JP2006290874A - 新規なフェノール化合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】可逆性感熱記録媒体の顕色剤として用いられたとき、高い発色感度を有し、安定な発色性と消去性を保持し、優れた保存性を有する新規なフェノール化合物を提供すること。
【解決手段】下記式(1)で表わされるフェノール化合物。
Figure 2006290874

(式中、nは23から29の整数を表わす)
【選択図】図4

Description

本発明は、新規なフェノール化合物に関し、さらに詳しくは、熱エネルギーを制御することにより発色画像の形成と消去が可能な可逆性感熱記録媒体の顕色剤として有用な電子受容性化合物である新規フェノール化合物に関する。
従来、電子供与性呈色性化合物(以下、発色剤またはロイコ染料ともいう)と電子受容性化合物(以下、顕色剤ともいう)との間の発色反応を利用した感熱記録媒体は広く知られており、OA化の進展と共にファクシミリ、ワードプロセッサ、科学計測機などの出力用紙として、また最近ではプリペイドカードやポイントカードなどの磁気感熱カードとしても広く使用されている。しかし、これら実用化されている従来の記録媒体は環境問題上、リサイクルや使用量の減量化などの見直しが迫られているが、不可逆的な発色であるため、一度記録した画像を消去して繰り返し使用することはできないし、新しい情報は画像が記録されていない部分に追記されるぐらいで記録可能な部分の面積は限られている。そのため、記録する情報量を減らしたり、記録エリアがなくなった時点でカードを作り直しているのが実状である。そこで、近年盛んに論じられているゴミ問題や森林破壊問題を背景に、何度でも書き換え可能な可逆性感熱記録媒体の開発が望まれていた。
ところで、これらの要求から様々な可逆性感熱記録媒体が提案されてきた。例えば、透明・白濁という物理的変化を利用した高分子タイプの可逆性感熱記録媒体が開示されている(特許文献1、2参照)。また、新たに化学的変化を利用した染料タイプの可逆性感熱記録媒体も提案されている。具体的には、顕色剤として没食子酸とフロログルシノールの組み合わせを用いるもの(例えば、特許文献3参照)、顕色剤にフェノールフタレインやチモールフタレインなどの化合物を用いるもの(例えば、特許文献4参照)、発色剤と顕色剤とカルボン酸エステルの均質相溶体を記録層に含有するもの(例えば、特許文献5、6、7参照)、顕色剤にアスコルビン酸誘導体を用いたもの(例えば、特許文献8参照)、顕色剤にビス(ヒドロキシフェニル)酢酸または没食子酸と高級脂肪族アミンとの塩を用いるもの(例えば、特許文献9、10参照)などが開示されている。
さらに本発明者らは、先に特許文献11において顕色剤として長鎖脂肪族炭化水素基をもつ有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物またはフェノール化合物を用い、これと発色剤であるロイコ染料とを組み合わせることによって、発色と消色を加熱冷却条件により容易に行なわせることができ、その発色状態と消色状態を常温において安定に保持させることが可能であり、しかも発色と消色を繰り返すことが可能な可逆性感熱発色組成物およびこれを記録層に用いた可逆性感熱記録媒体を提案した。またその後、長鎖脂肪族炭化水素基をもつフェノール化合物について特定の構造のものを使用することが提案されている(例えば、特許文献12、13参照)。
しかし、このような材料を用いた記録媒体では、消色速度が遅く書き替えに時間がかかる、消色が不充分、あるいは発色画像の熱安定性が低いなどの問題を有していた。
そこで、さらに本発明者らは特許文献14に記載のフェノール化合物を用いることで、発色と消色のコントラストが高く、高速消去が可能であり、画像部の発色安定性に優れる記録媒体を提案した。このフェノール性化合物を用いた記録媒体は、ホットスタンプやヒートローラ、セラミックヒータなどの加熱部材による消去が可能であり実用性に優れるものであった。
しかしながら特許文献14に記載の化合物は高融点なものが多く、発色および消色の際に高温に加熱する必要があり、高エネルギーの印加が必要であった。
高エネルギーの印加をするために、記録時に長時間のパルスの印加が必要であるため書き込み速度が遅い、また、高温になるため記録媒体へのダメージが大きく打痕が発生しやすい、さらには記録装置の電源が大きくなってしまい書き変え装置が大きくなってしまうなどの問題があった。
一方、特許文献12に記載のフェノール化合物には比較的低融点のものも提案されているが、これらの化合物を用いた記録媒体は、発色感度は良好なものの画像の保存性が悪く、実用性の低いものであった。
特開昭63−107584号公報 特開平4−78573号公報 特開昭60−193691号公報 特開昭61−237684号公報 特開昭62−138556号公報 特開昭62−138568号公報 特開昭62−140881号公報 特開昭63−173684号公報 特開平2−188293号公報 特開平2−188294号公報 特開平5−124360号公報 特開平6−210954号公報 特開平10−95175号公報 特開平10−67177号公報
本発明の課題は、可逆性感熱記録媒体の顕色剤として用いられたとき、高い発色感度を有し、安定な発色性と消去性を保持し、優れた保存性を有する新規なフェノール化合物を提供することである。
本発明者らは、このような発色剤と顕色剤の組成物の可逆的な発色消色現象では、長鎖脂肪族基をもつ顕色剤の発色剤を発色させる能力と分子間の凝集力のバランスが重要であると考え、種々の構造の化合物を設計、合成、検討した。その結果、特定の構造をもつフェノール化合物を顕色剤として用いることにより上記の課題が解決できることを見出した。
すなわち、上記課題は、本発明の、下記式(1)で表わされるフェノール化合物によって解決される。
Figure 2006290874
(式中、nは23から29の整数を表わす)
本発明のフェノール化合物は新規な化合物である。さらに、本発明の化合物を、顕色剤として用いた可逆性感熱記録媒体は発色感度、発色濃度が良好であって、かつ画像保存性に優れた実用性の高い書き替え記録を得ることができ、実用性の高い書き換え型記録媒体が得られる。
本発明は、下記式(1)で表わされる新規なフェノール化合物に関する。
Figure 2006290874
(式中、nは23から29の整数を表わす)
このような新規なフェノール化合物は、例えば、長鎖脂肪族アミンから誘導される長鎖脂肪族イソシアネートを経由し、p−アミノフェノールとのカップリング反応により得られるし、長鎖脂肪酸または脂肪酸エステルから酸クロリド、次いでアジド化、イソシアネートを経由し、p−アミノフェノールとのカップリング反応により得られる。通常、p−アミノフェノールとのカップリング反応終了後、室温に戻し又はさらに冷却し、酸、例えば塩酸の親水性有機溶媒液を加え、析出物をろ別し、洗浄、乾燥後、適当な溶媒を用いて再結晶する。ヒドロキシル基とアミノ基を共に有している場合、ウレタン結合生成反応とカップリング反応が競争的になるが、p−アミノフェノールの場合、ベンゼン環の共鳴構造によってヒドロキシル基の電子供与性が減少するため縮合反応が優勢に進行し、高選択的に当該フェノール化合物を得ることができる。なお、本発明で用いる当該フェノール化合物は、この合成法に何ら限定されるものではない。
本発明のフェノール化合物である顕色剤を用いる可逆的感熱記録媒体は、加熱温度および/または加熱後の冷却速度により相対的に発色した状態と消色した状態を形成しうるものである。この基本的な発色・消色現象を説明する。
図1はこの記録媒体の発色濃度と温度との関係を示したものである。はじめ消色状態(A)にある記録媒体を昇温していくと、溶融し始める温度Tでロイコ染料と顕色剤が溶融混合し、発色が起こり溶融発色状態(B)となる。溶融発色状態(B)から急冷すると発色状態のまま室温に下げることができ、固定された発色状態(C)となる。この発色状態が得られるかどうかは、溶融状態からの降温の速度に依存しており、徐冷では降温の過程で消色が起き、はじめと同じ消色状態(A)あるいは急冷発色状態(C)より相対的に濃度の低い状態が形成される。一方、急冷発色状態(C)をふたたび昇温していくと発色温度より低い温度Tで消色が起き(DからE)、ここから降温するとはじめと同じ消色状態(A)に戻る。実際の発色温度、消色温度は、用いる顕色剤と発色剤の組合せにより変化するので目的に合わせて選択できる。また溶融発色状態の濃度と急冷したときの発色濃度は、必ずしも一致するものではなく、異なる場合もある。
本発明の顕色剤を用いた記録媒体では、溶融状態から急冷して得た発色状態(C)は顕色剤と発色剤が分子どうしで接触反応しうる状態で混合された状態であり、これは固体状態を形成していることが多い。この状態は顕色剤と発色剤が凝集して発色を保持した状態であり、この凝集構造の形成により発色が安定化していると考えられる。一方、消色状態は両者が相分離した状態である。この状態は少なくとも一方の化合物の分子が集合してドメインを形成したり結晶化した状態であり、凝集あるいは結晶化することにより発色剤と顕色剤が分離して安定化した状態であると考えられる。本発明の化合物では、両者が相分離し顕色剤が結晶化することによってより完全な消色が起きる。図1に示した溶融状態から徐冷による消色および発色状態からの昇温による消色は、いずれもこの温度で凝集構造が変化し、相分離や顕色剤の結晶化が起きている。
顕色剤は発色性と消色性を与える重要な基本骨格として、発色部位であるフェノール基と、構造を支配している水素結合性会合基及び長鎖脂肪族炭化水素基から成り立っている。これまで、発色部位であるフェノール基と構造に支配的な水素結合性会合基とのバランスに注力が注がれていた。その理由は発色状態の安定性は、顕色剤と発色剤の凝集構造が安定であるほど、より安定となると考えられてきたためである。そのために顕色剤分子構造中に水素結合性の会合基を1種乃至2種類以上導入することがこれまで検討されてきた。しかしながら、顕色剤分子の水素結合が強くなることや、水素結合の数が増えることで顕色剤が高融点なものとなり、発色開始温度が高くなり記録媒体の感度特性が低下してしまう問題が生じた。そのため本発明者らはもう一つの構造を支配していると考えられてきた長鎖脂肪族炭化水素基について着目し、発色性、消去性に優れている尿素基の両端にそれぞれフェノール基と脂肪族炭化水素基が修飾されている顕色剤について、その脂肪族炭化水素の長さのバランスについて検討することに注力した。しかし、顕色剤末端の脂肪族炭化水素基の炭素数を増加させる研究は、これまで検討されていなかった。これは、合成上の問題に他ならなかった。脂肪族炭化水素基の炭素数が18以下のものは、イソシアネート誘導体として市販されており、そのイソシアネートとアミン誘導体の縮合反応から容易に顕色剤が得られる。また、炭素数22までのものは脂肪酸アミンを用いることにより、ホスゲンを使ったイソシアネート化によって脂肪族アミンから誘導体を合成することができる。
しかし、この方法では炭素数が23以上の顕色剤を合成することはできなかった。そこで、本発明者らは、鋭意研究の結果、新たな合成方法を見つけ出し、23以上の脂肪酸から本発明の化学式(1)で示す新規な顕色剤を作ることに成功した。その結果、長鎖脂肪族炭化水素基としてアルキル基の炭素数を長鎖化することで、発色状態の安定性が著しく向上することがわかった。特に、この種の記録媒体に求められる60℃の画像保存性に対して、アルキル基の炭素数が22以下の場合には発色状態の安定性が悪く、画像部の保存性に致命的な問題があったが、23以上にすることによって60℃での発色状態は著しく向上し、高い画像保持率を得ることができるようになった。
これは、発色状態からの消色開始温度がアルキル基の鎖長に依存し、炭素数22の場合には消色開始温度が60℃以下であるが、23以上にすることで消色開始温度が60℃以上となり、60℃の画像保存性に対して劇的な変化が現れている。
また、アルキル鎖長を長鎖化していっても、化合物の融点はほぼ一定であって上昇せず、発色感度の低下を引き起こす高融点化を伴わないことが明らかとなった。
さらに、炭素数23以上のアルキル基をもったこれらの顕色剤化合物は、発色状態が安定であるにもかかわらず、消色温度での短時間な加熱で十分に消色し、高速消去性にも優れたものである。
本発明と共に用いられる発色剤は電子供与性を示すものであり、単独又は混合して用いることができる。発色剤はそれ自体無色または淡色の染料前駆体であり、特に限定されず、たとえば、フタリド化合物、アザフタリド化合物、フルオラン化合物など公知の染料前駆体である。
また、本発明と共に用いられるロイコ染料の具体例としては、以下のものが挙げられるが、何等これに限定されるものではない。
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−ジ(n−ブチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−iso−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−イソプロピルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−(2,4−ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、
2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−アニリノ−6−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(o−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、
2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、
2,3−ジメチル−6−ジメチルアミノフルオラン、
3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−ブロモ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−クロロ−6−ジプロピルアミノフルオラン、
3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
3−ブロモ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
2−クロロ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、
2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(o−クロロアニリノ)−3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(2,3−ジクロロアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、
1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−(m−トリフロロメチルアニリノ)フルオラン、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、
3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−N−n−アミル−N−メチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−メチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−ヘキシルオキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド等が挙げられる。
本発明の化合物である顕色剤と発色剤の割合は、使用する化合物の組み合わせにより適切な範囲が変化するが、おおむねモル比で発色剤1に対し本発明の化合物が0.1から20の範囲であり、好ましくは0.2から10の範囲である。この範囲より顕色剤が少なくても多くても発色状態の濃度が低下し問題となる。また、発色剤と顕色剤はマイクロカプセル中に内包して用いることもできる。
本発明の化合物である顕色剤を用いた記録媒体において、ロイコ染料、顕色剤とともに可逆性感熱記録層の形成に用いられるバインダー樹脂としては、たとえばポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、エチルセルロース、ポリスチレン、スチレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル酸系共重合体、マレイン酸系共重合体、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン類などがある。これらのバインダー樹脂の役割は、組成物の各材料が記録消去の熱印加によって片寄ることなく均一に分散した状態を保つことにある。したがって、バインダー樹脂には耐熱性の高い樹脂を用いることが好ましい。たとえば、熱、紫外線、電子線などで、バインダー樹脂を架橋させてもよい。
本発明の化合物である顕色剤を用いた記録媒体で用いられる架橋状態にある樹脂としては、具体的にはアクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなど架橋剤と反応する基を持つ樹脂、または架橋剤と反応する基を持つモノマーとそれ以外のモノマーを共重合した樹脂などが挙げられるが、これらの材料に限定されるものではない。
更に、好ましくは、水酸基価70(KOHmg/g)以上の樹脂が含有される(当初用いられる)が、水酸基価70(KOHmg/g)以上の樹脂としては、アクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂などが用いられるが、本発明の化合物を用いる場合、発色の安定性が良好で、消色性が良好であることから、アクリルポリオール樹脂が好ましく用いられる。水酸基価としては70(KOHmg/g)以上であり、特に好ましくは90(KOHmg/g)以上である。水酸基価の大小は架橋密度に影響するため塗膜の耐化学薬品性、物性などを左右する。本発明者らは、水酸基価が70(KOHmg/g)以上で耐久性、塗膜表面硬度、ワレ抵抗性が向上することを見い出した。水酸基価70(KOHmg/g)以上の樹脂が用いられた可逆性感熱記録媒体であるか否かは、残存水酸基の量やエーテル結合の量を分析すること等により確認することができる。
また、アクリルポリオール樹脂においては構成の違いによってその特性に違いがあり、水酸基モノマーとしてヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、2−ヒドロキシブチルモノアクリレート(2−HBA)、1,4―ヒドロキシブチルモノアクリレート(1−HBA)などが用いられるが、特に第1級水酸基をもつモノマーを使用した方が塗膜のワレ抵抗性や耐久性が良いことから、2−ヒドロキシエチルメタクリレートが好ましく用いられる。
硬化剤としては、従来公知のイソシアネート類、アミン類、フェノール類、エポキシ化合物等が挙げられる。その中でもイソシアネート系硬化剤が好ましく用いられる。ここで用いられるイソシアネート系化合物は、公知のイソシアネート単量体のウレタン変性体、アロファネート変性体、イソシアヌレート変性体、ビュレット変性体、カルボジイミド変性体、ブロックドイソシアネートなどの変性体から選択される。また、変性体を形成するイソシアネート単量体としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)、リジンジイソシアネート(LDI)、イソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)(IPC)、シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、等が挙げられるが、これらの化合物に限定されるものではない。
更に、架橋促進剤としてこの種の反応に用いられる触媒を用いてもよい。架橋促進剤としては、例えば1,4−ジアザ−ビシクロ[2,2,2]オクタンなどの3級アミン類、有機すず化合物などの金属化合物などが挙げられる。また、硬化剤は添加した全量が架橋反応をしていても、していなくても良い。すなわち、未反応硬化剤が存在していても良い。この種の架橋反応は経時的に進行するため、未反応の硬化剤が存在していることは架橋反応が全く進行していないことを示すのではなく、未反応の硬化剤が検出されたとしても、架橋状態にある樹脂が存在しないということにはならない。また、本発明におけるポリマーが架橋状態にあるのか非架橋状態にあるのかを区別する方法として、塗膜を溶解性の高い溶媒中に浸すことによって区別することができる。すなわち、非架橋状態にあるポリマーは、溶媒中に該ポリマーが溶け出し溶質中には残らなくなるため、溶質のポリマー構造の有無を分析すればよい。
さらに、本発明によれば、上記の顕色剤、ロイコ染料とともに、直鎖の炭化水素基やアミド基や尿素基などの水素結合基などをもった発色消色制御剤を記録層中に含有させることにより、発色画像の保存安定性が良好であるとともに、消色時の消色性も向上して良好な消去性を得ることができる。
また、可逆性感熱記録層上に架橋状態にある樹脂を含有する保護層を設けることができる。該保護層に用いられる樹脂としては、前述の記録層と同様の熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂が用いられる。
該保護層中に用いる樹脂として、特に好ましくは、紫外線吸収基を分子構造中に有した紫外線吸収性ポリマーが用いられる。
紫外線吸収性ポリマーとしては紫外線吸収基を有した単量体と、架橋可能な官能基を有した単量体をもつポリマーが好ましく用いられ、紫外線吸収基を有した単量体としては、(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ω−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール骨格を有した単量体が特に好ましく用いられる。
また、官能基を含む単量体としては、例えば2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−アジリジニルエチル(メタ)アクリレート、メタクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、なかでもヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレートなどが特に好ましく用いられる。
更に塗膜強度アップや耐熱性向上のために、紫外線吸収性基を含む単量体と官能基を含む単量体の共重合体に下記に示す単量体を共重合させてもよい。例えば、スチレン、スチレン−ブタジエン、スチレン−イソブチレン、エチレン酢酸ビニル、酢酸ビニル、メタクリロニトリル、ビニルアルコール、ビニルピロリドン、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのモノマー群;アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ラウリルトリデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチルステアリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの官能基を含まない(メタ)アクリル酸エステル群;エチレンジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブチレンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなど1分子中に2個以上の重合性2重結合を有するモノマー群などから挙げられ、特に限定されるものではないが、なかでもスチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレートなどが特に好ましく用いられる。また、必要に応じて2種以上を併用することもできる。
以上より、本発明の化合物を用いた可逆性感熱記録媒体中の紫外線吸収構造を有するポリマーの具体的な好ましい例としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールとメタクリル酸2−ヒドロキシエチルとスチレンからなる共重合体、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールとメタクリル酸−2−ヒドロキシプロピルとメタクリル酸メチルからなる共重合体などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
さらに、該保護層中に紫外線吸収能を有する無機微粒子を含有することができる。
本発明の化合物である顕色剤を用いた記録媒体で用いられる無機顔料は0.1μm以下の平均粒径を有する顔料ならば任意である。このような無機顔料としては酸化亜鉛、酸化インジウム、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ビスマス、酸化ニッケル、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化トリウム、酸化ハフニウム、酸化モリブデン、鉄フェライト、ニッケルフェライト、コバルトフェライト、チタン酸バリウム、チタン酸カリウムのような金属酸化物及びこれらの複合酸化物、硫化亜鉛、硫酸バリウムのような金属硫化物あるいは硫酸化合物、チタンカーバイド、シリコンカーバイド、モリブデンカーバイド、タングステンカーバイド、タンタルカーバイドのような金属炭化物、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化ホウ素、窒化ジルコニウム、窒化バナジウム、窒化チタニウム、窒化ニオブ、窒化ガリウムのような金属窒化物等が挙げられる。
この中でも特に好ましいのは400nm以下の波長領域に吸収端を有する顔料である。
このような顔料は、紫外線UV−A領域、即ち波長320〜400nmの紫外線UV−A領域に吸収端を有する顔料(A)および紫外線UV−A領域より短波長側に吸収端を有する無機顔料(B)の2群に分類できる。無機顔料(A)あるいは無機顔料(B)を単独で用いることもできるが、無機顔料(A)と無機顔料(B)を併用する事により効果がより顕著になる。無機顔料(A)あるいは無機顔料(B)を単独で用いる場合にはこれらの顔料を中間層あるいは保護層のいずれかに含有させることができる。また無機顔料(A)と無機顔料(B)を併用する場合にはこれらの顔料を同時に中間層あるいは保護層に含有させることができるが、無機顔料(A)と無機顔料(B)を中間層と保護層に別々に含有させることもできる。この場合無機顔料(A)を中間層に含有させ、無機顔料(B)を保護層に含有させることにより、紫外吸収能の効果が一層顕著に発揮される。
無機顔料(A)の具体例としては硫化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化セリウム、酸化スズ、酸化モリブデン、酸化亜鉛、窒化ガリウム等が挙げられる。
また無機顔料(B)の具体例としてはシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、硫酸バリウム等が挙げられる。
さらに、本発明の化合物である顕色剤を用いた記録媒体の保護層中にこの種の記録媒体に使用される無機/有機のフィラー、滑剤などを用いても良い。
本発明の化合物である顕色剤を用いた記録媒体の支持体としては、紙、樹脂フィルム、PETフィルム、合成紙、金属箔、ガラスまたはこれらの複合体などであり、感熱記録層を保持できるものであればよい。また、必要に応じた厚みのものが単独あるいは貼り合わす等して用いることができる。すなわち、好ましくは60〜150μmで、数μm程度から数mm程度まで任意の厚みの支持体が用いられる。
また、これら支持体上に前記アンダー層を設ける場合、接着層を介して設けることにより、クラック発生防止やバリの発生が改善される。
該接着層は、上記の各層と同様の塗工方式等で形成することができる。
本発明を下記実施例によって具体的に説明する。
実施例1(本発明のフェノール化合物の合成1)
Figure 2006290874
反応容器にトルエン200mLとリグノセリン酸13.3gを加え、さらに塩化チオニルを8.6g加え、8時間加熱還流した。それをエバポレーターにより溶媒および塩化チオニルを減圧留去した。得られた酸クロリド化合物にアセトン100mLを加え、氷冷で攪拌した。そこにアジ化ナトリウム3.5gを溶かした水溶液を温度が10℃を超えないように徐々に加え、さらに2時間攪拌した。得られた反応溶液をトルエンで抽出し洗浄したのち、反応溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、反応溶液に移し変えたのち、内温80℃で加熱した。窒素の発生が完結しイソシアネート化合物が生成したことを確認した後、反応溶液に、p−アミノフェノール3.5gを加え、1時間加熱攪拌を行なった後、室温に戻し、析出物をろ別し、アセトンで洗浄した。乾燥後、テトラヒドロフランを用いて再結晶することにより化合物を得た。収量15.2g、収率は89%であった。融点は145℃であった。Phi社製TRIFT IIIを用いて、TOF−SIMS(飛行時間型二次イオン質量分析装置)により質量分析を行ない、目的物の分子量に相当するピークを得た。その結果を表1に示す。また、観測された正ピーク及び負ピークをそれぞれ図2及び図3に示す。また、生成物の赤外吸収スペクトル(KBr法)は図4に示した。これらの結果から目的の構造であることが確認された。
実施例2(本発明のフェノール化合物の合成2)
Figure 2006290874
反応容器にトルエン100mLとペンタコサン酸5.4gを加え、さらに塩化チオニルを3.4g加え、6時間加熱還流した。それをエバポレーターにより溶媒および塩化チオニルを減圧留去した。得られた酸クロリド化合物にアセトン150mLを加え、氷冷で攪拌した。そこにアジ化ナトリウム1.4gを溶かした水溶液を温度が10℃を超えないように徐々に加え、さらに1時間攪拌した。得られた反応溶液をトルエンで抽出し洗浄したのち、反応溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、反応溶液に移し変えたのち、内温80℃で加熱した。窒素の発生が完結しイソシアネート化合物が生成したことを確認した後、反応溶液に、p−アミノフェノール1.5gを加え、1時間加熱攪拌を行なった後、室温に戻し、析出物をろ別し、アセトンで洗浄した。乾燥後、テトラヒドロフランを用いて再結晶することにより化合物を得た。収量5.8g、収率は84%であった。融点は146℃であった。Phi社製TRIFT IIIを用いて、TOF−SIMS(飛行時間型二次イオン質量分析装置)により質量分析を行ない、目的物の分子量に相当するピークを得た。その結果を表1に示す。また、観測された正ピーク及び負ピークをそれぞれ図2及び図3に示す。また、生成物の赤外吸収スペクトル(KBr法)は図5に示した。これらの結果から目的の構造であることが確認された。
実施例3(本発明のフェノール化合物の合成3)
Figure 2006290874
反応容器にトルエン250mLとセロチン酸12.0gを加え、さらに塩化チオニルを7.2g加え、さらに数滴のDMFを加え、8時間加熱還流した。それをエバポレーターにより溶媒および塩化チオニルを減圧留去した。得られた酸クロリド化合物にアセトン100mLを加え、氷冷で攪拌した。そこにアジ化ナトリウム2.9gを溶かした水溶液を温度が10℃を超えないように徐々に加え、さらに3時間攪拌した。得られた反応溶液をトルエンで抽出し洗浄したのち、反応溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、反応溶液に移し変えたのち、内温80℃で加熱した。窒素の発生が完結しイソシアネート化合物が生成したことを確認した後、反応溶液に、p−アミノフェノール3.3gを加え、1時間加熱攪拌を行なった後、室温に戻し、析出物をろ別し、アセトンで洗浄した。乾燥後、テトラヒドロフランを用いて再結晶することにより化合物を得た。収量11.4g、収率は75%であった。融点は143℃であった。Phi社製TRIFT IIIを用いて、TOF−SIMS(飛行時間型二次イオン質量分析装置)により質量分析を行ない、目的物の分子量に相当するピークを得た。その結果を表1に示す。また、観測された正ピーク及び負ピークをそれぞれ図2及び図3に示す。また、生成物の赤外吸収スペクトル(KBr法)は図6に示した。これらの結果から目的の構造であることが確認された。
実施例4(本発明のフェノール化合物の合成4)
Figure 2006290874
反応容器にトルエン350mLとモンタン酸10.5gを加え、さらに塩化チオニルを5.9g加え、さらに数滴のDMFを加え、5時間加熱還流した。それをエバポレーターにより溶媒および塩化チオニルを減圧留去した。得られた酸クロリド化合物にアセトン300mLを加え、氷冷で攪拌した。そこにアジ化ナトリウム2.4gを溶かした水溶液を温度が10℃を超えないように徐々に加え、さらに1時間攪拌した。得られた反応溶液をトルエンで抽出し洗浄したのち、反応溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、反応溶液に移し変えたのち、内温80℃で加熱した。窒素の発生が完結しイソシアネート化合物が生成したことを確認した後、反応溶液に、p−アミノフェノール2.7gを加え、1時間加熱攪拌を行なった後、室温に戻し、析出物をろ別し、アセトンで洗浄した。乾燥後、テトラヒドロフランを用いて再結晶することにより化合物を得た。収量11.9g、収率は91%であった。融点は143℃であった。Phi社製TRIFT IIIを用いて、TOF−SIMS(飛行時間型二次イオン質量分析装置)により質量分析を行ない、目的物の分子量に相当するピークを得た。その結果を表1に示す。また、観測された正ピーク及び負ピークをそれぞれ図2及び図3に示す。また、生成物の赤外吸収スペクトル(KBr法)は図7に示した。これらの結果から目的の構造であることが確認された。
実施例5(本発明のフェノール化合物の合成5)
Figure 2006290874
反応容器にトルエン50mLとメリシン酸2.0gを加え、さらに塩化チオニルを1.1g加え、さらに数滴のDMFを加え、3時間加熱還流した。それをエバポレーターにより溶媒および塩化チオニルを減圧留去した。得られた酸クロリド化合物にアセトン10mLを加え、氷冷で攪拌した。そこにアジ化ナトリウム0.43gを溶かした水溶液を温度が10℃を超えないように徐々に加え、さらに1時間半攪拌した。得られた反応溶液をトルエンで抽出し洗浄したのち、反応溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、反応溶液に移し変えたのち、内温80℃で加熱した。窒素の発生が完結しイソシアネート化合物が生成したことを確認した後、反応溶液に、p−アミノフェノール0.48gを加え、1時間加熱攪拌を行なった後、室温に戻し、析出物をろ別し、アセトンで洗浄した。乾燥後、テトラヒドロフランを用いて再結晶することにより化合物を得た。収量2.35g、収率は95%であった。融点は144℃であった。Phi社製TRIFT IIIを用いて、TOF−SIMS(飛行時間型二次イオン質量分析装置)により質量分析を行ない、目的物の分子量に相当するピークを得た。その結果を表1に示す。また、観測された正ピーク及び負ピークをそれぞれ図2及び図3に示す。また、生成物の赤外吸収スペクトル(KBr法)は図8に示した。これらの結果から目的の構造であることが確認された。
Figure 2006290874
応用例1(可逆性感熱記録媒体の作成例)
[感熱記録層の作成]
実施例1のフェノール化合物 4部
Figure 2006290874
アクリルポリオール樹脂
(三菱レイヨン社製LR503 固形分濃度50%溶液) 9部
メチルエチルケトン 70部
上記組成物をボールミルを用いて平均粒径約1μmまで粉砕分散した。得られた分散液に2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン1.5部、日本ポリウレタン社製コロネートHL(アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネート75%酢酸エチル溶液)2部を加え、良く攪拌し感熱記録層塗布液を調製した。
上記組成の感熱記録層塗布液を、厚さ188μmの白PETにワイヤーバーを用い塗布し、100℃2分で乾燥した後、60℃24時間加熱して、膜厚約11.0μmの記録層を設けた。
[保護層の作成]
紫外線吸収性ポリマーの40%溶液(日本触媒社製UV−G300) 10部
イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、コロネートHX) 1.4部
シリコーン系アクリル樹脂(東亞合成社製GS−1015) 0.5部
メチルエチルケトン 10部
以上の組成物を良く撹拌し、保護層塗布液を調整した。
上記組成の保護層塗布液を上記記録層上にワイヤーバーを用いて塗布し、100℃2分で乾燥した後、60℃24時間加熱して、厚さ約3.5μmの保護層を設け本発明の可逆性感熱記録媒体を作製した。
応用例2
応用例1で用いた顕色剤の代わりに、実施例2の化合物を用いた他は応用例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
応用例3
応用例1で用いた顕色剤の代わりに、実施例3の化合物を用いた他は応用例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
応用例4
応用例1で用いた顕色剤の代わりに、実施例4の化合物を用いた他は応用例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
応用例5
応用例1で用いた顕色剤の代わりに、実施例5の化合物を用いた他は応用例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
比較例1
応用例1で用いた顕色剤の代わりに、下記の化合物(融点145℃)を用いた他は応用例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
Figure 2006290874
比較例2
応用例1で用いた顕色剤の代わりに、下記の化合物(融点145℃)を用いた他は応用例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
Figure 2006290874
比較例3
応用例1で用いた顕色剤の代わりに、下記の化合物(融点171℃)を用いた他は応用例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
Figure 2006290874
以上のように作製した可逆性感熱記録媒体について、以下のように試験を実施した。
試験1:発色特性
ビーコム社製感熱印字シミュレーターを用いてパルス幅2msecの条件で表1に記載の電圧で印字を行なった。発色濃度および地肌濃度をマクベス濃度計RD914を用いて測定した。結果を表2に示す。
Figure 2006290874
試験2:消色特性
試験1と同様にビーコム社製感熱印字装置にて表中記載の電圧で印字した後、印字された部位に対して、同様の印字シミュレーターを用いてパルス幅2msecの条件で電圧を変えながらの階調印字により消去を行った。そのとき最も消去された部位を消去濃度とし、消去率を下記式により算出した。その結果を表3に示す。
消去率(%)=(1−(消去濃度−地肌濃度)/(発色濃度−地肌濃度))×100
なお、印字の電圧および消去に用いた電圧は記録媒体の発色感度、消色特性に応じて適切な条件を選択した。
Figure 2006290874
試験3:画像保存性
試験2で得た印字画像を60℃乾燥条件で24時間保存した。保存前後の濃度を試験1と同様にして測定した後、下記式にて画像保持率を算出した。その結果を表4に示す。
画像保持率(%)=(保存後画像濃度−保存後地肌濃度)/(保存前画像濃度−保存前地肌濃度)×100
Figure 2006290874
表2で示すように実施例は融点の高い比較例3と比べて、16Vで濃度が高く発色感度に顕著な差が現れている。表3で示すように、実施例は高い発色特性と消去特性を有していることがわかる。表4で示すように、比較例1,2,3では、60℃乾燥条件での画像保持率が低下しているのに対して、実施例では高い保持率を示した。つまり、本発明を用いた可逆性感熱記録媒体は、発色感度、消色性が高く、さらに高い耐熱保存性を有しているのがわかる。
本発明の可逆性感熱発色組成物の発色・消色特性を示す図である。 飛行時間型二次イオン質量分析装置を用いた、本発明のフェノール化合物の正イオンピークプロファイルである。 飛行時間型二次イオン質量分析装置を用いた、本発明のフェノール化合物の正イオンピークプロファイルである。 実施例1で合成された本発明の化合物の赤外吸収スペクトルである。 実施例2で合成された本発明の化合物の赤外吸収スペクトルである。 実施例3で合成された本発明の化合物の赤外吸収スペクトルである。 実施例4で合成された本発明の化合物の赤外吸収スペクトルである。 実施例5で合成された本発明の化合物の赤外吸収スペクトルである。

Claims (1)

  1. 下記式(1)で表わされるフェノール化合物。
    Figure 2006290874
    (式中、nは23から29の整数を表わす)
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