<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図20を参照しつつ説明する。
図1は、実施形態1に係る遊技機を概念的に例示する正面図であり、図2はその遊技機の遊技盤構成を概念的に例示する正面図である。また、図3は、図1の遊技機の斜視図であり、図4は、図3の一部を拡大して説明する説明図である。図5は実施形態1に係る遊技機の電気的構成を例示するブロック図である。
1.全体構成
本実施形態に係る遊技機の一例たるパチンコ機1は、例えば遊技ホール(遊技場)に設置されたパチンコ島台のカウンタ台の上部にて複数横方向に並べられて設けられるものである。パチンコ機1は、図1に示すように、前部には前枠2が設けられ、さらにその前枠2に扉部3(具体的にはガラス扉枠として構成される扉部)が取付けられている。扉部3は、縦軸の回動軸を有するヒンジ部82,82により遊技機本体1a(前枠2及び機枠(図示略)を備えてなる本体部分)に対し開閉可能に支持され、かつガラス(透明板に相当)が嵌め込まれた樹脂あるいは金属材料等によって環状の枠体として構成されるガラス保持枠(図示略)とを備えている。ここでは環状に構成された樹脂製のガラス保持枠に二枚のガラス(前方ガラス52、及びその後方に配置される後方ガラス(図1では図示略))が嵌め込まれてガラスユニット50が構成されており、このガラスユニット50は、扉部3の本体部分(扉部3におけるガラスユニット50を除いた部分)に着脱可能に取り付けられている。また、前枠2(本体枠)もヒンジ81によって機枠に対して開閉可能に取り付けられている。なお、前方ガラス52及び図示しない後方ガラスが透明板に相当する。
扉部3の後方には、図2に示す板状(例えば、木板、樹脂板等を主体として構成される板状)の遊技盤7が配置されている。図2に示すように、遊技盤7は仕切部に相当するレール22によって略環状に囲まれた略円形の遊技領域90aを有し、その遊技領域90aには第1種始動口4、遊技盤表示装置(以下、単に表示装置ともいう)5及び大入賞口6が設けられている。第1種始動口4は遊技球の通路を備え、その通路入口に羽根4aが開閉可能に支持されている。表示装置5は、ここでは図柄を動的に表示する図柄表示装置として構成されている。また、この表示装置5は、遊技盤7に装着される装飾枠40に固定されている。なお、図2に示すように、遊技盤7上にはレール22に隣接して遊技球の衝突を受けるゴム製の衝突受け部65も設けられている。
図1に示すように、扉部3の下部には、賞球が払い出される上受け皿3aが装着されている。また、前枠2の窓孔より下方には下受け皿2aが装着されている。下受け皿2aは、前記上受け皿3aに入りきらない賞球や、上受け皿3aから球抜きした抜き球や、或いはファウル球等の余剰球を、余剰球出口から排出させて貯留させるものである。前枠2における下受け皿2aの右側方には遊技球を発射するための発射ハンドル17が回動操作可能に装着されている。発射ハンドル17に対応する前枠2の裏側には駆動手段としてのモータ(図示せず)が装着されており、発射ハンドル17の回動操作によってモータか回動され、これにより打球杆(図示せず)が間欠動作されるとともに、前記発射ハンドル17の回動角度に応じた弾発力に調節される。従って、前記モータ及び打球杆等によって球発射装置が構成されている。
また、図2に示すように、表示装置5は、第1種始動口4の上方に設けられ、例えば液晶ディスプレイ(LCD)からなる画面5aを備えている。画面5aには多種類の画像が表示されるが、その1つとして、図2に概念的に示されるような上図柄列8、中図柄列9及び下図柄列10が表示される。図柄列の数は前述したもの(3列)に限られず、1列、2列、4列以上であってもよい。各図柄列8乃至10は、数字、記号等からなる複数の図柄によって構成されている。なお、各図柄列8ないし10を構成する図柄が識別図柄に相当する。
表示装置5では、図柄列8乃至10での図柄変動が、遊技球の第1種始動口4への入賞により開始される。図柄変動は上図柄列8、下図柄列10、中図柄列9の順に停止されるが、これは一例にすぎず、別の順序で停止されてもよい。全ての図柄列8乃至10での図柄変動が停止したとき、表示されている図柄(以下「停止図柄」という)の組合せが、予め定められた組合せ(特定表示結果、以下「大当りの組合せ」という)、すなわち、同一種類の図柄が大当りラインに沿って並んでいるときの同図柄の組合せ(例えば、777)、となる場合がある。この停止図柄の組合せ(図14参照:後述)を、以下「大当り図柄」という。そして、大当りの組合せが成立すると特別電動役物が作動し、遊技者にとって有利な特別遊技状態としての大当り遊技状態が到来し、より多くの賞球を獲得することが可能となる。
さらに、パチンコ機1は大当り遊技状態の発生に先立ちリーチ遊技状態(図13参照:後述)となる。ここで、リーチ遊技状態とは大当り遊技状態の直前の状態をいい、例えば、列10での図柄変動が、大当りライン上において上図柄列8での停止図柄と同一種類の図柄で停止し、かつ、その後に中図柄列9での図柄変動が上下両図柄列8,10での停止図柄と同一種類の図柄で停止されれば最終的に大当りの組合せとなる状態を含む。また、図柄変動が停止すると、大当り遊技状態となる組合せで変動し、その図柄で停止されれば最終的に大当り遊技状態となる場合において、その変動中の状態もリーチ遊技状態に含まれる。これは、通常、全回転(全図柄)リーチと呼ばれているものである。なお、このような遊技状態の発生の流れは後述する。
図2に示すように、大入賞口6は第1種始動口4の下方に設けられており、1つのVゾーン11、2つの通路12,13及びシャッタ14を備えている。シャッタ14は大入賞口用ソレノイド15(以下、単に「ソレノイド15」ともいう)により作動させられ、Vゾーン11及び通路12,13の各入口を開閉する。
図2に示すように、遊技盤7には、始動口用スイッチ18、Vゾーン用スイッチ19及びカウントスイッチ20が取付けられている。始動口用スイッチ18は、遊技球Bの第1種始動口4への入賞を検出する。Vゾーン用スイッチ19は遊技球BのVゾーン11への入賞を検出し、カウントスイッチ20は遊技球Bの大入賞口6への入賞を検出する。また、各スイッチ18乃至20の検出結果に基づき保留ランプ39(図5)、羽根駆動部4b(図5)、ソレノイド15及び表示装置5、側方表示装置110(後述)をそれぞれ制御するために、制御装置21が設けられている。なお、制御装置21は、特別遊技状態を発生させる遊技状態発生手段として機能する。
図5に示すように、制御装置21には、読出し專用メモリ(ROM32)、中央処理装置(CPU31)、ランダムアクセスメモリ(RAM33)等を備えている。また、クロック回路34、バスライン35、入出力処理回路36も設けられている。ROM32は所定の制御プログラムや初期データを予め記憶しており、CPU31はROM32の制御プログラム等に従って各種演算処理を実行する機能等を有している。RAM33はCPU31による演算結果を一時的に記憶する。
尚、より詳細には、制御装置21は、図5のように、パチンコ機1の主制御を行うメイン基板30と、当該メイン基板30からの信号によって各部を制御するための表示制御基板(表示制御装置101、102、103を構成する基板)、音量調整基板(音声用制御装置41を構成する基板)、LED基板(図示略)、払出し制御基板(図示略)等の各種のサブ基板とを備えて構成されており、不正信号がメイン基板30へ入力されることを防止するために、信号の伝送方向は、メイン基板30からサブ基板への一方向のみとなっている。
また、図5に示す表示制御装置101、102、103は、それぞれ、遊技盤表示装置5、側方表示装置110a、110bを表示制御可能に構成されており、メイン基板30からの信号に基づく画像を各表示装置の表示部に表示させるように制御を行う。各表示制御装置101、102、103には、図示しないROM、RAM、CPUなどが設けられており、メイン基板30からの制御信号に応じた画像を表示させるように構成されている。なお、表示制御装置101は第1表示制御手段に相当し、表示制御装置102、103は第2表示制御手段に相当する。
また、CPU31による制御の1つとして、大当り遊技状態の発生確率を条件に応じて変動させる、いわゆる確率変動がある。具体的には、1/300程度の低確率で大当り遊技状態を発生させる低確率モードと、その約5倍である1/60程度の高確率で大当り遊技状態を発生させる高確率モードとが用意されており、大当り図柄の種類に応じて確率モードが切替えられる。ここでは、一例として、大当り図柄が、予め定められた特別図柄(例えば奇数図柄)であると高確率モードに設定され、予め定められた通常図柄(例えば偶数図柄)であると低確率モードに設定されるようになっている。なお、低確率モードでの発生確率に対する高確率モードでの発生確率の倍数は、前述した値(約5)以外の値であってもよい。
2.側方表示装置の構成
次に、側方表示装置の構成について説明する。
パチンコ機1は、上述したように、遊技盤7を備え、当該遊技盤7に沿って遊技球が流下可能に構成されているが、このようなパチンコ機1の前面部において、当該パチンコ機1の側方に面する表示画面を備え、かつ側方に向けて表示するよう側方表示装置110が一対設けられている。このように側方表示装置110が構成されているため、パチンコ機1にて遊技を行う遊技者以外の者が外から当該遊技機の表示情報を取得しやすくなっており、特に遊技者以外の者に有用な構成とされている。なお、「側方に向けて表示する」とは、換言すれば当該パチンコ機1の側方から表示が視認できるように配置されていることをいう。
図1の例では、側方表示装置110として、パチンコ機1の幅方向一方側に向けて表示する第1側方表示装置110aと、当該パチンコ機1の幅方向他方側に向けて表示する第2側方表示装置110bとが設けられており、パチンコ機1の両側方に情報を提供できる構成となっている。なお、幅方向とは、パチンコ機1の横方向(高さ方向及び奥行き方向と直交する方向)を指し、図1における左右方向を指している。本実施形態の第1側方表示装置110aは、パチンコ機1の幅方向に関し、幅方向中央よりも正面視右側に寄った位置に設けられ、かつ正面視右側方に向けて、表示画面により当該パチンコ機1に関する関連情報を表示可能とされている。また、第2側方表示装置110bは、パチンコ機1の幅方向に関し、幅方向中央よりも正面視左側に寄った位置に設けられ、かつ正面視左側方に向けて、表示画面により当該パチンコ機1に関する関連情報を表示可能とされている。
また、上述したように、パチンコ機1には、遊技機本体1aに対して開閉可能に扉部3が設けられており、遊技盤7には複数の透明板(前方ガラス52、後方ガラス51)が、扉部3の本体に保持される形態にて配設されているが、第1側方表示装置110a、第2側方表示装置110bは、このように構成される扉部3の前面部に設けられている。なお、各側方表示装置110a、110bは、それぞれベース部115に装着されて、表示ユニット120として構成されており、この表示ユニット120がパチンコ機1の前面部において着脱可能に取り付けられている。なお、本実施形態では、ベース部115が扉部3の本体部分(ベース部115を除いた部分)に着脱可能に取り付けられる例を示しているが、ベール部115が扉部3の本体部分と一体的に構成され、表示ユニット120全体が扉部3に対し着脱不能とされていてもよい。
また、側方表示装置110は、遊技盤7の前方において、複数の透明板(即ち前方ガラス52及び図示しない後方ガラス)よりもさらに前方位置となるように設けられており、側方から視認しやすい配置とされている。また、側方表示装置110は、表示面112、113がそれぞれ、遊技盤7の前面に対して略直交するように設けられており、側方からの視認性が一層高められている。
また、図1に示すように、側方表示装置110は、当該遊技機を正面視した場合に表示面112、113がそれぞれ視認不能となるように設けられている。即ち、遊技者に視認させずに周囲にのみ視認させることができるようになっている。即ち、従来では、パチンコ機での表示は当該パチンコ機の遊技者のみに視認させる用途で用いられていたが、本構成では逆に周囲にのみに視認させることができ、当該遊技機の情報を今までと全く異なった斬新な方法で提供できるようになっている。
3.遊技状態の発生制御及び遊技盤表示装置での表示制御
次に、これら遊技状態の発生制御について説明する。
図6乃至図9のフローチャートは、制御装置21によって実行される各種ルーチンを示している。これらのルーチンの各処理は、カウンタ群及びフラグFに基づいて実行される。
カウンタ群は、ラウンドカウンタR、入賞カウンタP及び確変カウンタCを含む。ラウンドカウンタRはラウンド回数をカウントするためのものであり、入賞カウンタPはカウントスイッチ20の検出結果に基づき大入賞口6への遊技球Bの入賞個数をカウントするためのものである。確変カウンタCは高確率モードの終了を判断するためのものであり、「2」,「1」,「0」の値を採る。なお、カウンタR,P,Cの初期値はいずれも「0」である。
そのほかにもカウンタ群は、大当り遊技状態発生を決定するための内部乱数カウンタと、外れリーチ等を決定するための外れリーチ乱数カウンタと、停止図柄等を決定するためのそれぞれの図柄カウンタと、リーチ動作の種類を決定するためのリーチ種別カウンタとを含む。ここで、外れリーチ乱数カウンタによる外れリーチとは、前述したリーチ遊技状態の後に最終的に大当りの組合せとならない状態をいう。フラグFは、Vゾーン11への遊技球Bの入賞の有無を判定するためのものであり、Vゾーン用スイッチ19によって入賞が検出されない場合に「0」に設定され、入賞が検出されると「1」に設定される。なお、確率モードには低確率モードと高確率モードの2種類類あることは既に説明したが、初期値には低確率モードが設定されている。
さて、遊技者による遊技が開始されると、制御装置21は、まず図6の特別電動役物制御ルーチンのステップS10において、始動口用スイッチ18の検出結果に基づき、遊技球Bの第1種始動口4への入賞があったか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと特別電動役物制御ルーチンを終了し、満たされているとステップS20において、内部乱数カウンタ、外れリーチ乱数カウンタの各値を取得するとともに、各図柄カウンタの値に基づき図柄列8乃至10毎に外れ図柄を取得する。ここでの取得とは、各カウンタの値を読取り、その値をメモリに記憶する処理を指す。
次に、ステップS30で図柄変動開始処理を実行する。詳しくは、図8のステップS31において、図柄列8乃至10の各図柄をそれぞれ表示装置5で変動表示させる。これにより表示装置5には図11のような表示がなされ、遊技者には上・中・下の図柄列があたかも回転しているように見える。そして、ステップS32において、内部乱数カウンタの値が大当り値と同一であるか否かを判定する。大当り値としては、2種類の値(低確率用大当り値、高確率用大当り値)が用意されている。前者は大当り遊技状態を前述した低確率で発生させるための値であり、後者は高確率で発生させるための値である。例えば、内部乱数カウンタが、「0」乃至「299」の範囲で所定時間毎に値を更新するものである場合、そのうちの「7」を低確率用大当り値とし、「7」,「17」,「27」,「37」,「47」を高確率用大当り値とする。すると、大当り遊技状態が発生する確率は、低確率用大当り値を大当り値として用いた場合には1/300となり、高確率用大当り値を大当り値として用いた場合には1/60となる。そして、前回の制御周期で低確率モードが設定されている場合には、低確率用大当り値が大当り値として選択される。高確率モードが設定されている場合には、高確率用大当り値が大当り値として選択される。
ステップS32の判定条件が満たされていると、ステップS33において、大当り値に対応する大当り図柄を停止図柄としてメモリに記憶する。一方、ステップS32の判定条件が満たされていないと、ステップS34において、外れリーチ乱数カウンタの値が予め定められた外れリーチ値と同一である否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップS35において、外れリーチ値に対応する図柄(以下「外れリーチ図柄」という)を停止図柄としてメモリに記憶する。なお、ステップS34の判定条件が満たされていないと、ステップS36において、ステップS20での外れ図柄を停止図柄としてメモリに記憶する。そして、上記ステップS33,S35,S36で停止図柄を記憶した後、図柄変動開始処理ルーチンを終了する。
このようにステップS30の処理(図柄変動開始処理)を実行した後、図6のステップS40において上下両図柄列8,10における図柄を、ステップS33,S35,S36のいずれかの処理で記憶した停止図柄に差替える。差替え後の図柄によって上下両図柄列8,10での図柄変動を停止させる。図13にはこの停止例を示している。
ステップS50では、中図柄列9での図柄変動を停止させる。続いて、ステップS60において、図柄の組合せが大当りの組合せであるか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと特別電動役物制御ルーチンを終了し、満たされていると、ステップS70において、大当り信号ONを外部出力端子(図示略)に出力する。大当りの組合せである場合には、図14のような表示がなされる。さらに、ステップS80において、大当り図柄が特別図柄(この場合、奇数図柄)であるか否かを判定し、特別図柄である場合は(ステップS80:Yes)、ステップS90において確変大当り信号ONを図示しない出力端子に出力する。続いて、ステップS100において、ラウンドカウンタRをリセットする。そして、ステップS110において入賞カウンタPをリセットするとともに、フラグFを「0」に設定する。
続いて、図7のステップS120においてソレノイド15を励磁する。すると、シャッタ14が倒れ、大入賞口6の通路入口が開放される。この開放により、遊技球BのVゾーン11及び通路12,13への入賞が可能となる。ステップS130でラウンドカウンタRを「1」インクリメントする。
次に、ステップS140において、入賞カウンタPの値が所定値Pmax以下であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップS150において、大入賞口6の閉鎖予定時期がまだか否かを判定する。この判定条件が満たされていると(ステップS150:Yes)、ステップS140へ戻る。その結果、大入賞口6の開放開始後にPmax個よりも多くの遊技球Bが入賞するか、閉鎖予定時期が到来するかしない限りは、大入賞口6が開放され続ける。これに対し、ステップS140,S150の判定条件のいずれか一方が満たされていないと、ステップS160においてソレノイド15を消磁する。すると、シャッタ14が起こされ、大入賞口6の通路入口が閉鎖される。
そして、ステップS170において、ラウンドカウンタRの値が所定値がRmax以下であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップS180においてフラグFが「1」であるか否かを判定する。ステップS180の判定条件が満たされていると(ステップS180:Yes)、図6のステップS110へ戻る。従って、一旦大当り遊技状態が発生すると、遊技球BがVゾーン11に最大Rmax回入賞するまでは、大入賞口6が開閉のサイクルを繰返す。例えば、所定値Pmaxが「10」に設定され、大入賞口6の開放時間が「約29.5」秒に設定され、所定値Rmaxが「16」に設定されている場合には、大入賞口6の開放後、(1)遊技球Bが大入賞口6へ10個入賞すること、(2)約29.5秒が経過すること、のいずれか一方の条件が満たされた時点で大入賞口6が閉鎖される。この大入賞口6の開放・閉鎖のサイクルが、遊技球BのVゾーン11への入賞を条件に最大で16回繰返されることとなる。ステップS170,S180の判定条件のいずれか一方が満たされていないと、ステップS190で「大当り信号OFF」を図示しない出力端子に出力する。さらに、ステップS200において、大当り図柄が特別図柄(この場合、奇数図柄)であるか否かを判定し、特別図柄である場合は(ステップS200:Yes)、ステップS210において確変大当り信号OFFを図示しない出力端子に出力する。続いて、ステップS220で確率変動処理を実行し、その後、特別電動役物制御ルーチンを終了する。
図9の確率変動処理ルーチンでは、ステップS221において、大当り図柄が通常図柄(この場合偶数図柄)であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと(ステップS221:No)、すなわち、大当り図柄が特別図柄(奇数図柄)であると、ステップS227において確変カウンタCが「0」であるか否か(高確率モード中であるか否か)が判定され、確変カウンタCが「0」である(高確率モード中である)場合は(S227:Yes)、ステップS228において、確変中信号ONを図示しない出力端子に出力する。続いて、ステップS229において高確率モードを設定し、確変カウンタCに「2」を設定する。ステップS229の処理を実行した後、確率変動処理ルーチンを終了する。このように、高確率中に特別図柄(奇数図柄)で大当り遊技状態が連続して発生した場合には、高確率モードが継続することとなる。
一方、ステップS221の判定条件が満たされていると、すなわち、大当り図柄が通常図柄(偶数図柄)であると、ステップS222において確変カウンタCが「0」でないか否かを判定する。この判定条件が満たされていない(C=0)と確率変動処理ルーチンを終了し、満たされている(C=2,1)とステップS223において確変カウンタCを「1」デクリメントする。ステップS224において確変カウンタCが「0」であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていない(C=1)と確率変動処理ルーチンを終了し、満たされている(C=0)とステップS225において、確変中信号OFFを図示しない出力端子に出力し、ステップS226において、低確率モードを設定する。このように一旦高確率モードが設定されると、確変カウンタCが「0」となるまで、すなわち、高確率モード設定後、連続して偶数図柄で2回大当り遊技状態が発生するまでは高確率モードが継続する。そして、偶数図柄での大当り遊技状態が2回連続すると、高確率モードが終了し低確率モードに切替えられる。
なお、本実施形態での処理手順は一例であり、適宜変更可能である。例えば、図柄変動処理(ステップS31)を停止図柄の記憶処理(ステップS33,S35,S36)の後に行うようにしてもよい。
上述したように、本実施形態では、遊技球Bが第1種始動口4へ入賞したことが検出されると、各カウンタの値が取得されるとともに図柄列8乃至10が変動表示される。各カウンタの値に基づき停止図柄が記憶され、その停止図柄によって図柄変動が停止される。停止されたときに表示されている図柄の組合せが大当りの組合せであると、遊技者に有利な大当り遊技状態が発生し、遊技球BがVゾーン11に最大Rmax回入賞するまで、大入賞口6の開閉のサイクルが繰返される。
一方、大当り図柄が特別図柄(奇数図柄)であると高確率モードが設定され、次回と、その次の回の2回にわたり大当り遊技状態の発生確率が高められる。すなわち、一旦高確率モードが設定されると、次回以降2回の大当り遊技状態の発生確率が高められるが、その期間中に再び奇数図柄で大当り遊技状態が発生すれば高確率モードが設定される。これに対し、期間経過後に通常図柄(偶数図柄)で大当り遊技状態が発生すれば高確率モードが終了する(低確率モードに切替えられる)。
なお、このように次の回の2回にわたり大当り遊技状態の発生確率を高めるのではなく、次の回のみ大当り遊技状態の発生確率を高めるようにしてもよい。図10の例は次の回のみ大当り遊技状態の発生確率を高める場合のフローチャートを例示するものであり、図9の例の代わりに図10のような処理を用いてもよい。
なお、上述したフローチャートでは、図11のような図柄変動から、図13のような表示がなされ、図14のような図柄表示に至るまでの内部処理の流れを説明したが、図12のようなリーチ予告状態を発生させるようにしてもよい。図12の例では、リーチ状態の発生する可能性が高いことを示唆する図柄(図12では貝殻の図柄31K)が表示される例を示しており、例えばこのような図柄が発生する場合には、発生しない場合よりも、以後にリーチとなる確率が高くなるようにすることができる。また、図13では、大当りが発生する可能性が高いことを示唆する図柄(図13では泡の図柄50)が表示される例を示しており、例えばこのような図柄が発生する場合には、発生しない場合よりも、以後に大当りとなる確率が高くなるようにすることができる。
4.側方表示装置における表示制御
次に、側方表示装置における表示制御について説明する。
上述したように、遊技盤7に設けられた遊技盤表示装置5においては、表示制御装置101(第1表示制御手段)により、複数位置において識別図柄が可変表示されるが、一方の側方表示装置110においては、表示制御装置102(第2表示制御手段)、103(第2表示制御手段)により、遊技盤表示装置5に表示される識別図柄と対応した対応図柄を表示されるように制御がなされようになっている。即ち、遊技者以外の者が当該遊技機の遊技状況を外から容易に把握できるようになっており、遊技者以外の者は対応図柄の情報を台を選択する1つの指標とすることができ、遊技者は自身の遊技状況を外部に提供して注目を集めることができ、気分を良好なものとすることができる。
本実施形態では、側方表示装置110において、遊技盤表示装置5と略同一の表示内容を表示するように制御が行われており、遊技者以外の者が当該遊技機の遊技状況を的確に把握できるようになっている。「遊技盤表示装置5と略同一の表示内容」の例としては、遊技盤表示装置5にて表示される表示物が同一形状、或いは相似状、若しくは、縦方向又は横方向のサイズを変更する形態で表示されるといった例が挙げられる。
また、遊技盤表示装置5に表示される識別図柄と対応した対応図柄を表示する制御例としては、常時遊技盤表示装置5の識別図柄と対応した対応図柄を表示してもよく、遊技盤7における遊技が予め定められた特定遊技状態となった場合に、側方表示装置110における表示を開始するようにしてもよい。なお、このように、予め定められた特定遊技状態となった場合に、側方表示装置110における表示を開始するようにすれば側方表示装置110の表示の印象を高めることができ、表示開始後の情報を遊技者以外の者により印象付けることができる。
また、遊技盤7における遊技が予め定められた特定遊技状態となった場合に、側方表示装置110において、特定遊技状態と対応付けられた対応情報を表示するように制御を行ってもよい。例えば、図14のように大当り表示が発生したタイミングで、図15のように大当り表示に対応した情報を表示するようにしてもよい。このようにすれば、遊技者以外の者が当該遊技機の特定遊技状態の発生或いは継続を知ることができ、遊技者以外の者にとっての利便性が一層高まる。
なお、特定遊技状態と対応付けられた情報とは、図15のように、特別遊技状態と対応した図柄情報でもよいが、図16や図17のように、大当り状態や確率変動状態が発生した旨のコメント情報(大当り状態や確率変動状態が発生した旨のコメント情報)であってもよい。
また、特別遊技状態と対応した色彩を表示するようにしてもよい。例えば、図18のように確率変動状態においては、図11のような通常状態と表示装置5の背景色を異ならせることができるが、この確率変動状態での表示装置5の背景色と、確率変動状態での側方表示装置110の背景色とを対応させる(具体的には主となる色を同一色又は略同一色とする等)ようにできる。このようにすれば、遊技者以外の者が、遠くから当該遊技機が確率変動状態となっていることを直感的に把握することができ、自身の遊技に関する重要な目安とすることができる。
なお、ここでいう予め定められた特定遊技状態とは、大当り状態や確率変動状態に限らず、これらに加え、リーチ状態、リーチ予告状態、時短状態から選ばれる1又は複数の状態とすることができる。このようにすれば、遊技者が特に注目する状態を外部に印象深く知らしめることができるため、遊技者にとっては気分を良好なものとすることができ、遊技者以外の者にとっては当該遊技機の動向を具体的に知ることができる。
なお、側方表示装置110は、当該遊技機において遊技が行われていない場合の非遊技モードと、当該遊技機において遊技が行われている場合の遊技モードとに変更可能とされていてもよい。このようにすれば、遊技中と非遊技中とで区別して情報を表示することができるため、それぞれの状態に適した適切な情報を表示できる。
そして、非遊技モード(即ち、遊技機において遊技が行われていない場合)において、図19のように、遊技が行われていない旨の情報を表示するようにしてもよい。このようにすれば、遊技場利用者が遊技が行われていない遊技機を容易に知ることができる。従って、遊技場利用者は、遊技場利用者が混雑している中で空いている遊技機を遠くから容易に探し出すことができ、遊技機の選択を行いやすくなる。また、遊技場管理者は、遊技機の稼働率を効果的に増加できるため、遊技場管理者にとっても、遊技賞利用者にとっても有用な構成となる。
また、図20のように、側方表示装置110において、当該遊技機の統計情報を表示してもよい。このようにすれば、遊技者以外の者が当該遊技機の具体的状況を把握しやすい構成となり、遊技場利用者にとっての利便性が一層高まる。なお、統計情報としては、具体的には図20のように、当該遊技機における大当たり回数に関するデータ及びリーチ回数に関するデータを含んだものとすることができる。このようにすれば、遊技機利用者(即ち遊技場利用者)が特に気にする有用情報を側方から容易に知ることができるため、極めて有用な構成となる。
また、側方表示装置110は、当該遊技機において遊技が行われていない場合に、広告情報を表示するようにしてもよい。このようにすれば、遊技が行われていない場合に側方表示装置110を利用した広告が可能となり、特に、側方に向けて広告情報を提供できるため、より多くの遊技場利用者に対し広告をより効果的に印象付けることができる。
また、遊技者による操作が可能な操作部を設け、操作部による操作に基づいて側方表示装置110の表示モードを変更する変更手段を設けてもよい。このようにすれば遊技者が任意に表示モードを変更できるため、遊技者は自分の好みに応じて側方表示の内容を選択できることとなる。具体的には、例えば、操作部の操作に基づいて、側方表示装置110の表示を非表示モード(即ち、側方表示装置110の表示機能を一時的に停止させるモード)に変更できるように変更手段を構成することができる。
また、側方表示装置110において、当該遊技機の外部に設けられた外部表示装置からの外部情報に基づく表示情報を表示させるようにしてもよい。例えば、当該遊技機の遊技者が一時休憩中である旨の情報をホールコンピュータから当該遊技機に送信するようにし、この送信に基づいて、その旨の情報(遊技者が一時休憩中である旨)を表示したり、ホールコンピュータから当該遊技機が有利な設定となっている旨の情報を表示するようにして、遊技場利用者の利便性を向上させるようにしてもよい。
なお、一般的に遊技機は、図示したように遊技領域90aを透明のガラスなどで覆いかつ遊技領域90aとガラスとの間には遊技球が通るだけのスペースが形成されているため、遊技領域90aに設置されている表示装置5は、正面からだと問題なく見ることができるが側方から見ると店内の照明などの反射で極めて見づらい。そのため隣の遊技機の遊技結果が気になる遊技者にとって隣の遊技機の遊技領域内に設置された表示装置を視認することが難しく、どうしても顔を近づけて見ることになるため、近づけられた方の遊技者は例え自分の遊技に関する情報を周囲に伝えたいと思っていたとしても隣の遊技者のこのような行為に対して自分の遊技スペースに侵入されたような間隔を覚えて不快に感じることがある。本発明はこのような課題も解決できる。
<第2実施形態>
図21は、実施形態2に係る遊技機を概念的に例示する正面図であり、図22は、図21の遊技機の斜視図である。実施形態2の遊技機は、側方表示装置110の配置位置、側方表示装置110が1つのみであるという点、及び側方表示装置110の表示面の角度が変更可能とされている点が実施形態1と異なり、それ以外は実施形態1と同様である。従って相違点のみ説明し、同一の点については詳細な説明は省略する。
本実施形態では、側方表示装置110の表示面112の角度が変更可能とされているため、状況に応じて表示方向を変更することができ、使用環境に応じた適切な表示を行うことができるようになっている。
<第3実施形態>
図23は、実施形態3に係る遊技機を概念的に例示する斜視図である。
本実施形態では、扉部3における、透明板(前方ガラス52及び図示しない後方ガラス)の両端側の側方において、前方に張り出す装飾壁部201,202がそれぞれ設けられており、装飾壁部201,202の外側に側方表示装置110a、110bがそれぞれ設けられている。具体的には、透明板よりも右端側の側方において、前方に張り出す装飾壁部201が設けられており、この装飾壁部201における右端側の外側に、側方表示装置110aが設けられている。また、透明板よりも左端側の側方において、装飾壁部202が設けられており、この装飾壁部202における左端側の外側に側方表示装置110bが設けられている。
このようにすれば、透明板の側方位置において、前方に張り出す立体的な装飾を施すことができることとなるが、このようにすると、当該遊技機の遊技領域が側方から見にくくなる。従って、何も措置を講じないと、側方の遊技者は当該遊技機の情報をあまり得ることができず、各遊技機が孤立したものとなってしまうが、本手段の構成では、装飾壁部の外側に側方表示装置を設け、より立体的な装飾を実現しつつ、当該遊技機の遊技情報を側方に提供しうるようになっている。なお、本実施形態では、装飾壁部201、202の装飾構成については省略しているが、様々な装飾を施すことができる。例えば、装飾壁部201、202の形状を、キャラクター、風景、建物、乗り物、その他のデザインを模した形状としてもよく、装飾壁部201、202に、これらのデザインやその他の模様を描くようにしてもよい。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、側方表示装置110を液晶ディスプレイによって構成したが、キャラクターなどの絵柄や、文字、記号などの少なくともいずれかが表示可能であればよく、フルカラーELディスプレイ等のELディスプレイや、複数のLEDが並んで構成されるドットマトリックス式の表示装置などによって構成しててもよい。
(2)なお、図24のようにしてもよい。図24の構成では、遊技機の左右側方に、それぞれ外側を向いた側方表示装置110を備えており、各側方表示装置の設置位置は高さを異ならせている。そのため、複数の遊技機が並んだ時に各遊技機の間隔が狭い場合でも隣り合った遊技機にそれぞれ設置された表示装置の表示面同士が対面してしまうことがなく表示装置が隠れて見えないということがない。なお、図24の例では、実施形態2と同様に表示面の角度が変更可能とされている構成を例示したが、実施形態1のような変更不能な構成において、各側方表示装置の設置高さを異ならせてもよい。
(3)また、図25のようにしてもよい。図25の側方表示装置110は、遊技機内部(扉部3の後方に配置される部品)から、扉部3の内部側に形成された孔3bを介して前方側に向けて突出するように取り付けられており、前面枠(扉部3)の対応位置(即ち側方表示装置110の周囲)は突出するように透明部材140などで成型されている。これにより、側方表示装置110に対する配線等が行いやすく、かつ、側方表示装置110の損傷・盗難などを効果的に防止できるようになっている。なお、本構成では、前面枠(扉部3)の突出部分144と側方表示装置110とは、前面枠の閉状態(即ち、扉部3が閉じた図25の状態)で所定のクリアランスがあり、前面枠の開閉操作の際にそれぞれがぶつからないようになっている。また、本構成では、扉部3を開く場合、側方表示装置110が孔3bを介して抜けるようになっている。なお、図25の例では、左右片方(右側)のみ側方表示装置を配置した構成を例示したが、同様のものを左側のみ、或いは左右両方に配置してもよい。