JP7456724B2 - 空調システム - Google Patents

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本発明は、車両へ適用されるのが好適な空調システムに関する。
車両の電気駆動化により暖房熱源が不足するため、車両用空調装置のヒートポンプサイクル化が進められている。ヒートポンプサイクルの最大の課題は、よく知られているように、低外気温時や運転開始時における暖房立ち上がり時において、暖房が困難あるいは暖房能力が不足気味になるという点である。
そこで、特許文献1は、高効率でかつ必要な冷暖房能力を確保できる車両空調システムを提案している。特許文献1の空調システムは、HVAC(Heating, Ventilating, Air Conditioning:冷暖房空調設備)ユニットと、冷媒蒸発器、第2冷媒凝縮器で温調された空気を吹き出すHVACユニット、ヒートポンプサイクルおよびクーラントサイクルを備えている。このクーラントサイクルは、換気排熱回収器、モータ/バッテリおよび電気ヒータを熱源として選択的に利用可能とされている。
特許文献1の空調システムによれば、ヒートポンプサイクルによるヒートポンプ暖房および除湿暖房時において、車室内の排出空気から回収された排熱を暖房用の熱源として有効利用することができる。これにより、低外気温時や暖房立ち上がり時には、電気ヒータによる熱を利用することによって必要な能力を確保し、安定した暖房あるいは除湿暖房を行うことができる。
特開2010-111269号公報
車室内に搭載されているHVACは、車室スペースの拡大要求やインストゥルメントパネル内の機器設置スペース逼迫問題から、コンパクト化の要求が高まっている。
特許文献1に開示されるHVACユニットは、空気冷却・除湿用の熱交換器(蒸発器)と空気加熱用の熱交換器(凝縮器)の2つの熱交換器を備えている。また、2つの熱交換器を備える場合には、加熱用熱の交換器に配分する風量を調整するエアミックダンパや熱交出口の空気を混合する領域を用いて空気の温度調整をしている。これらが要因となって、HVACユニットの小型化が妨げられている。
以上より、本発明は、HVACユニットに設けられる熱交換器を一つにできる空調システムを提供することを目的とする。
本発明の空調システムは、ヒートポンプ回路と、高温側クーラント回路と、低温側クーラント回路と、車室内熱交換器と、車室外熱交換器と、を備える。
ヒートポンプ回路は、圧縮機と、凝縮器と、膨張弁と、蒸発器とをこの順に繋ぐ循環回路を備え、冷媒が圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸発器の順に循環される。
高温側クーラント回路は、凝縮器との間で高温側クーラントが熱交換される高温側熱交換器を有する。
低温側クーラント回路は、蒸発器との間で低温側クーラントが熱交換される低温側熱交換器を有する。
車室内熱交換器は、高温側クーラント回路において熱交換された高温側クーラントおよび低温側クーラント回路において熱交換された低温側クーラントの一方または双方が供給される。
車室外熱交換器は、高温側クーラント回路において熱交換された高温側クーラントおよび低温側クーラント回路において熱交換された低温側クーラントの一方または双方が供給される。
本発明の空調システムは、運転モードとして、好ましくは、強冷房モード、弱冷房モード、弱暖房モードおよび強暖房モードを備える。
強冷房モードは、低温側クーラント回路において熱交換された低温側クーラントだけが車室内熱交換器に供給され、高温側クーラント回路において熱交換された高温側クーラントだけが車室外熱交換器に供給される。
弱冷房モードは、高温側クーラント回路において熱交換された高温側クーラントおよび低温側クーラント回路において熱交換された低温側クーラントの双方が車室内熱交換器に供給され、車室内熱交換器に供給される低温側クーラントの方が高温側クーラントよりも供給量が多い。
弱暖房モードは、高温側クーラント回路において熱交換された高温側クーラントおよび低温側クーラント回路において熱交換された低温側クーラントの双方が車室内熱交換器に供給され、車室内熱交換器に供給される高温側クーラントの方が低温側クーラントよりも供給量が多い。
強暖房モードは、高温側クーラント回路において熱交換された高温側クーラントだけが車室内熱交換器に供給され、低温側クーラント回路において熱交換された低温側クーラントだけが車室外熱交換器に供給される。
本発明の空調システムは、好ましくは、第1流調弁と、第2流調弁と、第3流調弁と、を備える。
第1流調弁は、高温側クーラント回路おいて、熱交換された高温側クーラントを車室内熱交換器および車室外熱交換器の一方または双方に供給するのを制御する。
第2流調弁は、低温側クーラント回路において、熱交換された低温側クーラントを車室内熱交換器および車室外熱交換器の一方または双方に供給するのを制御する。
第3流調弁は、車室内熱交換器41から流出した高温側クーラントおよび低温側クーラントの一方または双方を高温側クーラント回路および低温側クーラント回路の一方または双方に供給するのを制御する。
本発明の空調システムは、好ましくは、第3流調弁に替えてクーラントタンクを設けることができる。
クーラントタンク高温側クーラントおよび低温側クーラントの一方または双方を一時的に貯留する。
本発明の空調システムは、クーラントタンクに貯留された高温側クーラントおよび低温側クーラントの一方または双方は、高温側クーラント回路および低温側クーラント回路の一方または双方に供給するのを制御する制御弁を備える。
本発明における車室内熱交換器は、好ましくは、低温側クーラント回路において熱交換された低温側クーラントが、高温側クーラント回路において熱交換された高温側クーラントよりも、車室内熱交換器で熱交換される空気の流れる向きの、上流側を流れる。
この車室内熱交換器は、好ましくは、高温側クーラントと低温側クーラントが独立して流れる高温側クーラント流路と低温側クーラント流路を備え、低温側クーラント流路が高温側クーラント流路よりも、上流側に配置される。
本発明の好ましい空調システムは、高温側クーラント回路および低温側クーラント回路のそれぞれに対して車室内熱交換器を設けることができる。
本発明の空調システムによれば、高温側クーラント回路において熱交換された高温側クーラントおよび低温側クーラント回路において熱交換された低温側クーラントの一方または双方が車室内熱交換器に供給される。つまり、本発明の空調システムによれば、HVACユニットに車室内熱交換器が1つだけしか設けられていなくても、高温側クーラントだけを供給すれば暖房運転を行い、低温側クーラントだけを供給すれば冷房運転を行うことができる。
したがって、本発明の空調システムによれば、暖房運転および冷房運転を選択的に行うことができ、かつ、HVACユニットに設ける熱交換器を1つに抑えることができる。これにより、本発明の空調システムによれば、HVACユニットを小型化できる。
本発明の第1実施形態に係る車両用の空調システムの回路構成を示す図である。 第1実施形態に係る空調システムの運転モードごとの動作を示す図であり、上段は強冷房モードを示し、下段は弱冷房モードを示している。 第1実施形態に係る空調システムの運転モードごとの動作を示す図であり、上段は弱暖房/除湿暖房モードを示し、下段は強暖房モードを示している。 第1実施形態に係る空調システムの制御手順を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る空調システムの温度目標値と運転モードの関係を示すグラフである。 第1実施形態に係る空調システムの省スペース効果を示す図である。 第1実施形態に係る空調システムの省スペース効果を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る車両用の空調システムにおける好ましい運転モードの切り替え手順を示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る車両用の空調システムの回路構成を示す図である。 第3実施形態に係る空調システムの運転モードごとの動作を示す図であり、上段は強冷房モードを示し、下段は弱冷房モードを示している。 第3実施形態に係る空調システムの運転モードごとの動作を示す図であり、上段は弱暖房/除湿暖房モードを示し、下段は強暖房モードを示している。 本発明の第4実施形態に係る車両用の空調システムの回路構成を示す図である。 第4実施形態に係る車両用の空調システムの車室内熱交換器の構成例を示す図である。 第4実施形態に係る空調システムの運転モードごとの動作を示す図であり、上段は強冷房モードを示し、下段は弱冷房モードを示している。 第4実施形態に係る空調システムの運転モードごとの動作を示す図であり、上段は弱暖房/除湿暖房モードを示し、下段は強暖房モードを示している。 本実施形態に係る車両用の空調システムの他の回路構成を示す図である。 本実施形態に係る車両用の空調システムのさらに他の回路構成を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
〔第1実施形態〕
第1実施形態に係る車両用の空調システム1は、蒸気圧縮式冷凍サイクルの凝縮器13と蒸発器19のそれぞれがクーラントと熱交換する。空調システム1は、図1に示すように、ヒートポンプ回路10と、高温側クーラント回路20と、低温側クーラント回路30と、HVAC(Heating, Ventilation, and Air Conditioning)ユニット40とを備えている。また、空調システム1、その動作を制御するコントローラ70を備えている。
高温側クーラント回路20は、凝縮器13で高温冷媒と熱交換された高温のクーラントを送液し、第1流調弁25により車室外熱交換器51と車室内熱交換器41のそれぞれに送る流量の配分を、空調負荷に応じて調整する。
低温側クーラント回路30は、蒸発器で低温冷媒と熱交換した低温のクーラントを送液し、第2流調弁35により車室外熱交換器51と車室内熱交換器41の各々に送る流量の配分を、空調負荷に応じて調整する。
[空調システム1の各構成]
空調システム1は、以上の機能を実現するために、以下に説明する構成を備える。
[ヒートポンプ回路10]
ヒートポンプ回路10は、図1に示すように、車室外Outに設けられる。
ヒートポンプ回路10は、冷媒を圧縮する圧縮機11と、圧縮機11で圧縮された高温・高圧のガス冷媒と高温側クーラント回路20の高温側クーラントとの間の熱交換を行う熱交換器である凝縮器13と、を備える。凝縮器13では高温・高圧となったガス冷媒が高温側クーラントと熱交換され凝縮される。このとき、ガス冷媒は凝縮熱を放出するため、冷却に使われた高温側クーラントの温度が上昇する。この凝縮により冷媒は気体から液体に状態が変化し、高温・高圧の液体となる。この液冷媒は、受液器15に流入する。
ヒートポンプ回路10は、図1に示すように、受液器15から流出する冷媒を減圧する膨張弁17と、膨張弁17で減圧された冷媒と低温側クーラント回路30の低温側クーラントとの間の熱交換を行う熱交換器である蒸発器19と、を備える。
膨張弁17において、高温・高圧の液冷媒の流れを制限したのちに冷媒が開放されるため、冷媒の圧力が急激に下がる。このとき、一部の冷媒が蒸発し、その気化熱で残り大部分の液体の温度も低下する。こうして低温・低圧の液体へと状態が変化する冷媒は、蒸発器19における蒸発が容易になる。この蒸発のときに、冷媒は低温側クーラントから蒸発熱を奪って蒸発する。このため、低温側クーラントの温度は低下する。このとき、冷媒は液体から気体に状態変化するため温度変化はなく、低温・低圧のガス冷媒となる。低温・低圧のガス冷媒は圧縮機11に流入し、高温・高圧のガス冷媒に圧縮される。以後は、前述したのと同様に、凝縮器13による凝縮、膨張弁17による減圧、蒸発器19による蒸発というサイクルが繰り返される。
空調システム1におけるヒートポンプ回路10は、圧縮機11、凝縮器13、膨張弁17および蒸発器19からなる、コンパクトで簡易な構成を有している。
ヒートポンプ回路10において、圧縮機11は一例として電動モータを内蔵した電動圧縮機を用いることができる。また、膨張弁17として電子膨張弁を用いることができる。
[高温側クーラント回路20]
次に、高温側クーラント回路20の構成について説明する。
高温側クーラント回路20は、ヒートポンプ回路10の凝縮器13と併設され、凝縮器13を流れる冷媒と高温側クーラントとの間で熱交換させる高温側熱交換器21を備える。
高温側クーラント回路20は、高温側クーラント回路20で高温側クーラントを循環させるための高温側循環ポンプ23を備える。
また、高温側クーラント回路20は、高温側循環ポンプ23から吐出される高温側クーラントを車室内熱交換器41および車室外熱交換器51のいずれか一方または双方に流れるのを調整する第1流調弁25を備える。第1流調弁25は、いわゆる三方弁から構成されるとともに、車室内熱交換器41および車室外熱交換器51の双方に流れる高温側クーラントの配分を調整できる。なお、流調弁とは、流量を調整できることを意図している。
また、高温側クーラント回路20は、車室内熱交換器41から流出されるクーラントを高温側クーラント回路20および低温側クーラント回路30のいずれか一方または双方に流れるのを調整する第3流調弁27を備える。なお、ここでは第3流調弁27を高温側クーラント回路20の要素として説明したが、第3流調弁27は低温側クーラント回路30と共通の要素といえる。
さらに、高温側クーラント回路20は、車室外熱交換器51からの低温側クーラントの高温側熱交換器21への流れを許容しまたは阻止する第1電磁弁29を備えている。
以上の高温側クーラント回路20における要素は、相互におよび空調システム1の他の要素と以下のように配置または接続されることで、高温側クーラントが流れる回路が形成される。
高温側循環ポンプ23は、一端が高温側熱交換器21の下流側に接続され他端が第1流調弁25に接続される配管LH1の流路上に設けられる。なお、この下流とは高温側クーラントが高温側熱交換器21を流れる向きを基準としている。この下流、上流の定義は以下も同様である。
第1流調弁25には、配管LH2の一端および配管LH3の一端が接続されている。配管LH2の他端は、合流点C1を介して、車室外熱交換器51に一端が接続される第3接続管53に接続される。配管LH3の他端は、合流点C2を介して、車室内熱交換器41に一端が接続される第1接続管44に接続される。
高温側熱交換器21の上流側には配管LH6の一端が接続されており、配管LH6の他端には合流点C3が設けられている。合流点C3には、配管LH4の一端および配管LH5の一端が接続されている。配管LH4の他端は、合流点C4を介して、車室外熱交換器51に一端が接続される第4接続管55および低温側クーラント回路30における配管LLに接続される。配管LH4の流路上には前述した第1電磁弁29が設けられている。配管LH5の他端は、第3流調弁27に接続される。第3流調弁27には、車室内熱交換器41に一端が接続される第2接続管45の他端が接続される。
なお、図1において、配管LH1~配管LH6の末端に示される矢印は、高温側クーラントが流れる向きを示している。図1においては、配管LH1~配管LH6の全てについて高温側クーラントが流れる向きを示しているが、空調システム1の運転モードによっては、高温側クーラントが流れない配管LH1~配管LH6も存在する。後述する配管LL1~配管LL6も同様である。
[低温側クーラント回路30]
次に、低温側クーラント回路30の構成について説明する。
低温側クーラント回路30は、ヒートポンプ回路10の蒸発器19と併設され、蒸発器19を流れる冷媒と低温側クーラントとの間で熱交換させる低温側熱交換器31を備える。
低温側クーラント回路30は、低温側クーラント回路30において低温側クーラントを循環させるための低温側循環ポンプ33を備える。
また、低温側クーラント回路30は、低温側循環ポンプ33から吐出される低温側クーラントを車室内熱交換器41および車室外熱交換器51のいずれか一方または双方に流れるのを調整する第2流調弁35を備える。第2流調弁35は、いわゆる三方弁から構成されるとともに、車室内熱交換器41および車室外熱交換器51の双方に流れる低温側クーラントの配分を調整できる。
また、低温側クーラント回路30は、車室内Inから外部に排出される空気から熱を回収する排熱回収器37を備える。また、低温側クーラント回路30は、車室外熱交換器51からの低温側クーラントの排熱回収器37への流れを許容しまたは阻止する第2電磁弁39を備えている。第2電磁弁39と低温冷媒側の低温側熱交換器31の間に、排熱回収器37に替えて、車両機器排熱や換気排熱を回収する熱交換器や、電気ヒータを設けてもよい。
以上の低温側クーラント回路30における要素は、相互におよび空調システム1の他の要素と以下のように配置または接続されることで、低温側クーラントが流れる回路が形成される。
低温側循環ポンプ33は、一端が低温側熱交換器31の下流側に接続され他端が第2流調弁35に接続される配管LL1の流路上に設けられる。
第2流調弁35には、配管LL2の一端および配管LL3の一端が接続されている。配管LL2の他端は、合流点C4を介して、車室外熱交換器51に一端が接続される第4接続管55に接続される。配管LL3の他端は、合流点C2を介して、車室内熱交換器41に一端が接続される第1接続管44に接続される。
低温側熱交換器31の上流側には配管LL6の一端が接続されており、配管LL6の他端には合流点C5が設けられている。合流点C5には、配管LL4の一端および配管LL5の一端が接続されている。配管LL4の他端は第3流調弁27に接続される。また、配管LL5の他端は、合流点C1を介して、車室外熱交換器51の第3接続管53および高温側クーラント回路20の配管LH2に接続される。配管LL5の流路上には、前述した排熱回収器37および第2電磁弁39が設けられている。
[HVACユニット40]
次に、HVACユニット40の構成について説明する。
HVACユニット40は、図1に示すように、車室内Inに設けられる。HVACユニット40は、通常、ダッシュボードの内部に配置される。
HVACユニット40は、高温側クーラント回路20および低温側クーラント回路30から供給される高温側クーラントおよび低温側クーラントとHVACユニット40に吸い込まれた空気との間で熱交換する車室内熱交換器41を備える。
HVACユニット40は、吸込口43Aおよび吹出口43Bを有するダクト43を備え、このダクト43の内部に車室内熱交換器41が設けられる。ダクト43の内部には、車室内熱交換器41よりも上流にブロア47が設けられる。ブロア47が回転することにより、吸込口43Aから吸い込まれた空気Aが、車室内熱交換器41を通って吹出口43Bから車室内の空間に向けて吹き出される。
[ヒートポンプ回路10と高温側クーラント回路20、低温側クーラント回路30の関係]
空調システム1が運転している間、ヒートポンプ回路10において、高温・高圧のガス冷媒と高温側クーラント回路20の高温側クーラントとの間の熱交換が凝縮器13と高温側熱交換器21との間で継続して行われる。また、空調システム1が運転している間、ヒートポンプ回路10において、膨張弁17で減圧された冷媒と低温側クーラント回路30の低温側クーラントとの間の熱交換が蒸発器19と低温側熱交換器31との間で継続して行われる。
空調システム1は、高温側クーラント回路20において熱交換された高温側クーラントと低温側クーラント回路30において熱交換された低温側クーラントとを、車室内熱交換器41と車室外熱交換器51に配分することにより、後述する運転モードを実現する。
[空調システム1の運転モード]
次に、運転モードごとの空調システム1における動作を図2および図3に基づいて説明する。
空調システム1は、図2に示すように強冷房モードおよび弱冷房モード、ならびに、図3に示すように弱暖房・除湿暖房モードおよび強暖房モードの4つのモードのいずれかで動作する。以下、この順に説明する。
[強冷房モード]
強冷房モードは、図2の上段に示すように、低温側クーラント回路30において冷却された低温側クーラントだけが車室内熱交換器41に送られ、高温側クーラント回路20において加熱された高温側クーラントは高温側熱交換器21と車室外熱交換器51の間を循環する。強冷房モードを実行するために、第1流調弁25、第3流調弁27、第2流調弁35、第1電磁弁29および第2電磁弁39は以下のように制御される。
第1流調弁25:配管LH2への流路;ON 配管LH3への流路;OFF
第3流調弁27:配管LH5への流路;OFF 配管LL4への流路;ON
第2流調弁35:配管LL2への流路;OFF 配管LL3への流路;ON
第1電磁弁29:ON
第2電磁弁39:OFF
ON:流路が開いている OFF:流路が閉じている
第1流調弁25~第2電磁弁39が以上のように制御されているので、高温側クーラント回路20および低温側クーラント回路30において、高温側クーラントおよび低温側クーラントは以下のように循環される。
高温側クーラント回路20において、高温側クーラントは、高温側熱交換器21、高温側循環ポンプ23、第1流調弁25および車室外熱交換器51をこの順に通って、高温側熱交換器21に戻る循環経路を流れる。この循環経路を配管の単位で示すと、高温側クーラントは、配管LH1、配管LH2、第3接続管53、第4接続管55、配管LH4および配管LH6をこの順に通って、配管LH1に戻る。
低温側クーラント回路30において、低温側クーラントは、低温側熱交換器31、低温側循環ポンプ33、第2流調弁35、車室内熱交換器41および第3流調弁27をこの順に通って、低温側熱交換器31に戻る循環経路を流れる。この循環経路を配管の単位で示すと、温側クーラントは、配管LL1、配管LL3、第1接続管44、第2接続管45、配管LL4および配管LH6をこの順に通って、配管LL1に戻る。
以上のように、強冷房モードにおいては、低温側クーラント回路30において冷却された低温側クーラントだけが車室内熱交換器41に送られ、車室内Inの冷房が実現される。一方、高温側クーラント回路20において加熱された高温側クーラントは、車室内熱交換器41に送られず、閉じた高温側クーラント回路20を循環する。
[弱冷房モード]
弱冷房モードは、図2の下段に示すように、低温側クーラント回路30において冷却された低温側クーラントが車室内熱交換器41に送られるとともに、高温側クーラント回路20において加熱された高温側クーラントの一部も車室内熱交換器41に送られる。高温側クーラントは、車室内熱交換器41に送られる分を除けば、車室外熱交換器51に送られ、高温側熱交換器21と車室外熱交換器51の間を循環する。弱冷房モードを実行するために、第1流調弁25、第3流調弁27、第2流調弁35、第1電磁弁29および第2電磁弁39は以下のように制御される。第1流調弁25および第3流調弁27におけるONは、空気負荷に応じて流量の配分がなされていることを含んでいる。第3実施形態、第4実施形態における弱冷房モードにおいても同様である。
第1流調弁25:配管LH2への流路;ON 配管LH3への流路;ON
第3流調弁27:配管LH5への流路;ON 配管LL4への流路;ON
第2流調弁35:配管LL2への流路;OFF 配管LL3への流路;ON
第1電磁弁29:ON
第2電磁弁39:OFF
ON:流路が開いている OFF:流路が閉じている
第1流調弁25~第2電磁弁39が以上のように制御されているので、高温側クーラント回路20および低温側クーラント回路30において、高温側クーラントおよび低温側クーラントは以下のように循環される。
高温側クーラント回路20において、高温側クーラントは、二つの循環経路を有する。一つ目の循環経路は、高温側熱交換器21、高温側循環ポンプ23、第1流調弁25、車室内熱交換器41および第3流調弁27をこの順に通って、高温側熱交換器21に戻る。二つ目の循環経路は、高温側熱交換器21、高温側循環ポンプ23、第1流調弁25および車室外熱交換器51をこの順に通って、高温側熱交換器21に戻る。
一つ目の循環経路を配管の単位で示すと、高温側クーラントは、配管LH1、配管LH3、第1接続管44、第2接続管45、配管LH5および配管LH6をこの順に通って、配管LH1に戻る。
二つ目の循環経路を配管の単位で示すと、高温側クーラントは、配管LH1、配管LH2、第3接続管53、第4接続管55、配管LH4および配管LH6をこの順に通って、配管LH1に戻る。
一つ目の循環経路と二つ目の循環経路は、合流点C3において合流する。
低温側クーラント回路30における低温側クーラントの循環経路は、強冷房モードと同じである。ただし、第2接続管45から第3流調弁27に流れる低温側クーラントの一部は高温側熱交換器21に向かう。
以上のように、弱冷房モードにおいては、高温側クーラント回路20において加熱された高温側クーラントと低温側クーラント回路30において冷却された低温側クーラントが車室内熱交換器41に送られる。ただし、加熱された高温側クーラントが車室内熱交換器41に送られる分だけ、強冷房モードに比べると冷房の程度が劣る。一方、高温側クーラント回路20において加熱された高温側クーラントの残部は、閉じた高温側クーラント回路20を循環する。
[弱暖房/除湿暖房モード]
弱暖房/除湿暖房モードは、図3の上段に示すように、高温側クーラント回路20において加熱された高温側クーラントが車室内熱交換器41に送られるとともに、低温側クーラント回路30において冷却された低温側クーラントの一部が車室内熱交換器41に送られる。低温側クーラントは、車室内熱交換器41に送られる分を除けば、車室外熱交換器51に送られ、低温側熱交換器31と車室外熱交換器51の間を循環する。弱暖房/除湿暖房モードを実行するために、第1流調弁25、第3流調弁27、第2流調弁35、第1電磁弁29および第2電磁弁39は以下のように制御される。第2流調弁35および第3流調弁27におけるONは、空気負荷に応じて流量の配分がなされていることを含んでいる。第3実施形態、第4実施形態における弱暖房/除湿暖房モードにおいても同様である。
第1流調弁25:配管LH2への流路;OFF 配管LH3への流路;ON
第3流調弁27:配管LH5への流路;ON 配管LL4への流路;ON
第2流調弁35:配管LL2への流路;ON 配管LL3への流路;ON
第1電磁弁29:OFF
第2電磁弁39:ON
ON:流路が開いている OFF:流路が閉じている
第1流調弁25~第2電磁弁39が以上のように制御されているので、高温側クーラント回路20および低温側クーラント回路30において、高温側クーラントおよび低温側クーラントは以下のように循環される。
高温側クーラント回路20において、高温側クーラントは、高温側熱交換器21、高温側循環ポンプ23、第1流調弁25、車室内熱交換器41および第3流調弁27をこの順に通って、高温側熱交換器21に戻る。
この循環経路を配管の単位で示すと、高温側クーラントは、配管LH1、配管LH3、第1接続管44、第2接続管45、配管LH5および配管LH6をこの順に通って、配管LH1に戻る。
低温側クーラント回路30において、低温側クーラントは、二つの循環経路を有する。一つ目の循環経路は、低温側熱交換器31、低温側循環ポンプ33、第2流調弁35、車室内熱交換器41および第3流調弁27をこの順に通って、低温側熱交換器31に戻る。二つ目の循環経路は、低温側熱交換器31、低温側循環ポンプ33、第2流調弁35、車室外熱交換器51、および排熱回収器37をこの順に通って、低温側熱交換器31に戻る。
一つ目の循環経路を配管の単位で示すと、低温側クーラントは、配管LL1、配管LL3、第1接続管44、第2接続管45、配管LLおよび配管LL6をこの順に通って、配管LH1に戻る。
二つ目の循環経路を配管の単位で示すと、低温側クーラントは、配管LL1、配管LL2、第4接続管55、第3接続管53、配管LLおよび配管LL6をこの順に通って、配管LL1に戻る。
一つ目の循環経路と二つ目の循環経路は、合流点C5において合流する。
以上のように、弱暖房/除湿暖房モードにおいては、高温側クーラント回路20において加熱された高温側クーラントと低温側クーラント回路30において冷却された低温側クーラントが車室内熱交換器41に送られる。ただし、冷却された温側クーラントが車室内熱交換器41に送られる分だけ、強房モードに比べると房の程度が劣る。一方、温側クーラント回路30において加熱された温側クーラントの残部は、閉じた温側クーラント回路30を循環する。
[強暖房モード]
強暖房モードは、図3の下段に示すように、高温側クーラント回路20において加熱された高温側クーラントだけが車室内熱交換器41に送られ、低温側クーラント回路30において冷却された低温側クーラントは低温側熱交換器31と車室外熱交換器51の間を循環する。強暖房モードを実行するために、第1流調弁25、第3流調弁27、第2流調弁35、第1電磁弁29および第2電磁弁39は以下のように制御される。
第1流調弁25:配管LH2への流路;OFF 配管LH3への流路;ON
第3流調弁27:配管LH5への流路;ON 配管LL4への流路;OFF
第2流調弁35:配管LL2への流路;ON 配管LL3への流路;OFF
第1電磁弁29:OFF
第2電磁弁39:ON
ON:流路が開いている OFF:流路が閉じている
第1流調弁25~第2電磁弁39が以上のように制御されているので、高温側クーラント回路20および低温側クーラント回路30において、高温側クーラントおよび低温側クーラントは以下のように循環される。
高温側クーラント回路20において、高温側クーラントは、高温側熱交換器21、高温側循環ポンプ23、第1流調弁25、車室内熱交換器41および第3流調弁27をこの順に通って、高温側熱交換器21に戻る循環経路を流れる。この循環経路を配管の単位で示すと、高温側クーラントは、配管LH1、配管LH3、第1接続管44、第2接続管45、配管LH5および配管LH6をこの順に通って、配管LH1に戻る。
低温側クーラント回路30における低温側クーラントの循環経路は、弱暖房/除湿暖房モードにおけるつ目の循環経路と同じである。
以上のように、強暖房モードにおいては、高温側クーラント回路20において加熱された高温側クーラントだけが車室内熱交換器41に送られ、車室内Inの暖房が実現される。一方、低温側クーラント回路30において加熱された低温側クーラントは、車室内熱交換器41に送られず、閉じられた低温側クーラント回路30を循環する。
[空調システム1の動作まとめ]
以上説明した空調システム1の動作をまとめると以下のとおりである。
蒸気圧縮式冷凍サイクルの凝縮器13と蒸発器19のそれぞれがクーラントと熱交換する。
凝縮器13で高温の冷媒と熱交換した高温の高温側クーラントを高温側循環ポンプ23で送液し、第1流調弁25により車室内熱交換器41と車室外熱交換器51のそれぞれに送る流量配分を、空調負荷に応じて調整する。
蒸発器19で低温冷媒と熱交換した低温の高温側クーラントを低温側循環ポンプ33で送液し、第2流調弁35により車室内熱交換器41と車室外熱交換器51のそれぞれに送る流量配分を、空調負荷に応じて調整する。
第3流調弁27により、高温側クーラント回路20へ戻る高温側クーラントの流量と低温側クーラント回路30へ戻る低温側クーラントの流量とを空調負荷に応じて調整する。
高温側クーラントと低温側クーラントのいずれか一方を第1電磁弁29および第2電磁弁39により車室外熱交換器51に選択的に流入させ、運転モードを切り替える。
[空調システム1の制御手順]
次に、図4および図5を参照して、空調システム1の制御手順を説明する。
本実施形態における制御手順は、図4に示すように、温調指令値の検出ステップ(S101)、温調負荷の検出ステップ(S103)、温調目標値の算出ステップ(S105)、現状状態の検出ステップ(S107)、機器動作設定値の算出ステップ(S109)、クーラント流路の切り替えステップ(S111)および機器動作指令ステップ(S113)が繰り返される。以下、各ステップについて説明する。なお、この制御手順は、コントローラ70により実行される。
[温調指令値の検出ステップ(S101)]
コントローラ70は、空調システム1の制御手順として、温調指令値の検出ステップから始まる。このステップは、HVACユニット40のブロア47に関するON信号の有無、および、バッテリの冷却に関するON信号の有無を検出する。双方のON信号を検出すれば、温度調整の指令があるものとみなして、温調負荷の検出ステップ(S103)以降の手順に進む。双方のON信号を検出しなければ、機器停止指令ステップ(S115)に進み、図4に示される各機器の動作の停止を指令する。
[温調負荷の検出ステップ(S103)]
次に、コントローラ70は、温調負荷の検出を行う。温調負荷としては、図4に示される外気温度、日射量、…、車速、バッテリ温度が例示される。これらの温調負荷によって、次のステップにおける温調目標値が変動する。
[温調目標値の算出ステップ(S105)]
次に、コントローラ70は、温調目標値を算出する。
温調目標値は、先に検出した温調負荷を考慮したうえで、温調指令値を達成するために算出される。温調目標値としては、図1に示すように、運転モードの選択、低温側クーラント目標温度、高温側クーラント目標温度および必要とされるクーラントの流量が例示される。クーラントの流量は、高温側循環ポンプ23および低温側循環ポンプ33の回転数と同義である。
次に、コントローラ70は、現状状態を検出する。
現状状態は、温調目標値に対して各機器の動作設定値を算出する際に参照される。
現状状態としては、図1に示すように、低温側クーラント温度、高温側クーラント温度、冷媒の凝縮圧力、冷媒の蒸発温度が例示される。
[機器動作設定値の算出ステップ(S109)]
次に、コントローラ70は、機器動作設定値を算出する。この算出に当たっては、算出された温調目標値、検出した現状状態が参照される。
算出される機器動作設定値としては、低温側クーラントと高温側クーラントの混合割合、圧縮機11に必要とされる回転数およびファン57の回転数である。
[クーラント流路の切り替えステップ(S111)]
次に、コントローラ70は、選択された運転モードに応じて、高温側クーラント回路20と低温側クーラント回路30におけるクーラントの流路の切り替えを行う。この流路の切り替えは、第1電磁弁29および第2電磁弁39のON/OFF、ならびに、第1流調弁25、第2流調弁35および第3流調弁27のON/OFFを制御することにより行われる。
[機器動作指令ステップ(S113)]
次に、コントローラ70は、算出された機器動作設定値に基づいて、高温側循環ポンプ23、低温側循環ポンプ33、ファン57および圧縮機11の運転を指示する。
空調システム1は、温調指令値の検出ステップ(S101)~機器動作指令ステップ(S113)の手順を繰り返しながら、要求される温度指令値に対応する運転モードで運転される。
次に、空調システム1は、図5に示すように、強冷房モード、弱冷房モード、弱暖房モードおよび強暖房モードの順に運転モードを変更し、逆に、強暖房モード、弱暖房モード、弱冷房モードおよび強冷房モードの順に運転モードを変更する。空調システム1は、このように運転モードを順番に変更するヒステリシス性を備えている。
また、空調システム1において図5に示すように、外温の高低、湿度の高低、日射の多少車、室内の寒暖などの、冷却要求、除湿要求および加熱要求によって運転モードが変更される。
[空調システム1の効果]
第1実施形態に係る空調システム1によれば、高温側クーラント回路20において熱交換された高温側クーラントおよび低温側クーラント回路30において熱交換された低温側クーラントの一方または双方が車室内熱交換器41に供給される。つまり、本発明の空調システムによれば、HVACユニットに車室内熱交換器41が1つだけしか設けられていなくても、高温側クーラントだけを供給すれば暖房運転を行い、低温側クーラントだけを供給すれば冷房運転を行うことができる。
したがって、空調システム1によれば、暖房運転および冷房運転を選択的に行うことができ、かつ、HVACユニットに設ける熱交換器を1つに抑えることができる。これにより、本発明の空調システムによれば、HVACユニットを小型化できる。
小型化のイメージが図6および図7に示されている。図6および図7において、(a)に2つの熱交換器HEXが設けられているHVACが示され、(b)に車室内熱交換器41が1つだけ設けられているHVACが示されている。図6(b)および図7(b)において、ハッチングが施されている部分は、容積を削減できる領域を示す。
空調システム1によれば、車室内熱交換器41が1つだけであるから、エアミックスダンパを排除できる。これにより、以下の効果を奏する。
エアミックスダンパの開度が小さいときに風切音が生ずるが、風切音がなくなる。また、エアミックスダンパの駆動源が不要であり、また、エアミックスダンパの駆動のための可動部がなくなるので、HVACユニット40における重量およびコストを低減できる。
また、車室内熱交換器41が1つだけであって、かつ、エアミックスダンパがなくなれば、ダクト43の内部の空気の流路、つまり風路となる容積を大きくとれるので、風路断面積を大きく確保できる。これにより、この風路を流れる空気が同じ流量であれば、その流速を下げることができるので、騒音を低減できる。
さらに、HVACユニット40における車室内熱交換器41が1つだけであれば、HVAC内の空気圧損が低減することでブロア47の動力を低減できる。
また、空調システム1によれば、ヒートポンプ回路10は冷媒の流れる向きが一定であるから、流路切替弁を設ける必要がない。したがって、この流路切替弁の冷媒圧損に起因する暖房性能低下や、弁通過時に発生する冷媒流動音の発生を回避できる。
また、空調システム1によれば、ヒートポンプ回路10は車室外Outに設けられているので、車室内Inへの冷媒が漏洩するリスクが低い。したがって、冷媒漏洩を防止するべく、ヒートポンプ回路10を構成する機器を大型化しなくても暖房大能力が得られる可燃性(R290等)、微燃性(R454C等)または高圧冷媒(CO等)を、乗員安全性を損なうことなく使用できる。
また、空調システム1によれば、外気温度が低く低温冷媒が0℃を下回る着霜発生条件においても、車室内熱交換器41に流入する低温側クーラントの温度を高温クーラントとの混合により0℃以上に保つことができる。これにより、車室内熱交換器41への着霜を防止できる。
さらに、空調システム1は排熱回収器37を備えるが、省動力で暖房能力を増強できる。
さらにまた、空調システム1に電気ヒータを追設した場合、車室外熱交換器51の着霜を電気ヒータのジュール熱で融解できるため、連続暖房運転が可能となる。電気ヒータがない場合には、一旦冷房モードに切り替えて除霜するため、車室内熱交換器41の温度が下がり、暖房快適性が損なわれる。
さらにまた、空調システム1によれば、ヒートポンプ回路10をコンパクトにできるので、上記代替冷媒を使用する場合に耐圧で問題となるゴムホースを使用しなくて済む。
〔第2実施形態〕
次に、本発明における第2実施形態について、図8を参照して説明する。
第2実施形態は、運転モードを切り替える際の好ましい手順を提供する。この手順は、運転モードを切り替える際、強冷房モード⇔弱冷房モード⇔弱暖房モード⇔強暖房モードの順で切り替える。つまり、強冷房モード→弱暖房モードのような瞬時の切り替えはしない。好ましい切り替え手順を実現するために、図8で示される制御手順が実行される。この制御手順は、コントローラ70により実行される。
始めに、コントローラ70は空調指令値(空調負荷)を算出し、次いで、運転モードを指令する(S201,S203)。ここでは、コントローラ70は弱暖房モードを指令したものとする。なお、指令される運転モードはXoで表され、弱暖房モードはXo=3と定義される。
コントローラ70は、運転モードを指令する一方、現在の運転モードを確認する(S205)。現在の運転モードはXで表され、強冷房モード、弱冷房モード、弱暖房モードおよび強暖房モードはそれぞれ、X=1、X=2、X=3、X=4と定義される。
コントローラ70は、現在の運転モードを確認すると、現在の運転モード(X)と指令された運転モード(Xo)との一致・不一致を判定する(S207)。
コントローラ70は、現在の運転モード(X)と指令された運転モード(Xo)が一致していれば、運転モードの切り替え動作を指令しない(S215)。
コントローラ70は、現在の運転モード(X)と指令された運転モード(Xo)が一致していなければ、次に、現在の運転モード(X)と指令された運転モード(Xo)の大小関係を判定する(S209)。
現在の運転モード(X)が指令された運転モード(Xo)より小さければ、現在の運転モード(X)より1つだけ大きい数値で特定される運転モードに切り替えられる(S211)。例えば、現在の運転モード(X)が強冷房(X=1)であれば、運転モードは弱冷房(X=2)に切り替えられる。運転モードが切り替えられた後には、空調指令値(空調負荷)の算出し、運転モードの指令(S201,S203)に戻る。
一方、現在の運転モード(X)が指令された運転モード(Xo)より大きければ、現在の運転モード(X)より1つだけ小さい数値で特定される運転モードに切り替えられる(S213)。例えば、現在の運転モード(X)が強暖房(X=4)であれば、運転モードは弱暖房(X=3)に切り替えられる。運転モードが切り替えられた後には、空調指令値(空調負荷)の算出し、運転モードの指令(S201,S203)に戻る。
[第2実施形態の効果]
第2実施形態によれば、第1実施形態に加えて、以下の効果を奏する。
図8に示される制御手順によれば、運転モードの切り替えが一段階ずつ行われる。これにより、運転モード切替にともなう第1流調弁25、第2流調弁35および第3流調弁27ならびに第1電磁弁29、第2電磁弁39の動作でクーラント流路が閉塞した場合に起こり得る高温側循環ポンプ23、低温側循環ポンプ33の故障やクーラントの漏洩を防止できる。ここでいうポンプの故障とは、片側のクーラント回路にクーラントが集中してポンプエア噛み・空運転が発生したり、急激な圧力上昇に起因したりするものである。
〔第3実施形態〕
次に、本発明における第3実施形態について、図9~図11を参照して説明する。
第3実施形態に係る空調システム3は、基本的な構成は第1実施形態に係る空調システム1と同じである。したがって、以下では空調システム1との相違点を中心に空調システム3について説明する。
[空調システム3の構成]
空調システム3は、図9に示すように、空調システム1の第3流調弁27が設けられる位置に、クーラントタンク28が設けられている。クーラントタンク28の下部には高温側クーラント回路20に接続される高温側流出口28Aと、低温側クーラント回路30に接続される低温側流出口28Bが設けられている。高温側流出口28Aは配管LH5に接続され、低温側流出口28Bは配管LL4に接続される。
高温側流出口28Aに接続される配管LH5の流路上には第3電磁弁26が設けられる。第3電磁弁26は、強冷房モードのときに全閉(OFF)とされる。
低温側流出口28Bに接続される配管LL4には第4電磁弁36が設けられる。第4電磁弁36は強暖房モードのときに全閉(OFF)とされる。
空調システム3は、図9に示すように、高温側クーラント回路20にも排熱回収器22が設けられている。また、空調システム3は、第1電磁弁29および第2電磁弁39が三方弁として示されている。
[空調システム3の動作]
次に、運転モードごとの空調システム3における動作を図10および図11に基づいて説明する。
空調システム3は、図10に示すように強冷房モードおよび弱冷房モード、ならびに、図11に示すように弱暖房・除湿暖房モードおよび強暖房モードの4つのモードのいずれかで動作する。空調システム3における強冷房モード、弱冷房モード、弱暖房・除湿暖房モードおよび強暖房モードは、空調システム1における強冷房モード、弱冷房モード、弱暖房・除湿暖房モードおよび強暖房モードと基本的な動作は同じである。そこで、以下ではクーラントタンク28を設けることによる、空調システム1との相違点を中心に説明する。
[強冷房モード]
強冷房モードは、図10の上段に示すように、第3電磁弁26がOFF、第4電磁弁36がONされている。なお、第1流調弁25、第3流調弁27、第2流調弁35、第1電磁弁29および第2電磁弁39は、空調システム1における強冷房モードと同じである。
以上の通りであるから、空調システム3における強冷房モードにおいても、低温側クーラント回路30において冷却された低温側クーラントだけが車室内熱交換器41に送られ、車室内Inの冷房が実現される。一方、高温側クーラント回路20において加熱された高温側クーラントは、車室内熱交換器41に送られず、閉じた高温側クーラント回路20を循環する。
[弱冷房モード]
弱冷房モードは、図10の下段に示すように、第3電磁弁26および第4電磁弁36の双方がONされている。なお、第1流調弁25、第3流調弁27、第2流調弁35、第1電磁弁29および第2電磁弁39は、空調システム1における弱冷房モードと同じである。
以上の通りであるから、弱冷房モードにおいては、高温側クーラント回路20において加熱された高温側クーラントと低温側クーラント回路30において冷却された低温側クーラントが車室内熱交換器41に送られる。ただし、加熱された高温側クーラントが車室内熱交換器41に送られる分だけ、強冷房モードに比べると冷房の程度が劣る。一方、高温側クーラント回路20において加熱された高温側クーラントの残部は、閉じた高温側クーラント回路20を循環する。
[弱暖房/除湿暖房モード]
弱暖房/除湿暖房モードは、図11の上段に示すように、第3電磁弁26および第4電磁弁36の双方がONされている。なお、第1流調弁25、第3流調弁27、第2流調弁35、第1電磁弁29および第2電磁弁39は、空調システム1における弱暖房/除湿暖房モードと同じである。
以上の通りであるから、弱暖房/除湿暖房モードにおいては、高温側クーラント回路20において加熱された高温側クーラントと低温側クーラント回路30において冷却された低温側クーラントが車室内熱交換器41に送られる。ただし、冷却された温側クーラントが車室内熱交換器41に送られる分だけ、強房モードに比べると房の程度が劣る。一方、温側クーラント回路30において加熱された温側クーラントの残部は、閉じた温側クーラント回路30を循環する。
[強暖房モード]
強暖房モードは、図11の下段に示すように、第3電磁弁26がON、第4電磁弁36がOFFされている。なお、第1流調弁25、第3流調弁27、第2流調弁35、第1電磁弁29および第2電磁弁39は、空調システム1における強房モードと同じである。
以上の通りであるから、強暖房モードにおいては、高温側クーラント回路20において加熱された高温側クーラントだけが車室内熱交換器41に送られ、車室内Inの暖房が実現される。一方、低温側クーラント回路30において加熱された低温側クーラントは、車室内熱交換器41に送られず、閉じられた低温側クーラント回路30を循環する。
[空調システム3の効果]
第3実施形態によれば、第1実施形態に加えて、以下の効果を奏する。
高温側クーラント回路20および低温側クーラント回路30に設けられる第3流調弁27に動作不良が起こった場合に、低温側クーラントと高温側クーラントの分配量が変動してしまう。そうすると、高温側循環ポンプ23、低温側循環ポンプ33にいわゆるエア噛みが発生する。ところが、第3実施形態によれば、第3流調弁27の代替としてクーラントタンク28、第3電磁弁26および第4電磁弁36を設けているので、高温側循環ポンプ23、低温側循環ポンプ33におけるエア噛みのおそれがない。
〔第4実施形態〕
次に、本発明における第4実施形態について、図12~図13を参照して説明する。
第4実施形態に係る空調システム4は、基本的な構成は第1実施形態に係る空調システム1と同じである。したがって、以下では空調システム1との相違点を中心に空調システム3について説明する。
[空調システム4の構成]
空調システム4は、図12に示すように、車室内熱交換器41に高温側クーラント回路20と低温側クーラント回路30がそれぞれ独立して接続される。しかも、低温側クーラントが流入する配管LL3はHVACユニット40における上流側に位置し、高温側クーラントが流入する配管LHは、HVACユニット40における流側に位置する。
ここで、空調システム1においては、高温側クーラント回路20の配管LH3と低温側クーラント回路30の配管LL3が合流点C2で合流する。したがって、空調システム1においては、弱冷房モードおよび弱暖房モードにおいて、高温側クーラントと低温側クーラントが混合状態となって、車室内熱交換器41に流入する。
また、空調システム4は、図12に示すように、第1接続管44が第1接続管44Aと第1接続管44Bに区分されており、それぞれが低温側クーラントと高温側クーラントに対応している。
なお、図12は、図1とブロア47の位置が異なっており、HVACユニット40の図中の上側が上流、下側が下流に該当する。
空調システム4における好ましい車室内熱交換器41が、図13に示されている。
車室内熱交換器41は、冷媒が流通する複数のチューブ62と複数のフィン64を交互に積層してなるコア61と、チューブ62の一端が接続される入口ヘッダ66およびチューブ62の他端が接続される出口ヘッダ68と、を備える。
チューブ62は、その軸方向に貫通する冷媒の流路を備える扁平断面の部材である。チューブ62は、熱伝導性に優れる銅又は銅合金、或いは、アルミニウム又はアルミニウム合金を押出し成形し、又は、板状素材をロール成形して作製される。
チューブ62は、高さ方向Hの両端が入口ヘッダ66および出口ヘッダ68に、例えばろう付けにより接合される。チューブ62は、高さ方向Hに沿って内部に形成される流路が入口ヘッダ66および出口ヘッダ68の流路と連通することで、チューブ62と入口ヘッダ66および出口ヘッダ68のそれぞれの間の冷媒の流通が確保される。
チューブ62は、高温側クーラントHCが流れる高温側流路63Hが内部に形成される高温側チューブ62Hと、低温側クーラントLCが流れる低温側流路63Cが内部に形成される低温側チューブ62Cと、からなる。高温側チューブ62Hと低温側チューブ62Cは、ダクト43に流入する空気Aの流れる向きを基準にして、低温側チューブ62Cが上流側に配置され、高温側チューブ62Hが下流側に配置される。
フィン64は例えば山折りと谷折りを交互に繰り返して成形されたコルゲートタイプのフィンを用いることがでる。フィン64は、チューブ62と同様の材料からなる板状素材を折り曲げ成形して一体的に成形される。
入口ヘッダ66は、幅方向W に沿って冷媒流路が形成される部材である。入口ヘッダ66は、高温側クーラントHCが流れる高温側流路67Hと、低温側クーラントLCが流れる低温側流路67Cと、を備えている。高温側流路67Hと低温側流路67Cとは、互いに独立して、高温側クーラントHCと低温側クーラントLCが流れる。
高温側流路67Hは、高温側チューブ62Hの高温側流路63Hと連通し、低温側流路67Cは、低温側チューブ62Cの低温側流路63Cと連通する。
出口ヘッダ68は、入口ヘッダ66と同様に、幅方向Wに沿って冷媒流路69が形成される部材である。ただし、出口ヘッダ68は一つの冷媒流路69だけが形成されており、高温側チューブ62Hの高温側流路63Hと低温側チューブ62Cの低温側流路63Cの双方が冷媒流路69に連通している。
以上のように構成される車室内熱交換器41における、高温側クーラントHCと低温側クーラントLCの流れは以下の通りである。
配管LH3を介して入口ヘッダ66の高温側流路67Hに流入した高温側クーラントHCは、高温側流路67Hに連通する複数の高温側流路63Hを流れ、出口ヘッダ68の冷媒流路69に至る。
配管LL3を介して入口ヘッダ66の低温側流路67Cに流入した低温側クーラントLCは、低温側流路67Cに連通する複数の低温側流路63Cを流れ、出口ヘッダ68の冷媒流路69に至る。
冷媒流路69に至った高温側クーラントHCと低温側クーラントLCは混合され、第2接続管45から流出する。
[空調システム4の動作]
次に、運転モードごとの空調システム3における動作を図14および図15に基づいて説明する。
空調システム4においても、強冷房モード、弱冷房モード、弱暖房・除湿暖房モードおよび強暖房モードの4つのモードのいずれかで動作する。空調システム4における4つの運転モードは、空調システム1おける4つの運転モードと基本的な動作は同じである。そこで、以下では車室内熱交換器41に高温側クーラント回路20と低温側クーラント回路30がそれぞれ独立して接続されることによる、空調システム1との相違点を中心に説明する。
[強冷房モード]
強冷房モードは、図14の上段に示すように、第1流調弁25、第3流調弁27、第2流調弁35、第1電磁弁29および第2電磁弁39は、空調システム1における強冷房モードと同じである。
以上の通りであるから、空調システムにおける強冷房モードにおいても、低温側クーラント回路30において冷却された低温側クーラントだけが車室内熱交換器41に送られ、車室内Inの冷房が実現される。一方、高温側クーラント回路20において加熱された高温側クーラントは、車室内熱交換器41に送られず、閉じた高温側クーラント回路20を循環する。
[弱冷房モード]
弱冷房モードは、図14の下段に示すように、第1流調弁25、第3流調弁27、第2流調弁35、第1電磁弁29および第2電磁弁39は、空調システム1における弱冷房モードと同じである。
以上の通りであるから、弱冷房モードにおいては、高温側クーラント回路20において加熱された高温側クーラントと低温側クーラント回路30において冷却された低温側クーラントが車室内熱交換器41に送られる。…であるから、車室内Inの冷房が実現される。ただし、加熱された高温側クーラントが車室内熱交換器41に送られる分だけ、強冷房モードに比べると冷房の程度が劣る。一方、高温側クーラント回路20において加熱された高温側クーラントの残部は、閉じた高温側クーラント回路20を循環する。
[弱暖房/除湿暖房モード]
弱暖房/除湿暖房モードは、図15の上段に示すように、第1流調弁25、第3流調弁27、第2流調弁35、第1電磁弁29および第2電磁弁39は、空調システム1における弱暖房/除湿暖房モードと同じである。
以上の通りであるから、弱暖房/除湿暖房モードにおいては、高温側クーラント回路20において加熱された高温側クーラントと低温側クーラント回路30において冷却された低温側クーラントが車室内熱交換器41に送られる。ただし、冷却された温側クーラントが車室内熱交換器41に送られる分だけ、強房モードに比べると房の程度が劣る。一方、温側クーラント回路30において加熱された温側クーラントの残部は、閉じた温側クーラント回路30を循環する。
[強暖房モード]
強暖房モードは、図15の下段に示すように、第1流調弁25、第3流調弁27、第2流調弁35、第1電磁弁29および第2電磁弁39は、空調システム1における強冷房モードと同じである。
以上の通りであるから、強暖房モードにおいては、高温側クーラント回路20において加熱された高温側クーラントだけが車室内熱交換器41に送られ、車室内Inの暖房が実現される。一方、低温側クーラント回路30において加熱された低温側クーラントは、車室内熱交換器41に送られず、閉じられた低温側クーラント回路30を循環する。
[空調システム4の効果]
第4実施形態の空調システム4によれば、車室内熱交換器41に高温側クーラント回路20と低温側クーラント回路30がそれぞれ独立して接続される。しかも、空調システム4によれば、低温側クーラントLCが流入する第1接続管44Aは、HVACユニット40における上流側に位置し、高温側クーラントHCが流入する第1接続管44Bは、HVACユニット40における下流側に位置する。したがって、空調システム4によれば、第1実施形態に加えて、以下の効果を奏する。
空調システム4によれば、HVACユニット40において熱交換する空気Aを昇温前に最大限除湿できる。したがって、空調システム4によれば、除湿された乾燥空気を快適な温度に加熱でき、車室内Inの快適性や窓曇り防止性が向上する。
[付記]
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限るものではない。
例えば、第1実施形態~第4実施形態は、HVACユニット40を一つだけ備えている。しかし、本発明に係る空調システムは、図16に示すように、高温側クーラント回路20および低温側クーラント回路30に対して複数、ここでは2つのHVACユニット40A、40Bを備える空調システム5とすることもできる。HVACユニット40Aは主に車両の前部座席の温調を担い、HVACユニット40Bは主に車両の後部座席の温調を担う。
空調システム5は、空調システム1に対して後部座席用のHVACユニット40Bが追加されている。この追加に伴って、空調システム5は空調システム1に対して以下の要素が追加されている。
高温側クーラント回路20においては、配管LH3の流路上に三方弁からなる第4流調弁24が設けられる。また、第4流調弁24には配管LH7の一端が接続され、この配管LH7の他端は合流点C6において低温側クーラント回路30の配管LL7とHVACユニット40Bの第5接続管48と合流する。
また、低温側クーラント回路30においては、配管LL3の流路上に三方弁からなる第5流調弁34が設けられる。また、第5流調弁34には配管LL7の一端が接続され、この配管LL7の他端は合流点C6において高温側クーラント回路20の配管LH7とHVACユニット40Bの第6接続管48と合流する。
第6接続管48は、一端がHVACユニット40Bの車室内熱交換器41Bに接続され、他端が合流点C7において第2接続管45と合流する。
また、図17に示すように、車室内Inの左右を独立して温度調整する機能を有するように、2つのHVACユニット40A,40Bを備える空調システム6とすることもできる。HVACユニット40A,40Bの他に空調システム6に追加される要素は、空調システム5と同様である
また、空調システムが、バッテリ冷却用ユニットを備える場合には、本発明の空調システムを用いることにより、冷却以外に、高温側クーラント回路20による高温側クーラントを適用することにより、冬期の立ち上り時にバッテリを加熱できる。
1,3,4,5,6 空調システム
10 ヒートポンプ回路
11 圧縮機
13 凝縮器
15 受液器
17 膨張弁
19 蒸発器
20 高温側クーラント回路
21 高温側熱交換器
22 排熱回収器
23 高温側循環ポンプ
24 第4流調弁
25 第1流調弁
26 第3電磁弁
27 第3流調弁
28 クーラントタンク
28A 高温側流出口
28B 低温側流出口
29 第1電磁弁
30 低温側クーラント回路
31 低温側熱交換器
33 低温側循環ポンプ
35 第2流調弁
36 第4電磁弁
37 排熱回収器
39 第2電磁弁
40,40A,40B HVACユニット
41 車室内熱交換器
43 ダクト
43A 吸込口
43B 吹出口
44 第1接続管
45 第2接続管
47 ブロア
51 車室外熱交換器
53 第3接続管
55 第4接続管
57 ファン
70 コントローラ
Out 車室外
In 車室内

Claims (8)

  1. 圧縮機と、凝縮器と、膨張弁と、蒸発器とをこの順に繋ぐ循環回路を備え、冷媒が前記圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸発器の順に循環されるヒートポンプ回路と、
    前記凝縮器との間で高温側クーラントが熱交換される高温側熱交換器を有する高温側クーラント回路と、
    前記蒸発器との間で低温側クーラントが熱交換される低温側熱交換器を有する低温側クーラント回路と、
    前記高温側クーラント回路において熱交換された前記高温側クーラントおよび前記低温側クーラント回路において熱交換された前記低温側クーラントの一方または双方が供給される車室内熱交換器と、
    前記高温側クーラント回路において熱交換された前記高温側クーラントおよび前記低温側クーラント回路において熱交換された前記低温側クーラントの一方または双方が供給される車室外熱交換器と、を備えるとともに、
    運転モードとして、強冷房モード、弱冷房モード、弱暖房モードおよび強暖房モードを備え、
    前記弱冷房モードは、
    前記高温側クーラント回路において熱交換された前記高温側クーラントおよび前記低温側クーラント回路において熱交換された前記低温側クーラントの双方が前記車室内熱交換器に供給され、
    前記車室内熱交換器に供給される前記低温側クーラントの方が前記高温側クーラントよりも供給量が多く、
    前記車室内熱交換器は、
    共通する流路を、前記高温側クーラントおよび前記低温側クーラントの一方または前記高温側クーラントおよび前記低温側クーラントが混合された混合クーラントが流れる空調システム。
  2. 前記強冷房モードは、
    前記低温側クーラント回路において熱交換された前記低温側クーラントだけが前記車室内熱交換器に供給され、
    前記高温側クーラント回路において熱交換された前記高温側クーラントだけが前記車室外熱交換器に供給される、
    請求項1に記載の空調システム。
  3. 前記弱暖房モードは、
    前記高温側クーラント回路において熱交換された前記高温側クーラントおよび前記低温側クーラント回路において熱交換された前記低温側クーラントの双方が前記車室内熱交換器に供給され、
    前記車室内熱交換器に供給される前記高温側クーラントの方が前記低温側クーラントよりも供給量が多い、
    請求項1または請求項2に記載の空調システム。
  4. 前記強暖房モードは、
    前記高温側クーラント回路において熱交換された前記高温側クーラントだけが前記車室内熱交換器に供給され、
    前記低温側クーラント回路において熱交換された前記低温側クーラントだけが前記車室外熱交換器に供給される、
    請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の空調システム。
  5. 前記高温側クーラント回路おいて、熱交換された前記高温側クーラントを前記車室内熱交換器および前記車室外熱交換器の一方または双方に供給するのを制御する第1流調弁と、
    前記低温側クーラント回路において、熱交換された前記低温側クーラントを前記車室内熱交換器および前記車室外熱交換器の一方または双方に供給するのを制御する第2流調弁と、
    前記車室内熱交換器から流出した前記高温側クーラントおよび前記低温側クーラントの一方または双方を前記高温側クーラント回路および前記低温側クーラント回路の一方または双方に供給するのを制御する第3流調弁と、を備える、
    請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の空調システム。
  6. 前記第3流調弁に替えて設けられる、前記高温側クーラントおよび前記低温側クーラントの一方または双方を一時的に貯留するクーラントタンクと、
    前記クーラントタンクに貯留された前記高温側クーラントおよび前記低温側クーラントの一方または双方は、前記高温側クーラント回路および前記低温側クーラント回路の一方または双方に供給するのを制御する制御弁と、を備える、
    請求項5に記載の空調システム。
  7. 前記車室内熱交換器は、
    前記低温側クーラント回路において熱交換された前記低温側クーラントが、前記高温側クーラント回路において熱交換された前記高温側クーラントよりも、前記車室内熱交換器で熱交換される空気の流れる向きの、上流側を流れる、
    請求項1~請求項6のいずれ一項に記載の空調システム。
  8. 前記車室内熱交換器は、
    前記高温側クーラントと前記低温側クーラントが独立して流れる高温側クーラント流路と低温側クーラント流路を備え、
    前記低温側クーラント流路が前記高温側クーラント流路よりも、前記上流側に配置される、
    請求項7に記載の空調システム。

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