JP4590847B2 - スクリーン及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、外光下の色目を改善した高コントラストのスクリーン及びその製造方法に関する。
近年、会議等において発言者が資料を提示する方法としてオーバヘッドプロジェクターやスライドプロジェクターが広く用いられている。また、一般家庭においても液晶を用いたビデオプロジェクターや動画フィルムプロジェクターが普及しつつある。これらのプロジェクターの映写方法は光源から出力された光を、例えば透過形の液晶パネル等によって光変調して画像光を形成し、この画像光をレンズ等の光学系を通して出射してスクリーン上に映写するものである。
例えば、スクリーン上にカラー画像を形成することができるプロジェクターは、光源から出射された光線を赤(R)、緑(G)、青(B)の各色に分離して所定の光路に収束させる照明光学系と、この照明光学系によって分離されたRGB各色の光束をそれぞれ光変調する液晶パネル(ライトバルブ)と、液晶パネルにより光変調されたRGB各色の光束を合成する光合成部とを備え、光合成部により合成したカラー画像を投射レンズによりスクリーンに拡大投影するようになっている。
また、最近では光源として狭帯域三原色光源を使用し、液晶パネルの代わりにグレーティング・ライト・バルブ(GLV:Grating Light Valve)を用いてRGB各色の光束を空間変調するタイプのプロジェクターも開発されている。
上述したプロジェクターからの投影画像を表示するスクリーンには大別して、裏側から投影光を照射しこれを表側から見る透過型のものと、表側から投影光を照射しこの反射光を見る反射型のものとがある。いずれの型にせよ、見やすいスクリーンを実現するためには、明るい画像、コントラスト(=白レベル/黒レベル)の高い画像が得られるような工夫が必要である。特に反射型のスクリーンにおいては、ホワイトスクリーンのような従来のスクリーンは投影光以外の光いわゆる外光も反射してしまうため、コントラストの良好な映像を得るには部屋を暗くして黒レベルを下げる必要があり、部屋を暗くすることなく明光下で高コントラストの映像を表示できるものが望まれている。
この要望に対して、スクリーン表面に複数の凸部を有する透明層を設け、これら凸部の側面に黒色塗料を塗ることで、天井の照明など周辺から入射する外光を吸収させて、外光の存在下でのコントラストを向上させるスクリーンが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、このスクリーンにおいては、透明層のパターン形成や凸部側面の塗装等に多くの手間がかかるとともに、スクリーン前方から入射する外光は反射してしまう。
また、スクリーンに入射し反射する光を低減する光吸収層を設けて黒レベルの低下を図ることによって、外光下でのコントラストを向上させるスクリーンも提案されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、このようなスクリーンでは、外光のみならず投影光も光吸収層によって低減されてしまうため、白レベルも下がりスクリーンゲインが低下するとともに、明光下のコントラストの向上にも限界があった。
以上のとおり、従来のスクリーンには、画像のコントラストを高めるための根本的な対応策がなされていないため、明るい環境では鮮明な映像を得ることができないという問題点があった。
特許第2889153号公報 特許第3103802号公報
そこで、明光下でも高輝度、高コントラストの鮮明な映像を得ることができるスクリーンが、本出願人と同一の出願人より提案されている(例えば、特願2002−259027号等)。このスクリーンは、波長に応じて選択的に光を反射する選択反射層を備えたもので、例えば、図7に示すように、スクリーン基板100上に、金属膜Mと誘電体膜Dを交互に積層した光学多層膜からなる選択反射層101と、反射光を散乱する拡散層102が順次形成されてなる。この構成においては、図2に示すような反射/吸収特性を有する選択反射層101により、図中実線で示すように投影光を構成する特定波長域例えば三原色波長域の光を反射し、図中点線で示すようにそれ以外の波長域の外光を吸収することで、映写環境にかかわらず高輝度、高コントラストの映像を表示できるようになっている。
ところで、上記選択反射層を備えたスクリーンは、特定波長域を除く外光をほとんど吸収するため、明光下でも黒レベルは低下し黒色に見えるが、図2にも示すように選択反射層の反射特性は長波長側の反射ピークの半値幅が短波長側より大きいため、観察者のスクリーンを見る角度により黒レベルの色が若干赤味を帯びてしまう。
本発明は、かかる点に対処してなされたもので、波長に応じて選択的に光を反射する選択反射層を備えて高輝度、高コントラストを実現するとともに、選択反射層の反射特性による色目を改善したスクリーン及びその製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、請求項1の発明は、
定波長領域の光に対して高反射特性を有し、少なくとも特定波長領域を除く可視波長領域の光に対して高透過特性又は高吸収特性を有する選択反射層と、
この選択反射層の前面に透明基材を介して形成され、選択反射層の反射特性による色目を改善する色目改善層と
を備え
高透過特性を有する選択反射層は、高屈折率層とこれより屈折率の低い低屈折率層を交互に積層した光学多層膜からなり、かつ、長波長側になるほど反射ピークの半値幅が大きくなる反射スペクトルを有し、
高吸収特性を有する選択反射層は、金属膜と誘電体膜を交互に積層した光学多層膜からなり、かつ、長波長側になるほど反射ピークの半値幅が大きくなる反射スペクトルを有し、
色目改善層は、透明基材より屈折率の高い高屈折率材料からなり、短波長側の反射率が高いことを特徴とするスクリーンである
請求項10の発明は、
クリーン基板上に、特定波長領域の光に対して高反射特性を有し、少なくとも特定波長領域を除く可視波長領域の光に対して高透過特性又は高吸収特性を有する選択反射層を形成する工程と、
透明基材上にこれより屈折率の高い高屈折率材料からなり、短波長側の反射率が高い色目改善層を形成する工程と、
選択反射層の上に色目改善層が形成された透明基材の裏面を貼り合わせる工程と
を有し、
高透過特性を有する選択反射層を形成する工程が、
スクリーン基板上に高屈折率層とこれより屈折率の低い低屈折率層を交互に積層する工程
を含み、
高吸収特性を有する選択反射層を形成する工程が、
スクリーン基板上に金属膜と誘電体膜を交互に積層する工程を含み、
上記高透過特性又は高吸収特性を有する選択反射層が、長波長側になるほど反射ピークの半値幅が大きくなる反射スペクトルを有することを特徴とするスクリーンの製造方法である
請求項11の発明は、
明基材の一方の面に、特定波長領域の光に対して高反射特性を有し、少なくとも特定波長領域を除く可視波長領域の光に対して高透過特性又は高吸収特性を有する選択反射層を形成する工程と、
透明基材の他方の面に、この透明基材より屈折率の高い高屈折率材料からなり、短波長側の反射率が高い色目改善層を形成する工程と
を有し、
高透過特性を有する選択反射層を形成する工程が、
透明基材上に高屈折率層とこれより屈折率の低い低屈折率層を交互に積層する工程
を含み、
高吸収特性を有する選択反射層を形成する工程が、
透明基材上に誘電体膜と金属膜を交互に積層する工程
を含み、
上記高透過特性又は高吸収特性を有する選択反射層が、長波長側になるほど反射ピークの半値幅が大きくなる反射スペクトルを有することを特徴とするスクリーンの製造方法である
特定波長領域の光に対して高反射特性を有し、それ以外の可視波長領域の光に対して高吸収特性を有する選択反射層としては、ニオブ、アルミニウム、銀等の金属膜と酸化ニオブ、酸化チタン、酸化タンタル、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の誘電体膜を交互に積層した光学多層膜がある。
また、特定波長領域の光に対して高反射特性を有し、それ以外の可視波長領域の光に対して高透過特性を有する選択反射層としては、酸化ニオブ、酸化タンタル又は酸化チタンからなる高屈折率層と酸化ケイ素又はフッ化マグネシウムからなる低屈折率層を交互に積層した光学多層膜がある。この場合は、光学多層膜の透過光を吸収する吸収層が必要となる。
いずれの光学多層膜も、投影光に対応する特定波長領域、例えばRGB三原色波長領域において反射率が高くなるように膜厚設計することが可能であるが、反射スペクトルは長波長側の反射ピークの半値幅が短波長側より大きくなるため、外光下のスクリーンの反射色における赤色成分の割合が多くなり、スクリーンの色目が若干赤色を帯びてしまう。
色目改善層は、この選択反射層の反射特性によるスクリーンの色目を改善するために設けられ、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリオレフィン、ポリカーボネート等の高分子材料からなる透明基材上に、これより屈折率の高い、例えば酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化チタン、ITO等の高屈折率材料を用いて形成される。
このように構成される色目改善層は、短波長側にいくにしたがって反射率が上昇する反射スペクトルを持つことができ、これを選択反射層に重ねることで、スクリーンの反射スペクトルにおける短波長側のベースラインを上昇させて、スクリーンの反射色における赤色成分の割合を減少させることが可能となり、選択反射層による赤味がかった色目が改善される。
本発明の高輝度、高コントラストでかつ外光下の色目が改善されたスクリーンは、スクリーン基板上に形成された選択反射層と、透明基材上に形成された色目改善層を、透明基材が内側になるように、透明粘着材あるいは接着材を介して貼り合わせる方法により容易に製造することができる。
また、本発明のスクリーンは、透明基材の一方の面に選択反射層を形成し、他方の面に色目改善層を形成する方法でも容易に得られる。
本発明によれば、特定波長領域の光の反射率が高く、それ以外の可視波長領域の光の反射率が低い選択反射層により、プロジェクター光を高率で反射して白レベルを上げ、外光の反射を特定波長領域のみに抑えて黒レベルを下げることで、スクリーンの高輝度、高コントラスト化を実現するとともに、選択反射層の反射特性のために若干生じていた外光下の反射色すなわち色目を、色目改善層を備えることにより改善することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態のスクリーンを示すもので、スクリーン基板1と、スクリーン基板1上に形成され、プロジェクター光に対応する特定波長領域の光に対して反射率が高く、それ以外の可視波長領域の光に対しては反射率が低い選択反射層3と、選択反射層3上に透明基材5を介して形成される色目改善層7と、色目改善層7上に形成され、反射光を散乱させる拡散層9とで構成されている。
スクリーン基板1は、スクリーンを保持すための強度を有するとともに選択反射層3の形成に適した材質、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリオレフィン(PO)、ポリカーボネート(PC)等の高分子材料により構成することができる。
選択反射層3は、波長に応じて選択的にプロジェクター光に対応する特定波長領域の光を反射するよう設計された光学多層膜からなる。このような光学多層膜としては、例えば金属膜と誘電体膜を交互に積層した光学多層膜(例えば、特願2002−259027号等)、高屈折率層と低屈折率層を交互に積層した光学多層膜(例えば、特願2002−070799号等)等が挙げられる。
金属膜と誘電体膜からなる光学多層膜の場合、スクリーン基板1上に第1の金属膜M、第1の誘電体膜D、第2の金属膜M、第2の誘電体膜D、…と順次積層される。金属膜Mとしては、例えばアルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、銀(Ag)が、誘電体膜Dとしては、例えば酸化ニオブ(Nb)、酸化チタン(TiO)、酸化タンタル(Ta)、酸化アルミニウム(Al)、酸化シリコン(SiO)等がそれぞれ用いられ、スパッタリング法等により成膜される。このように金属膜と誘電体膜を交互に積層することにより、特定波長領域の光を反射し、それ以外の波長領域の光を吸収する光学膜を得ることができる。
図1においては、選択反射層3は、第1の金属膜MにAl、第1の誘電体膜DにNb、第2の金属膜MにNb、第2の誘電体膜DにNbを積層した4層膜としている。このような積層構成で膜厚設計により、図2に実線で示すような反射スペクトルを得ることができる。この例では、GLV等のレーザープロジェクターを考慮し、RGBの波長として457nm、532nm、642nmの反射率が高くなるように設計されている。また、透過率がほぼ0であるため、反射以外は吸収となる。図中、吸収スペクトルを点線で示す。このような多層膜の設計では、図2にも示すように、長波長側になるほど反射ピークの半値幅が大きくなっている。
一方、高屈折率層と低屈折率層からなる光学多層膜の場合、スクリーン基板1上に高屈折率層、低屈折率層、高屈折率層、…の順に積層される。高屈折率層としてはNb、TiO、Ta等の高屈折率材料が、低屈折率層としてはSiO、MgF等の低屈折率材料がそれぞれ用いられ、スパッタリング法等により成膜される。また、高屈折率層、低屈折率層を屈折率の異なる熱硬化性樹脂を用いて塗布法により形成することもできる。このように高屈折率層と低屈折率層を交互に積層することにより、特定波長領域の光を反射し、それ以外の波長領域の光を透過する光学膜を得ることができる。したがって、この光学多層膜を選択反射層3として用いる場合には、選択反射層3を透過した光を吸収させる吸収層を設けることが好ましい。これは、スクリーン基板1に黒色粒子を分散させるか、スクリーン基板1の裏側に黒色層を形成することによって容易に実現することができる。なお、この光学多層膜の設計においても、反射スペクトルは長波長側になるほど反射ピークの半値幅が大きくなる。
上述したように、選択反射層3の反射特性は、長波長側の反射ピークの半値幅が短波長側より大きくなっている。このため、選択反射層3による外光の反射光は赤色成分の割合が多くなり、外光下のスクリーンの黒レベルの色が若干赤色を帯びて見えてしまう。色目改善層7は、このスクリーンの反射光の赤色成分の割合を減少させて色目を改善するもので、透明基材5を介して選択反射層3の上に形成される。
透明基材5は、屈折率1.5〜1.6程度の高分子材料が好適で、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリオレフィン(PO)、ポリカーボネート(PC)等のスクリーン基板1と同じ材料を用いることができる。
色目改善層7は、透明基材5より屈折率の高い、好ましくは2.0以上の高屈折率材料を用いて形成される。このような高屈折率材料としては、例えばNb、TiO、Ta、ITO等が挙げられる。色目改善層7は、スパッタリング法等により透明基材5上に成膜され、選択反射層3の前面に透明基材5の裏面を貼り合わせることにより積層される。
図3は、色目改善層7としてNbを用い、透明基材5にPETを用いたときの色目改善層7の反射特性を示すもので、図中実線は15nm、破線は30nm、一点鎖線は50nm、二点鎖線は70nm、三点鎖線は100nm、点線は140nmの膜厚のときの各反射スペクトルである。図3に示すように、Nb膜の膜厚によって反射スペクトルが変化する。この色目改善層7を選択反射層3に積層すると、スクリーンとしての反射特性は、選択反射層3の反射スペクトルと色目改善層7の反射スペクトルを重ね合わせたものとなる。したがって、長波長側の成分の割合が多い選択反射層3に対して、短波長側の反射率が高い色目改善層7を適用することより、可視光領域での反射率のバランスが向上し、赤色側に傾く色目が改善されることになる。Nb膜の場合、図3より15nm、30nm、50nm、140nmの膜厚のとき改善効果が期待できる。
図4は、図2の反射特性を有する選択反射層3に、図3の反射特性を有する色目改善層7を積層したときのスクリーンの反射特性を示すもので、太線は選択反射層3のみの反射スペクトルを、実線、破線、一点鎖線、点線はそれぞれ膜厚が15nm、30nm、50nm、140nmのNb膜からなる色目改善層7を付加したときの反射スペクトルを示す。図4に示すように、スクリーンの反射ピークの半値幅は長波長側ほど広いが、色目改善層7を付加することにより、反射スペクトルのベースラインが短波長側にいくに従い上昇するため、全体として、可視光領域での反射率のバランスが向上し、若干赤いという色目すなわち反射色が改善される。ただし、反射スペクトルのベースラインが上昇することは、外光の吸収率が低下することであり、コントラストの観点からは、可視光領域全体の反射率のベースラインの上昇が少ないものほど好ましい。
図5は、図4に示すスクリーンの色度図を示すもので、図4と同じ線種で対応させている。また、図5において、黒丸は白の位置を示し、曲線は入射角0°から45°まで変化させたときの反射色の変化、すなわちスクリーンを見る角度を正面0°から45°まで変えたときの見える色の変化を表している。図5に示すように、色目改善層7のない場合(図中太線で示す。)、特に入射角が大きくなるにつれて、反射色が赤色に傾くが、色目改善層7を付加することで、反射色の赤味が改善されることがわかる。
拡散層9は、プロジェクターから投影され、反射された光を視聴者側に散乱させるためのもので、例えば微細なシリカ粒子が分散した層、ビーズが配列した層、あるいは表面に微細な凹凸が形成された層によって構成することができる。これらの層は色目改善層7上に塗布等により直接形成することもできるが、拡散フィルムとして形成されたものを色目改善層7に貼り合わせてもよい。このような拡散層9を設けることによって、スクリーンにとって良好な視野角特性を得ることが可能となる。
次に、上記構成のスクリーンの製造方法を具体例を挙げて説明する。
まず、スクリーン基板1として例えば厚み188μmのPETフィルムを準備し、光学多層膜をスパッタリングにより成膜する。ここで、金属膜として、Alをスパッタリングにより50nm成膜し、ついでNbを551nm、Nbを15nm、Nbを551nmと4層膜を形成する。このように多層膜を形成することで、図2に示すような反射スペクトルを得ることができる。この例では、GLV等のレーザープロジェクターを考慮し、RGBの波長として457nm、532nm、642nmの反射率が高くなるように設計している。この設計では、各波長の反射率が88%程度になる。透過率がほぼ0であるため、反射以外は吸収となる。
次に、色目改善層7として、例えば厚さ188μmのPETからなる透明基材5上に、Nbを反応性スパッタリングにより15nm成膜する。
次に、拡散層9として、例えば、シリカ微粒子分散液の塗布等により表面をアンチグレア処理された、厚さ188μmのPETの拡散フィルムを準備する。
最後に上記の選択反射層が形成されたフィルム、色目改善層が形成されたフィルム及び拡散フィルムを、この順序で高透過両面粘着フィルムを用いて貼り合わせことにより、図1に示すようなスクリーンが完成する。
上記の説明からも明らかなように、本実施の形態においては、光学多層膜からなる選択反射層により投影光を高反射率で反射し、それ以外の波長領域の外光を吸収することにより、高輝度、高コントラストを実現するとともに、短波長側の可視光の反射率を上昇させる色目改善層を付加することにより、選択反射層の反射特性による外光下の赤味がかった反射色を改善することができる。また、可撓性を有する材料でスクリーンを構成することができ、ロールアップ等の可能な可撓性のスクリーンを得ることができる。
図6は、本発明の第2の実施の形態のスクリーンを示すもので、ここではスクリーン基板が省略され、透明基材5の一方の面に選択反射層3が形成され、透明基材5の他方の面に色目改善層7が形成されている。したがって、この構成では、選択反射層3はスクリーン基板1上に成膜する順序とは逆の順序で透明基材5上に成膜される。選択反射層3が反射以外透過するタイプの光学多層膜の場合には、最後に黒色塗料の塗布または黒フィルムの貼付等により吸収層が形成される。
この実施の形態においても、第1の実施の形態と同等のスクリーンを得ることができる。
本発明の第1の実施の形態のスクリーンを示す断面図である。 選択反射層の反射特性を示す図である。 色目改善層の膜厚による反射特性の変化を示す図である。 色目改善層の膜厚によるスクリーンの反射特性の変化を示す図である。 色目改善層の膜厚によるスクリーンの反射色の変化を示す色度図である。 本発明の第2の実施の形態のスクリーンを示す断面図である。 金属膜と誘電体膜からなる光学多層膜を備えたスクリーンの構成例を示す断面図である。
符号の説明
1…スクリーン基板、3…選択反射層、5…透明基材、7…色目改善層、9…拡散層

Claims (18)

  1. 特定波長領域の光に対して高反射特性を有し、少なくとも前記特定波長領域を除く可視波長領域の光に対して高透過特性又は高吸収特性を有する選択反射層と、
    この選択反射層の前面に透明基材を介して形成され、前記選択反射層の反射特性による色目を改善する色目改善層と
    を備え
    前記高透過特性を有する選択反射層は、高屈折率層とこれより屈折率の低い低屈折率層を交互に積層した光学多層膜からなり、かつ、長波長側になるほど反射ピークの半値幅が大きくなる反射スペクトルを有し、
    前記高吸収特性を有する選択反射層は、金属膜と誘電体膜を交互に積層した光学多層膜からなり、かつ、長波長側になるほど反射ピークの半値幅が大きくなる反射スペクトルを有し、
    前記色目改善層は、前記透明基材より屈折率の高い高屈折率材料からなり、短波長側の反射率が高いことを特徴とするスクリーン。
  2. 前記色目改善層が、外光下の赤味がかった色目を改善することを特徴とする請求項1記載のスクリーン。
  3. 前記高屈折率材料が、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化チタン又はITOであることを特徴とする請求項記載のスクリーン。
  4. 前記透明基材が高分子材料からなることを特徴とする請求項1記載のスクリーン。
  5. 前記高分子材料が、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリオレフィン又はポリカーボネートであることを特徴とする請求項記載のスクリーン。
  6. 前記金属膜がニオブ、アルミニウム又は銀からなり、前記誘電体膜が酸化ニオブ、酸化チタン、酸化タンタル、酸化アルミニウム又は酸化ケイ素からなることを特徴とする請求項記載のスクリーン。
  7. 前記高屈折率層が酸化ニオブ、酸化タンタル又は酸化チタンからなり、前記低屈折率層が酸化ケイ素又はフッ化マグネシウムからなることを特徴とする請求項記載のスクリーン。
  8. 前記高透過特性を有する選択反射層を透過した光を吸収する吸収層を備えたことを特徴とする請求項1記載のスクリーン。
  9. 前記特定波長領域が、赤色光の波長領域、緑色光の波長領域及び青色光の波長領域を含むことを特徴とする請求項1記載のスクリーン。
  10. スクリーン基板上に、特定波長領域の光に対して高反射特性を有し、少なくとも前記特定波長領域を除く可視波長領域の光に対して高透過特性又は高吸収特性を有する選択反射層を形成する工程と、
    透明基材上にこれより屈折率の高い高屈折率材料からなり、短波長側の反射率が高い色目改善層を形成する工程と、
    前記選択反射層の上に前記色目改善層が形成された透明基材の裏面を貼り合わせる工程と
    を有し、
    高透過特性を有する選択反射層を形成する工程が、
    前記スクリーン基板上に高屈折率層とこれより屈折率の低い低屈折率層を交互に積層する工程
    を含み、
    高吸収特性を有する選択反射層を形成する工程が、
    前記スクリーン基板上に金属膜と誘電体膜を交互に積層する工程を含み、
    上記高透過特性又は高吸収特性を有する選択反射層が、長波長側になるほど反射ピークの半値幅が大きくなる反射スペクトルを有することを特徴とするスクリーンの製造方法。
  11. 透明基材の一方の面に、特定波長領域の光に対して高反射特性を有し、少なくとも前記特定波長領域を除く可視波長領域の光に対して高透過特性又は高吸収特性を有する選択反射層を形成する工程と、
    前記透明基材の他方の面に、この透明基材より屈折率の高い高屈折率材料からなり、短波長側の反射率が高い色目改善層を形成する工程と
    を有し、
    高透過特性を有する選択反射層を形成する工程が、
    前記透明基材上に高屈折率層とこれより屈折率の低い低屈折率層を交互に積層する工程
    を含み、
    高吸収特性を有する選択反射層を形成する工程が、
    前記透明基材上に誘電体膜と金属膜を交互に積層する工程
    を含み、
    上記高透過特性又は高吸収特性を有する選択反射層が、長波長側になるほど反射ピークの半値幅が大きくなる反射スペクトルを有することを特徴とするスクリーンの製造方法。
  12. 前記透明基材上に形成された、前記高透過特性を有する選択反射層の上にこの選択反射層の透過光を吸収する吸収層を形成する工程を有することを特徴とする請求項11記載のスクリーンの製造方法。
  13. 前記色目改善層の高屈折率材料が、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化チタン又はITOであることを特徴とする請求項10又は11に記載のスクリーンの製造方法。
  14. 前記透明基材が高分子材料からなることを特徴とする請求項10又は11に記載のスクリーンの製造方法。
  15. 前記高分子材料が、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリオレフィン又はポリカーボネートであることを特徴とする請求項14記載のスクリーンの製造方法。
  16. 前記金属膜がニオブ、アルミニウム又は銀からなり、前記誘電体膜が酸化ニオブ、酸化チタン、酸化タンタル、酸化アルミニウム又は酸化ケイ素からなることを特徴とする請求項10又は11に記載のスクリーンの製造方法。
  17. 前記高屈折率層が酸化ニオブ、酸化タンタル又は酸化チタンからなり、前記低屈折率層が酸化ケイ素又はフッ化マグネシウムからなることを特徴とする請求項10又は11に記載のスクリーンの製造方法。
  18. 前記特定波長領域が、赤色光の波長領域、緑色光の波長領域及び青色光の波長領域を含むことを特徴とする請求項10又は11に記載のスクリーンの製造方法。
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