JP2006290986A - ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】トレッドの最表層に用いることで、他のタイヤ性能を低下させること無く、ラグ底からのクラックを防止することが可能なゴム組成物を提供する。
【解決手段】ジエン系ゴムを主成分とするゴム成分100質量部に対して、表面に突起2を有する有機短繊維1であって、該突起の高さhが0.005μm以上であり、該突起の密度が前記有機短繊維の長さ1μm当り1本以上であり、平均径が0.05〜20μmであり、且つ平均長さが10〜2000μmである有機短繊維1を0.5〜20質量部を配合して、ゴム組成物を構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゴム組成物及び該ゴム組成物を用いたタイヤに関し、特にトレッドの最表層に用いることで、ラグ底からのクラックを防止することが可能なゴム組成物に関するものである。
タイヤのトレッド部における市場トラブルの一つとして、ラグ底からのクラック、所謂、ラグベースクラック(LBC)が挙げられる。該ラグベースクラックが進展すると、ブロックもげ等のトレッド破壊に至るため、タイヤ設計の際には、トレッド部の耐LBC性にも十分に配慮する必要がある。
ここで、タイヤトレッド部の耐LBC性を向上させるためには、トレッドパターン面では、溝底のRを大きくしたり、トレッドのブロックを大きくして、ブロック剛性を向上させる等の手段が知られている。
また、トレッド用ゴム組成物の配合面では、天然ゴム/ポリブタジエンゴムや天然ゴム/スチレン-ブタジエン共重合体ゴム/ポリブタジエンゴム等の耐クラック性に優れたポリマーブレンドを利用することが一般的である。
しかしながら、例えば、スタッドレスタイヤでは、氷雪性能を確保できるようにブロック剛性を設定することが重要であり、一般にブロック剛性が小さい方が氷雪性能に優れるため、氷雪性能と耐LBC性とは背反関係にある。そのため、スタッドレスタイヤにおいては、ブロック剛性を調整するだけでは、氷雪性能と耐LBC性とを十分に両立することができない。
また、一般のタイヤにおいて、天然ゴム/スチレン-ブタジエン共重合体ゴム/ポリブタジエンゴムからなるポリマーブレンドを用いたゴム組成物をトレッドに適用すると、タイヤの発熱耐久性が悪化する問題がある。そのため、耐クラック性に優れたポリマーブレンドをトレッドゴムに利用するだけでは、タイヤの発熱耐久性と耐LBC性とを両立することができない。
更に、悪路走行用のタイヤにおいては、耐テアー性等の観点から、天然ゴムを主成分とするゴム組成物をトレッドゴムに適用することが好ましいが、天然ゴムを主成分とするゴム組成物は、耐クラック性に劣るという問題がある。そのため、天然ゴムを主成分とするゴム組成物をトレッドゴムに適用するだけでは、悪路走行用タイヤの耐テアー性と耐LBC性とを両立することができない。
このように、従来の手法で、タイヤの耐LBC性を改善しようとしても、他の性能との両立が困難である場合が多い。そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、トレッドの最表層に用いることで、他のタイヤ性能を低下させること無く、ラグ底からのクラックを防止することが可能なゴム組成物を提供することにある。また、本発明の他の目的は、かかるゴム組成物をトレッド最表層に用いてなり、ラグ底からのクラックが防止されたタイヤを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、表面に突起を有する有機短繊維を配合したゴム組成物をトレッドの最表層に用いることで、他のタイヤ性能を低下させること無く、ラグ底からのクラックを防止できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴムを主成分とするゴム成分100質量部に対して、表面に突起を有する有機短繊維0.5〜20質量部を配合してなり、
前記有機短繊維の突起の高さが0.005μm以上であり、前記有機短繊維の突起の密度が該有機短繊維の長さ1μm当り1本以上であり、前記有機短繊維の平均径が0.05〜20μmであり、且つ前記有機短繊維の平均長さが10〜2000μmであることを特徴とする。
本発明のゴム組成物の好適例においては、前記有機短繊維が、脂肪族ポリアミド系、芳香族ポリアミド系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリビニルアルコール系及びセルロース系短繊維のうちの少なくとも1種からなる。ここで、前記有機短繊維は、前記ゴム成分と化学的に結合してなることが好ましい。また、前記有機短繊維は、マレイン酸変性ポリオレフィンからなることが好ましい。
本発明のゴム組成物は、更に融点が100〜150℃のポリオレフィンを含有することが好ましい。また、前記有機短繊維は、主鎖にアミド基を有する熱可塑性ポリマーからなることが好ましい。ここで、本発明のゴム組成物は、前記熱可塑性ポリマー(A)、前記ゴム成分の少なくとも一部(B)、及び前記ポリオレフィン(C)の各成分を、(A):(B):(C)=1:1〜2:0〜1の質量比で予め混練りして調製したマスターバッチを用いて得たものであることが更に好ましい。
本発明のゴム組成物の他の好適例においては、前記ゴム成分100質量部に対して、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が90mL/100g以下のカーボンブラックを10〜80質量部含有する。この場合、ゴム組成物の耐亀裂成長性及び切断時伸びを向上させつつ、補強性を十分に確保することができ、更には、ゴム組成物の混練りにおける作業性を悪化させることもない。
本発明のゴム組成物の他の好適例においては、前記ゴム成分100質量部に対して、老化防止剤を1質量部以上含有する。この場合、オゾンクラックを抑制できるため、オゾンクラックに由来するLBCの発生を防止することができる。
また、本発明のタイヤは、上記ゴム組成物をトレッド最表層に適用したことを特徴とする。ここで、前記トレッド最表層の厚さは、0.3〜5mmの範囲が好ましい。トレッド最表層の厚さがこの範囲であれば、、LBC等のクラックを十分に抑制しつつ、タイヤの発熱耐久性及び耐摩耗性を低下させることもない。
本発明のタイヤは、生タイヤ成形の際に、上記ゴム組成物からなる帯状体を、生タイヤのトレッド最表層に相当する位置に巻きつけて製造されたものであることが好ましい。この場合、上記ゴム組成物からなるトレッド最表層のゲージを確保することが容易になる。
本発明によれば、表面に突起を有する有機短繊維を特定量配合してなり、トレッドの最表層に用いることで、他の性能を低下させること無く、ラグ底からのクラックを防止することが可能なゴム組成物を提供することができる。また、かかるゴム組成物をトレッド最表層に用いてなり、ラグ底からのクラックが防止されたタイヤを提供することができる。該タイヤにおいては、ラグ底からのクラックが十分に防止されているため、トレッドのパタンーン設計及びトレッドゴムの配合設計の自由度が高い。
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴムを主成分とするゴム成分100質量部に対して、表面に突起を有する有機短繊維0.5〜20質量部を配合してなり、前記有機短繊維の突起の高さが0.005μm以上であり、前記有機短繊維の突起の密度が該有機短繊維の長さ1μm当り1本以上であり、前記有機短繊維の平均径が0.05〜20μmであり、且つ前記有機短繊維の平均長さが10〜2000μmであることを特徴とする。
ここで、本発明のゴム組成物に用いる有機短繊維の構造及び作用を図を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明のゴム組成物に用いる有機短繊維の一例の側面図である。図示例の有機短繊維1は、表面に複数の突起2を有し、例えば、図2に示すように該有機短繊維1を配合してなるゴム組成物を用いたトレッド最表層3にLBC等のクラック4が発生した場合、発生したクラック4の両岸を繋ぎ止め、歪がかかった際にクラック先端に応力が集中するのを効果的に抑制する。本発明のゴム組成物においては、有機短繊維1がクラック4の両岸を繋ぎ止めるため、クラック4の成長が通常に比べ非常に遅く、例えば、該ゴム組成物をトレッド最表層3に用いることで、クラック4の伸展を抑制することができる。
上記有機短繊維は、表面に複数の突起が存在することを要する。通常用いられるような表面の平滑な有機短繊維を用いた場合、ゴムから有機短繊維が抜け落ちてしまい、発生したクラックの成長を十分に抑制することができない。これに対し、表面に突起を有する有機短繊維を用いた場合、表面の突起が、有機短繊維のゴムからの抜け落ちを効果的に防止するため、有機短繊維がクラックの両岸を繋ぎ止める作用を長期間に渡って発揮することができ、発生したクラックの成長を長期間に渡って抑制することができる。従って、有機短繊維表面の突起は、有機短繊維の表面に強固に接着している必要があり、例えば、有機短繊維、ゴム成分、ポリオレフィンの混練物をN2雰囲気下、融点以上の温度で押出し、融点より低い温度で延伸及び/又は圧延することで得られる。なお、該表面の突起は、光学顕微鏡及び電子顕微鏡等で拡大観察することができる。
本発明のゴム組成物は、後述するゴム成分100質量部に対して、表面に突起を有する有機短繊維を0.5〜20質量部含有することを要し、該有機短繊維を3〜10質量部含有することが好ましい。該有機短繊維の配合量がゴム成分100質量部に対して0.5質量部未満では、LBC等のクラックの成長を抑制する効果及び耐候性を改良する効果が殆ど見られず、一方、20質量部を超えると、ゴム組成物の切断時伸びが著しく悪化するため、実用上好ましくない。なお、上記有機短繊維の配合方法としては、特に制限はなく、有機短繊維単独で配合してもよいし、予め有機短繊維を含むマスターバッチを作製し、マスターバッチの形態で配合してもよい。
上記有機短繊維は、平均径が0.05〜20μmであることを要する。該有機短繊維の平均径が0.05μm未満では、強度に劣るため、耐クラック性の向上効果が充分でなく、一方、20μmを超えると、有機短繊維がゴム組成物中で破壊核として作用し、ゴム組成物の耐破壊性が低下してしまう。
また、上記有機短繊維は、平均長さが10〜2000μmであることを要し、15μm〜2000μmであることが好ましい。該有機短繊維の平均長さが10μm未満では、発生したクラックの両岸を繋ぎ止めるのに長さが不十分であるため、耐クラック性の向上効果が充分でなく、一方、2000μmを超えると、作業性が悪化して好ましくない。
本発明のゴム組成物においては、図1に示すように、有機短繊維1の突起2の高さhが、0.005μm以上であることを要し、0.1〜50μmの範囲であることが好ましい。有機短繊維の突起高さhが0.005μm以上であれば、有機短繊維が発生したクラックの両岸を繋ぎ止める作用を十分に発揮し、LBC等のクラックの成長を十分に抑制することができる。
また、上記突起の密度は、有機短繊維の長さ1μm当り1本以上であることを要し、有機短繊維の長さ1μm当り5本以上であることが好ましい。有機短繊維の突起密度が該有機短繊維の長さ1μm当り1本以上であれば、有機短繊維がゴムから抜け落ち難く、発生したクラックの両岸を繋ぎ止める作用を十分に発揮し、LBC等のクラックの成長を十分に抑制することができる。
上記有機短繊維としては、脂肪族ポリアミド系、芳香族ポリアミド系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリビニルアルコール系及びセルロース系の短繊維が挙げられ、これら有機短繊維は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。ここで、上記脂肪族ポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6−ナイロン6,6共重合体、ナイロン6,10、ナイロン6,12、ナイロン4,6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロンMXD6、脂肪族ジアミンと芳香族ジカルボン酸との共重合体等が挙げられる。上記芳香族ポリアミドとしては、ケブラー(商標)、トワロン等が挙げられる。上記ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、芳香族ポリエステル等が挙げられる。上記ポリオレフィンとしては、シンジオタクチック-1,2-ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。上記ポリビニルアルコールとしては、ビニロン等が挙げられる。また、上記セルロース系繊維としては、レーヨン等が挙げられる。
上記有機短繊維は、ゴム成分と化学的に結合していることが好ましい。有機短繊維がゴム成分と化学的に結合している場合、ゴム組成物の破壊強力が低下し難いという利点がある。ここで、有機短繊維がマレイン酸変性ポリオレフィンからなる場合、ゴム成分と化学的に結合し得るため好ましい。
本発明のゴム組成物のゴム成分はジエン系ゴムを主成分とすることを要し、ゴム成分中の60質量%以上がジエン系ゴムであることが好ましく、80質量%以上がジエン系ゴムであることが更に好ましい。該ジエン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)の他、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム(SBR)等の合成ジエン系ゴムが挙げられる。これらゴム成分は一種単独でも、ブレンドでもよい。なお、本発明のゴム組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、ジエン系ゴム以外のゴム成分を少量添加してもよい。
本発明のゴム組成物は、更に融点が100〜150℃のポリオレフィンを含有することが好ましく、該ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。また、本発明のゴム組成物において、上記有機短繊維は、主鎖にアミド基を有する熱可塑性ポリマーからなることが好ましい。ここで、本発明のゴム組成物は、上記熱可塑性ポリマー(A)、上記ゴム成分の少なくとも一部(B)、及び上記ポリオレフィン(C)の各成分を、(A):(B):(C)=1:1〜2:0〜1の質量比で予め混練りして調製したマスターバッチを用いて得たものであることが好ましい。なお、ゴム成分の残部は、後工程で配合することができる。ここで、主鎖にアミド基を有する熱可塑性ポリマーとしては、上述の脂肪族ポリアミド及び芳香族ポリアミドが挙げられる。有機短繊維が主鎖にアミド基を有する熱可塑性ポリマーからなる場合、ゴム成分と化学的に結合し得るため好ましい。また、予め有機短繊維と上記ゴム成分と上記ポリオレフィンとを含むマスターバッチを調製し、該マスターバッチを用いてゴム組成物を製造することで、工業的規模での生産性を改善することができる。
本発明のゴム組成物は、上記ゴム成分100質量部に対して、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が90mL/100g以下のカーボンブラックを10〜80質量部含有することが好ましく、20〜60質量部含有することが更に好ましい。補強性充填剤として、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が90mL/100g以下のカーボンブラックをゴム組成物に配合することで、ゴム組成物の耐亀裂成長性及び切断時伸びを向上させることができる。但し、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が90mL/100g以下のカーボンブラックの配合量が上記ゴム成分100質量部に対して10質量部未満では、ゴム組成物の補強性が不十分であり、一方、80質量部を超えると、ゴム組成物の混練りにおける作業性が悪化する。なお、本発明のゴム組成物は、上記カーボンブラック以外に、他の物性のカーボンブラックや、シリカ等の他の種類の充填剤を含有してもよい。
本発明のゴム組成物は、上記ゴム成分100質量部に対して、老化防止剤を1質量部以上含有することが好ましく、2質量部以上含有することが更に好ましい。老化防止剤を配合することで、オゾンクラックを抑制して、該オゾンクラックに由来するLBCの発生を防止することができる。ここで、該老化防止剤としては、N-フェニル-N'-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミン(6PPD)、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体(TMDQ)、6-エトキシ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン(AW)等が挙げられ、これら老化防止剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
本発明のゴム組成物には、上述の有機短繊維、ゴム成分、ポリオレフィン、充填剤、老化防止剤の他、軟化剤、加硫剤、加硫促進剤、酸化亜鉛、ステアリン酸等のゴム業界で通常使用される配合剤を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。なお、本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴムを主成分とするゴム成分に、有機短繊維と、必要に応じて適宜選択した各種配合剤とを配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
本発明のタイヤは、トレッド最表層3に上述のゴム組成物を適用したことを特徴とし、ラグ底からのクラックが十分に防止されている。ここで、本発明のタイヤにおいて、トレッド最表層の厚さは、0.3〜5mmの範囲が好ましく、1〜3mmの範囲が更に好ましい。上述のゴム組成物からなるトレッド最表層の厚さが0.3mm未満では、LBC等のクラックを十分に抑制することができない。一方、上述のゴム組成物からなるトレッド最表層の厚さが5mmを超えると、タイヤの発熱耐久性が低下してしまう上、該トレッド最表層の厚さの分、その下層のトレッドゴムの量(例えば、トレッドがキャップ・ベース構造の場合は、キャップゴムの量)が減ってしまい、タイヤの耐摩耗性が低下してしまう。なお、本発明のタイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
本発明のタイヤは、トレッド最表層3に上述のゴム組成物を適用する以外特に制限はなく、通常の方法で製造することができ、例えば、(1)上述のゴム組成物からなるトレッド最表層をその下層を構成するトレッドゴムと共に押し出し、常法に従いトレッドゴムとしタイヤケースに貼り付けて生タイヤを成形したり、(2)圧延により上述のゴム組成物からなるゴムシートを作製し、生タイヤの成形時にトレッドゴムの最表面に該ゴムシートを貼り付けたりしても製造できるが、(3)生タイヤ成形の際に、上述のゴム組成物からなる帯状体を生タイヤのトレッド最表層に相当する位置に巻きつけて製造することが好ましい。上記(3)の方法でタイヤを製造した場合、上述のゴム組成物からなるトレッド最表層のゲージを確保することが容易になる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
表1に示す配合処方のゴム組成物をそれぞれ調製し、該ゴム組成物からなる帯状体を巻きつけてトレッド最表層を形成し、サイズ11R22.5でブロックパターンを有するタイヤを試作した。試作タイヤのトレッド最表層の厚さを表1に示す。また、試作したタイヤをトラックのドライブ軸に装着して、実地で5万km走行させた(ローテーション無し)。その後、タイヤを回収し、タイヤのLBC(ラグベースクラック)の有無及び個数を目視でカウントし、表1に示す結果を得た。
Figure 2006290986
*1 JSR製, BR01.
*2 DBP吸油量=72mL/100g.
*3 DBP吸油量=132mL/100g.
*4 大和ポリマー製, γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン変性6-ナイロン製短繊維, 平均径=1.0μm, 平均長さ=50μm, 突起高さ=1.5μm, 突起密度=有機短繊維の長さ1μm当り5本, 該製品は、変性6-ナイロン製短繊維/天然ゴム(NR)/高密度ポリエチレン(HDPE, 融点135℃)のマスターバッチ(質量比が、変性6-ナイロン:NR:HDPE=1:1.15:0.88)であり、表1に記載の配合量は、変性6-ナイロン製短繊維分の配合量である.
*5 精工化学製, サンタイトA.
*6 N-フェニル-N'-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミン.
*7 N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド.
表1の結果から、表面に突起を有する有機短繊維を配合したゴム組成物をトレッド最表層に適用した実施例のタイヤは、有機短繊維を含まないゴム組成物をトレッド最表層に適用した比較例1のタイヤに比べて、LBCの発生が大幅に抑制されていることが分る。
なお、実施例3のタイヤは、トレッド最表層の厚さが0.3mm未満であるため、実施例1及び実施例2のタイヤに比べて、LBCの発生を抑制する効果が小さかった。そのため、トレッド最表層の厚さは、0.3mm以上が好ましいことが分る。
また、実施例4のタイヤは、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が90mL/100gを超える高ストラクチャーのカーボンブラックを配合したゴム組成物をトレッド最表層に用いているため、実施例1及び実施例2のタイヤに比べて、LBCの発生を抑制する効果が若干小さかった。そのため、トレッド最表層用ゴム組成物には、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が90mL/100g以下のカーボンブラックを配合することが好ましいことが分る。
更に、実施例5のタイヤは、老化防止剤を含まないゴム組成物をトレッド最表層に用いているため、オゾンクラックから進展したLBCが観測された。そのため、トレッド最表層用ゴム組成物には、老化防止剤を配合することが好ましいことが分る。
本発明のゴム組成物に用いる有機短繊維の一例の側面図である。 本発明のゴム組成物を用いたトレッド最表層のクラックの拡大図である。
符号の説明
1 有機短繊維
2 突起
3 トレッド最表層
4 クラック
h 突起の高さ

Claims (12)

  1. ジエン系ゴムを主成分とするゴム成分100質量部に対して、表面に突起を有する有機短繊維0.5〜20質量部を配合してなるゴム組成物であって、
    前記有機短繊維の突起の高さが0.005μm以上であり、前記有機短繊維の突起の密度が該有機短繊維の長さ1μm当り1本以上であり、前記有機短繊維の平均径が0.05〜20μmであり、且つ前記有機短繊維の平均長さが10〜2000μmであることを特徴とするゴム組成物。
  2. 前記有機短繊維が、脂肪族ポリアミド系、芳香族ポリアミド系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリビニルアルコール系及びセルロース系短繊維のうちの少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記有機短繊維が、前記ゴム成分と化学的に結合してなることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 前記有機短繊維が、マレイン酸変性ポリオレフィンからなることを特徴とする請求項2又は3に記載のゴム組成物。
  5. 更に融点が100〜150℃のポリオレフィンを含有することを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  6. 前記有機短繊維が主鎖にアミド基を有する熱可塑性ポリマーからなることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  7. 前記ゴム組成物は、前記熱可塑性ポリマー(A)、前記ゴム成分の少なくとも一部(B)、及び前記ポリオレフィン(C)の各成分を、(A):(B):(C)=1:1〜2:0〜1の質量比で予め混練りして調製したマスターバッチを用いて得たものであることを特徴とする請求項5又は6に記載のゴム組成物。
  8. 前記ゴム成分100質量部に対して、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が90mL/100g以下のカーボンブラックを10〜80質量部含有することを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  9. 前記ゴム成分100質量部に対して、老化防止剤を1質量部以上含有することを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のゴム組成物をトレッド最表層に適用したタイヤ。
  11. 前記トレッド最表層の厚さが0.3〜5mmであることを特徴とする請求項10に記載のタイヤ。
  12. 請求項1〜9のいずれかに記載のゴム組成物からなる帯状体を、生タイヤ成形の際に、生タイヤのトレッド最表層に相当する位置に巻きつけてなることを特徴とする請求項10に記載のタイヤ。
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