JP2006307016A - 再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法 Download PDF

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隆俊 初田
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Abstract

【課題】 成形品の外観及び/又は強度に優れ、かつ再生率100%の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】 再生スチレン系単量体を懸濁重合し、さらに発泡剤を含浸する再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法であって、重合後期に、反応槽内の酸素を強制的に排出することにより酸素濃度を低く保ちつつ、再生スチレン系単量体を添加して重合を進める、再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。好ましくは臭気を取るために、重合中反応槽に不活性ガスを連続して供給及び排出する。
【選択図】 無し

Description

本発明は、再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法、特に、100%の再生率による再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法に関する。
従来、スチレン系発泡成形品は、一度使用された後、焼却処分されるか又は熱収縮してポリスチレンとして回収し再利用されているが、再利用の比率は不十分であり、再利用率を上げていくことが、社会的課題とされている。
スチレン系発泡成形品を収縮塊として回収する技術は、既に完成されており、2003年には日本国内でのスチレン系発泡成形品流通量の約39%が熱収縮塊等として回収されており、主に、射出成形による雑貨品、押出成形による建材等の用途に利用されている。このように、現在、スチレン系発泡成形品の再利用法は限定されたものであり、その用途の拡大が急がれている。
一方、リサイクルという定義からは、発泡性スチレン系樹脂を発泡成形し、最終的にスチレン系発泡成形品として使用されたスチレン系樹脂を、ポリスチレンとして他の用途に利用するのではなく、発泡性スチレン系樹脂として再利用することが好ましいと考えられるが、現在のところ、スチレン系発泡成形品から回収されたスチレン系樹脂を発泡性スチレン系樹脂として工業的に再生されている例は少ない。
スチレン系発泡成形品の収縮物等から発泡性スチレン系樹脂を再生する方法としては、上記収縮物を押出機でペレット化しこれに発泡剤を含浸する方法が最も技術的には容易であると考えられるが、この方法ではペレット粒子の大きさによって生産性が決まる。特に発泡性スチレン系樹脂として需要の多い粒径0.3〜1.5mmの粒子とすることは、押出し工程での吐出量の低下を招くこと、及び混入したゴミに起因して生産性が著しく低下し、経済的とは云いがたい。
これらの問題点を解決する方法として、特許文献1において、スチレン系発泡成形品の収縮物を無延伸溶融及び粉砕して得られるスチレン系樹脂粒子を、有機系分散剤を含む水性媒体中に分散し、易揮発性発泡剤を含浸して再生発泡性スチレン系樹脂粒子を製造する方法が提案されている。これによりある程度のゴミの混入は許容され、発泡剤の含浸においても高い生産性を有すことが可能となった。しかし、この方法により得られた再生発泡性スチレン系樹脂粒子は、成形品や発泡粒子を一度熱溶融してインゴット化したものを材料として使用するため、その際の熱履歴により、分子量が低く、成形品としたときの外観や強度が新規の発泡性スチレン系樹脂粒子に比べ劣った。このため、適用する成形品が比較的強度を必要としないものに限定されたり、新規に製造した発泡性スチレン系樹脂粒子と任意の割合で混合する方法が採られていた。
また、使用済みの発泡成形品から再生したスチレン系単量体は、不純物が多く臭気が強い等、これから直接、再生発泡性スチレン系樹脂粒子を製造するのは困難と考えられていた。
近年、環境保護、人体への影響を考慮して、再生発泡性スチレン系樹脂粒子及びその発泡成形品においても、空気中に揮発する有機化合物、即ち揮発性有機化合物(Volatail Organic Compounds=略称VOC)を減少させた、低VOC性能を有することが求められている。
一方、本発明者らは、重合後期の酸素濃度を低くしながらスチレン単量体を追加することにより、発泡性スチレン系樹脂粒子の内側の分子量を低く保ちながら、外側の分子量を高くできることを見出し、発泡成形品の強度が大きくかつ発泡性が高い発泡性スチレン系樹脂粒子を開発した(特許文献2−4)。
特開平6−87973号公報 特開2004−137448号公報 特開2004−161989号公報 特開2004−250655号公報
本発明の目的は、従来の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の課題であった成形品の外観及び/又は強度に優れ、かつ再生率100%の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法を提供することである。
本発明によれば、以下の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法が提供される。
1.再生スチレン系単量体を懸濁重合し、さらに発泡剤を含浸する再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法であって、
重合後期に、反応槽内の酸素を強制的に排出することにより酸素濃度を低く保ちつつ、再生スチレン系単量体を添加して重合を進める、再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
2.再生スチレン系単量体を懸濁重合し、さらに発泡剤を含浸する再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法であって、
重合後期に、反応槽内の酸素濃度を7体積%以下に低く保ちつつ、再生スチレン系単量体を添加して重合を進める、再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
3.再生スチレン系単量体を懸濁重合し、さらに発泡剤を含浸する再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法であって、
重合開始から、重合後期まで、反応槽内の酸素を強制的に排出することにより酸素濃度を低く保ち、
重合後期に、酸素濃度を低く保ちつつ、再生スチレン系単量体を添加して重合を進める、再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
4.再生スチレン系単量体を懸濁重合し、さらに発泡剤を含浸する再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法であって、
重合開始から、重合後期まで、反応槽内の酸素濃度を7体積%以下に保ち、
重合後期に、酸素濃度を酸素濃度を7体積%以下に保ちつつ、再生スチレン系単量体を添加して重合を進める、再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
5.再生スチレン系単量体を懸濁重合し、さらに発泡剤を含浸する再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法であって、
重合開始から、重合後期まで、反応槽内の酸素濃度を1体積%以下に保ち、
重合後期に、酸素濃度を酸素濃度を1体積%以下に保ちつつ、再生スチレン系単量体を添加して重合を進める、再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
6.重合中、前記反応槽に不活性ガスを連続して供給及び排出する1〜5のいずれかに記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
7.前記反応槽に供給する不活性ガスの量が、反応槽内空間容積に対し、0.2%/分〜5%/分である6に記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
8.前記重合後期が、重合率が60%以上のときである1〜7のいずれかに記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
9.重合後期に添加する再生スチレン系単量体が、再生発泡性スチレン系樹脂粒子の5重量%〜30重量%である1〜8のいずれかに記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
10.前記再生スチレン系単量体に含まれる残存不純物総量が500ppm以下である1〜9のいずれかに記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
11.前記再生スチレン系単量体を水性媒体に分散させ、
この水分散液の水素イオン濃度が8〜10で重合を開始させ、
重合率20%〜50%で少なくとも1回以上の難溶性無機塩及び界面活性剤を追加する1〜10のいずれかに記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
本発明によれば、成形品の外観及び/又は強度に優れ、かつ再生率100%の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法が提供できる。
本発明の再生発泡性スチレン系樹脂粒子は、再生スチレン系単量体を懸濁重合して得られる。本発明の製造方法では核は用いない。
本発明の製造方法では、スチレン系発泡成形品やその収縮物等の使用済みの発泡スチレン系樹脂から再生したスチレン系単量体(再生スチレン系単量体、以下単にスチレン系単量体という場合もある)を用いる。使用済みの発泡スチレン系樹脂は、発泡性スチレン系樹脂を金型成形した成形品だけでなく、加熱発泡させたものも含む。
再生スチレン系単量体は、使用済みの発泡スチレン系樹脂を熱分解し、蒸留して得られる。
この際、得られる再生発泡性スチレン系樹脂粒子が優れた低VOC性能を有するためには、再生スチレン系単量体に含まれるトルエン、エチルベンゼン、キシレン等の残存不純物総量を500ppm以下にすることが好ましい。尚、ここで残存不純物とは、以下のガスクロマトグラフィーで検出されるスチレン以外の物質である。
測定装置: (株)島津製作所製ガスクロマトグラフィー
検出器: FID(水素炎イオン化ディテクタ)
インジェクション温度: 200℃
キャリアガス: 窒素 0.3MPa,40ml/min
水素 0.06MPa,50ml/min
空気 0.07MPa,300ml/min
カラム: PEG−20MT カラム温度: 105℃
測定可能物質: トルエン、エチルベンゼン、P−キシレン、M−キシレン、O−キシレン、1−プロピルベンゼン等
残存不純物総量を500ppm以下とするためには、再生スチレン系単量体生成の際の蒸留の段数を増やす、含有量の少ない使用済み発泡スチレン系樹脂を用いる等の方法がある。
再生発泡性スチレン系樹脂粒子を製造する方法は懸濁重合であり、これは従来公知の方法を採用することができる。一般に、分散剤を含む水性媒体中に有機過酸化物等の触媒を溶解した再生スチレン系単量体を分散してラジカルを発生させて重合を行なう。
分散剤として、難溶性無機塩と界面活性剤を併用してもよいし、PVA等の有機分散剤等従来公知のものを使用することができる。
難溶性無機塩として、リン酸マグネシウム、リン酸三カルシウム等が使用できる。界面活性剤として、オレイン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、その他懸濁重合に一般的に使用されるアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤のいずれでも使用できる。有機分散剤として、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース等が使用できる。
有機過酸化物は従来公知のものを使用できる。例えば、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t―ブチルパーオキシベンゾエート、t―ブチルパーオキシイソプロピルカーボネイト等がある。有機過酸化物は一又は二以上用いることができる。
全体の分子量は、触媒濃度を調整するか、連鎖移動剤を併用するか、又はこれら両方により調整できる。
連鎖移動剤としては、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、α―メチルスチレンダイマー等の従来公知のものが使用できる。
再生スチレン系単量体は、不純物を含むので、新規なスチレン系単量体を用いた場合に比べて、得られる発泡性粒子の粒径がばらつく。本発明では、好ましくは、重合率20%〜50%で少なくとも1回以上の難溶性無機塩及び界面活性剤を追加する。難溶性無機塩及び界面活性剤を上記のように添加すると、粒径のブロード化を抑制できる。
本発明の樹脂粒子のシャープさは、好ましくはCV値0.40以下である。これは上述したように、原料モノマーに含まれるトルエン、エチルベンゼン等の不純物量の低減や製造過程における難溶性無機塩及び界面活性剤の調整により得ることができる。
本発明の製造方法においては、少なくとも、重合後期のとき、反応槽内を低酸素濃度に保ちながら再生スチレン系単量体を添加して反応を進め、重合反応の完了前又は重合反応の完了後に、発泡剤を含浸する。
この方法では、重合開始又は重合途中より、反応槽内を低酸素濃度にしてもよいが、少なくとも重合後期には低酸素濃度にする。
酸素濃度は、反応槽内の酸素を強制的に排出して、例えば、窒素等の不活性ガスで置き換えることにより調節できる。
一般に、反応槽内に酸素が存在した状態で重合が進む場合、スチレン系樹脂粒子中の低分子量物の形成量は増加する。特に、重合後期においては、残存する少ない重合触媒やラジカルを停止するため、スチレン系樹脂粒子表面層で低分子量物が形成され易く、そのため、成形品の外観を損なうこととなる。
一方、本発明の製造方法では、重合後期に、反応槽内を低酸素濃度に保っているため、このような低分子量物の発生を抑制することが可能となる。酸素濃度は、好ましくは7体積%以下、より好ましくは5体積%以下、特に好ましくは1体積%以下に保つ。
また、重合後期は、好ましくは重合率が60%以上、より好ましくは60%以上97%未満の時期である。
重合率が60%より低い場合、スチレン系樹脂粒子への再生スチレン系単量体の吸収が促進し、中心部分の分子量が高分子量化するため、発泡力及び成形品の融着が低下する恐れがある。また、重合率が97%以上の場合、樹脂粒子への再生スチレン系単量体の吸収が低下し、樹脂粒子内のラジカル量及び重合触媒量が減少し、樹脂粒子最表面部の分子量が低分子量化するため、発泡成形時において熱融着が促進しすぎて、成形品の強度を低下させると共に表面仕上がりを悪化させる恐れがある。重合率85以上97%未満での追加がより好ましい。
本発明の好適な第一の態様では、重合率が60%以上、好ましくは60%以上97%未満において、反応槽内の酸素濃度を7体積%以下に保ちつつ、再生スチレン系単量体を添加する。
酸素濃度が7体積%を超えると、再生スチレン系単量体を添加して反応を進める際に、スチレン系樹脂粒子の表面層で低分子量物が形成される恐れがある。表皮での低分子量物の生成は、発泡成形時において熱融着が促進しすぎて、成形品の強度を低下させると共に表面仕上がりを悪化させる。
また、本発明の好適な第二の態様では、重合開始から、重合率が60%以上、好ましくは60%以上97%未満において、反応槽内の酸素濃度を7体積%以下、特に1体積%以下に保ちつつ、再生スチレン系単量体を添加する。
反応槽内の酸素濃度は、重合を開始する際に反応槽内の酸素濃度を予め窒素等により置換して、1体積%以下とできる。酸素濃度は少ないほど良い。その後、重合を進めるにあたり、反応槽内への酸素侵入を防止するために、そのまま反応槽内への窒素等の置換を継続してもよいし、置換終了後に反応槽内を密閉してもよい。
反応槽内を密閉して重合を進める場合は、重合反応物の仕込み温度から反応温度への昇温に際して、又は重合触媒の反応に際して、水分中及びスチレン単量体中に含まれる酸素、撹拌により液中に巻き込まれた酸素、さらに重合反応時に発生する酸素等が析出してくるため、酸素濃度が1体積%を超えるときは、再度窒素等により置換する。
反応槽内の酸素濃度は、追加するスチレン単量体の添加が完了するまで好ましくは1体積%以下で管理する。重合中に酸素濃度を1体積%以下に保つため、酸素濃度計を接続して管理するとよい。
酸素濃度が1体積%以下であると、高分子量化がさらに進み、成形品の強度を大きくすることができる。
重合後期の再生スチレン系単量体の添加量は、最終的に得られる発泡性スチレン系樹脂粒子に対して5重量%〜30重量%であることが好ましい。より好ましくは、10重量%〜15重量%の範囲である。
添加量が5重量%より少ない量では、スチレン系樹脂粒子における最表面部の高分子量化効果が小さく、強度向上効果を十分に得られない場合がある。反面、添加量が30重量%より多い量では、樹脂粒子を軟化し、再生スチレン系単量体の吸収が促進され中心部の分子量が高分子量化する等粒子内の最も高分子量化する部分が中心部へ移動するため、発泡力が低下し成形品で融着しにくくなる場合がある。
さらに、本発明においては、好ましくは、重合中、反応槽に窒素等の不活性ガスを連続して供給し、反応槽から不活性ガスを連続して排出する。不活性ガスをこのように供給及び排出することにより、反応槽内に発生するベーパー(化合物・液体等の蒸気)等を置き換え続けることができ、再生スチレン系単量体に含まれる臭気を、ベーパーと共に反応槽外に強制的に排除できる。その結果、臭気の少ない再生発泡性スチレン系樹脂粒子が得られる。不活性ガスの供給時期は、適宜選択できるが、好ましくは重合開始から、より好ましくは再生スチレン系単量体を槽内に添加するときから、供給を開始する。また、好ましくは重合後期(即ち重合率60%以上)まで、より好ましくは再生スチレン系単量体の添加終了まで、特に好ましくは重合終了(即ち重合率99.9%以上)まで供給を続ける。連続供給は効果を損なわない範囲で一時的な中断があってもよい。
反応槽内に供給する又は反応槽から排出する不活性ガスの量は、臭気を取り除ければ限定はないが、通常、反応槽内空間容積に対し、0.2%/分〜5%/分であり、好ましくは0.5%/分〜1.5%/分である。また、好ましくは反応槽内の全空間を約60分〜約3時間で実質的(約95%以上)に窒素で置換できる量を供給する。ここで、反応槽内空間容積とは、反応槽に仕込まれる水やモノマーの容積以外の空間部分の容積である。不活性ガス量は少なすぎると臭気を除く効果が小さくなり、多すぎると排出されるスチレンベーパー量が増加し、製品の出来高量が減少し生産コストの悪化につながる。
懸濁重合温度は、一般に、60℃〜95℃の範囲まで昇温、維持して重合を進める。重合中窒素等の不活性ガスを連続供給する場合は、80℃以上が好ましい。また、スチレンベーパーの発生を抑える点からは93℃以下が好ましい。尚、重合後期(例えばモノマー滴下より後)に、さらに昇温してもよい。
本発明の製造方法においては、水分散液の水素イオン濃度が8〜10で重合を開始させ、重合率20%〜50%で少なくとも1回以上の難溶性無機塩及び界面活性剤を追加することが好ましい。水分散液は連続相であることが好ましい。
水素イオン濃度が上記の範囲外であると、懸濁重合終了時の粒度分布がシャープとならない恐れがある。水素イオン濃度は塩基性無機塩により調節することができる。
難溶性無機塩及び界面活性剤は少なくとも一回以上、例えば、2〜3回追加することができる。また、難溶性無機塩及び界面活性剤はさらに重合が進んでから追加することもできる。
発泡剤は、再生スチレン系単量体の添加と平行して圧入することができ、重合反応の完結前又は完結後に、スチレン系樹脂粒子に含浸する。一般的には、重合反応の完結前再生スチレン系単量体添加後に含浸することが好ましい。
発泡剤として、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環式炭化水素が用いられる。
発泡剤の使用量は、適宜選択できるが、得られる発泡性樹脂粒子100重量部に対して、通常3〜8重量部である。
また、発泡助剤として脂肪族炭化水素の他に、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素や芳香族炭化水素を発泡剤と併用することもできる。
重合に際し、溶剤、可塑剤、発泡セル造核剤、充填剤、難燃剤、難燃助剤、滑剤、着色剤等、発泡性スチレン系樹脂粒子を製造する際に用いられる添加剤を、必要に応じて適宜使用してもよい。
再生発泡性スチレン系樹脂粒子は、発泡剤の含浸が完了し、重合系内より排出され、さらに脱水乾燥した後、必要に応じて表面被覆剤を被覆することができる。かかる被覆剤は、従来公知である発泡性スチレン系樹脂粒子に用いられるものが適用できる。例えば、ジンクステアレート、ステアリン酸トリグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド、ひまし硬化油、アミド化合物、シリコーン類、静電防止剤等である。
通常、懸濁重合により製造される再生発泡性スチレン系樹脂粒子は、重量平均分子量(分子量)は重合触媒の量により決定され、粒子中心部、中間部、及び表層部の分子量は、ほぼ一定である。
しかしながら、本発明の製造方法によれば、樹脂粒子の表面部分の分子量が、中心部分の分子量より高い再生発泡性スチレン系樹脂粒子が得られる。中心から表面までの分子量勾配は、徐々に一定の比率で高くなるのではなく、表面付近で急に高くなる。
本発明の製造方法により得られる再生発泡性スチレン系樹脂粒子では、分子量が表面付近で急に高くなっているので、中心部分を低分子量に保ちながら、表面部分を高分子量にできる。一般に、中心部分が低分子量であると良好な発泡性が発揮でき、表面部分が高分子量であると成形品の強度が大きくなる。従って、本発明の粒子では、発泡性と成形品強度を共に満足させることができる。例えば、ある程度の発泡性を保ちながら、かなり高い成形品強度を得ることができる。
特に、樹脂粒子表面から中心に向かって5等分した表面から1/5までを形成する表面部分の重量平均分子量が、中心から表面に向かって中心から1/5までを形成する中心部分の重量平均分子量より高い再生発泡性スチレン系樹脂粒子が得られる。
ここで、表面部分及び中心部分について、図面を用いて説明する。図1に示すように、樹脂粒子10の表面から中心に向かって5等分する。最も外側にある、表面から1/5までを形成する部分1が、表面部分である。表面部分の重量平均分子量は、この部分1の重量平均分子量である。最も内側にある、中心から1/5までを形成する部分5が、中心部分である。中心部分の重量平均分子量は、この部分5を5等分した中心の重量平均分子量である。
さらに、表面部分のゲルパーミエーションクロマトグラフ法によるチャートが二山又はショルダーを有することが好ましい。二山又はショルダーを有することは、分子量が急激に変化していることを意味する。ショルダーは変曲点により形成される。本発明において、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法によるチャートは、日立化成工業(株)社製のカラム、GL−R400M、を2本用いて測定する。図3に二山又はショルダーを有するチャートを例示する。すなわち、図3(a)はショルダーを有するチャート、(b)は二山を有するチャート、(c)はショルダーの無いチャートを示す。尚、図3(a)に示すように、通常チャートの両すそにも変曲点が発生するが、本発明でいうショルダーにはこれらは含まれない。
さらに、本発明で得られる粒子は、中心部分の重量平均分子量が、200,000〜300,000の範囲であり、表面部分の重量平均分子量が300,000〜450,000の範囲であると共に、表面部分の重量平均分子量が中心部分の重量平均分子量に対して1.2倍以上大きいことが好ましい。
中心部分の分子量が200,000より小さい場合、成形品強度が低くなる恐れがある。中心部分の分子量が300,000より大きい場合、発泡性が低くなる恐れがある。
また、本発明の製造方法によれば、表面部分に、従来のスチレンのラジカル重合では起こらないと考えられていたグラフト化が起こり、高分子量の枝分かれ構造を生成させることが可能となった。
このように、表面部分が枝分かれ構造を有していることは、例えば、粒子の表面から中心に向かって5等分した表面から1/5までを形成する表面部分をGPC/MALLS法により測定すると、log(R.M.S半径)とlog(Mw)との相関式の傾きが0.53以下、好ましくは0.52以下、より好ましくは0.50以下であることから分かる。ここで、GPCはゲルパーミエーションクロマトグラフィーを、MALLS(Multi Angle Laser Light Scattering)は、多角度光散乱検出器を、R.M.S(Root Mean Square)半径は、根平均二乗半径を、Mwは、絶対分子量をそれぞれ意味する。
尚、この傾きは、通常のラジカル重合(懸濁系)により得られた直鎖構造のポリスチレンでは、0.55〜0.60である。
また、重合開始から、重合後期まで酸素濃度を1体積%以下に保つことにより、重合反応の最後で、即ち、特に表面に近い部分で、分子量が低下するのを防ぐことができる。
特に、本発明の再生発泡性スチレン系樹脂粒子は、樹脂粒子の表面から中心に向かって5等分した表面から1/5までを形成する表面部分を、さらに表面から中心に向かって6等分したときの表面から1/6〜6/6までを形成する部分において、重量平均分子量が表面に向かって低下しないことが好ましく、上昇することがより好ましい。
ここで、「表面から1/6〜6/6までを形成する部分」について、図面を用いて説明する。図2(a)に示すように、まず、樹脂粒子10を1/2に切り、次に、表面から中心に向かって5等分する。最も外側にある、表面から1/5までを形成する部分Aを、さらに、図2(b)に示すように、6等分する。「表面から1/6〜6/6までを形成する部分」は、表面から、この6等分した各部分までである。
そのとき、本発明は、前記6等分した表面から1/6までを形成する最表面部分の重量平均分子量(B)が、樹脂粒子全体の重量平均分子量(A)より大きいことが好ましく、特に、樹脂粒子全体の重量平均分子量(A)に対する、前記6等分した表面から1/6までを形成する最表面部分の重量平均分子量(B)の比率(B)/(A)×100(%)が、130以上であることがより好ましい。
最表面部分の分子量を相対的に高分子量化することにより成形品の強度を一層大きくできる。
実施例、比較例で得られた再生スチレン系発泡性粒子の特性は以下のようにして測定した。
(1)臭気
発泡剤含浸までを終了し室温まで冷却を完了した再生スチレン系発泡性樹脂粒子をオートクレーブから取り出す際、及び取り出したスラリーを洗浄した後得られた再生スチレン系発泡性樹脂粒子を乾燥した後、発泡剤臭以外の臭気がするか確認した。
(2)スチレンベーパー量
オートクレーブに接続するブロー配管に冷却管を取り付け、重合槽内から排出されるスチレンベーパーを冷却し液化させ、蓋の付いている壜に採取した。Nの連続供給を終了後、壜に排出された液のうち分離し浮いているモノマー量を、スポイト等を用い、他の容器に移すと共にその重量を測定した。スチレンベーパー量は、以下の式にて算出した。
スチレンペーパー量(%)=[(排出された液より分離浮いているモノマー量(重量))/(重合に使用した再生モノマー量(重量))]×100
(3)平均粒径及びCV値
樹脂粒子の粒径分布のシャープさ及び平均粒子径は、それぞれ偏差係数(CV)及びメディアン径で表示した。偏差係数(CV)は、累積重量分布の曲線をもとに、累積重量%が、15%、50%、85%となる粒子径をそれぞれd15、d50、d85とし、とし、式CV=(d85−d15)/d50により算出した。偏差係数(CV)の値が大きいほど粒径分布は広くブロードであること、また小さいほど粒径分布は狭くシャープであることを意味する。また、平均粒子径はd50である。
(4)残存不純物総量(VOC総量)
前記の方法で測定した。
(5)重量平均分子量(分子量)
スチレン系発泡性樹脂粒子の分子量は粒子を発泡させて測定した。スチレン系発泡性樹脂粒子は飽和水蒸気中で嵩倍数60ml/gに発泡した。
<粒子を5等分したときの各部分の分子量の測定方法>
任意の発泡粒子2〜3粒を採取し、剃刀で図1に示すように粒子10を半分等間隔に5等分して、外側から、部分1,2,3,4,5を形成した。最も表面側の部分1(表面部分)についてはそのまま、最も内側の部分5(中心部分)についてはこの部分を5等分した中心を注射針(直径0.6〜0.7mm)で繰り抜いて取り出し、分子量を測定した。部分3(中心より3/5部分)については部分5と同じ中心を注射針で繰り抜いて取り出し、分子量を測定した。
尚、分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法により以下の装置及び条件で測定した。また、表面部分について、GPC法によるチャート(GPCチャート)を得た。
測定装置:(株)日立製作所社製
溶離液:THF、流量:2ml/分
検出器:UV 220nm
カラム:日立化成工業(株)社製 GL−R400M 2本
<粒子の5等分したときの表面部分をさらに6等分したときの各部分の分子量の測定方法>
「表面から1/6〜6/6までを形成する部分」の分子量は以下のようにして測定した。図2(a)に示すように、まず、発泡粒子10を1/2に切り、次に、表面から中心に向かって5等分した。最も外側にある、表面から1/5までを形成する部分Aを、さらに、図2(b)に示すように、顕微鏡の下で6等分に切断し、部分a,b,c,d,e,fを得た。部分a,b,c,d,e,fの分子量をそれぞれ測定した。部分aの分子量が、表面から1/6までを形成する部分の分子量、部分a,bの分子量の平均値が、表面から2/6までを形成する部分の分子量、部分a,b,cの分子量の平均値が、表面から3/6までを形成する部分の分子量、部分a,b,c,dの分子量の平均値が、表面から4/6までを形成する部分の分子量、部分a,b,c,d,eの分子量の平均値が、表面から5/6までを形成する部分の分子量、部分a,b,c,d,e,fの分子量の平均値が、表面から6/6までを形成する部分の分子量である。
尚、分子量は、同様にGPC法により測定した。
(6)表面平滑率
発泡成形品の表面平滑率は、以下のようにして得た成形品の表面に印刷用インクをローラーで薄く塗り、この表面部分を画像処理装置にかけ、全面積に対する黒色部分の面積を求め、表面平滑率とした。
再生発泡性スチレン系樹脂粒子を、50ml/gに予備発泡し、約18時間熟成後、ダイセン工業製発泡スチレン系樹脂成型機VS−300を用い、成形圧力0.08MPaで成形し、成形品を得た。
(7)曲げ強度
曲げ強度試験は、密度0.02g/lの発泡成形体(300×25×20mm)を用い、JIS−K・7221に準じて行った。
(8)重合率
重合率は、合成中の樹脂粒子を採取し、以下の装置及び条件にて測定した。
測定装置:(株)日立製作所社製、高速液体クロマトグラフ(HPLC)L-7000型
溶離液:アセトニトリル/蒸留水=70/30、流量:1ml/分
検出器:UV 230nm
カラム:Inertsil ODS−2
製造例1
[残存不純物総量が500ppmを超える再生スチレン系モノマーの製造]
使用済み発泡スチレン系樹脂を窒素を供給できる耐熱ガラスの耐熱容器に入れた後、加熱した。加熱前より容器内への窒素供給を開始継続し、容器内を無酸素状態とし、容器内の温度が590℃になるよう加熱温度を調整し、使用済み発泡スチレン系樹脂を熱分解した。容器内で発生する分解物を、耐熱容器に接続された蒸留塔により蒸留し、再生スチレン系モノマーを得た。残存不純物総量は880ppmであった。
製造例2
[残存不純物総量が500ppm以下の再生スチレン系モノマーの製造]
製造例1により得られた再生スチレン系モノマーを窒素供給により無酸素状態とし、真空度(減圧度)15mmHgにて40℃の温度で精密蒸留を数度行うことにより得た。
実施例1
撹拌機付属の3リットルオートクレーブ(内容積3.3L)中を、窒素で置換した後、純水1200g、燐酸三カルシウム1.8g、ドテシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.024gを入れ350回転/分で撹拌しながら仕込んだ。続いて製造例2で製造した残存不純物総量が500ppm以下に蒸留した再生スチレン系モノマー1080g、ベンゾイルパーオキサイド4.48g(Wet75%)、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネイト0.48g、エチレンビスアミド0.6gを撹拌しながら仕込んだ。
仕込み完了後、重合槽内を密閉し、ブロー配管を開け、再度窒素置換を行った。このとき酸素濃度計を用い測定した酸素濃度は0.7体積%であった。90℃まで昇温した後、再度酸素濃度が0.5体積%となるよう、窒素置換を行った後、引き続き反応槽内空間容積に対し0.5%/minとなるよう5ml/minにて窒素を供給し続けた。その後、昇温完了後2時間及び3時間後、それぞれ燐酸三カルシウムを0.6g追加及びドデシルゼンスルホン酸ソーダ0.0024gを添加した。引き続き90℃で2.5時間保温し重合率95%まで進んだ時点で燐酸三カルシウム1.2gとドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.12gを追加した。このときの酸素濃度は0.1体積%未満であった。この後、製造例2で製造した再生スチレン系モノマー120gを100℃に昇温しながら3時間かけて連続的に滴下した。窒素の供給は、重合後期に滴下する再生スチレンの滴下開始とともに反応槽内空間容積に対し0.2%/minとなるよう2ml/minへと調整し、重合温度が97%になるまで供給を継続し、一方96%にてブロー配管を閉めた。
再生スチレンの滴下が完了後、引き続きシクロヘキサン18g、さらに1時間後に、ブタン(イソブタン/ノルマルブタン重量比=4/6)84gを1時間で圧入し、さらに8時間保温した。その後、室温まで冷却しオートクレーブより取り出し、再生スチレン系発泡性樹脂粒子を得た。
取り出したスラリーを洗浄した後、スラリーの一部を乾燥し平均粒径と臭気を確認した。その結果を表1に示す。
残りのスラリーは、脱水、乾燥と各工程を行った後、14メッシュ通過、26メッシュ残で分級し、さらにジンクステアレート0.08%、ひまし硬化油0.05%、ジメチルシリコーン0.02%を表面被覆し発泡性・成形性の評価を行った。さらに得られた再生スチレン系発泡性樹脂粒子について評価した特性も表1に示す。
実施例2〜5
表1に示すように実験条件を変えた他は、実施例1と同様にして、再生スチレン系発泡性樹脂粒子を製造して、評価した。結果を表1に示す。
実施例6
攪拌機付属の3リットルオートクレーブ(内容積3.3L)中を、窒素で置換した後、純水1200g、燐酸三カルシウム1.8g、0.5%ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ水溶液4.8g、を入れ350回転/分で攪拌しながら仕込んだ。続いて製造例1で製造した残存不純物総量が880ppmの再生スチレン系モノマー1080g、ベンゾイルパーオキサイド4.48g(Wet75%)、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネイト0.48g、エチレンビスアミド0.6gを攪拌しながら仕込んだ。
仕込み完了後、重合槽内を密閉し、ブロー配管を開け、再度窒素置換を行った。このとき酸素濃度計を用い測定した酸素濃度は0.7体積%であった。90℃まで昇温した後、再度酸素濃度が0.5体積%となるよう、窒素置換を行った後、引き続き反応槽内空間容積に対し0.5%/minとなるよう5ml/minにて窒素を連続供給した。引き続き90℃で5.5時間保温し重合率95%まで進んだ時点で燐酸三カルシウム1.2gとドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.12gを追加した。このときの酸素濃度は0.1体積%以下であった。この後、製造例1で製造した再生スチレン系モノマー120gを100℃に昇温しながら3時間かけて連続的に滴下した。窒素の供給は、重合後期に滴下する再生スチレンの滴下開始とともに反応槽内空間容積に対し0.2%/minとなるよう2ml/minへと調整し、重合温度が97℃になるまで供給を継続し、一方96℃にてブロー配管を閉めた。再生スチレンの滴下が完了以降は実施例1と同様に実施した。
比較例1
(核の製造)
発泡スチレン系樹脂成形品(日立化成工業(株)製ハイビーズSSB−TX−7より得られた成形品)を220℃の熱風で収縮させ、見かけ比重0.75、大きさ400mm×400mm×100mmの12Kgの収縮物を得た。この収縮物を10mmのスクリーンを取り付けた粉砕機(ZA−560型粉砕機、株式会社ホーライ製)で粗粉砕した。このとき得られた粗粉砕物の最大長さは、約10mm、かさ比重は0.5であった。
次いで、この粗粉砕物をベント付き30mm押し出し機(T型ダイス、シート幅300mm、シート肉厚1mm)を用いて押し出し速度とほぼ同じ速度でシートを引きながら溶融押出した。
さらに、冷却固化前に、押出方向に対し水平に1mm間隔、深さ0.5mmのスリットをロールで設け、冷却固化後、切断機で約10〜15cmに切断した。引き続き得られたシート状スチレン系樹脂の切断片を、2mmのスクリーンを取り付けた粉砕機(VM−16型粉砕機、株式会社オリエント製)で細粉砕した。細粉砕物を、0.6〜0.85mmの範囲に篩で分級して再生スチレン系樹脂粒子(重量平均分子量18.1万、比重1.02)を得た。
(再生発泡性粒子の製造)
上記の再生スチレン系樹脂粒子1000g、純水1500g、ポリビニルアルコール0.5g、燐酸三カルシウム5g、0.5%ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ水溶液7.5gを内容積4リットルの耐圧反応釜に入れ攪拌し、次いで純水500g、0.5%ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ水溶液7.5g、トルエン5gをホモミキサー(特殊加工工業製)で攪拌した分散液を添加し、90℃昇温後、発泡剤としてブタン(イソブタン/ノルマルブタン重量比=4/6)を45gずつ2回に分けて圧入した。1時間保持した後115℃に昇温し10時間保持し発泡剤の含浸を行った。その後、室温まで冷却しオートクレーブより取り出し、脱水乾燥した後、実施例1と同様の方法で分級、表面被覆した。実施例1と同様に各種測定を行い、その結果を表1に示す。
Figure 2006307016

上記実施例に示されるように、本実施例では、成形品の外観及び/又は強度に優れ、かつ再生率100%の再生発泡性スチレン系樹脂粒子が得られる。さらに、低VOC性能を有し、又はバラツキが少ない再生発泡性スチレン系樹脂粒子が得られる。
本発明の再生発泡性スチレン系樹脂粒子から得られる発泡製品は、食品容器、梱包材、緩衝材等に様々な用途に用いることができる。
また、本発明の再生発泡性スチレン系樹脂粒子は、100%のリサイクル率なので、石油価格が高騰する近年において、環境的、経済的観点から有利である。
粒子を5等分したときの各部分の分子量の測定方法を説明するための図である。 粒子を5等分したときの表面部分をさらに6等分したときの各部分の分子量の測定方法を説明するための図である。 二山又はショルダーを有するチャートの例を示す図である。

Claims (11)

  1. 再生スチレン系単量体を懸濁重合し、さらに発泡剤を含浸する再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法であって、
    重合後期に、反応槽内の酸素を強制的に排出することにより酸素濃度を低く保ちつつ、再生スチレン系単量体を添加して重合を進める、再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
  2. 再生スチレン系単量体を懸濁重合し、さらに発泡剤を含浸する再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法であって、
    重合後期に、反応槽内の酸素濃度を7体積%以下に低く保ちつつ、再生スチレン系単量体を添加して重合を進める、再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
  3. 再生スチレン系単量体を懸濁重合し、さらに発泡剤を含浸する再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法であって、
    重合開始から、重合後期まで、反応槽内の酸素を強制的に排出することにより酸素濃度を低く保ち、
    重合後期に、酸素濃度を低く保ちつつ、再生スチレン系単量体を添加して重合を進める、再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
  4. 再生スチレン系単量体を懸濁重合し、さらに発泡剤を含浸する再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法であって、
    重合開始から、重合後期まで、反応槽内の酸素濃度を7体積%以下に保ち、
    重合後期に、酸素濃度を酸素濃度を7体積%以下に保ちつつ、再生スチレン系単量体を添加して重合を進める、再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
  5. 再生スチレン系単量体を懸濁重合し、さらに発泡剤を含浸する再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法であって、
    重合開始から、重合後期まで、反応槽内の酸素濃度を1体積%以下に保ち、
    重合後期に、酸素濃度を酸素濃度を1体積%以下に保ちつつ、再生スチレン系単量体を添加して重合を進める、再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
  6. 重合中、前記反応槽に不活性ガスを連続して供給及び排出する請求項1〜5のいずれかに記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
  7. 前記反応槽に供給する不活性ガスの量が、反応槽内空間容積に対し、0.2%/分〜5%/分である請求項6に記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
  8. 前記重合後期が、重合率が60%以上のときである請求項1〜7のいずれかに記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
  9. 重合後期に添加する再生スチレン系単量体が、再生発泡性スチレン系樹脂粒子の5重量%〜30重量%である請求項1〜8のいずれかに記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
  10. 前記再生スチレン系単量体に含まれる残存不純物総量が500ppm以下である請求項1〜9のいずれかに記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
  11. 前記再生スチレン系単量体を水性媒体に分散させ、
    この水分散液の水素イオン濃度が8〜10で重合を開始させ、
    重合率20%〜50%で少なくとも1回以上の難溶性無機塩及び界面活性剤を追加する請求項1〜10のいずれかに記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。



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