JP2006299008A - 無機粒子含有組成物、転写フィルムおよびプラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
で示される構造を有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算の分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が1〜4の範囲にある(メタ)アクリル樹脂とを含有することを特徴とする。
2つの基はそれぞれ独立に水素原子、アセチル基またはプロパノイル基を示す。Aは炭素数5〜20のアルキル基を示す。)
で示される化合物を、さらに含有することが好ましい。
本発明に係る転写フィルムは、上記無機粒子含有組成物から得られる膜形成材料層を有することを特徴とする。
本発明に係る組成物は、ガラス粉末を含む無機粒子(A)、特定の分子量分布および特定の構造を有する(メタ)アクリル樹脂(B)を必須成分とし、必要に応じて可塑剤として特定の構造を有する化合物を含有する。
本発明に用いられる無機粒子(A)としては、ガラス粉末が挙げられる。このガラス粉末の軟化点は400〜600℃の範囲内にあることが好ましい。ガラス粉末の軟化点が上記範囲にあると、本発明の組成物から得られる膜形成材料層の焼成工程において、(メタ)アクリル樹脂などの有機成分が完全に分解除去された後、ガラス粉末が溶融するため、形成される誘電体層中に有機成分が残留せず、その結果、誘電体層の着色や光透過率の低下が発生しない。さらに、600℃以下の温度で焼成できるため、ガラス基板に歪みなどが発生しない。
(ZnO−B2O3−SiO2系)、(3)酸化鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素および酸化ア
ルミニウムの混合物(PbO−B2O3−SiO2−Al2O3系)、(4)酸化鉛、酸化亜
鉛、酸化ホウ素および酸化ケイ素の混合物(PbO−ZnO−B2O3−SiO2系)など
を挙げることができる。
本発明に用いられる(メタ)アクリル樹脂(B)は、上記式(1)で示される構造を有し、好ましくは単独重合体である。上記式(1)中、R1は水素原子またはメチル基であ
り、R2は炭素数1〜10のアルキル基、好ましくは炭素数3〜8のアルキル基である。
また、nは10,000〜1,000,000である。この(メタ)アクリル樹脂(B)は、本発明に係る組成物から得られる膜形成材料層において、結着樹脂として作用し、基板に対する優れた(加熱)接着性を発現する。特に、結着樹脂として(メタ)アクリル樹脂を使用すると、後述する転写フィルムは、優れた膜形成材料層転写性(基板への加熱接着性)を示す。
上記式(3)で表される(メタ)アクリレート化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アク
リレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
本発明では、下記式(2)
上記式(2)中、R3、R4およびR5のうちの1つの基は−CO−Aで表される基であ
り、残りの2つの基はそれぞれ独立に水素原子、アセチル基またはプロパノイル基である。Aは炭素数5〜20のアルキル基、好ましくは炭素数10〜18のアルキル基である。アルキル基Aの炭素数が上記範囲にある化合物(C)は、可塑剤として十分に機能し、さらに、無機粒子含有組成物が溶剤を含む場合には、この溶剤に対して良好な溶解性を示し、膜形成材料層は良好な可撓性を示す。
は低下しない。
が−CO−Aで表される基であるが、R1またはR3が−CO−Aで表される基であることが特に好ましい。また、残りの2つの基は、それぞれ独立に、水素原子、アセチル基またはn−プロパノイル基であるが、これらのうち、水素原子およびアセチル基が好ましく、特に、残りの2つの基のうちの少なくとも1つの基がアセチル基であることが好ましい。
本発明の組成物は、通常、溶剤(D)を含有する。ここで用いられる溶剤(D)は、無機粒子(A)との親和性および(メタ)アクリル樹脂(B)の溶解性が良好で、得られる組成物に適度な粘性を付与することができ、さらには乾燥によって容易に蒸発除去させる溶剤が好ましい。
ましくは5〜30重量部の範囲で含まれることが望ましい。
本発明の組成物は、さらに必要に応じてシリル基含有化合物(E)を含有してもよい。シリル基含有化合物(E)を含有することによって、無機粒子(A)の分散安定性を向上させることができる。
上記式(4)中、pは3〜20の整数、好ましくは4〜16の整数、mは1〜3の整数、nは1〜3の整数、aは1〜3の整数である。pが上記範囲にあると、本発明の組成物から得られる膜形成材料層は十分な可撓性を示す。さらに、pが上記範囲にあるシリル基含有化合物(E)は、分解温度が比較的低く、後述するプラズマディスプレイの製造方法の焼成工程において、シリル基含有化合物(E)が完全に分解除去され、シリル基含有化合物(E)が残存することなく、誘電体層などの焼結体を形成することができる。その結果、たとえば、このシリル基含有化合物(E)を使用しても、誘電体層の光透過率は低下しない。
n−プロピルジエチルメトキシシラン、n−ブチルジエチルメトキシシラン、n−デシルジエチルメトキシシラン、n−ヘキサデシルジエチルメトキシシラン、n−エイコシルジエチルメトキシシランなどの飽和アルキルジエチルメトキシシラン類(a=1,m=1,n=2);
n−ブチルジプロピルメトキシシラン、n−デシルジプロピルメトキシシラン、n−ヘキサデシルジプロピルメトキシシラン、n−エイコシルジプロピルメトキシシランなどの飽和アルキルジプロピルメトキシシラン類(a=1,m=1,n=3);
n−プロピルジメチルエトキシシラン、n−ブチルジメチルエトキシシラン、n−デシルジメチルエトキシシラン、n−ヘキサデシルジメチルエトキシシラン、n−エイコシルジメチルエトキシシランなどの飽和アルキルジメチルエトキシシラン類(a=1,m=2,n=1);
n−プロピルジエチルエトキシシラン、n−ブチルジエチルエトキシシラン、n−デシルジエチルエトキシシラン、n−ヘキサデシルジエチルエトキシシラン、n−エイコシルジエチルエトキシシランなどの飽和アルキルジエチルエトキシシラン類(a=1,m=2,n=2);
n−ブチルジプロピルエトキシシラン、n−デシルジプロピルエトキシシラン、n−ヘキサデシルジプロピルエトキシシラン、n−エイコシルジプロピルエトキシシランなどの飽和アルキルジプロピルエトキシシラン類(a=1,m=2,n=3);
n−プロピルジメチルプロポキシシラン、n−ブチルジメチルプロポキシシラン、n−デシルジメチルプロポキシシラン、n−ヘキサデシルジメチルプロポキシシラン、n−エ
イコシルジメチルプロポキシシランなどの飽和アルキルジメチルプロポキシシラン類(a=1,m=3,n=1);
n−プロピルジエチルプロポキシシラン、n−ブチルジエチルプロポキシシラン、n−デシルジエチルプロポキシシラン、n−ヘキサデシルジエチルプロポキシシラン、n−エイコシルジエチルプロポキシシランなどの飽和アルキルジエチルプロポキシシラン類(a=1,m=3,n=2);
n−ブチルジプロピルプロポキシシラン、n−デシルジプロピルプロポキシシラン、n−ヘキサデシルジプロピルプロポキシシラン、n−エイコシルジプロピルプロポキシシランなどの飽和アルキルジプロピルプロポキシシラン類(a=1,m=3,n=3);
n−プロピルメチルジメトキシシラン、n−ブチルメチルジメトキシシラン、n−デシルメチルジメトキシシラン、n−ヘキサデシルメチルジメトキシシラン、n−エイコシルメチルジメトキシシランなどの飽和アルキルメチルジメトキシシラン類(a=2,m=1,n=1);
n−プロピルエチルジメトキシシラン、n−ブチルエチルジメトキシシラン、n−デシルエチルジメトキシシラン、n−ヘキサデシルエチルジメトキシシラン、n−エイコシルエチルジメトキシシランなどの飽和アルキルエチルジメトキシシラン類(a=2,m=1,n=2);
n−ブチルプロピルジメトキシシラン、n−デシルプロピルジメトキシシラン、n−ヘキサデシルプロピルジメトキシシラン、n−エイコシルプロピルジメトキシシランなどの飽和アルキルプロピルジメトキシシラン類(a=2,m=1,n=3)
n−プロピルメチルジエトキシシラン、n−ブチルメチルジエトキシシラン、n−デシルメチルジエトキシシラン、n−ヘキサデシルメチルジエトキシシラン、n−エイコシルメチルジエトキシシランなどの飽和アルキルメチルジエトキシシラン類(a=2,m=2,n=1);
n−プロピルエチルジエトキシシラン、n−ブチルエチルジエトキシシラン、n−デシルエチルジエトキシシラン、n−ヘキサデシルエチルジエトキシシラン、n−エイコシルエチルジエトキシシランなどの飽和アルキルエチルジエトキシシラン類(a=2,m=2,n=2);
n−ブチルプロピルジエトキシシラン、n−デシルプロピルジエトキシシラン、n−ヘキサデシルプロピルジエトキシシラン、n−エイコシルプロピルジエトキシシランなどの飽和アルキルプロピルジエトキシシラン類(a=2,m=2,n=3);
n−プロピルメチルジプロポキシシラン、n−ブチルメチルジプロポキシシラン、n−デシルメチルジプロポキシシラン、n−ヘキサデシルメチルジプロポキシシラン、n−エイコシルメチルジプロポキシシランなどの飽和アルキルメチルジプロポキシシラン類(a=2,m=3,n=1);
n−プロピルエチルジプロポキシシラン、n−ブチルエチルジプロポキシシラン、n−デシルエチルジプロポキシシラン、n−ヘキサデシルエチルジプロポキシシラン、n−エイコシルエチルジプロポキシシランなどの飽和アルキルエチルジプロポキシシラン類(a=2,m=3,n=2);
n−ブチルプロピルジプロポキシシラン、n−デシルプロピルジプロポキシシラン、n−ヘキサデシルプロピルジプロポキシシラン、n−エイコシルプロピルジプロポキシシランなどの飽和アルキルプロピルジプロポキシシラン類(a=2,m=3,n=3);
n−プロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−エイコシルトリメトキシシランなどの飽和アルキルトリメトキシシラン類(a=3,m=1);
n−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−ヘキサデシルトリエトキシシラン、n−エイコシルトリエトキシシランなどの飽和アルキルトリエトキシシラン類(a=3,m=2);
n−プロピルトリプロポキシシラン、n−ブチルトリプロポキシシラン、n−デシルトリプロポキシシラン、n−ヘキサデシルトリプロポキシシラン、n−エイコシルトリプロ
ポキシシランなどの飽和アルキルトリプロポキシシラン類(a=3,m=3)などを挙げることができる。これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
<無機粒子含有組成物>
本発明に係る無機粒子含有組成物は、必須成分として上記無機粒子(A)および(メタ)アクリル樹脂(B)を、好ましくは上記範囲の量で含有し、さらに必要に応じて、上記可塑剤(C)、シリル基含有化合物(D)および溶剤(E)を、好ましくは上記範囲の量で含有する。
また、本発明の組成物は、塗布や印刷に適した流動性を有するペースト状の組成物であり、その粘度は、通常1,000〜30,000cp、好ましくは3,000〜10,000cpである。
本発明に係る転写フィルムは、支持フィルムと、この支持フィルム上に形成された、無機粒子(A)および(メタ)アクリレート樹脂(B)を含有し、さらに必要に応じて可塑剤(C)やシリル基含有化合物(D)を含有する膜形成材料層とから構成される複合フィ
ルムである。この転写フィルムは、PDPの誘電体層の形成工程に好適に使用することができる。
(1)転写フィルムの構成:
図1(a)は、ロール状に巻回された本発明の転写フィルムの一例を示す概略断面図であり、図1(b)は、この転写フィルムの層構成の一例を示す断面図〔(a)の部分詳細図〕である。
本発明の転写フィルムは、たとえば、支持フィルムF1上に、本発明の組成物を塗布し、塗膜を乾燥して膜形成材料層F2を形成した後、必要に応じて膜形成材料層F2上にカ
バーフィルムF3を貼付(圧着、特に熱圧着が好ましい。)することにより製造することができる。
本発明の転写フィルムからカバーフィルムF3を剥離した後、基板と膜形成材料層F2とが当接するように、基板と転写フィルムとを貼り合わせて、熱圧着する。その後、支持フィルムF1と膜形成材料層F2とを剥離することにより膜形成材料層F2を基板上に転写することができる。
本発明に係るPDPの製造方法は、本発明の組成物から得られる膜形成材料層を基板の表面に形成し、この膜形成材料層を焼成することにより、前記基板の表面に誘電体層を形成する工程を有する。
(i)図1に示すようなロール状に巻回された本発明の転写フィルムを基板の面積に応じ
た大きさに裁断する。
(ii)裁断した上記転写フィルムの膜形成材料層F2の表面からカバーフィルムF3を剥離した後、基板の表面に、膜形成材料層F2の表面が当接するように転写フィルムを重ね合わせる。
(iii)基板に重ね合わされた転写フィルム上に加熱ローラを移動させて基板と膜形成材
料層F2とを熱圧着させる。
(iv)熱圧着により基板に固定された膜形成材料層F2から支持フィルムF1を剥離除去する。
。ここで、転写条件としては、たとえば、加熱ローラの表面温度は60〜120℃が好ましく、加熱ローラによるロール圧は1〜5kg/cm2が好ましく、加熱ローラの移動速
度は0.2〜10.0m/分が好ましい。この転写工程は、ラミネータ装置により行うことができる。また、基板は、たとえば40〜100℃で予熱されていてもよい。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、この実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下において、「部」は「重量部」を示す。
(メタ)アクリレートの重量平均分子量および分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は、GPC法により下記の条件で測定し、ポリスチレン換算値として示した。
カラム:TSK−GEL Super HzM−M
溶離液:テトラヒドロフラン
溶離液供給速度:0.35ml/分
カラム温度:35℃
検出器:示差屈折検出器
[調製例1]
<重合体(B1)の調製>
窒素置換された1リットルの三口フラスコに、n−ブチルメタクリレート350g、純水525g、過酸化ベンゾイル1.8g、可溶性デンプン5.25gを投入し、ホモミキサーで攪拌しながら60℃で3時間加熱した後、85〜90℃に昇温し、さらに3時間加熱した。反応液を冷却した後、10%塩化カルシウム水溶液5000gを投入して得られた重合体を凝固した。凝固物を多量の水で洗浄した後、低温(25℃以下)で乾燥し、n−ブチルメタクリレートのホモポリマー(以下、「重合体(B1)」ともいう)を得た。得られた重合体(B1)の分子量をGPCにより測定したところ、ポリスチレン換算で、重量平均分子量=150,000、重量平均分子量/数平均分子量=2.0であった。
<重合体(B2)の調製>
窒素置換された1リットルの三口フラスコに、n−ブチルメタクリレート350g、プロピレングリコールモノメチルエーテル428g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1.75gを投入し、攪拌しながら70℃で3時間加熱した。その後、AIBNをさらに0.88g添加して1時間加熱し、さらに100℃に昇温して1時間加熱して、n−ブチルメタクリレートのホモポリマー(以下、「重合体(B2)」ともいう)を得た。得られた重合体(B2)の分子量をGPCにより測定したところ、ポリスチレン換算で、重量平均分子量=150,000、重量平均分子量/数平均分子量=4.5であった。
無機粒子(A)として、酸化鉛70重量%、酸化ホウ素10重量%および酸化ケイ素20重量%からなるPbO−B2O3−SiO2系の混合物(ガラス粉末、軟化点:500℃
)100部と、(メタ)アクリル樹脂(B)として重合体(B1)17部と、可塑剤(C)としてグリセリン−1,2−ジアセチル−3−モノラウレート4部と、シリル基含有化合物(E)としてn−デシルトリメトキシシラン0.5部と、溶剤(D)としてプロピレングリコールモノメチルエーテル34.3部とを分散機を用いて混練して、粘度が3000cpのガラスペースト組成物を調製した。
上記(1)で調製したガラスペースト組成物を、予め離型処理したポリエチレンテレフタレート(PET)からなる支持フィルム(幅400mm,長さ30m、厚さ38μm)上にブレードコーターを用いて塗布し、形成された塗膜を100℃で5分間乾燥することにより溶剤を除去して、厚さ50μmの膜形成材料層を支持フィルム上に形成した。次いで、この膜形成材料層上に、予め離型処理したPETからなるカバーフィルム(幅400mm、長さ30m、厚さ25μm)を貼り付け、図1に示すような構成を有する転写フィルムを製造した。
上記(2)で製造した転写フィルムからカバーフィルムを剥離した後、20インチパネル用のガラス基板の表面(バス電極の固定面)に、膜形成材料層の表面が当接するように転写フィルム(支持フィルムと膜形成材料層との積層フィルム)を重ね合わせ、この転写フィルムを加熱ロールにより熱圧着した。ここで、熱圧着条件は、加熱ロールの表面温度を110℃、ロール圧を3kg/cm、加熱ロールの移動速度を1m/分とした。
この転写工程において、支持フィルムを剥離する際、膜形成材料層が凝集破壊することはなく、この膜形成材料層は十分大きな膜強度を有していた。さらに、転写された膜形成材料層はガラス基板表面に対して良好な接着性を有していた。
(4)膜形成材料層の焼成(誘電体層の形成):
上記(3)において、膜形成材料層を転写形成したガラス基板を焼成炉内に配置し、炉内の温度を、常温から10℃/分の昇温速度で590℃まで昇温し、590℃の温度雰囲気下で30分間にわたって焼成処理を施して、ガラス基板の表面にガラス焼結体からなる無色透明の誘電体層を形成した。
また、得られた誘電体層の表面について、非接触膜厚計(菱光社製、NH−3)を用いて3次元測定を実施し、JIS B0601に準じて表面粗さ(Ra、Rb、Rc)を求
めたところ、Ra=0.1μm、Rb=0.68μm、Rc=0.45μmであり、表面平滑性に優れていた。なお、Ra=0.2μm以下、Rb=1.0μm以下、Rc=0.7μm以下の全てを満たすものを、「表面平滑性が良好」として評価した。
)100部と、(メタ)アクリル樹脂(B)として重合体(B1)20部と、可塑剤(C)としてグリセリン−1,2−ジアセチル−3−モノラウレート6部と、溶剤(D)としてプロピレングリコールモノメチルエーテル34.3部とを分散機を用いて混練して、粘度が5000cpのガラスペースト組成物を調製した。
とクロム粉末2部とを用いた以外は、実施例1と同様にしてガラスペースト組成物を調製した。
無機粒子(A)として、酸化鉛70重量%、酸化ホウ素10重量%および酸化ケイ素20重量%からなるPbO−B2O3−SiO2系の混合物(ガラス粉末、軟化点:500℃
)100部と、(メタ)アクリル樹脂(B)として重合体(B2)17部と、可塑剤(C)として2−エチルエキシルアゼレート4部と、シリル基含有化合物としてn−デシルトリメトキシシラン0.5部と、溶剤(D)としてプロピレングリコールモノメチルエーテル34.3部とを分散機を用いて混練して、粘度が3000cpのガラスペースト組成物を調製した。
2 ガラス基板
3 隔壁
4 透明電極
5 バス電極
6 アドレス電極
7 蛍光物質
8 誘電体層
9 誘電体層
10 保護層
F1 支持フィルム
F2 膜形成材料層
F3 カバーフィルム
Claims (6)
- (A)無機粒子が、軟化点400〜600℃のガラス粉末であることを特徴とする請求項1に記載の無機粒子含有組成物。
- 請求項1に記載の無機粒子含有組成物から得られる膜形成材料層を有することを特徴とする転写フィルム。
- 請求項1に記載の無機粒子含有組成物から得られる膜形成材料層を基板上に形成し、該膜形成材料層を焼成することにより、前記基板上に誘電体層を形成する工程を有することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- 支持フィルム上に請求項1に記載の無機粒子含有組成物から得られる膜形成材料層を形成して支持フィルム/膜形成材料層からなる転写フィルムを作製し、該転写フィルムの膜形成材料層を基板上に転写することにより、前記基板上に膜形成材料層を形成することを特徴とする請求項5に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
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