JP2000002474A - 冷凍空調装置およびその制御方法 - Google Patents

冷凍空調装置およびその制御方法

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JP2000002474A
JP2000002474A JP11107385A JP10738599A JP2000002474A JP 2000002474 A JP2000002474 A JP 2000002474A JP 11107385 A JP11107385 A JP 11107385A JP 10738599 A JP10738599 A JP 10738599A JP 2000002474 A JP2000002474 A JP 2000002474A
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heating
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誠司 井上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱源側冷媒サイクルと利用側冷媒サイクルを
有し、利用側冷媒サイクルの加熱運転中に熱源側冷媒サ
イクルが除霜運転するとき、利用側冷媒の温度低下を低
減する。また、地球環境保全上で問題のある冷媒の使用
量を低減する。 【解決手段】 利用側冷媒は顕熱を利用する冷媒を用
い、熱源側冷媒サイクルの除霜運転時に利用側冷媒サイ
クルから奪われる熱量をQd、利用側冷媒の比熱をC
p、暖房運転中の室内の許容温度低下を△Tとして、W
>Qd/(△T・Cp)を満たすように利用側冷媒量W
を設定する。また、利用側冷媒サイクル内に、利用側冷
媒を貯留する冷媒量調整タンク20を設置して、除霜運
転に必要な熱量を蓄える。また、利用側冷媒は、水、も
しくはエチレングリコールやプロピレングリコールやD
−ソルビトールを重量比で数十%以下含む水溶液とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱源側冷媒サイク
ルと利用側冷媒サイクルの間で熱交換することによって
加熱を行う冷凍空調装置に係わり、例えば、住宅の冷暖
房などに用いられる冷凍空調装置およびその制御方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】以下に、特開昭62−238954号公
報記載の従来の冷凍空調装置として例えば冷暖房装置に
ついて説明する。図31において、81は圧縮機、82
は四方弁、83は熱源側熱交換器、84は冷房用減圧装
置、85は暖房用減圧装置、86は暖房時に冷房用減圧
装置84が設けられた回路を閉止する逆止弁、87は冷
房時に暖房用減圧装置85が設けられた回路を閉止する
逆止弁、88は第1補助熱交換器で、これらを環状に連
接し、熱源側冷媒サイクルを形成している。89は第2
補助熱交換器で、第1補助熱交換器88と熱交換するよ
うに一体に形成されている。90は冷媒貯留タンクで冷
房時と暖房時の冷媒量を調整する。91は冷房時と暖房
時で冷媒の流出方向が反対となる可逆特性を有する。第
2補助熱交換器89、冷媒貯留タンク90、冷媒搬送装
置91は熱源側冷媒サイクルと共に室外ユニットfに収
納されている。92a、92bは、例えば2台の利用側
熱交換器で、2つの室内ユニットg,hに収納され、接
続配管i,i’、j,j’で室外ユニットfと接続され
ている。第2補助熱交換器89、冷媒貯留タンク90、
冷媒搬送装置91、利用側熱交換器92a,92bおよ
び接続配管i,i’、j,j’を環状に連接し利用側冷
媒サイクルを形成している。
【0003】つぎに、動作について説明する。冷房運転
時は図中実線矢印で示す冷媒サイクルとなり、熱源側冷
媒サイクルでは、圧縮機81からの高温高圧ガスは四方
弁82を通り熱源側熱交換器83で放熱すると同時に凝
縮液化する。さらに、逆止弁86を通って冷房用減圧装
置84で減圧され第1補助熱交換器88で蒸発して四方
弁82を通り圧縮機81へ循環する。この時利用側冷媒
サイクルの第2補助熱交換器89と第1補助熱交換器8
8が熱交換し、利用側冷媒サイクル内のガス冷媒が冷却
されて液化し、冷媒貯留タンク90を通って冷媒搬送装
置91に送られる。さらに冷媒は、冷媒搬送装置91に
よって接続配管i,jを通って利用側熱交換器92a,
92bへ送られて吸熱蒸発してその設置空間を冷房す
る。冷媒は蒸発によりガス化して接続配管i’,j’を
通って第2補助熱交換器89に循環することになる。
【0004】一方、暖房運転時においては、図中破線矢
印で示す冷媒サイクルとなり、熱源側冷媒サイクルで
は、圧縮機81からの高温高圧ガスは四方弁82を通り
第1補助熱交換器88に送られ、放熱すると同時に凝縮
液化する。さらに、逆止弁87を通って暖房用減圧装置
85で減圧され熱源側熱交換器83で吸熱蒸発して四方
弁82を通って圧縮機81へ循環する。この時利用側冷
媒サイクルの第2補助熱交換器89と第1補助熱交換器
88が熱交換し、利用側冷媒サイクル内の液冷媒が加熱
されてガス化し、接続配管i’,j’を通って利用側熱
交換器92a,92bへ送られ、放熱凝縮してその設置
空間を暖房する。冷媒は凝縮により液化して接続配管
i,jを通って冷媒搬送装置91へ送られ、冷媒貯留タ
ンク90から第2補助熱交換器89に循環する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の冷暖房装置など
の冷凍空調装置は、暖房のような加熱運転を連続して行
っていると、熱源側熱交換器83の表面に霜がついてく
る。熱源側熱交換器83に霜がつくと、熱交換効率が悪
くなるので、加熱運転を連続して行う場合に、所定時間
例えば1時間に1度程度で、除霜運転を行っている。除
霜運転では、熱源側冷媒サイクルは冷房を行なう冷却運
転と同じ冷媒サイクルで運転される。このため、第2補
助熱交換器89から第1補助熱交換器88へ吸熱作用を
生じ、利用側冷媒サイクルの冷媒搬送装置91を運転す
ると利用側熱交換器92a,92bで加熱対象である室
内空気の熱を奪ってしまい、室温の低下や、暖房運転中
の冷風感などにより室内空間の快適性が損なわれる。ま
た、利用側冷媒サイクルの冷媒搬送装置91を運転しな
くても、第2補助熱交換器89で利用側冷媒が凝縮液化
され圧力が低下することにより、接続配管i’,j’を
通って利用側熱交換器92a,92bで液冷媒が蒸発し
て室内空気から熱を奪い、同様に快適性が損なわれると
いう問題点があった。
【0006】また、上記のような構成の従来の冷凍空調
装置では、利用側冷媒サイクル中の冷媒搬送装置91
は、冷房を行う冷却運転と暖房を行う加熱運転とで冷媒
流出方向が逆になる特性を有する特殊なものであるため
高価となる。また、通常の冷凍空調装置に用いられてい
る冷媒は、潜熱を利用するものでエネルギー効率がよい
が、これらの冷媒を用いると、以下のような問題点を生
じる。例えば、HCFC(ハイドロクロロフルオロカー
ボン)冷媒はわずかではあるがオゾン層を破壊し、HF
C(ハイドロフルオロカーボン)冷媒は地球温暖化係数
が大きく高価である。また、オゾン層も破壊せず地球温
暖化係数も小さいHC(炭化水素系)冷媒は可燃性を有
し、アンモニア冷媒は毒性を有するため、配管接続時の
安全性確保にコストがかかるなど、取り扱いに注意を要
する。
【0007】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、熱源側冷媒サイクルの除霜運転
に対して利用側冷媒サイクルでの加熱運転時の冷媒温度
を安定させ、例えば利用側熱交換器で室内の暖房などを
行う時の室内の快適性を損なうのを防止でき、また、快
適性を向上できる冷凍空調装置およびその制御方法を得
ることを目的としている。また、HCFC冷媒、HFC
冷媒、HC冷媒、アンモニア冷媒など、使用に問題があ
る冷媒の使用量を最小限に抑えることができ、安価で安
全な冷凍空調装置およびその制御方法を得ることを目的
としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係わ
る冷凍空調装置は、熱源側冷媒を循環させる熱源側冷媒
サイクルと利用側冷媒を循環させる利用側冷媒サイクル
の間に設けた補助熱交換器で熱交換することによって前
記熱源側冷媒サイクルで得た温熱を前記利用側冷媒サイ
クルで加熱に利用する冷凍空調装置において、前記利用
側冷媒として顕熱を利用する冷媒を用いると共に、前記
利用側冷媒サイクルの加熱運転中に前記熱源側冷媒サイ
クルを除霜運転するときの前記利用側冷媒の温度を暖房
または給湯または加熱乾燥に適した温度に維持するよう
に前記利用側冷媒の量を充填したことを特徴とするもの
である。
【0009】また、本発明の請求項2に係わる冷凍空調
装置は、熱源側冷媒サイクルの除霜運転によって補助熱
交換器で利用側冷媒サイクルから奪われる熱量をQd、
利用側冷媒の量をW、前記利用側冷媒の比熱をCpと
し、前記利用側冷媒サイクルの加熱運転中に前記熱源側
冷媒サイクルで除霜運転されるとき、Qd/(W・C
p)で表される前記利用側冷媒の温度低下が所定温度以
下になるように前記利用側冷媒の量Wを充填して、前記
利用側冷媒の温度を暖房または給湯または加熱乾燥に適
した温度に維持することを特徴とするものである。
【0010】また、本発明の請求項3に係わる冷凍空調
装置は、利用側冷媒サイクルに設けられ熱源側冷媒サイ
クルで得た温熱を蓄熱する蓄熱手段を備え、前記熱源側
冷媒サイクルの除霜運転によって前記補助熱交換器で前
記利用側冷媒サイクルから奪われる熱量をQd、前記除
霜運転によって前記蓄熱手段から放熱する熱量をQt、
前記利用側冷媒の量をW、前記利用側冷媒の比熱をCp
とし、前記利用側冷媒サイクルの加熱運転中に前記熱源
側冷媒サイクルで除霜運転されるとき、(Qd−Qt)
/(W・Cp)で表される前記利用側冷媒の温度低下が
所定温度以下になるように前記利用側冷媒の量Wを充填
すると共に前記蓄熱手段の蓄熱容量を設定して、前記利
用側冷媒の温度を暖房または給湯または加熱乾燥に適し
た温度に維持することを特徴とするものである。
【0011】また、本発明の請求項4に係わる冷凍空調
装置は、熱源側冷媒を循環させる熱源側冷媒サイクルと
利用側冷媒を循環させる利用側冷媒サイクルの間に設け
た補助熱交換器で熱交換することによって前記熱源側冷
媒サイクルで得た温熱を前記利用側冷媒サイクルで加熱
に利用する冷凍空調装置において、前記利用側冷媒とし
て顕熱を利用する冷媒を用いると共に、前記利用側冷媒
サイクル内に前記利用側冷媒を貯留する冷媒貯留タンク
を設け、前記冷媒貯留タンクの内容積を、前記利用側冷
媒サイクルの加熱運転中に前記熱源側冷媒サイクルを除
霜運転するときの前記利用側冷媒の温度を暖房または給
湯または加熱乾燥に適した温度に維持するように、前記
利用側冷媒の量または蓄熱材の量を蓄えられる内容積と
したものである。
【0012】また、本発明の請求項5に係わる冷凍空調
装置は、圧縮機、流路切換弁、熱源側熱交換器、熱源側
冷媒流量制御弁、および第1補助熱交換器を連接し熱源
側冷媒を循環させて成る熱源側冷媒サイクルと、前記第
1補助熱交換器と熱交換する第2補助熱交換器、冷媒貯
留タンク、冷媒搬送装置、および利用側熱交換器を連接
し利用側冷媒を循環させて成る利用側冷媒サイクルとを
有し、前記圧縮機、前記流路切換弁、前記熱源側熱交換
器、前記熱源側冷媒流量制御弁、前記第1補助熱交換
器、前記第2補助熱交換器、前記冷媒貯留タンク、およ
び前記冷媒搬送装置を一つのユニット内に収納したこと
を特徴とするものである。
【0013】また、本発明の請求項6に係わる冷凍空調
装置は、圧縮機、流路切換弁、熱源側熱交換器、熱源側
冷媒流量制御弁、および第1補助熱交換器を連接し熱源
側冷媒を循環させて成る熱源側冷媒サイクルと、前記第
1補助熱交換器と熱交換する第2補助熱交換器、冷媒貯
留タンク、冷媒搬送装置、および利用側熱交換器を連接
し利用側冷媒を循環させて成る利用側冷媒サイクルとを
有し、前記圧縮機、前記流路切換弁、前記熱源側熱交換
器、および前記熱源側冷媒流量制御弁を一つのユニット
内に収納し、前記第1補助熱交換器、前記第2補助熱交
換器、前記冷媒貯留タンク、および前記冷媒搬送装置を
前記ユニットとは別の一つのユニット内に収納し、前記
第1補助熱交換器の一端側と前記流路切換弁との間およ
び前記第1補助熱交換器の他端側と前記熱源側冷媒流量
制御弁との間をそれぞれ接続配管で接続したことを特徴
とするものである。
【0014】また、本発明の請求項7に係わる冷凍空調
装置は、圧縮機、流路切換弁、熱源側熱交換器、熱源側
冷媒流量制御弁、および第1補助熱交換器を連接し熱源
側冷媒を循環して成る熱源側冷媒サイクルと、第1の冷
媒搬送装置、前記第1補助熱交換器と熱交換する第2補
助熱交換器、および前記冷媒貯留タンクを連接し利用側
冷媒を循環して成る熱輸送サイクルと、第2の冷媒搬送
装置、利用側熱交換器、および前記冷媒貯留タンクを連
接し前記利用側冷媒を循環して成る利用側冷媒サイクル
とを有し、前記熱輸送サイクルにおいて前記第2補助熱
交換器で前記第1補助熱交換器と熱交換して得た温熱を
前記冷媒貯留タンクに蓄え、前記利用側冷媒サイクルに
おいて前記冷媒貯留タンクに蓄えた温熱を前記利用側熱
交換器で加熱に利用することを特徴とするものである。
【0015】また、本発明の請求項8に係わる冷凍空調
装置は、冷媒貯留タンクの内部を左右に分割すると共
に、喫水面よりも下側で前記分割された左右の利用側冷
媒が連通可能な連通部を有する仕切りを備え、分割され
た左右の槽のそれぞれに2つの開口を設け、前記冷媒貯
留タンクの一方の槽の2つの開口を、利用側熱交換器か
らの利用側冷媒の流入口と、第2補助熱交換器への前記
利用側冷媒の流出口とし、前記冷媒貯留タンクの他方の
槽の2つの開口を、前記第2補助熱交換器からの前記利
用側冷媒の流入口と、前記利用側熱交換器への前記利用
側冷媒の流出口としたことを特徴とするものである。
【0016】また、本発明の請求項9に係わる冷凍空調
装置は、熱源側冷媒と利用側冷媒とを熱交換する補助熱
交換器は、プレート式熱交換器であることを特徴とする
ものである。
【0017】また、本発明の請求項10に係わる冷凍空
調装置は、冷却運転と加熱運転とで、熱源側冷媒サイク
ルと利用側冷媒サイクルの間の補助熱交換器における利
用側冷媒の流れ方向を切換える切換手段を備え、前記補
助熱交換器で熱交換する際の熱源側冷媒と利用側冷媒の
流れ方向が、冷却運転時および加熱運転時で共に対向流
となるように構成したことを特徴とするものである。
【0018】また、本発明の請求項11に係わる冷凍空
調装置は、圧縮機、流路切換弁、熱源側熱交換器、熱源
側冷媒流量制御弁、および補助熱交換器を連接し熱源側
冷媒を循環して成る熱源側冷媒サイクルと、利用側冷媒
を貯留する冷媒貯留タンク、および冷媒搬送装置を連接
し前記利用側冷媒を循環して成る利用側冷媒サイクルと
を備え、前記補助熱交換器を前記冷媒貯留タンク内の利
用側冷媒に浸漬して前記補助熱交換器で前記熱源側冷媒
と前記利用側冷媒とを熱交換して前記冷媒貯留タンクに
熱を蓄え、前記利用側冷媒サイクルにおいて前記冷媒貯
留タンクに蓄えた熱を加熱に利用することを特徴とする
ものである。
【0019】また、本発明の請求項12に係わる冷凍空
調装置は、補助熱交換器における利用側冷媒の伝熱面積
を熱源側冷媒の伝熱面積よりも大きくしたことを特徴と
するものである。
【0020】また、本発明の請求項13に係わる冷凍空
調装置は、冷媒貯留タンク内の補助熱交換器周辺に気泡
を吹き込む気泡吹き込み手段を備えたことを特徴とする
ものである。
【0021】また、本発明の請求項14に係わる冷凍空
調装置は、冷媒貯留タンクの外部に設けられ前記冷媒貯
留タンクの高さが異なる位置を接続する利用側冷媒配管
と、この利用側冷媒配管を流通する利用側冷媒を加熱す
る熱源装置を備えたことを特徴とするものである。
【0022】また、本発明の請求項15に係わる冷凍空
調装置は、圧縮機、流路切換弁、熱源側熱交換器、熱源
側冷媒流量制御弁、補助熱交換器、冷媒貯留タンク、お
よび冷媒搬送装置を一つのユニット内に収納したことを
特徴とするものである。
【0023】また、本発明の請求項16に係わる冷凍空
調装置は、圧縮機、流路切換弁、熱源側熱交換器、およ
び熱源側冷媒流量制御弁を一つのユニット内に収納する
と共に、補助熱交換器、冷媒貯留タンク、および冷媒搬
送装置を前記ユニットとは別の一つのユニット内に収納
し、前記補助熱交換器の一端側と前記流路切換弁との間
および前記補助熱交換器の他端側と前記熱源側冷媒流量
制御弁との間をそれぞれ接続配管で接続したことを特徴
とするものである。
【0024】また、本発明の請求項17に係わる冷凍空
調装置は、利用側冷媒を貯留する冷媒貯留タンク内に蓄
熱材を設けたことを特徴とするものである。
【0025】また、本発明の請求項18に係わる冷凍空
調装置は、冷媒貯留タンク内に配設され、その内部を左
右に分割する仕切りを備えると共に、分割された一方の
槽に設けた利用側冷媒が流入する開口と、他方の槽に設
けた前記利用側冷媒が流出する開口を備え、前記仕切り
は、前記冷媒貯留タンクの喫水面よりも下側で前記分割
された左右の利用側冷媒が連通する連通部を有すること
を特徴とするものである。
【0026】また、本発明の請求項19に係わる冷凍空
調装置は、利用側冷媒が循環する部分に、前記利用側冷
媒に混入した混入物を集めるフィルタを設けたことを特
徴とするものである。
【0027】また、本発明の請求項20に係わる冷凍空
調装置は、フィルタを、利用側冷媒を貯留する冷媒貯留
タンク内に設けたことを特徴とするものである。
【0028】また、本発明の請求項21に係わる冷凍空
調装置は、熱源側冷媒サイクルを2系統以上の複数とし
たことを特徴とするものである。
【0029】また、本発明の請求項22に係わる冷凍空
調装置は、熱源側冷媒を循環させる熱源側冷媒サイクル
と利用側冷媒を循環させる利用側冷媒サイクルの間に設
けた補助熱交換器で熱交換することによって前記熱源側
冷媒サイクルで得た温熱を前記利用側冷媒サイクルで加
熱に利用する冷凍空調装置において、前記利用側冷媒と
して顕熱を利用する冷媒を用いると共に、前記熱源側冷
媒サイクルを2系統以上の複数とし、その少なくとも1
系統の熱源側冷媒サイクルを加熱専用の冷媒サイクルで
構成したことを特徴とするものである。
【0030】また、本発明の請求項23に係わる冷凍空
調装置は、利用側冷媒サイクルに対して複数の熱源側冷
媒サイクルを並列に接続したことを特徴とするものであ
る。
【0031】また、本発明の請求項24に係わる冷凍空
調装置は、利用側冷媒サイクルに対して複数の熱源側冷
媒サイクルを直列に接続したことを特徴とするものであ
る。
【0032】また、本発明の請求項25に係わる冷凍空
調装置は、熱源側冷媒サイクルに加熱専用の冷媒サイク
ルと冷却/加熱併用の冷媒サイクルとをそれぞれ1系統
以上設け、利用側冷媒サイクルに対して前記加熱専用の
冷媒サイクルと前記冷却/加熱併用の冷媒サイクルとを
直列に接続したことを特徴とするものである。
【0033】また、本発明の請求項26に係わる冷凍空
調装置は、利用側冷媒サイクルを循環する利用側冷媒の
流れの向きに対して冷却/加熱併用の冷媒サイクルを上
流側に接続し、加熱専用の冷媒サイクルを下流側に接続
したことを特徴とするものである。
【0034】また、本発明の請求項27に係わる冷凍空
調装置は、利用側冷媒サイクルを循環する利用側冷媒の
流れの向きに対して加熱専用の冷媒サイクルを上流側に
接続し、冷却/加熱併用の冷媒サイクルを下流側に接続
したことを特徴とするものである。
【0035】また、本発明の請求項28に係わる冷凍空
調装置は、熱源側冷媒サイクルに加熱専用の冷媒サイク
ルと冷却/加熱併用の冷媒サイクルとをそれぞれ1系統
以上設け、利用側冷媒サイクルに対して前記加熱専用の
冷媒サイクルと前記冷却/加熱併用の冷媒サイクルとを
並列に接続すると共に、冷却運転時には加熱専用の冷媒
サイクルと熱交換する利用側補助熱交換器には利用側冷
媒が流れないように、前記利用側冷媒サイクルの冷媒流
路を切換える切換手段を備えたことを特徴とするもので
ある。
【0036】また、本発明の請求項29に係わる冷凍空
調装置は、熱源側冷媒サイクルに加熱専用の冷媒サイク
ルと冷却専用の冷媒サイクルとをそれぞれ1系統以上設
け、利用側冷媒サイクルに対して前記加熱専用の冷媒サ
イクルと前記冷却専用の冷媒サイクルとを直列に接続し
たことを特徴とするものである。
【0037】また、本発明の請求項30に係わる冷凍空
調装置は、熱源側冷媒サイクルに加熱専用の冷媒サイク
ルと冷却専用の冷媒サイクルとをそれぞれ1系統以上設
け、利用側冷媒サイクルに対して前記加熱専用の冷媒サ
イクルと前記冷却専用の冷媒サイクルとを並列に接続す
ると共に、加熱運転時には前記加熱専用の冷媒サイクル
と熱交換する利用側補助熱交換器に利用側冷媒を循環さ
せ、冷却運転時には冷却専用の冷媒サイクルと熱交換す
る利用側補助熱交換器に利用側冷媒を循環させるよう
に、前記利用側冷媒サイクルの冷媒流路を切換える切換
手段を備えたことを特徴とするものである。
【0038】また、本発明の請求項31に係わる冷凍空
調装置は、利用側冷媒が循環する加熱専用の熱源装置
と、加熱運転時に前記加熱専用の熱源装置に前記利用側
冷媒を循環させるように前記利用側冷媒サイクルの冷媒
流路を切換える切換手段とを備えたことを特徴とするも
のである。
【0039】また、本発明の請求項32に係わる冷凍空
調装置は、利用側冷媒サイクルに、熱源側冷媒サイクル
により熱を供給される冷却用の利用側熱交換器と、加熱
専用の熱源装置により熱を供給される加熱用の利用側熱
交換器とを設け、冷却運転時に前記熱源側冷媒サイクル
と前記冷却用の利用側熱交換器を動作させ、加熱運転時
に前記加熱専用の熱源装置と前記加熱用の利用側熱交換
器を動作させるように構成したことを特徴とするもので
ある。
【0040】また、本発明の請求項33に係わる冷凍空
調装置は、冷却用の利用側熱交換器は、空気の流れに対
し、加熱用の利用側熱交換器の上流側に並べて配置し、
除湿運転時に冷却用および加熱用の利用側熱交換器を動
作させるように構成したことを特徴とするものである。
【0041】また、本発明の請求項34に係わる冷凍空
調装置は、加熱専用の熱源装置は、利用側冷媒を直接的
に加熱する加熱装置であることを特徴とするものであ
る。
【0042】また、本発明の請求項35に係わる冷凍空
調装置は、利用側冷媒サイクルを構成する配管におい
て、利用側熱交換器への送り側配管と前記利用側熱交換
器からの戻り側配管とで、該配管の配管径、若しくは該
配管の継ぎ手の径または形状を異なるように構成したこ
とを特徴とするものである。
【0043】また、本発明の請求項36に係わる冷凍空
調装置は、利用側冷媒サイクル内に複数の利用側熱交換
器を設け、それらの利用側熱交換器を全て互いに並列に
接続したことを特徴とするものである。
【0044】また、本発明の請求項37係わる冷凍空調
装置は、利用側冷媒サイクル内に複数の利用側熱交換器
を設け、それらの利用側熱交換器のうちの少なくとも一
部を互いに直列に接続したことを特徴とするものであ
る。
【0045】また、本発明の請求項38に係わる冷凍空
調装置の制御方法は、利用側冷媒サイクルを循環する冷
媒は、水、若しくはエチレングリコール、プロピレング
リコール、およびD−ソルビトールのうちのいずれか1
つまたは複数を重量比で数十%以下含む水溶液であるこ
とを特徴とするものである。
【0046】また、本発明の請求項39に係わる冷凍空
調装置は、熱源側冷媒サイクルを蒸気圧縮式冷凍サイク
ルで構成し、前記熱源側冷媒サイクルを循環する冷媒は
潜熱を利用するものとし、フロン系の単一冷媒、フロン
系の擬似共沸混合冷媒、フロン系の非共沸冷媒、炭化水
素系冷媒、およびアンモニア冷媒のうちのいずれか1つ
であることを特徴とするものである。
【0047】また、本発明の請求項40に係わる冷凍空
調装置の制御方法において、熱源側冷媒を循環させる熱
源側冷媒サイクルと利用側冷媒を循環させる利用側冷媒
サイクルの間に設けた補助熱交換器で熱交換することに
よって前記熱源側冷媒サイクルで得た温熱を前記利用側
冷媒サイクルで加熱に利用する冷凍空調装置において、
前記利用側冷媒として顕熱を利用する冷媒を用いると共
に、前記熱源側冷媒サイクルの容量を複数の段階に変化
するように構成し、その容量の変化幅を容量が増加する
につれて大きくなるようにしたことを特徴とするもので
ある。
【0048】また、本発明の請求項41に係わる冷凍空
調装置の制御方法は、熱源側冷媒を循環させる熱源側冷
媒サイクルと利用側冷媒を循環させる利用側冷媒サイク
ルの間に設けた補助熱交換器で熱交換することによって
前記熱源側冷媒サイクルで得た温熱を前記利用側冷媒サ
イクルで加熱に利用する冷凍空調装置において、前記利
用側冷媒として顕熱を利用する冷媒を用いると共に、前
記熱源側冷媒サイクルを2系統以上の複数とし、前記利
用側冷媒サイクルで加熱運転中に前記熱源側冷媒サイク
ルのうち1系統以上が除霜運転している間に、少なくと
も1系統の前記熱源側冷媒サイクルは加熱運転を継続す
るように制御することを特徴とするものである。
【0049】また、本発明の請求項42に係わる冷凍空
調装置の制御方法は、熱源側冷媒を循環させる熱源側冷
媒サイクルと利用側冷媒を循環させる利用側冷媒サイク
ルの間に設けた補助熱交換器で熱交換することによって
前記熱源側冷媒サイクルで得た温熱を前記利用側冷媒サ
イクルで加熱に利用する冷凍空調装置において、前記利
用側冷媒として顕熱を利用する冷媒を用いると共に、前
記熱源側冷媒サイクルを2系統以上の複数とし、前記熱
源側冷媒サイクルに加熱専用の冷媒サイクルと冷却/加
熱併用の冷媒サイクルとをそれぞれ1系統以上設け、前
記冷却/加熱併用の冷媒サイクルに蒸気圧縮式冷凍サイ
クルを用い、加熱運転中に前記冷却/加熱併用の冷媒サ
イクルのうちの1系統以上が除霜運転している間に、前
記加熱専用の冷媒サイクルと前記冷却/加熱併用の冷媒
サイクルのうちの少なくとも1系統の冷媒サイクルは加
熱運転を継続するように制御することを特徴とするもの
である。
【0050】また、本発明の請求項43に係わる冷凍空
調装置の制御方法は、熱源側冷媒サイクルのうちの1系
統以上が除霜運転している間に加熱運転を継続する熱源
側冷媒サイクルは、その加熱能力を増加して加熱運転を
継続するように制御することを特徴とするものである。
【0051】また、本発明の請求項44に係わる冷凍空
調装置の制御方法は、熱源側冷媒サイクルのうちの1系
統以上が除霜運転している間に加熱運転を継続する熱源
側冷媒サイクルを、加熱専用の冷媒サイクルとしたこと
を特徴とするものである。
【0052】また、本発明の請求項45に係わる冷凍空
調装置の制御方法は、熱源側冷媒を循環させる熱源側冷
媒サイクルと利用側冷媒を循環させる利用側冷媒サイク
ルの間に設けた補助熱交換器で熱交換することによって
前記熱源側冷媒サイクルで得た温熱を前記利用側冷媒サ
イクルで加熱に利用する冷凍空調装置において、前記利
用側冷媒として顕熱を利用する冷媒を用いると共に、前
記熱源側冷媒サイクルとして蒸気圧縮式冷凍サイクルを
2系統以上用い、前記利用側冷媒サイクルで加熱運転中
に前記熱源側冷媒サイクルのうち1系統以上が除霜運転
開始条件を満たした場合、除霜運転を開始する前に熱源
側冷媒サイクルの能力を増大させて加熱運転を継続し、
その後に除霜運転を行うように制御することを特徴とす
るものである。
【0053】また、本発明の請求項46に係わる冷凍空
調装置の制御方法は、熱源側冷媒を循環させる熱源側冷
媒サイクルと利用側冷媒を循環させる利用側冷媒サイク
ルの間に設けた補助熱交換器で熱交換することによって
前記熱源側冷媒サイクルで得た温熱を前記利用側冷媒サ
イクルで加熱に利用する冷凍空調装置において、前記利
用側冷媒として顕熱を利用する冷媒を用いると共に、前
記熱源側冷媒サイクルを2系統以上の複数とし、前記複
数系統の熱源側冷媒サイクルのそれぞれの容量を一つま
たは複数の段階に変化するように構成し、かつ全体とし
ての前記複数系統の熱源側冷媒サイクルの合計容量を複
数の段階に変化するように構成し、その合計容量の変化
幅を合計容量が増加するにつれて大きくなるようにした
ことを特徴とするものである。
【0054】また、本発明の請求項47に係わる冷凍空
調装置の制御方法は、合計容量の段階を増加させる際
に、複数系統の熱源側冷媒サイクルのうちの現行で運転
している熱源側冷媒サイクルは運転状態のままで前記合
計容量を増加させるものとし、前記合計容量の段階を減
少させる際に、複数系統の熱源側冷媒サイクルのうちの
現行で停止している熱源側冷媒サイクルは停止状態のま
まで前記合計容量を減少させるように制御することを特
徴するものである。
【0055】また、本発明の請求項48に係わる冷凍空
調装置は、圧縮機、流路切換弁、熱源側熱交換器、熱源
側冷媒流量制御弁、および熱源側冷媒を貯留する冷媒貯
留タンクを連接し前記熱源側冷媒を循環して成る熱源側
冷媒サイクルと、補助熱交換器、および冷媒搬送装置を
連接し利用側冷媒を循環して成る利用側冷媒サイクルと
を備え、前記補助熱交換器を前記冷媒貯留タンク内の熱
源側冷媒に浸漬して前記補助熱交換器で前記熱源側冷媒
と前記利用側冷媒とを熱交換し、前記冷媒貯留タンクに
蓄えた熱を前記利用側冷媒サイクルにおいて加熱に利用
することを特徴とするものである。
【0056】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、本発明の実
施の形態1による冷凍空調装置として、例えば室内の冷
暖房を行う冷暖房装置について説明する。冷暖房装置で
は、冷却運転で室内の冷房を行い、加熱運転で室内の暖
房を行っており、冷却運転を冷房運転、加熱運転を暖房
運転として記す。図1は本実施の形態による冷暖房装置
を示す構成図である。図において、11は圧縮機、12
は暖房運転と冷房運転で冷媒流路を切換える流路切換弁
でここでは例えば四方弁を用いる。また、13は熱源側
熱交換器、14は熱源側冷媒流量制御弁、15はレシー
バ、16は第1補助熱交換器、17は室外送風機で、こ
れらは一つのユニット内に収納されて室外ユニットfを
構成し、屋外に設置されている。圧縮機11の吐出口は
四方弁12の第1口に接続され、四方弁12の第2口が
熱源側熱交換器13の一端に接続されている。熱源側熱
交換器13の他端は、熱源側冷媒流量制御弁14、レシ
ーバ15の順に接続され、さらに第1補助熱交換器16
の一端に接続されている。第1補助熱交換器16の他端
は四方弁12の第4口に接続されており、四方弁12の
第3口は圧縮機11の吸入口に接続されており、熱源側
冷媒サイクルを形成している。四方弁12は熱源側冷媒
サイクルの冷房運転および暖房運転を切換えるもので、
図1の実線で示すように、その第1口と第2口、第3口
と第4口が接続された場合が冷房運転になり、点線で示
すように、その第1口と第4口、第3口と第2口が接続
された場合が暖房運転になる。この四方弁12の代わり
に例えば4つの電磁弁を設けて冷房運転と暖房運転と冷
媒の流路を切換えるように構成することもできる。ま
た、レシーバ15は、冷房時と暖房時の熱源側冷媒サイ
クルの必要冷媒量の差を吸収するために設けられてい
る。圧縮機を用いて冷媒回路に冷媒を循環させ、冷媒の
凝縮及び蒸発を利用した構成の冷媒サイクルを、蒸気圧
縮式冷凍サイクルと称している。
【0057】さらに、19は第2補助熱交換器で第1補
助熱交換器16と熱交換するように一体に形成されてい
る。20は冷媒貯留タンクで利用側冷媒サイクルの冷房
時と暖房時の冷媒量の差を調整している。この冷媒貯留
タンク20は、例えば金属やプラスチックで構成する。
21は冷媒搬送装置で例えばマグネットポンプである。
第2補助熱交換器19,冷媒貯留タンク20,冷媒搬送
装置21は、熱源側冷媒サイクルと共に室外ユニットf
に収納されている。22a、22bは利用側熱交換器、
23a、23bは利用側冷媒流量制御弁で例えば開閉弁
または流量調整弁で構成され、この場合には例えば熱動
弁を用いる。また、24a,24bは室内送風機であ
る。利用側熱交換器22a,熱動弁23a,室内送風機
24aは室内ユニットgに収納されており、利用側熱交
換器22b,熱動弁23b,室内送風機24bは室内ユ
ニットhに収納されている。この室内ユニットg,hの
それぞれは、例えば空調したい部屋の内部に設置される
床置型、壁掛け型、天井吊型のものや、また、空調した
い部屋の外部に利用側熱交換器を設置して、室内に冷た
い空気または暖かい空気を送るようなダクト式のもの
や、空調したい部屋の天井や壁への埋め込まれて用いら
れるものなどがある。
【0058】冷媒搬送装置21の吐出口は、接続配管i
の一端に接続されており、接続配管iの他端は分岐し
て、それぞれ接続配管jおよび接続配管kの一端に接続
されている。接続配管jおよびkの他端は、それぞれ、
熱動弁23aおよび熱動弁23bに接続されており、こ
れらは利用側熱交換器22aおよび22bの一端に接続
されている。利用側熱交換器22aおよび22bの他端
は接続配管j’および接続配管k’の一端に接続され、
これらの他端は共に接続配管i’の一端に接続されてお
り、接続配管i’の他端は室外ユニットf内で第2補助
熱交換器19の一端に接続されている。第2補助熱交換
器19の他端は、冷媒貯留タンク20の側面の流入口に
接続されており、冷媒貯留タンク20の底面に設けた流
出口は冷媒搬送装置21の吸入口に接続されている。第
2補助熱交換器19,冷媒貯留タンク20,冷媒搬送装
置21、室内ユニットg,hおよびこれらを接続する配
管で、利用側冷媒サイクルを形成している。また、31
は冷媒の温度を検出する温度検出手段で、例えば第1温
度センサである。
【0059】本実施の形態に係わる冷暖房に適用した冷
凍空調装置では、利用側冷媒サイクルの冷媒として、顕
熱を利用する冷媒を用い、例えば水、若しくはエチレン
グリコール,プロピレングリコール,およびD−ソルビ
トールなどの溶媒のうちのいずれか1つまたは複数を重
量比で数十%以下含んだ水溶液を用いる。エチレングリ
コール,プロピレングリコール,およびD−ソルビトー
ルなどの溶媒のうちのいずれか1つまたは複数を重量比
で0%より大きくかつ数十%以下含んだ水溶液は0[℃]
以下になっても凍らない特性を有する不凍液である。こ
の利用側冷媒サイクルの冷媒に、エチレングリコール,
プロピレングリコール,およびD−ソルビトールなどの
うちのいずれかを重量比で0%より大きくかつ数十%以
下含んだ水溶液である不凍液を用いると、外気温度が低
く0[℃]以下になる地域に設置しても冷媒が凍るのを防
止できる。図2に、例えばプロピレングリコール水溶液
の濃度とその特性のグラフを示す。図2(a)は水溶液
の濃度に対する凍結温度(℃)、図2(b)は10[℃]
および45[℃]のときの水溶液の濃度に対する動粘度、
図2(c)は10[℃]および45[℃]のときの水溶液の
濃度に対する熱伝達率である。図2(a)に示すよう
に、水溶液の濃度が高くなると凍結温度が下がり、外気
温度がその分だけ低くなる地域で使用しても凍結しない
という利点がある。ところが、一方では図2(b)に示
すように動粘度が上がり、図2(c)に示すように熱伝
達率が下がる。このため、利用側冷媒サイクルを循環す
る冷媒としては、濃度が数十%以下、例えば60%程度
以下とし、本実施の形態では例えば30%程度の濃度の
水溶液を使用する。
【0060】冷媒貯留タンク20は利用側の冷媒の体積
膨張を吸収するように大気に開放している。また、冷媒
貯留タンク20の流出口から冷媒搬送装置21までの配
管および冷媒搬送装置21の位置はタンク内喫水面より
下方に配置する。これは、冷媒貯留タンク20の流出口
から冷媒搬送装置21までの配管および冷媒搬送装置2
1の位置をタンク内喫水面より上方に配置すると、圧力
損失が大きくなり、冷媒がスムーズに流れなくなった
り、冷媒が冷媒搬送装置21の吸入口で蒸発したりして
必要な流量が得られないこともあり、これらを防止する
ためである。また、同様の理由から冷媒貯留タンク20
の流出口から冷媒搬送装置21までの配管は太い方が望
ましく、また短い方が望ましい。以上に述べた利用側冷
媒は、地球環境保全の点で問題なく、取り扱いも容易
で、かつ安価な冷媒である。
【0061】一方、熱源側冷媒サイクルの冷媒は、通常
の冷凍空調装置に用いられている、HCFC(ハイドロ
クロロフルオロカーボン)冷媒やHFC(ハイドロフル
オロカーボン)などのフロン系冷媒、HC(炭化水素
系)冷媒、アンモニア冷媒などを用いる。具体的には、
例えばHCFC冷媒であるR22やHFC冷媒であるR
134aなどの単一冷媒、HFC冷媒であるR410A
などの擬似共沸混合冷媒、HFC冷媒であるR407C
などの非共沸混合冷媒、HC冷媒であるプロパンやイソ
ブタン、アンモニアを用いる。
【0062】上記のように利用側冷媒サイクルの冷媒と
熱源側冷媒サイクルの冷媒とを分離して、利用側冷媒サ
イクルには顕熱を利用して熱輸送する冷媒、熱願側冷媒
サイクルには潜熱を利用して熱輸送する冷媒というよう
に異なるもので構成している。そして、熱源側にエネル
ギー効率のよい冷媒を用い、利用側にオゾン層破壊や地
球温暖化において使用に問題のない顕熱を利用する冷媒
を用いることにより、冷凍空調装置全体で、エネルギー
効率はよいが使用に問題のある冷媒の使用量を極力少な
くしている。もちろん熱源側冷媒サイクルの冷媒とし
て、二酸化炭素、水、空気などの自然冷媒などを用いた
り、利用側冷媒サイクルの冷媒と同じもの、即ち、エチ
レングリコール,プロピレングリコール,およびD−ソ
ルビトールのうちのいずれか1つまたは複数を重量比で
数十%以下含んだ水溶液を用いてもよい。この場合には
エネルギー効率は低下するが、前述の地球環境保全や取
扱の点で全く問題のない冷凍空調装置を構成できる。
【0063】つぎに、動作について説明する。冷房運転
時は図1の実線の冷媒サイクルとなり、熱源側冷媒サイ
クルでは、四方弁12の第1口と第2口、および第3口
と第4口が接続される。圧縮機11から吐出された高温
高圧の蒸気冷媒は四方弁12を通り熱源側熱交換器13
で室外送風機17によって送り込まれた外気へ放熱する
と同時に凝縮液化し、冷媒流量制御弁14を通って低圧
低温の気液二相冷媒となり、レシーバ15を経由して第
1補助熱交換器16で蒸発し低圧低温の蒸気冷媒となっ
て四方弁12を通り圧縮機11へ循環する。この時利用
側冷媒サイクルの第2補助熱交換器19と前記第1補助
熱交換器16とが熱交換し、利用側冷媒サイクル内の冷
媒が冷却される。この冷媒は冷媒貯留タンク20を通っ
て冷媒搬送装置21に送られ、この冷媒搬送装置21に
よって接続配管iおよびj、kを通って利用側熱交換器
22a,22bへ送られる。利用側熱交換器22aおよ
び22bでは、冷媒は、室内送風機24a,24bによ
って送り込まれた室内空気から吸熱して自らは加熱さ
れ、接続配管j’,k’およびi’を通って第2補助熱
交換器19に循環する。一方、利用側熱交換器22aお
よび22bに室内送風機24aおよび24bによって送
り込まれた室内空気は、利用側熱交換器22aおよび2
2bで冷媒に放熱すると同時に冷却され、室内へ再び吹
出されて室内を冷房する。
【0064】暖房運転時は、図中破線の冷媒サイクルと
なり、熱源側冷媒サイクルでは、四方弁12の第1口と
第4口、および第3口と第2口が接続される。圧縮機1
1から吐出された高温高圧の蒸気冷媒は四方弁12を通
り第1補助熱交換器16に送られ、放熱すると同時に凝
縮液化し、レシーバ15を通って冷媒流量制御弁14で
減圧されて低圧低温の気液二相冷媒となり、熱源側熱交
換器13で室外送風機17によって送り込まれた室外空
気から吸熱して蒸発し、低圧低温の蒸気冷媒となって四
方弁12を通って圧縮機11へ循環する。この時利用側
冷媒サイクルの第2補助熱交換器19と前記第1補助熱
交換器16とが熱交換し、利用側冷媒サイクル内の冷媒
が加熱される。この冷媒は冷媒貯留タンク20を通って
冷媒搬送装置21に送られ、この冷媒搬送装置21によ
って接続配管iおよびj,kを通って利用側熱交換器2
2aおよび22bへ送られる。利用側熱交換器22aお
よび22bでは、冷媒は、室内送風機24aおよび24
bによって送り込まれた室内空気へ放熱すると同時に冷
却され自らは接続配管j’,k’およびi’を通って第
2補助熱交換器19に循環する。一方、利用側熱交換器
22aおよび22bに室内送風機24aおよび24bに
よって送り込まれた室内空気は、利用側熱交換器22a
および22bで冷媒から吸熱して加熱され、室内へ再び
吹出されて室内を暖房する。
【0065】また、暖房運転時に熱源側冷媒サイクルが
除霜運転に入った場合は、熱源側冷媒サイクルは図中実
線の冷房時の冷媒サイクルと同一となり、利用側冷媒サ
イクル中の冷媒の顕熱を奪って熱源側熱交換器13の表
面に着いた霜を加熱して除霜する。このとき、第2補助
熱交換器19で利用側冷媒サイクルから奪われる熱量Q
d[kJ]は、熱源側冷媒サイクルの1時間中の加熱量[kJ]
のおおよそ1/30であることが実験的に得られてい
る。また、この除霜運転中にも室内送風機24a,24
bを回し続けると、室内の負荷によって冷媒の温度は下
がる。この室内負荷による温度低下分の熱量QL [kJ]
は、除霜運転時間と利用側冷媒サイクルの暖房能力とで
演算できる。利用側冷媒の温度低下ΔT[K]は、利用側
冷媒サイクルの冷媒量をW[kg]、比熱をCp[kJ/kgK]と
すると、式(1)で表される。 ΔT=(Qd+QL )/(W・Cp) ・・・・・・・・・・・・(1)
【0066】例えば熱源側冷媒サイクルの暖房能力が
9.6[kW]=[kJ/s]とすると、除霜時に利用側冷媒サイ
クルから奪われる熱量はQd=9.6[kJ/s]×3600
[s]/30=1152[kJ]である。また、除霜運転を3
分間行うとした時の室内負荷による温度低下分の熱量は
QL =(暖房運転中の暖房能力)[kJ/s]×60[s]×3
[min]で演算できる。通常は除霜運転に入るのはある
程度暖房運転を行った後であり、暖房能力の最大で運転
していることはないため、今、1台の室内ユニットが動
作しており、例えば暖房能力=1.5[kJ/s]で運転して
いるとすると、QL =270[kJ]となる。利用側冷媒サ
イクル内の冷媒が水でその質量を20[kg]とすると、水
の比熱は4.19[kJ/kgK]であるので、除霜中の利用
側冷媒の温度低下はΔT=17.0[K]となる。即ち、
冷媒貯留タンク20の内容積が、冷房時と暖房時の必要
冷媒量差を吸収するだけの内容積(水の温度変化に伴う
比容積差を吸収する容積があればよく、ほとんど0)し
かない場合は、除霜運転の3分程の間に除霜運転に必要
な熱だけで利用側冷媒サイクルの冷媒温度が17.0
[K]も低下してしまうことになる。この除霜運転の間
に、室内ユニットg,h内の送風機24a,24bを回
し続けると吹き出し空気温度が低くなってしまい、冷風
感や室温の低下をもたらすので、不快であった。また、
室内ユニットg,h内の送風機24a,24bを停止し
ても暖房が不可能となり室温の低下をもたらすため、利
用側冷媒の温度を暖房に適した温度に維持できなくな
り、快適性の点で著しく問題であった。
【0067】そこで、本実施の形態に係わる冷凍空調装
置は、冷媒貯留タンク20の内容積を利用側冷媒サイク
ルの冷媒量と同等以上の30[kg]を保有できる内容積と
した。即ち利用側冷媒の充填量を合計50[kg]とし、熱
源側冷媒サイクルの除霜運転に伴う利用側冷媒の温度低
下が、従来の17.0[K]から2/5の6.8[K]に抑
えられる。この程度の温度低下であれば、冷風感や室温
低下の心配がなく暖房に適した温度に維持できるので、
熱源側冷媒サイクルが除霜運転していも、室内送風機を
止めるなどの運転状態を変える必要がなく、室内ユニッ
トは暖房を続けることができる。利用側冷媒の量をこの
ように充填することで、利用側冷媒の温度を安定させ、
室内の人間にとって不快感を感じさせることなく、室内
の快適性を大幅に向上させることができる。
【0068】逆に、除霜運転中の利用側冷媒サイクルの
冷媒温度低下ΔT[K]の許容値を所定温度以下になるよ
うに決めれば、冷媒貯留タンク20が保有すべき冷媒量
を求めることができる。利用側冷媒サイクルの全冷媒量
が式(1)より、次の式(2)で求められる。 W=(Qd+QL )/(ΔT・Cp) ・・・・・・・・・・・・(2) 冷媒貯留タンク20の保有冷媒量Wt[kg]は、式(2)
におけるWを用いて式(3)より求められる。 Wt=W−Wp ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3) ここで、Wp[kg]は、利用側冷媒サイクルの冷媒貯留タ
ンク20以外の内容積から求められる必要冷媒量であ
る。前述の例で、例えば除霜運転中の利用側冷媒の温度
低下ΔTをまで許容するなら、冷媒貯留タンク20に
は、 Wt=(1152+270)[kJ]/(2[K]・4.19
[kJ/kgK])−20 =150.0[kg] の冷媒が保有できる内容積が必要となる。これに従って
冷媒貯留タンク20を構成して利用側冷媒を充填するこ
とで、利用側冷媒の温度低下を所定温度低下内に抑える
ことができ、室内の暖房に適した温度に維持できる。上
記では所定温度低下ΔTを2[K]としたが、10[K]
程度の温度低下でもそれほど室内の快適性を損なうこと
はないが、好ましくは5[K]程度以下にするのが望ま
しい。ただし、室内負荷による温度低下分QL の演算は
利用側の使い方で差があり、冷媒貯留タンク20には、
最低限利用側冷媒サイクルから奪われる熱量Qd[kJ]分
の容量が必要である。例えば所定温度低下ΔTを2[K]
とすると、 Wt>1152[kJ]/(2[K]・4.19[kJ/kgK])−
20>117.5[kg]となる。即ち、少なくとも熱源側
冷媒サイクルが除霜運転に必要な熱量を、冷媒貯留タン
ク20に蓄えれば、除霜運転中に利用側冷媒の温度が大
幅に下がることを防止でき、利用側冷媒サイクルで暖房
運転している際の室内の快適性を維持できる。
【0069】また、利用側冷媒サイクルに例えば蓄熱材
などの蓄熱手段を設け、熱源側冷媒サイクルで得た冷熱
または温熱を蓄熱する構成の場合には、蓄熱手段に蓄熱
した温熱を除霜運転中に放熱するので、利用側冷媒の温
度低下を小さくできる。この時の蓄熱手段からの除霜運
転中の放熱量をQt[kJ]とすると、利用側冷媒の温度
低下ΔTは式1ではなく、下式のように表される。 ΔT=(Qd+QL −Qt)/(W・Cp) この温度低下ΔTを所定温度以下、例えば5[K]以下
になるように蓄熱手段の蓄熱容量および利用側冷媒サイ
クルの冷媒量を充填して、利用側冷媒の温度を暖房に適
した温度に維持する。蓄熱手段からの除霜運転中の放熱
量Qtに基づいて蓄熱容量を設定するのは、蓄熱手段の
材料や構成に応じて異なるので、それぞれの場合に適す
るように設定すればよい。例えば蓄熱手段が冷媒貯留タ
ンク20内に浸漬された煉瓦などの場合には熱源側冷媒
サイクルが除霜運転を行なうときの冷媒貯留タンク20
内の利用側冷媒の温度低下と同等の温度低下になると考
えられるので、このときの蓄熱手段からの放熱量が把握
でき、それに基いて蓄熱容量を設定すればよい。また、
利用側冷媒の温度をその加熱を利用した運転で適した温
度に維持する際、ここでは室内の暖房に利用したので除
霜運転時の温度低下を10[K]程度以下として得られ
るが、温室などの他の空間の暖房や、給湯や、加熱乾燥
などに利用した場合には、除霜運転時の温度低下の所定
温度を他の値に設定して適した温度に維持する必要があ
る。また給湯や加熱乾燥の場合にも暖房と同様に除霜運
転時の温度低下を10[K]程度以下として給湯または
加熱乾燥に適した温度に維持するようにしてもよい。ま
た好ましくは5[K]程度以下とすれば、支障なく温熱
利用することができる。
【0070】図1の構成では、冷媒貯留タンク20は室
外ユニットfの内部に一体で収納されており、室外ユニ
ットfは大きくなるが、予め室外ユニットfと室内ユニ
ットg,hを組み立てておき、現地で接続配管を接続す
るだけで据え付けることができ、搬入および工事に手間
がかかるのを防ぐことができる工事性のよい構成となっ
ている。また、冷媒貯留タンク20は、必ずしも室外ユ
ニットfの内部に一体で収納されていなくてもよい。例
えば、図3に示すように、第1補助熱交換器16と第2
補助熱交換器19、レシーバ15、冷媒搬送装置21、
および冷媒貯留タンク20だけをまとめて熱交換ユニッ
トdを構成し、標準ヒートポンプの室外機eと冷媒配管
m,m’で接続してもよい。冷媒配管m’は、第1補助
熱交換器16の一端側と四方弁12との間を接続する接
続配管であり、冷媒配管mは、第1補助熱交換器16の
他端側に接続されているレシーバ15と冷媒流量制御弁
14との間を接続する接続配管である。このようにすれ
ば、標準仕様のヒートポンプの室外ユニットをそのまま
使用でき、さらに安価な冷凍空調装置を得ることができ
る。
【0071】また、上記では、除霜運転時の利用側冷媒
の温度低下を所定温度以下にするために、冷媒貯留タン
ク20の容量を大きくして冷媒量を増やしたが、これに
限るものではない。例えば、接続配管i,i’,j,
j’,k,k’の管径を太くすることで、利用側冷媒サ
イクルの冷媒量が冷媒貯留タンク20を付加した場合と
同量保有できればこれで代用してもよい。従来の接続配
管内径をすべて√2倍の内径のものにすれば、利用側冷
媒サイクルの冷媒保有量が従来比約2倍になるので、除
霜運転中の利用側冷媒の温度低下は従来の約半分に抑え
られ、利用側冷媒の温度が安定した状態で暖房運転を行
うので、室内空調(暖房)の快適性を維持しやすくな
る。また、従来の接続配管をすべてそれぞれ2本ずつに
しても、利用側冷媒サイクルの冷媒保有量は約2倍とな
る。
【0072】また、さらに、冷媒貯留タンク20を住宅
の壁面に収納してもよい。この場合の構成を図4に示
す。利用側熱交換器22a,22bで熱交換した後の利
用側冷媒を冷媒貯留タンク20に溜め、その底部から冷
媒搬送装置21で冷媒を吸い込み、第2補助熱交換器1
9へ送り出す。第2補助熱交換器19で吸放熱した利用
側冷媒は接続配管iおよびj,kを通って利用側熱交換
器22a,22bに流れ、加熱・冷却に利用される。冷
媒貯留タンク20は、住宅等建物の壁面yの内部に接続
配管i,j,kなどと共に収納されている。図4の例で
は、利用側熱交換器22a,22bで熱交換した後の比
較的室内空気温度レベルに近い温度の冷媒を冷媒貯留タ
ンク20に溜める構成になっている。このため、熱源側
冷媒サイクルの除霜運転時の室内快適性の維持が多少難
しくなるが、住宅の内壁材料および外壁材料の間に冷媒
貯留タンク20を壁面と一体に構成し収納しているので
設置スペースの問題もなく、また、内壁面を通して冷媒
貯留タンク20内の冷媒から室内へ輻射空調も可能とな
り、室内空調の快適性向上が期待できる。冷媒貯留タン
ク20の一面が内壁を兼ねていれば輻射効果はさらに高
まり室内空調の快適性もさらに高まる。
【0073】また、図5に示すような構成でもよい。こ
の場合、冷媒貯留タンク20は室外ユニットf内に冷房
運転と暖房運転との冷媒量差に相当する大きさだけあれ
ばよく、住宅等建物の壁面には第2冷媒貯留タンク18
を設置する。この構成では、第2冷媒貯留タンク18は
例えば鉄や銅やステンレスなどの耐圧性を有する密閉型
の圧力容器で構成する。図5に示した装置は、第2補助
熱交換器19で吸放熱して室温との差が大きくなり空調
能力が高まった利用側冷媒を第2冷媒貯留タンク18に
溜める構成なので、図4に示した構成よりも除霜運転中
の室内快適性の維持が効果的に可能となる。さらに、内
壁面を通して冷媒貯留タンク20内の冷媒から室内へ輻
射空調の効果も期待できる。また、利用側冷媒が第2冷
媒貯留タンク18を上方から下方へ流れる構成だと、上
方に空気が溜まって冷媒回路に滞留することになる。と
ころが図5では第2冷媒貯留タンク18を下方から上方
へ冷媒が流れる構成であり、たとえ第2冷媒貯留タンク
18上方に空気が存在しても、冷媒の流れと共に第2冷
媒貯留タンク18外に押し出されることになり、空気が
内部に溜まって冷媒の流れに悪影響を及ぼすのを防止し
ている。なお、図4における冷媒貯留タンク20および
図5における第2冷媒貯留タンク18は、建物壁面内に
収納するのではなく、建物の床下、屋根上、屋上、地下
などに収納してもよいことは言うまでもない。
【0074】図1,図3〜図5において、第1温度セン
サ31は、第2補助熱交換器19の利用側冷媒出口側の
配管に設置されており、熱源側冷媒サイクルの能力は第
1温度センサ31の検出温度TH1が予め設定されてい
る目標温度TMに近づくように制御する。例えば、冷房
運転の場合、第1温度センサ31の検出温度TH1と目
標温度TMとの温度差ΔTH1を式(4)で算出する。 ΔTH1=TH1−TM ・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4) この値ΔTH1に比例した周波数分だけ、インバータで
圧縮機13の運転周波数を増減することによって熱源側
冷媒サイクルの能力を制御する。一方、暖房運転の場合
には、目標温度TMが検出温度TH1よりも高く設定さ
れるため、温度差ΔTH1を式(5)で算出する。 ΔTH1=TM−TH1 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・(5) この値ΔTH1に比例した周波数分だけ、インバータで
圧縮機13の運転周波数を増減することによって熱源側
冷媒サイクルの能力を制御する。例えば、第2補助熱交
換器19の出口温度の目標値は、冷房運転の場合、TM
=7[℃]、暖房運転の場合、TM=50[℃]などとする
とよい。
【0075】また、圧縮機11の容量制御が運転/停止
のみしかできない場合は、第1温度センサ31の目標温
度に上限TMHと下限TMLを設定し、第1温度センサ
31の検出温度TH1がTMHとTMLの間に収まるよ
うに圧縮機11を運転/停止する。例えば、冷房運転の
場合、TMH=10[℃]、TML=7[℃]として、TH
1≧TMHの時は圧縮機11を運転、TH1≦TMLの
時は圧縮機11を停止、TML<TH1<TMHの時は
圧縮機11が運転していれば運転継続、停止していれば
停止継続とする。また、暖房運転の場合、TMH=50
[℃]、TML=47[℃]として、TH1≧TMHの時は
圧縮機11を停止、TH1≦TMLの時は圧縮機11を
運転、TML<TH1<TMHの時は圧縮機11が運転
していれば運転継続、停止していれば停止継続とする。
【0076】以上では、利用側熱交換器が2台の場合を
示したが、利用側熱交換器が3台以上接続されていて
も、また1台の場合でも構わない。複数台の場合の接続
形態において、すべてを互いに並列に接続すると、それ
ぞれの利用側熱交換器を独立して制御でき、利用者の要
求に適用しやすく汎用的である。また、すべてが並列で
ある必要はなく、例えば、図6に示すように、利用側熱
交換器22cと22dとが接続配管l,l’に直列に接
続されていて、それぞれ別体の室内ユニットpおよびq
に室内送風機24cおよび24dと共に収納されていて
もよい。また、直列に接続されている室内ユニットp,
qは必ずしもそれぞれに利用側冷媒流量制御弁は必要で
はなく、図6に示すように、利用側冷媒の流れの上流の
室内ユニットpのみに例えば熱動弁23cが接続されて
いればよい。逆に、利用側冷媒の流れの下流側の室内ユ
ニットqのみに熱動弁23cが接続されていてもよい。
【0077】直列に接続された室内ユニットp,qにつ
いては、上流側の熱交換器22cに比べて下流側の熱交
換器22dの方が能力が出難いので、上流側室内ユニッ
トpを例えば、居間、台所等の空調負荷の大きい部屋に
設置し、下流側室内ユニットqを例えば、寝室、浴室、
洗面所、便所等の空調負荷の小さい部屋に設置するよう
に使い分けてもよい。また、共に同一の部屋に設置され
て同一空間を空調する場合でも、例えば、空調負荷の比
較的大きい窓際に上流側室内ユニットpを設置し、空調
負荷の比較的小さい奥側に室内ユニットqを設置すれ
ば、比較的大きな空調空間の窓際と奥側の温度分布を改
善し、空調室内の快適性を向上させることができる。ま
た、同じ窓際に設置する場合でも、天井近くの壁面に能
力の出る上流側室内ユニットpを設置し、床上または床
近くの壁面に能力の出難い下流側室内ユニットqを設置
すると、空調室内の上下温度分布を改善して快適性を向
上させることができる。
【0078】また、上流側熱交換器22cを空調用と
し、これに直列に接続された下流側熱交換器22dを床
内部に設置してもよい。このようにすれば、特に暖房運
転時、空調してやや温度が下がった冷媒でさらに床暖房
ができるので、熱のカスケード利用ができ、省エネルギ
となると共に、室内の上下温度むらを少なくできるので
快適性が向上する。また、床内部に設置する熱交換器は
空調用熱交換器と必ずしも直列に接続されていなくても
よく、例えば、熱交換器22aを空調用として設置され
た部屋にこれと並列に接続されている熱交換器22bを
床内部に設置してもよい。このようにすれば、床温度と
空調温度とが個別に制御可能となるので効率的な運用が
できる。また、利用側熱交換器を空調に利用するのに限
らず、例えば給湯などの負荷に利用してもよい。このよ
うに複数の利用側熱交換器を直列に接続して、種々の利
用温度で使うように構成すれば、エネルギを無駄なく利
用できる。
【0079】本実施の形態に係わる冷凍空調装置の熱源
側冷媒サイクルの容量、即ち定格能力は、室内ユニット
g,hの定格能力合計と同等であるのが望ましいが、特
に住宅に設置された場合、全室同時に空調されることは
少ないため、室内ユニットg,hの定格能力合計の同等
以下でよい。このようにすれば、過剰な設備を持たずに
済むので、冷凍空調装置を低価格で供給することができ
る。
【0080】本実施の形態に係わる冷凍空調装置の熱源
側冷媒サイクルにおいて、冷房を行う冷却運転時の適正
冷媒量は暖房を行う加熱運転時のそれより多い。従っ
て、レシーバ15は加熱運転時に冷媒が溜まり込むよう
に、第1補助熱交換器16の加熱運転時の冷媒出口側と
レシーバ15の下部口が、冷媒流量制御弁14にその上
部口が、それぞれ接続されている。このように接続され
ているので、冷却運転時は、冷媒流量制御弁14から送
り出された気液二相冷媒が上部から流入し下部から第1
補助熱交換器16へ流出するので、レシーバ15の内部
に液冷媒が溜まり込むことはない。加熱運転時は、逆
に、第1補助熱交換器16から送り出された液冷媒が下
部から流入して上部から冷媒流量制御弁14へ流出する
ように接続されているので、レシーバ15内に液冷媒が
溜まり込む。また、レシーバ15の内容積は、熱源側冷
媒サイクルの冷房運転と暖房運転の適正冷媒量の差を暖
房運転時に溜め込む液冷媒の密度で割った値にする。こ
のように、熱源側冷媒サイクルは、冷房運転時、暖房運
転時とも過不足なくそれぞれの適正冷媒量で運転される
ので、効率のよい冷凍空調装置を得ることができる。た
だし、このレシーバ15は必ずしも設ける必要がなく、
レシーバ15を設けていない場合には熱源側冷媒を冷房
運転に必要な量だけ充填し、暖房運転では効率は多少低
減するが、運転に支障が起こることがない。
【0081】本実施の形態に係わる冷凍空調装置におけ
る一体に形成された補助熱交換器16および19は、プ
レート式熱交換器や二重管式熱交換器あるいは多管式熱
交換器が用いられる。プレート式熱交換器の方がその他
の熱交換器に比べ価格は高いが圧損は小さいので、利用
側冷媒サイクルの冷媒搬送装置21の容量(揚程)が小
さくてよい。従って、特に、本実施の形態に係わる冷凍
空調装置が住宅に設置される場合で室外ユニットfから
室内ユニットg,hまでの距離が遠く配管i,j,k、
i’,j’,k’が十分太く取れないような場合、二重
管式熱交換器を用いると、冷媒搬送装置21は安価な家
庭用ポンプでは揚程不足になり、高価な産業用ポンプを
用いざるを得なくなる。このような場合には、プレート
式熱交換器を用いれば、冷媒搬送装置21は安価な家庭
用ポンプで十分であり、総合的に安価な冷凍空調装置が
得られる。また、補助熱交換器16,19において、第
1補助熱交換器16の熱源側の冷媒の流れは冷房運転と
暖房運転で流れ方向が逆になるが、第2補助熱交換器1
9の利用側の冷媒の流れは冷房運転と暖房運転で流れ方
向が同じになる。従来装置では、冷房時と暖房時で冷媒
の方向が逆になり、冷媒搬送装置21として特殊なもの
が必要で高価であったが、本実施の形態のものは、通常
のもので構成できるため、安価な市販のマグネットポン
プ等を用いることが可能となっている。
【0082】また、補助熱交換器16,19としてプレ
ート式熱交換器を用いる場合は、熱源側冷媒サイクルの
接続は、一般には、冷房運転時の入口が下、出口が上と
なるように接続する。従って、暖房運転時は、入口が
上、出口が下となる。一方、利用側冷媒サイクルの接続
は、入口が下、出口が上となるように接続する。従っ
て、冷房運転時は並行流、暖房運転時は対向流となる。
一般に対向流で構成した方が熱交換機能を考慮すると好
ましく冷房運転時は並行流となってしまうが、熱源側冷
媒サイクルの冷媒が、例えばR22やR410Aなどの
単一または擬似共沸冷媒であれば、第1補助熱交換器1
6内の圧損により入口側から出口側に向かって蒸発温度
が若干低下するので、温度的には対向流に近い形にな
り、熱源側冷媒サイクルを効率的に運用できる。また、
プレート式熱交換器を用いる場合でも、熱源側冷媒サイ
クルを冷房運転時の入口が上、出口が下となるように、
即ち図6とは逆に、暖房運転時は入口が下、出口が上と
なるように接続してもよい。この場合は、利用側冷媒サ
イクルの接続は、入口が上、出口が下となるように接続
する。このようにすると、冷房運転時に補助熱交換器1
6内に流入した気液二相冷媒が溜まり込みにくいので、
冷房運転時と暖房運転時の適正冷媒量の差が小さくな
り、レシーバ15の内容積が小さくて済むため、安価な
冷凍空調装置を得ることができる。
【0083】また、図1、図3〜図6において、利用側
冷媒流量制御弁23を熱動弁として説明したが、これに
限るものではなく、電磁弁など他の開閉弁でもよい。ま
た、電子式リニア膨張弁(LEV)などの流量制御弁で
もよい。ただし、熱動弁のようにゆっくりと開閉できる
ものを用いると、水撃がなくて故障や騒音を低減でき
る。また、利用側冷媒サイクルの冷媒として不凍液の特
性を有するエチレングリコール,プロピレングリコー
ル,およびD−ソルビトールなどのうちのいずれか1つ
または複数を重量比で0%より大きくかつ数十%以下含
んだ水溶液を用いたが、外気温度が0[℃]以下にならな
い地域で用いる場合や、たとえ外気温度が0[℃]以下に
なっても、配管を断熱性のよいもので構成したり、配管
の周囲に断熱材を巻くなどなんらかの手段を用いれば水
でもよい。
【0084】実施の形態2.本実施の形態では、熱源側
冷媒サイクルを複数の系統有する構成とし、例えば2系
統有するものについて示す。以下、本発明の実施の形態
2による冷凍空調装置として、例えば冷却運転で室内を
冷房し、加熱運転で室内を暖房する冷暖房装置について
説明し、冷却運転を冷房運転、加熱運転を暖房運転とし
て記す。図7は本実施の形態による冷暖房装置を示す構
成図である。図において、熱源側冷媒サイクルは、第1
の圧縮機11a、第1の流路切換弁12a、第1の熱源
側熱交換器13a、第1の冷媒流量制御弁14a、第1
のレシーバ15a、第1補助熱交換器16aを連接して
なる第1の熱源側冷媒サイクルと、第2の圧縮機11
b、第2の流路切換弁12b、第2の熱源側熱交換器1
3b、第2の冷媒流量制御弁14b、第2のレシーバ1
5b、第3補助熱交換器16bを連接してなる第2の熱
源側冷媒サイクルとから成っている。これら第1および
第2の熱源側冷媒サイクルの容量である定格能力の合計
は、実施の形態1の熱源側冷媒サイクルの定格能力と同
一になるよう設定されている。また、32a,32b
は、第1,第2熱源側冷媒サイクルの熱源側熱交換器1
3a,13bの一端側に設けられ、熱源側冷媒の温度を
検出する配管温度検出手段で、例えば配管温度センサで
ある。
【0085】一方、利用側冷媒サイクルは、冷媒搬送装
置21、接続配管i、接続配管j,k、利用側冷媒流量
制御弁23a,23b、利用側熱交換器22a,22
b、接続配管j’,k’、接続配管i’、第2補助熱交
換器19a、第4補助熱交換器19b、冷媒貯留タンク
20を連接して成っている。接続配管k、利用側冷媒流
量制御弁23b、利用側熱交換器22b、および接続配
管k’は実施の形態1と同様、接続配管j、利用側冷媒
流量制御弁23a、利用側熱交換器22a、および接続
配管j’に並列に接続されている。また、第2補助熱交
換器19aおよび第4補助熱交換器19bは並列に接続
されており、これらはそれぞれ第1補助熱交換器16a
および第3補助熱交換器16bと熱交換するように一体
に形成されている。
【0086】つぎに、動作について説明する。冷房運転
時は第1、第2の熱源側冷媒サイクルとも図中実線の冷
媒サイクルとなる。また、暖房運転時は第1、第2の熱
源側冷媒サイクルとも図中破線の冷媒サイクルとなる。
第1、第2の熱源側冷媒サイクルの動作は、冷房運転
時、暖房運転時とも実施の形態1と同様であるので割愛
する。一方、利用側冷媒サイクルでは、冷房運転の場
合、冷媒貯留タンク20を通って冷媒搬送装置21に送
られた冷媒は、この冷媒搬送装置21によって接続配管
iおよびj,kを通って利用側熱交換器22a,22b
へ送られ、室内空気を冷房すると同時に自らは加熱され
て、接続配管j’,k’およびi’を通って第2補助熱
交換器19aおよび第4補助熱交換器19bに分岐して
送り込まれる。第2補助熱交換器19aおよび第4補助
熱交換器19bに送り込まれた冷媒は、第1補助熱交換
器16aおよび第3補助熱交換器16bを通して、第1
および第2の熱源側冷媒サイクルによって外気へ放熱す
ると同時に自らは冷却され、合流した後冷媒貯留タンク
20に戻る。暖房運転の場合も利用側冷媒の流れ方向は
同じであり、動作も同様であるため割愛する。
【0087】第1温度センサ31は、第2補助熱交換器
19aおよび第4補助熱交換器19dの利用側冷媒出口
側接合点と冷媒貯留タンク20との間を接続する配管に
設置されており、熱源側冷媒サイクルの能力は第1温度
センサ31の検出温度TH1が予め設定されている目標
温度TMに近づくように制御される。例えば、冷房運転
の場合、第1温度センサ31の検出温度TH1と目標温
度TMとの温度差ΔTH1を式(6)で演算する。 ΔTH1=TH1−TM ・・・・・・・・・・・・・・・・・・(6) この演算した値に比例した周波数分だけインバータで第
1、第2の圧縮機11a、11bの運転周波数を増減す
ることによって、第1、第2の熱源側冷媒サイクルの能
力を制御する。一方、暖房運転の場合、第1温度センサ
31の検出温度TH1と目標温度TMと温度差ΔTH1
を式(7)で演算する。 ΔTH1=TM−TH1 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・(7) この演算した値に比例した周波数分だけインバータで第
1、第2の圧縮機11a、11bの運転周波数を増減す
ることによって、第1、第2の熱源側冷媒サイクルの能
力を制御する。例えば、第1温度センサ31の検出温度
の目標値は、冷房運転の場合、TM=7[℃]、暖房運転
の場合、TM=50[℃]などとする。
【0088】圧縮機11aおよび11bの運転周波数
は、それぞれΔTH1に比例した周波数分だけ増減させ
てもよいが、圧縮機の性能(入力−能力特性)から、2
台の合計COP=能力[kW]/入力[kW]が最大になる周波
数の組み合わせを選択するとさらに効率がよい。例え
ば、図8に示すように、2台の圧縮機の合計の運転周波
数を仮周波数としたものとその時の合計能力を横軸に取
り、縦軸にCOPを取ると、位置Zより左側の周波数
(能力)が小さい領域は圧縮機1台運転の方が2台運転
よりもCOPがよい領域、位置Zより右側の周波数(能
力)が大きい領域は圧縮機2台同一周波数運転の方が1
台運転よりもCOPがよい領域である。実際には、位置
Zの前後数Hzの間を切換え領域Bとし、これより周波
数(能力)が小さい領域Aで圧縮機1台運転、これより
周波数(能力)が大きい領域Cで圧縮機2台の同一周波
数運転とし、領域Bでは圧縮機運転の切換えはせず、そ
れ以前の運転台数を継続する。
【0089】また、第1、第2の圧縮機11a、11b
の運転周波数を、それぞれΔTH1に比例した周波数分
だけ増減する場合、圧縮機2台の合計運転周波数(仮周
波数)F[Hz]あるいはその増減値ΔF[Hz]は、ΔTH1
の関数として演算するようにしてもよいし、ΔTH1に
対する数表として予め設定し、運転中に数表を参照する
ようにしてもよい。
【0090】第1および第2の熱源側冷媒サイクルの圧
縮機の容量制御が運転/停止のみしか選択できない場合
は、第1温度センサ31の目標温度に上限TMH、下限
TMLを設定し、第1温度センサ31の検出温度TH1
がTMHとTMLの間に収まるように第1および第2の
熱源側冷媒サイクル内の圧縮機11aおよび11bを運
転/停止する。この様子を冷房運転の場合を例に図9に
ついて説明する。図9において、横軸は第1温度センサ
31の検出温度TH1、縦軸は熱源側冷媒サイクル中の
圧縮機運転台数の増減台数を表す。TMH=8.5
[℃]、TML=7[℃]として、TH1≧TMHの時は圧
縮機を1台追加運転、TH1≦TMLの時は圧縮機を1
台停止、TML<TH1<TMHの時は圧縮機の運転台
数は変更しない。また、暖房運転の場合も同様であり、
TMH=50[℃]、TML=48.5[℃]として、TH
1≧TMHの時は圧縮機を1台停止、TH1≦TMLの
時は圧縮機を1台追加運転、TML<TH1<TMHの
時は圧縮機の運転台数は変更しない。このように、熱源
側冷媒サイクルを2系統以上の複数の系統有する構成と
し、それぞれの圧縮機を1台ずつ運転/停止することに
より、熱源側冷媒サイクルが1系統の場合に比べて、利
用側冷媒の温度変化を小さい範囲内に収めることがで
き、冷媒温度の安定性、ひいては、空調室内の快適性が
向上する。
【0091】以下、複数系統の熱源側冷媒サイクルを有
する冷凍空調装置において、暖房運転中に時に第1の熱
源側冷媒サイクルの第1の熱源側熱交換器13aまたは
第2の熱源側冷媒サイクルの第2の熱源側熱交換器13
bに霜が付着し、除霜運転を行う時の制御について説明
する。暖房運転中に第1の熱源側冷媒サイクルが除霜運
転開始条件を満たした後、除霜運転に入っているとき
に、第2の熱源側冷媒サイクルが除霜運転開始条件を満
たした場合、第1の熱源側冷媒サイクルが除霜運転終了
条件を満たすまで、第2の熱源側冷媒サイクルの除霜運
転を遅らせる。この時の制御装置41の制御動作を図1
0のフローチャートに示す。
【0092】まず、ST1では第1、第2の熱源側冷媒
サイクルにおいて、配管温度センサ32a、32bで第
1、第2配管温度を検出する。ST2で、第2の熱源側
冷媒サイクルが除霜運転中かどうか判断し、除霜運転中
の場合には除霜運転終了条件を満たしているかどうか判
断する。即ち、ST3で第2配管温度が10[℃]よりも
低い場合には第2の熱源側冷媒サイクルでまだ除霜運転
を継続する必要があるので制御処理は終了(END)と
する。ST3で第2配管温度が10[℃]以上の場合には
第2の熱源側冷媒サイクルで除霜運転終了条件を満たし
ていると判断し、ST4で第2の熱源側冷媒サイクルを
除霜運転終了にする。この状態で第1、第2の熱源側冷
媒サイクルはどちらも除霜運転に入っていない。そし
て、ST5で第1配管温度のチェックを行う。第1配管
温度が例えば−7[℃]よりも低くなったら除霜運転開始
条件を満たしていると判断し、第1の熱源側冷媒サイク
ルを除霜運転状態とし(ST6)、制御処理を終了する
(END)。第1配管温度が−7[℃]以上だったら、S
T7で第1の熱源側冷媒サイクルは除霜運転中かどうか
判断し、除霜運転中の場合には除霜運転終了条件を満た
しているかどうか判断する。即ち、ST8で第2配管温
度が10[℃]よりも低い場合には第1の熱源側冷媒サイ
クルでまだ除霜運転を継続する必要があるので制御処理
は終了(END)とする。ST8で第1配管温度が10
[℃]以上の場合には第1の熱源側冷媒サイクルで除霜運
転終了条件を満たしていると判断し、ST9で第1の熱
源側冷媒サイクルを除霜運転終了にする。この状態で第
1、第2の熱源側冷媒サイクルはどちらも除霜運転に入
っていない。そして、ST10で第2配管温度のチェッ
クを行う。第2配管温度が−7[℃]よりも低くなったら
除霜運転開始条件を満たしていると判断し、ST11で
第2の熱源側冷媒サイクルを除霜運転状態として、制御
処理を終了する(END)。この制御処理は所定時間間
隔、例えば1分に1回の温度検出に応じて実行されるよ
うに構成しておくとよい。
【0093】上記のように制御すると、例えば、暖房運
転中、第1の熱源側冷媒サイクルにおいて、配管温度セ
ンサ32aの検出温度が−7[℃]を検出したことによっ
て第1の熱源側冷媒サイクルが除霜運転に入った後、第
2の熱源側冷媒サイクルにおいても、配管温度センサ3
2bの検出値が−7[℃]を検出した場合、制御装置41
では、第1の熱源側冷媒サイクルで、配管温度センサ3
2aの検出温度が10[℃]以上となって除霜運転終了条
件を満たすまで、第2の熱源側冷媒サイクルは除霜運転
を行わず、暖房運転を継続する。第1の熱源側冷媒サイ
クルが除霜を終了したら、第1の熱源側冷媒サイクルは
暖房運転に復帰し、第2の熱源側冷媒サイクルの除霜運
転を開始する。
【0094】このように1系統ずつ熱源側冷媒サイクル
の除霜運転を行うことによって、利用側冷媒サイクルの
冷媒温度の低下が小さくなるので、温熱利用に適した温
度に維持して空調室内の快適性が向上する。また、熱源
側冷媒サイクルが1系統の場合に比較して、利用側冷媒
サイクルの冷媒温度の低下が小さいので、冷媒貯留タン
ク20を小さくすることができ、システム全体の価格を
安価にすることができる。熱源側冷媒サイクルが3以上
の複数系統ある場合には、そのうちの1系統以上が除霜
運転を行ってもよく、少なくとも1系統の熱源側冷媒サ
イクルは除霜運転ではなく暖房運転を継続して行うよう
に制御すれば、上記と同様の効果を奏する。また、熱源
側冷媒サイクルを複数の系統にすれば、小型で安価な標
準ヒートポンプをそのまま、あるいはその構成部品を流
用することができるので、さらに安価な冷凍空調装置が
得られる。
【0095】また、第1の熱源側冷媒サイクルが除霜運
転していて第2の熱源側冷媒サイクルが暖房運転してい
る場合、制御装置41は第1温度センサ31の検出値を
目標値に近づけるため第2の熱源側冷媒サイクルの暖房
能力が増大するように自動的に制御してもよい。第2の
熱源側冷媒サイクルの暖房能力を増大することで、利用
側冷媒サイクルの冷媒温度の低下はより小さくなる。さ
らに、熱源側冷媒サイクルが3系統以上あれば、これら
全ての除霜運転タイミングをずらすことによって、利用
側冷媒サイクルの冷媒温度を安定させ、空調室内の快適
性を維持することができる。
【0096】また、第1の熱源側冷媒サイクルまたは第
2の熱源側冷媒サイクルのどちらかが除霜運転開始条件
を満たした場合、除霜運転開始前に第1の熱源側冷媒サ
イクルまたは第2の熱源側冷媒サイクルのいずれか一
方、または両方を最大能力で運転して、利用側冷媒サイ
クルの冷媒温度を予め上昇させておいてもよい。具体的
手段としては、第1の熱源側冷媒サイクルまたは第2の
熱源側冷媒サイクルのどちらかが除霜運転開始条件を満
たした場合、第2、第4補助熱交換器19a、19bの
合流出口に設置されている第1温度センサ31の目標温
度を、TMU[℃]だけ上昇させることが考えられる。温
度増加分TMUは、どんな値でもよいが例えば数[℃]程
度とする。このとき第1温度センサ31の目標温度はT
M+TMU[℃]となり、第1温度センサ31の検出値T
H1がこの温度に到達するまで第1の熱源側冷媒サイク
ルは除霜運転せずに暖房運転を継続して行い、目標温度
(TM+TMU[℃])に到達した後除霜運転に入るよう
に制御装置41で制御する。また、目標温度を上げる代
わりに、例えば数分程度の一定時間、最大能力で暖房運
転を行った後に除霜運転に入るようにしてもよい。
【0097】このように、利用側冷媒サイクルの冷媒温
度を上げておいてから除霜運転に入ると、除霜運転によ
って利用側冷媒サイクルから熱量を奪われても、空調室
内の快適性を維持することができる。目標温度の上昇分
TMUは、除霜運転で下がると予想される温度の例えば
1/2程度で、室内の人間が不快に感じるのをある程度
防ぐことができる。ただし、この目標温度の上昇分は、
利用する環境や状態によって異なるため、一概には言え
ず、利用側で適当な値に設定するとよい。また、直接的
に第1、第2の冷媒サイクル中の第1、第2の圧縮機1
1a、11bの運転周波数を増加させ、例えば、第1、
第2の圧縮機11a,11bの合計周波数が80[Hz]程
度のときに例えば120[Hz]程度に増加し、一定時間、
例えば数分程度経過した後、第1の熱源側冷媒サイクル
を除霜運転するように制御装置41で制御してもよい。
【0098】なお、上記で述べた複数の熱源側冷媒サイ
クルを有する冷凍空調装置における除霜運転の制御は、
除霜運転時の利用側冷媒の温度低下を低減するために冷
媒貯留タンク20を設けていない冷凍空調装置にも適用
することができる。ただし、冷媒貯留タンク20を設け
れば、さらに利用側冷媒の温度を安定させることができ
るのは言うまでもない。
【0099】次に、第1および第2の熱源側冷媒サイク
ルの容量制御段階を数段階に設定する制御方法について
説明する。第1および第2の熱源側冷媒サイクルのそれ
ぞれの容量制御段階を数段階に設定する場合には、第1
温度センサ31の目標温度をTMと設定し、あるサンプ
リング間隔τ[h]ごとに検出した第1温度センサ31の
検出温度TH1がTMの近傍に収まるように第1および
第2の熱源側冷媒サイクルの容量を1段階ずつ増減す
る。図11にブロック線図を示す。 ΔTH1=TM−TH1* ・・・・・・・・・・・・・・・・・(8) とする。上付き*はτ[h]または2τ[h]後のTH1の
予測値を表す。例えば冷房運転において、ΔTH1>+
αの場合、熱源側冷媒サイクルの合計容量段階Dを1段
階減段し、ΔTH1<−αの場合、熱源側冷媒サイクル
の合計容量段階Dを1段階増段する。容量制御段階は、
図11に示すように隣り合う容量制御段階の熱源側冷媒
サイクルの合計容量(能力)への変化率がほぼ一定にな
るように設定しておくのがよい。
【0100】例えば、{(段階3の冷房能力) − (段階2
の冷房能力)}/(段階2の冷房能力)≒{(段階4の冷房
能力) − (段階3の冷房能力)} /(段階3の冷房能
力)のように設定する。言い換えれば、容量変化幅は、
容量が増加するにつれて大きくなるように設定してお
り、比較的大きな負荷の大きな変動にも、比較的小さな
負荷の小さな変動にもハンチングを抑えながら追従する
ことができ、利用側冷媒の温度安定性が向上し、ひいて
は空調室内の快適性が向上する。
【0101】ここで、容量制御段階の設定方法について
説明する。上述のように、どの容量制御段階から隣の容
量制御段階に移行してもその容量変化率が一定になるよ
うに容量制御段階を設定する。今、容量制御段階の数を
N段階、最大容量をQmax[kW]、最小容量をQmin
[kW](停止状態を除く)とすると、各段階の変化率が一
定になるための容量変化率rは、式(9)により求めら
れる。 rN-1 =Qmax/Qmin ・・・・・・・・・・・・・・・・(9) 即ち、最大容量と最小容量の比のN−1乗根が容量変化
率rとなる。従って、容量制御段階1はQmin、2は
Qmin×r、3はQmin×r2 、・・・、容量制御
段階NはQmin×rN =Qmaxとなる。例えば、図
11を例に挙げると、Qmax=8[kW]、Qmin=1
[kW]で容量制御段階はN=7であるので、容量制御変化
率r=(8/1)1/6 =1.414となる。従って、も
し、どのような容量制御段階でも設定可能であれば、容
量制御段階1は1[kW]、2は1.414[kW]、3は2.
0[kW]、4は2.828[kW]、5は4.0[kW]、6は
5.656[kW]、7は8.0[kW]となる。
【0102】実際には、熱源側冷媒サイクルが2系統あ
り、どちらも同等の容量制御段階3段階で実現するのは
困難であるため、1台あたりの容量変化率が一定になる
ように、Qmax=4[kW]、Qmin=1[kW]、N=3
として、r=(4/1)1/2=2とする。即ち、1台あ
たり、容量段階1は1[kW]、2は2[kW]、3は4[kW]と
して、2台を組合せ、それぞれの熱源側冷媒サイクルの
運転が連続するように設定する。ここで、熱源側冷媒サ
イクルの運転が連続するようにとは、例えば、図11
で、2台の合計容量制御段階4は冷房能力4[kW]である
が、これを実現する組み合わせは、1台で容量制御段階
3で運転する場合と、容量制御段階2で2台運転する場
合とが考えられる。ところが、前者であると、合計容量
制御段階3および5が熱源側冷媒サイクル2台運転であ
るため、合計容量制御段階3から4に、またさらに4か
ら5に移行した時に短時間に熱源側冷媒サイクルの1台
が運転から停止、そして再び運転ということになってシ
ステム全体の安定性が損なわれ、また、熱源側冷媒サイ
クルの再起動停止時間(例えば3分)が設定されている
ため再起動に時間がかかり、ひいては空調室内の快適性
が損なわれることが懸念されるため、後者を採用する方
がよい。このように合計容量の段階を変化させる際に、
その変化が合計容量の段階を増加させる場合、複数系統
の熱源側冷媒サイクルのうちの現行で運転している熱源
側冷媒サイクルは運転状態のままで前記合計容量を増加
させるように制御する。一方、変化が合計容量の段階を
減少させる場合、複数系統の熱源側冷媒サイクルのうち
の現行で停止している熱源側冷媒サイクルは停止状態の
ままで合計容量を減少させるように制御する。これによ
り合計容量の段階を変化させる際に、複数系統の熱源側
冷媒サイクルのうちで運転/停止の状態変化する熱源側
冷媒サイクルの数を最小にでき、システム全体の安定性
を向上することができ、空調室内の快適性を維持した状
態で負荷の変化に対応できる。
【0103】このように、複数の熱源側冷媒サイクルを
備えた冷凍空調装置においての容量制御方法は、熱源側
冷媒サイクルの合計容量の変化幅が、合計容量が増加す
るにつれて大きくなるように設定しているので、比較的
大きな負荷の大きな変動にも、比較的小さな負荷の小さ
な変動にもハンチングを抑えながら追従することがで
き、利用側冷媒の温度安定性が向上し、空調室内の快適
性が向上する。もちろん、熱源側冷媒サイクルが1台の
装置の場合にも、次の段階への容量(能力)の変化率が
ほぼ一定になるように設定する、即ち容量変化幅を容量
が増加するにつれて大きくなるように設定すると、どの
ような負荷の変動にもハンチングを抑えながら追従する
ことができ、利用側冷媒の温度が安定した状態で冷房ま
たは暖房運転を行なうことができる。
【0104】なお、本実施の形態では、熱源側冷媒サイ
クルが2台の例を示したが、熱源側冷媒サイクルは3台
以上あっても構わない。複数の熱源側冷媒サイクルで構
成すると、その1つの熱源側冷媒サイクルは小容量のも
のでよく、これに標準の蒸気圧縮式の冷凍サイクルを用
いると、低価格で冷凍空調装置を構成できる。また、複
数の熱源側冷媒サイクルのすべてを本実施の形態のよう
に並列に接続すると、それぞれを独立して制御できるの
で望ましいが、その一部または全てが直列に接続されて
いてもよい。直列に接続されている場合は、上流側の冷
媒サイクルで加熱または冷却された利用側冷媒を下流側
の冷媒サイクルで更に加熱または冷却することになり、
下流側冷媒サイクルの効率が多少悪化するが、利用側冷
媒の接続に分岐がなく単純になり安価な冷凍空調装置が
得られる。
【0105】なお、上記で述べた複数または1台の熱源
側冷媒サイクルを有する冷凍空調装置における容量制御
は、除霜運転時の利用側冷媒の温度低下を低減するため
に冷媒貯留タンク20を設けていない冷凍空調装置にも
適用することができる。ただし、冷媒貯留タンク20を
設ければ、さらに利用側冷媒の温度を安定させることが
できるのは言うまでもない。
【0106】実施の形態3.以下、本発明の実施の形態
3による冷凍空調装置として、例えば冷却運転で室内を
冷房し、加熱運転で室内を暖房する冷暖房装置について
説明し、冷却運転を冷房運転、加熱運転を暖房運転とし
て記す。図12は本実施の形態による冷暖房装置を示す
構成図である。図において、熱源側冷媒サイクルは、第
1の圧縮機11a、第1の流路切換弁12a、第1の熱
源側熱交換器13a、第1の冷媒流量制御弁14a、第
1のレシーバ15a、第1補助熱交換器16aを連接し
てなる第1の熱源側冷媒サイクルと、第2の圧縮機11
b、第2の流路切換弁12b、第2の熱源側熱交換器1
3b、第2の冷媒流量制御弁14b、第2のレシーバ1
5b、第3補助熱交換器16bを連接してなる第2の熱
源側冷媒サイクルとから成っている。これら第1および
第2の熱源側冷媒サイクルの容量(定格能力)の合計
は、1系統で構成した熱源側冷媒サイクルである実施の
形態1の熱源側冷媒サイクルの容量(定格能力)と同一
である。
【0107】一方、利用側冷媒サイクルは、第1の冷媒
搬送装置21、接続配管i、接続配管j,k、利用側冷
媒流量制御弁23a,23b、利用側熱交換器22a,
22b、接続配管j’,k’、接続配管i’、冷媒貯留
タンク20を連接して成る第1の利用側冷媒サイクル
と、第2の冷媒搬送装置25、第2補助熱交換器19
a、第4補助熱交換器19b、冷媒貯留タンク20を連
接して成る第2の利用側冷媒サイクルとから構成されて
いる。接続配管k、利用側冷媒流量制御弁23b、利用
側熱交換器22b、および接続配管k’は実施の形態1
と同様、接続配管j、利用側冷媒流量制御弁23a、利
用側熱交換器22a、および接続配管j’に並列に接続
されている。また、第2補助熱交換器19aと第4補助
熱交換器19bとは実施の形態2と同様、並列に接続さ
れており、これらはそれぞれ第1補助熱交換器16aお
よび第3補助熱交換器16bと熱交換するよう一体に形
成されている。第2の利用側冷媒サイクルでは、利用側
冷媒を循環させて第2,第4補助熱交換器19a,19
bでそれぞれ、第1,第3補助熱交換器16a,16b
と熱交換し、冷媒貯留タンク20に熱を蓄える熱輸送サ
イクルを構成している。
【0108】さらに、圧縮機11a、流路切換弁12
a、第1の熱源側熱交換器13a、第1の冷媒流量制御
弁14aは第1の室外ユニットeに収納されており、圧
縮機11b、流路切換弁12b、第1の熱源側熱交換器
13b、第1の冷媒流量制御弁14bは第2の室外ユニ
ットe’に収納されている。これらは、家庭用エアコン
などの標準室外機を利用している。さらにまた、第1の
冷媒搬送装置21、第2の冷媒搬送装置25、一体とな
った第1補助熱交換器16aおよび第2補助熱交換器1
9a、一体となった第3補助熱交換器16bおよび第4
補助熱交換器19b、冷媒貯留タンク20、第1、第2
のレシーバ15a、15bは熱交換ユニットdに収納さ
れている。
【0109】第1の熱源側冷媒サイクルは、第1の室外
ユニットe内の流路切換弁12aの第4口と熱交換ユニ
ットd内の第1補助熱交換器16aの一端側との間、お
よび第1の室外ユニットe内の冷媒流量制御弁14aと
熱交換ユニットd内の第1補助熱交換器16aの他端側
に接続されている第1のレシーバ15aとの間を、それ
ぞれ接続配管m’およびmで接続して構成されている。
同様に第2の熱源側冷媒サイクルは、第2の室外ユニッ
トe’内の流路切換弁12bの第4口と熱交換ユニット
d内の第3補助熱交換器16bの一端側との間、および
第2の室外ユニットe’内の冷媒流量制御弁14bと熱
交換ユニットd内の第3補助熱交換器16bの他端側に
接続されている第2のレシーバ15bとの間を、それぞ
れ接続配管n’およびnで接続して構成されている。
【0110】冷媒貯留タンク20は、その内部で最上部
から縦方向に仕切り27で左右2槽に分割されている。
仕切り27は、冷媒貯留タンク20の底面の直上または
それより上部でその一部が開口していて左右2槽の利用
側冷媒30が連通するようになっている。さらに、冷媒
貯留タンク20の上部は大気に開放されており、利用側
冷媒30の体積膨張を吸収する。またさらに、接続配管
sは、冷媒貯留タンク20の左槽の底部の流出口にその
一端が開口しており、その他端は冷媒搬送装置21の吸
入口に接続されている。また、接続配管tは、冷媒貯留
タンク20の右槽の底部の流出口にその一端が開口して
おり、その他端は冷媒搬送装置25の吸入口に接続され
ている。また、接続配管rは、冷媒貯留タンク20の左
槽の側面上部の流入口にその一端が開口しており、その
他端は第2,第4補助熱交換器19a,19bの出口側
に接続されている。また、接続配管i’は、冷媒貯留タ
ンク20の右槽の側面上部の流入口を通って、冷媒貯留
タンク内に設定されているフィルタ26の内部にその一
端が開口しており、その他端は接続配管j’,k’の出
口側に接続されている。すべての接続配管r,s,t,
およびi’は、冷媒貯留タンク20内の利用側冷媒30
の喫水面下に開口している。
【0111】つぎに、動作について説明する。冷房運転
時は第1、第2の熱源側冷媒サイクルとも図中実線の冷
媒サイクルとなる。また、暖房運転時は第1、第2の熱
源側冷媒サイクルとも図中破線の冷媒サイクルとなる。
熱源側冷媒サイクルの動作は、冷房運転時、暖房運転時
とも実施の形態1と同様であるので割愛する。
【0112】第2の利用側冷媒サイクルにおいて、冷媒
貯留タンク20の右側の槽の底部から流出した利用側冷
媒30は、接続配管tを通り第2の冷媒搬送装置25に
よって第2補助熱交換器19aおよび第4補助熱交換器
19bに分岐して送り込まれる。第2補助熱交換器19
aおよび第4補助熱交換器19bに送り込まれた利用側
冷媒30は、第1補助熱交換器16aおよび第3補助熱
交換器16bを通して、第1および第2の熱源側冷媒サ
イクルによって外気へ放熱すると同時に自らは冷却さ
れ、接続配管rで合流した後冷媒貯留タンク20の左側
の槽に戻る。暖房運転の場合も動作は同様であるため割
愛する。この第2の利用側冷媒サイクルによって、第1
および第2の熱源側冷媒サイクルで発生する温熱または
冷熱が、冷媒貯留タンク20に輸送されてここで蓄熱さ
れる。
【0113】一方、第1の利用側冷媒サイクルでは、冷
媒貯留タンク20の左側の槽の底部から流出した利用側
冷媒30は、接続配管sを通り第1の冷媒搬送装置21
によって接続配管iおよびj,kを通って利用側熱交換
器22a,22bへ送られる。利用側熱交換器22a,
22bで室内送風機24a,24bによって送り込まれ
た室内空気と熱交換して、冷房運転の場合には室内を冷
房すると同時に自らは加熱され、暖房運転の場合には室
内を暖房すると同時に自らは冷却される。この後、接続
配管j’,k’およびi’を通って冷媒貯留タンク20
の右側の槽に戻ってくる。このように、第1の利用側冷
媒サイクルでは、利用側冷媒30を循環することによ
り、冷媒貯留タンク20に蓄えられている温熱または冷
熱を熱交換器22a,22bで負荷に利用している。こ
のとき、室内送風機24a,24bの風量は、居住者が
設定する室内空気温度の目標設定値と、温度センサ35
a,35bで検出されるそれぞれの室内空気の実際の温
度との温度差に応じて数段階または連続的に変化するよ
うに設定する。
【0114】本実施の形態では、利用側冷媒サイクルと
して、室内ユニットg,hを循環する第1の利用側冷媒
ユニットと熱輸送を行う第2の利用側冷媒サイクルで構
成されている。第1の利用側冷媒サイクルを流れる冷媒
の循環量は、室内ユニットg,hの運転/停止に応じて
利用側冷媒流量制御弁23a,23bが開閉することに
より変化する。ところが第2の利用側冷媒サイクルを流
れる冷媒の循環は、第1の利用側冷媒サイクルを流れる
冷媒の循環とは独立しており、第1の利用側冷媒サイク
ルの冷媒循環量が変化しても、第2の冷媒搬送装置25
によってほぼ一定に保たれる。従って、熱源側冷媒サイ
クルの運転状態が安定しやすい上に、第2、第4補助熱
交換器19a,19bの出口温度、ひいては、利用側熱
交換器22a,22bに流入する冷媒の温度も安定しや
すいため、室内空調空間の温度制御が安定しやすく快適
性を維持しやすい。
【0115】また、利用側熱交換器へ冷媒を搬送する冷
媒搬送装置21と、第2,第4補助熱交換器19a,1
9bへ冷媒を搬送する冷媒搬送装置25とを有し、それ
ぞれの流量が個別に制御できる構成となっている。この
ため、例えば、暖房運転中に熱源側冷媒サイクルが除霜
運転を開始し、利用側冷媒の温度が下がってきたら冷媒
搬送装置21を止めて低温の冷媒が利用側熱交換器に流
入しないようにすることができる。そして第1の利用側
冷媒サイクルの運転はそのまま維持でき、室内快適性を
維持しやすい。特に、熱源側冷媒サイクルは通常、一度
停止した後一定時間を経過しないと再び起動しないよう
な制御がされているので、そのような場合には、冷媒搬
送装置25を停止したまま冷媒搬送装置21を運転する
ことにより、冷媒貯留タンク20の蓄熱分で室内を所定
時間の間、空調することができる。
【0116】ここで、フィルタ26は、例えば円筒状に
成形されており、その底面も網目状に構成されている。
円筒側面と底面の網目の粗さは均一が望ましいが、ある
程度以上細かければ、底面の方が側面より粗くても、ま
た、逆に側面の方が底面より粗くてもよい。フィルタ2
6は利用側冷媒30の注ぎ口も兼ねており、その上面は
蓋になっていて、本実施の形態による冷凍空調装置が設
置されてから運用されるまでの間に利用側冷媒30を充
填する時に蓋を開け、円筒状のフィルタ上面からその内
部へ利用側冷媒30を注ぎ込む。このとき、フィルタ2
6は、冷媒30が注ぎ込まれるのと同時に冷媒貯留タン
ク20内に混入する混入物であるごみ、ちり等が利用側
冷媒サイクル内に混入するのを防ぐ。さらに接続配管
i’がフィルタ26の内部に接続されており、利用側冷
媒の循環と共に、利用側冷媒サイクル内の配管、熱交換
器等の腐食、摩耗等によるごみ、ちり等の混入物を集め
ることにより、利用側冷媒サイクルから取り除くことを
可能としている。利用側冷媒サイクル内に異物が混入し
て利用側冷媒サイクル内を循環すると、冷媒搬送装置2
5,21の故障や、第2,第4補助熱交換器19a,1
9bおよび利用側熱交換器22a,22bの詰まりや、
伝熱性能の低下などを招いて、システム全体の信頼性が
低下することになる。フィルタ26を設けることによ
り、これらの不都合が発生するのを防ぎ、信頼性を向上
できる効果がある。
【0117】なお、フィルタ26の設置場所は、冷媒貯
留タンク20に限らず、利用側冷媒サイクルの配管のど
こかに1つ設けてあれば、そのフィルタ26を循環する
際に混入物が集められ、それよりも下流側にごみ等が循
環していくことを防ぐ。特に第2,第4の補助熱交換器
19a,19bの入口の上流側配管に設けておくと、混
入物が第2,第4の補助熱交換器19a,19bに流れ
込むのを防ぐことができる。また、冷媒貯留タンク20
内にフィルタ26を設けると、前記のように冷媒貯留タ
ンク20は冷媒を注ぎ込むために開口を設けているの
で、フィルタ26を交換したり、集まった混入物を取り
除くことが容易となり、管理しやすい。また、冷媒貯留
タンク20内において、少なくともどちらか一方の流入
口から流出口へ至る利用側冷媒の流れの途中に設けられ
ていればよく、例えば流出口近傍に設けられていてもよ
い。ただし、図12のように冷媒貯留タンク20の上方
に設けるとフィルタ26に引っかかったちりやごみなど
を容易に取り除くことができ、またフィルタ26を交換
したり洗浄する際にも扱いやすい。
【0118】冷媒貯留タンク20は、その一部が連通し
た仕切り27によって左右2槽に分割されている。その
分割された一方の槽例えば右槽には利用側熱交換器22
a,22bからの利用側冷媒が流入する開口が設けら
れ、他方の槽例えば左槽には利用側熱交換器22a,2
2bへの利用側冷媒が流出する開口が設けられている。
さらに、利用側熱交換器22a,22bからの利用側冷
媒が流入する開口が設けられた右槽には、第2,第4補
助熱交換器19a,19bへの利用側冷媒が流出する開
口が設けられ、利用側熱交換器22a,22bへの利用
側冷媒が流出する開口が設けられている左槽には第2,
第4補助熱交換器19a,19bからの利用側冷媒が流
入する開口が設けられている。本実施の形態では冷媒貯
留タンク20の上方に2つの流入口となる開口、底部に
2つの流出口となる開口が配設されている。更に詳しく
は、接続配管rが冷媒貯留タンク20の左槽の上部喫水
面下に、接続配管sが冷媒貯留タンク20の左槽の底面
に、接続配管tが冷媒貯留タンク20の右槽底面に、接
続配管i’が冷媒貯留タンク20の右槽の上部喫水面下
で、かつ、フィルタ26の内部に、それぞれ開口してい
る。
【0119】この構成において、例えば暖房運転時に、
第2の利用側冷媒サイクルでは、第2,第4補助熱交換
器19a,19bから流出した50[℃]程度の高温の利
用側冷媒が左槽の上部から流入し、冷媒貯留タンク20
内の利用側冷媒30が右槽底面から流出する。このた
め、高温で比重の小さい冷媒が左槽の上部から溜まりは
じめ、時間と共に下部まで高温の冷媒が左槽に溜まる。
このように、左槽は内部の冷媒が混合されることなく上
下に温度成層を形成し、高温の領域を時間と共に広げな
がら蓄熱することができる。このとき、第2,第4補助
熱交換器19a,19bへ冷媒を送り出す第2の冷媒搬
送装置25の吸い込み口が接続されている接続配管tの
入口温度はほとんど上昇せず、第2の利用側冷媒サイク
ルで冷媒貯留タンク20内の低温の冷媒を取り出して熱
交換するので、熱源側冷媒サイクルを効率よく運転でき
ると共に、冷媒貯留タンク20の左槽で十分に蓄熱する
ことができる。また、第1の利用側冷媒サイクルでは、
高温の冷媒を左槽底部から循環させて利用側熱交換器2
2a,22bで利用しており、特に、冬期の暖房立ち上
げが瞬時に行えるという効果がある。また、冷房時にお
いても、冷媒貯留タンク20内左槽の冷媒を右槽の冷媒
よりも比較的低温に保つことができるので、夏期の冷房
立ち上げを迅速に行えるという効果がある。
【0120】さらに、冷媒貯留タンク20と第1,第2
の利用側冷媒サイクルとの接続は、暖房運転時には図1
2のように構成しておき、冷房運転時に上下が逆になる
ように切換えてもよい。即ち、第2の利用側冷媒サイク
ルの接続配管rを冷媒貯留タンク20の左側の槽の底部
に接続し、第2,第4補助熱交換器19a,19bで熱
交換した後の低温の利用側冷媒30を下方から流入させ
る。そして、冷媒貯留タンク20の左側の槽の上方から
接続配管sを通って第1の利用側冷媒サイクルへ流出さ
せる。また、第1の利用側冷媒サイクルの接続配管i’
を冷媒貯留タンク20の右側の槽の底部に接続し、利用
側熱交換器22a,22bから流出した利用側冷媒30
を冷媒貯留タンク20の右側の槽の底部に流入させる。
また、冷媒貯留タンク20の右側の槽の上方から接続配
管tを通って第2の利用側冷媒サイクルへ流出させる。
【0121】このように、流入口と流出口を上下で切換
えると、冷房運転時に、第2の利用側冷媒サイクルで
は、第2,第4補助熱交換器19a,19bから流出し
た例えば7[℃]程度の低温の冷媒が左槽の底部に流入
し、冷媒貯留タンク20内の利用側冷媒30が右槽上部
から流出する。このため、低温で比重の大きい冷媒が左
槽の底部から溜まりはじめ、時間と共に上部まで低温の
冷媒が左槽に溜まる。このように、左槽は内部の冷媒が
混合されることなく上下に温度成層を形成し、低温の領
域を時間と共に広げながら蓄熱することができる。この
とき、第2,第4補助熱交換器19a,19bへ冷媒を
送り出す第2の冷媒搬送装置25の吸い込み口が接続さ
れている右槽上方の冷媒の温度はほとんど変動せず、第
2の利用側冷媒サイクルで冷媒貯留タンク20内の高温
の冷媒を取り出して熱交換するので、熱源側冷媒サイク
ルを効率よく運転できると共に、冷媒貯留タンク20の
左槽で十分に蓄熱することができる。また、第1の利用
側冷媒サイクルでは、低温の冷媒を左槽上部から循環さ
せて利用側熱交換器22a,22bで利用しており、特
に、夏期の冷房立ち上げが瞬時に行えるという効果があ
る。このように冷媒貯留タンク20の流入口と流出口を
切換えるような構成にした時には、フィルタ26は上方
から下方の底部にまで伸ばし、暖房および冷房の両方に
おいて、第1の利用側冷媒サイクルの冷媒配管i’から
の流入口に配置する。
【0122】またこの流入口と流出口を切換えるには、
例えば左槽の場合、接続配管rと接続配管sとの間を接
続する2本の接続配管を互いに交わらずに交差するよう
な状態で設け、2本の配管のそれぞれに冷媒流路を切換
える開閉弁を備え、さらに接続配管rと接続配管sにお
いて、それぞれ2本の配管への分岐箇所の間に開閉弁を
備えるように構成すればよい。そして、暖房運転の時に
は接続配管s,tに設けた開閉弁を開とし、2本の配管
に設けた開閉弁を共に閉とすれば、図12の構成と同様
になる。また、冷房運転の時には接続配管s,tに設け
た開閉弁を閉とし、2本の配管に設けた開閉弁を共に開
とすれば、左槽において上方の開口が冷媒搬送装置21
の吸い込み口に接続され、第2,第4補助熱交換器19
a,19bの出口側が底部の開口に接続され、暖房運転
時とは流出口と流入口を上下で逆にできる。また、右槽
の開口においても同様であり、接続配管tと接続配管
i’にも同様に2本の接続配管と開閉弁を備えれば、流
出口と流入口を上下で逆にできる。ただし、流入口と流
出口を暖房運転と冷房運転とで切換える手段はこれに限
るものではなく、他の方法を用いてもよい。
【0123】本実施の形態では、冷媒貯留タンク20内
をその一部が連通した仕切り27で仕切ったので、通常
の運転状態では、第1の冷媒搬送装置21と第2の冷媒
搬送装置25の吐き出し冷媒循環量が異なり、この吐出
し冷媒循環量の差によって連通部における冷媒の流れの
向きが決まる。例えば、室内ユニットの多数が運転して
おり第1の冷媒搬送装置21の吐き出し冷媒循環量の方
が第2の冷媒搬送装置25のそれよりも大きい時は、連
通部を冷媒が左向きに流れる。また、逆に、室内ユニッ
トの多数が停止しており第1の冷媒搬送装置21の吐き
出し冷媒循環量の方が第2の冷媒搬送装置25のそれよ
りも小さい時は、連通部を冷媒が右向きに流れる。この
中間の室内ユニットの運転/停止状態では、第1の冷媒
搬送装置21の吐出し冷媒循環量と第2の冷媒搬送装置
25の吐き出し冷媒循環量とがほぼ同一となる場合があ
る。このような場合、冷媒貯留タンク20内の仕切り2
7の連通部の冷媒流量はほとんど0となり、利用側冷媒
サイクルは利用側熱交換器22a,22bと第2、第4
の補助熱交換器19a,19bとが直結されたようにな
り、図6とほぼ同様な冷媒サイクルとなる。なお、仕切
り27の連通する位置は冷媒貯留タンク20の上下方向
のどこでよい。図12にような流入口,流出口の配置の
場合には、暖房時には下方で右槽と左槽を連通し、冷房
時には上方で右槽と左槽を連通するように、仕切りを移
動可能な構成にしてもよい。この仕切り27の移動は、
例えば手動でもよいしモータや電磁弁によって連通部が
移動するように構成してもよい。
【0124】また、本実施の形態では、冷媒貯留タンク
20内で仕切り27で仕切られてできた2槽は、第1の
冷媒搬送装置21の吸い込み口への流出口が設けられた
左槽の容積の方が、第2の冷媒搬送装置25の吸い込み
口への流出口が設けられた右槽の容積より大きくなって
いる。このように構成すると、冷媒貯留タンク20内に
暖房運転時はより低温の、冷房時にはより高温の利用側
熱交換器22a,22bからの戻り冷媒が留まることな
く、スムーズに第2,第4補助熱交換器19a,19b
に流入するので、熱源側冷媒サイクルの効率を高く維持
しやすいという効果がある。
【0125】第1温度センサ31は、第2補助熱交換器
19aおよび第4補助熱交換器19dの利用側冷媒出口
側接合点と冷媒貯留タンク20との間を接続する接続配
管rに設置されている。また、熱源側冷媒の温度を検出
する配管温度センサ32a,32bは、第1,第2熱源
側冷媒サイクルの熱源側熱交換器13a,13bの入口
側に設けられている。33は利用側熱交換器22a,2
2bの入口側に設けた第2温度検出手段で、例えば第2
温度センサ、34は外気温度検出手段で、例えば外気温
度センサ、35a,35bは室内ユニットg,hに設け
られた温度検出手段で、例えば空調室内の温度を検出す
る温度センサ、36は利用側熱交換器22a,22bの
出口側に設けた第3温度検出手段で、例えば第3温度セ
ンサである。熱源側冷媒サイクルの能力は第1温度セン
サ31の検出温度TH1が予め設定されている目標温度
TMに近づくように制御される。例えば、冷房運転の場
合、第1温度センサ31の検出温度TH1と目標温度T
Mとの温度差 ΔTH1=TH1−TM ・・・・・・・・・・・・・・・・・(10) を制御装置41内部の演算部で算出し、この値を16進
数等の温度差コードに変換して室外ユニットeおよび
e’に送信する。室外ユニットeおよびe’は家庭用エ
アコン等の標準仕様で構成されていれば、熱交換ユニッ
トdから送られてきた温度差コードを通常の室内ユニッ
トから送られてくる室温設定値と実際の室内(吸い込
み)空気温度との差から作られる温度差コードと同様に
扱い、第1,第2の室外ユニットe,e’内に設置され
た制御装置42a、42bが圧縮機11a、11bおよ
び冷媒流量制御弁14a、14bを制御する。
【0126】一方、暖房運転の場合も同様に、 ΔTH1=TM−TH1 ・・・・・・・・・・・・・・・・・(11) を制御装置41内部の演算部で算出し、この値を16進
数等の温度差コードに変換して室外ユニットeおよび
e’に送信し、この値に従って制御装置42a、42b
が圧縮機11a、11bおよび冷媒流量制御弁14a、
14bを制御する。
【0127】また、本実施の形態では、第1温度センサ
31の検出温度の目標値は、冷房運転の場合、TM=7
[℃]、暖房運転の場合、TM=50[℃]を基本とし、外
気温度センサ34の検出温度によって変更する。例え
ば、冷房運転時、外気温度センサ34の検出値が25
[℃]未満であれば、第1温度センサ31の検出温度の目
標値TMを10[℃]とする。また、暖房運転時、外気温
度センサ34の検出値が10[℃]以上であれば、第1温
度センサ31の検出温度の目標値TMを45[℃]とす
る。このように、外気温度と空調室温設定値との差が小
さい場合には、第1温度センサ31の目標値を空調室温
設定値との差が小さくなる方向へ変更することによっ
て、熱源側冷媒サイクルの過剰な運転が抑えられるの
で、効率的かつエネルギ消費の少ない冷凍空調装置を得
ることができる。
【0128】また、第1温度センサ31の目標温度TM
は、外気温度センサ34の検出値のみではなく、室内ユ
ニットの運転台数や各室内ユニットの空調設定温度、運
転モードなどに応じて変更してもよい。例えば、室内ユ
ニットが2台接続されていて、暖房運転時、1台は設定
温度20[℃]、もう1台は設定温度24[℃]の時はTM
=48[℃]、2台とも設定温度24[℃]であればTM=
50[℃]、2台とも設定温度22[℃]であればTM=4
7[℃]、2台とも設定温度20[℃]であればTM=45
[℃]などとする。また、冷房運転時、2台とも設定温度
26[℃]であればTM=7[℃]、1台は設定温度26
[℃]、もう1台はドライモードであればTM=9[℃]な
どとする。また、1台は設定温度26[℃]でもう1台は
停止している場合はTM=8[℃]などとする。さらに、
接続配管i’に第3温度センサ36を設置して、この検
出値に応じて第1温度センサ31の目標値を変更しても
よい。例えば、冷房運転時に、第2温度センサ33の検
出値が7[℃]で第3温度センサの検出値が13[℃]であ
れば、第1温度センサの目標値はTM=7[℃]のままと
し、第2温度センサ33の検出値が7[℃]で第3温度セ
ンサの検出値が12[℃]となれば、第1温度センサの目
標値はTM=8[℃]に変更する。
【0129】本実施の形態では、第1,第2の室外ユニ
ットe,e’は、標準仕様のヒートポンプの室外ユニッ
トを使用でき、安価に冷凍空調装置を構成できるという
利点がある。また、熱交換ユニットdを別体としない
で、第1,第2の室外ユニットe,e’と一体の室外ユ
ニットとして構成しても構わない。これらを一体で構成
すれば、搬入および工事の手間が省け、工事費が節約さ
れると共に、住宅の外観、美観も損なわないことは言う
までもない。
【0130】また、利用側冷媒サイクルの配管におい
て、利用側熱交換器への送り側配管(i,j,k)と利
用側熱交換器からの戻り側配管(i’,j’,k’)と
で配管径が異なっているとよい。このようにしておけ
ば、配管接続工事の際、例えば、送り配管iから送り配
管j,kへの分岐部分で、送り配管iが誤って戻り配管
j’に接続されたりして利用側熱交換器に冷媒が循環せ
ず空調できないといったトラブルを未然に防ぐことがで
きる。さらに、利用側熱交換器22a,22bの出口側
および利用側冷媒流量制御弁23a,23bの入口側の
接続部もその内径または外径が異なっているとよい。ま
た、配管の配管径を異なるようにする代わりに、配管を
接続する継ぎ手の形や大きさを異なるように構成しても
同様であり、配管接続工事などの際に接続間違いが起こ
るのを防ぐことができ、信頼性の高い冷凍空調装置が得
られる。
【0131】実施の形態4.以下、本発明の実施の形態
4による冷凍空調装置として、例えば冷却運転で室内を
冷房し、加熱運転で室内を暖房する冷暖房装置について
説明し、冷却運転を冷房運転、加熱運転を暖房運転とし
て記す。図13は本実施の形態による冷暖房装置を示す
構成図である。図において、熱源側冷媒サイクルは、第
1の圧縮機11a、第1の流路切換弁12a、第1の熱
源側熱交換器13a、第1の冷媒流量制御弁14a、第
1のレシーバ15a、第1補助熱交換器16aを連接し
てなる第1の熱源側冷媒サイクルと、第2の圧縮機11
b、第2の流路切換弁12b、第2の熱源側熱交換器1
3b、第2の冷媒流量制御弁14b、第2のレシーバ1
5b、第3補助熱交換器16bを連接してなる第2の熱
源側冷媒サイクル、および第3の冷媒搬送装置28、加
熱ボイラ29、第5の補助熱交換器16cを連接してな
る第3の熱源側冷媒サイクルとから成っている。これら
第1および第2の熱源側冷媒サイクルの容量(定格能
力)の合計は、実施の形態1の熱源側冷媒サイクルの容
量(定格能力)と同一になるよう設定されている。ま
た、第3の熱源側冷媒サイクルは加熱専用であり、これ
1台だけで必要な暖房能力が発揮される容量に設定され
ている。
【0132】また、この加熱専用の第3の熱源側冷媒サ
イクルは、利用側冷媒サイクルの冷媒の流れの向きに対
して、冷却/加熱用の冷媒サイクルである第1,第2の
熱源側冷媒サイクルよりも上流側で、第1,第2の熱源
側冷媒サイクルのそれぞれと直列に接続している。ま
た、第3の熱源側冷媒サイクルを構成する加熱装置とし
ては、例えば灯油やガスを燃焼させて温熱を得る加熱ボ
イラ29を用いており、暖房機能のみを有する。
【0133】一方、利用側冷媒サイクルは、第1の冷媒
搬送装置21、接続配管i、接続配管j,k、利用側冷
媒流量制御弁23a,23b、利用側熱交換器22a,
22b、接続配管j’,k’、接続配管i’、冷媒貯留
タンク20を連接して成る第1の利用側冷媒サイクル
と、第2の冷媒搬送装置25、第6補助熱交換器19
c、第2補助熱交換器19a、第4補助熱交換器19
b、冷媒貯留タンク20を連接して成る第2の利用側冷
媒サイクルとから構成されている。接続配管k、利用側
冷媒流量制御弁23b、利用側熱交換器22b、および
接続配管k’は実施の形態1と同様、接続配管j、利用
側冷媒流量制御弁23a、利用側熱交換器22a、およ
び接続配管j’に並列に接続されている。また、第2補
助熱交換器19aおよび第4補助熱交換器19bは実施
の形態2および3と同様、並列に接続されており、これ
らはそれぞれ第1補助熱交換器16aおよび第2補助熱
交換器16bと熱交換するよう一体に形成されている。
また、第6補助熱交換器19cは、第2補助熱交換器1
9aおよび第4補助熱交換器19bと直列に接続されて
おり、第5補助熱交換器16cと熱交換するように一体
に形成されている。
【0134】また、第1,第2の熱源側冷媒サイクル
は、家庭用エアコンなどの標準的な冷媒サイクルを利用
しているため、圧縮機11a、流路切換弁12a、第1
の熱源側熱交換器13a、第1の冷媒流量制御弁14a
は第1の室外ユニットeに収納されており、圧縮機11
b、四方弁12b、第1の熱源側熱交換器13b、第1
の冷媒流量制御弁14bは第2の室外ユニットe’に収
納されている。さらに、第3の熱源側冷媒サイクルも、
家庭用灯油ボイラ等の標準品を利用しており、第3の冷
媒搬送装置28、加熱ボイラ29とが室外ユニット
e’’に収納されている。さらにまた、第1の冷媒搬送
装置21、第2の冷媒搬送装置25、一体となった第1
補助熱交換器16aおよび第2補助熱交換器19a、一
体となった第3補助熱交換器16bおよび第4補助熱交
換器19b、一体となった第5補助熱交換器16cおよ
び第6補助熱交換器19c、冷媒貯留タンク20、レシ
ーバ15a、15bは熱交換ユニットdに収納されてい
る。
【0135】第1の熱源側冷媒サイクルは、第1の室外
ユニットeと熱交換ユニットdとの間で接続配管mおよ
びm’で接続されている。第2の熱源側冷媒サイクル
は、第2の室外ユニットe’と熱交換ユニットdとの間
で接続配管nおよびn’で接続されている。第3の熱源
側冷媒サイクルは、第3の室外ユニットe’’と熱交換
ユニットdとの間で接続配管oおよびo’で接続されて
いる。また、冷媒貯留タンク20内にはフィルタ26が
設置されており、接続配管i’の一端が該フィルタ26
の内部に開口して接続されている。冷媒貯留タンク20
は、その内部で最上部から縦方向に仕切り27で左右2
槽に分割されており、仕切り27の下部でその一部が開
口していて左右2槽の利用側冷媒30が連通している。
さらに、冷媒貯留タンク20の上部は大気に開放されて
おり、冷媒貯留タンク20に接続されているすべての接
続配管は、冷媒貯留タンク20内の利用側冷媒30の喫
水面下に開口している。
【0136】つぎに、動作について説明する。冷房運転
時は、第1、第2の熱源側冷媒サイクルを運転し、第3
の熱源側冷媒サイクルは停止する。この冷房運転時は第
1、第2の熱源側冷媒サイクルとも図中実線の冷媒サイ
クルとなる。冷房運転時の第1、第2の熱源側冷媒サイ
クルの動作は実施の形態1と同様であるので割愛する。
一方、利用側冷媒サイクルでは、冷媒貯留タンク20の
左側の槽の底部から流出した比較的低温の利用側冷媒3
0は、第1の冷媒搬送装置21によって接続配管iおよ
びj、kを通って利用側熱交換器22a,22bへ送ら
れ、室内空気を冷房すると同時に自らは加熱されて、接
続配管j’,k’およびi’を通って冷媒貯留タンク2
0の右側の槽に戻る。また、一方、冷媒貯留タンク20
の右側の槽の底部から流出した比較的高温の利用側冷媒
30は、第2の冷媒搬送装置25によって第6補助熱交
換器19c通過して第2補助熱交換器19aおよび第4
補助熱交換器19bに分岐して送り込まれる。第2補助
熱交換器19aおよび第4補助熱交換器19bに送り込
まれた冷媒30は、第1補助熱交換器16aおよび第3
補助熱交換器16bを通して、第1および第2の熱源側
冷媒サイクルによって外気へ放熱すると同時に自らは冷
却され、合流した後冷媒貯留タンク20の左側の槽の上
部に戻る。
【0137】暖房運転時は、第1、第2の熱源側冷媒サ
イクルを停止し、第3の熱源側冷媒サイクルのみ運転す
る。暖房運転時には、第3の冷媒搬送装置28によって
送り出された第3の熱源側冷媒は、灯油、ガス等を燃焼
して得られる熱を加熱ボイラ29で奪うと同時に自らは
加熱されて、第5補助熱交換器16cに流入する。ここ
で、第6補助熱交換器19cを流れる利用側冷媒30に
放熱すると共に自らは冷却されて、再び第3の冷媒搬送
装置28に流入する。第3の熱源側冷媒サイクルを循環
する冷媒には、例えば水、若しくはエチレングリコー
ル、プロピレングリコールおよびD−ソルビトールなど
の溶媒のうちの少なくとも1つまたは複数を重量比で数
十%以下含んだ水溶液を用いる。
【0138】一方、利用側冷媒サイクルでは、冷媒貯留
タンク20の左側の槽の底部から流出した比較的高温の
利用側冷媒30は、第1の冷媒搬送装置21によって接
続配管iおよびj、kを通って利用側熱交換器22a,
22bへ送られ、室内空気を暖房すると同時に自らは冷
却されて、接続配管j’,k’およびi’を通って冷媒
貯留タンク20の右側の槽の上部に戻ってくる。また、
一方、冷媒貯留タンク20の右側の槽の底部から流出し
た比較的低温の利用側冷媒30は、第2の冷媒搬送装置
25によって第6補助熱交換器19cに流入する。ここ
で、一体として形成された第5補助熱交換器16cを通
して第3の熱源側冷媒サイクル内を循環する第3の冷媒
から熱を奪う。これと同時に自らは加熱されたのち、第
2補助熱交換器19aおよび第4補助熱交換器19bに
分岐して送り込まれる。第2補助熱交換器19aおよび
第4補助熱交換器19bに送り込まれた冷媒30は、そ
のまま通過して合流した後冷媒貯留タンク20の左側の
槽の上部に戻る。
【0139】以上のように、本実施の形態によれば第
1、第2の熱源側冷媒サイクルに直列に第3の熱源側冷
媒サイクルを追加し、第1、第2の熱源側冷媒サイクル
は冷房運転のみ、第3の熱源側冷媒サイクルは暖房運転
のみに使用されるように構成したため、特に、冬期の外
気温度が氷点下になる地方で運用され、第1、第2の熱
源側冷媒サイクルであるヒートポンプでは暖房能力不足
となる場合でも、暖房能力を確保しやすいという効果が
ある。また、第1、第2の熱源側冷媒サイクルは冷房運
転のみにしか使用しないので、除霜運転を行う必要がな
く、除霜運転による利用側冷媒の温度低下も起こらな
い。このため、利用側冷媒の温度を加熱利用に適した温
度に維持できる。また、電気入力による第1、第2の熱
源側冷媒サイクルの運用費と灯油入力による第3の熱源
側冷媒サイクルの運用費とでは、同一暖房能力で比較し
た場合、一般的に前者の方が割高であるため、本実施の
形態によれば、暖房能力は運用費が安価な第3の熱源側
冷媒サイクルのみで賄うことによって、使用者が支払う
空調運用費を安価に抑えられるという効果がある。
【0140】また、図14に示すように、第3の熱源側
冷媒サイクルにおいて第5補助熱交換器16cをバイパ
スするバイパス回路uと、第2の利用側冷媒サイクルに
おいて第6補助熱交換器19cをバイパスするバイパス
回路vを設けてもよい。このバイパス回路u,vを設け
たことによって、第3の熱源側冷媒サイクルを循環する
熱源側冷媒の一部をバイパス回路uに流通させると共に
第2の利用側冷媒サイクルを循環する利用側冷媒の一部
をバイパス回路vに流通させる。このため、圧力損失を
低減でき、第3の冷媒搬送装置28を小型のもので構成
できる。また、バイパス回路vを設け、加熱ボイラ29
の設定温度を例えば55[℃]から70[℃]に上げれば、
第5,第6補助熱交換器16c,19cを小型のもので
構成できる。
【0141】なお、本実施の形態では、ヒートポンプで
ある第1および第2の熱源側冷媒サイクルは2台が並列
に接続されている例を示したが、これらヒートポンプで
ある冷媒サイクルが3台以上あって並列に接続されてい
てもよいし、1台しか接続されていなくてもよい。ま
た、第1および第2の熱源側冷媒サイクルは必ずしもヒ
ートポンプである必要もなく、冷却専用の冷媒サイクル
であってもよい。冷却専用の冷媒サイクルをで構成すれ
ばさらに安価な冷凍空調装置が得られる。
【0142】さらに、第1、第2の熱源側冷媒サイクル
は、ヒートポンプでなく臭化リチウム−水系やアンモニ
ア−水系等の吸収式冷凍機、吸収式冷温水機や吸着式冷
温水機でもよい。また、第3の熱源側冷媒サイクルは、
灯油やガスを燃焼させる加熱ボイラではなく電気ヒータ
を第6補助熱交換器19cに巻きつけて、あるいは接触
させて代用してもよい。もちろん、第3の熱源側冷媒サ
イクルは、ヒートポンプや吸収式あるいは吸着式冷温水
機など、加熱機能を発揮するものであれば何でもよい。
また、第3の熱源側冷媒サイクルは必ずしも1系統であ
る必要はなく、灯油ボイラ、ガスボイラ、電気ヒータな
どを併用して2系統以上並列または直列に接続してもよ
い。
【0143】実施の形態5.図15は実施の形態5によ
る冷凍空調装置として例えば冷暖房装置を示す構成図で
ある。実施の形態4では、第1、第2の熱源側冷媒サイ
クルは冬期の暖房運転には利用せず、すべての暖房負荷
を第3の熱源側冷媒サイクルで賄うようにした。これで
は、第1、第2の熱源側冷媒サイクルでも暖房運転でき
る設備を備えていながら使用しないという無駄が生じ
る。そこで、本実施の形態では、図15に示すように、
第6補助熱交換器19cを第2,第4補助熱交換器19
a,19bの下流側に設置し、動作保障する外気温度の
下限で必要となる暖房負荷に対して第1および第2の熱
源側冷媒サイクルの能力で不足する能力分を賄うだけの
設備を第3の熱源側冷媒サイクルに持たせる。このよう
に構成した上で、第1および第2の熱源側冷媒サイクル
で例えば50[℃]程度に加熱した利用側冷媒を、さらに
第5,第6補助熱交換器16c,19cを通して第3の
熱源側冷媒サイクルで例えば80[℃]程度に加熱するこ
とにより、必要な能力を確保する。
【0144】本実施の形態では、以上のように加熱専用
の第3の熱源側冷媒サイクルと、冷却/加熱併用の第1
および第2の熱源側冷媒サイクルとを利用側冷媒サイク
ルに対して直列に接続して構成している。そして、利用
側冷媒サイクルに対して、冷却/加熱併用の第1および
第2の熱源側冷媒サイクルの下流側に加熱専用の第3の
熱源側冷媒サイクルを接続している。ここで、冷却/加
熱併用の第1および第2の熱源側冷媒サイクルは、蒸気
圧縮式冷凍サイクルで構成するものとし、その冷房機能
と暖房機能を共に利用するものである。このため設備の
無駄を省きながら低外気温度での暖房性能を十分確保す
ることができると共に、第3の熱源側冷媒サイクルであ
る加熱ボイラ29に比べてエネルギ効率が高い第1、第
2の熱源側冷媒サイクルであるヒートポンプの運転時間
が増加する。さらに、第1,第2の熱源側冷媒サイクル
は第1,第3補助熱交換器16a,16bを通して外気
からの吸熱を比較的温度の低い利用側冷媒に放熱するの
で、効率よく運転することができ、石油資源の有効利
用、二酸化炭素の排出抑制など、地球環境の保全にも役
立つ。
【0145】実施の形態5では、通常の暖房運転時に
は、第1および第2の熱源側冷媒サイクルで不足する能
力を賄うために第3の熱源側冷媒サイクルを運転するよ
うに構成している。ところが、特に外気温度が低くなっ
て、第1、第2の熱源側冷媒サイクルの発電端効率も含
めて考えた一次エネルギに対する効率が加熱ボイラ29
より低くなる場合は、第1、第2の熱源側冷媒サイクル
を停止して、第3の熱源側冷媒サイクルである加熱ボイ
ラ29のみを運転するようにしてもよい。この場合は、
第3の熱源側冷媒サイクルだけで必要な暖房負荷を賄う
だけの設備容量が必要であることは言うまでもない。ま
た、逆に、特に外気温度が高い時に暖房要求がある場合
に、第1、第2の熱源側冷媒サイクルであるヒートポン
プの方が第3の熱源側冷媒サイクルである加熱ボイラ2
9よりも一次エネルギに対する効率が高くなる場合は、
第3の熱源側冷媒サイクルである加熱ボイラ29を停止
して、第1、第2の熱源側冷媒サイクルであるヒートポ
ンプのみで暖房運転するとよい。外気温度は熱交換ユニ
ット内に設置されている外気温度センサ34によって検
出できる。本実施の形態の構成では、利用状況に応じて
様々のパターンで第1、第2、第3の熱源側冷媒サイク
ルを運転でき、機器を有効利用でき、エネルギの低減を
図ることができる。
【0146】また、暖房運転時、第1、第2の熱源側冷
媒サイクルのうちいずれか一方または両方が除霜運転時
入った場合、加熱専用の第3の冷媒サイクルと冷却/加
熱併用の第1、第2の冷媒サイクルのうちの少なくとも
1系統の冷媒サイクルは暖房運転を継続するように制御
することにより、除霜運転時の空調室内の温度を維持で
き、快適性を維持しやすい冷凍空調装置を得ることがで
きる。この制御は、例えば制御装置41で行う。
【0147】また、暖房運転時、第1、第2の熱源側冷
媒サイクルのうちいずれか一方または両方が除霜運転時
入った場合、制御装置41は、第1温度センサ31の検
出温度が目標値に近づくように第3の熱源側冷媒サイク
ルの能力を増大させるよう制御信号を制御装置42cに
送るように制御することもできる。このように、第1ま
たは第2熱源側冷媒サイクルの除霜運転時に、暖房運転
を行う第3の熱源側冷媒サイクルの能力を増加して暖房
運転させると、利用側冷媒の温度低下が小さくなるよう
に自動的制御され、室内の快適性の向上を図ることがで
きる。なお、除霜運転中に暖房能力を増加して運転させ
る冷媒サイクルは、加熱専用の第3の冷媒サイクルに限
るものではなく、冷却/加熱併用の第1、第2の冷媒サ
イクルが暖房運転中の場合にはその冷媒サイクルの能力
を増加して暖房運転を継続するように制御すればよい。
【0148】また、暖房運転時、第1、第2の熱源側冷
媒サイクルのうちいずれか一方または両方が除霜運転開
始条件を満たした場合、制御装置41は、第3の熱源側
冷媒サイクルの能力を増大させるよう、例えば最大能力
で運転するように制御信号を制御装置42cに送るよう
に制御すると、さらに利用側冷媒の温度低下が小さくな
るように自動的制御され、室内の快適性の向上を図るこ
とができる。また、この場合にも、暖房能力を増加して
運転させる冷媒サイクルは、加熱専用の第3の冷媒サイ
クルに限るものではなく、冷却/加熱併用の第1、第2
の冷媒サイクルが暖房運転中の場合にはその冷媒サイク
ルの能力を増加して暖房運転を継続するように制御すれ
ばよい。
【0149】また、特に第1の熱源側冷媒サイクル、第
2の熱源側冷媒サイクル、第3の熱源側冷媒サイクルの
容量制御が運転/停止のみしか選択できない場合は、図
16に示すように、第1温度センサ31の検出値TH1
が目標温度TMに近づくように、第1、第2、第3の熱
源側冷媒サイクルを順次運転するようにしてもよい。第
1温度センサ31の目標温度TMに上限TMH、下限T
MLを設定し、第1温度センサ31の検出温度TH1が
TMHとTMLの間に収まるように第1、第2、第3の
熱源側冷媒サイクルを運転/停止する。図16におい
て、横軸は第1温度センサ31の検出温度TH1、縦軸
は第1、第2、第3の熱源側冷媒サイクルの運転/停止
を表す。例えばTMH1=51[℃]、TMH2=50
[℃]、TMH3=49[℃]、TML1=49[℃]、TM
L2=48[℃]、TML3=47[℃]として、検出温度
TH1がTML1から順に下がってくると、熱源側冷媒
サイクルを1系統づつ追加運転する。一方、検出温度T
H1がTMH3から順に上がってくると、熱源側冷媒サ
イクルを1系統づつ停止する。例えば第1の熱源側冷媒
サイクルが運転の時でTML1<TH1<TMH1の間
は変更しない。また、第1,第2の熱源側冷媒サイクル
運転の時でTML2<TH1<TMH2の間は変更せ
ず、第1,第2,第3の熱源側冷媒サイクル運転の時で
TML3<TH1<TMH3の間は変更しない。このよ
うに、熱源側冷媒サイクルを3系統にし、それぞれの熱
源側冷媒サイクルを運転/停止することにより、熱源側
冷媒サイクルが1系統の場合に比べて、利用側冷媒の温
度変化を小さい範囲内に収めることができ、冷媒温度の
安定性、ひいては、空調室内の快適性が向上する。
【0150】実施の形態6.図17は本実施の形態によ
る冷凍空調装置として例えば冷暖房装置を示す構成図で
ある。実施の形態2〜実施の形態5では、利用側冷媒サ
イクルにおいて、接続配管i’および接続配管rは、そ
れぞれ右槽、左槽の側面から冷媒貯留タンク20に接続
して開口していたが、図17に示すように、冷媒貯留タ
ンク20の底面から接続して、それぞれ上部およびフィ
ルタ内部に開口するように構成してもよい。このように
すれば、冷媒貯留タンク20の側面に接続部を設ける必
要がなくなるため側面をすっきりすることができる。従
って、冷媒貯留タンク20の容量を維持したまま、熱交
換ユニットdの設置面積を抑えることができ、スペース
効率が向上する。
【0151】このとき、接続配管i’およびrの冷媒貯
留タンク20内における開口部の位置は、利用側冷媒の
流出速度u[m/s]、開口部から喫水面までの距離h[m]
との間に、式(12)の関係が成立しているとよい。 h≧u2 /2g ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(12) ただし、g:重力加速度=9.8[m/s2 ]である。右辺
2 /2gは、大気中で、ある開口部から鉛直上向きに
速度uで流出した流体が到達する最高地点までの距離で
ある。従って、この距離より喫水面までの距離hを長く
保っておけば、冷媒貯留タンク20の喫水面はある程度
静かであり、冷媒貯留タンク20のオーバーフロー口か
ら中の冷媒がこぼれ出たり、接続配管rの開口から喫水
面を抜けて噴出した冷媒が再び喫水面に戻ってくること
による撹拌効果で、温度成層が乱され、利用側冷媒温度
の安定性が損なわれるようなことはない。実際には、冷
媒貯留タンク20の喫水面より下で利用側冷媒が流出す
るので、タンク内冷媒の粘性により流出した冷媒が到達
する最高地点までの距離は、右辺u2 /2gより小さく
なるため、hはこの距離u2 /2gよりある程度までな
ら小さくても問題ない。もちろん実施の形態3と同様、
仕切り27によって冷媒貯留タンク20を右槽と左槽と
に分割し、右槽と左槽にそれぞれ2つの開口を設けた構
成になっている。このため、暖房運転では左槽は内部の
冷媒が混合されることなく上下に温度成層を形成し、高
温の領域を時間と共に広げながら十分に蓄熱することが
できる。また冷房運転では、冷媒貯留タンク20内左槽
の冷媒を右槽の冷媒よりも比較的低温に保つことができ
るので、夏期の冷房立ち上げを迅速に行えるという効果
がある。
【0152】実施の形態7.図18は本実施の形態によ
る冷凍空調装置として例えば冷暖房装置を示す構成図で
ある。実施の形態5では、冷却/加熱併用の第1、第2
の熱源側冷媒サイクルと加熱専用の第3の熱源側冷媒サ
イクルとは直列に接続していたが、図18に示すよう
に、第3の熱源側冷媒サイクルと第1、第2の熱源側冷
媒サイクルを並列に接続してもよい。そしてそれぞれの
冷媒配管に分岐する部分よりも下流側に、流路切換手段
として例えばニ方弁51、52を設ける。この流路切換
手段によって、冷房運転時に、第3の冷媒サイクルと熱
交換する利用側補助熱交換器19cには利用側冷媒が流
れないように、冷媒流路を切換える。
【0153】冷房運転時は、二方弁51を閉、二方弁5
2を開とし、冷却/加熱併用の冷媒サイクルである第
1、第2の熱源側冷媒サイクルによって冷房運転する。
ニ方弁51によって、冷房運転時には第3の熱源側冷房
サイクルと熱交換する第6補助熱交換器19cには利用
側冷媒が流れないように冷媒回路が切換えられている。
一方、暖房運転時は、二方弁51を開、二方弁52を閉
とし、加熱専用の冷媒サイクルである第3の熱源側冷媒
サイクルによって暖房運転する。また万が一、第3の熱
源側冷媒サイクルが故障した場合には、二方弁51を
閉、二方弁52を開として第1、第2の熱源側冷媒サイ
クルで暖房運転することもできる。また、二方弁51、
二方弁52とも開として第1、第2、第3の熱源側冷媒
サイクルすべてを運転して暖房してもよい。これらの切
換えは、熱交換ユニット内に設置されている外気温度セ
ンサ34の検出温度に応じて切換えればよい。
【0154】このように、加熱専用の第3の熱源側冷媒
サイクルと、冷却/加熱併用の第1、第2の熱源側冷媒
サイクルを並列に接続することにより、暖房能力を十分
に確保でき、室内の快適性を維持しやすく、安価な冷凍
空調装置を得ることができる。さらに、加熱専用の冷媒
サイクルと冷却/加熱併用の冷媒サイクルのそれぞれを
独立して制御でき、利用状況に適した運転を行うことが
できる。
【0155】また、第1、第2の熱源側冷媒サイクルは
冷却/加熱併用でなく冷却専用の冷媒サイクルで構成し
てもよい。この場合には、暖房運転の時には加熱専用の
冷媒サイクルを動作させ、冷房運転の時には利用側冷媒
の流路を切換手段で切換えると共に、冷却専用の冷媒サ
イクルを動作させる。この構成では、加熱専用の冷媒サ
イクルと冷却専用の冷媒サイクルのそれぞれを独立して
制御でき、利用状況に適した運転を行うことができ、特
に無駄な機能を省き、安価な冷凍空調装置を得ることが
できる。
【0156】実施の形態8.図19は本実施の形態によ
る冷凍空調装置として例えば冷暖房装置を示す構成図で
ある。実施の形態1〜実施の形態7では、熱源側冷媒サ
イクルと利用側冷媒サイクルとを熱交換する補助熱交換
器群は、冷媒貯留タンク20の外部に設置していたが、
図19に示すように、補助熱交換器16a,16bを冷
媒貯留タンク20の内部の利用側冷媒内に浸して設置し
てもよい。この時、第1および第2の熱源側冷媒サイク
ルは、冷媒貯留タンク20内に設置された温度センサ3
5の検出温度が目標温度に近づくように運転/停止され
る。このような構成にすると、実施の形態3〜実施の形
態7で熱輸送サイクルとして動作している第2の利用側
冷媒サイクルが必要なく、特に第2の冷媒搬送装置25
が必要なくなるため、システム全体の信頼性が向上する
という効果がある。
【0157】また、冷媒貯留タンク20の内部に補助熱
交換器16a,16bと共に蓄熱材61を挿入しておい
てもよい。この蓄熱材61としては、例えば銅や鉄やレ
ンガなどのブロックなど、または酢酸ナトリウムなどを
カプセルやパイプなどに入れて使用する。酢酸ナトリウ
ムを用いる場合には、顕熱と共に50[℃]程度の潜熱も
利用することができ、効果的に十分に蓄熱できる。すな
わち、冷媒貯留タンク20の内容積を、利用側冷媒サイ
クルの加熱運転中に熱源側冷媒サイクルを除霜運転する
ときの利用側冷媒の温度を暖房に適した温度に維持する
ように、利用側冷媒の量または蓄熱材61の量を蓄えら
れる内容積としている。
【0158】このように構成すると、第1、第2の熱源
側冷媒サイクルのいずれか一方または両方が除霜運転に
入っても、冷媒貯留タンク20内の蓄熱材61の放熱に
より利用側冷媒温度が低下するのを防ぎ、室内空調の快
適性をよりよく維持することができる。なお、第1およ
び第2の熱源側冷媒サイクルは、冷媒搬送装置21の吐
き出し口に設置された第2温度センサ33の検出温度が
目標温度に近づくように運転/停止されるようにしても
よい。利用側熱交換器22a,22bへの供給冷媒温度
により近い第2温度センサ33の検出温度に基づいて、
第1および第2の熱源側冷媒サイクルが運転されると、
室内空調の快適性をよりよく維持することができる。ま
た、蓄熱材61を設けて設けていない構成と比較する
と、利用側冷媒の温度低下を同等に設定すると、利用側
冷媒の量を蓄熱材61での蓄熱容量分だけ少なくできる
ので、冷媒貯留タンク20を小型化することも可能であ
る。さらに、蓄熱材61として水よりも熱容量の大きい
材質のもので構成すると、蓄熱材61自体を小さくでき
る。この蓄熱材61の蓄熱容量は、比熱と重量を決める
ことにより設定できるため、実施の形態1で述べたよう
に除霜運転時の放熱量から利用側冷媒の温度低下が所定
の温度以下になるように設定すれば、除霜運転時の利用
側冷媒の温度を安定させることができる。
【0159】また、補助熱交換器16a,16bは、通
常の銅管を螺旋状や碁盤目状または千鳥状に配列したも
のを用いれば安価な冷凍空調装置を構成できる。また、
フィンチューブやプレートフィン熱交換器を用いると、
補助熱交換器および冷媒貯留タンク20を小型化でき
る。また、補助熱交換器16a、16bの少なくとも何
れか一方をスパイラルフィン熱交換器で構成してもよ
い。図20は、補助熱交換器16aをスパイラルフィン
熱交換器で構成した冷媒貯留タンク20を示す説明図で
あり、補助熱交換器16bに関しては図示していない。
銅などのフィンをスパイラル状に伝熱管の外側に固着し
てスパイラルフィン付き管を構成し、このスパイラルフ
ィン熱交換器16aを冷媒貯留タンク20内に貯留した
利用側冷媒に浸漬するように配設している。このような
スパイラルフィン付き管では、スパイラルフィン付き管
内を流れる熱源側冷媒と、冷媒貯留タンク20内の利用
側冷媒とが熱交換する際の利用側冷媒の伝熱面積、即ち
管外壁面積とフィン表面積の合計が、熱源側冷媒の伝熱
面積、即ち管内壁面積よりも大幅に大きくなる。このた
め、フィンを全く設けていない構成に比べて、水などを
使用した場合の伝熱性能の悪い利用側冷媒の伝熱面積が
およそ6倍になり、熱通過率が4倍弱向上するので、補
助熱交換器16aを大幅に小型化できる。
【0160】厳密に言えば、フィンを全く設けていない
伝熱管のみの構成でも管外壁面積は管内壁面積よりも伝
熱管の肉厚分だけ大きいのであるが、これよりもプレー
トフィンやスパイラルフィンなどによって伝熱面積を大
幅に大きくすると、伝熱性能を向上できる。また、利用
側冷媒の伝熱面積を熱源側冷媒の伝熱面積よりも大きく
する構成は、この他に、例えば大きな金属板に伝熱管を
蛇行させて固着して熱交換器16aとしてもよいし、ま
た、複数枚の金属板を並列に配置し、これを複数の伝熱
管が貫通するような構成としてもよい。もちろん、実施
の形態1〜実施の形態7における第2補助熱交換器19
における利用側冷媒の伝熱面積を第1補助熱交換器16
における熱源側冷媒の伝熱面積よりも大きくするように
構成することもできる。
【0161】また、本実施の形態のように冷媒貯留タン
ク20内の利用側冷媒に浸漬させて補助熱交換器16
a,16bを設け、伝熱管の内側を流通する熱源側冷媒
と外側を流通する利用側冷媒とを熱交換する構成にする
と、冷媒貯留タンク20に冷熱を蓄熱して利用側熱交換
器22a,22bでこの冷熱を室内や倉庫などの冷房あ
るいは冷凍冷蔵庫などの冷蔵や冷凍に利用する場合にも
効果がある。即ち、利用側冷媒として例えば水などの凍
結する媒体を使って冷熱を蓄熱する場合に、補助熱交換
器16a,16bの周囲で利用側冷媒が凍結しても、利
用側冷媒は冷媒貯留タンクの凍結していない部分を流通
して冷熱を利用側熱交換器22a,22bへ輸送するこ
とができる。このため実施の形態1〜実施の形態7に比
べ、利用側熱交換器22a,22bへ送る利用側冷媒の
温度を低くすることができ、冷媒搬送装置21の搬送動
力の低減や、利用側熱交換器22a,22bでの除湿性
能向上が期待できる。また、夜間電力使って補助熱交換
器16a,16bで利用側冷媒を凍結させることによっ
て蓄熱し、昼間、この蓄熱した冷熱を利用して冷房する
ことによって、熱源側冷媒サイクルの設備を小型化した
り、受電容量を低く抑えることなどが可能となる。
【0162】さらに、実施の形態1〜実施の形態7で
は、熱源側冷媒サイクルで冷却運転中、補助熱交換器1
6a,16b内部での利用側冷媒の凍結を保護するため
に、第1温度センサ31での検出値が利用側冷媒の凍結
温度+4℃程度となったら熱源側冷媒サイクルを停止す
る、または、補助熱交換器16a,16bの外表面にそ
れぞれ第4、第5の温度センサを設置し、この検出値が
利用側冷媒の凍結温度+4℃程度となったら熱源側冷媒
サイクルを停止するなどの制御が必要であったが、本実
施の形態によればこれが不要となり、補助熱交換器16
a、16bを冷媒貯留タンク20内に配設するという比
較的簡単な装置構成でシステム全体の信頼性を向上で
き、安価な冷凍空調装置を得ることができる。
【0163】また、図21に示すように、冷媒貯留タン
ク20内の利用側冷媒の流入口と流出口の間を分離する
ように、仕切り27aおよび27bを設けてもよい。こ
の仕切り27a,27bは一方が下方に連通部を有し、
他方が上方に連通部を有する。そして分離した流入口側
に補助熱交換器16a,16bを浸漬させ、流出口側は
蓄熱材61を浸漬させる。この構成では、利用側熱交換
器22a,22bからの戻り冷媒がフィルタ26を通っ
て、ごみ、塵を除去された後、第1および第2の補助熱
交換器16aおよび16bで温度調整される。この後、
冷媒貯留タンク20内の蓄熱材61を蓄熱して冷媒搬送
装置21に吸込まれるように冷媒貯留タンク20内に流
路を構成している。このため冷媒貯留タンク20内にお
いて、効果的に補助熱交換器16a,16b、蓄熱材6
1と熱交換する冷媒流路を構成できる。
【0164】実施の形態9.実施の形態1〜実施の形態
7では、熱源側冷媒サイクルが冷房を行う冷却運転時と
暖房を行う加熱運転時とで冷媒の流れる方向が逆転する
ため、第1,第2補助熱交換器16,19での熱交換に
際して、熱源側冷媒と利用側冷媒との流れの向きが暖房
運転時は対向流であるのに対し、冷房運転時は並行流と
なっていた。ところが、熱源側冷媒サイクルにR407
Cなどの非共沸混合冷媒が用いると、冷房運転時に利用
側冷媒が第2補助熱交換器19入口から出口に向かって
冷却されて温度が低下していくのと並行して第1補助熱
交換器16の入口から出口に向かって熱源側冷媒の温度
が上昇していく。このため、R22などの単一冷媒また
はR410Aなどの擬似共沸冷媒を用いた場合よりも、
熱源側の蒸発温度を低下させなければならず、効率が低
下するという問題が考えられる。
【0165】これに対し、本実施の形態では、熱源側冷
媒としてR407Cなどの非共沸混合冷媒を用いた場合
にも適用できるように、第2補助熱交換器19の入口と
出口とを冷房運転時と暖房運転時とで逆転させ、第1補
助熱交換器16を流れる熱源側冷媒に対して両運転共に
対向流になる構成としている。図22は本実施の形態に
よる冷凍空調装置として、例えば冷却運転で室内を冷房
し、加熱運転で室内を暖房する冷暖房装置を示す構成図
である。図において、62は、補助熱交換器19におけ
る利用側冷媒の流れ方向を切換える切換手段であり、例
えば四方弁62である。この四方弁62は、その第1口
が冷媒搬送装置21の吸入口に、第2口が第2補助熱交
換器19の一端に、第3口が接続配管i’の一端に、第
4口が冷媒貯留タンク20の底部開口にそれぞれ接続さ
れている。冷房運転時は、熱源側および利用側冷媒サイ
クルとも図の実線の方向に冷媒が流れ、逆に、暖房運転
時には図の破線の方向に冷媒が流れるように、四方弁1
2および四方弁62をそれぞれ切換える。このため、第
1、第2補助熱交換器16、19での熱交換が共に対向
流となり、冷房・暖房運転の両運転において効果的に熱
交換できる。
【0166】また、図に示すように、第1温度センサ3
1を冷媒搬送装置21の出口側に設置すると、冷房・暖
房運転の両方で、熱交換した後の利用側冷媒の温度を検
出することができる。実施の形態1〜実施の形態7のよ
うに第2補助熱交換器19と冷媒貯留タンク20との間
の配管に第1温度センサ31を設けたままでは、暖房運
転時は第2補助熱交換器19の出口温度を検出すること
ができるが、冷房運転時には流れの向きが変わってしま
い入口温度になるため、利用側熱交換器22a,22b
への送り温度が保証できなくなる。ただし、送り温度を
保証しないという前提で第1温度センサ31を第2補助
熱交換器19と冷媒貯留タンク20との間の配管に設置
しておく、あるいは、四方弁62の第2口と第2補助熱
交換器19との間の配管に設置するということも可能で
ある。前者の場合は、第1温度センサ31の検出値は冷
房運転時は第2補助熱交換器19の入口温度、暖房運転
時は出口温度になるので、その目標温度TMは冷房時は
TM=12[℃]、暖房時はTM=50[℃]などとする。
このように、入口温度を検出する場合には、第2補助熱
交換器19での加熱あるいは冷却される分の温度差を考
慮して運転制御するように構成すればよい。とにかく第
2補助熱交換器19出口温度が実施の形態1と同様、冷
房で7[℃]、暖房で50[℃]となるように設定すればよ
い。
【0167】このように、本実施の形態によれば、第
1,第2熱交換器16,19において冷房・暖房運転共
に対向流とすることにより、熱源側冷媒としてR407
C等の非共沸混合冷媒が用いられた場合でも冷却・加熱
運転両方でのシステムを効率よく運転できるという効果
がある。
【0168】なお、本実施の形態では、利用側冷媒サイ
クルの流路の切換手段として四方弁62を用いる例を示
したが、図23に示すように、電磁弁63a,63b,
63c,63dを組み合わせてもよい。この場合、冷房
運転時は、電磁弁63aおよび63cが開、63bおよ
び63dが閉、暖房運転時は、電磁弁63bおよび63
dが開、63aおよび63cが閉となる。図22のよう
に四方弁62で構成する場合には、四方弁は4つ分の電
磁弁よりも高価ではあるが冷媒配管を比較的単純に構成
できる。また図23のように4つの電磁弁63a,63
b,63c,63dで構成する場合には、冷媒配管は多
少複雑になるが価格の低減を図ることができる。
【0169】図22、図23に示した構成では、冷媒貯
留タンク20において、第2補助熱交換器19と接続す
る開口をタンク20の上方側面に設け、四方弁62また
は電磁弁63c,63dと接続する開口をタンク20の
底面に設けているが、両方の開口ともタンク20の底面
に設けてもよい。冷媒貯留タンク20の側面に接続部を
設けないことにより、側面をすっきりと構成することが
でき、システム全体をコンパクトに構成しやすくなる。
ただし、底面に2つの接続部を設ける場合には2つの接
続部の間に、底面から水面までよりも短い程度の高さの
分離板を設けて、冷媒貯留タンク20に流入した利用側
冷媒が、すぐに流出しないように構成した方がよい。
【0170】実施の形態10.本発明に係わる冷凍空調
装置が設置された後実際に運用されるまでの間に、利用
側冷媒を充填する現地工事が発生するが、実施の形態1
〜実施の形態9はすべて冷媒貯留タンク20を大気に開
放しておき、その上部から利用側冷媒を注ぎ込む構成に
なっていた。このため、現地での冷媒充填作業では、冷
媒貯留タンク20の上部からゴムホースやバケツを使っ
て利用側冷媒を充填し、冷媒貯留タンク20内が満杯に
なったら冷媒搬送装置21を運転する、そして、冷媒貯
留タンク20内の冷媒が利用側熱交換器などに送られ冷
媒貯留タンク20内の冷媒が減ったら再び冷媒を充填す
る、という操作を繰り返す必要があり、手間がかかると
いう問題が考えられる。
【0171】図24は本実施の形態による冷凍空調装置
として例えば冷暖房装置を示す構成図である。本実施の
形態では、利用側冷媒の充填を容易にできるような構成
にしている。図24に示すように、止め弁64bおよび
接続口65を備えた分岐管を冷媒搬送装置21の吐き出
し口直後に接続し、この接続点と冷媒搬送装置21の吐
き出し口との間に止め弁64aを設置する。例えば、利
用側冷媒に水を用いる場合、現地での利用側冷媒充填作
業では、止め弁64aを閉じ、接続口65をゴムホース
などで水道蛇口に接続し、止め弁64bを開いた後に水
道蛇口を開けて利用側冷媒サイクル内に利用側冷媒であ
る水を充填する。冷媒貯留タンク20の適正水位まで水
が充填されたら、水道蛇口、止め弁64bの順に閉め、
止め弁64aを開いてから冷媒搬送装置21を運転すれ
ばよい。このようにすれば、水道圧で利用側冷媒サイク
ルに冷媒である水を1回で容易に充填することができる
ので、現地冷媒充填作業の手間が省け、工事費を安価に
することができる。
【0172】さらにこの構成では、冷媒貯留タンク20
を大気に開放せずに密閉型で構成してもよい。密閉型に
すると開放型と比較してタンク内部を清潔に保持でき、
汚れを防止でき、細菌の繁殖などを防ぐことができる。
ただし、利用側冷媒が温度の変化によって多少膨張する
のを吸収できるように、冷媒の喫水面から上方に多少空
間を保持して密閉した方がよい。
【0173】実施の形態11.以下、本発明の実施の形
態11による冷凍空調装置として、例えば冷却運転で室
内を冷房し、加熱運転で室内を暖房する冷暖房装置につ
いて説明し、冷却運転を冷房運転、加熱運転を暖房運転
として記す。図25は本実施の形態による冷暖房装置を
示す構成図である。図において、熱源側冷媒サイクル
は、第1の圧縮機11a、第1の流路切換弁12a、第
1の熱源側熱交換器13a、第1の冷媒流量制御弁14
a、第1のレシーバ15a、第1補助熱交換器16aを
連接してなる第1の熱源側冷媒サイクルと、第2の圧縮
機11b、第2の流路切換弁12b、第2の熱源側熱交
換器13b、第2の冷媒流量制御弁14b、第2のレシ
ーバ15b、第3補助熱交換器16bを連接してなる第
2の熱源側冷媒サイクルとからなっている。これらは、
家庭用エアコンなどの標準的な蒸気圧縮式冷凍サイクル
を利用しているため、圧縮機11a、流路切換弁12
a、第1の熱源側熱交換器13a、第1の冷媒流量制御
弁14aは第1の室外ユニットeに収納されており、圧
縮機11b、流路切換弁12b、第1の熱源側熱交換器
13b、第1の冷媒流量制御弁14bは第2の室外ユニ
ットe’に収納されている。また、室外ユニットe,
e’は制御装置42a,42bを備え、圧縮機11a,
11bおよび冷媒流量制御弁14a,14bを制御して
いる。
【0174】一方、利用側冷媒サイクルは、第1の冷媒
搬送装置21、接続配管i、接続配管j,k、利用側冷
媒流量制御弁23a,23b、利用側熱交換器22a,
22b、接続配管j’,k’、接続配管i’、冷媒貯留
タンク20を連接して成る第1の利用側冷媒サイクル
と、第2の冷媒搬送装置25、第2補助熱交換器19
a、第4補助熱交換器19b、冷媒貯留タンク20を連
接して成る第2の利用側冷媒サイクルとから構成されて
いる。接続配管k、利用側冷媒流量制御弁23b、利用
側熱交換器22b、および接続配管k’は、接続配管
j、利用側冷媒流量制御弁23a、利用側熱交換器22
a、および接続配管j’に並列に接続されている。ま
た、第2補助熱交換器19aと第4補助熱交換器19b
は実施の形態2,3と同様、並列に接続されており、こ
れらはそれぞれ第1補助熱交換器16aおよび第3補助
熱交換器16bと熱交換するよう一体に形成されてい
る。第2の利用側冷媒サイクルは、利用側冷媒を循環さ
せて第2,第4補助熱交換器19a,19bでそれぞれ
第1,第3補助熱交換器16a,16bと熱交換して、
冷媒貯留タンク20に熱を蓄える熱輸送サイクルを構成
している。
【0175】また、第1の冷媒搬送装置21、第2の冷
媒搬送装置25、一体となった第1補助熱交換器16
a,第2補助熱交換器19a、一体となった第3補助熱
交換器16b,第4補助熱交換器19b、冷媒貯留タン
ク20、レシーバ15a、15bは熱交換ユニットdに
収納されている。第1の熱源側冷媒サイクルは、第1の
室外ユニットeと熱交換ユニットdとの間で接続配管m
およびm’で接続されている。第2の熱源側冷媒サイク
ルは、第2の室外ユニットe’と熱交換ユニットdとの
間で接続配管nおよびn’で接続されている。
【0176】また、冷媒貯留タンク20内にはフィルタ
26が設置されており、接続配管i’の一端が該フィル
タ26の内部に開口して接続されている。冷媒貯留タン
ク20は、その内部で最上部から縦方向に仕切り27で
左右2槽に分割されており、仕切り27の下部でその一
部が開口していて左右2槽の利用側冷媒30が連通して
いる。さらに、冷媒貯留タンク20の上部は大気に開放
されており、冷媒貯留タンク20に接続されているすべ
ての接続配管は、冷媒貯留タンク20内の利用側冷媒3
0の喫水面下に開口している。
【0177】さらの本実施の形態では、利用側冷媒が直
接循環するように接続された加熱専用の熱源装置e’’
を備えている。この熱源装置e’’は、例えば第3の冷
媒搬送装置28、加熱ボイラ29、制御装置42cを有
する。利用側冷媒サイクル中、熱交換ユニットdから接
続配管j,kの分岐に至る接続配管iには、第1の開閉
弁101が設置されており、第1の開閉弁101と接続
配管j,kの分岐までの間で接続配管iが分岐して第2
の開閉弁102の一端が接続されている。一方、熱交換
ユニットdから接続配管j’,k’の分岐に至る接続配
管i’には、第3の開閉弁103が設置されており、第
3の開閉弁103と接続配管j’,k’の分岐までの間
で接続配管i’が分岐して第4の開閉弁104の一端が
接続されている。第2の開閉弁102の他端は、第4の
冷媒搬送装置105の冷媒出口側と接続され、第4の開
閉弁104の他端は、熱源装置e’’の冷媒入口側と接
続配管oで接続されている。また、第4の冷媒搬送装置
105の冷媒入口側は熱源装置e’’の冷媒出口側と接
続配管o’で接続されている。さらに、熱源装置e’’
の中には、灯油、ガス等を燃焼させて得られる熱を利用
した加熱ボイラ29と、第3の冷媒搬送装置28が収め
られており、接続配管o、第3の冷媒搬送装置28、加
熱ボイラ29、接続配管o’の順に接続されている。制
御装置42cは加熱ボイラ29、第3の冷媒搬送装置2
8を制御している。また、熱源装置e’’は加熱専用で
あり、これ1台だけで必要な暖房能力が発揮される容量
に設定されている。
【0178】このような構成の場合、開閉弁101〜1
04は、利用側冷媒サイクルの冷媒流路を切換える切換
手段を構成しており、暖房運転時に加熱専用の熱源装置
e’’に利用側冷媒を循環させるものである。また、w
は切換えユニットであり、開閉弁101〜104を1つ
のユニットにまとめたものである。
【0179】つぎに、動作について説明する。冷房運転
時は、第1、第2の熱源側冷媒サイクルを運転し、熱源
装置e’’は停止する。冷房運転時は第1、第2の熱源
側冷媒サイクルとも図中実線の冷媒サイクルとなる。冷
房運転時の第1、第2の熱源側冷媒サイクルの動作は実
施の形態1と同様であるので割愛する。一方、利用側冷
媒サイクルでは、冷房運転時には、第1の開閉弁101
および第3の開閉弁103を開け、第2の開閉弁102
および第4の開閉弁104を閉じる。冷媒貯留タンク2
0の左側の槽の底部から流出した比較的低温の利用側冷
媒30は、第1の冷媒搬送装置21によって接続配管i
およびj,kを通って利用側熱交換器22a,22bへ
送られ、室内空気を冷房すると同時に自らは加熱され
て、接続配管j’,k’および接続配管i’を通って冷
媒貯留タンク20の右側の槽に戻ってくる。このとき、
接続配管iの途中では、第2の開閉弁102が、また、
接続配管i’の途中では第4の開閉弁104が閉じられ
ているので、熱源装置e’’側には利用側冷媒は流れ込
まない。
【0180】また、一方、冷媒貯留タンク20の右側の
槽の底部から流出した比較的高温の利用側冷媒30は、
第2の冷媒搬送装置25によって第2補助熱交換器19
aおよび第4補助熱交換器19bに分岐して送り込まれ
る。第2補助熱交換器19aおよび第4補助熱交換器1
9bに送り込まれた利用側冷媒30は、第1補助熱交換
器16aおよび第3補助熱交換器16bを通して、第1
および第2の熱源側冷媒サイクルによって外気へ放熱す
ると同時に自らは冷却され、合流した後冷媒貯留タンク
20の左側の槽に戻る。
【0181】暖房運転時は、第1、第2の熱源側冷媒サ
イクルを停止し、熱源装置e’’のみ運転する。暖房運
転時には、利用側冷媒サイクル中、第1の開閉弁101
および第3の開閉弁103を閉じ、第2の開閉弁102
および第4の開閉弁104を開ける。第3の冷媒搬送装
置28によって送り出された冷媒は、灯油、ガス等を燃
焼して得られる熱を加熱ボイラ29で奪うと同時に自ら
は加熱されて、第4の冷媒搬送装置105によって更に
昇圧されて、第2の開閉弁102を通って、接続配管i
に流入する。接続配管iに流入した利用側冷媒は、接続
配管j,kを通って利用側熱交換器22a,22bへ送
られ、室内空気を暖房すると同時に自らは冷却されて、
接続配管j’,k’を通って接続配管i’へ流入する。
ここで、利用側冷媒は第4の開閉弁104、および接続
配管oを経由して熱源装置e’’内の第3の冷媒搬送装
置28の入口側に戻る。
【0182】室内ユニットgおよびhで暖房の要求があ
ると、熱交換ユニットd内の制御装置41に暖房要求の
信号が室内ユニットから送られると共に、利用側冷媒流
量制御弁23a,23bが開けられる。更に、この暖房
要求信号は熱源装置e’’内の制御装置42cに送られ
て、熱源装置e’’がその信号に従って運転を開始す
る。熱源装置e’’は、汎用の灯油ボイラ、ガスボイラ
などの熱源装置であり、循環する利用側冷媒を直接的に
加熱する。そして、接続配管o’へ送り出す冷媒温度が
あらかじめ設定されている温度になるように、制御装置
42cによって油またはガス等の燃焼量を制御してい
る。暖房運転中は熱交換ユニットdに利用側冷媒が循環
することなく、また、利用側冷媒温度を制御する必要も
なく、従って、新たに温度センサを追加する必要もな
い。室内で暖房の要求が全てなくなると、その信号が室
内ユニットから熱交換ユニットdへ送られ、熱交換ユニ
ットdの制御装置41からの指令で熱源装置e’’が停
止すると共に、利用側冷媒流量制御弁23a,23bが
閉じられる。
【0183】以上のように、本実施の形態によれば、利
用側冷媒サイクルの一部を分岐して、冷媒貯留タンク2
0と並列に加熱専用の熱源装置e’’を接続したので、
特に、冬期の外気温度が氷点下になる地方において、第
1、第2の冷媒サイクルであるヒートポンプでは暖房能
力不足となる場合でも、暖房能力を確保しやすい。ま
た、熱源装置e’’内に設置された加熱ボイラ29で利
用側冷媒を直接加熱するので、熱源側冷媒サイクルと利
用側冷媒サイクルを分離して熱交換器で熱交換する形態
よりも効率的で省エネルギとなり、消費電力量および灯
油やガス等の燃料消費量が削減され、ランニングコスト
を低くすることができる。
【0184】なお、本実施の形態では、第1〜第4の開
閉弁101〜104は切換えユニットw内に設置されて
いるので、全体のシステムを構成する際に現地工事など
を簡単化でき施工性が向上し、設置後の美観もよい。ま
た、第4の冷媒搬送装置105も切換えユニットw内に
設置すれば、さらに施工性が向上し、美観がよくなるこ
とは言うまでもない。
【0185】本実施の形態では、熱源装置e’’とし
て、加熱ボイラ29と第3の冷媒搬送装置28とを一体
のユニット内に装備した汎用の灯油ボイラなどを流用す
ることを前提としている。第3の冷媒搬送装置28は、
一般に、揚程の比較的小さい小型のポンプであり、これ
だけでは利用側熱交換器22aおよび22bに暖房に必
要十分な流量の利用側冷媒を搬送できないため、第4の
冷媒搬送装置105を第3の冷媒搬送装置に直列に接続
して、第3の冷媒搬送装置28の揚程不足を補ってい
る。第4の冷媒搬送装置105は、熱源装置e’’の冷
媒出口側に設置しても、入口側に設置してもよい。ま
た、第3の冷媒搬送装置28が利用側熱交換器22a,
22bで暖房に必要十分な流量の利用側冷媒を搬送でき
る揚程のものであれば、第4の冷媒搬送装置105は必
要ないことは言うまでもない。
【0186】実施の形態12.図26は実施の形態12
による冷凍空調装置として例えば冷暖房装置を示す構成
図である。実施の形態11では、第1〜第4の開閉弁1
01〜104を熱交換ユニットdの外部に設置したが、
図26に示すように、これらを熱交換ユニットdの内部
に設置することもできる。図26において、熱交換ユニ
ットd内部の接続配管sの途中で、第1の冷媒搬送装置
21に入口に至るまでの間に第1の開閉弁101を設置
し、第1の開閉弁101と第1の冷媒搬送装置21との
間の接続配管sに分岐を設け、この分岐部と加熱ボイラ
29および第3の冷媒搬送装置28を内蔵した熱源装置
e’’の冷媒出口側とを接続配管o’で接続する。ま
た、接続配管o’の熱交換ユニットd内部に第2の開閉
弁102を設置する。また、接続配管i’に第3の開閉
弁103を設置し、第3の開閉弁103と接続配管
j’,k’の分岐(合流)部との間と、熱源装置e’’
の冷媒入口側とを接続配管oで接続する。そして、接続
配管oに第4の開閉弁104を設置する。これら、第
3、第4の開閉弁103、104は、熱交換ユニットd
の内部に設置している。
【0187】次に動作について説明する。冷房運転時
は、第1、第2の熱源側冷媒サイクルを運転し、熱源装
置e’’は停止する。冷房運転時は第1、第2の熱源側
冷媒サイクルとも図中実線の冷媒サイクルとなる。冷房
運転時の第1、第2の熱源側冷媒サイクルの動作は実施
の形態1と同様であるので割愛する。一方、利用側冷媒
サイクルでは、冷房運転時には、第1の開閉弁101お
よび第3の開閉弁103を開け、第2の開閉弁102お
よび第4の開閉弁104を閉じる。冷媒貯留タンク20
の左側の槽の底部から流出した比較的低温の利用側冷媒
30は、第1の冷媒搬送装置21によって接続配管iお
よびj,kを通って利用側熱交換器22a,22bへ送
られ、室内空気を冷房すると同時に自らは加熱されて、
接続配管j’,k’および接続配管i’を通って冷媒貯
留タンク20の右側の槽に戻ってくる。このとき、接続
配管sの途中では第2の開閉弁102が、また、接続配
管i’の途中では第4の開閉弁104が閉じられている
ので、熱源装置e’’側には利用側冷媒は流れ込まな
い。
【0188】暖房運転時は、第1、第2の熱源側冷媒サ
イクルを停止し、熱源装置e’’のみ運転する。暖房運
転時には、利用側冷媒サイクル中、第1の開閉弁101
および第3の開閉弁103を閉じ、第2の開閉弁102
および第4の開閉弁104を開ける。第3の冷媒搬送装
置28によって送り出された利用側冷媒は、灯油、ガス
等を燃焼して得られる熱を加熱ボイラ29で奪うと同時
に自らは加熱されて、接続配管o’、第2の開閉弁10
2を通って、接続配管sに流入する。接続配管sに流入
した利用側冷媒は、第1の冷媒搬送装置21によってさ
らに昇圧されて、接続配管iおよび接続配管j,kを通
って利用側熱交換器22a,22bへ送られる。そし
て、室内空気を暖房すると同時に自らは冷却されて、接
続配管j’,k’および接続配管i’へ流入する。ここ
で、利用側冷媒は第4の開閉弁104、および接続配管
oを経由して熱源装置e’’内の第3の冷媒搬送装置2
8の入口側に戻ってくる。
【0189】このように、加熱専用の熱源装置e’’に
よって暖房運転を行うので、外気温度が低くなる場所で
使用しても十分な暖房能力を得ることができ、室内の快
適性を維持できる。また、第1〜第4の開閉弁101〜
104を熱交換ユニットdの内部に収納したので、実施
の形態11のような新たな切換えユニットwが必要な
く、施工性が向上すると共に、美観を損なうことがな
い。また、熱源装置e’’内に収納されている第3の冷
媒搬送装置28の揚程不足を補うため、新たな冷媒搬送
装置を設置することなく、熱交換ユニットd内部に設置
されている第1の冷媒搬送装置21を利用して揚程不足
を補うことができるので、新たに冷媒搬送装置105を
必要とする実施の形態11よりも安価な冷凍空調装置を
提供できる。
【0190】実施の形態13.実施の形態11および実
施の形態12における冷凍空調装置では、第1の利用側
冷媒サイクルは、1系統で構成して冷房および暖房を切
換えて室内を空調するようにしていたが、図27に示す
ように、冷房を行う冷却運転用の利用側冷媒サイクルと
暖房を行う加熱運転用の利用側冷媒サイクルを設け、そ
れぞれ個別に運転できるようにしてもよい。
【0191】図27は本実施の形態による冷凍空調装置
として例えば冷暖房装置を示す構成図である。図におい
て、室内ユニットg,h内部には、それぞれ冷却用熱交
換器22a,22bと加熱用熱交換器22c,22dが
収納されており、これらは室内送風機24a,24bに
よって送り込まれる室内空気の流れに対して、上流側に
冷却用熱交換器22a,22bが、下流側に加熱用熱交
換器22c,22dが設置されている。冷却用熱交換器
22a,22bは、実施の形態11または12と同様、
利用側冷媒流量制御弁23a,23bおよび接続配管
j,kを介して接続配管iと、接続配管j’,k’を介
して接続配管i’とによって、熱交換ユニットdに接続
されて冷却時の利用側冷媒サイクルを構成している。一
方、加熱用熱交換器22c,22dは、利用側冷媒流量
制御弁23c,23dおよび接続配管x,zを介して接
続配管o’と接続され、接続配管x’,z’を介して接
続配管oと接続されている。接続配管o,o’は、加熱
専用の熱源装置e’’に接続する配管であり、加熱専用
時の利用側冷媒サイクルを構成している。
【0192】次に動作について説明する。冷房運転時
は、第1、第2の熱源側冷媒サイクルを運転し、熱源装
置e’’は停止する。冷房運転時は第1、第2の熱源側
冷媒サイクルとも図中実線の冷媒サイクルとなる。冷房
運転時の第1、第2の熱源側冷媒サイクルの動作は実施
の形態1と同様であるので割愛する。一方、冷却時の利
用側冷媒サイクルでは、冷媒貯留タンク20の左側の槽
の底部から流出した比較的低温の利用側冷媒30は、接
続配管sを通って第1の冷媒搬送装置21によって接続
配管iおよびj,k、利用側冷媒流量制御弁23a,2
3bを通って利用側熱交換器22a,22bへ送られ、
室内空気を冷房すると同時に自らは加熱されて、接続配
管j’,k’および接続配管i’を通って冷媒貯留タン
ク20の右側の槽に戻ってくる。このとき、熱源装置
e’’は停止しているので、加熱専用の利用側冷媒サイ
クルは機能せず、加熱用熱交換器22c,22dは空調
には何も寄与しない。
【0193】暖房運転時は、第1、第2の熱源側冷媒サ
イクルを停止し、熱源装置e’’のみ運転する。暖房運
転時には、冷却用の利用側冷媒サイクルは機能せず、冷
却用熱交換器22a,22bは空調には何も寄与しな
い。一方、加熱専用の利用側冷媒サイクルでは、第3の
冷媒搬送装置28によって送り出された利用側冷媒は、
灯油、ガス等を燃焼して得られる熱を加熱ボイラ29で
奪うと同時に自らは加熱されて、接続配管o’に流出す
る。接続配管o’には、第4の冷媒搬送装置105が設
置されており、これによって加熱専用の利用側冷媒はさ
らに昇圧されて、接続配管x,z、利用側冷媒流量制御
弁23c,23dを通って暖房用熱交換器22c,22
dへ送られ、室内空気を暖房すると同時に自らは冷却さ
れて、接続配管x’,z’および接続配管oを経由して
熱源装置e’’内の第3の冷媒搬送装置28の入口側に
戻ってくる。
【0194】室内ユニットg,hで冷房の要求がある
と、室内ユニットg,h内の加熱用熱交換器22c,2
2dに接続された利用側冷媒流量制御弁23c,23d
を閉じると共に、冷却用熱交換器22a,22bに接続
された利用側冷媒流量制御弁23a,23bを開ける。
同時に、熱交換ユニットd内の制御装置41に冷房要求
の信号が室内ユニットから送られ、第1,第2の室外ユ
ニットe,e’がその信号に従って運転を開始する。第
1,第2の室外ユニットe,e’の運転容量は、第2,
第4補助熱交換器19a,19bの下流側合流後の接続
配管rに設置された第1の温度センサ31の検出温度が
あらかじめ設定されている目標温度に近づくように制御
される。室内で冷房の要求が全てなくなると、その信号
が室内ユニットから熱交換ユニットdへ送られ、熱交換
ユニットdの制御装置41からの指令で第1,第2の室
外ユニットe,e’が停止すると共に、利用側冷媒流量
制御弁23a,23bが閉じられる。
【0195】室内ユニットg,hで暖房の要求がある
と、室内ユニットg,h内の加熱用熱交換器22c,2
2dに接続された利用側冷媒流量制御弁23c,23d
を開けると共に、冷却用熱交換器22a,22bに接続
された利用側冷媒流量制御弁23a,23bを閉じる。
同時に、熱交換ユニットd内の制御装置41に暖房要求
の信号が室内ユニットから送られ、更に、この暖房要求
信号は熱源装置e’’内の制御装置42cに送られて、
熱源装置e’’がその信号に従って運転を開始する。熱
源装置e’’は、汎用の灯油ボイラ、ガスボイラ等の加
熱装置であるので、接続配管o’へ送り出す冷媒温度が
あらかじめ設定されている温度になるように、灯油また
はガス等の燃焼量を制御する。従って、暖房運転中は熱
交換ユニットdでは、特に、利用側冷媒温度を制御する
必要がなく、新たに温度センサを追加する必要もない。
室内で暖房の要求が全てなくなると、その信号が室内ユ
ニットから熱交換ユニットdへ送られ、熱交換ユニット
dの制御装置41からの指令で熱源装置e’’が停止す
ると共に、利用側冷媒流量制御弁23c,23dが閉じ
られる。このように構成したことにより、加熱能力を十
分に確保して温熱利用に適した温度に維持でき、かつ加
熱専用の冷媒サイクルと冷却専用の冷媒サイクルをそれ
ぞれ独立して制御でき、利用状況に適した運転を行うこ
とができる安価な冷凍空調装置が得られる
【0196】また、室内ユニットg,hで除湿の要求が
あると、室内ユニットg,h内の加熱用熱交換器22
c,22dに接続された利用側冷媒流量制御弁23c,
23dを開けると共に、冷却用熱交換器22a,22b
に接続された利用側冷媒流量制御弁23a,23bも開
ける。同時に、熱交換ユニットd内の制御装置41に暖
房要求の信号が室内ユニットg,hから送られ、更に、
この暖房要求信号は第1,第2の室外ユニットe,e’
と熱源装置e’’に送られて、これらがその信号に従っ
て運転を開始する。室内ユニットg,h内の送風機24
a,24bで送り込まれた室内空気は、まず、冷却用熱
交換器22a,22bに流れ込み、ここで、冷却用の利
用側冷媒サイクル内の冷媒と熱交換して冷却されると共
に除湿される。次に、この冷却、除湿された空気は、加
熱用熱交換器22c,22dに流れ込み、加熱専用の利
用側冷媒サイクル内の冷媒と熱交換して加熱され、元
々、室内ユニットが吸い込んだ室内空気温度とほぼ同一
の温度に調節されて室内へ吹出される。室内で除湿の要
求が全てなくなると、その信号が室内ユニットから熱交
換ユニットdへ送られ、熱交換ユニットdの制御装置4
1からの指令で第1,第2の室外ユニットe,e’、お
よび加熱専用の熱源装置e’’が全て停止すると共に、
利用側冷媒流量制御弁23a〜23dも閉じられる。
【0197】以上のように、本実施の形態では、室内ユ
ニット内に冷却用の熱交換器と加熱用の熱交換器とを設
け、これらを送風機によって送り込まれる室内空気の流
れに対して冷却用熱交換器、加熱用熱交換器の順に設置
した。このため、除湿運転時に冷却用熱交換器22a,
22bによって冷却、除湿された室内空気を加熱用熱交
換器22c,22dで再度加熱し、元々の室内空気温度
とほぼ同一の温度に調節して室内に吹出すことができ
る。従来では冷却、除湿された空気がそのまま室内に吹
き出されており、本実施の形態による構成では居住者に
除湿運転時の冷風感を感じさせることなく快適な除湿空
間を提供することができる。
【0198】なお、冷却用熱交換器22a,22bと加
熱用熱交換器22c、22dとは送風機24a,24b
によって送り込まれる室内空気の流れに対して冷却用熱
交換器22a,22b、加熱用熱交換器22c,22d
の順に直列に設置したが、これらを室内空気の流れに対
して並列に設置してもよい。逆に、室内空気の流れに対
して加熱用熱交換器22c,22d、冷却用熱交換器2
2a,22bの順に直列に設置しないほうがよい。この
ように設置すると、除湿するためには一度加熱された空
気を更に露点以下にまで下げなければならないので、加
熱分以上の冷却能力が必要となる上にエネルギの無駄に
なり、さらに冷風感が解消されない。
【0199】また、冷却用の冷媒サイクルと暖房専用の
冷媒サイクルとが独立して構成されているため、一方の
室内ユニットでは冷房を行い、他方の室内ユニットでは
暖房を行うという使用方法も可能である。即ち、利用側
熱交換器の冷房/暖房を個別に制御でき、実際には利用
側冷媒流量制御弁23a〜23dを使用要求に応じて行
えば、熱交換器22a〜22dの運転/停止を任意に制
御できる。
【0200】実施の形態14.実施の形態8では、冷媒
貯留タンク20内に設けた補助熱交換器16a,16b
の小型化に対して、例えば水である利用側冷媒の伝熱面
積を大きくする例を示したが、本実施の形態では、利用
側冷媒の熱伝達率を向上させる構成について説明する。
【0201】図28は本実施の形態による冷凍空調装置
として、例えば室内の冷暖房を行う冷暖房装置を示す構
成図である。図において、冷媒貯留タンク20内に空気
管112を設置し、この空気管112内に空気搬送装置
111より空気を送り込み、冷媒貯留タンク20内に設
けた補助熱交換器16a,16bの下方から空気管11
2に開けた小孔より空気を吹き出す。即ち、空気搬送装
置11と空気管112は、冷媒貯留タンク20内の補助
熱交換器16a、16bの周辺に気泡を吹き込む気泡吹
き込み手段を構成している。補助熱交換器16a、16
bの周辺に気泡を吹き込むと、冷媒貯留タンク20内に
貯留された利用側冷媒が気泡によって撹拌され、利用側
冷媒の熱伝達率が向上する。このため、補助熱交換器1
6a、16bを小型化したり、受電容量を低減すること
ができる。なお、空気調和・衛生工学学術論文集7(’
87.10.6−10.8東京)氷蓄熱システムに関す
る研究の文献によれば、0.3[m3/hm2]程度の流
量の気泡を吹き出せば自然対流の約1.5倍の利用側冷
媒の熱伝達率が得られることがわかっている。このた
め、これを目安に空気流量を設定すれば、効率のよい冷
凍空調装置が得られる。
【0202】本実施の形態における空気搬送装置111
は、冷媒貯留タンク20の液面と冷媒貯留タンク20内
の空気管112の最下部との距離で決まる液ヘッドに勝
る静圧が出るブロワなどの送風機や空気ポンプである。
また、113は、冷媒貯留タンク20内に空気管112
よりも下方に設置された仕切り板であり、利用側冷媒搬
送装置21が冷媒貯留タンク20内に吹き込まれた気泡
を吸込むことがないように配設されている。すなわち、
仕切り板113よりも上側は利用側冷媒の気泡の存在す
る部分であり、仕切り板113よりも下側は気泡の存在
しない部分であり、利用側冷媒搬送装置21への冷媒流
出口を、気泡の存在しない部分に設けている。
【0203】この仕切り板113は、図28では空気管
112と分離させて設置した例を示したが、図29のよ
うに空気管112と一体化してもよい。このように構成
することにより、空気管112と仕切り板113とをコ
ンパクトにかつ安価に製作することができる。また、空
気搬送装置111は、外気を直接吸込んで冷媒貯留タン
ク20内に気泡として空気を吹き込んでもよいが、熱の
ロスをより小さくするため、図28に示すように、冷媒
貯留タンク20内上部のオーバーフロー口114で外気
に通じている空間から吸い込むようにした方がよい。ま
た、空気搬送装置113からの気泡吹き込み口は冷媒貯
留タンク20の底に設けることに限定されるものではな
く、少なくとも補助熱交換器16a、16bの周辺に気
泡を吹き込むように構成すれば、熱交換器16aの周辺
での撹拌作用によって熱伝達率を向上することができ
る。また、例えば冷媒貯留タンク20の側面側から気泡
を吹き込む構成としてもよい。また、気泡吹き込み手段
は、空気搬送装置111で空気を吹き込む構成ではな
く、電気分解によって冷媒貯留タンク20内に気泡を発
生させても、同様の効果を奏する。
【0204】さらに、第3の熱源側冷媒サイクルe’’
である加熱ボイラ29を使用する場合は、図28に示す
ように、第6の補助熱交換器19cを冷媒貯留タンク2
0への利用側冷媒流入口側に設置し、加熱ボイラ29の
熱源側冷媒が流れる第5の補助熱交換器16cと熱交換
させる。
【0205】また、第3の熱源側冷媒サイクルe’’を
使用する場合、図30のように構成しても良い。図で
は、第6の補助熱交換器19cのそれぞれの端を冷媒貯
留タンク20の高さが異なる位置である下部と上部を冷
媒配管によって接続する。そして第6の補助熱交換器1
9cを流れる利用側冷媒と、第3の熱源側冷媒サイクル
e’’の第5の補助熱交換器16cを循環する冷媒とを
熱交換させる。第6の補助熱交換器19cで加熱された
利用側冷媒は、密度が小さくなるので補助熱交換器19
c内を上昇し、冷媒貯留タンク20の上部に流入する。
一方、冷媒貯留タンク20の下部からは未加熱の密度の
大きい利用側冷媒が第6の補助熱交換器19cに下部か
ら流入して循環し、冷媒貯留タンク20内に温熱を蓄え
る。利用側冷媒貯留タンク20内の利用側冷媒は、利用
側冷媒搬送装置21により利用側熱交換器22a,22
bに送られ、室内を暖房する。
【0206】図30のように構成すると、利用側熱交換
器22a,22bで暖房する場合、第6の補助熱交換器
19cが利用側冷媒サイクルとは別系統となり、利用側
熱交換器22a、22bの冷媒循環流量が補助熱交換器
19cにより低下することがなく、安定して利用側冷媒
サイクルの冷媒を循環させることができる。しかも、第
6の補助熱交換器19cに利用側冷媒を循環させる駆動
力は利用側冷媒の温度差から生じる密度差であり冷媒搬
送装置が必要ないため、システムの効率を向上すること
ができる。なお、第6の補助熱交換器19cと冷媒貯留
タンク20とを接続する冷媒配管は太いほうが圧力損失
が小さくて効率がよいが、あまり太いと利用側冷媒の流
速が遅くなり、第6の補助熱交換器19cの熱交換効率
が悪くなる。
【0207】なお、実施の形態1〜実施の形態14にお
いて、利用側冷媒は、水、若しくはエチレングリコー
ル、プロピレングリコールおよびD−ソルビトールなど
の溶媒の少なくとも1つまたは複数を重量比で数十%以
下含んだ水溶液としているが、水の場合には、実施の形
態10で述べたように設置工事のときに水道圧で利用側
冷媒を充填できるなど、扱いやすい。また、流量を多く
できるので、熱伝達能力を大きくできる。また、利用側
の冷媒搬送装置の揚程が大きくなり、冷媒搬送装置の能
力を増やさなくても遠くまで水を循環させることができ
るので、高層住宅や敷地面積の大きな建物にも適用でき
るようになる。
【0208】また、室内機の台数は、上記実施の形態で
は2台のものについて説明したがこれに限るものではな
く、1台または3台以上でもよい。
【0209】また、上記実施の形態1〜実施の形態14
では冷凍空調装置の一例として室内の冷暖房を行なう冷
暖房装置に適用したものを説明したが、これに限るもの
ではなく、例えば熱源側冷媒サイクルで得た冷熱または
温熱を利用側冷媒サイクルで給湯や床暖房や浴室等の加
熱乾燥などの加熱に利用したり、産業用や家庭用の冷凍
冷蔵庫などの冷却に利用したり、さまざまな用途に利用
できる。なお、給湯に利用する場合で利用側冷媒が水で
ある場合には、冷媒貯留タンク20に貯留した冷媒をそ
のまま利用すればよいので、利用側熱交換器は必要な
い。また、上記実施の形態1〜実施の形態14では、冷
媒貯留タンクに利用側冷媒を貯留するような構成とした
が、冷媒貯留タンクを熱源側冷媒サイクルに連接して熱
源側冷媒を貯留する構成としてもよい。このとき利用側
冷媒サイクルでは冷媒貯留タンクに蓄熱した温熱または
冷熱を補助熱交換器によって取り出すように構成すれば
よい。熱源側冷媒で蓄熱することにより、エネルギー効
率のよい冷媒を利用して冷熱または温熱を蓄熱でき、冷
媒貯留タンクを小型化して装置構成全体の小型化を図る
ことができる。
【0210】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載するような効果を奏する。
【0211】本発明の請求項1によれば、熱源側冷媒を
循環させる熱源側冷媒サイクルと利用側冷媒を循環させ
る利用側冷媒サイクルの間に設けた補助熱交換器で熱交
換することによって前記熱源側冷媒サイクルで得た温熱
を前記利用側冷媒サイクルで加熱に利用する冷凍空調装
置において、前記利用側冷媒として顕熱を利用する冷媒
を用いると共に、前記利用側冷媒サイクルの加熱運転中
に前記熱源側冷媒サイクルを除霜運転するときの前記利
用側冷媒の温度を暖房または給湯または加熱乾燥に適し
た温度に維持するように前記利用側冷媒の量を充填した
ことにより、加熱運転時の熱源側冷媒サイクルの除霜運
転に対し、利用側冷媒の温度を安定させることができ、
かつ地球環境保全上や取扱上で問題のある冷媒の使用量
を低減できる冷凍空調装置が得られる。
【0212】また、本発明の請求項2によれば、熱源側
冷媒サイクルの除霜運転によって補助熱交換器で利用側
冷媒サイクルから奪われる熱量をQd、利用側冷媒の量
をW、前記利用側冷媒の比熱をCpとし、前記利用側冷
媒サイクルの加熱運転中に前記熱源側冷媒サイクルで除
霜運転されるとき、Qd/(W・Cp)で表される前記
利用側冷媒の温度低下が所定温度以下になるように前記
利用側冷媒の量Wを充填して、前記利用側冷媒の温度を
暖房または給湯または加熱乾燥に適した温度に維持する
ことにより、加熱運転時の熱源側冷媒サイクルの除霜運
転に対し、利用側冷媒の温度を安定させることができ、
温熱利用に適した温度を維持でき、かつ地球環境保全上
や取扱上で問題のある冷媒の使用量を低減できる冷凍空
調装置が得られる。
【0213】また、本発明の請求項3によれば、利用側
冷媒サイクルに設けられ熱源側冷媒サイクルで得た温熱
を蓄熱する蓄熱手段を備え、前記熱源側冷媒サイクルの
除霜運転によって前記補助熱交換器で前記利用側冷媒サ
イクルから奪われる熱量をQd、前記除霜運転によって
前記蓄熱手段から放熱する熱量をQt、前記利用側冷媒
の量をW、前記利用側冷媒の比熱をCpとし、前記利用
側冷媒サイクルの加熱運転中に前記熱源側冷媒サイクル
で除霜運転されるとき、(Qd−Qt)/(W・Cp)
で表される前記利用側冷媒の温度低下が所定温度以下に
なるように前記利用側冷媒の量Wを充填すると共に前記
蓄熱手段の蓄熱容量を設定して、前記利用側冷媒の温度
を暖房または給湯または加熱乾燥に適した温度に維持す
ることにより、加熱運転時の熱源側冷媒サイクルの除霜
運転に対し、利用側冷媒の温度を安定させることがで
き、温熱利用に適した温度を維持でき、かつ地球環境保
全上や取扱上で問題のある冷媒の使用量を低減でき、冷
媒の充填量を低減して小型化できる冷凍空調装置が得ら
れる。
【0214】また、本発明の請求項4によれば、熱源側
冷媒を循環させる熱源側冷媒サイクルと利用側冷媒を循
環させる利用側冷媒サイクルの間に設けた補助熱交換器
で熱交換することによって前記熱源側冷媒サイクルで得
た温熱を前記利用側冷媒サイクルで加熱に利用する冷凍
空調装置において、前記利用側冷媒として顕熱を利用す
る冷媒を用いると共に、前記利用側冷媒サイクル内に前
記利用側冷媒を貯留する冷媒貯留タンクを設け、前記冷
媒貯留タンクの内容積を、前記利用側冷媒サイクルの加
熱運転中に前記熱源側冷媒サイクルを除霜運転するとき
の前記利用側冷媒の温度を暖房または給湯または加熱乾
燥に適した温度に維持するように、前記利用側冷媒の量
または蓄熱材の量を蓄えられる内容積としたことによ
り、加熱運転時の熱源側冷媒サイクルの除霜運転に対
し、利用側冷媒の温度低下を低減して利用側冷媒の温度
を安定させることで、温熱利用に適した温度に維持で
き、かつ地球環境保全上や取扱上で問題のある冷媒の使
用量を低減できる冷凍空調装置が得られる。
【0215】また、本発明の請求項5によれば、圧縮
機、流路切換弁、熱源側熱交換器、熱源側冷媒流量制御
弁、および第1補助熱交換器を連接し熱源側冷媒を循環
させて成る熱源側冷媒サイクルと、前記第1補助熱交換
器と熱交換する第2補助熱交換器、冷媒貯留タンク、冷
媒搬送装置、および利用側熱交換器を連接し利用側冷媒
を循環させて成る利用側冷媒サイクルとを有し、前記圧
縮機、前記流路切換弁、前記熱源側熱交換器、前記熱源
側冷媒流量制御弁、前記第1補助熱交換器、前記第2補
助熱交換器、前記冷媒貯留タンク、および前記冷媒搬送
装置を一つのユニット内に収納したことにより、除霜運
転時の利用側冷媒の温度を安定させて温熱利用に適した
温度に維持でき、かつ搬入および工事に手間がかかるの
を防ぐことのできる冷凍空調装置が得られる。
【0216】また、本発明の請求項6に係わる冷凍空調
装置は、圧縮機、流路切換弁、熱源側熱交換器、熱源側
冷媒流量制御弁、および第1補助熱交換器を連接し熱源
側冷媒を循環させて成る熱源側冷媒サイクルと、前記第
1補助熱交換器と熱交換する第2補助熱交換器、冷媒貯
留タンク、冷媒搬送装置、および利用側熱交換器を連接
し利用側冷媒を循環させて成る利用側冷媒サイクルとを
有し、前記圧縮機、前記流路切換弁、前記熱源側熱交換
器、および前記熱源側冷媒流量制御弁を一つのユニット
内に収納し、前記第1補助熱交換器、前記第2補助熱交
換器、前記冷媒貯留タンク、および前記冷媒搬送装置を
前記ユニットとは別の一つのユニット内に収納し、前記
第1補助熱交換器の一端側と前記流路切換弁との間およ
び前記第1補助熱交換器の他端側と前記熱源側冷媒流量
制御弁との間をそれぞれ接続配管で接続したことによ
り、除霜運転時の利用側冷媒の温度を安定させて温熱利
用に適した温度に維持でき、かつ標準の室外ユニットを
使用した安価な冷凍空調装置が得られる。
【0217】また、本発明の請求項7によれば、圧縮
機、流路切換弁、熱源側熱交換器、熱源側冷媒流量制御
弁、および第1補助熱交換器を連接し熱源側冷媒を循環
して成る熱源側冷媒サイクルと、第1の冷媒搬送装置、
前記第1補助熱交換器と熱交換する第2補助熱交換器、
および前記冷媒貯留タンクを連接し利用側冷媒を循環し
て成る熱輸送サイクルと、第2の冷媒搬送装置、利用側
熱交換器、および前記冷媒貯留タンクを連接し前記利用
側冷媒を循環して成る利用側冷媒サイクルとを有し、前
記熱輸送サイクルにおいて前記第2補助熱交換器で前記
第1補助熱交換器と熱交換して得た温熱を前記冷媒貯留
タンクに蓄え、前記利用側冷媒サイクルにおいて前記冷
媒貯留タンクに蓄えた温熱を前記利用側熱交換器で加熱
に利用することにより、温度制御が安定しやすくなり、
温熱利用に適した温度に維持でき、かつ地球環境保全上
や取扱上で問題のある冷媒の使用量を低減できる冷凍空
調装置が得られる。
【0218】また、本発明の請求項8によれば、冷媒貯
留タンクの内部を左右に分割すると共に、喫水面よりも
下側で前記分割された左右の利用側冷媒が連通可能な連
通部を有する仕切りを備え、分割された左右の槽のそれ
ぞれに2つの開口を設け、前記冷媒貯留タンクの一方の
槽の2つの開口を、利用側熱交換器からの利用側冷媒の
流入口と、第2補助熱交換器への前記利用側冷媒の流出
口とし、前記冷媒貯留タンクの他方の槽の2つの開口
を、前記第2補助熱交換器からの前記利用側冷媒の流入
口と、前記利用側熱交換器への前記利用側冷媒の流出口
としたことにより、熱源側冷媒サイクルを効率よく運転
でき、冷媒貯留タンクに十分に蓄熱して快適な冷凍空調
を実現できる冷凍空調装置が得られる。
【0219】また、本発明の請求項9によれば、熱源側
冷媒と利用側冷媒とを熱交換する補助熱交換器をプレー
ト式熱交換器としたことにより、容量の小さい冷媒搬送
装置を用いることができ、安価な冷凍空調装置が得られ
る。
【0220】また、本発明の請求項10によれば、冷却
運転と加熱運転とで、熱源側冷媒サイクルと利用側冷媒
サイクルの間の補助熱交換器における利用側冷媒の流れ
方向を切換える切換手段を備え、前記補助熱交換器で熱
交換する際の熱源側冷媒と利用側冷媒の流れ方向が、冷
却運転時および加熱運転時で共に対向流となるように構
成したことにより、冷却・加熱運転共に効率よく熱交換
でき、除霜運転時の利用側冷媒の温度を安定させて温熱
利用に適した温度に維持できる冷凍空調装置が得られ
る。
【0221】また、本発明の請求項11によれば、圧縮
機、流路切換弁、熱源側熱交換器、熱源側冷媒流量制御
弁、および補助熱交換器を連接し熱源側冷媒を循環して
成る熱源側冷媒サイクルと、利用側冷媒を貯留する冷媒
貯留タンク、および冷媒搬送装置を連接し前記利用側冷
媒を循環して成る利用側冷媒サイクルとを備え、前記補
助熱交換器を前記冷媒貯留タンク内の利用側冷媒に浸漬
して前記補助熱交換器で前記熱源側冷媒と前記利用側冷
媒とを熱交換して前記冷媒貯留タンクに熱を蓄え、前記
利用側冷媒サイクルにおいて前記冷媒貯留タンクに蓄え
た熱を加熱に利用することにより、除霜運転時の利用側
冷媒の温度を安定させることができ、さらに熱源側冷媒
サイクルの設備を小型化でき、かつ比較的簡単な装置構
成でシステム全体の信頼性を向上でき、地球環境保全上
や取扱上で問題のある冷媒の使用量を低減できる冷凍空
調装置が得られる。
【0222】また、本発明の請求項12によれば、補助
熱交換器における利用側冷媒の伝熱面積を熱源側冷媒の
伝熱面積よりも大きくしたことにより、熱源側冷媒と利
用側冷媒との熱交換おける伝熱性能を向上して除霜運転
時の利用側冷媒の温度を安定させることのできる冷凍空
調装置が得られる。
【0223】また、本発明の請求項13によれば、冷媒
貯留タンク内の補助熱交換器周辺に気泡を吹き込む気泡
吹き込み手段を備えたことにより、熱源側冷媒と利用側
冷媒との熱交換おける伝熱性能を向上して除霜運転時の
利用側冷媒の温度を安定させることのできる冷凍空調装
装置が得られる。
【0224】また、本発明の請求項14によれば、冷媒
貯留タンクの外部に設けられ前記冷媒貯留タンクの高さ
が異なる位置を接続する利用側冷媒配管と、この利用側
冷媒配管を流通する利用側冷媒を加熱する熱源装置を備
えたことにより、比較的簡単な構成で利用側冷媒を加熱
でき、かつこの加熱によって利用側冷媒サイクルの冷媒
循環には影響を及ぼすことのなく、システムの効率を向
上できる冷凍空調装置が得られる。
【0225】また、本発明の請求項15によれば、圧縮
機、流路切換弁、熱源側熱交換器、熱源側冷媒流量制御
弁、補助熱交換器、冷媒貯留タンク、および冷媒搬送装
置を一つのユニット内に収納したことにより、除霜運転
時の利用側冷媒の温度を安定させることで温熱利用に適
した温度に維持でき、搬入および工事に手間がかかるの
を防ぐことができる冷凍空調装置が得られる。
【0226】また、本発明の請求項16によれば、圧縮
機、流路切換弁、熱源側熱交換器、および熱源側冷媒流
量制御弁を一つのユニット内に収納すると共に、補助熱
交換器、冷媒貯留タンク、および冷媒搬送装置を前記ユ
ニットとは別の一つのユニット内に収納し、前記補助熱
交換器の一端側と前記流路切換弁との間および前記補助
熱交換器の他端側と前記熱源側冷媒流量制御弁との間を
それぞれ接続配管で接続したことにより、除霜運転時の
利用側冷媒の温度を安定させることで温熱利用に適した
温度に維持でき、かつ標準の室外ユニットを使用でき、
安価な冷凍空調装置が得られる。
【0227】また、本発明の請求項17によれば、利用
側冷媒を貯留する冷媒貯留タンク内に蓄熱材を設けたこ
とにより、冷媒貯留タンクに十分に蓄熱でき、タンクを
小型にできる冷凍空調装置が得られる。
【0228】また、本発明の請求項18によれば、冷媒
貯留タンク内に配設され、その内部を左右に分割する仕
切りを備えると共に、分割された一方の槽に設けた利用
側冷媒が流入する開口と、他方の槽に設けた前記利用側
冷媒が流出する開口を備え、前記仕切りは、前記冷媒貯
留タンクの喫水面よりも下側で前記分割された左右の利
用側冷媒が連通する連通部を有することにより、熱源側
冷媒サイクルを効率よく運転でき、冷媒貯留タンクに十
分に蓄熱して快適な空調を実現できる冷凍空調装置が得
られる。
【0229】また、本発明の請求項19によれば、利用
側冷媒が循環する部分に、前記利用側冷媒に混入した混
入物を集めるフィルタを設けたことにより、利用側冷媒
にごみやちりなどの混入物が循環するのを防ぐことがで
き、信頼性の高い冷凍空調装置が得られる。
【0230】また、本発明の請求項20によれば、フィ
ルタを利用側冷媒を貯留する冷媒貯留タンク内に設けた
ことにより、フィルタを管理しやすく、利用側冷媒にご
みやちりなどの混入物が循環するのを防ぐことができ、
信頼性の高い冷凍空調装置が得られる。
【0231】また、本発明の請求項21によれば、熱源
側冷媒サイクルを2系統以上の複数としたことにより、
除霜運転時の利用側冷媒の温度を安定させることで温熱
利用に適した温度に維持でき、かつ小型の標準的な熱源
側冷媒サイクルを使用でき、安価な冷凍空調装置が得ら
れる。
【0232】また、本発明の請求項22によれば、熱源
側冷媒を循環させる熱源側冷媒サイクルと利用側冷媒を
循環させる利用側冷媒サイクルの間に設けた補助熱交換
器で熱交換することによって前記熱源側冷媒サイクルで
得た温熱を前記利用側冷媒サイクルで加熱に利用する冷
凍空調装置において、前記利用側冷媒として顕熱を利用
する冷媒を用いると共に、前記熱源側冷媒サイクルを2
系統以上の複数とし、その少なくとも1系統の熱源側冷
媒サイクルを加熱専用の冷媒サイクルで構成したことに
より、除霜運転時の利用側冷媒の温度を安定させること
で温熱利用に適した温度に維持でき、かつ小型の標準的
な熱源側冷媒サイクルを使用でき、地球環境保全上や取
扱上で問題のある冷媒の使用量を低減できる安価な冷凍
空調装置が得られる。
【0233】また、本発明の請求項23によれば、利用
側冷媒サイクルに対して複数の熱源側冷媒サイクルを並
列に接続したことにより、熱源側冷媒サイクルのそれぞ
れを独立に制御でき、かつ安価な冷凍空調装置が得られ
る。
【0234】また、本発明の請求項24によれば、利用
側冷媒サイクルに対して複数の熱源側冷媒サイクルを直
列に接続したことにより、小型の標準的な熱源側冷媒サ
イクルを使用でき、配管の接続を比較的単純にでき、か
つ安価な冷凍空調装置が得られる。
【0235】また、本発明の請求項25によれば、熱源
側冷媒サイクルに加熱専用の冷媒サイクルと冷却/加熱
併用の冷媒サイクルとをそれぞれ1系統以上設け、利用
側冷媒サイクルに対して前記加熱専用の冷媒サイクルと
前記冷却/加熱併用の冷媒サイクルとを直列に接続した
ことにより、外気温度の低い場所で使用しても加熱能力
を十分に確保でき、除霜運転時の利用側冷媒の温度を安
定させて温熱利用に適した温度に維持できる冷凍空調装
置が得られる。
【0236】また、本発明の請求項26によれば、利用
側冷媒サイクルを循環する利用側冷媒の流れの向きに対
して冷却/加熱併用の冷媒サイクルを上流側に接続し、
加熱専用の冷媒サイクルを下流側に接続したことによ
り、熱源側冷媒サイクルを有効に利用でき、外気温度の
低い場所で使用しても加熱能力を十分に確保でき、除霜
運転時の利用側冷媒の温度を安定させて温熱利用に適し
た温度に維持できる冷凍空調装置が得られる。
【0237】また、本発明の請求項27によれば、利用
側冷媒サイクルを循環する利用側冷媒の流れの向きに対
して加熱専用の冷媒サイクルを上流側に接続し、冷却/
加熱併用の冷媒サイクルを下流側に接続したことによ
り、外気温度の低い場所で使用しても加熱能力を十分に
確保でき、除霜運転時の利用側冷媒の温度を安定させて
温熱利用に適した温度に維持できる冷凍空調装置が得ら
れる。
【0238】また、本発明の請求項28によれば、熱源
側冷媒サイクルに加熱専用の冷媒サイクルと冷却/加熱
併用の冷媒サイクルとをそれぞれ1系統以上設け、利用
側冷媒サイクルに対して前記加熱専用の冷媒サイクルと
前記冷却/加熱併用の冷媒サイクルとを並列に接続する
と共に、冷却運転時には加熱専用の冷媒サイクルと熱交
換する利用側補助熱交換器には利用側冷媒が流れないよ
うに、前記利用側冷媒サイクルの冷媒流路を切換える切
換手段を備えたことにより、温熱利用に適した温度に維
持でき、かつ加熱専用の冷媒サイクルと冷却/加熱併用
の冷媒サイクルをそれぞれ独立して制御でき、利用状況
に適した運転を行うことができる冷凍空調装置が得られ
る。
【0239】また、本発明の請求項29によれば、熱源
側冷媒サイクルに加熱専用の冷媒サイクルと冷却専用の
冷媒サイクルとをそれぞれ1系統以上設け、利用側冷媒
サイクルに対して前記加熱専用の冷媒サイクルと前記冷
却専用の冷媒サイクルとを直列に接続したことにより、
外気温度の低い場所で使用しても加熱能力を十分に確保
でき、除霜運転時の利用側冷媒の温度を安定させて温熱
利用に適した温度に維持でき、かつ安価な冷凍空調装置
が得られる。
【0240】また、本発明の請求項30によれば、熱源
側冷媒サイクルに加熱専用の冷媒サイクルと冷却専用の
冷媒サイクルとをそれぞれ1系統以上設け、利用側冷媒
サイクルに対して前記加熱専用の冷媒サイクルと前記冷
却専用の冷媒サイクルとを並列に接続すると共に、加熱
運転時には前記加熱専用の冷媒サイクルと熱交換する利
用側補助熱交換器に利用側冷媒を循環させ、冷却運転時
には冷却専用の冷媒サイクルと熱交換する利用側補助熱
交換器に利用側冷媒を循環させるように、前記利用側冷
媒サイクルの冷媒流路を切換える切換手段を備えたこと
により、加熱能力を十分に確保して温熱利用に適した温
度に維持でき、かつ加熱専用の冷媒サイクルと冷却専用
の冷媒サイクルをそれぞれ独立して制御でき、利用状況
に適した運転を行うことができる安価な冷凍空調装置が
得られる。
【0241】また、本発明の請求項31によれば、利用
側冷媒が循環する加熱専用の熱源装置と、加熱運転時に
前記加熱専用の熱源装置に前記利用側冷媒を循環させる
ように前記利用側冷媒サイクルの冷媒流路を切換える切
換手段とを備えたことにより、外気温度の低い場所で使
用しても加熱能力を十分に確保でき、温熱利用に適した
温度に維持できる冷凍空調装置が得られる。
【0242】また、本発明の請求項32によれば、利用
側冷媒サイクルに、熱源側冷媒サイクルにより熱を供給
される冷却用の利用側熱交換器と、加熱専用の熱源装置
により熱を供給される加熱用の利用側熱交換器とを設
け、冷却運転時に前記熱源側冷媒サイクルと前記冷却用
の利用側熱交換器を動作させ、加熱運転時に前記加熱専
用の熱源装置と前記加熱用の利用側熱交換器を動作させ
るように構成したことにより、温熱利用に適した温度に
維持でき、利用側熱交換器の冷却/加熱を個別に制御で
きる冷凍空調装置が得られる。
【0243】また、本発明の請求項33によれば、冷却
用の利用側熱交換器は、空気の流れに対し、加熱用の利
用側熱交換器の上流側に並べて配置し、除湿運転時に冷
却用および加熱用の利用側熱交換器を動作させるように
構成したことにより、快適な除湿を行うことができ、外
気温度の低い場所で使用しても加熱能力を十分に確保し
て温熱利用に適した温度に維持できる冷凍空調装置が得
られる。
【0244】また、本発明の請求項34によれば、加熱
専用の熱源装置を、利用側冷媒を直接的に加熱する加熱
装置としたことにより、外気温度の低い場所で使用して
も加熱能力を十分に確保して温熱利用に適した温度に維
持でき、かつランニングコストを低減でき安価な冷凍空
調装置が得られる。
【0245】また、本発明の請求項35によれば、利用
側冷媒サイクルを構成する配管において、利用側熱交換
器への送り側配管と前記利用側熱交換器からの戻り側配
管とで、該配管の配管径、若しくは該配管の継ぎ手の径
または形状を異なるように構成したことにより、配管接
続工事などの際に接続間違いが起こるのを防ぐことがで
き、信頼性の高い冷凍空調装置が得られる。
【0246】また、本発明の請求項36によれば、利用
側冷媒サイクル内に複数の利用側熱交換器を設け、それ
らの利用側熱交換器を全て互いに並列に接続したことに
より、それぞれの熱交換器で独立して制御できる汎用的
な冷凍空調装置が得られる。
【0247】また、本発明の請求項37によれば、利用
側冷媒サイクル内に複数の利用側熱交換器を設け、それ
らの利用側熱交換器のうちの少なくとも一部を互いに直
列に接続したことにより、エネルギを無駄なく利用でき
る冷凍空調装置が得られる。
【0248】また、本発明の請求項38によれば、利用
側冷媒サイクルを循環する冷媒を、水、若しくはエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、およびD−ソル
ビトールのうちのいずれか1つまたは複数を重量比で数
十%以下含む水溶液としたことにより、地球環境保全の
点で問題なく、取扱いも容易でかつ安価な冷媒を使用
し、地球環境保全や取扱の点で問題のある冷媒の使用量
を最小限に抑えることができ、かつ安価な冷凍空調装置
が得られる。
【0249】また、本発明の請求項39によれば、熱源
側冷媒サイクルを蒸気圧縮式冷凍サイクルで構成し、前
記熱源側冷媒サイクルを循環する冷媒を潜熱を利用する
ものとし、フロン系の単一冷媒、フロン系の擬似共沸混
合冷媒、フロン系の非共沸冷媒、炭化水素系冷媒、およ
びアンモニア冷媒のうちのいずれか1つとしたことによ
り、熱源側にはエネルギー効率のよい冷媒を用い、全体
として地球環境保全や取扱の点で問題のある冷媒の使用
量を最小限に抑えることができ、かつ効率のよい冷凍空
調装置が得られる。
【0250】また、本発明の請求項40によれば、熱源
側冷媒を循環させる熱源側冷媒サイクルと利用側冷媒を
循環させる利用側冷媒サイクルの間に設けた補助熱交換
器で熱交換することによって前記熱源側冷媒サイクルで
得た温熱を前記利用側冷媒サイクルで加熱に利用する冷
凍空調装置において、前記利用側冷媒として顕熱を利用
する冷媒を用いると共に、前記熱源側冷媒サイクルの容
量を複数の段階に変化するように構成し、その容量の変
化幅を容量が増加するにつれて大きくなるようにしたこ
とにより、負荷の様々な大きさの変動に対して、ハンチ
ングを抑えながら追従することができ、利用側冷媒の温
度安定性を向上できる冷凍空調装置の制御方法が得られ
る。
【0251】また、本発明の請求項41によれば、熱源
側冷媒を循環させる熱源側冷媒サイクルと利用側冷媒を
循環させる利用側冷媒サイクルの間に設けた補助熱交換
器で熱交換することによって前記熱源側冷媒サイクルで
得た温熱を前記利用側冷媒サイクルで加熱に利用する冷
凍空調装置において、前記利用側冷媒として顕熱を利用
する冷媒を用いると共に、前記熱源側冷媒サイクルを2
系統以上の複数とし、前記利用側冷媒サイクルで加熱運
転中に前記熱源側冷媒サイクルのうち1系統以上が除霜
運転している間に、少なくとも1系統の前記熱源側冷媒
サイクルは加熱運転を継続するように制御することによ
り、除霜運転時に利用側冷媒の温度低下を小さくでき、
温熱利用に適した温度に維持できる冷凍空調装置の制御
方法が得られる。
【0252】また、本発明の請求項42によれば、熱源
側冷媒を循環させる熱源側冷媒サイクルと利用側冷媒を
循環させる利用側冷媒サイクルの間に設けた補助熱交換
器で熱交換することによって前記熱源側冷媒サイクルで
得た温熱を前記利用側冷媒サイクルで加熱に利用する冷
凍空調装置において、前記利用側冷媒として顕熱を利用
する冷媒を用いると共に、前記熱源側冷媒サイクルを2
系統以上の複数とし、前記熱源側冷媒サイクルに加熱専
用の冷媒サイクルと冷却/加熱併用の冷媒サイクルとを
それぞれ1系統以上設け、前記冷却/加熱併用の冷媒サ
イクルに蒸気圧縮式冷凍サイクルを用い、加熱運転中に
前記冷却/加熱併用の冷媒サイクルのうちの1系統以上
が除霜運転している間に、前記加熱専用の冷媒サイクル
と前記冷却/加熱併用の冷媒サイクルのうちの少なくと
も1系統の冷媒サイクルは加熱運転を継続するように制
御することにより、除霜運転時の利用側冷媒の温度を安
定させて温熱利用に適した温度に維持できる冷凍空調装
置の制御方法が得られる。
【0253】また、本発明の請求項43によれば、熱源
側冷媒サイクルのうちの1系統以上が除霜運転している
間に加熱運転を継続する熱源側冷媒サイクルは、その加
熱能力を増加して加熱運転を継続するように制御するこ
とにより、除霜運転時に利用側冷媒の温度低下をさらに
小さくして利用側冷媒の温度を安定させて温熱利用に適
した温度に維持できる冷凍空調装置の制御方法が得られ
る。
【0254】また、本発明の請求項44によれば、熱源
側冷媒サイクルのうちの1系統以上が除霜運転している
間に加熱運転を継続する熱源側冷媒サイクルを、加熱専
用の冷媒サイクルとしたことにより、除霜運転時の利用
側冷媒の温度を安定させて温熱利用に適した温度に維持
できる冷凍空調装置の制御方法が得られる。
【0255】また、本発明の請求項45によれば、熱源
側冷媒を循環させる熱源側冷媒サイクルと利用側冷媒を
循環させる利用側冷媒サイクルの間に設けた補助熱交換
器で熱交換することによって前記熱源側冷媒サイクルで
得た温熱を前記利用側冷媒サイクルで加熱に利用する冷
凍空調装置において、前記利用側冷媒として顕熱を利用
する冷媒を用いると共に、前記熱源側冷媒サイクルとし
て蒸気圧縮式冷凍サイクルを2系統以上用い、前記利用
側冷媒サイクルで加熱運転中に前記熱源側冷媒サイクル
のうち1系統以上が除霜運転開始条件を満たした場合、
除霜運転を開始する前に熱源側冷媒サイクルの能力を増
大させて加熱運転を継続し、その後に除霜運転を行うよ
うに制御することにより、除霜運転時の利用側冷媒の温
度を安定させて温熱利用に適した温度に維持できる冷凍
空調装置の制御方法が得られる。
【0256】また、本発明の請求項46によれば、熱源
側冷媒を循環させる熱源側冷媒サイクルと利用側冷媒を
循環させる利用側冷媒サイクルの間に設けた補助熱交換
器で熱交換することによって前記熱源側冷媒サイクルで
得た温熱を前記利用側冷媒サイクルで加熱に利用する冷
凍空調装置において、前記利用側冷媒として顕熱を利用
する冷媒を用いると共に、前記熱源側冷媒サイクルを2
系統以上の複数とし、前記複数系統の熱源側冷媒サイク
ルのそれぞれの容量を一つまたは複数の段階に変化する
ように構成し、かつ全体としての前記複数系統の熱源側
冷媒サイクルの合計容量を複数の段階に変化するように
構成し、その合計容量の変化幅を合計容量が増加するに
つれて大きくなるようにしたことにより、負荷の様々な
大きさの変動に対して、ハンチングを抑えながら追従す
ることができ、利用側冷媒の温度安定性を向上できる冷
凍空調装置の制御方法が得られる。
【0257】また、本発明の請求項47によれば、合計
容量の段階を増加させる際に、複数系統の熱源側冷媒サ
イクルのうちの現行で運転している熱源側冷媒サイクル
は運転状態のままで前記合計容量を増加させるものと
し、前記合計容量の段階を減少させる際に、複数系統の
熱源側冷媒サイクルのうちの現行で停止している熱源側
冷媒サイクルは停止状態のままで前記合計容量を減少さ
せるように制御することにより、システム全体の安定性
を向上できる冷凍空調装置の制御方法が得られる。
【0258】また、本発明の請求項48によれば、圧縮
機、流路切換弁、熱源側熱交換器、熱源側冷媒流量制御
弁、および熱源側冷媒を貯留する冷媒貯留タンクを連接
し前記熱源側冷媒を循環して成る熱源側冷媒サイクル
と、補助熱交換器、および冷媒搬送装置を連接し利用側
冷媒を循環して成る利用側冷媒サイクルとを備え、前記
補助熱交換器を前記冷媒貯留タンク内の熱源側冷媒に浸
漬して前記補助熱交換器で前記熱源側冷媒と前記利用側
冷媒とを熱交換し、前記冷媒貯留タンクに蓄えた熱を前
記利用側冷媒サイクルにおいて加熱に利用することによ
り、冷媒貯留タンクに効率よく蓄熱して熱源側冷媒サイ
クルの設備を小型化でき、かつ比較的簡単な装置構成で
システム全体の信頼性を向上でき、除霜運転時の利用側
冷媒の温度を安定させて温熱利用に適した温度に維持で
きる冷凍空調装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による冷凍空調装置を
示す構成図である。
【図2】 実施の形態1に係わる利用側冷媒の濃度に対
する特性を示すグラフであり、図2(a)は凍結温度、
図2(b)は動粘度、図2(c)は熱伝達率を示す。
【図3】 実施の形態1による冷凍空調装置を示す構成
図である。
【図4】 実施の形態1による冷凍空調装置を示す構成
図である。
【図5】 実施の形態1による冷凍空調装置を示す構成
図である。
【図6】 実施の形態1による冷凍空調装置を示す構成
図である。
【図7】 本発明の実施の形態2による冷凍空調装置を
示す構成図である。
【図8】 実施の形態2による冷凍空調装置の制御方法
に係わり、圧縮器合計能力および圧縮機合計仮周波数に
対するCOPを示すグラフである。
【図9】 実施の形態2による冷凍空調装置の制御方法
に係わり、温度センサ31の検出温度TH1に対する圧
縮機運転台数増減値を示すグラフである。
【図10】 実施の形態2による冷凍空調装置の制御方
法に係わる処理手順を示すフローチャートである。
【図11】 実施の形態2による冷凍空調装置の制御方
法に係わる処理を示すブロック線図である。
【図12】 本発明の実施の形態3による冷凍空調装置
を示す構成図である。
【図13】 本発明の実施の形態4による冷凍空調装置
を示す構成図である。
【図14】 実施の形態4による冷凍空調装置を示す構
成図である。
【図15】 本発明の実施の形態5による冷凍空調装置
を示す構成図である。
【図16】 実施の形態5による冷凍空調装置の制御方
法に係わり、温度センサ31の検出温度TH1に対する
熱源側冷媒サイクル運転/停止を示すグラフである。
【図17】 本発明の実施の形態6による冷凍空調装置
を示す構成図である。
【図18】 本発明の実施の形態7による冷凍空調装置
を示す構成図である。
【図19】 本発明の実施の形態8による冷凍空調装置
を示す構成図である。
【図20】 実施の形態8に係わる冷媒貯留タンクの構
成を示す説明図である。
【図21】 実施の形態8による冷凍空調装置を示す構
成図である。
【図22】 本発明の実施の形態9による冷凍空調装置
を示す構成図である。
【図23】 実施の形態9による冷凍空調装置を示す構
成図である。
【図24】 本発明の実施の形態10による冷凍空調装
置を示す構成図である。
【図25】 本発明の実施の形態11による冷凍空調装
置を示す構成図である。
【図26】 本発明の実施の形態12による冷凍空調装
置を示す構成図である。
【図27】 本発明の実施の形態13による冷凍空調装
置を示す構成図である。
【図28】 本発明の実施の形態14による冷凍空調装
置を示す構成図である。
【図29】 実施の形態14に係わる気泡吹き込み手段
の構成を示す斜視図である。
【図30】 実施の形態14による冷凍空調装置の別の
構成を示す構成図である。
【図31】 従来の冷凍空調装置を示す構成図である。
【符号の説明】
11 圧縮機、12 流路切換弁、13 熱源側熱交換
器、14 熱源側冷媒流量制御弁、15 レシーバ、1
6 第1補助熱交換器、17 室外送風機、18 第2
冷媒貯留タンク、19 第2補助熱交換器、20 冷媒
貯留タンク、21 冷媒搬送装置、22a,22b,2
2c,22d 利用側熱交換器、23a,23b 利用
側冷媒流量制御弁、24a,24b 室内送風機、25
冷媒搬送装置、26 フィルタ、27,27a,27
b 仕切り、29 加熱装置、31 温度検出手段、3
4 外気温度検出手段、35 温度検出手段、36 温
度検出手段、41,42a,42b 制御装置、51,
52 流路切換手段、61蓄熱材、62 流路切換手
段、64a,64b 止め弁、65 接続口、111
空気搬送装置、112 空気管、113 仕切り板、
g,h 室内ユニット、e,e’,f 室外ユニット、
e’’ 熱源装置、j,k,i’,j’,k’接続配
管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F25B 13/00 351 F25B 13/00 351

Claims (48)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱源側冷媒を循環させる熱源側冷媒サイ
    クルと利用側冷媒を循環させる利用側冷媒サイクルの間
    に設けた補助熱交換器で熱交換することによって前記熱
    源側冷媒サイクルで得た温熱を前記利用側冷媒サイクル
    で加熱に利用する冷凍空調装置において、前記利用側冷
    媒として顕熱を利用する冷媒を用いると共に、前記利用
    側冷媒サイクルの加熱運転中に前記熱源側冷媒サイクル
    を除霜運転するときの前記利用側冷媒の温度を暖房また
    は給湯または加熱乾燥に適した温度に維持するように前
    記利用側冷媒の量を充填したことを特徴とする冷凍空調
    装置。
  2. 【請求項2】 熱源側冷媒サイクルの除霜運転によって
    補助熱交換器で利用側冷媒サイクルから奪われる熱量を
    Qd、利用側冷媒の量をW、前記利用側冷媒の比熱をC
    pとし、前記利用側冷媒サイクルの加熱運転中に前記熱
    源側冷媒サイクルで除霜運転されるとき、Qd/(W・
    Cp)で表される前記利用側冷媒の温度低下が所定温度
    以下になるように前記利用側冷媒の量Wを充填して、前
    記利用側冷媒の温度を暖房または給湯または加熱乾燥に
    適した温度に維持することを特徴とする請求項1記載の
    冷凍空調装置。
  3. 【請求項3】 利用側冷媒サイクルに設けられ熱源側冷
    媒サイクルで得た温熱を蓄熱する蓄熱手段を備え、前記
    熱源側冷媒サイクルの除霜運転によって前記補助熱交換
    器で前記利用側冷媒サイクルから奪われる熱量をQd、
    前記除霜運転によって前記蓄熱手段から放熱する熱量を
    Qt、前記利用側冷媒の量をW、前記利用側冷媒の比熱
    をCpとし、前記利用側冷媒サイクルの加熱運転中に前
    記熱源側冷媒サイクルで除霜運転されるとき、(Qd−
    Qt)/(W・Cp)で表される前記利用側冷媒の温度
    低下が所定温度以下になるように前記利用側冷媒の量W
    を充填すると共に前記蓄熱手段の蓄熱容量を設定して、
    前記利用側冷媒の温度を暖房または給湯または加熱乾燥
    に適した温度に維持することを特徴とする請求項1記載
    の冷凍空調装置。
  4. 【請求項4】 熱源側冷媒を循環させる熱源側冷媒サイ
    クルと利用側冷媒を循環させる利用側冷媒サイクルの間
    に設けた補助熱交換器で熱交換することによって前記熱
    源側冷媒サイクルで得た温熱を前記利用側冷媒サイクル
    で加熱に利用する冷凍空調装置において、前記利用側冷
    媒として顕熱を利用する冷媒を用いると共に、前記利用
    側冷媒サイクル内に前記利用側冷媒を貯留する冷媒貯留
    タンクを設け、前記冷媒貯留タンクの内容積を、前記利
    用側冷媒サイクルの加熱運転中に前記熱源側冷媒サイク
    ルを除霜運転するときの前記利用側冷媒の温度を暖房ま
    たは給湯または加熱乾燥に適した温度に維持するよう
    に、前記利用側冷媒の量または蓄熱材の量を蓄えられる
    内容積としたことを特徴とする冷凍空調装置。
  5. 【請求項5】 圧縮機、流路切換弁、熱源側熱交換器、
    熱源側冷媒流量制御弁、および第1補助熱交換器を連接
    し熱源側冷媒を循環させて成る熱源側冷媒サイクルと、
    前記第1補助熱交換器と熱交換する第2補助熱交換器、
    冷媒貯留タンク、冷媒搬送装置、および利用側熱交換器
    を連接し利用側冷媒を循環させて成る利用側冷媒サイク
    ルとを有し、前記圧縮機、前記流路切換弁、前記熱源側
    熱交換器、前記熱源側冷媒流量制御弁、前記第1補助熱
    交換器、前記第2補助熱交換器、前記冷媒貯留タンク、
    および前記冷媒搬送装置を一つのユニット内に収納した
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1
    項に記載の冷凍空調装置。
  6. 【請求項6】 圧縮機、流路切換弁、熱源側熱交換器、
    熱源側冷媒流量制御弁、および第1補助熱交換器を連接
    し熱源側冷媒を循環させて成る熱源側冷媒サイクルと、
    前記第1補助熱交換器と熱交換する第2補助熱交換器、
    冷媒貯留タンク、冷媒搬送装置、および利用側熱交換器
    を連接し利用側冷媒を循環させて成る利用側冷媒サイク
    ルとを有し、前記圧縮機、前記流路切換弁、前記熱源側
    熱交換器、および前記熱源側冷媒流量制御弁を一つのユ
    ニット内に収納し、前記第1補助熱交換器、前記第2補
    助熱交換器、前記冷媒貯留タンク、および前記冷媒搬送
    装置を前記ユニットとは別の一つのユニット内に収納
    し、前記第1補助熱交換器の一端側と前記流路切換弁と
    の間および前記第1補助熱交換器の他端側と前記熱源側
    冷媒流量制御弁との間をそれぞれ接続配管で接続したこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項
    に記載の冷凍空調装置。
  7. 【請求項7】 圧縮機、流路切換弁、熱源側熱交換器、
    熱源側冷媒流量制御弁、および第1補助熱交換器を連接
    し熱源側冷媒を循環して成る熱源側冷媒サイクルと、第
    1の冷媒搬送装置、前記第1補助熱交換器と熱交換する
    第2補助熱交換器、および前記冷媒貯留タンクを連接し
    利用側冷媒を循環して成る熱輸送サイクルと、第2の冷
    媒搬送装置、利用側熱交換器、および前記冷媒貯留タン
    クを連接し前記利用側冷媒を循環して成る利用側冷媒サ
    イクルとを有し、前記熱輸送サイクルにおいて前記第2
    補助熱交換器で前記第1補助熱交換器と熱交換して得た
    温熱を前記冷媒貯留タンクに蓄え、前記利用側冷媒サイ
    クルにおいて前記冷媒貯留タンクに蓄えた温熱を前記利
    用側熱交換器で加熱に利用することを特徴とする冷凍空
    調装置。
  8. 【請求項8】 冷媒貯留タンクの内部を左右に分割する
    と共に、喫水面よりも下側で前記分割された左右の利用
    側冷媒が連通可能な連通部を有する仕切りを備え、分割
    された左右の槽のそれぞれに2つの開口を設け、前記冷
    媒貯留タンクの一方の槽の2つの開口を、利用側熱交換
    器からの利用側冷媒の流入口と、第2補助熱交換器への
    前記利用側冷媒の流出口とし、前記冷媒貯留タンクの他
    方の槽の2つの開口を、前記第2補助熱交換器からの前
    記利用側冷媒の流入口と、前記利用側熱交換器への前記
    利用側冷媒の流出口としたことを特徴とする請求項7記
    載の冷凍空調装置。
  9. 【請求項9】 熱源側冷媒と利用側冷媒とを熱交換する
    補助熱交換器は、プレート式熱交換器であることを特徴
    とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の
    冷凍空調装置。
  10. 【請求項10】 冷却運転と加熱運転とで、熱源側冷媒
    サイクルと利用側冷媒サイクルの間の補助熱交換器にお
    ける利用側冷媒の流れ方向を切換える切換手段を備え、
    前記補助熱交換器で熱交換する際の熱源側冷媒と利用側
    冷媒の流れ方向が、冷却運転時および加熱運転時で共に
    対向流となるように構成したことを特徴とする請求項1
    ないし請求項9のいずれか1項に記載の冷凍空調装置。
  11. 【請求項11】 圧縮機、流路切換弁、熱源側熱交換
    器、熱源側冷媒流量制御弁、および補助熱交換器を連接
    し熱源側冷媒を循環して成る熱源側冷媒サイクルと、利
    用側冷媒を貯留する冷媒貯留タンク、および冷媒搬送装
    置を連接し前記利用側冷媒を循環して成る利用側冷媒サ
    イクルとを備え、前記補助熱交換器を前記冷媒貯留タン
    ク内の利用側冷媒に浸漬して前記補助熱交換器で前記熱
    源側冷媒と前記利用側冷媒とを熱交換して前記冷媒貯留
    タンクに熱を蓄え、前記利用側冷媒サイクルにおいて前
    記冷媒貯留タンクに蓄えた熱を加熱に利用することを特
    徴とする冷凍空調装置。
  12. 【請求項12】 補助熱交換器における利用側冷媒の伝
    熱面積を熱源側冷媒の伝熱面積よりも大きくしたことを
    特徴とする請求項4ないし請求項7のいずれか1項に記
    載の冷凍空調装置。
  13. 【請求項13】 冷媒貯留タンク内の補助熱交換器周辺
    に気泡を吹き込む気泡吹き込み手段を備えたことを特徴
    とする請求項11または請求項12記載の冷凍空調装
    置。
  14. 【請求項14】 冷媒貯留タンクの外部に設けられ前記
    冷媒貯留タンクの高さが異なる位置を接続する利用側冷
    媒配管と、この利用側冷媒配管を流通する利用側冷媒を
    加熱する熱源装置を備えたことを特徴とする請求項4な
    いし請求項13のいずれか1項に記載の冷凍空調装置。
  15. 【請求項15】 圧縮機、流路切換弁、熱源側熱交換
    器、熱源側冷媒流量制御弁、補助熱交換器、冷媒貯留タ
    ンク、および冷媒搬送装置を一つのユニット内に収納し
    たことを特徴とする請求項7ないし請求項14のいずれ
    か1項に記載の冷凍空調装置。
  16. 【請求項16】 圧縮機、流路切換弁、熱源側熱交換
    器、および熱源側冷媒流量制御弁を一つのユニット内に
    収納すると共に、補助熱交換器、冷媒貯留タンク、およ
    び冷媒搬送装置を前記ユニットとは別の一つのユニット
    内に収納し、前記補助熱交換器の一端側と前記流路切換
    弁との間および前記補助熱交換器の他端側と前記熱源側
    冷媒流量制御弁との間をそれぞれ接続配管で接続したこ
    とを特徴とする請求項7ないし請求項14のいずれか1
    項に記載の冷凍空調装置。
  17. 【請求項17】 利用側冷媒を貯留する冷媒貯留タンク
    内に蓄熱材を設けたことを特徴とする請求項1ないし請
    求項16のいずれか1項に記載の冷凍空調装置。
  18. 【請求項18】 冷媒貯留タンク内に配設され、その内
    部を左右に分割する仕切りを備えると共に、分割された
    一方の槽に設けた利用側冷媒が流入する開口と、他方の
    槽に設けた前記利用側冷媒が流出する開口を備え、前記
    仕切りは、前記冷媒貯留タンクの喫水面よりも下側で前
    記分割された左右の利用側冷媒が連通する連通部を有す
    ることを特徴とする請求項4ないし請求項17のいずれ
    か1項に記載の冷凍空調装置。
  19. 【請求項19】 利用側冷媒が循環する部分に、前記利
    用側冷媒に混入した混入物を集めるフィルタを設けたこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項18のいずれか1
    項に記載の冷凍空調装置。
  20. 【請求項20】 フィルタを、利用側冷媒を貯留する冷
    媒貯留タンク内に設けたことを特徴とする請求項19記
    載の冷凍空調装置。
  21. 【請求項21】 熱源側冷媒サイクルを2系統以上の複
    数としたことを特徴とする請求項1ないし請求項20の
    いずれか1項に記載の冷凍空調装置。
  22. 【請求項22】 熱源側冷媒を循環させる熱源側冷媒サ
    イクルと利用側冷媒を循環させる利用側冷媒サイクルの
    間に設けた補助熱交換器で熱交換することによって前記
    熱源側冷媒サイクルで得た温熱を前記利用側冷媒サイク
    ルで加熱に利用する冷凍空調装置において、前記利用側
    冷媒として顕熱を利用する冷媒を用いると共に、前記熱
    源側冷媒サイクルを2系統以上の複数とし、その少なく
    とも1系統の熱源側冷媒サイクルを加熱専用の冷媒サイ
    クルで構成したことを特徴とする冷凍空調装置。
  23. 【請求項23】 利用側冷媒サイクルに対して複数の熱
    源側冷媒サイクルを並列に接続したことを特徴とする請
    求項21または請求項22記載の冷凍空調装置。
  24. 【請求項24】 利用側冷媒サイクルに対して複数の熱
    源側冷媒サイクルを直列に接続したことを特徴とする請
    求項21または請求項22記載の冷凍空調装置。
  25. 【請求項25】 熱源側冷媒サイクルに加熱専用の冷媒
    サイクルと冷却/加熱併用の冷媒サイクルとをそれぞれ
    1系統以上設け、利用側冷媒サイクルに対して前記加熱
    専用の冷媒サイクルと前記冷却/加熱併用の冷媒サイク
    ルとを直列に接続したことを特徴とする請求項21また
    は請求項22記載の冷凍空調装置。
  26. 【請求項26】 利用側冷媒サイクルを循環する利用側
    冷媒の流れの向きに対して冷却/加熱併用の冷媒サイク
    ルを上流側に接続し、加熱専用の冷媒サイクルを下流側
    に接続したことを特徴とする請求項25記載の冷凍空調
    装置。
  27. 【請求項27】 利用側冷媒サイクルを循環する利用側
    冷媒の流れの向きに対して加熱専用の冷媒サイクルを上
    流側に接続し、冷却/加熱併用の冷媒サイクルを下流側
    に接続したことを特徴とする請求項25記載の冷凍空調
    装置。
  28. 【請求項28】 熱源側冷媒サイクルに加熱専用の冷媒
    サイクルと冷却/加熱併用の冷媒サイクルとをそれぞれ
    1系統以上設け、利用側冷媒サイクルに対して前記加熱
    専用の冷媒サイクルと前記冷却/加熱併用の冷媒サイク
    ルとを並列に接続すると共に、冷却運転時には加熱専用
    の冷媒サイクルと熱交換する利用側補助熱交換器には利
    用側冷媒が流れないように、前記利用側冷媒サイクルの
    冷媒流路を切換える切換手段を備えたことを特徴とする
    請求項21または請求項22記載の冷凍空調装置。
  29. 【請求項29】 熱源側冷媒サイクルに加熱専用の冷媒
    サイクルと冷却専用の冷媒サイクルとをそれぞれ1系統
    以上設け、利用側冷媒サイクルに対して前記加熱専用の
    冷媒サイクルと前記冷却専用の冷媒サイクルとを直列に
    接続したことを特徴とする請求項21または請求項22
    記載の冷凍空調装置。
  30. 【請求項30】 熱源側冷媒サイクルに加熱専用の冷媒
    サイクルと冷却専用の冷媒サイクルとをそれぞれ1系統
    以上設け、利用側冷媒サイクルに対して前記加熱専用の
    冷媒サイクルと前記冷却専用の冷媒サイクルとを並列に
    接続すると共に、加熱運転時には前記加熱専用の冷媒サ
    イクルと熱交換する利用側補助熱交換器に利用側冷媒を
    循環させ、冷却運転時には冷却専用の冷媒サイクルと熱
    交換する利用側補助熱交換器に利用側冷媒を循環させる
    ように、前記利用側冷媒サイクルの冷媒流路を切換える
    切換手段を備えたことを特徴とする請求項21または請
    求項22記載の冷凍空調装置。
  31. 【請求項31】 利用側冷媒が循環する加熱専用の熱源
    装置と、加熱運転時に前記加熱専用の熱源装置に前記利
    用側冷媒を循環させるように前記利用側冷媒サイクルの
    冷媒流路を切換える切換手段とを備えたことを特徴とす
    る請求項4ないし請求項24のいずれか1項に記載の冷
    凍空調装置。
  32. 【請求項32】 利用側冷媒サイクルに、熱源側冷媒サ
    イクルにより熱を供給される冷却用の利用側熱交換器
    と、加熱専用の熱源装置により熱を供給される加熱用の
    利用側熱交換器とを設け、冷却運転時に前記熱源側冷媒
    サイクルと前記冷却用の利用側熱交換器を動作させ、加
    熱運転時に前記加熱専用の熱源装置と前記加熱用の利用
    側熱交換器を動作させるように構成したことを特徴とす
    る請求項31記載の冷凍空調装置。
  33. 【請求項33】 冷却用の利用側熱交換器は、空気の流
    れに対し、加熱用の利用側熱交換器の上流側に並べて配
    置し、除湿運転時に冷却用および加熱用の利用側熱交換
    器を動作させるように構成したことを特徴とする請求項
    32記載の冷凍空調装置。
  34. 【請求項34】 加熱専用の熱源装置は、利用側冷媒を
    直接的に加熱する加熱装置であることを特徴とする請求
    項31または請求項32記載の冷凍空調装置。
  35. 【請求項35】 利用側冷媒サイクルを構成する配管に
    おいて、利用側熱交換器への送り側配管と前記利用側熱
    交換器からの戻り側配管とで、該配管の配管径、若しく
    は該配管の継ぎ手の径または形状を異なるように構成し
    たことを特徴とする請求項1ないし請求項34のいずれ
    か1項に記載の冷凍空調装置。
  36. 【請求項36】 利用側冷媒サイクル内に複数の利用側
    熱交換器を設け、それらの利用側熱交換器を全て互いに
    並列に接続したことを特徴とする請求項1ないし請求項
    35のいずれか1項に記載の冷凍空調装置。
  37. 【請求項37】 利用側冷媒サイクル内に複数の利用側
    熱交換器を設け、それらの利用側熱交換器のうちの少な
    くとも一部を互いに直列に接続したことを特徴とする請
    求項1ないし請求項35のいずれか1項に記載の冷凍空
    調装置。
  38. 【請求項38】 利用側冷媒サイクルを循環する冷媒
    は、水、若しくはエチレングリコール、プロピレングリ
    コール、およびD−ソルビトールのうちのいずれか1つ
    または複数を重量比で数十%以下含む水溶液であること
    を特徴とする請求項1ないし請求項37のいずれか1項
    に記載の冷凍空調装置。
  39. 【請求項39】 熱源側冷媒サイクルを蒸気圧縮式冷凍
    サイクルで構成し、前記熱源側冷媒サイクルを循環する
    冷媒は潜熱を利用するものとし、フロン系の単一冷媒、
    フロン系の擬似共沸混合冷媒、フロン系の非共沸冷媒、
    炭化水素系冷媒、およびアンモニア冷媒のうちのいずれ
    か1つであることを特徴とする請求項1ないし請求項3
    8のいずれか1項に記載の冷凍空調装置。
  40. 【請求項40】 熱源側冷媒を循環させる熱源側冷媒サ
    イクルと利用側冷媒を循環させる利用側冷媒サイクルの
    間に設けた補助熱交換器で熱交換することによって前記
    熱源側冷媒サイクルで得た温熱を前記利用側冷媒サイク
    ルで加熱に利用する冷凍空調装置において、前記利用側
    冷媒として顕熱を利用する冷媒を用いると共に、前記熱
    源側冷媒サイクルの容量を複数の段階に変化するように
    構成し、その容量の変化幅を容量が増加するにつれて大
    きくなるようにしたことを特徴とする冷凍空調装置の制
    御方法。
  41. 【請求項41】 熱源側冷媒を循環させる熱源側冷媒サ
    イクルと利用側冷媒を循環させる利用側冷媒サイクルの
    間に設けた補助熱交換器で熱交換することによって前記
    熱源側冷媒サイクルで得た温熱を前記利用側冷媒サイク
    ルで加熱に利用する冷凍空調装置において、前記利用側
    冷媒として顕熱を利用する冷媒を用いると共に、前記熱
    源側冷媒サイクルを2系統以上の複数とし、前記利用側
    冷媒サイクルで加熱運転中に前記熱源側冷媒サイクルの
    うち1系統以上が除霜運転している間に、少なくとも1
    系統の前記熱源側冷媒サイクルは加熱運転を継続するよ
    うに制御することを特徴とする冷凍空調装置の制御方
    法。
  42. 【請求項42】 熱源側冷媒を循環させる熱源側冷媒サ
    イクルと利用側冷媒を循環させる利用側冷媒サイクルの
    間に設けた補助熱交換器で熱交換することによって前記
    熱源側冷媒サイクルで得た温熱を前記利用側冷媒サイク
    ルで加熱に利用する冷凍空調装置において、前記利用側
    冷媒として顕熱を利用する冷媒を用いると共に、前記熱
    源側冷媒サイクルを2系統以上の複数とし、前記熱源側
    冷媒サイクルに加熱専用の冷媒サイクルと冷却/加熱併
    用の冷媒サイクルとをそれぞれ1系統以上設け、前記冷
    却/加熱併用の冷媒サイクルに蒸気圧縮式冷凍サイクル
    を用い、加熱運転中に前記冷却/加熱併用の冷媒サイク
    ルのうちの1系統以上が除霜運転している間に、前記加
    熱専用の冷媒サイクルと前記冷却/加熱併用の冷媒サイ
    クルのうちの少なくとも1系統の冷媒サイクルは加熱運
    転を継続するように制御することを特徴とする冷凍空調
    装置の制御方法。
  43. 【請求項43】 熱源側冷媒サイクルのうちの1系統以
    上が除霜運転している間に加熱運転を継続する熱源側冷
    媒サイクルは、その加熱能力を増加して加熱運転を継続
    するように制御することを特徴とする請求項41または
    請求項42記載の冷凍空調装置の制御方法。
  44. 【請求項44】 熱源側冷媒サイクルのうちの1系統以
    上が除霜運転している間に加熱運転を継続する熱源側冷
    媒サイクルを、加熱専用の冷媒サイクルとしたことを特
    徴とする請求項42または請求項43記載の冷凍空調装
    置の制御方法。
  45. 【請求項45】 熱源側冷媒を循環させる熱源側冷媒サ
    イクルと利用側冷媒を循環させる利用側冷媒サイクルの
    間に設けた補助熱交換器で熱交換することによって前記
    熱源側冷媒サイクルで得た温熱を前記利用側冷媒サイク
    ルで加熱に利用する冷凍空調装置において、前記利用側
    冷媒として顕熱を利用する冷媒を用いると共に、前記熱
    源側冷媒サイクルとして蒸気圧縮式冷凍サイクルを2系
    統以上用い、前記利用側冷媒サイクルで加熱運転中に前
    記熱源側冷媒サイクルのうち1系統以上が除霜運転開始
    条件を満たした場合、除霜運転を開始する前に熱源側冷
    媒サイクルの能力を増大させて加熱運転を継続し、その
    後に除霜運転を行うように制御することを特徴とする冷
    凍空調装置の制御方法。
  46. 【請求項46】 熱源側冷媒を循環させる熱源側冷媒サ
    イクルと利用側冷媒を循環させる利用側冷媒サイクルの
    間に設けた補助熱交換器で熱交換することによって前記
    熱源側冷媒サイクルで得た温熱を前記利用側冷媒サイク
    ルで加熱に利用する冷凍空調装置において、前記利用側
    冷媒として顕熱を利用する冷媒を用いると共に、前記熱
    源側冷媒サイクルを2系統以上の複数とし、前記複数系
    統の熱源側冷媒サイクルのそれぞれの容量を一つまたは
    複数の段階に変化するように構成し、かつ全体としての
    前記複数系統の熱源側冷媒サイクルの合計容量を複数の
    段階に変化するように構成し、その合計容量の変化幅を
    合計容量が増加するにつれて大きくなるようにしたこと
    を特徴とする冷凍空調装置の制御方法。
  47. 【請求項47】 合計容量の段階を増加させる際に、複
    数系統の熱源側冷媒サイクルのうちの現行で運転してい
    る熱源側冷媒サイクルは運転状態のままで前記合計容量
    を増加させるものとし、前記合計容量の段階を減少させ
    る際に、複数系統の熱源側冷媒サイクルのうちの現行で
    停止している熱源側冷媒サイクルは停止状態のままで前
    記合計容量を減少させるように制御することを特徴する
    請求項41ないし請求項46のいずれか1項に記載の冷
    凍空調装置の制御方法。
  48. 【請求項48】 圧縮機、流路切換弁、熱源側熱交換
    器、熱源側冷媒流量制御弁、および熱源側冷媒を貯留す
    る冷媒貯留タンクを連接し前記熱源側冷媒を循環して成
    る熱源側冷媒サイクルと、補助熱交換器、および冷媒搬
    送装置を連接し利用側冷媒を循環して成る利用側冷媒サ
    イクルとを備え、前記補助熱交換器を前記冷媒貯留タン
    ク内の熱源側冷媒に浸漬して前記補助熱交換器で前記熱
    源側冷媒と前記利用側冷媒とを熱交換し、前記冷媒貯留
    タンクに蓄えた熱を前記利用側冷媒サイクルにおいて加
    熱に利用することを特徴とする冷凍空調装置。
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