JP2006284912A - スクリーン及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】明光下において高輝度、高コントラストのスクリーンを提供する。
【解決手段】複数の金属酸化物膜4Diと透過性を有する光吸収薄膜4M1よりなる光学多層膜と、この光学多層膜の透過光を反射する反射層3とからなり、前記投射光に対応する特定波長領域の光に対して反射特性を有し、前記特定波長領域を除く波長領域の光に対して吸収特性を有する選択反射層2を備え、前記反射膜3直上の金属酸化物膜4D1は、前記吸収特性の波長領域が前記投射光の赤色成分の輝線ピークの波長と緑色成分の輝線ピークの波長との間、及び緑色成分の輝線ピークの波長と青色成分の輝線ピークの波長との間となるように屈折率及び/または膜厚が調整されてなることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、投射光により画像を表示するスクリーンに係り、特に反射型のスクリーン及びその製造方法に関する。
近年、会議等では発表者が資料を提示する手段としてデータプロジェクタが広く用いられ、一般家庭ではビデオプロジェクタや動画フィルムプロジェクタが普及しつつある。これらプロジェクタ装置では、光源から出力された光が、ライトバルブ(Light Valve)により空間的に変調されて画像光とされ、この画像光がレンズ等の照明光学系を通じて投影用スクリーン上に投影される。
この種のプロジェクタにはカラー画像を表示させることができるものがあり、光源として三原色である赤色(Red=R),緑色(Green=G),青色(Blue=B)を含んだ白色光を発するランプが用いられ、ライトバルブとしては透過型の液晶パネルが用いられている。このプロジェクタでは、光源から出射された白色光が、照明光学系によって赤色光、緑色光および青色光の各色の光線に分離され、これら光線が所定の光路に収束される。これら光束が液晶パネルにより画像信号に応じて空間的に変調され、変調された光束が光合成部によってカラー画像光として合成され、合成されたカラー画像光が投影レンズによりスクリーンに拡大投射される。
また、最近、カラー画像を表示させることが可能なプロジェクタとして、光源に狭帯域三原色光源、例えば三原色の各色の狭帯域光を発するレーザ発振器を用い、ライトバルブに回折格子型ライトバルブ(GLV:Grating Light Valve)を用いた装置が開発されている。このプロジェクタでは、レーザ発振器により出射された各色の光束が画像信号に応じてGLVにより空間的に変調される。このように変調された光束は前述したプロジェクタ装置と同様にして、光合成部によってカラー画像光として合成され、この合成されたカラー画像光が投影レンズによりスクリーンに拡大投射される。
このようなプロジェクタに対して、投影画像を表示するスクリーンには大別して透過型と反射型がある。透過型スクリーンは、スクリーン背後のプロジェクタから投射される画像光を透過して透過光により投影画像を見ることができるようにしたものであり、反射型スクリーンは、スクリーン前方のプロジェクタから投射される画像光を反射して反射光により投影画像を見ることができるようにしたものである。
反射型のスクリーンとしては、プロジェクタからの投射光を反射し散乱するビーズスクリーンやホワイトスクリーンが用いられているが、このようなスクリーンは、投射光以外の光すなわち外光も反射し、外光のレベルとともに黒レベル(黒色映像輝度)も上昇するため、外光レベルの高い明光下ではコントラスト(=白レベル/黒レベル)の低い画像しか表示することができず、部屋を暗くして外光レベルを下げる必要があった。
これに対して、反射層の前に光吸収層を設けることによって黒レベルの低下を図り、外光下のコントラストを向上させるスクリーンが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この場合、外光のみならず投射光も光吸収層によって低減されてしまうため白レベルが下がり、スクリーンゲイン(輝度)が低下するとともに、明光下のコントラストの向上にも限界があった。
また、図26に示すように、スクリーン表面の拡散板101の上に、複数の突起102を有する透明層103を設け、各突起の側面に黒色塗料からなる不透明層104を設けることによって、周辺から入射する外光を吸収させ、白レベルを下げることなく外光下のコントラストを向上させるスクリーンが提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この場合も、スクリーン正面から入射する外光は吸収されず、明光下のコントラストの向上に限界があるとともに、突起の形成や突起側面の不透明層の形成に時間と手間がかかるという問題があった。
特許第3103802号公報 特許第2889153号公報
上述したように、従来技術では、外光レベルの高い明光下において明るく鮮明な映像を表示することができる、高輝度、高コントラストのスクリーンを得ることは困難であった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、複雑な構造を有することなく、明光下において高輝度、高コントラストを実現することができるスクリーン及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために提供する本発明は、投射光により画像を表示するスクリーンにおいて、複数の金属酸化物膜と透過性を有する光吸収薄膜よりなる光学多層膜と、この光学多層膜の透過光を反射する反射層とからなり、前記投射光に対応する特定波長領域の光に対して反射特性を有し、前記特定波長領域を除く波長領域の光に対して吸収特性を有する選択反射層を備え、前記反射膜直上の金属酸化物膜は、前記吸収特性の波長領域が前記投射光の赤色成分の輝線ピークの波長と緑色成分の輝線ピークの波長との間、及び緑色成分の輝線ピークの波長と青色成分の輝線ピークの波長との間となるように屈折率及び/または膜厚が調整されてなることを特徴とするスクリーンである(請求項1)。
請求項1の発明においては、光学多層膜と反射層とで構成される選択反射層に入射した光のうち、投射光に対応する特定波長領域の光が反射され、それ以外の波長領域の光は吸収される。これにより、投射光に依る白レベルをほとんど下げることなく、外光に依る黒レベルを下げることが可能となり、明光下において高輝度、高コントラストのスクリーンが得られる。
上記選択反射層に用いられる反射層は、例えば、金属基板、基板上に形成される金属膜、あるいは光学多層膜に形成される金属膜であり、その金属材料としては、好ましくはAl、Nb及びAgのいずれかの金属又は合金が用いられる。金属膜の場合、光が透過しない厚さが必要で、50nm以上が好ましい。
光学多層膜は、複数の金属酸化物膜と少なくとも1層の透過性を有する光吸収薄膜が積層されてなる。金属酸化物膜は、例えば、Nb、TiO、Ta、Al又はSiOからなる誘電体膜、あるいはIn、SnO、ZnO、In−SnO化合物、またはこれらのいずれかに金属がドープされた材料からなる導電膜などが用いられる。また、可視波長領域で透明な熱硬化性樹脂等も用いることができる。
ここで、金属酸化物膜は金属酸化物膜の屈折率と反射させたい波長領域すなわち特定波長領域に応じて設計されるが、前記反射膜直上の金属酸化物膜以外の金属酸化物膜は反射する光の色度バランスをとるために屈折率及び/または膜厚が調整されるとよい。
特定波長領域は、投射光の主要構成波長領域、例えばRGBの三原色波長領域が選択される。また、投射光の光源においてRGBの各色光の強度が異なる場合、光学多層膜の膜構成及び膜厚設計によって選択反射層のRGB各色光に対する反射強度を調整することで、RGB各色光の強度のばらつきによる映像の色の偏りを補正することも可能である。
透過性を有する光吸収薄膜は、屈折率が1以上で吸収係数が0.5以上の材料により形成される。このような材料としては、Nb、Nb系合金、C、Cr、Fe、Ge、Ni、Pd、Pt、Rh、Ti、TiN、TiN、Mn、Ru、PbTe等が挙げられる。膜厚は2〜20nmの範囲が好ましい。2nm未満では目的とする光吸収が得られず、20nmを超えると必要な透過性が損なわれるおそれがある。
なお、視認性の良好な映像を表示するために、選択反射層の上に反射光を散乱させる拡散層が形成されることが好ましい。ここで、前記拡散層と選択反射層との間に、両者を接合し前記特定波長領域の光を吸収する色素を含有する粘着剤層を備えることがより好ましく、該粘着剤層がさらに黒色色素を含有することがとくに好ましい。
また、拡散層の代わりに、基板表面に拡散構造となる複数の凸部又は凹部を設けて、その上に均一な膜厚の選択反射層を形成する構成としてもよい。
上記スクリーンは、請求項8の発明によって製造することができる。
すなわち、請求項8の発明のスクリーンの製造方法は、 複数の金属酸化物膜と透過性を有する光吸収薄膜よりなる光学多層膜と、この光学多層膜の透過光を反射する反射層とを形成し、特定波長領域の光に対して反射特性を有し、前記特定波長領域を除く波長領域の光に対して吸収特性を有する選択反射層とする選択反射層形成工程を含み、前記選択反射層形成工程は、前記吸収特性の波長領域が前記投射光の赤色成分の輝線ピークの波長と緑色成分の輝線ピークの波長との間、及び緑色成分の輝線ピークの波長と青色成分の輝線ピークの波長との間となるように前記反射膜直上の金属酸化物膜の屈折率及び/または膜厚を設定する工程を含むことを特徴とする。
ここで、前記選択反射層形成工程は、前記選択反射層が反射する光の色度バランスをとるために前記反射膜直上の金属酸化物膜以外の金属酸化物膜の屈折率及び/または膜厚を設定する工程を含むことが好適である。
本発明のスクリーンによれば、特定波長領域の光を反射し、それ以外の光を吸収する選択反射層を、光学多層膜と反射層とで構成して備えることにより、投射光を主に反射して、外光は大部分吸収することが可能となり、明光下において高輝度、高コントラストのスクリーンを実現することができる。また、RGBの各色波長領域の反射強度が調整された選択反射層を用いることにより、色バランスのとれた映像を提供することができる。
本発明のスクリーンの製造方法によれば、特定波長領域の光に対して反射特性を有し、特定波長領域を除く波長領域の光に対して吸収特性を有し、明光下において高輝度、高コントラストのスクリーンを容易に得ることができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明のスクリーンの第1の実施の形態を示すもので、基板1上に、RGB三原色波長領域のような特定波長領域の光を反射し、それ以外の波長領域の光を吸収する選択反射層2として、金属膜3と、金属酸化物膜4Di(i=1、2、…)及び透過性を有する光吸収薄膜4Mj(j=1、2、…)よりなる光学多層膜4とが形成されており、さらにその上に選択反射層2の反射光を散乱させる拡散層5が形成されている。
基板1はスクリーンを支持するものであり、種々の材料を使用することができる。スクリーンとして可撓性を持たせたい場合には、厚さが例えば百μm単位のプラスチックフィルムが用いられる。このようなプラスチック材料としては、例えばポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリオレフィン(PO)等が挙げられる。
選択反射層2は、プロジェクタからの投射光を主に反射し、それ以外の波長領域光を吸収するよう、投射光の波長領域、例えば三原色波長領域に合わせて設計されるもので、投射光の波長領域はプロジェクタの光源によって異なる。このような選択反射層2は、金属膜3と、少なくとも金属酸化物膜4D1及び透過性を有する光吸収薄膜4M1を含む光学多層膜4とにより構成される。
金属膜3は、光学多層膜4を透過した光を反射する反射層として形成されるもので、好ましくは可視波長領域において略均一に反射率の高い金属材料、例えばAl、Ag、Nb等の金属あるいは合金(例えば、AlSiCu等のAl系合金やAgPdCu等のAg系合金など)が用いられる。膜厚は、光が透過しない厚さが必要で、50nm以上が好ましい。このような金属膜3は、蒸着法やスパッタリング法等を用いて基板1上に成膜される。
光学多層膜4を構成する金属酸化物膜4Diは、例えばNb(五酸化ニオブ)、TiO(二酸化チタン)、Ta(五酸化タンタル)、Al(酸化アルミニウム)又はSiO(二酸化シリコン)などの透明な誘電体膜、あるいはIn(酸化インジウム)、SnO(酸化錫)、ZnO(酸化亜鉛)、In−SnO化合物(ITO)、またはこれらのいずれかに金属がドープされた材料(例えば、ZnO:Al、ZnO:Gaなど)からなる透明な導電膜からなり、金属膜3又は光吸収薄膜4Mj上に、例えばスパッタリング法を用いて成膜される。また、金属酸化物膜4Diは可視波長領域で透明な樹脂膜でもよい。この場合、熱や紫外線で硬化する熱硬化性樹脂等を用いて塗布法により形成することができる。
透過性を有する光吸収薄膜4Mjは、屈折率が1以上で吸収係数が0.5以上の材料により形成される。このような材料としては、例えば、Nb、Nb系合金、C、Cr、Fe、Ge、Ni、Pd、Pt、Rh、Ti、TiN、TiN、Mn、Ru、PbTe等が挙げられる。膜厚は2〜20nmの範囲が好ましい。2nm未満では十分な光吸収性が得られず、20nmを超えると光透過性が得られないおそれがある。光吸収薄膜4Mjは金属酸化物膜4Di上に、例えばスパッタリング法を用いて成膜される。
上記選択反射層2は、例えば三原色波長領域の光に対して、例えば反射率が60%以上という高い反射特性を有するとともに、この三原色波長領域以外の波長領域の光に対しては、例えば吸収率が50%以上という高い吸収特性を有するように、光学多層膜の設計が行われる。ここで、金属酸化物膜4Diの各膜厚は、その各膜の厚さをd、その各膜の屈折率をn、この光学多層膜に入射した光のうち反射させたい光の各波長をλとすると、各膜の光学的厚さndが各波長λに対して数1に示した式を満足するように設計される。
(数1)
nd=λ(α±1/4)(但し、αは自然数である)
この式に従って、三原色波長領域それぞれに反射率ピークを有するように設計すると、すなわち、金属酸化物膜4Diにおいてλとして三原色波長を設定し、該三原色それぞれの波長ごとにαの値を調整し光学的厚さndがほぼ同じ値をとるようにすると、光学的厚さndは結果的に前記三原色波長における最小公倍数となることから、金属酸化物膜4Diは厚膜となる。さらに金属酸化物膜4Diの材料すなわち屈折率を適切に選択することにより、必要な厚膜の膜厚を決定することができ、この金属酸化物膜4Diだけで目的の三原色波長すべての反射を満足するようになるので光学多層膜4の積層数を低減することができる。例えば、金属膜3直上の金属酸化物膜4D1の光学膜厚(nd)を1000以上とすると(すなわち金属酸化物膜の構成材料がNb(n=2.3)ではd=435nm以上、SiO(n=1.46)ではd=685nm以上とすると)、金属酸化物膜4Diとしては金属酸化物膜4D1の1層で三原色波長領域それぞれに反射率ピークを作ることが可能である。
また例えば、Alからなる金属膜3上に、光学多層膜4としてNbからなる金属酸化物膜4D1と、Nbからなる光吸収薄膜4M1を順次積層した構成においては、設計により図2に示すような光学特性を有する選択反射層2が得られる。これは、三原色波長域光に対して、例えば80%以上の高い反射率を有し、この三原色波長域光以外の波長領域の光に対しては、例えば80%以上の高い吸収率を有し、また全波長領域の光に対して例えば略0%の透過率を有するよう設計されたもので、Al膜(金属膜3)の厚さが50nm、Nb膜(金属酸化物膜4D1)の厚さが539nm、Nb膜(光吸収薄膜4M1)の厚さが6nmである。なお、ここでは赤色光(R)の波長領域が642nm前後、緑色光(G)の波長領域が532nm前後、青色光(B)の波長領域が457nm前後の場合を例にあげて設計されている。
ところで、金属酸化物膜4D1の下に金属膜3が設けられた構成においては、光学多層膜に入射した光の位相が反転するため、前述の金属酸化物膜単体を前提とした反射率曲線における反射率ピークは吸収率ピークとなる。したがって、前記数1の式を用いると吸収率ピークの波長領域としての位置を調整することが可能となる。すなわち、金属酸化物膜4Diの各膜厚は、その各膜の厚さをd、その各膜の屈折率をn、この光学多層膜に入射した光のうち吸収させたい光の各波長をλとすると、反射(吸収)特性として外光など映像として排除したい光の波長領域に吸収率ピークを持ってくるという観点で金属酸化物膜の光学的厚さndを設計することができる。
数1の式に従って、三原色波長領域以外の波長領域に吸収率ピークを有するように設計すると、すなわち、金属酸化物膜4D1においてλが投射光の赤色成分の輝線ピークの波長と緑色成分の輝線ピークの波長との間、及び緑色成分の輝線ピークの波長と青色成分の輝線ピークの波長との間となるように設定し、該赤色成分の輝線ピークの波長と緑色成分の輝線ピークの波長との間、緑色成分の輝線ピークの波長と青色成分の輝線ピークの波長との間それぞれの波長ごとにαの値を調整し光学的厚さndがほぼ同じ値をとるようにする。さらに金属酸化物膜4D1の材料すなわち屈折率を適切に選択することにより、必要な膜厚を決定することができ、この金属酸化物膜4D1だけで目的の投射光の赤色成分の輝線ピークの波長と緑色成分の輝線ピークの波長との間、及び緑色成分の輝線ピークの波長と青色成分の輝線ピークの波長との間それぞれの波長における吸収を満足するようになる。例えば、投射光の赤色成分の輝線ピークの波長と緑色成分の輝線ピークの波長との間の波長を629nm、緑色成分の輝線ピークの波長と青色成分の輝線ピークの波長との間の波長を498nmとし、金属膜3直上の金属酸化物膜4D1の構成材料をNb(n=2.3)とすると、該金属酸化物膜4D1の膜厚d≒450nmあるいはd≒560nmが得られ、これらの膜厚で金属酸化物膜4D1を形成することで、投射光の赤色成分の輝線ピークの波長と緑色成分の輝線ピークの波長との間、緑色成分の輝線ピークの波長と青色成分の輝線ピークの波長との間それぞれの波長において吸収率ピークを作ることが可能となる。なお、金属酸化物膜4D1の膜厚を設定するに当って、合わせてその構成材料を選択することにより屈折率を調整するようにしてもよい。
ここで、選択反射層2を、Alの金属膜3上に、光学多層膜4として、Nb(450nm厚)の金属酸化物膜4D1、Nb(3nm厚)の光吸収薄膜4M1、Nb(450nm厚)の金属酸化物膜4D2が順次積層された構成のもの(サンプル1)と、選択反射層2を、Alの金属膜3上に、光学多層膜4として、Nb(560nm厚)の金属酸化物膜4D1、Nb(3nm厚)の光吸収薄膜4M1、Nb(560nm厚)の金属酸化物膜4D2が順次積層された構成のもの(サンプル2)とを作製し、それぞれのサンプルについてプロジェクタ光の入射角と色ずれとの関係を調査した。プロジェクタ光源としてUHPランプを光源としたプロジェクタ(ソニー(株)製HS50)を用い、そのプロジェクタからの白色光を入射角0,40,50度と変化させて投射し、その反射光を分光放射輝度計(フォトリサーチ社製PR650)により色座標xyを測定した。ついで、その色座標xyからCIE1976 USC色度図に基づき色座標u´v´に変換した後、u´v´色度図上での距離による色差を計算し、次の式に従って入射角0度からの色ずれ(ΔJND)を求めた。
(数2)
ΔJND=(Δu´+Δv´2/1/0.004
その結果を表1に示す。
プロジェクタ光の入射角が大きくなるにつれ、サンプル2の色ずれ(ΔJND)が非常に大きくなる。それに対して、サンプル1では色ずれは比較的小さい。そのため、金属酸化物膜4D1の膜厚はスクリーンの観察角度が大きい場合でも色ずれの小さい、450nmとすることが好ましいことが分かる。
Figure 2006284912
つぎに、図3(a)に前記サンプル1の反射特性を示す。その結果、投射光の青色波長領域における反射率が比較的低く、色度バランスが悪いことが示唆された。そこで、金属酸化物膜4D2の屈折率及び/または膜厚を調整することにより、選択反射層2が反射する光の色度バランスの調整を行った。具体的には、金属酸化物膜4D2の構成材料を選択することにより屈折率を決定し、その膜厚を変化させながら、反射光の色度バランスが基準スクリーン(ホワイトスクリーン)の反射光の色度バランスに最も近づく膜厚を検討した。その結果、金属酸化物膜4D2の構成材料をNbとした場合、その膜厚は330nmであった。
図3(b)に、Alの金属膜3上に、光学多層膜4として、Nb(450nm厚)の金属酸化物膜4D1、Nb(3nm厚)の光吸収薄膜4M1、Nb(330nm厚)の金属酸化物膜4D2が順次積層された構成のもの(サンプル3)を作製し、その反射特性を測定した結果を示す。投射光の赤色成分の輝線ピークの波長と緑色成分の輝線ピークの波長との間の波長と、緑色成分の輝線ピークの波長と青色成分の輝線ピークの波長との間の波長に吸収率ピークを有したまま、青色波長領域の反射率が向上していることが分かる。
また、サンプル1,3について、プロジェクタ(ソニー(株)製HS50)から白色光を入射角0で投射し、その反射光を分光放射輝度計(フォトリサーチ社製PR650)により色座標xyを測定した。ついで、前記プロジェクタの白色光の色座標を基準として、数2の式に従ってそれぞれのサンプルの色ずれ(ΔJND)を求めた。
その結果を表2に示す。サンプル1に比べてサンプル3の色座標xyはともに小さくなっており、選択反射膜2の青色波長領域の反射率を向上することで、反射光も青色方向にシフトさせることができ、色ずれも小さくすることができた。
Figure 2006284912
このような構成を有する選択反射層2は、三原色波長域光に対して高反射特性を有し、三原色波長域光以外の波長領域の光に対して高吸収特性を有するので、外光レベルが高い環境でもスクリーンの白レベルは高いままで黒レベルは低く抑えられる。また、選択反射層2を構成する光学多層膜4の積層数が少なく、膜厚が薄いことから、可撓性を有する基板を用いることで、可撓性を有するスクリーンを作成することができる。
また、本発明では金属酸化物膜4Diを厚膜にすることにより、光学多層膜4としての積層数が低減できるとともに、金属酸化物膜4Diの膜厚の合わせ込みが容易となり、光学多層膜4を製造し易くなるという効果がある。
本来、金属酸化物膜4Diをスクリーンとして大面積に成膜しようとするとその膜厚が設計膜厚からずれることがあるが、この膜厚ずれにより選択反射層2の光学特性がスクリーンとして問題となる可能性がある。本発明では金属酸化物膜4Diの膜厚ずれによる光学特性の変化が大きいため、その膜厚ずれを容易に検出でき、その膜厚補正が可能である。以下、その検出方法について説明する。
図4は、金属膜3(Al)上にNbからなる金属酸化物膜4D1を形成した段階のものの反射特性を示した図である。図中、曲線(a)は金属酸化物膜4D1の膜厚が設計膜厚(450nm)である場合の反射特性を示しており、反射率のボトムである吸収ピークA,B,Cを有している。また、曲線(b)は金属酸化物膜4D1の膜厚が設計膜厚よりも1%厚い場合、曲線(c)は設計膜厚よりも1%薄い場合の反射特性を示している。
ここで、反射特性のカーブは金属酸化物膜4Diの膜厚の変動により波長軸方向に平行移動(シフト)する傾向があり、これに伴って吸収ピークも金属酸化物膜4Diの膜厚が設計膜厚よりも薄い場合には短波長側に、設計膜厚よりも厚い場合には長波長側にシフトし、そのシフト量は膜厚ずれの大きさに比例する。したがって、曲線(a)における吸収ピークA,B,Cのいずれかに相当する吸収ピークをモニターしておけば、金属酸化物膜4Diの膜厚ずれの検出が可能である。
例えば図4において、曲線(a)の吸収ピークBの位置(波長約495nm)を予め確認しておき、製造したものの反射特性を測定してその吸収ピークBに相当する吸収ピークの位置と比較することで、金属酸化物膜4D1の膜厚ずれの有無が分かる。また、膜厚ずれ量(実際の膜厚と設計膜厚との差)と吸収ピークのシフト量との相関を予め求めておけば、吸収ピークの位置を測定するだけで製造した金属酸化物膜4Diの膜厚ずれ量が分かり補正が容易である。図4においては金属酸化物膜4D1の設計膜厚に対して1%の膜厚ずれでも検出できることを示している。
また、このときの金属膜3、金属酸化物膜4D1、光吸収薄膜4M1の厚さを基準として、全ての膜の膜厚を同じ割合で変化させると、RGBの各波長領域において、図5の(1)〜(3)に示したような反射率変化となる。さらに、スクリーンに対する入射角度を変化させると、RGBの各波長領域において、図6の(1)〜(3)に示したような反射率変化となる。ここで、比較例として、本出願人と同一の出願人が特願2002−070799号にて提案しているスクリーンの選択反射層の反射率変化の膜厚依存性を図5の(4)〜(6)に、反射率変化の入射角度依存性を図6の(4)〜(6)に併せて示しておく。比較例の選択反射層は、高屈折率層(Nb)と低屈折率層(SiO)を交互に積層した光学多層膜である。
図5及び図6に示すように、本実施の形態の選択反射層2は、比較例と比べて膜厚依存性が小さく、したがって入射角度依存性も小さくなるため、広視野角特性が得られる。
本実施の形態の選択反射層における光学多層膜は、最小積層数が2層であるが、さらに層数を増やすことができる。例えば、50nm厚のAlの金属膜3上に、534nm厚のNbの金属酸化物膜4D1、19nm厚のNbの光吸収薄膜4M1、534nm厚のNbの金属酸化物膜4D2が順次積層された光学多層膜4の積層数が3層の構成では、図7に示すような光学特性となる。図2に示す光学多層膜4の積層数が2層の構成と比較して、三原色波長領域における反射ピークの半値幅が小さくなり、スクリーンの黒レベルをさらに下げることが可能になる。
さらに光学多層膜4の積層数を5層とし、50nm厚のAlの金属膜3上に、例えば、551nm厚のNbの金属酸化物膜4D1、17nm厚のNbの光吸収薄膜4M1、551nm厚のNbの金属酸化物膜4D2、13nm厚のNbの光吸収薄膜4M2、551nm厚のNbの金属酸化物膜4D3が順次積層された構成では、図8に光学多層膜4の積層数が3層の場合と比較して示すように、三原色波長領域における反射ピークの半値幅がさらに小さくなっている。このように、光学多層膜4の積層数が多くなるにつれて、三原色波長領域における反射ピークの半値幅は小さくなる。
また、三原色波長領域における反射ピークの半値幅は、金属酸化物膜4Diの屈折率によっても変化する。図9は、Alの金属膜3上に3層構成の光学多層膜4を形成した選択反射層2において、金属酸化物膜4D1、4D2にNb(屈折率2.4)を用いた場合(Al-Nb-Nb-Nb)と、SiO(屈折率1.46)を用いた場合(Al-SiO-Nb-SiO)のそれぞれの光学特性を示すもので、金属酸化物膜4Diの屈折率が小さいほど、三原色波長領域における反射ピークの半値幅が小さくなる傾向を有する。したがって、金属酸化物膜4Diの誘電体材料は、必要とされるスクリーンの光学特性に応じて適宜に選択される。ちなみに、三原色波長領域における反射ピークの半値幅が小さいほど黒レベルが下がるが、視野角は反射ピークの半値幅が大きいほど広くなる。
上述したように、選択反射層2は金属膜3と光学多層膜4とで構成されるが、金属膜3は光学多層膜4の透過光を反射するもので、選択反射層2の光学特性は光学多層膜4に依存する。図10〜図12は、金属膜3がない光学多層膜4のみの光学特性(図中、実線曲線で示す。)とAlの金属膜3がある場合の光学特性(図中、破線で示す。)を示す反射スペクトル図である。なお、ここでは、光学多層膜4を金属酸化物膜4D1、4D2にNbを用いた3層構造とし、金属酸化物膜4D1、4D2間の光吸収薄膜4M1をそれぞれ19nm厚のNb膜(図10)、17nm厚のTi膜(図11)、15nm厚のCr膜(図12)としている。このように、三原色波長領域以外の波長領域において反射率が非常に低くなる光学多層膜4が金属膜3上に形成されることで、本発明の光学特性を有する選択反射層2が得られる。比較のために、光吸収薄膜4M1のみ15nm厚のAl膜とした場合の光学特性を図13に示す。光吸収薄膜にAlを用いた場合には、反射率の下限が上昇し、金属膜3上に形成しても本発明の選択反射層2としての光学特性は得られないことがわかる。
また、光学多層膜4は、金属酸化物膜4Diと光吸収薄膜4Mjを交互に積層したものに限定されない。例えば、Al(50nm厚)の金属膜3上に、光学多層膜4として、Nb(534nm厚)の金属酸化物膜4D1、Nb(19nm厚)の光吸収薄膜4M1の2層構造上に、Nb(538nm厚)の金属酸化物膜4D2、SiO(988nm厚)の金属酸化物膜4D3、Nb(518nm厚)の金属酸化物膜4D4が順次積層された構成では、図14に示すような光学特性を有する。この光学多層膜4の設計は、図7に示す設計より、三原色波長領域における反射率ピークをさらに高くしたもので、これによりスクリーンの白レベルをさらに上昇させることができる。これはプロジェクタの光源パワーが低い場合に有効である。
光学多層膜4のさらに他の設計例としては、プロジェクタの光源がRGBの各波長領域において強度が異なる場合に対応して、選択反射層2のRGBの各波長領域における反射強度を変えたものが挙げられる。例えば、Al(50nm厚)の金属膜3上に、光学多層膜4として、SiO(554nm厚)の金属酸化物膜4D1、Nb(327nm厚)の金属酸化物膜4D2、Nb(6nm厚)の光吸収薄膜4M1が順次積層された構成では、図15に示すような光学特性を有する。これは、青色光(B)と赤色光(R)に比べて、緑色光(G)の波長領域における反射率を低くしたものである。
また、例えば、Al(50nm厚)の金属膜3上に、光学多層膜4として、SiO(429nm厚)の金属酸化物膜4D1、Al(392nm厚)の金属酸化物膜4D2、Nb(254nm厚)の金属酸化物膜4D3、Nb(6nm厚)の光吸収薄膜4M1が順次積層された構成では、図16に示すような光学特性を有する。これは、青色光(B)と緑色光(G)に比べて、赤色光(R)の波長領域における反射率を低くしたものである。
このように、選択反射層2の膜構成及び膜厚設計により、特定反射領域に三原色波長領域を含ませ、それぞれの反射強度を調整することが可能である。上記選択反射層2の構成は、GLVを用いたレーザプロジェクタや発光ダイオード(LED)プロジェクタなどのように三原色波長領域に鋭い輝線ピークを有する光源に対して好適である。
ところで、SXRD等のキセノン光源や液晶プロジェクタ等の高圧水銀ランプ(UHP)光源の場合には、光源が可視光領域全体にスペクトルを有することから、上記のような選択反射層2の膜厚設計により三原色波長領域に反射ピークを配置してもコントラストの向上効果はあまり見られない。そこでこの場合には、外光、特に蛍光灯の光の輝線ピークを選択的に吸収するように選択反射層2を設計することが好ましい。
すなわち、図1に示す、金属膜3と、少なくとも金属酸化物膜4D1及び透過性を有する光吸収薄膜4M1を含む光学多層膜4とにより構成される選択反射層2は、蛍光灯等の外光を主に吸収し、それ以外の波長領域光を反射するよう、外光の波長スペクトルに合わせて設計されるものである。
また上記選択反射層2は、例えば蛍光灯等の外光の輝線スペクトルに対して、例えば吸収率が70%以上という高い吸収特性を有するとともに、この波長領域以外の波長領域の光に対しては、例えば反射率が70%以上という高い反射特性を有するように、光学多層膜の設計を行えばよい。具体的には、選択反射層2の吸収特性を示す波長領域に、蛍光灯等の外光の輝線ピークの波長を含むように設計する。
例えば、Alからなる金属膜3上に、光学多層膜4としてNbからなる金属酸化物膜4D1と、Nbからなる光吸収薄膜4M1を順次積層した構成においては、設計により図17(b)に示すような光学特性を有する選択反射層2が得られる。これは、蛍光灯の輝線スペクトルの領域では、例えば80%以上の高い吸収率を有し、この波長域光以外の波長領域の光に対しては、例えば80%以上の高い反射率を有するよう設計されたものであり、Al膜(金属膜3)の厚さが50nm、Nb膜(金属酸化物膜4D1)の厚さが975nm、Nb膜(光吸収薄膜4M1)の厚さが12nmである。なお、ここでは、蛍光灯の輝線ピーク波長が、544nmおよび612nmの場合(図17(a))を例に挙げて設計されている。また、Nb膜のバリア膜として、例えばSiO2を50nm程度付加しても、光学特性上影響はほとんどない。
あるいは、外光がハロゲンランプの光のような場合には、吸収特性を有する波長領域を、予定光源の赤色成分の輝線ピークの波長と緑色成分の輝線ピークの波長との間、及び緑色成分の輝線ピークの波長と青色成分の輝線ピークの波長との間に配置するように選択反射層2を設計することが好ましい。
図18にその例を示す。ここでは、選択反射層2を、Al(100nm厚)の金属膜3上に、光学多層膜4として、Nb(450nm厚)の金属酸化物膜4D1、Nb(3nm厚)の光吸収薄膜4M1、Nb(330nm厚)の金属酸化物膜4D2が順次積層された構成とすることにより、光源であるUHPランプの輝線スペクトルのうち、波長440nmの輝線ピークと550nmの輝線ピークとの間、及び550nmの輝線ピークと610nmの輝線ピークとの間に、より詳しくは波長570nmと600nmとの間、500nmと530nmとの間に、選択反射層2の吸収特性を有する波長領域(吸収ピーク)がくるようにしている。
このような構成を有する選択反射層2は、プロジェクタ光に対して高反射特性を有し、蛍光灯等の外光に対して高吸収特性を有するので、外光レベルが高い環境でもスクリーンの白レベルは高いままで黒レベルは低く抑えられる。
本発明によるコントラストの改善効果を表3に示す。ここでは、反射層として選択反射層(Al膜(金属膜3)厚さが50nm/Nb膜(金属酸化物膜4D1)厚さが975nm/Nb膜(光吸収薄膜4M1)厚さが12nm)、及びAl膜を用いて、プロジェクタ光源としてのキセノンランプ、蛍光灯それぞれの反射輝度を測定した結果を示している。また、コントラストは、プロジェクタ光源の反射輝度と蛍光灯の反射輝度の和を蛍光灯の反射輝度で除したものである。本発明の選択反射層のコントラストは、プロジェクタ光源、蛍光灯それぞれの光を同じ割合で反射するAl膜の場合よりも向上しており、本発明の選択反射層においては蛍光灯の光を吸収する割合がプロジェクタ光源の光を吸収する割合よりも高いことがわかる。
Figure 2006284912
なお、コントラストの改善に関して、基板1の選択反射層2を形成する面は、選択反射層2との密着性や成膜時のフィルム走行性などに問題が起こらない範囲でできるだけ表面粗さの小さい平坦面であることが好ましい。
基板1の表面粗さがコントラストに及ぼす影響を表4に示す。ここでは、市販のPENフィルム(厚み100μm)を基板1とし、該基板1に選択反射層(Al膜(金属膜3)厚さが50nm/Nb膜(金属酸化物膜4D1)厚さが975nm/Nb膜(光吸収薄膜4M1)厚さが12nm)を形成したサンプルAと、前記PENフィルムの表面に微粒子を分散させたバインダー層を形成したものを基板1とし、その表面にサンプルAと同じ構成の選択反射層を形成したサンプルBとを用いて、プロジェクタ光源としてのキセノンランプ、蛍光灯それぞれの反射輝度を測定した結果を示している。ここで、選択反射層形成前のサンプルA用基板(市販のPENフィルム),サンプルB用基板(PENフィルムの表面に微粒子を分散させたバインダー層を形成してもの)、サンプルA,Bそれぞれを5mm角に切り出し、その表面の10μm角の領域内について、走査型プローブ顕微鏡(SPM、Digital Instruments社製Nanoscope4)を用いて表面粗さを測定したところ、サンプルA用基板は中心線平均粗さ(Ra)1.4nm、最大高さ(Rmax)45nm、サンプルB用基板はRa6.3nm、Rmax198nm、サンプルAはRa4.2nm、Rmax44nm、サンプルBはRa12.1nm、Rmax233nmであった。また、サンプルA,Bともに選択反射層2と基板1との密着性は問題なかった。
Figure 2006284912
表4に示す通り、基板の表面粗さの小さいサンプルAではプロジェクタ光の反射光は拡散が抑制されてその反射輝度はサンプルBよりも増加し、蛍光灯の光の反射光は拡散が抑制されることにより黒レベルが低下することとなり、サンプルBよりもコントラストが向上する。
また、蛍光灯の光の輝線ピークを選択的に吸収する選択反射層2のその他の構成例として、上記光学多層膜4の膜構成のうち、金属酸化物膜4D1の構成材料について、Nbに代えてウェットプロセスで形成される透明樹脂としたものであってもよい。その光学特性を図19に示す。この場合も蛍光灯の輝線スペクトルの領域では、例えば80%以上の高い吸収率を有し、この波長域光以外の波長領域の光に対しては、例えば80%以上の高い反射率を有するよう設計されたものであり、Al膜(金属膜3)の厚さが50nm、熱硬化型樹脂JSR製オプスター(JN7102、屈折率1.68)により塗布形成された樹脂膜(金属酸化物膜4D1)の厚さが1372nm、Nb膜(光吸収薄膜4M1)の厚さが12nmである。
さらに、外光がハロゲンランプの光である場合の本発明によるコントラストの改善効果を表5に示す。ここでは、反射層として選択反射層(Al膜(金属膜3)厚さが100nm/Nb膜(金属酸化物膜4D1)厚さが450nm/Nb膜(光吸収薄膜4M1)厚さが3nm)/Nb膜(金属酸化物膜4D2)厚さが330nm)、及びAl膜を用いて、プロジェクタ光源としてのUHPランプ、ハロゲンランプそれぞれの反射輝度を測定した結果を示している。本発明の選択反射層のコントラストは、プロジェクタ光源、ハロゲンランプそれぞれの光を同じ割合で反射するAl膜の場合よりも向上しており、本発明の選択反射層においてはハロゲンランプの光を吸収する割合がプロジェクタ光源の光を吸収する割合よりも高いことがわかる。
Figure 2006284912
上記選択反射層2の上に形成される拡散層5は、例えばマイクロレンズアレー(MLA)が形成された拡散板であり、可撓性を有する。この拡散層5では、選択反射層2で反射された三原色波長域光が散乱される。これによって、視野角が大きくなり良い視野特性が得られる。また、拡散層5は、例えば直径が数μm〜数mm程度である球状の複数のビーズが等間隔に配列されたものでもよい。これらのビーズは例えばガラスや高分子材料等の透明な材料からなる。また、拡散層5は、所定の媒質中に例えば銀(Ag)や銅(Cu)等の金属微粒子が分散されたものでもよい。さらに、拡散層5は、表面に微細な凹凸形状がランダムに形成された拡散板であってもよい。
また、拡散層5は、光の出射光が目的の範囲内に収まるようにする特性、すなわち拡散角が縦方向と横方向で異なる特性(異方性)を有する光拡散面を備えたものであることが好ましい。望ましくは、縦方向の拡散角は輝度半値幅として20度程度、横方向の拡散角は輝度半値幅として40度程度がよい。これにより、スクリーンから放出される光が目的の視野内に指向せしめるように制御されるため、視認性のよいスクリーンとすることができる。また縦方向の拡散角を見た目の違和感のない範囲内で収めることにより、プロジェクタ装置からの投射光とは拡散層5への入射角が異なる外光の影響を低減させることができ、表示される映像のコントラストを向上させることができる。
さらに、拡散層5は、前記縦方向および前記横方向のいずれか一方または両方において、入射角0°で拡散面に照射した光の前記拡散面からの拡散光輝度の角度依存性を測定した時に最大輝度の軸ずれを有しているとよい。あるいは、前記縦方向および前記横方向のいずれか一方または両方において、入射角0°で拡散面に照射した光の前記拡散面からの拡散光輝度の角度依存性を測定した時に最大輝度軸が拡散層5主面の法線方向に対して傾いており、該最大輝度軸に対して前記輝度分布が非対称であるとよい。
これにより、スクリーンのどの場所においても放出される光が目的の視野内に指向せしめるように制御されるため、高く均一な輝度やゲインを得ることができ、さらに視認性のよいスクリーンを提供することができる。
なお、これらの特性は、光拡散面として、拡散層5主面の法線に対して非対称な凸または凹形状の微細表面要素を有することにより達成される。具体的には、金型に対する研削材の吹き付け角度をすべて90°未満であるようにしたサンドブラスト処理により形成された金型表面の凹凸形状を転写することにより前記光拡散面を得ることができる。
本実施の形態のスクリーンは次のようにして製造することができる。ここでは、光学多層膜4の積層数が2層の場合を例に挙げて説明する。例えば100μm厚さのプラスチックからなる基板1上に、例えばスパッタリング法を用いて、金属膜3、金属酸化物膜4D1、透過性を有する光吸収薄膜4M1を順次積層し、選択反射層2を形成する。その際、金属膜3の膜厚は50nm以上とし、光学多層膜4は、金属膜3上に形成されることで、赤色光、緑色光及び青色光の三原色波長領域光に対して高反射特性を有するとともに、この三原色波長領域以外の波長領域光に対して高吸収特性を有するよう、設計する。最後に、光学多層膜4の上に、例えば拡散層5となる拡散板を貼り合わせることによって、可撓性を有するスクリーンが得られる。
なお、金属酸化物膜4D1については樹脂液を塗布・硬化させて膜形成するようなウェットプロセスによって形成してもよい。
このような光学特性の選択反射層を備えたスクリーンは、フロント式のプロジェクタ装置のスクリーンとして用いられる。プロジェクタ装置としてはGLVを用いたレーザプロジェクタやLEDプロジェクタなどが挙げられるが、このような三原色狭帯域光を出射するレーザ発振器や発光ダイオード(LED)を光源に持つプロジェクタに限らず、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、キセノンランプなどの光源を有するプロジェクタなども用いられる。
上述したように、本実施の形態においては、金属酸化物膜と透過性を有する光吸収薄膜よりなる光学多層膜を金属膜上に形成することにより、例えば三原色波長領域の光に対して高反射特性を有し、それ以外の波長領域の光に対しては高吸収特性を有するスクリーンを得ることができ、白レベルが高く、黒レベルの低い、したがって高輝度、高コントラストのスクリーンを実現することができる。
また、金属酸化物膜と透過性を有する光吸収薄膜よりなる光学多層膜は、高屈折率層と低屈折率層を交互に積層した光学多層膜と比べて、膜厚依存性が小さく、入射角依存性が小さいため、広い視野角を得ることができ、大画面化を図ることができるとともに、製造マージンを大きくすることができ、生産性を向上させることができる。
また、光学多層膜における金属酸化物膜の屈折率や積層数により、例えば三原色波長領域における反射ピークの半値幅を小さくしたり、又は大きくしたり、任意に調整することができ、プロジェクタの光源に合わせて、コントラストと視野角を考慮した画質の優れたスリーンを得ることができる。
また、光学多層膜の設計により、三原色波長領域の光に対する反射率を上げたり、又は下げたり、任意に調整することができ、プロジェクタの光源パワーに合わせた高コントラストのスクリーンを実現することができる。
また、光学多層膜の設計により、RGBの各波長領域における反射率をそれぞれ調整することができ、RGBの各波長領域におけるプロジェクタの光源強度に合わせて映像の色調整が可能なスクリーンを実現することができる。
また、光学多層膜の設計により、吸収特性を示す波長領域を調整することができ、外光の輝線ピークの波長を吸収特性を示す波長領域に含ませて高コントラストのスクリーンを実現することができる。
さらに、本実施の形態においては、使用形態に合わせて任意の材料の基板を用いることができ、可撓性を有する基板を用いた場合には、選択反射層の金属膜及び光学多層膜の膜厚が薄いため、可撓性を有するスクリーンを得ることができる。
なお、本実施の形態では、図1に示すように、選択反射層2の上に拡散層5が形成されているが、本実施の形態の変形例として、図20に示すように、基板1の表面に多数の凸部6(あるいは凹部)を設けて、その上に基板1の表面形状にそった形状の選択反射層2を形成するようにしてもよい。この構成では、凸部6(あるいは凹部)の形状によって光の散乱を制御することができるので、拡散層5が不要となり、スクリーンの厚さをさらに薄くすることができるとともに、コストの低減を図ることができる。
次に、図21に基づいて本発明のスクリーンの第2の実施の形態を説明する。なお、第1の実施の形態と共通する部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図21において、本実施の形態のスクリーンは、金属基板11上に、少なくとも金属酸化物膜4D1と透過性を有する光吸収薄膜4M1を含む光学多層膜4が形成され、光学多層膜4の上に拡散層5が形成されている。図1に示す第1の実施の形態と比べると、金属膜3が省略されている。
この構成において、金属基板11は金属膜3と同様の材料が用いられる。このような金属基板11上に直接、金属酸化物膜4Di(i=1、2、…)と光吸収薄膜4Mj(j=1、2、…)よりなる光学多層膜4が形成されることで、第1の実施の形態と同様の光学特性を有する選択反射層2が得られる。この場合も、光学多層膜4の設計は、第1の実施の形態と同様に行われる。
上記スクリーンは次のようにして製造することができる。光学多層膜4が2層構造の場合を例にとると、例えば数10μm厚さの金属基板11上に、例えばスパッタリング法を用いて、金属酸化物膜4D1と光吸収薄膜4M1を順次積層する。金属酸化物膜4D1と光吸収薄膜4M1は、金属基板11上に形成されることで、赤色光、緑色光及び青色光の三原色波長領域光に対して高反射特性を有するとともに、この三原色波長領域以外の波長領域光に対して高吸収特性を有するように設計される。最後に、この光学多層膜4上に例えば拡散板を貼り合せることによって拡散層5を形成し、スクリーンを完成する。
第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の光学特性を有するスクリーンを得ることができ、したがって明光下で鮮明な映像が得られる高輝度、高コントラストのスクリーンを実現することができる。また、本実施の形態においては、金属基板を用いているため、金属膜の形成を省くことができ、スクリーンの構成がより簡単になるとともに、製造がより容易となる。
また、本実施の形態の変形例として、拡散層5を形成する代わりに、金属基板11の表面に多数の凸部(あるいは凹部)を設けて、その上に同様の形状に光学多層膜4を形成する構成としてもよい。
次に、図22に基づいて本発明のスクリーンの第3の実施の形態を説明する。第1、2の実施の形態と共通する部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図22において、本実施の形態のスクリーンは、金属膜3と光学多層膜4からなる選択反射層2と、拡散層5とで構成されている。
この構成のスクリーンは、拡散層5となる拡散板の裏面に、例えばスパッタリング法により、第1の実施の形態で基板1上に形成した順序とは逆の順序で、例えば光学多層膜4が2層構造の場合、まず光吸収薄膜4M1、ついで金属酸化物膜4D1が形成された後、最後に金属膜3が形成されることによって得られる。金属酸化物膜4Di(i=1、2、…)と光吸収薄膜4Mj(j=1、2、…)よりなる光学多層膜4の設計は第1の実施の形態と同様にして行われる。
本実施の形態においては、基板なしで第1の実施の形態と同等の性能を有するスクリーンを作成することができ、容易に可撓性を有するスクリーンが得られるとともに、製造コストの低減を図ることができる。
次に、図23に基づいて本発明のスクリーンの第4の実施の形態を説明する。
本発明のスクリーンは、図1に示すスクリーンにおいて選択反射層2と拡散層5とが、所定の光吸収特性を有する粘着剤層6を介して貼り合わされてなるものであり、それ以外は図1における構成と同じである。
粘着剤層6は、選択反射層2と拡散層5とを接合するための粘着性を有するとともに、光吸収特性を有する膜であり、この光吸収特性はプロジェクタ光源の色座標とスクリーンに表示される映像の色座標とを合わせるように設定されている。そのために、粘着剤層6中には特定波長領域の光を吸収する色素とカーボンブラックである黒色色素とが添加、分散されている。
前記特定波長領域の光を吸収する色素は、顔料色素、染料色素いずれかの材料であればよく、いずれも緑色光を吸収するマゼンタ系材料であることが好ましい。
ここで上記色素として、例えば532nm近傍、詳しくは525〜560nmの波長領域の吸収率の大きい色素、例えばシアニン系、スクアリウム系、アゾメチン系、キサンテン系、オキソノール系、アゾ系等の化合物、好ましくはシアニン系化合物、より好ましくは以下の構造式(A)で表されるシアニン系化合物等を挙げることができる。なお、これらの色素は、550〜620nmに極大吸収波長を有する色素、すなわちネオン光を含むオレンジ光領域に極大吸収波長を有する色素であるが、本発明では緑色光の波長領域の吸収特性を利用するものである。
Figure 2006284912
また、このほかに顔料色素として、ピグメントレッド(PR)系色素が好ましく、例えば、以下の構造式で表されるジクロルキナクリドン(PR209)がある。この色素は、波長525〜560nmの領域において透過率が最小値をとる波長(最小透過波長)は540nmであり、その透過率は青色、赤色波長領域それぞれにおける透過率の最小値よりも小さい。
また、同様な特性をもつ色素として、最小透過波長544nmのジケトピロロピロール(PR254)、510nmのジメチルキナクリドン(PR122)などが挙げられる。
また、粘着剤層2に添加できるものとして、緑色光を吸収するものであれば、金属微粒子、金属被覆微粒子であってもよく、例えば最小透過波長が529nmの金コロイドがある。
Figure 2006284912
粘着剤層6は、対象とする波長領域における透過率を考慮して、上記色素添加量、膜厚等を設計すればよい。
図24に、粘着剤層6の光透過特性の例を示す。この例では、赤色波長領域の光の透過率が最も高く、ついで青色波長領域の光の透過率が高く、緑色波長領域の光の透過率が最も低くなっている。すなわち、三原色波長領域それぞれにおける光の吸収量が異なっており、図24では図中矢印の長さとして示している。ここでは青色波長では約25%、緑色波長では約30%、赤色波長では約18%であった。
また、粘着剤層6の光吸収・透過特性として、前記選択反射層2で高反射特性を示す複数の特定波長領域の光のうちのひとつである緑色波長領域の光(500〜600nmの波長領域の光)をとくに吸収するものである。また、選択反射層2で高反射特性を示す複数の特定波長領域の光のうちのひとつである赤色波長領域の透過率が青色、緑色波長領域の透過率よりも高くなっている。これにより、例えばUHPランプなどの光源における緑色波長領域のスペクトル強度の過剰と、赤色波長領域のスペクトル強度の不足とのアンバランスを、粘着剤層6の光吸収により補うことができ、スクリーン上でホワイトバランスのよい映像を表示することが可能となる。
すなわち、スクリーンに入射する光は、粘着剤層6を透過する際に図24に示す光吸収特性に従って一部が吸収され、ついで選択反射層2に到達する。該選択反射層2にて入射光に含まれる外光成分は吸収されて、映像に関わる特定波長領域の光(通常RGB三原色波長領域の光)のみ選択的に反射される。ついで、その反射光は粘着剤層6を透過する際に、特定波長領域の光(UHPランプの場合には緑色光)がとくに吸収され、赤色波長領域の光が高い透過率で透過されることにより、発光強度のバランスがとられ、拡散層5の表面にて拡散され視野角の広い映像光として視聴者に供される。また、図25に示すように、粘着剤層6における外光の光路長はある一定の入射角を有することから、プロジェクタからの光の光路長よりも長いためより吸収されている。したがって、上記反射光である画像光への外光の影響を高いレベルで排除することができ、従来にない高コントラスト化が可能となり、かつ色再現性に優れた映像が提供可能である。
なお、本実施の形態では、プロジェクタ光源の色座標とスクリーンに表示される映像の色座標とを合わせるための光吸収特性を粘着剤層6に付与する例を示したが、この光吸収特性を拡散層5に付与するようにしてもよい。この場合、拡散層5を構成する樹脂中に特定波長領域の光を吸収する色素とカーボンブラックである黒色色素とを添加、分散するとよい。
本発明のスクリーンの第1の実施の形態を示す断面図である。 Al/Nb(539nm)/Nb(6nm)からなる選択反射層の反射特性を示す図である。 Al/Nb(450nm)/Nb(3nm)/Nb(450nm)からなる選択反射層及びAl/Nb(450nm)/Nb(3nm)/Nb(330nm)からなる選択反射層の反射特性を示す図である。 Al/Nbからなる膜の反射特性を示す図である。 選択反射層の三原色波長領域における反射率の膜厚依存性を示す図である。 選択反射層の三原色波長領域における反射率の入射角度依存性を示す図である。 Al/Nb(534nm)/Nb(19nm)/Nb(534nm)からなる選択反射層の反射特性を示す図である。 Al/Nb(551nm)/Nb(17nm)/Nb(551nm)/Nb(13nm)/Nb(551nm)からなる選択反射層の反射特性を示す図である。 Al-Nb-Nb-Nbからなる選択反射層とAl-SiO-Nb-SiOからなる選択反射層の反射特性を比べて示す図である。 Nb-Nb(19nm)-Nbからなる光学多層膜の反射特性とAl-Nb-Nb(19nm)-Nbからなる選択反射層の反射特性を示す図である。 Nb-Ti(17nm)-Nbからなる光学多層膜の反射特性とAl-Nb-Ti(17nm)-Nbからなる選択反射層の反射特性を示す図である。 Nb-Cr(15nm)-Nbからなる光学多層膜の反射特性とAl-Nb-Cr(15nm)-Nbからなる選択反射層の反射特性を示す図である。 Nb-Al(15nm)-Nb系の反射特性とAl-Nb-Al(15nm)-Nb系の反射特性を示す図である。 Al/Nb(534nm)/Nb(19nm)/Nb(538nm)/SiO(988nm)/Nb(518nm)からなる選択反射層の反射特性を示す図である。 Al/SiO(554nm)/Nb(327nm)/Nb(6nm)からなる選択反射層の反射特性を示す図である。 Al/SiO(429nm)/Al(392nm)/Nb(254nm)/Nb(6nm)からなる選択反射層の反射特性を示す図である。 蛍光灯の輝線スペクトル及びAl/Nb(975nm)/Nb(12nm)からなる選択反射層の反射特性を示す図である。 Al(100nm)/Nb(450nm)/Nb(3nm)/Nb(330nm)からなる選択反射層の反射特性及び光源の輝線スペクトルを示す図である。 Al/樹脂膜(屈折率1.68、1372nm)/Nb(12nm)からなる選択反射層の反射特性を示す図である。 第1の実施の形態の変形例を示す断面図である。 本発明のスクリーンの第2の実施の形態を示す断面図である。 本発明のスクリーンの第3の実施の形態を示す断面図である。 本発明のスクリーンの第4の実施の形態を示す断面図である。 本発明のスクリーンの粘着剤層の光透過特性を示す図である。 本発明のスクリーンの粘着剤層へのプロジェクタ光、外光の入射状態を示す図である。 従来技術のスクリーンを示す断面図である。
符号の説明
1……基板、2……選択反射層、3……金属膜、4……光学多層膜、4D……金属酸化物膜、4M……透過性を有する光吸収薄膜、5……拡散層、6……粘着剤層、11……金属基板

Claims (9)

  1. 投射光により画像を表示するスクリーンにおいて、
    複数の金属酸化物膜と透過性を有する光吸収薄膜よりなる光学多層膜と、この光学多層膜の透過光を反射する反射層とからなり、前記投射光に対応する特定波長領域の光に対して反射特性を有し、前記特定波長領域を除く波長領域の光に対して吸収特性を有する選択反射層を備え、
    前記反射膜直上の金属酸化物膜は、前記吸収特性の波長領域が前記投射光の赤色成分の輝線ピークの波長と緑色成分の輝線ピークの波長との間、及び緑色成分の輝線ピークの波長と青色成分の輝線ピークの波長との間となるように屈折率及び/または膜厚が調整されてなることを特徴とするスクリーン。
  2. 前記選択反射層は、反射する光の色度バランスをとるために屈折率及び/または膜厚が調整された金属酸化物膜を有することを特徴とする請求項1記載のスクリーン。
  3. 前記光吸収薄膜が、屈折率が1以上で吸収係数が0.5以上の材料により形成されていることを特徴とする請求項1記載のスクリーン。
  4. 前記光吸収薄膜の材料が、Nb、Nb系合金、C、Cr、Fe、Ge、Ni、Pd、Pt、Rh、Ti、TiN、TiN、Mn、Ru又はPbTeであることを特徴とする請求項3記載のスクリーン。
  5. 前記金属酸化物膜が、Nb、TiO、Ta、Al又はSiOからなる誘電体膜、あるいはIn、SnO、ZnO、In−SnO化合物、またはこれらのいずれかに金属がドープされた材料からなる導電膜であることを特徴とする請求項1記載のスクリーン。
  6. 前記反射層がAl、Nb及びAgのいずれかの金属又は合金からなることを特徴とする請求項1記載のスクリーン。
  7. 前記選択反射層の反射光を散乱させる拡散層を備えたことを特徴とする請求項1記載のスクリーン。
  8. 複数の金属酸化物膜と透過性を有する光吸収薄膜よりなる光学多層膜と、この光学多層膜の透過光を反射する反射層とを形成し、特定波長領域の光に対して反射特性を有し、前記特定波長領域を除く波長領域の光に対して吸収特性を有する選択反射層とする選択反射層形成工程を含み、
    前記選択反射層形成工程は、前記吸収特性の波長領域が前記投射光の赤色成分の輝線ピークの波長と緑色成分の輝線ピークの波長との間、及び緑色成分の輝線ピークの波長と青色成分の輝線ピークの波長との間となるように前記反射膜直上の金属酸化物膜の屈折率及び/または膜厚を設定する工程を含むことを特徴とするスクリーンの製造方法。
  9. 前記選択反射層形成工程は、前記選択反射層が反射する光の色度バランスをとるために前記反射膜直上の金属酸化物膜以外の金属酸化物膜の屈折率及び/または膜厚を設定する工程を含むことを特徴とする請求項8記載のスクリーンの製造方法。

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