JP2006300995A - 音響拡散パネル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水平方向の音環境を容易に調整できる音響拡散パネル装置を提供する。
【解決手段】 一定間隔に立設された2脚の支持脚1と、それぞれの支持脚1に支持された2枚の音響パネル2とを備えてなる音響拡散パネル装置において、2枚の音響パネル2が互いにその側端3で水平方向に回動自在に連結され、各々の音響パネル2が水平方向に滑動するスライド機構4を介して支持脚1に係合支持されると共に各々の支持脚1に音響パネル2を水平方向に回動させる回動機構5を設け、更に、音響パネル2の前面に音を反射し吸収する作用面6が形成されており、音響パネル2がその背面7で支持脚1に支持されている。
【選択図】図7

Description

本願発明は、居室や多目的ホール等の室内の音環境を調節する音響拡散パネル装置に関する。
従来から、居室や多目的ホール等の室内において、反響や共鳴といった音環境を改善するために、音響パネルを用いて音を拡散させることがある。これら音環境は、音源の位置や種類、室内に設置される家具や装置の配置に依存するため、それぞれの室内空間や使用目的に応じて、音響パネルの形状や取り付け位置を細かく調整する必要がある。
一方、実開平7−41596号公報には、2枚の音響反射板を上下方向に回動自在に連結した音響反射板装置が開示されている。この音響反射板装置においては、鉛直方向の音響調節を効果的に行うことができるが、水平方向の音響調節においては音響反射板装置自体を移動するしかなく、改善の余地があった。
実開平7−41596号公報
本願発明は、上記背景技術に鑑みて発明されたものであり、その課題は、水平方向の音環境を容易に調整できる音響拡散パネル装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本願発明は、一定間隔に立設された2脚の支持脚と、それぞれの支持脚に支持された2枚の音響パネルとを備えてなる音響拡散パネル装置において、2枚の音響パネルが互いにその側端で水平方向に回動自在に連結され、各々の音響パネルが水平方向に滑動するスライド機構を介して支持脚に係合支持されると共に各々の支持脚に音響パネルを水平方向に回動させる回動機構を設けたことを特徴とする音響拡散パネル装置である。
本願発明の音響拡散パネル装置においては、2枚の音響パネルが水平方向に回動自在に連結されているため、音響パネルを屏風の様に開閉させることで音の吸収及び反射する方向を微調整することができ、音響パネルがスライド機構と回動機構を介して支持脚に支持されているため、スムーズに開閉できる。
図1〜7は、本願の請求項1〜3全てに対応した一実施形態である音響拡散パネル装置を示している。この実施形態の音響拡散パネル装置は、図1及び図2に示す如く、一定間隔に立設された2脚の支持脚1と、それぞれの支持脚1に支持された2枚の音響パネル2とを備えてなる音響拡散パネル装置において、2枚の音響パネル2が互いにその側端3で水平方向に回動自在に連結され、各々の音響パネル2が水平方向に滑動するスライド機構4を介して支持脚1に係合支持されると共に各々の支持脚1に音響パネル2を水平方向に回動させる回動機構5を設けている。
又、音響パネル2の前面に音を反射し吸収する作用面6が形成されており、音響パネル2がその背面7で支持脚1に支持されている。
又、この実施形態の音響拡散パネル装置では、図1、図5及び図6に示す如く、音響パネル2が、インシュレーションボードからなる背板8と、背板8の前方に、背板8と対向して設けられる背板8と略同幅で前方に凸に湾曲した前化粧板9と、背板8と前化粧板9双方の側端部分と係合する縦額縁10と、背板8と前化粧板9の上端及び下端とそれぞれ係合する天板11及び底板12とで構成され、前化粧板9には音響パネル2内部と連通する連通部13が設けられ、音響パネル2内部には、インシュレーションボードからなる音調整板14が、背板8と前化粧板9の側端部分とで挟持され、背板8に沿設させられており、背板8側が背面7となっている。
以下、この実施形態の音響拡散パネル装置を、より具体的詳細に説明する。この実施形態の音響拡散パネル装置は、図1及び図2に示す如く、2脚の支持脚1と、2枚の音響パネル2及び支持板15を備えてなっている。2脚の支持脚1は支持板15から一定間隔をあけて立設されており、それぞれの支持脚1には音響パネル2が支持されている。又、それぞれの音響パネル2はその向かい合った側端3がヒンジ部17を介して水平方向に回動自在に連結されている。
それぞれの音響パネル2の背面7の略中央には、断面略コ字型のスライドレール4bが水平方向に設けられており、又、支持脚1の上方には、断面略コ字型のスライド片4aが水平方向に回動自在な回動機構5を介して設けられている。このスライド片4aとスライドレール4bとが互いの開口が向かい合うようにして係合されることで、音響パネル2と支持脚1とが水平方向にスライド可能なスライド機構4となっている。従って、この実施形態においては、スライド機構4と回動機構5とが一体となって設けられている。
以上の構成を有することで、この音響拡散パネル装置は、図6に示す如く、2枚の音響パネル2の表側が向かい合ってヒンジ部17が前方に突出した状態(図7(a))、略一直線で面一となった状態(図7(b))及びヒンジ部が前方に突出した状態(図7(c))をとれるようになっている。なお、スライド機構4は、図7(b)のときに、スライド片4aがスライドレール4bの最も内側すなわち、ヒンジ部17側で係合された状態となっており、それ以上はスライドしないようになっている。
又、この音響パネル2は、図1、図5及び図6に示すように、インシュレーションボードからなる背板8と、背板8の前方に、背板8と対向して設けられる背板8と略同幅で前方に凸に湾曲した前化粧板9と、背板8と前化粧板9双方の側端部分と係合する縦額縁10と、背板8と前化粧板9の上端及び下端とそれぞれ係合する天板11及び底板12とで構成されている。又、図1では省略しているが、前化粧板9には音響パネル2の内部と連通する連通部13が設けられ、音響パネル2内部には、インシュレーションボードからなる音調整板14が、背板8と前化粧板9の側端部分とで挟持され、前記背板8に沿設させられている。又、前記前化粧板9に前端面で当接し、後端面で前記背板8に当接する、前面が湾曲した略D字状板である横桟19を天板11と底板12との間に設けている。
又、前化粧板9が横方向に一定間隔をあけ並設される複数枚の帯板状の前板13aで構成され、連通部13を帯板間の隙間部分としており、前化粧板9を構成する前板13a間の隙間部分後方に、帯板状の後板13bを設けている。更に、横桟19の前面部分を櫛歯状に形成し、櫛歯状部分の凸部先端に前板13aを、凹部後端11に後板13bをそれぞれ設けている。
この音響パネル2の素材はそれぞれ、前板13a及び後板13bは、インテリアとしても音響拡散パネル装置を用いることを考え、ムクのシナ材を用いている。そして縦額縁10及び天板11、底板12はアスペン材を用いている。なお、これら以外にも種々の木材、金属、樹脂板などを用いることが可能である。
又、支持脚1を支える支持板15は板状であるが、音響パネル2が図7(c)に示す如く、その重心が前方に偏ったときにそれを支えるため、前方に突出した突出部15aが設けられている。この場合、支持板15の両末端に突出部15aを設け、全体として前方に開口したU字状となっている。又、この場合、支持脚1は支持板15の上方に設けられた横長棒状の固定片16を介して固定されている。
又、音響パネル2の背面7の下端部には、平面視略コ字型の板状で、背面7に対して開口した断面コ字型の音響パネル2を支持脚1に補助的に固定するための支持脚係合部18が設けられている。このコ字型の開口の幅は、支持脚1が音響パネル2に対して水平方向にスライドするため、支持脚1がスライドする範囲に合わせて設定されている。
なお、この音響拡散パネル装置は、単独で部屋の隅部やスピーカーなどの音響機器に隣接して設置することもできるが、複数の音響拡散パネル装置を水平方向に屏風のようにならべて用いることもできる。
従って、この実施形態の音響拡散パネル装置においては、各々の音響パネル2が水平方向に滑動するスライド機構4を介して支持脚1に係合支持されると共に各々の支持脚1に音響パネル2を水平方向に回動させる回動機構5を設けているため、図6に示す如く、支持脚1の間隔を一定に固定したまま、音響パネル2を屏風のように折りたたみできる。又、それにより、音響パネル2をスムーズに開閉できる。
又、音響パネル2の前面に音を反射し吸収する作用面6が形成されており、音響パネル2がその背面7で支持脚1に支持されているため、音響パネル2を屏風のように開閉させることで、音を吸収させる範囲、反射させる方向を微調整できる。従って、家庭の居室空間においては、音が集中、乱反射しやすく音環境の悪化を引き起こす原因となる隅部に設置することで居室空間の音環境を良好なものとすることができ、又、スピーカーなどの音響機器の背面に設置することで、音響機器からの発せられる音を視聴者に向かって程よく反射させることができる。
更に、音響パネル2が背面7で支持脚1に支持されているため、支持脚1やスライド機構4などが前面から見えなくなるために見栄えがよくなる。そして、スライド機構4や回動機構5が音響パネル2の外部に露出しているため、壁に直接固定するように設計・製造した一般的な壁パネルを用いて製造することもでき、別途音響パネル2を設計・製造する必要がない。それに加えて、仮にスライド機構4や回動機構5が故障してしまっても、修理しやすく、メンテナンスも容易である。
又、音響パネル2が、前方に凸に湾曲した前化粧板9を備えているため、音を一定方向に反射させるのではなく、ある程度の範囲に拡散させることができる。更に、前化粧板9に連通部13が設けられているので、音をすべて反射させるのではなく、一部吸収させることができる。それに加え、背板8と音調整板14をインシュレーションボードで構成し、沿設しているため、インシュレーションボードの吸音効果を高めることができる。
又、支持板15に前方に突出部15aを設けているため、音響パネル2の開閉により重心が前方に偏っても、本願発明の音響拡散パネル装置は転倒しにくい。更にこの場合、突出部15aを支持板15の両端に設けているためにより転倒しにくくなり、又、支持板15を板状としているため軽量化が図れる。
又、本願発明の音響拡散パネル装置は、1つを単独で使うだけでなく、複数の音響拡散パネル装置を屏風状に並べて使用することもでき、これにより、音を吸収、反射させたい範囲を変化させることができる。従って、ホームシアターなどの個人の居室空間からホール等の大型施設まで、様々な場面での音環境の微調整が行える。
本願発明の一実施形態である音響拡散パネル装置を示す正面図。 同音響拡散パネル装置を示す(a)は片側の背面図、(b)はスライド機構の拡大図。 同音響拡散パネル装置を示す側面図。 同音響拡散パネル装置を示す平面図。 同音響拡散パネル装置の音響パネルを示す分解斜視図。 同音響拡散パネル装置の音響パネルを示す横断面図。 同音響拡散パネル装置の動作を示す(a)〜(c)は各状態での平面図。
符号の説明
1 支持脚
2 音響パネル
3 側端
4 スライド機構
4a スライド片
4b スライドレール
5 回動機構
6 作用面
7 背面
8 背板
9 前化粧板
10 縦額縁
11 天板
12 底板
13連通部
13a 前板
13b 後板
14音調整板
15支持板
15a 突出部
16固定片
17ヒンジ部
18支持脚係合部
19横桟

Claims (3)

  1. 一定間隔に立設された2脚の支持脚と、それぞれの支持脚に支持された2枚の音響パネルとを備えてなる音響拡散パネル装置において、2枚の音響パネルが互いにその側端で水平方向に回動自在に連結され、各々の音響パネルが水平方向に滑動するスライド機構を介して支持脚に係合支持されると共に各々の支持脚に音響パネルを水平方向に回動させる回動機構を設けたことを特徴とする音響拡散パネル装置。
  2. 音響パネルの前面に音を反射し吸収する作用面が形成されており、音響パネルがその背面で支持脚に支持されていることを特徴とする請求項1記載の音響拡散パネル装置。
  3. 音響パネルが、インシュレーションボードからなる背板と、背板の前方に、背板と対向して設けられる背板と略同幅で前方に凸に湾曲した前化粧板と、背板と前化粧板双方の側端部分と係合する縦額縁と、背板と前化粧板の上端及び下端とそれぞれ係合する天板及び底板とで構成され、前化粧板には音響パネル内部と連通する連通部が設けられ、音響パネル内部には、インシュレーションボードからなる音調整板が、背板と前化粧板の側端部分とで挟持され、背板に沿設させられており、背板側が背面となっていることを特徴とする請求項2記載の音響拡散パネル装置。
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