JP2004182168A - 車両用空調装置 - Google Patents

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JP2004182168A JP2002354038A JP2002354038A JP2004182168A JP 2004182168 A JP2004182168 A JP 2004182168A JP 2002354038 A JP2002354038 A JP 2002354038A JP 2002354038 A JP2002354038 A JP 2002354038A JP 2004182168 A JP2004182168 A JP 2004182168A
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Abstract

【課題】冷房運転または除湿運転から暖房運転時に変更した時、車室内の窓ガラスが曇ることのないヒートポンプ式の車両用空調装置を提供する。
【解決手段】冷媒回路10は、コンプレッサ11と、空調ユニット30内にブロワファン31側から順に直列に配置された第1車内熱交換器12及び第2車内熱交換器13と、車外熱交換器14と、電子膨張弁15と、冷媒流れ方向を選択切換する三方弁16A,16Bと、クーラント熱交換器22とを具備して構成されている。ここで、第2車内熱交換器13を放熱専用とし、三方弁16A、16Bの操作により、冷媒を第2車内熱交換器13、車外熱交換器14及びクーラント熱交換器22の順に流す仮暖房運転モードを設けた。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒートポンプ式の車両用空調装置に係り、特に、冷房運転及び除湿運転から暖房運転に切り換える場合において窓ガラスが曇るのを防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用空調装置においては、コンプレッサから吐出された冷媒を循環させる冷媒回路(冷凍サイクル)の蒸発器により空調空気の冷却及び除湿を行い、車両走行用内燃機関の冷却水系から導入する温水を熱源として利用するヒータコアにより空調空気の加熱を行うように構成されている。この場合の冷媒回路は、ガス冷媒を圧縮するコンプレッサと、放熱器として機能する車外熱交換器と、高圧の冷媒を減圧する絞り機構と、蒸発器として機能する車内(内部)熱交換器とを具備して構成され、冷媒は一方向へ循環して状態変化を繰り返す。
【0003】
上述した車内熱交換器及びヒータコアは空調ユニット内に直列に配置され、空調空気とするために導入した車室内の空気(内気)または外気は、その全量が最初に車内熱交換器を通過する。そして、エアミックスダンパの開度に応じて、空調空気のヒータコア通過量が制御されるようになっている。
すなわち、コンプレッサの作動時には、車内熱交換器を通過する空調空気の全量が冷却及び除湿され、冷房及び除湿運転時にはそのまま選択された吹出口より車室内へ吹き出されるようになっている。また、エアミックスダンパの開度調整を行うことで、冷却及び除湿された空調空気の一部または全量をヒータコアで加熱することができるので、温度調整や除湿暖房が可能となっている。
【0004】
このように構成された従来の車両用空調装置は、内燃機関の冷却水系からヒータコアに温水を導入して暖房するように構成されているため、暖房を必要とする冬季のように外気温度が低い場合、内燃機関を始動してから冷却水が暖房に使用できる温度まで上昇するには時間を要していた。従って、暖房運転開始までにも時間を要し、しかも暖房開始直後の暖房能力が不足するというように、暖房運転の立ち上がりに問題があるため、乗員に良好な空調フィーリングを提供するためには即暖性や暖房性能の向上が望まれていた。
【0005】
このような背景から、暖房運転開始時等の暖房性能不足をコンプレッサにより高温高圧としたガス冷媒を用いて加熱することで補い、即暖性や暖房性能を高めるようにしたヒートポンプ式の自動車用空気調和装置が提案されている。
この空気調和装置では、冷凍サイクルに車内熱交換器及び補助内部熱交換器を直列に設けてあり、追加して設けた補助内部熱交換器は、空調ユニット内の空調空気流れ方向において車内熱交換器の下流側に配置されている。また、車外熱交換器をバイパスする冷媒配管や、コンプレッサへ戻す冷媒を冷却水系から導入した温水で加熱するようにしてサブ熱交換器(クーラント熱交換器)が設けられている。
【0006】
従って、空調ユニット内には上述した車内熱交換器及びヒータコアに加えて補助内部熱交換器が設置されることとなり、合計3台の熱交換器が存在している。
このような構成とすれば、暖房運転開始時等において車外熱交換器をバイパスするよう適宜冷媒の流路を切り換えれば、車外熱交換器に代えて補助内部熱交換器を放熱器として使用することができるので、この補助内部熱交換器の放熱によって空調空気の加熱を行うことが可能となる。(たとえば、特許文献1参照)
【0007】
【特許文献1】
特開平10−44758号公報(段落番号0031〜0042及び図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の車両用空調装置においては、下記のような問題を有している。
(1)空調ユニット内を流れる空調空気にとって大きな流路抵抗となる熱交換器が合計3台設置されているため、圧力損失が大きくなる。
(2)冷房運転時においても冷媒の流路抵抗となるサブ熱交換器を通過して流れるので、冷媒の圧力損失が増加することにより冷房性能が低下する。
(3)暖房運転時においては、一方の補助内部熱交換器しか放熱しない構成となっている。
【0009】
このような問題を解決するため、本発明者らは空調ユニット内に設置する車内熱交換器を二分割して直列に配置し、空調空気流れ方向の下流側に配置した一方の車内熱交換器を放熱専用にすると共に、上流側に配置した他方の車内熱交換器が冷暖房の運転モードに応じて放熱(暖房運転モード時)または吸熱(冷房運転モード時)するように構成して、暖房運転開始時等の暖房性能不足をコンプレッサにより高温高圧としたガス冷媒を用いて加熱することで補い、即暖性や暖房性能を高めると共に、空調空気の圧力損失や冷媒の圧力損失を低減して良好な空調性能が得られる車両用空調装置を提案している。なお、除湿運転モードは、実質的に冷房運転モード時と同様である。
【0010】
しかしながら、上述した構成の車両用空調装置においては、冷房運転もしくは除湿運転から暖房運転に変更された場合、次のような問題が懸念される。
すなわち、熱交換器の機能が吸熱(冷房運転)から放熱(暖房運転)に切り換えられる他方側の車内熱交換器においては、蒸発器として機能する吸熱時に凝縮した空気中の水分が凝縮水として熱交換器表面に付着している。このため、この車室内熱交換器が放熱器として機能する熱交換器に切り換えられて放熱するようになった初期段階には、熱交換器表面に付着している凝縮水が加熱を受けて蒸発し、この水蒸気が空調空気と共に車室内へ吹き出されて窓ガラスを曇らせることが懸念される。
【0011】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、冷房運転または除湿運転から暖房運転時に変更した場合であっても、車室内の窓ガラスが曇ることのないヒートポンプ式の車両用空調装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
請求項1に記載の車両用空調装置は、コンプレッサにより圧縮されたガス冷媒が冷媒回路を循環する冷媒流れ方向を切り換えることで車室内の空調を行うように構成されたヒートポンプ式の車両用空調装置であって、
前記冷媒回路が、ガス冷媒を圧縮するコンプレッサと、空調ユニット内に空気流れ上流側から順に直列に配置され、外気または室内気と冷媒との間で熱交換する第1車内熱交換器及び第2車内熱交換器と、外気と冷媒との間で熱交換する車外熱交換器と、冷媒を減圧する第1の絞り機構と、運転モードに応じて冷媒流れ方向を選択切換する冷媒流れ方向切換手段と、液冷媒と駆動装置冷却系から供給される駆動装置冷却媒体との間で熱交換を行うクーラント熱交換器とを具備して構成され、
前記第2車内熱交換器を放熱専用とし、
前記冷媒流れ方向切換手段の操作により、前記冷媒を前記第2車内熱交換器、前記車外熱交換器及び前記クーラント熱交換器の順に流す仮暖房運転モードを設けたことを特徴とするものである。
【0013】
このような車両用空調装置によれば、冷媒流れ方向切換手段の操作により、冷媒を第2車内熱交換器、車外熱交換器及びクーラント熱交換器の順に流す仮暖房運転モードを設けたので、この仮暖房運転モード時を実施することにより、高温の冷媒は第1車内熱交換器をバイパスして流れるようになる。このため、第1車内熱交換器に付着している凝縮水が冷媒の放熱で加熱されるようなことはなく、従って、蒸発した水蒸気が空調空気と共に車室内へ吹き出すようなこともない。
なお、第1車内熱交換器に付着している凝縮水は、空調空気の流れによって比較的短時間で消滅するので、仮暖房運転モードの実施は短時間でよい。
【0014】
請求項2に記載の車両用空調装置は、請求項1記載のものにおいて、前記冷媒回路が、前記車外熱交換器と前記クーラント熱交換器との間に第2の絞り機構を備えていることを特徴とするものであり、これにより、仮暖房運転モード時の冷凍サイクルにおいても高圧の冷媒が減圧されるため、クーラント熱交換器で吸熱する液冷媒のガス化が促進される。
この場合、前記第2の絞り機構については、固定絞りとしてコストを低減することも可能である。
【0015】
また、前記第1の絞り機構を電子膨張弁として仮暖房運転モード時に全閉とすれば、第1車内熱交換器が冷媒の流れから完全に遮断されるため、熱交換器内で凝縮して内部に溜まる液冷媒の量(冷媒の寝込み量)を最小限に抑えることができる。すなわち、冷媒回路を循環する冷媒量を充分に確保することができる。
さらに、前記仮暖房運転モードは、前記第2車内熱交換器の上流側に設置されているエアミックスダンパの全開時に暖房能力が不足した場合に実施するのが好ましく、これにより、仮暖房運転モードの実施は最小限に抑えられる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る車両用空調装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態の車両用空調装置を構成する冷媒回路(冷凍サイクル)において冷媒の流れを示すフローチャート、図2ないし図5は車両用空調装置の冷媒回路を示す構成図で、図2は冷房運転モードにおける冷媒の流れ、図3は暖房運転モードにおける冷媒の流れ、図4は仮暖房運転モードにおける冷媒の流れ、図5はホットキープ運転モードにおける冷媒の流れである。
【0017】
最初に、図2に基づいて車両用空調装置の冷媒回路構成を説明する。
図示の冷媒回路10は、ガス冷媒を圧縮するコンプレッサ11と、空調ユニット30内に設置された第1車内熱交換器12及び第2車内熱交換器13と、外気導入が容易な車体前端部近傍等に設置された車外熱交換器14と、第1の絞り機構として設けた電子膨張弁15と、冷媒流れ方向切換手段として設けた二つの三方弁16A,16Bとを具備し、これらの各機器間が冷媒管路17により連結されて閉回路を構成している。
なお、図中の符号18はコンプレッサ11から冷媒と共に流出する潤滑油を分離させて除去するオイルセパレータ、19は液冷媒がコンプレッサ11に吸引されないよう冷媒の気液分離を行うアキュムレータ、20は冷媒の温度及び圧力をそれぞれ検出するPTセンサ、21Aは冷媒の温度を検出する温度センサ、21Bは冷媒の圧力を検出する圧力センサである。
【0018】
そして、この実施形態の冷媒回路10は、クーラント熱交換器22を備えている。このクーラント熱交換器22は、駆動装置冷却系23とクーラント配管24を介して連結されており、暖房運転モード時にアキュムレータ19へ戻す液冷媒と高温のクーラントとの間で熱交換するように設置したものである。
ここで、駆動装置冷却系23の具体例をあげると、たとえば車両の駆動系に電力を供給する燃料電池や内燃機関等を冷却するクーラント循環系統を使用することができる。
【0019】
また、図中の符号25は、冷媒配管17に設けられて冷媒の流れ方向を規制する逆止弁である。この逆止弁25は、車外熱交換器14と電子膨張弁15との間を連結する冷媒配管17を流れる冷媒の流れ方向を、車外熱交換器14からクーラント熱交換器25の分岐点及び電子膨張弁15へ向けて流れる一方向に限定するために設けたものである。従って、逆止弁25の設置位置は、クーラント熱交換器22へ冷媒を流す分岐点よりも車外熱交換器14側となる。
【0020】
コンプレッサ11は、図示しない電動モータを駆動源として運転されてもよい。このコンプレッサ11では、アキュムレータ19からガス冷媒を吸引して圧縮し、冷媒回路10に送出する。
第1車内熱交換器12及び第2車内熱交換器13は、空調ユニット30において空調する空気、すなわち熱交換器を通過する車室外の空気(外気)または車室内の空気(内気)と熱交換器内部を流れる冷媒との間で熱交換するように構成したものである。この場合、空調ユニット30内には、ブロワファン31側から第1車内熱交換器12及び第2車内熱交換器13の順に、すなわち空調する空気の流れ方向において上流側から順に、適当な間隔を設けて順に直列に配置されている。なお、図2において、最上流にブロワファン31を設ける構成としたが、外気または室内気と冷媒との間での熱交換が、第1車内熱交換器12の次に第2車内熱交換器13において行われるのであれば、ブロワファン31の位置はこれに限られない。
【0021】
一方の第1車内熱交換器12は、冷媒回路10を循環する冷媒の流れ方向に応じて、蒸発器(冷房運転時)または放熱器(暖房運転時)として機能する。
また、他方の第2車内熱交換器13は、空調運転モードに係わらず冷媒の流れ方向は一定であり、いずれの空調運転モードにおいても、コンプレッサ11から高温高圧のガス冷媒が供給されるため、放熱器として機能する。
【0022】
車外熱交換器14は、車両の走行風や図示しないファンにより熱交換器を通過する外気と熱交換器内部を流れる冷媒との間で熱交換するように構成したものである。この車外熱交換器14は、上述した第1車内熱交換器12と同様に、冷媒回路10を循環する冷媒の流れ方向に応じて、放熱器(冷房運転時)として機能する。すなわち、この車外熱交換器14は、空調運転モードに応じて、第1車内熱交換器12が蒸発器として機能する冷房運転時には放熱器として機能するようになっている。
【0023】
電子膨張弁15は、第1車内熱交換器12と車外熱交換器14との間を連結する冷媒管路17に配設された絞り機構である。この電子膨張弁15は、開度調整により通過する冷媒を減圧する機能を有している。
また、この電子膨張弁15は、これを通過して流れる冷媒の流れ方向に制約はなく、従って、暖房運転時及び冷房運転時のように冷媒流れ方向が異なる場合であっても、1個を設置することで対応可能である。なお、この電子膨張弁15は、必要に応じて全閉とすることもできるため、冷媒管路17における液冷媒の流れを阻止することも可能である。
【0024】
三方弁16A,16Bは、いずれも冷媒管路17の適所に設置されている冷媒流れ方向切換手段である。これらの三方弁16A,16Bは、それぞれの弁操作により空調運転の運転モードに応じた冷媒の流れ方向を選択切換する機能を有している。図示の冷媒回路では二つの三方弁16A,16Bを1組とし、それぞれの流れ方向を適宜切り換えて空調運転の運転モード(すなわち冷媒の流れ方向)を設定する。
【0025】
図示の構成において、一方の三方弁16Aに設けられた各接続口には、第2車内熱交換器13、車外熱交換器14及び三方弁16Bを介してアキュムレータ19との間を連結する冷媒配管17が接続されている。
また、他方の三方弁16Bの各接続口には、それぞれが第1車内熱交換器12、クーラント熱交換器25及びアキュムレータ19との間を連結する冷媒配管17が接続されている。すなわち、クーラント熱交換器22は、車外熱交換器14と電子膨張弁15との間を連結している冷媒配管17から分岐して設けられ、三方弁16Bを操作することにより、冷媒がクーラント熱交換器22を通ってアキュムレータ19へ流れるように、あるいは、第1車内熱交換器12からアキュムレータ19へ流れるように選択切換することができる。
【0026】
空調ユニット30は、いわゆるHVAC(Heating, Ventilation, and Air−Conditioning)ユニットと呼ばれるものである。この空調ユニット30は、内気及び外気の導入口や各種吹出口を備えたケーシング内に、第1車内熱交換器12、第2車内熱交換器13、ブロワファン31、エアミックスダンパ32及び図示しない各種ダンパ類(内外気切換ダンパ及び各吹出ダンパ)が設けられている。
このように構成された空調ユニット30では、空調しようとする導入空気(内気または外気)がブロワファン31及び第1車内熱交換器12を通過して流れ、さらに、エアミックスダンパ32の開度に応じて第2車内熱交換器13を通過して流れる。この過程において、導入空気は第1車内熱交換器12及び第2車内熱交換器13に供給される冷媒と熱交換して空調空気となり、設定された吹出モードの吹出口より車室内に吹き出すこととなる。
【0027】
以下、上述した構成の冷媒回路10を備えた車両用空調装置について、各空調運転モードの作用を冷媒の流れと共に説明する。
この車両用空調装置には、少なくとも冷房運転モード、暖房運転モード、仮暖房運転モード及びホットキープ運転モードが設けられている。
【0028】
冷房運転モードにおいて、コンプレッサ11で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、図1のフローチャート及び図2の冷媒回路構成図に示すように、最初に第2車内熱交換器13へ導かれる。この時、空調ユニット30内を流れる導入空気が第2車内熱交換器13を通過して加熱を受けないようにするため、エアミックスダンパ32は最大の冷房能力を発揮する全閉位置とする。なお、エアミックスダンパ32の開度調整を行うことにより、導入空気の一部が第2車内熱交換器13を通過して加熱されるため、空調空気の温度調整が可能となる。
【0029】
第2車内熱交換器13を通過した高温高圧のガス冷媒は、三方弁16Aの設定により車外熱交換器14へ導かれる。なお、図中の三方弁16A,16Bにおいては、黒塗りして示した接続口が閉じられている。
車外熱交換器14に流れ込んだ高温高圧のガス冷媒は、外気との熱交換により放熱し、高圧の冷媒となる。すなわち、この場合の車外熱交換器14は、放熱器として機能している。
【0030】
車外熱交換器14で放熱した冷媒は、電子膨張弁15を通過することにより減圧されて低圧の液冷媒となる。この液冷媒は第1車内熱交換器12に流れ込んで導入空気と熱交換し、導入空気から吸熱して冷却する。この結果、液冷媒は気化して低温低圧のガス冷媒となり、また、冷却された導入空気は温度が低下して冷風となる。すなわち、この場合の第1車内熱交換器12は、蒸発器として機能している。
【0031】
第1車内熱交換器12で気化した低温低圧のガス冷媒は、三方弁16Bを通ってアキュムレータ19に導かれ、ここで気液の分離がなされる。そして、液分が分離除去された低温低圧のガス冷媒がコンプレッサ11に吸引され、以下同様の経路をたどって循環する。
このようにして、冷房運転モードの冷媒は、三方弁16A,16Bの設定により、コンプレッサ11、第2車内熱交換器13、車外熱交換器14、電子膨張弁15、第1車内熱交換器12、アキュムレータ19の順に流れ、再度コンプレッサ11に吸引されるという順序で冷媒配管17を循環する。
【0032】
暖房運転モードにおいて、コンプレッサ11で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、図1のフローチャート及び図3の冷媒回路構成図に示すように、最初は冷房運転モードと同様に第2車内熱交換器13へ導かれる。この時、空調ユニット30内を流れる導入空気が第2車内熱交換器13を通過して加熱を受けるようにするため、エアミックスダンパ32は全開位置とする。
この運転モードでは三方弁16A,16Bの設定が変わり、第2車内熱交換器13を通過した冷媒が第1車内熱交換器12に導かれるようになっている。すなわち、第2車内熱交換器13及び第1車内熱交換器12は冷媒配管17及び三方弁16Aを介して直列に接続され、両熱交換器共に高温高圧のガス冷媒が導入空気と熱交換して放熱する一体的な放熱器として機能する。
【0033】
この結果、空調ユニット30内を流れる導入空気は二段階の加熱を受け、温風となって所望の吹出口より車室内へ吹き出される。
この時、導入空気を加熱して空調空気とする空調ユニット30内の空調空気流れ方向(図3に白抜矢印で示す)において、すなわちブロワファン31から第1車内熱交換器12及び第2車内熱交換器13の方向へ流れる空調空気の流れ方向において下流側となる第2車内熱交換器13に対し、コンプレッサ11から高温高圧のガス冷媒を先に供給した後、空調空気の流れ方向において上流側となる第1車内熱交換器12に導くようにしてある。このため、コンプレッサ11から供給される高温高圧のガス冷媒が第2車内熱交換器13で最終的な加熱を行い、この第2車内熱交換器13で温度低下した高温高圧のガス冷媒が第1車内熱交換器12で最初の加熱を行うことになる。
【0034】
このような加熱順序とすれば、すなわち空調空気の流れ方向と高温高圧のガス冷媒の流れ方向とが対向流となる加熱順序とすれば、最終的な加熱がより高温の冷媒によって行われるので、空調空気の温風温度が高くなって良好な暖房性能を得ることができる。
特に、近年代替フロンとして大きな注目を集めている自然冷媒のCO を採用する場合には、温度勾配が大きいという特性を有しているため、第2車内熱交換器13と第1車内熱交換器12との温度差が大きくなる。このため、上述した対向流とすれば、最終的な加熱温度が高くなって良好な暖房効率を得ることができる。
【0035】
しかしながら、これとは反対に空調空気と冷媒とが同方向に流れる並行流とすれば、すなわちコンプレッサ11から最初に第1車内熱交換器12へ高温高圧のガス冷媒を導入して導入空気を加熱し、その後に第2車内熱交換器13へ温度低下したガス冷媒を供給して最終的な加熱をするように構成すれば、最初の加熱温度に比べて温度勾配が大きい分だけ最終的な加熱温度が低下するので、空調空気の温風温度が低下して暖房効率の面で不利になる。しかも、諸条件によっては第1車室内熱交換器12で加熱された空調空気の温度より第2車室内熱交換器13の加熱温度が低くなることも考えられるため、せっかく加熱した空調空気の温風温度を低下させるという不都合が生じることもある。
なお、上述したCO 冷媒のように温度勾配が大きい冷媒を使用しない場合には、暖房効率の面では対向流の方が有利ではあるものの、温度差が小さいため並行流の構成を採用してもよい。
【0036】
一方、放熱したガス冷媒は放熱して高圧の冷媒となり、電子膨張弁15を通って減圧された後、三方弁16Bの設定及び逆止弁25の存在により、低圧の液冷媒としてクーラント熱交換器22へ導かれる。この液冷媒は、クーラント熱交換器22に流れ込んで高温のクーラントと熱交換し、クーラントから吸熱して気化する。すなわち、この構成の冷媒回路10では、蒸発器として車外熱交換器14を使用することはなく、車両駆動装置を冷却することによって得られた廃熱を保有する高温のクーラント(駆動装置冷却媒体)で液冷媒を加熱するクーラント熱交換器22が蒸発器として機能している。
クーラント熱交換器22で気化した低温低圧のガス冷媒は、三方弁16Bを通ってアキュムレータ19に導かれ、ここで気液の分離がなされる。そして、液分が分離除去された低温低圧のガス冷媒がコンプレッサ11に吸引され、以下同様の経路をたどって循環する。
【0037】
このようにして、暖房運転モードの冷媒は、三方弁16A,16Bの設定により、コンプレッサ11、第2車内熱交換器13、第1車内熱交換器12、電子膨張弁15、クーラント熱交換器22、アキュムレータ19の順に流れ、再度コンプレッサ11に吸引されるという順序で冷媒配管17を循環する。
【0038】
次に、本発明の特徴である仮暖房運転モードについて、図1のフローチャート及び図4の冷媒回路構成図に基づいて説明する。
この運転モードは、上述した冷房運転モード(除湿を含む)から暖房運転モードに切り換えた場合において、たとえば所定の条件を満たした場合に選択して実施されるものである。
【0039】
この仮暖房運転モードでは、コンプレッサ11で圧縮されたガス冷媒は、上述した暖房運転モードと同様に第2車内熱交換器13へ導かれる。この時、空調ユニット30内を流れる導入空気が第2車内熱交換器13を通過して加熱を受けるようにするため、エアミックスダンパ32は全開位置とする。
この仮暖房運転モードになると、暖房運転モードと三方弁16Aの設定が異なり、第2車内熱交換器13を通過した冷媒は、冷房運転モードと同様に車外熱交換器14へ導かれる。すなわち、第2車内熱交換器13及び車外熱交換器14は冷媒配管17及び三方弁16Aを介して直列に接続され、両熱交換器共にガス冷媒が導入空気と熱交換して放熱する放熱器として機能する。
【0040】
第2車内熱交換器13及び車外熱交換器14で放熱したガス冷媒は冷媒配管17及び逆止弁25を通ってクーラント熱交換器22へ導かれる。このような冷媒の流れは三方弁16Bの設定によるものであり、クーラント熱交換器22に流れ込んだ液冷媒は、高温のクーラントと熱交換することにより、クーラントから吸熱して気化する。すなわち、この運転モードにおける冷媒回路10では、高温のクーラント(駆動装置冷却媒体)で液冷媒を加熱するクーラント熱交換器22が蒸発器として機能している。
クーラント熱交換器22で気化した低温低圧のガス冷媒は、三方弁16Bを通ってアキュムレータ19に導かれ、ここで気液の分離がなされる。そして、液分が分離除去された低温低圧のガス冷媒がコンプレッサ11に吸引され、以下同様の経路をたどって循環する。
【0041】
このようにして、仮暖房運転モードの冷媒は、三方弁16A,16Bの設定により、コンプレッサ11、第2車内熱交換器13、車外熱交換器14、クーラント熱交換器22、アキュムレータ19の順に流れ、再度コンプレッサ11に吸引されるという順序で冷媒配管17を循環する。すなわち、冷媒は第1熱交換器12をバイパスして流れることとなり、空調ユニット30内では、第2車内熱交換器13単独で導入空気の加熱(仮暖房)が行われる。
【0042】
上述した仮暖房運転モードは、第1車内熱交換器12を蒸発器として使用する冷房運転モードから放熱器として使用する暖房運転モードに切り換える時、暖房運転モードを実施する前に所定時間実施することにより、車室内に水蒸気が吹き出されて曇るのを防止するものである。以下、この作用について、具体的に説明する。
蒸発器として機能している冷房時の第1車内熱交換器12においては、空調ユニット30に導入して空調される導入空気から冷媒が吸熱して冷却するので、空気中の水分は凝縮して熱交換器表面に付着する。この凝縮水は第1車内熱交換器12の下方へ滴下して順次排水されるが、運転モードを変更して蒸発器から放熱器に変わった場合、熱交換器の全面から凝縮水を完全になくするためにはある程度の時間がかかる。このため、放熱器として機能する第1車内熱交換器12においては、凝縮水を加熱して蒸発させるため、この水蒸気が空調空気と共に車室内へ吹き出されて窓ガラスを曇らせることが懸念される。
【0043】
そこで、上述した仮暖房運転モードを選択して実施すると、冷媒は第1車内熱交換器12をバイパスして流れるので、放熱器として凝縮水を加熱する作用は生じない。この間、第1車内熱交換器12に付着している凝縮水は滴下し排出されるため,比較的短時間の内に除去されるので、所定時間経過後に通常の暖房運転モードに移行すればよい。
仮暖房運転モードを継続する所定時間は、たとえば空調ユニット30内に設置されたブロワファン31の運転速度、導入空気の種類(内気または外気)及び導入空気の吸込温度等の諸条件を考慮して決めればよい。
【0044】
また、上述した仮暖房運転モードは、冷房運転モードから暖房運転モードに変更されたときに必ず実施するようにしてもよい。すなわち、冷房運転モードにて第2車内熱交換器13の上流側に設置されているエアミックスダンパ32を全開にして最大の暖房能力を要求する場合で、かつ、暖房能力が不足する場合に上述した仮暖房運転モードを実施するばよい。このような条件においては,通常の暖房運転モードを実施すると、コンプレッサ11から吐出される高温高圧のガス冷媒量が第1車内熱交換器12に付着している凝縮水の加熱することとなる。そのため蒸発した水蒸気及び導入空気の全量が第2車内熱交換器13を通過して加熱されるので、凝縮水の水蒸気は復水することなく略全量がそのまま車室内へ吹き出される。従って、車室内の窓ガラスを曇らせる水蒸気量が増加するので、このような条件の時にのみ仮暖房運転モードを実施することで、仮暖房運転モードの実施を最小限に抑えることができる。
なお、暖房能力の不足については、空調空気の吹出し温度を検出する図示省略の温度センサによる検出値から判断すればよい。
【0045】
次に、暖房運転開始の初期に実施するホットキープ運転モードについて説明する。このホットキープ運転モードにおいて、コンプレッサ11で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、図1のフローチャート及び図5の冷媒回路構成図に示すように、最初に第2車内熱交換器13を通過した後、三方弁16A,16Bの設定により、第1車内熱交換器12、電子膨張弁15、クーラント熱交換器22及び車外熱交換器14をバイパスしてアキュムレータ19に導かれる。この時、電子膨張弁15は全閉の状態とするのが好ましい。
【0046】
このようなホットキープ運転モードでは、コンプレッサ11で圧縮されたガス冷媒が、第2車内熱交換器13における比較的小さな放熱をするのみで冷媒回路を循環する。このため、比較的小さな温度低下をした高温のガス冷媒がアキュムレータ19に吸入されるようになり、従って、この循環を繰り返すことによりアキュムレータ19に吸入するガス冷媒の温度は短時間のうちに上昇する。
【0047】
こうしてアキュムレータ19に吸入するガス冷媒の温度が上昇すると、コンプレッサ11の吸入側の冷媒密度が高くなるので、実質的な冷媒循環量が増加することにより熱交換能力が向上する。換言すれば、実質的な冷媒循環量が増加した分だけ熱交換の仕事量も増加するので、適当な時間だけホットキープ運転モードを実施した後に上述した通常の暖房運転モードに切り換えれば、充分な暖房能力を得られる暖房運転が可能になる。従って、最初から通常の暖房運転を実施した場合と比較して、短時間のうちに充分な暖房能力を得ることができる。すなわち、暖房運転開始時における立ち上がり時間を短縮することができる。
【0048】
ところで、上述したホットキープ運転モードは、第2車内熱交換器13に係わる温度が所定値以下の場合、あるいは、コンプレッサ11に係わる温度が所定値以下の場合に実施する。すなわち、冷媒温度が低いことを検出して実施する。
第2車内熱交換器13に係わる温度は、たとえばPTセンサ20で検出した冷媒の圧力または温度から判断することができる。一方、コンプレッサ11に係わる温度についても、PTセンサ20で検出した冷媒の圧力または温度、あるいは圧力センサ22で検出した圧力から判断することもできる。
【0049】
また、上述したホットキープ運転モードは、従来一般に使用されている四方弁に代えて、冷媒回路10の適所に配設した二つの三方弁16A,16Bを採用することにより、比較的簡単な冷媒回路構成として実現することができる。なお、四方弁を用いた従来の一般的な冷媒回路は、そのままではホットキープ運転を実施することはできないため、これを実現するためには開閉弁や冷媒配管の追加などが必要となって複雑な回路構成となる。
【0050】
続いて、上述した第1の実施形態の第1変形例を図6に基づいて簡単に説明する。なお、図6は仮暖房運転モードにおける冷媒の流れを示す冷媒回路の構成図であり、上述した第1の実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この第1変形例では、上述した実施形態とは異なり、仮暖房運転モード時に電子膨張弁15を全閉として、第1車内熱交換器12を冷媒の循環から完全に遮断している。このため、第1車内熱交換器12においては、運転モード切換時に存在している冷媒量が増加するようなことはなく、従って、熱交換器内部に液冷媒が溜まる寝込み量を最小限に抑えることができる。
【0051】
このような冷媒の寝込みは、たとえば暖房運転を必要とするような状況で温度の低い導入空気が第1車内熱交換器12を通過すると、熱交換器内部に残った冷媒が導入空気に冷却されて凝縮し、液冷媒となって熱交換器内部に溜まる現象のことである。冷媒の寝込み量が増加すると、冷媒回路を循環する冷媒量が減少するため、冷媒の仕事量(熱交換能力)を確保できなくなるといった問題が生じるが、第1の絞り機構として電子膨張弁15を採用し、仮暖房運転モード時に電子膨張弁15を全閉とした運転を実施することで、この問題は解決される。
【0052】
続いて、上述した第1の実施形態の第2変形例を図7に基づいて簡単に説明する。なお、図7は仮暖房運転モードにおける冷媒の流れを示す冷媒回路の構成図であり、上述した第1の実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
第2変形例の冷媒回路10Aでは、上述した三方弁16Aに代えて、冷媒流れ方向切換手段として二つの電磁弁26A,26Bが採用されている。このような構成の冷媒回路10Aとしても、電磁弁26A,26Bの開閉状態を適宜組み合わせることにより、三方弁16Aと同様の運転モード切換が可能となる。
なお、この構成の冷媒回路においても、電子膨張弁15を全閉として冷媒の寝込み量を抑制することが好ましい。
【0053】
続いて、上述した第1の実施形態の第3変形例を図8に基づいて簡単に説明する。なお、図8は仮暖房運転モードにおける冷媒の流れを示す冷媒回路の構成図であり、上述した第1の実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
第3変形例の冷媒回路10Bでは、第2の絞り機構として電子膨張弁27を設けてある。この電子膨張弁27は、車外熱交換器14とクーラント熱交換器22との間を連結する冷媒配管17に設けられており、図示の例では、車外熱交換器14と第1車内熱交換器12との間を連結する冷媒配管17から分岐してクーラント熱交換器22に連結されている冷媒配管に設けられている。
【0054】
このような構成の冷媒回路10Bとすれば、仮暖房運転モード時の冷凍サイクルにおいても、上述した実施形態にはない高圧の冷媒を減圧する絞り機構が、蒸発器として機能するクーラント熱交換器22の上流側に設けられている。このため、クーラント熱交換器22には減圧された低圧の液冷媒が供給されるようになるので、クーラント熱交換器22における液冷媒の気化が促進される。
なお、この場合の仮暖房運転モードにおいても、上述した第1変形例(図6参照)と同様にして、電子膨張弁15を全閉とするのが好ましい。
【0055】
また、この場合の絞り機構は、上述した電子膨張弁27に限定されることはなく、たとえばキャピラリーチューブのような固定絞りを採用してコストを削減してもよい。
さらに、第2の絞り機構を追加して設けた第3変形例の構成は、上述した第2変形例(図7参照)のように、三方弁16Aに代えて二つの電磁弁26A,26Bを採用した冷媒回路にも適用可能である。
【0056】
<第2の実施形態>
図9は、本実施形態の車両用空調装置を構成する冷媒回路(冷凍サイクル)において冷媒の流れを示すフローチャート、図10ないし図13は車両用空調装置の冷媒回路を示す構成図で、図10は冷房運転モードにおける冷媒の流れ、図11は暖房運転モードにおける冷媒の流れ、図12は仮暖房運転モードにおける冷媒の流れ、図13はホットキープ運転モードにおける冷媒の流れである。なお、図9ないし図13においては、上述した第1の実施形態と同様の構成部品には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0057】
さて、この実施形態の冷媒回路10Cでは、上述した第1の実施形態にはない内部熱交換器28を備えている。この内部熱交換器28は、コンプレッサ11に吸入されるガス冷媒と、車外熱交換器14と電子膨張弁15との間を連結する冷媒配管17を流れる冷媒との間で、熱交換を行うように構成したものである。なお、冷媒回路10Cの他の構成については、上述した第1の実施形態(図2〜図5)と同様である。
【0058】
このようにして内部熱交換器28を設けると、冷房運転モード時において、図9及び図10に基づいて以下に説明するような機能を発揮する。この冷房運転モードでは、コンプレッサ11で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、最初に第2車内熱交換器13へ導かれる。この時、空調ユニット30内を流れる導入空気が第2車内熱交換器13を通過して加熱を受けないようにするため、エアミックスダンパ32は最大の冷房能力を発揮する全閉位置とする。なお、エアミックスダンパ32の開度調整を行うことにより、導入空気の一部が第2車内熱交換器13を通過して加熱されるため、空調空気の温度調整が可能となる。
【0059】
第2車内熱交換器13を通過した高温高圧のガス冷媒は、三方弁16Aの設定により車外熱交換器14へ導かれる。なお、図中の三方弁16A,16Bにおいては、黒塗りして示した接続口が閉じられている。
車外熱交換器14に流れ込んだ高温高圧のガス冷媒は、外気との熱交換により放熱し、放熱して高圧の冷媒となる。すなわち、この場合の車外熱交換器14は、放熱器として機能している。
【0060】
車外熱交換器14で放熱した高圧冷媒は比較的温度が高く、内部熱交換器28に導かれて後述する第1車内熱交換器12で気化してアキュムレータ19で気液分離されたガス冷媒と熱交換する。ここでの熱交換は、高圧冷媒が放熱してコンプレッサ11に吸引される低温低圧のガス冷媒を昇温させる。
内部熱交換器28を通過して温度低下した高圧冷媒は、電子膨張弁15を通過することにより減圧されて低温低圧の液冷媒となる。この液冷媒は第1車内熱交換器12に流れ込んで導入空気と熱交換し、導入空気から吸熱して冷却する。この結果、液冷媒は気化して低温低圧のガス冷媒となり、また、冷却された導入空気は温度が低下して冷風となる。すなわち、この場合の第1車内熱交換器12は、蒸発器として機能している。
【0061】
第1車内熱交換器12で気化した低温低圧のガス冷媒は、三方弁16Bを通ってアキュムレータ19に導かれ、ここで気液の分離がなされる。そして、液分が分離除去された低温低圧のガス冷媒が内部熱交換器28を通過する際に加熱される。
なお、車外熱交換器14の出口冷媒が更に冷却され、第1車内熱交換器12の入口エンタルピを低下させ、第1車内熱交換器12におけるエンタルピ差を増加させる。このエンタルピ差の増加が、温度上昇により密度の薄くなったコンプレッサ吸入ガスによる冷媒循環量の低下に打ち勝ち、冷房能力が増加する。そして、コンプレッサ11に吸引されて圧縮されたガス冷媒は、以下同様の経路をたどって冷媒回路10Bを循環する。
【0062】
このようにして、冷房運転モードの冷媒は、三方弁16A,16Bの設定により、コンプレッサ11、第2車内熱交換器13、車外熱交換器14、内部熱交換器28、電子膨張弁15、第1車内熱交換器12、アキュムレータ19、内部熱交換器28の順に状態変化を繰り返しながら流れ、再度コンプレッサ11に吸引されるという順序で冷媒配管17を循環する。
従って、上述した第1の実施形態にはなかった内部熱交換器28を追加して設けたことにより、冷房運転モード時における冷房能力が向上する。
【0063】
暖房運転モードにおいて、コンプレッサ11で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、図9のフローチャート及び図11の冷媒回路構成図に示すように、最初は冷房運転モードと同様に第2車内熱交換器13へ導かれる。この時、空調ユニット30内を流れる導入空気が第2車内熱交換器13を通過して加熱を受けるようにするため、エアミックスダンパ32は全開位置とする。
【0064】
この運転モードでは三方弁16A,16Bの設定が変わり、第2車内熱交換器13を通過した冷媒が第1車内熱交換器12に導かれるようになっている。すなわち、第2車内熱交換器13及び第1車内熱交換器12は冷媒配管17及び三方弁16Aを介して直列に接続され、両熱交換器共に高温高圧のガス冷媒が導入空気と熱交換して放熱する一体的な放熱器として機能する。
この結果、空調ユニット30内を流れる導入空気は二段階の加熱を受け、温風となって所望の吹出口より車室内へ吹き出される。
【0065】
この時、導入空気を加熱して空調空気とする空調ユニット30内の空調空気流れ方向(図11に白抜矢印で示す)において下流側となる第2車内熱交換器13に対し、コンプレッサ11から高温高圧のガス冷媒を先に供給した後、上流側となる第1車内熱交換器12に導くようにしてある。このため、コンプレッサ11から供給される高温高圧のガス冷媒が第2車内熱交換器13で最終的な加熱を行い、この第2車内熱交換器13で温度低下した高温高圧のガス冷媒が第1車内熱交換器12で最初の加熱を行うことになる。
このように空調空気の流れ方向と高温高圧のガス冷媒の流れ方向とが対向流となる加熱順序とすれば、最終的な加熱がより高温の冷媒によって行われるので、空調空気の温風温度が高くなって良好な暖房性能を得ることができるので、近年代替フロンとして大きな注目を集めている自然冷媒のCO を採用する場合に好適である。
【0066】
一方、放熱したガス冷媒は放熱して高圧の冷媒となり、電子膨張弁15を通って減圧された後、三方弁16Bの設定及び逆止弁25の存在により、低圧の液冷媒としてクーラント熱交換器22へ導かれる。この液冷媒は、クーラント熱交換器22に流れ込んで高温のクーラントと熱交換し、クーラントから吸熱して気化する。すなわち、この構成の冷媒回路10では、蒸発器として車外熱交換器14を使用することはなく、車両駆動装置を冷却することによって得られた廃熱を保有する高温のクーラント(駆動装置冷却媒体)で液冷媒を加熱するクーラント熱交換器22が蒸発器として機能している。
【0067】
クーラント熱交換器22で気化した低温低圧のガス冷媒は、三方弁16Bを通ってアキュムレータ19に導かれ、ここで気液の分離がなされる。そして、液分が分離除去された低温低圧のガス冷媒は、内部熱交換器28を通過してコンプレッサ11に吸引され、以下同様の経路をたどって循環する。なお、この運転モードにおける内部熱交換器28は、車外熱交換器14を通過する冷媒の流れがないため、単にガス冷媒が通過するだけとなる。
【0068】
このようにして、暖房運転モードの冷媒は、三方弁16A,16Bの設定により、コンプレッサ11、第2車内熱交換器13、第1車内熱交換器12、電子膨張弁15、クーラント熱交換器22、アキュムレータ19、内部熱交換器28の順に流れ、再度コンプレッサ11に吸引されるという順序で冷媒配管17を循環する。
【0069】
次に、本発明の特徴である仮暖房運転モードについて、図9のフローチャート及び図12の冷媒回路構成図に基づいて説明する。
この運転モードは、上述した冷房運転モード(除湿を含む)から暖房運転モードに切り換えた場合において、たとえば所定の条件を満たした場合に選択して実施されるものである。
【0070】
この仮暖房運転モードでは、コンプレッサ11で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、上述した暖房運転モードと同様に第2車内熱交換器13へ導かれる。この時、空調ユニット30内を流れる導入空気が第2車内熱交換器13を通過して加熱を受けるようにするため、エアミックスダンパ32は全開位置とする。
この仮暖房運転モードになると、暖房運転モードと三方弁16Aの設定が異なり、第2車内熱交換器13を通過した冷媒は、冷房運転モードと同様に車外熱交換器14へ導かれる。すなわち、第2車内熱交換器13及び車外熱交換器14は冷媒配管17及び三方弁16Aを介して直列に接続され、両熱交換器共に高温高圧のガス冷媒が導入空気と熱交換して放熱する放熱器として機能する。
【0071】
第2車内熱交換器13及び車外熱交換器14で放熱したガス冷媒は放熱して高圧の冷媒となり、比較的温度の高い冷媒が内部熱交換器28に導かれる。内部熱交換器28に導かれた冷媒は、アキュムレータ19で気液分離されてコンプレッサ11に吸引されるガス冷媒と熱交換して加熱する。
こうして内部熱交換器28で温度低下した冷媒は、三方弁16Bの設定により冷媒配管17及び逆止弁25を通ってクーラント熱交換器22へ導かれる。クーラント熱交換器22に流れ込んだ冷媒は、高温のクーラントと熱交換することにより、クーラントから吸熱する。
【0072】
クーラント熱交換器22で吸熱した低温低圧のガス冷媒は、三方弁16Bを通ってアキュムレータ19に導かれ、ここで気液の分離がなされる。そして、液分が分離除去された低温低圧のガス冷媒が内部熱交換器28を通ってコンプレッサ11に吸引され、以下同様の経路をたどって循環する。
なお、車外熱交換器14の出口冷媒が更に冷却され、クーラント熱交換器22の入口エンタルピを低下させ、クーラント熱交換器22におけるエンタルピ差を増加させる。このエンタルピ差の増加が、温度上昇により密度の薄くなったコンプレッサ吸入ガスによる冷媒循環量の低下に打ち勝ち、暖房能力が増加する。
【0073】
このようにして、仮暖房運転モードの冷媒は、三方弁16A,16Bの設定により、コンプレッサ11、第2車内熱交換器13、車外熱交換器14、内部熱交換器28,クーラント熱交換器22、アキュムレータ19、内部熱交換器28の順に流れ、再度コンプレッサ11に吸引されるという順序で冷媒配管17を循環する。すなわち、冷媒は第1熱交換器12をバイパスして流れることとなり、空調ユニット30内では、内部熱交換器28の設置により加熱能力が向上した第2車内熱交換器13単独で、導入空気の加熱(仮暖房)が行われる。
【0074】
このようにして仮暖房運転モードを実施すれば、上述した第1の実施形態と同様に、第1車内熱交換器12を放熱器として使用する冷房運転モードから蒸発器として使用する暖房運転モードに切り換える時、暖房運転モードを実施する前に所定時間実施することにより、車室内に水蒸気が吹き出されて曇るのを防止することができる。
なお、仮暖房運転モードを継続する所定時間は、たとえば空調ユニット30内に設置されたブロワファン31の運転速度、導入空気の種類(内気または外気)及び導入空気の吸込温度等の諸条件を考慮して決めればよい。
【0075】
また、上述した仮暖房運転モードは、冷房運転モードから暖房運転モードに変更されたときに必ず実施するようにしてもよいが、より暖房能力の大きい暖房運転モードをできるだけ早く実施するため、第2車内熱交換器13の上流側に設置されているエアミックスダンパ32を全開にして最大の暖房能力を要求する場合で、かつ、暖房能力が不足する場合に上述した仮暖房運転モードを実施すればよい。
【0076】
また、この実施形態の仮暖房運転モード時においても、電子膨張弁15を全閉とし、第1車内熱交換器12を冷媒の循環から完全に遮断するのが好ましい。これにより、第1車内熱交換器12においては、運転モード切換時に存在している冷媒量が増加するようなことはなく、従って、熱交換器内部に液冷媒が溜まる寝込み量を最小限に抑えることができる。
【0077】
次に、暖房運転開始の初期に実施するホットキープ運転モードについて説明する。このホットキープ運転モードにおいて、コンプレッサ11で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、図9のフローチャート及び図13の冷媒回路構成図に示すように、最初に第2車内熱交換器13を通過した後、三方弁16A,16Bの設定により、第1車内熱交換器12、電子膨張弁15、クーラント熱交換器22及び車外熱交換器14をバイパスしてアキュムレータ19に導かれる。この時、電子膨張弁15は全閉の状態とするのが好ましい。
【0078】
このようなホットキープ運転モードでは、コンプレッサ11で圧縮されたガス冷媒が、第2車内熱交換器13における比較的小さな放熱をするのみで冷媒回路を循環する。このため、比較的小さな温度低下をした高温のガス冷媒がアキュムレータ19に吸入されるようになり、従って、この循環を繰り返すことによりアキュムレータ19に吸入するガス冷媒の温度は短時間のうちに上昇する。
なお、この運転モードにおける内部熱交換器28は、車外熱交換器14を通過する冷媒の流れがないため、単にガス冷媒が通過するだけとなる。
【0079】
こうしてアキュムレータ19に吸入するガス冷媒の温度が上昇すると、コンプレッサ吸入側の冷媒密度が高くなるので、実質的な冷媒循環量が増加することにより熱交換能力が向上する。従って、最初から通常の暖房運転を実施した場合と比較して、短時間のうちに充分な暖房能力を得ることができる。すなわち、暖房運転開始時における立ち上がり時間を短縮することができる。
【0080】
続いて、上述した第2の実施形態の第1変形例を図14に基づいて簡単に説明する。なお、図14は仮暖房運転モードにおける冷媒の流れを示す冷媒回路の構成図であり、上述した第2の実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
第1変形例の冷媒回路10Dでは、上述した三方弁16Aに代えて、二つの電磁弁26A,26Bが採用されている。すなわち、上述した第1の実施形態における第2変形例と同様の構成を採用している。このような構成の冷媒回路10Dとしても、電磁弁26A,26Bの開閉状態を適宜組み合わせることにより、三方弁16Aと同様の運転モード切換が可能となる。
なお、この構成の冷媒回路においても、電子膨張弁15を全閉として冷媒の寝込み量を抑制することが好ましい。
【0081】
続いて、上述した第2の実施形態の第2変形例を図15に基づいて簡単に説明する。なお、図15は仮暖房運転モードにおける冷媒の流れを示す冷媒回路の構成図であり、上述した第2の実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
第2変形例の冷媒回路10Eでは、第2の絞り機構として電子膨張弁27を設けてある。この電子膨張弁27は、車外熱交換器14とクーラント熱交換器22との間を連結する冷媒配管17に設けられており、図示の例では、車外熱交換器14と第1車内熱交換器12との間を連結する冷媒配管17から分岐してクーラント熱交換器22に連結されている冷媒配管に設けられている。
【0082】
このような構成の冷媒回路10Eとすれば、仮暖房運転モード時の冷凍サイクルにおいても、上述した実施形態にはない高圧の冷媒を減圧する絞り機構が、蒸発器として機能するクーラント熱交換器22の上流側に設けられている。このため、クーラント熱交換器22には減圧された低圧の液冷媒が供給されるようになるので、クーラント熱交換器22における液冷媒の気化が促進される。
なお、この場合の仮暖房運転モードにおいても、上述した実施形態の説明と同様にして、電子膨張弁15を全閉とするのが好ましい。
【0083】
また、この場合の絞り機構は、上述した電子膨張弁27に限定されることはなく、たとえばキャピラリーチューブのような固定絞りを採用してコストを削減してもよい。
さらに、第2の絞り機構を追加して設けた第2変形例の構成は、上述した第1変形例(図14参照)のように、三方弁16Aに代えて二つの電磁弁26A,26Bを採用した冷媒回路にも適用可能である。
【0084】
なお、本発明の構成は上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することが可能であることは言うまでもない。
【0085】
【発明の効果】
本発明の車両用空調装置によれば、以下の効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、冷媒流れ方向切換手段の操作により、冷媒を第2車内熱交換器、車外熱交換器及びクーラント熱交換器の順に流す仮暖房運転モードを設けたので、この仮暖房運転モード時を実施することにより、高温の冷媒は第1車内熱交換器をバイパスして流れるようになる。
このため、冷房運転または除湿運転から暖房運転に切り換えられた時に仮暖房運転モードを選択すれば、第1車内熱交換器に付着している凝縮水が冷媒の放熱で加熱されるようなことはないので、蒸発した水蒸気が空調空気と共に車室内へ吹き出すようなことはなく、従って、窓ガラスに曇りが生じるのを防止することができる。
また、第1車内熱交換器に付着している凝縮水は、空調空気の流れによって比較的短時間で消滅するので、短時間の仮暖房運転モードを実施した後には暖房能力の高い通常の暖房運転モードに移行でき、空調フィーリングの面でも優れたものとなる。
【0086】
請求項2に記載の発明によれば、冷媒回路の車外熱交換器とクーラント熱交換器との間に第2の絞り機構を設けたので、仮暖房運転モード時の冷凍サイクルにおいても、高圧の冷媒を減圧してから蒸発器として機能するクーラント熱交換器で吸熱するようになる。このため、液冷媒のガス化が促進されて充分な吸熱能力を確保できるようになり、結果として第2車内熱交換器による仮暖房運転時の暖房能力を向上させることができる。
この場合、第2の絞り機構に安価な固定絞りを採用すれば、同様の性能を維持して装置全体のコストを低減することができる。
【0087】
請求項4に記載の発明によれば、第1の絞り機構を電子膨張弁とすることにより、この電子膨張弁を仮暖房運転モード時に全閉とすることが可能となる。このため、第1車内熱交換器を冷媒の流れから完全に遮断して熱交換器内に溜まる冷媒の寝込み量を最小限に抑え、冷媒回路を循環する冷媒量を充分に確保することができるので、第2車内熱交換器による仮暖房運転時の暖房能力を向上させることができる。
【0088】
請求項5に記載の発明によれば、冷房運転モードにて第2車内熱交換器の上流側に設置されているエアミックスダンパの全開時に暖房能力が不足した場合に仮暖房運転モードを実施するようにしたので、仮暖房運転モードの実施を最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用空調装置を構成する第1の実施形態の冷媒回路において、冷媒の流れを示すフローチャートである。
【図2】第1の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、冷房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図3】第1の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、暖房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図4】第1の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、仮暖房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図5】第1の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、ホットキープ運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図6】第1の実施形態の第1変形例に係る冷媒回路の構成図で、仮暖房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図7】第1の実施形態の第2変形例に係る冷媒回路の構成図で、仮暖房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図8】第1の実施形態の第3変形例に係る冷媒回路の構成図で、仮暖房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図9】本発明に係る車両用空調装置を構成する第2の実施形態の冷媒回路において、冷媒の流れを示すフローチャートである。
【図10】第2の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、冷房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図11】第2の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、暖房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図12】第2の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、仮暖房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図13】第2の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、ホットキープ運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図14】第2の実施形態の第1変形例に係る冷媒回路の構成図で、仮暖房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図15】第2の実施形態の第2変形例に係る冷媒回路の構成図で、仮暖房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【符号の説明】
10,10A〜E 冷媒回路
11 コンプレッサ
12 第1車内熱交換器
13 第2車内熱交換器
14 車外熱交換器
15 電子膨張弁(第1の絞り機構)
16A,16B 三方弁(冷媒流れ方向切換手段)
17 冷媒配管
22 クーラント熱交換器
23 駆動装置冷却系
26A,26B 電磁弁(冷媒流れ方向切換手段)
27 電子膨張弁(第2の絞り機構)
28 内部熱交換器
24 電磁弁(開閉弁)
25 逆止弁
26 駆動装置冷却系
30 空調ユニット

Claims (5)

  1. コンプレッサにより圧縮されたガス冷媒が冷媒回路を循環する冷媒流れ方向を切り換えることで車室内の空調を行うように構成されたヒートポンプ式の車両用空調装置であって、
    前記冷媒回路が、ガス冷媒を圧縮するコンプレッサと、空調ユニット内に空気流れ上流側から順に直列に配置され、外気または室内気と冷媒との間で熱交換する第1車内熱交換器及び第2車内熱交換器と、外気と冷媒との間で熱交換する車外熱交換器と、冷媒を減圧する第1の絞り機構と、運転モードに応じて冷媒流れ方向を選択切換する冷媒流れ方向切換手段と、液冷媒と駆動装置冷却系から供給される駆動装置冷却媒体との間で熱交換を行うクーラント熱交換器とを具備して構成され、
    前記第2車内熱交換器を放熱専用とし、
    前記冷媒流れ方向切換手段の操作により、前記冷媒を前記第2車内熱交換器、前記車外熱交換器及び前記クーラント熱交換器の順に流す仮暖房運転モードを設けたことを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記冷媒回路が、前記車外熱交換器と前記クーラント熱交換器との間に第2の絞り機構を備えていることを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
  3. 前記第2の絞り機構が固定絞りであることを特徴とする請求項2記載の車両用空調装置。
  4. 前記仮暖房運転モード時には、前記第1の絞り機構を電子膨張弁として全閉にすることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の車両用空調装置。
  5. 前記仮暖房運転モードは、冷房運転モードにて前記第2車内熱交換器の上流側に設置されているエアミックスダンパの全開時に暖房能力が不足した場合に実施されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の車両用空調装置。
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