図6乃至図8は、本発明による一実施例のTFT基板の概略構成を示す模式図である。図6は本実施例のTFT基板の特徴を説明するための平面図である。図7は図6のC−C’線断面図である。図8は図6のD−D’断面図である。なお、図7および図8の断面図は、断面であることを表すハッチングを省略している。また、図7および図8の断面図では、それぞれ1本のゲート信号線の周囲のみの断面を示している。
本実施例のTFT基板1は、図2乃至図5に示したような構成であり、透明基板100上にTFT素子がアレイ状に設けられている。また、本実施例のTFT基板1を用いた液晶表示装置は、図1に示したような構成になっている。
本実施例のTFT基板1では、たとえば、図6乃至図8に示すように、あるゲート信号線(以下、第1ゲート信号線という)1011の膜厚GLD1と、第1ゲート信号線1011とは異なる第2ゲート信号線1012の膜厚GLD2を比較したときに、GLD1<GLD2となっていることがある。このとき、第1ゲート信号線1011の幅GLW1と第2ゲート信号線1012の幅GLW2を比較すると、図7および図8に示したように、GLW1>GLW2となっている。
このとき、第1ゲート信号線1011の断面積GLD1×GLW1と、第2ゲート信号線1012の断面積GLD2×GLW2が等しければ、第1ゲート信号線1011の配線抵抗と第2ゲート電極1012の配線抵抗は等しくなる。そこで、TFT基板1上の全てのゲート信号線101に対して断面積GLD×GLWが等しくなるように各ゲート信号線101の膜厚および幅の関係を制御できれば、全てのゲート信号線101の配線抵抗を等しくすることができる。そのため、TFT基板1を用いた液晶表示装置は、画面上の画質を均一化することができる。
図9乃至図13は、本実施例のTFT基板の製造方法の一例を説明するための模式図である。図9はゲート信号線形成用の導電膜を形成する工程の平面図である。図10は図9のE−E’線断面図である。図11は従来の方法でゲート信号線を形成したときの問題点を説明する図である。図12は従来の問題点を解決する方法の一例を示す図である。図13は従来の問題点を解決するゲート信号線の形成手順を示すフロー図である。
本実施例のTFT基板1は、基本的には、従来と同様の手順で製造される。そのため、TFT基板1を製造する各工程や材料などの詳細な説明は省略し、特徴的な部分のみを説明する。
本実施例のTFT基板1を製造するときには、まず、図9および図10に示すように、ガラス基板などの透明基板100上に、ゲート電極形成用の導電膜101Zを成膜する。このとき、TFT基板1が、たとえば、パーソナル・コンピュータのディスプレイやテレビ受像器などの液晶表示装置に用いる基板であり透明基板100の面積が広いと、導電膜101Zの膜厚が、たとえば、図10に示すように、透明基板のy=0の膜厚D0からy=Yの膜厚DYへと徐々に厚くなってしまうことがある。
このとき、たとえば、従来のマスクを用いて露光する方法で導電膜101Z上にエッチングレジストを形成し、ゲート信号線101を形成すると、図11に示すように、導電膜101Zの膜厚にかかわらず、あらかじめ定められた幅GLWのゲート信号線1011,1012が形成される。そのため、導電膜の膜厚がGLD1の領域PX1のゲート信号線1011の断面積GLD1×GLWと、導電膜の膜厚がGLD2の領域PX2のゲート信号線1012の断面積GLD2×GLWが異なり、各ゲート信号線の配線抵抗にばらつきが生じる。
そこで、エッチングレジストを形成するときには、CADレイアウトデータなどの数値データに基づいてレジスト膜にパターンを直接描画する方法を用いる。パターンを直接描画する方法を用いる場合、たとえば、透明基板100上に導電膜101Zを形成した後、導電膜101Zの膜厚分布を測定し、導電膜が薄い領域はゲート信号線の幅を広くし、厚い領域は幅を狭くするように、数値データを補正する。そして、補正した数値データに基づいてパターンを描画し、エッチングレジストを形成する。このとき、数値データは、たとえば、図12に示すように、領域PX1のゲート信号線1011の幅をGLW1とし、領域PX2のゲート信号線1012の幅をGLW2とすれば、GLW1>GLW2となるように補正する。またこのとき、数値データは、たとえば、領域PX1のゲート信号線1011の断面積GLD1×GLW1と、領域PX2のゲート信号線1012の断面積GLD2×GLW2が等しくなるように補正することが好ましい。なお、図12では、2つの領域PX1,PX2のみを比較した補正の例を示しているが、実際には、導電膜101Zの全ての領域で膜厚を測定し、各領域の膜厚に応じた幅に数値データを補正する。
そして、前述のような補正をした数値データに基づいて前記導電膜101Z上にエッチングレジストを形成し、ゲート信号線1011,1012を形成すると、透明基板100上の全てのゲート信号線の断面積がほぼ等しくなり、各ゲート信号線の配線抵抗のばらつきを低減することができる。
このようなゲート信号線の形成手順をまとめると、図13に示したようになる。すなわち、まず、図13に示したように、ガラス基板100上にゲート信号線形成用の導電膜101Zを形成する(ステップ601)。次に、成膜した導電膜101Zの膜厚分布を測定する(ステップ602)。次に、導電膜101Zの膜厚分布に基づいて各ゲート信号線101の幅を決定し、描画用の数値データを補正する(ステップ603)。次に、導電膜101Z上にレジスト膜を形成し、更新した数値データを用いてパターンを描画し、現像してエッチングレジストを形成する(ステップ604)。その後、導電膜101Zをエッチングしてゲート信号線101を形成し、エッチングレジストを除去する(ステップ605)。このようにすることで、たとえば、図12に示したように透明基板100上の全てのゲート信号線の断面積をほぼ等しくすることができる。
また、図13に示したような手順でゲート信号線101を形成した後は、従来のTFT基板1の製造方法と同様の手順でTFT素子や画素電極107を形成すればよい。
以上説明したように、本実施例のTFT基板1によれば、透明基板100上の全てのゲート信号線101の断面積GLD×GLWがほぼ一定であるため、各ゲート信号線の配線抵抗のばらつきが小さい。そのため、本実施例のTFT基板1を用いた液晶表示装置は、画面上の画質のばらつきを低減することができる。
また、ゲート信号線101を、たとえば、図13に示したような手順で形成することで、従来のように、TFT基板1上の全領域で、ゲート信号線101の配線抵抗が一定値以下となるように、導電膜の膜厚を厚くしたり、ゲート信号線の幅を広くしたりする必要がなくなり、液晶表示装置の性能の低下を防げる。
また、本実施例では、たとえば、図6乃至図8に示したように、透明基板100上の異なるゲート信号線1011,1012の配線抵抗のばらつきを低減する例を示したが、これに限らず、1本のゲート信号線で膜厚にばらつきがある場合などにも、本実施例のようにすることで、配線抵抗のばらつきを低減できる。
図14乃至図17は、ゲート信号線の導電膜の膜厚のばらつきが生じる2つの領域の関係を示す模式図である。図14はデータ信号線が共通でゲート信号線が異なる場合の図である。図15はゲート信号線が共通でデータ信号線が異なる場合の図である。図16はゲート信号線およびデータ信号線がともに異なる場合の図である。図17はデータ信号線が共通でゲート電極が異なる場合の別の例を示す図である。
透明基板100上の任意の2つの領域PX1,PX2のゲート信号線の導電膜の膜厚を比較したときに、膜厚が異なる場合が生じる各領域PX1,PX2の位置関係としては、たとえば、まず、図14に示すように、データ信号線102が共通でゲート信号線1011,1012が大きく離れている位置関係が挙げられる。このとき、たとえば、透明基板100上に形成した導電膜101Zの膜厚分布がy方向でばらついていれば、領域PX1と領域PX2の膜厚が異なる。
また、その他にも、たとえば、図15に示すように、2つの領域PX1,PX2が、ゲート信号線101が共通でデータ信号線102が異なるような位置関係でも膜厚にばらつきが生じることがある。このような場合も、たとえば、図13に示したような手順で1本のゲート信号線のx方向の膜厚の変化に基づいて幅を変化させるように数値データを補正してゲート信号線101を形成することで、1本のゲート信号線内の配線抵抗のばらつきを低減できる。
また、たとえば、図16に示すように、2つの領域PX1,PX2が、ゲート信号線1011,1012およびデータ信号線102がともに異なるような位置関係でも膜厚にばらつきが生じることがある。このような場合も、たとえば、図13に示したような手順で各領域PX1,PX2の導電膜の膜厚に応じた幅に数値データを補正してゲート信号線1011,1012を形成することで、各領域PX1,PX2のゲート信号線1011,1012の配線抵抗のばらつきを低減できる。
またさらに、図14に示した例では、データ信号線102が同一でゲート信号線1011,1012が異なり、かつ、2本のゲート信号線1011,1012が大きく離れている位置関係になっているが、これに限らず、たとえば、図17に示すように、2つの領域PX1,PX2が隣接している場合でも、膜厚にばらつきが生じることがある。このような場合も、たとえば、図13に示したような手順で各領域PX1,PX2の導電膜の膜厚に応じた幅に数値データを補正してゲート信号線1011,1012を形成することで、各領域PX1,PX2のゲート信号線1011,1012の配線抵抗のばらつきを低減できる。
以上の実施例では、液晶表示装置の表示領域における任意の2箇所(2画素)のゲート信号線の導電膜の膜厚と幅の関係について説明した。
以後、前述した実施例を前提とし、液晶表示装置のある特定の3箇所のゲート信号線の導電膜の膜厚と幅の関係について説明する。
現在、液晶表示装置の表示パネルに用いられるTFT基板1や対向基板2などの基板は、たとえば、1枚のマザーガラスから2面の基板を切り出したり、4面の表示パネルを切り出したりして製造されている。
図18は、1枚のマザーガラスから2枚の基板を切り出す場合の例えばゲート信号線を構成する導電膜の膜厚分布を示す模式図である。実際には前述したように、このような導電膜を、レジスト膜を用いて所望の形状の電極に形成する。
1枚のマザーガラスから2枚の基板を切り出す、いわゆる2面取りの場合、図18に示すように、マザーガラス7に、2個の基板として切り出す領域701,702がある。この2個の領域701,702にはそれぞれ、たとえば、図2乃至図5に示したような構成のTFT基板1が形成される。そして、TFT基板1を形成した後、マザーガラス7から2個の領域701,702を切り出して、表示パネルを形成する。
このような2面取りの場合、マザーガラス7の各領域701,702に、複数本の第1配線(たとえばゲート信号線101)を形成するために、まず導電膜を成膜するが、その膜厚の分布は、たとえば、図18に示すように、マザーガラス7上の中心Pを中心とする同心円BL1,BL2,BL3,BL4で表すことができる。このとき、導電膜の膜厚は、中心Pを含む同心円BL1の内側の領域、同心円BL1の外側でありかつ同心円BL2の内側の領域、同心円BL2の外側でありかつ同心円BL3の内側の領域、同心円BL3の外側でありかつ同心円BL4の内側の領域の順に薄くなっていく。また、各領域の中でも、中心Pから遠ざかるにつれて、導電膜の膜厚はだんだんと薄くなっていく。同心円BL4の外側の領域も、中心Pから遠ざかるにつれて、導電膜の膜厚がだんだんと薄くなっていく。これは、金属を形成する際に、たとえば、ターゲットスパッタリング法により形成するためである。なお、基板上に絶縁膜をプラズマCVD法により形成する場合にも、同様の膜厚分布が見られる。
図19は、1枚のマザーガラスから4枚の基板を切り出す場合の導電膜の膜厚分布を示す模式図である。
1枚のマザーガラスから4枚の基板を切り出す、いわゆる4面取りの場合、図19に示すように、マザーガラス7に、4個の基板として切り出す領域711,712,713,714がある。この4個の領域711〜714にはそれぞれ、たとえば、図2乃至図5に示したような構成のTFT基板1が形成される。そして、TFT基板1を形成した後、マザーガラス7から4個の領域711〜714を切り出して表示パネルを形成する。
このような4面取りの場合、マザーガラス7の4個の領域711〜714に、導電膜を成膜すると、その膜厚の分布は、たとえば、図19に示すように、マザーガラス7上の中心Pを中心とする同心円BL1,BL2,BL3,BL4で表すことができる。このとき、導電膜の膜厚は、中心Pを含む同心円BL1の内側の領域、同心円BL1の外側でありかつ同心円BL2の内側の領域、同心円BL2の外側でありかつ同心円BL3の内側の領域、同心円BL3の外側でありかつ同心円BL4の内側の領域の順に薄くなっていく。また、各領域の中でも、中心Pから遠ざかるにつれて、導電膜の膜厚はだんだんと薄くなっていく。また、同心円BL4の外側の領域も、中心Pから遠ざかるにつれて、導電膜の膜厚がだんだんと薄くなっていく。
図20は、1枚のマザーガラスから6枚の基板を切り出す場合の導電膜の膜厚分布を示す模式図である。
1枚のマザーガラスから6枚の基板を切り出す、いわゆる6面取りの場合、図20に示すように、マザーガラス7に、6個の基板として切り出す領域721,722,723,724,725,726がある。この6個の領域721〜726にはそれぞれ、たとえば、図2乃至図5に示したような構成のTFT基板1が形成される。そして、TFT基板1を形成した後、マザーガラス7から6個の領域721〜726を切り出して、表示パネルを形成する。
このような6面取りの場合、マザーガラス7の6個の領域721〜726に、導電膜を成膜すると、その膜厚の分布は、たとえば、図20に示すように、マザーガラス7上の中心Pを中心とする同心円BL1,BL2,BL3,BL4で表すことができる。このとき、導電膜の膜厚は、中心Pを含む同心円BL1の内側の領域、同心円BL1の外側でありかつ同心円BL2の内側の領域、同心円BL2の外側でありかつ同心円BL3の内側の領域、同心円BL3の外側でありかつ同心円BL4の内側の領域の順に薄くなっていく。また、各領域の中でも、中心Pから遠ざかるにつれて、導電膜の膜厚はだんだんと薄くなっていく。また、同心円BL4の外側の領域も、中心Pから遠ざかるにつれて、導電膜の膜厚がだんだんと薄くなっていく。
図21は、1枚のマザーガラスから15枚の基板を切り出す場合の導電膜の膜厚分布を示す模式図である。
1枚のマザーガラスから15枚の基板を切り出す、いわゆる15面取りの場合、図21に示すように、マザーガラス7に、15個の、基板として切り出す領域731,732,733,734,735,736,737,738,739,740,741,742,743,744,745がある。この15個の領域731〜745にはそれぞれ、たとえば、図2乃至図5に示したような構成のTFT基板1が形成される。そして、TFT基板1を形成した後、マザーガラス7から15個の領域731〜745を切り出して、表示パネルを形成する。
このような15面取りの場合、マザーガラス7の15個の領域731〜745に、導電膜を成膜すると、その膜厚の分布は、たとえば、図21に示すように、マザーガラス7上の中心Pを中心とする同心円BL1,BL2,BL3,BL4で表すことができる。このとき、導電膜の膜厚は、中心Pを含む同心円BL1の内側の領域、同心円BL1の外側でありかつ同心円BL2の内側の領域、同心円BL2の外側でありかつ同心円BL3の内側の領域、同心円BL3の外側でありかつ同心円BL4の内側の領域の順に薄くなっていく。また、各領域の中でも、中心Pから遠ざかるにつれて、導電膜の膜厚はだんだんと薄くなっていく。また、同心円BL4の外側の領域も、中心Pから遠ざかるにつれて、導電膜の膜厚がだんだんと薄くなっていく。
ここで、図18乃至図21に示したように、1枚のマザーガラス7から多面取りを行う場合に切り出される各領域、つまり1枚の基板における金属の膜厚の分布は、次の4つのパターンに分類されることがわかる。
1つめのパターンは、絶縁膜の膜厚の分布が、たとえば、図18に示した領域701や、図21に示した領域737,739のようになるパターンである。この1つめのパターンの特徴について、図22を用いて説明する。
図22は、1枚の基板における導電膜の膜厚分布の1つめのパターンを説明するための模式図である。
導電膜の膜厚分布の1つめのパターンを説明するにあたって、図22に示すように、2面取りの場合におけるマザーガラス7の1つの領域701を例に挙げる。図22において、1011,1012は、表示領域における最外に配置されているゲート信号線を示しており、1021,1022は、表示領域における最外に配置されているデータ信号線を示している。つまり、この2本のゲート信号線1011,1012と、2本のデータ信号線1021,1022に囲まれた領域が、本発明でいうところの表示領域(本発明で言えば矩形の表示領域)となる。そして、この表示領域には、図示していない複数本のゲート信号線、表示領域の中央部に配置されたデータ信号線1023および図示していない複数本のデータ信号線が配置されている。
1つめのパターンでは、図22に示した領域701内の表示領域における最外側のゲート信号線1012の中央部分、すなわちドレイン信号線1023と交差する点C1におけるゲート信号線の導電膜の膜厚t1が一番厚くなる。そして、表示領域における点C1の延長上で最外側のドレイン信号線1021と交差する点C2のゲート信号線の導電膜の膜厚t2は、点C1におけるゲート信号線の導電膜の膜厚t1よりも薄くなる。また、表示領域におけるデータ信号線1021が表示領域のもう一方の最外側のゲート信号線1011と交差する点C3のゲート信号線の導電膜の膜厚t3は、点C2のゲート信号線の導電膜の膜厚t2よりも薄くなる。
そして、基板上に複数本のゲート信号線を配置し、その上に絶縁膜を配置し、さらにこの絶縁膜の上に、複数本のゲート信号線と交差するように複数本のデータ信号線を配置した本発明のような表示装置におけるゲート信号線の導電膜の膜厚と幅の関係では、基板(領域701)の表示領域における最外側のゲート信号線の中央における膜厚をt1、幅をw1、この最外側のゲート信号線が表示領域における最外側のデータ信号線と交差する箇所におけるゲート信号線の導電膜の膜厚をt2、幅をw2、このデータ信号線が表示領域の反対側の最外側のゲート信号線と交差する箇所におけるゲート信号線の導電膜の膜厚をt3、幅をw2とすると、t1>t2>t3の関係であり、かつ、w1<w2<w3の関係となるというものである。これが、1つめのパターンにおける導電膜、即ちゲート信号線の導電膜の膜厚と幅の関係の特徴である。
この場合、夫々の箇所の膜厚と幅の積、t1×w1と、t2×w2と、t3×w3が等しくなうように構成することが望ましい。
1つめのパターンの表示装置の特徴を整理すると、基板上に例えばゲート信号線のような複数の第1の信号線と、この複数の第1の信号線の上方に例えばゲート絶縁膜のような絶縁膜を介して交差するように配置された例えばデータ信号線のような複数の第2の信号線が配置され、この複数の第1の信号線と複数の第2の信号線により矩形の表示領域を形成した表示装置であって、表示領域における第1の信号線と第2の信号線が交差する任意の3箇所において、第1の箇所における第1の信号線の導電膜の膜厚をt1、幅をw1とし、第2の箇所における第1の信号線の導電膜の膜厚をt2、幅をw2とし、第3の箇所における第1の信号線の導電膜の膜厚をt3、幅をw3としたとき、膜厚の関係がt1>t2>t3である場合、幅の関係がw1<w2<w3となっており、第1の箇所は、表示領域の最も上側に配置された第1の信号線の中央部であり、第2の箇所は、最も上側の第1の信号線が表示領域の最も外側に配置された第2の信号線と交差する箇所であり、第3の箇所は、第2の箇所の第2の信号線が表示領域の最も下側に配置された第1の信号線と交差する箇所である、ということになる。
また、第1の箇所は、表示領域の最も下側に配置された第1の信号線の中央部であり、第2の箇所は、最も下側の第1の信号線が表示領域の最も外側に配置された第2の信号線と交差する箇所であり、第3の箇所は、第2の箇所の第2の信号線が表示領域の最も上側に位置する第1の信号線と交差する箇所である、という場合もある。
なお、図22には、1つめのパターンの例として2面取りの場合を挙げているが、図21に示した15面取りの場合における領域737,739も、同様の関係(特徴)を持つことはもちろんである。
このような関係を持つ表示パネルでは、画質むらを低減することが可能となる。
次に、2つめのパターンを説明する。2つめのパターンは、導電膜の膜厚の分布が、図20に示した領域722,725や、図21に示した領域732,735,741,744のようになるパターンである。この2つめのパターンの特徴について、図23を用いて説明する。
図23は、1枚の基板における導電膜の膜厚分布の2つめのパターンを説明するための模式図である。
導電膜の膜厚分布の2つめのパターンを説明するにあたっては、図23に示すように、6面取りの場合におけるマザーガラス7の1つの領域722を例に挙げる。図23において、1011,1012は、表示領域における最外に配置されているゲート信号線を示しており、1021,1022は表示領域における最外に配置されているデータ信号線を示している。つまり、この2本のゲート信号線1011,1012と、2本のデータ信号線1021,1022に囲まれた領域が、本発明でいうところの表示領域となる。そして、この表示領域には、表示領域の中央部に配置されたゲート信号線1013および図示していない複数本のゲート信号線、図示していない複数本のデータ信号線が配置されている。
2つめのパターンでは、図23に示した領域722内の表示領域における最外側のデータ信号線1022の中央部分、すなわちゲート信号線1013と交差する点C1におけるゲート信号線となる導電膜の膜厚t1が一番厚くなる。そして、表示領域における点C1の延長上で最外側のゲート信号線1011が交差する点C2のゲート信号線の導電膜の膜厚t2は、点C1におけるゲート信号線の導電膜の膜厚t1よりも薄くなる。また、表示領域におけるゲート信号線1011が表示領域のもう一方の最外側のデータ信号線1021と交差する点C3のゲート信号線の導電膜の膜厚t3は、点C2のゲート信号線の導電膜の膜厚t2よりも薄くなる。
そして、基板上に複数本のゲート信号線を配置し、その上に絶縁膜を配置し、さらにこの絶縁膜の上に、複数本のゲート信号線と交差するように複数本のデータ信号線を配置した本発明のような表示装置におけるゲート信号線の導電膜の膜厚と幅の関係では、基板(領域722)の表示領域における最外側のデータ電極の中央におけるゲート信号線の導電膜の膜厚をt1、幅をw1、この最外側のデータ信号線が表示領域における最外側ゲート信号線と交差する箇所におけるゲート信号線の導電膜の膜厚をt2、幅をw2、このゲート信号線が表示領域の反対側の最外側のデータ信号線と交差する箇所におけるゲート信号線の導電膜の膜厚をt3、幅をw3とすると、t1>t2>t3の関係であり、かつ、w1<w2<w3の関係となるというものである。これが、2つめのパターンにおけるゲート信号線の導電膜の膜厚と幅の関係の特徴である。
この場合、夫々の箇所の膜厚と幅の積、t1×w1と、t2×w2と、t3×w3が等しくなうように構成することが望ましい。
2つめのパターンの表示装置の特徴を整理すると、基板上に例えばゲート信号線のような複数の第1の信号線と、この複数の第1の信号線の上方に例えばゲート絶縁膜のような絶縁膜を介して交差するように配置された例えばデータ信号線のような複数の第2の信号線が配置され、この複数の第1の信号線と複数の第2の信号線により矩形の表示領域を形成した表示装置であって、表示領域における第1の信号線と第2の信号線が交差する任意の3箇所において、第1の箇所における第1の信号線の導電膜の膜厚をt1、幅をw1とし、第2の箇所における第1の信号線の導電膜の膜厚をt2、幅をw2とし、第3の箇所における第1の信号線の導電膜の膜厚をt3、幅をw3としたとき、膜厚の関係がt1>t2>t3である場合、幅の関係がw1<w2<w3となっており、第1の箇所は、表示領域の最も左側に配置された第2の信号線の中央部であり、第2の箇所は、最も左側の第2の信号線が表示領域の最も上側若しくは最も下側に配置された第1の信号線と交差する箇所であり、第3の箇所は、第2の箇所の第1の信号線が表示領域の最も右側に配置された第2の信号線と交差する箇所である、ということになる。
また、第1の箇所は、表示領域の最も右側に配置された第2の信号線の中央部であり、第2の箇所は、最も右側の第2の信号線が表示領域の最も上側若しくは最も下側に配置された第1の信号線と交差する箇所であり、第3の箇所は、第2の箇所の第1の信号線が表示領域の最も左側に配置された第2の信号線と交差する箇所である、という場合もある。
なお、図23には、2つめのパターンの例として6面取りの場合を挙げているが、図21に示した15面取りの場合における領域732,735,741,744も、同様の関係(特徴)を持つことはもちろんである。
このような関係の表示パネルでは、画質むらを低減することが可能となる。
次に、3つめのパターンを説明する。3つめのパターンは、導電膜の膜厚の分布が、図19に示した領域711,712,713,714、図20に示した領域721,723,724,726、図21に示した領域731,733,734,736,740,742,743,745のようになるパターンである。この3つめのパターンの特徴について、図24を用いて説明する。
図24は、1枚の基板における導電膜の膜厚分布の3つめのパターンを説明するための模式図である。
導電膜の膜厚分布の3つめのパターンを説明するにあたっては、図24に示すように、4面取りの場合におけるマザーガラス7の1つの領域711を例に挙げる。図24において、1011,1012は、表示領域における最外に配置されているゲート信号線を示しており、1021,1022は表示領域における最外に配置されているデータ信号線を示している。つまり、この2本のゲート信号線1011,1012と、2本のデータ信号線1021,1022に囲まれた領域が、本発明でいうところの表示領域となる。そして、この表示領域には、図示していない複数本のゲート信号線、図示していない複数本のデータ信号線が配置されている。
3つめのパターンでは、図24に示した領域711内の表示領域における最外側のゲート信号線1012とデータ信号線1022が交差する点C1(角部)におけるゲート信号線の導電膜の膜厚t1が一番厚くなる。そして、表示領域における点C1の延長上でもう一方の最外側のデータ信号線1021と交差する点C2のゲート信号線の導電膜の膜厚t2は、点C1におけるゲート信号線の導電膜の膜厚t1よりも薄くなる。また、表示領域における点C1とは対角に位置する点C3のゲート信号線の導電膜の膜厚t3は、点C2のゲート信号線の導電膜の膜厚t2よりも薄くなる。
そして、基板上に複数本のゲート信号線を配置し、その上に絶縁膜を配置し、さらにこの絶縁膜の上に、複数本のゲート信号線と交差するように複数本のデータ信号線を配置した本発明のような表示装置におけるゲート信号線の導電膜の膜厚と幅の関係では、基板(領域711)の表示領域における最外側のゲート信号線とデータ信号線が交差する箇所(すなわちある角部)におけるゲート信号線の導電膜の膜厚をt1、膜厚をw1、この角部から延長されたゲート信号線がデータ信号線と交差する箇所におけるゲート信号線の導電膜の膜厚をt2、幅をw2、表示領域におけるゲート信号線の導電膜の膜厚がt1である箇所と対角の位置の箇所におけるゲート信号線の導電膜の膜厚をt3、幅をw3とすると、t1>t2>t3の関係であり、かつ、w1<w2<w3の関係になるというものである。これが、3つめのパターンにおけるゲート信号線の導電膜の膜厚と幅の関係の特徴である。
この場合、夫々の箇所の膜厚と幅の積、t1×w1と、t2×w2と、t3×w3が等しくなうように構成することが望ましい。
3つめのパターンの表示装置の特徴を整理すると、基板上に例えばゲート信号線のような複数の第1の信号線と、この複数の第1の信号線の上方に例えばゲート絶縁膜のような絶縁膜を介して交差するように配置された例えばデータ信号線のような複数の第2の信号線が配置され、この複数の第1の信号線と複数の第2の信号線により矩形の表示領域を形成した表示装置であって、表示領域における第1の信号線と第2の信号線が交差する任意の3箇所において、第1の箇所における第1の信号線の導電膜の膜厚をt1、幅をw1とし、第2の箇所における第1の信号線の導電膜の膜厚をt2、幅をw2とし、第3の箇所における第1の信号線の導電膜の膜厚をt3、幅をw3としたとき、膜厚の関係がt1>t2>t3である場合、幅の関係がw1<w2<w3となっており、この3箇所は、表示領域の最も外側に配置された2本の第1の信号線と、最も外側に配置された2本の第2の信号線が交差する4箇所のうちのいずれかの3箇所である、ということになる。さらに詳しく言えば、第1の箇所と第3の箇所は、表示領域のうちの対角に位置しているということになる。
なお、図24には、3つめのパターンの例として4面取りの場合の1つの領域711を挙げているが、4面取りの場合、残りの領域712〜714も、同様の関係(特徴)を持つ。また、4面取りの場合に限らず、図20に示した6面取りの場合における領域721,723,724,726、図21に示した15面取りの場合における領域731,733,734,736,740,742,743,745も、同様の関係(特徴)を持つことはもちろんである。
このような関係の表示パネルでは、画質むらを低減することが可能となる。
最後に、4つめのパターンを説明する。4つめのパターンは、導電膜の膜厚の分布が、図21に示した領域738のようになるパターンである。この4つめのパターンの特徴について、図25を用いて説明する。
図25は、1枚の基板における導電膜の膜厚分布の4つめのパターンを説明するための模式図である。
導電膜の膜厚分布の4つめのパターンを説明するにあたっては、図25に示すように、15面取りの場合におけるマザーガラス7の1つの領域738を例に挙げる。図25において、1011,1012は、表示領域における最外に配置されているゲート信号線を示しており、1021,1022は表示領域における最外に配置されているデータ信号線を示している。つまり、この2本のゲート信号線1011,1012と、2本のデータ信号線1021,1022に囲まれた領域が、本発明でいうところの表示領域となる。この表示領域には、表示領域の中央部に配置されたゲート信号線1013、同じく表示領域の中央部にゲート信号線1013と交差するように配置されたデータ信号線1023のほか、図示していない複数本のゲート信号線および複数本のデータ信号線が配置されている。
4つめのパターンでは、図25に示した領域738内の表示領域における中心C1(すなわち、ゲート信号線1013とデータ信号線1023が交差する箇所)におけるゲート信号線の導電膜の膜厚t1が一番厚くなる。そして、表示領域における点C1の延長上でゲート信号線1013と交差する点C2のゲート信号線の導電膜の膜厚t2は、点C1におけるゲート信号線の導電膜の膜厚t1よりも薄くなる。また、表示領域における最外側のゲート信号線1011とデータ信号線1022が交差する点C3(角部)のゲート信号線の導電膜の膜厚t3が、点C2のゲート信号線の導電膜の膜厚t2よりも薄くなる。
そして、基板上に複数本のゲート信号線を配置し、その上に絶縁膜を配置し、さらにこの絶縁膜の上に、複数本のゲート信号線と交差するように複数本のデータ信号線を配置した本発明のような表示装置におけるゲート信号線の導電膜の膜厚と幅の関係では、基板(領域738)の表示領域における中心部(点C1)におけるゲート信号線の導電膜の膜厚をt1、幅をw1、この中心部におけるデータ信号線が最外側のゲート信号線と交差する箇所におけるゲート信号線の導電膜の膜厚をt2、幅をw2、表示領域における角部のゲート信号線の導電膜の膜厚をt3、幅をw3とすると、t1>t2>t3の関係であり、かつ、w1<w2<w3の関係となるというものである。これが、4つめのパターンにおける絶縁膜の膜厚と第2配線の幅の関係の特徴の1つである。
この場合、夫々の箇所の膜厚と幅の積、t1×w1と、t2×w2と、t3×w3が等しくなうように構成することが望ましい。
4つめのパターンの表示装置の特徴を整理すると、基板上に例えばゲート信号線のような複数の第1の信号線と、この複数の第1の信号線の上方に例えばゲート絶縁膜のような絶縁膜を介して交差するように配置された例えばデータ信号線のような複数の第2の信号線が配置され、この複数の第1の信号線と複数の第2の信号線により矩形の表示領域を形成した表示装置であって、表示領域における第1の信号線と第2の信号線が交差する任意の3箇所において、第1の箇所における第1の信号線の導電膜の膜厚をt1、幅をw1とし、第2の箇所における第1の信号線の導電膜の膜厚をt2、幅をw2とし、第3の箇所における第1の信号線の導電膜の膜厚をt3、幅をw3としたとき、膜厚の関係がt1>t2>t3である場合、幅の関係がw1<w2<w3となっており、第1の箇所は、表示領域の中央部の第1の信号線と第2の信号線が交差する箇所であり、第2の箇所は、最も上側若しくは最も下側の第1の信号線が、第1の箇所に交差している第2の信号線と交差する箇所であり、第3の箇所は、第2の箇所の第1の信号線が表示領域の最も外側に配置された第2の信号線と交差する箇所である、ということになる。
なお、図25には、4つめのパターンの例として15面取りの場合の1つの領域738を挙げているが、15面取りに限らず、たとえば、3面×3面の9面取りの場合の中央の領域でも、同様の関係(特徴)を持つことはもちろんである。
このような関係の表示パネルでは、画質むらを低減することが可能となる。
なお、図22乃至図25に沿って説明した4通りの関係のうちのいずれか関係を有する表示パネルは、前述のような方法で作製することができるものである。
また、上述の実施例は、ゲート信号線を例に挙げて説明したものであるが、面内の配線若しくは電極の厚さにばらつきがある場合に、幅、若しくは電極幅を変えることによって調整するという発明の思想は、ゲート信号線に限らず、他の配線、電極にも応用できる。
例えば、前述した図3は各画素の構成を示したものであるが、この各画素に配置されている配線も、ゲート信号線のように大判のマザーガラスに例えばターゲットスパッタリング法により各配線、若しくは電極の基となる導電膜(金属膜)を形成して構成するので、ゲート信号線と同様に、図18〜図25に示した導電膜の分布となる。
図3では、例えば、データ信号線102についてもゲート信号線101において説明したのと同様な導電膜の分布となっている。そのため、図22に示したような1つめのパターンの場合では、表示領域における最外側のゲート信号線1012の中央部分、すなわちデータ信号線1023と交差する点C1におけるデータ信号線の導電膜の膜厚t1が一番厚くなる。そして、表示領域における点C1の延長上で最外側のデータ信号線1021と交差する点C2のデータ信号線の導電膜の膜厚t2は、点C1におけるデータ信号線の導電膜の膜厚t1よりも薄くなる。また、表示領域におけるデータ信号線1021が表示領域のもう一方の最外側のゲート信号線1011と交差する点C3のデータ信号線の導電膜の膜厚t3は、点C2のデータ信号線の導電膜の膜厚t2よりも薄くなる。
さらに、図23に示したような2つめのパターンの場合では、表示領域における最外側のデータ信号線1022の中央部分、すなわちゲート信号線1013と交差する点C1におけるデータ信号線となる導電膜の膜厚t1が一番厚くなる。そして、表示領域における点C1の延長上で最外側のゲート信号線1011が交差する点C2のデータ信号線の導電膜の膜厚t2は、点C1におけるデータ信号線の導電膜の膜厚t1よりも薄くなる。また、表示領域におけるゲート信号線1011が表示領域のもう一方の最外側のデータ信号線1021と交差する点C3のデータ信号線の導電膜の膜厚t3は、点C2のデータ信号線の導電膜の膜厚t2よりも薄くなる。
さらに、図24に示したような3つめのパターンの場合では、表示領域における最外側のゲート信号線1012とデータ信号線1022が交差する点C1(角部)におけるデータ信号線の導電膜の膜厚t1が一番厚くなる。そして、表示領域における点C1の延長上でもう一方の最外側のデータ信号線1021と交差する点C2のデータ信号線の導電膜の膜厚t2は、点C1におけるデータ信号線の導電膜の膜厚t1よりも薄くなる。また、表示領域における点C1とは対角に位置する点C3のデータ信号線の導電膜の膜厚t3は、点C2のデータ信号線の導電膜の膜厚t2よりも薄くなる。
さらに、図25に示したような4つめのパターンでは、表示領域における中心C1(すなわち、ゲート信号線1013とデータ信号線1023が交差する箇所)におけるデータ信号線の導電膜の膜厚t1が一番厚くなる。そして、表示領域における点C1の延長上でゲート信号線1013と交差する点C2のデータ信号線の導電膜の膜厚t2は、点C1におけるデータ信号線の導電膜の膜厚t1よりも薄くなる。また、表示領域における最外側のゲート信号線1011とデータ信号線1022が交差する点C3(角部)のデータ信号線の導電膜の膜厚t3が、点C2のデータ信号線の導電膜の膜厚t2よりも薄くなる。
ところで、上述の実施例では、TFT基板1の1つの画素の構成例として、図3乃至図5に示したような構成を挙げ、ゲート信号線101の膜厚と幅の関係、データ信号線102の膜厚と幅の関係について説明した。しかしながら、本発明の表示装置における各画素の構成、とくにTFTの構成は、図3乃至図5に示したような構成に限らず、別の構成であってもよいことはもちろんである。
図26は、TFT基板上の1画素の別の構成例を示す模式平面図である。図27は、図26のF−F’線断面図である。図28は、図26のG−G’線断面図である。
本発明の液晶表示装置に用いられる液晶表示パネルのTFT基板1は、たとえば、図26乃至図28に示すように、ゲート信号線101に並行してストレージ線SLが配置されている。
図26乃至図28に示した画素構造について簡単に説明する。図26では2本のデータ信号線102と2本のゲート信号線101に囲まれた領域に対応して画素が構成されており、上側のゲート信号線に並行してストレージ線SLが配置されている。また、ゲート信号線101とデータ信号線102の交差部に対応した箇所にはトランジスタ(TFT素子)が形成されており、このトランジスタに貫通穴TH2を介して接続されたソース信号線SoL2、さらに貫通穴TH3を介して接続された画素電極107が配置されている。またさらに、画素電極107と入れ子状の櫛歯を形成するように共通電極CTが配置されており、この共通電極CTは、ゲート信号線101およびデータ信号線102さらにはストレージ信号線SLの上部に重層して配置されている。また、ゲート信号線101およびストレージ信号線SLの上部の一部分には、反射層RFが重層して配置されている。
また、図27に示した断面図は、補助容量形成部を示している。ストレージ信号線SLの延長された部分StgLの下部には、トランジスタを形成する半導体層Psiに接続された導電層SoL1が配置されており、上部にはソース信号線SoL2が配置されている。そして、ストレージ信号線SLの延長された部分StgLと導電層SoL1、前記延長された部分StgLとソース信号線SoL2で補助容量を形成している。さらに補助容量形成部の上部に、画素電極107が重層して配置されている。
また、図28の断面図は、ゲート信号線101およびデータ信号線102さらにはストレージ信号線SLの断面、さらにはトランジスタ部の断面を示している。ゲート信号線101とストレージ信号線102の上部に重層するように共通電極CTが配置され、かつストレージ信号線SLの上部にある共通電極CTの下層部分には反射層RFが配置されている。また、データ信号線102の上部に重層するように反射層RFさらには共通電極CTが配置されている。トランジスタ部分はゲート信号線101の下部に、ゲート信号線101を跨ぐ形で半導体層Psiが配置されて形成されている。
このストレージ線SLについても、ゲート信号線101のように大判のマザーガラス7に、たとえばターゲットスパッタリング法により各配線、若しくは電極の基となる導電膜を成膜してから形成するので、ゲート信号線と同様に、図18〜図25に示した膜厚分布の導電膜から形成される。以下、図26乃至図28に示したように、各画素にはゲート信号線101に並行してストレージ線SLが配置されている構成を前提として記す。
図26乃至図28に示した例では、ストレージ線SLについてもゲート信号線101において説明したのと同様な導電膜(金属膜)の分布になっている。そのため、図22に示したような1つめのパターンの場合では、表示領域における最外側のゲート信号線1012に対応したストレージ線の中央部分、すなわちデータ信号線1023と交差する点C1におけるストレージ線の導電膜の膜厚t1が一番厚くなる。そして、表示領域における点C1の延長上で最外側のデータ信号線1021と交差する点C2のストレージ線の導電膜の膜厚t2は、点C1におけるストレージ線の導電膜の膜厚t1よりも薄くなる。また、表示領域におけるデータ信号線1021が表示領域のもう一方の最外側のゲート信号線1011と交差する画素に対応したストレージ線がデータ信号線と交差する点C3のストレージ線の導電膜の膜厚t3は、点C2のストレージ線の導電膜の膜厚t2よりも薄くなる。
さらに、図23に示したような2つめのパターンの場合では、表示領域における最外側のデータ信号線1022の中央部分、すなわちストレージ線と交差する点C1におけるストレージ線となる導電膜の膜厚t1が一番厚くなる。そして、表示領域における点C1の延長上で最外側のストレージ線が交差する点C2のストレージ線の導電膜の膜厚t2は、点C1におけるストレージ線の導電膜の膜厚t1よりも薄くなる。また、表示領域におけるストレージ線が表示領域のもう一方の最外側のデータ信号線1021と交差する点C3のストレージ線の導電膜の膜厚t3は、点C2のストレージ線の導電膜の膜厚t2よりも薄くなる。
さらに、図24に示したような3つめのパターンの場合では、表示領域における最外側のゲート信号線1012に対応したストレージ線とデータ信号線1022が交差する点C1(角部)におけるストレージ線の導電膜の膜厚t1が一番厚くなる。そして、表示領域における点C1の延長上でもう一方の最外側のデータ信号線1021と交差する点C2のストレージ線の導電膜の膜厚t2は、点C1におけるストレージ線の導電膜の膜厚t1よりも薄くなる。また、表示領域における点C1とは対角に位置する点C3のストレージ線の導電膜の膜厚t3は、点C2のストレージ線の導電膜の膜厚t2よりも薄くなる。
さらに、図25に示したような4つめのパターンでは、表示領域における中心C1(すなわち、ストレージ線とデータ信号線1023が交差する箇所)におけるストレージ線の導電膜の膜厚t1が一番厚くなる。そして、表示領域における点C1の延長上でストレージ線と交差する点C2のストレージ線の導電膜の膜厚t2は、点C1におけるストレージ線の導電膜の膜厚t1よりも薄くなる。また、表示領域における最外側のストレージ線とデータ信号線1022が交差する点C3(角部)のストレージ線の導電膜の膜厚t3が、点C2のストレージ線の導電膜の膜厚t2よりも薄くなる。
また、たとえば、図26に示したような構成の、いわゆるIPS方式の液晶表示装置では、TFT基板側に配置した各画素の共通電極CTを接続する共通配線が、たとえば、ゲート信号線101に並行するようにして配置されている。よって、共通配線についても上述したストレージ線SLと同様のことが言える。
なお、これまでの説明では、図13における、成膜した導電膜の膜厚分布を測定(ステップ602)して、導電膜の各領域の膜厚に応じてゲート信号線の幅を決定し、描画用データを補正する(各ゲート信号線の断面積が等しくなるようにする:ステップ603)で意図したゲート信号線の幅と、導電膜をエッチングしてゲート信号線を形成したのち、レジストを除去(ステップ605)で形成されるゲート信号線の幅が一致する場合に限定される。
しかしながら、実際には、図13におけるステップ605中の導電膜をエッチングするプロセスでエッチング量に面内ばらつきがあり、均一でない場合がある。以下に、エッチング量に面内ばらつきがあり、均一でない場合の膜厚と幅の関係について説明する。
図13に示す製造工程において、ステップ603中で意図したゲート信号線の幅から、ステップ605で形成される信号線の幅がずれてしまう場合がある。
図29は、エッチング量の面内ばらつきに関する説明をするための模式図である。
導電膜をエッチングする際のエッチング量のばらつきがどの程度であるかを調べるために、本願発明者らは、たとえば、図29に示すように、対角の距離がTFTL[cm]のTFTアレイの頂点にある2つの画素PX1、PX2に関して、ゲート信号線の幅にどの程度のばらつきが生じるかを調べた。
このとき、対角の距離80cmの基板において、一方の角部に位置する画素PX1のゲート信号線101の幅をGLW1、他方の角部に位置する画素PX2のゲート信号線101の幅をGLW2とすると、導電膜の膜厚をほぼ同一にしたにもかかわらず、画素PX2のゲート信号線101の幅GLW2が、画素PX1のゲート信号線101の幅GLW1よりも2.6μm太く形成された。このことを、図13を用いて説明すると、ステップ602で画素PX1と画素PX2のゲート信号線の導電膜の膜厚測定結果が同一であるので、ステップ603で決定され画素PX1と画素PX2の意図するゲート信号線の幅は同一になるにもかかわらず、ステップ605の導電膜をエッチングするプロセスでのエッチング量が面内にばらつきを生じてしまう結果、画素PX2のゲート信号線101の幅GLW2が、画素PX1のゲート信号線101の幅GLW1よりも2.6μm太く形成されたと認識できる。
図13における導電膜をエッチングするプロセスのエッチング量の変化は面内において連続的に変化すると過程すると、図29に示したTFTアレイの対角位置にある画素PX1と画素PX2の位置がエッチング量の面内における差の極大値と考えられて、前述した極大値が2.6μmと推定される。図29に示した例おいて、画素PX1または画素PX2の一方において、図13のステップ603で意図したゲート信号線の幅とステップ605で形成されたゲート信号線の幅が一致しているのであれば、他方において、図13のステップ603で意図したゲート信号線の幅とステップ605で形成されたゲート信号線の幅が2.6μm異なっていることになる。前述した図29の対角80cmのTFTアレイの任意の画素において、図13のステップ603で意図するゲート信号線の幅と、ステップ605で形成されるゲート信号線の幅の差の極大値が2.6μm以下になる。
したがって、図29に示したTFTアレイ内においてTFTL[cm]離れた2つの画素PX1とPX2のゲート信号線の幅の差は、成膜厚さがPX1とPX2で同一でも、最大で(2.6[μm]÷80[cm])×TFTL[cm]だけ異なる可能性があり、2つの画素PX1とPX2の配線抵抗を一定にするように、図13に示した製造工程にてゲート信号線を加工してもなお、形成されるゲート信号線は、最大で(2.6[μm]÷80[cm])×TFTL[cm]のゲート信号線の幅の差に対応した、誤差が生じてしまうことをエッチングばらつきとして考慮しなければならない。
図26乃至図28に示した画素構造を有する対角TFTL[cm]のTFTアレイにおいて、たとえば、図9に示した2つの画素PX1、PX2に関して、図10に示したように、ゲート信号線の導電膜の成膜時に、PX1よりもPX2のほうが厚く成膜されている。
図30は、エッチング量のばらつきを考慮した場合のゲート信号線の厚さと幅の関係を示す模式断面図である。
このとき、図30に示すように、対角TFTL[cm]のTFTアレイ上の画素PX1のゲート信号線1011の導電膜の膜厚GLD1よりも画素PX2のゲート信号線1012の導電層の膜厚GLD2が大きいことが得られていて、PX1のゲート信号線1011の幅GLW1がPX2のゲート信号線1012の幅GLW2よりも大きくなるようにCADレイアウトデータを更新して、直描して配線形成した結果、幅GLW1とGLW2の関係が、エッチング量ばらつきを考慮した下記数式(式1)関係を満たしていれば、画素PX1のゲート信号線1011の配線抵抗と画素PX2のゲート信号線1012の配線抵抗が一定になっていると見なす。
また、画素PX1のゲート信号線1011と画素PX2のゲート信号線1012の走査線断面積が同一になるようにCADレイアウトデータを更新して、直描して配線形成した場合は、形成された各ゲート信号線の断面積の関係が、エッチング量のばらつきを考慮した下記数式(式2)の関係を満たしていれば、画素PX1のゲート信号線1011の配線抵抗と画素PX2のゲート信号線1012の配線抵抗が一定になっていると見なす。
図31は、ゲート信号線の配線抵抗について補足説明をするための模式図である。
これまでの説明では、ある断面におけるゲート信号線の膜厚および幅と、別の断面におけるゲート信号線の膜厚および幅の関係のみで、各ゲート信号線101の配線抵抗が一定であるか否かを判断している。しかしながら、実際の配線抵抗は、ある一定の長さのゲート信号線の両端の電位差と、そこに流れる電流値によって表されるものである。
そこで、本願発明者らは、図13に示したような手順でゲート信号線を形成し、たとえば、図31に示すように、TFT基板1の画素PX1のゲート信号線1011のゲート信号線長GRL部分を取り出して、ゲート信号線方向に直交する2つの断面を両端とする抵抗値GLR1と、画素PX2のゲート信号線1012のゲート信号線長GRL部分を取り出して、ゲート信号線方向に直交する2断面を両端とする抵抗値GLR2を計測し、各抵抗値を比較してみた。
なお、前記ゲート信号線長GRLは、たとえば、図26に示したように、1つの画素領域の両端にある2本のデータ信号線102の幅の2等分線位置の間の距離、言い換えると1つの画素領域の両端にある2本のデータ信号線102の間隙である。
前記各ゲート信号線長GRL部分の抵抗値GLR1,GLR2を比較した結果、エッチング量のばらつきを考慮した下記数式(式3)の関係を満たすことが確認された。そのため、下記数式(式3)の関係を満たしていれば、画素PX1のゲート信号線1011のゲート信号線長GRL部分の抵抗値GLR1と、画素PX2のゲート信号線1012のゲート信号線長GRL部分の抵抗値GLR2が一定になっていると見なす。
なお、前記数式(式1)から(式3)における(2.6[μm]÷80[cm])は、本願発明者らが、対角が80[cm]のTFT基板1でのエッチング量のばらつきによるゲート信号線の幅の差が最大で2.6[μm]であったことによるものである。そのため、たとえば、対角がLsub[cm]のTFT基板1でのエッチング量のばらつきによるゲート信号線の幅の差が最大σ[μm]であることが知られている場合に、配線抵抗が一定であると見なす条件は、前記数式(式1)から(式3)の(2.6[μm]÷80[cm])の代わりに(σ[μm]÷Lsub[cm])を用いた関係を満たせばよいことはもちろんである。
図32は、ゲート信号線の幅の計測方法の一例を示す模式断面図である。図33は、ゲート信号線の幅の計測方法の別の例を示す模式断面図である。
これまでの説明では、ゲート信号線の断面形状は理想的な形状、たとえば、図30に示したように、矩形であるとしていたので、各ゲート信号線の幅は一意的に決まっていた。しかしながら、導電膜をエッチングしてゲート信号線を形成する場合、エッチング液を用いた等方性エッチングが一般的であり、実際に形成されるゲート信号線の断面形状は、たとえば、図33に示すように、上辺が下辺より狭い台形形状になる。そのため、たとえば、図33に示すように、画素PX1のゲート信号線1011の幅GLW1を台形形状の下辺長で計測したならば、画素PX2のゲート信号線1012の幅GLW2も台形形状の下辺長で計測するのはもちろんである。
また、たとえば、図34に示しように、画素PX1のゲート信号線1011の幅GLW1を台形形状の上辺長で計測したならば、画素PX2のゲート信号線1012の幅GLW2も台形形状の上辺長で計測するのはもちろんである。
図34は、ゲート信号線の厚さの計測方法の一例を示す模式断面図である。図35は、ゲート信号線の厚さの計測方法の別の例を示す模式断面図である。
また、これまでの説明では、ゲート信号線は、たとえば、図30に示したように、1つの導電膜をエッチングして形成するとしていたので、各ゲート信号線の膜厚は一意的に決まっていた。しかしながら、ゲート信号線は、たとえば、図35に示すように、単位長さ当たりの抵抗値の小さい導電層101aの上下に、たとえば、層間絶縁膜との接着力の向上を目的とした薄い接着層101b,101cがある3層により構成される場合もある。そのため、たとえば、図35に示すように、画素PX1のゲート信号線1011の膜厚GLD1を3層合計の厚さで計測したならば、画素PX2のゲート信号線1012の膜厚GLD2も3層合計の厚さで計測するのはもちろんである。
また、接着層101b,101cは導電層101aに比べて非常に薄いので、導電層101aの膜厚をゲート信号線101の膜厚と見なすこともできる。このとき、たとえば、図36に示すように、画素PX1のゲート信号線1011の膜厚GLD1を導電層101aの厚さで計測したならば、画素PX2のゲート信号線1012の膜厚GLD2も導電層101aの厚さで計測するのはもちろんである。
以上、配線抵抗、幅の計測方法、および配線の厚さの計測方法について、ゲート信号線101を例に挙げて説明したが、データ信号線102、ストレージ線SL、共通信号線についても同様のことが言えるのはもちろんである。
以上、本発明を、実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能であることはもちろんである。