JP2018063094A - 給湯機能付き空気調和機 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷媒配管の管路長の長短にかかわらず最適な運転性能を実現する。【解決手段】空気調和機1において、目標回転数補正部410B2には、沸上単独運転の際、実沸上能力算出部410Dで算出された実沸上能力Waが入力される。そして、目標回転数生成部410B1により生成された圧縮機14の目標回転数Ncが、入力された実沸上能力Waに応じて補正される。このように沸上運転時に管路長に応じて補正された目標回転数Ncを用いて暖房単独運転、沸上・暖房運転、冷房単独運転、沸上・冷房運転を行うことにより、管路長の長・短により生じうる運転性能の過不足を解消し、最適条件になるべく近い条件で各種運転を実行することができる。【選択図】図12

Description

この発明は、貯湯タンク内の湯水を加熱する沸上運転を実行可能な、給湯機能付き空気調和機に関するものである。
従来よりこの種の空気調和機においては、特許文献1記載のように、室外機から室内機側へと延びる冷媒配管の管路長の長・短を判定し、その判定結果に応じて圧縮機の回転数を制御するものがあった。
特開2016−17729号公報
空気調和機において、例えば前記冷媒配管の前記管路長が予め想定された長さよりも長い場合は冷媒の密度が過小となって暖房運転や冷房運転における性能不足を招く一方、前記管路長が予め想定された長さよりも短い場合は冷媒の密度が過大となって暖房運転や冷房運転において性能過剰となる可能性がある。したがって前記の管路長の長短にかかわらず最適な運転性能を実現するためには、何らかの補正を行う必要がある。
前記の従来技術では、圧縮機始動後の吐出圧力が適性範囲内であるか否かによって前記管路長の長・短判定を行い、前記吐出圧力が適性範囲外で短管路長と判定された場合に(前記適性範囲内に収まるように)圧縮機の回転数を下げるに過ぎないものである。したがって、前記のような冷媒配管の管路長の長短にかかわらず最適な運転性能を実現するのは困難であるという問題があった。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1では、冷媒と外気との熱交換を行うヒートポンプ熱交換器及び圧縮機を備えた室外機と、前記冷媒と室内空気との熱交換を行う室内熱交換器を備えた室内機と、湯水を貯湯する貯湯タンク及び水冷媒熱交換器を備えたタンクユニットと、前記圧縮機の回転数を所定の目標回転数となるように制御する圧縮機制御手段とを有し、前記ヒートポンプ熱交換器、前記圧縮機、前記室内熱交換器、減圧器、及び、前記水冷媒熱交換器の冷媒側を冷媒配管で接続して、前記室外機と前記タンクユニットと前記室内機とに亘る冷媒循環回路を形成するとともに、前記水冷媒熱交換器の水側と前記貯湯タンクとを湯水配管で環状に接続して、前記タンクユニット内で湯水循環回路を形成し、前記室内熱交換器により前記室内空気を加熱する暖房作動を少なくとも行う暖房運転及び前記室内熱交換器により前記室内空気を冷却する冷房作動を少なくとも行う冷房運転のうち少なくとも一方と、前記水冷媒熱交換器により前記貯湯タンクへの水を加熱する沸上運転とを、選択的に実行可能に構成された給湯機能付き空気調和機において、前記沸上運転の実行時に前記水冷媒熱交換器における実熱交換能力を検出する検出手段と、前記沸上運転の実行時に前記検出手段により検出された前記実熱交換能力に応じて目標回転数の補正値を決定し、前記補正値に基づいて前記目標回転数を補正する補正手段とを設け、前記圧縮機制御手段は、前記暖房運転及び前記冷房運転のうち前記少なくとも一方の実行時において、前記圧縮機の回転数を、前記沸上運転の実行時の前記補正手段による補正値に基づいて補正した目標回転数となるように制御するものである。
また、請求項2では、前記圧縮機から吐出される前記冷媒の吐出温度と前記水冷媒熱交換器から流出する前記冷媒の流出温度との温度差が、前記貯湯タンク内の湯水の目標沸き上げ温度と外気温度と前記水冷媒熱交換器に流入する湯水の入水温度とに基づいて算出される所定の目標温度差となるように前記減圧器の開度を制御する、減圧器制御手段をさらに有するものである。
また、請求項3では、前記タンクユニットは、前記湯水循環回路の湯水を循環させる給水ポンプを有し、前記検出手段は、前記水冷媒熱交換器から流出する湯水の出水温度と前記入水温度との温度差、及び、前記給水ポンプの回転数、に基づき、前記水冷媒熱交換器における前記実熱交換能力を検出するものである。
また、請求項4では、前記補正手段は、前記検出手段により検出された前記実熱交換能力が過大である場合には、前記目標回転数の減少補正を行い、前記検出手段により検出された前記実熱交換能力が過小である場合には、前記目標回転数の増大補正を行うものである。
また、請求項5では、前記補正手段は、前記実熱交換能力に基づいて前記冷媒配管の管路長を推定し、その推定した前記管路長に対応して前記目標回転数を補正するものである。
また、請求項6では、前記補正手段によって決定された補正値を記憶する記憶手段を有するものである。
この発明の請求項1によれば、冷媒循環回路においてヒートポンプ熱交換器、圧縮機、室内熱交換器、減圧器が冷媒配管で接続されており、前記室内熱交換器により室内空気を加熱する暖房運転及び前記室内空気を冷却する冷房運転のうち少なくとも一方が行われる。
例えば冷房運転では、冷媒循環回路では、前記圧縮機からの高温・高圧のガスが前記ヒートポンプ熱交換器で凝縮し外気へ放熱して高圧の液体に変化し、前記減圧器で減圧されて低圧の液体となった後、前記室内熱交換器において室内空気から吸熱して蒸発することで空調対象空間を冷却し、再び圧縮機へと戻る。また例えば暖房運転では、冷媒循環回路では、前記圧縮機からの高温・高圧のガスが前記室内熱交換器で凝縮し室内空気へ熱を放出し空調対象空間を加熱しながら高圧の液体に変化し、前記減圧器で減圧されて低圧の液体となった後、前記ヒートポンプ熱交換器において蒸発することで外気から吸熱し、再び圧縮機へと戻る。これらの運転時、圧縮機制御手段が、前記圧縮機の回転数を所望の目標回転数となるように制御する。
ここで、前記冷媒循環回路において、前記ヒートポンプ熱交換器及び圧縮機は室外機に配置される一方、前記水冷媒熱交換器や前記室内熱交換器は室外機の外に配置(この場合タンクユニットや室内機にそれぞれ配置)される。このため、冷媒循環回路の前記冷媒配管は、室外機にあるヒートポンプ熱交換器や圧縮機と、室外機の外にある前記水冷媒熱交換器や前記室内熱交換器とをつなぐように延設されることとなる。したがって、ユーザが必要とする設置態様(例えば室外機の設置箇所と前記タンクユニットや前記室内機の設置箇所とを離したい場合)に応じて、冷媒配管の管路長が長・短さまざまに変わりうることとなる。
この結果、例えば冷媒配管の前記管路長が予め想定された長さよりも長い場合は冷媒の密度が過小となって前記暖房運転や前記冷房運転における性能不足を招き、前記管路長が予め想定された長さよりも短い場合は冷媒の密度が過大となって前記暖房運転や前記冷房運転において性能過剰となる可能性がある。したがって前記の管路長の長短にかかわらず前記暖房運転や前記冷房運転において最適な運転性能を実現するためには、管路長の長短に応じた何らかの補正を行う必要がある。
そこで、請求項1によれば、前記冷媒循環回路に水冷媒熱交換器を設けて、冷媒配管を循環する冷媒からの加熱により温水を生成し、湯水循環回路の湯水配管を介して、貯湯タンク内に供給する。このとき、前記湯水循環回路が、タンクユニット内のみに設けられることで、前記湯水配管の管路長は、前記ユーザが必要とする設置態様の如何に関わらず特に変わらない。請求項1によれば、この点に鑑みて、検出手段と補正手段を設け、(前記暖房運転又は前記冷房運転に先立ち)まず沸上運転時に、検出手段によって前記水冷媒熱交換器における実熱交換能力を検出する。
前記のように湯水配管の管路長は変わらないことから、検出手段により検出された前記実熱交換能力の(本来想定される目標値からの)大・小のずれは、前記冷媒配管の管路長の長・短の影響であるとみなすことができる。そこで、補正手段が、前記圧縮機の目標回転数を、前記検出された実熱交換能力に応じて補正値を決定して補正する。そして、その後の前記暖房運転や前記冷房運転の際、その補正値を用いて、圧縮機制御手段が前記圧縮機の回転数を制御する。これにより、前記のような管路長の長・短により生じうる運転性能の過不足を解消し、最適条件になるべく近い条件で前記暖房運転又は前記冷房運転を実行することができるものである。
また、請求項2によれば、減圧器制御手段が、前記圧縮機からの冷媒の吐出温度と前記水冷媒熱交換器から流出する冷媒の流出温度との温度差が、(目標沸き上げ温度と外気温度と水冷媒熱交換器に流入する湯水の入水温度とに基づいて算出される)所定の目標温度差となるように前記減圧器の開度を制御する(=目標温度差制御)。これにより、沸き上げ単独運転中、運転効率が高効率となる比エンタルピー差を保ちながら室外機を運転させることができる。
また、請求項3によれば、前記のように冷媒配管と異なり湯水配管の管路長は変わらないことに対応し、湯水配管内の湯水の前記出水温度及び前記入水温度の温度差と、湯水配管内の流量に対応する給水ポンプの回転数とを用いて、確実に前記実熱交換能力を検出することができる。
また、請求項4によれば、実熱交換能力が過大の場合、冷媒配管の管路長が短すぎて水冷媒熱交換器における冷媒側から湯水側への伝熱量が大きいとみなし、これを是正すべく目標回転数を減少させる。実熱交換能力が過小の場合、冷媒配管の管路長が長すぎて水冷媒熱交換器における冷媒側から湯水側への伝熱量が小さいとみなし、これを補うべく目標回転数を増大させる。これらにより、前記最適条件での運転実現のための補正を確実に行うことができる。
また、請求項5によれば、前記のようにして変動しうる実熱交換能力に基づき、補正手段がその管路長を推定する。これにより、その推定結果に応じ、前記冷媒配管の管路長の長・短に確実に対応する形で前記圧縮機の目標回転数を補正することができる。
また、請求項6によれば、一度補正された圧縮機の目標回転数の補正値を記憶手段に記憶しておくことで、その後は当該記憶された補正値を読み出して用いるだけで、対応する補正を素早く行うことができる。この結果、沸上運転時に補正した前記補正値を記憶した後、その後の暖房運転又は冷房運転時に読み出すことで円滑かつ確実に圧縮機の制御に用いることができる。さらに、次回以降の運転時には、沸上運転であっても、記憶された前記補正値を読み出して用いることで(前記補正を再度行うことなく)圧縮機を最適に制御にすることができる。この結果、さらに利便性を向上することができるものである。
本発明の一実施形態の給湯機能付き空気調和機の主要なユニットの外観構成図 ヒートポンプ給湯機全体の回路構成図 ヒーポン制御部の機能的構成図 貯湯制御部の機能的構成図 エアコン制御部の機能的構成図 沸上単独運転時の作動を説明する図 暖房単独運転時の作動を説明する図 沸上・暖房運転時の作動を説明する図 冷房単独運転時の作動を説明する図 沸上・冷房運転時の作動を説明する図 沸上単独運転時における冷媒配管の管路長と実沸上能力との相関を説明する図 沸上単独運転時における実沸上能力に応じて実行される、圧縮機の目標回転数の補正挙動を説明する図 沸上単独運転時における実施形態の実沸上能力の一定化効果を、比較例と対比させて示す図 沸上単独運転時において圧縮機制御部が実行する制御手順を表すフローチャート図 各種冷暖房時において圧縮機制御部が実行する制御手順を表すフローチャート図 暖房単独運転時における実施形態の暖房促進効果を、比較例と対比させて示す図 冷媒管路長を推定する変形例において、沸上単独運転時での推定管路長に応じて実行される、圧縮機の目標回転数の補正挙動を説明する図 各種冷暖房時において圧縮機制御部が実行する制御手順を表すフローチャート図
以下、本発明の一実施形態を図1〜図16に基づいて説明する。
本実施形態の給湯機能付き空気調和機1の主要なユニットの外観構成を図1に示す。図1において、本実施形態の空気調和機1は、貯湯タンク2(後述の図2等参照)を備えたタンクユニットとしての貯湯ユニット100と、室外機としてのヒートポンプユニット300と、室内機としてのエアコンユニット200とを有している。
本実施形態の空気調和機1全体の回路構成を図2に示す。図2に示すように、前記貯湯ユニット100は、冷媒を流通させる冷媒側の流路15bと水側の流路15aとを有し、高温高圧の冷媒と貯湯タンク2内の湯水とを熱交換する凝縮器として機能する水冷媒熱交換器15と、給水ポンプとしての沸上ポンプ19と、を備えている。すなわち、前記水冷媒熱交換器15の前記水側の流路15aと前記貯湯タンク2とが湯水配管としての加熱往き管5及び加熱戻り管6によって環状に接続され、前記貯湯ユニット100内で湯水循環回路としての加熱循環回路4が形成されている。
加熱往き管5は、前記貯湯タンク2の下部に接続され、加熱戻り管6は、前記貯湯タンク2の上部に接続されている。前記沸上ポンプ19は、前記加熱往き管5の途中に設けられ、前記水側の流路15aを介し前記加熱往き管5からの湯水を前記加熱戻り管6へ流通させつつ、貯湯タンク2の湯水を循環させる。なお、前記加熱往き管5には、前記水冷媒熱交換器15の前記水側の流路15aに流入する湯水の入水温度T1を検出する入水温度センサ23が設けられ、前記加熱戻り管6には、前記水側の流路15aから前記貯湯タンク2に向かって流出する湯水の出水温度としての沸上温度Tbを検出する沸上温度センサ24が設けられている。
貯湯タンク2の側面には、貯湯タンク2内の湯水の温度(貯湯温度)をそれぞれ検出し前記湯水の加熱状況(言い替えれば貯湯状況)を検知するための貯湯温度センサ12が上下にわたり複数設けられている。前記貯湯タンク2の下部にはまた、貯湯タンク2に水を給水する給水管7が接続され、前記貯湯タンク2の上部にはまた、貯湯されている高温水を出湯する出湯管8が接続され、給水管7からは給水バイパス管9が分岐して設けられている。さらに、出湯管8からの湯と給水バイパス管9からの水とを混合して給湯設定温度の湯とする混合弁10と、混合弁10で混合後の給湯温度を検出する給湯温度センサ11と、が設けられている。
一方、前記水冷媒熱交換器15における熱交換(詳細は後述)によって前記貯湯タンク2内の湯水を加熱可能な冷媒循環回路30が、前記ヒートポンプユニット300、前記貯湯ユニット100、及び前記エアコンユニット200にわたって設けられている。前記冷媒循環回路30は、前記ヒートポンプユニット300内に配置されたヒーポン回路部30Aと、前記貯湯ユニット100内に配置された貯湯回路部30Bと、前記エアコンユニット200内に配置されたエアコン回路部30Cとを含んでいる。
前記ヒーポン回路部30Aは、前記冷媒の流路となる冷媒配管18を備えており、冷媒を圧縮する圧縮機14と、四方弁31と、前記冷媒と外気との熱交換により凝縮器又は蒸発器として選択的に機能(詳細は後述)するヒートポンプ熱交換器としての室外熱交換器17とが、前記冷媒配管18によって接続されている。なお、室外熱交換器17には、前記室外熱交換器17に外気を通じるための室外ファン67が設けられている。
詳細には、前記冷媒配管18は、圧縮機14の吐出側となる配管部18aと、沸上単独運転時(後述の図6参照)等において前記四方弁31を介し前記配管部18aに接続される配管部18bとを含んでいる。前記配管部18bは、ヒートポンプユニット300外への出口となる接続口68aにおいて、前記ヒートポンプユニット300と前記貯湯ユニット100とを接続する接続用冷媒配管101に連通している。
また前記冷媒配管18は、前記圧縮機14の吸入側となる配管部18cと、沸上単独運転時(後述の図6参照)等において前記室外熱交換器17の圧縮機14側(言い替えれば前記沸上単独運転時等における出口側、以下同様。後述の図6等参照)を前記四方弁31を介し前記配管部18cに接続する配管部18dと、前記室外熱交換器17の反圧縮機14側(言い替えれば前記沸上単独運転時等における入口側、以下同様。後述の図6等参照)に接続される配管部18eとを含んでいる。前記配管部18eは減圧器としての膨張弁113を備えており、前記接続口68aとは別の接続口68bにおいて、前記ヒートポンプユニット300と前記貯湯ユニット100とを接続する接続用冷媒配管102に連通している。
前記四方弁31は4つのポートを備える弁であり、前記冷媒配管18のうち(冷媒主経路を構成する)前記配管部18b,18d用の2つのポートのそれぞれに対して、残りの前記配管部18a,18c用の2つのポートのいずれを接続するかを切り替える。前記配管部18a,18c用の2つのポートどうしは、ループ状に配置された前記配管部18a,18cからなる冷媒副経路によって接続されており、この冷媒副経路上に前記圧縮機14が設けられている。例えば四方弁31は、後述する図6の状態に切り替えられた場合(以下適宜、「暖房側への切替」等と称する)は、前記圧縮機14の吐出側である前記配管部18aを前記水冷媒熱交換器15の入口側である前記配管部18bに連通させ、後述する図9の状態に切り替えられた場合(以下適宜、「冷房側への切替」等と称する)は、前記配管部18aを前記室外熱交換器17側である前記配管部18dに連通させる。
なお、前記の圧縮機14、四方弁31、室外熱交換器17、室外ファン67、及び膨張弁113等は、前記ヒートポンプユニット300の筐体に内包されている(図1参照)。
前記貯湯回路部30Bは、前記冷媒の流路となる冷媒配管25を備えており、前記水冷媒熱交換器15の前記冷媒側の流路15bが、前記冷媒配管25に接続されている。
詳細には、前記冷媒配管25は、貯湯ユニット100外への出口となる接続口75aにおいて前記接続用冷媒配管101に連通する配管部25aと、前記配管部25aから分岐して接続されるとともに、反配管部25a側が前記水冷媒熱交換器15(詳細には前記冷媒側の流路15b)の入口側に接続される配管部25bと、前記水冷媒熱交換器15(詳細には前記冷媒側の流路15b)の出口側に接続される配管部25cとを含んでいる。前記配管部25bは、前記四方弁31と前記水冷媒熱交換器15の入口側である前記配管部25bを開閉可能な二方弁121を備えており、前記配管部25cは全閉機能付きの膨張弁111を備えている。
また前記冷媒配管25は、前記配管部25b同様、前記配管部25aから分岐して接続される配管部25dを含んでいる。前記配管部25dの反配管部25a側は、貯湯ユニット100外への出口となる接続口95aにおいて、前記貯湯ユニット100と前記エアコンユニット200とを接続する接続用冷媒配管104に連通している。
さらに前記冷媒配管25は、前記配管部25cの反水冷媒熱交換器15側から分岐して接続されるとともに、反配管部25c側が、前記接続口75aとは別の接続口75bにおいて前記接続用冷媒配管102に連通する配管部25eと、前記配管部25dと前記配管部25eとを連通する配管部25fと、前記配管部25e同様に前記配管部25cの反水冷媒熱交換器15側から分岐して接続されるとともに、貯湯ユニット100外への出口となる接続口95bにおいて、前記貯湯ユニット100と前記エアコンユニット200とを接続する接続用冷媒配管103に連通する配管部25gとを含んでいる。前記配管部25dは、前記配管部25aとの接続点と前記配管部25fとの接続点の間に配管部25dを開閉可能な二方弁122を備えており、前記配管部25eは、前記配管部25gとの接続点と前記配管部25fとの接続点の間に配管部25eを開閉可能な二方弁123を備えており、前記配管部25fは、配管部25fを開閉可能な二方弁124を備えており、前記配管部25gは全閉機能付きの膨張弁112を備えている。この結果、前記二方弁123は、前記膨張弁113と前記膨張弁112との間の管路を開閉する機能を備え、前記膨張弁111は、前記水冷媒熱交換器15の出口側と前記膨張弁112との間の管路を開閉する機能を備える。また、前記接続用冷媒配管101は、前記二方弁121,122と前記四方弁31とを連通する機能を備え、前記接続用冷媒配管102は、前記二方弁123,124と前記膨張弁113とを連通する機能を備える。言い換えれば、貯湯ユニット100とヒートポンプユニット300とは、前記接続用冷媒配管101,102によって接続されている(図1も参照)。
なお、前記の二方弁121,122,123,124、膨張弁111,112、水冷媒熱交換器15、及び貯湯タンク2等は、前記貯湯ユニット100の筐体に内包されている(図1参照)。なお、前記膨張弁112は後述の配管部26b(すなわち前記エアコンユニット200の筐体内)に設けても良い。
前記エアコン回路部30Cは、前記冷媒の流路となる冷媒配管26を備えており、前記冷媒と室内空気との熱交換により凝縮器又は蒸発器として選択的に機能(詳細は後述)する室内熱交換器27が前記冷媒配管26に接続されている。なお、室内熱交換器27には、前記室内熱交換器27に室内空気を通じるための室内ファン77が設けられている。
詳細には、前記冷媒配管26は、エアコンユニット200外への出口となる接続口76aにおいて前記接続用冷媒配管104に連通するとともに、反接続用冷媒配管104側が前記室内熱交換器27の前記接続口76a側(言い替えれば暖房単独運転時等における入口側、以下同様。後述の図7等参照)に接続される配管部26aと、前記接続口76aとは別の接続口76bにおいて前記接続用冷媒配管103に連通するとともに、反接続用冷媒配管103側が前記室内熱交換器27の前記接続口76b側(言い替えれば暖房単独運転時等における出口側、以下同様。後述の図7等参照)に接続される配管部26bとを含んでいる。この結果、前記二方弁122は、前記室内熱交換器27の反膨張弁112側である前記配管部26aと圧縮機14との間の管路を開閉する機能を備え、前記二方弁124は、前記室内熱交換器27の反膨張弁112側である前記配管部26aと前記膨張弁113との間の管路を開閉する機能を備える。また、前記接続用冷媒配管103は、前記膨張弁112と前記室内熱交換器27の前記膨張弁112側とを連通する機能を備え、前記接続用冷媒配管104は、前記二方弁122,124と前記室内熱交換器27の反膨張弁112側とを連通する機能を備える。言い換えれば、貯湯ユニット100とエアコンユニット200とは、前記接続用冷媒配管103,104によって接続されている(図1も参照)。
なお、前記の室内熱交換器27及び室内ファン77等は、前記エアコンユニット200の筐体に内包されている(図1参照)。
前記冷媒循環回路30内には、冷媒として例えばR32冷媒が用いられ、ヒートポンプサイクルを構成している。なお、冷媒はHFC冷媒やHFO冷媒、二酸化炭素冷媒であってもよい。そして、前記ヒーポン回路部30Aの前記冷媒配管18において、前記配管部18aには、圧縮機14から吐出される冷媒吐出温度Toutを検出する吐出温度センサ20が設けられ、前記配管部18cには、圧縮機14へ吸入される冷媒の冷媒吸入温度Tinを検出する吸入温度センサ32が設けられている。なお、前記室外熱交換器17の空気入口側には、外気温度Tairを検出する外気温度センサ22が設けられ、かつ室外熱交換器17内には、ヒーポン熱交温度Tex(蒸発器として作用している時の蒸発冷媒温度)を検出する熱交温度センサ35が設けられている。これらのセンサ20,32,22,35の検出結果は、ヒートポンプユニット300に設けられたヒーポン制御部410に入力され、さらに適宜、貯湯ユニット100に設けられた貯湯制御部420やエアコンユニット200に設けられたエアコン制御部430へも入力される(ヒーポン制御部410を介し受信しても良いし、センサ20,32,22から直接受信してもよい)。
また、前記貯湯回路部30Bの前記冷媒配管25において、前記配管部25cには、前記冷媒側の流路15bから流出し前記膨張弁111に向かう冷媒流出温度T2を検出する流出温度センサ21が設けられている。なお、前記水冷媒熱交換器15には、前記冷媒が前記冷媒側の流路15bにおいて凝縮する際の冷媒凝縮温度を検出する凝縮温度センサ33が設けられている。これらのセンサ21,33の検出結果は、貯湯ユニット100に設けられた貯湯制御部420に入力され、さらに適宜、ヒートポンプユニット300に設けられた前記ヒーポン制御部410やエアコンユニット200に設けられた前記エアコン制御部430へも入力される(貯湯制御部420を介し受信しても良いし、センサ21,33から直接受信してもよい)。
また、前記エアコン回路部30Cの前記冷媒配管26に関して、前記室内熱交換器27には、空調対象空間の室内温度Trを検出する室内温度センサ34が設けられている。このセンサ34の検出結果は、エアコンユニット200に設けられたエアコン制御部430に入力され、さらに適宜、ヒートポンプユニット300に設けられた前記ヒーポン制御部410や貯湯ユニット100に設けられた前記貯湯制御部420へも入力される(エアコン制御部430を介し受信しても良いし、センサ34から直接受信してもよい)。
そして、前記貯湯ユニット100の前記貯湯制御部420、前記ヒートポンプユニット300の前記ヒーポン制御部410、及び、前記エアコンユニット200の前記エアコン制御部430は、互いに通信可能に接続されており、前記各センサの検出結果に基づき、相互に連携しつつ、前記貯湯ユニット100、前記ヒートポンプユニット300、前記エアコンユニット200内の各機器・アクチュエータの動作を制御する。特に、前記二方弁121,122,123,124及び前記膨張弁111,112,113の開閉動作や開度を制御し、冷媒の流れる経路を切り替えることにより、貯湯タンク2内の湯水を加熱して沸上(加熱された湯水の供給)を行う沸上運転としての沸上単独運転、前記空調対象空間の室内冷房を行う冷房運転の一例としての冷房単独運転、前記空調対象空間の室内暖房を行う暖房運転の一例としての暖房単独運転、前記沸上と前記冷房とを並行して行う冷房運転の他例としての沸上・冷房運転、及び、前記沸上と前記暖房とを並行して行う暖房運転の他例としての沸上・暖房運転を選択的に実行することができる。
このとき、前記エアコンユニット200は、リモコン等の適宜の操作部60(以下単に「リモコン60」と称する)によって操作可能である。すなわち、リモコン60は、例えば前記エアコン制御部430に対し情報送受信可能に接続されており、ユーザは、このリモコン60を適宜に手動操作することにより、前記の沸上単独運転、冷房単独運転、及び、暖房単独運転のいずれの運転を行うかを指示することができる。なお、沸上・冷房運転(又は沸上・暖房運転)については、ユーザによりリモコン60を介し前記冷房単独運転(又は暖房単独運転)の指示があったとき、貯湯タンク2内における貯湯状況(未加熱水の量など)に応じて、適宜、自動的に沸上・冷房運転(又は沸上・暖房運転)に切り替えられるものである。さらに、このリモコン60における適宜の操作により、前記沸上単独運転時における沸上モード(例えば強力沸上モード、通常沸上モード、等)や、前記冷房単独運転又は暖房単独運転時におけるエアコン運転モード(例えば強力モード、通常モード、節電モード等)やエアコン設定温度Tcon等も指示することができる。これらのリモコン60からの指示内容は、エアコンユニット200に設けられた前記エアコン制御部430に入力され、さらに適宜、ヒートポンプユニット300に設けられた前記ヒーポン制御部410や貯湯ユニット100に設けられた前記貯湯制御部420へも入力される(エアコン制御部430を介し受信しても良いし、リモコン60から直接受信してもよい)。
次に、前記ヒートポンプユニット300に備えられた前記ヒーポン制御部410について説明する。ヒーポン制御部410は、詳細な図示を省略するが、各種のデータやプログラムを記憶する記憶部と、演算・制御処理を行う制御部とを備えている。このヒーポン制御部410の機能的構成を図3により説明する。
図3に示すように、前記ヒーポン制御部410は、四方弁制御部410Aと、圧縮機制御部410Bと、減圧器制御手段としての膨張弁制御部410Cと、室外ファン制御部410Dと、検出手段としての実沸上能力算出部410Eとを機能的に備えている。
四方弁制御部410Aには、前記リモコン60により指示された、いずれの運転を行うかの運転指示(沸上単独運転、冷房単独運転、暖房単独運転)と、前記貯湯温度センサ12により検出された前記貯湯温度とが入力される。四方弁制御部410Aは、前記運転指示と、前記貯湯温度に対応した前記湯水の加熱状況(貯湯状況)とに応じて、実際に空気調和機1をどのような運転態様(沸上単独運転、冷房単独運転、沸上・冷房運転、暖房単独運転、沸上・暖房運転)で運転するかを決定し対応する運転情報を、前記圧縮機制御部410B、膨張弁制御部410C、室外ファン制御部410D、及び、貯湯制御部420、エアコン制御部430に出力する。また四方弁制御部410Aは、上記決定された運転態様に対応する開閉信号を四方弁31へ出力し、四方弁31を切り替える(詳細な制御内容は後述)。
圧縮機制御部410Bには、前記外気温度センサ22により検出された前記外気温度Tairと、前記室内温度センサ34により検出された前記室内温度Trと、前記リモコン60により設定された前記エアコン設定温度Tcon及び前記沸上モードとが入力される(直接入力される場合のほか、前記の間接的な入力も含む。以下同様)。圧縮機制御部410Bには、目標回転数生成部410B1、目標回転数補正部410B2、目標回転数記憶部410B3が備えられており、これらの協働により、前記のようにして四方弁制御部410Aから入力される(沸上単独運転、冷房単独運転、沸上・冷房運転、暖房単独運転、及び沸上・暖房運転のいずれの運転が行われるかを表す)前記運転情報に応じて、入力された前記の温度及び設定のうち少なくとも1つに基づき、前記圧縮機14の回転数を制御する(詳細な制御内容は後述)。なおこのときの圧縮機14の回転数(制御値)は、後述の貯湯制御部420の膨張弁制御部420Bにも出力される(図示省略)。
膨張弁制御部410Cには、前記吐出温度センサ20により検出された前記冷媒吐出温度Toutと、前記流出温度センサ21により検出された前記冷媒流出温度T2と、前記吸入温度センサ32により検出された前記冷媒吸入温度Tinと、前記熱交温度センサ35により検出された前記ヒーポン熱交温度Texと、前記外気温度センサ22により検出された前記外気温度Tairと、前記入水温度センサ23により検出された前記入水温度T1と、前記貯湯制御部420のポンプ制御部420Aからの前記沸上ポンプ19の目標沸上温度Tbm(後述)とが入力される。膨張弁制御部410Cは、前記四方弁制御部410Aからの前記運転情報に応じて、前記の入力された温度のうち少なくとも1つに基づき、前記膨張弁113の開度を制御する(詳細な制御内容は後述)。
室外ファン制御部410Dには、前記外気温度センサ22により検出された前記外気温度Tairと、前記リモコン60により設定された前記エアコン運転モードとが入力される。室外ファン制御部410Dは、前記四方弁制御部410Aからの前記運転情報に対応しつつ、前記外気温度Tair及び前記運転モードに応じて、前記室外ファン67に対し、目標回転数N2(以下適宜、単に「室外ファン回転数N2」という。図示も同様)に対応した駆動制御信号を出力し、これによって室外ファン67の回転数を制御する。
実沸上能力算出部410Eには、前記沸上温度センサ24により検出された前記沸上温度Tbと、前記入水温度センサ23により検出された前記入水温度T1と、前記貯湯制御部420のポンプ制御部420Aからの前記沸上ポンプ19の目標回転数Np(後述)とが入力される。実沸上能力算出部420Dは、少なくとも後述の沸上単独運転時において、前記入力された沸上温度Tb、入水温度T1、目標回転数Npに基づき、前記水冷媒熱交換器15における実熱交換能力としての実沸上能力Waを(例えば適宜の周期で)算出する。すなわち、実沸上能力Waは、前記沸上温度Tb、前記入水温度T1、及び、前記加熱循環回路4の循環流量q、前記目標回転数Npを用いて、
Wa=(Tb−T1)×q
q=Np×X+Y
で表される。なお、X,Yは適宜の定数である。また目標回転数Npに代えて適宜の手法で検出した実際の沸上ポンプ19の回転数を用いても良い。
なお、前記運転態様の決定は、貯湯制御部420やエアコン制御部430で行っても良い。この場合は、それら貯湯制御部420やエアコン制御部430から、決定された運転態様に対応した前記運転情報がヒーポン制御部410に入力され、その入力された運転情報に応じて四方弁制御部410A、圧縮機制御部410B、膨張弁制御部410C、室外ファン制御部410Dが各種制御を行う。
次に、前記貯湯ユニット100に備えられた前記貯湯制御部420について説明する。貯湯制御部420は、前記ヒーポン制御部410同様、記憶部と制御部とを備えており、その機能的構成を図4により説明する。
図4に示すように、前記貯湯制御部420は、ポンプ制御部420Aと、膨張弁制御部420Bと、二方弁制御部420Cとを機能的に備えている。
ポンプ制御部420Aには、前記ヒーポン制御部410からの前記運転情報と、前記沸上温度センサ24により検出された前記沸上温度Tbとが入力される。ポンプ制御部420Aは、前記のようにしてヒーポン制御部410から入力される(沸上単独運転、冷房単独運転、沸上・冷房運転、暖房単独運転、及び沸上・暖房運転のいずれの運転が行われるかを表す)前記運転情報に応じて、入力された前記沸上温度Tbに基づき、その沸上温度Tbが所定の目標沸上温度Tbmとなるように前記沸上ポンプ19の目標回転数Npを決定し、これを用いて前記沸上ポンプ19の回転数を制御する(詳細な制御内容は後述)。このとき、前記目標沸上温度Tbmは、例えば、過去の給湯量の最大値や平均値等の給湯実績から、翌日の給湯量の予測量を確保できるように前記ポンプ制御部420Aによって算出されるものであり、例えば65℃から90℃の範囲で決定されるものである。なお、前記目標回転数Npは、前記したように前記ヒーポン制御部410の前記実沸上能力算出部410Eにも出力され、また前記目標沸上温度Tbmは、前記ヒーポン制御部410の膨張弁制御部410Cへ出力される。
膨張弁制御部420Bには、前記ヒーポン制御部410からの前記運転情報と、前記外気温度センサ22により検出された前記外気温度Tairと、前記リモコン60により設定された前記エアコン運転モードと、前記ヒーポン制御部410の前記圧縮機制御部410Bから入力された前記圧縮機14の目標回転数Nc(なお、公知の手法で検出された実際の圧縮機14の回転数を入力しても良い)と、前記流出温度センサ21により検出された前記冷媒流出温度T2と、前記吸入温度センサ32により検出された前記冷媒吸入温度Tinと、前記吐出温度センサ20により検出された前記冷媒吐出温度Toutとが入力される。膨張弁制御部420Bは、前記ヒーポン制御部410からの前記運転情報に応じて、前記の入力された温度やモード設定や回転数のうち少なくとも1つに基づき、前記膨張弁111,112の開度を制御する(詳細な制御内容は後述)。
二方弁制御部420Cには、前記ヒーポン制御部410からの前記運転情報が入力される。二方弁制御部420Cは、前記運転情報に基づき、前記二方弁121,122,123,124の開閉動作を制御する(詳細な制御内容は後述)。
なお、前記と同様、運転態様の決定を、貯湯制御部420内(例えば前記二方弁制御部420C)やエアコン制御部430で行っても良い。この場合は、それら二方弁制御部420Cやエアコン制御部430で決定した運転態様に対応する運転情報に応じて、ポンプ制御部420A、膨張弁制御部420B、二方弁制御部420Cが各種制御を行う。
次に、前記エアコンユニット200に備えられた前記エアコン制御部430について説明する。エアコン制御部430は、前記ヒーポン制御部410及び貯湯制御部420同様、記憶部と制御部とを備えており、その機能的構成を図5により説明する。
図5に示すように、前記エアコン制御部430は、室内ファン制御部430Aを機能的に備えている。
室内ファン制御部430Aには、前記ヒーポン制御部410からの前記運転情報と、前記室内温度センサ34により検出された前記室内温度Trと、前記リモコン60により設定された前記エアコン設定温度Tconとが入力される。室内ファン制御部430Aは、前記ヒーポン制御部410からの前記運転情報に対応しつつ、前記室内温度Tr及びエアコン設定温度Tconに応じて、前記室内ファン77に対し、前記目標回転数N1(以下適宜、単に「室内ファン回転数N1」という。図示も同様)に対応した駆動制御信号を出力し、これによって室内ファン77の回転数を制御する。
なお、前記と同様、運転態様の決定を、エアコン制御部430内や貯湯制御部420で行っても良い。この場合は、それらエアコン制御部430や貯湯制御部420で決定した運転態様に対応する運転情報に応じて、室内ファン制御部430Aが前記制御を行う。
前記したように、本実施形態の空気調和機1は、沸上単独運転、冷房単独運転、暖房単独運転、沸上・冷房運転、沸上・暖房運転の5種類の運転を選択的に実行することができる。以下、各運転の詳細を順次説明する。
まず、図6を用いて、沸上単独運転について説明する。この図6に示す沸上単独運転時においては、前記四方弁制御部410Aにより、前記四方弁31は、前記配管部18aを前記配管部18bに連通させると共に前記配管部18cを前記配管部18dに連通させる位置(前記した暖房側)に切り替えられる。また前記二方弁制御部420Cにより、二方弁121が開き状態、二方弁122が閉じ状態、二方弁123が開き状態、二方弁124が閉じ状態に切り替えられる。さらに前記膨張弁制御部420Bにより前記膨張弁111が全開状態かつ前記膨張弁112が全閉状態に制御され、前記膨張弁制御部410Cにより前記膨張弁113が開き状態(詳細には後述の△H制御が行われている)に制御される。
この結果、圧縮機14の吐出側の配管部18a→配管部18b→接続用冷媒配管101→配管部25a→配管部25b→水冷媒熱交換器15の冷媒側の流路15b→配管部25c(膨張弁111)→配管部25e→接続用冷媒配管102→配管部18e(膨張弁113)→室外熱交換器17→配管部18d→圧縮機14の吸入側の配管部18cの冷媒経路が形成される。これにより、低温・低圧で吸入されたガス状態の冷媒が前記圧縮機14で圧縮されて高温・高圧のガスとなった後、凝縮器として機能する水冷媒熱交換器15の前記冷媒側の流路15bにおいて前記水側の流路15aを流れる水と熱交換を行って前記水に熱を放出し加熱しながら高圧の液体に変化する。こうして液体となった冷媒は全開状態の前記膨張弁111を経て前記膨張弁113において減圧されて低温・低圧の液体となって蒸発しやすい状態となり、蒸発器として機能する前記室外熱交換器17において外気と熱交換を行って蒸発してガスに変化することで吸熱し、低温・低圧のガスとして再び圧縮機14へと戻る。このとき、貯湯タンク2下部に接続された前記加熱往き管5から取り出された低温水(未加熱水)が、水冷媒熱交換器15の前記水側の流路15aにおいて前記凝縮する冷媒から受熱して高温まで加熱された後、貯湯タンク2上部に接続された加熱戻り管6から貯湯タンク2内に戻されることで、貯湯タンク2内に順次高温水(加熱水)が積層状に貯湯される。
以上の作動において、前記圧縮機14の回転数は、前記圧縮機制御部410Bの制御により、外気温度Tairに基づき決定される。すなわち、圧縮機制御部410Bに備えられた前記目標回転数生成部410B1が生成する目標回転数Ncが、外気温度Tairが低い場合は大きな値となり、外気温度Tairが高い場合は小さな値となるように制御される(なお、生成された後の目標回転数補正部410B2による補正については後述する)。
また、前記室外ファン67における前記室外ファン回転数N2は、前記室外ファン制御部410Dの制御により、外気温度Tairに基づき決定される。すなわち、外気温度Tairが低い場合はファン回転数が大きくなるように制御され、外気温度Tairが高い場合はファン回転数が小さくなるように制御される。
また、沸上ポンプ19の前記目標回転数Npは、前記ポンプ制御部420Aの制御により、前記沸上温度Tbが前記目標沸上温度Tbmとなるように、フィードバック制御される。すなわち、沸上温度Tbが前記目標沸上温度Tbmより低い場合は小さくなる(流量が低下する)ように制御され、沸上温度Tbが前記目標沸上温度Tbmより高い場合は大きくなる(流量が増大する)ように制御される。
なお、室内ファン77は、前記室内ファン制御部430Aの制御により回転停止される。
そして、前記膨張弁113の開度は、前記膨張弁制御部410Cにより、沸上単独運転の運転状態に応じて可変に制御される。詳細には、前記冷媒吐出温度Toutと前記冷媒流出温度T2との温度差△H=Tout−T2が、所定の目標温度差△Hmとなるように、膨張弁113の開度を所定の周期でフィードバック制御する(△H制御)。すなわち、前記膨張弁制御部410Cは、△H<△Hmの場合は膨張弁113の開度を閉じる方向に制御し、△H>△Hmの場合は、膨張弁113の開度を開く方向に制御し、△H=△Hmの場合は、膨張弁113の開度を現状のまま維持する。なお、△H<△Hmの場合の前記膨張弁113の開度閉じ制御と、△H>△Hmの場合の前記膨張弁113の開度開き制御とが繰り返されることで、一定時間の経過により概ね△H≒△Hmとなった(=制御的に安定した)場合には、その旨を表す通知(=以下適宜、「目標△H到達通知」という)が膨張弁制御部410Cから圧縮機制御部410Bへと出力される。
このとき、前記目標温度差△Hmは、前記外気温度センサ22が検出する外気温度Tairと、前記入水温度センサ23の検出する入水温度T1と、前記目標沸き上げ温度Tbmとに基づいて、次式により算出する。
△Hm=Tair×A+T1×B+Tbm×C+D ・・・ (1)
(ここで、A、Bは負の係数、Cは正の係数、Dは固定値である。)
前記所定の目標温度差△Hmは、前記式(1)より、外気温度Tairが高くなる程、値が小さくなっていき、入水温度T1が高くなる程、値が小さくなっていき、目標沸き上げ温度Tbmが高くなる程、値が大きくなる。すなわち、外気温度Tairや入水温度T1といった条件が刻々と変化する沸上単独運転中において、前記式(1)により、その時その時でヒートポンプユニット3の運転効率が最大効率となる所定の目標温度差△Hmを確実に求めることができ、ヒートポンプユニット3を高効率で運転させることができる。なお、前記所定の目標温度差△Hmの算出は沸き上げ運転中常時行われるものであってもよく、膨張弁113の開度をフィードバック制御する所定の周期にあわせて行ってもよいものである。
あるいは、この△H制御に代え、前記冷媒吐出温度Toutが所定の一定値となるように、膨張弁113の開度をフィードバック制御してもよい(吐出制御)。この場合、前記膨張弁制御部410Cは、冷媒吐出温度Toutが低すぎる場合は膨張弁113の開度を閉じる方向に制御し、冷媒吐出温度Toutが高すぎる場合は膨張弁113の開度を開く方向に制御する。
次に、図7を用いて、暖房単独運転について説明する。この図7に示す暖房単独運転時においては、前記四方弁制御部410Aにより、前記沸上単独運転と同様、前記四方弁31は、前記暖房側に切り替えられる。また前記二方弁制御部420Cにより、二方弁121が閉じ状態、二方弁122が開き状態、二方弁123が開き状態、二方弁124が閉じ状態に切り替えられる。さらに前記膨張弁制御部420Bにより前記膨張弁111が全閉状態かつ前記膨張弁112が全開状態に制御され、前記膨張弁制御部410Cにより前記膨張弁113が開き状態(詳細には後述のSH制御が行われている)に制御される。
この結果、圧縮機14の吐出側の配管部18a→配管部18b→接続用冷媒配管101→配管部25a→配管部25d→接続用冷媒配管104→配管部26a→室内熱交換器27→配管部26b→接続用冷媒配管103→配管部25g(膨張弁112)→配管部25e→接続用冷媒配管102→配管部18e(膨張弁113)→室外熱交換器17→配管部18d→圧縮機14の吸入側の配管部18cの冷媒経路が形成される。これにより、低温・低圧で吸入されたガス状態の冷媒が前記圧縮機14で圧縮されて高温・高圧のガスとなった後、凝縮器として機能する室内熱交換器27において室内空気と熱交換を行って熱を放出し空調対象空間を加熱しながら高圧の液体に変化する。こうして液体となった冷媒は全開状態の前記膨張弁112を経て前記膨張弁113において減圧されて低温・低圧の液体となって蒸発しやすい状態となり、蒸発器として機能する前記室外熱交換器17において外気と熱交換を行って蒸発してガスに変化することで吸熱し、低温・低圧のガスとして再び圧縮機14へと戻る。
以上の作動において、前記圧縮機14の回転数は、前記圧縮機制御部410Bの制御により、室内温度Trとエアコン設定温度Tconとの差に基づき決定される。すなわち、圧縮機制御部410Bに備えられた前記目標回転数生成部410B1が生成する目標回転数Ncが、Tcon−Trの値が大きい場合は大きい値となり、Tcon−Trの値が小さい場合は小さい値となるように制御される(なお、生成された後の目標回転数補正部410B2による補正については後述する)。
また、前記室外ファン67における前記室外ファン回転数N2は、前記室外ファン制御部410Dの制御により、外気温度Tairとエアコン運転モードに基づき決定される。すなわち、複数用意されたエアコン運転モード(例えば強力モード、通常モード、節電モード等)のそれぞれにおいて、外気温度Tairが低い場合はファン回転数が大きくなるように制御され、外気温度Tairが高い場合はファン回転数が小さくなるように制御される。
また前記室内ファン77における前記室内ファン回転数N1は、前記室内ファン制御部430Aの制御により、室内温度Trとエアコン設定温度Tconとの差に基づき決定される。すなわち、Tcon−Trの値が大きい場合はファン回転数が大きくなるように制御され、Tcon−Trの値が小さい場合はファン回転数が小さくなるように制御される。なお、沸上ポンプ19は、前記ポンプ制御部420Aの制御により回転停止される。
そして、前記膨張弁113の開度は、前記膨張弁制御部410Cにより、暖房単独運転の運転状態に応じて可変に制御される。詳細には、前記冷媒吸入温度Tinと前記ヒーポン熱交温度Texとの温度差Tin−Texが所定の一定値となるように、膨張弁113の開度をフィードバック制御する(SH制御)。すなわち、前記膨張弁制御部410Cは、Tin−Texが小さすぎる場合は膨張弁113の開度を閉じる方向に制御し、Tin−Texが大きすぎる場合は膨張弁113の開度を開く方向に制御する。
次に、図8を用いて、沸上・暖房運転について説明する。この図8に示す沸上・暖房運転時においても、前記四方弁制御部410Aにより、前記四方弁31は、前記暖房側に切り替えられる。また前記二方弁制御部420Cにより、二方弁121が開き状態、二方弁122が開き状態、二方弁123が開き状態、二方弁124が閉じ状態に切り替えられる。さらに前記膨張弁制御部420Bにより前記膨張弁111が全開状態かつ前記膨張弁112も全開状態に制御され、前記膨張弁制御部410Cにより前記膨張弁113が開き状態(詳細には後述の吐出制御が行われている)に制御される。
この結果、冷媒経路は、圧縮機14の吐出側の配管部18a→配管部18b→接続用冷媒配管101→配管部25aを経て2つに分かれ、一方は、配管部25b→水冷媒熱交換器15の冷媒側の流路15b→配管部25c(膨張弁111)を経て配管部25eに至り、他方は、配管部25d→接続用冷媒配管104→配管部26a→室内熱交換器27→配管部26b→接続用冷媒配管103→配管部25g(膨張弁112)を経て前記配管部25eへと合流する。その後の経路は、配管部25e→接続用冷媒配管102→配管部18e(膨張弁113)→室外熱交換器17→配管部18d→圧縮機14の吸入側の配管部18cとなる。
これにより、低温・低圧で吸入されたガス状態の冷媒が前記圧縮機14で圧縮されて高温・高圧のガスとなった後に前記のように分流し、前記一方の流れは前記水冷媒熱交換器15(凝縮器として機能)で前記同様に凝縮して前記水側の流路15aを流れる水を加熱することで貯湯タンク2内へ順次高温水(加熱水)を供給し、前記他方の流れは室内熱交換器27(凝縮器として機能)において前記同様に凝縮して室内空気に熱を放出することで空調対象空間を加熱する。前記の熱交換器15,27での凝縮で高圧の液体に変化した冷媒は前記膨張弁113において減圧されて低温・低圧の液体となった後前記室外熱交換器17(蒸発器として機能)において蒸発して外気から吸熱し、低温・低圧のガスとして再び圧縮機14へと戻る。
以上の作動において、前記圧縮機14の回転数は、前記圧縮機制御部410Bの前記目標回転数生成部410B1の制御により、前記暖房単独運転時と同様の、室内温度Trとエアコン設定温度Tconとの差に基づく決定と、前記沸上単独運転時と同様の、外気温度Tairに基づく決定とが加味される(詳細は省略。なお、前記目標回転数補正部410B2による補正については後述)。また前記室外ファン回転数N2は、前記室外ファン制御部410Dの制御により、前記暖房単独運転時と同様、外気温度Tairとエアコン運転モードに基づき、各エアコン運転モードにおいて、外気温度Tairが低い場合はファン回転数が大きくなるように、外気温度Tairが高い場合はファン回転数が小さくなるように制御される。
また沸上ポンプ19の前記目標回転数Npは、前記ポンプ制御部420Aの制御により、前記沸上単独運転と同様、前記沸上温度Tbが目標沸上温度Tbmより低い場合は小さくなり、沸上温度Tbが目標沸上温度Tbmより高い場合は大きくなるように制御される。また前記室内ファン回転数N1は、前記室内ファン制御部430Aの制御により、前記暖房単独運転時と同様、室内温度Trとエアコン設定温度Tconとの差に基づき、Tcon−Trの値が大きい場合はファン回転数が大きくなるように、Tcon−Trの値が小さい場合はファン回転数が小さくなるように制御される。
そして、前記膨張弁113の開度は、前記膨張弁制御部410Cにより、沸上・暖房運転の運転状態に応じて可変に制御される。詳細には、前記暖房単独運転時で説明したものと同様、前記冷媒吐出温度Toutが所定の一定値となるように膨張弁113の開度がフィードバック制御(吐出制御)され、冷媒吐出温度Toutが低すぎる場合は膨張弁113の開度を閉じる方向に、冷媒吐出温度Toutが高すぎる場合は膨張弁113の開度を開く方向に制御する。
次に、図9を用いて、冷房単独運転について説明する。この図9に示す冷房単独運転時においては、前記四方弁制御部410Aにより、前記四方弁31は、前記配管部18aを前記配管部18dに連通させると共に前記配管部18cを前記配管部18bに連通させる位置(前記暖房側とは異なる冷房側)に切り替えられる。また前記二方弁制御部420Cにより、前記暖房単独運転時と同様、二方弁121が閉じ状態、二方弁122が開き状態、二方弁123が開き状態、二方弁124が閉じ状態に切り替えられる。さらに前記膨張弁制御部420Bにより前記膨張弁111が全閉状態に制御されかつ前記膨張弁112が開き状態(詳細には後述のフィードフォワード制御が行われている)に制御され、前記膨張弁制御部410Cにより前記膨張弁113が全開状態に制御される。
この結果、圧縮機14の吐出側の配管部18a→配管部18d→室外熱交換器17→配管部18e(膨張弁113)→接続用冷媒配管102→配管部25e→配管部25g(膨張弁112)→接続用冷媒配管103→配管部26b→室内熱交換器27→配管部26a→接続用冷媒配管104→配管部25d→配管部25a→接続用冷媒配管101→配管部18b→圧縮機14の吸入側の配管部18cの冷媒経路が形成される。これにより、低温・低圧で吸入されたガス状態の冷媒が前記圧縮機14で圧縮されて高温・高圧のガスとなった後、室外ファン67の回転駆動とともに凝縮器として機能する前記室外熱交換器17において外気と熱交換を行って熱を放出しながら高圧の液体に変化する。こうして液体となった冷媒は全開状態の前記膨張弁113を経て前記膨張弁112において減圧されて低温・低圧の液体となって蒸発しやすい状態となり、室内ファン77の回転駆動とともに蒸発器として機能する前記室内熱交換器27において室内空気から吸熱して蒸発しガスに変化することで空調対象空間を冷却し、低温・低圧のガスとして再び圧縮機14へと戻る。
以上の作動において、前記暖房単独運転時と同様、前記圧縮機14の回転数は前記目標回転数生成部410B1が生成する目標回転数Ncが、前記Tcon−Trの値が大きい場合は大きくなるように、前記Tcon−Trの値が小さい場合は小さくなるように制御される(なお、生成された後の目標回転数補正部410B2による補正については後述する)。また前記室外ファン67における前記室外ファン回転数N2は、前記室外ファン制御部410Dの制御により、エアコン運転モードが例えば強力モードの場合はファン回転数が大きくなるように制御され、通常モードや節電モードの場合はファン回転数が小さくなるように制御される。さらに各エアコン運転モードにおいて、外気温度Tairが低い場合はファン回転数が小さくなるように、外気温度Tairが高い場合はファン回転数が大きくなるように制御される。また前記室内ファン77における前記室内ファン回転数N1は、前記室内ファン制御部430Aの制御により、前記Tcon−Trの値が大きい場合はファン回転数が大きくなるように、前記Tcon−Trの値が小さい場合はファン回転数が小さくなるように制御される。沸上ポンプ19は、前記ポンプ制御部420Aの制御により回転停止される。
そして、前記膨張弁112の開度は、前記膨張弁制御部420Bにより、冷房単独運転の運転状態に応じて可変に制御される。すなわち、前記外気温度Tair及び前記エアコン運転モードと、圧縮機14の回転数とに基づき決定される。すなわち、前記膨張弁制御部420Bは、前記複数のエアコン運転モード(例えば強力モード、通常モード、節電モード等)のそれぞれにおいて、前記外気温度Tairの高低と、前記圧縮機制御部410Bからの圧縮機回転数の高低とを加味して、膨張弁112の開度をフィードフォワード制御する(詳細は省略)。
次に、図10を用いて、沸上・冷房運転について説明する。この図10に示す沸上・冷房運転時においては、前記四方弁制御部410Aにより、前記四方弁31は、(前記冷房側ではなく)前記暖房側に切り替えられる。また前記二方弁制御部420Cにより、二方弁121が開き状態、二方弁122が閉じ状態、二方弁123が閉じ状態、二方弁124が開き状態に切り替えられる。さらに前記膨張弁制御部420Bにより前記膨張弁111が全開状態に制御されるとともに前記膨張弁112が開き状態(詳細には後述の△H制御が行われている)に制御され、前記膨張弁制御部410Cにより前記膨張弁113が全開状態に制御される。
この結果、冷媒経路は、圧縮機14の吐出側の配管部18a→配管部18b→接続用冷媒配管101→配管部25a→配管部25b→水冷媒熱交換器15の冷媒側の流路15b→配管部25c(膨張弁111)→配管部25g(膨張弁112)→接続用冷媒配管103→配管部26b→室内熱交換器27→配管部26a→接続用冷媒配管104→配管部25d→配管部25f→配管部25e→接続用冷媒配管102→配管部18e(膨張弁113)→室外熱交換器17→配管部18d→圧縮機14の吸入側の配管部18cとなる。
これにより、低温・低圧で吸入されたガス状態の冷媒が前記圧縮機14で圧縮されて高温・高圧のガスとなった後、まず前記水冷媒熱交換器15(凝縮器として機能)で前記同様に凝縮して前記水側の流路15aを流れる水を加熱することで貯湯タンク2内へ順次高温水(加熱水)を供給し、液体となった冷媒は全開状態の前記膨張弁111を経て前記膨張弁112において減圧されて低温・低圧の液体となって蒸発しやすい状態となり、室内ファン77の回転駆動とともに蒸発器として機能する前記室内熱交換器27において室内空気から吸熱して蒸発しガスに変化することで空調対象空間を冷却し、さらに前記膨張弁113を経て、室外ファン67の回転駆動とともに蒸発器として機能する前記室外熱交換器17において外気と熱交換を行って蒸発してガスに変化することで吸熱し、低温・低圧のガスとして再び圧縮機14へと戻る。
以上の作動において、前記圧縮機14の回転数は、前記圧縮機制御部410Bの前記目標回転数生成部410B1の制御により、前記冷房単独運転時と同様の、室内温度Trとエアコン設定温度Tconとの差に基づき決定される(詳細は省略。なお、前記目標回転数補正部410B2による補正については後述)。
また沸上ポンプ19の前記目標回転数Npは、前記ポンプ制御部420Aの制御により、前記沸上単独運転や沸上・暖房運転と同様、前記沸上温度Tbが沸上温度Tbmより低い場合は小さくなり、沸上温度Tbが沸上温度Tbmより高い場合は大きくなるように制御される。また前記室内ファン77における前記室内ファン回転数N1は、前記室内ファン制御部430Aの制御により、前記暖房単独運転等のときと同様、室内温度Trとエアコン設定温度Tconとの差に基づき、Tcon−Trの値が大きい場合はファン回転数が大きくなるように、Tcon−Trの値が小さい場合はファン回転数が小さくなるように制御される。
そして、前記膨張弁112の開度は、前記膨張弁制御部420Bにより、沸上・冷房運転の運転状態に応じて可変に制御される。詳細には、前記沸上単独運転時の膨張弁制御部410Cによる膨張弁113への制御と同様、前記冷媒吐出温度Toutと前記冷媒流出温度T2との温度差△H=Tout−T2が、所定の目標温度差△Hmとなるように、膨張弁112の開度を所定の周期でフィードバック制御する(△H制御)。すなわち、前記膨張弁制御部420Bは、△H<△Hmの場合は膨張弁112の開度を閉じる方向に制御し、△H>△Hmの場合は、膨張弁112の開度を開く方向に制御し、△H=△Hmの場合は、膨張弁112の開度を現状のまま維持する。あるいは、この△H制御に代え、前記冷媒吐出温度Toutが所定の一定値となるように、膨張弁112の開度をフィードバック制御してもよい(吐出制御)。この場合、前記膨張弁制御部420Bは、冷媒吐出温度Toutが低すぎる場合は膨張弁112の開度を閉じる方向に制御し、冷媒吐出温度Toutが高すぎる場合は膨張弁112の開度を開く方向に制御する。
ここで、図2等に示した前記冷媒循環回路30において、前記ヒートポンプ熱交換器17及び圧縮機14はヒートポンプユニット300に配置される一方、前記水冷媒熱交換器15や前記室内熱交換器27はヒートポンプユニット300の外に配置(この場合貯湯ユニット100やエアコンユニット200にそれぞれ配置)される。このため、冷媒循環回路30の冷媒配管(すなわち前記冷媒配管18,25,26及び接続用冷媒配管101〜104)は、ヒートポンプユニット300にあるヒートポンプ熱交換器17や圧縮機14と、ヒートポンプユニット300の外にある前記水冷媒熱交換器15や前記室内熱交換器27とをつなぐように延設されることとなる。したがって、ユーザが必要とする設置態様(例えばヒートポンプユニット300の設置箇所と前記貯湯ユニット100や前記エアコンユニット200の設置箇所とを離したい場合)に応じて、冷媒配管の管路長(前記冷媒配管18,25,26及び接続用冷媒配管101〜104の合計の管路長以下適宜、単に「冷媒配管101,102等の管路長」という)が長・短さまざまに変わりうることとなる。この結果、例えば冷媒配管101,102等の前記管路長が予め想定された長さ(この例では後述のように3[m])よりも長い場合は冷媒の密度が過小となって前記暖房単独運転、前記沸上・暖房運転、前記冷房運転、前記沸上・冷房運転(以下適宜、単に「各種冷暖房運転」という)における性能不足を招き、冷媒配管101,102等の前記管路長が前記予め想定された長さよりも短い場合は冷媒の密度が過大となって前記各種冷暖房運転において性能過剰となる可能性がある。
そこで、本実施形態の空気調和機1では、前記のように前記冷媒循環回路30(詳細には前記された貯湯回路部30B)に水冷媒熱交換器15を設けて、冷媒配管101,102等を循環する冷媒からの加熱により温水を生成し、加熱循環回路4を介して、貯湯タンク2内に供給する。このとき、前記加熱循環回路4が、貯湯ユニット100内のみに設けられることで、前記加熱循環回路4の(加熱往き管5及び加熱戻り管6の)管路長は、前記ユーザが必要とする設置態様の如何に関わらず特に変わらない。したがって、前記沸上単独運転を行ったときの運転性能(すなわち前記実沸上能力Wa)の本来想定される目標値からの大・小のずれは、前記冷媒配管101,102等の管路長の長・短の影響であるとみなすことができる。そのようなずれの一例を図11を用いて説明する。
図11は、前記沸上単独運転を行ったときの前記実沸上能力Waにおける前記管路長の影響を示しており、例えば冷媒配管101,102等の前記管路長が予め想定された長さ(最適管路長。この例では3[m])よりも長い場合は、(前記したように冷媒の密度が過小となることから)前記実沸上能力Waが予め想定された値(目標値。この例では4[kW])よりも小さくなる(図中の実線の右側半分)。逆に、冷媒配管101,102等の前記管路長が前記最適管路長よりも短い場合は(前記したように冷媒の密度が過大となることから)前記実沸上能力Waが予め想定された値(4[kW])よりも大きくなる(図中の実線の左側半分)。
そこで、本実施形態では、図3に示したように、前記圧縮機制御部410Bに、補正手段としての目標回転数補正部410B2が設けられる。この目標回転数補正部410B2には、この空気調和機1で前記沸上単独運転が実行されたとき、前記実沸上能力算出部410Dで算出された前記実沸上能力Waが入力される。そして、圧縮機制御手段としての前記目標回転数生成部410B1により生成された前記圧縮機14の前記目標回転数Ncを、前記入力された実沸上能力Waに応じて補正する。すなわち、図12に示すように、例えば実沸上能力Waが前記予め想定された値(前記の例では4[kW])よりも大きい場合は、目標回転数補正部410B2は、前記のようにこの空気調和機1の冷媒配管101,102等の管路長が短く水冷媒熱交換器15における冷媒側から湯水側への伝熱量が大きすぎるとみなし、これを是正すべく、前記目標回転数Ncを、前記4[kW]に対応する標準値よりも減少させる(マイナス側への補正)。逆に前記実沸上能力Waが前記予め想定された値(4[kW])よりも小さい場合は、目標回転数補正部410B2は、前記のように冷媒配管101,102等の管路長が長く水冷媒熱交換器15における冷媒側から湯水側への伝熱量が小さすぎるとみなし、これを是正すべく、前記目標回転数Ncを、前記4[kW]に対応する標準値よりも増大させる(プラス側への補正)。
図13は、前記のようにして冷媒配管101,102等の管路長に応じて補正された、本実施形態における前記沸上単独運転時の前記実沸上能力Waの挙動を、前記のような補正を行わない比較例と対比して表す図である。図13に示すように、一点鎖線で示す前記比較例では、前記のように冷媒配管101,102等の管路長が前記最適管路長(3[m])より短い場合は前記水冷媒熱交換器15における冷媒側から湯水側への伝熱量が大きすぎて前記実沸上能力Waが前記目標値(4[kW])より著しく高くなり、逆に冷媒配管101,102等の管路長が前記最適管路長(3[m])より長い場合は前記水冷媒熱交換器15における前記伝熱量が小さすぎて前記実沸上能力Waが前記目標値(4[kW])より著しく低くなる。
これに対して、実線で示す本実施形態では、前記冷媒配管101,102等の管路長が前記最適管路長(3[m])より短い場合は前記のように前記目標回転数Ncを減少補正することで前記冷媒熱交換器15における冷媒側から湯水側への伝熱量を低減する一方、前記冷媒配管101,102等の管路長が前記最適管路長(3[m])より長い場合は前記のように前記目標回転数Ncを増大補正することで前記伝熱量を増大させることで、(前記管路長の如何を問わず)全体的に前記実沸上能力Waを前記目標値(4[kW])とほぼ等しくすることができる。
前記の手法を実現するために、前記沸上単独運転時において前記圧縮機制御部410B1が実行する制御手順を、図14のフローチャートにより説明する。図14において、まず、ステップS5において、圧縮機制御部410B1は、膨張弁制御部410Cからの前記目標△H到達通知が受信されたか否かを判定する。目標△H到達通知が受信されるまではステップS5の判定が満たされず(S5:NO)ループ待機し、目標△H到達通知が受信されたらステップS5の判定が満たされ(S5:YES)、ステップS10に移る。
ステップS10では、圧縮機制御部410B1は、この沸上単独運転時に前記実沸上能力算出部410Eが算出した実沸上能力Waを取得する。その後、ステップS15に移る。
ステップS15では、圧縮機制御部410B1は、前記ステップS10で取得した実沸上能力Waが、予め想定された前記目標値(前記の例では4[kW])を超えているか否かを判定する。実沸上能力Waが4[kW]より大きければ判定が満たされ(S15:YES)、ステップS20に移る。
ステップS20では、圧縮機制御部410B1は、この時点で前記外気温度Tairに基づき前記目標回転数生成部410B1により決定されている圧縮機14の前記目標回転数Ncを、前記ステップS10で取得した実沸上能力Waの値に対応させて(図12に示す相関を用いて)、前記目標回転数補正部410B2により、それまでよりもマイナス側に所定値だけ補正する。そして、目標回転数補正部410B2は、その補正後の目標回転数Ncを、前記圧縮機14に出力する。これにより、圧縮機14の回転数は、この目標回転数補正部410B2から入力された補正後の目標回転数Ncとなるように制御される。その後、前記ステップS10に戻り、同様のステップS10→ステップS15→・・という手順を繰り返す。
一方、前記ステップS15において、実沸上能力Waが4[kW]以下であれば判定が満たされず(S15:NO)、ステップS25に移る。
ステップS25では、圧縮機制御部410B1は、前記ステップS10で取得した実沸上能力Waが、前記目標値(4[kW])より小さいか否かを判定する。実沸上能力Waが4[kW]より小さければ判定が満たされ(S25:YES)、ステップS30に移る。
ステップS30では、圧縮機制御部410B1は、この時点で前記外気温度Tairに基づき前記目標回転数生成部410B1により決定されている圧縮機14の前記目標回転数Ncを、前記ステップS10で取得した実沸上能力Waの値に対応させて(図12に示す相関を用いて)前記目標回転数補正部410B2により、それまでよりもプラス側に所定値だけ補正する。そして、目標回転数補正部410B2は、その補正後の目標回転数Ncを、前記圧縮機14に出力する。これにより、圧縮機14の回転数は、この目標回転数補正部410B2から入力された補正後の目標回転数Ncとなるように制御される。その後、前記ステップS10に戻り、同様のステップS10→ステップS15→・・という手順を繰り返す
前記のようなステップS15→ステップS20→ステップS10→・・あるいはステップS25→ステップS30→ステップS10→・・という流れを繰り返すことで実沸上能力Wa=4[kW]となった(=目標回転数Ncの補正が完了して安定状態となった)ら、ステップS15及びステップS25のいずれの判定が満たされず(S25:NO)、ステップS35に移る。
ステップS35では、目標回転数補正部410B2がプラス側あるいはマイナス側に補正した所定値を合算した最終的な補正値(=補正前の目標回転数Ncと補正後の目標回転数Ncとの差分)を記憶手段としての前記目標回転数記憶部410B3により記憶し、このフローを終了する。
そして、本実施形態の空気調和機1では、前記のようにしてその冷媒配管101,102等の管路長に応じて補正された目標回転数Ncの補正値を用いて、前記各種冷暖房運転を行う。その際(暖房単独運転時、又は沸上・暖房運転時、又は冷房単独運転時、又は沸上・冷房運転時)に、前記圧縮機制御部410B1が実行する制御手順を、図15のフローチャートにより説明する。図15において、まず、ステップS110において、圧縮機制御部410B1は、前記のようにして沸上単独運転時に目標回転数記憶部410B3に記憶された、目標回転数Ncの補正値を読み出す。その後、ステップS120に移る。
ステップS120では、圧縮機制御部410B1は、前記目標回転数生成部410B1により、前記ステップS110で読み出した補正値に基づき、それぞれの運転における圧縮機14の目標回転数Ncを補正し、補正後の目標回転数Ncで圧縮機14を回転させるための対応する駆動制御信号を圧縮機14に出力し、このフローを終了する。
以上説明したように、本実施形態の空気調和機1によれば、沸上単独運転時において、目標回転数補正部410B2が、前記圧縮機14の目標回転数Ncを、前記検出された実熱交換能力Waに応じて補正する。そして、その後の沸上単独運転及び沸上単独運転以外の前記暖房単独運転、沸上・暖房運転、冷房単独運転、沸上・冷房運転等の際、補正値に基づいて目標回転数Ncを補正し、その補正された目標回転数Ncを用いて前記圧縮機14の回転数が制御される。これにより、前記したような冷媒配管101,102等の管路長の長・短により生じうる運転性能の過不足を解消し、最適条件になるべく近い条件で各種冷暖房運転を実行し、最適な運転性能を実現することができる。このことを図16により説明する。
図16は、前記各種冷暖房運転の一例として前記暖房単独運転を行ったときの、(前記冷媒配管101,102等の管路長に応じて)前記補正された目標回転数Ncを用いた本実施形態における前記室内温度Trの挙動を、前記補正がなされない目標回転数Ncを用いた場合の比較例における前記室内温度Trの挙動と対比して表す図である。
図16に示す例は、前記管路長が前記最適管路長よりも長い場合の例を示し、横軸には運転開始後の経過時間[min]をとり、縦軸には空調対象空間の前記室内温度Trをとって表している。図示のように、一点鎖線で示す比較例においては、(前記のように管路長が長いにもかかわらず補正を行っていない結果)長い管路長に対して相対的に運転性能が不足となり、暖房単独運転開始後、時間t1→t2→・・と経過してもなかなか室内温度Trが上昇せず、時間t3に至ってようやくユーザの所望する前記エアコン設定温度Tconに達している。
これに対して、図中の実線で示す本実施形態の空気調和機1では、(前記のように管路長が長いことに対応して圧縮機14の目標回転数Ncを事前にプラス側に補正した結果)前記比較例のように相対的な運転性能不足が生じることなく、暖房単独運転開始後、速やかに室内温度Trが上昇し、時間t1で前記エアコン設定温度Tconに達し、その後も多少ゆらぎながらも前記エアコン設定温度Tcon近傍の値をとり続け、時間t3より早い時間t2のタイミングでほぼ安定的に前記エアコン設定温度Tconとすることができるものである。
また、本実施形態では特に、沸上単独運転の際、膨張弁制御部410Cにより、前記圧縮機14からの冷媒吐出温度Toutと前記水冷媒熱交換器15から流出する冷媒流出温度T2との温度差△H(=Tout−T2)が、(前記目標沸き上げ温度Tbmと前記外気温度Tairと水冷媒熱交換器15に流入する湯水の入水温度T1とに基づいて算出される)所定の目標温度差△Hmとなるように膨張弁113の開度が制御される(目標温度差制御)。これにより、沸き上げ単独運転中、運転効率が高効率となる比エンタルピー差を保ちながらヒートポンプユニット300を運転させることができる。
また、本実施形態では特に、前記ヒーポン制御部410の前記実沸上能力算出部410Eが、前記水冷媒熱交換器15から流出する湯水の前記沸上温度Tbと前記入水温度T1との温度差、及び、前記沸上ポンプ19の目標回転数Npに基づき、前記水冷媒熱交換器15における前記実沸上能力Waを算出(検出)する。これにより、前記のように冷媒配管101,102等の管路長と異なり加熱循環回路4の加熱往き管5及び加熱戻り管6の管路長が変わらないことに対応し、前記沸上温度Tb及び前記入水温度T1の温度差と、加熱往き管5及び加熱戻り管6内の流量に対応する沸上ポンプの回転数Npとを用いて、確実に前記実熱交換能力Waを検出することができる。
また、本実施形態では特に、目標回転数補正部410B2により、実沸上能力沸上能力算出部410Eにより算出された前記実熱交換能力Waが過大(すなわち冷媒配管101,102等が短管路長)である場合には、管路長が短すぎて水冷媒熱交換器15における冷媒側から湯水側への伝熱量が大きいとみなし、前記目標回転数Ncの減少補正が行われる。逆に、実沸上能力沸上能力算出部410Eにより算出された前記実熱交換能力Waが過小(すなわち冷媒配管101,102等が長管路長)である場合には、管路長が長すぎて水冷媒熱交換器15における冷媒側から湯水側への伝熱量が小さいとみなし、前記目標回転数Ncの増大補正が行われる。これらにより、前記最適条件での運転実現のための補正を確実に行うことができる。
また、本実施形態では特に、前記目標回転数補正部410B2による補正がなされた後の前記目標回転数Ncの補正値を記憶する目標回転数記憶部410B3が設けられる。これにより、沸上単独運転時に一度補正された圧縮機14の目標回転数Ncの補正値を目標回転数記憶部410B3に記憶しておくことで、その後は当該記憶された目標回転数Ncの補正値を読み出して用いるだけで、対応する補正を素早く行うことができる。この結果、沸上単独運転時に補正した前記目標回転数Ncの補正値を記憶した後、その後の暖房運転(又は冷房運転時)等に読み出すことで円滑かつ確実に圧縮機14の制御に用いることができる。さらに、次回以降の運転時には、沸上単独運転であっても、記憶された前記目標回転数Ncの補正値を読み出して用いることで(前記補正を再度行うことなく)圧縮機14を最適に制御にすることができる。この結果、さらに利便性を向上することができるものである。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、図12を用いて前述したように、前記目標回転数補正部410B2が、実沸上能力算出部410Eから入力した実沸上能力Waから、前記図12で表される相関(例えば目標回転数補正部410B2内に記憶されている)を用いて対応する圧縮機14の目標回転数Ncを算出した。これに代えて、前記目標回転数補正部410B2が、実沸上能力算出部410Eから入力した実沸上能力Wa[kW]から、例えば前記図11に相当する相関(例えば目標回転数補正部410B2内に記憶されている)を用いて対応する冷媒配管101,102等の管路長[m]を推定してもよい。そしてこの場合、例えば図17に示すような、前記管路長と対応する前記目標回転数Ncとの相関(例えば目標回転数補正部410B2内に記憶されている)を用いて、推定された前記管路長に対応する圧縮機14の前記目標回転数Ncが算出される。
そのような変形例における前記沸上単独運転時での前記圧縮機制御部410B1が実行する制御手順を、図18のフローチャートに示す。図18に示すフローにおいては、前記図14と異なる点は、前記ステップS20に代えてステップS18とステップS20Aが設けられ、また前記ステップS30に代えてステップS28とステップS30Aとが設けられている。
すなわち、前記図14と同様のステップS5→ステップS10を経てステップS15の判定が満たされた場合、新たに設けたステップS18に移る。ステップS18では、圧縮機制御部410B1は、前記目標回転数補正部410B2により、図17に示した相関を用いて、前記ステップS10で取得した実沸上能力Waの値に対応する冷媒配管101,102等の管路長を推定する。
その後、圧縮機制御部410B1は、ステップS20Aに移り、この時点で前記室内ファン制御部430Aにより前記外気温度Tairに基づき前記目標回転数生成部410B1により決定されている圧縮機14の前記目標回転数Ncを、前記ステップS18で推定した前記管路長に対応させて(図17に示す相関を用いて)、前記目標回転数補正部410B2により、それまでよりもマイナス側に所定値だけ補正する。そして、前記ステップS20と同様、目標回転数補正部410B2は、その補正後の目標回転数Ncを前記圧縮機14に出力することにより、圧縮機14の回転数は、その補正後の目標回転数Ncとなるように制御される。その後、前記ステップS10に戻り、同様のステップS10→ステップS15→・・という手順を繰り返す。
また、前記図14と同様のステップS5→ステップS10→ステップS15を経てステップS25の判定が満たされた場合、新たに設けたステップS28に移る。ステップS28では、圧縮機制御部410B1は、前記ステップS18と同様、前記目標回転数補正部410B2により、図17に示した相関を用いて、前記ステップS10で取得した実沸上能力Waの値に対応する冷媒配管101,102等の管路長を推定する。
その後、圧縮機制御部410B1は、ステップS30Aに移り、この時点で前記室内ファン制御部430Aにより前記外気温度Tairに基づき前記目標回転数生成部410B1により決定されている圧縮機14の前記目標回転数Ncを、前記ステップS18で推定した前記管路長に対応させて(図17に示す相関を用いて)、前記目標回転数補正部410B2により、それまでよりもプラス側に所定値だけ補正する。そして、前記ステップS30と同様、目標回転数補正部410B2は、その補正後の目標回転数Ncを前記圧縮機14に出力することにより、圧縮機14の回転数は、その補正後の目標回転数Ncとなるように制御される。その後、前記ステップS10に戻り、同様のステップS10→ステップS15→・・という手順を繰り返す。
以上説明した本変形例においては、沸上単独運転時に前記のようにして変動しうる実熱交換能力Waに基づき、目標回転数補正部410B2により冷媒配管101,102等の管路長を推定する。そして、その推定結果に応じ、冷媒配管101,102等の管路長の長・短に確実に対応する形で前記圧縮機14の目標回転数Ncを補正することができ、前記実施形態と同様の効果を得る。
さらに、本発明は以上の態様に限定されることなく、例えば、前記二方弁121〜124のうち少なくとも1つを、閉止機能付きの膨張弁で置き換えても良い。また、前記膨張弁111〜113に代え、減圧器としてエジェクターを用いても良い。
1 給湯機能付き空気調和機
2 貯湯タンク
4 加熱循環回路(湯水循環回路)
5 加熱往き管(湯水配管)
6 加熱戻り管(湯水配管)
14 圧縮機
15 水冷媒熱交換器
15a 冷媒側の流路
15b 水側の流路
17 室外熱交換器(ヒートポンプ熱交換器)
18 冷媒配管
19 沸上ポンプ(給水ポンプ)
27 室内熱交換器
30 冷媒循環回路
31 四方弁
34 室内温度センサ
67 室外ファン
77 室内ファン
100 貯湯ユニット(タンクユニット)
101 接続用冷媒配管
102 接続用冷媒配管
103 接続用冷媒配管
104 接続用冷媒配管
113 膨張弁(減圧器)
200 ヒートポンプユニット(室外機)
300 エアコンユニット(室内機)
410 ヒーポン制御部
410B 圧縮機制御部
410B1 目標回転数生成部(圧縮機制御手段)
410B2 目標回転数補正部(補正手段)
410B3 目標回転数記憶部(記憶手段)
410C 膨張弁制御部(減圧器制御手段)
410E 実沸上能力算出部(検出手段)
420 貯湯制御部
430 エアコン制御部
△H 冷媒吐出温度と冷媒流出温度との温度差
△Hm 目標温度差
Nc 圧縮機目標回転数
Np ポンプ目標回転数
T1 入水温度
T2 冷媒流出温度
Tair 外気温度
Tb 沸上温度
Tbm 目標沸上温度
Tcon エアコン設定温度
Tout 冷媒吐出温度
Tr 室内温度
Wa 実沸上能力(実熱交換能力)

Claims (6)

  1. 冷媒と外気との熱交換を行うヒートポンプ熱交換器及び圧縮機を備えた室外機と、
    前記冷媒と室内空気との熱交換を行う室内熱交換器を備えた室内機と、
    湯水を貯湯する貯湯タンク及び水冷媒熱交換器を備えたタンクユニットと、
    前記圧縮機の回転数を所定の目標回転数となるように制御する圧縮機制御手段と
    を有し、
    前記ヒートポンプ熱交換器、前記圧縮機、前記室内熱交換器、減圧器、及び、前記水冷媒熱交換器の冷媒側を冷媒配管で接続して、前記室外機と前記タンクユニットと前記室内機とに亘る冷媒循環回路を形成するとともに、前記水冷媒熱交換器の水側と前記貯湯タンクとを湯水配管で環状に接続して、前記タンクユニット内で湯水循環回路を形成し、
    前記室内熱交換器により前記室内空気を加熱する暖房作動を少なくとも行う暖房運転及び前記室内熱交換器により前記室内空気を冷却する冷房作動を少なくとも行う冷房運転のうち少なくとも一方と、前記水冷媒熱交換器により前記貯湯タンクへの水を加熱する沸上運転とを、選択的に実行可能に構成された給湯機能付き空気調和機において、
    前記沸上運転の実行時に前記水冷媒熱交換器における実熱交換能力を検出する検出手段と、
    前記沸上運転の実行時に前記検出手段により検出された前記実熱交換能力に応じて目標回転数の補正値を決定し、前記補正値に基づいて前記目標回転数を補正する補正手段と
    を設け、
    前記圧縮機制御手段は、
    前記暖房運転及び前記冷房運転のうち前記少なくとも一方の実行時において、前記圧縮機の回転数を、前記沸上運転の実行時の前記補正手段による補正値に基づいて補正した目標回転数となるように制御する
    を有することを特徴とする給湯機能付き空気調和機。
  2. 前記圧縮機から吐出される前記冷媒の吐出温度と前記水冷媒熱交換器から流出する前記冷媒の流出温度との温度差が、前記貯湯タンク内の湯水の目標沸き上げ温度と外気温度と前記水冷媒熱交換器に流入する湯水の入水温度とに基づいて算出される所定の目標温度差となるように前記減圧器の開度を制御する、減圧器制御手段をさらに有する
    ことを特徴とする請求項1記載の給湯機能付き空気調和機。
  3. 前記タンクユニットは、
    前記湯水循環回路の湯水を循環させる給水ポンプを有し、
    前記検出手段は、
    前記水冷媒熱交換器から流出する湯水の出水温度と前記入水温度との温度差、及び、前記給水ポンプの回転数、に基づき、前記水冷媒熱交換器における前記実熱交換能力を検出する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の給湯機能付き空気調和機。
  4. 前記補正手段は、
    前記検出手段により検出された前記実熱交換能力が過大である場合には、前記目標回転数の減少補正を行い、
    前記検出手段により検出された前記実熱交換能力が過小である場合には、前記目標回転数の増大補正を行う
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の給湯機能付き空気調和機。
  5. 前記補正手段は、
    前記実熱交換能力に基づいて前記冷媒配管の管路長を推定し、その推定した前記管路長に対応して前記目標回転数を補正する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の給湯機能付き空気調和機。
  6. 前記補正手段によって決定された補正値を記憶する記憶手段を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の給湯機能付き空気調和機。
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