JP4748175B2 - 冷水循環システム - Google Patents
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Description
図1は、本発明の実施の形態に係る冷水循環システムにおける主要部の構成概略図である。図2は、図1に示す冷水循環システムの動作例を示すフローチャートである。図1において図3と同一の構成については同一の符号を付す。図3と同一部分についての説明は省略(又は簡略化)し、図3と異なる部分について中心に説明する。
ポンプ運転制御器131は、送り水の温度と戻り水の温度の検出温度差を負荷設備81A,81Bの定格設計温度差に近づけるように、すなわち、負荷設備81A,81Bの熱交換設計上の最大温度差を確保するように、冷水二次ポンプ5の運転台数と動力インバーター51の運転周波数とを制御する。ここで、負荷設備の定格設計温度差とは、その設備の設計仕様書に記載された定格能力を発揮する際の冷水流量が配管で当該設備に入り、熱交換後に出て来るときの前後の温度差であり、1つの冷水循環システムにおいて一般に統一して設定される値である。また、本実施の形態における定格設計温度差には、その設計仕様書に基く温度差(上記の熱交換後に出て来るときの前後の温度差)をもとに一定の修正を加えた値を定格設計温度差に設定する場合(例えば、当該温度差から0.5℃を差し引いた値を当制御器における定格設計温度差として採用する、など)も含まれる。
ポンプ運転制御器131は、送り水の温度と戻り水の温度の検出温度差と負荷設備81A,81Bの定格設計温度差との差があらかじめ設定した許容値を外れた時間が、あらかじめ設定した一定の時間を連続して、または、あらかじめ設定した時間内に累積して過ぎた場合に、動力インバーター51の運転周波数を上記検出温度差と上記定格設計温度差との差の絶対値が小さくなる方向へ変化させる周波数制御機構を有することができる。これにより、戻り冷水の温度を冷凍機3における熱交換設計上の最適な温度差(定格設計温度差)となるように維持することができ、冷水二次ポンプ5と冷凍機3との全体運転効率を最も良くするように送り冷水の量を制御できる。
ポンプ運転制御器131は、動力インバーター51の運転周波数が、あらかじめ設定した最高周波数に到達し、あらかじめ設定した一定時間を継続した場合に冷水二次ポンプ5の運転台数を増加し、また、あらかじめ設定した最低周波数に到達し、あらかじめ設定した一定時間を継続した場合に冷水二次ポンプ5の運転台数を減ずる台数制御機構を有することができる。これにより、動力インバーター51の運転周波数の調整のみでは行なえない範囲までの送水量の増減を行い、戻り冷水の温度を冷凍機3での高い運転効率(成績係数)確保の為に最適な状態に維持することができる。
ポンプ運転制御器131は、1又は複数の負荷設備から選択して設定された1つ以上の特定負荷設備、例えば、負荷設備81A,81Bのうち、あらかじめ選択された特定負荷設備81Aにおいて、特定負荷設備81Aに要求される必須の機能を満たすことを送り冷水の温度と戻り冷水の温度との検出温度差を負荷設備の定格設計温度差に近づける事よりも優先(最優先する場合を含む)するように、動力インバーター51の運転周波数を、或いは動力インバーター51の運転周波数と冷水二次ポンプ5の運転台数を制御する優先制御機構を有することができる。
本実施の形態においては、冷凍機3の運転台数を制御する冷凍機台数制御器151を備えることができる。冷凍機3は、1台であっても複数台であってもよい。
冷水二次ポンプ5は、ポンプ運転制御器131においてあらかじめ設定された動力インバーター51の初期周波数HZIN、冷水二次ポンプ5の初期台数PNにて運転が開始される。その後、送りの温度検出器18が測定する温度TH1と戻りの温度検出器19が測定する温度TH2との検出温度差の値DT(=TH2−TH1)を、負荷設備81A,81Bの定格設計温度差DTSに近づけるように、ポンプ運転制御器131における動力インバーター51の周波数と冷水二次ポンプ5の運転台数に修正が加えられて運転が継続される。
ステップS1では、システムの起動により、あらかじめ設定した初期の冷水二次ポンプ5の台数PNを初期設定周波数HZINで運転開始する。
ステップS2では、あらかじめ選択(設定)した特定負荷設備81Aからの警報がないことを確認して、ステップS3に進む。警報がある時はCase3として、ステップS19に進む。
ステップS3では、運転状態において計測される温度差DT(=TH2−TH1)と負荷設備81A,81Bの設計温度差DTSとの比較をおこなう。この温度DTがDTS以下である時(DT≦DTS)はステップS4に進み(Case1)、大きい時(DT>DTS)はステップS12に進む(Case2)。
ステップS4では、DTがDTSよりも下側許容幅DTPL以上小さい値(DT≦DTS−DTPL)であればステップS5に進み、大きければ(DT>DTS−DTPL)ステップS2の手前に戻る。
ステップS5では、その維持時間を計測し、設定時間TL継続した場合のみにステップS6に進み、そうでなければステップS2の手前に戻る。
ステップS6では、あらかじめ設定した周波数HZL分を下げ、ステップS7に進む。
ステップS7では、運転周波数HZが最低周波数HZMin以上であれば(HZ≧HZMin)、一定時間WT1をステップS8でとった後にステップS2の手前に戻る。ステップS7で、運転周波数HZが最低周波数HZMinを下回る値になった場合(HZ<HZMin)はステップS9に進む。
ステップS9では、冷水二次ポンプ5の運転台数PNを1台減らしてステップS10に進み、運転中の同ポンプの送水圧力を揃え、かつ、減台以前と等しい送水圧力となる様に、各インバーターを設定周波数HZNLに調整してステップS11に進む。(各ポンプの特性から各々のHZNLの数字は異なる場合がある。)
ステップS11では、設定変更後の効果を安定させるため一定時間WT3経たあとにステップS2の手前に戻る。
ステップS3の判断で、Case2となった場合は、ステップS12に進み、DTがDTSよりも上側許容幅DTPU以上大きい値であれば(DT≧DTS+DTPU)ステップS13に進み、小さければ(DT<DTS+DTPU)ステップS2の手前に戻る。
ステップS13では、その維持時間を計測し、設定時間TU継続した場合のみにステップS14に進み、そうでなければステップS2の手前に戻る。
ステップS14では、あらかじめ設定した周波数HZU分を上げステップS15に進む。
ステップS15では、運転周波数HZが最高周波数HZMax以下ならば(HZ≦HZMax)、一定時間WT2をS16でとった後にステップS2の手前に戻る。ステップS15で、運転周波数HZが最高周波数HZMaxを超えた値(HZ>HZMax)になった場合はステップS17に進む。
ステップS17では、冷水二次ポンプ5の運転台数PNを1台増やしてステップS18に進み、運転中の同ポンプの送水圧力を揃え、かつ、増台以前と等しい送水圧力となる様に各インバーターを設定周波数HZNUに調整してステップS11に進んで、一定時間WT3経たあとにステップS2の手前に戻る。(各ポンプの特性から各々のHZNUの値は異なる場合がある。)
ステップS2の判断で、Case3となった場合は、ステップS19に進み、冷水二次ポンプ5のインバーターをあらかじめ設定した周波数HZEだけ上げてステップS15に進む。以降は、Case2と同じ動きをたどる。
上記の本発明の実施の形態によれば、下記の効果を奏する。
(1)冷水循環システムの運転中に常時変化しつづける、負荷設備が必要とする冷熱量に対応して、送り水と戻り水の温度差を一定としながら水量を可変とする制御を行なうことで、各負荷設備が設計通りの熱交換部分の温度差で充分に機能を発揮することを確認でき、過剰でも過少でもない、適当な流量を判断し確保できることとなる。これにより、送り圧力を一定としていた従来の方式(水量が過剰の傾向)に比べ、その動力が削減できる効果が現れる。その際、従来比較で戻り水の温度は高くなり、冷凍機の定格の吸込み温度に近づく。この結果として冷凍機の成績係数が最も高い運転が可能となる。したがって、ポンプの動力を削減しながら、かつ、冷凍機の動力も削減できることとなり、大きな省エネルギーの成果が現れる。
2 蓄熱槽
2a 蓄熱槽の高温部
2b 蓄熱槽の低温部
2c 蓄熱槽の蓄熱部
3 冷凍機
5 冷水二次ポンプ
6 送りヘッダー
7 過剰水の返り管
8 負荷設備
9 戻りヘッダー
10 集合管
11 流量計
12 送りの圧力検出器
13 ポンプ運転制御器
15 冷凍機台数制御器
16 制御二方弁
17,17A,17B 冷却対象物
18 送りの温度検出器
19 戻りの温度検出器
20 温度検出器
21 起動温度検出器
22 停止温度検出器
23,23A,23B 温度検出器
24,24A,24B 制御信号変換器
31 クーリングタワー
32 冷却水ポンプ
51 動力インバーター
81A,81B 負荷設備
131ポンプ運転制御器
151冷凍機台数制御器
Claims (6)
- 少なくとも、
複数の負荷設備と、
前記負荷設備から戻ってくる戻り冷水を少なくとも1つの冷凍機へ送る冷水一次ポンプと、
動力インバーターを備え、前記冷凍機で冷やされた冷水を送り冷水として、当該動力インバーターの運転周波数に応じた送水量の冷水を前記負荷設備へ送る冷水二次ポンプと、
温度検出器により検出される冷却対象物に送る熱媒体の温度に基づいて開閉制御することで、前記冷水二次ポンプにより送られてくる前記送り冷水の量を段階なく増減調整する制御弁と、
前記動力インバーターの運転周波数を制御して、前記冷水二次ポンプの前記送り冷水の前記送水量を調整するポンプ運転制御器と
を備えた冷水循環システムであって、
前記ポンプ運転制御器は、
前記送り冷水の温度と前記戻り冷水の温度との検出温度差と前記負荷設備の定格設計温度差との差の絶対値が減少する方向へ、前記検出温度差に基づいて前記動力インバーターの運転周波数を制御して前記送り冷水の前記負荷設備への前記送水量を調整する周波数制御機構と、
更に、前記負荷設備のうち、あらかじめ選択された特定負荷設備において、当該特定負荷設備からの警報がないか否かを確認し、該確認の結果、当該警報がある時は、前記周波数制御機構による制御よりも優先し、前記冷水二次ポンプの前記動力インバーターをあらかじめ設定した周波数で制御する優先制御機構を有していることを特徴とする冷水循環システム。 - 前記優先制御機構は、前記動力インバーターの運転周波数を、或いは前記動力インバーターの運転周波数と前記冷水二次ポンプの運転台数を制御することを特徴とする請求項1に記載の冷水循環システム。
- 前記冷水二次ポンプを2台以上備えた冷水循環システムであって、
前記ポンプ運転制御器は、前記送り冷水の温度と前記戻り冷水の温度との検出温度差を前記負荷設備の定格設計温度差に近づけるように、前記動力インバーターの運転周波数と前記冷水二次ポンプの運転台数とを制御することを特徴とする請求項1または2に記載の冷水循環システム。 - 前記送り冷水の温度は送り主管または送りヘッダー等の第1の集合管部分に、前記戻り冷水の温度は戻り主管または戻りヘッダー等の第2の集合管部分に、それぞれ設けた温度検出器により計測されて、前記検出温度差が求められることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の冷水循環システム。
- 前記ポンプ運転制御器は、前記検出温度差と前記定格設計温度差との差があらかじめ設定した許容値を外れた時間が、あらかじめ設定した一定の時間を連続して、または、あらかじめ設定した時間内に累積して過ぎた場合に、前記動力インバーターの運転周波数を前記検出温度差と前記定格設計温度差との差の絶対値が小さくなる方向へ変化させる周波数制御機構を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の冷水循環システム。
- 前記ポンプ運転制御器は、前記動力インバーターの運転周波数が、あらかじめ設定した最高周波数に到達した場合に前記冷水二次ポンプの運転台数を増加し、あらかじめ設定した最低周波数に到達した場合に前記冷水二次ポンプの運転台数を減ずる台数制御機構を有することを特徴とする請求項3に記載の冷水循環システム。
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