JP2006297212A - 高脂肪食品の微粉砕製法およびそれにより得られた微粉末食品 - Google Patents
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Abstract
【課題】微粉砕された良質の高脂肪食品を、低コストで、かつ安定して製造することのできる高脂肪食品の微粉砕製法およびそれにより得られた微粉末食品を提供する。
【解決手段】高脂肪食品を、粒子状ドライアイスとともに、気流式粉砕機に投入し、その粉砕機により微粉砕を行う高脂肪食品の微粉砕製法とする。そして、この微粉砕製法によって形成される微粉末食品とする。
【選択図】なし
【解決手段】高脂肪食品を、粒子状ドライアイスとともに、気流式粉砕機に投入し、その粉砕機により微粉砕を行う高脂肪食品の微粉砕製法とする。そして、この微粉砕製法によって形成される微粉末食品とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、高脂肪食品の微粉砕製法およびそれにより得られた微粉末食品に関するものであり、詳しくは、大豆、ココア、コーヒー豆等といった、油脂分が多く含まれる食品の微粉砕製法およびそれにより得られた微粉末食品に関するものである。
従来から、食品の粉砕方法には多種多様な方法があるが、通常、ローラーミルやピンミルといった粉砕機(ミル)を用い、行われる。しかしながら、大豆、ココア、コーヒー豆等といった高脂肪食品の場合では、上記のような粉砕機でそのまま粉砕すると、食品中から油が滲み出し、それに起因し、粉末とならずにペースト状になるといった問題がある。
このような実情のもと、近年において、高脂肪食品であっても良好に粉砕(粉末化)することが可能な方法も、各種検討されている。その一例としては、液体窒素に原料食品を浸漬して脆化温度以下に凍結し、この凍結した原料食品を粉砕する方法がある(例えば、特許文献1参照)。その他にも、ピンミル等の従来公知の粉砕機に冷却システムを導入し、これにより上記問題を解決する方法も提案されている。詳しくは、上記粉砕機の原料供給口に、冷却システムから送られてくる液体窒素ガスを噴出させるための噴霧ノズルを配設しておき、上記原料供給口に投入される原料食品を上記液体窒素ガスにより冷却し、その後、このものを上記粉砕機により粉砕することにより、目的とする粉末食品を得る方法である(例えば、特許文献2参照)。
特開平8−38115号公報
特開平8−23946号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の方法では、原料食品を凍結するために−196℃の液体窒素中に浸漬しなければならず、高価な液体窒素を大量に必要とする。しかも、液体窒素を収容した浸漬槽を必要とするうえ、この浸漬槽を低温に保冷しなければならず、設備が大掛かりとなって安価に実施することが困難となる。また、原料食品を粉砕機に投入して粉砕する工程の前に、原料食品を液体窒素中に浸漬して凍結する工程を要し、その分、手間がかかる。
一方、上記特許文献2に記載の方法では、まず、冷却システムの導入に伴う製造コストの増大が問題視される。また、この方法では、先述のような浸漬槽を用いた場合に比べると、液体窒素の使用量はやや抑えられるものの、このような液体窒素ガスの噴射による冷却は、あまり効率的な冷却方法といえないことから、所望のレベルになるまで低温に冷却するには、大幅な冷却コストの削減は見込めない。さらに、粉砕された食品は、その表面積が大きくなるために油脂分が融解しやすい状態となっており、また、粉砕時には摩擦熱が発生することから、粉砕装置の内部全体を所望のレベルになるまで低温に冷却しなければ、上記粉末食品が、その融解した油脂で、粉砕機の内面等に付着したり塊状になったりするといった問題もある。このような状態になると、付着した凝集塊(こびりつき)による緩衝作用により、微粉砕が阻害されやすくなり、その結果、粉末粒径が大きくなる傾向がみられるようになる。そのため、ミクロン単位まで微粉砕された良質の粉末食品を効率よく製造することが困難となる。また、上記こびりつきがひどくなると、最終的には、配管等の詰まりを生じさせるおそれもある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、微粉砕された良質の高脂肪食品を、低コストで、かつ安定して製造することのできる高脂肪食品の微粉砕製法およびそれにより得られた微粉末食品の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、高脂肪食品を、粒子状ドライアイスとともに、気流式粉砕機に投入し、その粉砕機により微粉砕を行う高脂肪食品の微粉砕製法を第1の要旨とし、この微粉砕製法によって形成される微粉末食品を第2の要旨とする。
すなわち、本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その研究の過程で、気流式粉砕機によって微粉砕を行うことを想起した。すなわち、気流式粉砕機による微粉砕は、通常の粉砕機(ローラーミル、ピンミル等)を用いた場合に比べ、粉砕時の発熱が比較的少なく、しかも、その粉末粒径にばらつきが生じにくいからである。そして、更に研究を重ねた結果、上記気流式粉砕機内に、高脂肪食品を、粒子状ドライアイスとともに投入し粉砕を行った際に、上記高脂肪食品が、凝集することなく粉砕されるようになることを突き止めた。粒子状ドライアイスは、市販もされており、安価で入手可能であるため、低コスト化を実現することができ、また、これの使用により、冷却システムも不要となる。したがって、所期の目的が達成できることを見いだし、本発明に到達した。
上記のように、粒子状ドライアイスの使用により、上記高脂肪食品の粉末が凝集せずに微粉砕化が良好になされるのは、以下の理由によるものと考えられる。すなわち、本発明の製法では、その温度が−78℃ほどである粒子状ドライアイスを高脂肪食品に直接接触させていることから、−20〜−50℃ほどの液体窒素ガスを当てて冷却するよりも、冷却効果が高いものと考えられる。しかも、気流式粉砕機の採用により、粉砕時の発熱も極力抑えられている。他方、粒子状ドライアイスとの衝突により、高脂肪食品の粉砕も良好に行われるようになり、また、上記粒子状ドライアイスが、粉砕機内部の壁面へも衝突するため、粉砕機内部に高脂肪食品の粉末が付着しても、上記衝突による掻き取り効果により、こびりつき(凝集)が抑えられるものと考えられる。そして、上記こびりつきが抑えられた結果、微粉砕が阻害されずに済むようになるのである。
以上のように、本発明の、高脂肪食品の微粉砕製法は、高脂肪食品を、粒子状ドライアイスとともに、気流式粉砕機に投入し、その粉砕機により微粉砕を行うものである。そのため、冷却コストが少なくて済み、従来よりも低コストで高脂肪食品の微粉砕を行うことができる。また、粒子状ドライアイスによる掻き取り効果により、主に気流式粉砕機の内部で生じるこびりつき(微粉末の凝集塊)を抑えることができ、それにより、微粉砕が、阻害されずに良好になされるようになる。さらに、上記こびりつきを抑えるため、メンテナンスフリーを達成することが可能となる。しかも、上記粒子状ドライアイスは、粉砕工程の際に昇華するため、製品である微粉末食品に残留せず、優れた微粉末食品を得ることができる。
特に、上記粒子状ドライアイスの平均粒径が特定の範囲内であるときは、良好な掻き取り効果等を得ることができ、細かく微粉砕された良質の高脂肪食品を、好適に製造することができる。
また、上記気流式粉砕機に、高脂肪食品と粒子状ドライアイスとを特定の割合で投入するときは、高脂肪食品の微粉砕が良好に行われるようになる。
そして、このようにして得られた微粉末食品は、微粉末化されているため、あらゆる飲食品に対し添加等することができる。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の、高脂肪食品の微粉砕製法は、先にも述べたように、原料食品である高脂肪食品を、粒子状ドライアイスとともに、気流式粉砕機に投入し、その粉砕機により微粉砕を行うものである。ここで、本発明における「高脂肪食品」とは、その脂肪率が15〜40%程度の範囲のものを示す。
原料食品である高脂肪食品としては、上記のように脂肪率が15〜40%程度の範囲内のものであり、その脂肪(油分)の融点が常温以上のものであるなら、特に限定されるものではなく、例えば、ココア、生コーヒー豆、焙煎コーヒー豆、生大豆、焙煎大豆、バニラビーンズ、ピーナッツ、アーモンド、ココナッツ、チーズ、チョコレートといったものがあげられる。なお、本発明の微粉砕製法は、高脂肪食品以外にも、例えば、海苔、鰹、海老、昆布、椎茸、砂糖、乳糖、緑茶、香辛料(唐辛子等)、生薬、グルコマンナン、大豆皮といった、低脂肪あるいは無脂肪の食品の粉砕においても適用することが可能である。
上記原料食品は、そのまま気流式粉砕機に投入してもよいが、必要に応じて、乾燥処理した後、気流式粉砕機に投入し粉砕してもよい。上記乾燥処理は、特に限定されるものではないが、脂肪の溶融を抑えるため、真空乾燥や、気流式乾燥機等による常温乾燥、凍結乾燥により行うことが好ましい。
上記粒子状ドライアイスとしては、その平均粒径が1〜20mmの範囲内であるものが好ましく、より好ましくは3〜9mmの範囲内である。すなわち、上記平均粒径が1mm未満であると、粉砕機内部に高脂肪食品の粉末が付着凝集した際の掻き取り効果等が得られ難くなるからであり、逆に、上記平均粒径が20mmを超えると、被粉砕原料の冷却効果が低下したり、配管等への詰まりが発生するおそれがあるからである。なお、上記粒子状ドライアイスの平均粒径は、母集団から任意に抽出される試料を用いて導出される値である。また、粒子形状が真球状ではなく楕円球状(断面が楕円の球)等のように一律に粒径が定まらない場合には、最長径と最短径との単純平均値をその粒子の粒径とする。なお、上記粒子状ドライアイスは、ブロック状のドライアイスを、従来公知の方法で粉砕等することにより得ることができる。上記粒子状ドライアイスは、好ましくは、コールドジェット社製のペレタイザーP325等のようなペレット製造機を用いて製造される。また、このような粒子状ドライアイスは、市販もされており、例えば、大和酸素工業社製のミニスティックドライアイス、岩谷産業社製のビーズドライ、昭和炭酸社製のペレットドライアイス等が、好適に用いられる。
そして、上記高脂肪食品と粒子状ドライアイスとを、気流式粉砕機に投入し、微粉砕する。上記高脂肪食品は、そのまま気流式粉砕機に投入してもよいが、通常、パワーミル等の従来公知の方法で、油の滲み出しを伴わない程度に粗粉砕(粒径1〜5mm程度の粗さに粉砕)した後、投入される。また、上記高脂肪食品と粒子状ドライアイスとの投入は、各々を個別に投入してもよいが、予め両者を混ぜ合わせ、この混合物を気流式粉砕機内に投入することが、上記高脂肪食品の冷却が効率よく行われる点において好ましい。また、各々を個別に投入する場合、その両者の投入は、ほぼ同時に行われるが、場合によっては、粒子状ドライアイスの投入をやや遅らせてもよい。
上記高脂肪食品と粒子状ドライアイスとの配合割合は、重量比で、高脂肪食品:粒子状ドライアイス=1:0.5〜1:3の割合で投入することが好ましく、より好ましくは、高脂肪食品:粒子状ドライアイス=1:1〜1:2の割合である。すなわち、上記粒子状ドライアイスの重量比が0.5未満であると、冷却効果が充分に得られず、微粉砕が良好に行われないからであり、逆に上記粒子状ドライアイスの重量比が3を超えると、それ以上粒子状ドライアイスの重量比を高くしても、コストアップにつながるのみで、それ以上の効果は期待できないからである。
上記気流式粉砕機としては、特に限定されるものではないが、なかでも、粉砕時の発熱がより少なく、しかも、粒子のサイズを調整しやすく、高品質な微粉末食品が得られるといった点で、ジェット気流式粉砕機が好ましい。なお、この気流式粉砕に使用する気体は、通常は20℃以下の空気が用いられるが、好ましくは、5〜−20℃の温度の空気が用いられる。また、空気以外にも、例えば、品質維持の点において、窒素ガスなどの不活性ガスを利用してもよい。
なお、上記微粉砕した後、必要に応じ、強制気流式分級機等による分級処理を行ってもよい。これにより、品質のばらつきが少ない微粉末食品を得ることができる。
そして、このような工程により得られた本発明の微粉末食品は、その平均粒径が5〜30μmと、非常に細かくすることができるため、口当たりがなめらかであるといった利点を有する。
そして、このようにして得られた微粉末食品は、微粉末化されているため、あらゆる飲食品に対し容易に添加等することができる。具体的には、スープ,インスタント食品,パン,菓子,ふりかけ,食肉水産加工品,乳飲料,清涼飲料水等の一般的な飲食品をはじめ、健康食品や、スパイス,ドレッシング等の調味食品等があげられる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
市販の焙煎コーヒー豆10kgを、パワーミルにより粗粉砕(粒径1mm程度の粗さに粉砕)した。ついで、この粗粉砕物を、粒子状ドライアイス〔大和産業社製、ミニスティックドライアイス(平均粒径6mm)〕20kgと混合し、このものを、供給機のホッパーに投入し貯蔵した。そして、上記貯蔵した混合物を、上記供給機から、ジェット気流式粉砕機(セイシン社製、ジェットオーマイザー304型)に定量的に供給し、供給エア圧力0.7MPa,原料投入速度10kg/hで微粉砕した。これにより、目的とする微粉末食品(焙煎コーヒー豆パウダー)を得た。
市販の生大豆10kgを、パワーミルにより粗粉砕(粒径1mm程度の粗さに粉砕)した。ついで、この粗粉砕物を、粒子状ドライアイス〔大和産業社製、ミニスティックドライアイス(平均粒径6mm)〕10kgと同時に、ジェット気流式粉砕機(セイシン社製、ジェットオーマイザー304型)に投入し、供給エア圧力0.7MPa,原料投入速度10kg/hで微粉砕した。これにより、目的とする微粉末食品(大豆パウダー)を得た。
市販のココアケーキパウダー(大東カカオ社製のココアケーキKA、粒径14μm程度、脂肪含有量24%)10kgを、粒子状ドライアイス〔大和産業社製、ミニスティックドライアイス(平均粒径6mm)〕10kgと同時に、ジェット気流式粉砕機(セイシン社製、ジェットオーマイザー304型)に投入し、供給エア圧力0.7MPa,原料投入速度20kg/hで微粉砕した。これにより、目的とする微粉末食品(ココアパウダー)を得た。
焙煎コーヒー豆の使用量を10kgとし、粒子状ドライアイスの使用量を5kgとした。これ以外は、実施例1と同様にし、目的とする微粉末食品(焙煎コーヒー豆パウダー)を得た。
焙煎コーヒー豆の使用量を10kgとし、粒子状ドライアイスの使用量を30kgとした。これ以外は、実施例1と同様にし、目的とする微粉末食品(焙煎コーヒー豆パウダー)を得た。
〔比較例1〕
市販の焙煎コーヒー豆10kgを、液体窒素ガス使用による冷却システムを導入したピンミル(徳寿工作所社製、ユニバーサルミルUM−5H型)を用い、微粉砕した。これにより、目的とする微粉末食品(焙煎コーヒー豆パウダー)を得た。
市販の焙煎コーヒー豆10kgを、液体窒素ガス使用による冷却システムを導入したピンミル(徳寿工作所社製、ユニバーサルミルUM−5H型)を用い、微粉砕した。これにより、目的とする微粉末食品(焙煎コーヒー豆パウダー)を得た。
〔比較例2〕
市販の焙煎コーヒー豆10kgを、液体窒素浸漬による冷却システムを導入したピンミル(ホソカワミクロン社製、リンレックスルミル)を用い、微粉砕した。これにより、目的とする微粉末食品(焙煎コーヒー豆パウダー)を得た。
市販の焙煎コーヒー豆10kgを、液体窒素浸漬による冷却システムを導入したピンミル(ホソカワミクロン社製、リンレックスルミル)を用い、微粉砕した。これにより、目的とする微粉末食品(焙煎コーヒー豆パウダー)を得た。
〔比較例3〕
市販の焙煎コーヒー豆10kgを、パワーミルにより粗粉砕(粒径1mm程度の粗さに粉砕)した。ついで、この粗粉砕物を、そのまま、ジェット気流式粉砕機(セイシン社製、ジェットオーマイザー304型)に投入し、供給エア圧力0.7MPa,原料投入速度10kg/hで微粉砕した。これにより、目的とする微粉末食品(焙煎コーヒー豆パウダー)を得た。
市販の焙煎コーヒー豆10kgを、パワーミルにより粗粉砕(粒径1mm程度の粗さに粉砕)した。ついで、この粗粉砕物を、そのまま、ジェット気流式粉砕機(セイシン社製、ジェットオーマイザー304型)に投入し、供給エア圧力0.7MPa,原料投入速度10kg/hで微粉砕した。これにより、目的とする微粉末食品(焙煎コーヒー豆パウダー)を得た。
〔比較例4〕
市販の生大豆10kgを、パワーミルにより粗粉砕(粒径1mm程度の粗さに粉砕)した。ついで、この粗粉砕物を、そのまま、ジェット気流式粉砕機(セイシン社製、ジェットオーマイザー304型)に投入し、供給エア圧力0.7MPa,原料投入速度10kg/hで微粉砕した。これにより、目的とする微粉末食品(大豆パウダー)を得た。
市販の生大豆10kgを、パワーミルにより粗粉砕(粒径1mm程度の粗さに粉砕)した。ついで、この粗粉砕物を、そのまま、ジェット気流式粉砕機(セイシン社製、ジェットオーマイザー304型)に投入し、供給エア圧力0.7MPa,原料投入速度10kg/hで微粉砕した。これにより、目的とする微粉末食品(大豆パウダー)を得た。
〔比較例5〕
市販のココアケーキパウダー(大東カカオ社製のココアケーキKA、粒径14μm程度、脂肪含有量24%)10kgを、そのまま、ジェット気流式粉砕機(セイシン社製、ジェットオーマイザー304型)に投入し、供給エア圧力0.7MPa,原料投入速度20kg/hで微粉砕した。これにより、目的とする微粉末食品(ココアパウダー)を得た。
市販のココアケーキパウダー(大東カカオ社製のココアケーキKA、粒径14μm程度、脂肪含有量24%)10kgを、そのまま、ジェット気流式粉砕機(セイシン社製、ジェットオーマイザー304型)に投入し、供給エア圧力0.7MPa,原料投入速度20kg/hで微粉砕した。これにより、目的とする微粉末食品(ココアパウダー)を得た。
このような実施例および比較例の製法に関し、下記の基準に従い、測定および評価を行った。これらの結果を、後記の表1および表2に併せて示した。
〔冷却コスト〕
比較例1の冷却コスト(主に冷却材のコスト)を「100」として比較した場合における数値を示した。
比較例1の冷却コスト(主に冷却材のコスト)を「100」として比較した場合における数値を示した。
〔平均粒径〕
微粉砕処理を継続して行い、その初期および1時間継続後に得られた微粉末食品をサンプルとして採取した。そして、そのサンプルの平均粒径(μm)を、マルチサイザー粒度分布測定装置(ベックマン社製)を用いて測定した。
微粉砕処理を継続して行い、その初期および1時間継続後に得られた微粉末食品をサンプルとして採取した。そして、そのサンプルの平均粒径(μm)を、マルチサイザー粒度分布測定装置(ベックマン社製)を用いて測定した。
〔耐付着性〕
微粉砕処理を1時間継続して行い、その後、粉砕機内部の粉末付着状況を、目視により評価した。すなわち、粉末の凝集が殆どみられないものを○、若干の凝集がみられるものの、微粉砕処理に殆ど影響を与えない程度であるものを△、粉末の凝集がかなり進んでおり、粉砕機内部の金属面が見えなくなる程度にまで凝集しているものを×と評価した。
微粉砕処理を1時間継続して行い、その後、粉砕機内部の粉末付着状況を、目視により評価した。すなわち、粉末の凝集が殆どみられないものを○、若干の凝集がみられるものの、微粉砕処理に殆ど影響を与えない程度であるものを△、粉末の凝集がかなり進んでおり、粉砕機内部の金属面が見えなくなる程度にまで凝集しているものを×と評価した。
上記結果から、実施例の製法では、いずれも、低コストで微粉砕することができ、しかも、得られる微粉末食品の平均粒径が、初期と1時間後とでは殆ど(あるいは全く)変化がみられないことから、メンテナンスフリーで安定した品質の微粉末食品が得られることがわかる。メンテナンスフリーであることは、耐付着性の評価からも明らかである。すなわち、上記耐付着性において優れた結果が得られたのは、粒子状ドライアイスの掻き取り効果等により、粉砕機内部で微粉末食品が経時的に凝集・堆積することが殆どなくなったことに起因するものと考えられる。
これに対し、比較例1および2では、冷却を過度に行っていることから、経時的な粒径変化はあまりみられず、耐付着性の評価も良好であったが、その分、実施例よりも冷却コストがかかっている。また、比較例1および2では、ピンミル等で微粉砕していることから、実施例ほど良好な微粉砕は行われていない。比較例3〜5では、実施例と同様に、ジェット気流式粉砕機による微粉砕を行っているため、初期の平均粒径は比較的微細であったが、冷却を行わずに微粉砕を継続的に行っていることから、粉砕機内面への粉末の凝集が進み、その結果、1時間経過後では、粒径が粗く(あるいはペースト状になって粉砕不能に)なっていることがわかる。このように粉砕機内面への粉末の凝集が進行すると、頻繁にメンテナンスを行わなければ、上記のように微粉砕に支障をおよぼすだけでなく、最終的には、配管等の詰まりを生じさせるおそれもある。
本発明の微粉砕製法は、大豆、ココア、コーヒー豆等といった、油脂分が多く含まれる食品の微粉砕分野において、従来ないほど低コストで、良好に行うことができる。しかしながら、本発明の微粉砕製法は、上記のような高脂肪食品以外にも、低脂肪あるいは無脂肪の食品の粉砕においても適用することが可能であり、例えば、海苔、鰹、海老、昆布、椎茸、砂糖、乳糖、緑茶、香辛料(唐辛子等)、生薬、グルコマンナン、大豆皮といったものの微粉砕を行うこともできる。また、食品以外の物質を微粉砕する際に、本発明の微粉砕製法を適用することも可能である。
Claims (4)
- 高脂肪食品を、粒子状ドライアイスとともに、気流式粉砕機に投入し、その粉砕機により微粉砕を行うことを特徴とする高脂肪食品の微粉砕製法。
- 上記粒子状ドライアイスの平均粒径が1〜20mmの範囲内である請求項1記載の高脂肪食品の微粉砕製法。
- 上記気流式粉砕機に、高脂肪食品と粒子状ドライアイスとを、重量比で、高脂肪食品:粒子状ドライアイス=1:0.5〜1:3の割合で投入する請求項1または2記載の高脂肪食品の微粉砕製法。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の微粉砕製法によって形成されることを特徴とする微粉末食品。
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