JP2006292329A - 熱源システムおよびその制御装置ならびにその制御方法 - Google Patents

熱源システムおよびその制御装置ならびにその制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 外部負荷の要求熱量が変化した場合に、成績係数が良い状態で各熱源機を運転させることができる熱源システムを提供することを目的とする。
【解決手段】 外部負荷から流入する冷水を冷却する蒸発器、及び、冷却水と熱交換を行う凝縮器を備えた複数のターボ冷凍機と、これらターボ冷凍機を制御する冷凍機制御装置および台数制御装置とを備えた熱源システムにおいて、制御装置は、冷房運転中に、外部負荷の要求熱量が増加し、冷却水温度が所定温度よりも高い場合には、ターボ冷凍機の運転台数を増加させずに冷水流量を増加させる(S12)ことを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、例えばターボ冷凍機等の熱源機を複数台備えた熱源システムおよびその制御装置ならびにその制御方法に関するものである。
地域冷暖房を実現するものとして、ターボ冷凍機等の熱源機を複数台備えた熱源システムが多用されている。このような熱源システムは、ビル等の外部負荷から要求される熱量に応じて熱源機の運転台数を増減させる。
このような運転台数の増減に対して、効率的な運転を実現するために、外部条件によって変化する熱源機の能力を推定し、熱源機の運転台数の切り替えポイントを自動的に変更する技術が知られている(特許文献1)。
また、各熱源機を効率の最も良い状態で運転させるために、熱源機の運転台数を増加させる前に、熱媒流量を定格流量よりも多く供給して全負荷に近づける技術が知られている(特許文献2)。
特開平10−300163号公報 特開2004−245560号公報
しかし、特許文献1記載の技術は、熱源機の運転台数の切り替えポイントを成績係数の良いタイミングとすることができても、その後に、各熱源機を成績係数の良い状態に保ち続けることは困難である。
また、特許文献2記載の技術は、各熱源機を全負荷に近づけて成績係数が良い状態で運転させることはできるが、外気温度や冷却水温度によっては全負荷に近づけると却って成績係数が低下する場合がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、外部負荷の要求熱量が変化した場合に、成績係数が良い状態で各熱源機を運転させることができる熱源システムおよびその制御装置ならびにその制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の熱源システムおよびその制御装置ならびにその制御方法は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる熱源システムは、外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する第1熱交換器、及び、外気または冷却水と熱交換を行う第2熱交換器とを備えた複数の熱源機と、これら熱源機を制御する制御装置と、を備えた熱源システムにおいて、前記制御装置は、前記外部負荷の要求熱量が変化した場合に、外気温度または冷却水温度と、運転中の前記熱源機の現在負荷とに基づいて該熱源機の現在成績係数を得て、該現在成績係数に基づいて、前記熱源機の運転台数の増減または前記第1熱交換器を流れる熱媒流量の増減を判断することを特徴とする。
熱源機の成績係数は、環境温度である外気温度または冷却水温度によって異なる。例えば、熱源機が冷房運転を行う場合、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも高い条件では、熱源機の成績係数は該熱源機の負荷の増加に応じて全負荷まで増加し、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも低い条件では、熱源機の成績係数は極大値を有し、極大値から負荷を増加させると全負荷に至るまで所定量だけ減少する。また、熱源機が暖房運転を行う場合、外気温度が所定温度よりも低い条件では、熱源機の成績係数は該熱源機の負荷の増加に応じて全負荷まで増加し、外気温度が所定温度よりも高い条件では、熱源機の成績係数は極大値を有し、極大値から負荷を増加させると全負荷に至るまで所定量だけ減少する。
したがって、現在の外気温度または冷却水温度と、運転中の熱源機の現在負荷とによって、外部負荷の要求熱量に追随する際に熱源機の負荷を増加(熱媒流量を増加)させた方が成績係数が増加するのか、熱源機の負荷を減少(熱媒流量を減少)させた方が成績係数が増加するのかを判断することとした。
また、本発明の熱源システムは、外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する第1熱交換器、及び、外気または冷却水と熱交換を行う第2熱交換器を備えた複数の熱源機と、これら熱源機を制御する制御装置と、を備えた熱源システムにおいて、前記制御装置は、冷房運転中に、前記外部負荷の要求熱量が増加し、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも高い場合には、前記熱源機の運転台数を増加させずに熱媒流量を増加させることを特徴とする。
熱源機の成績係数は、環境温度である外気温度または冷却水温度によって異なる。熱源機が冷房運転を行う場合、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも高い条件では、熱源機の成績係数は該熱源機の負荷の増加に応じて全負荷まで増加し、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも低い条件では、熱源機の成績係数は極大値を有し、極大値から負荷を増加させると全負荷に至るまで所定量だけ減少する。
したがって、冷房運転中に外部負荷の要求熱量が増加した場合に、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも高い条件で、要求熱量に応じて熱源機を増加させると、熱源機一台あたりの負荷が減少して成績係数が下がる。そこで、このような場合には熱源機の台数を増加させずに熱媒流量(冷水流量)を増加させることとし、成績係数の増大を図ることとした。
なお、「所定温度」とは、熱源機の成績係数が負荷割合の増加に対して単調に増加する曲線を描くのか、極大値を有する曲線を描くのかが分かれる外気温度または冷却水温度を意味し、例えば25℃程度である。
また、本発明の熱源システムは、外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する第1熱交換器、及び、外気または冷却水と熱交換を行う第2熱交換器を備えた複数の熱源機と、これら熱源機を制御する制御装置と、を備えた熱源システムにおいて、暖房運転中に、前記外部負荷の要求熱量が増加し、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも低い場合には、前記熱源機の運転台数を増加させずに熱媒流量を増加させることを特徴とする。
熱源機の成績係数は、環境温度である外気温度または冷却水温度によって異なる。熱源機が暖房運転を行う場合、外気温度が所定温度よりも低い条件では、熱源機の成績係数は該熱源機の負荷の増加に応じて全負荷まで増加し、外気温度が所定温度よりも高い条件では、熱源機の成績係数は極大値を有し、極大値から負荷を増加させると全負荷に至るまで所定量だけ減少する。
したがって、暖房運転中に外部負荷の要求熱量が増加した場合に、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも低い条件で、要求熱量に応じて熱源機を増加させると、熱源機一台あたりの負荷が減少して成績係数が下がる。そこで、このような場合には熱源機の台数を増加させずに熱媒流量(温水流量)を増加させることとし、成績係数の増大を図ることとした。
なお、「所定温度」とは、熱源機の成績係数が負荷割合の増加に対して単調に増加する曲線を描くのか、極大値を有する曲線を描くのかが分かれる外気温度または冷却水温度を意味し、例えば5℃程度である。
さらに、前記制御装置は、前記熱媒流量を変更する際に、運転中の前記熱源機の現在制御値と、前記熱媒流量を変更した後の目標となる目標制御値との間の値とされた指示制御値によって、前記熱源機を制御することを特徴とする。
現在制御値と目標制御値との間の値を有する指示制御値によって熱源機を制御することとしたので、熱媒流量変更後の熱源機の運転状態が目標制御値にオーバーシュートすることなく現在状態に先行して漸近することとなる。これにより、外部負荷の変化に対する追従性を上げることができる。
制御値としては、例えば、圧縮機の回転数、膨張弁開度等が挙げられる。
さらに、前記制御装置は、前記熱源機の運転台数を増加させる際に、運転中の熱源機に加わる負荷を増大させることを特徴とする。
熱源機の運転台数を増加させる場合、新たに起動する熱源機の立ち上がりには所定時間を要するため、負荷側が要求する熱量を出力できないおそれがある。
そこで、熱源機の運転台数を増加させる際には、運転中の熱源機に加わる負荷を増大させて、新たに起動する熱源機の立ち上がりに要する間の負荷を補うこととした。したがって、運転中の熱源機に付加される負荷は、新たに起動する熱源機の立ち上がり遅れを補う程度でよい。
運転中の熱源機に加わる負荷を増大させるには、例えば、熱媒の設定冷水温度を下げるか、熱媒の設定温水温度を上げるか、または、熱媒流量を増加させる。
また、本発明の熱源システムの制御装置は、外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する第1熱交換器と、外気または冷却水と熱交換を行う第2熱交換器とを備えた複数の熱源機を制御する熱源システムの制御装置において、前記外部負荷の要求熱量が変化した場合に、外気温度または冷却水温度と、運転中の前記熱源機の現在負荷とに基づいて該熱源機の現在成績係数を得て、該現在成績係数に基づいて、前記熱源機の運転台数の増減または前記第1熱交換器を流れる熱媒流量の増減を判断することを特徴とする。
熱源機の成績係数は、環境温度である外気温度または冷却水温度によって異なる。例えば、熱源機が冷房運転を行う場合、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも高い条件では、熱源機の成績係数は該熱源機の負荷の増加に応じて全負荷まで増加し、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも低い条件では、熱源機の成績係数は極大値を有し、極大値から負荷を増加させると全負荷に至るまで所定量だけ減少する。また、熱源機が暖房運転を行う場合、外気温度が所定温度よりも低い条件では、熱源機の成績係数は該熱源機の負荷の増加に応じて全負荷まで増加し、外気温度が所定温度よりも高い条件では、熱源機の成績係数は極大値を有し、極大値から負荷を増加させると全負荷に至るまで所定量だけ減少する。
したがって、現在の外気温度または冷却水温度と、運転中の熱源機の現在負荷とによって、外部負荷の要求熱量に追随する際に熱源機の負荷を増加(熱媒流量を増加)させた方が成績係数が増加するのか、熱源機の負荷を減少(熱媒流量を減少)させた方が成績係数が増加するのかを判断することとした。
また、本発明の熱源システムの制御装置は、外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する第1熱交換器と、外気または冷却水と熱交換を行う第2熱交換器とを備えた複数の熱源機を制御する熱源システムの制御装置において、冷房運転中に、前記外部負荷の要求熱量が増加し、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも高い場合には、前記熱源機の運転台数を増加させずに熱媒流量を増加させることを特徴とする。
熱源機の成績係数は、環境温度である外気温度または冷却水温度によって異なる。熱源機が冷房運転を行う場合、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも高い条件では、熱源機の成績係数は該熱源機の負荷の増加に応じて全負荷まで増加し、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも低い条件では、熱源機の成績係数は極大値を有し、極大値から負荷を増加させると全負荷に至るまで所定量だけ減少する。
したがって、冷房運転中に外部負荷の要求熱量が増加した場合に、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも高い条件で、要求熱量に応じて熱源機を増加させると、熱源機一台あたりの負荷が減少して成績係数が下がる。そこで、このような場合には熱源機の台数を増加させずに熱媒流量(冷水流量)を増加させることとし、成績係数の増大を図ることとした。
なお、「所定温度」とは、熱源機の成績係数が負荷割合の増加に対して単調に増加する曲線を描くのか、極大値を有する曲線を描くのかが分かれる外気温度または冷却水温度を意味し、例えば25℃程度である。
また、本発明の熱源システムの制御装置は、外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する第1熱交換器と、外気または冷却水と熱交換を行う第2熱交換器とを備えた複数の熱源機を制御する熱源システムの制御装置において、暖房運転中に、前記外部負荷の要求熱量が増加し、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも低い場合には、前記熱源機の運転台数を増加させずに熱媒流量を増加させることを特徴とする。
熱源機の成績係数は、環境温度である外気温度または冷却水温度によって異なる。熱源機が暖房運転を行う場合、外気温度が所定温度よりも低い条件では、熱源機の成績係数は該熱源機の負荷の増加に応じて全負荷まで増加し、外気温度が所定温度よりも高い条件では、熱源機の成績係数は極大値を有し、極大値から負荷を増加させると全負荷に至るまで所定量だけ減少する。
したがって、暖房運転中に外部負荷の要求熱量が増加した場合に、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも低い条件で、要求熱量に応じて熱源機を増加させると、熱源機一台あたりの負荷が減少して成績係数が下がる。そこで、このような場合には熱源機の台数を増加させずに熱媒流量(温水流量)を増加させることとし、成績係数の増大を図ることとした。
なお、「所定温度」とは、熱源機の成績係数が負荷割合の増加に対して単調に増加する曲線を描くのか、極大値を有する曲線を描くのかが分かれる外気温度または冷却水温度を意味し、例えば5℃程度である。
また、本発明の熱源システムの制御方法は、外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する第1熱交換器と、外気または冷却水と熱交換を行う第2熱交換器とを備えた複数の熱源機を制御する熱源システムの制御方法において、前記外部負荷の要求熱量が変化した場合に、外気温度または冷却水温度と、運転中の前記熱源機の現在負荷とに基づいて該熱源機の現在成績係数を得て、該現在成績係数に基づいて、前記熱源機の運転台数の増減または前記第1熱交換器を流れる熱媒流量の増減を判断することを特徴とする。
熱源機の成績係数は、環境温度である外気温度または冷却水温度によって異なる。例えば、熱源機が冷房運転を行う場合、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも高い条件では、熱源機の成績係数は該熱源機の負荷の増加に応じて全負荷まで増加し、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも低い条件では、熱源機の成績係数は極大値を有し、極大値から負荷を増加させると全負荷に至るまで所定量だけ減少する。また、熱源機が暖房運転を行う場合、外気温度が所定温度よりも低い条件では、熱源機の成績係数は該熱源機の負荷の増加に応じて全負荷まで増加し、外気温度が所定温度よりも高い条件では、熱源機の成績係数は極大値を有し、極大値から負荷を増加させると全負荷に至るまで所定量だけ減少する。
したがって、現在の外気温度または冷却水温度と、運転中の熱源機の現在負荷とによって、外部負荷の要求熱量に追随する際に熱源機の負荷を増加(熱媒流量を増加)させた方が成績係数が増加するのか、熱源機の負荷を減少(熱媒流量を減少)させた方が成績係数が増加するのかを判断することとした。
また、本発明の熱源システムの制御方法は、外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する第1熱交換器と、外気または冷却水と熱交換を行う第2熱交換器とを備えた複数の熱源機を制御する熱源システムの制御方法において、冷房運転中に、前記外部負荷の要求熱量が増加し、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも高い場合には、前記熱源機の運転台数を増加させずに熱媒流量を増加させることを特徴とする。
熱源機の成績係数は、環境温度である外気温度または冷却水温度によって異なる。熱源機が冷房運転を行う場合、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも高い条件では、熱源機の成績係数は該熱源機の負荷の増加に応じて全負荷まで増加し、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも低い条件では、熱源機の成績係数は極大値を有し、極大値から負荷を増加させると全負荷に至るまで所定量だけ減少する。
したがって、冷房運転中に外部負荷の要求熱量が増加した場合に、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも高い条件で、要求熱量に応じて熱源機を増加させると、熱源機一台あたりの負荷が減少して成績係数が下がる。そこで、このような場合には熱源機の台数を増加させずに熱媒流量(冷水流量)を増加させることとし、成績係数の増大を図ることとした。
なお、「所定温度」とは、熱源機の成績係数が負荷割合の増加に対して単調に増加する曲線を描くのか、極大値を有する曲線を描くのかが分かれる外気温度または冷却水温度を意味し、例えば25℃程度である。
また、本発明の熱源システムの制御方法は、外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する第1熱交換器と、外気または冷却水と熱交換を行う第2熱交換器とを備えた複数の熱源機を制御する熱源システムの制御方法において、暖房運転中に、前記外部負荷の要求熱量が増加し、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも低い場合には、前記熱源機の運転台数を増加させずに熱媒流量を増加させることを特徴とする。
熱源機の成績係数は、環境温度である外気温度または冷却水温度によって異なる。熱源機が暖房運転を行う場合、外気温度が所定温度よりも低い条件では、熱源機の成績係数は該熱源機の負荷の増加に応じて全負荷まで増加し、外気温度が所定温度よりも高い条件では、熱源機の成績係数は極大値を有し、極大値から負荷を増加させると全負荷に至るまで所定量だけ減少する。
したがって、暖房運転中に外部負荷の要求熱量が増加した場合に、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも低い条件で、要求熱量に応じて熱源機を増加させると、熱源機一台あたりの負荷が減少して成績係数が下がる。そこで、このような場合には熱源機の台数を増加させずに熱媒流量(温水流量)を増加させることとし、成績係数の増大を図ることとした。
なお、「所定温度」とは、熱源機の成績係数が負荷割合の増加に対して単調に増加する曲線を描くのか、極大値を有する曲線を描くのかが分かれる外気温度または冷却水温度を意味し、例えば5℃程度である。
外気温度または冷却水温度と、運転中の熱源機の現在負荷とに基づいて熱源機の現在成績係数を得て、この現在成績係数に基づいて、熱源機の運転台数の増減または熱媒流量の増減を判断することとしたので、外部負荷の要求熱量が変化した場合であっても、成績係数が良い状態で各熱源機を運転させることができる。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
図1には、熱源システムの概略が示されている。
熱源システムは、複数のターボ冷凍機(熱源機)1A,1B,1Cを備えている。
図示しないが、各ターボ冷凍機1A,1B,1Cは、冷媒を圧縮するターボ圧縮機と、外部負荷から流入する熱媒(冷温水)を冷却または加熱する第1熱交換器と、冷却塔3A,3B,3Cからの冷却水と熱交換する第2熱交換器と、高圧冷媒を膨張させる膨張弁とを備えている。
ターボ圧縮機は、回転数制御が可能とされたインバータ式とされている。
第1熱交換器は、冷房時には蒸発器として動作し、暖房時には凝縮器として動作する。
第2熱交換器は、冷房時には凝縮器として動作し、暖房時には蒸発器として動作する。
膨張弁は、冷房時に、第2熱交換器(凝縮器)からの高圧液冷媒を膨張させて低圧液冷媒とし、第1熱交換器(蒸発器)へと導く。
各ターボ冷凍機1A,1B,1Cには、それぞれ、冷凍機制御装置(制御装置)10A,10B,10Cが設けられている。冷凍機制御装置10A,10B,10Cは、各状態量に基づいて、ターボ冷凍機1A,1B,1Cの圧縮機の回転数や膨張弁の開度、後述する冷却水ポンプ8A,8B,8Cの回転数、冷却水バイパス弁13A,13B,13Cの開度、熱媒ポンプ15A,15B,15Cの回転数等を制御する。
各冷凍機制御装置10A,10B,10Cは、台数制御装置(制御装置)20と通信線21によって接続されている。台数制御装置20は、各冷凍機制御装置10A,10B,10Cの動作状態と外部負荷30の要求熱量等に基づいて、ターボ冷凍機1A,1B,1Cの運転・停止を制御し、運転台数を決定する。
また、台数制御装置20は、後述するヘッダバイパス弁22の開度も制御する。
各ターボ冷凍機1A,1B,1Cには、それぞれ、冷却塔3A,3B,3Cが設けられている。冷却塔3A,3B,3Cは、冷却水配管5A,5B,5C,6A,6B,6Cによって第2熱交換器と接続されている。冷却水配管5A,5B,5C,6A,6B,6Cは、第2熱交換器から冷却塔3A,3B,3Cへと冷却水を導く復冷却水配管5A,5B,5Cと、冷却塔3A,3B,3Cから第2熱交換器へと冷却水を導く往冷却水配管6A,6B,6Cとからなっている。
復冷却水配管5A,5B,5Cには、復冷却水温度Tcoを検出する温度センサ11A,11B,11Cが、往冷却水配管6A,6B,6Cには、往冷却水温度Tciを検出する温度センサ12A,12B,12Cが、それぞれ設けられている。これら温度センサ11,12の出力は、冷凍機制御装置10A,10B,1Cへと送られる。
復冷却水配管5A,5B,5Cには、冷却水ポンプ8A,8B,8Cが設けられており、冷却塔3A,3B,3Cと第2熱交換器との間を循環する冷却水の流量を決定している。冷却水ポンプ8A,8B,8Cの回転数は、冷凍機制御装置10A,10B,10Cによって制御される。冷却水の流量Qcは、冷却水ポンプ8A,8B,8Cの下流側に設けられた流量計14A,14B,14Cによって測定される。流量計14A,14B,14Cの出力は、冷凍機制御装置10A,10B,10Cへと送られる。
復冷却水配管5A,5B,5Cと往冷却水配管6A,6B,6Cとの間には、冷却水が冷却塔5A,5B,5Cを迂回するように配置された冷却水バイパス管9A,9B,9Cが設けられている。各冷却水バイパス管9A,9B,9Cには、それぞれ、冷却水バイパス弁13A,13B,13Cが設けられており、これにより、冷却塔3A,3B,3Cへと流れ込む冷却水流量を調整して、冷却水温度を調整できるようになっている。バイパス弁13A,13B,13Cの開度は、冷凍機制御装置10A,10B,10Cによって制御される。
各ターボ冷凍機1A,1B,1Cの第1熱交換器は、冷温水(熱媒)が流れる冷温水配管17A,17B,17C,18A,18B,18Cと接続されている。これにより、第1熱交換器は、冷温水配管17A,17B,17C,18A,18B,18Cによって供給される冷温水を冷却または加熱する。
冷温水配管17A,17B,17C,18A,18B,18Cは、第1熱交換器によって熱交換された冷温水を外部負荷30側の往ヘッダ24へと供給する往冷温水配管17A,17B,17Cと、外部負荷30側の復ヘッダ26からの冷温水を第1熱交換器へと導く復冷温水配管18A,18B,18Cとからなっている。
往冷温水配管17A,17B,17Cには、それぞれ、冷温水を流通させるための冷温水ポンプ(熱媒ポンプ)15A,15B,15Cが設けられている。冷温水ポンプ15A,15B,15Cの回転数は、冷凍機制御装置10A,10B,10Cによって制御される。また、往冷温水配管17A,17B,17Cには、それぞれ、各第1熱交換器から流出する冷温水流量Q1,12,Q3を計測する流量計19A,19B,19Cおよび第1熱交換器から流出する流出温度Toを計測する温度センサ33A,33B,33Cが設けられている。流量計19A,19B,19C及び温度センサ33A,33B,33Cの出力は、各冷凍機制御装置10A,10B,10Cへと送られる。
復冷温水配管18A,18B,18Cには、それぞれ、第1熱交換器への流入温度Tiを測定する温度センサ32A,32B,32Cが設けられている。温度センサ32A,32B,32Cの出力は、各冷凍機制御装置10A,10B,10Cへと送られる。
各往冷温水配管17A,17B,17Cからの冷温水は往ヘッダ25に集められ、復ヘッダ26からの冷温水は各復冷温水配管18A,18B,18Cへと分配される。
往ヘッダ24に集められた冷温水は、外部負荷30へと送られ、外部負荷30において熱媒である冷水または温水の熱を用いた室内の空気調和が行われる。外部負荷30において用いられた冷温水は、復ヘッダ26へと返送される。
往ヘッダ24には、送水温度Tsを計測する温度センサ34が設けられており、復ヘッダ26には、還水温度Trを計測する温度センサ35が設けられている。また、往ヘッダ24の下流側には、外部負荷30との間の冷温水循環流量Qを計測する流量計36が設けられている。
往ヘッダ24と復ヘッダ26との間には、ヘッダバイパス管28が設けられており、このヘッダバイパス管28にはヘッダバイパス弁22が設けられている。ヘッダバイパス弁22の開度は、台数制御装置20によって制御される。
次に、冷房運転時における各ターボ冷凍機1A,1B,1Cの成績係数(COP)について、図2を用いて説明する。一般に、ターボ冷凍機等の冷凍機の成績係数は、環境温度である外気温度または冷却水温度によって異なる。冷凍機が冷房運転を行う場合、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも高い条件では、熱源機の成績係数は該熱源機の負荷の増加に応じて全負荷まで増加し、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも低い条件では、熱源機の成績係数は極大値(最大値)を有し、極大値から負荷を増加させると全負荷に至るまで所定量だけ減少する。
図1に示した本実施形態に即して説明すると、図2に示すように、冷却水温度(例えば冷却水入口温度Tci)に応じて、ターボ冷凍機1の成績係数は変化する。同図において、横軸は冷却水温度を示し、縦軸は成績係数を示す。また、各成績係数曲線の左端がターボ冷凍機1の最小負荷を示し、右端がターボ冷凍機1の最大負荷(全負荷)を示す。
冷却水温度が低いほど高い成績係数を示し、冷却水入口温度が高いほど低い成績係数を示す。また、冷却水入口温度が25℃(所定温度)以下のように冷却水温度が低い場合には、成績係数は極大値を有し、冷却水入口温度が25℃(所定温度)以上のように冷却水温度が高い場合には、極大値を有さず、最小負荷から最大負荷に至るにつれて、成績係数は増加する。
本発明は、このような傾向を利用して成績係数の良い状態で各ターボ冷凍機1A,1B,1Cを運転するものである。
冷凍機制御装置10A,10B,10Cは、それぞれ、図2に示したような冷凍機単体の成績係数のデータをメモリに備えている。
そして、温度センサ12A,12B,12Cで測定した冷却水入口温度Tciと、温度センサ32A,32B,32C及び温度センサ33A,33B,33Cから得られる冷水(熱媒)の温度差(Ti−To)と流量計19から得られる冷水流量Q1,Q2,Q3とに基づいて算出される負荷(冷凍出力)とに基づいて、運転中のターボ冷凍機1の現在成績係数を演算する。具体的には、現在の冷凍出力から全負荷に対する負荷割合が算出され、この負荷割合を、現在の冷却水温度における成績係数曲線に当てはめることにより成績係数を演算する。そして、この成績係数曲線上のどの位置に現在成績係数が位置するかを考慮して、冷凍機の運転台数を増減するか、冷水流量を増減するかを決定する。
外部負荷30の要求熱量が増加したときを考える。この場合に、ターボ冷凍機1Aのみが運転され、他のターボ冷凍機1B,1Cが停止されていたとする。
常時、運転中のターボ冷凍機1Aの運転状態が把握されている。例えば、冷却水入口温度Tciが25℃以上のときには成績係数曲線として曲線L1が選定され、負荷割合が80%の場合には、成績係数曲線L1上のA点でターボ冷凍機1Aは運転されていると把握される。このA点の縦軸値を演算することにより、現在成績係数が得られる。成績係数曲線L1のA点で運転されている場合には、成績係数曲線L1の形状から明らかなように、さらに冷温水流量Q1を増加して負荷を上げれば、図において右方に運転点が移動することになり、成績係数が増大する。したがって、このような場合には、外部負荷30の要求熱量が増えても即座に停止中のターボ冷凍機1Bを起動させることはせずに、現在運転しているターボ冷凍機1Aの冷温水流量Q1を増加させて、要求熱量に対応することとする。
ターボ冷凍機1Aの負荷割合が100%(全負荷)の場合には、B点で運転されていることになる。この場合には、要求熱量に対応させるために、停止中のターボ冷凍機1Bを起動する。
一方、冷却水入口温度Tciが25℃以下のときは、例えば成績係数曲線L2が選定される。負荷割合が80%の場合には極大値であるC点で運転されていることになる。この場合には、要求負荷の増大に応じて冷温水流量Q1を増加させたとしても、極大値であるC点から運転点がずれることになるので、成績係数は低下してしまう。したがって、このような場合には停止中のターボ冷凍機1Bを起動する。
負荷割合が80%を越えている場合には、例えばD点に位置することになる。この場合には、要求負荷の増大に応じて、停止中のターボ冷凍機1Bを起動すると、運転中のターボ冷凍機1Aの負荷が減るので、成績係数が増大することになる。したがって、このような場合には積極的に冷凍機の増台運転を行う。
負荷割合が80%を下回っている場合には、例えばE点に位置することになる。この場合には、要求負荷の増大に応じて停止中のターボ冷凍機1Bを起動させることはせずに、現在運転しているターボ冷凍機1Aの冷温水流量Q1を増加させて、要求熱量に対応することとする。これにより、成績係数が良い状態で運転を継続させることができる。
次に、外部負荷30の要求熱量が減少したときを考える。この場合に、ターボ冷凍機1A及び1Bの2台が運転され、他のターボ冷凍機1Cのみが停止されていたとする。
常時、運転中のターボ冷凍機1A,1Bの運転状態が把握されている。例えば、冷却水入口温度Tciが25℃以上のときには成績係数曲線として曲線L1が選定され、負荷割合が80%の場合には、成績係数曲線L1上のA点でターボ冷凍機1A,1Bは運転されていると把握される。このA点の縦軸値を演算することにより、現在成績係数が得られる。成績係数曲線L1のA点で運転されている場合には、成績係数曲線L1の形状から明らかなように、さらに冷温水流量Q1,Q2を減少させて負荷を下げてしまうと、成績係数が低下する。したがって、このような場合には、外部負荷30の要求熱量が減少した場合には一方のターボ冷凍機1Bを停止させて、他方の現在運転しているターボ冷凍機1Aの負荷割合を増加させる。これにより、ターボ冷凍機1Aの成績係数を増大させることができる。
運転中のターボ冷凍機1A,1Bがともに全負荷の場合にはB点に位置し、この場合にはA点と同様の考え方で、一方のターボ冷凍機1Bを停止させて他方のターボ冷凍機1Aの成績係数向上を図る。
一方、冷却水入口温度Tciが25℃以下のときは、例えば成績係数曲線L2が選定される。負荷割合が80%の場合には極大値であるC点で運転されていることになる。この場合には、要求負荷の減少に応じて冷温水流量Q1,Q2を減少させても、一方のターボ冷凍機1Bを停止させても、極大値であるC点から外れるので成績係数は低下する。このような場合には、それぞれの場合の成績係数の低下量を計算し、この成績係数の低下量が少ない方を選定し、冷温水流量Q1,Q2の減少またはターボ冷凍機1Bの停止を行う。
負荷割合が80%を越えている場合には、例えばD点に位置することになる。この場合には、要求負荷の減少に応じて、冷温水流量Q1,Q2を減少させると、図において左方に移動するので、成績係数は上昇する。一方、ターボ冷凍機1Bを停止させると、運転継続中のターボ冷凍機1Aの負荷が上がることになるので成績係数は減少する。したがって、このような場合には、冷温水流量Q1,Q2の減少を行う。
負荷割合が80%を下回っている場合には、例えばE点に位置することになる。この場合には、要求負荷の減少に応じて冷温水流量Q1,Q2を減少させると、図において左に移動するので、成績係数は減少する。一方、ターボ冷凍機1Bを停止させると、運転継続中のターボ冷凍機1Aの負荷は増大するので、成績係数は増大する。したがって、このような場合には、ターボ冷凍機1Bの停止を行う。
図3には、上述の台数制御よりもさらに簡便な制御方法が示されている。つまり、成績係数の演算を経ずに、冷却水入口温度Tciを判断基準としてターボ冷凍機1A,1B,1Cの増減や冷温水流量Q1,Q2,Q3の増減を行う。
先ず、台数制御装置20において、温度センサ34によって得られる送水温度Ts、温度センサ35によって得られる還水温度Tr、流量計36によって得られる送水流量Qから、外部負荷30の要求負荷qを演算する(ステップS1)。
q=(Tr−Ts)×γ×λ×Q [kw] ・・・(1)
ここで、γ[kg/m]は比重であり、冷水の平均温度に基づいて算出される。
λ[kJ/kg]は比熱であり、冷水の平均温度に基づいて算出される。
次に、運転中の各ターボ冷凍機1A(又は1B,1C)の冷水入口温度Tiおよび冷水出口温度To、冷温水流量Q1(又はQ2,Q3)から、冷凍機出力(負荷)q1を演算する(ステップS2)。
q1=(Ti−To)×γ×λ×Q1 [kw] ・・・(1)
ここで、γ[kg/m]は比重であり、冷水の平均温度に基づいて算出される。
λ[kJ/kg]は比熱であり、冷水の平均温度に基づいて算出される。
次に、運転中の各ターボ冷凍機1A(又は1B,1C)で対応可能な最大冷凍機出力、及び最小冷凍機出力を演算する(ステップS3)。最大冷凍機出力は、冷凍機制御装置10A(又は10B,10C)のメモリに格納された定格冷凍出力が用いられる。最小冷凍機出力は、定格冷凍出力に対して30〜40%の値が用いられる。これば、ターボ圧縮機のストール等を考慮して決定される。
なお、上記ステップS1〜S3は、この順番で行う必要はなく、その順番は任意であり、並行して行っても良い。
次に、ステップS1において得られた要求負荷qと、ステップS3において得られた冷凍機最大出力とを比較する(ステップS4)。
要求負荷qが最大冷凍機出力よりも大きい場合には、ステップS5へと進み、冷凍機運転台数を1台増加させる(例えば、停止中のターボ冷凍機1B又は1Cを起動させる)。
要求負荷qが最大冷凍機出力よりも小さい場合には、ステップS6へと進む。
ステップS6では、ステップS1において得られた要求負荷qと、ステップS3において得られた最小冷凍機出力とを比較する。
要求負荷qが最小冷凍機出力よりも低い場合には、ステップS7へと進み、冷凍機運転台数を1台減らす(例えば、ターボ冷凍機1A,1Bが運転中の場合にはターボ冷凍機1Bを停止させる)。
要求負荷qが最小冷凍機出力よりも大きい場合にAH、ステップS8へと進む。
ステップS8では、要求負荷qと運転中のターボ冷凍機1A(又は1B,1C)の冷凍機出力合計とがほぼ等しいか否かを比較する。具体的には、運転台数の変更や冷温水流量の変更によって追従させる必要がない程度に、冷凍機出力合計が要求負荷qにほぼ等しい場合には、ステップS9へと進み、冷凍機運転台数および運転状態を変更しない。
運転台数の変更や冷温水流量の変更によって追従させることが必要となる程度に、冷凍機出力合計が要求負荷qと異なる場合には、ステップS10へと進む。
ステップS10では、要求負荷qが冷凍機出力合計よりも大きいか否かを判断する。
要求負荷qが冷凍機出力合計よりも大きい場合には、ステップS11へと進む。ステップS11では、冷却水入口温度Tciが所定値(例えば25℃)よりも大きいか否かを判断する。冷却水入口温度Tciが所定値よりも大きい場合には、ステップS12へ進み、冷水流量(熱媒流量)Q1(又はQ2,Q3)を増加させる。これは、図2を用いて説明したように、冷却水入口温度Tciが所定値よりも大きい場合には、成績係数曲線は、最小負荷から最大負荷に至るまで成績係数が増加する曲線を描く。したがって、冷水流量を増加させてターボ冷凍機1の負荷を増加させることで、要求負荷30の増大に対応させつつ、ターボ冷凍機1の成績係数が高い運転を実現することができる。
冷水流量を変更する際には、冷凍機制御装置10は、運転中のターボ冷凍機1の現在制御値(例えばターボ圧縮機の回転数、膨張弁の開度)と、冷水流量を変更した後の目標となる目標制御値との間の値とされた指示制御値によって、ターボ冷凍機1を制御する。これにより、冷水流量変更後のターボ冷凍機1の運転状態が目標制御値に対してオーバーシュートすることなく現在状態に先行して漸近することとなる。したがって、外部負荷の変化に対する追従性を上げることができる。
ステップS11において、冷却水入口温度Tciが所定値以下と判断されると、ステップS13へと進み、運転台数を増やす制御が行われる。これは、図2を用いて説明したように、冷却水入口温度Tciが所定値以下の場合には、成績係数曲線は極大値であるC点を有し、C点よりも負荷が大きい場合には冷水流量を上げても成績係数が下がってしまう。そこで、運転台数を増加させて冷凍機1台あたりの負荷を減少させることにより成績係数を増加させることとした。一方、C点よりも負荷が小さい場合には、冷水流量を増加させた方が好ましいが、図3に示した本制御では、制御の簡便性をねらい、運転台数を増加させる制御のみとした。
冷凍機制御装置10は、ターボ冷凍機1の運転台数を増加させる際に、運転中のターボ冷凍機1に加わる冷水流量を所定時間だけ増大させるように制御する。これは新たに起動するターボ冷凍機1の立ち上がりには所定時間を要するため、要求熱量qを出力できない時間帯を回避するためである。このように、運転中のターボ冷凍機1に加わる冷水流量を増大させて、新たに起動するターボ冷凍機1の立ち上がりに要する間の熱量不足を補うこととした。なお、運転中のターボ冷凍機1に供給される冷水流量の増量は、新たに起動するターボ冷凍機1の立ち上がり遅れによる熱量不足を補う程度でよい。また、冷水流量を変えずに運転中のターボ冷凍機1の設定冷水温度を下げるようにして、ターボ冷凍機1の負荷を増大させるようにしても良い。
ステップS10において、要求負荷qが冷凍機出力合計よりも小さい場合には、ステップS14へと進む。ステップS14では、冷却水入口温度Tciが所定値(例えば25℃)よりも大きいか否かを判断する。冷却水入口温度Tciが所定値よりも大きい場合には、ステップS15へと進み、冷水流量のみを変更するか、運転台数を減らし、1台あたりの冷水流量を増やす。ただし、図2で説明したように、冷水流量を減少させて負荷を下げてしまうと、成績係数が低下するので、運転台数を減らして1台あたりの冷水流量を増やして負荷を増加させる方が好ましい。
ステップS14において、冷却水入口温度Tciが所定温度よりも小さい場合には、ステップS16へと進み、現状維持運転を行うか、運転台数を減らす制御を行う。この場合には、図2において説明したように、成績係数曲線は極大値を有する。したがって、極大値であるC点で運転されている場合には、要求負荷の減少に応じて冷水流量を減少させても、1台のターボ冷凍機を停止させても、成績係数は低下する。このような場合には、各ターボ冷凍機1の制御の余裕度を得るために、運転台数を減らす。
図2のD点に位置している場合には、要求負荷の減少に応じて、冷水流量を減少させると成績係数が増大する。一方、1台のターボ冷凍機を停止させると、運転継続中のターボ冷凍機の負荷が増大して成績係数が低下する。したがって、このような場合には、現状維持とするか、温水流量を減少させた方が好ましい。
図2のE点に位置している場合には、要求負荷の減少に応じて冷水流量を減少させると成績係数が低下する。一方、1台のターボ冷凍機を停止させると、運転継続中のターボ冷凍機の負荷が増大するので成績係数は増加する。このような場合には、現状維持運転よりも運転台数を減らした方が好ましい。
次に、暖房運転時における各ターボ冷凍機1A,1B,1Cの成績係数(COP)について、図4を用いて説明する。冷房運転時と同様に、一般に、ターボ冷凍機等の冷凍機の成績係数は、環境温度である外気温度によって異なる。暖房運転を行う場合、外気温度が所定温度よりも低い条件では、冷凍機の成績係数は冷凍機の負荷の増加に応じて全負荷まで増加し、外気温度が所定温度よりも高い条件では、冷凍機の成績係数は極大値を有し、極大値から負荷を増加させると全負荷に至るまで所定量だけ減少する。
図1に示した本実施形態に即して説明すると、図4に示すように、外気温度に応じて、ターボ冷凍機1の成績係数は変化する。同図において、横軸は外気温度を示し、縦軸は成績係数を示す。また、各成績係数曲線の左端がターボ冷凍機1の最小負荷を示し、右端がターボ冷凍機1の最大負荷を示す。
冷却水温度が低いほど低い成績係数を示し、冷却水入口温度が高いほど高い成績係数を示す。また、外気温度が5℃(所定温度)以上のように外気温度が高い場合には、成績係数は極大値を有し、外気温度が5℃(所定温度)以下のように外気温度が低い場合には、極大値を有さず、最小負荷から最大負荷に至るにつれて、成績係数は増加する。
本発明は、このような傾向を利用して成績係数の良い状態で各ターボ冷凍機1A,1B,1Cを運転するものである。
冷凍機制御装置10A,10B,10Cは、それぞれ、図4に示したような冷凍機単体の成績係数のデータをメモリに備えている。
そして、外気温度センサ(図示せず)で測定した外気温度と、温度センサ32A,32B,32C及び温度センサ33A,33B,33Cから得られる温水(熱媒)の温度差(To−Ti)と流量計19から得られる温水流量Q1,Q2,Q3とに基づいて算出される負荷(冷凍出力)とに基づいて、運転中のターボ冷凍機1の現在成績係数を演算する。具体的には、現在の暖房出力から全負荷に対する負荷割合が算出され、この負荷割合を、現在の外気温度における成績係数曲線に当てはめることにより成績係数を演算する。そして、この成績係数曲線上のどの位置に現在成績係数が位置するかを考慮して、冷凍機の運転台数を増減するか、温水流量を増減するかを決定する。
外部負荷30の要求熱量が増加したときを考える。この場合に、ターボ冷凍機1Aのみが運転され、他のターボ冷凍機1B,1Cが停止されていたとする。
常時、運転中のターボ冷凍機1Aの運転状態が把握されている。例えば、外気温度が5℃以下のときには成績係数曲線として曲線L3が選定され、負荷割合が80%の場合には、成績係数曲線L3上のG点でターボ冷凍機1Aは運転されていると把握される。このG点の縦軸値を演算することにより、現在成績係数が得られる。成績係数曲線L3のG点で運転されている場合には、成績係数曲線L3の形状から明らかなように、さらに冷温水流量Q1を増加して負荷を上げれば、成績係数が増大する。したがって、このような場合には、外部負荷30の要求熱量が増えても即座に停止中のターボ冷凍機1Bを起動させることはせずに、現在運転しているターボ冷凍機1Aの冷温水流量Q1を増加させて、要求熱量に対応することとする。
ターボ冷凍機1Aの負荷割合が100%(全負荷)の場合には、H点で運転されていることになる。この場合には、増加した要求熱量に対応させるために、停止中のターボ冷凍機1Bを起動する。
一方、外気温度が5℃以上のときは、例えば成績係数曲線L4が選定される。負荷割合が80%の場合には極大値であるJ点で運転されていることになる。この場合には、要求負荷の増大に応じて冷温水流量Q1を増加させたとしても、極大値であるJ点から運転点がずれることになるので、成績係数は低下する。したがって、制御の余裕度が大きくなるように、停止中のターボ冷凍機1Bを起動して増台制御を行う。
負荷割合が80%を越えている場合には、例えばK点に位置することになる。この場合には、要求負荷の増大に応じて、停止中のターボ冷凍機1Bを起動すると、運転中のターボ冷凍機1Aの負荷が減るので、右方向に運転点がずれることになり、成績係数が増大する。したがって、このような場合には積極的に冷凍機の増台運転を行う。
負荷割合が80%を下回っている場合には、例えばM点に位置することになる。この場合には、要求負荷の増大に応じて停止中のターボ冷凍機1Bを起動させることはせずに、現在運転しているターボ冷凍機1Aの冷温水流量Q1を増加させて、運転点を右方向にずらして成績係数を上げて要求熱量に対応することとする。これにより、成績係数が良い状態で運転を継続させることができる。
次に、外部負荷30の要求熱量が減少したときを考える。この場合に、ターボ冷凍機1A及び1Bの2台が運転され、他のターボ冷凍機1Cのみが停止されていたとする。
常時、運転中のターボ冷凍機1A,1Bの運転状態が把握されている。例えば、外気温度が5℃以下のときには成績係数曲線として曲線L3が選定され、負荷割合が80%の場合には、成績係数曲線L3上のG点でターボ冷凍機1A,1Bは運転されていると把握される。このG点の縦軸値を演算することにより、現在成績係数が得られる。成績係数曲線L3のG点で運転されている場合には、成績係数曲線L3の形状から明らかなように、さらに冷温水流量Q1,Q2を減少させて負荷を下げてしまうと、成績係数が低下する。したがって、このような場合には、外部負荷30の要求熱量が減少した場合には一方のターボ冷凍機1Bを停止させて、他方の現在運転しているターボ冷凍機1Aの負荷割合を増加させる。これにより、運転点を右方にずらすことにより、ターボ冷凍機1Aの成績係数を増大させることができる。
運転中のターボ冷凍機1A,1Bがともに全負荷の場合にはH点に位置し、この場合には、一方のターボ冷凍機1Bを停止させて、他方のターボ冷凍機1Aの負荷を上げることにより成績係数向上を図る。
一方、外気温度が5℃以上のときは、例えば成績係数曲線L4が選定される。負荷割合が80%の場合には極大値であるJ点で運転されていることになる。この場合には、要求負荷の減少に応じて冷温水流量Q1,Q2を減少させても、一方のターボ冷凍機1Bを停止させても、運転点が極大値であるJ点からずれることになるので、成績係数は低下する。このような場合には、それぞれの場合の成績係数の低下量を計算し、この成績係数の低下量が少ない方を選定し、冷温水流量Q1,Q2の減少またはターボ冷凍機1Bの停止を行う。
負荷割合が80%を越えている場合には、例えばK点に位置することになる。この場合には、要求負荷の減少に応じて、冷温水流量Q1,Q2を減少させると、左方に運転点がずれることになり、成績係数が上昇する。一方、ターボ冷凍機1Bを停止させると、運転継続中のターボ冷凍機1Aの負荷が増加することになり、成績係数が低下することになる。したがって、このような場合には、冷温水流量Q1,Q2の減少を行う。
負荷割合が80%を下回っている場合には、例えばM点に位置することになる。この場合には、要求負荷の減少に応じて冷温水流量Q1,Q2を減少させると、成績係数が低下する。したがって、一方のターボ冷凍機1Bを停止させて、運転継続中のターボ冷凍機1Aの負荷を上げ、成績係数を上昇させる。したがって、このような場合には、ターボ冷凍機1Bの停止を行う。
図5には、上述の台数制御よりもさらに簡便な制御方法が示されている。つまり、成績係数の演算を経ずに、外気温度を判断基準としてターボ冷凍機1A,1B,1Cの増減や冷温水流量Q1,Q2,Q3の増減を行う。
先ず、台数制御装置20において、温度センサ34によって得られる送水温度Ts、温度センサ35によって得られる還水温度Tr、流量計36によって得られる送水流量Qから、外部負荷30の要求負荷qを演算する(ステップS21)。
q=(Ts−Tr)×γ×λ×Q [kw] ・・・(1)
ここで、γ[kg/m]は比重であり、温水の平均温度に基づいて算出される。
λ[kJ/kg]は比熱であり、温水の平均温度に基づいて算出される。
次に、運転中の各ターボ冷凍機1A(又は1B,1C)の温水入口温度Tiおよび温水出口温度To、冷温水流量Q1(又はQ2,Q3)から、冷凍機出力(負荷)q1を演算する(ステップS22)。
q1=(Ti−To)×γ×λ×Q1 [kw] ・・・(1)
ここで、γ[kg/m]は比重であり、温水の平均温度に基づいて算出される。
λ[kJ/kg]は比熱であり、温水の平均温度に基づいて算出される。
次に、運転中の各ターボ冷凍機1A(又は1B,1C)で対応可能な最大冷凍機出力、及び最小冷凍機出力を演算する(ステップS23)。最大冷凍機出力は、冷凍機制御装置10A(又は10B,10C)のメモリに格納された定格暖房出力が用いられる。最小冷凍機出力は、定格暖房出力に対して30〜40%の値が用いられる。これば、ターボ圧縮機のストール等を考慮して決定される。
なお、上記ステップS21〜S23は、この順番で行う必要はなく、その順番は任意であり、並行して行っても良い。
次に、ステップS21において得られた要求負荷qと、ステップS23において得られた冷凍機最大出力とを比較する(ステップS24)。
要求負荷qが最大冷凍機出力よりも大きい場合には、ステップS25へと進み、冷凍機運転台数を1台増加させる(例えば、停止中のターボ冷凍機1B又は1Cを起動させる)。
要求負荷qが最大冷凍機出力よりも小さい場合には、ステップS26へと進む。
ステップS26では、ステップS21において得られた要求負荷qと、ステップS23において得られた最小冷凍機出力とを比較する。
要求負荷qが最小冷凍機出力よりも低い場合には、ステップS27へと進み、冷凍機運転台数を1台減らす(例えば、ターボ冷凍機1A,1Bが運転中の場合にはターボ冷凍機1Bを停止させる)。
要求負荷qが最小冷凍機出力よりも大きい場合にAH、ステップS28へと進む。
ステップS28では、要求負荷qと運転中のターボ冷凍機1A(又は1B,1C)の冷凍機出力合計とがほぼ等しいか否かを比較する。具体的には、運転台数の変更や冷温水流量の変更によって要求負荷qに追従させる必要がない程度に、冷凍機出力合計が要求負荷qにほぼ等しい場合には、ステップS29へと進み、冷凍機運転台数および運転状態を変更しない。
運転台数の変更や冷温水流量の変更によって要求負荷qに追従させることが必要となる程度に、冷凍機出力合計が要求負荷qと異なる場合には、ステップS30へと進む。
ステップS30では、要求負荷qが冷凍機出力合計よりも大きいか否かを判断する。
要求負荷qが冷凍機出力合計よりも大きい場合には、ステップS31へと進む。ステップS31では、外気温度が所定値(例えば25℃)よりも小さいか否かを判断する。外気温度が所定値よりも小さい場合には、ステップS32へ進み、温水流量(熱媒流量)Q1(又はQ2,Q3)を増加させる。これは、図4を用いて説明したように、外気温度Tciが所定値よりも小さい場合には、成績係数曲線は、最小負荷から最大負荷に至るまで成績係数が増加する曲線を描く。したがって、温水流量を増加させてターボ冷凍機1の負荷を増加させることで、要求負荷qの増大に対応させつつ、ターボ冷凍機1の成績係数が高い運転を実現することができる。
温水流量を変更する際には、冷凍機制御装置10は、運転中のターボ冷凍機1の現在制御値(例えばターボ圧縮機の回転数、膨張弁の開度)と、温水流量を変更した後の目標となる目標制御値との間の値とされた指示制御値によって、ターボ冷凍機1を制御する。これにより、温水流量変更後のターボ冷凍機1の運転状態が目標制御値に対してオーバーシュートすることなく現在状態に先行して漸近することとなる。したがって、外部負荷30の変化に対する追従性を上げることができる。
ステップS31において、外気温度が所定値以上と判断されると、ステップS33へと進み、運転台数を増やす制御が行われる。これは、図4を用いて説明したように、外気温度が所定値以上の場合には、成績係数曲線は極大値であるJ点を有し、J点よりも負荷が大きい場合には温水流量を上げても負荷を挙げても図4の右方に運転点がずれるので成績係数が下がってしまう。そこで、運転台数を増加させて冷凍機1台あたりの負荷を減少させることにより、図4において左方に運転点をずらすことにより成績係数を増加させることとした。一方、極大値であるJ点よりも負荷が小さい場合には、温水流量を増加させた方が好ましいが、図5に示した本制御では、制御の簡便性をねらい、運転台数を増加させる制御のみとした。
冷凍機制御装置10は、ターボ冷凍機1の運転台数を増加させる際に、運転中のターボ冷凍機1に加わる温水流量を所定時間だけ増大させるように制御する。これは新たに起動するターボ冷凍機1の立ち上がりには所定時間を要するため、要求熱量qを出力できない時間帯を回避するためである。このように、運転中のターボ冷凍機1に加わる温水流量を増大させて、新たに起動するターボ冷凍機1の立ち上がりに要する間の熱量不足を補うこととした。なお、運転中のターボ冷凍機1に供給される温水流量の増量は、新たに起動するターボ冷凍機1の立ち上がり遅れによる熱量不足を補う程度でよい。また、温水流量を変えずに運転中のターボ冷凍機1の設定温水温度を上げるようにして、ターボ冷凍機1の負荷を増大させるようにしても良い。
ステップS30において、要求負荷qが冷凍機出力合計よりも小さい場合には、ステップS34へと進む。ステップS34では、外気温度が所定値(例えば25℃)よりも小さいか否かを判断する。外気温度が所定値よりも小さい場合には、ステップS35へと進み、温水流量のみを変更するか、運転台数を減らし、1台あたりの温水流量を増やす。ただし、図4で説明したように、温水流量を減少させて負荷を下げてしまうと、成績係数が低下するので、運転台数を減らして1台あたりの冷水流量を増やして負荷を増加させる方が好ましい。
ステップS34において、外気温度が所定温度よりも大きい場合には、ステップS36へと進み、現状維持運転を行うか、運転台数を減らす制御を行う。この場合には、図4において説明したように、成績係数曲線は極大値を有する。したがって、極大値であるJ点で運転されている場合には、要求負荷の減少に応じて冷水流量を減少させても、1台のターボ冷凍機を停止させても、成績係数は低下する。このような場合には、各ターボ冷凍機1の制御の余裕度を得るために、運転台数を減らすこととする。
図4のK点に位置している場合には、要求負荷の減少に応じて、温水流量を減少させると成績係数が増大する。一方、1台のターボ冷凍機を停止させると、運転継続中のターボ冷凍機の負荷が増大して成績係数が低下する。したがって、このような場合には、現状維持とするか、温水流量を減少させた方が好ましい。
図4のM点に位置している場合には、要求負荷qの減少に応じて温水流量を減少させると、成績係数は低下する。一方、1台のターボ冷凍機を停止させると、運転継続中のターボ冷凍機の負荷が増大するので成績係数は増加する。このような場合には、運転台数を減らした方が好ましい。
以上説明したように、本実施形態にかかる熱源システムおよびその制御方法によれば、以下の作用効果を奏する。
冷房運転時には冷却水温度ごとに、暖房運転時には外気温度ごとに、成績係数を示す曲線を予め得ておき、運転中の冷却水温度または外気温度から、運転中のターボ冷凍機1の現在の負荷割合に応じた成績係数を得ることとした。そして、外部負荷30の要求熱量qに追随する際に、成績係数曲線上の位置から、ターボ冷凍機1の冷温水流量を増加させた方が成績係数が増加するのか、ターボ冷凍機1の運転台数を増減させた方が成績係数が増加するのかを判断することとした。これにより、外部負荷30の要求熱量qの変化に対応しつつ、成績係数が高い状態でターボ冷凍機を運転させることができる。
また、冷房運転時には冷却水温度ごとに、暖房運転時には外気温度ごとに、成績係数を示す曲線を予め把握しておき、成績係数曲線がターボ冷凍機1の負荷割合の増加に対して単調に増加する曲線(図2のL1,図4のL3)を描くのか、極大値を有する曲線を描くのか(図2のL2,図4のL4)が分かれる冷却水温度または外気温度(例えば25℃または5℃)を閾値として、冷温水流量の増減や運転台数の増減を判断することとした。これにより、簡便な制御プログラムにより、外部負荷30の要求熱量qの変化に対応しつつ、成績係数が高い状態でターボ冷凍機を運転させることができる。
なお、本実施形態では、熱源装置としてターボ冷凍機を一例として説明したが、他の形式の冷凍機や空気調和装置であっても良い。
また、ターボ冷凍機を3台備えた熱源システムを例として説明したが、冷凍機の数はこれに限定されず、2台であっても、4台以上であっても良い。
また、図3のステップS11及びS14において、冷却水入口温度Tciを用いて制御の判断を行うこととしたが、これに代えて冷却水出口温度Tcoを用いても良く、あるいは、冷却塔3を備えない熱源システムであれば外気温度を用いることとしても良い。
本発明の熱源システムを示した概略図である。 冷房運転時の冷凍機の成績係数を冷却水温度に対して示したグラフである。 冷房運転時の台数変更の方法を示したフローチャートである。 暖房運転時の冷凍機の成績係数を外気温度に対して示したグラフである。 暖房運転時の台数変更の方法を示したフローチャートである。
符号の説明
1A,1B,C ターボ冷凍機(熱源機)
3A,3B,3C 冷却塔
10A,10B,10C 冷凍機制御装置(制御装置)
20 台数制御装置(制御装置)
20 外部負荷
Tci 冷却水入口温度(冷却水温度)

Claims (11)

  1. 外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する第1熱交換器、及び、外気または冷却水と熱交換を行う第2熱交換器とを備えた複数の熱源機と、
    これら熱源機を制御する制御装置と、を備えた熱源システムにおいて、
    前記制御装置は、前記外部負荷の要求熱量が変化した場合に、外気温度または冷却水温度と、運転中の前記熱源機の現在負荷とに基づいて該熱源機の現在成績係数を得て、
    該現在成績係数に基づいて、前記熱源機の運転台数の増減または前記第1熱交換器を流れる熱媒流量の増減を判断することを特徴とする熱源システム。
  2. 外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する第1熱交換器、及び、外気または冷却水と熱交換を行う第2熱交換器を備えた複数の熱源機と、
    これら熱源機を制御する制御装置と、を備えた熱源システムにおいて、
    前記制御装置は、冷房運転中に、前記外部負荷の要求熱量が増加し、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも高い場合には、前記熱源機の運転台数を増加させずに熱媒流量を増加させることを特徴とする熱源システム。
  3. 外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する第1熱交換器、及び、外気または冷却水と熱交換を行う第2熱交換器を備えた複数の熱源機と、
    これら熱源機を制御する制御装置と、を備えた熱源システムにおいて、
    暖房運転中に、前記外部負荷の要求熱量が増加し、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも低い場合には、前記熱源機の運転台数を増加させずに熱媒流量を増加させることを特徴とする熱源システム。
  4. 前記制御装置は、前記熱媒流量を変更する際に、運転中の前記熱源機の現在制御値と、前記熱媒流量を変更した後の目標となる目標制御値との間の値とされた指示制御値によって、前記熱源機を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の熱源システム。
  5. 前記制御装置は、前記熱源機の運転台数を増加させる際に、運転中の熱源機に加わる負荷を増大させることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の熱源システム。
  6. 外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する第1熱交換器と、外気または冷却水と熱交換を行う第2熱交換器とを備えた複数の熱源機を制御する熱源システムの制御装置において、
    前記外部負荷の要求熱量が変化した場合に、外気温度または冷却水温度と、運転中の前記熱源機の現在負荷とに基づいて該熱源機の現在成績係数を得て、
    該現在成績係数に基づいて、前記熱源機の運転台数の増減または前記第1熱交換器を流れる熱媒流量の増減を判断することを特徴とする熱源システムの制御装置。
  7. 外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する第1熱交換器と、外気または冷却水と熱交換を行う第2熱交換器とを備えた複数の熱源機を制御する熱源システムの制御装置において、
    冷房運転中に、前記外部負荷の要求熱量が増加し、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも高い場合には、前記熱源機の運転台数を増加させずに熱媒流量を増加させることを特徴とする熱源システムの制御装置。
  8. 外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する第1熱交換器と、外気または冷却水と熱交換を行う第2熱交換器とを備えた複数の熱源機を制御する熱源システムの制御装置において、
    暖房運転中に、前記外部負荷の要求熱量が増加し、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも低い場合には、前記熱源機の運転台数を増加させずに熱媒流量を増加させることを特徴とする熱源システムの制御装置。
  9. 外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する第1熱交換器と、外気または冷却水と熱交換を行う第2熱交換器とを備えた複数の熱源機を制御する熱源システムの制御方法において、
    前記外部負荷の要求熱量が変化した場合に、外気温度または冷却水温度と、運転中の前記熱源機の現在負荷とに基づいて該熱源機の現在成績係数を得て、
    該現在成績係数に基づいて、前記熱源機の運転台数の増減または前記第1熱交換器を流れる熱媒流量の増減を判断することを特徴とする熱源システムの制御方法。
  10. 外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する第1熱交換器と、外気または冷却水と熱交換を行う第2熱交換器とを備えた複数の熱源機を制御する熱源システムの制御方法において、
    冷房運転中に、前記外部負荷の要求熱量が増加し、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも高い場合には、前記熱源機の運転台数を増加させずに熱媒流量を増加させることを特徴とする熱源システムの制御方法。
  11. 外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する第1熱交換器と、外気または冷却水と熱交換を行う第2熱交換器とを備えた複数の熱源機を制御する熱源システムの制御方法において、
    暖房運転中に、前記外部負荷の要求熱量が増加し、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも低い場合には、前記熱源機の運転台数を増加させずに熱媒流量を増加させることを特徴とする熱源システムの制御方法。
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