JP2008244006A - ダイオード及びその製造方法 - Google Patents

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知昭 福村
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Abstract

【課題】構造が簡単で容易に製作できる新規な酸化物半導体及び有機導電体からなるダイオード及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ダイオード1は、酸化物半導体2と酸化物半導体2上に形成される有機導電体3とからなる接合部8を備え、接合部8がショットキー接合特性を有する。酸化物半導体2は、好ましくは、酸化物半導体結晶や基板上に形成された酸化物半導体薄膜を用いることができる。酸化物半導体2は、TiO2又はSrTiO3からなり、酸化物半導体2には不純物が添加されていてもよい。有機導電体3は、PEDOT:PSSからなる薄膜を使用することができる。ダイオード1の整流特性は良好で製造も容易である。
【選択図】 図1

Description

本発明はダイオード及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、酸化物半導体及び有機導電体からなる接合を有するダイオード及びその製造方法に関する。
金属と半導体とからなる接合は、ショットキー接合又はショットキーダイオードと呼ばれ幅広い分野で使用されている。ショットキーダイオードは、Si(シリコン)集積回路、ULSI中で、バイポーラトランジスタや電界効果トランジスタと組み合わせて使用されている(非特許文献1参照)。
Si以外の半導体、たとえばGaAsでは、安定で界面準位のない界面の形成が技術的に難しく、制御電極(ゲート電極)としてMOSFETのような酸化物ゲート絶縁層を介さず、ショットキー界面を利用している。さらに新しい半導体材料、たとえば、SiCやGaNも良好な絶縁膜が得られにくいことから、絶縁膜を介さないショットキー型のデバイスの可能性が検討されている。さらに、ワイドギャップ半導体と金属ショットキー接合による紫外線受光素子も報告されている(非特許文献2参照)。
近年の薄膜技術の進展により、酸化物をエレクトロニクス材料として用いる研究が進んでいる。酸化物半導体(SrTiO3、TiO2など)で電界効果型トランジスタを形成する場合、ゲート絶縁層としては酸化物絶縁体(AlOx、SiOx、MgOなど)を用いる。良質なゲート絶縁層を作製するのは容易でない場合が多く、その際はショットキー接合による空乏層の生成を利用するのが有効である。
最近、抵抗RAM(以下、RRAMと呼ぶ。)の作製に酸化物がしばしば用いられている。RRAM動作の実現にはショットキー接合の形成が重要視されており、良質なショットキー接合の作製には非常に関心が持たれている。酸化物のショットキー接合の作製には、まず、酸化物半導体と酸化物金属が必要である。酸化物半導体はn型が多く、酸化物金属はp型が多いため、それらを組み合わせたショットキー接合がしばしば作製される。良質な接合の作製には、接合界面ができるだけ急峻であることが要求される。つまり、酸化物半導体/酸化物金属をヘテロエピタキシャル成長することが必要である。このエピタキシャル成長は格子定数の近い物質を使うことにより達成されている。
非特許文献3〜5で報告されている酸化物ショットキー接合は、酸化物半導体であるNbを添加したSrTiO3と酸化物金属であるSrRuO3との接合から形成されている。これらの材料は、格子定数が近いため、ヘテロエピタキシャル成長をすることができ、RRAM動作を示す。そして、上記酸化物金属の代わりに他の遷移金属酸化物などを用いたショットキー接合も報告されている。
最近、特許文献1及び非特許文献7には、有機物と無機物とのヘテロ接合からなるフォトダイオードが開示されており、無機半導体pn接合と同様な整流作用を示すことが開示されている。
特開2004−214547号公報 東芝レビューVol.59, No.12, p.52 (2004) http://www.mitsubishi-cable.co.jp/news/release/000606.html T. Fuji 他5名, Appl. Phys. Lett., Vol.86, p.012107 (2005) A. Sawa 他3名, Appl. Phys. Lett., Vol.85, p.4073 (2004) A. Sawa 他3名, Appl. Phys. Lett. Vol.86, p.112508 (2006) A. Sawa 他3名, Jpn. J. Appl. Phys. 44, L1241 (2005) J. Yamamura 他4名, Appl. Phys. Lett., Vol.83, p.2097 (2003)
上記の酸化物ショットキー接合は、現在のほぼ最良の方法である薄膜技術により製作されている。具体的には、原子レベルで平坦な、Nbを添加したSrTiO3基板上に酸化物金属としてSrRuO3薄膜をパルスレーザー堆積法で成長している。この作製方法は超高真空の薄膜作製チャンバーと高出力エキシマレーザーとを用いるので量産には向かない方法である。また、薄膜成長には500℃以上という高温を要するため、高エネルギープロセスに起因する界面拡散や電子的に活性な欠陥が素子特性に大きな影響を与えることがあり、良好なショットキー特性を再現性良く得る方法が確立されていない。
本発明は上記課題に鑑み、構造が簡単で製作が容易な、新規な酸化物半導体及び有機導電体からなるダイオード及びその製造方法を提供することを目的としている。
本発明者等は鋭意研究を重ねたところ、酸化物半導体上に有機導電体を塗布した接合が良好なショットキー接合類似の特性を示すダイオードとなることを見出し、本発明に至った。
上記目的を達成するために、本発明のダイオードは、酸化物半導体と酸化物半導体上に形成される有機導電体とからなる接合部を備え、接合部がショットキー接合特性を有することを特徴とする。
上記構成において、酸化物半導体は、好ましくは酸化物半導体結晶であり、酸化物半導体は、基板上に形成された酸化物半導体薄膜であってもよい。
酸化物半導体は、好ましくはTiO2又はSrTiO3からなり、不純物が添加されていることが好ましい。有機導電体は、好ましくはPEDOT:PSSからなる。
本発明によれば、簡単な構造で整流特性が良好なダイオードを実現することができる。
本発明のダイオードの製造方法は、有機導電体が酸化物半導体上に塗布工程により形成されることを特徴とする。
上記有機導電体は、好ましくは、塗布工程の後で熱処理される。酸化物半導体は、好ましくは、有機導電体が形成された後でメサエッチングされる。酸化物半導体はTiO2又はSrTiO3からなり、有機導電体はPEDOT:PSSからなる。
本発明法によれば、簡単な製造工程で整流特性が良好なダイオードを製作することができる。
本発明によれば、構造が簡単で製造が容易な酸化物半導体及び有機導電体からなるダイオード並びにその製造方法を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は本発明の酸化物半導体及び有機導電体からなるダイオードの構造を示すもので、(A)は平面図、(B)は(A)のX−X方向に沿う断面図である。
ダイオード1は、酸化物半導体2と、有機導電体3と、酸化物半導体2に形成された電極4と、有機導電体3に形成された電極5と、から構成されている。このダイオード1は、酸化物半導体2と有機導電体3とが接触して形成される接合部8を備えている。酸化物半導体2は、酸化物半導体からなる薄膜又は基板とすることができる。
酸化物半導体2は、TiO2、SrTiO3等を用いることができる。酸化物半導体2は、n型又はp型伝導を示すような不純物が添加されていてもよい。TiO2、SrTiO3の場合には、n型不純物としてNb(ニオブ)を使用することができる。
有機導電体3は、poly(3,4-ethylenedioxythiophene) poly(styrenesulfonate)(PEDOT:PSS)のような導電性の有機物を用いることができる。この材料の仕事関数は、約5.1eVである。
図2は、本発明の酸化物半導体2及び有機導電体3からなるダイオードの変形例を示す断面図である。ダイオード10が図1に示したダイオードと異なるのは、酸化物半導体からなる薄膜2Aが基板6上に形成されている点である。他の構造は、図1のダイオード1と同じであるので、説明は省略する。基板6は、酸化物半導体薄膜2Aと同じ材料からなっていてもよい。この基板6は、Siのような半導体基板に絶縁膜を形成した基板であってもよい。このダイオード10は、酸化物半導体2Aと有機導電体3とが接触して形成される接合部8Aを備えている。
上記ダイオード1,10では、酸化物半導体2への電極4を表面側に設けているが、酸化物半導体2の裏面側に設けてもよい。
図3は、本発明の酸化物半導体2及び有機導電体3からなるダイオードの別の変形例を示す断面図である。ダイオード15が図1に示したダイオードと異なるのは、酸化物半導体2の電極4がその裏面側に形成される点である。
図4に示すダイオード20は、酸化物半導体薄膜2Aが基板6上に形成されている点が図3に示すダイオード15とは異なる。他の構造は、図1のダイオード1と同じであるので説明は省略する。基板6は、酸化物半導体薄膜2Aと同じ材料からなる基板で成っていてもよい。この基板6は導電性基板が好ましい。
上記ダイオード1,10,15,20は、酸化物半導体2がn型半導体の場合、有機導電体3を金属としたn型半導体−金属接合、所謂ショットキー接合類似の動作をする。ショットキー接合とは、金属と半導体がある仕事関数の関係を持ち、接合している場合にpn接合と同様の整流特性を示すものである。金属の仕事関数をΦm、半導体の仕事関数をΦsとすると、金属とn型半導体の接合ではΦm>Φsの場合、金属とp型半導体の接合ではΦm<Φsの場合、ショットキー接合になる。また、仕事関数の関係が逆になった場合は整流特性を示さず、オ−ミック接合となる。この関係は、本発明の酸化物半導体2及び有機導電体3からなるダイオードの場合にも適用される。
図5は、図1に示すダイオードの順方向バイス時の電圧印加を説明する模式図であり、図6は図1に示すダイオードのエネルギーバンド図である。
図5に示すように、本発明のダイオード1に順方向(有機導電体3に正、n型酸化物半導体側2に負)に電圧Vを加えると、図6に示すようにこの電圧は接合面近くにかかり、拡散電位を打ち消す向きであるので、酸化物半導体2の障壁がqVだけ低くなる。したがって、酸化物半導体2から有機導電体3への電子流が増える。しかし、有機導電体3の障壁は変わらないので、有機導電体3から酸化物半導体2への電子流も変わらない。このため、順方向に電圧を加えると、電流が順方向側で増える。
図6において、qVdは、酸化物半導体2側の障壁(拡散電位とも呼ばれる。)であり、酸化物半導体2から有機導電体3への電子の流れに対する障壁となる。qVd=Φm−Φsであり、Φm及びΦsは、それぞれ、有機導電体3及び酸化物半導体2の仕事関数である。Φm−χs(χsは、n型酸化物半導体2の電子親和力)は有機導電体3側の障壁であり、有機導電体3からn型酸化物半導体2への電子の流れに対する障壁である。
逆に、図7に示すように、ダイオード1に逆方向(有機導電体3側に負、n型酸化物半導体2側に正)に電圧Vを加えると、この電圧も接合面近くにかかり、n型酸化物半導体2側の障壁がqVだけ高くなる(図8参照)。
したがって、酸化物半導体2から有機導電体3への電子流は減り、電子流は一定値になる。しかし、有機導電体3の障壁は変わらないので、有機導電体3からn型酸化物半導体2への電子流も変わらず一定値をとる。このため、逆方向に電圧をかけると、逆方向(酸化物半導体2から有機導電体3)に一定値の電流が流れる。同様に、有機導電体3とp型の酸化物半導体2半導体がΦm<Φsの関係で接合したとき、その接合は同様の整流特性を示す。
次に、本発明のダイオードの製造方法について説明する。
図9は、本発明のダイオード15の製造方法を製作する際の製作工程を模式的に示す断面図である。
図9のステップST1に示すように、酸化物半導体2を用意し、洗浄する。
ステップST2において、酸化物半導体2上に有機導電体薄膜3を形成する。具体的には、有機導電体3からなる溶液を調製し、スピンコート法などにより塗布し、室温よりも高い所定の温度で熱処理を行い、溶媒を蒸発させて有機導電体薄膜3を形成する。
ステップST3において、有機導電体薄膜3上にその電極となる金属12を堆積し、電極層5を形成する。この電極層5の形成には、蒸着法を用いることができる。
ステップST4において、上記金属層5を蒸着した表面へ露光用レジストを塗布し、紫外線露光を行い、現像を行うことによって電極層5が配置されるべき領域が被覆されたレジストパターン14を形成する。
ステップST5に示すように、レジストパターン14を形成した酸化物半導体2の表面全面を、イオンエッチング16し、レジストパターン14をマスクとして電極層5、有機導電体薄膜3をエッチングする。さらに、酸化物半導体2をエッチングしてもよい。酸化物半導体2をその深さ方向にエッチングすることで、酸化物半導体2に所謂メサ構造2Bを形成することができる。ステップST6は、レジストパターン14を除去し、洗浄する工程である。
ステップST7は、酸化物半導体2の裏面側へ電極層4を形成する工程である。この電極層4は、蒸着法により形成した金属膜や導電性ペーストを用いることができる。
上記製造方法により、ダイオード15を製造することができる。酸化物半導体2としては、酸化物半導体基板を用いることができる。この酸化物半導体2として、導電性の基板6上に形成した酸化物半導体薄膜2Aを用いれば、ダイオード20を製造することができる。
次に、本発明のダイオードの別の製造方法について説明する。
図10は、本発明のダイオード1の製作工程を模式的に示す断面図である。
図10のステップST1〜ST6は、図9に示したダイオード15の工程と同じであるので、説明は省略する。
ステップST7において、酸化物半導体2上へ露光用レジストを塗布し、電極層5を被覆し、さらに酸化物半導体2へ電極を形成するレジストパターン18を形成する。このパターン18の開口部18Aが酸化物半導体2の電極となる領域である。
次に、ステップST8に示すように、レジストパターン18を形成した酸化物半導体2の表面全面に酸化物半導体2の電極となる金属22を蒸着法等により堆積する。
次に、ステップST9に示すように、レジストパターン18を除去することで、酸化物半導体2の電極層4をリフトオフ法で形成する。
上記製造方法により、電極層4,5を酸化物半導体2の表面側に形成したダイオード1を製造することができる。酸化物半導体2としては、酸化物半導体基板を用いることができる。この酸化物半導体として基板6上に形成した酸化物半導体薄膜2Aを用いれば、図2で説明したダイオード10を製造することができる。
以下、実施例により本発明の実施の形態をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
酸化物半導体2としてNbが添加されたn型TiO2基板(以下、TiO2:Nb基板と呼ぶ。)を用い、有機導電体2としてpoly(3,4-ethylenedioxythiophene) poly(styrenesulfonate)(以下、PEDOT:PSSと呼ぶ)を用いて実施例1のダイオード1を製作した。PEDOT:PSSは、市販品(BAYTRON社製、PH500)を用いた。図11は、PEDOT:PSSの化学構造を示す式である。用いたPEDOT:PSSの比率は、PEDOT:PSS=1:1.25であり、一次粒子径は30nmであった。
TiO2:Nb基板2を、アセトン及びエタノールを用いて順に洗浄し、この基板2の表面をUV−オゾン処理により20分間の表面清浄化を行った(図10のステップST1参照)。
次に、PEDOT:PSSを4000rpmで30秒間スピンコートし、アルゴンガス中のグローブボックス内に設置した熱処理装置で、真空下200℃で30分から90分間程度の熱処理を行った(図10のステップST2参照)。形成したPEDOT:PSS薄膜は、厚さが50nmで、その抵抗率は約3×10-3Ω・cmであった。
次に、PEDOT:PSS薄膜の表面全体に電極となる金(Au)層を150nmの厚さに蒸着法により形成した(図10のステップST3参照)。成膜速度は、0.1〜0.5nm/秒であった。
次に、PEDOT:PSS薄膜に電極パターンをフォトリソグラフィで形成し(図10のステップST4参照)、Arイオンを用いたイオンミリング装置で、Au層、PEDOT:PSS薄膜及びTiO2:Nb基板のエッチングを行った(図10のステップST5参照)。Au電極の直径は350μmとした。TiO2:Nb基板のエッチング深さは0.2μm〜0.3μmであった。次に、上記レジストパターンを、アセトン溶液による超音波洗浄により除去した(図10のステップST6参照)。
次に、TiO2:Nb基板2上へ露光用レジストを塗布し、PEDOT:PSS薄膜3上のAu電極層を被覆するパターンと、TiO2:Nb基板2へ電極を形成する開口部を有するパターンを形成し(図10のステップST7参照)、厚さが40nmのTi(チタン)層及び厚さが100nmのAu層からなる金属層を電子ビーム蒸着法で形成した(図10のステップST9参照)。成膜速度は、0.1〜0.5nm/秒であった。
最後に、上記レジストパターンをアセトン溶液中で5分間超音波洗浄することで、レジストパターンを除去し、TiO2:Nb基板2へTi及びAuからなる電極層4をリフトオフ法で形成した(図10のステップST9参照)。
上記TiO2:Nb基板2におけるNbの添加量は、0.05、0.1、0.5重量%(以下、wt%と呼ぶ)とした。
実施例1のTiO2:Nb基板2を、Nbを添加したSrTiO3基板2とした以外は、実施例1と同様にして実施例2のダイオード1を製作した。Nbの添加量は、0.05、0.5wt%とした。
実施例1及び2で製作したダイオード1の電流電圧特性(以下、IV特性と呼ぶ)及び容量電圧特性(以下、CV特性と呼ぶ)を室温(300K)で測定した。
図12は、実施例1のダイオード1における低電圧領域のIV特性を示す図であり、図13は、実施例1で、TiO2:Nb基板2にNbが0.05wt%添加されたダイオードの高電圧領域のIV特性を示す図である。図において、横軸は電圧(V)であり、縦軸は電流(A/cm2)である。両図で順方向電圧は、有機導電体薄膜3に正電圧を、TiO2:Nb基板2側に負電圧を印加した場合である。
図12及び図13から明らかなように、実施例1のダイオード1に順方向電圧を印加した場合には、約0.8V以上で電流が良く流れ、逆方向電圧を印加した場合には、約−3Vまで電流が流れないことから良好な整流特性が得られることが分かる。TiO2:Nb基板2にNbが0.05wt%添加されたダイオード1の場合には、約−100Vの逆方向電圧を印加した場合にも電流が流れないことが分かった。
図14は、実施例1のダイオード1の片対数表示による低電圧領域のIV特性を示す図であり、図15は、実施例1でTiO2:Nb基板にNbが0.05wt%添加されたダイオード1の片対数表示によるIV特性を示す図である。図において、横軸は電圧(V)であり、縦軸は電流密度の絶対値(A/cm2)である。両図で順方向電圧は、有機導電体薄膜3に正電圧を、TiO2:Nb基板2側に負電圧を印加した場合である。
上記IV特性からは、ダイオード特性の理想係数n及び立ち上がり電圧Φbを求めることができる。TiO2:Nb基板2にNbを0.05wt%添加した場合には、nが1.8であり、Φbが1.06eVであった。Nbを0.1wt%添加した場合には、nが1.6であり、Φbが0.89eVであった。Nbを0.5wt%添加した場合には、nが1.8であり、Φbが0.91eVであった。
図16は、実施例2のダイオード1の直線表示によるIV特性を示す図である。図において、横軸は電圧(V)であり、縦軸は電流密度(A/cm2)である。図17は、実施例2のダイオードの片対数表示によるIV特性を示す図である。図において、横軸は電圧(V)であり、縦軸は電流密度の絶対値(A/cm2)である。両図で順方向電圧は、有機導電体薄膜3側に正電圧を、SrTiO3:Nb基板2側に負電圧を印加した場合である。
図16及び図17から明らかなように、順方向電圧を印加した場合には約1V以上で電流が良く流れ、逆方向電流が小さいことから良好な整流特性が得られることが分かる。
上記IV特性からは、ダイオード特性の理想係数n及び立ち上がり電圧(ショットキー接合の障壁高さ)Φbを求めることができる。SrTiO3:Nb基板2にNbを0.05wt%添加した場合には、nが1.2であり、Φbが1.04eVであった。Nbを0.5wt%添加した場合には、nが1.4であり、Φbが0.99eVであった。
図18は、実施例2のダイオード1のCV特性を示す図である。図において、横軸は電圧(V)であり、縦軸は測定した容量Cから求めた単位面積当りの1/C2(1012cm4/F2)である。電圧の正側が順方向である。
図18から明らかなように、逆方向電圧を印加した場合には容量が減少し、測定範囲では、1/C2特性がほぼ直線となることが分かった。1/C2特性の順方向電圧側へ延長線と順方向電圧との交点がダイオード1の拡散電位(Vbi)を与える。SrTiO3:Nb基板2にNbを0.05wt%及び0.5wt%添加した場合のVbiは、それぞれ、0.87eV、0.80eVであった。
上記実施例2のダイオードにおけるIV及びCV特性から求めた各パラメータを表1に纏めて示す。ここで、Φb(立ち上がり電圧)、n(理想係数)、Vbi(拡散電位)は上述したパラメータである。εは比誘電率であり、SrTiO3:Nb基板2のNb添加量が0.05wt%及び0.5wt%の場合、それぞれ、141、40であった。NdεはSrTiO3:Nb基板2の不純物密度Ndに比誘電率εを乗じた値であり、Nb添加量が0.05wt%及び0.5wt%の場合、それぞれ、2.4×1021cm-3、6.7×1021cm-3であった。Wdは逆方向電圧を約−1V印加したときの空乏層厚みであり、Nb添加量が0.05wt%及び0.5wt%の場合、それぞれ、28nm、5nmであった。Φ/Wは、逆方向電圧を約−1V印加したときの接合の最大電界強度であり、Nb添加量が0.05wt%及び0.5wt%の場合、それぞれ、31MV/m、176MV/mであった。
上記実施例1及び2によれば、有機導電体薄膜3側の電極5に正の電圧を印加した順方向でのみ電流が流れており、良好な整流特性が得られた。このIV測定データから熱電子放出モデルを用いて算出した理想因子nの値は1に近かった。
これにより、実施例1及び2のダイオード1の有機導電体薄膜3と酸化物半導体2との界面では、理想的なショットキー障壁が形成されていると考えられる。
実施例1及び2のダイオードと従来のダイオードとを比較する。従来のダイオードは、酸化物金属(SrRuO3)と酸化物半導体(SrTiO3:Nb)とからなるショットキー接合である(例えば、非特許文献3参照)。安価で容易なプロセスを用いた導電性高分子である有機導電体薄膜3と酸化物半導体2とからなる実施例1のショットキー接合のほうが従来のダイオードよりも良好な特性を示した。つまり、高度で高価な工程のへテロエピタキシャル成長技術を用いて製作した従来のダイオードよりも、実施例1及び2のダイオード1の性能がよいことが判明した。従来のダイオードでは、酸化物金属と酸化物半導体との組み合わせを選ばないとショットキー接合の実現は望めないが、実施例1及び2では高分子からなる有機導電体薄膜3をスピンコートにより塗布する安価で簡単な方法でダイオード1を製作することができた。
上記結果から、高分子だけでなく有機低分子材料も含めた有機導電体3を用いることでショットキー接合の実現が期待できる。これにより、今までデバイス作製が困難であった酸化物を含む無機材料において、安価なプロセスで電子デバイスを実現できることが期待できる。また、酸化物では強磁性を示すものも多い。したがって、強磁性酸化物と導電性高分子の組み合わせにより各種のスピントロニクスデバイスも作製できることが期待できる。
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形及び変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれることはいうまでもない。
本発明の酸化物半導体及び有機導電体からなるダイオードの構造を示し、(A)は平面図、(B)は(A)のX−X方向に沿う断面図である。 本発明の酸化物半導体及び有機導電体からなるダイオードの変形例を示す断面図である。 本発明の酸化物半導体及び有機導電体からなるダイオードの変形例を示す断面図である。 本発明の酸化物半導体及び有機導電体からなるダイオードの別の変形例を示す断面図である。 図1に示すダイオードの順方向バイアス時の電圧印加を説明する模式図である。 図5に示すダイオードのエネルギーバンド図である。 図1に示すダイオードの逆方向バイアス時の電圧印加を説明する模式図である。 図7に示すダイオードのエネルギーバンド図である。 本発明のダイオードの製作工程を模式的に示す断面図である。 本発明のダイオードの別の製作工程を模式的に示す断面図である。 有機導電体の化学構造式を示す図である。 実施例1のダイオードにおける低電圧領域のIV特性を示す図である。 実施例1で、TiO2:Nb基板にNbが0.05wt%添加されたダイオードの高電圧領域のIV特性を示す図である。 実施例1のダイオード1の片対数表示による低電圧領域のIV特性を示す図である。 実施例1でTiO2:Nb基板にNbが0.05wt%添加されたダイオード1の片対数表示によるIV特性を示す図である。 実施例2のダイオードの直線表示によるIV特性を示す図である。 実施例2のダイオードの片対数表示によるIV特性を示す図である。 実施例2のダイオードのCV特性を示す図である。
符号の説明
1,10,15,20:ダイオード
2:酸化物半導体(酸化物半導体基板)
2A:酸化物半導体薄膜
2B:メサ構造
3:有機導電体(有機導電体薄膜)
4:酸化物半導体用電極
5:有機導電体用電極
6:基板
8,8A:接合部
12:金属
14,18:レジストパターン
16:イオンエッチング
22:金属層

Claims (10)

  1. 酸化物半導体と該酸化物半導体上に形成される有機導電体とからなる接合部を備え、
    上記接合部がショットキー接合特性を有することを特徴とする、ダイオード。
  2. 前記酸化物半導体は、酸化物半導体結晶であることを特徴とする、請求項1に記載のダイオード。
  3. 前記酸化物半導体は、基板上に形成された酸化物半導体薄膜からなることを特徴とする、請求項1に記載のダイオード。
  4. 前記酸化物半導体は、TiO2又はSrTiO3からなることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載のダイオード。
  5. 前記酸化物半導体は、不純物が添加されていることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載のダイオード。
  6. 前記有機導電体は、PEDOT:PSSからなることを特徴とする、請求項1に記載のダイオード。
  7. 酸化物半導体と該酸化物半導体上に形成される有機導電体とからなる接合部を備えたダイオードの製造方法であって、
    上記有機導電体が、上記酸化物半導体上に塗布工程により形成されることを特徴とする、ダイオードの製造方法。
  8. 前記有機導電体は、塗布工程の後で熱処理されることを特徴とする、請求項7に記載のダイオードの製造方法。
  9. 前記酸化物半導体は、上記有機導電体が形成された後でメサエッチングされることを特徴とする、請求項7に記載のダイオードの製造方法。
  10. 前記酸化物半導体は、TiO2又はSrTiO3からなり、前記有機導電体はPEDOT:PSSからなることを特徴とする、請求項7〜9の何れかに記載のダイオードの製造方法。
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