JP2006284791A - マルチモード干渉光カプラ - Google Patents

マルチモード干渉光カプラ Download PDF

Info

Publication number
JP2006284791A
JP2006284791A JP2005103062A JP2005103062A JP2006284791A JP 2006284791 A JP2006284791 A JP 2006284791A JP 2005103062 A JP2005103062 A JP 2005103062A JP 2005103062 A JP2005103062 A JP 2005103062A JP 2006284791 A JP2006284791 A JP 2006284791A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical waveguide
multimode
input
optical
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005103062A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideaki Okayama
秀彰 岡山
Hiroshi Wada
浩 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
Priority to JP2005103062A priority Critical patent/JP2006284791A/ja
Publication of JP2006284791A publication Critical patent/JP2006284791A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Integrated Circuits (AREA)
  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】製造工程において発生する寸法誤差に起因する動作特性に与える効果が小さく、かつ全長が短い。
【解決手段】第1入出力光導波路部200及び第2入出力光導波路部250、第1マルチモード光導波路部210、第2マルチモード光導波路部220、第4マルチモード光導波路部230及び第3マルチモード光導波路部240を具えるマルチモード干渉光カプラである。第2マルチモード光導波路部は、対称軸260に対して線対称形であって、その幅が境界B2から境界B3に向かって、連続的に広がった平面形状のマルチモード光導波路222が設置されている。第3マルチモード光導波路部は、対称軸に対して、互いに線対称にかつ離間して、配置された第1サブマルチモード光導波路242及び第2サブマルチモード光導波路244で以って構成される。第1サブマルチモード光導波路及び第2サブマルチモード光導波路は、境界B3から境界B4に向かって、連続的に狭まった平面形状を有している。
【選択図】図4

Description

この発明は、1つの入力光を2以上に分岐し、または2以上の入力光を1つに合波させる機能を有する光導波路カプラに関し、特に光導波路型のマッハツェンダ型光変調器に用いて好適なマルチモード干渉光カプラに関する。
平面光導波路を基本構成要素とする光素子は、フォトリソグラフィー技術、エッチング技術等の微細加工技術を利用して製造される。これらの製造技術は、寸法誤差が光の波長以下の精度で、再現性よく一括して大量生産できるという優れた特長を持っているため、平面光導波路を基本構成要素とする光素子の製造に非常に適している。そして、光通信の進展に伴い、平面光導波路を基本構成要素とする光素子の需要が増している。
このような光素子として、例えば、光変調器があり、一部は現実の光通信システムに導入され始めている。光通信システムに導入される光変調器は、製造上の寸法誤差がその特性に及ぼす効果の小さいこと、及び波長依存性が小さく素子そのものの大きさが小型であるという特徴を有していることが望まれる。
光変調器としては、マッハツェンダ干渉計を応用して構成される、マッハツェンダ型光変調器が注目されている。以後の説明において、マッハツェンダ型光変調器といった場合には、特に断らない限り、平面光導波路を基本構成要素とするマッハツェンダ型光変調器を指すものとする。
マッハツェンダ型光変調器は、後述するように、その構成を工夫することで波長チャープ効果の少ない変調光を出力するという特性を持たせることができるために、光通信システムに利用して好適である。すなわち、波長チャープ効果が少ない光変調器を利用すれば、この光変調器に入力される信号光パルスがその時間波形をほとんど変化されることなく出力される。
マッハツェンダ型光変調器は、その構成素材として光透過率の高い誘電体結晶が使われる。しかし最近では、半導体レーザとの集積化が容易である点で、化合物半導体をその構成素材とするマッハツェンダ型光変調器の研究が注目されている。
マッハツェンダ型光変調器の構成として次の第1及び第2の構成が知られている。図1(A)及び(B)を参照して、これら2通りの構成について説明する。図1(A)及び(B)のそれぞれは、第1の構成及び第2の構成のマッハツェンダ型光変調器の概略的な構成を示す模式図である。
図1(A)に示す第1の構成のマッハツェンダ型光変調器は、1つの入力光を2つの光に分岐するY分岐が入力側に設けられ、出力側には、2つの光を1つの光に合波するY分岐が設けられ、これら2つのY分岐の間を2本の光導波路で接続されて構成される。以後簡単のために、1つの入力光を2つの光に分岐するY分岐を1×2光カプラといい、2つの光を1つの光に合波するY分岐を2×1光カプラということもある。
図1(A)において、入力側に設けられるY分岐が1×2光カプラ10であり、出力側に設けられるY分岐が2×1光カプラ20である。図1(A)では、これらY分岐の位置を破線の四角で囲って示し、その具体的な構成については省略してある。また、2つのY分岐の間を接続する2本の光導波路は、シングルモード光導波路14及び16である。
入力光Piは、シングルモード光導波路12を伝播して1×2光カプラ10に入力される。1×2光カプラ10に入力された入力光Piは、シングルモード光導波路14を伝播する光と、シングルモード光導波路16を伝播する光とに分岐される。シングルモード光導波路14及び16を伝播した光は、再び2×1光カプラ20に入力されて合波される。合波された光はシングルモード光導波路26を伝播して、マッハツェンダ型光変調器の出力光Poとして出力される。
2つのY分岐10及び20の間を接続するシングルモード光導波路14及び16には、それぞれ金属膜電極18及び22が設けられている。金属膜電極18及び22に対して、図1(A)に示すように、それぞれ電圧を印加するための電極パッド24及び25が設けられている。マッハツェンダ型光変調器が形成されている基板とこれらの電極パッド24及び25との間に電圧を印加することによってシングルモード光導波路14及び16の等価屈折率をそれぞれ変化させることができる。シングルモード光導波路14及び16の等価屈折率を変化させることで、これらの光導波路を伝播する光の位相を変調することができる。これによってシングルモード光導波路14及び16を伝播した光同士が2×1光カプラ20に入力されて干渉する際、両者の光の位相差を変調することができる。2×1光カプラ20において両者の光は干渉し、位相差が変調されることによって、光強度が強められたり弱められたりする。この干渉効果を利用して光変調を実現する(特許文献1〜3参照)。
図1(B)に示す第2の構成のマッハツェンダ型光変調器は、2入力2出力の光カプラが入力側と出力側とに設けられて、入力側に設けられた2入力2出力の光カプラの出力側の2本の出力ポートと、出力側に設けられた2入力2出力の光カプラの入力側の2本の入力ポートとが、2本の光導波路で接続されて構成される。以後簡単のために、2入力2出力の光カプラを2×2光カプラということもある。第2の構成のマッハツェンダ型光変調器も、2本の光導波路には電極が設けられて、電圧が印加されることによって光導波路の等価屈折率が変化させられる。このことと干渉効果とを利用して光変調を実現する。
図1(B)を参照して、第2の構成のマッハツェンダ型光変調器を説明する。図1(B)において、入力側に2×2光カプラ30が設けられ、出力側に2×2光カプラ40が設けられている。2つの2×2光カプラ30及び40の間は、2本のシングルモード光導波路36及び38によって接続されている。ここでも2×2光カプラ30及び40の具体的構造は省略して、両者の設定位置を破線の四角で囲って示してある。
入力光Piは、2×2光カプラ30の入力ポートであるシングルモード光導波路32あるいは34のいずれか一方に入力される。いずれに入力させるかは任意であり、光変調器が利用される状況に応じて適宜決定される事項である。ここでは、シングルモード光導波路32に入力されるものとする。シングルモード光導波路32から、2×2光カプラ30に入力された入力光Piは、シングルモード光導波路36を伝播する光と、シングルモード光導波路38を伝播する光とに分岐される。シングルモード光導波路36及び38を伝播した光は、再び2×2光カプラ40に入力されて合波される。合波された光はシングルモード光導波路46または48を伝播して、マッハツェンダ型光変調器の出力光Poとして出力される。
2つの2×2光カプラ30及び40の間を接続するシングルモード光導波路36及び38には、それぞれ金属膜電極42及び44が設けられている。金属膜電極42及び44に対して、図1(B)に示すように、それぞれ電圧を印加するための電極パッド50及び51が設けられている。マッハツェンダ型光変調器が形成されている基板とこれらの電極パッド50及び51との間に電圧を印加することによってシングルモード光導波路36及び38の等価屈折率をそれぞれ変化させることができる。このことと、シングルモード光導波路36及び38を伝播した光同士が2×2光カプラ40に入力されて干渉する効果を利用して光変調を実現する。
上述の第1と第2として示したマッハツェンダ型光変調器の構成の相違によって、次のような光変調器としての機能上の相違が発生する。すなわち、電極が設けられている光導波路に電圧を印加していない場合(電界無印加時)に、マッハツェンダ型光変調器から光が出力されるか、されないかの相違である。第2のマッハツェンダ型光変調器によれば、出力側に2つの出力ポートであるシングルモード光導波路46及び48があるので、出力ポートとしてどちらを選ぶかによって電界無印加時に変調器から光が出力しないようにすることができる。一方、第1の構成によれば、電界無印加時に変調器から光が出力される。
化合物半導体を構成素材として形成される平面光導波路に電場を印加すると、その等価屈折率が大きくなる。このことによって、上述の第2の構成のマッハツェンダ型光変調器のように、電場を印加した場合に出力光P0が出力される構成の光変調器においては、出力光の強度が強いと出力光の波長がブルーシフトする。逆に出力光の強度が弱いと出力光の波長がレッドシフトする。このような波長チャープ現象は、光通信において、伝送される光パルス信号のパルス幅を圧縮する効果を生じさせる。このため、光通信に第2の構成のマッハツェンダ型光変調器を利用することが好適であるといえる。
一方、上述の第1の構成のマッハツェンダ型光変調器のように、電場を印加した場合に出力光P0が出力されない構成の光変調器においては、第2の構成のマッハツェンダ型光変調器とは逆の波長チャープが生ずることとなる。そのため、伝送される光パルス信号のパルス幅を拡大させる効果が生じることとなり、光通信に利用するには不都合である。
もちろん、第1の構成のマッハツェンダ型光変調器においても、シングルモード光導波路14と16との長さの差を、光の位相差にしてπとなるように設定しておけば、第2の構成のマッハツェンダ型光変調器と同様に、伝送される光パルス信号のパルス幅を圧縮する効果を生じさせることも可能である。しかし、この場合には、シングルモード光導波路14又は16のどちらかの長さを長く設定しなければならず、素子を小型化することが困難となる。また、1×2光カプラ及び2×1光カプラは、その寸法精度及び入力位置が光強度の分岐比に大きく影響を与えるので、製造において、高い寸法精度を要求されることが、素子製造上の難点である。
以上説明したように、化合物半導体を構成素材として形成されるマッハツェンダ型光変調器を、光通信システムに利用する場合には、第2の構成のマッハツェンダ型光変調器を採用することが望ましいことが分かる。
第2の構成のマッハツェンダ型光変調器を構成するために利用される、光導波路カプラである2×2光カプラとしては、方向性光結合器あるいはマルチモード干渉(MMI: Multimode Interference )光カプラを利用できる。方向性光結合器は、2本の光導波路を近接させて平行に配置することで構成される。また、MMI光カプラは、多数の固有モードで光が伝播することが可能である一定の長さを持つマルチモード光導波路の始端および終端に、それぞれ2本の入出力用の光導波路を設けて構成される。
方向性光結合器は、波長、光導波路の幅、光導波路の等価屈折率、2本の光導波路間の構造上の寸法などの微小な変化に対して、入力光に対する出力光の強度分岐比が大きく影響される。そのため、化合物半導体を素材として構成されるマッハツェンダ型光変調器にはほとんど利用されない。
これに対してMMI光カプラは、その構成要素であるマルチモード光導波路の幅に対する寸法誤差に対しては、入力光に対する出力光の強度分岐比に大きく影響が現れるが、波長、光導波路の等価屈折率の変化に対しては、その影響は小さい。この理由は、マルチモード光導波路を伝播する光の高次の固有モードに対する伝播定数が、波長、光導波路の等価屈折率の変化に対してはほとんど変化しないためである。また、マルチモード光導波路への入力光の入射位置ずれが生じても、マルチモード光導波路を伝播する光の伝播固有モードの伝播方向に対する対称性がほとんど変化しないので、出力光の強度分岐比にほとんど影響を与えない。これらの点は、素子を製造する上で大変好都合な特性である。このため、MMI光カプラは、化合物半導体を素材として構成されるマッハツェンダ型光変調器に頻繁に利用されている。
そこで、図2(A)、(B)及び(C)を参照して、従来の代表的なMMI光カプラの概略的形状とその機能について説明する。図2(A)、(B)及び(C)は、MMI光カプラが構成されている基板面に垂直な方向から見た、光が導波される部分、すなわちMMI光カプラを構成する光導波路の輪郭の概略的形状を示している。
図2(A)に示すMMI光カプラは、マルチモード光導波路部100の両端に入力光導波路部110及び出力光導波路部120が連続的につながって構成される。マルチモード光導波路部100は、伝播する光の伝播モードが複数存在できるように、その幅Wがシングルモード光導波路に比べて広く設計されている。入力光導波路部110は、第1入力光導波路112及び第2入力光導波路114を具えており、これら2つの光導波路は、マルチモード光導波路部100のマルチモード光導波路入力側側面106にそれぞれつながっている。第1入力光導波路112及び第2入力光導波路114はシングルモード光導波路である。
出力光導波路部120は、第1出力光導波路122及び第2出力光導波路124を具えており、これら2つの光導波路は、マルチモード光導波路部100のマルチモード光導波路出力側側面108にそれぞれつながっている。第1出力光導波路122及び第2出力光導波路124もシングルモード光導波路である。図2(B)及び(C)に示すMMI光カプラにおいても、第1及び第2入力光導波路と、第1及び第2出力光導波路とは、それぞれ同様にシングルモード光導波路である。
ここで、第1入力光導波路112、第2入力光導波路114、第1出力光導波路122及び第2出力光導波路124の幅をWgで示す。また、マルチモード光導波路部100の幅をWで示し、長さをVで示す。第1入力光導波路112と第2入力光導波路114との中心間距離、及び第1出力光導波路122と第2出力光導波路124との中心間距離は等しい。そして、第1入力光導波路112と第2入力光導波路114との間隔、及び第1出力光導波路122と第2出力光導波路124との間隔をSで示す。
また、第1入力光導波路112及び第2入力光導波路114のそれぞれの中心位置が、マルチモード光導波路入力側側面106の幅の3等分された位置に来るようにマルチモード光導波路入力側側面106にそれぞれつながっている。同様に、第1出力光導波路122及び第2出力光導波路124のそれぞれの中心位置が、マルチモード光導波路出力側側面108の幅の3等分された位置に来るようにマルチモード光導波路出力側側面108にそれぞれつながっている。
すなわち、マルチモード光導波路第1側面102から、第1入力光導波路112及び第1出力光導波路122の中心位置までの距離は、W/3であり、マルチモード光導波路第2側面104から、第2入力光導波路114及び第2出力光導波路124の中心位置までの距離は、W/3である。
第1入力光導波路112をシングルモードで伝播して、マルチモード光導波路入力側側面106からマルチモード光導波路部100に入力された入力光は、マルチモード光導波路部100において複数の伝播モードにそのエネルギーが分配されて導波され、マルチモード光導波路出力側側面108に到達する。以後、マルチモード光導波路部に入力された入力光が、マルチモード光導波路部において複数の伝播モードにそのエネルギーが分配されて導波されることを、マルチモード光導波路部において複数の伝播モードが励起されるということもある。
マルチモード光導波路出力側側面108では、マルチモード光導波路部100における導波モードごとに対応する、光強度の強い部分が局所的に形成される。このマルチモード光導波路出力側側面108において、光強度の強い部分が形成されている箇所に第1出力光導波路122及び第2出力光導波路124がつながっていれば、入力光はその強度が2分岐されて第1出力光導波路122及び第2出力光導波路124に導波される。
一般に、MMI光カプラの出力分岐比は、マルチモード導波路部において励起される固有伝播モードの励起割合と、この固有伝播モードのマルチモード光導波路出力側側面での位相差によって決まる。ここで、MMI光カプラの出力分岐比とは、MMI光カプラに入力された光のエネルギーが、MMI光カプラから分岐して出力される際のそのエネルギー分配比を言う。固有伝播モードの励起割合とは、マルチモード光導波路部において励起される複数の固有伝播モードのそれぞれに対して、入力光のエネルギーが分配される割合を言う。
図2(B)に示すMMI光カプラは、マルチモード光導波路部130の両端に入力光導波路部140及び出力光導波路部150が接続されて構成される。入力光導波路部140は、第1入力光導波路142及び第2入力光導波路144を具えており、これら2つの光導波路は、マルチモード光導波路部130のマルチモード光導波路入力側側面136にそれぞれつながっている。出力光導波路部150は、第1出力光導波路152及び第2出力光導波路154を具えており、これら2つの光導波路は、マルチモード光導波路部130のマルチモード光導波路出力側側面138にそれぞれつながっている。
ここで、第1入力光導波路142、第2入力光導波路144、第1出力光導波路152及び第2出力光導波路154の幅をWg'で示す。また、マルチモード光導波路部130の幅をW'で示し、長さをV'で示す。第1入力光導波路142と第2入力光導波路144との中心間距離、及び第1出力光導波路152と第2出力光導波路154との中心間距離は等しい。そして、第1入力光導波路142と第2入力光導波路144との間隔、及び第1出力光導波路152と第2出力光導波路154との間隔をS'で示す。
また、第1入力光導波路142及び第1出力光導波路152は、それぞれの一方の側面がマルチモード光導波路第1側面132と同一直線上に並ぶように、マルチモード光導波路入力側側面136及びマルチモード光導波路出力側側面138にそれぞれつながっている。同様に、第2入力光導波路144及び第2出力光導波路154は、それぞれの一方の側面がマルチモード光導波路第2側面134と同一直線上に並ぶように、マルチモード光導波路入力側側面136及びマルチモード光導波路出力側側面138にそれぞれつながっている。
第1入力光導波路142をシングルモードで伝播して、マルチモード光導波路入力側側面136からマルチモード光導波路部130に入力された入力光は、マルチモード光導波路部130において複数の伝播モードにそのエネルギーが分配されて導波され、マルチモード光導波路出力側側面138に到達する。マルチモード光導波路出力側側面138では、マルチモード光導波路部130における導波モードごとに対応する、光強度の強い部分が局所的に形成される。このマルチモード光導波路出力側側面138において、光強度の強い部分が形成されている箇所に第1出力光導波路152及び第2出力光導波路154がつながっていれば、入力光はその強度が2分岐されて第1出力光導波路152及び第2出力光導波路154に導波される。
マッハツェンダ型光変調器に利用されるMMI光カプラは、マルチモード光導波路部の幅Wの寸法誤差に対する、入力光に対する出力光の強度分岐比の変化が小さいことが望ましい。そのため、マッハツェンダ型光変調器に利用されるMMI光カプラとしては、図2(A)に示す形状のMMI光カプラが採用される。
図2(A)に示すMMI光カプラにおいて、マルチモード光導波路部100の幅Wは、入力光導波路部110及び出力光導波路部120を構成しているシングルモード光導波路の幅Wg及びこれらシングルモード光導波路間の間隔Sとの間に、次式(1)で与えられる関係がある。
W=3(Wg + S) (1)
また、マルチモード光導波路部100の長さVは、次式(2)で与えられることが知られている(例えば非特許文献2及び3参照)。
V=2nW2/(3λ) (2)
ここで、nはマルチモード光導波路部100の等価屈折率、λはマルチモード光導波路部100に入力される光の波長である。
式(2)から明らかなように、マルチモード光導波路部100の長さVは、マルチモード光導波路部100の幅Wの二乗に比例することが分かる。すなわち、マルチモード光導波路部100の幅Wの変化に対してマルチモード光導波路部100の長さVは非常に大きく変化することを示している。
化合物半導体(例えばInP)を構成素材として形成されるMMI光カプラにおいて、光通信に利用される波長が1.5μm帯の光に対しては、シングルモード光導波路の幅Wgを2μm程度に設定する必要がある。また、詳細は後述するが、マルチモード光導波路部100、第1及び第2入力光導波路112、114及び第1及び第2出力光導波路122、124は、リッジ型の光導波路として形成される。このリッジ型の光導波路を形成する技術上の要請から、シングルモード光導波路間の間隔Sは少なくとも2μm必要である。
マルチモード光導波路部100の等価屈折率nを3(InPの波長1.5μmの光に対する屈折率はほぼ3である。)として、式(1)及び(2)から、マルチモード光導波路部100の長さVを計算すると次のようになる。すなわち、
V=2n×[3(Wg + S)]2/(3λ)
=2×3×[3×(2+2)]2/(3×1.5)
=192
となるので、マルチモード光導波路部100の長さは200μm程度必要であることになる。
また、マルチモード光導波路部100の幅Wに寸法誤差ΔWがあれば、この寸法誤差に応じてMMI光カプラの出力光強度が小さくなる。厳密には、幅Wに関する誤差とは、誤差幅(寸法誤差)をΔWとした時、いわゆる相対誤差ΔW/Wをいう。この相対誤差ΔW/Wを、以後幅誤差ということもある。
この幅Wに寸法誤差ΔWが生じる要因は、製作工程であるフォトリソグラフィー、ドライエッチング等の工程にある。この寸法誤差は現状の技術では±0.3μm程度である。製作工程において生じる寸法誤差ΔWに起因するMMI光カプラの出力光強度の低下を小さくするためには、幅誤差ΔW/Wを小さくする必要があり、このためには、幅Wを広く設計しておく必要がある。寸法誤差ΔWが上述のように現状の技術水準から±0.3μm程度であり、この値そのものを小さくすることは困難である。従って幅誤差ΔW/Wを小さくするには、幅Wを広く設計しておくことが必要となる。
マルチモード光導波路部100の長さVは、上式(2)から明らかなように、幅Wの二乗に比例して長く設定することが必要となり、結果として長さVを350μm程度に設計しなければならなくなる。
一方、図2(B)に示すMMI光カプラにおいては、マルチモード光導波路部130の幅W'は、入力光導波路部140及び出力光導波路部150を構成しているシングルモード光導波路の幅Wg'及びこれらシングルモード光導波路間の間隔S'との間に、次式(3)で与えられる関係がある。
W'=2Wg'+S' (3)
また、マルチモード光導波路部130の長さV'は、次式(4)で与えられることが知られている(例えば非特許文献2及び3参照)。
V'=2nW'2/λ (4)
ここで、nはマルチモード光導波路部130の等価屈折率、λはマルチモード光導波路部130に入力される光の波長である。
式(2)から明らかなように、この場合も、マルチモード光導波路部130の長さV'は、マルチモード光導波路部130の幅W’の二乗に比例する。またこの場合も、シングルモード光導波路の幅Wg'を2μm程度に設定する必要があり、シングルモード光導波路間の間隔S'も少なくとも2μm必要である。
上述と同様に、式(3)及び(4)から、マルチモード光導波路部130の長さV'を計算すると次のようになる。すなわち、
V'=2n×[2Wg'+ S']2
=2×3×[(2×2)+2)]2/(1.5)
=144
となるので、マルチモード光導波路部130の長さは144μm程度必要であることになり、上述の図2(A)に示すMMI光カプラよりも短くて済むことがわかる。しかしながら、図2(B)に示すMMI光カプラのマルチモード光導波路部130の幅W'は6μm(W'=2Wg'+ S'=(2×2)+2)=6)と、図2(A)に示すMMI光カプラの幅Wが12μm(W=3(Wg + S)=3×(2+2)=12)であるのと比較して狭い。このことから、マルチモード光導波路部の幅の寸法誤差に対する出力光の強度分岐比の変化、すなわち、動作特性に与える効果が大きいという欠点がある。
そこで、マルチモード光導波路部の長さも短くするための工夫が検討されている。その一例が、図2(C)に示すMMI光カプラである(例えば、特許文献4参照)。図2(C)に示すMMI光カプラも、入力光導波路部162、マルチモード光導波路部170、出力光導波路部164を具えて構成されることは、上述の図2(A)及び(B)に示すMMI光カプラと同様である。異なる点は、マルチモード光導波路部170の中間部分の幅を狭くした括れ部分166が形成されている点である。
このように括れ部分166を形成することによってマルチモード光導波路部の長さを短くできるが、寸法誤差による入力光に対する出力光の強度分岐比の変化が大きいことが指摘されている(例えば、非特許文献1及び特許文献5参照)。また、MMI光カプラとして光損失が大きい点も問題点として指摘されている(例えば、特許文献4参照)。また、2入力2出力MMI光カプラであって、入力及び出力光導波路の幅を、MMI光導波路との接続部分において広げた構造の光カプラも知られている(例えば特許文献6参照)。しかしこの光カプラでも、全長を短く形成することは難しい。
このようなことから、図2(C)に示すMMI光カプラによっても、マルチモード光導波路部の幅の寸法誤差に対する入力光に対する出力光の強度分岐比の変化が小さく、かつマルチモード光導波路部の長さも短いMMI光カプラは、いまだに実現していない。
米国特許第6,236,784号公報 米国特許第5,799,119号公報 特開平9-211244号公報 米国特許第6,792,172号公報 米国特許第5,689,597号公報 特開2000-162454号公報 European Conference on Optical Communication (ECOC) 1994年9月予稿集pp. 669〜672. Journal of Light wave Technology Vol. 12 (June, 1994, pp.1004-1007. Journal of Light wave Technology Vol. 13 (April, 1995, pp.615-627.
そこで、この発明の目的は、製造工程において発生する寸法誤差に起因する出力光の強度分配比の変動等の、動作特性に与える効果が小さいという特長をもち、かつ全長が短いMMI光カプラを提供することにある。
上述の目的を達成するため、第1の発明のMMI光カプラは、第1及び第2入出力光導波路部と、第1入出力光導波路部の最外側端間の距離よりも幅の広いマルチモード導波光を伝播させる、第1、第2及び第3マルチモード光導波路部とを具える構造体として形成される。そして、第1入出力光導波路部、第1マルチモード光導波路部、第2マルチモード光導波路部、第3マルチモード光導波路部、及び第2入出力光導波路部は、この順序で連続的につながっている。
第1入出力光導波路部は、導波方向に平行な対称軸に対して、互いに線対称にかつ離間して、配置された第1及び第2サブ光導波路で以って構成されている。第2マルチモード光導波路部は、上記の対称軸に対して線対称形であって、当該第2マルチモード光導波路部の幅が、第1マルチモード光導波路部との境界から第3マルチモード光導波路部との境界に向かって、連続的に広がった第1形状の平面形状を有している。第3マルチモード光導波路部は、上記対称軸に対して、互いに線対称にかつ離間して、配置された第1及び第2サブマルチモード光導波路で以って構成されている。第1及び第2サブマルチモード光導波路は、第2マルチモード光導波路部との境界から第2入出力光導波路部との境界に向かって、連続的に狭まった第2形状の平面形状を有している。第2入出力光導波路部は、上記対称軸に対して、互いに線対称にかつ離間して、配置された第3及び第4サブ光導波路を以って構成されている。
第1及び第2サブ光導波路と、第1マルチモード光導波路部とは、第1及び第2サブ光導波路それぞれの中心軸と第1マルチモード光導波路部の中心軸とがずれた位置につながっている。
また、第1の発明のMMI光カプラは、更に、第2マルチモード光導波路部と第3マルチモード光導波路部との間に、第4マルチモード光導波路部を設ける構造体として形成しても良い。この場合には、第2マルチモード光導波路部は、上記の対称軸に対して線対称形であって、当該第2マルチモード光導波路部の幅が、第1マルチモード光導波路部との境界から第4マルチモード光導波路部との境界に向かって、連続的に広がった第1形状の平面形状を有する。第1及び第2サブマルチモード光導波路は、第4マルチモード光導波路部との境界から第2入出力光導波路部との境界に向かって、連続的に狭まった第2形状の平面形状を有する。
第2の発明のMMI光カプラは、第1の発明と、第1入出力光導波路部の構成が異なる。すなわち、第1入出力光導波路部を構成する第2サブ光導波路と、第1マルチモード光導波路部との接続関係が異なっている。第2サブ光導波路と、第1マルチモード光導波路部とは分離され、かつ第1マルチモード光導波路部からの放射光を結合させて第2サブ光導波路に入力されるように、あるいは第2サブ光導波路からの放射光を結合させて第1マルチモード光導波路部に入力されるように配置される点が特徴である。
第3の発明のMMI光カプラは、第1及び第2の発明と、第1入出力光導波路部の構成が異なる。すなわち、第1入出力光導波路部が、第1サブ光導波路1つだけで構成される点に特徴がある。第3の発明のMMI光カプラにおける、第1サブ光導波路は、第1及び第2の発明のMMI光カプラにおける第1サブ光導波路と同一に形成される。第1及び第2の発明のMMI光カプラにおける第1入出力光導波路部の、第2サブ光導波路を取り去って形成されるのが、第3の発明のMMI光カプラである。
第4の発明は、上述した第1及び第2の発明のMMI光カプラを利用して構成されるマッハツェンダ型光変調器である。マッハツェンダ型光変調器は、入力された光を2つの光に分岐する分岐部と、この2つの光をそれぞれ伝播させる第1及び第2光導波路と、この第1及び第2光導波路部を伝播した光を合波して出力する合波部とを具えて構成される。
第4の発明であるマッハツェンダ型光変調器は、この分岐部及び合波部を、上記第1あるいは第2の発明のMMI光カプラを利用して形成することを特徴とする。
第5の発明もMMI光カプラを利用して構成されるマッハツェンダ型光変調器であるが、上記の第4の発明のマッハツェンダ型光変調器と異なる点は、分岐部及び合波部を、上記第3の発明のMMI光カプラを利用して形成する点である。
第6の発明は、上記の第1、第2及び第3のMMI光カプラのいずれかを利用して構成される光カプラである。この光カプラは、1つの入力光を2つの光に分岐し、あるいは2つの入力光を1つの光に合波するY分岐型の光カプラを、各分岐枝に順次結合して全体でN段(Nは2以上の整数)に接続して構成される。Y分岐型の光カプラの分岐枝は、合波器として利用する場合には、もちろん合波枝となる。すなわち、Y分岐型の光カプラの分岐枝は、分岐器として利用するか合波器として利用するかによって、その構造そのものが異なるわけではなく、機能として区別するために、分岐器として利用する場合には分岐枝、合波器として利用する場合には合波枝と区別して呼称する場合があるに過ぎない。
そして、入力された光を2N分岐(Nは2以上の整数)して出力させる、あるいは2N個の入力光を合波して出力させる光カプラである。従って、この光カプラは、利用の方法として分岐器として、あるいは分波器として、どちらにも利用できる。第6の発明の特徴は、このY分岐型の光カプラとして上記の第1、第2及び第3のMMI光カプラいずれかを用いて構成される点である。
第1の発明のMMI光カプラは、第1及び第2入出力光導波路部を具えており、それぞれが、2本のサブ光導波路を有している。すなわち、第1の発明のMMI光カプラは、2入力2出力の光カプラ(2×2光カプラ)であるから、図1(B)を参照して説明した第2の構成のマッハツェンダ型光変調器を構成するのに好適な光カプラである。第2の構成のマッハツェンダ型光変調器は、上述したように、波長チャープ効果の少ない変調光を出力するという特徴があり、光通信システムに利用して好適である。
第1マルチモード光導波路部には、第1入出力光導波路部の第1あるいは第2サブ光導波路から入力光が入力される。そして、第1マルチモード光導波路部への入力端において、複数の伝播モードが励起される。すなわち、入力光は、第1マルチモード光導波路部に入力されるとマルチモード干渉効果によって、第1マルチモード光導波路部を伝播する間に、その強度が2分配される。この分岐比率は、第1マルチモード光導波路部の伝播方向の長さによって決定される。
分岐比をほぼ1対1に設定するために必要とされる第1マルチモード光導波路部の伝播方向の長さは、従来のMMI光カプラと同様に、第1マルチモード光導波路部の幅の2乗に比例する。従って、第1マルチモード光導波路部の幅はできるだけ狭くすることが好ましい。また、第1マルチモード光導波路部の伝播方向の長さは、入力光の強度がほぼ1対1に2分配されるために必要とされる長さよりも短めに設定することができる。これは、第1マルチモード光導波路部に引き続いて第2あるいは第4マルチモード光導波路部が設けられるので、入力光の強度がほぼ1対1に2分配されるための必要な調整が、この部分で更に行なえるためである。後述するが、第2マルチモード光導波路部の長さを調整することによって、出力光の分岐比を調整できることがシミュレーションによって確かめられた。
第1マルチモード光導波路部の終端部、すなわち第1マルチモード光導波路部と第2マルチモード光導波路部との境界において、光電場強度の強い部分(光電場強度が極大値を取る部分)が2箇所に形成される。この2箇所の光電場強度の強い部分に、光導波路を設ければ、これらの光導波路に、入力光が2分岐されて入力される。従来のMMI光カプラは、このように第1マルチモード光導波路部の終端部に直接分岐された出力光を取り出すための光導波路が設けられている。しかしながら、後述する第2及び第3の発明のMMI光カプラをも含めて、第1マルチモード光導波路部の終端部には、この終端部から第3マルチモード光導波路部との境界に向かって、連続的に広がった第1形状の平面形状を有する第2マルチモード光導波路部が設けられる。
第2マルチモード光導波路部において、第1マルチモード光導波路部の終端部に形成された光電場強度の分布が、伝播方向に垂直な方向に沿って広げられる。すなわち、第1マルチモード光導波路部の終端部に形成される光電場強度の極大値を取る位置の間隔が、伝播方向に垂直な方向に沿って広げられる。従って、第2マルチモード光導波路部の終端部、すなわち、第2マルチモード光導波路部と第3マルチモード光導波路部との境界において、入力光の光電場が2分岐されて形成された2箇所の光電場強度の極大部分の間隔が、第1マルチモード光導波路部の終端部における場合と比べて広がっている。
第2マルチモード光導波路部の役割は、上述したように、第1マルチモード光導波路部の終端部に形成される光電場強度の分布を伝播方向に垂直な方向に沿って広げることにある。これによって、2分岐された出力光を空間的に十分に離して出力させることが可能となる。
第3マルチモード光導波路部を構成する、第1及び第2サブマルチモード光導波路は、第2マルチモード光導波路部との境界から第2入出力光導波路部との境界に向かって連続的に狭まった第2形状の平面形状を有している。第3マルチモード光導波路部が上述の形状をしているため、第2マルチモード光導波路部の終端部において形成される、2箇所の光電場強度の極大部分がそれぞれ、第1及び第2サブマルチモード光導波路の入力端に合致するように形成構成できる。
第1及び第2サブマルチモード光導波路は、第2マルチモード光導波路部との境界においてはその幅が広い。従って、第2マルチモード光導波路部の終端部において形成される、2箇所の光電場強度の極大部分を十分に覆うように、第2マルチモード光導波路部と第1及び第2サブマルチモード光導波路とをつなげることができる。第2マルチモード光導波路部との境界において、第1及び第2サブマルチモード光導波路のつながる位置が多少ずれても、第2マルチモード光導波路部から第1及び第2サブマルチモード光導波路へ入力される光の強度はほとんど減少しない。すなわち、この発明の後述する第2及び第3の発明のMMI光カプラをも含めて、この第1の発明のMMI光カプラの製造における寸法誤差の許容範囲が、従来のMMI光カプラに比べて広いという利点を持つ。
また、第1及び第2サブマルチモード光導波路は、第2マルチモード光導波路部との境界から第2入出力光導波路部との境界に向かって、連続的に狭まった第2形状の平面形状を有しているので、第3及び第4サブ光導波路との境界において、両者の導波路の幅を等しくできる。従って、第1及び第2サブマルチモード光導波路と第3及び第4サブ光導波路とは、それぞれの幅方向の側端を一致させてつなげることができる。このことによって、2分岐された光の強度を損失することなく、第3マルチモード光導波路部からの出力を第3及び第4サブ光導波路に入力できるという利点を持つ。
また、第2マルチモード光導波路部と第3マルチモード光導波路部との間に、第4マルチモード光導波路部を設ければ、第1及び第2入出力光導波路部及び、第1、第2、及び第3マルチモード光導波路部の寸法誤差に起因する、MMI光カプラとしての損失及び分岐比といった、特性に与える影響を小さくできる。上述したように第2及び第3マルチモード光導波路部を具えることで、寸法誤差に起因する特性への影響を低減できるが、この第4マルチモード光導波路部を設けることで更に低減できる。第4マルチモード光導波路部の伝播方向の長さは、長すぎれば素子の全長が長くなり、また短すぎれば上記影響の低減の度合いが減少するので、その最適値が存在する。従って、第4マルチモード光導波路部の伝播方向の長さは、利用目的に応じて、素子の全長と寸法誤差に起因する特性への影響の度合いとを勘案して決定される設計的事項である。
第2の発明のMMI光カプラは、第2サブ光導波路と、第1マルチモード光導波路部とは分離され、かつ第1サブマルチモード光導波路からの放射光を結合させて第2サブ光導波路に入力されるように、あるいは第2サブ光導波路からの放射光を結合させて第1サブマルチモード光導波路に入力されるように配置されている。このため、第2の発明のMMI光カプラは、マッハツェンダ型光変調器の合波部に利用して好適である。
すなわち、マッハツェンダ型光変調器の出力ポートは一般的な利用においては1つで十分であるが、用途によっては、出力ポートの他にモニタ用ポートを必要とすることがある。そして、光変調素子そのものを極めて小さく構成しなければならない等の場合もある。この場合には、2つの出力ポートの間隔を十分に確保できない。この場合に第2の発明のMMI光カプラを、マッハツェンダ型光変調器の合波部に利用すれば、モニタ用ポートを問題なく設けることができる。
例えば、マッハツェンダ型光変調器の合波部として第2の発明のMMI光カプラを利用すれば、出力ポートとして第1サブ光導波路を使い、第2サブ光導波路を、第1サブ光導波路から十分離してモニタ用出力ポートとして設けることができるからである。
第3の発明のMMI光カプラは、第1入出力光導波路部が、第1サブ光導波路1つだけで構成されている。マッハツェンダ光変調器は、基本的には、1入力1出力の素子である。すなわち、マッハツェンダ光変調器の分岐部及び合波部に利用するMMI光カプラは、基本的に1×2光カプラであればよい。従って、マッハツェンダ光変調器の分岐部及び合波部に利用されるMMI光カプラとしては、第3の発明のMMI光カプラで十分である。しかも第1入出力光導波路部が第1サブ光導波路1本で構成され、第1及び第2の発明のMMI光カプラのように、隣接して設けられる第2サブ光導波路が存在しない。このため、製造時に第1サブ光導波路と第2サブ光導波路との間隔が狭いために、十分な寸法精度を満たすようにエッチングを行なうことが難しいという問題も生じない。
ただし、波長チャープ効果の少ない変調光を出力するという特長を持つマッハツェンダ型光変調器を構成するためには、上述したように、分波部及び合波部に2×2光カプラを利用しなければならない。このために、第3の発明のMMI光カプラを実質的な2×2光カプラとしての特性を有するように構成する必要がある。すなわち、第3の発明のMMI光カプラは、第2サブ光導波路を付加するだけで他の部分の構成は全く変更しないで、2入力2出力の光カプラとして機能することが保障されている構成として形成しなければならない。
そのためには、第1マルチモード光導波路部の線対称軸の位置からずらせて、第1サブ光導波路と第1マルチモード光導波路部とを接続する必要がある。特に、第3マルチモード光導波路部の入力端において、光電場の極大部分が完全に分離されて形成されるように、第1サブ光導波路の幅は、第1マルチモード光導波路部の幅の半分以下である必要がある。第3マルチモード光導波路部の入力端において、光電場の極大部分が完全に分離されて形成されなければ、分岐比を正確に設定することが困難となる。
第1、第2及び第3の発明のMMI光カプラの効果の説明において、第1入出力光導波路部から入力光が入力され、第2入出力光導波路部から出力光が出力される場合を仮定して説明した。すなわち、第1、第2及び第3の発明のMMI光カプラを、暗黙のうちに光分岐素子として仮定して説明してきた。しかし、光は一方方向に向かって進行する導波モードが確定されれば、進行方向を逆にしても全く同一の導波モードで伝播する。従って、第1、第2及び第3の発明のMMI光カプラが、同様に光合波器としても動作することは明らかである。以後の説明においても、便宜上、第1、第2及び第3の発明のMMI光カプラを、光分岐器として仮定して説明することもあるが、第1、第2及び第3の発明のMMI光カプラの機能を光分岐器に限定するものではない。
第4の発明のマッハツェンダ型光変調器は、第1及び第2の発明のMMI光カプラを利用して構成されるマッハツェンダ型光変調器である。第1及び第2の発明のMMI光カプラの全長は短いという特長を有しているので、これを分岐部及び合波部に利用して構成されるマッハツェンダ型光変調器もその全長は短く形成できる。また分岐部及び合波部を短く形成できるので、それだけ第1及び第2光導波路を長く形成することもできる。第1及び第2光導波路を長く形成できれば、第1及び第2の光導波路に印加する電圧を低くできるという利点がある。また、第1及び第2の発明のMMI光カプラは、製造上の寸法誤差を従来のMMI光カプラに比べて大きく見積もることができるので、結果としてマッハツェンダ型光変調器としても、製造が容易である。
第5の発明のマッハツェンダ型光変調器は、分岐部及び合波部を第3の発明のMMI光カプラを利用して形成される。従って、第3の発明のMMI光カプラの有する優れた点がそのまま、第5の発明のマッハツェンダ型光変調器の優れた点となる。すなわち、第5の発明のマッハツェンダ型光変調器の入力ポートあるいは出力ポートを構成する第1入出力光導波路部の形成が容易である。
第6の発明の光カプラは、Y分岐型の光カプラとして、上記の第1、第2及び第3のMMI光カプラのいずれかが用いられて構成される。従って、第1、第2及び第3の発明のMMI光カプラの有する優れた点がそのまま、第6の発明の光カプラの優れた点となる。すなわち、素子長が短く構成でき、しかも導波路の寸法誤差が分岐比に与える影響が小さく製造が容易である。
以下、図を参照して、この発明の実施の形態につき説明する。なお、各図は、この発明に係る一構成例を図示するものであり、この発明が理解できる程度に各構成要素の断面の切り口の形状や配置関係等を概略的に示しているに過ぎず、この発明を図示例に限定するものではない。また、以下の説明において、特定の材料および条件等を用いることがあるが、これら材料および条件は好適例の一つに過ぎず、したがって、何らこれらに限定されない。また、各図において同様の構成要素については、同一の番号を付して示し、その重複する説明を省略することもある。
まず、この発明の光導波路カプラの基本構造及びその機能の基礎的事項の理解に資するために、図3(A)、(B)及び(C)を参照して、化合物半導体を素材として構成された従来のマッハツェンダ型光変調器の一例を説明する。図3(A)は、マッハツェンダ型光変調器の概略的構造を示す斜視図である。図3(A)においては、以下の説明において必要とされる限度で、2×2光カプラ等の構造の細部は省略し、長方形によってその配置される位置を示してある。図3(B)は、図3(A)においてP-Qで示す切断面で切断した断面構造図である。また、図3(C)は、図3(A)においてR-Sで示す切断面で切断した断面構造図である。
光通信システムに利用する光変調器であることを前提にして、ここではマッハツェンダ型光変調器を形成する基板としてp型InP(以後、p型InPを単にp-InPと表記することもある。)単結晶板80を用いる。これは、光通信システムで使われる光は、その波長帯域が1.5μm帯であることから、この波長の光に対して透明である光導波路を形成できなければならないからである。InP単結晶板を用いれば、光導波路の導波部分(光導波路のコア及びクラッド)をエピタキシャル成長法によってInGaAsP単結晶で形成できる。光導波路のコアを構成するInGaAsP単結晶、及び光導波路のクラッドを構成するInP単結晶は、いずれも波長が1.5μm帯である光に対しては透明である。
まず、図3(A)を参照して、マッハツェンダ型光変調器の概略的構成について説明する。図3(A)に示すマッハツェンダ型光変調器は、上述の第2の構成のマッハツェンダ型光変調器である。すなわち、入力側に2×2光カプラ60が設けられ、出力側に2×2光カプラ70が設けられている。2×2光カプラ60及び70は、2入力2出力のMMI光カプラである。以後、2入力2出力のMMI光カプラを、2×2-MMI光カプラと表記することもある。
2×2光カプラ60は、マルチモード光導波路56の2つの入力ポートにシングルモード光導波路52及び54が接合されており、2つの出力ポートにシングルモード光導波路62及び64が接合されて形成されている。
ここで、2×2-MMI光カプラの構造とその機能について、2×2光カプラ60を例にとって説明する。2×2-MMI光カプラは、マルチモード光導波路の入力端面に入力ポートを具え、出力端面に出力ポートを具えて構成される。2×2光カプラ60では、マルチモード光導波路56の入力端面56iに入力ポートを具えており、この入力ポートにシングルモード光導波路52及び54が配置されている。また、マルチモード光導波路56の出力端面56jに出力ポートを具えており、この出力ポートにシングルモード光導波路62及び64が配置されている。
マルチモード光導波路56の入力及び出力ポートの位置は、マルチモード光導波路56を伝播する光の伝播モードによって一義的に決まる。すなわち、入力ポートをマルチモード光導波路56の入力端面56iのどの位置に設定するかによってマルチモード光導波路56を伝播する光の伝播モードが確定し、それによって、マルチモード光導波路56の出力端面56jにおいて、光強度の強い部分と弱い部分とが複数箇所に形成される。
マルチモード光導波路56の出力端面56jの複数箇所に形成される光強度の強い部分となる位置に出力ポートを設定すれば、入力光の光強度を均等に分割した出力光が得られる。すなわち、マルチモード光導波路56の入力ポートに入力された入力光は、出力端面56jの複数箇所にその光強度が分割されて集まるので、この光強度の強い部分に出力ポートを設置すれば、出力端面56jに形成される光強度の強い部分の数と等しい数に分岐された出力光を得ることができる。
上述したように、入力光Piをシングルモード光導波路52あるいは54のどちらから入力させても良いので、図3(A)に示すマッハツェンダ型光変調器においては、入力光Piをシングルモード光導波路52から入力させるものとして説明する。
シングルモード光導波路52から、2×2光カプラ60に入力された入力光Piは、シングルモード光導波路62を伝播する光と、シングルモード光導波路64を伝播する光とに分岐される。シングルモード光導波路62及び64には、図3(A)に示すように、それぞれ電極を形成するための金属膜電極66及び68が設けられている。シングルモード光導波路62及び64を伝播した光は、再び2×2光カプラ70に入力されて合波される。合波された光はシングルモード光導波路76または78を伝播して、マッハツェンダ型光変調器の出力光Poとして出力される。
2つの2×2光カプラ60及び70の間を接続する2本の光導波路である、シングルモード光導波路62及び64には、それぞれ金属膜電極66及び68が設けられている。金属膜電極66及び68に対して、図1(B)を参照して説明したように、電圧が印加され光変調が実現される。金属膜電極66及び68に電圧を印加するための電極及び電源等は、図3(A)では、その図示を省略してある。
ここで、2×2-MMI光カプラの構造について説明する。2×2光カプラ60及び70はいずれも同一の2×2-MMI光カプラであるから、ここでは、2×2光カプラ60のマルチモード光導波路56の導波方向に対して垂直な面で切断した切り口を示す図を参照して2×2-MMI光カプラの構造を説明する。図3(B)は、マルチモード光導波路56の導波方向に対して垂直な面、すなわち、図3(A)においてP-Qで示す切断面で切断した切り口を示す図である。
基板であるp-InP単結晶板80に、p-InPクラッド層82、半絶縁性のInGaAsP導波層84及びn型InPクラッド層86からなるリッジ形のマルチモード光導波路90が形成されている。このリッジ形のマルチモード光導波路90の両側面に接してポリイミド層88a及び88bが形成されている。以後、n型InPを単にn-InPと表記し、半絶縁性のInGaAsPを単にi-InGaAsPと表記することもある。
このように、マルチモード光導波路56は、リッジ形のマルチモード光導波路90として形成されている。リッジ形のマルチモード光導波路90がマルチモード光導波路となる理由は、導波路の幅、すなわち、i-InGaAsP導波層84の幅Wが広いために、i-InGaAsP導波層84を伝播する光の伝播モードが複数存在することによる。言い換えると、i-InGaAsP導波層84の幅Wは、i-InGaAsP導波層84を伝播する光の伝播モードが複数存在するように設定される。
次に、図3(A)に示すマッハツェンダ型光変調器の構成要素であるシングルモード光導波路の構造について説明する。シングルモード光導波路52、54、62、64、76及び78は、シングルモード光導波路62及び64の一部に電極を形成するための金属膜が形成されていることを除き、全て同一の構造である。そこで、図3(C)を参照して、シングルモード光導波路を説明する。図3(C)は、シングルモード光導波路62及び64の導波方向に対して垂直な面、すなわち、図3(A)においてR-Sで示す切断面で切断した切り口を示す図である。
基板であるp-InP単結晶板80に、p-InPクラッド層83、i-InGaAsP導波層85及びn-InPクラッド層87からなるリッジ形のシングルモード光導波路94が形成されている。この点は、上述のリッジ形のマルチモード光導波路90と同一の構造である。異なるのは、i-InGaAsP導波層85の幅W'が狭いために、i-InGaAsP導波層85を伝播する光の伝播モードが1つしか存在しないことである。言い換えると、i-InGaAsP導波層85の幅W'は、i-InGaAsP導波層85を伝播する光の伝播モードが1つだけ存在するように設定される。
また、このリッジ形のシングルモード光導波路94の両側面に接してポリイミド層88a、88b及び88cが形成されている。ポリイミド層88a及び88bは、上述のリッジ形のマルチモード光導波路90の両側面に接して形成されているポリイミド層88a及び88bと、それぞれ一続きに繋がっている。ポリイミド層88cは、図3(A)に示すマルチモード光導波路56及び72と、シングルモード光導波路62及び64とで囲まれた領域に形成されている。
シングルモード光導波路52、54、62、64、76及び78と、マルチモード光導波路56及び72とは、p-InP単結晶板に、p-InP層、i-InGaAsP層及びn-InP層がエピタキシャル成長された基板からフォトリソグラフィー及びエッチング工程を経て構成される。従って、図3(B)に示すp-InPクラッド層82、i-InGaAsP導波層84及びn-InPクラッド層86と、それぞれに対応する図3(C)に示すp-InPクラッド層83、i-InGaAsP導波層85及びn-InPクラッド層87とは、互いに同一の条件で形成され、同一組成かつ同一膜厚を有するエピタキシャル成長層である。
図3(C)に示すシングルモード光導波路には、電極を形成するための金属膜電極66及び68が設けられている。また、p-InP単結晶板80にも図3(B)及び図3(C)に示すように、p-InP単結晶板80の下面(シングルモード及びマルチモード光導波路が形成されている面とは反対側の面)をアース電位に保つための金属膜電極92が設けられている。金属膜電極92にアース電極(図示せず。)が設けられる。
金属膜電極66、68及び92は、Au薄膜、Pt薄膜及びTi薄膜を真空蒸着法あるいはスパッタリング法等で積層して形成し、数百℃の温度でシンターするという、周知のオーミックコンタクトの形成方法によって形成される。また、金属膜電極66、68及び92のそれぞれの部分には、周知の方法で電極を形成できるので、その説明は省略する。
金属膜電極92の電位に対して、金属膜電極66の電位が高くなるように電圧を印加すると、i-InGaAsP導波層85に電場が発生し、この電場によって発現する電気光学効果によって、リッジ形のシングルモード光導波路94の実効屈折率が変化する。
シングルモード光導波路52、54、62、64、76及び78と、マルチモード光導波路56及び72とのコア層として機能する、i-InGaAsP導波層84及び85の厚みは0.4μmに設定される。また、基本導波モードのみが伝播できるシングルモード光導波路とするために、導波路52、54、62、64、76及び78の幅は2μmに設定される。また、金属膜電極66、68及び92による光吸収を防止するため、及びリッジ形のマルチモード光導波路90及びリッジ形のシングルモード光導波路94のリッジの高さHがそれぞれの光導波路の実効屈折率に影響を与えないために、n-InPクラッド層86及び87の厚みは2μmに設定される。
また、p型InPクラッド層82及び83の厚みも、光導波路の実効屈折率に影響を与えない目的で0.4μm以上に設定される。また、シングルモード光導波路62及び64の金属膜電極が設けられている領域における両者の間隔Lは、金属膜電極66と68との間の絶縁を保つため及び、シングルモード光導波路62及び64を伝播するそれぞれの光の電場が互いに干渉しないようにするために、10μm以上離して設定される。
マルチモード光導波路56の出力端面56jの2つの出力ポートの間隔は2μm程度である。2本のシングルモード光導波路62及び64は、それぞれの入力端がマルチモード光導波路56に接続されて、それぞれ金属膜電極66と68とが設けられて10μm以上離して設定されている部分に繋がっている。2本のシングルモード光導波路62及び64は、このそれぞれの入力端から、それぞれ金属膜電極66と68とが設けられた部分に繋がる部分に至るまでの間は、その間隔が徐々に広げられて行く構造となっている。
すなわち、2本のシングルモード光導波路62及び64の両者の間隔を急激に広げようとすると、それぞれのシングルモード光導波路62及び64の曲率半径を小さくしなければならない。こうすると、シングルモード光導波路62及び64を伝播する光が放射損失によってその強度が低下する。一方、2本のシングルモード光導波路62及び64の両者の間隔を緩やかに広げようとすると、それぞれの入力端から、それぞれ金属膜電極66と68とが設けられた部分に繋がる部分に至るまでの長さが長くなって、光変調器としての全長が長くなりすぎてしまう。すなわち、シングルモード光導波路62及び64を伝播する光の放射損失の大きさと光変調器としての全長とを、総合的に勘案して、それぞれの入力端から、それぞれ金属膜電極66と68とが設けられた部分につながる部分の寸法が設定される。
<第1実施例>
図4(A)及び(B)を参照して第1実施例のMMI光カプラの構造及びその機能について説明する。第1実施例のMMI光カプラは、上述した第1の発明のMMI光カプラの実施例である。
図4(A)に示す第1実施例のMMI光カプラは、シングルモード導波光を伝播させる第1入出力光導波路部200及び第2入出力光導波路部250を具え、更にマルチモード導波光を伝播させる、第1マルチモード光導波路部210、第2マルチモード光導波路部220及び第3マルチモード光導波路部240を具える構造体として形成される。そして、第1入出力光導波路部200、第1マルチモード光導波路部210、第2マルチモード光導波路部220、第3マルチモード光導波路部240、及び第2入出力光導波路部250は、この順序で連続的につながっている。
第1入出力光導波路部200、第1マルチモード光導波路部210、第2マルチモード光導波路部220、第3マルチモード光導波路部240、及び第2入出力光導波路部250のそれぞれの長さは、Y1、Y2、Y3、Y5及びY6である。従来のMMI光カプラと対等に比較をするためには、第1実施例のMMI光カプラの全長は、Y2+Y3と定義するのが合理的である。第1実施例のMMI光カプラをマッハツェンダ型光変調器に利用する場合を想定すると、長さY5である第3マルチモード光導波路部240は、マッハツェンダ型光変調器の分岐部と合波部とを繋ぐ第1及び第2光導波路部分に含まれると解釈することが合理的であるからである。すなわち、マッハツェンダ型光変調器の分岐部あるいは合波部は、実質的に第1マルチモード光導波路部210と第2マルチモード光導波路部220とで構成されると解釈するのが合理的である。
第1入出力光導波路部200は、導波方向に平行な対称軸260に対して、互いに線対称にかつ離間して、配置された第1サブ光導波路202及び第2サブ光導波路204を以って構成されている。
第1マルチモード光導波路部210は、上記の対称軸260に対して対称な長方形の平面形状を有するマルチモード光導波路221が設置されている。第1マルチモード光導波路部210は、マルチモード光導波路221のみで形成されるので、以後、第1マルチモード光導波路部210といえば、マルチモード光導波路221を指すものとする。
第2マルチモード光導波路部220は、上記の対称軸260に対して線対称形であって、当該第2マルチモード光導波路部220の幅が、第1マルチモード光導波路部210との境界B2から第3マルチモード光導波路部との境界B3に向かって、連続的に広がった第1形状の平面形状を有するマルチモード光導波路222が設置されている。すなわち、第2マルチモード光導波路部220の側端224-1及び224-2が、境界B2から境界B3に向かって連続的に広がっている。図4(A)では、側端224-1及び224-2は直線形状であるが、後述するように必ずしも直線形状である必要はない。第2マルチモード光導波路部220は、マルチモード光導波路222のみで形成されるので、以後、第2マルチモード光導波路部220といえば、マルチモード光導波路222を指すものとする。
第3マルチモード光導波路部240は、上記対称軸260に対して、互いに線対称にかつ離間して、配置された第1サブマルチモード光導波路242及び第2サブマルチモード光導波路244で以って構成されている。第1サブマルチモード光導波路242及び第2サブマルチモード光導波路244は、第2マルチモード光導波路部220との境界B3から第2入出力光導波路部250との境界B4に向かって、連続的に狭まった第2形状の平面形状を有している。
第1サブマルチモード光導波路242と第2サブマルチモード光導波路244とは合同であるので、第1サブマルチモード光導波路242の形状の特徴について説明する。第1サブマルチモード光導波路242は、第1サブマルチモード光導波路242の側端246-1及び246-2が、境界B3から境界B4に向かって連続的に狭まっている。図4(A)では、側端246-1及び246-2は直線形状であるが、後述するように必ずしも直線形状である必要はない。
第2マルチモード光導波路部220の境界B3における幅は、第1サブマルチモード光導波路242と第2サブマルチモード光導波路244の境界B3における幅をそれぞれ加えた値とほぼ等しくすることが好ましい。これは、境界B3における光損失を小さくするためである。しかしながら、第2マルチモード光導波路部220の境界B3における幅と、第1サブマルチモード光導波路242と第2サブマルチモード光導波路244の境界B3における幅との差(図4(A)において2X2に相当する。)は、2μm以上としなければ、エッチング工程がうまく実施できず、素子の作製が困難となることを実験的に確かめた。また、2X2を2μm程度確保しても、境界B3における光損失は、問題となる程に大きくならないことを確かめた。
第3マルチモード光導波路部240の導波方向に沿った長さY5は、MMI光カプラの全長を短くするという点からは、短いほど好ましい。しかし短くすればするほど、第1サブマルチモード光導波路242の側端246-1及び246-2から、導波光の一部が放射モードとして散逸するために、光強度の損失が生じる。第2サブマルチモード光導波路244においても同様である。従って、Y5の値は、素子全長と光損失の大きさとを勘案して決定される。因みに、Y5の値が50μm以上であれば、実用上光損失は無視できることを実験によって確かめられている。
第2入出力光導波路部250は、上記対称軸260に対して、互いに線対称にかつ離間して、配置された第3サブ光導波路252及び第4サブ光導波路254を以って構成されている。第3サブ光導波路252及び第4サブ光導波路254の長さはY6であり、幅はW2である。
第1サブ光導波路202及び第2サブ光導波路204と、第1マルチモード光導波路部210とは、それぞれの幅方向の最外側端206及び212-1が一致してつながっている。また、上記対称軸260に対して、最外側端206及び212-1と対称の位置にある最外側端も一致してつながっている。
このように、最外側端が一致してつながった構成とすることによって、光の損失を小さくできる。しかし、出力光の分岐比を調整するために、第1サブ光導波路202及び第2サブ光導波路204の第1マルチモード光導波路部210に対する相対位置をずらせる必要が発生する場合もある。この場合には、最外側端が一致してつながった構成とすることができないこともある。この場合にも、最外側端のずれはできるだけ小さくすることが、光の損失を小さくするために望ましい。
第1マルチモード光導波路部210と、第2マルチモード光導波路部220とは、それぞれの幅方向の側端を一致させてつながっている。すなわち、境界B2において、側端212-1と側端224-1とが一致し、側端212-2と側端224-2とがそれぞれ一致するようにつながっている。この場合も、上記と同様に、側端212-2と側端224-2とが段差が存在する形でつなげざるを得ない場合もある。
第2マルチモード光導波路部220と、第1サブマルチモード光導波路242及び第2サブマルチモード光導波路244とは、それぞれの幅方向の最外側端を一致させてつながっている。すなわち、境界B3において、側端224-1と側端246-1とが一致し、側端224-2と側端246-2とがそれぞれ一致するようにつながっている。また、この場合も、上記と同様に、側端212-2と側端224-2とが段差が存在する形でつなげざるを得ない場合もある。
第1サブマルチモード光導波路242及び第2サブマルチモード光導波路244と、第3サブ光導波路252及び第4サブ光導波路254とは、それぞれの幅方向の側端を一致させてつながっている。すなわち、境界B4において、側端246-1と側端256-1とが一致し、側端246-2と側端256-2とがそれぞれ一致するようにつながっている。
境界B1における第1マルチモード光導波路部210の幅(=2W1+S1)に対する第1あるいは第2サブ光導波路の幅W1との比(=(2W1+S1):W1)と、境界B3における第2マルチモード光導波路部220の幅(=W0)と第1あるいは第2サブマルチモード光導波路の幅(=(W0/2)−X2)に対する比(=W0:((W0/2)−X2))とは等しい値に近いほど好ましい。ここで、S1は第1サブ光導波路と第2サブ光導波路との間隔である。
これは、境界B1における光電場の強度分布が拡大されて境界B3に形成されるためである。すなわち、境界B3に形成される光電場の強度分布が極大値を2箇所に持つ分布となっており、第1入出力光導波路部200から入力された光がそれぞれの光電場の極大位置に分岐されている。分岐された光電場成分を第3マルチモード光導波路部240と最もよく結合させるためには、両者の比が等しいことが必要となる。
図4(B)を参照して、第1の発明のMMI光カプラの変形例を説明する。第1の発明のMMI光カプラは、更に、第2マルチモード光導波路部220と第3マルチモード光導波路部240との間に、対称軸260に対して対称な長方形の平面形状を有する第4マルチモード光導波路部230を設ける構造体として形成しても良い。第4マルチモード光導波路部230は、マルチモード光導波路232のみで形成され、導波路幅はW0であり導波方向に沿った長さはY4である。第4マルチモード光導波路部230も、マルチモード光導波路232のみで形成されるので、以後、第4マルチモード光導波路部230といえば、マルチモード光導波路232を指すものとする。
第4マルチモード光導波路部230を設ける場合には、第2マルチモード光導波路部220と第4マルチモード光導波路部230とは、境界B3-1において、それぞれの幅方向の側端を一致させてつながっている。すなわち、側端224-1と側端232-1とを一致させ、かつ側端224-2と側端232-2とを一致させてつながっている。また、第4マルチモード光導波路部230と第3マルチモード光導波路部240とは、境界B3-2において、それぞれの幅方向の最外側端を一致させてつながっている。すなわち、側端232-1と最外側端246-1とを一致させ、かつ側端232-2と最外側端246-2とを一致させてつながっている。
なお、第1実施例のMMI光カプラは、図5に示すように、第2マルチモード光導波路部220の最外側端を導波路の内部の方向に向かって凹んだ形状の曲線として形成しても良い。このように、第2及び第3マルチモード光導波路部の形状を画する側端の形状を、直線に限定せず曲線も含めて自由度を持たせることで、設計パラメータを増やすことができる。このことによって、素子長を更に短くし、寸法誤差に対する特性に与える効果をより低減できる余地を広げられる。
例えば、図6に示すように、第2マルチモード光導波路部220の最外側端を導波路の外部の方向に向かって凸形状の曲線として形成すれば、第4マルチモード光導波路部を設けずとも、所望の特性が得られることをシミュレーションによって確かめた。
第1の発明のMMI光カプラと従来のMMI光カプラとの特性を比較するために、ビーム伝播法(BPM:Beam Propagation Method)を用いたシミュレーションによる評価を行った。BPMとは、光の伝播方向に向かって、微小区間に分け、この各微小区間の光の伝播方向に垂直な方向の屈折率分布構造によって光が屈折及び回折される様子を、逐次計算で求める方法である。光導波路の構造が与えられている場合に、この光導波路を伝播する光の電場分布をシュミレーションするために広く利用されている方法である。
まず、図7(A)から(D)を参照して、従来のMMI光カプラの特性を評価した結果を説明する。図7(A)及び(B)は、図2(A)を参照して説明した従来のMMI光カプラの特性を示す図であり、図7(C)及び(D)は、図2(B)を参照して説明した従来のMMI光カプラの特性を示す図である。図7(A)から(D)において、横軸はマルチモード光導波路部、第1入力光導波路、第3出力光導波路及び第4出力光導波路における幅の寸法誤差をμm単位で目盛ってある。光導波路の形状を確定する主たる作業工程はフォトリソグラフィー及びエッチング工程である。光導波路の幾何的な形状の寸法誤差は、フォトリソグラフィー及びエッチング工程で決まり、光導波路の場所には依らない。従って、例えば、幅Wに関する寸法誤差をΔWとした時、寸法誤差ΔWが同一でも、幅Wが大きければ相対誤差ΔW/Wは小さくなり、幅Wが小さければ相対誤差ΔW/Wは大きくなる。
また、縦軸は出力強度を任意スケールで目盛ってある。入力光が光損失なく1対1に分岐されて出力される場合は0.5を示し、0.5と異なる場合は、光損失があるかまたは、入力光が1対1に正確に分岐されていないことを意味する。
図7(A)から(D)において、実線で示す曲線は、第1入力ポートである第1入力光導波路から入力光が入力され、第4出力ポートである第4出力光導波路から出力光が出力される場合を示している。また、破線で示す曲線は、第1入力ポートである第1入力光導波路から入力光が入力され、第3出力ポートである第3出力光導波路から出力光が出力される場合を示している。
図7(A)は、マルチモード光導波路部100の幅Wが12μm、マルチモード光導波路部100の長さVが210μm、第1入力光導波路、第3及び第4出力光導波路の幅が2μm、第1出力光導波路と第2出力光導波路との間隔Sを2μmに設定してシミュレーションした結果を示している。
図7(B)は、マルチモード光導波路部100の幅Wが16μm、マルチモード光導波路部100の長さVが365μm、第1入力光導波路、第3及び第4出力光導波路の幅が3μm、第1出力光導波路と第2出力光導波路との間隔Sを2μmに設定してシミュレーションした結果を示している。
図7(C)は、マルチモード光導波路部130の幅W'が6μm、マルチモード光導波路部130の長さV'が160μm、第1入力光導波路、第3及び第4出力光導波路の幅が2μm、第1出力光導波路と第2出力光導波路との間隔S'を2μmに設定してシミュレーションした結果を示している。
図7(D)は、マルチモード光導波路部130の幅W'が8μm、マルチモード光導波路部130の長さV'が280μm、第1入力光導波路、第3及び第4出力光導波路の幅が3μm、第1出力光導波路と第2出力光導波路との間隔S'を2μmに設定してシミュレーションした結果を示している。
これらのシミュレーションの結果から、マルチモード光導波路部の長さが、図2(B)示す従来のMMI光カプラは、図2(A)に示す従来のMMI光カプラの半分でほぼ同等の特性が得られることが分かる。図2(A)及び図2(B)のいずれに示す従来のMMI光カプラにおいても、マルチモード光導波路部の幅が広いほど、出力光の強度に対する寸法誤差の影響が小さい。すなわち、寸法誤差に対する、出力光強度を示す曲線が、図7(B)及び(D)に示すマルチモード光導波路部の幅が広い場合には、図7(A)及び(C)に示すマルチモード光導波路部の幅が狭い場合に比べて、後者の方が大きく曲がっていることから明らかである。
また、図7(C)において、実線で示す曲線と破線で示す曲線とが、他の図面と比較して大きくずれていることから、マルチモード光導波路部の幅が狭い場合には、図2(C)示す従来のMMI光カプラにおいては、出力光の光強度の分岐比も、寸法誤差の影響を強く受けることが分かる。
以上のシミュレーションの結果から、マルチモード光導波路部の幅を広くして、第1入力光導波路、第3及び第4出力光導波路の幅を広くし、第1出力光導波路と第2出力光導波路との間隔を広くすることによって、出力光の光損失を小さくでき、分岐比も寸法誤差の影響を受けにくくなることが確かめられた。
次に、図8(A)から(C)を参照して、第1の発明のMMI光カプラの特性を評価した結果を説明する。図8(A)から(C)においても上記の図7(A)から(D)と同様に、横軸は寸法誤差をμm単位で目盛ってある。また、縦軸は出力強度を任意スケールで目盛ってある。図8(A)から(C)に関する説明において、寸法誤差という場合、第1及び第2入出力光導波路部と、第1から第4マルチモード光導波路部との全ての導波路部における幅についての寸法誤差を意味するものとする。
また、図8(A)から(C)において、実線で示す曲線は、第1入力ポートである第1サブ光導波路から入力光が入力され、第4出力ポートである第4サブ光導波路から出力光が出力される場合を示している。また、破線で示す曲線は、第1入力ポートである第1サブ光導波路から入力光が入力され、第3出力ポートである第3サブ光導波路から出力光が出力される場合を示している。
図8(A)は、第1の発明のMMI光カプラであって、第4マルチモード光導波路部230も具えた場合についてのシミュレーション結果を示す。第1から第4サブ光導波路の幅を2μm、すなわち、W1=W2=2μmである。
また、第1マルチモード光導波路部の長さY2を140μm、第1マルチモード光導波路部の幅(2W1+S1)を6μm、境界B3における第2マルチモード光導波路の幅及び第4マルチモード光導波路部の幅W0を8μm、第4マルチモード光導波路部の長さY4を10μm、第2マルチモード光導波路部の長さY3を10μmに設定した。また、境界B3と境界B4とにおける第1及び第2サブマルチモード光導波路の幅は、それぞれ3μm及び2μmである。ここで、第1の発明のMMI光カプラとしての全長を、図4(B)に示す境界B1から境界B3-2までの間隔であると定義し、その長さを160μmと設定した。
第1の発明のMMI光カプラは、その全長が図7(C)に示す従来のMMI光カプラと同程度であるにもかかわらず、出力光の強度を示す曲線がなだらかであることが明確に判読できる。すなわち、図8(A)と図7(C)に示す出力光の強度を示す曲線を両者比較すると、明らかに図7(C)に示す出力光の強度を示す曲線の方が大きく曲がっている。そして、図7(B)に示す素子長が365μmと2倍以上の長さの従来のMMI光カプラとその特性がほぼ等しい。このことから、第1の発明のMMI光カプラは、従来のMMI光カプラの半分の長さで、同程度の特性が実現できることが分かる。
図8(B)は、第3マルチモード光導波路部240を設けずに、第3及び第4サブ光導波路が、第2入出力光導波路部250から第4マルチモード光導波路部230まで延長されている形状として構成された場合についてのシミュレーション結果を示す。従って、境界B3-2において、第4マルチモード光導波路部の側端と、第3及び第4サブ光導波路の、最外側端とは一致せず段差が形成されている。
また、ここでは第3サブ光導波路と第4サブ光導波路との間隔Sを3.4μmに設定したが、この値は、第3及び第4サブ光導波路の幅を2μmとした時に最も強い出力光が得られえるように、シミュレーションして決定した値である。図8(B)に示すように、この場合には、寸法誤差が±0.15μm程度となると、出力光強度に大きな影響が出ることが分かる。すなわち、寸法誤差に対する出力光強度への影響を小さくするためには、第3マルチモード光導波路部240を設けることが必要であることが分かる。
また図8(B)に示すように、縦軸に示す出力強度が寸法誤差0.3μmとなると、0.3以下まで低下している。これは光損失が大きいことが原因である。この光損失の主要因は、境界B3-2における、第4マルチモード光導波路部の側端と、第3及び第4サブ光導波路の最外側端との段差構造にあると考えられる。このことから、境界B1、B2、B3(B3-1、B3-2)及びB4において、導波路の側端同士が段差を持たないように一致させて構成することが、光損失を小さくすることに有効であることが分かる。
図8(C)は、第2マルチモード光導波路部の長さY3を、図8(A)及び(B)に示すMMI光カプラに比べて長く設定した場合についてのシミュレーション結果を示す。これは、出力光強度の分配比を調整するために第2マルチモード光導波路部の長さY3を20μmと長く変えてシミュレーションしたものである。第4マルチモード光導波路部の長さY4は10μmと同一とし、MMI光カプラとしての全長である、図4(B)に示す境界B1から境界B3-2までの間隔を170μmと設定した。
図8(C)から、実線で示された曲線と破線で示された曲線とが大きく離れている。これは出力分岐比が1対1からずれていることを示している。第2マルチモード光導波路部の長さY3を調整することで、出力光強度比を変化させることができることが確かめられた。
マッハツェンダ型光変調器において、チャープ特性を調整する手段として、出力光強度比を変化させることが行われる。このような用途で、第1の発明のMMI光カプラを利用する場合、第2マルチモード光導波路部の長さY3を調整することで出力光強度比を変化させることができることが確かめられた意義は大きい。
第1から第4サブ光導波路は、通常はシングルモード光導波路として設計される。しかしながら、第1から第4サブ光導波路の長さを短く設計すると、たとえ導波路幅を、シングルモード導波条件を満たす幅として設定しても、不可避的にマルチモードで伝播する光が導波される場合もある。ただし第1から第4サブ光導波路は、マルチモード導波光が伝播しにくいようにシングルモード導波路として設計することが望ましい。
<第2実施例>
図9(A)及び(B)を参照して第2実施例のMMI光カプラの構造及びその機能について説明する。第2実施例のMMI光カプラは、上述した第2の発明のMMI光カプラの実施例である。
図9(A)に示す第2実施例のMMI光カプラは、上述した第1の発明のMMI光カプラと、第1入出力光導波路部200の構成が異なる。すなわち、第1入出力光導波路部200を構成する第2サブ光導波路208と、第1マルチモード光導波路部210との接続関係が異なっている。第2サブ光導波路208と、第1マルチモード光導波路部210とは、図9(A)に示すように分離され、かつ第1マルチモード光導波路部210(マルチモード光導波路221)からの放射光を結合させて第2サブ光導波路208に入力されるように、あるいは第2サブ光導波路208からの放射光を結合させて第1マルチモード光導波路部210に入力されるように配置される点が特徴である。
第2実施例のMMI光カプラにおいても、図9(B)に示すように、第1実施例のMMI光カプラ同様に、更に、第2マルチモード光導波路部220と第3マルチモード光導波路部240との間に、対称軸260に対して対称な長方形の平面形状を有する第4マルチモード光導波路部230を設ける構造体として形成しても良い。
第2実施例のMMI光カプラの、分岐比等の基本特性については、第1実施例のMMI光カプラ同様である。しかし、第2サブ光導波路208と、第1マルチモード光導波路部210とを分離して配置したことにより、既に述べたとおり、第2実施例のMMI光カプラは、マッハツェンダ型光変調器の合波部に利用して好適なMMI光カプラとなる。
<第3実施例>
再び、図9(A)及び(B)を参照して第3実施例のMMI光カプラの構造及びその機能について説明する。第3実施例のMMI光カプラは、図9(A)及び(B)に示す、第2サブ光導波路208を具えていない上述した第3の発明のMMI光カプラの実施例である。
第3の発明のMMI光カプラは、第1及び第2の発明と、第1入出力光導波路部200の構成が異なり、第1入出力光導波路部200が、第1サブ光導波路202だけで構成される点に特徴がある。第3の発明のMMI光カプラにおける、第1サブ光導波路202は、第1及び第2の発明のMMI光カプラにおける第1サブ光導波路202と同一に形成される。
第1サブ光導波路202は、第1マルチモード光導波路部210の線対称軸260の位置からずらせて第1マルチモード光導波路部210と接続されている。また、第1サブ光導波路202の幅は、第1マルチモード光導波路部210の幅の半分以下に設定されている。
第3の発明のMMI光カプラは、第1及び第2の発明のMMI光カプラにおいて、隣接して設けられる第2サブ光導波路に対応する光導波路が存在しない。このため、製造時に第1サブ光導波路202を十分な寸法精度を満たすように余裕を持って形成できる。
<第4実施例>
図10(A)及び(B)を参照して第4実施例のマッハツェンダ型光変調器の構造及びその機能について説明する。第4実施例のマッハツェンダ型光変調器は、上述した第1及び第2の発明のMMI光カプラを利用して構成されるマッハツェンダ型光変調器である。マッハツェンダ型光変調器は、入力された光を2つの光に分岐する分岐部と、この2つの光をそれぞれ伝播させる第1及び第2の光導波路と、この第1及び第2の光導波路部を伝播した光を合波して出力する合波部とを具えて構成される。
図10(A)に示すマッハツェンダ型光変調器は、入力された光Piを2つの光に分岐する分岐部270と、この2つの光をそれぞれ伝播させる第1光導波路262及び第2光導波路264と、この第1光導波路262及び第2光導波路264を伝播した光を合波して出力光Poとして出力する合波部272とを有している。
分岐部270が、第1の発明のMMI光カプラによって構成され、合波部272も、第1の発明のMMI光カプラによって構成されている。そして、第3サブ光導波路252が第1光導波路262とつながっており、第4サブ光導波路254が第2光導波路264とつながっている。
また、図10(B)に示すマッハツェンダ型光変調器は、入力された光Piを2つの光に分岐する分岐部274と、この2つの光をそれぞれ伝播させる第1光導波路262及び第2光導波路264と、この第1光導波路262及び第2光導波路264を伝播した光を合波して出力光Poとして出力する合波部276とを有している。
分岐部274が、第1の発明のMMI光カプラによって構成され、合波部276が、第2の発明のMMI光カプラによって構成されている。そして、第3サブ光導波路252が第1光導波路262とつながっており、第4サブ光導波路254が第2光導波路264とつながっている。
実際には、図3(A)に示すシングルモード光導波路62及び64に相当する光導波路部分には、第3マルチモード光導波路部240、第2入出力光導波路部250、第1光導波路262、第2光導波路264のどの部分を割り当てて設計してもかまわない。
図10(A)及び(B)に示す、第4の発明のマッハツェンダ型光変調器は、上述したように第1の発明のMMI光カプラだけを利用して、あるいは第1及び第2の発明のMMI光カプラを利用して構成されるマッハツェンダ型光変調器である。このため、マッハツェンダ型光変調器の全長を短く形成できる。
<第5実施例>
図10(C)を参照して第5実施例のマッハツェンダ型光変調器の構造及びその機能について説明する。第5実施例のマッハツェンダ型光変調器は、上述した第3の発明のMMI光カプラを利用して構成される第5の発明のマッハツェンダ型光変調器である。マッハツェンダ型光変調器は、入力された光を2つの光に分岐する分岐部と、この2つの光をそれぞれ伝播させる第1及び第2光導波路と、この第1及び第2光導波路を伝播した光を合波して出力する合波部とを具えて構成される。
図10(C)に示すマッハツェンダ型光変調器は、入力された光Piを2つの光に分岐する分岐部278と、この2つの光をそれぞれ伝播させる第1光導波路262及び第2光導波路264と、この第1光導波路262及び第2光導波路264を伝播した光を合波して出力光Poとして出力する合波部280とを有している。
分岐部278及び合波部280が、第3の発明のMMI光カプラによって構成されている。そして、第3サブ光導波路252が第1光導波路262とつながっており、第4サブ光導波路254が第2光導波路264とつながっている。
第5の発明もMMI光カプラを利用して構成されるマッハツェンダ型光変調器であるが、上記の第4の発明のマッハツェンダ型光変調器と異なる点は、分岐部278及び合波部280を、上記第3の発明のMMI光カプラを利用して形成する点である。
第5の発明のマッハツェンダ型光変調器は、上述したように、分岐部278及び合波部280を第3の発明のMMI光カプラを利用して形成される。従って、第5の発明のマッハツェンダ型光変調器の入力ポートあるいは出力ポートを構成する第1入出力光導波路部200の形成が容易である。
第4実施例と同様に、第5実施例においても、図3(A)に示すシングルモード光導波路62及び64に相当する光導波路部分には、第3マルチモード光導波路部240、第2入出力光導波路部250、第1光導波路262、第2光導波路264のどの部分を割り当てて設計してもかまわない。
また、図11にこの発明のMMI光カプラを用いて構成されたマッハツェンダ型光変調器の変形例の概略的形状を示す。図11に示すように、マッハツェンダ型光変調器を、第1光導波路262と第2光導波路264との間隔を広くとって形成しても良い。図11は、図10(A)に示すマッハツェンダ型光変調器を基礎にして、第1光導波路262と第2光導波路264との間隔を広くとって形成された、マッハツェンダ型光変調器の変形例である。このように第1光導波路262と第2光導波路264との間隔を広くとって形成することによって、光変調器としての全長を短くすることが可能となる。もちろん、図10(B)及び(C)に示すマッハツェンダ型光変調器を基礎にして、同様に第1光導波路262と第2光導波路264との間隔を広くとって形成することもできる。
<第6実施例>
第6の実施例は、上記の第1、第2及び第3のMMI光カプラのいずれかを利用して構成される、光カプラである。図12を参照して、第6の実施例として、1入力4分岐型の1×4光カプラの第1の構成例を説明する。ここでは、第6の発明の光カプラを、説明の便宜上分岐器として説明するが、全く同一の構造で合波器として利用することも可能である。
この1×4光カプラは、1つの入力光を2つの光に分岐するY分岐型の光カプラを、各分岐枝に順次結合して全体で2段に接続して構成される。そして、入力された光を22分岐(=4分岐)して出力させる光カプラである。第6の発明の特徴は、このY分岐型の光カプラとして上記の第1、第2及び第3のMMI光カプラいずれかを用いて構成される点である。すなわち1×4光カプラの第1の構成例は、第1段目に1つ第2段目に2つの合計3つのMMI光カプラを用いて構成される。
3つのMMI光カプラとは、第1の光カプラ310、第2の光カプラ312及び第3の光カプラ314である。図12に示す1×4光カプラの第1の構成例では、これら第1、第2及び第3の光カプラは、それぞれ第3の発明のMMI光カプラを用いて構成される例を示している。もちろん、これら第1、第2及び第3の光カプラに第1あるいは第2の発明のMMI光カプラを用いても構成できることは明らかである。
第1段目に使われているMMI光カプラが第1の光カプラ310、第2段目に使われているMMI光カプラが第2の光カプラ312及び第3の光カプラ314である。そして、第1の光カプラ310の分岐枝252及び254はそれぞれ、第2の光カプラ312及び第3の光カプラ314に接続されている。
入力ポートとして、第1の光カプラ310の第1サブ光導波路202が割り当てられているので、入力光Piは、第1サブ光導波路202に入力される。また、第1の光カプラ310からの出力光は、図12に示すように、第3サブ光導波路252及び第4サブ光導波路254から出力され、それぞれが、第2の光カプラ312及び第3の光カプラ314の第1サブ光導波路202に入力される。
第2の光カプラ312の第1サブ光導波路202には、第1の光カプラ310の第3サブ光導波路252から出力された光が入力され、第2の光カプラ312の第3サブ光導波路252及び第4サブ光導波路254から出力され、それぞれが、出力光P0-1及びP0-2として出力される。
第3の光カプラ314の第1サブ光導波路202には、第1の光カプラ310の第4サブ光導波路254から出力された光が入力され、第3の光カプラ314の第3サブ光導波路252及び第4サブ光導波路254から出力され、それぞれが、出力光P0-3及びP0-4として出力される。すなわち、入力光Piは4分割されて、出力光P0-1、P0-2、P0-3及びP0-4として出力される。
1×4光カプラの第1の構成例は、図12に示すように、InP基板300に、第1の光カプラ310、第2の光カプラ312及び第3の光カプラ314が形成されている。光導波路のコア304はInGaAsPで構成され、光導波路のクラッド306及び308はInPで構成されている。また、光導波路のコア304、クラッド306及び308は、ポリイミド層302で囲まれて構成されている。
図13を参照して、第1、第2及び第3の発明のMMI光カプラを用いて構成できる1入力4分岐型の1×4光カプラの第2の構成例を説明する。第2の構成例で使われる3つのMMI光カプラは、第1の光カプラ330、第2の光カプラ332及び第3の光カプラ334である。すなわち第1段目に使われているMMI光カプラが第1の光カプラ330、第2段目に使われているMMI光カプラが第2の光カプラ332及び第3の光カプラ334である。
図13に示す1×4光カプラの第2の構成例でも、第1、第2及び第3の光カプラは、それぞれ第3の発明のMMI光カプラを用いて構成される例を示しているが、もちろん、第1の構成例と同様に、第1あるいは第2の発明のMMI光カプラを用いても構成できることは明らかである。
第1の構成例の1×4光カプラとの相違は、導波路の構造である。すなわち、第2の構成例の1×4光カプラでは、図13に示すように、Si基板320に、埋め込み型の光導波路構造が形成されている。すなわち、GeドープのSiO2で形成された埋め込み型光導波路324が、SiO2クラッド層322によって囲まれた構造である。
図12及び図13を参照して、2段構成の1×4光カプラの構成例を示したが、2段構成の1×4光カプラに限らず、N段構成(Nは2以上の整数)の1×2N光カプラも同様に形成できることは明らかである。
以上説明したように、第1、第2、第3の発明のMMI光カプラは、1×2N光カプラ(Nは2以上の整数)を構成するにも好適な光カプラである。すなわち、第1、第2、第3の発明のMMI光カプラの持つ、素子長が短いこと、また、寸法誤差及び入力位置誤差が分岐比等の動作特性に及ぼす影響が小さいといった、優れた特長を反映させて、1×2N光カプラを構成することができる。
第1及び第2のマッハツェンダ型光変調器の概略的構成図である。 従来のMMI光カプラの概略的形状を示す模式図である。 化合物半導体を素材として構成されたマッハツェンダ型光変調器の概略的構成図である。 第1実施例のMMI光カプラの概略的形状を示す模式図である。 第1実施例のMMI光カプラの概略的形状を示す模式図である。 第1実施例のMMI光カプラの概略的形状を示す模式図である。 従来のMMI光カプラのマルチモード光導波路部の寸法誤差が出力光強度に与える効果を示す図である。 第1実施例のMMI光カプラのマルチモード光導波路部の寸法誤差が出力光強度に与える効果を示す図である。 第2実施例のMMI光カプラの概略的形状を示す模式図である。 この発明のMMI光カプラを用いて構成されたマッハツェンダ型光変調器の概略的形状を示す模式図である。 この発明のMMI光カプラを用いて構成されたマッハツェンダ型光変調器の変形例の概略的形状を示す模式図である。 1×4光カプラの第1の構成例の概略的形状を示す模式図である。 1×4光カプラの第2の構成例の概略的形状を示す模式図である。
符号の説明
10:1×2光カプラ
12、14、16、26、32、34、36、38、46、48、52、54、62、64、76、78:シングルモード光導波路
18、22、42、44、66、68、92:金属膜電極
20:2×1光カプラ
24、25、50、51:電極パッド
30、40、60、70:2×2光カプラ
56、72:マルチモード光導波路
80:p-InP単結晶板
82、83:p-InPクラッド層
84、85:i-InGaAsP導波層
86、87:n-InPクラッド層
88a、88b、88c:ポリイミド層
90:リッジ形のマルチモード光導波路
94:リッジ形のシングルモード光導波路
100、130、170:マルチモード光導波路部
102、132:マルチモード光導波路第1側面
104、134:マルチモード光導波路第2側面
106、136:マルチモード光導波路入力側側面
108、138:マルチモード光導波路出力側側面
110、140、162:入力光導波路部
112、142:第1入力光導波路
114、144:第2入力光導波路
120、150、164:出力光導波路部
122、152:第1出力光導波路
124、154:第2出力光導波路
200:第1入出力光導波路部
202:第1サブ光導波路
204、208:第2サブ光導波路
210:第1マルチモード光導波路部
220:第2マルチモード光導波路部
221、222、232:マルチモード光導波路
230:第4マルチモード光導波路部
240:第3マルチモード光導波路部
242:第1サブマルチモード光導波路
244:第2サブマルチモード光導波路
250:第2入出力光導波路部
252:第3サブ光導波路
254:第4サブ光導波路
260:導波方向に平行な対称軸
262:第1光導波路
264:第2光導波路
270、274、278:分岐部
272、276、280:合波部
300:InP基板
302:ポリイミド層
304:光導波路のコア
306、308:光導波路のクラッド
310、330:第1の光カプラ
312、332:第2の光カプラ
314、334:第3の光カプラ
320:Si基板
322:SiO2クラッド層
324:埋め込み型光導波路

Claims (10)

  1. 第1入出力光導波路部及び第2入出力光導波路部と、該第1入出力光導波路部の最外側端間の距離よりも幅の広いマルチモード導波光を伝播させる、第1、第2及び第3マルチモード光導波路部とを具える構造体として形成され、
    前記第1入出力光導波路部、前記第1マルチモード光導波路部、前記第2マルチモード光導波路部、前記第3マルチモード光導波路部、及び前記第2入出力光導波路部は、この順序で連続的につながっており、
    前記第1入出力光導波路部は、導波方向に平行な対称軸に対して、互いに線対称にかつ離間して、配置された第1及び第2サブ光導波路で以って構成されており、
    前記第2マルチモード光導波路部は、前記対称軸に対して線対称形であって、当該第2マルチモード光導波路部の幅が、前記第1マルチモード光導波路部との境界から前記第3マルチモード光導波路部との境界に向かって、連続的に広がった第1形状の平面形状を有し、
    前記第3マルチモード光導波路部は、前記対称軸に対して、互いに線対称にかつ離間して、配置された第1及び第2サブマルチモード光導波路で以って構成されており、
    該第1及び第2サブマルチモード光導波路は、前記第2マルチモード光導波路部との境界から前記第2入出力光導波路部との境界に向かって、連続的に狭まった第2形状の平面形状を有し、
    前記第2入出力光導波路部は、前記対称軸に対して、互いに線対称にかつ離間して、配置された第3及び第4サブ光導波路で以って構成されており、
    前記第1及び第2サブ光導波路と、前記第1マルチモード光導波路部とは、前記第1及び第2サブ光導波路のそれぞれの中心軸と該第1マルチモード光導波路部の中心軸とがずれた位置につながっている
    ことを特徴とするマルチモード干渉光カプラ。
  2. 第1入出力光導波路部及び第2入出力光導波路部と、該第1入出力光導波路部の最外側端間の距離よりも幅の広いマルチモード導波光を伝播させる、第1、第2及び第3マルチモード光導波路部とを具える構造体として形成され、
    前記第1入出力光導波路部、前記第1マルチモード光導波路部、前記第2マルチモード光導波路部、前記第3マルチモード光導波路部、及び前記第2入出力光導波路部は、この順序で連続的につながっており、
    前記第1入出力光導波路部部は、第1及び第2サブ光導波路を以って構成されており、
    前記第2マルチモード光導波路部は、導波方向に平行な対称軸に対して線対称形であって、当該第2マルチモード光導波路部の幅が、前記第1マルチモード光導波路部との境界から前記第3マルチモード光導波路部との境界に向かって、連続的に広がった第1形状の平面形状を有し、
    前記第3マルチモード光導波路部は、前記対称軸に対して、互いに線対称にかつ離間して、配置された第1及び第2サブマルチモード光導波路で以って構成されており、
    該第1及び第2サブマルチモード光導波路は、前記第2マルチモード光導波路部との境界から前記第2入出力光導波路部との境界に向かって、連続的に狭まった第2形状の平面形状を有し、
    前記第2入出力光導波路部は、前記対称軸に対して、互いに線対称にかつ離間して、配置された第3及び第4サブ光導波路で以って構成されており、
    前記第2サブ光導波路と、前記第1マルチモード光導波路部とは分離され、かつ前記第1マルチモード光導波路部からの放射光を結合させて前記第2サブ光導波路に入力されるように、あるいは前記第2サブ光導波路からの放射光を結合させて前記第1マルチモード光導波路部に入力されるように配置されており、
    前記第1サブ光導波路と、前記第1マルチモード光導波路部とは、該第1サブ光導波路の中心軸と該第1マルチモード光導波路部の中心軸とがずれた位置につながっている
    ことを特徴とするマルチモード干渉光カプラ。
  3. 第1入出力光導波路部及び第2入出力光導波路部と、該第1入出力光導波路部の最外側端間の距離よりも幅の広いマルチモード導波光を伝播させる、第1、第2及び第3マルチモード光導波路部とを具える構造体として形成され、
    前記第1入出力光導波路部、前記第1マルチモード光導波路部、前記第2マルチモード光導波路部、前記第3マルチモード光導波路部、及び前記第2入出力光導波路部は、この順序で連続的につながっており、
    前記第1入出力光導波路部は、第1サブ光導波路で以って構成されており、
    前記第2マルチモード光導波路部は、導波方向に平行な対称軸に対して線対称形であって、当該第2マルチモード光導波路部の幅が、前記第1マルチモード光導波路部との境界から前記第3マルチモード光導波路部との境界に向かって、連続的に広がった第1形状の平面形状を有し、
    前記第3マルチモード光導波路部は、前記対称軸に対して、互いに線対称にかつ離間して、配置された第1及び第2サブマルチモード光導波路で以って構成されており、
    該第1及び第2サブマルチモード光導波路は、前記第2マルチモード光導波路部との境界から前記第2入出力光導波路部との境界に向かって、連続的に狭まった第2形状の平面形状を有し、
    前記第2入出力光導波路部は、前記対称軸に対して、互いに線対称にかつ離間して、配置された第3及び第4サブ光導波路を以って構成されており、
    前記第1サブ光導波路と、前記第1マルチモード光導波路部とは、該第1サブ光導波路の中心軸と該第1マルチモード光導波路部の中心軸とがずれた位置につながっている
    ことを特徴とするマルチモード干渉光カプラ。
  4. 第1入出力光導波路部及び第2入出力光導波路部と、該第1入出力光導波路部の最外側端間の距離よりも幅の広いマルチモード導波光を伝播させる、第1、第2、第3及び第4マルチモード光導波路部とを具える構造体として形成され、
    前記第1入出力光導波路部、前記第1マルチモード光導波路部、前記第2マルチモード光導波路部、前記第4マルチモード光導波路部、前記第3マルチモード光導波路部、及び前記第2入出力光導波路部は、この順序で連続的につながっており、
    前記第1入出力光導波路部は、導波方向に平行な対称軸に対して、互いに線対称にかつ離間して、配置された第1及び第2サブ光導波路で以って構成されており、
    前記第2マルチモード光導波路部は、前記対称軸に対して線対称形であって、当該第2マルチモード光導波路部の幅が、前記第1マルチモード光導波路部との境界から前記第4マルチモード光導波路部との境界に向かって、連続的に広がった第1形状の平面形状を有し、
    前記第3マルチモード光導波路部は、前記対称軸に対して線対称に、かつ離間して配置された第1及び第2サブマルチモード光導波路で以って構成されており、
    該第1及び第2サブマルチモード光導波路は、前記第4マルチモード光導波路部との境界から前記第2入出力光導波路部との境界に向かって、連続的に狭まった第2形状の平面形状を有し、
    前記第2入出力光導波路部は、前記対称軸に対して、互いに線対称にかつ離間して、配置された第3及び第4サブ光導波路で以って構成されていおり、
    前記第1及び第2サブ光導波路と、前記第1マルチモード光導波路部とは、前記第1及び第2サブ光導波路のそれぞれの中心軸と該第1マルチモード光導波路部の中心軸とがずれた位置につながっている
    ことを特徴とするマルチモード干渉光カプラ。
  5. 第1入出力光導波路部及び第2入出力光導波路部と、該第1入出力光導波路部の最外側端間の距離よりも幅の広いマルチモード導波光を伝播させる、第1、第2、第3及び第4マルチモード光導波路部とを具える構造体として形成され、
    前記第1入出力光導波路部、前記第1マルチモード光導波路部、前記第2マルチモード光導波路部、前記第4マルチモード光導波路部、前記第3マルチモード光導波路部、及び前記第2入出力光導波路部は、この順序で連続的につながっており、
    前記第1入出力光導波路部は、第1及び第2サブ光導波路を以って構成されており、
    前記第2マルチモード光導波路部は、導波方向に平行な対称軸に対して線対称形であって、当該第2マルチモード光導波路部の幅が、前記第1マルチモード光導波路部との境界から前記第4マルチモード光導波路部との境界に向かって、連続的に広がった第1形状の平面形状を有し、
    前記第3マルチモード光導波路部は、前記対称軸に対して、互いに線対称にかつ離間して、配置された第1及び第2サブマルチモード光導波路で以って構成されており、
    該第1及び第2サブマルチモード光導波路は、前記第4マルチモード光導波路部との境界から前記第2入出力光導波路部との境界に向かって、連続的に狭まった第2形状の平面形状を有し、
    前記第2入出力光導波路部は、前記対称軸に対して、互いに線対称にかつ離間して、配置された第3及び第4サブ光導波路で以って構成されており、
    前記第2サブ光導波路と、前記第1マルチモード光導波路部とは分離され、かつ前記第1マルチモード光導波路部からの放射光を結合させて前記第2サブ光導波路に入力されるように、あるいは前記第2サブ光導波路からの放射光を結合させて前記第1マルチモード光導波路部に入力されるように配置されており、
    前記第1サブ光導波路と、前記第1マルチモード光導波路部とは、該第1サブ光導波路の中心軸と該第1マルチモード光導波路部の中心軸とがずれた位置につながっている
    ことを特徴とするマルチモード干渉光カプラ。
  6. 第1入出力光導波路部及び第2入出力光導波路部と、該第1入出力光導波路部の最外側端間の距離よりも幅の広いマルチモード導波光を伝播させる、第1、第2、第3及び第4マルチモード光導波路部とを具える構造体として形成され、
    前記第1入出力光導波路部、前記第1マルチモード光導波路部、前記第2マルチモード光導波路部、前記第4マルチモード光導波路部、前記第3マルチモード光導波路部、及び前記第2入出力光導波路部は、この順序で連続的につながっており、
    前記第1入出力光導波路部は、第1サブ光導波路で以って構成されており、
    前記第2マルチモード光導波路部は、導波方向に平行な対称軸に対して線対称形であって、当該第2マルチモード光導波路部の幅が、前記第1マルチモード光導波路部との境界から前記第4マルチモード光導波路部との境界に向かって、連続的に広がった第1形状の平面形状を有し、
    前記第3マルチモード光導波路部は、前記対称軸に対して、互いに線対称にかつ離間して、配置された第1及び第2サブマルチモード光導波路で以って構成されており、
    該第1及び第2サブマルチモード光導波路は、前記第4マルチモード光導波路部との境界から前記第2入出力光導波路部との境界に向かって、連続的に狭まった第2形状の平面形状を有し、
    前記第2入出力光導波路部は、前記対称軸に対して、互いに線対称にかつ離間して、配置された第3及び第4サブ光導波路で以って構成されており、
    前記第1サブ光導波路と、前記第1マルチモード光導波路部とは、該第1サブ光導波路の中心軸と該第1マルチモード光導波路部の中心軸とがずれた位置につながっている
    ことを特徴とするマルチモード干渉光カプラ。
  7. 入力された光を2つの光に分岐する分岐部と、該2つの光をそれぞれ伝播させる第1及び第2光導波路と、該第1及び第2光導波路を伝播した光を合波して出力する合波部とを有し、
    前記分岐部が、請求項1、2、4、5のいずれか1項に記載のマルチモード干渉光カプラによって構成され、
    前記合波部が、請求項1、2、4、5のいずれか1項に記載のマルチモード干渉光カプラによって構成され、
    前記第3サブ光導波路が前記第1光導波路とつながっており、
    前記第4サブ光導波路が前記第2光導波路とつながっていることを特徴とするマッハツェンダ型光変調器。
  8. 入力された光を2つの光に分岐する分岐部と、該2つの光をそれぞれ伝播させる第1及び第2光導波路と、該第1及び第2光導波路を伝播した光を合波して出力する合波部とを有し、
    前記分岐部が、請求項3または6に記載のマルチモード干渉光カプラによって構成され、
    前記合波部が、請求項3または6に記載のマルチモード干渉光カプラによって構成され、
    前記第3サブ光導波路が前記第1光導波路とつながっており、
    前記第4サブ光導波路が前記第2光導波路とつながっていることを特徴とするマッハツェンダ型光変調器。
  9. 1つの入力光を2つの光に分岐するY分岐型の光カプラを、各分岐枝に順次結合して全体でN段(Nは2以上の整数)に接続して構成され、
    入力された光を2N分岐して出力させる光カプラであって、
    前記Y分岐型の光カプラとして請求項1から6のいずれか一項に記載のマルチモード干渉光カプラを用いて構成される
    ことを特徴とする光カプラ。
  10. 2つの入力光を1つの光に合波するY分岐型の光カプラを、各合波枝に順次結合して全体でN段(Nは2以上の整数)に接続して構成され、
    入力された2N個の入力光を合波して出力させる光カプラであって、
    前記Y分岐型の光カプラとして請求項1から6のいずれか一項に記載のマルチモード干渉光カプラを用いて構成される
    ことを特徴とする光カプラ。
JP2005103062A 2005-03-31 2005-03-31 マルチモード干渉光カプラ Pending JP2006284791A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005103062A JP2006284791A (ja) 2005-03-31 2005-03-31 マルチモード干渉光カプラ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005103062A JP2006284791A (ja) 2005-03-31 2005-03-31 マルチモード干渉光カプラ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006284791A true JP2006284791A (ja) 2006-10-19

Family

ID=37406814

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005103062A Pending JP2006284791A (ja) 2005-03-31 2005-03-31 マルチモード干渉光カプラ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006284791A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008241937A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Oki Electric Ind Co Ltd マルチモード干渉光カプラ及びマッハツェンダ型光変調器
JP2009222521A (ja) * 2008-03-14 2009-10-01 Fuji Xerox Co Ltd 表面電位センサユニット、表面電位センサ、および表面電位センサアレイ
WO2010113921A1 (ja) * 2009-03-31 2010-10-07 住友大阪セメント株式会社 光変調器
CN102636887A (zh) * 2012-01-10 2012-08-15 东南大学 一种马赫-曾德尔硅光调制器
WO2020162451A1 (ja) * 2019-02-06 2020-08-13 古河電気工業株式会社 光機能素子およびレーザ素子
JP2020204666A (ja) * 2019-06-14 2020-12-24 古河電気工業株式会社 合分波素子および光源モジュール
EP4155792A1 (en) * 2021-09-24 2023-03-29 Apple Inc. Multi-mode devices for multiplexing and de-multiplexing
US11886007B2 (en) 2019-10-18 2024-01-30 Apple Inc. Asymmetric optical power splitting system and method
US11906778B2 (en) 2020-09-25 2024-02-20 Apple Inc. Achromatic light splitting device with a high V number and a low V number waveguide

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1090537A (ja) * 1996-09-13 1998-04-10 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光合分波回路
JP2000081534A (ja) * 1998-09-04 2000-03-21 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 多モード干渉光カプラ
JP2000103062A (ja) * 1996-06-04 2000-04-11 Citizen Watch Co Ltd 微細形状部品及びその製造方法
JP2000241644A (ja) * 1998-12-22 2000-09-08 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 多モード干渉光カプラ
JP2001514766A (ja) * 1997-03-07 2001-09-11 テレフオンアクチーボラゲツト エル エム エリクソン(パブル) 少なくとも1つのブラッグ格子構造体を含む波長選択光デバイス
JP2002243961A (ja) * 2001-02-16 2002-08-28 Fujitsu Ltd 光導波装置
JP2004191944A (ja) * 2002-11-29 2004-07-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光分波器および光合分波器ならびにそれらを用いた光デバイス

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000103062A (ja) * 1996-06-04 2000-04-11 Citizen Watch Co Ltd 微細形状部品及びその製造方法
JPH1090537A (ja) * 1996-09-13 1998-04-10 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光合分波回路
JP2001514766A (ja) * 1997-03-07 2001-09-11 テレフオンアクチーボラゲツト エル エム エリクソン(パブル) 少なくとも1つのブラッグ格子構造体を含む波長選択光デバイス
JP2000081534A (ja) * 1998-09-04 2000-03-21 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 多モード干渉光カプラ
JP2000241644A (ja) * 1998-12-22 2000-09-08 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 多モード干渉光カプラ
JP2002243961A (ja) * 2001-02-16 2002-08-28 Fujitsu Ltd 光導波装置
JP2004191944A (ja) * 2002-11-29 2004-07-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光分波器および光合分波器ならびにそれらを用いた光デバイス

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008241937A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Oki Electric Ind Co Ltd マルチモード干渉光カプラ及びマッハツェンダ型光変調器
JP2009222521A (ja) * 2008-03-14 2009-10-01 Fuji Xerox Co Ltd 表面電位センサユニット、表面電位センサ、および表面電位センサアレイ
US9329340B2 (en) 2009-03-31 2016-05-03 Sumitomo Osaka Cement Co., Ltd. Optical modulator
WO2010113921A1 (ja) * 2009-03-31 2010-10-07 住友大阪セメント株式会社 光変調器
JP2010237376A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 光変調器
JP4745415B2 (ja) * 2009-03-31 2011-08-10 住友大阪セメント株式会社 光変調器
CN102308246A (zh) * 2009-03-31 2012-01-04 住友大阪水泥股份有限公司 光调制器
CN102308246B (zh) * 2009-03-31 2015-06-17 住友大阪水泥股份有限公司 光调制器
CN102636887A (zh) * 2012-01-10 2012-08-15 东南大学 一种马赫-曾德尔硅光调制器
WO2020162451A1 (ja) * 2019-02-06 2020-08-13 古河電気工業株式会社 光機能素子およびレーザ素子
US12062886B2 (en) 2019-02-06 2024-08-13 Furukawa Electric Co., Ltd. Optical functional device and laser device
CN113474955A (zh) * 2019-02-06 2021-10-01 古河电气工业株式会社 光功能元件以及激光元件
JPWO2020162451A1 (ja) * 2019-02-06 2021-12-02 古河電気工業株式会社 光機能素子およびレーザ素子
JP2020204666A (ja) * 2019-06-14 2020-12-24 古河電気工業株式会社 合分波素子および光源モジュール
JP7178328B2 (ja) 2019-06-14 2022-11-25 古河電気工業株式会社 合分波素子および光源モジュール
US11886007B2 (en) 2019-10-18 2024-01-30 Apple Inc. Asymmetric optical power splitting system and method
US11906778B2 (en) 2020-09-25 2024-02-20 Apple Inc. Achromatic light splitting device with a high V number and a low V number waveguide
EP4155792A1 (en) * 2021-09-24 2023-03-29 Apple Inc. Multi-mode devices for multiplexing and de-multiplexing
JP2023047302A (ja) * 2021-09-24 2023-04-05 アップル インコーポレイテッド 多重化および逆多重化するマルチモードデバイス
US11971574B2 (en) 2021-09-24 2024-04-30 Apple Inc. Multi-mode devices for multiplexing and de-multiplexing

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7272279B2 (en) Waveguide type optical branching device
JP4398275B2 (ja) 光制御素子
US7529455B2 (en) Optical integrated device and optical control device
US6212315B1 (en) Channel power equalizer for a wavelength division multiplexed system
JP2006284791A (ja) マルチモード干渉光カプラ
JP5315792B2 (ja) 光変調器
JPH10509536A (ja) 偏光コンバータを含む光学的集積回路
EP1653260A1 (en) Photonic crystal waveguide, homogeneous medium waveguide, and optical device
US20030081873A1 (en) Polarization beam splitter
CN113777708B (zh) 模变换器
US20060115200A1 (en) Optical splitter with tapered multimode interference waveguide
CN211454021U (zh) 光波导元件
US5661825A (en) Integrated optical circuit comprising a polarization convertor
JP2018514001A (ja) 高インデックスコントラストのフォトニックデバイスおよびその応用
JP4477260B2 (ja) 導波路型光カプラおよび該導波路型光カプラを用いた光合分波器
JP6412969B2 (ja) 光導波路素子
US11733455B2 (en) Amplitude and phase light modulator based on miniature optical resonators
JP2008065104A (ja) マルチモード干渉光カプラ
JP4909528B2 (ja) 光制御素子
JP5467414B2 (ja) 光機能導波路
US6915047B1 (en) Broadband, polarization independent integrated optical tap
JP3446929B2 (ja) 半導体偏波回転素子
JP2006269543A (ja) 波長可変素子
JP2013041146A (ja) 波長選択性多モード干渉導波路デバイス
JP2014228640A (ja) 光フィルタ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071009

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090721

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090811

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091009

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100615