JP2004071682A - 無機−有機薄膜複合材料 - Google Patents

無機−有機薄膜複合材料 Download PDF

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星野 勝義
Tomohisa Ogawa
小川 智央
Ryoko Kuchii
口井 良子
Sawa Takase
高瀬 彩和
Tadahiro Tsubaki
椿 忠洋
Akira Fujisawa
藤澤 亮
Koki Furuya
古谷 弘毅
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Abstract

【課題】製法が容易で、かつ整流性に優れたダイオード特性を示す無機−有機複合材料を提供する。
【解決手段】酸化チタンとポリ3−メチルチオフェン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリチオフェン誘導体、ポリアニリン誘導体、及びポリピロール誘導体からなる群から選択される導電性ポリマーとを接合することにより得られる複合材料を提供するものであり、更にこの複合材料を用いてダイオードを作成し、太陽電池等に応用するものである。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
ダイオード、太陽電池等に利用可能なpn接合半導体、とりわけ無機−有機半導体、及びその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
Si、Ge等の無機材料を用いたダイオードが知られている。これらのダイオードは半導体のp−n接合、MIS(金属−絶縁体−半導体)構造を用いたものであり、それにより順方向と逆方向の電気的特性が変化し、整流特性を示すものである。一方、有機材料を用いたダイオードも提案されている。
【0003】
また、近年、ダイオード素子について高機能化が要求され、その1つに逆方向の耐電圧が高いダイオード素子の実現が望まれている。このようなダイオード素子を実現するために、酸化チタン等の無機半導体に有機半導体薄膜を接合したダイオード素子が提案されている。その接合方法は、化学的重合による接合、真空蒸着等の物理的接合、光化学的重合による接合であり、これらの接合方法によって有機半導体膜を形成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の有機材料を用いたダイオードに、特開平5−55607によって開示されたダイオードがある。この発明は縮合したベンゼン環の数が4以上13以下である縮合多環芳香族化合物薄膜と無機化合物とを接合した有機薄膜ダイオードであるが、ここに報告されている有機薄膜ダイオードの整流比は10〜200(印加電圧+1,−1)である。このように、従来の有機材料を用いたダイオードでは、整流比が低いものであって、十分に整流特性を示さない。
【0005】
また、酸化チタンに有機半導体を接合させる従来の製造方法は、高い環境負荷が生じ、有機半導体薄膜の厚さをうまく制御することができないため、動作の安定した有機半導体製品を得ることが難しいという問題もある。
そこで、本発明は、製法が容易で、かつ整流性に優れたダイオード特性を示す無機−有機薄膜半導体を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、請求項1記載の発明によれば、ポリ3−メチルチオフェン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリチオフェン誘導体、ポリアニリン誘導体、及びポリピロール誘導体からなる群から選択される導電性ポリマーとを接合することを特徴とする複合材料を提供することによって達成できる。これにより、優れたダイオード特性を示す無機−有機薄膜複合材料を提供することができる。
【0007】
また、上記課題は請求項2記載の発明によれば、アモルファス構造を有する酸化チタンと、ポリ3−メチルチオフェン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリチオフェン誘導体、ポリアニリン誘導体、及びポリピロール誘導体からなる群から選択される導電性ポリマーとを接合することを特徴とするダイオードを提供することによって達成される。
【0008】
このように構成することにより、優れたダイオード特性を示す無機−有機薄膜ダイオードを製造することができる。
また、上記課題は請求項3記載の発明によれば、酸化チタンを電極として用いて、3−メチルチオフェン、ピロール、チオフェン、アニリン、チオフェン誘導体、アニリン誘導体、及びピロール誘導体からなる群から選択される化合物を定電位電解重合法により重合して前記酸化チタン表面に付着させることを特徴とする複合材料の製造方法を提供することによって達成される。
【0009】
このように構成することにより、優れたダイオード特性を示す無機−有機薄膜複合材料を製造することができる。
さらに、請求項4の記載は、前記請求項3記載の発明において、前記酸化チタンは、例えば定電位陽極酸化法による陽極酸化によって得られたアモルファス構造を有する酸化チタンである。
【0010】
このように構成することにより、優れたダイオード特性を示す無機−有機薄膜複合材料を製造することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明の第1の実施形態は、チタン板の陽極酸化によって電気化学的に得られるアモルファス酸化チタン(n型)と電解重合によって得られる導電性ポリマー(p型)とを接合することを特徴とする無機−有機薄膜材料の製造方法、及びその製造物に関するものである。
【0012】
この製造方法の概略を図1に示す。まず、チタン金属(Ti)を酸化して酸化チタン(TiO2)を生成する。次に、この生成した酸化チタンを陽極に用いて、3−メチルチオフェン(3MeT)を電解重合すると、伝導性ポリマーであるポリ3−メチルチオフェン(P3MeT)が酸化チタン表面に付着し、無機−有機複合材料を製造することができる。
【0013】
この無機−有機複合材料は、無機−有機の界面での優れた接合性を示すことにより、優れたダイオード特性を示す。上記の導電性ポリマーとしては、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、またはそれらの誘導体等が挙げられる。また、無機材料には、酸化チタン、好ましくはアモルファス構造を有する酸化チタン(以下、アモルファス酸化チタンと略する)を使用する。
【0014】
このとき、本発明ではダイオード特性をダイオードファクター及び整流比を用いて評価している。まず、ダイオードファクターとは、ショットキーの方程式を変形して、
n=e(Va−Vb)/kT(lnIa−lnIb)
(n:ダイオードファクター、e:電気素量、k:ボルツマン定数、T:絶対温度、電流値を対数表示した電流−電圧特性グラフの任意の2点(Va:電圧,Ia:電流)、(Vb,Ib))
より算出される。そして、n=1のとき理想ダイオード式であり、接合の電気挙動が理想的な状態から外れるにつれてnの値は大きくなる。
【0015】
このダイオードファクターnは、主にpn接合界面の接合密度を表しており、結合密度が高いとn=1となり、理想的な界面状態を示している。結合密度が低いと整流性が悪くなる。有機半導体でのnは従来2〜3の値であった。
また、整流比は、まず電流−電圧特性グラフの順方向の直線領域から離れ始めるところの電圧値Vcでの電流値Icを取得し、次にVcと絶対値が等しい負の電圧−Vcでの電流値の絶対値Idを取得し、以下の算出式より求める。
【0016】
整流比γ=Ic/Id
この整流比γの値が大きいほど、整流性がよいといえる。例えば、無機物質(結晶性シリコン)のpn接合の場合、整流比が100万位あり、有機物質では、上述したように従来10〜200である。また、実用性を考えた場合、整流比が高い方がよいが、例えばトランジスタを考えた場合、スイッチング素子として使用すると整流比は1000〜10000程度でも十分にスイッチング機能を発揮する。
【0017】
また、複合材料である本発明は、太陽電池としても利用することができる。そこで、本発明の第2の実施形態は、第1の実施形態により得られたアモルファス酸化チタン−導電性ポリマーの無機−有機薄膜を太陽電池としてその特性を評価している。
【0018】
以上より、本発明は、アモルファス酸化チタン−導電性ポリマーの無機−有機薄膜を利用した複合材料であり、優れたダイオードファクターと整流比をもつアモルファス酸化チタン−複合材料である。例えば、それらの複合材料の1例としてダイオードが挙げられる。
【0019】
また本発明は、チタン板の陽極酸化によって電気化学的に得られるアモルファス酸化チタン(n型)と電解重合によって得られる導電性ポリマー(p型)とを接合することを特徴とする無機−有機薄膜材料である。これらのダイオードは無機−有機の界面での優れた接合性を示すことにより、優れたダイオード特性を示す。上記の導電性ポリマーとしては、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、またはそれらの誘導体等が挙げられる。また、無機材料には、酸化チタン、好ましくはアモルファス構造を有する酸化チタンを使用する。
【0020】
また、本発明は、アモルファス酸化チタン−導電性ポリマーの無機−有機薄膜を利用した太陽電池であり、アモルファス酸化チタン(n型)と導電性ポリマー(p型)とを接合することにより、太陽光照射で優れた光電流が観測される太陽電池である。
【0021】
また、本発明は、アモルファス酸化チタン−導電性ポリマーの無機−有機薄膜を利用した太陽電池の製造方法である。本発明の太陽電池は、電気化学的にチタン板の陽極酸化によって得られるアモルファス酸化チタン(n型)と電解重合によって得られる導電性ポリマー(p型)とを接合することを特徴とする無機−有機薄膜太陽電池である。これらの太陽電池は無機−有機の界面での優れた接合性を示すことにより、優れた光電流特性を示す。
【0022】
以下、各実施形態について具体的に説明する。
<第1の実施形態>
(実施例1) 無機材料として酸化チタン(20Vで作製)、導電性ポリマーとしてポリ3−メチルチオフェンを用いた無機−有機薄膜材料の製造方法を示す。
【0023】
(1)先ず、チタン板のフッ酸処理について説明する。
アノード(陽極)にチタン板を用いるが、チタン板の表面は自然酸化膜で覆われているので、事前に酸処理によりその自然酸化膜の除去を行わなければならない。以下では、例えばフッ酸処理の処理手順を示す。
【0024】
チタン板を、トリクロロエチレンに浸し超音波洗浄を行い(約10分)、洗浄後チタン板を溶媒から取り出し、乾燥させた(例えば、ドライヤーの低温モードにより風をチタン板にあてて乾燥させる。以下の乾燥も同様である)。
その後、アセトンに浸し超音波洗浄を行い(約10分)、洗浄後チタン板を溶媒から取り出し、乾燥させた。さらに、トリクロロエチレンに浸し超音波洗浄を行い(約10分)、洗浄後チタン板を溶媒から取り出し、乾燥させた。
【0025】
上記のフッ酸処理で、チタンが溶け出し、チタン表面が粗くなるので、以下の処理でそのチタン表面を滑らかにする。
先ず、洗浄されたチタン板を、5%フッ酸水溶液に約5分間浸漬した後、チタン板を水溶液から取り出す。次に、そのチタン板を混合水溶液(3%硝酸、10%過酸化水素、1%フッ酸)に約30秒間浸漬する。上記の処理終了後、チタン板を蒸留水で洗浄し、乾燥させる。
【0026】
(2)次に、アモルファス酸化チタンの作製(定電位陽極酸化法による陽極酸化)処理を説明する。
アノード(陽極)にフッ酸処理された上記チタン板、カソード(陰極)に白金板を用いて陽極酸化を以下の条件で行う。先ず、ジクロロメタンに支持塩として過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム(0.1M(M=mol/l))を溶解し、電解液を形成させる。この電解液を図2に示す電解セルに入れる。この電解セルは、ガラス製であり、図2に示すように電解セルの端と電極との間にO−リングをはさみ、電極は押さえのステンレス板にて押さえ固定する。また、上方の口は食品用ラップフィルムにより蓋をした。
【0027】
次に、この電解液中で、陽極に上記(1)でフッ酸処理したチタン板を、陰極に白金板を用いて、室温(20℃、20℃以下であればよい)、印加電圧20V
vs Pt(定電圧)の条件で電解処理を行う。
この様子を図3に示す。この電解装置は、電解セル、電解液、アノード、カソード、直流電源(KIKUSUI製 PMC500−0.1A)、クーロンメーター(北斗電工製)よりなる。
【0028】
次に、7分後電解処理を終了する。尚、通電した電気量は150mC/cm2である(ここで、7分は陽極酸化時間のことであり、定電圧で電解酸化を行った場合、酸化チタンが成長してくると酸化チタン膜の抵抗が上がり、一定電圧をかけていると電流が流れなくなってきて飽和状態になる。その時間を事前に実験により求めておいた値である)。
【0029】
以上の処理により、電解処理終了後、酸化チタン薄膜をチタン板上に得ることができる。
(3)次に、電解重合による導電性ポリマーの作製(定電位電解重合法によるポリ3−メチルチオフェンの作製)を説明する。
【0030】
先ず、ジクロロメタンに支持塩として過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム(0.1M)を溶解し、さらに、モノマーとして3−メチルチオフェン(0.08M)を添加して電解液を作製する。
次に、その電解液を10分間冷却(13℃)する。図2に示す電解セルにその電解液を入れた後、その電解セルを20〜30分間冷却(13℃)する。この電解液中で、陽極に上記(2)で得た酸化チタン層、陰極に白金板を用いて、室温13℃、印加電圧70V vs Pt(定電圧)の条件で電解処理を行う。その後、クーロンメーターで電気量400mC/cm2になった後、電解処理を終了する。
【0031】
この様子を図3に示す。電解処理終了後、導電性ポリマー膜(ポリ(3−メチルチオフェン))を酸化チタン層上に得た。
(4) I−V(電流−電圧)測定準備
図4に示すように、上記(3)で得られた無機−有機薄膜ダイオードの導電性ポリマー上に絶縁性ポリマー(ポリエステル)膜を作製する。
【0032】
その後、絶縁性ポリマー膜と導電性ポリマーとに密着するように金を真空蒸着(後に詳述する)し、蒸着した金部分を電極とする。そして、酸化チタン側はIn−Ga合金を用いて、また、金電極は銀ペーストを用いて、それぞれ銅線と接続する。そして、これらの処理後、金蒸着した機−有機薄膜ダイオードをアルミ製のボックスに収容する。これは、ノイズ対策のために行う。
【0033】
ここで、上述した金の真空蒸着について詳述する。真空蒸着装置は、真空室(ペルジャー内)、真空室内の金を熱するポート、金を蒸着するサンプル(ここでのサンプルは、上記(3)で得られた導電性ポリマー膜−酸化チタンのことである)を保持する金具からなる。その他、ポートを熱する蒸着用電源、粗引きの真空状態を確認する真空計(ピラニーゲージ)、本引きの真空度を確認する真空計(イオンゲージ)が付属している。
【0034】
先ず、ペルジャーを外し、ポート上に金20mgを載せ、蒸着するサンプルをセットする。ペルジャーを元に戻し、30×10−3torrになるまで粗引きする。そして、30×10−3torrに到達したら本引きをする。真空度6×10−5〜7×10−5torrをイオンゲージで確認後、蒸着を開始し、ポートを蒸着用電源で熱し、金を蒸発させ、サンプルに蒸着させた。
【0035】
サンプルは、金電極の形状をしたアパーチャーで覆い、金蒸着する部分を露出させておく。
(5) I−V(電流−電圧)測定
I−V測定は、例えば電位変化をポテンショ/ガルバノスタット、電流測定をデジタルエレクトロメータで行った。図5に示すように、このI−V曲線から求めた整流比は、ダイオードを作製して2日後のサンプルを測定したところ、ダイオードファクター1.3、整流比13000という結果が得られた。ここで、整流比はI−V曲線で±1V時の電流比を求めたものである。
【0036】
(実施例2)
無機材料として酸化チタン(5Vで作製)、導電性ポリマーとしてポリ3−メチルチオフェンを用いた無機−有機薄膜材料の製造方法を示す。
(1) アモルファス酸化チタンを5V  vs Pt(定電圧)、陽極酸化時間4分(電気量23mC/cm2)で作製する以外は実施例1の(1)〜(4)と同様である。
【0037】
(2) I−V(電流−電圧)測定の測定方法は実施例1と同様であり、その測定結果を図5に示す。このとき、サンプルは作製2日後のものを使用した。この図5のI−V曲線からダイオードファクター1.7、整流比700という結果が得られた。
(実施例3)
無機材料として酸化チタン、導電性ポリマーとしてポリピロールを用いた無機−有機薄膜材料の製造方法を示す。
【0038】
(1) チタン板のフッ酸処理は、実施例1(1)と同様である。
(2) アモルファス酸化チタンの作製(陽極酸化)
アノード(陽極)にフッ酸処理されたチタン板、カソード(陰極)に白金板を用いて陽極酸化を以下の条件で行う。先ず、蒸留水(19.8g)に支持塩としてリン酸(0.2g)を添加し、リン酸水溶液(1wt%)を作製する。この水溶液を図2に示す電解セルに入れ、電解液とした。次に、この電解液中で、陽極に上記(1)でフッ酸処理したチタン板を、陰極に白金板を用いて、室温(〜20℃)、印加電圧20V vs Pt(定電圧)の条件で電解処理を行う。3分後,電解処理を終了し、電気量は50mC/cm2であった。電解処理終了後、酸化チタン薄膜をチタン板上に得る。
【0039】
(3) 電解重合による導電性ポリマーの作製(ポリ3−メチルチオフェンの作製)
先ず、ジクロロメタンに支持塩として過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム(0.1M)を溶解し、さらに、モノマーとしてピロール(0.01M)を添加し電解液を作製した。その電解液を10分間冷却(13℃)する。図2に示す電解セルにその電解液を入れた後、その電解セルを20〜30分間冷却(13℃)する。この電解液中で、陽極に上記(2)で得た酸化チタン層、陰極に白金板を用いて、室温13℃、印加電圧20V vs Pt(定電圧)の条件で電解処理を行った。クーロンメーターで電気量200mC/cm2になった後、電解処理を終了した。電解処理終了後、導電性ポリマー膜(ポリピロール)を酸化チタン層上に得る。
【0040】
(4) 実施例1(4)と同様である。
(5) I−V(電流−電圧)測定の測定方法は実施例1と同様であり、上記で得られたアモルファス酸化チタン−ポリピロール複合体を作製した5日後のサンプルを測定した結果を図6に示す。この図6のI−V曲線からダイオードファクター2.0、整流比9100という結果が得られる。
【0041】
(実施例4)
本例は、実施例1〜3の変形例である。実施例1〜3では、導電性ポリマーとしてポリ3−メチルチオフェン、ポリピロールを用いたが、それ以外にも、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリチオフェン誘導体、ポリアニリン誘導体、ポリピロール誘導体を導電性ポリマーとして用いても良い。
<第2の実施形態>
第1の実施形態で作製したアモルファス酸化チタン−導電性ポリマーの無機−有機薄膜を太陽電池として用いることもでき、以下でその太陽電池特性評価を行う。
【0042】
(実施例1) 太陽電池特性評価を行うためのサンプルの作製
アモルファス酸化チタン−導電性ポリマーは、第1の実施例(1)〜(4)と同様の方法で作製する。以下にこの実施例で用いた試料量、電位などのパラメータのみを示す。
【0043】
先ず、アモルファス酸化チタンの作成条件を示す。指示塩:リン酸(1wt%)、溶媒:蒸留水、電位:100V vs Pt(定電圧)、電解時の室温:20℃(20℃以下であればよい)、電気量600C/cm2、陽極酸化時間:15分
次に、ポリピロールの作製条件を示す。モノマー:ピロール(0.1M)、支持塩:過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム(0.1M)、溶媒:ジクロロメタン、電位:140V vs Pt(定電圧)、電気量300C/cm2、電解セル周辺温度13℃
(実施例2) 光電流の測定
実験で行った太陽電池特性測定法としては、太陽光ランプをサンプルに照射しながらダイオード特性(I−V)を測定する方法を用いた。実験環境は、第1の実施例のI−V測定環境に太陽光ランプ(株式会社ワコム製作所製 太陽光灯ランプI−SUNSUN 75W)を追加したものである。
【0044】
まず、実施例1で作製したサンプルをアルミ製のボックスに収容する。このアルミのボックスには、光が通る穴が空けられている。このサンプルが入ったアルミのボックスに太陽光ランプを照射(60mW/cm2)した。照射した光は、そのボックスに空けられた穴を通してサンプルに照射される。測定の結果、光電流が観測された(放電圧:0.12V、短絡電流:74nA/cm2)。
【0045】
【発明の効果】
本発明は、アモルファス酸化チタン−導電性ポリマーの無機−有機薄膜を利用した複合材料であり、従来得られなかったダイオードファクターと整流比を得ることができた。
【0046】
また、本発明は、太陽光照射で優れた光電流が観測され、太陽電池として使用することも可能である。
以上より、本発明は、ダイオードまたは太陽電池などの用途に使用可能な無機−有機複合材料となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】無機−有機複合材料の製造方法の概略図である。
【図2】第1の実施態様における電解セルの1例を示す図である。
【図3】第1の実施態様における電解装置を示す図である。
【図4】第1の実施態様における電極を設けた複合材料を示す図である。
【図5】第1の実施態様(実施例1、実施例2)のI−V測定結果を示す図である。
【図6】第1の実施態様(実施例3)のI−V測定結果を示す図である。

Claims (4)

  1. 酸化チタンと、
    ポリ3−メチルチオフェン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリチオフェン誘導体、ポリアニリン誘導体、及びポリピロール誘導体からなる群から選択される導電性ポリマーと
    を接合することを特徴とする複合材料。
  2. アモルファス構造を有する酸化チタンと、
    ポリ3−メチルチオフェン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリチオフェン誘導体、ポリアニリン誘導体、及びポリピロール誘導体からなる群から選択される導電性ポリマーと
    を接合することを特徴とするダイオード。
  3. 酸化チタンを電極として用いて、
    3−メチルチオフェン、ピロール、チオフェン、アニリン、チオフェン誘導体、アニリン誘導体、及びピロール誘導体からなる群から選択される化合物を定電位電解重合法により重合して前記酸化チタン表面に付着させることを特徴とする複合材料の製造方法。
  4. 前記酸化チタンは、
    定電位陽極酸化法による陽極酸化によって得られたアモルファス構造を有する酸化チタンであることを特徴とする請求項3記載の複合材料の製造方法。
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