〜80μmに造粒する顆粒化工程と、
    顆粒化したY原料を1000〜1900℃で仮焼する仮焼工程と、
    仮焼後の前記Y原料を、2個のアノードトーチを備えた溶射装置により40〜110kWの出力で前記基材表面に溶射するプラズマ溶射工程と、を含み、
    膜厚が50〜500μmであり、前記基材から剥離した状態で、膜全体の気孔率が10%を超えるとともに、膜の表面と前記基材からの剥離面との両方から、それぞれ表面粗さが0.5μmに達するまで研磨したときの研磨後の膜内部の気孔率が7%以下であるY膜を形成することを特徴とする耐食性部材の製造方法。
  9. プラズマ溶射により基材表面にAl膜を被覆する耐食性部材の製造方法であって、
    Al原料を平均顆粒径が10〜80μmに造粒する顆粒化工程と、
    顆粒化したAl原料を1000〜1700℃で仮焼する仮焼工程と、
    仮焼後の前記Al原料を、2個のアノードトーチを備えた溶射装置により40〜110kWの出力で基材表面に溶射するプラズマ溶射工程と、
    を含み、
    膜厚が50〜500μmであり、前記基材から剥離した状態で、膜全体の気孔率が10%を超えるとともに、膜の表面と前記基材からの剥離面との両方から、それぞれ表面粗さが0.5μmに達するまで研磨したときの研磨後の膜内部の気孔率が7%以下であるAl膜を形成することを特徴とする耐食性部材の製造方法。
  10. 前記プラズマ溶射工程は、前記溶射装置による複数回のパス施工を含むものであり、初回パス施工時の前記溶射装置の出力を、2パス目以降の施工に比べ、2〜15%低減して施工することを特徴とする、請求項8または請求項9に記載の耐食性部材の製造方法。
  11. 前記プラズマ溶射工程は、前記溶射装置により、複数回のパス施工を含むものであり、初回パス施工時の原料投入量を、2パス目以降の施工に比べ、3〜20%増加させて施工することを特徴とする、請求項8または請求項9に記載の耐食性部材の製造方法。
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