JP2006295035A - 絶縁層が形成された太陽電池用基板およびその製造方法、ならびにそれを用いた太陽電池およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ピンホール部の絶縁性が確保された絶縁層を含む太陽電池用基板およびその製造方法、ならびに、その基板を用いた太陽電池、および太陽電池の製造方法を提供する。
【解決手段】 (i)金属板11上に、ゾル・ゲル法で第1の絶縁材料からなる絶縁層12を形成する工程と、(ii)絶縁層12のピンホール部分に面する金属板11の表面に、第2の絶縁材料からなる絶縁部14を形成する工程とを含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、絶縁層が形成された太陽電池用基板およびその製造方法、ならびにそれを用いた太陽電池およびその製造方法に関する。
太陽電池の基板としては、金属基板やガラス基板が用いられている。金属基板は、安価で、取り扱いが容易で、可撓性を有するという利点がある。しかし、金属基板は導電性を有するため、金属基板上に太陽電池を直接形成すると、漏電したり、同一基板上に形成された複数の太陽電池が短絡したりするという問題がある。
そのため、金属基板上に絶縁層を形成する方法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1には、ステンレス鋼板の上に、ゾル・ゲル法によって絶縁層を形成する方法が開示されている。この方法では、ステンレス鋼板の上に、金属アルコキシドを含むゾル・ゲル溶液を塗布し、金属アルコキシドを加水分解縮合させることによって絶縁層を形成する。
特開平11−40829号公報
しかしながら、金属基板上にゾル・ゲル法によって絶縁層を形成する場合、基板の一部分においてゾル・ゲル溶液が弾かれ、その結果、形成された絶縁層にピンホール(貫通孔)が生じる場合があった。そのような基板の一例を図6に模式的に示す。図6の基板100は、金属板101と、金属板101上に形成された絶縁層102とを備える。絶縁層102には、複数のピンホール102hが形成されている。
ピンホール102hが微小であると、テスター等を用いた簡易測定法ではピンホールの存在を検知できない場合がある。しかし、そのような場合であっても、蒸着法などによって絶縁層上に金属電極を形成すると、金属がピンホールに侵入して、金属電極と金属板とが導通する場合がある。
したがって、ピンホールが存在する絶縁層が形成された導電性基板を用いて太陽電池を形成した場合、太陽電池の裏面電極と導電性基板とが電気的に接続されて漏電が生じる。また、そのような基板の上に、直列に接続された複数のユニットセルを形成した場合、ユニットセルの裏面電極同士が短絡してしまうという問題が生じる。
このような状況を考慮し、本発明は、ピンホール部の絶縁性が確保された絶縁層を含む太陽電池用基板およびその製造方法を提供することを目的の1つとする。また、本発明は、その基板を用いた太陽電池、および太陽電池の製造方法を提供することを目的の1つとする。
上記目的を達成するため、太陽電池用基板を製造するための本発明の方法は、(i)金属板上に、ゾル・ゲル法で第1の絶縁材料からなる絶縁層を形成する工程と、(ii)前記絶縁層のピンホール部分に面する前記金属板の表面に、第2の絶縁材料からなる絶縁部を形成する工程とを含む。この製造方法で製造された基板は、本発明の太陽電池用基板の1つである。
また、太陽電池を製造するための本発明の製造方法は、表面に絶縁層が形成された太陽電池用基板を上記本発明の製造方法によって製造する工程と、前記絶縁層上に電極および光起電力層を形成する工程とを含む。
また、本発明の太陽電池用基板の1つは、金属板と、第1の絶縁材料からなりゾル・ゲル法によって前記金属板上に形成された絶縁層とを含む基板であって、前記絶縁層にはピンホールが存在しており、前記ピンホールに面する前記金属板の表面には、第2の絶縁材料からなる絶縁部が形成されている。
また、本発明の太陽電池は、基板と、前記基板上に形成された電極および光起電力層とを含む太陽電池であって、前記基板が上記本発明の太陽電池用基板である。
本発明によれば、ピンホール部分を介しての電気的接続を防止できる太陽電池用基板が得られる。また、本発明によれば、漏電や、同一基板上に形成された太陽電池同士の短絡を防止できる太陽電池が得られる。
以下、本発明の実施形態について例を挙げて説明する。なお、以下で説明する例は一例であり、本発明は以下の例に限定されない。
<太陽電池用基板の製造方法、およびそれによって形成された基板>
太陽電池用基板を製造するための本発明の製造方法は、金属板上に、ゾル・ゲル法で第1の絶縁材料からなる絶縁層を形成する工程(i)を含む。また、この製造方法は、上記絶縁層のピンホール部分に面する上記金属板の表面に、第2の絶縁材料からなる絶縁部を形成する工程(ii)を含む。
工程(i)で形成される絶縁層は、ゾル・ゲル法で形成可能な材料からなり、たとえば、酸化ケイ素や、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛からなる。この絶縁層は、公知のゾル・ゲル法で形成でき、たとえば、上述した特開平11−40829号公報に記載のゾル・ゲル法を適用してもよい。
工程(i)の一例では、金属アルコキシドとアルコール類とを含む水溶液(以下、「ゾル・ゲル溶液」という場合がある)を金属板上に塗布し、金属アルコキシドを加水分解縮合させることによって絶縁層(金属酸化物)を形成する。ゾル・ゲル溶液は、必要に応じて酸などを含んでもよい。また、金属アルコキシドの代わりにハロゲン化金属を用いてもよい。工程(i)で形成される絶縁層の厚さに特に限定はなく、たとえば0.5μm〜3μmの範囲としてもよい。
絶縁層に形成されるピンホールのサイズは、ゾル・ゲル法の条件や、金属板の種類や、金属板の表面状態によって変化する。通常、そのサイズ(最大径)は、10μm以下であり、より具体的には2μm〜8μm程度である。
本発明の基板の製造方法では、第2の絶縁材料が酸化物であってもよい。たとえば、第2の絶縁材料は、酸化アルミナ、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化クロム、酸化ジルコニウムおよび酸化マグネシウムから選ばれる少なくとも1つの酸化物であってもよい。これらの材料を用いることによって、ピンホール部分の絶縁性を高めることができる。なお、第1の絶縁材料と第2の絶縁材料とは、同じであってもよいし、異なってもよい。
本発明の基板の製造方法では、上記(ii)の工程は、ピンホール部分で露出している金属板の表面を酸化することによって絶縁部を形成する工程を含んでもよい。金属板の表面の酸化は、たとえば、酸素を含む雰囲気中での加熱処理によって行うことができる。また、陽極酸化によって金属板の表面を酸化してもよい。この方法は、金属板が、酸化によって絶縁性が高い絶縁部を形成しやすい材料からなる場合に好ましく適用できる。たとえば、金属板がステンレスである場合に好ましく適用できる。
本発明の基板の製造方法では、上記(ii)の工程は、ピンホール部分で露出している金属板上に、絶縁部を形成する工程を含んでもよい。この場合、陽極酸化法またはメッキ法(たとえば電解メッキ法)によって絶縁部を形成してもよい。ピンホール部分で露出している金属板を電極として用いることによって、ピンホール部分で露出している金属板上に簡単に絶縁部を形成できる。
本発明の基板の製造方法では、上記(ii)の工程ののちに、上記絶縁層上に他の絶縁層(以下、「第2の絶縁層」という場合がある)を形成する工程(iii)をさらに含んでもよい。第2の絶縁層を形成することによって、絶縁層を形成したピンホール部の耐電圧を向上させることができる。第2の絶縁層もゾル・ゲル法で形成できる。なお、第2の絶縁層は、ゾル・ゲル法以外の方法、たとえばスパッタリング法、蒸着法、CVD法といった方法で形成してもよい。第2の絶縁層を形成することによって、ピンホール部分での短絡を確実に防止できる。第2の絶縁層をゾル・ゲル法で形成する場合でも、ピンホール部分には絶縁部が存在するため、ピンホール部分で露出している金属によってゾル・ゲル溶液が弾かれることを防止できる。なお、第1の絶縁層と第2の絶縁層とは、同じ材料で形成されてもよいし、異なる材料で形成されてもよい。
本発明の製造方法では、金属板が、ステンレス板、アルミニウム板および銅板から選ばれるいずれか1つであってもよい。金属板は、これら以外の金属板であってもよく、たとえば、デュラルミンなどのアルミニウム合金や、チタン、鉄などからなる基板であってもよい。これらの中でも、ステンレス板は、熱膨張率および耐熱性が太陽電池製造プロセスに適しているという利点を有する。
上記製造方法によって形成された基板は、本発明の太陽電池用基板の1つである。
<太陽電池の製造方法>
太陽電池を製造するための本発明の製造方法は、表面に絶縁層が形成された太陽電池用基板を上記本発明の製造方法によって製造する工程と、当該絶縁層上に電極および光起電力層を形成する工程とを含む。基板上に形成される太陽電池は1つであってもよいし、直列に接続された複数の太陽電池(ユニットセル)であってもよい。
光起電力層は、光の照射によって光起電力を生じる多層膜である。光起電力層に限定はなく、たとえば、n形半導体層と、I−III−VI族化合物半導体からなるp形半導体層とを含む多層膜を用いることができる。I−III−VI族化合物半導体は、Cuなどの1B族元素と、InやGaなどの3B族元素と、SeやSなどの6B族元素とを構成元素とする化合物半導体である。I−III−VI族化合物半導体膜のうち、Gaを含むものをCIGS膜と呼び、Gaを含まないものをCIS膜と呼ぶ場合がある。
I−III−VI族化合物半導体と接合を形成するn形半導体には、たとえば、CdSやZnOなどを用いることができる。なお、I−III−VI族化合物半導体からなる半導体層(光吸収層)を含む光起電力層を用いる場合、裏面電極としてモリブデン層を用いることが好ましい。
本発明の太陽電池は、通常、基板上に、裏面電極、光起電力層および透明電極を順に積層することによって形成される。これらは、公知の材料を用いて公知の方法で形成できる。
<太陽電池用基板>
本発明の太陽電池用基板の1つは、金属板と、第1の絶縁材料からなりゾル・ゲル法によって金属板上に形成された絶縁層とを含む基板である。絶縁層にはピンホールが存在しており、ピンホールに面する金属板の表面には、第2の絶縁材料からなる絶縁部が形成されている。この基板は、上述した製造方法で製造できる。そのため、基板の製造方法について上述した事項は、この基板についても該当する。金属板、第1の絶縁材料からなる絶縁層、第2の絶縁材料からなる絶縁部、ゾル・ゲル法、および第2の絶縁層については、基板の製造方法で説明したため、重複する説明を省略する。
本発明の基板では、絶縁部が金属板の酸化物であってもよい。
本発明の基板では、絶縁層の上に形成された他の絶縁層(第2の絶縁層)をさらに備えてもよい。
本発明によれば、絶縁層上に形成した電極と金属板との間の耐電圧が高い太陽電池用基板が得られる。たとえば、絶縁層上に3cm角の金電極をEB蒸着法で形成し、金電極と金属板との間に直流電圧を印加し、電流が0.1mA流れたときの電圧を耐電圧とすると、耐電圧が100V以上の基板を得ることが可能である。
<太陽電池>
本発明の太陽電池は、基板と、基板上に形成された電極および光起電力層とを含む太陽電池であって、基板が上記本発明の太陽電池用基板である。この太陽電池は、上述した太陽電池の製造方法で製造できる。太陽電池の構成については、上述した太陽電池の製造方法と同様であるため、重複する説明を省略する。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下の説明では、同様の部分に同一の符号を付して重複する説明を省略する場合がある。
(実施形態1)
実施形態1では、本発明の太陽電池用基板の例について説明する。本発明の太陽電池用基板の一例を図1に示す。図1の基板10は、金属板11と、金属板11上に形成された第1の絶縁層12と、第1の絶縁層12上に形成された第2の絶縁層13とを備える。第1の絶縁層12には、ピンホール12hが存在する。ピンホール12hに面する金属板11の表面は、絶縁部14となっている。
図2を参照しながら、基板10の製造方法の一例について説明する。まず、図2(a)に示すように、金属板11上に、第1の絶縁層12をゾル・ゲル法で形成する。金属板11は、たとえば、ステンレス、アルミニウム、チタン、銅、鉄、デュラルミンなどのアルミニウム合金からなる。第1の絶縁層12はゾル・ゲル法で形成される。第1の絶縁層12を形成する際に、金属板11の表面の一部でゾル・ゲル溶液が弾かれてピンホール12hが形成される。
次に、第1の絶縁層12が形成された金属板11を大気中で加熱することによって、ピンホール12hの部分で露出している金属板11の表面を酸化する。これによって、図2(b)に示すように、絶縁部14が形成される。
次に、図2(c)に示すように、第2の絶縁層13をゾル・ゲル法で形成する。第1の絶縁層12を形成する際にゾル・ゲル溶液が弾かれた部分には絶縁部14が形成されているため、ピンホール12hの部分でゾル・ゲル溶液が弾かれることがなく、ピンホール14hの部分にも第2の絶縁層13が形成される。このようにして、基板10が形成される。
基板10では、絶縁部14によって、金属板11と第2の絶縁層13とが強固に接着されるため、第2の絶縁層13の剥離が抑制される。また、基板10では、図6に示した従来の基板100とは異なり、第1の絶縁層12のピンホール14hの部分の絶縁性が確保されている。
絶縁部14を、陽極酸化法やメッキ法などで形成した場合の基板の一例を図3に示す。図3の基板20では、絶縁部14がピンホール12hに面している金属板11上に形成されている。絶縁部14の形成方法が異なることを除き、基板20は基板10と同様の方法で形成できる。絶縁部14は、陽極酸化法を電解メッキ法で形成する場合には、金属板11を電極として用いることができる。この場合、ピンホール12hの部分で露出している金属板11上のみに絶縁部14を簡単に形成できる。
(実施形態2)
実施形態2では、本発明の太陽電池の例を説明する。本発明の太陽電池の一例の断面図を図4に模式的に示す。
図4の太陽電池30は、基板10と、基板10の上に順に積層された、導電層31、p形半導体層32、n形半導体層33、窓層34、および透明電極35とを備える。また、太陽電池30は、透明電極35上に形成されたn側の取り出し電極36と、導電層31上に形成されたp側の取り出し電極37とを備える。
導電層31は裏面電極であり、たとえばモリブデンなどの金属からなる。p形半導体層32は光吸収層であり、I−III−VI族化合物半導体層などを適用できる。n形半導体層33はCdSなどで形成でき、窓層34はZnOなどで形成でき、透明電極35はITO(インジウム−錫−酸化物)などで形成できる。p形半導体層32、n形半導体層33および窓層34は、光起電力層38を構成する。
本発明の太陽電池の他の一例を図5に示す。図5の太陽電池40は、直列接続された複数のユニットセル40aを備える。
太陽電池40は、基板10と、基板10の上に順に積層された、導電層31、p形半導体層32、n形半導体層33、窓層34、および透明電極35とを備える。これらの部分については、上述したため説明を省略する。
導電層31には、複数の溝41がストライプ状に形成されている。また、p形半導体層32、n形半導体層33および窓層34にも、複数の溝42がほぼ平行に形成されている。溝42の内部は、透明電極35によって埋められている。また、p形半導体層32から透明電極35を切断する溝43が形成されている。溝41、42および43は、互いにほぼ平行であり、それぞれ、少しずつずれるように形成されている。これらの溝は、メカニカルスクライブ法や、レーザスクライブ法などの公知の方法で形成できる。
金属板11上には、これらの溝によって分けられた複数のユニットセル40aが存在する。隣接するユニットセル40aは、溝42に充填された透明電極35によって直列に接続されている。このように複数のユニットセル40aを直列に接続することによって、高い出力電圧が得られる。なお、溝41にはp形半導体層32が埋め込まれているが、溝41の幅を適切な幅とすることによって、1つのユニットセル40aの導電層31とそれに隣接するユニットセル40aの導電層31との間の抵抗を充分に高くできる。
太陽電池30および40は、公知の方法で形成できる。太陽電池30および40では、ピンホール部分を介して導電層31と金属板11とが導通することを防止できる。
以下、実施例を用いて本発明をより具体的に説明する。
(実施例1)
実施例1では、本発明の基板を作製して評価した。まず、ステンレス板上に、ゾル・ゲル溶液を塗布した。ゾル・ゲル溶液には、テトラエトキシシラン(TEOS)を含む水溶液を用いた。ゾル・ゲル溶液の塗布は、ディップ法、スピンコート法、スプレー法などで行うことができるが、実施例1ではスピンコート法で行った。ゾル・ゲル溶液の塗布後、基板全体を500℃で加熱した。このようにしてテトラエトキシシランを加水分解縮合させ、酸化ケイ素膜を形成した。
次に、電解メッキ法によって、酸化ケイ素膜のピンホール部分に酸化クロム層を形成した。メッキには、無水クロム酸の濃度が50g/lであり、硫酸の濃度が0.55g/lである電解液を用いた。この電解液の中に基板を入れ、電流密度100A/dm2で10秒間メッキ処理を行った。この処理によって、酸化クロムを主成分とする絶縁部(厚さ:約100nm)が形成された。
次に、一回目と同じようにしてゾル・ゲル法で第2の酸化ケイ素膜を形成した。第2の酸化ケイ素膜の平均膜厚は1.3μmであった。次に、第2の酸化ケイ素膜の上に、NiCr層(厚さ50nm)と、金層(厚さ300nm)とを蒸着法によって形成した。
このようにして得られた基板について、ステンレス板と金層との間の耐電圧を測定すると、耐電圧は150Vであった。一方、比較例として、酸化クロム層(絶縁部)を形成しないことを除き、同様の方法で基板を作製した。この比較例の基板について耐電圧を測定したところ、耐電圧は0Vであった。
なお、実施例1では、絶縁層を酸化ケイ素で形成した例について説明したが、酸化アルミナ、酸化チタン、酸化クロム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等で絶縁層を形成した場合についても同様の結果が得られた。また金属板として、ステンレス板の代わりにアルミニウム、チタン、銅、鉄、デュラルミンなどのアルミニウム合金などからなる金属板を用いた場合でも、上記基板と同様の基板を作製できた。
(実施例2)
実施例2では、図4に示したタイプの太陽電池を作製した一例について説明する。まず、厚さ50μmのステンレス板に、実施例1で説明した方法によって酸化ケイ素膜を形成した。
次に、電解メッキ法によって、酸化ケイ素膜のピンホール部分に酸化クロム層を形成した。メッキには、無水クロム酸の濃度が50g/lであり、硫酸の濃度が0.55g/lである電解液を用いた。この電解液の中に基板を入れ、電流密度100A/dm2で10秒間メッキ処理を行った。この処理によって、酸化クロムを主成分とする絶縁部(厚さ:約100nm)が形成された。
次に、実施例1で説明した方法によって第2の酸化ケイ素膜を形成した。この第2の酸化ケイ素膜上に、スパッタ法によって、裏面電極として膜厚0.4μmのMo薄膜を形成した。
次に、Mo膜上に、光吸収層としてp形のCu(In,Ga)Se2膜(膜厚2μm)を形成した。Cu(In,Ga)Se2膜は、製膜温度(基板温度)を600℃として蒸着法によって形成した。
次に、Inを含む化合物(塩)である塩化インジウム(InCl3)とチオアセトアミドを含有する水溶液を用意した。水溶液中の塩化インジウムの濃度は0.005Mとし、チオアセトアミドは濃度を0.1Mとし、pHは1.9とした。この水溶液を入れた容器を75℃に保った温水槽に静置した。この水溶液に、Cu(In,Ga)Se2膜を形成した基板を、約10秒間浸漬した。その後、溶液から基板を引き上げて純水で洗浄した。この操作によって、Cu(In,Ga)Se2膜の表面に、膜厚が約5nmのCu(In,Ga)S2膜を形成した。Cu(In,Ga)S2膜によってパッシベーション効果とオールバリヤー効果が得られるため、特性が高い太陽電池を形成できる。
次に、カドミウムを含む化合物(塩)である硫酸カドミウム(CdSO4)とアンモニアとを含有する水溶液を用意した。水溶液中の硫酸カドミウムの濃度は0.001Mとし、アンモニアの濃度は1Mとした。この溶液を入れた容器を85℃に保った温水槽に静置した。この溶液に、I−III−VI族化合物膜を形成した基板を約6分間浸漬した。その後、溶液から基板を引き上げて純水で洗浄した。このようにして、CdS層(n形半導体層)を形成した。
次に、窓層であるZnO膜(膜厚100nm)と、透明電極であるITO膜(膜厚100nm)とを、スパッタリング法によって形成した。ZnO膜形成時のスパッタの条件は、アルゴンガス圧を1.5×10-4Pa(2×10-2Torr)とし、高周波パワーを400Wとした。また、ITO膜形成時のスパッタの条件は、アルゴンガス圧を6×10-5Pa(8×10-3Torr)とし、高周波パワーを400Wとした。
次に、裏面電極(Mo膜)の一部の上に、取り出し電極としてNiCr膜を形成した。また、ITO膜の一部の上に、取り出し電極としてAu膜を形成した。これらの電極は、電子ビーム蒸着法によって形成した。
このようにして作製した太陽電池に、AM1.5、100mW/cm2の疑似太陽光を照射して太陽電池特性を測定した。その結果、短絡電流33.4mA/cm2、開放電圧0.65V、曲線因子0.71、変換効率15.4%であった。この特性はガラス基板上に形成したCIGS太陽電池の特性と同じであった
一方、比較例として、ピンホール部分に絶縁部(酸化クロム層)を形成しなかった基板を用いたことを除き、上述した方法と同じ方法で太陽電池を作製した。この比較例の太陽電池では、ステンレス板の部分で漏電が生じた。
(実施例3)
実施例3では、図5に示したタイプの太陽電池、具体的には、直列に接続された20個のユニットセルを含む太陽電池の一例について説明する。
まず、10cm角のステンレス板上に、実施例1で説明した手順で、第1の酸化ケイ素膜、酸化クロム層、および第2の酸化ケイ素膜を形成した。次に、実施例2で説明した手順で太陽電池を作製した。ただし、実施例3では、複数のユニットセルが直列接続された構造を形成するため、図5に示す溝41〜43を形成する工程を加えた。
このようにして作製した太陽電池に、AM1.5、100mW/cm2の疑似太陽光を照射して太陽電池特性を測定した。その結果、短絡電流167mA、開放電圧12.2V、曲線因子(FF)0.68、変換効率13.9%であった。
一方、比較例として、酸化クロム層を形成しないことを除いて上述した方法と同様の方法で太陽電池を作製した。この比較例の太陽電池の特性は、短絡電流153mA、開放電圧0.59V、曲線因子0.68、変換効率0.6%であった。20個のユニットセルを直列に接続したにもかかわらずユニットセル1個分程度の変換効率しか得られなかったのは、基板に絶縁性がなく、ユニットセル同士が短絡したためである。
本発明は、太陽電池およびその基板に適用できる。
本発明の太陽電池用基板の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の太陽電池用基板の製造方法の一例を模式的に示す工程図である。 本発明の太陽電池用基板の他の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の太陽電池の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の太陽電池の他の一例を模式的に示す断面図である。 従来の太陽電池用基板の一例を模式的に示す断面図である。
符号の説明
10 基板(太陽電池用基板)
11 金属板
12 第1の絶縁層
12h ピンホール
13 第2の絶縁層(他の絶縁層)
14 絶縁部
30、40 太陽電池
31 導電層(電極)
32 p形半導体層
33 n形半導体層
34 窓層
35 透明電極
36、37 取り出し電極
38 光起電力層
40a ユニットセル
41、42、43 溝

Claims (13)

  1. (i)金属板上に、ゾル・ゲル法で第1の絶縁材料からなる絶縁層を形成する工程と、
    (ii)前記絶縁層のピンホール部分に面する前記金属板の表面に、第2の絶縁材料からなる絶縁部を形成する工程とを含む太陽電池用基板の製造方法。
  2. 前記第2の絶縁材料が酸化物である請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記(ii)の工程は、前記ピンホール部分で露出している前記金属板の表面を酸化することによって前記絶縁部を形成する工程を含む請求項1に記載の製造方法。
  4. 前記(ii)の工程は、前記ピンホール部分で露出している前記金属板上に、前記絶縁部を形成する工程を含む請求項1に記載の製造方法。
  5. 陽極酸化法またはメッキ法によって前記絶縁部を形成する請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記(ii)の工程ののちに、(iii)前記絶縁層上に他の絶縁層を形成する工程をさらに含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記金属板が、ステンレス板、アルミニウム板および銅板から選ばれるいずれか1つである請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法によって製造された太陽電池用基板。
  9. 表面に絶縁層が形成された太陽電池用基板を請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法によって製造する工程と、
    前記絶縁層上に電極および光起電力層を形成する工程とを含む太陽電池の製造方法。
  10. 金属板と、第1の絶縁材料からなりゾル・ゲル法によって前記金属板上に形成された絶縁層とを含む太陽電池用基板であって、
    前記絶縁層にはピンホールが存在しており、
    前記ピンホールに面する前記金属板の表面には、第2の絶縁材料からなる絶縁部が形成されている太陽電池用基板。
  11. 前記絶縁部が前記金属板の酸化物である請求項10に記載の太陽電池用基板。
  12. 前記絶縁層の上に形成された他の絶縁層をさらに備える請求項10または11に記載の太陽電池用基板。
  13. 基板と、前記基板上に形成された電極および光起電力層とを含む太陽電池であって、
    前記基板が請求項10〜12のいずれか1項に記載の太陽電池用基板である太陽電池。
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