JP2006307067A - 複合体、プリプレグ、金属張積層板並びにプリント配線板及びその製造方法 - Google Patents

複合体、プリプレグ、金属張積層板並びにプリント配線板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 プリプレグや絶縁層等を形成する際に薄型化を行った場合であっても、樹脂硬化物や強化基材の脱落を生じ難く、多層基板の製造に適した複合体を提供すること。
【解決手段】 複合体100は、樹脂組成物102中に繊維シート101が配された構成を有している。また、複合体100は、貫通孔103を備えている。そして、樹脂組成物102は、その硬化物の20℃における貯蔵弾性率が、100〜2000MPaである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複合体、これを用いたプリプレグ、これらを備える金属張積層板、並びに、プリント配線板及びその製造方法に関する。
電気及び電子部品の小型化、軽量化、多機能化に伴い、多層プリント配線板は高密度化、高多層化してきている。したがって、これらに対応可能な特性を有する、より信頼性の高いプリント配線板が要求されている。
多層プリント配線板は、一般に、絶縁層と導体箔とが交互に複数積層された構造を有しており、異なる層の導体箔同士は、絶縁層に設けられたビアによって電気的に接続されている。このような多層プリント配線板における絶縁層用の材料としては、繊維シート等の強化基材に絶縁性の樹脂を含浸させた複合体や、この樹脂を半硬化させて得られたプリプレグが頻繁に用いられる。多層プリント配線板の絶縁層に適用可能なプリプレグとしては、例えば、下記特許文献1に記載されたものが知られている。
特許第2904311号公報
しかしながら、近年、多層プリント配線板には、従来にも増して更なる小型化が望まれており、これに対応するため、絶縁層に用いられる複合体やプリプレグにも一層の薄型化が要求されている。ところが、上記従来のプリプレグ等に対してこのような薄型化を行うと、積層板等を製造した場合に、樹脂の硬化物や強化基材の一部が欠けて脱落し易い傾向にあることが判明した。このようにして生じた脱落物は、多層プリント配線板を製造する際に異物となって回路パターンを断線させる原因となるため、望ましくない。
そこで、本発明はこのような事情にかんがみてなされたものであり、プリプレグや絶縁層等を形成する際に薄型化を行った場合であっても、樹脂硬化物や強化基材の脱落を生じ難い複合体を提供することを特徴とする。本発明はまた、かかる複合体を用いて得られるプリプレグ、金属張積層板並びにプリント配線板及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の複合体は、樹脂組成物と、この樹脂組成物中に配された繊維シートとを備えており、樹脂組成物は、その硬化物の貯蔵弾性率が20℃で100〜2000MPaであることを特徴とする。なお、樹脂組成物の貯蔵弾性率としては、例えば、その硬化物を測定周波数1〜100Hzの引張りモード(スパン間距離5〜30mm)で動的粘弾性測定することにより得られた値を採用することができる。
このように、本発明の複合体は、強化基材に含浸された樹脂組成物として、硬化後の弾性率の値が所定の範囲であるものを用いている。このような複合体を多層プリント配線板における絶縁層に適用した場合、かかる絶縁層を構成する樹脂の硬化物が上述した弾性率を有しているため、薄型化した場合であっても過度に硬くなることがなく、当該樹脂硬化物の欠損等が生じ難くなる。また、この絶縁層においては、上述したような適度な弾性を有する樹脂硬化物中に強化基材である繊維シートが配されているため、配線板製造時において繊維シートの破れが生じたとしても、その破損物が絶縁層から脱落することが極めて少ない。
また、本発明の複合体においては、上記硬化性樹脂組成物が粘弾性樹脂を含有していると好ましい。このような複合体は、樹脂硬化物や基材の脱落がより確実に抑制されるとともに、多層基板における絶縁層に適用した場合に、金属箔等に対する接着信頼性が優れるものとなる。
複合体中の樹脂組成物は、アクリル系重合体を含んでおり、また、この構造単位は、2〜20重量部のグリシジルアクリレート単位を有し、エポキシ価が2〜36であり、且つ、重量平均分子量が30,000以上であると好ましい。ここで、エポキシ価とは、試料100g中に存在するエポキシ基のモル数(eq./100g)を表し、本明細書においては、例えば、HLC法により測定されたエポキシ価を採用することができる。樹脂組成物が、このような条件を満たすアクリル系重合体を含んでいる場合、当該樹脂組成物の硬化物は、上述した弾性率の条件を満たし易いものとなる。
上記複合体における繊維シートは、ガラス布であり、しかも、このガラス布の厚みは、10〜200μmであると好ましい。繊維シートとしてガラス布を用いることによって、強度に優れる複合体、ひいては絶縁層を形成可能となる。また、ガラス布の厚さを上記範囲とすれば、絶縁層の強度を十分に維持したまま、当該絶縁層を薄型化することができるようになる。
また、本発明の複合体は、その総厚さが100μm以下であると更に好ましい。複合体の総厚さが100μm以下であると、多層印刷配線板を構成する絶縁基板として用いる場合に、高密度化を図ることがより容易となる。
上記本発明の複合体は、厚さ方向に貫通する貫通孔を設けられた形態であってもよい。かかる形態の複合体は、予め所定の位置に貫通孔が設けられていることから、これを用いて多層基板等を形成する際のビアの形成が容易となる。
また、本発明によるプリプレグは、上記本発明の複合体における樹脂組成物を半硬化して得られたものである。このプリプレグは、上記本発明の複合体からなるため、硬化後に脱落物を極めて生じ難いものとなる。そして、このようなプリプレグを用いれば、多層プリント配線板を容易且つ良好に製造することが可能となる。
本発明のプリプレグも、上記複合体と同様、厚さ方向に貫通する貫通孔を有していると好ましい。このようなプリプレグを用いれば、多層基板の製造の際におけるビアの形成が極めて容易化される。
本発明はまた、上述の複合体を用いて得られた金属張積層板を提供する。すなわち、本発明の金属張積層板は、貫通孔を有する上記本発明の複合体の少なくとも一面上に金属箔を配するとともに、当該複合体における樹脂組成物を硬化してなるものであり、且つ、貫通孔の内壁に、厚さ方向に延びる導電体が付着していることを特徴とする。
同様の金属張積層板は、上記本発明のプリプレグから得ることもできる。すなわち、本発明の金属張積層板は、貫通孔を有する上記本発明のプリプレグの少なくとも一面上に金属箔を配するとともに、当該プリプレグにおける半硬化状態の樹脂組成物をさらに硬化してなり、且つ、貫通孔の内壁に、厚さ方向に延びる導電体が付着していることを特徴としてもよい。
これらの金属張積層板は、上記本発明の予め貫通孔が設けられた複合体又はプリプレグを備えていることから、これらを積層することで、絶縁層及び金属箔を交互に有する多層基板を容易に得ることができる。この際、複合体又はプリプレグの貫通孔の内部には導電体が付着しており、このような貫通孔はいわゆるビアとして機能することから、多層基板における異なる層の金属箔同士を所望の位置で接続することが容易である。
本発明によるプリント配線板は、絶縁基板の厚さ方向に貫通孔が形成されるとともに、貫通孔に基板の厚さ方向に電気的接続をするための導電性樹脂組成物が充填されているものであり、絶縁基板は、上記本発明の複合体を硬化してなり、絶縁基板は、内部に密閉構造の空孔を有しており、絶縁基板と導電性樹脂組成物とは、導電性樹脂組成物が、絶縁基板における空孔から形成された複数の凹部に充填された状態で絶縁基板の内部へ突出することにより、一体化されていることを特徴とする。
上記構成を有するプリント配線板は、絶縁基板として本発明の複合体からなるものを備えているため、その製造時に樹脂硬化物や繊維等の脱落物が生じて配線パターン等の断線を生じることが極めて少ない。また、上述の如く、貫通孔内の導電性樹脂組成物は、貫通孔の内壁の凹部にも充填されている。かかる構造は、換言すれば、導電性樹脂組成物の突出部が絶縁基板側に食い込んだ状態であり、このため、アンカー効果が生じて導電性樹脂組成物と貫通孔の内壁との密着性が良好となる。その結果、絶縁基板と導電性樹脂組成物とのずれ等が生じ難くなり、信頼性に優れるプリント配線板が得られるようになる。
また、本発明の他のプリント配線板は、絶縁基板の厚さ方向に貫通孔が形成されるとともに、貫通孔に基板の厚さ方向に電気的接続をするための導電性樹脂組成物が充填されているプリント配線板であって、絶縁基板は、上記本発明の複合体を硬化してなるものであり、導電性樹脂組成物は、金属微粒子及び樹脂を含む組成物であり、且つ、金属微粒子の大きさが、平均粒子直径0.2〜20μmの範囲であり、絶縁基板と導電性樹脂組成物とは、導電性樹脂組成物中の樹脂が、絶縁基板中に浸透することにより一体化されていることを特徴とする。
上記構成を有するプリント配線板は、絶縁基板として本発明の複合体からなるものを備えているため、上述の如く、製造時に脱落物等を生じ難い。また、貫通孔に充填された導電性樹脂組成物は、当該組成物中の樹脂が絶縁基板中に浸透した状態で絶縁基板と接着しているため、貫通孔の内壁との密着性が高い状態となっている。したがって、このような構成を有するプリント配線板も、極めて信頼性に優れるものとなる。
さらに、本発明の他のプリント配線板は、絶縁基板の厚さ方向に貫通孔が形成されるとともに、貫通孔に基板の厚さ方向に電気的接続をするための導電性樹脂組成物が充填されているプリント配線板であって、絶縁基板は、上記本発明の複合体を硬化してなるものであり、導電性樹脂組成物は、金属微粒子及び樹脂を含む組成物であり、且つ、金属微粒子の大きさは、平均粒子直径0.2〜20μmの範囲であり、絶縁基板と導電性樹脂組成物とは、導電性樹脂組成物中の樹脂と絶縁基板中の樹脂成分とが共有結合して自己接着することにより一体化されていることを特徴とする。
上記構成を有するプリント配線板は、絶縁基板として本発明の複合体からなるものを備えているため、上述の如く、製造時に脱落物を生じ難い。また、貫通孔に充填された導電性樹脂組成物は、当該組成物中の樹脂と絶縁基板中の樹脂成分とが共有結合して自己接着しているため、貫通孔の内壁と強固に接着された状態となっている。したがって、このような構成を有するプリント配線板も、極めて信頼性に優れるものとなる。
さらにまた、本発明の他のプリント配線板は、絶縁基板の厚さ方向に貫通孔が形成されるとともに、貫通孔に基板の厚さ方向に電気的接続をするための導電性樹脂組成物が充填されているプリント配線板であって、絶縁基板は、上記本発明の複合体を硬化してなるものであり、絶縁基板と導電性樹脂組成物とは、絶縁基板を構成する複合体中の繊維シートが、導電性樹脂組成物中に突出することによって一体化されていることを特徴とする。
上記構成を有するプリント配線板は、絶縁基板として本発明の複合体からなるものを備えているため、上述の如く、製造時に脱落物を生じ難い。また、絶縁基板を構成する複合対中の繊維シートは、導電性樹脂組成物中に突出しており、換言すれば、絶縁基板中の繊維シートが導電性樹脂組成物に食い込んだ状態となっている。このため、導電性樹脂組成物と貫通孔の内壁とが極めて強固に接着されている。したがって、このような構成を有するプリント配線板も、極めて信頼性に優れるものとなる。
本発明はまた、上記構成を有するプリント配線板を好適に製造する方法を提供する。すなわち、本発明のプリント配線板の製造方法は、内部に空孔を有する上記本発明の複合体の両面をカバーフィルムで覆うとともに、複合体の厚さ方向に、レーザー光照射により貫通孔を形成する工程と、貫通孔に、導電性ペーストを充填する工程と、カバーフィルムを除去した後、複合体の少なくとも片面に金属箔を張り合わせる工程と、複合体を加熱及び加圧して圧縮硬化させることにより複合体と導電性ペーストとを一体化する工程と、金属箔を所定の形状にパターニングする工程とを有することを特徴とする。
本発明は更に、上述した本発明の構成を含む多層プリント配線板を好適に製造する方法も提供する。すなわち、本発明の多層プリント配線板の製造方法は、内部に空孔を有する上記本発明の複合体の両面をカバーフィルムで覆うとともに、複合体の厚さ方向に、レーザー光照射により貫通孔を形成する工程と、貫通孔に、導電性ペーストを充填する工程と、カバーフィルムを除去した後、複合体の片面に金属箔を張り合わせて中間体を得る工程と、一対の中間体を、金属箔が外側となるように配置するとともに、この一対の中間体の間に2層以上の配線パターンを有する回路基板を配置し、積層体を得る工程と、この積層体を加熱及び加圧して圧縮硬化させることにより複合体と導電性ペーストとを一体化する工程と、一対の金属箔を、所定の形状にパターニングする工程とを有することを特徴とする。
また、本発明の他の多層プリント配線板の製造方法は、内部に空孔を有する上記本発明の複合体の両面をカバーフィルムで覆うとともに、複合体の厚さ方向に、レーザー光照射により貫通孔を形成する工程と、貫通孔に、導電性ペーストを充填する工程と、カバーフィルムを除去して中間接続体を得る工程と、複数の両面プリント配線板の間に、中間接続体を配置して積層体を得る工程と、積層体を加熱及び加圧して圧縮硬化させることにより複合体と導電性ペーストとを一体化する工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、プリプレグや絶縁層等を形成する際に薄型化を行った場合であっても、樹脂硬化物や強化基材の脱落を生じ難い複合体を提供することが可能となる。また、かかる複合体を用いて得られるプリプレグ及び金属張積層板や、これらを用いて製造され、極めて信頼性に優れるプリント配線板及びその製造方法を提供することが可能となる。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、上下左右等の位置関係は、図面の位置関係に基づくものとする。
[複合体]
まず、図1を参照して本発明の複合体の好適な実施形態について説明する。
図1は、実施形態の複合体の断面構造を模式的に示す図である。複合体100は、樹脂組成物102中に繊維シート101が配された構成を有している。また、複合体100は、貫通孔103を備えている。
繊維シート101としては、例えば、アラミド(芳香族ポリアミド)等の耐熱性合成繊維やガラス繊維からなる繊維布(織布や不織布)、或いは紙等が挙げられる。これらのうち、ガラス繊維織布及びガラス繊維不織布が好ましく、ガラス繊維織布が特に好ましい。ガラスの材質としては、Eガラス、Sガラス、Dガラス等が挙げられる。また、繊維シートとして織布を用いる場合の繊維の織り方については、例えば、平織、朱子織、綾織等が挙げられる。
繊維シート101の厚みは、複合体100が十分な強度を有し得る範囲で可能な限り薄い方が好ましい。具体的には、例えば、10〜200μmであると好ましく、20〜80μmであるとより好ましい。また、繊維シート101としては、線膨張率が小さいものが好ましい。
樹脂組成物102としては、その硬化物の20℃における貯蔵弾性率が100〜2000MPa、好ましくは100〜1500MPa、更に好ましくは100〜1000MPaでるものであればよく、例えば、硬化性樹脂とこの硬化性樹脂を硬化させる硬化剤とを含有するものが挙げられる。硬化性樹脂の樹脂成分としては、粘弾性樹脂が好ましく、例えば、エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリブタジエン、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、カルボキシル基末端ブタジエン・アクリロニトリル共重合ゴム(CTBN)、BTレジン、アクリル系重合体、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、シリコーン変性ポリアミドイミド等が挙げられる。また、硬化剤としては、ジシアンジアミド、フェノール樹脂、イミダゾール、アミン化合物、酸無水物等が挙げられる。
なかでも、樹脂組成物102としては、硬化性のアクリル重合体と、このアクリル重合体を硬化させる硬化剤とを組み合わせたものが好ましい。この場合、アクリル重合体100質量部に対して、硬化剤を60〜350質量部含有しているとより好ましい。硬化剤の含有量が、アクリル系重合体100質量部に対して60質量部未満であると、樹脂硬化物の弾性率が300MPa未満となり易く、複合体100が容易に変形してしまうなど、取り扱いの点で問題が生じるほか、樹脂硬化物のガラス転移温度(Tg)が急激に低下してしまい、複合体100が高温放置時に劣化して寸法収縮を生じる等、耐熱性が不十分となり易い傾向にある。一方、350質量部を超える場合は、樹脂組成物102の硬化物の弾性率が2000MPaを超えることが多く、この場合、硬化後の複合体100が脆くなり易い傾向にある。
また、アクリル重合体は、その重量平均分子量(Mw)が、30000以上であることが好ましく、50000以上であることがより好ましい。さらに、このアクリル重合体は、重合成分として、好ましくは2〜20質量%、より好ましくは2〜15質量%のグリシジルアクリレートを含有しており、しかも、好ましくは2〜36、より好ましくは3〜30のエポキシ価を有しているとより好ましい。
樹脂組成物102がこれらの条件を満たすアクリル系重合体を含有している場合、その硬化物は上述した範囲の弾性率を有するものとなり易いほか、耐熱性等の特性も良好となる。特に、アクリル系重合体のエポキシ価が2未満であると、樹脂組成物102の硬化物のTgが低下して、複合体101からなる絶縁層の耐熱性が不十分となる傾向にある。一方、エポキシ価が36を超えると、硬化物の弾性率が過度に大きくなり、絶縁層が脆くなる傾向にある。
上記構成を有する複合体100は、例えば、以下に示すようにして製造することができる。すなわち、樹脂組成物102を繊維シート101に含浸させた後に乾燥し、更に所定の位置に貫通孔103を形成する方法が例示できる。樹脂組成物102を繊維シート101に含浸させる方法としては、例えば、ウェット方式やドライ方式等、樹脂組成物102の溶液に繊維シート101を浸漬させる方法や、繊維シート101に樹脂組成物102を塗工する方法が挙げられる。
[プリプレグ]
次に、図2を参照して、好適な実施形態に係るプリプレグについて説明する。
図2は、実施形態のプリプレグの断面構造を模式的に示す図である。図2に示すプリプレグ200は、樹脂組成物を半硬化させた半硬化樹脂層202と、この中に配された繊維シート201とから構成されている。また、プリプレグ200は、貫通孔203を備えている。かかるプリプレグ200を構成する樹脂組成物及び繊維シート201は、上述した複合体100におけるのと同様のものが好適である。
このような構成を有するプリプレグ200は、例えば、上述した貫通孔103を有する複合体100に対し、後述するような所定の処理を施すことによって、当該複合体100中の樹脂組成物102を半硬化させる方法により製造することができる。また、プリプレグ201は、樹脂組成物を繊維シート201に含浸させて乾燥した後、この樹脂組成物を半硬化させて半硬化樹脂層202を形成してから、所定の位置に貫通孔203を設ける方法によって製造することもできる。
ここで、樹脂組成物を半硬化して半硬化樹脂層202を形成する方法としては、加熱、紫外線照射、電子線照射等の方法が挙げられる。例えば、加熱により半硬化を行う場合、好適な条件の一例として、加熱温度100〜200℃、加熱時間1〜30分の条件が挙げられる。
プリプレグ200における半硬化樹脂層202は、樹脂組成物が10〜50%の硬化率となるように硬化されたものであることが好ましい。この硬化率が10%未満であると、プリプレグ200を導電体と一体化した場合に、導電体の表面に繊維シートの凹凸が反映されてしまい、表面平滑性が低下する傾向にあるほか、当該プリプレグ200からなる絶縁層の厚みの制御が困難となる傾向にある。一方、樹脂組成物の硬化率が50%を越えると、半硬化樹脂層202中の樹脂成分が不足することとなり、導電体と高速で一体化させた場合に気泡やかすれが生じ易くなる傾向にある。こうなると、導電体との接着力が不十分となる。
[金属張積層板]
次に、図3を参照して、好適な実施形態に係る金属張積層板について説明する。
図3は、実施形態の金属箔張積層板の断面構造を模式的に示す図である。図3に示される金属箔張積層板300は、貫通孔303を有する絶縁基板301と、貫通孔303に充填された導電体304と、絶縁基板301の両面に積層された一対の導電体層302とから構成されている。
導電体層302の構成材料としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔、ニッケル箔等の金属箔が挙げられる。金属箔張積層板300においては、導電体層302が銅箔であることが好ましく、その厚さは1〜70μmであることが好ましい。銅箔としては、電解銅箔、圧延銅箔等が適用できる。
なお、導電体層302は、これらの金属箔からなるものに限られず、金属、導電性を有する有機物及びこれらの複合物等からなる導電性の膜から構成されるものであればよい。具体的には、例えば、金、銀、ニッケル、銅、白金、パラジウム等の金属、酸化ルテニウム等の金属酸化物、又は、これらの金属を含む有機金属化合物等を含有する導電ペーストを加熱加圧して得られる膜が挙げられる。
絶縁基板301は、上述した複合体100又はプリプレグ200からなり、これらの貫通孔103又は203中に導電体304が充填された状態のものである。金属張積層板300においては、この導電体304がいわゆるビアとして機能することによって、絶縁基板301の表裏面に形成された一対の導電体層302同士が電気的に接続される。
上記構成を有する金属張積層板300は、以下に示す方法により製造することができる。すなわち、例えば、絶縁基板301が上述したプリプレグ200からなるものである場合、まず、プリプレグ200における貫通孔203に、導電ペーストを充填して導電体304を形成する。この導電ペーストとしては、通常、多層配線板等のビア形成に用いられるものを特に制限なく適用でき、後述のプリント配線板に応用する場合には、例えば、後述するような樹脂及び金属微粒子を含むものが好ましい。
次に、導電体304が形成されたプリプレグ200の両表面上に上述したような金属箔を重ね、これらを一体化することによって金属張積層板300を得る。これらを一体化する方法としては、例えば、メタライズ、プレス積層方法、熱ロール連続積層法等が挙げられる。なかでも、効率よく導電体層を形成する観点からは、プレス積層法が好ましい。熱プレス積層法により、金属箔と、プリプレグ又は複合体とを一体化する際の加熱加圧条件は、例えば、温度120〜230℃、圧力10〜60kg/cm2、加熱時間30〜120分とすることが好ましい。
なお、金属張積層板300は、絶縁基板301と導電体層302との間に、絶縁基板301を構成する複合体100やプリプレグ200中のものと同じ樹脂組成物からなる樹脂層を備えていても構わない。この樹脂層は、金属張積層板300において、絶縁基板301中の樹脂組成物と一体化して当該絶縁基板301の一部となる。かかる構成とすれば、繊維シート101や201に起因する複合体100やプリプレグ200表面の凹凸が、この樹脂層によって緩和されることとなり、平滑な表面を有する金属張積層板300を得やすくなる。そして、このような構成を有する金属張積層板300は、例えば、導電体層302を構成する金属箔の表面に樹脂組成物を塗布した後、金属箔を、この塗布面が接するように複合体100やプリプレグ200と張り合わせることによって製造できる。
なお、本発明の金属張積層板は、必ずしも導電体層が絶縁基板の両面に配置されたものでなくてもよく、片側にのみ配置された形態であってもよい。また、ビアとして、貫通孔103又は203内に導電体304が充填された構造のものを例示したが、ビアは、少なくとも絶縁基板301の表裏面の導通が図れるものであればかかる構造に限定されない。具体的には、貫通孔103や203の内壁に、貫通孔の厚さ方向における両端部を結ぶように導電体が付着した形態であってもよい。
[プリント配線板及びその製造方法]
以下、プリント配線板の製造方法の第1〜6の形態及びこれらの製造方法により得られるプリント配線板について説明する。
(第1の形態)
まず、図4を参照して、第1の形態に係る製造方法により得られたプリント配線板について説明する。図4は、第1の形態の製造方法により得られたプリント配線板の断面構造を模式的に示す図である。
図示のように、プリント配線板400は、絶縁基板410の両側に、回路パターン420a及び回路パターン420bが設けられた構造を有する両面プリント配線板である。絶縁基板410は、厚さ方向に設けられた貫通孔403内に導電性樹脂組成物が充填されてなるビア404を所定の位置に有している。このビア404によって、回路パターン420と回路パターン422とが所定の位置において互いに電気的に接続されている。
絶縁基板410は、上述した複合体100又はプリプレグ200の硬化物からなるものである。ここで、複合体100又はプリプレグ200の硬化物とは、複合体100又はプリプレグ200に含まれている樹脂組成物102又は半硬化樹脂層202が、さらに硬化(より好ましくは完全硬化)された状態のものをいう。
絶縁基板410を形成するための複合体100又はプリプレグ200における樹脂組成物としては、熱硬化性樹脂が好ましく、なかでも、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、熱硬化性ポリブタジエン及びポリイミドからなる群より選ばれる少なくとも一種の熱硬化性樹脂が好ましい。
また、この場合の複合体100又はプリプレグ200における繊維シートは、後述するように、当該複合体又はプリプレグに多数の空孔を生じさることができるように、内部に多数の密閉構造の空孔を有しているものが好適である。このような繊維シートを構成する繊維としては、耐熱性合成繊維又はガラス繊維が好適であり、耐熱性合成繊維としては、芳香族ポリアミド繊維又はポリイミド繊維が挙げられる。なかでも、繊維シートとしては、アラミド繊維の不織布が特に好ましく、具体的には、ケブラー(登録商標、デュポン社製)が商業的に入手可能である。
ビア404を構成する導電性樹脂組成物としては、樹脂及び金属微粒子を含むものが好ましい。樹脂としては、複合体100等において用いた熱硬化性樹脂が好ましく、なかでも、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、熱硬化性ポリブタジエン及びポリイミドからなる群より選ばれる少なくとも一種の熱硬化性樹脂が好適である。特に、樹脂が、上述の複合体100等に含まれる樹脂組成物中の成分と反応し得るものであると、ビア404と絶縁基板410との密着性が極めて良好となることから好ましい。
金属微粒子としては、金、銀、銅、パラジウム、ニッケル及びこれらの合金からなる群より選ばれる少なくとも一種の金属微粒子が好ましい。これらの金属微粒子を含む導電性樹脂組成物は電気伝導性が高いことから、かかる組成物を含むビアによれば、回路パターン同士を良好に接続することが可能となる。
また、金属微粒子としては、その平均粒子直径が0.2〜20μmの範囲である大きさを有するものが好ましい。このような大きさを有する金属微粒子は樹脂中で安定化されることから、これにより導電性樹脂組成物も安定化されて取り扱いが容易となる。さらに、導電性樹脂組成物中の金属微粒子の含有量は、80〜92.5質量%であると好ましい。こうすれば、良好な導電性を有するビア404を形成することが容易となる。
絶縁基板410に設けられた貫通孔403は、その直径が50〜300μmであると好ましい。このような直径を有する貫通孔403中に上述したような導電性樹脂組成物が充填されて形成されたビア404は、回路パターン同士を良好に接続することができる。
ここで、図4に示すように、絶縁基板410における貫通孔403の内壁は凹凸を有している。換言すれば、貫通孔403の内壁は、多数の凹部430が形成された状態となっている。この凹凸は、絶縁基板410の原料である複合体100又はプリプレグ200中の空孔が、プリント配線板400の製造時に貫通孔403の内壁に露出することによって形成されたものである。
そして、絶縁基板410においては、導電性樹脂組成物は、貫通孔403内に十分に満たされており、したがって、貫通孔403の凹部430にも十分に充填された状態となっている。逆に言えば、ビア404を構成する導電性樹脂組成物は、複数の凸部を有しており、しかも、この凸部が絶縁基板410側に突出した形状となっている。
次に、図5を参照して第1の形態に係るプリント配線板の製造方法について説明する。図5は、第1の形態のプリント配線板の製造方法における製造工程を模式的に示す図である。
プリント配線板400の製造においては、まず、繊維シートに樹脂組成物を含浸させた複合体500(図1に示す複合体100において貫通孔103を有していないもの)を準備した後、この複合体500の両面を、ポリエチレンテレフタレート等からなるカバーフィルム550a,550bで被覆する(図5(a))。図示されるように、複合体500は、内部に多数の空孔、好ましくは密閉構造の空孔540を有している。複合体500中の空孔540の比率は、例えば、40体積%程度であると好ましい。なお、プリント配線板400の製造においては、この複合体500に代えて、樹脂組成物が半硬化されたいわゆるプリプレグを用いてもよい(以下の第2〜第5の形態においても同様)。
次に、カバーフィルム550a,550bで覆われた複合体500に対し、レーザー加工法等により貫通孔503を設ける(図5(b))。レーザー加工法に用いるレーザー光としては、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー及びエキシマレーザーからなる群より選ばれる少なくとも一種のレーザー光が好ましい。
この貫通孔503内に、上述した導電性樹脂組成物からなるビア404を形成するための導電性ペースト504を充填する(図5(c))。導電性ペースト504としては、導電性樹脂組成物を構成し得る樹脂及び金属微粒子を、例えば三本ロールにより混錬したものが挙げられる。
ここで、導電性ペースト504は、例えば、貫通孔503が設けられた複合体500に対し、印刷機を用いてカバーフィルム550a,550bの上から導電性ペーストを印刷することによって充填することができる。印刷法としては、例えば、ロールコーティング法が挙げられる。そして、この印刷においては、カバーフィルム550a,550bは、印刷マスクとして機能するほか、複合体500表面の汚染を防止する保護膜として機能する。
また、かかる工程においては、貫通孔503内に導電性ペースト504が充填されるとともに、当該ペースト中の樹脂が複合体500中にも浸透し始める。これにより、導電性ペースト504が、貫通孔503の表面に露出した空孔540内に充填される(図5(d))。こうして、貫通孔503においては、その内壁表面に形成された凹部503にまで導電ペースト504が充填されることとなる。
その後、導電ペースト504が充填された複合体500から、カバーフィルム550a,550bを剥離した後、この複合体500の両面に、銅箔等の金属箔520a及び金属箔520bをそれぞれ張り付ける(図5(e))。続いて、金属箔520a,520bが貼り付けられた複合体500を、例えば、20〜80kgf/cm、170〜260℃の条件で1〜2時間程度加熱・加圧して、これらを圧着する(図5(f))。この加熱・加圧によって、複合体500中の樹脂組成物及び導電性ペースト504中の樹脂が圧縮されるとともに硬化する。その結果、複合体500及び導電性ペースト504は、それぞれプリント配線板400における絶縁基板410及びビア404となる。
また、加圧の際には、複合体500中の樹脂組成物が圧縮されるため、当該複合体内部の空孔540も強く圧縮されて微小となる。これにより、硬化後の複合体500、すなわち絶縁基板410においては、空孔540は、その体積比率が極めて小さくなり、通常、肉眼では視認できない程度となる。例えば、上記複合体500において体積比率で40%存在していた空孔540は、上述した条件の圧縮を行うことによって0〜1体積%程度となるまで圧縮され、ほぼ消失する。
さらに、導電性ペースト504中の樹脂は、上述した加熱・加圧によって金属微粒子間から押し出されて複合体500中に浸透する。これによりビア404中の金属微粒子の含有率が、導電性ペースト504の状態のときよりも高められる。このような樹脂の浸透は、導電性ペースト中の樹脂を一部染料に置換することで確認できる。また、導電性ペースト504に用いる樹脂として、上述したように複合体500中の樹脂を反応し得るものを選択した場合は、加熱・加圧により、凹部530に充填された導電性ペースト504中の樹脂と複合体500中の樹脂との間に化学的な結合が生じることになる。こうすれば、ビア404と絶縁基板410との間のアンカー効果が一層向上する。
そして、プリント配線板400の製造においては、絶縁基板410(複合体500の硬化物)の両面の金属箔520a,520bを所定の形状にパターニングして、回路パターン420a,420bを形成する。なお、パターニング方法としては公知の方法が適用でき、例えば、感光性樹脂組成物等を用いてレジストを形成し、エッチング等により金属箔の不要な部分を除去する方法が挙げられる。
(第2の形態)
図6は、第2の形態のプリント配線板の製造方法における製造工程を模式的に示す図である。第2の形態においては、回路パターンを複数層有する多層プリント配線板を製造する。
まず、図6(a)に示す内層プリント配線板600、中間接続体640a,640b及び金属箔650a,650bを準備する。内層プリント配線板600は、上述したプリント配線板400と同様の構成を有するものである。すなわち、絶縁基板610の両側に内層回路パターン620a及び内層回路パターン620bを備えた構造を有しており、この絶縁基板610は、所定の部位に設けられた貫通孔603に導電性ペーストが充填されてなるビア604を有している。この貫通孔603の内壁は、多数の凹部を有した形状となっている。このような内層プリント配線板600は、プリント配線板400と同様の製造方法により得ることができる。
中間接続体640a,640bは、上述した複合体100と同様の構成を有する複合体642a,642bを備えるものである。これらの複合体642a,642bには、貫通孔643a,643bが設けられており、貫通孔643a,643bにはそれぞれ導電ペースト644a,644bが充填されている。この中間接続体640a,640bは、例えば、上述したプリント配線板400の製造において、図5(a)〜(d)に示す工程を行った後、カバーフィルム550a,550bを除去することによって得ることができる。また、金属箔650a,650bは、プリント配線板における回路パターンを構成し得る公知の金属材料から構成され、例えば、銅等からなるものが例示できる。
第2の形態においては、これらの内層プリント配線板600、中間接続体640a,640b及び金属箔650a,650bを、図6(a)に示す順、すなわち、内層配線板600の両側に中間接続体640a,640bが位置し、この中間接続体640a,640bの両側に導体箔650a,650bが位置するように配置して、これらを重ね合わせる(図6(b))。
続いて、これらを、上述したプリント配線板400の製造におけるのと同様の条件で加熱・圧着することにより接着して、積層体660を得る(図6(c))。この加熱・圧着によって、複合体642a,642b及び導電ペースト644a,644bは、これらに含まれる樹脂成分が硬化することにより、絶縁層672a,672b及びビア674a,674bとなる。こうして、中間接続体640a,640bから層間絶縁層670a,670bが形成される。
そして、第2の形態においては、この積層体660における最外層の導体箔650a,650bをエッチング等により所望のパターンを有するように加工して、外層回路パターン680a,680bを形成し、これにより4層構造の多層プリント配線板であるプリント配線板690を得る(図6(d))。
なお、第2の形態においては、例えば、得られたプリント配線板690を内層プリント配線板として用いて、図6(a)〜(d)の工程を繰り返し行うことにより、任意の層数の多層プリント配線板を得ることもできる。また、多層プリント配線板を製造する方法としては、上述した方法のほか、例えば、2以上のプリント配線板600の間に、上述した中間接続体640を挟持して、これらを加熱・圧着する方法も挙げられる。
(第3の形態)
図7は、第3の形態のプリント配線板の製造方法における製造工程を模式的に示す図である。第3の形態においては、第1の形態と同様に、両面プリント配線板を製造する。
まず、第1の形態のプリント配線板の製造と同様に、複合体700の両面をカバーフィルム750a及びカバーフィルム750bでそれぞれ被覆する(図7(a))。ここで、複合体700は、第1の形態における複合体500と同様、密閉構造の空孔を有するものであるが、第3の形態においては、特に、複合体700として、この空孔の空孔径及び含有率(体積%)を制御し易いものを用いる。このような複合体700としては、加熱・加圧により圧縮する性質を有するものが好ましい。例えば、不織布に熱硬化性樹脂を含浸した繊維シートと、エポキシ樹脂とを組み合わせた複合体が挙げられる。
次に、カバーフィルム750a,750bで覆われた複合体700を、予備加熱・加圧して厚さ方向に圧縮し、空孔740の空孔径及び含有率が所望の値となるように調整する(図7(b))。ここで、予備加熱・加圧の条件は、あらかじめ求めた加熱・加圧条件と空孔径及び含有率との関係に基づいて設定することができ、複合体700中の樹脂組成物の硬化が生じない程度の条件とすることが好ましい。
続いて、第1の形態と同様にして、カバーフィルム750a,750bで覆われた複合体700に貫通孔703を設ける(図7(c))。この際、図示されるように、貫通孔703の壁面の近傍に存在していた空孔740が、この壁面に露出することによって、凹部730となる。その後、この貫通孔703内に導電性ペースト714を充填した後、カバーフィルム750a,750bを除去する(図7(d))。
それから、導電性ペースト714が充填された複合体700の両面に、銅箔等の金属箔720a,720bを貼り付けた後、例えば、第1の形態と同様の条件で加熱・加圧する。これにより、複合体700と金属箔722a,722bとが圧着されるとともに、複合体700中の樹脂組成物、及び、導電性ペースト714中の樹脂が硬化する。また、この加熱・加圧によって複合体700が圧縮されて、空孔740がほぼ消失する。こうして、複合体700及び導電性ペースト714から、絶縁基板710及びビア704がそれぞれ形成される。
そして、絶縁基板710の両側に積層された金属箔722a,722bを、第1の形態と同様に、エッチング等により所望の形状に加工し、回路パターン720a,720bを形成して、プリント配線板790を得る。
本実施形態においても、貫通孔703内に充填された導電性ペースト714は、空孔740に由来する貫通孔703内壁の凹部730内に充填されることとなる。これにより、導電性ペースト714から得られたビア704は、一部が絶縁基板710側に突出した形状となる。したがって、絶縁基板710とビア704とは、上記構造に基づくアンカー効果によって良好な密着性を有するようになる。
(第4の形態)
図8は、第4の形態のプリント配線板の製造方法における製造工程を模式的に示す図である。第4の形態においては、複数層の回路パターンを有する多層プリント配線板を製造する。
第4の形態では、まず、図8(a)に示す内層プリント配線板800、中間接続体840a,840b及び金属箔850a,850bを準備する。内層プリント配線板800は、第1の形態のプリント配線板400と同様の構成を有している。すなわち、絶縁基板810の両側に内層回路パターン820a及び内層回路パターン820bを備えており、この絶縁基板810は、所定の部位に設けられた貫通孔803に導電性ペーストが充填されてなるビア804を有している。また、金属箔850a,850bは、プリント配線板における回路パターンを構成し得る公知の金属材料から構成され、例えば、銅等からなるものが例示できる。
中間接続体840a,840bは、第2の形態における中間接続体640と同様の構成を有するものである。すなわち、複合体842a,842bから構成され、これらには、貫通孔843a,843bが設けられており、この貫通孔843a,843bにはそれぞれ導電性ペースト844a,844bが充填されている。ただし、第4の形態においては、中間接続体840a,840bとして、第3の形態のプリント配線板の製造方法における図7(a)〜(d)の工程を行って得られたものを用いる。これにより、中間接続体840a,840bは、その空孔846a,846bが好適な空孔径及び含有率に調整されたものとなる。
第4の形態においては、内層プリント配線板800、中間接続体840a,840b及び金属箔850a,850bを、図8(a)に示す順、すなわち、内層配線板800の両側に中間接続体840a,840bが位置するとともに、この中間接続体840a,840bの更に外側に導体箔850a,850bが位置するように配置し、これらを重ね合わせる(図8(b))。
続いて、これらを、上述したプリント配線板400の製造におけるのと同様の条件で加熱・加圧することにより接着して、積層体860を得る。この加熱・圧着によって、複合体842a,842b及び導電ペースト844a,844bは、これらに含まれる樹脂成分が硬化することにより、絶縁層872a,872b及びビア874a,874bとなる。こうして、中間接続体840a,840bから層間絶縁層870a,870bが形成される。また、この加熱・加圧により、内層プリント配線板800における内層回路パターン820a及び内層回路パターン820bは、それぞれ中間接続体840a及び中間接続体840b側に食い込んだ構造となる。
そして、第4の形態においては、この積層体860における最外層の導体箔850a,850bをエッチング等により所望のパターンを有するように加工して、外層回路パターン880a,880bを形成し、これにより4層構造の多層プリント配線板であるプリント配線板890を得る。
なお、第4の形態のプリント配線板の製造方法においても、上述した第2の形態と同様、得られたプリント配線板890を内層プリント配線板として用い、図8(a)〜(d)の工程を繰り返すことによって、所望の層数の多層プリント配線板を得ることができる。
(第5の形態)
図9は、第5の形態のプリント配線板の製造方法における製造工程を模式的に示す図である。第5の形態においては、複数層の回路パターンを備える多層プリント配線板を製造する。
まず、図9(a)に示す外層プリント配線板900,902、及び、中間接続体940を準備する。外層プリント配線板910,902は、上述したプリント配線板400と同様の構成を有するものである。すなわち、外層プリント配線板900は、絶縁基板910の両側に外層回路パターン920a及び外層回路パターン920bを備えた構造を有している。また、この絶縁基板910は、所定の部位に設けられた貫通孔903に導電性ペーストが充填されてなるビア904を有している。また、貫通孔903の内壁は、多数の凹部930が形成された状態となっている。
同様に、外層プリント配線板902においても、絶縁基板912の両側に外層回路パターン922a,922bがそれぞれ配置されており、絶縁基板912には、所定の部位に設けられた貫通孔905に導電性ペーストが充填されてなるビア906が形成されている。また、貫通孔905の内壁は、多数の凹部932が形成された状態となっている。これらの外層プリント配線板900,902は、上述したプリント配線板400と同様にして得ることができる。
また、中間接続体940は、第2の形態における中間接続体640と同様の構成を有するものである。すなわち、複合体942から構成され、これらには、貫通孔943が設けられており、この貫通孔943には導電性ペースト944が充填されている。この中間接続体940は、第2の形態における中間接続体640の製造方法、又は、第4の形態における中間接続体840の製造方法と同様にして得ることができる。
第5の形態においては、外層プリント配線板900,902及び中間接続体940を、図9(a)に示す順、すなわち、中間接続体940の両側に外層プリント配線板900及び外層プリント配線板902が位置するように配置して、これらを重ね合わせる(図9(b))。つまり、外層プリント配線板900及び外層プリント配線板902で、中間接続体940を挟持する。
そして、これらを、上述したプリント配線板400の製造におけるのと同様の条件で加熱・加圧して接着することにより、プリント配線板990を得る。この加熱・加圧によって、複合体942及び導電ペースト944は、これらに含まれる樹脂成分が硬化することにより、層間絶縁層972及びビア974となる。こうして、中間接続体940から層間絶縁層970が形成される。また、この加熱・加圧によって、外層プリント配線板910,912における外層回路パターン920b及び外層回路パターン922aが、それぞれ中間接続体940側に食い込んだ構造となる。
なお、第5の形態においては、外層プリント配線板と中間接続体とを交互に複数積層させるか、または、外層プリント配線板として、上述した方法により得られたプリント配線板990を用いることで、任意の層数の多層プリント配線板を得ることができる。
(絶縁基板又は絶縁層とビアとの一体化構造)
上述した第1〜第5の形態のプリント配線板の製造方法においては、プリント配線板における絶縁基板とビア、及び/又は、層間絶縁層における絶縁層とビアとが、以下に示すような一体化構造を形成している。以下、かかる一体化構造の一例として、プリント配線板における絶縁基板とビアとの一体化構造について、図10を参照して説明する。
図10は、プリント配線板におけるビア形成部の断面構造の例を模式的に示す図である。まず、図10(a)に示す構造は、複合体10として、アラミドからなる繊維シートにエポキシ樹脂を含浸させて予備加熱・加圧したものを用い、この複合体10に炭酸ガスレーザーにより貫通孔15を設けて、その内部に銀パウダーをエポキシ樹脂に分散させた導電性ペースト14を充填し、さらに、複合体10の両側に銅箔13を配置して得られたものである。
図示されるように、複合体10は多数の空孔12aを有している。これらの空孔12aのうち、貫通孔15の内壁近傍にあるものは、当該内壁に露出することによって凹部12bを形成している。そして、この貫通孔15に充填された導電性ペースト14は、上述した凹部12b内にも充填された状態となる。このような状態の複合体10を加熱・加圧することで、導電性ペースト14からなるビアが、複合体10からなる絶縁基板における貫通孔15の内壁に食い込んで一体化された構造を有するプリント配線板が得られる。こうして得られたプリント配線板においては、絶縁基板とビアとの間の密着性が、上記構造に基づくアンカー効果によって極めて良好となる。
また、図10(b)に示す構造は、貫通孔15を設ける際の炭酸ガスレーザーの照射エネルギーを小さくしたこと以外は、上記図10(a)に示したのと同様にして得られたものである。
図示されるように、複合体10中の繊維シート16が、貫通孔15内部に突出した状態となっている。これは、貫通孔15を設ける際の炭酸ガスレーザーの照射エネルギーが低いことから、繊維シート16が十分に除去されなかったためである。このように繊維シート16が突出していることから、貫通孔15内においては、この繊維シート15が、導電性ペースト14中に食い込んだ状態となっている。そして、このような状態の複合体10を加熱・加圧することで、繊維シート16が、導電性ペースト14からなるビアに食い込んで一体化された構造を有するプリント配線板が得られる。こうして得られたプリント配線板においては、絶縁基板とビアとの間の密着性が、上記構造に基づくアンカー効果によって極めて良好となる。
さらに、図10(c)に示す構造は、導電性ペースト14中の樹脂、及び、複合体10中の樹脂として、互いに更に相溶性に優れるものを用いたこと以外は、上記図10(a)に示したのと同様にして得られたものである。
図示されるように、導電性ペースト14と複合体10とは、その境界部(貫通孔15における内壁近傍)において、導電性ペースト14中の樹脂が複合体10側に含浸することによって混在相17を形成しており、これにより一体化された状態となっている。これは、導電性ペースト14中の樹脂と、複合体10中の樹脂とが相溶性に優れるためである。そして、このような状態の複合体10を加熱・加圧することで、絶縁基板とビアとが混在相により一体化された構造を有するプリント配線板が得られる。こうして得られたプリント配線板においては、絶縁基板とビアとの密着性が、上記構造に基づいて極めて良好となる。また、このプリント配線板におけるビアは、導電性ペースト14中の樹脂が絶縁基板側に移動したことによって、導電性成分(銀パウダー)の濃度が高くなっており、より優れた導電性を有するものとなる。
以上のように、上述した実施形態の製造方法においては、絶縁基板及び/又は層間絶縁層を、本発明の複合体(又はプリプレグ)を用いて形成している。このため、本実施形態のプリント配線板(両面プリント配線板又は多層プリント配線板)の製造においては、絶縁基板等を構成する複合体から樹脂硬化物や繊維シートの破片等の異物が脱落することが少なく、このような異物の脱落に起因する回路パターン(内層及び外層)の断線も極めて生じ難い。
また、上述のように、絶縁基板や層間絶縁層においては、ビアの形成部において上述したような一体化構造が形成されていることから、絶縁基板等とビアを構成している導電性樹脂組成物と間の密着性が高くなっている。このような構造を有するプリント配線板は、ビアのずれ等が極めて生じ難く優れた信頼性を有するものとなる。
実施形態の複合体の断面構造を模式的に示す図である。 実施形態のプリプレグの断面構造を模式的に示す図である。 実施形態の金属箔張積層板の断面構造を模式的に示す図である。 第1の形態の製造方法により得られたプリント配線板の断面構造を模式的に示す図である。 第1の形態のプリント配線板の製造方法における製造工程を模式的に示す図である。 第2の形態のプリント配線板の製造方法における製造工程を模式的に示す図である。 第3の形態のプリント配線板の製造方法における製造工程を模式的に示す図である。 第4の形態のプリント配線板の製造方法における製造工程を模式的に示す図である。 第5の形態のプリント配線板の製造方法における製造工程を模式的に示す図である。 プリント配線板におけるビア形成部の断面構造の例を模式的に示す図である。
符号の説明
100…複合体、101…繊維シート、102…樹脂組成物、103…貫通孔、200…プリプレグ、201…繊維シート、202…半硬化樹脂層、203…貫通孔、300…金属張積層板、301…絶縁基板、302…導電体層、303…貫通孔、304…導電体、400…プリント配線板、403…貫通孔、404…ビア、410…絶縁基板、420a,420b…回路パターン、430…凹部、500…複合体、503…貫通孔、504…導電性ペースト、520a,520b…金属箔、530…凹部、540…空孔、550a,550b…カバーフィルム、600…内層プリント配線板、604…ビア、603…貫通孔、610…絶縁基板、620a,620b…内層回路パターン、640a,640b…中間接続体、642a,642b…複合体、643a,643b…貫通孔、644a,644b…ビア、650a,650b…金属箔、660…積層体、670a,670b…層間絶縁層、672a,672b…絶縁層、674a,674b…ビア、680a,680b…外層回路パターン、700…複合体、703…貫通孔、704…ビア、714…導電性ペースト、720a,720b…回路パターン、722a,722b…金属箔、730…凹部740…空孔、750a,750b…カバーフィルム、790…プリント配線板、800…内層プリント配線板、803…貫通孔、804…ビア、810…絶縁基板、820a,820b…内層回路パターン、840a,840b…中間接続体、842a,842b…複合体、843a,843b…貫通孔、844a,844b…導電性ペースト、850a,850b…金属箔、860…積層体、870a,870b…層間絶縁層、872a,872b…絶縁層、874a,874b…ビア、880a,880b…外層回路パターン880a,880b、890…プリント配線板、900,902…プリント配線板、903,905…貫通孔、904,906…ビア、910,912…絶縁基板、920a,920b,922a,922b…外層回路パターン、940…中間接続体、942…複合体、943…貫通孔、944…導電性ペースト、970…層間絶縁層、972…絶縁層、974…ビア。

Claims (17)

  1. 樹脂組成物と、該樹脂組成物中に配された繊維シートと、を備え、
    前記樹脂組成物は、その硬化物の貯蔵弾性率が20℃で100〜2000MPaであることを特徴とする複合体。
  2. 前記樹脂組成物が、粘弾性樹脂を含有することを特徴とする請求項1記載の複合体。
  3. 前記樹脂組成物は、アクリル系重合体を含み、該重合体は、2〜20質量部のグリシジルアクリレート単位を有し、エポキシ価が2〜36であり、且つ、質量平均分子量が30,000以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の複合体。
  4. 前記繊維シートはガラス布であり、該ガラス布の厚みが10〜200μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の複合体。
  5. 総厚さが100μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の複合体。
  6. 厚さ方向に貫通する貫通孔を有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の複合体。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の複合体における前記樹脂組成物を半硬化して得られたことを特徴とするプリプレグ。
  8. 厚さ方向に貫通する貫通孔を有する請求項7記載のプリプレグ。
  9. 請求項6記載の複合体の少なくとも一面上に金属箔を配するとともに、当該複合体における前記樹脂組成物を硬化してなり、且つ、前記貫通孔の内壁に、厚さ方向に延びる導電体が付着していることを特徴とする金属張積層板。
  10. 請求項8記載のプリプレグの少なくとも一面上に金属箔を配するとともに、当該プリプレグにおける半硬化状態の前記樹脂組成物をさらに硬化してなり、且つ、前記貫通孔の内壁に、厚さ方向に延びる導電体が付着していることを特徴とする金属張積層板。
  11. 厚さ方向に貫通孔が形成されるとともに、前記貫通孔に厚さ方向に電気的接続をするための導電性樹脂組成物が充填されている絶縁基板を備えるプリント配線板であって、
    前記絶縁基板は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の複合体を硬化してなり、
    前記絶縁基板は、内部に密閉構造の空孔を有しており、
    前記絶縁基板と前記導電性樹脂組成物とは、前記導電性樹脂組成物が、前記絶縁基板の前記空孔から形成された複数の凹部に充填された状態で前記絶縁基板の内部へ突出することにより、一体化されている、
    ことを特徴とするプリント配線板。
  12. 厚さ方向に貫通孔が形成されるとともに、前記貫通孔に厚さ方向に電気的接続をするための導電性樹脂組成物が充填されている絶縁基板を備えるプリント配線板であって、
    前記絶縁基板は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の複合体を硬化してなり、
    前記導電性樹脂組成物は、金属微粒子及び樹脂を含む組成物であり、且つ、前記金属微粒子の大きさが、平均粒子直径0.2〜20μmの範囲であり、
    前記絶縁基板と前記導電性樹脂組成物とは、前記導電性樹脂組成物中の前記樹脂が、前記絶縁基板中に浸透することにより一体化されている、
    ことを特徴とするプリント配線板。
  13. 厚さ方向に貫通孔が形成されるとともに、前記貫通孔に厚さ方向に電気的接続をするための導電性樹脂組成物が充填されている絶縁基板を備えるプリント配線板であって、
    前記絶縁基板は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の複合体を硬化してなり、
    前記導電性樹脂組成物は、金属微粒子及び樹脂を含む組成物であり、且つ、前記金属微粒子の大きさは、平均粒子直径0.2〜20μmの範囲であり、
    前記絶縁基板と前記導電性樹脂組成物とは、前記導電性樹脂組成物中の前記樹脂と前記絶縁基板中の前記樹脂組成物とが共有結合して自己接着することにより一体化されている、
    ことを特徴とするプリント配線板。
  14. 厚さ方向に貫通孔が形成されるとともに、前記貫通孔に厚さ方向に電気的接続をするための導電性樹脂組成物が充填されている絶縁基板を備えるプリント配線板であって、
    前記絶縁基板は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の複合体を硬化してなり、
    前記絶縁基板と前記導電性樹脂組成物とは、前記絶縁基板を構成する前記複合体中の前記繊維シートが、前記導電性樹脂組成物中に突出することにより一体化されている、
    ことを特徴とするプリント配線板。
  15. 内部に空孔を有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の複合体の両面をカバーフィルムで覆うとともに、前記複合体の厚さ方向に、レーザー光照射により貫通孔を形成する工程と、
    前記貫通孔に、導電性ペーストを充填する工程と、
    前記カバーフィルムを除去した後、前記複合体の少なくとも片面に金属箔を張り合わせる工程と、
    前記複合体を加熱及び加圧して圧縮硬化させることにより前記複合体と前記導電性ペーストとを一体化する工程と、
    前記金属箔を所定の形状にパターニングする工程と、
    を有することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  16. 内部に空孔を有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の複合体の両面をカバーフィルムで覆うとともに、前記複合体の厚さ方向に、レーザー光照射により貫通孔を形成する工程と、
    前記貫通孔に、導電性ペーストを充填する工程と、
    前記カバーフィルムを除去した後、前記複合体の片面に金属箔を張り合わせて中間体を得る工程と、
    一対の前記中間体を、前記金属箔が外側となるように配置するとともに、一対の前記中間体の間に2層以上の配線パターンを有する回路基板を配置して積層体を得る工程と、
    前記積層体を加熱及び加圧して圧縮硬化させることにより前記複合体と前記導電性ペーストとを一体化する工程と、
    一対の前記金属箔を、所定の形状にパターニングする工程と、
    を有することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
  17. 内部に空孔を有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の複合体の両面をカバーフィルムで覆うとともに、前記複合体の厚さ方向に、レーザー光照射により貫通孔を形成する工程と、
    前記貫通孔に、導電性ペーストを充填する工程と、
    前記カバーフィルムを除去して中間接続体を得る工程と、
    複数の両面プリント配線板の間に、前記中間接続体を配置して積層体を得る工程と、
    前記積層体を加熱及び加圧して圧縮硬化させることにより前記複合体と前記導電性ペーストとを一体化する工程と、
    を有することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
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