JP2006294957A - 貼り合わせsoiウエーハの製造方法及び貼り合わせsoiウエーハ - Google Patents

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Abstract

【課題】混入した金属不純物をSOI層の表層近傍から除く能力を持つ貼り合わせSOIウエーハの製造方法を提供する。
【解決手段】シリコン単結晶ウエーハの一方の表面から酸素イオンを注入して、該シリコン単結晶ウエーハの内部に酸素イオン注入層を形成し、前記シリコン単結晶ウエーハを熱酸化することにより、少なくとも酸素イオンを注入した表面から酸素イオン注入層までにシリコン酸化膜を形成し、前記シリコン酸化膜を形成したシリコン単結晶ウエーハをボンドウエーハとし、該シリコン酸化膜を介してベースウエーハと貼り合わせ、前記貼り合わせたボンドウエーハとベースウエーハに熱処理を加えて、ボンドウエーハとベースウエーハとを強固に結合し、前記ボンドウエーハを減厚してSOI層を形成し、ベースウエーハの上部に、埋め込み酸化膜、SOI層を順次有するSOIウエーハとする、貼り合わせSOIウエーハの製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子デバイス作製用基板である貼り合わせSOIウエーハの製造方法に関し、特にデバイス動作に悪影響を及ぼす金属不純物を除去するゲッタリング能力が高いSOIウエーハの製造方法に関する。
半導体集積回路等のデバイスを作製するための基板としては、主にCZ(Czochralski Method)法によって育成されたシリコン単結晶ウエーハが用いられている。このシリコン単結晶ウエーハ上にデバイスを形成する際、p-nジャンクションや絶縁体を形成することにより各素子間の分離を行なっている。しかし近年、素子分離用絶縁体を予め基板ウエーハ内に形成しておく構造の基板が使われるようになった。この代表的なものがSOI(Silicon on insulator)ウエーハである。SOIウエーハの具体的構造は、三層構造であり、表層のシリコン単結晶層(SOI層)の下に埋め込み酸化膜等の絶縁体層をはさみ、その下部にシリコン単結晶等の基板層をもつ構造(SOI構造)である。
このようなSOIウエーハの製造方法には大きく分けて、以下の二種類の方法がある。
第一の方法は、シリコン単結晶ウエーハの一方の表面から酸素イオンを注入して酸素イオン注入層を形成し、その後、熱処理にて酸素イオン注入層をシリコン酸化膜に変質させて、SOIウエーハとする、SIMOX(Separation by Implanted Oxygen)法である。
第二の方法は、例えば、シリコン単結晶ウエーハ(ボンドウエーハ)に熱酸化等の方法でシリコン酸化膜を形成し、その酸化膜を介してボンドウエーハと新たに用意したベースウエーハを貼り合わせて、SOIウエーハとする、貼り合わせ法である。
前者のSIMOX法は、製法が簡便であるが、酸素イオン注入層から形成されるシリコン酸化膜は極表層に限られ、ウエーハの深い位置に形成することはできないため、表層デバイス領域の厚さを厚くすることが困難である。また形成したシリコン酸化膜は緻密な構造とはなっておらず、SOIウエーハをデバイス作製用ウエーハとして使う場合の最大のメリットである完全な絶縁耐圧が得られ難いという欠点がある。その点、後者の貼り合わせ法では、シリコン酸化膜を熱酸化により形成できるため、緻密な膜質のシリコン酸化膜が得られ、また表層デバイス領域の厚さの設計は、貼り合わせた後の研磨量等で制御できるため自由度が高いという利点がある。
一方、デバイス動作に悪影響のある金属不純物は、シリコン単結晶ウエーハを電子デバイス作製用基板として用いる場合に問題とされており、その金属不純物の除去技術としてのゲッタリング方法も様々な方法にて開発が進められてきている。これら金属不純物のデバイスに与える影響については、SOIウエーハを電子デバイス作製用基板として用いる場合に特に問題であり、様々な工夫が施されている。具体的には、後に作製される電子デバイスは表層であるSOI層に形成されるため、このSOI層中の金属不純物を除去するため、SOI層の下部、絶縁酸化膜中、絶縁酸化膜直下、絶縁酸化膜下の基板層全体、SOIウエーハの裏面全体などに、単結晶シリコン基板のゲッタリング技術として培われたあらゆる手法が適用されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
しかし近年、酸化膜中の金属の物性が明らかになってきており、従来の手法ではSOIウエーハを電子デバイス用基板として使用する際に問題となる金属不純物除去の立場において、全く対処できない場合があることがわかってきた。
一般にゲッタリングは偏析型と緩和型の二つの機構で分類されるが、原理的にどちらも低温保持あるいは徐冷でゲッタリングが進行するため、高温でのゲッタリング効果は全く無いか、たとえ存在しても低温保持より低い。このゲッタリング機構を勘案するに、SOIウエーハの場合、埋め込み酸化膜を挟んでSOI層と基板層が存在しているため、金属不純物が、この埋め込み酸化膜を通過できるかどうかがまず問題となる。その通過の可能性は各金属不純物の物性によって決定されるが、大まかには高温では通過できるものの低温では通過できないものが多い。このため、高温保持で汚染され、酸化膜を通過してSOIウエーハ全体に金属不純物が均一に広がったのち、ゲッタリングのための低温保持を行なったとしても、酸化膜を挟んでゲッター層の存在する側の金属不純物のみがゲッター層で捕獲できるに過ぎない。具体例を上げれば、ゲッター層が埋め込み酸化膜を挟んでSOI層とは反対側、すなわち基板層側に位置している場合、高温でSOI層からゲッター層のある基板層側へ移動した分の不純物は低温保持で捕獲できるが、SOI層側の不純物濃度を低減することはできない。つまり、高温で不純物がSOIウエーハ全体に広がり薄まった分の濃度低減効果しか結果的に得られず、その低減幅はゲッター層の有無に関係ないことになる。その原因は、上述したように、ゲッタリングのための低温保持では、多くの不純物が酸化膜を通過できないことに起因している。
これらの事情から、通常考えうるSOIウエーハへの不純物の混入は、SOI層に形成される電子デバイスの特性を著しく悪化させることになり、問題である。またこのことは、SOIウエーハの二つの製法、つまりSIMOX法と貼り合わせ法のどちらにも共通する問題である。
一方、SOI層にゲッター層を設ける技術が開示されている(例えば、特許文献1,2等参照)。
具体的には、特許文献1に開示された方法では、先ず、サンドブラスト、イオン打ち込み等を行って、ボンドウエーハの鏡面研磨面にミクロクラックを含む微小欠陥を発生させる。次に、熱処理を行って前記微小欠陥の部分に熱酸化誘起積層欠陥(OSF)を導入する。次に、その表面に酸化膜を形成し、これを、ベースウエーハと貼り合わせている。そして、これにより、SOI層にゲッター層となるOSF層を設けている。さらに、この方法では、イオン打ち込み等の後の熱処理によりOSFを形成するので、ボンドウエーハ表面の面粗さが悪化してしまう。このため、それを平滑化するために鏡面研磨を行うことが良いとされている。しかしながら、このように、OSF層を研磨により平滑化すると、研磨代のバラツキによりOSF層厚にバラツキが生じ易い。このため、作製されるSOIウエーハのゲッタリング能力に面内バラツキが生じることとなる。
また、特許文献2では、リンイオンやシリコンイオンを注入した層をSOI層低部のゲッター層として利用する技術が開示されている。そして、この場合、貼り合わせ界面は、SOI層と埋め込み酸化膜の間にくるとされている。しかしながら、このように、貼り合わせ界面がSOI層と埋め込み酸化膜の間にくるようにすると、ボンドウエーハとベースウエーハの貼り合わせの際に、雰囲気中から貼り合わせ界面にボロンやその他の汚染物が取り込まれ、SOI層に形成するデバイス特性に悪影響を与える。特に、ボロンのようなドーパント系の汚染物の場合、SOI層に拡散して抵抗率に変化をもたらす。
さらに、特許文献1,2のいずれの貼り合わせSOIウエーハでも、結合面自体に予めゲッター層としての結晶欠陥層があるので、貼り合わせ自体が困難で、結合面にボイドが多発するという問題もあった。
特開平4−116816号公報 特開平6−163862号公報 特開平8−293589号公報 特開平5−235007号公報 特開平9−326396号公報
本発明はこのような問題に鑑みてなされたもので、混入した金属不純物をSOI層の表層近傍から均一かつ効率的に除く能力を持つとともに、結合強度も高くボイドが発生しない高品質の貼り合わせSOIウエーハを製造する方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、少なくとも、ボンドウエーハとベースウエーハとを貼り合わせ、前記ボンドウエーハを減厚することによって、ベースウエーハの上部に、埋め込み酸化膜、SOI層を順次有する貼り合わせSOIウエーハを製造する方法において、
シリコン単結晶ウエーハの一方の表面から酸素イオンを注入して、該シリコン単結晶ウエーハの内部に酸素イオン注入層を形成する工程と、
前記シリコン単結晶ウエーハを熱酸化することにより、少なくとも酸素イオンを注入した表面から酸素イオン注入層までにシリコン酸化膜を形成する工程と、
前記シリコン酸化膜を形成したシリコン単結晶ウエーハをボンドウエーハとし、該シリコン酸化膜を介してベースウエーハと貼り合わせる工程と、
前記貼り合わせたボンドウエーハとベースウエーハに熱処理を加えて、ボンドウエーハとベースウエーハとを強固に結合する工程と、
前記ボンドウエーハを減厚してSOI層を形成し、ベースウエーハの上部に、埋め込み酸化膜、SOI層を順次有するSOIウエーハとする工程と
を有することを特徴とする貼り合わせSOIウエーハの製造方法を提供する(請求項1)。
シリコン単結晶ウエーハの表面から酸素イオンを注入すると、酸素イオン注入層よりも内部の領域(より深い領域)に、転位ループや積層欠陥などの結晶欠陥層(二次欠陥層)が形成され、一方、表面には欠陥が形成されにくい。また、酸素イオン注入により形成された結晶欠陥層は、厚さのバラツキが少ない。そこで、本発明では、上記方法により貼り合わせSOIウエーハを製造することで、この厚さのバラツキの少ない結晶欠陥層を、SOI層に配置して、ゲッター層として利用する。このゲッター層は、ゲッタリング能力の面内バラツキが少ない。一方、貼り合わせ界面は欠陥層とならないので良好な結合ができる。また、貼り合わせ界面は、基板層側にくるので、貼り合わせの際に取り込まれる不純物によるデバイスへの影響を排除することもできる。このため、製造したSOIウエーハは、混入した金属不純物をSOI層の表層近傍から均一かつ効率的に除く能力を持つとともに、結合面にボイドもなく高品質のSOIウエーハとすることができる。
また、本発明は、少なくとも、ボンドウエーハとベースウエーハとを貼り合わせ、前記ボンドウエーハを減厚することによって、ベースウエーハの上部に、埋め込み酸化膜、SOI層を順次有する貼り合わせSOIウエーハを製造する方法において、
シリコン単結晶ウエーハの一方の表面から酸素イオンを注入して、該シリコン単結晶ウエーハの内部に酸素イオン注入層を形成する工程と、
前記シリコン単結晶ウエーハを熱処理することにより、酸素イオン注入層をシリコン酸化膜に変質させて、少なくともシリコン酸化膜層上にシリコン単結晶層を有する構造のウエーハを形成する工程と、
前記構造のウエーハをボンドウエーハとし、前記酸素イオン注入側の表面を介してベースウエーハと貼り合わせる工程と、
前記貼り合わせたボンドウエーハとベースウエーハに熱処理を加えて、ボンドウエーハとベースウエーハとを強固に結合する工程と、
前記ボンドウエーハを減厚してSOI層を形成し、ベースウエーハの上部に、埋め込み酸化膜、SOI層を順次有するSOIウエーハとする工程と
を有することを特徴とする貼り合わせSOIウエーハの製造方法を提供する(請求項2)。
酸素イオン注入の際に注入層より深い位置に生じる結晶欠陥層をSOI層中に配置したSOIウエーハを製造するためには、このように、熱処理を加えて酸素イオン注入層をシリコン酸化膜に変質させた後(すなわち、SIMOXウエーハとした後)、この酸素イオン注入側の表面をベースウエーハと貼り合わせるようにして製造しても良い。これにより、厚さのバラツキが少ない結晶欠陥層をSOI層側にすることができるとともに、良好な貼り合わせができる。
この場合、前記ボンドウエーハとベースウエーハを貼り合わせる前に、前記ボンドウエーハの貼り合わせるべき表面を研磨するのが好ましい(請求項3)。
例えば、熱処理によってボンドウエーハの貼り合わせるべき表面の面状態が悪化した場合などには、このように、研磨によって表面の面状態を修正するのが良い。これにより、ボンドウエーハとベースウエーハの結合不良の発生を一層低減することができる。
また、前記ボンドウエーハとベースウエーハを貼り合わせる前に、前記ボンドウエーハを熱酸化することによりシリコン単結晶層の少なくとも一部をシリコン酸化膜に変えるのが好ましい(請求項4)。
このように、貼り合わせ前にボンドウエーハを熱酸化することにより、シリコン単結晶層の少なくとも一部を緻密で高品質なシリコン酸化膜に変えることができる。そして、本発明では、この緻密で高品質なシリコン酸化膜を、SOIウエーハの埋め込み酸化膜の少なくとも一部とするので、十分な絶縁耐圧を得ることができる。
また、本発明の貼り合わせSOIウエーハの製造方法では、前記ベースウエーハを、シリコン単結晶ウエーハとすることができる(請求項5)。
近年、シリコン単結晶ウエーハをベースウエーハとして用いたSOIウエーハの需要が増すなか、SOIウエーハに、混入した金属不純物をSOI層の表層近傍から除く能力を付与することが求められている。本発明の製造方法によれば、このような要求を満たすSOIウエーハを製造することができる。
また、本発明の貼り合わせSOIウエーハの製造方法では、前記ベースウエーハとして、表面にシリコン酸化膜を形成したシリコン単結晶ウエーハ又はSOIウエーハを用いることで、前記製造するSOIウエーハを、前記埋め込み酸化膜及びSOI層の下に、さらに、第二の埋め込み酸化膜と該2つの埋め込み酸化膜の間に挟まれたシリコン単結晶を有するものとすることができる(請求項6)。
このように埋め込み酸化膜及びSOI層の下に、さらに、第二の埋め込み酸化膜と該2つの埋め込み酸化膜の間に挟まれたシリコン単結晶を有する構造であれば、最表面のSOI層はイオン注入によるゲッタリング層を有するため高いゲッタリング能力を有するとともに、その下部の2つの埋め込み酸化膜に挟まれたシリコン単結晶層をデバイスの一部として利用することができるので、デバイス設計の自由度が広がり、より高機能で複雑なデバイス構造が可能となる。尚、ベースウエーハとして用いるSOIウエーハは、SIMOXウエーハ、貼り合わせSOIウエーハのどちらを用いても良い。
さらに、本発明は、少なくとも、ベースウエーハの上部に、埋め込み酸化膜、SOI層を順次有する貼り合わせSOIウエーハであって、前記埋め込み酸化膜の全部又は一部が、イオン注入された酸素を含み、前記SOI層は、酸素イオン注入により生じた結晶欠陥層を有するものであることを特徴とする貼り合わせSOIウエーハを提供する(請求項7)。
本発明の貼り合わせSOIウエーハはSOI層に酸素イオン注入で生じた結晶欠陥層を有する。この酸素イオン注入により生じた結晶欠陥層は、ゲッター層として働き、ゲッタリング能力の面内バラツキが少ない。このため、本発明の貼り合わせSOIウエーハは、混入した金属不純物をSOI層の表層近傍から均一かつ効率良く除く能力をもつ。また、結晶欠陥層が貼り合わせ界面とはならないので、ボイドのない良好な結合がされたものとなる。さらに、貼り合わせ界面をベースウエーハ側に形成するので、貼り合わせの際に貼り合わせ界面に取り込まれる不純物によるデバイスへの影響を排除できる。
また、本発明の貼り合わせSOIウエーハでは、前記SOI層は、埋め込み酸化膜に接する領域に酸素イオン注入により生じた結晶欠陥層を有するものであるのが好ましい(請求項8)。
このように、SOI層の埋め込み酸化膜に接する領域に結晶欠陥層を有するものであれば、SOI層の素子形成領域を広くとることができる。
また、本発明の貼り合わせSOIウエーハでは、前記埋め込み酸化膜及びSOI層の下に、さらに、第2の埋め込み酸化膜と、該2つの埋め込み酸化膜の間に挟まれたシリコン単結晶層とを有するものとすることができる(請求項9)。
貼り合わせSOIウエーハが、このように、埋め込み酸化膜及びSOI層の下に、さらに、第2の埋め込み酸化膜と、該2つの埋め込み酸化膜の間に挟まれたシリコン単結晶層とを有する構造であれば、最表面のSOI層に加えて、2つの酸化膜に挟まれたシリコン単結晶層もデバイス層の一部として利用することができるので、デバイス設計の自由度が広がり、より高機能で複雑なデバイス構造が可能となる。
以上説明したように、本発明の製造方法によれば、酸素イオン注入により生じた厚さのバラツキが少ない結晶欠陥層を、SOI層中に配置してゲッター層として利用するとともに、結合面をベースウエーハ側に設けることで、混入した金属不純物をSOI層の表層近傍から均一かつ効率的に除く能力を持つとともに、ボイドのない良好な結合面を有する高品質な貼り合わせSOIウエーハを製造することができる。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
SOIウエーハ内の金属不純物はSOI層の表層近傍に存在することが問題であり、その他の部位に存在する限りにおいては、デバイス動作にさほど悪影響を及ぼさない。
本発明者らは、この点を考慮し、SOI層の表層から不純物を直接的に除去し、しかも安定に存在させる手段を見出すべく検討を重ねた。
その結果、本発明者らは、SOI層の下部で、かつ埋め込み酸化膜上部に、酸素イオン注入した際に生じる歪み層等の結晶欠陥層を配置し、これをゲッター層として利用することで、SOI層の表層から不純物を除去し、しかも安定に存在させることができることに想到し、本発明を完成させた。
ここで、図1に本発明の貼り合わせSOIウエーハの一例を示す。
この貼り合わせSOIウエーハ10は、ベースウエーハ11の上部に、埋め込み酸化膜12、SOI層13を順次有する。そして、埋め込み酸化膜12の全部又は一部が、イオン注入された酸素を含み、SOI層13は、酸素イオン注入により生じた結晶欠陥層14を有する。この結晶欠陥層14は、ゲッター層として働き、SOI層に混入した金属不純物を、酸化膜を介することなく直接SOI層の表層近傍から除去することができる。しかも、このゲッター層は酸素イオン注入により生じたものであるから、厚さのバラツキが少なく、ゲッタリング能力の面内バラツキが少ないとともに、リン拡散やサンドブラスト等によるゲッター層のように不純物を一切含有しないという利点もある。しかも、結合面は、ベースウエーハ側であるから、貼り合わせの際に貼り合わせ界面に取り込まれる不純物によるデバイスへの影響も排除することができる。
また、図1に示されているようにSOI層13は、埋め込み酸化膜12に接する領域に酸素イオン注入により生じた結晶欠陥層14を有する。このため、SOI層13の素子形成領域を広くとることができる。
尚、図1では、結合面が、埋め込み酸化膜12とベースウエーハ11の界面にくる態様を例示したが、後述のように、本発明では、貼り合わせ界面が、埋め込み酸化膜ではなく、その下にシリコン単結晶層があり、これとベースウエーハの界面にくる態様もあり得る。
このような貼り合わせSOIウエーハは、ゲッター層としての欠陥層が貼り合わせ界面とはならないので、結合力が強く、ボイドの発生も生じ難い。
そして、このような貼り合わせSOIウエーハを製造する方法としては、例えば以下に説明する3つの方法を挙げることができる。
最初に、第1の方法について、図2を参照して説明する。
先ず、シリコン単結晶ウエーハ20の一方の表面から酸素イオンを注入して、シリコン単結晶ウエーハ20の内部に酸素イオン注入層21を形成する(図2(a)参照)。
この時、酸素イオン注入層21よりも内部の領域には、転位ループや積層欠陥などの結晶欠陥層(二次欠陥層)22が形成される。
次に、シリコン単結晶ウエーハ20を熱酸化することにより、酸素イオンを注入した表面から酸素イオン注入層21までにシリコン酸化膜23を形成する(図2(b)参照)。
このように、熱酸化することにより、緻密で高品質なシリコン酸化膜を形成することができる。そして、本発明では、この緻密で高品質なシリコン酸化膜を、SOIウエーハの埋め込み酸化膜とするので、十分な絶縁耐圧を得ることができる。
そして、シリコン酸化膜23を形成したシリコン単結晶ウエーハをボンドウエーハ24とし、シリコン酸化膜23を介してベースウエーハ25と貼り合わせる(図2(c)参照)。
この時、結合面は、埋め込み酸化膜23とベースウエーハ36の界面になる。
次に、貼り合わせたボンドウエーハ24とベースウエーハ25に熱処理を加えて、ボンドウエーハ24とベースウエーハ25とを強固に結合する(図2(d)参照)。
そして、最後に、ボンドウエーハ24を減厚してSOI層26を形成し、ベースウエーハ25の上部に、埋め込み酸化膜23、SOI層26を順次有するSOIウエーハ27とする(図2(e)参照)。尚、ボンドウエーハ24を減厚する方法としては、例えば、研削・研磨による方法や、イオン注入剥離法(スマートカット法と呼ばれる)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記方法で製造することで、結晶欠陥層22を、SOI層26の中の下部に配置して、ゲッター層として利用することができる。このため、製造したSOIウエーハ27は、SOI層に混入した金属不純物をSOI層の表層近傍から直接除く能力を持つ。
尚、ボンドウエーハ24とベースウエーハ25を貼り合せる際に(図2(c)参照)、ベースウエーハとして、SOIウエーハを用いるようにしても良い。これにより、図7に示す構造のSOIウエーハ70を製造することができる。すなわち、このSOIウエーハ70は、ベースウエーハ71として、SOIウエーハを用いたために、埋め込み酸化膜74及びSOI層75の下に、さらに、第2の埋め込み酸化膜72と、2つの埋め込み酸化膜74、72の間に挟まれたシリコン単結晶層73とを有する構造となる(図7参照)。このような構造であれば、最表面のSOI層75はイオン注入による結晶欠陥層76を有するため高いゲッタリング能力を有するとともに、その下部の2つの埋め込み酸化膜74,72に挟まれたシリコン単結晶層73をデバイスの一部として利用することができるので、デバイス設計の自由度が広がり、より高機能で複雑なデバイス構造が可能となる。この時、ベースウエーハとして用いるSOIウエーハは、SIMOXウエーハ、貼り合わせSOIウエーハのどちらでも良い。
次に、第2の方法について、図3を参照して説明する。
先ず、シリコン単結晶ウエーハ30の一方の表面から酸素イオンを注入して、シリコン単結晶ウエーハ30の内部に酸素イオン注入層31を形成する(図3(a)参照)。
この時、酸素イオン注入層31よりも内部の領域には、転位ループや積層欠陥などの結晶欠陥層32が形成される。
次に、シリコン単結晶ウエーハ30を熱処理することにより、酸素イオン注入層31をシリコン酸化膜に変質させて、シリコン酸化膜層33上にシリコン単結晶層34を有する構造のウエーハ(SIMOXウエーハ)を形成する(図3(b)参照)。この際、熱処理を酸化性雰囲気で行うとウエーハ30の表面にも酸化膜が形成される。
次に、前記構造のウエーハを、表面に酸化膜が形成されている場合にはこれを除去した後、裏返してボンドウエーハ35とし、酸素イオン注入側の表面を介してベースウエーハ36と貼り合わせる(図3(c)参照)。
この時、結合面は、シリコン酸化膜層33(埋め込み酸化膜)ではなく、その下のシリコン単結晶層34の表面とベースウエーハ36の表面になる。
次に、貼り合わせたボンドウエーハ35とベースウエーハ36に熱処理を加えて、ボンドウエーハ35とベースウエーハ36とを強固に結合する(図3(d)参照)。
そして、最後に、結合面とは反対側の表面からボンドウエーハ35を減厚してSOI層37を形成し、ベースウエーハ36の上部に、埋め込み酸化膜33、SOI層37を順次有するSOIウエーハ38とすることができる。
尚、図3(c)では、ボンドウエーハ35の表面に酸化膜が形成されていないもの若しくは表面に形成された酸化膜を除去したものを用いて貼り合わせる例を示したが、酸化膜が形成されたボンドウエーハを用いて貼り合わせることもできる。この場合、最終的に形成されるSOIウエーハの構造は、図3(e)のSOIウエーハの結合面にさらに酸化膜を介在させた構造となる。この構造は、結合面の位置こそ異なるが、後述の図8の酸化膜87を除去した構造と同様である。
あるいは、ベースウエーハとして、表面にシリコン酸化膜を形成したシリコン単結晶ウエーハ又はSOIウエーハを用いることもできる。
表面にシリコン酸化膜を形成したシリコン単結晶ウエーハをベースウエーハとして用いた場合、図8に示す構造の貼り合わせSOIウエーハ80を得ることができる。すなわち、得られる貼り合わせSOIウエーハ80は、ベースウエーハ81として表面にシリコン酸化膜を形成したシリコン単結晶ウエーハを用いたために、埋め込み酸化膜84及びSOI層85の下に、さらに、第2の埋め込み酸化膜82と、2つの埋め込み酸化膜84、82の間に挟まれたシリコン単結晶層83とを有する構造となる。さらに、このSOIウエーハ80は、ベースウエーハ80の下部にも酸化膜87を有する。尚、この酸化膜87は除去することもできる。
一方、ベースウエーハとして、SOIウエーハを用いた場合、図9に示す貼り合わせSOIウエーハ90を得ることができる。すなわち、得られる貼り合わせSOIウエーハ90は、ベースウエーハ91としてSOIウエーハを用いたために、埋め込み酸化膜94及びSOI層95の下に、さらに、第2の埋め込み酸化膜92と、2つの埋め込み酸化膜94、92の間に挟まれたシリコン単結晶層93とを有する構造となる。
次に、第3の方法について、図4を参照して説明する。この第3の方法は、大部分の工程が上記第2の方法と共通している。
先ず、シリコン単結晶ウエーハ40の一方の表面から酸素イオンを注入して、シリコン単結晶ウエーハ40の内部に酸素イオン注入層41を形成する(図4(a)参照)。
この時、酸素イオン注入層41よりも内部の領域には、転位ループや積層欠陥などの結晶欠陥層42が形成される。
次に、シリコン単結晶ウエーハ40を熱処理することにより、酸素イオン注入層41をシリコン酸化膜に変質させて、シリコン酸化膜層43上にシリコン単結晶層44を有する構造のウエーハ(SIMOXウエーハ)を形成する(図4(b)参照)。
ここまでの工程は、上記第2の方法と共通である。
次に、このウエーハをボンドウエーハ45とし、酸素イオン注入側の表面を介してベースウエーハ46と貼り合わせる(図4(c)参照)。
この時、ボンドウエーハ45をそのまま裏返して貼り合わせるのではなく、ボンドウエーハ45とベースウエーハ46を貼り合わせる前に、ボンドウエーハ45の貼り合わせるべき表面を研磨またはエッチングによりシリコン単結晶層44を除去してシリコン酸化膜層43を露出させる。あるいは、シリコン単結晶層44が残る様に研磨を行っても良い。この研磨によって表面の面状態を修正することができ、このため、ボンドウエーハとベースウエーハの結合不良の発生を一層低減することができる。
さらに、ボンドウエーハ45とベースウエーハ46を貼り合わせる前に、ボンドウエーハ45を熱酸化することによりシリコン単結晶層44の少なくとも一部をシリコン酸化膜に変える。これにより、緻密で高品質なシリコン酸化膜を得ることができる。そして、この緻密で高品質なシリコン酸化膜を、SOIウエーハの埋め込み酸化膜の少なくとも一部とするので、十分な絶縁耐圧を得ることができる。
この時、貼り合わせ界面は、埋め込み酸化膜43とベースウエーハ46の界面になる。
そして、以下の工程は、上記第2の方法と同様である。
すなわち、貼り合わせたボンドウエーハ45とベースウエーハ46に熱処理を加えて、ボンドウエーハ45とベースウエーハ46とを強固に結合する(図4(d)参照)。
そして、最後に、ボンドウエーハ45を減厚してSOI層47を形成し、ベースウエーハ46の上部に、埋め込み酸化膜43、SOI層47を順次有するSOIウエーハ48とすることができる(図4(e)参照)。
尚、ボンドウエーハ45とベースウエーハ46を貼り合せる際に(図4(c)参照)、ベースウエーハとして、SOIウエーハを用いることで、図7に示す構造の貼り合わせSOIウエーハを得ることができる。
上記いずれの方法で貼り合わせSOIウエーハを製造しても、SOI層の下部には、酸素イオン注入により生じた、厚さのバラツキが少ない結晶欠陥層が形成される。この結晶欠陥層は、SOI層の表層近傍の極近くであるので、デバイスプロセスが低温短時間だった場合にもその役割を十分に果たし、混入した金属不純物をSOI層の表層近傍から均一かつ直接的に除去することができる。
また、貼り合わせ界面に欠陥層があるわけではないので、結合力も十分なものとなる。
さらに、貼り合わせ界面をベースウエーハ側に形成するので、貼り合わせの際に貼り合わせ界面から不純物が取り込まれたとしても、SOI層への影響は少ない。
ここで、酸素イオン注入により生じた結晶欠陥層のゲッタリング層としての効果等を確認するために次の実験を行った。
(実験)
直径200mmでSOI層/埋め込み酸化膜/基板層がそれぞれ70nm/150nm/725μmの厚さを有する2種類のSOIウエーハA,Bを用意した。
SOIウエーハAは、埋め込み酸化膜/基板層(ベースウエーハ)の界面に貼り合わせ界面を有し、基板層(ベースウエーハ)の内部に1×10個/cmのBMDを有する貼り合わせSOIウエーハである。
一方、SOIウエーハBは、シリコン単結晶ウエーハの表面から酸素イオンを注入して酸素イオン注入層を形成した後、これに熱処理を加えて酸素イオン注入層をシリコン酸化膜に変質させたSOIウエーハ(すなわち、SIMOXウエーハ)であり、基板層側の裏面にはゲッター層として約0.5μmのポリシリコン層が形成されている。
これらのSOIウエーハA,Bに、故意汚染不純物としてCuを含有する溶液をSOI層の表面に塗布し(汚染濃度は約9×1013/cm)、その後、950℃で3時間+1000℃で2時間の熱処理による押し込み拡散を行い、室温まで冷却した。そして、SIMS(2次イオン質量分析装置)によりSOI層の表面から深さ方向にCuの濃度分布を測定した。その結果を図5(a)に示す。また、図5(b)は、SOIウエーハBについて、基板層側の裏面から、深さ方向にCuの濃度分布を測定した結果である。
図5(a)によれば、SOIウエーハBの場合、埋め込み酸化膜と接する基板層の領域、すなわち表面から約200nm〜350nm程度の領域にCu濃度のピークが見られる。図5(a)と(b)を比較してみると、このピーク濃度は、SOIウエーハBの裏面に形成したポリシリコン層のCuのピーク濃度とほぼ一致していることがわかる。すなわち、酸素イオン注入層よりも内部に強いゲッタリング力を有する領域が形成されていることが実証されたことになる。
一方、図5(a)を見ると、SOIウエーハAの場合、基板層にゲッタリングサイトとしてのBMDが形成されているにもかかわらず、基板層では、Cuがほとんど検出されないことがわかる。これは、基板層の貼り合わせ界面近傍の数μmの領域は、通常の場合、無欠陥層が形成されており、その部分にはゲッタリングサイトとなるBMDが存在しないためである。
また、図5(a)によれば、SOI層中にはいずれのウエーハともにCuが1×1016〜1×1017/cm程度の濃度で残存していることがわかる。すなわち、基板層側にゲッター層があっても、SOI層中のCuは、埋め込み酸化膜を通過してゲッタリングされないことを示している。すなわち、SOI層の重金属をゲッタリング除去するためには、基板層にではなく、SOI層中にゲッター層を有することが必要であることが判る。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
直径200mm 、結晶方位<100>のシリコン単結晶ウエーハを2枚用意し、図3に示した前述の第2の方法で、SOIウエーハを製造した。具体的には、シリコン単結晶ウエーハに、エネルギーが180keV、ドーズ量が4×1017cm-2で酸素イオン注入をして、シリコン単結晶ウエーハの内部に酸素イオン注入層を形成した(図3(a)参照)。この時、酸素イオン注入層より深い位置に結晶欠陥層が形成される。
次に、このシリコン単結晶ウエーハを1350℃で4時間熱処理することにより、酸素イオン注入層をシリコン酸化膜に変質させて、初期材料のSIMOXウエーハを作製した(図3(b)参照)。
これらの工程で、形成されたシリコン酸化膜の厚さは80nmであった。
次に、このシリコン単結晶ウエーハをボンドウエーハとし、酸素イオン注入側の表面をベースウエーハであるシリコン単結晶ウエーハと貼合せた(図3(c)参照)。
次に、このシリコン単結晶ウエーハに結合熱処理を加えて、ボンドウエーハとベースウエーハを強固に結合した(図3(d)参照)。
そして、最後に、結合面とは反対側の表面からボンドウエーハを研削・研磨により減厚して、1.5μmの層厚のSOI層を形成し、貼り合わせSOIウエーハとした(図3(e)参照)。
これにより、SOI層側に、酸素イオン注入した際に生じる歪み層等の結晶欠陥層を配置した。
次に、SOI層の表面に、Feを1012atoms/cm2で塗布し、1000℃、1時間で押込み拡散、600℃、20分の捕獲熱処理を施した。そして、SOIウエーハのFe濃度を測定したところ、SOI層の表層近傍にFeが全く検出されなかった。
また、このSOIウエーハのSOI層をTEM(Transmission Electron Microscope)で観察したところ、SOI層の下部に、転位ループ、積層欠陥が高密度に存在する結晶欠陥層があることが確認できた。
(比較例1)
実施例1と同一条件で作製したSIMOXウエーハをボンドウエーハとし、このボンドウエーハの裏面を研削・研磨により減厚した後、ベースウエーハと貼り合わせ、実施例1と同一の結合熱処理によりボンドウエーハとベースウエーハを強固に結合した(図6参照)。これにより、実施例1と同一の熱処理プロセスにてSOIウエーハを作製することができた。
実施例1のSOIウエーハとの差違は、結晶欠陥層の位置であり、実施例1では埋め込み酸化膜を挟んでSOI層側に配置されているのに対して、この比較例1ではベースウエーハ側に配置されている。
次に、実施例1と同様に、SOI層の表面に、Feを1012atoms/cm2で塗布し、1000℃、1時間で押込み拡散、600℃、20分の捕獲熱処理を施した。そして、SOIウエーハのFe濃度を測定したところ、SOI層の表層近傍で1013atoms/cm3のFeが検出された。
以上のことから、実施例1の方法で製造した貼り合わせSOIウエーハは、比較例に対し、著しく高いゲッタリング能力を有していることが判る。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
例えば、上記実施例では、ベースウエーハとしてシリコン単結晶ウエーハを用いて貼り合わせSOIウエーハを作製する場合を中心に説明したが、本発明の製造方法は、ベースウエーハとして、石英、炭化珪素、窒化珪素、アルミナ、サファイヤ、その他のセラミックス材のような絶縁基板とを貼り合わせる場合にも用いることができる。
本発明の貼り合わせSOIウエーハの一例を示す概略断面図である。 本発明の貼り合わせSOIウエーハの製造方法の一例(第1の方法)を示す説明図である。 本発明の貼り合わせSOIウエーハの製造方法の一例(第2の方法)を示す説明図である(実施例1)。 本発明の貼り合わせSOIウエーハの製造方法の一例(第3の方法)を示す説明図である。 SOIウエーハA,Bについて、Cuの濃度分布を測定した結果を示すグラフである。(a)表面側からの濃度分布、(b)裏面側からの濃度分布。 貼り合わせSOIウエーハの製造方法の一例を示す説明図である(比較例1)。 本発明の貼り合わせSOIウエーハの第2の例を示す概略断面図である。 本発明の貼り合わせSOIウエーハの第3の例を示す概略断面図である。 本発明の貼り合わせSOIウエーハの第4の例を示す概略断面図である。
符号の説明
10…SOIウエーハ、 11…ベースウエーハ、 12…埋め込み酸化膜、
13…SOI層、 14…結晶欠陥層、
20…シリコン単結晶ウエーハ、 21…酸素イオン注入層、 22…結晶欠陥層、
23…シリコン酸化膜(埋め込み酸化膜)、 24…ボンドウエーハ、
25…ベースウエーハ、 26…SOI層、 27…SOIウエーハ、
30…シリコン単結晶ウエーハ、 31…酸素イオン注入層、 32…結晶欠陥層、
33…シリコン酸化膜層(埋め込み酸化膜)、 34…シリコン単結晶層、
35…ボンドウエーハ、
36…ベースウエーハ、 37…SOI層、 38…SOIウエーハ、
40…シリコン単結晶ウエーハ、 41…酸素イオン注入層、 42…結晶欠陥層、
43…シリコン酸化膜層、 44…シリコン単結晶層、 45…ボンドウエーハ、
46…ベースウエーハ、 47…SOI層、 48…SOIウエーハ
70、80、90…SOIウエーハ、 71、81、91…ベースウエーハ、
72、82、82…第2の埋め込み酸化膜、 73、83、93…シリコン単結晶層、
74、84、94…埋め込み酸化膜、 75、85、95…SOI層、
76、86、96…結晶欠陥層、 87…酸化膜。

Claims (9)

  1. 少なくとも、ボンドウエーハとベースウエーハとを貼り合わせ、前記ボンドウエーハを減厚することによって、ベースウエーハの上部に、埋め込み酸化膜、SOI層を順次有する貼り合わせSOIウエーハを製造する方法において、
    シリコン単結晶ウエーハの一方の表面から酸素イオンを注入して、該シリコン単結晶ウエーハの内部に酸素イオン注入層を形成する工程と、
    前記シリコン単結晶ウエーハを熱酸化することにより、少なくとも酸素イオンを注入した表面から酸素イオン注入層までにシリコン酸化膜を形成する工程と、
    前記シリコン酸化膜を形成したシリコン単結晶ウエーハをボンドウエーハとし、該シリコン酸化膜を介してベースウエーハと貼り合わせる工程と、
    前記貼り合わせたボンドウエーハとベースウエーハに熱処理を加えて、ボンドウエーハとベースウエーハとを強固に結合する工程と、
    前記ボンドウエーハを減厚してSOI層を形成し、ベースウエーハの上部に、埋め込み酸化膜、SOI層を順次有するSOIウエーハとする工程と
    を有することを特徴とする貼り合わせSOIウエーハの製造方法。
  2. 少なくとも、ボンドウエーハとベースウエーハとを貼り合わせ、前記ボンドウエーハを減厚することによって、ベースウエーハの上部に、埋め込み酸化膜、SOI層を順次有する貼り合わせSOIウエーハを製造する方法において、
    シリコン単結晶ウエーハの一方の表面から酸素イオンを注入して、該シリコン単結晶ウエーハの内部に酸素イオン注入層を形成する工程と、
    前記シリコン単結晶ウエーハを熱処理することにより、酸素イオン注入層をシリコン酸化膜に変質させて、少なくともシリコン酸化膜層上にシリコン単結晶層を有する構造のウエーハを形成する工程と、
    前記構造のウエーハをボンドウエーハとし、前記酸素イオン注入側の表面を介してベースウエーハと貼り合わせる工程と、
    前記貼り合わせたボンドウエーハとベースウエーハに熱処理を加えて、ボンドウエーハとベースウエーハとを強固に結合する工程と、
    前記ボンドウエーハを減厚してSOI層を形成し、ベースウエーハの上部に、埋め込み酸化膜、SOI層を順次有するSOIウエーハとする工程と
    を有することを特徴とする貼り合わせSOIウエーハの製造方法。
  3. 前記ボンドウエーハとベースウエーハを貼り合わせる前に、前記ボンドウエーハの貼り合わせるべき表面を研磨することを特徴とする請求項2に記載の貼り合わせSOIウエーハの製造方法。
  4. 前記ボンドウエーハとベースウエーハを貼り合わせる前に、前記ボンドウエーハを熱酸化することによりシリコン単結晶層の少なくとも一部をシリコン酸化膜に変えることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の貼り合わせウエーハの製造方法。
  5. 前記ベースウエーハを、シリコン単結晶ウエーハとすることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の貼り合わせSOIウエーハの製造方法。
  6. 前記ベースウエーハとして、表面にシリコン酸化膜を形成したシリコン単結晶ウエーハ又はSOIウエーハを用いることで、前記製造するSOIウエーハを、前記埋め込み酸化膜及びSOI層の下に、さらに、第二の埋め込み酸化膜と該2つの埋め込み酸化膜の間に挟まれたシリコン単結晶を有するものとすることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の貼り合わせSOIウエーハの製造方法。
  7. 少なくとも、ベースウエーハの上部に、埋め込み酸化膜、SOI層を順次有する貼り合わせSOIウエーハであって、前記埋め込み酸化膜の全部又は一部が、イオン注入された酸素を含み、前記SOI層は、酸素イオン注入により生じた結晶欠陥層を有するものであることを特徴とする貼り合わせSOIウエーハ。
  8. 前記SOI層は、埋め込み酸化膜に接する領域に酸素イオン注入により生じた結晶欠陥層を有するものであることを特徴とする請求項7に記載の貼り合わせSOIウエーハ。
  9. 前記埋め込み酸化膜及びSOI層の下に、さらに、第2の埋め込み酸化膜と、該2つの埋め込み酸化膜の間に挟まれたシリコン単結晶層とを有するものであることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の貼り合わせSOIウエーハ。
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