JP2006296207A - 根菜類の褐変防止用組成物及び褐変防止方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シンナムアルデヒド類、シンナミルアルコール類及びその低級脂肪酸エステル類、並びに桂皮酸類の低級アルコールエステル類をゴボウ、レンコンなどの根菜類に投与することによって、根菜類、特にカットされた根菜類の褐変が顕著に抑制される。このシンナムアルデヒド類、シンナミルアルコール類及びその低級脂肪酸エステル類、並びに桂皮酸類の低級アルコールエステル類の使用によっても根菜類への味、保存等への悪影響が無い。シンナムアルデヒド類、シンナミルアルコール類及びその低級脂肪酸エステル類、並びに桂皮酸類の低級アルコールエステル類は天然由来の抽出物より得られるものであるから、安全かつ簡易に使用できる。
【選択図】なし
Description
根菜類、特にゴボウやレンコンはカットされ又は剥皮され、切断面が空気に触れると時間の経過と共に貯蔵中に褐変する。ゴボウやレンコンの場合も、根菜類中に豊富に含まれているポリフェノールが、自身の持つ酵素であるポリフェノールオキシダーゼによって酸化され、重合が起こり、褐変物質となるためである。
酢水又は食塩と有機酸の水溶液に浸漬して酵素活性を下げる方法(特開2002−34448公報)。これは、pHを下げることで褐変要因であるポリフェノールオキシダーゼの活性を抑制するものである。処理直後は美しい外観をみせるが、貯蔵中にゴボウの場合は真っ黒に変色してしまうし、レンコンは「酢レンコン」のような調理方法として使用されているが、風味が限定されるため、調理のアレンジが利かない。即ち、無味で褐変しないレンコンを作るのは難しいという欠点がある。
なるべくカット断面を空気に触れさせないようにするためにパック時に脱気し、一定の酸素や炭酸ガスの透過性能を有する包装材で包装する(特開2003−199521公報)方法があるが、完全な真空状態を保てないため、完全な褐変排除は出来ない。また、一度開封すると、褐変は著しく進行する。
これらシンナムアルデヒド類、シンナミルアルコール類及びその低級脂肪酸エステル類、並びに桂皮酸類の低級アルコールエステル類の根菜類への投与の方法は、水溶液を根菜類に撒布する方法、水溶液中に根菜類を浸漬する方法、根菜類の根や芯から有効成分を吸収させる方法等何れであっても良いが、水溶液に根菜類を浸漬する方法が製品の洗浄工程と併せて行える点で最も好都合である。
根菜類に撒布する場合、シンナムアルデヒド類、シンナミルアルコール類及びその低級脂肪酸エステル類、並びに桂皮酸類の低級アルコールエステル類濃度を2mg/ml〜10mg/mlに調整し、根菜類全体に噴きかけるように撒布するとよい。
更には、シンナムアルデヒド類、シンナミルアルコール類及びその低級脂肪酸エステル類、並びに桂皮酸類の低級アルコールエステル類を少量且つ充分量の低級アルコール類、例えばメタノール、エタノール、プロパノールなどに溶解させ、次いで水を加えてシンナムアルデヒド類、シンナミルアルコール類及びその低級脂肪酸エステル類、並びに桂皮酸類の低級アルコールエステル類の水溶液を調製しても良い。その調製方法は、根菜類を浸漬させる場合、アルコール濃度が1〜5%となるように、シンナムアルデヒド類、シンナミルアルコール類及びその低級脂肪酸エステル類、並びに桂皮酸類の低級アルコールエステル類を根菜類全体に噴きかけるように撒布する場合、アルコール濃度が3〜15%となるように、より好ましくは、4〜10%となるように水を加えてシンナムアルデヒド類、シンナミルアルコール類及びその低級脂肪酸エステル類、並びに桂皮酸類の低級アルコールエステル類の水溶液を調製するとよい。
実施例1
埼玉県産土付きゴボウの外側に付いている土を流水で洗い流し、水気を切り、両端を落した中央部分を(全長の3分の2)0.5cm幅に輪切りにした。この6かけで約12g分を供試サンプルとした。このサンプルはカット後直ちに表1及び表2に示した浸漬液に所定時間浸した。
尚、表2において、例えば「50mgcmad/1%ETOH」は「50mgのシンナムアルデヒドを1%エタノール水溶液に溶解させたもの」を示す。又「50mgcmac/1%ETOH」、は50mgのシンナミルアルコールを1%エタノール水溶液に溶解させたもの」を示す。
浸漬終了サンプルは何れも「キムワイプ」(株式会社クレシア製)で水気をよくふき取り、プラスチック容器に入れ、10℃にて貯蔵した。
貯蔵0日後、2日後、4日後に全てのゴボウサンプルの切断面について色差計(コニカミノルタ株式会社製カラーリーダーCR−1)を用いて褐変度を測定した。この褐変度は裏表12の測定値から得られたゴボウサンプルのa*、b*値より算出されるh値、L値の平均で表した。
h値:色相(hue angle)=tan-1(b*/a*)(度) 値が大きいほど緑みが強く、小さいほど赤身が強い。
L値:明るさ 値が大きいほど明るく、小さいほど暗い。
一方、水及びエタノール水溶液に浸漬したときは、両者同程度にその褐変が進行した。又、酢水に浸漬させたゴボウは、水から上げた直後は真っ白になっていた。ところが、この白は持続できず、貯蔵1日後で既に白から黒に変色しており、外観が著しく悪い。その様子はL値比較のグラフ(図5〜図8)で明らかになっている。酢水に浸漬させた場合、h値の比較グラフ(図1、図4)を見ると、褐変が抑えられているように見えるが、赤くならない代わりに黒変が激しいので、概観は悪い。また、そのまま貯蔵しておくと、わずか3日で白い液が流出しだし、異臭が発生し、変敗してしまっていた。
レンコンの両端を1cm分除去し、0.5cm幅に輪切りにし、輪切りレンコン2個で10gとなるようにサンプルを調節し、カット後直ちに実施例1と同様な浸漬液に浸した。
実施例1と同様に、貯蔵0日後、2日後、4日後にレンコンの切断面を3箇所ランダムに色差計(コニカミノルタ株式会社製カラーリーダーCR−1)を用いて褐変度を測定した。この褐変度は裏表12の測定値から得られたh値、L値の平均をそのレンコンサンプル全体の切断面の褐変度合いとした。
一方、水及びエタノールの各水溶液に浸漬したものは、ゴボウの場合と同様に褐変抑制の効果は認められなかった。
酢水に浸漬させたレンコンは、ゴボウとは異なり、h値、L値ともに減少が起きなかった。つまり、浸漬後、真っ白になり、貯蔵中も褐変が起こらなかった。しかしながら、酢水を使用したときは、レンコンに酸味がついてしまうので、調理に制約が生じる。即ち、酸味を利かせるレンコン料理には酢水処理でも良いが、他の味でアレンジを利かせたいときは、シンナムアルデヒド類、シンナミルアルコール類及びその低級脂肪酸エステル類、並びに桂皮酸類の低級アルコールエステル類の溶液を用いる方が断然有利である。
実施例1に準じて、埼玉県産土付きゴボウの外側に付いている土を流水で洗い流し、水気を切り、両端を落した中央部分を(全長の3分の2)0.5cm幅に輪切りにした。この6かけで約12g分を供試サンプルとした。このサンプルはカット後直ちに以下に示した各浸漬液A、B、C、D、Eに10分間浸した。
A:蒸留水100ml(コントロール)
B:シンナムアルデヒド100mg/2%エタノール水溶液100ml
C:シンナミルアルコール100mg/2%エタノール水溶液100ml
D:酢酸シンナミル100mg/2%エタノール水溶液100ml
E:桂皮酸エチル100mg/2%エタノール水溶液100ml
浸漬終了サンプルは何れも「キムワイプ」(株式会社クレシア製)で水気をよくふき取り、プラスチック容器に入れ、10℃にて貯蔵した。
貯蔵0日後、1日後、2日後、4日後に全てのゴボウサンプルの切断面について色差計(コニカミノルタ株式会社製カラーリーダーCR−1)を用いて褐変度を測定した。この褐変度は裏表12の測定値から得られたゴボウサンプルのa*、b*値より算出されるh値の平均で表した。
結果を図9に示した。この図から明らかな如く、本発明のシンナムアルデヒド、シンナミルアルコール、酢酸シンナミル、及び桂皮酸エチル水溶液に浸漬したゴボウの切断面の褐変は対象とした蒸留水に浸漬したものに比べて顕著に抑制されていた。
Claims (5)
- シンナムアルデヒド類が、シンナムアルデヒド又は桂皮の低級アルコール抽出物を吸着剤に吸着させ、次いで有機溶剤で溶出・精製したシンナムアルデヒド類含有物である請求項1記載の根菜類の褐変防止用組成物。
- 根菜類がカットされたもの又は剥皮されたものである請求項1又2のいずれかに記載の根菜類の褐変防止用組成物。
- シンナムアルデヒド類、シンナミルアルコール類及びその低級脂肪酸エステル類、並びに桂皮酸類の低級アルコールエステル類が低級アルコール類の水溶液であることを特徴とする請求項4記載の根菜類の褐変防止方法。
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JP2005117814A JP2006296207A (ja) | 2005-04-15 | 2005-04-15 | 根菜類の褐変防止用組成物及び褐変防止方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008199941A (ja) * | 2007-02-20 | 2008-09-04 | Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd | 農産物・園芸産物の鮮度保持剤および鮮度保持方法 |
CN110810682A (zh) * | 2019-12-06 | 2020-02-21 | 南昌大学 | 一种抑制酶促褐变的苹果汁及其加工方法 |
CN115413753A (zh) * | 2022-07-18 | 2022-12-02 | 韶关学院 | 利用肉桂酸控制鲜切芋头变色的方法 |
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2005
- 2005-04-15 JP JP2005117814A patent/JP2006296207A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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