JP2006288299A - コーンチップス - Google Patents
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Abstract
【課題】薄くて軽い食感が得られ、ヘルシーで自然の風味豊かで製造コストや手間がかからず、簡易迅速に生産化できるコーン食品であるコーンチップスを提供する。
【解決手段】本発明は、コーンパウダーを主原料とする生地を小分けして加熱板間で、アルファ化、成型及び焼成が一気に進行するから、硬い角質でん粉に多く含まれるタンパク質に邪魔されることなくでん粉同士が接触し易くなることからコーン生地は小麦粉生地のような粘弾性が発揮され、薄板化するため、軽い食感のコーンチップスが簡易かつ迅速に得られるように構成した。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、コーンパウダーを主原料とする生地を小分けして加熱板間で、アルファ化、成型及び焼成が一気に進行するから、硬い角質でん粉に多く含まれるタンパク質に邪魔されることなくでん粉同士が接触し易くなることからコーン生地は小麦粉生地のような粘弾性が発揮され、薄板化するため、軽い食感のコーンチップスが簡易かつ迅速に得られるように構成した。
【選択図】図1
Description
本発明は、薄く軽い食感が得られ、ヘルシーで自然の風味豊かなコーンチップスに関するものである。
世界三大穀物のひとつであるコーンは、最も生産量が多い穀物である上に、安価で優れた栄養源を有しているものであるが、飼料としての利用が主で、食品としての利用が少ないのが現状である。
上記コーンを食品として利用した代表的なものに、「パフスナック」、「トルティア」や「あられ」がある。これらのコーン食品にはそれぞれ欠点が多い。すなわち、「パフスナック」は、たとえば、特開平7−95861の如く、コーンパウダーやコーングリッツをエクストルーダーにより膨化処理を施し乾燥後、調味料やオイル(適量)を用いて味つけしてなるもので、原料から素早く作れるが、エクストルーダーにより膨化処理を施すために、薄板状にはなりにくく、しかも内部に気泡を多く含むことから食べたときに唾液が吸収され、口の中や歯にへばり付く感じがあって食べにくさのために敬遠されがちであった。
また、「トルティア」は、たとえば、特表2000−509279の如く、「マサ」を原料とするが、「マサ」はコーン粒を蒸練してアルファ化した後、アルカリ水に一晩浸漬し、数回水洗いしてから石臼やエクストルーダー等ですり潰して得られる。また、作業性向上のため、上記「マサ」にさらにコーンパウダーやコーングリッツをエクストルーダーでアルファ化しパウダー状にしたものを混ぜて使用する場合もある。上記「トルティア」はその「マサ」を圧延してシート化し、カット、焼成及びフライして製造するため多くの手間やコストがかかった。
さらに、「あられ」は、コーンパウダーやコーングリッツを蒸練して得た生地を圧延後カットし、乾燥させた小片をフライにしたものである。それらの工程において、フライによる膨化を均一化するために乾燥後の小片を一晩以上静置し、さらにフライ直前にこれを60°Cの雰囲気の下で数時間乾燥させることで、水分を均一かつ一定量にする必要があり、生産性が悪いものであった。
特開平7−95861
特表2000−509279
そもそも上記コーンは、硬い角質でん粉に多く含まれるタンパク質がでん粉と強くかつ密接に結合していることが原因で水分を吸いにくい構造になっているため、水分が少ないとアルファ化やそれに伴う膨化ができにくいし、でん粉と強く密接に結合しているタンパク質が邪魔してでん粉同士が接触しにくいためにコーン生地は粘弾性がなく、薄板化しにくいものであった。
そこで、本発明者は、コーンに含まれる角質でん粉のタンパク質が、急激な熱変形や物理的圧力により破壊すれば、でん粉のアルファ化やそれに伴う膨化、及びコーン生地の圧延化が短時間(数秒)で生ずることを見出し、研究の結果、遂に、本発明を完成したものである。
しかして、本発明の目的とするところは、薄くて軽い食感が得られ、ヘルシーで自然の風味豊かで製造コストや手間がかからず、簡易迅速に生産化できるコーン食品であるコーンチップスを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、コーンパウダーを主原料とする生地を小分けして加熱板間で薄板塊に圧縮焼成してなることを特徴とし、コーンに含まれる角質でん粉のタンパク質を破壊して膨化が均一化及びコーン生地の圧延化ができるように構成しているものである。
また、請求項2に記載の発明は、前記コーンパウダーが、アルカリ性食品原料を混入してなるものであることを特徴とし、自然の風味であるコーン味をより強調でき、さらにカロチノイド系の色素の発色も強くできるように構成している。
さらに、請求項3に記載の発明は、前記薄板塊をフライにしたことを特徴とし、パリパリとした軽い歯応えと、香ばしさ(食感)が楽しめるように構成している。
さらにまた、請求項4に記載の発明は、前記薄板塊を含水してフライにしたことを特徴とし、フライ時に自然なカールが付与されるように構成している。
本発明によれば、コーンパウダーを主原料とする生地を小分けして加熱板間で急激に薄板塊に圧縮焼成してなるため、アルファ化、成型及び焼成が一気に進行するから、硬い角質でん粉に多く含まれるタンパク質に邪魔されることなくでん粉同士が接触し易くなることからコーン生地は粘弾性が発揮され、薄板化するため、軽い食感のコーンチップスが簡易かつ迅速に得られるという優れた効果を奏するものである。
請求項2に記載の発明によれば、前記コーンパウダーがアルカリ性食品原料の混入によりコーン味がより強く出るから、自然の風味であるコーンの美味しさが倍増し、さらにカロチノイド系の色素の発色も強くなるためコーンらしい黄色もより強調でき、食品としての外観が向上する。また、でん粉のアルファ化の促進作用によってより口当たりが良好になるという優れた効果を奏するものである。
さらに、請求項3に記載の発明によれば、前記薄板塊をフライにすることにより、パリパリとした軽い歯応えと、香ばしさ(食感)が楽しめるため、食べてて飽きがこないという優れた効果を奏するものである。
さらにまた、請求項4に記載の発明によれば、前記薄板塊を含水してフライにすることにより、でん粉のアルファ化が促進され、自然なカールも付与されることから、コーンの自然な風味が倍加するとともに、ボリューム感が出るという優れた効果を奏するものである。
次に、本発明を添付図面に基づいて説明する。図1は本願コーンチップスの斜視図、図2は生地の説明図で、(a)はコーンパウダーと水、(b)は生地、図3は下鉄板上に配置した小塊を示す断面図、図4は下鉄板と上鉄板とで圧縮焼成状態を示す断面図、図5はフライ鍋の油中に投入した状態を示す断面図、図6はカールさせた本願コーンチップスの斜視図である。
本願コーンチップス1は、図1の如く、ほぼ円形(必ずしもきれいな円形にできるとは限らない)の形態を有するコーンパウダーを主原料とする薄板塊からなり、その直径Rは3.5〜7mm、厚さTは0.8〜2mmである。これは食べたときの食感が軽く、ヘルシーで自然の風味が得られるスナック菓子である。勿論、形態は型枠を使うなどの工夫によりきれいな円形にすることも、また、他の形状にすることも自由である。
前記本願コーンチップス1は、図2の如く、コーンパウダー2を主原料とし、これに水Wを加えてミキシングして得た生地3を、図3の如く、100°C以上に加熱した下鉄板4の上面に島状に小分けし、該島生地3′を、同様に加熱した上鉄板5との間で、図4の如く、薄板塊6となるように圧縮焼成してなる。なお、主原料とするコーンパウダー2に加えるのは水のみならず、2%食塩等の水溶液であっても良い。
前記コーンパウダー2は、コーン(とうもろこし=実施例ではデント種を使用)を粉砕し、硬い角質でん粉と柔らかいでん粉とを区別せずに用いている。勿論、柔らかいでん粉のみを分けて主原料とすることを制限するものではない。また、前記コーンパウダー2には、予め、食塩、エビその他の粉末や調味料等を加えて塩味やその他の味に立てることもある。特に、自然のコーン風味をより強調するために、アルカリ性食品原料(例:アルカリ性添加物)を混入するとよい。ここに「混入」とは混入したまま保つのみならず、混入後取り除いてもアルカリ性食品原料の混入の効果は認められるので、そのような場合も含むことは勿論である。
前記アルカリ性添加物としては、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、コハク酸二ナトリウム、L−酒石酸ナトリウムなどがある。また、上記を含む食品添加物として認められているものに、膨張剤、pH調整剤、調味料、乳化剤などがある。
前記コーンパウダー2を主原料とする生地3は、コーンパウダー2に対する加水量によってパサパサにも、柔らかい粘土状にもなるが、爾後の作業性から言えば、パサパサな生地3の方が扱い易い。すなわち、型枠(図示せず)を用いることにより下鉄板4の上面に島状に小分けし易いからである。尤も、生地を、柔らかい粘土状にした場合でも、たとえば、絞り袋(ケーキ作りなどに利用=図示せず)やデポジッター(図示せず)を用いることにより下鉄板5の上面に島状に小分けすることは容易である。
前記下鉄板4及び下鉄板5は、100°C以上(好ましくは120°C以上)の温度に加熱され、2.0kgf/cm2 以上の圧で、島生地3′を急激に圧縮する。この加熱圧縮は厚さほぼ10mmの島生地3′を、厚さ1.5mm程度の薄板塊6にするのに、15秒以内で一気に行うようにする。すなわち、15秒を超えると島生地3′から薄板塊6への変質時に焦げすぎたり、割れが生じたりするため、これを避ける必要がある。
前記下鉄板4及び下鉄板5の間で焼成された薄板塊6は、含有水分の少ない、表面肌のきめ細かいものとして仕上がる。この含有水分が少く、薄い薄板塊6はこのままでもサクサク感のあるコーン風味の本願コーンチップス1として完成するが、この薄板塊6を、図4の如く、加熱手段7によりフライ鍋8内の植物油9を160〜200°Cに加熱し、該油9中に、20〜100秒間浸漬してフライにすることにより、前記サクサク感に加えて香ばしさがミックスされた味を有する本願コーンチップス1に変質する。この場合において、たとえば、ゴマ、のり、ナッツ類、チーズ、ペッパー、魚介類その他の粉状又は粒状物を被着させることもある。
前記薄板塊6をフライにするに際し、予め、薄板塊6を水に漬け、含水により柔らかくした状態でフライにすると、図6の如く、自然なカールが付与されたボリューム感のある嵩高な本願コーンチップス1に変質する。これはポテトチップスのような外観を呈するものとなる。
いま、コーンパウダー100部に、海老の粉末15部を加え、食塩1部、水40部、調味料(適量)を添加し、ミキサーで攪拌してパサパサの生地を作り、これを150°Cに加熱した下鉄板上に島状に配置し、これを150°Cに加熱した上鉄板との間で、2.5kgf/cm2 にて厚さが1.5mmの薄さになるように圧縮焼成して薄板塊を90枚得た。このときの圧縮焼成時間は約10秒、圧縮焼成後の薄板塊の直径はほぼ45mmで円形に近いものであった。
上記薄板塊のうち30枚を、そのまま本願コーンチップス(本願品1)として、3枚づつ10枚の皿に盛った。また、残りの薄板塊のうち30枚を、180°Cの油温で90秒間フライにして本願コーンチップス(本願品2)として、3枚づつ10枚の別の皿に盛った。さらに、残りの30枚に水分を含ませ、180°Cの油温で90秒間フライにして本願コーンチップス(本願品3)として、3枚づつ10枚の別の皿に盛った。
次に、コーンパウダーを、エクストルーダーにより膨化処理を施し、これに調味料(適量)を用いて味つけした厚さ4.2mm、長さ152mmのパフスナック(比較品1)を30個を得、これ3個づつ10枚の皿に盛った。また、コーン粒をコーン粒に対し0.8%の水酸化カルシウムと10倍量の水と一緒に蒸練し、これを一晩浸漬放置し、数回水洗してからすり潰して得たマサを予め用意し、このマサを原料として圧延してシート化したものをほぼ三角形に型抜きし焼き上げてフライにした厚さ2.5mm、1辺がほぼ150mmのトルティア(比較品2)を30枚得、これを3枚づつ10枚の皿に盛った。
上記本願品1〜3と、比較品1、2を、当社近くの主婦10人(20代5人、30代2人、40代3人)に試食してもらい、次の6項目の質問に「優」、「良」、「可」で答えてもらった処、次の表1の結果を得た。なお、口中へのくっつき感については、くっつく感覚がナイときを「優」、ややアルときを「良」、アルときを「可」とした。
[表1]
本願品1 本願品2 本願品3 比較品1 比較品2
(1)食感(軽さ) 優 優 優 良 可
(2)香ばしさ 良 優 優 良 優
(3)コーンらしい風味 優 優 優 可 良
(4)口中へのくっつき感 優 優 優 可 優
(5)つまんだ手触り 優 優 優 良 良
(6)見た目(外観)の良さ 優 優 優 良 良
本願品1 本願品2 本願品3 比較品1 比較品2
(1)食感(軽さ) 優 優 優 良 可
(2)香ばしさ 良 優 優 良 優
(3)コーンらしい風味 優 優 優 可 良
(4)口中へのくっつき感 優 優 優 可 優
(5)つまんだ手触り 優 優 優 良 良
(6)見た目(外観)の良さ 優 優 優 良 良
上表より、比較品1、2に対して本願品1〜3の方が、軽い食感が楽しめ、コーンらしい風味に優れていること、つまんだときの手触りの良さ、見た目の良さがあることがわかった。なお、香ばしさはフライにした本願品2、本願品3及び比較品2について生じ、本願品1も焼成時に生じた香ばしさがあることがわかった。なお、口中へのくっつき感については、比較品1を除き問題ないこともはっきりした。
いま、コーンパウダーに炭酸ナトリウムからなるアルカリ性食品原料を0.5%混入して得た生地を150°Cに加熱した下鉄板上に島状に配置し、これを150°Cに加熱した上鉄板との間で厚さが1.5mmの薄さになるように圧縮焼成した薄板塊を30枚得、これを180°Cの油温で90秒間フライにして得た本願コーンチップス(本願品4)として、3枚づつ10枚の皿に盛った。また、アルカリ性食品原料を混入しないコーンパウダーにて得た生地を本願品4と同様の条件で圧縮焼成及びフライにして得た本願コーンチップス(本願品5)として、3枚づつ10枚の別の皿に盛り、実施例1の試食に呼んだ主婦に試食してもらい、どちらが美味しいか、どちらがコーン風味が強いかについて答えてもらった処、次の表2の結果を得た。
[表2]
本願品4 本願品5
(アルカリ有) (アルカリ無)
(1)どちらが美味しいか 7人 3人
(2)どちらがコーン風味が強いか 7人 3人
本願品4 本願品5
(アルカリ有) (アルカリ無)
(1)どちらが美味しいか 7人 3人
(2)どちらがコーン風味が強いか 7人 3人
上表より、アルカリ性食品原料が混入された本願品4は、本願品5に比して美味しさ、コーン風味とも良好であることがわかった。勿論、この結果は比較の問題であり、本願品5に美味しさ、コーン風味がないという趣旨ではないことは言うまでもない。
本発明は、コーンパウダーを主原料とする生地を小分けしてなる小塊を、加熱板間でアルファ化及び焼成が一気にでき、製造に手間やコストがかからず、コーンチップスの工業生産化が可能となる。
1 本願コーンチップス
2 コーンパウダー
3 生地
3′ 島生地
4 下鉄板
5 上鉄板
6 薄板塊
7 加熱手段
8 フライ鍋
9 油
W 水
2 コーンパウダー
3 生地
3′ 島生地
4 下鉄板
5 上鉄板
6 薄板塊
7 加熱手段
8 フライ鍋
9 油
W 水
Claims (4)
- コーンパウダーを主原料とするものと水分とを混合して得られる生地を小分けして加熱板間で薄板塊に圧縮焼成してなることを特徴とするコーンチップス。
- 前記コーンパウダーが、アルカリ性食品原料を混入してなるものであることを特徴とする請求項1に記載のコーンチップス。
- 前記薄板塊をフライにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のコーンチップス。
- 前記薄板塊を含水してフライにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のコーンチップス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005114671A JP2006288299A (ja) | 2005-04-12 | 2005-04-12 | コーンチップス |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005114671A JP2006288299A (ja) | 2005-04-12 | 2005-04-12 | コーンチップス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006288299A true JP2006288299A (ja) | 2006-10-26 |
Family
ID=37409596
Family Applications (1)
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JP2005114671A Pending JP2006288299A (ja) | 2005-04-12 | 2005-04-12 | コーンチップス |
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2005
- 2005-04-12 JP JP2005114671A patent/JP2006288299A/ja active Pending
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