JP2006300404A - スケールの除去方法 - Google Patents

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和豊 村田
Jiro Murayama
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隆司 梅原
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泰彦 莊田
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Abstract

【課題】原子力発電プラントで用いられる蒸気発生器の伝熱性能を高い水準に維持しつつ伝熱管外部に付着したスケールを除去する方法を提供する。
【解決手段】初期状態Aにおいて伝熱管表面は滑らかであり、その表面積は最小となっている。蒸気発生器を運転すると、伝熱管表面にスケールが散在的に付着し、またスケールが沸騰の核となるため、蒸気発生器の伝熱性能は徐々に上昇する。しかし、Bに達すると、スケール表面の孔が埋まり、スケールは粗密層となって成長していく。この課程で、表面積は略一定であるが、スケールの厚さが増加していくことにより熱抵抗が増大し、蒸気発生器の伝熱性能は降下する。洗浄により蒸気発生器の伝熱管外表面に形成されたスケールの一部分を除去して表面積を増大させることにより、蒸気発生器の伝熱性能を高い水準に維持できる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、スケールの除去方法に関し、特に原子力発電プラントで用いられる蒸気発生器内部の伝熱管外部に付着したスケールの除去方法に関するものである。
現在発電用として広く使用されている加圧水型原子炉は、一般にシェルチューブ型熱交換器を蒸気発生器として使用している。即ち、多数の伝熱管の内部に高温の一次流体即ち原子炉冷却材を流し、伝熱管の外側の胴側空間に二次流体即ち給水を流し、熱交換することによりこの給水を蒸発せしめて主蒸気とする。このため、胴側空間(以下、「二次側空間」という)においては、給水が蒸発を繰り返すので、その中に含まれていた不純物が伝熱管の外表面及び2次側空間部機器表面にスケールとして付着する。このようなスケールは、過剰に付着した場合に腐食などを促進するので伝熱管等の健全性維持などに好ましくなく、また付着したスケールが熱抵抗となって伝熱管の熱伝導性を低下させるため蒸気発生器全体の伝熱性能を低下させ、発電量の低下につながるので好ましくない。従って、定期的或いは必要に応じてスケール除去の洗浄が行われる。
以上のような事情から従来行われている蒸気発生器内部洗浄方法の一例を図9を参照して説明する。図9において、蒸気発生器10の構造は概念的に示されているが、竪型の胴11の下側は厚い管板13に一体的に接続され、又図示しない汽水分離器などを収容する上方拡大部11aは、主蒸気弁15を備えた主蒸気管に連絡している。また、胴11の側部上方には、二次側空間に水を供給する給水ノズル16が設けられている。管板13の下側は鏡板17によって囲まれ、その中に高温側水室19および低温側水室21が隔壁23によって分けられて形成されている。そして、複数本のうちの1本のみ概念的に示された逆U字形の伝熱管25が胴11の中に設けられ、その両端は管板13の穴に挿入されてそれぞれ高温側水室19および低温側水室21に開口している。伝熱管25は薄肉の細管であって、非常に狭い間隔で配置されて伝熱管束を形成しているが、その外面に鉄酸化物スケール27が付着する。洗浄はこの鉄酸化物スケール27を除去しようとするものである。尚、通常運転時には、原子炉冷却材が高温側水室19、伝熱管25及び低温側水室21を順次流れ、二次側の給水を加熱する。
このような構造の蒸気発生器内部を洗浄するには、例えば、胴11の内部に化学洗浄液を入れ、被洗浄部を浸漬する(例えば、特許文献1参照)。なお、スケールは鉄酸化物(マグネタイト)を主成分としているが、この他に銅化合物も含んでいる。従って、化学洗浄液で蒸気発生器内部を洗浄する場合は、鉄酸化物を溶解する化学洗浄液と、銅化合物を溶解する化学洗浄液とが用いられる。
上記化学洗浄液による洗浄を含め、従来のスケールの除去方法は、伝熱管25に付着したスケールをすべて除去するように行われる。スケールがすべて除去されたかどうかは、化学洗浄液中に溶解された鉄濃度をモニターし、実質的に0になった時点でスケールがすべて除去されたと判断される。
特開2003−176997号公報
ところで、上記加圧水型原子力発電プラントを運転した場合、蒸気発生器の伝熱性能は運転前の初期状態から漸次低下するのではなく、最初の2〜3年程度の間は一旦伝熱性能が上昇し、その徐々に低下することが分かった。従って、従来のスケールの除去方法では、すべてのスケールが除去されるため、蒸気発生器の伝熱性能は初期状態となり、より高い伝熱性能に最適化されていないことが分かった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、例えば原子力発電プラントで用いられる蒸気発生器の伝熱性能を高い水準に維持しつつ伝熱管外部に付着したスケールを除去する方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかるスケールの除去方法は、蒸気発生器の伝熱管外表面に形成されたスケールの一部分を除去して表面積を増大させる方法である。
本発明によれば、蒸気発生器の伝熱性能を、運転前の初期状態より高くすることができる。
なお、本発明において伝熱性能とは、一次側から二次側へ伝えられる熱量であり、蒸気発生器の一次側および二次側のそれぞれの温度および流速等を測定することにより求めることができる。
上記スケールの除去方法において、前記一部分を除去したスケールの表面を凹凸状または多孔質状とすることが好ましい。
この構成により、スケールを含めた伝熱管の表面積が増大し、さらにスケール表面が沸騰の核となるので、蒸気発生器の伝熱性能が増大する。
上記スケールの除去方法において、前記伝熱管外表面に形成されたスケールの20〜80重量%を除去することとしてもよい。
上記スケールの除去方法において、前記蒸気発生器の運転時に測定された該蒸気発生器の伝熱性能の最高値を目標値とし、前記伝熱管外表面に形成されたスケールの一部を除去した後に前記蒸気発生器の伝熱性能を測定し、この測定値と前記目標値を対照することとしてもよい。
このように測定値と目標値を対照することにより、その結果に応じて次回のスケール除去の必要性や、時期、除去量等を判断することができる。
上記スケールの除去方法は、前記伝熱管外表面に形成されたスケールに氷またはドライアイスの細粒を噴射して該スケールの一部を除去することにより行ってもよい。
これによりスケールの表面に凹凸が形成される。使用した氷またはドライアイスの粒子は、プラント中に残留しない。
また、上記スケールの除去方法は、前記伝熱管の内部の温度と外部の温度の差を50℃以上とすることにより、前記伝熱管外表面に形成されたスケールの一部を剥離させる方法であってもよい。
この場合、スケールと伝熱管の熱膨張差によりスケールにひずみが生じ、その一部が剥離する。
また、上記スケールの除去方法は、鉄を溶解する物質を含有する洗浄液を用いて前記伝熱管外表面に形成されたスケールの一部を溶解して洗浄する方法であってもよい。
この方法により、スケール中の鉄酸化物の一部が溶解し、残ったスケールは多孔質状となる。
前記鉄を溶解する物質を含有する洗浄液は、界面活性剤を含んでいるものが好ましい。
この場合、洗浄液がスケールに浸透しやすくなるので、多孔質が形成されやすくなる。
また、鉄を溶解する物質を含有する洗浄液を用いる上記スケールの除去方法において、前記洗浄液中に溶解された鉄の濃度をモニターし、該濃度が所定値となったときに洗浄を終了することとしてもよい。
この方法により、伝熱性能が最も高くなる状態の近傍でスケールの除去を終了することができる。
また、上記スケールの除去方法は、銅を溶解する物質を含有する洗浄液を用いて前記伝熱管外表面に形成されたスケールの一部を溶解して洗浄する方法であってもよい。
この方法により、スケール中の銅化合物の一部が溶解し、残ったスケールは多孔質状となる。
前記銅を溶解する物質を含有する洗浄液は、界面活性剤を含んでいるものが好ましい。
この場合、洗浄液がスケールに浸透しやすくなるので、多孔質が形成されやすくなる。
本発明によれば、原子力発電プラントで用いられる蒸気発生器の伝熱性能を高い水準に維持しつつ伝熱管外部に付着したスケールを除去することができる。
以下に本発明のスケールの除去方法の原理について、図1〜図3を用いて、従来のスケールの除去方法と対比して説明する。
図1は、一般的な加圧水型原子力発電プラントの運転時における蒸気発生器の伝熱性能の経時変化を概念的に示したグラフである。
図1に示すように、蒸気発生器の伝熱性能は、運転前の初期状態Aから上昇し、例えば2〜3年後に伝熱性能が最大の状態Bとなる。その後伝熱性能は徐々に低下し、初期状態の伝熱性能を下回わった状態Cとなる。
初期状態Aにおいて伝熱管表面は滑らかであり、その表面積は最小となっている。蒸気発生器を運転すると、初期状態Aから状態Bへの過程において、伝熱管表面にスケールが散在的に付着し、次第に多孔質層となって堆積する。この過程で、スケールを含めた伝熱管の表面積は徐々に増加し、またスケールが沸騰の核となるため、蒸気発生器の伝熱性能は徐々に上昇する。しかし、状態Bに達すると、スケール表面の孔が埋まり、スケールは稠密層となって成長していく。この過程で、表面積は略一定であるが、スケールの厚さが増加していくことにより熱抵抗が増大し、蒸気発生器の伝熱性能は下降する。最終的に伝熱性能は初期状態Aを下回り、状態Cとなる。
図2は、従来のスケール除去(洗浄)方法を行った場合の蒸気発生器の伝熱性能の経時変化を概念的に示したグラフである。
従来のスケール除去方法は、上記スケールの多孔質と稠密層すべてを除去するように行われていた。従って、図2に示すように、状態Cで洗浄を行った場合、蒸気発生器の伝熱性能は初期状態Cと同じ程度になっていた。
図3は、本発明のスケール除去(洗浄)方法を行った場合の蒸気発生器の伝熱性能の経時変化を概念的に示したグラフである。
本発明の除去方法では、すべてのスケールを除去せずに、スケールの一部分のみが除去される。また、スケールは均一に除去されるのではなく、表面積が増大するように、例えば凹凸状または多孔質状の表面になるように除去される。従って、図3に示すように、蒸気発生器の伝熱性能が最大となる状態Bの伝熱性能を目標値としてスケールの除去をすることができる。
伝熱管に付着したスケールの量は、プラントの運転時間から推定することが可能である。あるいは、伝熱管の一部について例えば渦電流式厚さ測定法(ECT)によりスケールの厚さを測定し、この値から蒸気発生器内の伝熱管全体に付着したスケールの量を推定することも可能である。例えば、こうして推定したスケール量の20〜80重量%を、除去されるスケール量の目標値としてもよい。
また、予め蒸気発生器の運転時に伝熱性能をモニターし、状態Bにおける最高値を求めておき、この最高値と、伝熱管外表面に形成されたスケールの一部を除去した後に測定した伝熱性能とを対照し、その結果に応じて次回のスケール除去の必要性や、時期、除去量等を判断してもよい。また、スケールの除去直後に蒸気発生器を通常運転もしくは試験運転し、または他の試験方法により、伝熱性能の経時的変化を測定し、伝熱性能の経時的変化が下降傾向にある場合は、状態Aと状態Bの間ではなく、状態Bと状態Cの間にあると判断して再度スケールの除去を行い、スケール除去直後の伝熱性能の経時的変化が上昇傾向または略一定となるまでこの作業を繰り返してもよい。
本発明において伝熱管に付着したスケールを除去する方法は特に限定されず、スケールの一部分を除去して表面積を増大させることができる方法であって原子力発電プラントの蒸気発生器において適用できるものであればいずれの方法を採用してもよく、従来のスケール除去で採用されていた方法をスケールの一部のみを除去するように改変して採用してもよい。例えば、化学洗浄等による化学的手法、粒子噴射(ブラスト)や伝熱管内外の温度差を利用する物理的手法等を採用することができる。また、複数のスケール除去方法を組み合わせて採用してもよい。
次に、本発明のかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について、図4および図5を用いて説明する。
図4は、原子力発電プラントの蒸気発生器10(図9参照)において、スケール27が付着した伝熱管25の部分概略断面図である。伝熱管25の外表面には、稠密なスケール27の層が略均一な層厚で付着し、熱抵抗となって蒸気発生器10の伝熱性能を低下させている。
本実施形態では、物理的手法によりスケール27の一部を除去する例として、ブラスト処理を採用する。ブラスト処理は、ブラスト材粒子を高速でスケール27に噴射して行われる。
一般的なブラスト処理はシリカや鉄の粒子を噴射して行われるが、これらの処理を行うと粒子がプラントの二次側の系内に残留するので好ましくない。また、スケール27の一部のみを除去するためにはこれら粒子よりも柔らかい粒子を用いることが好ましい。従って、本実施形態ではブラスト材として、氷またはドライアイスの粒子を採用する。ブラスト材を噴射するための媒体としては、圧縮空気などが用いられる。
図5は、本実施形態のブラスト処理を行った後の伝熱管25の部分概略断面図である。氷またはドライアイスの粒子でブラスト処理を行った場合、これらの粒子は柔らかく脆いのでスケール27が完全に除去されることはなく、表面に凹凸が生じ、表面粗度が増大した状態(スケール27a)となる。従って、スケール27aは表面積が増大しかつ沸騰の核が形成されているので、蒸気発生器の伝熱性能は初期状態より増大する。
なお、スケール27aの凹部は、伝熱管25の外表面まで貫通していてもよく、また貫通していなくてもよい。
また、ブラスト剤として用いた氷またはドライアイスの粒子は、ブラスト処理後は液体の水または二酸化炭素ガスとなるので、粒子が残留しない。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図6を用いて説明する。なお、スケール27の一部を除去する前の状態は、第1実施形態において図4に示した状態と同じなので、その説明は省略する。
本実施形態では、物理的手法によりスケール27の一部を除去する例として、プラント停止時または起動時に、伝熱管の内外の温度差を50℃以上とし、スケール27と伝熱管25の熱膨張差を利用して、スケールの一部を剥離するものである。
本実施形態では、図9に示した蒸気発生器10の高温側水室19から伝熱管25内に例えば約170℃の水を供給し、一方給水ノズル16から蒸気発生器10の二次側空間、すなわち伝熱管25の外側に、例えば約80℃の水を供給する。
このように伝熱管25の内外に温度差を与えることにより、主に鉄酸化物からなるスケール27とニッケル基合金等で形成された伝熱管25の熱膨張差によりスケール27にひずみが生じ、図6に示すようにスケール27の一部が剥離した状態(スケール27b)となる。従って、スケール27bを含めた伝熱管25の表面積が増大しかつ沸騰の核が形成されているので、蒸気発生器の伝熱性能は初期状態より増大する。
なお、スケール27の一部が剥離した部分は、伝熱管25の外表面まで貫通していてもよく、また貫通していなくてもよい。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について、図7を用いて説明する。なお、スケール27の一部を除去する前の状態は、第1実施形態において図4に示した状態と同じなので、その説明は省略する。
本実施形態では、化学的手法によりスケール27の一部を除去する例として、鉄を溶解する物質を含有する洗浄液を蒸気発生器10の二次側に導入することにより、スケール27の一部を溶解し、除去するものである。
一般に、伝熱管25の外表面に形成されるスケール27は、90重量%以上の鉄酸化物を含有している。従来の蒸気発生器の洗浄においては、クエン酸等の洗浄液を、鉄酸化物のすべてを溶解するように濃度および添加量を調節して、蒸気発生器10の二次側に導入していた。
本実施形態では、従来の鉄洗浄液を希釈し、さらにスケール27に浸透しやすいように界面活性剤を添加したものを洗浄液として用いて、蒸気発生器10の二次側に導入する。洗浄液は、界面活性剤の働きによりスケール27に浸透し、鉄酸化物の一部のみを溶解する。従って、図6に示すようにスケール27の一部が溶解して多孔質状になった状態(スケール27c)となる。従って、スケール27cを含めた伝熱管25の表面積が増大しかつ沸騰の核が形成されているので、蒸気発生器の伝熱性能は初期状態より増大する。
なお、スケール27cに形成した孔は、伝熱管25の外表面まで貫通していてもよく、また貫通していなくてもよい。
洗浄液に含有される鉄を溶解する物質としては、従来の洗浄液に用いられているものと同様の成分、すなわち、クエン酸、アスコルビン酸等を用いることができる。
また、鉄を溶解する物質の濃度は、伝熱管に付着したスケールの量の推定値に応じて決めることができる。伝熱管に付着したスケールの量は、プラントの運転時間から求められる。または、伝熱管の一部について例えば渦電流式厚さ測定法(ECT)によりスケールの厚さを測定し、この値から蒸気発生器内の伝熱管全体に付着したスケールの量を求めてもよい。本実施形態の洗浄処理により溶解されたスケール27中の鉄酸化物の量は、洗浄液中の鉄濃度をモニターすることにより求められる。例えば、洗浄液中の鉄濃度をモニターして求めた除去スケール量が、洗浄前のスケール量の20〜80重量%となったところで、洗浄処理を終了してもよい。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について、図8を用いて説明する。なお、スケール27の一部を除去する前の状態は、第1実施形態において図4に示した状態と同じなので、その説明は省略する。
本実施形態では、化学的手法によりスケール27の一部を除去する例として、銅を溶解する物質を含有する洗浄液を蒸気発生器10の二次側に導入することにより、スケール27の一部を溶解し、除去するものである。
一般に、伝熱管25の外表面に形成されるスケール27は、前述の鉄酸化物の他に、約1〜2%の銅化合物を含有している。従って、従来の蒸気発生器の洗浄においては、点酸化物の洗浄に加え、炭酸アンモニウム等の洗浄液を、銅化合物のすべてを溶解するように濃度および添加量を調節して、蒸気発生器10の二次側に導入していた。
本実施形態では、銅を溶解する物質を含有する銅洗浄液に、さらにスケール27に浸透しやすいように界面活性剤を添加したものを洗浄液として用いて、蒸気発生器10の二次側に導入する。洗浄液は、界面活性剤の働きによりスケール27に浸透し、銅化合物を溶解する。従って、図7に示すようにスケール27の銅成分だけが溶解して多孔質状になった状態(スケール27d)となる。従って、スケール27dを含めた伝熱管25の表面積が増大しかつ沸騰の核が形成されているので、蒸気発生器の伝熱性能は初期状態より増大する。
なお、スケール27dに形成した孔は、伝熱管25の外表面まで貫通していてもよく、また貫通していなくてもよい。
また、洗浄液に含有される銅を溶解する物質としては、従来の洗浄液に用いられているものと同様の成分、すなわち、炭酸アンモニウム、アンモニア等を用いることができる。
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本願の各請求項の範囲において任意に変更可能である。例えば、上記実施形態の2つ以上を組み合わせて本発明のスケールの除去方法を行うことも可能である。
蒸気発生器の伝熱性能の経時変化を概念的に示したグラフである。 従来のスケール除去方法を行った場合の蒸気発生器の伝熱性能の経時変化を概念的に示したグラフである。 本発明のスケール除去方法を行った場合の蒸気発生器の伝熱性能の経時変化を概念的に示したグラフである。 スケールが付着した伝熱管の部分概略断面図である。 第1実施形態のスケールの除去方法を行った後の伝熱管の部分概略断面図である。 第2実施形態のスケールの除去方法を行った後の伝熱管の部分概略断面図である。 第3実施形態のスケールの除去方法を行った後の伝熱管の部分概略断面図である。 第4実施形態のスケールの除去方法を行った後の伝熱管の部分概略断面図である。 蒸気発生器の構造を示す概略断面図である。
符号の説明
25 伝熱管
27、27a、27b、27c、27d スケール

Claims (12)

  1. 蒸気発生器の伝熱管外表面に形成されたスケールの一部分を除去して表面積を増大させるスケールの除去方法。
  2. 前記一部分を除去したスケールの表面が凹凸状または多孔質状である請求項1に記載のスケールの除去方法。
  3. 前記伝熱管外表面に形成されたスケールの20〜80重量%を除去する請求項1または2に記載のスケールの除去方法。
  4. 前記伝熱管外表面に形成されたスケールの一部を除去した後に前記蒸気発生器の伝熱性能の経時的変化を測定し、
    該伝熱性能の経時的変化が下降傾向にある場合は、再度スケールの除去を行い、
    前記伝熱性能の経時的変化が上昇傾向または略一定となるまで上記伝熱性能の経時的変化の測定およびスケールの除去を繰り返す請求項1から3のいずれか一項に記載のスケールの除去方法。
  5. 前記蒸気発生器の運転時に測定された該蒸気発生器の伝熱性能の最高値を目標値とし、
    前記伝熱管外表面に形成されたスケールの一部を除去した後に前記蒸気発生器の伝熱性能を測定し、
    この測定値と前記目標値を対照する請求項1から3のいずれか一項に記載のスケールの除去方法。
  6. 前記伝熱管外表面に形成されたスケールに氷またはドライアイスの細粒を噴射して該スケールの一部を除去する請求項1から5のいずれか一項に記載のスケールの除去方法。
  7. 前記伝熱管の内部の温度と外部の温度の差を50℃以上とすることにより、前記伝熱管外表面に形成されたスケールの一部を剥離させる請求項1から6のいずれか一項に記載のスケールの除去方法。
  8. 鉄を溶解する物質を含有する洗浄液を用いて前記伝熱管外表面に形成されたスケールの一部を溶解して洗浄する請求項1から7のいずれか一項に記載のスケールの除去方法。
  9. 前記鉄を溶解する物質を含有する洗浄液が界面活性剤を含む請求項8記載のスケールの除去方法。
  10. 前記鉄を溶解する物質を含有する洗浄液中に溶解された鉄の濃度をモニターし、該濃度が所定値となったときに洗浄を終了する請求項8または9に記載のスケールの除去方法。
  11. 銅を溶解する物質を含有する洗浄液を用いて前記伝熱管外表面に形成されたスケールの一部を溶解して洗浄する請求項1から10のいずれか一項に記載のスケールの除去方法。
  12. 前記銅を溶解する物質を含有する洗浄液が界面活性剤を含む請求項11記載のスケールの除去方法。
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