JP5195696B2 - 冷水循環システム - Google Patents

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本発明は、蓄熱水槽のない密閉系配管(以下、単に、「密閉系」という場合がある)の冷水循環システムに係り、特に、熱源機の冷却能力を限界近くにまで使用することが可能な技術であって、効率的な省エネルギーを実現可能な冷水循環システムに関するものである。
密閉系の冷水循環システムの従来技術として、例えば、特許文献1に記載された技術がある。
特許文献1では、熱源機としての冷凍機を運転させる運転台数を決める台数制御は、冷凍機から負荷機である空調機へ送られる送り冷水の温度(空調機に供給される冷水の温度)と空調機から冷凍機へ還る還り冷水の温度(空調機から排出される冷水の温度)との差である負荷側温度差と、還り冷水の流量と、前記負荷側温度差と前記流量により算出する負荷側の熱量の3つのファクターに基づいて、冷凍機の運転台数を決定している。
より具体的には、負荷側温度差が所定値より小さい場合は、還り冷水の流量に基づいて冷凍機の運転台数を決定し、一方、負荷側温度差が所定値より大きい場合は、負荷側の熱量に基づいて冷凍機の運転台数を決定している。
一方、近年とりわけ既設設備において、より省エネルギー性の高い設備が要求されると同時に、改造工事を前提にした設備コストの削減が望まれる中、本発明者は、コストの高い流量計を用いずに、省エネルギー性を向上しうる冷水循環システムの構築に鋭意努力を積み重ねた。
このような流量計を用いない密閉系の冷水循環システムにおける従来の制御技術としては、例えば、特許文献2に記載された技術がある。
特許文献2では、冷凍機等の熱源機を運転させる運転台数を決める台数制御は、熱源機の出口側に設けられた冷温水温度を検出する各温度センサからの温度データが所定の値より、冷房時には高く、暖房時には低い状態が所定の時間以上続いた場合は、運転する熱源機の運転台数を増し、逆に冷房時には低く暖房時には高い状態が所定の時間以上続いた場合は、運転している熱源機の運転台数を減じるように、各温度センサからの各温度データのみに基づいて台数制御されている。
特開2003−294290号公報 特開平07−35386号公報
しかしながら、特許文献2に記載された技術には、以下の問題点があった。
例えば、熱源機(ここでは熱源機が冷凍機の場合を説明する)の設計定格値よりも大きい流量が出せるポンプを施工し運転されている場合や、本来適正な流量であっても、長年使用された冷凍機内部へのスケール付着などで熱交換性能が劣化して、相対的に流量が過剰ぎみとなる場合がある。このような状況において冷凍機の冷却水水温が高くなる夏場などに冷凍機にて還り冷水を充分に冷やしきれず、本来の冷却能力を発揮できないまま冷凍機から排出される送り冷水の温度が設計値より高めになってしまう場合がある。
このような場合、流量計を用いず冷凍機からの出口側の温度(送り冷水の温度)のみに基づいて台数制御を行う特許文献2では、実際にその冷凍機が可能な冷却能力の最大値を発揮していないにも関わらず、冷凍機の運転台数を増やしてしまう。これに伴い、熱源機に連動する冷却塔、冷却水ポンプ、冷水一次ポンプなど(補機類)の運転台数も増えることから、システム全体の省エネルギーの観点において効率的でない。この補機類を含めた省エネルギーの観点でいえば、できるだけ冷凍機の運転台数は減らした状態としたい。なお、ポンプの流量を適切に調整することも考えられるが、そのためには冷凍機一台ごとに流量計が必要となり、結局設備コストが高くなってしまう。
また、例えば、仮に冷凍機の出口側の温度(送り冷水の温度)が高めとなっている場合でも、空調機等の負荷機において必要な冷風を充分に出せる場合も多くある。その負荷側の実態を冷凍機の運転台数の制御に反映しない限り、冷凍機に余裕がありすぎるうちに運転台数を増やすことになり、効率的ではない。
さらに、例えば、冷凍機の冷却能力に過剰の余裕が発生している場合を考えると、この状態では冷凍機の出口側の温度(送り冷水の温度)は冷凍機本体の自動制御機能により一定となるため、送り冷水の温度を測定するだけでは、冷凍機の余裕の度合いを知ることは困難である。したがって、冷凍機の運転台数を減らした際の余裕の目安も知ることができず、冷凍機の運転台数を実際に減らしていいのかどうか判断することは困難である。そのため、特許文献2では、実質的になかなか冷凍機の運転台数を削減できない、あるいは、冷凍機に余裕が無いときに運転台数を削減してしまうなどの問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、特に流量計を用いずに低コストで、熱源側に設けられる複数の熱源側温度センサを用いて複数の冷凍機の運転を制御する運転制御処理部を有する制御装置を設けた冷水循環システムにおいて、熱源機の冷却能力の最大値を発揮させて使用可能とすることで、又は/及び、熱源側の冷却能力に過剰の余裕が発生しないようにすることで、効率的な省エネルギーを実現可能な冷水循環システムを提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、少なくとも、負荷側に設けられ、送り冷水の供給を受け、還り冷水を排出する1つ以上の負荷機と、熱源側に設けられ、前記還り冷水の供給を受け、該還り冷水を冷却して前記送り冷水として排出する複数の冷水を発生しうる熱源機と、熱源側の前記熱源機の前段部分において前記熱源機ごとに設けられ、前記還り冷水を前記熱源機へ供給する複数のポンプと、を備えた密閉系の冷水循環システムにおいて、熱源側の前記複数の熱源機の前段部分及び後段部分において各熱源機を挟むように設けられ、各熱源機に係る前記送り冷水および前記還り冷水の温度を検出する複数の熱源側温度センサと、前記複数の熱源側温度センサを用いて前記複数の熱源機の運転(動作・停止)を制御する運転制御処理部を有する制御装置とを備え、前記運転制御処理部は、動作中の所定の熱源機において、当該所定の熱源機の状態を監視し、前記送り冷水の温度が所定温度以上であり、かつ、前記還り冷水の温度から前記送り冷水の温度を減じた熱源側温度差が所定温度以上であるという増段条件を所定期間満たすとき、熱源側の総冷却能力が増加すると同時に前記負荷機に送られる冷水量が増加する方向に前記複数の熱源機の運転を制御する、増段制御処理部を有する冷水循環システムである。
前記運転制御処理部の前記増段制御処理部は、熱源側の総冷却能力が増加すると同時に前記負荷機に送られる冷水量が増加する方向に前記複数の熱源機の運転を制御するとき、前記熱源機の運転台数を増加させてもよい。
前記運転制御処理部の前記増段制御処理部は、運転中の前記熱源機が複数台数あるときは、前記運転中の熱源機のうち1台でも前記増段条件を所定期間満たしていれば、熱源側の総冷却能力が増加すると同時に前記負荷機に送られる冷水量が増加する方向に前記複数の熱源機の運転を制御するとよい。
前記運転制御処理部の前記増段制御処理部は、熱源側の総冷却能力が増加すると同時に前記負荷機に送られる冷水量が増加する方向に前記複数の熱源機の運転を制御した後、当該制御による効果を反映させるための時間である効果待ち時間を経るまでは、次回の増段制御処理を実行しないとよい。
前記負荷機は、前記送り冷水を該送り冷水からの伝熱による冷却を必要とする媒体と熱交換させる熱交換器を有し、予め、1つ以上の前記負荷機を重要管理点として設定したものであって、前記運転制御処理部の前記増段制御処理部は、前記重要管理点として設定した負荷機において前記媒体が冷却されて排出された後、予め定めた評価地点において前記媒体によって行なわれる冷却の効果または前記媒体の冷却能力を示す温度が、所定期間、予め設定した目標値よりも所定温度以上高いときに、前記増段条件に関わらず、熱源側の総冷却能力が増加すると同時に前記負荷機に送られる冷水量が増加する方向に前記複数の熱源機の運転を制御するようにされるとよい。
前記複数の熱源機は、全て同じ設計定格温度差ΔTdであり、前記運転制御処理部は、動作中の所定の熱源機(第1熱源機、・・・、第n熱源機)の状態を監視し、[数1]に示す式(1)
Figure 0005195696
により熱源側平均温度差ΔThを算出し、下式(2)
ΔTh×(現在の熱源側の総冷却能力÷減段後の熱源側の総冷却能力)≦ΔTd×α ・・・(2)
但し、ΔTd:設計定格温度差
α:余裕率(%)
で表される減段条件を満たすとき、熱源側の総冷却能力が減少すると同時に前記負荷機に送られる冷水量が減少する方向に前記複数の熱源機の運転を制御する減段制御処理部をさらに備えてもよい。
前記複数のポンプは、自動的に前記負荷機の負荷に基いて回転周波数を変化させることがない運転方式のポンプ(動力インバーター制御機を有しないポンプを含む)であるとよい。
前記複数の熱源機は、互いに異なる冷却能力であり、前記複数のポンプは、前記複数の熱源機の冷却能力の大きさに比例した流量を送る回転周波数が固定型のポンプであるとよい。
前記送り冷水を前記負荷機に供給しないで、直接、前記還り冷水として前記冷凍機に返す経路であるバイパス経路を設けてもよい。
本発明によれば、最も小さな冷却能力の熱源機の選定使用を可能としつつ、選ばれた熱源機の冷却能力の最大値あるいは最大効率を発揮させ、又は/及び、熱源側の冷却能力に過剰の余裕が発生しないようにすることで、効率的な省エネルギーを実現できる。
本発明の一実施の形態に係る冷水循環システムのシステム図である。 図1の冷水循環システムにおける制御装置の入出力構成を示すブロック図である。 図1の冷水循環システムにおいて設定したステップを説明する図である。 図1の冷水循環システムの制御フローを示すフローチャートである。 図4のフローチャートにおける増段制御処理の制御フローを示すフローチャートである。 図4のフローチャートにおける減段制御処理の制御フローを示すフローチャートである。 本発明の一実施の形態に係る冷水循環システムのシステム図である。 図7の冷水循環システムにおける制御装置の入出力構成を示すブロック図である。 図7の冷水循環システムにおいて設定したステップを説明する図である。 図7の冷水循環システムの制御フローを示すフローチャートである。 図10のフローチャートにおける増段制御処理の制御フローを示すフローチャートである。 図10のフローチャートにおける減段制御処理の制御フローを示すフローチャートである。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面にしたがって説明する。なお以下の記載における「冷凍」とは「冷却すること」を意味している。
図1は、本実施の形態に係る冷水循環システムのシステム図である。
図1に示すように、冷水循環システム1は、負荷側に設けられ、送り冷水の供給を受け、還り冷水を排出する負荷機としての第1空調機2a、第2空調機2bと、熱源側に設けられ、空調機2a,2bからの還り冷水の供給を受け、その還り冷水を冷却して送り冷水として排出する熱源機(冷水を発生しうる熱源機)としての第1冷凍機3a,第2冷凍機3bとを備えている。冷水循環システム1は、蓄熱水槽のない密閉系の冷水循環システムである。
空調機2a,2bは、室内の発熱処理空調機であるが、外気処理空調機であってもよい。本実施の形態では、負荷機として空調機2a,2bを用いる場合を説明するが、これに限らず、例えば、生産用の冷却水を冷やす熱交換器などであってもよい。なお、負荷機は、送り冷水を送り冷水からの伝熱による冷却を必要とする媒体と熱交換させる熱交換器を有しており、送り冷水からの伝熱による冷却を必要とする媒体は、例えば、水や空気など(空調機の場合は空気)である。
両冷凍機3a,3bの出口側と両空調機2a,2bの入口側との間は、送り冷水供給ライン10により接続されており、両空調機2a,2bの出口側と両冷凍機3a,3bの入口側とは、還り冷水排出ライン11により接続されている。
送り冷水供給ライン10は、供給側メイン管10aと、供給側メイン管10aと第1冷凍機3aの出口側とを接続する第1熱源側分岐管10bと、供給側メイン管10aと第2冷凍機3bの出口側とを接続する第2熱源側分岐管10cと、供給側メイン管10aと第1空調機2aの入口側とを接続する第1負荷側分岐管10dと、供給側メイン管10aと第2空調機2bの入口側とを接続する第2負荷側分岐管10eとからなる。冷凍機3a,3bからの送り冷水は、送り冷水供給ライン10の熱源側分岐管10b,10c、供給側メイン配管10a、負荷側分岐管10d,10eを介して空調機2a,2bに供給される。
また、還り冷水排出ライン11は、排出側メイン管11aと、排出側メイン管11aと第1冷凍機3aの入口側とを接続する第1熱源側分岐管11bと、排出側メイン管11aと第2冷凍機3bの入口側とを接続する第2熱源側分岐管11cと、排出側メイン管11aと第1空調機2aの出口側とを接続する第1負荷側分岐管11dと、排出側メイン管11aと第2空調機2bの出口側とを接続する第2負荷側分岐管11eとからなる。空調機2a,2bから排出された還り冷水は、還り冷水排出ライン11の負荷側分岐管11d,11e、排出側メイン管11a、熱源側分岐管11b,11cを介して冷凍機3a,3bに供給される。
また、両メイン管10a,11a間には、送り冷水を空調機2a,2bに供給しないで、直接、還り冷水として冷凍機3a,3bに返す経路であるバイパス経路を構成するバイパス管14が設けられる。バイパス管14の途中には、二方弁15が設けられており、この二方弁15はわずかに開かれ、バイパス管14にごく少ない流量V3の冷水が通るようにされている。なお本実施の形態では、バイパス管14に手動の二方弁15を設けたが、これに限らず、例えば、所定の圧力になったら開となるような弁(安全弁;リリーフ弁)を用いるようにしてもよい(この場合、V3=0となる)。
なお、本明細書では、両メイン管10a,11aのバイパス管14、負荷側分岐管10d,10e,11d,11eを設けた側(空調機2a,2b側)を負荷側、熱源側分岐管10b,10c,11b,11cを設けた側(冷凍機3a,3b側)を熱源側と呼称している。
空調機2a,2bには、第1負荷側温度センサ5a、第2負荷側温度センサ5bがそれぞれ設けられている。本実施の形態では、両負荷側温度センサ5a,5bを空調機2a,2bの空調空気の吹出口にそれぞれ設け、両負荷側温度センサ5a,5bにて吹出口から吹き出される空調空気の温度(以下、吹出温度という)tc1,tc2を測定するようにしている。ここでは、両負荷側温度センサ5a,5bにて空調機2a,2bの吹出温度を測定するようにしたが、これに限らず、両負荷側温度センサ5a,5bにて空調機2a,2bが設けられた空調室内の温度を測定するようにしてもよい。
空調機2a,2bの後段部分(下流側)である還り冷水排出ライン11の負荷側分岐管11d,11eには、空調機2a,2bに供給される冷水の流量V1,V2を調節するための第1制御二方弁6a,第2制御二方弁6bがそれぞれ設けられている。両制御二方弁6a,6bは、二方弁7a,7bと、その二方弁7a,7bの開度を制御する第1モータ8a、第2モータ8bとからなる。
冷凍機3a,3bの前段部分(上流側)である還り冷水排出ライン11の熱源側分岐管11b,11cには、冷凍機3a,3bごとに、還り冷水を冷凍機3a,3bへ供給する第1ポンプ4a,第2ポンプ4bがそれぞれ設けられている。ポンプ4a,4bとしては、空調機2a,2bの負荷に基いて自動的に流量を変化させない運転方式の固定流量型ポンプ(供給動力の周波数(回転周波数)が一定のポンプ;動力インバーター制御機を有しないポンプを含む)を用いる。
本実施の形態では、第1冷凍機3aの冷却能力(冷凍能力)C1を300RT(冷凍トン)、第2冷凍機3bの冷却能力C2を400RT(冷凍トン)とした場合を説明する。冷凍機3a,3bの冷却能力C1,C2についてはこれに限定されない。両ポンプ4a,4bの流量v1,v2は、対応する冷凍機3a,3bの冷却能力C1,C2の大きさに比例した流量とされる。ポンプ4a,4bの流量は、例えば、3,024L/分、4,032L/分である。
両メイン管10a,11aを通過する冷水の総流量Vは、両ポンプ4a,4bの流量v1,v2の合計値と等しく、また、空調機2a,2bに供給される冷水の流量V1,V2とバイパス管14を通過する冷水の流量V3との合計値と等しくなる。つまり、V=v1+v2=V1+V2+V3となる。
両冷凍機3a,3bの設計定格温度差T1,T2は、同じ設計定格温度差ΔTdとされる。ここでは、ΔTd=T1=T2=5℃とした場合を説明するが、設計定格温度差ΔTdは空調機2a,2bにおける設計定格温度差を考慮して適宜設定すればよく、例えば、ΔTd=T1=T2=8℃であってもよい。また、本実施の形態では冷凍機3a,3bの設計定格温度差T1,T2を同じ設計定格温度差ΔTdとしているが、冷凍機3a,3bの設計定格温度差T1,T2はほぼ同じであればよい。
冷凍機3a,3bの後段部分(下流側)である送り冷水供給ライン10の熱源側分岐管10b,10cには、冷凍機3a,3bが排出する送り冷水の温度ts1,ts2を検出するための第1熱源側出口温度センサ12a,第2熱源側出口温度センサ12bがそれぞれ設けられる。
また、冷凍機3a,3bの前段部分(上流側)である還り冷水排出ライン11の熱源側分岐管11b,11cには、冷凍機3a,3bに供給される還り冷水の温度tr1,tr2を検出するための第1熱源側入口温度センサ13a、第2熱源側入口温度センサ13bがそれぞれ設けられる。熱源側入口温度センサ13a,13bは、還り冷水排出ライン11の熱源側分岐管11b,11cのポンプ4a,4bの上流側にそれぞれ設けられる。
つまり、第1熱源側出口温度センサ12aと第1熱源側入口温度センサ13aは、第1冷凍機3aを挟むように設けられ、第2熱源側出口温度センサ12bと第2熱源側入口温度センサ13bは、第2冷凍機3bを挟むように設けられる。
さて、本実施の形態に係る冷水循環システム1は、各熱源側温度センサ12a,12b,13a,13bを用いて、冷凍機3a,3bの運転(動作・停止)を制御する運転制御処理部17を有する制御装置16を備えている。制御装置16は、制御ライン21を介して、各熱源側温度センサ12a,12b,13a,13b、負荷側温度センサ5a,5b、制御二方弁6a,6bのモータ8a,8b、および冷凍機3a,3bにそれぞれ接続されている。
図2に示すように、制御装置16には、負荷側温度センサ5a,5bで検出した吹出温度tc1,tc2、熱源側出口温度センサ12a,12bで検出した送り冷水の温度ts1,ts2、および熱源側入口温度センサ13a,13bで検出した還り冷水の温度tr1,tr2が入力される。
制御装置16の運転制御処理部17は、動作中の所定の冷凍機(3a又は/及び3b)において、当該所定の冷凍機の状態を監視し、以下の2つの増段条件のいずれか1つでも成立したとき、熱源側の総冷却能力が増加すると同時に負荷機である空調機2a,2bに送られる冷水量(送り冷水の総量)が増加する方向に冷凍機3a、3bの運転を制御する増段制御処理部18を備えている。
[増段条件(1)]
動作中の所定の冷凍機において、所定期間、送り冷水の温度ts1(またはts2)が所定温度tsmax以上であり、かつ、還り冷水の温度tr1(またはtr2)から送り冷水の温度ts1(またはts2)を減じた熱源側温度差ΔT1(またはΔT2)が所定温度ΔTmax以上であるとき。
[増段条件(2)]
所定期間、重要管理点に設定した空調機(2a又は/及び2b)において、吹出温度(tc1又は/及びtc2)が、予め設定した目標温度よりも所定温度以上高いとき。
例えば、第1冷凍機3aのみが動作している場合、増段条件(1)は、「ts1≧tsmax」かつ「ΔT1=tr1−ts1≧ΔTmax」の状態が所定期間満たされた場合に成立する。同様に、第2冷凍機3bのみが動作している場合は、増段条件(1)は、「ts2≧tsmax」かつ「ΔT2=tr2−ts2≧ΔTmax」の状態が所定期間満たされた場合に成立する。ここでは、tsmax=8℃とし、ΔTmaxを設計定格温度差ΔTdと等しく、すなわちΔTmax=ΔTd=5℃とする場合を説明するが、tsmax,ΔTmaxは適宜設定可能である。
第1冷凍機3aと第2冷凍機3bの両方が動作している場合は、両冷凍機3a,3bのうちいずれか一方が増段条件(1)を満たす場合に、増段条件(1)が成立したとする。本実施の形態では、冷凍機3a,3bの両方が動作している場合については、第2冷凍機3bが増段条件(1)を満たすか否かを判断することとした。
増段条件(2)における重要管理点とは、例えば、空調機が冷やしている室内の目標温度と実際温度の誤差をプラスマイナス1℃以内に維持しなければいけないなど、特に重点を置いて管理を行うべき空調機などの負荷側の機器を指す。重要管理点とする空調機は予め設定し、制御装置16内の記憶部22に記憶しておく。重要管理点とする空調機としては、上述のような制御要求条件の厳しい空調機の他、例えば、最も冷水が届きにくい(配管距離が長いあるいは冷水必要量のわりに配管の内径が小さすぎる)空調機などを設定してもよい。本実施の形態では、両空調機2a,2bを重要管理点に設定する場合を説明する。
運転制御処理部17の増段制御処理部18は、重要管理点として設定した負荷機(ここでは空調機2a,2b)において送り冷水と熱交換される媒体(ここでは空気)が冷却されて排出された後、予め定めた評価地点(ここでは空調空気の吹出口)において媒体によって行なわれる冷却の効果または媒体の冷却能力を示す温度(ここでは吹出温度tc1,tc2)が、所定期間、予め設定した目標値よりも所定温度以上高いときに、増段条件(1)に関わらず、熱源側の総冷却能力が増加すると同時に空調機2a,2bに送られる冷水量が増加する方向に冷凍機3a,3bの運転を制御するようにされている。
本実施の形態では、予め定めた評価地点において媒体によって行なわれる冷却の効果または冷却の能力を示す温度として、空調機2a,2bの吹出温度tc1,tc2を用いているが、これに限らず、例えば、空調機2a,2bが設置された室内の重要地点の乾球温度を用いてもよいし、負荷機が外気処理空調機の場合では吹き出し空気の露点温度、負荷機が生産用の冷却水を冷やす熱交換器の場合では冷やされた生産用の冷却水の送り温度を用いるようにしてもよい。
重要管理点として設定する負荷機としては、上述のように、冷水循環システム1の負荷機(ここでは空調機2a,2b)の全てを指定してもよいし、特に冷水が届き難いと予想される、または冷水が届き難かった実績がある負荷機、あるいは、媒体によって行なわれる冷却効果または冷却能力を示す温度の変動を許容できる範囲が特に狭い負荷機を指定してもよい。
増段条件(1),(2)を判断する期間(上述の所定期間)については、ここでは共に5分としたが、これに限定されず、適宜設定可能である。
また、運転制御処理部17は、動作中の所定の冷凍機(3a又は/及び3b)の状態を監視し、下式(3)
ΔTh=(ΔT1×C1+ΔT2×C2)/(C1+C2) ・・・(3)
但し、ΔT1:第1冷凍機3aの熱源側温度差
ΔT2:第2冷凍機3bの熱源側温度差
1:第1冷凍機3aの冷却能力300RT(停止中は0とする)
2:第2冷凍機3bの冷却能力400RT(停止中は0とする)
により熱源側平均温度差ΔThを算出し、下式(4)
ΔTh×(現在の熱源側の総冷却能力÷減段後の熱源側の総冷却能力)≦ΔTd×α ・・・(4)
但し、ΔTd:設計定格温度差
α:余裕率(%)
で表される減段条件を満たすとき、熱源側の総冷却能力が減少すると同時に空調機2a,2bに送られる冷水量が減少する方向に冷凍機3a,3bの運転を制御する減段制御処理部19をさらに備えている。
式(3)で得られる熱源側平均温度差ΔThは、各冷凍機3a,3bの熱源側温度差ΔT1,ΔT2を、冷却能力の比率(つまり冷凍機の設計定格流量の比率)で加重平均したものであり、熱源側全体における送り冷水の温度と還り冷水の温度との差を表すものである。
また、式(4)における左辺は、減段後の熱源側平均温度差を表している。つまり、減段制御処理部19は、現在の熱源側平均温度差ΔThから減段後の熱源側平均温度差を予測し、これが設計定格温度差ΔTdよりも小さければ、減段条件を満たしたと判断する。式(4)の右辺において、設計定格温度差ΔTdに余裕率αを乗じているのは、減段した際に全く余力がない場合、減段したあとわずかに冷却負荷が増える変動が起きた途端に熱源側平均温度差ΔThが設計定格温度差ΔTdよりも大きくなってしまうことを抑制するためである。つまり、余裕率αを適宜設定することで、減段後すぐに冷凍機の能力の限界に達して再度増段されてしまう現象が繰り返されることを抑制できる。
本実施の形態では、制御装置16にて所定時間(例えば30秒あるいは1分)毎に熱源側平均温度差ΔThを算出して、これを記憶部22に記憶させておき、減段制御処理部19が、記憶部22に記憶された熱源側平均温度差ΔThに基づき、減段制御処理が実行される直前の所定期間(例えば30分)の熱源側平均温度差ΔThの平均値である平均熱源側平均温度差ΔTaveを算出し、得られた平均熱源側平均温度差ΔTaveに基づいて、熱源側の総冷却能力が減少すると同時に空調機2a,2bに送られる冷水量が減少する方向に冷凍機3a,3bの運転を制御するか否か(減段するか否か)を判断するようにしている。
つまり、本実施の形態では、減段制御処理部19における減段条件は、下式(5)
ΔTave×(現在の熱源側の総冷却能力÷減段後の熱源側の総冷却能力)≦ΔTd×α ・・・(5)
但し、ΔTd:設計定格温度差
α:余裕率(%)
で表される。
増段制御処理部18、減段制御処理部19において、熱源側の総冷却能力が増加あるいは減少する方向(空調機2a,2bに送られる冷水量が増加あるいは減少する方向)に冷凍機3a、3bの運転を制御する際には、単純に冷凍機3a,3bの運転台数を増加あるいは減少するようにしてもよいし、あるいは、冷却能力の高いあるいは低い冷凍機3a,3bに運転を切り替えるようにしてもよい。
本実施の形態では、予め複数のステップを設定し、ステップ毎に総冷却能力が互いに異なるように、動作させる冷凍機3a,3bを割り付けて制御装置16の記憶部22に記憶させておき、増段制御処理部18、減段制御処理部19が、設定した複数のステップのうち現状のステップから所定のステップに移行するよう制御を行うことで、熱源側の総冷却能力が増加あるいは減少する方向に冷凍機3a、3bの運転を制御するようにしている。
図3に示すように、本実施の形態では、ステップ1〜3の3つのステップを設定した場合を説明する。なお、設定するステップの数については任意に設定可能である。
ステップ1では、第1冷凍機3aのみを動作させ、第2冷凍機3bを停止することとする。つまり、ステップ1では、総流量V=v1となり、熱源側の総冷却能力は第1冷凍機3aの冷却能力C1(300RT)と等しくなる。
ステップ2では、第1冷凍機3aを停止し、第2冷凍機3bのみを動作させることとする。つまり、ステップ2では、総流量V=v2となり、熱源側の総冷却能力は第2冷凍機3bの冷却能力C2(400RT)と等しくなる。
ステップ3では、第1冷凍機3a、第2冷凍機3bの両者を動作させることとする。つまり、ステップ3では、総流量V=v1+v2となり、熱源側の総冷却能力は第1冷凍機3aの冷却能力C1(300RT)と第2冷凍機3bの冷却能力C2(400RT)との和、すなわちC1+C2=700RTとなる。
つまり、本実施の形態では、ステップ1、ステップ2、ステップ3の順に熱源側の総冷却能力が増加するように各ステップ1〜3を設定している。
また、本実施の形態では、増段制御処理部18あるいは減段制御処理部19におけるステップの移行は、その移行順序を一定とした。
より具体的には、増段制御処理部18は、現状のステップがステップ1であるときは、上述の増段条件が満たされた時にステップ2に、現状のステップがステップ2であるときは、増段条件が満たされた時にステップ3に移行するように制御を行う。以下、ステップを増加させる移行を増段という。
同様に、減段制御処理部19は、現状のステップがステップ3であるときは、上述の減段条件が満たされた時にステップ2に、現状のステップがステップ2であるときは、減段条件が満たされた時にステップ1に移行するように制御を行う。以下、ステップを減少させる移行を減段という。
増段制御処理部18および減段制御処理部19は、冷凍機3a(または3b)を動作させるときは、冷凍機3a(または3b)に対して始動信号を送信する。始動信号を受信した冷凍機3a(または3b)は、さらにポンプ4a(または4b)に対してポンプ始動信号を送信し、ポンプ4a(または4b)が始動してから所定時間経過後に、動作を開始する。
また、増段制御処理部18および減段制御処理部19は、冷凍機3a(または3b)を停止させるときは、冷凍機3a(または3b)に対して停止信号を送信する。停止信号を受信した冷凍機3a(または3b)は、動作を停止してから所定時間経過後に、ポンプ4a(または4b)に対してポンプ停止信号を送信し、ポンプ4a(または4b)を停止させる。
増段制御処理部18および減段制御処理部19は、増段あるいは減段の制御を行った場合には、当該制御による効果を反映するための時間である効果待ち時間を経るまでは、次回の増段あるいは減段の制御を実行しないようにされている。これは増段あるいは減段の効果が冷水循環システム1全体に反映されていない段階で、各温度センサの値に基いてさらに増段あるいは減段がなされた場合、連続して過剰な増段や減段が行なわれ、省エネルギーの観点から問題となる場合があるためである。
また、本実施の形態では、1日の減段の回数の上限値である減段回数上限値を予め設定して、これを制御装置16の記憶部22に記憶させておき、減段制御処理部19が、1日に、記憶部22に記憶された減段回数上限値よりも多く減段を行わないようにしている。これは、1日に何度も冷凍機3a,3bの動作・停止を繰り返す動作を続けると、冷凍機3a,3bが傷んで故障の原因となってしまう場合があり、これを防止するためである。ここでは、減段回数上限値を1日最大6回としたが、減段回数上限値は任意に設定可能である。
なお、本実施の形態では、減段の回数(すなわちステップを減少させた回数)について1日の上限値を設定しているが、これに限らず、冷凍機3a,3bそれぞれの停止回数の上限値を設定するようにしてもよい。この場合、減段制御処理部19は、設定された各冷凍機3a,3bの停止回数の上限値よりも多く各冷凍機3a,3bを停止しないようにされる。
また、制御装置16は、負荷側温度センサ5a,5bで検出した吹出温度tc1,tc2に基づきモータ8a,8bを制御して二方弁7a,7bの開度を調整することで、空調機2a,2bに供給される冷水の流量V1,V2を調整し、吹出温度tc1,tc2を予め設定された目標温度に近づけるように制御する負荷側制御処理部20を備えているものであっても良い。
なお、この負荷側制御処理部20は必ずしも一体の制御装置16に組み込まれている必要はなく、吹出温度tc1,tc2を目標とする温度に近づけるべくPID制御等を成しうる制御装置16とは別の制御装置に備えられていても良い。
次に、冷水循環システム1の制御フローを図4〜6を用いて説明する。
まず、メインルーチンについて図4により説明する。
図4に示すように、冷水循環システム1では、まず、制御装置16が、電源投入時であるかを判断する(S1)。このとき、制御装置16は、所定時間電源が投入されていないかどうかを判断することで、電源投入時であるかを判断する。つまり、瞬間停電後の復電時は電源投入時に含まれない。S1において電源投入時でないと判断された場合、S4に進む。
S1において電源投入時であると判断された場合、制御装置16は、減段回数をリセットし(S2)、ステップ2をセットする(S3)。このとき、制御装置16は、第1冷凍機3aに停止信号を送信し、第2冷凍機3bに始動信号を送信する。なお、電源投入時には第1冷凍機3aは停止しているので、制御装置16は、第1冷凍機3aに停止信号を送信しないようにしてもよい。本実施の形態では、電源投入時にステップ2をセットするが、これに限らず、ステップ1やステップ3をセットするようにしてもよい。
その後、制御装置16は、タイマ1をリセットし、スタートする(S4)。タイマ1をスタートした後、制御装置16は、タイマ1が10分以上であるかどうか判断する(S5)。
S5において、タイマ1が10分以上でないと判断された場合、制御装置16は、現在のステップがステップ3であるかどうか判断する(S6)。S6において、現在のステップがステップ3でないと判断された場合、増段制御処理部18が、増段制御処理(詳細は後述する)を実行し(S7)、増段制御処理が終了したらS8に進む。また、S6において現在のステップがステップ3であると判断された場合、ステップ3からさらに増段することはできないため、S7の増段制御処理を行わずにS8に進む。S8では、制御装置16は、動作中の冷凍機3a,3bの各熱源側温度センサ12a,12b,13a,13bにて送り冷水の温度ts1,ts2と還り冷水の温度tr1,tr2を検出する。その後、制御装置16は、検出した送り冷水の温度ts1,ts2と還り冷水の温度tr1,tr2を基に、上述の式(3)により熱源側平均温度差ΔThを算出し、得られた熱源側平均温度差ΔThを記憶部(RAM)22に記憶し(S9)、S1に戻る。
S5において、タイマ1が10分以上であると判断された場合、制御装置16は、現在のステップがステップ1であるかどうか判断する(S10)。S10において、現在のステップがステップ1でないと判断された場合、減段制御処理部19が、減段制御処理(詳細は後述する)を実行し(S11)、減段制御処理が終了したらS4に戻り、タイマ1をリセットする。また、S10において現在のステップがステップ1であると判断された場合、ステップ1からさらに減段することはできないため、S11の減段制御処理を行わずにS4に戻り、タイマ1をリセットする。つまり、本実施の形態では、タイマ1を用いて、10分ごとに減段制御処理を実行して、減段を行うか否かを判断するようにしている(ただし、ステップ1でない場合)。減段制御処理を実行する時間間隔は10分に限定されず、適宜設定可能である。
次に、S7の増段制御処理について詳細に説明する。
図5に示すように、増段制御処理では、まず、増段制御処理部18は、現在のステップがステップ1であるかを判断する(S21)。
S21でステップ1であると判断された場合、増段制御処理部18は、タイマ2をリセット・スタート(S22)した後、第1冷凍機3aの送り冷水の温度ts1が所定温度tsmax(ここでは8℃)以上であるか(S23)、第1冷凍機3aにおける送り冷水の温度ts1と還り冷水の温度tr1との温度差ΔT1が所定温度ΔTmax(ここでは5℃)以上であるかを判断する(S24)。S23,S24で共にYESと判断された場合、タイマ2が5分以上であるか判断し(S25)、5分未満であればS23に戻り、5分以上であればS30に進む。つまり、5分以上「ts1≧8℃」、「ΔT1≧5℃」の状態が持続したときに、増段条件(1)を満たしたとしてS30に進む。
S23あるいはS24でNOと判断された場合、すなわち、増段条件(1)を満たさないと判断された場合、増段制御処理部18は、タイマ4をリセット・スタート(S26)した後、重要管理点に設定された第1空調機2aの吹出温度tc1とその目標温度との差が3℃以上であるか(S27)、また重要管理点に設定された第2空調機2bの吹出温度tc2とその目標温度との差が3℃以上であるかを判断する(S28)。S27,S28のいずれか一方でYESと判断された場合、タイマ4が5分以上であるか判断し(S29)、5分未満であればS27に戻り、5分以上であればS30に進む。つまり、5分以上「tc1−第1空調機2aの目標温度≧3℃」あるいは「tc2−第2空調機2bの目標温度≧3℃」の状態が持続したときに、増段条件(2)を満たしたとしてS30に進む。S27,S28で共にNOと判断された場合、増段制御処理を終了する。なお、ここでは空調機2a,2bの吹出温度tc1、tc2と目標温度との差が3℃以上であるときに、増段条件(2)を満足するとしたが、空調機2a,2bの吹出温度tc1、tc2と目標温度との差については、適宜設定可能である。
S30では、増段制御処理部18は、タイマ6をリセット・スタートし、その後、ステップ2をセットする(S31)。つまり、ステップ1からステップ2に増段する。このとき、増段制御処理部18は、第1冷凍機3aに停止信号を送信し、第2冷凍機3bに始動信号を送信する。ステップ2をセットした後、増段による効果を反映させるため、タイマ6が20分となるまで待ち(S32)、増段制御処理を終了する。
S21でステップ1でない(つまりステップ2)と判断された場合、増段制御処理部18は、タイマ3をリセット・スタート(S33)した後、第2冷凍機3bの送り冷水の温度ts2が所定温度tsmax(ここでは8℃)以上であるか(S34)、第2冷凍機3bにおける送り冷水の温度ts2と還り冷水の温度tr2との温度差ΔT2が所定温度ΔTmax(ここでは5℃)以上であるかを判断する(S35)。S34,S35で共にYESと判断された場合、タイマ3が5分以上であるか判断し(S36)、5分未満であればS34に戻り、5分以上であればS41に進む。つまり、5分以上「ts2≧8℃」、「ΔT2≧5℃」の状態が持続したときに、増段条件(1)を満たしたとしてS41に進む。
S34あるいはS35でNOと判断された場合、増段制御処理部18は、タイマ5をリセット・スタート(S37)した後、重要管理点に設定された第1空調機2aの吹出温度tc1とその目標温度との差が3℃以上であるか(S38)、また重要管理点に設定された第2空調機2bの吹出温度tc2とその目標温度との差が3℃以上であるかを判断する(S39)。S38,S39のいずれか一方でYESと判断された場合、タイマ5が5分以上であるか判断し(S40)、5分未満であればS38に戻り、5分以上であればS41に進む。つまり、5分以上「tc1−第1空調機2aの目標温度≧3℃」あるいは「tc2−第2空調機2bの目標温度≧3℃」の状態が持続したときに、増段条件(2)を満たしたとしてS41に進む。S38,S39で共にNOと判断された場合、増段制御処理を終了する。
S41では、増段制御処理部18は、タイマ7をリセット・スタートし、その後、ステップ3をセットする(S42)。つまり、ステップ2からステップ3に増段する。このとき、増段制御処理部18は、第1冷凍機3aに始動信号を送信し、第2冷凍機3bに始動信号を送信する。なお、ステップ2で第2冷凍機3bは動作しているので、増段制御処理部18は、第2冷凍機3bに始動信号を送信しないようにしてもよい。ステップ3をセットした後、増段による効果を反映させるため、タイマ7が20分となるまで待ち(S43)、増段制御処理を終了する。
次に、S11の減段制御処理について詳細に説明する。
図6に示すように、減段制御処理では、まず、減段制御処理部19は、記憶部(RAM)22に記憶されている直前30分における熱源側平均温度差ΔThの平均値、すなわち平均熱源側平均温度差ΔTaveを算出する(S51)。その後、減段制御処理部19は、現在のステップがステップ3であるかを判断する(S52)。
S52でステップ3であると判断された場合、減段制御処理部19は、減段条件を満たすか否かを判断する(S53)。「現在の熱源側の総冷却能力」はステップ3の総冷却能力700RT、「減段後の熱源側の総冷却能力」はステップ2の総冷却能力400RTであるから、減段条件は下式(6)
ΔTave×(700RT÷400RT)≦ΔTd×α ・・・(6)
但し、ΔTd:設計定格温度差(5℃)
α:余裕率(80%)
で表される。ここでは、余裕率αを80%としたが、余裕率は適宜設定可能である。S53にて減段条件を満たさないと判断された場合、減段制御処理を終了する。
S53にて減段条件を満たすと判断された場合、減段制御処理部19は、減段回数が減段回数上限値(ここでは6回)以上かどうかを判断する(S54)。S54にて減段回数が減段回数上限値(6回)以上と判断された場合、減段制御処理を終了する。
なお、本実施の形態では、減段回数は、電源投入時にリセットされるため、電源投入後に減段が行われた回数となっている。つまり、本実施の形態では、冷水循環システム1の電源が1日に1回投入される(例えば、朝に電源を投入して、夜に電源を落とす)ことを前提としているが、例えば、冷水循環システム1が24時間稼働する場合などについては、減段回数をリセットする時間(例えば午前0時)を設定しておき、24時間ごとに減段回数がリセットされるようにしてもよい。
S54にて減段回数が減段回数上限値(6回)以上でないと判断された場合、減段制御処理部19は、タイマ8をリセット・スタート(S55)した後、ステップ2をセットする(S56)。つまり、ステップ3からステップ2に減段する。このとき、減段制御処理部19は、第1冷凍機3aに停止信号を送信し、第2冷凍機3bに始動信号を送信する。なお、ステップ3で第2冷凍機3bは動作しているので、減段制御処理部19は、第2冷凍機3bに始動信号を送信しないようにしてもよい。
ステップ2をセットした後、減段制御処理部19は、減段回数をインクリメントし(S57)、その後、減段による効果を反映させるため、タイマ8が20分となるまで待ち(S58)、減段制御処理を終了する。
S52でステップ3でない(つまりステップ2)と判断された場合、減段制御処理部19は、減段条件を満たすか否かを判断する(S59)。「現在の熱源側の総冷却能力」はステップ2の総冷却能力400RT、「減段後の熱源側の総冷却能力」はステップ1の総冷却能力300RTであるから、減段条件は下式(7)
ΔTave×(400RT÷300RT)≦ΔTd×α ・・・(7)
但し、ΔTd:設計定格温度差(5℃)
α:余裕率(80%)
で表される。S59にて減段条件を満たさないと判断された場合、減段制御処理を終了する。
S59にて減段条件を満たすと判断された場合、減段制御処理部19は、減段回数が減段回数上限値(6回)以上かどうかを判断する(S60)。S60にて減段回数が減段回数上限値(6回)以上と判断された場合、減段制御処理を終了する。
S60にて減段回数が減段回数上限値(6回)以上でないと判断された場合、減段制御処理部19は、タイマ9をリセット・スタート(S61)した後、ステップ1をセットする(S62)。つまり、ステップ2からステップ1に減段する。このとき、減段制御処理部19は、第1冷凍機3aに始動信号を送信し、第2冷凍機3bに停止信号を送信する。
ステップ1をセットした後、減段制御処理部19は、減段回数をインクリメントし(S63)、その後、減段による効果を反映させるため、タイマ9が20分となるまで待ち(S64)、減段制御処理を終了する。
本実施の形態の作用を説明する。
本実施の形態に係る冷水循環システム1では、冷凍機3a,3bの前段部分及び後段部分において冷凍機3a,3bを挟むように熱源側温度センサ12a,12b,13a,13bをそれぞれ設け、冷凍機3a,3bの送り冷水の温度ts1,ts2および還り冷水の温度tr1,tr2を検出し、運転制御処理部17の増段制御処理部18にて、動作中の所定の冷凍機3a(又は/及び3b)の状態を監視し、送り冷水ts1(またはts2)の温度が所定温度tsmax以上であり、かつ、還り冷水の温度tr1(またはtr2)から送り冷水の温度ts1(またはts2)を減じた熱源側温度差ΔT1(またはΔT2)が所定温度ΔTmax以上であるという増段条件を所定期間満たすとき、熱源側の総冷却能力が増加すると同時に空調機2a,2bに送られる冷水量が増加する方向に冷凍機3a,3bの運転を制御するようにしている。
冷凍機3a,3bの出口側の温度(送り冷水の温度ts1(またはts2))だけでなく、還り冷水の温度tr1(またはtr2)と送り冷水の温度ts1(またはts2)との差である熱源側温度差ΔT1(またはΔT2)を監視することにより、各冷凍機3a,3bが本当に現在発揮可能な冷却能力の上限近くに達しているか(つまり熱源側温度差ΔT1(またはΔT2)が定格設計温度差ΔTdにどれくらい近く(高く)なっているか)を判断することが可能となる。よって、流量計を用いることなく、当該冷凍機の冷却能力を発揮可能な上限の能力近くまで使用することが可能となる。この結果、熱源機の補機類も最少台数とすることができ、システム全体として効率的な省エネルギーを実現することが可能となる。
また、冷水循環システム1では、増段あるいは減段の制御を行った後、当該制御による効果を反映させるための時間である効果待ち時間を経るまでは、次回の増段あるいは減段の制御を実行しないようにしている。これにより、増段あるいは減段の効果が反映される前に次の増段や減段がなされてしまうことを防止できる。
またさらに、冷水循環システム1では、冷凍機の出口側の温度(送り冷水の温度)が高めとなっている場合でも、空調機等の負荷機において必要な冷却の効果を充分に出せる場合も多くある事実を重視して、重要管理点に設定した空調機(2a又は/及び2b)において、所定期間、吹出温度(tc1又は/及びtc2)が、予め設定した目標温度よりも所定温度以上高いときに、増段条件(2)を満たすとして、熱源側の総冷却能力が増加すると同時に空調機2a,2bに送られる冷水量が増加する方向に冷凍機3a,3bの運転を制御するようにしている。これにより、負荷側の実態を冷凍機の運転台数の制御に反映しないで余裕があるうちに運転台数を増やす結果、エネルギー効率が悪化する従来の制御方法の問題点が解決できる。すなわち、設定した重要管理点の空調機において、(実際は、冷却上、とりわけ厳しい条件の下にあるとして定められた重要管理点が冷却される限り、重要管理点として指定されないものも含む全ての負荷機においての)冷却を確実に必要かつ充分に維持することが可能となる。
さらにまた、冷水循環システム1では、下式(8)
ΔTh×(現在の熱源側の総冷却能力÷減段後の熱源側の総冷却能力)≦ΔTd×α ・・・(8)
但し、ΔTd:設計定格温度差
α:余裕率(%)
で表される減段条件を満たすとき、熱源側の総冷却能力が減少すると同時に空調機2a,2bに送られる冷水量が減少する方向に冷凍機3a,3bの運転を制御する減段制御処理部19を備えているため、流量計を用いることなく、当該冷凍機の発揮可能な上限の冷却能力近くまで使用することを可能とし、かつ、減段時に熱源側の冷却能力に過剰の余裕が発生しないで、あらかじめ意図した適切な余裕があるように制御することが可能となる。よって、効率的な省エネルギーを実現することができる。
本発明の他の実施の形態を説明する。
図7に示す冷水循環システム71は、基本的に図1の冷水循環システム1と同じ構成であり、3台の冷凍機3a〜3cを備える点、およびステップ1〜3の設定(冷凍機3a〜3cの割り付けの設定)が異なる。
各冷凍機3a〜3cの前段部分には、冷凍機3a〜3cの冷却能力C1〜C3に比例した流量v1〜v3の固定流量型のポンプ4a〜4cがそれぞれ設けられている。また、各冷凍機3a〜3cには、各冷凍機3a〜3cを挟むように、熱源側出口センサ12a〜12cと熱源側入口温度センサ13a〜13cが設けられている。各冷凍機3a〜3cの設計定格温度差T1〜T3は、全て同じ設計定格温度差ΔTd=5℃である。
この冷水循環システム71では、図8に示すように、制御装置16には、負荷側温度センサ5a,5bで検出した吹出温度tc1,tc2、熱源側出口温度センサ12a〜12cで検出した送り冷水の温度ts1〜ts3、および熱源側入口温度センサ13a〜13cで検出した還り冷水の温度tr1〜tr3が入力される。
図9に示すように、ステップ1では、第1冷凍機3aのみを動作させ、第2冷凍機3b、第3冷凍機3cを停止することとする。つまり、ステップ1では、総流量V=v1となり、熱源側の総冷却能力は第1冷凍機3aの冷却能力C1(300RT)と等しくなる。
ステップ2では、第1冷凍機3aと第2冷凍機3bを動作させることとする。つまり、ステップ2では、総流量V=v1+v2となり、熱源側の総冷却能力は第1冷凍機3aの冷却能力C1(300RT)と第2冷凍機3bの冷却能力C2(400RT)との和、すなわちC1+C2=700RTとなる。
同様に、ステップ3では、第1冷凍機3a〜第3冷凍機3cを全て動作させることとする。つまり、ステップ3では、総流量V=v1+v2+v3となり、熱源側の総冷却能力は第1冷凍機3aの冷却能力C1(300RT)と第2冷凍機3bの冷却能力C2(400RT)と第3冷凍機3cの冷却能力C3(500RT)との和、すなわちC1+C2+C3=1200RTとなる。
つまり、本実施の形態では、ステップ1、ステップ2、ステップ3の順に冷凍機の運転台数を増加させ、熱源側の総冷却能力が増加するように各ステップ1〜3を設定している。
次に、冷水循環システム71における制御フローを図10〜12を用いて説明する。
図10に示すように、冷水循環システム71におけるメインルーチンは、基本的に図4で説明した冷水循環システム1のメインルーチンと同じである。なお、冷水循環システム71では、3台の冷凍機3a〜3cを備えているため、S9で算出する熱源側平均温度差ΔThは、[数2]に示す式(9)で与えられる。ここでは、冷凍機の台数が3台であるため、式(9)におけるnは3となる。
Figure 0005195696
図11に示すように、冷水循環システム71における増段制御処理は、基本的に図5で説明した冷水循環システム1の増段制御処理と同じであるが、図中破線で示した部分、すなわちステップ2からステップ3に増段するときの制御フロー(ステップ2からステップ3に増段するときの増段条件(1)に相当する部分の制御フロー)が異なる。なお、図11では、図の簡略化のため、増段条件(2)に相当する部分の制御フローと、増段制御処理部18が冷凍機3a〜3cに始動信号および停止信号を送信する部分の制御フローを省略している。
冷水循環システム71では、S21でステップ1でない(つまりステップ2)と判断された場合、増段制御処理部18は、タイマ3をリセット・スタート(S33)した後、第1冷凍機3aの送り冷水の温度ts1が所定温度tsmax(ここでは8℃)以上であるか(S44)、第1冷凍機3aにおける送り冷水の温度ts1と還り冷水の温度tr1との温度差ΔT1が所定温度ΔTmax(ここでは5℃)以上であるかを判断する(S45)。S44,S45で共にYESと判断された場合、S36に進む。
S44あるいはS45でNOと判断された場合、増段制御処理部18は、第2冷凍機3bの送り冷水の温度ts2が所定温度tsmax(ここでは8℃)以上であるか(S46)、第2冷凍機3bにおける送り冷水の温度ts2と還り冷水の温度tr2との温度差ΔT2が所定温度ΔTmax(ここでは5℃)以上であるかを判断する(S47)。S46,S47で共にYESと判断された場合、S36に進む。S46あるいはS47でNOと判断された場合、増段制御処理を終了する(重要管理点が設定してある場合、図5のS37に進む)。
S36では、タイマ3が5分以上であるか判断し(S36)、5分未満であればS44に戻り、5分以上であれば、タイマ7をリセット・スタート(S41)した後、ステップ2からステップ3に増段する(S42)。
つまり、冷水循環システム71では、「ts1≧8℃」かつ「ΔT1≧5℃」の状態、あるいは、「ts2≧8℃」かつ「ΔT2≧5℃」の状態が5分以上持続されたときに、増段条件(1)を満たしたとして増段する。このように、動作中の冷凍機が複数あるときは、増段制御処理部18は、動作中の冷凍機(ここでは冷凍機3a、3b)のうち1台でも増段条件(1)を所定期間満たしていれば、増段を実行するようにしてもよい。
図12に示すように、冷水循環システム71における減段制御処理は、S53,S59の減段条件においてステップ1〜3の総冷却能力が異なるのみで、基本的に図6で説明した冷水循環システム1の減段制御処理と同じである。なお、図12では、図の簡略化のため、減段制御処理部19が冷凍機3a〜3cに始動信号および停止信号を送信する部分の制御フローを省略している。
上記実施の形態では、冷凍機の台数が2台、あるいは3台である場合を説明したが、これに限らず、冷凍機の台数は4台以上であってもよい。なお、動作中の冷凍機が3台以上ある場合、図11の増段制御処理の制御フローにおいて破線で示した部分を動作中の冷凍機の台数に応じた段数(図11の制御フローでは、動作中の冷凍機が2台であるため、S44,S45で1段、S46,S47で1段と合計2段になっている)に変更することにより、動作中の冷凍機のうち1台でも増段条件(1)を所定期間満たしていれば増段を実行することが可能となる。
また、上記実施の形態では、ステップの数を3とした場合を説明したが、これに限らず、ステップの数は任意に設定する事が可能である。
上記実施の形態では、運転制御処理部17と負荷側制御処理部20とを1つの制御装置16に設けた場合を説明したが、運転制御処理部17と負荷側制御処理部20とをそれぞれ別個の制御装置に設けるようにしてもよい。この場合、負荷側温度センサ5a,5bからの制御ライン21を分岐して、各制御装置に接続するようにすればよい。
また、上記実施の形態では、停電時処理について説明しなかったが、停電時に減段回数と現在のステップとを記憶部22に記憶させ、復電時に停電前の状況を再現する停電時処理部を制御装置16に備えるようにしてもよい。
さらに、上記実施の形態では、最も総冷却能力が高いステップ(ステップ3)では増段制御処理を行わず、増段条件(1),(2)を満たすか否かを判断しなかったが、最も総冷却能力が高いステップ(ステップ3)においても増段制御処理部18にて増段条件(1),(2)を満たすか判断し、増段条件(1),(2)を満たす場合、管理者にメールなどで通知するようにしてもよい。これにより、冷凍機に負荷がかかり過ぎていることを管理者に通知し、負荷側の熱の発生量を減らす対応を取ることなどで冷凍機の故障を未然に防止することが可能となる。
また、上記実施の形態では、増段制御処理部18あるいは減段制御処理部19におけるステップの移行順序を一定としたが、これに限定されない。つまり、ステップ1からステップ3に移行するようにしてもよい(これはステップ2に必須の冷凍機がメンテナンスで停止中であるときなどに起き得る)。なお、増段・減段は増台数・減台数を意味するのではなく、冷凍機の冷却能力の組合せによっては、増段であっても運転台数が減る場合もある。
さらに、上記実施の形態では、冷凍機として異なる冷却能力のものを用いたが、冷却能力が同じ冷凍機を複数用いるようにしてもよい。この場合、各冷凍機の動作・停止回数の偏りをなるべく少なくするために、使用する冷凍機をローテーションすることが望ましい。この場合、各ステップには冷凍機の運転台数のみを設定し、使用する冷凍機はローテーションで選択されるようにすればよい。
また、ここでは冷水循環システム1の熱源機を冷凍機に限って説明したが、実際に利用できる設備としては、1台で冷水と温水の両方を発生させうる機器(冷温水発生機)の冷却機能を使っている場合や、冷水の利用温度域が高い設備の場合(たとえば、30℃以上)などには冷水の製造に、いわゆる冷凍機を使用せず、冷却塔(クーリングタワー)などの、よりエネルギー消費が少ない冷水製造機器のみを使用する場合がある。このような冷水循環システムに関しても同様の制御手法が当てはまるものであり、そのような形態の変更は全て含むものとする。
このように、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
1 冷水循環システム
2a,2b 空調機(負荷機)
3a,3b 冷凍機(熱源機)
4a,4b ポンプ
5a,5b 負荷側温度センサ
6a,6b 制御二方弁
10 送り冷水供給ライン
11 還り冷水排出ライン
12a,12b 熱源側出口温度センサ
13a,13b 熱源側入口温度センサ
16 制御装置
17 運転制御処理部
18 増段制御処理部
19 減段制御処理部
20 負荷側制御処理部

Claims (9)

  1. 少なくとも、
    負荷側に設けられ、送り冷水の供給を受け、還り冷水を排出する1つ以上の負荷機と、 熱源側に設けられ、前記還り冷水の供給を受け、該還り冷水を冷却して前記送り冷水として排出する複数の冷水を発生しうる熱源機と、
    熱源側の前記熱源機の前段部分において前記熱源機ごとに設けられ、前記還り冷水を前記熱源機へ供給する複数のポンプと、
    を備えた密閉系の冷水循環システムにおいて、
    熱源側の前記複数の熱源機の前段部分及び後段部分において各熱源機を挟むように設けられ、各熱源機に係る前記送り冷水および前記還り冷水の温度を検出する複数の熱源側温度センサと、
    前記複数の熱源側温度センサを用いて前記複数の熱源機の運転(動作・停止)を制御する運転制御処理部を有する制御装置とを備え、
    前記運転制御処理部は、
    動作中の所定の熱源機において、当該所定の熱源機の状態を監視し、
    前記送り冷水の温度が所定温度以上であり、かつ、前記還り冷水の温度から前記送り冷水の温度を減じた熱源側温度差が所定温度以上であるという増段条件を所定期間満たすとき、
    熱源側の総冷却能力が増加すると同時に前記負荷機に送られる冷水量が増加する方向に前記複数の熱源機の運転を制御する増段制御処理部を有することを特徴とする冷水循環システム。
  2. 前記運転制御処理部の前記増段制御処理部は、
    熱源側の総冷却能力が増加すると同時に前記熱源機に送られる冷水量が増加する方向に前記複数の熱源機の運転を制御するとき、前記熱源機の運転台数を増加させる請求項1記載の冷水循環システム。
  3. 前記運転制御処理部の前記増段制御処理部は、
    運転中の前記熱源機が複数台数あるときは、前記運転中の熱源機のうち1台でも前記増段条件を所定期間満たしていれば、熱源側の総冷却能力が増加すると同時に前記負荷機に送られる冷水量が増加する方向に前記複数の熱源機の運転を制御する請求項1または2記載の冷水循環システム。
  4. 前記運転制御処理部の前記増段制御処理部は、
    熱源側の総冷却能力が増加すると同時に前記負荷機に送られる冷水量が増加する方向に前記複数の熱源機の運転を制御した後、当該制御による効果を反映させるための時間である効果待ち時間を経るまでは、次回の増段制御処理を実行しない請求項1〜3いずれかに記載の冷水循環システム。
  5. 前記負荷機は、前記送り冷水を該送り冷水からの伝熱による冷却を必要とする媒体と熱交換させる熱交換器を有し、予め、1つ以上の前記負荷機を重要管理点として設定したものであって、
    前記運転制御処理部の前記増段制御処理部は、前記重要管理点として設定した負荷機において前記媒体が冷却されて排出された後、予め定めた評価地点において前記媒体によって行なわれる冷却の効果または前記媒体の冷却能力を示す温度が、所定期間、予め設定した目標値よりも所定温度以上高いときに、前記増段条件に関わらず、熱源側の総冷却能力が増加すると同時に前記負荷機に送られる冷水量が増加する方向に前記複数の熱源機の運転を制御するようにされる請求項1〜4いずれかに記載の冷水循環システム。
  6. 前記複数の熱源機は、全て同じ設計定格温度差ΔTdであり、
    前記運転制御処理部は、動作中の所定の熱源機(第1熱源機、・・・、第n熱源機)の状態を監視し、[数1]に示す式(1)
    Figure 0005195696
    により熱源側平均温度差ΔThを算出し、下式(2)
    ΔTh×(現在の熱源側の総冷却能力÷減段後の熱源側の総冷却能力)≦ΔTd×α ・・・(2)
    但し、ΔTd:設計定格温度差
    α:余裕率(%)
    で表される減段条件を満たすとき、
    熱源側の総冷却能力が減少すると同時に前記負荷機に送られる冷水量が減少する方向に前記複数の熱源機の運転を制御する減段制御処理部をさらに備えた請求項1〜5いずれかに記載の冷水循環システム。
  7. 前記複数のポンプは、自動的に前記負荷機の負荷に基いて回転周波数を変化させることがない運転方式のポンプ(動力インバーター制御機を有しないポンプを含む)である請求項1〜6いずれかに記載の冷水循環システム。
  8. 前記複数の熱源機は、互いに異なる冷却能力であり、
    前記複数のポンプは、前記複数の熱源機の冷却能力の大きさに比例させた流量を送る、回転周波数が固定型のポンプである請求項1〜6いずれかに記載の冷水循環システム。
  9. 前記送り冷水を前記負荷機に供給しないで、直接、前記還り冷水として前記冷凍機に返す経路であるバイパス経路を設けた請求項1〜8いずれかに記載の冷水循環システム。
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