JP3854586B2 - 熱源システムと当該熱源システムの制御方法及び熱源と当該熱源の制御方法 - Google Patents

熱源システムと当該熱源システムの制御方法及び熱源と当該熱源の制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3854586B2
JP3854586B2 JP2003072265A JP2003072265A JP3854586B2 JP 3854586 B2 JP3854586 B2 JP 3854586B2 JP 2003072265 A JP2003072265 A JP 2003072265A JP 2003072265 A JP2003072265 A JP 2003072265A JP 3854586 B2 JP3854586 B2 JP 3854586B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
heat medium
flow rate
heat source
medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003072265A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004245560A (ja
Inventor
良彦 田中
研一 藤井
雄太 古田島
俊博 堀
裕二 本田
友昭 佐藤
憲治 上田
一馬 田井東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2003072265A priority Critical patent/JP3854586B2/ja
Publication of JP2004245560A publication Critical patent/JP2004245560A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3854586B2 publication Critical patent/JP3854586B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Air Conditioning Control Device (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地域冷暖房施設等の熱源として用いられる空調や工場設備などの熱源システムおよび空調や工場設備などの熱源システムの制御方法、さらには当該熱源システムに用いられる熱源とその熱源の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数の熱源を用いた熱源システムは、高効率での運転を図り、エネルギーの節減を実現するために、負荷側への熱媒流量を制御する方式が採用されていた(例えば、特許文献1参照。)。
具体的には、負荷側である二次側のポンプ動力を低減し、省エネルギーを図るべく、二次側のポンプ送水量を空調負荷の変化に応じて変化させ、さらに、二次側の送水量の変化に対応させて熱源側である一次側の送水量を変化させる制御を行う。
【0003】
また、複数台の熱源を備えたシステムにおける増減段を行う制御としては、負荷熱量に応じた運転熱源機器の組み合わせを選択する方式が採用されていた(例えば、特許文献2参照。)。
具体的には、この種の空調や工場設備などの熱源システムの一般的な構成としては図12に示す構成が知られている。図12において、空調や工場設備などの熱源システム4は、熱媒を加熱または冷却する第一の熱源101及び、第二の熱源102及び、第三の熱源103と、各熱源101,102,103で加熱または冷却された熱媒を圧送する第一のポンプ104、第二のポンプ105及び、第三のポンプ106を備える。また、各ポンプ104,105,106で圧送された熱媒を集め、外部負荷(地域冷暖房の需要家や空調機やファンコイルなどの負荷機器)3に送るヘッダ108と、外部負荷3から返ってきた熱媒を各熱源101,102,103に分配するヘッダ109と、ヘッダ108とヘッダ109とを繋ぐバイパス回路110と、を備える。
【0004】
そして、運転制御のための構成として、バイパス回路110に配される、バイパス回路110内を流れる熱媒の流量を調節する開閉バルブ111と、外部負荷3に送られる熱媒の温度を検知する温度計112と、外部負荷3から返ってきた熱媒の温度を検知する温度計113と、外部負荷3に流れる熱媒の流量を検知する流量センサ114と、を備えるとともに、温度計112,113及び流量センサ114の出力に基づいて、第一の熱源101、第二の熱源102、第三の熱源103、第一のポンプ104、第二のポンプ105、第三のポンプ106、及び開閉バルブ111を制御する制御部115を備える。
【0005】
上記の構成からなる熱源システム4においては、例えば、熱媒は、外部負荷3で熱交換され14℃の熱媒となり、ヘッダ109に流入する。ヘッダ109に流入した熱媒は、各熱源101,102,103に流入し、冷却され5℃の熱媒となる。5℃に冷却された熱媒は、各熱媒ポンプ104,105,106により圧送され、ヘッダ108より外部負荷3に送られるという制御を図る。
【0006】
ここで、通常、空調や工場設備などの熱源システム4を設計するときには、外部負荷3の要求に合わせて設計される。例えば、最大負荷時に、外部負荷3からの14℃の熱媒を5℃に冷却して、毎時1008m供給することで10548kW(3000RT(冷凍トン))の冷凍能力を発揮することが求められたとする。設計としては、1台の熱源の冷凍能力を3516kW(1000RT)とし、3台の合計で10548kW(3000RT)の冷凍能力を確保し、1台の熱媒ポンプが毎時336mの熱媒を供給し、3台の合計で毎時1008mの熱媒を供給することとなる。
【0007】
また、外部負荷3にかかる負荷が減少し、要求される冷凍能力が3164kW(900RT)となった場合には、外部負荷3から返ってくる熱媒の温度が14℃であることを前提として、外部負荷3には毎時302mの熱媒を送ることが求められる。
【0008】
このとき、制御部115は、温度計112,113、及び流量センサ114の出力に基づいて、第一の熱源101の冷凍能力を3164kW(900RT)に制御し、第一のポンプ104を運転するとともに、第二の熱源102、第三の熱源103の運転を停止し、第二のポンプ105、第三のポンプ106の運転を停止する。第一のポンプ104の吐出流量は毎時336mで要求される流量よりも多いので、制御部115は、開閉バルブ111を調節し、バイパス回路に毎時134mの熱媒が、ヘッダ108からヘッダ109に流れるようにして、外部負荷3に流れる熱媒の流量を調節する。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−31376号公報
【特許文献2】
特開2000−18683号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の熱源システム4においては、熱媒が、設計値どおりの往還温度差で運用される状況だけにとどまらず、現実においては、しばしば、熱負荷が外的要因により変動して、外部負荷3から還ってくる熱媒の温度が、変動して一定でないことがあった。外部負荷3に送る熱媒の温度は一定に保たれているため、熱媒流量が一定とすると、熱源システム4が供給する熱量は、外部負荷3から還ってくる熱媒の温度に依存することになる。外部負荷3側から還ってくる熱媒の温度が下がると、外部負荷3側に送る熱媒の温度には変更がないので、熱源101の能力を絞って運転することになる。この場合、熱源101は高負荷の場合に高効率を発揮するものであるため、能力を絞った低負荷の場合には十分な効率を発揮できない状態での運転となる。熱源システム4をこのような効率の悪い領域で運転し続けることは、運用コストの面からも好ましい運転状況ではなかった。
【0011】
また、外部負荷3から要求される熱量が増えた場合、すなわち、供給される熱媒を外部負荷3側でより多く取り入れる状況になった場合には、バイパス回路110の開閉バルブ111を閉めて熱媒流量を増やすことによりヘッダ108,109間の圧力バランスを保つように対応している。
ところが、往還温度差がつかない状況において、外部負荷3における熱需要が増大した場合であっても、熱媒流量を増やすことにより対応している。そのため、熱源101が往還温度差が設定値以下のため絞った運転となっていても、第一のポンプ104の容量以上の熱媒流量を確保できないため、要求されている熱量を供給することができず、第二のポンプ105を稼動しなければならなくなる。
【0012】
最も、ただ単に第二のポンプ105を稼動させたのでは、外部負荷3側から戻ってきた熱媒が、その温度を下げずにヘッダ108側に流入することになり、熱源システム4の供給する熱媒温度が上昇し、安定した往温度の熱媒を供給できなくなる。このため、結果として、第二の熱源102と第二のポンプ105とをともに運転する、いわゆる増段を余儀なくされることになる。
【0013】
しかし、増段により熱媒流量の点においては要求を満たしたことになるが、各熱源101,102の最大能力(3516kW(1000RT))よりも低いところ(1582kW(450RT))で運転するため、結果として、当初から運転している熱源の能力を活かしきれず、熱源システム4の運転効率が悪くなるという問題があった。
【0014】
さらに、第二の熱源102と第二のポンプ105を運転して外部負荷3から要求される熱量に対応した後、要求される熱量がさらに増加すると、同様にして、熱源が供給できる熱量の上限より先に、ポンプが供給できる熱媒の流量の上限に達してしまう。このような場合、従来の熱源システム4では、第三の熱源103と第三のポンプ106を運転して要求される熱量に対応することになり、結局、各熱源101,102,103が供給できる熱量の上限より先に、熱媒ポンプが供給できる熱媒の流量の上限に達してしまうため、連鎖的な増段(並列運転)を余儀なくされていた。
【0015】
つまり、熱源システム4の熱源101,102,103の能力の合計が10548kW(3000RT)であっても、実際に外部負荷3に供給できる熱量はそれ以下(例えば、7032kW(2000RT))になってしまう現象が発生する。そこで、外部負荷3の要求に対応するために、さらに熱源と熱媒ポンプの数を増やすことが行われているが、余分な熱源と熱媒ポンプと冷却水ポンプと冷却塔を備えるため、設備費用が増大し、設置スペースが拡大するという問題があった。
【0016】
この発明は、以上のような事情を考慮してなされたもので、その目的は、熱源の運転に伴うエネルギーロスを解消するために設備の大幅なリニューアルを必要としない形で、熱源システムの効率運用を実現させることにあり、さらには、建設コストの低減、省スペース、省エネルギー低コスト運転、システム効率の向上ができる空調や工場設備などの熱源システムおよび空調や工場設備などの熱源システムの制御方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の空調や工場設備などの熱源システムおよび空調や工場設備などの熱源システムの制御方法では、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
【0018】
請求項1に係る発明は、外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する複数の熱源と、該熱源により冷却または加熱された前記熱媒を前記外部負荷へ圧送する熱媒ポンプと、往還温度差を検知するための往還温度差取得手段と、前記外部負荷における熱媒の流量を検知する外部熱媒流量検知手段と、前記熱源、前記熱媒ポンプを制御する制御部と、を備えた熱源システムであって、前記制御部は、前記往還温度差取得手段と前記外部熱媒流量検知手段とが取得した往還温度差及び熱媒流量に基づき前記熱媒ポンプの圧送流量を制御し、
少なくとも一つの前記熱媒ポンプの単位時間当たりの最大圧送流量は、最大負荷時の熱媒循環流量よりも多い過流量であり、運用時の熱媒の往還温度差である運用往還温度差が、設計時の熱媒の往還温度差である設定往還温度差よりも小さい場合に、前記熱媒流量を前記過流量にシフトすることを特徴とする。
【0019】
この発明に係る熱源システムによれば、往還温度差及び熱媒流量に基づき熱媒ポンプの圧送流量を最大負荷時の熱媒循環流量よりも多い過流量とできるので、往還温度差が減少した場合でも、外部負荷に対して熱源の上限能力まで熱供給できる。
【0020】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の熱源システムにおいて、前記過流量は、取得した往還温度差及び熱媒流量に基づき算出される最大流量以下の循環流量であり、前記制御部が、前記過流量まで連続的または段階的に熱媒流量が増えるように、熱媒ポンプを制御することを特徴とする。
【0021】
この発明に係る熱源システムによれば、制御部は、往還温度差及び熱媒流量に基づき算出される最大流量以下の前記過流量まで連続的または段階的に熱媒流量が増えるため、前記外部負荷の変動、特に負荷の急激な低下に対して影響を受け難く、熱媒流量を安定して制御することができる。
【0022】
請求項3に係る発明は、外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する少なくとも1台以上の熱源と、該熱源により冷却または加熱された前記熱媒を前記外部負荷へ圧送する少なくとも1台以上の熱媒ポンプと、前記外部負荷から流入する前記熱媒の温度を検知する流入熱媒温度検知手段と、前記熱源の入口における前記熱媒の温度を検知する熱源入口温度検知手段と、前記外部負荷へ圧送される前記熱媒の流量、または前記外部負荷から流入する前記熱媒の流量を検知する外部熱媒流量検知手段と、前記流入熱媒温度検知手段及び、前記熱源入口温度検知手段及び、前記外部熱媒流量検知手段の出力に基づき、前記熱源の運転台数及び、前記熱媒ポンプの運転台数及び、当該熱媒ポンプの圧送流量を制御する制御部とを備えた熱源システムであって、前記熱媒ポンプの1台当たりにおける単位時間当たりの圧送流量は、熱源の最大負荷時における、前記熱媒ポンプの1台当たりの熱媒循環流量よりも多い過流量とされ、運用時の熱媒の往還温度差である運用往還温度差が、設計時の熱媒の往還温度差である設定往還温度差よりも小さい場合に、前記熱媒流量を前記過流量にシフトすることを特徴とする。
【0023】
この発明に係る熱源システムによれば、前記熱媒ポンプの1台当たりにおける単位時間当たりの流量は、熱源システムの最大負荷時における、前記熱媒ポンプの1台当たりの熱媒循環流量よりも多いため、熱源システムは、新たに前記熱源と対となる前記熱媒ポンプをもう1台ずつ立ち上げることなく、前記熱媒の流量を増やすことにより、必要な熱量を供給することができる。
【0024】
ひいては、前記熱媒ポンプの単位時間当たりの流量を増やすことにより、前記熱源の全能力を使用することができ、運転する前記熱源と前記熱媒ポンプの台数又は運転台数を抑えることができ、かつ、過剰な前記熱源及び前記熱媒ポンプ及び、前記冷却水ポンプ及び、前記冷却塔を運転又は設置する必要がなくなる。
【0025】
請求項4に係る発明は、請求項3記載の熱源システムにおいて、前記熱媒ポンプにより圧送された前記熱媒を前記熱源の流入側へバイパスさせるバイパス回路と、前記バイパス回路内を流れる前記熱媒の流量を調節する開閉バルブとを備え、前記制御部は、当該開閉バルブを閉めた状態で、前記熱源の最大負荷時における、前記熱媒ポンプの1台当たりの熱媒循環流量よりも多くなるように、前記熱媒ポンプを駆動するインバータモータの回転数を制御することを特徴とする。
【0026】
この発明に係る熱源システムによれば、前記制御部は、前記インバータモータの回転数を上げて、前記熱媒ポンプの圧送流量を増やすことにより、前記外部負荷に流れる前記熱媒の流量を増やすことができる。熱源システムは、新たに前記熱源と対となる前記熱媒ポンプ及び、冷却水ポンプ及び、冷却塔をもう1台ずつ立ち上げることなく、前記熱媒の流量を増やすことにより、必要な熱量を供給することができる。
【0027】
請求項5に係る発明は、請求項3又は請求項4に記載の熱源システムにおいて、前記熱源に対して前記熱媒ポンプを複数設け、当該複数の熱媒ポンプの単位時間当たりの流量の合計が、前記熱源の最大負荷時における、前記熱源の1台当たりの熱媒循環流量よりも多いことを特徴とする。
【0028】
この発明に係る熱源システムによれば、前記制御部は、前記熱源に対する前記熱媒ポンプの運転台数を増やし、前記外部負荷に流れる前記熱媒の流量を増やすことができる。熱源システムは、新たに前記熱源と対となる前記熱媒ポンプ及び、冷却水ポンプ及び、冷却塔をもう1台ずつ立ち上げることなく、前記熱媒の流量を増やすことにより、必要な熱量を供給することができる。
【0029】
請求項6に係る発明は、請求項3ないし請求項5に記載の熱源システムにおいて、前記熱源は冷凍機であって、前記熱源システムは、当該冷凍機に応じて冷却塔と冷却水ポンプをさらに備え、前記制御部は、前記冷凍機の運転台数、前記冷却水ポンプの運転台数、及び、前記冷却塔の運転台数を、さらに制御することを特徴とする。
【0030】
この発明に係る熱源システムによれば、冷凍装置を熱源としても過流量制御を実現できる熱源システムを提供することができる。
【0031】
請求項7に係る発明は、請求項1ないし請求項6に記載の熱源システムにおいて、前記熱源は、前記熱媒の冷却又は加熱のために複数の熱交換器を並列に備えるものであって、前記制御部は、熱媒循環流量に応じて当該複数の熱交換器に熱媒を流すことを特徴とする。
【0032】
この発明に係る熱源システムによれば、複数の熱交換器を並列に備えるので、熱媒循環流量が増えても熱媒流路を分岐させることができ、流動抵抗の著しい増加することなく必要な熱量を供給することができる。
【0033】
請求項8に係る発明は、外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する複数の熱源と、該熱源により冷却または加熱された前記熱媒を前記外部負荷へ圧送する熱媒ポンプと、往還温度差を検知するための往還温度差取得手段と、前記外部負荷における熱媒の流量を検知する外部熱媒流量検知手段と、前記熱源、前記熱媒ポンプを制御する制御部と、を備えた熱源システムの制御方法であって、
前記制御部が、前記往還温度差取得手段と前記外部熱媒流量検知手段とが取得した往還温度差及び熱媒流量に基づき、少なくとも一つの前記熱媒ポンプの単位時間当たりの最大圧送流量が、最大負荷時の熱媒循環流量よりも多い過流量となるように前記熱媒ポンプの圧送流量を制御され、運用時の熱媒の往還温度差である運用往還温度差が、設計時の熱媒の往還温度差である設定往還温度差よりも小さい場合に、前記熱媒流量を前記過流量にシフトすることを特徴とする。
【0034】
この発明に係る熱源システムの制御方法によれば、往還温度差及び熱媒流量に基づき熱媒ポンプの圧送流量を最大負荷時の熱媒循環流量よりも多い過流量とできるので、往還温度差が減少した場合でも、外部負荷に対して熱源の上限能力まで熱供給できる効率的な制御が実現する。
【0035】
請求項9に係る発明は、請求項8に記載の熱源システムの制御方法において、前記過流量は、取得した往還温度差及び熱媒流量に基づき算出される最大流量以下の循環流量であり、前記熱媒ポンプから圧送される熱媒の流量は、前記過流量まで連続的または段階的に制御されることを特徴とする。
【0036】
この発明に係る熱源システムの制御方法によれば、往還温度差及び熱媒流量に基づき算出される最大流量以下の前記過流量まで連続的または段階的に熱媒流量が増えるため、前記外部負荷の変動、特に負荷の急激な低下に対して影響を受け難く、熱媒流量を安定して制御することができる。
【0037】
請求項10に係る発明は、外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する、少なくとも1台以上の熱源と、該熱源により冷却または加熱された前記熱媒を前記外部負荷へ圧送する、少なくとも1台以上の熱媒ポンプと、前記熱源、前記熱媒ポンプ、及び当該熱媒ポンプの圧送流量を制御する制御部と、を備え、前記熱媒ポンプの単位時間当たりの圧送流量の合算は、熱源の最大負荷時における、前記熱媒ポンプの熱媒循環流量の合算よりも多い過流量とされた熱源システムの制御方法であって、
前記制御部は、前記外部負荷から流入する前記熱媒の温度及び、前記熱源の入口における前記熱媒の温度及び、前記外部負荷における前記熱媒の流量に基づき、前記熱源の運転台数及び、前記熱媒ポンプの運転台数及び、前記圧送流量を制御し、運用時の熱媒の往還温度差である運用往還温度差が、設計時の熱媒の往還温度差である設定往還温度差よりも小さい場合に、前記熱媒流量を前記過流量にシフトすることを特徴とする。
【0038】
この発明に係る熱源システムの制御方法によれば、前記制御部は、前記開閉バルブの開度を絞り、前記バイパス回路を流れる前記熱媒の流量を減少させることにより、前記外部負荷に流れる前記熱媒の流量を増やすことができる。これにより熱源システムにおいて、前記熱媒の流量を増やすことにより、新たに前記熱源と対となる前記熱媒ポンプ及び、冷却水ポンプ及び、冷却塔をもう1台ずつ立ち上げることなく、必要な熱量を供給する制御を実現できる。
【0039】
請求項11に係る発明は、請求項10に記載の熱源システムの制御方法前記熱源システムは、熱媒ポンプにより圧送された前記熱媒を前記熱源の流入側へバイパスさせるバイパス回路と、前記バイパス回路内を流れる前記熱媒の流量を調節する開閉バルブとを備え、前記制御部は、当該開閉バルブを閉めた状態で、前記熱源の最大負荷時における、前記熱媒ポンプの1台当たりの熱媒循環流量よりも多くなるように、前記熱媒ポンプのモータ回転数を制御して熱媒循環流量を調整することを特徴とする。
【0040】
この発明に係る熱源システムの制御方法によれば、制御部は、前記熱媒ポンプのモータ回転数を上げて、前記熱媒ポンプの圧送流量を増やすことにより、前記外部負荷に流れる前記熱媒の流量を増やすことができる。これにより、熱源システムにおいて、前記熱媒の流量を増やすことにより、新たに前記熱源と対となる前記熱媒ポンプ及び、冷却水ポンプ及び、冷却塔をもう1台ずつ立ち上げることなく、必要な熱量を供給する制御を実現できる。
【0041】
請求項12に係る発明は、請求項8ないし請求項11に記載の熱源システムの制御方法において、前記熱源は、前記熱媒の冷却又は加熱のために複数の熱交換器を並列に備えるものであって、前記制御部は、熱媒循環流量に応じて当該複数の熱交換器に熱媒を流すことを特徴とする。
【0042】
この発明に係る熱源システムの制御方法によれば、制御部は、複数の熱交換器に対して並列に熱媒を流せるので、熱媒循環流量が増えても熱媒流路を分岐させることができ、流動抵抗の著しい増加することなく必要な熱量を供給する制御を実現できる。
【0043】
請求項13に係る発明は、外部から流入する熱媒を冷却または加熱する熱交換器と、当該熱交換器に熱媒を流入させる熱媒配管とを備える、請求項1から請求項7のいずれかに記載された熱源システムに用いられる熱源であって、前記熱交換器が複数設けられるとともに、前記熱媒配管には、前記複数の熱交換器の一部、または全てに、熱媒が流れるよう制御する熱媒流れ切り換え手段が備えられ、外部からの指示に基づき、前記熱媒流れ切り換え手段を制御する制御部を備え、運用時の熱媒の往還温度差である運用往還温度差が、設計時の熱媒の往還温度差である設定往還温度差よりも小さい場合に、前記熱媒流量を前記過流量にシフトすることを特徴とする。
【0044】
この発明に係る熱源によれば、制御部は、複数の熱交換器の一部又は全てに対して熱媒を流せるので、熱媒の流動抵抗を著しく増加させることなく、熱媒循環流量の増加に対応することができ、必要な熱量を供給する制御を実現できる。
【0045】
請求項14に係る発明は、外部から流入する熱媒を冷却または加熱する熱交換器と、当該熱交換器に熱媒を流入させる熱媒配管とを備える、請求項1から請求項7のいずれかに記載された熱源システムに用いられる熱源の制御方法であって、前記熱交換器には、複数の前記熱媒配管が備えられるとともに、当該熱媒配管には、前記熱交換器を流れる熱媒の経路を制御する熱媒流れ切り換え手段が備えられ、外部からの指示に基づき、前記熱媒流れ切り換え手段を制御する制御部を備え、運用時の熱媒の往還温度差である運用往還温度差が、設計時の熱媒の往還温度差である設定往還温度差よりも小さい場合に、前記熱媒流量を前記過流量にシフトすることを特徴とする。
【0046】
この発明に係る熱源によれば、制御部は、複数の熱媒配管を流れる熱媒の経路を変えることができるので、熱媒の流動抵抗を著しく増加させることなく、熱媒循環流量の増加に対応することができ、必要な熱量を供給する制御を実現できる。
【0047】
請求項15に係る発明は、外部から流入する熱媒を冷却または加熱する熱交換器と、当該熱交換器に熱媒を流入させる熱媒配管とを備える、請求項1から請求項7のいずれかに記載された熱源システムに用いられる熱源の制御方法であって、前記熱交換器には、複数の前記熱媒配管が備えられ、設計時に想定した標準熱媒流量を流す時には、一部の前記熱交換器に熱媒を流し、標準熱媒流量以上の熱媒を流す時には、全ての前記熱交換器に熱媒を流し、運用時の熱媒の往還温度差である運用往還温度差が、設計時の熱媒の往還温度差である設定往還温度差よりも小さい場合に、前記熱媒流量を前記過流量にシフトすることを特徴とする。
【0048】
請求項16に係る発明は、外部から流入する熱媒を冷却または加熱する熱交換器と、当該熱交換器に熱媒を流入させる熱媒配管とを備える、請求項1から請求項7のいずれかに記載された熱源システムに用いられる熱源の制御方法であって、前記熱交換器には、複数の前記熱媒配管が備えられ、設計時に想定した標準熱媒流量を流す時には、熱媒が複数の前記熱媒配管を直列に流れ、標準熱媒流量以上の熱媒を流す時には、熱媒が複数の前記熱媒配管を並列に流れ、運用時の熱媒の往還温度差である運用往還温度差が、設計時の熱媒の往還温度差である設定往還温度差よりも小さい場合に、前記熱媒流量を前記過流量にシフトすることを特徴とする。
【0049】
この発明に係る熱源の制御方法によれば、熱媒の流動抵抗を著しく増加させることなく、熱媒循環流量の増加に対応することができ、必要な熱量を供給する制御を実現できる。
【0050】
【発明の実施の形態】
〔第一実施形態〕
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。図1はこの発明にかかる熱源システムの一実施形態を示す全体構成図である。
【0051】
図1において空調や工場設備などの熱源システム1は、外部負荷3側に供給する熱媒を運転目的に応じて冷却または加熱する複数の熱源として、第一の熱源11、第二の熱源12、及び、第三の熱源13を備える。本実施形態においては、熱媒に水を、熱源に冷凍機を想定している。
【0052】
ここで、各熱源11,12,13には、それぞれに対応して冷却塔14,15,16が設けられており、冷却塔14,15,16に搬送される冷却水の流量制御はそれぞれ冷却水ポンプ17,18,19により行われる。詳細には、第一の冷却水ポンプ17は第一の冷却水ポンプ用インバータモータ17aにより、第二の冷却水ポンプ18は第二の冷却水ポンプ用インバータモータ18aにより、第三の冷却水ポンプ19は第三の冷却水ポンプ用インバータモータ19aにより駆動され、回転数の変化に応じた流量制御が行われる。
【0053】
また、熱源システム1は、最大負荷時[10548kW(3000RT)]において均等配分設計した場合の熱媒ポンプの1台当たりの標準熱媒循環流量(毎時336m)よりも、単位時間当たりの流量が多い(最大毎時504m)第一の熱媒ポンプ21、第二の熱媒ポンプ22及び、第三の熱媒ポンプ23を備え、後述する過流量制御を可能とする。
【0054】
ここで、第一の熱媒ポンプ21は第一の熱媒ポンプ用インバータモータ21aにより、第二の熱媒ポンプ22は第二の熱媒ポンプ用インバータモータ22aにより、第三の熱媒ポンプ23は第三の熱媒ポンプ用インバータモータ23aにより、各々回転数を制御されつつ駆動され、各熱源11,12,13において熱交換を行った熱媒の流量を調整する。
【0055】
具体的には、本実施形態にかかる熱源システム1では、負荷時に5℃で外部負荷3に供給して14℃で戻る設計時の熱媒の設定往還温度差9℃に基づき算出される標準熱媒流量に対して、例えば、熱源システム1の運転時に設定往還温度差が確保されず、運転時の実際の熱媒の往還温度差(以後、運転往還温度差と表記)が6℃となった往還温度差降下状況に対応する態様として、この運転往還温度差6℃が、所定の設定往還温度差9℃に対して2/3の運用往還温度差であるので、標準熱媒循環流量に対して150%の循環能力(過流量能力)を備える熱媒ポンプを用いる。
【0056】
ただし、上述した熱媒ポンプの最大流量をどの程度、均等配分設計した場合の標準熱媒循環流量に上乗せするかは、予定されていた設定往還温度差とどの程度の開きが見込まれるかにより設定する。
例えば、熱源システム1の運用時の熱媒の往還温度差(以後、運用往還温度差と表記)が所定の設定往還温度差の半分であれば200%、運用往還温度差が所定の設定往還温度差の1/3であれば300%程度とする。言い換えれば、所定の設定往還温度差に対する実際の運用往還温度差の降下量に応じて、その減少比の逆数分を循環能力(熱媒循環最大流量)の増加分とする装置構成を採用する。結果として、熱媒ポンプの単位時間当たりの最大流量の合算は、熱源の最大負荷時に要求される熱媒ポンプの単位時間当たりの熱媒循環流量の合算よりも多いものとなり、全体として過流量を許容できる構成となる。
【0057】
さらに、熱源システム1は、各熱媒ポンプ11,12,13から圧送された熱媒を集め、外部負荷(地域冷暖房の需要家や空調機やファンコイルなど)3に送るサプライヘッダ31と、後述するバイパス回路33を介して搬送された熱媒を外部負荷3から戻った熱媒と混合するとともに、各熱源にその混合した熱媒を供給するリターンヘッダ32と、サプライヘッダ31とリターンヘッダ32とをバイパスさせて、少なくともいずれかの熱源において熱交換された熱媒を熱源の流入側へ搬送するバイパス回路33と、バイパス回路33のバイパス流量を制御し外部負荷3への供給圧力を調整する開閉バルブ34と、を備える。
【0058】
加えて、熱源システム1は、運転状況を制御にフィードバックするためのセンサとして、外部負荷3から熱源システム1側へ流入する熱媒の温度を検知する流入熱媒温度センサ(流入熱媒温度検知手段)42、第一の熱源11に流入する熱媒の温度を検知する第一の熱源入口温度センサ(熱源入口温度検知手段)43、第二の熱源12に流入する熱媒の温度を検知する第二の熱源入口温度センサ(熱源入口温度検知手段)44、第三の熱源13に流入する熱媒の温度を検知する第三の熱源入口温度センサ(熱源入口温度検知手段)45、及び、外部負荷3側から熱源システム1側へ流入する熱媒の流量を検知する流量センサ(外部熱媒流量検知手段)46を備える。
【0059】
そして、これらセンサからの検知情報(検知温度、検知流量)に基づき効率の良い運転を実現するために、熱源システム1は、制御部47を設け、流入熱媒温度センサ42、各熱源入口温度センサ43,44,45、及び、流量センサ46から出力された検知情報に基づいて、各熱源11,12,13、各インバータモータ17a,18a,19a,21a,22a,23a、及び、開閉バルブ34を制御する構成を採用している。
【0060】
ここで、流入熱媒温度センサ42は、還温度を検知し、運用往還温度差を取得するための運用往還温度差情報取得手段として機能するものであり、制御部47は取得した還温度値に基づき運用往還温度差を算出する。なお、往温度については、本実施形態においては供給される熱媒の温度が5℃で運用されるものであるが、より好適には、運用往還温度差情報取得手段の一構成要素として、サプライヘッダ58などに設けられた不図示の往温度センサを流用し、リアルタイムに往温度を取得する構成とするのが望ましい。
【0061】
また、外部熱媒流量検知手段として機能する流量センサ46は、図1に示したようにサプライヘッダ31側に設けられる構成に限られるものではなく、外部負荷3側から熱源システム1に戻る熱媒の流量を検知すべくリターンヘッダ32側に設ける構成としても良い。
【0062】
以下、上記の構成からなる空調や工場設備などの熱源システム1における熱媒の循環形態について説明する。
例えば、最大負荷時(設計条件)として、外部負荷3の要求冷凍能力が10548kW(3000RT)とされる場合などには、熱媒は、外部負荷3で熱交換され14℃の熱媒となり、リターンヘッダ32に流入する。リターンヘッダ32に流入した熱媒は、各熱源11,12,13に流入し、冷却され5℃の熱媒となる。5℃に冷却された熱媒は、各インバータモータ21a,22a,23aに駆動される各熱媒ポンプ21,22,23により圧送され、サプライヘッダ31より外部負荷3に送られる。
【0063】
これに対し、外部負荷3の熱負荷が最大時の30%のときには、外部負荷3の要求冷凍能力は3164kW(900RT)となるが、往還温度差が減少して外部負荷3から返ってくる熱媒温度が11℃である場合、熱媒の流量は毎時454m求められることになる。
【0064】
この熱媒の流量は、上述した標準熱媒循環流量に対して150%の過流量であり、この流量の算出シーケンスは次のようになる。
まず、制御部47は、流入熱媒温度センサ42から還温度情報(11℃)取得し、制御部47が備える不図示の記憶手段から読み出した往温度情報(5℃)を参照して運用往還温度差(6℃)を算出する。または、不図示の流出熱媒温度センサを備える場合には、その流出熱媒温度センサから往温度情報を取得し、取得した往温度情報を参照して運用往還温度差を算出する。
【0065】
続いて、制御部47は、記憶手段から読み出した設定往還温度差(9℃)と最大負荷時熱媒流量(1008m)とを参照し、算出した運用往還温度差(6℃)に基づき、最大運用流量(毎時454m)を算出する。
具体的には、負荷が30%であるので、最大冷凍能力時の供給量である毎時1008mに対応する毎時設定流量は、その30%にあたる302.4mと算出され、さらに、その算出された流量に、設定往還温度差9℃と運用往還温度差6℃との比(2/3)の逆数をかけて、毎時運用流量は454m(丸め数値:正確な算出値は453.6m)と算出される。ただし、最終的な最大運用流量は、熱媒ポンプ21,22,23の過流量能力の上限により規制されるものである。
【0066】
そして、制御部47は、算出した最大毎時運用流量(例えば、上述した454m)などの制御目標情報と流量センサ46からの流量情報とに基づき、例えば最大毎時運用流量以下の段階的な流量設定など、外部負荷3が求めている冷凍能力(3164kW(900RT))に応じた運転条件を設定し、上述した100%以上の流量での過流量となる制御を実行する。
【0067】
詳細には、制御部47は、不図示の記憶手段に記憶されている各熱源における定流量制御、変流量制御時の冷凍能力に関わる熱源能力関連情報を読み出し、読み出した熱源能力関連情報と制御目標情報、流量情報などに基づき、熱源の運転台数及び運転負荷を決定し、流量センサ46の出力から熱媒ポンプ用インバータモータ17a,18a,19aの回転数を決定し、熱媒流量を制御する。
【0068】
以下、図2を用いて、運転往還温度差が設定往還温度差よりも小さくなった場合の熱源システム1における冷却容量と稼動動力の相関について、増減段制御を中心に説明する。図2において、熱源システム1の運用において熱源が発生した動力については、その動力に対応する熱源の符号を付した。
図2に示したように、従来であれば、熱源11の冷却能力を十分に発揮する前の2341kW(666RT)程度で、熱媒の流量が最大流量に到達し、冷却容量によらず増段しなければならなかった。
【0069】
これに対し、本実施形態にかかる熱源システム1は、外部負荷3から返ってくる熱媒の温度が設計値より低い状態(例えば、11℃)で、外部負荷3から要求される熱量が増えると、熱媒ポンプの単位時間当たりの最大流量を増加させているため、第一の熱源11が供給できる熱量の上限(3516kW(1000RT))に至るまで、第一の熱媒ポンプ21の供給できる熱媒の流量を標準設計循環流量以上に上昇させることができ、運用往還温度差が設定往還温度差よりも小さい場合であっても熱媒流量を過流量にシフトさせることにより熱源における負荷が増え、結果として熱源の運用効率がより高い領域での運用が可能となり、過流量能力を高く設定すれば、流量の上限(毎時504m)において冷却容量の最大値付近にまで到達させる制御も実現することができる。
【0070】
そして、さらに要求される熱量が増えた場合に、外部熱媒流量検知手段46からの150%に到達したという流量情報の取得を契機に制御部47は増段制御へと移行する。詳細には、制御部47は、第二の熱源12と第二の熱媒ポンプ22と第二の冷却水ポンプ18と第二の冷却塔15の運転を開始する。またさらに要求される熱量が増え、外部熱媒流量検知手段46から所定の流量に到達した旨の情報を取得した場合に、制御部47は、第三の熱源13と第三の熱媒ポンプ23と第三の冷却水ポンプ19と第三の冷却塔16の運転を行う。このような過流量制御を行うことにより、最終的には、熱源システム1の全冷凍能力の10548kW(3000RT)を外部負荷3に供給することができる。
【0071】
ここで、図2に示すように、本発明に係る空調や工場設備などの熱源システム1は、熱媒ポンプの最大流量を異ならせて制御、運用する構成を採用することにより、結果として、冷却容量の観点から見れば、従来の熱源システム4よりも、熱源と熱媒ポンプと冷却水ポンプと冷却塔とが1台ずつ少ない状態で同じ冷却容量を実現するものであり、また、稼動動力の観点から見れば、同じ台数の熱源と熱媒ポンプであっても、より低い動力で同じ冷却容量を実現するものである。
【0072】
上記の構成によれば、各熱媒ポンプ21,22,23の単位時間当たりの流量を増やし、各熱媒ポンプ21,22,23を各インバータモータ21a,22a,23aにより、それぞれ制御部47で制御して駆動することにより、各熱源11,12,13の全能力を使用することができ、熱源と熱媒ポンプと冷却水ポンプと冷却塔の運転台数を抑えることができ、さらに、各インバータモータ21a,22a,23aの回転数を制御することにより熱媒の流量を細かく調節することができる。
【0073】
ひいては、熱源システム1の運転効率が良くなり、プラント全体としての運転コストを低くすることができる。また、空調や工場設備などの熱源システム1の全冷凍能力を外部負荷3に供給することができるため、過剰な熱源、熱媒ポンプ、冷却水ポンプ、冷却塔を設置する必要がなくなり、熱源システム1の設備投資費用を少なくすることができ、設置スペースも小さくすることができる。
【0074】
ここで、上記の実施形態においては、熱媒ポンプの単位時間当たりの最大流量を、最大負荷時の熱媒循環流量の1.5倍(毎時504m)に適応して説明したが、この熱媒ポンプの単位時間当たりの最大流量は、外部負荷から返ってくる熱媒温度と外部負荷に送る熱媒温度の差に依存するため、最大負荷時の熱媒循環流量の1.5倍の流量に限られることなく、さまざまな流量に適応することができるものであり、許容できる温度差の減少分を多くとり、例えば、規格温度差と実際の温度差の相違状態に応じて標準流量の50%程度から100%以上、さらには300%まで可変に制御する構成としても良い。
【0075】
〔第二実施形態〕
続いて、本発明に係る第二実施形態について、図3及び図4に基づき説明する。図3は本実施形態に係る熱源システム2の全体構成図であり、図4は熱源システム2における制御を示すフローチャートである。なお、前述した第一実施形態における熱源システム1の構成要素と同じ機能を果たす構成要素については、同一の符合を付して重複説明を省略する。
【0076】
本実施形態の熱源システム2では、前述した第一実施形態の熱源システム1とは異なり、往温度を検出する流出熱媒温度検知手段として流出熱媒温度センサ41と、サプライヘッダ31とリターンヘッダ32との熱媒の差圧を検知する差圧検知手段として差圧センサ48を備える。この流出熱媒温度センサ41と差圧センサ48とからの出力も制御部47に送られて流量制御の条件を定める基礎情報として用いる。特に、流出熱媒温度センサ41からの出力は、本実施形態において熱源の増減段の判断基準情報として用いる。
【0077】
以上説明した本実施形態にかかる熱源システム2の制御について図4を用いて詳細に説明する。なお、本制御にかかる各制御ステップは、制御部47が有する不図示の記憶手段に格納された制御プログラムに基づき、制御部47により実現される。
【0078】
図3および図4において、スタート(S1)は、熱源システム2、および外部負荷3が停止している状態を示している。例えば、深夜、早朝、休日など、外部負荷3において熱の取り出しが行われる可能性がない場合で、熱源システム2が停止している状態を示している。
その後、外部負荷3において熱の取り出しが行われる(負荷が立ち上がる)時刻の直前に、熱源システムを起動して、負荷の立ち上がりに対して準備する。
具体的には、制御部47は、図には示されていないタイマ(負荷の立ち上がり時刻の前に出力するようにセットされている)からの出力を受けて(S2)、第一の熱源11、冷却塔14、冷却水ポンプ17、第一の冷却水ポンプ用インバータモータ17a、第一の熱媒ポンプ21、第一の熱媒ポンプ用インバータモータ21aを起動させる(S3)。
【0079】
熱源システム2の立ち上げ直後においては、外部負荷3における熱の取り出し、つまり地域冷暖房の需要家や空調機やファンコイルなどへの熱媒体の取り込みが少ないため、外部負荷3から要求される熱媒体供給量は少ない。
そのため、制御部47は、サプライヘッダ31の往圧力とリターンヘッダ32の還圧力の差(以後、圧力差△Pと表記)が、一定になるようにバイパス回路33の開閉バルブ34を開く制御をする(S4)。
そして、外部負荷3の運転が開始される時刻になると(S5)、外部負荷3における熱の取り出が増え、外部負荷3への熱媒体供給量が増え始める。制御部47は、差圧センサ48の出力に基づいて、圧力差△Pが、一定になるようにバイパス回路33の開閉バルブ34を閉じる制御をする(S6)。
【0080】
ここまでの制御は、従来行われている制御であり、第一の熱媒ポンプ用インバータモータ21aは、設計時に想定された熱媒流量(以後、定格熱媒流量と表記)を供給できる一定の回転数(以後、定格回転数と表記)で運転されている。熱媒の流量制御は、バイパス回路33の開閉バルブ34により行われている。
これから、本発明の特徴部分となる部分を以下に説明する。
【0081】
往還温度差が、設計時に想定した設定往還温度差よりも低い時には、前述したように第一の熱源11の能力的には余裕があっても、開閉バルブ34による熱媒流量制御では、圧力差△Pを一定に保つことが困難となる(S7)。つまり、開閉バルブ34を全閉にしても、圧力差△Pを一定に保つことが困難となる。
圧力差△Pを一定に保てなくなると、制御部47は、第一の熱媒ポンプ用インバータモータ21aの周波数を制御して過流量制御に入る(S8)。
【0082】
過流量制御においては、まず制御部47が、流出熱媒温度センサ41と流入熱媒温度センサ42とによって取得された熱媒の運用往還温度差から、何段階かある熱媒の流量上限のうちの適切な上限流量を決める。その後、暫定的に、第一の熱媒ポンプ用インバータモータ21aの駆動周波数を、熱媒の循環流量が、その上限流量を下回る流量で、かつ定格熱媒流量より上回る流量となる所定の駆動周波数で制御する。
そして、熱媒が循環して、外部負荷における熱負荷の状態が、流出熱媒温度センサ41での熱媒温度に反映されるのに必要な所定時間が経過した後、再び、制御部47が、運用往還温度差を取得して設定往還温度差と比較し、上記の制御を繰り返す。なお、熱媒流量の段階制御で調節しきれない細かな流量制御は、バイパス回路33の開閉バルブ34にて行う。
【0083】
過流量制御している時、制御部47は、同時に供給している熱量Qtを式(1)により算出している(S9)。
【数1】
Figure 0003854586
上式において、Tiは、流入熱媒温度センサ42に取得された熱媒温度、Toは、流出熱媒温度センサ41に取得された熱媒温度、Gは、外部熱媒流量検知手段46に取得された熱媒流量、γは、流入熱媒温度センサ42に取得された熱媒温度と流出熱媒温度センサ41に取得された熱媒温度との平均温度における熱媒の比重、λは、流入熱媒温度センサ42に取得された熱媒温度と流出熱媒温度センサ41に取得された熱媒温度との平均温度における熱媒の比熱である。
そして、式(1)により算出した熱量Qtと、その時点で稼動している熱源の定格熱量Qrの合計の80%とを比較し(S10)、式(2)が成立すれば、新たな熱源を立ち上げ、増段する(S12)。
【数2】
Figure 0003854586
【0084】
また、熱媒ポンプの流量が上限に達しない場合であって、式(2)が成立しない場合であって、下記の式(3)が成立する時には(S11)、新たな熱源を立ち上げ、増段する(S12)。
【数3】
Figure 0003854586
式(3)において、Tsuは、熱媒体の供給上限温度、Toは、流出熱媒温度センサ41に取得された熱媒温度、dTsは、熱媒体温度の安全定数である。
この式(3)が成立するのは、熱源が故障している時であり、S10は、熱源が故障しているか否かを判定している部分である。
【0085】
なお、図4には示していないが、本発明の特徴部分にあたる熱媒ポンプ用インバータモータの駆動周波数制御、つまり過流量制御を行っているS8以後の制御に入っている段階で、熱媒ポンプ用インバータモータの駆動周波数の上限になり、それ以上、熱媒の流量が増やせなくなったときには、新たな熱源を立ち上げ、増段する(S12)。
【0086】
以上で、外部熱負荷3における熱負荷が増えた時における、熱源システム2の対応を説明した。
これとは逆に、外部熱負荷3における熱負荷が減少していくときについて説明する。外部熱負荷3における熱負荷が減少すると、流出熱媒温度センサ41と流入熱媒温度センサ42とによって取得された熱媒の運用往還温度差が小さくなる。つまり、外部負荷から還ってくる熱媒の温度が低いままとなる。
すると、制御部47は、熱媒ポンプ用インバータモータの駆動周波数を落としていく。熱媒ポンプ用インバータモータの駆動周波数を落としていって、最低駆動周波数を下回っても、運用往還温度差が小さいままであるなら、その時点で立ち上がっている熱源の内の一台を停止、つまり減段する。この制御を、運用往還温度差が設定往還温度差と等しくなるまで繰り返す。
【0087】
また、前述した第一実施形態のように流出熱媒温度センサがない場合であっても、不図示の記憶手段に設定往温度情報を格納し、この往温度情報を用いることにより、上述した制御を適用することは可能である。多少の誤差を含む運用とはなるが、従来に比べ消費電力を抑えた省エネルギー地域冷暖房システムを提供できる。
【0088】
〔第二実施形態の変形例〕
また、本発明に係る第二実施形態の変形例について、図5に基づき説明する。図5は熱源システム2における制御を示すフローチャートである。なお、図5において、前述した第二実施形態における制御と同様の制御を行っている部分には、同一の符合を付して重複説明を省略する。
【0089】
本変形例の制御が適用される熱源システムは、前述した第二実施形態の熱源システム2と構成が同一であり、またその働きも同一であるため、同一の符号を付しその説明を省略する。
【0090】
本変形例にかかる熱源システム2の制御について図5を用いて詳細に説明する。なお、本制御にかかる各制御ステップは、制御部47が有する不図示の記憶手段に格納された制御プログラムに基づき、制御部47により実現される。
【0091】
図5において、制御ステップのS1からS8までは、つまり、過流量制御に入るまでは、前述した第二実施形態の制御と同じであるので、その説明を省略する。
過流量制御に入ってからは、立ち上がっている熱源が、その時点での運用負荷を検知して、運用負荷が定格負荷の80%を越えたら、制御部47に信号出力する(S21)。
例えば、熱源が電動冷凍機の場合なら、運用負荷は電動機に供給されている電流値または電力値と相関関係があるので、定格負荷における電流値または電力値を100%として、電動機に供給されている電流値または電力値が80%を越えたら信号を出力する。同様に、熱源が吸収冷凍機ならば、燃料の供給弁が同様の働きをするので、燃料供給弁の開度が80%を越えたら信号を出力する。
【0092】
制御ステップS21で熱源から信号を受けた制御部47は、新たな熱源を立ち上げ、つまり増段する(S12)。以後のフローチャートにおける制御方法は、前述した第二実施形態における制御方法と同様であるため、その説明を省略する。
【0093】
また、熱源の減段における制御方法も、増段の制御方法と同様に、熱源からの信号に基づいて行われる。つまり、熱源にかかる負荷が低下し、熱源の運用上の最低負荷よりも負荷が下がると、熱源は、制御部47に減段を行うきっかけとなる信号を出力する。信号を受け取った制御部47は、その時点で立ち上がっている熱源の内の一台を停止し、減段する。
【0094】
上記の構成によれば、熱源から増段または減段の信号を出しても、増段または減段のタイミングがとれる。つまり、いろいろな温度条件、状態をシステム的に演算するという難しい計算をしなくても、熱源からの信号で増段または減段することができ、単純な制御方法で制御することができる。
【0095】
なお、上述した第一実施形態および第二実施形態において、すべての熱媒ポンプが過流量を許容するものであることが好適であるが、少なくとも一つの熱媒ポンプが過流量制御を可能とするものであれば、従来構成以上の効率改善が見込めるものであり、特に、最初に稼動される一次熱媒ポンプの流量が過流量であれば、年間を通して最大負荷時の運転が求められる時期が短いことに鑑みると、ある程度の効率改善を図ることができる。
【0096】
また、上述した実施形態において、熱媒ポンプは熱源と1対1で設置され、大容量で、かつインバータモータで駆動するものに適応して説明したが、この熱媒ポンプは熱源と1対1で設置され、大容量で、かつインバータモータで駆動するものに限られることなく、1台の熱源に対して複数台の小容量の熱媒ポンプを設置するものなど、その他各種の形式の熱媒ポンプに適応することができるものである。この場合においても、熱源1台に備えられた熱媒ポンプの全体の単位時間当たり流量の合算は、熱源システムの最大負荷時における、熱源1台当たりの熱媒循環流量の合算よりも多い構成となる。なお、熱媒の流量は、開閉バルブを開き、バイパス回路を通じて熱源の流入側に流して調節できる。
【0097】
加えて、上述した実施形態において、モータ回転数制御手段としてインバータモータを採用し、電源周波数以上の周波数まで制御可能な構成として最大能力をより高くしたが、モータ回転数制御手段が用いるモータの回転数の制御の方式として、極数変換(ポールチェンジ)方式を採用しても良い。
【0098】
〔第三実施形態〕
上述したように、広範囲に熱媒流量を増加させる場合において、熱源内部における流動抵抗は、装置構成によっては、熱媒流量の増加分以上の増加率を示し得る。そこで、過流量制御における流動抵抗の軽減する構成を実現した本発明に係る第三実施形態を図6に基づき説明する。本実施形態では、上述した実施形態における熱源が複数の熱交換器を有する構成の一形態として、熱交換器を複数備える構成を採用した。図6は、本実施形態に係る熱源50の概略構成図である。本実施形態においても、原則として上述した第一実施形態と同じシステム構成及び制御を採用し、熱源の内部構成を変更するにとどめる。
【0099】
図6に示したように、熱源50は、熱源50に流入する熱媒循環流量を検知する熱媒循環流量検知手段51と、熱媒を冷却または加熱する主熱交換器52と副熱交換器53と、副熱交換器53への熱媒の流入を制御する制御弁(熱媒流れ切り換え手段)54と、熱媒循環流量検知手段51から送られた信号(情報)に基づき制御弁54を制御する制御部55を備える。
【0100】
ここで、熱源50内における熱媒搬送回路では、主熱交換器52と副熱交換器53に流れる熱媒流路が並列となるように熱媒配管56によって接続する。熱源50は、制御部55の制御下で、熱媒循環流量が通常の標準循環流量にあるうちは、この主熱交換器を用いて熱交換を行う。
【0101】
しかし、上述したように、熱媒流量の増加に伴い、熱源50を流れる熱媒の流動抵抗は流量の2乗に比例して著しく増大する。具体的には、熱源50を通過する熱媒の流動抵抗は、熱媒流量が1.5倍になった場合、流動抵抗は2.25倍に及ぶ。このため、制御部55は、熱源50に流入する熱媒流量を熱媒循環流量検知手段51で検知し、その検知した熱媒流量が所定の値になった場合に、制御弁54を開状態として主熱交換器52に流入する熱媒を副熱交換器53へ分岐させる制御を行う。これにより、熱源50全体としての熱媒の流動抵抗の増加を抑制するとともに、必要な熱量を供給することができる。
【0102】
なお、本変形例の構成は上述した構成に限られるものではなく、装置の小型化、簡略化を図るべく、熱媒循環流量検知手段51に代えて、前述した制御部47から熱媒ポンプの制御を行う際の判断情報として用いる運用中の熱媒循環量を授受する構成としても良く、また、独立して制御部55を設けず、制御部47に機能を組み込む構成としても良い。
【0103】
〔第四実施形態〕
図7から図8はこの発明の第四実施形態を示す図である。本実施形態においては、上述した実施形態における熱源の熱交換器に熱媒が流れる経路を、複数の経路から選択できる構成を採用している。図7は、本実施形態に係る熱源60の概略構成図である。本実施形態においても、原則として上述した第一実施形態と同じシステム構成及び制御を採用し、熱源の内部構成を変更するにとどめる。
【0104】
熱源60は、図7に示すように、熱媒を冷却または加熱する熱交換器61と、常に熱媒体が流れる熱媒主配管(熱媒配管)62と、過流量制御の一時期のみ熱媒が流れる熱媒副配管(熱媒配管)63と、熱媒副配管63への熱媒の流入を制御する制御弁(熱媒流れ切り換え手段)64と、熱媒循環流量検知手段51から送られた信号(情報)に基づき制御弁64を制御する制御部65を備える。
【0105】
上記の熱源60の構成においては、熱媒循環流量が通常の標準循環流量にあるうちは、制御部65が、制御弁64を閉じて熱媒が熱媒主配管62に流れて、熱交換器61において熱交換を行う。熱媒循環流量が増えて、通常の標準循環流量以上となれば、制御弁64を開いて熱媒が熱媒主配管62と熱媒副配管63に流れて、熱交換器61において熱交換を行う。
【0106】
図8をもちいて、どのタイミングで上記の制御を行っているか説明する。
熱源システム1が過流量制御に入る前、図8においては、制御ステップS1からS7までは、制御部65が、無条件に制御弁64を閉じて熱媒を熱媒主配管62のみに流す。
制御ステップS8に入ると、制御部65は、熱媒循環流量検知手段51から熱媒流量の信号(情報)を取得し始める。そして、熱媒循環流量検知手段51に検知された熱媒流量が、標準熱媒流量の150%となると、制御部65は、制御弁64を開き、熱媒を熱媒主配管62と熱媒副配管63との両者に流す。
【0107】
そして、制御ステップがS12、つまり増段に至ると、過流量制御から抜けて、通常の流量制御に移るので、熱媒循環流量検知手段51に検知される熱媒流量も減少し、その情報に基づき、制御部65は、制御弁64を閉じて熱媒を熱媒主配管62のみに流す制御を行う。
【0108】
上記の構成によれば、熱源の圧力容器を増やすことなく、熱媒の流動抵抗の増加を抑制するとともに、必要な熱量を供給することができる。つまり、管理対象である圧力容器をふやすことがないため、メンテナンスコストの上昇を押えつつ、熱媒の流動抵抗の増加を抑制するとともに、必要な熱量を供給することができる。
【0109】
〔第四実施形態の変形例〕
また、本発明に係る第四実施形態の変形例について、図9(a)、(b)に基づき説明する。本実施形態においては、上述した実施形態における熱源の熱交換器に熱媒が流れる経路を、複数の経路から選択できる構成を採用している。図9(a)、(b)は、本実施形態に係る熱源70の概略構成図である。本実施形態においても、原則として上述した第一実施形態と同じシステム構成及び制御を採用し、熱源の内部構成を変更するにとどめる。
【0110】
熱源70は、図9(a)、(b)に示すように、熱媒を冷却または加熱する熱交換器71と、熱交換器71外で分岐して並列に配置された第1熱媒配管72および第2熱媒配管73と、第1熱媒配管72および第2熱媒配管73の流出側にそれぞれ備えられた第1制御弁74(熱媒流れ切り換え手段)および第2制御弁(熱媒流れ切り換え手段)75と、熱交換器71および第1制御弁74の間と熱交換器71および第2制御弁75の間をつなぐ折り返し配管(熱媒配管)76と、折り返し配管76に設けられた第3制御弁(熱媒流れ切り換え手段)77と、第2熱媒配管73の流入側に備えられた第4制御弁(熱媒流れ切り換え手段)78と、熱交換器71と第4制御弁78との間と第1熱媒配管72および第2熱媒配管73の合流部とをつなぐ流出回路(熱媒配管)79と、流出回路に備えられた第5制御弁(熱媒流れ切り換え手段)80と、熱源70に流入する熱媒の流量を取得する熱媒循環流量検知手段51から送られた信号(情報)に基づき第1制御弁74、第2制御弁75、第3制御弁77、第4制御弁78、第5制御弁80とを制御する制御部81を主な構成要素として備えている。
【0111】
上記の熱源70の構成においては、熱媒循環流量が通常の標準循環流量にあるうちは、図9(a)に示すように、制御部81が、第3制御弁77、第5制御弁80を開き、第1制御弁74、第2制御弁75、第4制御弁78を閉じる。すると熱媒は、第1熱媒配管72、折り返し配管76、第2熱媒配管73、流出回路79の順に流れる、2パス運転がなされる。
熱媒循環流量が増えて、通常の標準循環流量以上となれば、図9(b)に示すように、制御部81が、第1制御弁74、第2制御弁75、第4制御弁78を開き、第3制御弁77、第5制御弁80を閉じる。すると熱媒は、第1熱媒配管72と第2熱媒配管73とに分岐して流れる、1パス運転がなされる。
【0112】
上記の制御が行われるタイミング、条件などは、前述した第四実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0113】
なお、上記の変形例においては、熱交換器71内に配置される熱媒配管が2本のものに適応して説明したが、熱交換器71内に配置される熱媒配管が2本のものに限られることなく、3本以上のものに適応することができるものである。
その際には、熱媒の流量がより大流量のものに対応することができる。
【0114】
特に、個別建物に留まらず、大規模な地域冷暖房システムの高効率運用に対して有効であり、さらには、新規施工時だけでなく、現実の運用状況(運用往還温度差の月別推移など)が明らかになっている既存の地域冷暖房システム等の改修を行う場合にも、既存設備を生かしつつ、好適に本発明を実現できる。
【0115】
なお、以上説明した実施形態の変形例として、熱源システムとして要求される規模が小さい場合に好適な態様として、熱源が一つ、対応する熱源ポンプが一つであっても、規格往還温度差に満たない温度差に応じて流量を増加させる上記構成を適用することにより、熱源単体の能力を十分に発揮させ、運転効率を向上させる構成を実現できる。
【0116】
〔第五実施形態の第一実施例〕
続いて、本発明に係る第五実施形態の第一実施例について、図10および図11を用いて説明する。図10は、本実施形態の第一実施例および次に述べる第二実施例に係る熱源システム5の全体構成図であり、図11(a)および図11(b)は、第一実施例における熱源へ供給される熱媒温度の時間変化および熱源の運転能力の時間変化を表したグラフである。なお、前述した第一実施形態における熱源システム1の構成要素と同じ機能を果たす構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0117】
図10において熱源システム5は、熱媒を冷却および過熱する熱源81と、熱媒を圧送する熱媒ポンプ82と、熱媒ポンプ82を駆動する熱媒ポンプ用インバータモータ82aと、外部負荷である蓄熱槽83とを主な構成要素として備えている。
【0118】
蓄熱槽83には、熱媒が流入する側に始端槽84と、熱媒が流出する側に終端槽85とが設けられている。さらに、熱源81と始端槽84との間の配管から、終端槽85へつながる戻し配管86が備えられ、戻し配管86には熱媒の流れを制御する第1開閉弁87が備えられ、蓄熱槽83の熱媒流入側には、熱媒の流れを制御する第2開閉弁88が備えられている。また、熱源81の熱媒流出側には、熱媒の温度を取得する流出熱源温度センサ89が備えられている。
そして、流入熱媒温度センサ42と、流量センサ46と、流出熱源温度センサ89との出力に基づいて熱媒ポンプ用インバータモータ82aと、第1開閉弁87と、第2開閉弁88とを制御する制御部90を備えている。
【0119】
また、蓄熱槽83に蓄えられた熱媒の熱を外部に伝達する負荷には、始端槽84から熱媒を負荷へ流入させる熱媒流入部92が備えられ、負荷において熱交換した熱媒を終端槽85へ戻すための熱媒流出部91が備えられている。始端槽84と熱媒流入部92との間には、熱媒を負荷へ圧送する払出ポンプ93が備えられている。
【0120】
以上の構成からなる熱源システム5における運用方法について説明する。
図10および図11(a)に示すように、熱源システム5の起動時において、蓄熱槽83へ長時間蓄熱されず、流入熱媒温度センサ42に取得される熱媒温度が設計時に想定された流入熱媒温度(定格入口温度、ここでは14℃を想定している。)よりも高い場合、制御部90は、第1開閉弁87を開き、第2開閉弁88を閉じて、熱源81で冷却された熱媒を終端槽85に戻す(段階A)。
【0121】
その後、終端槽85の熱媒の温度が下がり、流入熱媒温度センサ42に取得される熱媒温度が、定格入口温度になると、制御部90は、第1開閉弁87を閉じ、第2開閉弁88を開いて、熱源81で冷却された熱媒を始端槽84に戻す(段階B)。
熱源81に流入する熱媒の温度が定格入口温度になっているので、熱源81から流出する熱媒の温度は、設計時に想定した温度(定格出口温度、ここでは5℃を想定している。)になる。
【0122】
段階Bにおいて蓄熱槽83内の熱媒温度は、始端槽84側で5℃、終端槽85側で14℃になっており、その中間の熱媒温度は滑らかな温度勾配を形成しており、この状態を温度成層が形成されているという。
時間が経過すると、始端槽84側の5℃の領域が広がり、終端槽85側の14℃の領域が狭くなり、そのうち終端槽85の熱媒温度が14℃を下回るようになる。
【0123】
すると、終端槽85から熱源81に流入する熱媒温度も定格入口温度を下回る(段階C)。熱源81に流入する熱媒温度が下がると、次式で表される熱源運転能力Qも低下する。
【数4】
Figure 0003854586
上式において、Tiは、流入熱媒温度センサ42に取得された熱媒温度、Toは、流出熱源温度センサ89に取得された熱媒温度、Gは、流量センサ46に取得された熱媒流量、γは熱媒の比重、λは熱媒の比熱である。
【0124】
制御部90は、流入熱媒温度センサ42、流出熱源温度センサ89、流量センサ46から取得される情報に基づき、熱源81の運転能力Qを算出しており、次式に表されるように、運転能力Qが、熱源81の定格能力Qの80%以下になると、過流量制御に入る。
【数5】
Figure 0003854586
【0125】
過流量制御において、制御部90は、熱媒ポンプ用インバータモータ82aの駆動周波数を制御して、熱媒の流量Gを増やして運転能力Qが、定格能力Qと等しくなるように制御する。
以上の熱源システム5起動からの運転能力Qの変化は、図11(b)に示されている。この図11(b)から判るように、過流量制御を行うことにより、熱源システム5の運転能力Qは、高いパーセンテージを保つことができ、効率の良い蓄熱運転ができている。
【0126】
そして、流入熱媒温度センサ42と、流量センサ46と、流出熱源温度センサ89との出力に基づいて算出される蓄熱量が、規定の熱量に到達したら、熱源システム5を停止し、蓄熱を終了する。
【0127】
このようにして、蓄熱槽83の熱媒に蓄熱される冷熱は、始端槽84から払出ポンプ93により負荷流入部92に圧送され、負荷において外部空気を冷却して負荷流出部91から終端槽85に流入する。
【0128】
なお、上記の実施形態においては、熱源システム5の起動時における熱媒の流量を一義的に定格流量にするものに適応して説明したが、この定格流量で起動するものに限られることなく、次式により算出される熱媒流量G1で起動するものに適応することもできる。
【数6】
Figure 0003854586
【0129】
また、上記の実施形態の過流量制御において、熱媒流量Gを、運転能力Qと定格能力Qとが等しくなる熱媒流量として制御するものに適応して説明したが、この制御方法に限られることなく、熱媒流量を所定の熱媒過流量にして、運転能力Qが定格能力Qの90%まで上昇したら、熱媒流量を定格流量に戻し、運転能力Qが再び定格能力Qの80%まで低下したら、熱媒流量を所定の熱媒過流量にする制御に適応することもできる。
【0130】
〔第五実施形態の第二実施例〕
次に、本発明に係る第五実施形態の第二実施例について、図10および図11を用いて説明する。図10は、本実施形態の前述した第1実施例および第二実施例に係る熱源システム5の全体構成図であり、第二実施例に係る熱源システムの全体構成は、第一実施例の全体構成と同様であるので、同じ機能を果たす構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。図11(c)および図11(d)は、第二実施例における熱源へ供給される熱媒温度の時間変化および熱源の運転能力の時間変化を表したグラフである。
【0131】
第二実施例における熱源システム5の運用方法について説明する。
図10および図11(c)に示すように、熱源システム5の起動時において、蓄熱槽83へ長時間蓄熱されず、流入熱媒温度センサ42に取得される熱媒温度が設計時に想定された流入熱媒温度(定格入口温度、ここでは14℃を想定している。)よりも高い場合、制御部90は、第1開閉弁87を開き、第2開閉弁88を閉じて、熱源81で冷却された熱媒を終端槽85に戻す(段階A)。
【0132】
ここで、第一実施例で述べたように、熱媒は、始端槽84から負荷へ圧送され、負荷において外部空気の熱を吸収し、熱媒温度は定格入口温度程度まで上昇して負荷流出部91から終端槽85に流入する。ところが、負荷周辺の条件によっては、終端槽85に戻る熱媒温度が、定格入口温度(14℃)より低い温度、例えば10℃で戻ることがある。その場合、図11(c)に示すように、熱媒流入温度Tiは段階Aにおいて定格入口温度を下回る。
【0133】
熱媒流入温度Tiが低下すると式(4)で表される熱源運転能力Qも図11(d)に示されるように低下する。制御部90は、流入熱媒温度センサ42、流出熱源温度センサ89、流量センサ46から取得される情報に基づき算出した熱源81の運転能力Qが、式(5)に表されるように、熱源81の定格能力Qの80%以下になると過流量制御に入る。
過流量制御に入ると、制御部90は、熱媒ポンプ用インバータモータ82aの駆動周波数を制御して熱媒の流量Gを増やし、運転能力Qが定格能力Qと等しくなるように制御する。
【0134】
その後、熱媒流入温度Tiが一定に安定すると、制御部90は、第1開閉弁87を閉じ、第2開閉弁88を開いて、熱源81で冷却された熱媒を始端槽84に戻す(段階B)。
そして、さらに蓄熱槽83に冷熱が蓄熱されると、熱媒流入温度Tiがさらに下がり(段階C)、流入熱媒温度センサ42と、流量センサ46と、流出熱源温度センサ89との出力に基づいて算出される蓄熱量が、規定の熱量に到達したら、熱源システム5を停止し、蓄熱を終了する。
この場合、図11(a)定格入口温度14℃で戻った場合と比べ、蓄熱する熱量が小さいため、ほぼ定格能力Qで運転する図11(b)、図11(d)では、熱媒流量温度10℃となる図11(d)が早く蓄熱を終了する。
【0135】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、設定往還温度差と運用往還温度差が一致する状況での運用に限らず、一致しない状況での運用においても、熱源の低負荷域での運用時間を極力減らすことができ、増段のタイミングを遅らせることもできる。ひいては、熱源システムの高効率運用が実現でき、従来の動力(電力)運用コストを大幅に引き下げたることが可能となる。
【0136】
請求項1に係る発明によれば、往還温度差及び熱媒流量に基づき熱媒ポンプの圧送流量を最大負荷時の熱媒循環流量よりも多い過流量とできるので、往還温度差が減少した場合でも、外部負荷に対して熱源の上限能力まで熱供給できる。そのため、省エネルギー低コスト運転、システム効率の向上が実現される。
【0137】
請求項2に係る発明によれば、前記外部負荷の変動、特に負荷の急激な低下に対して影響を受け難く、熱媒流量を安定して制御することができる。そのため、熱源システムが安定して運転され、省エネルギー低コスト運転、システム効率の向上が実現される。
【0138】
請求項3に係る発明によれば、前記熱媒ポンプの単位時間当たりの流量を増やすことにより、前記熱源の全能力を使用することができ、前記熱源と前記熱媒ポンプの運転台数を抑えることができるため、熱源システムの運転効率が良くなり、運転コストが低くなるという効果を奏する。さらには、過剰な前記熱源、前記熱媒ポンプ等を増設する必要がなくなるため、設備投資費用が少なくなり、設置スペースも小さくなるという効果を奏する。
【0139】
請求項4に係る発明によれば、前記熱媒ポンプの単位時間当たりの流量を増やし、前記インバータモータにより駆動することにより、前記熱源の全能力を使用することができ、前記熱源と前記熱媒ポンプの運転台数を抑えることができ、さらに、前記熱媒の流量を細かく調節することができるため、熱源システムの運転効率が良くなり、運転コストが低くなるという効果を奏する。
【0140】
請求項5に係る発明によれば、前記熱源1台に対して複数台の前記熱媒ポンプを備え、前記熱源1台に対する前記熱媒ポンプ全体の単位時間当たりの流量を増やすことにより、前記熱源の全能力を使用することができ、前記熱源と前記熱媒ポンプと前記冷却水ポンプと前記冷却塔の運転台数を抑えることができ、さらに、前記熱媒の流量を細かく調節することができるため、熱源システムの運転効率が良くなり、運転コストが低くなるという効果を奏する。
【0141】
請求項6に係る発明によれば、前記熱媒ポンプの単位時間当たりの流量を増やすことにより、前記熱源の全能力を使用することができ、前記熱源と前記熱媒ポンプの運転台数を抑えることができるため、熱源システムの運転効率が良くなり、運転コストが低くなるという効果を奏する。さらには、過剰な前記熱源、前記熱媒ポンプ、前記冷却水ポンプ、前記冷却塔を設置する必要がなくなるため、設備投資費用が少なくなり、設置スペースも小さくなるという効果を奏する。
【0142】
請求項7に係る発明によれば、複数の熱交換器を並列に備えるので、熱媒循環流量が増えても熱媒流路を分岐させることができ、流動抵抗の著しい増加することなく必要な熱量を供給することができる。
【0143】
請求項8に係る発明によれば、制御部は、往還温度差及び熱媒流量に基づき熱媒ポンプの圧送流量を最大負荷時の熱媒循環流量よりも多い過流量とできるので、往還温度差が減少した場合でも、外部負荷に対して熱源の上限能力まで熱供給できる効率的な制御が実現する。
【0144】
請求項9に係る発明によれば、前記外部負荷の変動、特に負荷の急激な低下に対して影響を受け難く、熱媒流量を安定して制御することができる。そのため、熱源システムが安定して運転され、省エネルギー低コスト運転、システム効率の向上が実現される。そのため、省エネルギー低コスト運転、システム効率の向上が実現される。
【0145】
請求項10に係る発明によれば、前記熱媒ポンプの単位時間当たりの流量を増やすことにより、前記熱源の全能力を使用することができ、前記熱源と前記熱媒ポンプと前記冷却水ポンプと前記冷却塔の運転台数を抑えることができるため、熱源システムの運転効率が良くなり、運転コストが低くなるという効果を奏する。さらには、過剰な前記熱源と前記熱媒ポンプ等を増設する必要がなくなるため、設備投資費用が少なくなり、設置スペースも小さくなるという効果を奏する。
【0146】
請求項11に係る発明によれば、熱媒ポンプのモータ回転数を制御して前記熱媒ポンプの単位時間当たりの圧送流量を増やすことにより、前記熱源の全能力を使用することができ、前記熱媒の流量を細かく調節することができるため、熱源システムの運転効率が良くなり、運転コストが低くなるという効果を奏する。
【0147】
請求項12に係る発明によれば、制御部は、複数の熱交換器に対して並列に熱媒を流せるので、熱媒循環流量が増えても熱媒流路を分岐させることができ、流動抵抗の著しい増加することなく必要な熱量を供給する制御を実現できる。
【0148】
請求項13に係る発明によれば、制御部は、複数の熱交換器の一部又は全てに対して熱媒を流せるので、熱媒の流動抵抗を著しく増加させることなく、熱媒循環流量の増加に対応することができ、必要な熱量を供給する制御を実現できる。そのため、省エネルギー低コスト運転、システム効率の向上が実現される。
【0149】
請求項14に係る発明によれば、制御部は、複数の熱媒配管を流れる熱媒の経路を変えることができるので、熱媒の流動抵抗を著しく増加させることなく、熱媒循環流量の増加に対応することができ、必要な熱量を供給する制御を実現できる。そのため、省エネルギー低コスト運転、システム効率の向上が実現される。
【0150】
請求項15および16に係る発明によれば、熱媒の流動抵抗を著しく増加させることなく、熱媒循環流量の増加に対応することができ、必要な熱量を供給する制御を実現できる。そのため、省エネルギー低コスト運転、システム効率の向上が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による空調や工場設備などの熱源システムの第一実施形態を示す模式図である。
【図2】 本発明による熱源システムの冷却容量―動力の関係を示すグラフである。
【図3】 本発明による空調や工場設備などの熱源システムの第二実施形態を示す模式図である。
【図4】 本発明による空調や工場設備などの熱源システムの第二実施形態における制御を示すフローチャートである。
【図5】 本発明による空調や工場設備などの熱源システムの第二実施形態の変形例における制御を示すフローチャートである。
【図6】 本発明による熱源の第三実施形態を示す模式図である。
【図7】 本発明による熱源の第四実施形態を示す模式図である。
【図8】 本発明による熱源の第四実施形態における制御を示すフローチャートである。
【図9】 本発明による熱源の第四実施形態の変形例を示す模式図である。
【図10】 本発明による空調や工場設備などの熱源システムの第五実施形態を示す模式図である。
【図11】 本発明による空調や工場設備などの熱源システムの第五実施形態における熱源へ供給される熱媒温度の時間変化および熱源の運転能力の時間変化を表したグラフである。
【図12】 従来の空調や工場設備などの熱源システムの一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1、2、5 熱源システム
3 外部負荷
11 第一の熱源(熱源)
12 第二の熱源(熱源)
13 第三の熱源(熱源)
14 第一の冷却塔(冷却塔)
15 第二の冷却塔(冷却塔)
16 第三の冷却塔(冷却塔)
17 第一の冷却水ポンプ(冷却水ポンプ)
18 第二の冷却水ポンプ(冷却水ポンプ)
19 第三の冷却水ポンプ(冷却水ポンプ)
21 第一の熱媒ポンプ(熱媒ポンプ)
22 第二の熱媒ポンプ(熱媒ポンプ)
23 第三の熱媒ポンプ(熱媒ポンプ)
21a 第一の熱媒ポンプ用インバータモータ(インバータモータ)
22a 第二の熱媒ポンプ用インバータモータ(インバータモータ)
23a 第三の熱媒ポンプ用インバータモータ(インバータモータ)
33 バイパス回路
34 開閉バルブ
42 流入熱媒温度センサ(流入熱媒温度検知手段)
43 第一の熱源入口温度センサ(熱源入口温度検知手段)
44 第二の熱源入口温度センサ(熱源入口温度検知手段)
45 第三の熱源入口温度センサ(熱源入口温度検知手段)
46 流量センサ(外部熱媒流量検知手段)
47、55、65、81、90 制御部
50、60、70 熱源
52 主熱交換器(熱交換器)
53 副熱交換器(熱交換器)
54、64 制御弁(熱媒流れ切り換え手段)
56 熱媒配管
60、71 熱交換器
62 熱媒主配管(熱媒配管)
63 熱媒副配管(熱媒配管)
72 第1熱媒配管(熱媒配管)
73 第2熱媒配管(熱媒配管)
74 第1制御弁74(熱媒流れ切り換え手段)
75 第2制御弁(熱媒流れ切り換え手段)
76 折り返し配管(熱媒配管)
77 第3制御弁(熱媒流れ切り換え手段)
78 第4制御弁(熱媒流れ切り換え手段)
79 流出回路(熱媒配管)
80 第5制御弁(熱媒流れ切り換え手段)
81 熱源
82 熱媒ポンプ
82a 熱媒ポンプ用インバータモータ(インバータモータ)

Claims (16)

  1. 外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する複数の熱源と、該熱源により冷却または加熱された前記熱媒を前記外部負荷へ圧送する熱媒ポンプと、往還温度差を検知するための往還温度差取得手段と、前記外部負荷における熱媒の流量を検知する外部熱媒流量検知手段と、前記熱源、前記熱媒ポンプを制御する制御部と、を備えた熱源システムであって、
    前記制御部は、前記往還温度差取得手段と前記外部熱媒流量検知手段とが取得した往還温度差及び熱媒流量に基づき前記熱媒ポンプの圧送流量を制御し、
    少なくとも一つの前記熱媒ポンプの単位時間当たりの最大圧送流量は、最大負荷時の熱媒循環流量よりも多い過流量であり、
    運用時の熱媒の往還温度差である運用往還温度差が、設計時の熱媒の往還温度差である設定往還温度差よりも小さい場合に、前記熱媒流量を前記過流量にシフトすることを特徴とする熱源システム。
  2. 前記過流量は、取得した往還温度差及び熱媒流量に基づき算出される最大流量以下の循環流量であり、
    前記制御部が、前記過流量まで連続的または段階的に熱媒流量が増えるように、前記熱媒ポンプを制御することを特徴とする請求項1に記載の熱源システム。
  3. 外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する少なくとも1台以上の熱源と、該熱源により冷却または加熱された前記熱媒を前記外部負荷へ圧送する少なくとも1台以上の熱媒ポンプと、前記外部負荷から流入する前記熱媒の温度を検知する流入熱媒温度検知手段と、前記熱源の入口における前記熱媒の温度を検知する熱源入口温度検知手段と、前記外部負荷へ圧送される前記熱媒の流量、または前記外部負荷から流入する前記熱媒の流量を検知する外部熱媒流量検知手段と、前記流入熱媒温度検知手段及び、前記熱源入口温度検知手段及び、前記外部熱媒流量検知手段の出力に基づき、前記熱源の運転台数及び、前記熱媒ポンプの運転台数及び、当該熱媒ポンプの圧送流量を制御する制御部とを備えた熱源システムであって、
    前記熱媒ポンプの1台当たりにおける単位時間当たりの圧送流量は、熱源の最大負荷時における、前記熱媒ポンプの1台当たりの熱媒循環流量よりも多い過流量とされ、
    運用時の熱媒の往還温度差である運用往還温度差が、設計時の熱媒の往還温度差である設定往還温度差よりも小さい場合に、前記熱媒流量を前記過流量にシフトすることを特徴とする熱源システム。
  4. 前記熱媒ポンプにより圧送された熱媒を前記熱源の流入側へバイパスさせるバイパス回路と、当該バイパス回路内を流れる熱媒の流量を調節する開閉バルブとを備え、
    前記制御部は、前記開閉バルブを閉めた状態で、前記熱源の最大負荷時における、前記熱媒ポンプの1台当たりの熱媒循環流量よりも多くなるように、前記熱媒ポンプを駆動するインバータモータの回転数を制御することを特徴とする請求項3に記載の熱源システム。
  5. 前記熱源に対して前記熱媒ポンプを複数設け、当該複数の熱媒ポンプの単位時間当たりの流量の合計が、前記熱源の最大負荷時における、前記熱源の1台当たりの熱媒循環流量よりも多いことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の熱源システム。
  6. 前記熱源は冷凍機であって、前記熱源システムは、当該冷凍機に応じて冷却塔と冷却水ポンプをさらに備え、前記制御部は、前記冷凍機の運転台数、前記冷却水ポンプの運転台数、及び、前記冷却塔の運転台数を、さらに制御することを特徴とする請求項3ないし請求項5に記載の熱源システム。
  7. 前記熱源は、熱媒の冷却又は加熱のために複数の熱交換器を並列に備えるものであって、前記制御部は、熱媒循環流量に応じて当該複数の熱交換器に熱媒を流すことを特徴とする請求項1ないし請求項6に記載の熱源システム。
  8. 外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する複数の熱源と、該熱源により冷却または加熱された前記熱媒を前記外部負荷へ圧送する熱媒ポンプと、往還温度差を検知するための往還温度差取得手段と、前記外部負荷における熱媒の流量を検知する外部熱媒流量検知手段と、前記熱源、前記熱媒ポンプを制御する制御部と、を備えた熱源システムの制御方法であって、
    前記制御部が、前記往還温度差取得手段と前記外部熱媒流量検知手段とが取得した往還温度差及び熱媒流量に基づき、少なくとも一つの前記熱媒ポンプの単位時間当たりの最大圧送流量が、最大負荷時の熱媒循環流量よりも多い過流量となるように前記熱媒ポンプの圧送流量を制御され、
    運用時の熱媒の往還温度差である運用往還温度差が、設計時の熱媒の往還温度差である設定往還温度差よりも小さい場合に、前記熱媒流量を前記過流量にシフトすることを特徴とする熱源システムの制御方法。
  9. 前記過流量は、取得した往還温度差及び熱媒流量に基づき算出される最大流量以下の循環流量であり、
    前記熱媒ポンプから圧送される熱媒の流量は、前記過流量まで連続的または段階的に制御されることを特徴とする請求項8に記載の熱源システムの制御方法。
  10. 外部負荷から流入する熱媒を冷却または加熱する、少なくとも1台以上の熱源と、該熱源により冷却または加熱された前記熱媒を前記外部負荷へ圧送する、少なくとも1台以上の熱媒ポンプと、前記熱源、前記熱媒ポンプ、及び当該熱媒ポンプの圧送流量を制御する制御部と、を備え、
    前記熱媒ポンプの単位時間当たりの圧送流量の合算は、熱源の最大負荷時における、前記熱媒ポンプの熱媒循環流量の合算よりも多い過流量とされた熱源システムの制御方法であって、
    前記制御部は、前記外部負荷から流入する前記熱媒の温度及び、前記熱源の入口における前記熱媒の温度及び、前記外部負荷における前記熱媒の流量に基づき、前記熱源の運転台数及び、前記熱媒ポンプの運転台数及び、前記圧送流量を制御し、
    運用時の熱媒の往還温度差である運用往還温度差が、設計時の熱媒の往還温度差である設定往還温度差よりも小さい場合に、前記熱媒流量を前記過流量にシフトすることを特徴とする熱源システムの制御方法。
  11. 前記熱源システムは、前記熱媒ポンプにより圧送された熱媒を前記熱源の流入側へバイパスさせるバイパス回路と、当該バイパス回路内を流れる熱媒の流量を調節する開閉バルブとを備え、
    前記制御部は、当該開閉バルブを閉めた状態で、前記熱源の最大負荷時における、前記熱媒ポンプの1台当たりの熱媒循環流量よりも多くなるように、前記熱媒ポンプのモータ回転数を制御して熱媒循環流量を調整することを特徴とする請求項10に記載の熱源システムの制御方法。
  12. 前記熱源は、熱媒の冷却又は加熱のために複数の熱交換器を並列に備えるものであって、前記制御部は、熱媒循環流量に応じて当該複数の熱交換器に熱媒を流すことを特徴とする請求項8ないし請求項11に記載の熱源システムの制御方法。
  13. 外部から流入する熱媒を冷却または加熱する熱交換器と、当該熱交換器に熱媒を流入させる熱媒配管とを備える、請求項1から請求項7のいずれかに記載された熱源システムに用いられる熱源であって、
    前記熱交換器が複数設けられるとともに、前記熱媒配管には、前記複数の熱交換器の一部、または全てに、熱媒が流れるよう制御する熱媒流れ切り換え手段が備えられ、
    外部からの指示に基づき、前記熱媒流れ切り換え手段を制御する制御部を備え、
    運用時の熱媒の往還温度差である運用往還温度差が、設計時の熱媒の往還温度差である設定往還温度差よりも小さい場合に、前記熱媒流量を前記過流量にシフトすることを特徴とする熱源。
  14. 外部から流入する熱媒を冷却または加熱する熱交換器と、当該熱交換器に熱媒を流入させる熱媒配管とを備える、請求項1から請求項7のいずれかに記載された熱源システムに用いられる熱源の制御方法であって、
    前記熱交換器には、複数の前記熱媒配管が備えられるとともに、当該熱媒配管には、前記熱交換器を流れる熱媒の経路を制御する熱媒流れ切り換え手段が備えられ、
    外部からの指示に基づき、前記熱媒流れ切り換え手段を制御する制御部を備え
    運用時の熱媒の往還温度差である運用往還温度差が、設計時の熱媒の往還温度差である設定往還温度差よりも小さい場合に、前記熱媒流量を前記過流量にシフトすることを特徴とする熱源の制御方法
  15. 外部から流入する熱媒を冷却または加熱する熱交換器と、当該熱交換器に熱媒を流入させる熱媒配管とを備える、請求項1から請求項7のいずれかに記載された熱源システムに用いられる熱源の制御方法であって、
    前記熱交換器には、複数の前記熱媒配管が備えられ、
    設計時に想定した標準熱媒流量を流す時には、一部の前記熱交換器に熱媒を流し、標準熱媒流量以上の熱媒を流す時には、全ての前記熱交換器に熱媒を流し、
    運用時の熱媒の往還温度差である運用往還温度差が、設計時の熱媒の往還温度差である設定往還温度差よりも小さい場合に、前記熱媒流量を前記過流量にシフトすることを特徴とする熱源の制御方法。
  16. 外部から流入する熱媒を冷却または加熱する熱交換器と、当該熱交換器に熱媒を流入させる熱媒配管とを備える、請求項1から請求項7のいずれかに記載された熱源システムに用いられる熱源の制御方法であって、
    前記熱交換器には、複数の前記熱媒配管が備えられ、
    設計時に想定した標準熱媒流量を流す時には、熱媒が複数の前記熱媒配管を直列に流れ、標準熱媒流量以上の熱媒を流す時には、熱媒が複数の前記熱媒配管を並列に流れ
    運用時の熱媒の往還温度差である運用往還温度差が、設計時の熱媒の往還温度差である設定往還温度差よりも小さい場合に、前記熱媒流量を前記過流量にシフトすることを特徴とする熱源の制御方法。
JP2003072265A 2002-10-18 2003-03-17 熱源システムと当該熱源システムの制御方法及び熱源と当該熱源の制御方法 Expired - Lifetime JP3854586B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003072265A JP3854586B2 (ja) 2002-10-18 2003-03-17 熱源システムと当該熱源システムの制御方法及び熱源と当該熱源の制御方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002304069 2002-10-18
JP2003072265A JP3854586B2 (ja) 2002-10-18 2003-03-17 熱源システムと当該熱源システムの制御方法及び熱源と当該熱源の制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004245560A JP2004245560A (ja) 2004-09-02
JP3854586B2 true JP3854586B2 (ja) 2006-12-06

Family

ID=33031661

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003072265A Expired - Lifetime JP3854586B2 (ja) 2002-10-18 2003-03-17 熱源システムと当該熱源システムの制御方法及び熱源と当該熱源の制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3854586B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012096265A1 (ja) * 2011-01-11 2012-07-19 株式会社日立プラントテクノロジー 熱源システム、その制御方法およびそのプログラム

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4981530B2 (ja) * 2007-06-15 2012-07-25 三菱重工業株式会社 熱源システムの流量制御装置および熱源システムの流量制御方法
JP5422366B2 (ja) * 2009-12-21 2014-02-19 株式会社日立製作所 熱源システムの連携制御装置及び連携制御方法
JP6599124B2 (ja) * 2015-04-22 2019-10-30 高砂熱学工業株式会社 熱源機及び熱源システム
JP6594665B2 (ja) * 2015-06-01 2019-10-23 株式会社Nttファシリティーズ 空調システム

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5921933A (ja) * 1982-07-26 1984-02-04 Nichii:Kk 空調装置
JPS59173646A (ja) * 1983-03-23 1984-10-01 Yamatake Honeywell Co Ltd 熱源装置の制御方法
JPS6488063A (en) * 1987-09-28 1989-04-03 Toyota Motor Corp Cold and hot water controller of heat source for air-conditioning
JPH03181735A (ja) * 1989-12-11 1991-08-07 Hitachi Plant Eng & Constr Co Ltd 冷温水供給システム
JPH07253227A (ja) * 1994-03-15 1995-10-03 Shimizu Corp 空調装置
JP3814877B2 (ja) * 1996-07-09 2006-08-30 三菱電機株式会社 蓄熱式空気調和装置
JPH10300172A (ja) * 1997-04-22 1998-11-13 Shin Nippon Kucho Kk 在室人員が定常的に日周期変動する室に対する外気導入処理装置及び方法
JP3211188B2 (ja) * 1998-06-24 2001-09-25 株式会社山武 熱源機器制御装置
JP2002031376A (ja) * 2000-07-19 2002-01-31 Aisin Seiki Co Ltd 空調システム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012096265A1 (ja) * 2011-01-11 2012-07-19 株式会社日立プラントテクノロジー 熱源システム、その制御方法およびそのプログラム
JP2012145263A (ja) * 2011-01-11 2012-08-02 Hitachi Plant Technologies Ltd 熱源システム、その制御方法およびそのプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004245560A (ja) 2004-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5597767B2 (ja) 暖房装置および暖房装置の制御方法
JP5642207B2 (ja) 冷凍サイクル装置及び冷凍サイクル制御方法
CN102770718B (zh) 空调系统及空调系统的控制方法
US9562701B2 (en) Temperature control system and air conditioning system
KR101445992B1 (ko) 열매체 유량 추정 장치, 열원기 및 열매체 유량 추정 방법
KR100847619B1 (ko) 히트 펌프 급탕기
KR100923373B1 (ko) 히트 펌프 급탕 마루 난방 장치
EP2103884B1 (en) Room heating and method for controlling the room heating
KR101341533B1 (ko) 가스히트펌프 시스템 및 이의 제어방법
SG194589A1 (en) Operation control system for cold generation apparatus
CN110762787B (zh) 一种多联机中央空调系统的除霜控制方法
JP5201183B2 (ja) 空調装置および冷凍機の運転方法
WO2005022050A2 (en) Boosted air source heat pump
JP2006292329A (ja) 熱源システムおよびその制御装置ならびにその制御方法
KR101454756B1 (ko) 이원냉동사이클을 갖는 축열장치 및 그 운전방법
KR100852344B1 (ko) 공기 조화 장치
JP3854586B2 (ja) 熱源システムと当該熱源システムの制御方法及び熱源と当該熱源の制御方法
CN102753917B (zh) 空气调节热水供给系统
JP5166840B2 (ja) ヒートポンプシステム
JP2012159253A (ja) 加温システム
CN112178873A (zh) 冷水机组的调节控制方法及冷水机组
JP4148909B2 (ja) ヒートポンプ式給湯暖房装置
JP2010054145A (ja) ヒートポンプ給湯機
JP2011252675A (ja) ヒートポンプ給湯機
CN110513924B (zh) 定频空调器的控制方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040526

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060327

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060411

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060612

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20060612

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060822

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060908

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3854586

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090915

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100915

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110915

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110915

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120915

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120915

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130915

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term