JP2006292329A - 熱源システムおよびその制御装置ならびにその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 外部負荷から流入する冷水を冷却する蒸発器、及び、冷却水と熱交換を行う凝縮器を備えた複数のターボ冷凍機と、これらターボ冷凍機を制御する冷凍機制御装置および台数制御装置とを備えた熱源システムにおいて、制御装置は、冷房運転中に、外部負荷の要求熱量が増加し、冷却水温度が所定温度よりも高い場合には、ターボ冷凍機の運転台数を増加させずに冷水流量を増加させる(S12)ことを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
このような運転台数の増減に対して、効率的な運転を実現するために、外部条件によって変化する熱源機の能力を推定し、熱源機の運転台数の切り替えポイントを自動的に変更する技術が知られている(特許文献1)。
また、各熱源機を効率の最も良い状態で運転させるために、熱源機の運転台数を増加させる前に、熱媒流量を定格流量よりも多く供給して全負荷に近づける技術が知られている(特許文献2)。
また、特許文献2記載の技術は、各熱源機を全負荷に近づけて成績係数が良い状態で運転させることはできるが、外気温度や冷却水温度によっては全負荷に近づけると却って成績係数が低下する場合がある。
すなわち、本発明にかかる熱源システムは、外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する第1熱交換器、及び、外気または冷却水と熱交換を行う第2熱交換器とを備えた複数の熱源機と、これら熱源機を制御する制御装置と、を備えた熱源システムにおいて、前記制御装置は、前記外部負荷の要求熱量が変化した場合に、外気温度または冷却水温度と、運転中の前記熱源機の現在負荷とに基づいて該熱源機の現在成績係数を得て、該現在成績係数に基づいて、前記熱源機の運転台数の増減または前記第1熱交換器を流れる熱媒流量の増減を判断することを特徴とする。
したがって、現在の外気温度または冷却水温度と、運転中の熱源機の現在負荷とによって、外部負荷の要求熱量に追随する際に熱源機の負荷を増加(熱媒流量を増加)させた方が成績係数が増加するのか、熱源機の負荷を減少(熱媒流量を減少)させた方が成績係数が増加するのかを判断することとした。
したがって、冷房運転中に外部負荷の要求熱量が増加した場合に、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも高い条件で、要求熱量に応じて熱源機を増加させると、熱源機一台あたりの負荷が減少して成績係数が下がる。そこで、このような場合には熱源機の台数を増加させずに熱媒流量(冷水流量)を増加させることとし、成績係数の増大を図ることとした。
なお、「所定温度」とは、熱源機の成績係数が負荷割合の増加に対して単調に増加する曲線を描くのか、極大値を有する曲線を描くのかが分かれる外気温度または冷却水温度を意味し、例えば25℃程度である。
したがって、暖房運転中に外部負荷の要求熱量が増加した場合に、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも低い条件で、要求熱量に応じて熱源機を増加させると、熱源機一台あたりの負荷が減少して成績係数が下がる。そこで、このような場合には熱源機の台数を増加させずに熱媒流量(温水流量)を増加させることとし、成績係数の増大を図ることとした。
なお、「所定温度」とは、熱源機の成績係数が負荷割合の増加に対して単調に増加する曲線を描くのか、極大値を有する曲線を描くのかが分かれる外気温度または冷却水温度を意味し、例えば5℃程度である。
制御値としては、例えば、圧縮機の回転数、膨張弁開度等が挙げられる。
そこで、熱源機の運転台数を増加させる際には、運転中の熱源機に加わる負荷を増大させて、新たに起動する熱源機の立ち上がりに要する間の負荷を補うこととした。したがって、運転中の熱源機に付加される負荷は、新たに起動する熱源機の立ち上がり遅れを補う程度でよい。
運転中の熱源機に加わる負荷を増大させるには、例えば、熱媒の設定冷水温度を下げるか、熱媒の設定温水温度を上げるか、または、熱媒流量を増加させる。
したがって、現在の外気温度または冷却水温度と、運転中の熱源機の現在負荷とによって、外部負荷の要求熱量に追随する際に熱源機の負荷を増加(熱媒流量を増加)させた方が成績係数が増加するのか、熱源機の負荷を減少(熱媒流量を減少)させた方が成績係数が増加するのかを判断することとした。
したがって、冷房運転中に外部負荷の要求熱量が増加した場合に、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも高い条件で、要求熱量に応じて熱源機を増加させると、熱源機一台あたりの負荷が減少して成績係数が下がる。そこで、このような場合には熱源機の台数を増加させずに熱媒流量(冷水流量)を増加させることとし、成績係数の増大を図ることとした。
なお、「所定温度」とは、熱源機の成績係数が負荷割合の増加に対して単調に増加する曲線を描くのか、極大値を有する曲線を描くのかが分かれる外気温度または冷却水温度を意味し、例えば25℃程度である。
したがって、暖房運転中に外部負荷の要求熱量が増加した場合に、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも低い条件で、要求熱量に応じて熱源機を増加させると、熱源機一台あたりの負荷が減少して成績係数が下がる。そこで、このような場合には熱源機の台数を増加させずに熱媒流量(温水流量)を増加させることとし、成績係数の増大を図ることとした。
なお、「所定温度」とは、熱源機の成績係数が負荷割合の増加に対して単調に増加する曲線を描くのか、極大値を有する曲線を描くのかが分かれる外気温度または冷却水温度を意味し、例えば5℃程度である。
したがって、現在の外気温度または冷却水温度と、運転中の熱源機の現在負荷とによって、外部負荷の要求熱量に追随する際に熱源機の負荷を増加(熱媒流量を増加)させた方が成績係数が増加するのか、熱源機の負荷を減少(熱媒流量を減少)させた方が成績係数が増加するのかを判断することとした。
したがって、冷房運転中に外部負荷の要求熱量が増加した場合に、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも高い条件で、要求熱量に応じて熱源機を増加させると、熱源機一台あたりの負荷が減少して成績係数が下がる。そこで、このような場合には熱源機の台数を増加させずに熱媒流量(冷水流量)を増加させることとし、成績係数の増大を図ることとした。
なお、「所定温度」とは、熱源機の成績係数が負荷割合の増加に対して単調に増加する曲線を描くのか、極大値を有する曲線を描くのかが分かれる外気温度または冷却水温度を意味し、例えば25℃程度である。
したがって、暖房運転中に外部負荷の要求熱量が増加した場合に、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも低い条件で、要求熱量に応じて熱源機を増加させると、熱源機一台あたりの負荷が減少して成績係数が下がる。そこで、このような場合には熱源機の台数を増加させずに熱媒流量(温水流量)を増加させることとし、成績係数の増大を図ることとした。
なお、「所定温度」とは、熱源機の成績係数が負荷割合の増加に対して単調に増加する曲線を描くのか、極大値を有する曲線を描くのかが分かれる外気温度または冷却水温度を意味し、例えば5℃程度である。
図1には、熱源システムの概略が示されている。
熱源システムは、複数のターボ冷凍機(熱源機)1A,1B,1Cを備えている。
図示しないが、各ターボ冷凍機1A,1B,1Cは、冷媒を圧縮するターボ圧縮機と、外部負荷から流入する熱媒(冷温水)を冷却または加熱する第1熱交換器と、冷却塔3A,3B,3Cからの冷却水と熱交換する第2熱交換器と、高圧冷媒を膨張させる膨張弁とを備えている。
ターボ圧縮機は、回転数制御が可能とされたインバータ式とされている。
第1熱交換器は、冷房時には蒸発器として動作し、暖房時には凝縮器として動作する。
第2熱交換器は、冷房時には凝縮器として動作し、暖房時には蒸発器として動作する。
膨張弁は、冷房時に、第2熱交換器(凝縮器)からの高圧液冷媒を膨張させて低圧液冷媒とし、第1熱交換器(蒸発器)へと導く。
また、台数制御装置20は、後述するヘッダバイパス弁22の開度も制御する。
冷温水配管17A,17B,17C,18A,18B,18Cは、第1熱交換器によって熱交換された冷温水を外部負荷30側の往ヘッダ24へと供給する往冷温水配管17A,17B,17Cと、外部負荷30側の復ヘッダ26からの冷温水を第1熱交換器へと導く復冷温水配管18A,18B,18Cとからなっている。
往冷温水配管17A,17B,17Cには、それぞれ、冷温水を流通させるための冷温水ポンプ(熱媒ポンプ)15A,15B,15Cが設けられている。冷温水ポンプ15A,15B,15Cの回転数は、冷凍機制御装置10A,10B,10Cによって制御される。また、往冷温水配管17A,17B,17Cには、それぞれ、各第1熱交換器から流出する冷温水流量Q1,12,Q3を計測する流量計19A,19B,19Cおよび第1熱交換器から流出する流出温度Toを計測する温度センサ33A,33B,33Cが設けられている。流量計19A,19B,19C及び温度センサ33A,33B,33Cの出力は、各冷凍機制御装置10A,10B,10Cへと送られる。
復冷温水配管18A,18B,18Cには、それぞれ、第1熱交換器への流入温度Tiを測定する温度センサ32A,32B,32Cが設けられている。温度センサ32A,32B,32Cの出力は、各冷凍機制御装置10A,10B,10Cへと送られる。
各往冷温水配管17A,17B,17Cからの冷温水は往ヘッダ25に集められ、復ヘッダ26からの冷温水は各復冷温水配管18A,18B,18Cへと分配される。
往ヘッダ24には、送水温度Tsを計測する温度センサ34が設けられており、復ヘッダ26には、還水温度Trを計測する温度センサ35が設けられている。また、往ヘッダ24の下流側には、外部負荷30との間の冷温水循環流量Qを計測する流量計36が設けられている。
往ヘッダ24と復ヘッダ26との間には、ヘッダバイパス管28が設けられており、このヘッダバイパス管28にはヘッダバイパス弁22が設けられている。ヘッダバイパス弁22の開度は、台数制御装置20によって制御される。
図1に示した本実施形態に即して説明すると、図2に示すように、冷却水温度(例えば冷却水入口温度Tci)に応じて、ターボ冷凍機1の成績係数は変化する。同図において、横軸は冷却水温度を示し、縦軸は成績係数を示す。また、各成績係数曲線の左端がターボ冷凍機1の最小負荷を示し、右端がターボ冷凍機1の最大負荷(全負荷)を示す。
冷却水温度が低いほど高い成績係数を示し、冷却水入口温度が高いほど低い成績係数を示す。また、冷却水入口温度が25℃(所定温度)以下のように冷却水温度が低い場合には、成績係数は極大値を有し、冷却水入口温度が25℃(所定温度)以上のように冷却水温度が高い場合には、極大値を有さず、最小負荷から最大負荷に至るにつれて、成績係数は増加する。
本発明は、このような傾向を利用して成績係数の良い状態で各ターボ冷凍機1A,1B,1Cを運転するものである。
そして、温度センサ12A,12B,12Cで測定した冷却水入口温度Tciと、温度センサ32A,32B,32C及び温度センサ33A,33B,33Cから得られる冷水(熱媒)の温度差(Ti−To)と流量計19から得られる冷水流量Q1,Q2,Q3とに基づいて算出される負荷(冷凍出力)とに基づいて、運転中のターボ冷凍機1の現在成績係数を演算する。具体的には、現在の冷凍出力から全負荷に対する負荷割合が算出され、この負荷割合を、現在の冷却水温度における成績係数曲線に当てはめることにより成績係数を演算する。そして、この成績係数曲線上のどの位置に現在成績係数が位置するかを考慮して、冷凍機の運転台数を増減するか、冷水流量を増減するかを決定する。
常時、運転中のターボ冷凍機1Aの運転状態が把握されている。例えば、冷却水入口温度Tciが25℃以上のときには成績係数曲線として曲線L1が選定され、負荷割合が80%の場合には、成績係数曲線L1上のA点でターボ冷凍機1Aは運転されていると把握される。このA点の縦軸値を演算することにより、現在成績係数が得られる。成績係数曲線L1のA点で運転されている場合には、成績係数曲線L1の形状から明らかなように、さらに冷温水流量Q1を増加して負荷を上げれば、図において右方に運転点が移動することになり、成績係数が増大する。したがって、このような場合には、外部負荷30の要求熱量が増えても即座に停止中のターボ冷凍機1Bを起動させることはせずに、現在運転しているターボ冷凍機1Aの冷温水流量Q1を増加させて、要求熱量に対応することとする。
ターボ冷凍機1Aの負荷割合が100%(全負荷)の場合には、B点で運転されていることになる。この場合には、要求熱量に対応させるために、停止中のターボ冷凍機1Bを起動する。
負荷割合が80%を越えている場合には、例えばD点に位置することになる。この場合には、要求負荷の増大に応じて、停止中のターボ冷凍機1Bを起動すると、運転中のターボ冷凍機1Aの負荷が減るので、成績係数が増大することになる。したがって、このような場合には積極的に冷凍機の増台運転を行う。
負荷割合が80%を下回っている場合には、例えばE点に位置することになる。この場合には、要求負荷の増大に応じて停止中のターボ冷凍機1Bを起動させることはせずに、現在運転しているターボ冷凍機1Aの冷温水流量Q1を増加させて、要求熱量に対応することとする。これにより、成績係数が良い状態で運転を継続させることができる。
常時、運転中のターボ冷凍機1A,1Bの運転状態が把握されている。例えば、冷却水入口温度Tciが25℃以上のときには成績係数曲線として曲線L1が選定され、負荷割合が80%の場合には、成績係数曲線L1上のA点でターボ冷凍機1A,1Bは運転されていると把握される。このA点の縦軸値を演算することにより、現在成績係数が得られる。成績係数曲線L1のA点で運転されている場合には、成績係数曲線L1の形状から明らかなように、さらに冷温水流量Q1,Q2を減少させて負荷を下げてしまうと、成績係数が低下する。したがって、このような場合には、外部負荷30の要求熱量が減少した場合には一方のターボ冷凍機1Bを停止させて、他方の現在運転しているターボ冷凍機1Aの負荷割合を増加させる。これにより、ターボ冷凍機1Aの成績係数を増大させることができる。
運転中のターボ冷凍機1A,1Bがともに全負荷の場合にはB点に位置し、この場合にはA点と同様の考え方で、一方のターボ冷凍機1Bを停止させて他方のターボ冷凍機1Aの成績係数向上を図る。
負荷割合が80%を越えている場合には、例えばD点に位置することになる。この場合には、要求負荷の減少に応じて、冷温水流量Q1,Q2を減少させると、図において左方に移動するので、成績係数は上昇する。一方、ターボ冷凍機1Bを停止させると、運転継続中のターボ冷凍機1Aの負荷が上がることになるので成績係数は減少する。したがって、このような場合には、冷温水流量Q1,Q2の減少を行う。
負荷割合が80%を下回っている場合には、例えばE点に位置することになる。この場合には、要求負荷の減少に応じて冷温水流量Q1,Q2を減少させると、図において左に移動するので、成績係数は減少する。一方、ターボ冷凍機1Bを停止させると、運転継続中のターボ冷凍機1Aの負荷は増大するので、成績係数は増大する。したがって、このような場合には、ターボ冷凍機1Bの停止を行う。
先ず、台数制御装置20において、温度センサ34によって得られる送水温度Ts、温度センサ35によって得られる還水温度Tr、流量計36によって得られる送水流量Qから、外部負荷30の要求負荷qを演算する(ステップS1)。
q=(Tr−Ts)×γ×λ×Q [kw] ・・・(1)
ここで、γ[kg/m3]は比重であり、冷水の平均温度に基づいて算出される。
λ[kJ/kg]は比熱であり、冷水の平均温度に基づいて算出される。
q1=(Ti−To)×γ×λ×Q1 [kw] ・・・(1)
ここで、γ[kg/m3]は比重であり、冷水の平均温度に基づいて算出される。
λ[kJ/kg]は比熱であり、冷水の平均温度に基づいて算出される。
なお、上記ステップS1〜S3は、この順番で行う必要はなく、その順番は任意であり、並行して行っても良い。
要求負荷qが最大冷凍機出力よりも大きい場合には、ステップS5へと進み、冷凍機運転台数を1台増加させる(例えば、停止中のターボ冷凍機1B又は1Cを起動させる)。
要求負荷qが最大冷凍機出力よりも小さい場合には、ステップS6へと進む。
要求負荷qが最小冷凍機出力よりも低い場合には、ステップS7へと進み、冷凍機運転台数を1台減らす(例えば、ターボ冷凍機1A,1Bが運転中の場合にはターボ冷凍機1Bを停止させる)。
要求負荷qが最小冷凍機出力よりも大きい場合にAH、ステップS8へと進む。
運転台数の変更や冷温水流量の変更によって追従させることが必要となる程度に、冷凍機出力合計が要求負荷qと異なる場合には、ステップS10へと進む。
要求負荷qが冷凍機出力合計よりも大きい場合には、ステップS11へと進む。ステップS11では、冷却水入口温度Tciが所定値(例えば25℃)よりも大きいか否かを判断する。冷却水入口温度Tciが所定値よりも大きい場合には、ステップS12へ進み、冷水流量(熱媒流量)Q1(又はQ2,Q3)を増加させる。これは、図2を用いて説明したように、冷却水入口温度Tciが所定値よりも大きい場合には、成績係数曲線は、最小負荷から最大負荷に至るまで成績係数が増加する曲線を描く。したがって、冷水流量を増加させてターボ冷凍機1の負荷を増加させることで、要求負荷30の増大に対応させつつ、ターボ冷凍機1の成績係数が高い運転を実現することができる。
図2のD点に位置している場合には、要求負荷の減少に応じて、冷水流量を減少させると成績係数が増大する。一方、1台のターボ冷凍機を停止させると、運転継続中のターボ冷凍機の負荷が増大して成績係数が低下する。したがって、このような場合には、現状維持とするか、温水流量を減少させた方が好ましい。
図2のE点に位置している場合には、要求負荷の減少に応じて冷水流量を減少させると成績係数が低下する。一方、1台のターボ冷凍機を停止させると、運転継続中のターボ冷凍機の負荷が増大するので成績係数は増加する。このような場合には、現状維持運転よりも運転台数を減らした方が好ましい。
図1に示した本実施形態に即して説明すると、図4に示すように、外気温度に応じて、ターボ冷凍機1の成績係数は変化する。同図において、横軸は外気温度を示し、縦軸は成績係数を示す。また、各成績係数曲線の左端がターボ冷凍機1の最小負荷を示し、右端がターボ冷凍機1の最大負荷を示す。
冷却水温度が低いほど低い成績係数を示し、冷却水入口温度が高いほど高い成績係数を示す。また、外気温度が5℃(所定温度)以上のように外気温度が高い場合には、成績係数は極大値を有し、外気温度が5℃(所定温度)以下のように外気温度が低い場合には、極大値を有さず、最小負荷から最大負荷に至るにつれて、成績係数は増加する。
本発明は、このような傾向を利用して成績係数の良い状態で各ターボ冷凍機1A,1B,1Cを運転するものである。
そして、外気温度センサ(図示せず)で測定した外気温度と、温度センサ32A,32B,32C及び温度センサ33A,33B,33Cから得られる温水(熱媒)の温度差(To−Ti)と流量計19から得られる温水流量Q1,Q2,Q3とに基づいて算出される負荷(冷凍出力)とに基づいて、運転中のターボ冷凍機1の現在成績係数を演算する。具体的には、現在の暖房出力から全負荷に対する負荷割合が算出され、この負荷割合を、現在の外気温度における成績係数曲線に当てはめることにより成績係数を演算する。そして、この成績係数曲線上のどの位置に現在成績係数が位置するかを考慮して、冷凍機の運転台数を増減するか、温水流量を増減するかを決定する。
常時、運転中のターボ冷凍機1Aの運転状態が把握されている。例えば、外気温度が5℃以下のときには成績係数曲線として曲線L3が選定され、負荷割合が80%の場合には、成績係数曲線L3上のG点でターボ冷凍機1Aは運転されていると把握される。このG点の縦軸値を演算することにより、現在成績係数が得られる。成績係数曲線L3のG点で運転されている場合には、成績係数曲線L3の形状から明らかなように、さらに冷温水流量Q1を増加して負荷を上げれば、成績係数が増大する。したがって、このような場合には、外部負荷30の要求熱量が増えても即座に停止中のターボ冷凍機1Bを起動させることはせずに、現在運転しているターボ冷凍機1Aの冷温水流量Q1を増加させて、要求熱量に対応することとする。
常時、運転中のターボ冷凍機1A,1Bの運転状態が把握されている。例えば、外気温度が5℃以下のときには成績係数曲線として曲線L3が選定され、負荷割合が80%の場合には、成績係数曲線L3上のG点でターボ冷凍機1A,1Bは運転されていると把握される。このG点の縦軸値を演算することにより、現在成績係数が得られる。成績係数曲線L3のG点で運転されている場合には、成績係数曲線L3の形状から明らかなように、さらに冷温水流量Q1,Q2を減少させて負荷を下げてしまうと、成績係数が低下する。したがって、このような場合には、外部負荷30の要求熱量が減少した場合には一方のターボ冷凍機1Bを停止させて、他方の現在運転しているターボ冷凍機1Aの負荷割合を増加させる。これにより、運転点を右方にずらすことにより、ターボ冷凍機1Aの成績係数を増大させることができる。
運転中のターボ冷凍機1A,1Bがともに全負荷の場合にはH点に位置し、この場合には、一方のターボ冷凍機1Bを停止させて、他方のターボ冷凍機1Aの負荷を上げることにより成績係数向上を図る。
先ず、台数制御装置20において、温度センサ34によって得られる送水温度Ts、温度センサ35によって得られる還水温度Tr、流量計36によって得られる送水流量Qから、外部負荷30の要求負荷qを演算する(ステップS21)。
q=(Ts−Tr)×γ×λ×Q [kw] ・・・(1)
ここで、γ[kg/m3]は比重であり、温水の平均温度に基づいて算出される。
λ[kJ/kg]は比熱であり、温水の平均温度に基づいて算出される。
q1=(Ti−To)×γ×λ×Q1 [kw] ・・・(1)
ここで、γ[kg/m3]は比重であり、温水の平均温度に基づいて算出される。
λ[kJ/kg]は比熱であり、温水の平均温度に基づいて算出される。
なお、上記ステップS21〜S23は、この順番で行う必要はなく、その順番は任意であり、並行して行っても良い。
要求負荷qが最大冷凍機出力よりも大きい場合には、ステップS25へと進み、冷凍機運転台数を1台増加させる(例えば、停止中のターボ冷凍機1B又は1Cを起動させる)。
要求負荷qが最大冷凍機出力よりも小さい場合には、ステップS26へと進む。
要求負荷qが最小冷凍機出力よりも低い場合には、ステップS27へと進み、冷凍機運転台数を1台減らす(例えば、ターボ冷凍機1A,1Bが運転中の場合にはターボ冷凍機1Bを停止させる)。
要求負荷qが最小冷凍機出力よりも大きい場合にAH、ステップS28へと進む。
運転台数の変更や冷温水流量の変更によって要求負荷qに追従させることが必要となる程度に、冷凍機出力合計が要求負荷qと異なる場合には、ステップS30へと進む。
要求負荷qが冷凍機出力合計よりも大きい場合には、ステップS31へと進む。ステップS31では、外気温度が所定値(例えば25℃)よりも小さいか否かを判断する。外気温度が所定値よりも小さい場合には、ステップS32へ進み、温水流量(熱媒流量)Q1(又はQ2,Q3)を増加させる。これは、図4を用いて説明したように、外気温度Tciが所定値よりも小さい場合には、成績係数曲線は、最小負荷から最大負荷に至るまで成績係数が増加する曲線を描く。したがって、温水流量を増加させてターボ冷凍機1の負荷を増加させることで、要求負荷qの増大に対応させつつ、ターボ冷凍機1の成績係数が高い運転を実現することができる。
図4のK点に位置している場合には、要求負荷の減少に応じて、温水流量を減少させると成績係数が増大する。一方、1台のターボ冷凍機を停止させると、運転継続中のターボ冷凍機の負荷が増大して成績係数が低下する。したがって、このような場合には、現状維持とするか、温水流量を減少させた方が好ましい。
図4のM点に位置している場合には、要求負荷qの減少に応じて温水流量を減少させると、成績係数は低下する。一方、1台のターボ冷凍機を停止させると、運転継続中のターボ冷凍機の負荷が増大するので成績係数は増加する。このような場合には、運転台数を減らした方が好ましい。
冷房運転時には冷却水温度ごとに、暖房運転時には外気温度ごとに、成績係数を示す曲線を予め得ておき、運転中の冷却水温度または外気温度から、運転中のターボ冷凍機1の現在の負荷割合に応じた成績係数を得ることとした。そして、外部負荷30の要求熱量qに追随する際に、成績係数曲線上の位置から、ターボ冷凍機1の冷温水流量を増加させた方が成績係数が増加するのか、ターボ冷凍機1の運転台数を増減させた方が成績係数が増加するのかを判断することとした。これにより、外部負荷30の要求熱量qの変化に対応しつつ、成績係数が高い状態でターボ冷凍機を運転させることができる。
また、ターボ冷凍機を3台備えた熱源システムを例として説明したが、冷凍機の数はこれに限定されず、2台であっても、4台以上であっても良い。
また、図3のステップS11及びS14において、冷却水入口温度Tciを用いて制御の判断を行うこととしたが、これに代えて冷却水出口温度Tcoを用いても良く、あるいは、冷却塔3を備えない熱源システムであれば外気温度を用いることとしても良い。
3A,3B,3C 冷却塔
10A,10B,10C 冷凍機制御装置(制御装置)
20 台数制御装置(制御装置)
20 外部負荷
Tci 冷却水入口温度(冷却水温度)
Claims (11)
- 外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する第1熱交換器、及び、外気または冷却水と熱交換を行う第2熱交換器とを備えた複数の熱源機と、
これら熱源機を制御する制御装置と、を備えた熱源システムにおいて、
前記制御装置は、前記外部負荷の要求熱量が変化した場合に、外気温度または冷却水温度と、運転中の前記熱源機の現在負荷とに基づいて該熱源機の現在成績係数を得て、
該現在成績係数に基づいて、前記熱源機の運転台数の増減または前記第1熱交換器を流れる熱媒流量の増減を判断することを特徴とする熱源システム。 - 外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する第1熱交換器、及び、外気または冷却水と熱交換を行う第2熱交換器を備えた複数の熱源機と、
これら熱源機を制御する制御装置と、を備えた熱源システムにおいて、
前記制御装置は、冷房運転中に、前記外部負荷の要求熱量が増加し、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも高い場合には、前記熱源機の運転台数を増加させずに熱媒流量を増加させることを特徴とする熱源システム。 - 外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する第1熱交換器、及び、外気または冷却水と熱交換を行う第2熱交換器を備えた複数の熱源機と、
これら熱源機を制御する制御装置と、を備えた熱源システムにおいて、
暖房運転中に、前記外部負荷の要求熱量が増加し、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも低い場合には、前記熱源機の運転台数を増加させずに熱媒流量を増加させることを特徴とする熱源システム。 - 前記制御装置は、前記熱媒流量を変更する際に、運転中の前記熱源機の現在制御値と、前記熱媒流量を変更した後の目標となる目標制御値との間の値とされた指示制御値によって、前記熱源機を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の熱源システム。
- 前記制御装置は、前記熱源機の運転台数を増加させる際に、運転中の熱源機に加わる負荷を増大させることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の熱源システム。
- 外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する第1熱交換器と、外気または冷却水と熱交換を行う第2熱交換器とを備えた複数の熱源機を制御する熱源システムの制御装置において、
前記外部負荷の要求熱量が変化した場合に、外気温度または冷却水温度と、運転中の前記熱源機の現在負荷とに基づいて該熱源機の現在成績係数を得て、
該現在成績係数に基づいて、前記熱源機の運転台数の増減または前記第1熱交換器を流れる熱媒流量の増減を判断することを特徴とする熱源システムの制御装置。 - 外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する第1熱交換器と、外気または冷却水と熱交換を行う第2熱交換器とを備えた複数の熱源機を制御する熱源システムの制御装置において、
冷房運転中に、前記外部負荷の要求熱量が増加し、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも高い場合には、前記熱源機の運転台数を増加させずに熱媒流量を増加させることを特徴とする熱源システムの制御装置。 - 外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する第1熱交換器と、外気または冷却水と熱交換を行う第2熱交換器とを備えた複数の熱源機を制御する熱源システムの制御装置において、
暖房運転中に、前記外部負荷の要求熱量が増加し、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも低い場合には、前記熱源機の運転台数を増加させずに熱媒流量を増加させることを特徴とする熱源システムの制御装置。 - 外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する第1熱交換器と、外気または冷却水と熱交換を行う第2熱交換器とを備えた複数の熱源機を制御する熱源システムの制御方法において、
前記外部負荷の要求熱量が変化した場合に、外気温度または冷却水温度と、運転中の前記熱源機の現在負荷とに基づいて該熱源機の現在成績係数を得て、
該現在成績係数に基づいて、前記熱源機の運転台数の増減または前記第1熱交換器を流れる熱媒流量の増減を判断することを特徴とする熱源システムの制御方法。 - 外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する第1熱交換器と、外気または冷却水と熱交換を行う第2熱交換器とを備えた複数の熱源機を制御する熱源システムの制御方法において、
冷房運転中に、前記外部負荷の要求熱量が増加し、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも高い場合には、前記熱源機の運転台数を増加させずに熱媒流量を増加させることを特徴とする熱源システムの制御方法。 - 外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する第1熱交換器と、外気または冷却水と熱交換を行う第2熱交換器とを備えた複数の熱源機を制御する熱源システムの制御方法において、
暖房運転中に、前記外部負荷の要求熱量が増加し、外気温度または冷却水温度が所定温度よりも低い場合には、前記熱源機の運転台数を増加させずに熱媒流量を増加させることを特徴とする熱源システムの制御方法。
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