JP2006283894A - 自動平衡装置、回転装置及びディスク駆動装置 - Google Patents
自動平衡装置、回転装置及びディスク駆動装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】
姿勢によらず回転のバランスを向上させることができる自動平衡装置、当該装置を搭載した回転装置及びディスク駆動装置を提供すること。
【解決手段】
自動平衡装置10は、マグネット6、ヨーク7及び9により形成される磁場2によりバランサ11を保持するように構成されている。したがって、自動平衡装置10が回転を開始するときに、自動平衡装置10の姿勢によらずマグネット6等がバランサ11を保持した状態で安定して回転させることができる。
【選択図】図2
姿勢によらず回転のバランスを向上させることができる自動平衡装置、当該装置を搭載した回転装置及びディスク駆動装置を提供すること。
【解決手段】
自動平衡装置10は、マグネット6、ヨーク7及び9により形成される磁場2によりバランサ11を保持するように構成されている。したがって、自動平衡装置10が回転を開始するときに、自動平衡装置10の姿勢によらずマグネット6等がバランサ11を保持した状態で安定して回転させることができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、回転のバランスを保つための自動平衡装置、当該装置を搭載した回転装置及びディスク装置に関する。
近年、例えばデータを記録・再生する光ディスク装置や磁気ディスク装置等のディスク装置では、ディスクがターンテーブル上で回転するときに、回転がアンバランスとなり記録・再生の安定性が低下する場合がある。
ディスクの回転のバランスを向上させるための技術として、例えば、特許文献1には、自動平衡装置をディスク装置に搭載する技術が開示されている。このディスク装置は、ディスクを回転させるためのモータを備えている。このモータはサブシャーシにより支持され、サブシャーシは弾性部材を介してメインシャーシに支持されている。自動平衡装置は、ディスクをクランプするためのクランパを備え、このクランパは、複数の鋼球や液体等のバランサを移動可能に収容する中空環状部を有している。これにより、ディスクの回転時に、ディスクの回転中心が偏る向きと略反対向きに鋼球や液体を移動させて回転のバランスを向上させている。
ディスクの回転のバランスを向上させるための別の技術として、特許文献2には、磁性流体を収容可能な空間部を有する円板状部材が、モータ軸と一体に回転可能に設けられた技術が開示されている。円板状部材はボス部を有しており、ボス部の側周面にはリングマグネットが設けられている。これにより、回転軸の回転数が小さいときに、磁性流体をリングマグネットに吸着しておきバランスを崩さないようにしている。
特許第2824250号公報(段落[0026]、図1、図6)
特開平4−312244号公報(段落[0006]、図1)
しかしながら、一般に、ディスクの回転時の振動の振幅は小さいので、バランサによりバランスをとるための大きな力を得ることは難しい。したがって、このような小さい振動の振幅でディスクの平衡状態を確保することは難しい。例えば、回転半径r(=15mm)で、質量m(=1g)の水が偏芯量e(=0.1mm)で回転するときには、バランスを向上させる能力の近似値C(=me)が0.1(g・mm)となる。これでは例えば直径12cmのDVD(Digital Versatile Disk)の回転のバランスを向上させることは難しい。
また、ディスクの回転中心が偏る向きと略反対向きに液体が遠心力により移動すると、液体が中空環状部の外周に沿うように流れ、液体の偏りがなくなってしまい回転のバランスを向上させることが難しいという問題がある。また、特許文献2の技術では、例えばディスク装置を垂直姿勢にしたときに、つまりディスクの記録面を地面に対して垂直にしたときに、円板状部材の下部に溜まった磁性流体をリングマグネットに復帰させることが難しい。このため、装置の姿勢によっては、ディスクの回転のバランスを確保することが難しいという問題がある。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、姿勢によらず回転のバランスを向上させることができる自動平衡装置、当該装置を搭載した回転装置及びディスク駆動装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る自動平衡装置は、磁性流体でなるバランサと、回転可能に設けられ、回転による遠心力により前記バランサが回転の外周側へ移動するように前記バランサを内部に収容する収容部材と、前記収容部材に一体的に回転可能なマグネット及びヨークを有し、前記マグネット及び前記ヨークにより形成される磁場により前記バランサを保持することが可能な保持部材とを具備する。
本発明によれば、マグネット及びヨークにより形成される磁場によりバランサを保持するように構成されているので、自動平衡装置が回転を開始するときに、自動平衡装置の姿勢によらず保持部材にバランサを保持した状態で安定して回転させることができる。特に、マグネットだけでなく、ヨークが備えられることで磁束密度を高めることができ、バランサの保持力を向上させることができる。
マグネットは収容部材の内部に収容されていてもよいし、収容部材の外側に取り付けられていてもよい。あるいは、マグネットを収容部材の材料に埋め込むことも可能である。ヨークについても、このようなマグネットと同様の配置が可能である。
保持部材は、磁場によりバランサを保持するだけでなく、後述するように例えばマグネット及びヨークのうち少なくとも一方によりバランサに表面張力あるいは毛細管力を作用させ、その表面張力等によりバランサを保持するようにしてもよい。
本発明の一の形態によれば、当該自動平衡装置は、前記収容部材の前記外周側に設けられ、該収容部材が回転するときに前記バランサの周方向の移動を規制する規制部材をさらに具備する。本発明によれば自動平衡装置が回転を開始するときに、規制部材がバランサの移動を妨げることがないので、自動平衡装置を安定して回転させることができる。また、自動平衡装置が回転しているときに、収容部材に沿うバランサの流れを規制部材により規制することができる。従って、例えばディスクの回転時の振動の振幅が小さくても、本発明のように規制部材により局所的に集められたバランサによって平衡状態を確保することができる。また、少量のバランサを効率的に利用して自動平衡装置の回転のバランスを大きく向上させることができる。
具体的には、前記マグネットは、前記収容部材の回転の内周側に配置されるとともに、前記収容部材の回転の軸方向に着磁され、前記ヨークは、前記軸方向で前記マグネットを挟み込む一対の磁性部材を有していればよい。磁性部材の形状は色々考えられるが、自動平衡装置の薄型化を考えると例えば円板状にすることができる。この場合、マグネットの径よりヨークの径を大きくすることが好ましい。自動平衡装置の製造時において、磁性部材の半径が調整されることにより、バランサがマグネット及びヨークに保持されているときの、バランサにかかる遠心力を調整することができる。
あるいは、前記マグネットは、前記収容部材の回転の内周側に配置されるとともに、前記収容部材の回転の径方向に着磁され、前記ヨークは、前記径方向で前記マグネットを挟み込む一対の磁性部材を有する。
本発明の一の形態によれば、前記一対の磁性部材は、前記収容部材の内部に収容され、前記内周側に向かうにしたがい、徐々に、互いに距離が小さくなるように設けられている。これにより、収容部材の内周側ほどバランサに働く表面張力あるいは毛細管力が強くなり、保持力を高めることができる。「徐々に」とは、連続的、段階的、またはこれらの組み合わせを含む意味である。
本発明の一の形態によれば、前記マグネットは、前記収容部材の回転の内周側に配置されるとともに、前記収容部材の回転の軸方向に着磁されるとともに、前記軸方向に複数設けられ、前記ヨークは、前記軸方向で前記各マグネットをそれぞれ挟み込むように設けられた複数の板部材で構成されている。これにより、マグネット及びヨークにより形成される磁場によって、また、各板部材同士の隙間による表面張力あるいは毛細管力によってバランサを保持することができる。
本発明の他の観点に係る自動平衡装置は、マグネットと、磁性流体でなるバランサと、一部が磁性体でなり、回転可能に設けられ、回転による遠心力により前記バランサが回転の外周側へ移動するように前記バランサを内部に収容し、かつ、前記マグネット及び前記磁性体により形成される磁場により前記バランサを保持することが可能な収容部材とを具備する。
本発明によれば、収容部材の一部が磁性体で構成されているので、マグネットの磁束密度を高めてバランサの保持力を向上させるとともに、薄型化または小型化を実現することができる。
本発明の一の形態によれば、前記マグネットは、前記収容部材の回転の内周側に配置されるとともに、前記収容部材の回転の軸方向に着磁され、前記収容部材は、前記軸方向で前記マグネットを挟み込むように設けられ、前記磁性体を構成する一対の磁性部材と、前記各磁性部材の間であって前記内周側及び外周側にそれぞれ配置された一対の非磁性部材とを有する。これにより、各磁性部材の間にギャップを形成できるとともに、そのギャップがバランサやマグネットの収容空間とすることができる。
本発明の一の形態によれば、前記各非磁性部材は、前記収容部材の内部を密閉するためのゴム製シール材である。これにより、簡単な構造で薄型化または小型化を実現することができる。
本発明の他の観点に係る自動平衡装置は、磁性流体でなるバランサと、回転可能に設けられ、回転による遠心力により前記バランサが回転の外周側へ移動するように前記バランサを内部に収容する収容部材と、前記収容部材に一体的に回転可能に設けられ、生成する磁場により前記バランサを保持することが可能なマグネットと、前記収容部材の外周側に設けられ、該収容部材が回転するときに前記バランサの周方向の移動を規制する規制部材とを具備する。
本発明によれば、自動平衡装置の非動作時または動作開始時にバランサをマグネットにより保持することができるとともに、自動平衡装置が回転しているときに、収容部材に沿うバランサの流れを規制部材により規制することができる。
本発明に係る回転装置は、磁性流体でなるバランサと、回転可能に設けられ、回転による遠心力により前記バランサが回転の外周側へ移動するように前記バランサを内部に収容する収容部材と、前記収容部材に一体的に回転可能なマグネット及びヨークを有し、前記マグネット及び前記ヨークにより形成される磁場により前記バランサを保持することが可能な保持部材と、前記収容部材を回転駆動する駆動部とを具備する。
本発明に係るディスク駆動装置は、信号を記録可能なディスクを保持する保持部と、磁性流体でなるバランサと、回転可能に設けられ、回転による遠心力により前記バランサが回転の外周側へ移動するように前記バランサを内部に収容する収容部材と、前記収容部材に一体的に回転可能なマグネット及びヨークを有し、前記マグネット及び前記ヨークにより形成される磁場により前記バランサを保持することが可能な保持部材と、前記保持部と前記収容部材と前記保持部材とを一体的に回転駆動する駆動部とを具備する。
ディスクとは、例えばCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク、その他ホログラム等の光学的な方法で信号の記録または再生が可能な光ディスク、MO(Magneto Optical disk)やMD(Mini-Disk)等の光磁気ディスク、ハードディスクのような磁気ディスク等が挙げられる。ディスク駆動装置とは、ディスクに信号を記録すること及び記録された信号を再生することのうち少なくとも一方を行うために、ディスクを回転駆動する装置である。
以上のように、本発明によれば、姿勢によらず回転のバランスを向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る自動平衡装置を断面図である。図2は、図1におけるA−A線断面図である。図3は、一実施の形態に係るディスク駆動装置を示す断面図である。
自動平衡装置10には、バランサ11を内部に収容する収容部材13が設けられている。バランサ11は、磁性流体、あるいは磁気抵抗流体(MR流体(Magneto-Rheological Fluid))等が用いられる。収容部材13は、例えば中空部を有する円板状の形状を有している。収容部材13の中央部には、図3に示すモータ61の回転軸16を収容部材13に貫着するための貫通孔13aが設けられている。収容部材13の構成材料には、例えば非磁性材料の金属や樹脂等が用いられている。
収容部材13の中空部の内周側には、バランサを保持するための磁力を発生させるマグネット6が配置されている。マグネット6は、例えば円板状をなし、回転軸16の軸方向(図中、Z方向)に着磁されている。また、収容部材13の中空部にはその軸方向でマグネット6を挟み込むように一対の円板状のヨーク7及び8が設けられている。ヨーク7及び8は、収容部材13の外周側の側壁13bには接触しておらず、例えばヨーク7及び8の周縁が、内周側から収容部材13の半径の1/2程度、あるいは当該1/2より外側に位置するような大きさになっている。しかし、ヨーク7及び8の大きさは、このような大きさに限られず、マグネット6の径より大きい径であればよい。このように構成されたマグネット6、ヨーク7及び8により、図2に示すように磁力線2で示す磁場が形成される。
図3に示すように、ディスク駆動装置100は、モータ61を有しておりモータ61の回転軸16の上端部には、ターンテーブル65が設けられている。モータ61は、例えば駆動電流が流れるコイル61dが備えられたステータ61bと、マグネット61eが備えられ軸受け61aを介して回転可能に設けられたロータ61cと、回転軸16とを有している。上述したように、回転軸16には上記自動平衡装置10が装着され、回転軸16と一体に自動平衡装置10が回転可能に構成されている。モータ61はサブシャーシ63により支持されサブシャーシ63はゴム等の高分子材料及び金属製の部材等により構成された弾性部62を介してメインシャーシ64に支持され振動系が構成されている。例えば、弾性部62の変形による振動系の共振周波数は、ディスクDの回転周波数より小さく設定されている。
次に、自動平衡装置10の動作について図面を参照しながら説明する。
ターンテーブル65にディスクDがセットされ、モータ61が回転し始めると、振動系が振動し始める。モータ61の低速回転時には、マグネット6等が磁力や摩擦力等によってバランサ11を保持する力より、バランサ11に働く遠心力が下回り、バランサ11は収容部材13の内周側に保持されている。
モータ61の回転数が上昇し、その回転周波数が振動系の共振周波数を超えると、振動系が振動する向きA1が、回転中心からディスクDの偏る向きA2と略反対となる。このとき、バランサ11は振動系が振動する向きA1に、その振動による加速度の力により移動する。したがって、バランサ11が移動する方向(A1)とディスクDの偏る向きA2とは反対となる。
さらに回転数が上昇すると、マグネット6等がバランサ11を保持する力より、バランサ11に働く遠心力が上回り、図1に破線で示すように、遠心力によりバランサ11がヨーク7及び8の外周側に移動する。バランサ11の移動は、収容部材13の側壁13bにより規制される。これにより、バランスが確保される。
モータ61の回転数が減少すると、遠心力が小さくなり、バランサ11を保持する力を遠心力が下回るとバランサ11がマグネット6、ヨーク7及び8により形成される磁場によって内周側に再び保持される。
なお、向きA1と向きA2とが略180度反対向きとなるように、モータ61の回転数(ディスクDに記録された信号を再生等するときの回転数)や弾性部62の材質等を設定することが好ましい。
以上のように、本実施の形態に係る自動平衡装置10は、マグネット6、ヨーク7及び9により形成される磁場によりバランサ11を保持するように構成されている。したがって、自動平衡装置10が回転を開始するときに、自動平衡装置10の姿勢によらずマグネット6等がバランサ11を保持した状態で安定して回転させることができる。
特に、マグネット6だけでなく、ヨーク7及び8が備えられることで磁束密度を高めることができ、バランサ11の保持力を向上させることができる。また、ヨーク7及び8が備えられることで、バランサ11の量を増やすことができ、バランス調整が可能な範囲(ディスクの偏心量の範囲等)を増やすことができる。
また、バランサ11の量を増やすことができることから、そのバランサ11の重量により遠心力を大きくすることができる。したがって、収容部材の内部容積を小さくすることができ、自動平衡装置10の小型化を図ることができる。つまり、遠心力は回転半径に比例するので(F=mrω2)、収容部材の半径を小さくしても所望の遠心力、所望のバランス力を得ることができる。
さらに、自動平衡装置10の製造時において、ヨーク7または8の半径が調整されることにより、バランサ11がマグネット6、ヨーク7及び8に保持されているときの、バランサ11にかかる遠心力を調整することができる。
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る自動平衡装置を示す断面図である。図5は、図4におけるB−B線断面図である。この第2の実施の形態も含め、これ以降の説明では、上記第1の実施の形態に係る自動平衡装置10の部材や機能等について同様のものは説明を簡略または省略し、異なる点を中心に説明する。
本実施形態に係る自動平衡装置20は、図1等に示す収容部材13に代えて、バランサ11の周方向Wの流れを規制する規制部材15を複数有する収容部材23を備えている。規制部材15は、収容部材23の側壁23bから自動平衡装置20の中心に向けて突出するように設けられている。規制部材15は、それぞれ周方向Wにほぼ等間隔に設けられ、収容部材23の中空部内に軸方向(Z方向)に立設している。規制部材15の、回転の径方向の端部15aはヨーク7及び8の周縁部7a及び8aに対面して接触している。
規制部材15の数、形状、材質等は限定されず、例えば、上記第1の実施形態の収容部材13と別に規制部材15となる板状部材を用意し、収容部材13の側壁13bにこの板状部材を溶着して規制部材とするようにしてもよい。また、規制部材15を、樹脂材料を用いて、収容部材23と一体成形してもよい。
本実施形態では、自動平衡装置20の回転によるバランサ11の外周側への移動を収容部材23の側壁23bで一旦規制し、その側壁23bに沿う周方向Wのバランサ11の流れを規制部材15により規制することができる。したがって、例えばディスクDの回転時の振動の振幅が小さくても、規制部材15により局所的に集められたバランサ11によって平衡状態を確保することができる。自動平衡装置20が垂直状態(回転軸16の軸方向が地面にほぼ平行な状態をいう。)で使用するとき等には、遠心力や重力により垂直下方にバランサ11が偏り易くなる。しかし、回転開始時等には磁力により内周側にバランサ11が保持されているので、規制部材15が設けられていても問題はない。すなわち、規制部材15が設けられている場合であって、かつ、重力により下方にバランサが集まったままの状態では、次回の回転開始時にはバランス性能が低下してしまうが、本実施の形態では問題ない。
また、規制部材15の端部15aはヨーク7及び8の周縁部7a及び8aに接触しているので、回転を停止したときに各規制部材15の間にあるバランサ11をヨーク7及び8を介して迅速かつ確実に内周側へ戻すことができる。
なお、ヨーク7及び8と規制部材15とは必ずしも接触していなくてよく、両者が離れていてもよい。あるいは、ヨーク7及び8と規制部材15とが対面せずに、径方向でオーバーラップするように設けられていてもよい。
図6は、本発明の第3の実施の形態に係る自動平衡装置を示す断面図である。
本実施の形態に係る自動平衡装置30のマグネット26は、収容部材13の回転径方向に着磁されている。上部のヨーク27は、その内周側で下方に突起した円筒状のフランジ27aがマグネット26の内周部に接するように配置されている。下部のヨーク28は、その内周側で上方に突起した円筒状のフランジ28aがマグネット26の外周部に接するように配置されている。このようなマグネット26、ヨーク27及び28の配置構成により、図に示すような磁場2を形成することができ、バランサ11を保持することができる。
図7は、本発明の第4の実施の形態に係る自動平衡装置を示す断面図である。
本実施の形態に係る自動平衡装置40の収容部材33の中空部33bの厚さ(軸方向の幅)は、内周側に向かうにしたがって徐々に小さくなっている。マグネット36は、軸方向に着磁されている。マグネット36を軸方向で挟み込むヨーク37及び38は、中空部33bの形状に合わせるように、内周側に向かうにしたがって徐々に互いの距離が小さくなるような形状となっている。このような構成によれば、収容部材33の内周側ほどバランサ11に働く表面張力あるいは毛細管力が強くなり、保持力を高めることができる。
図8は、本発明の第5の実施の形態に係る自動平衡装置を示す断面図である。図9は、図8に示すマグネット及びヨークを示す拡大断面図である。
本実施の形態に係る自動平衡装置50の収容部材13の中空部には、例えば円板状のヨーク7a、7b、7c及び7dが軸方向に配列されている。ヨーク7aとヨーク7bとに挟み込まれるようにマグネット6aが配置されている。また、ヨーク7bとヨーク7cとに挟み込まれるようにマグネット6bが配置され、ヨーク7cとヨーク7dとに挟み込まれるようにマグネット6cが配置されている。各マグネット6a〜6cは軸方向に着磁されている。しかし、マグネット6aと6cは極が同じ向きとなるように配置され、マグネット6bは、マグネット6a及び6cと極が逆向きとなるように配置されている。このようなマグネット26、ヨーク27及び28の配置構成により、図に示すような磁場2を形成することができ、バランサ11を保持することができる。また、板状の各ヨーク7a〜7dの隙間による表面張力あるいは毛細管力によってバランサ11を確実に保持することができる。
図10は、本発明の第6の実施の形態に係る自動平衡装置を示す断面図である。
本実施の形態に係る自動平衡装置60は、収容部材43内部の上面43aから、外周側の底面43cにかけて曲面状の側面43bを有している。このような構成によれば、収容部材43の回転減速時に、外周側にあるバランサ11が速やかにマグネット6、ヨーク7及び8により形成される磁場により内周側へ戻るようになる。すなわち、収容部材43の外周側で極力角部をなくすことにより、バランサ11に働く表面張力を弱めて速やかに内周側へ戻すことができる。
図11は、本発明の第7の実施の形態に係る自動平衡装置を示す断面図である。
本実施の形態に係る自動平衡装置70の収容部材53は、対面してマグネット6を挟みこむ磁性体でなる一対の板部材51及び52と、各板部材51及び52が有する穴51a及び52aに嵌着された円筒部材55と、各板部材51及び52の外周縁部51b及び52bに装着されたリング状の蓋部材54とを有している。円筒部材55及び蓋部材54により、収容部材53の内部が密閉される。円筒部材55及び蓋部材54は、マグネット6、板部材51及び52により形成される磁気回路のショートを避けるために設けられ、それぞれ非磁性体でなる。非磁性体としては、例えばアルミニウム等の金属、樹脂、ゴム等がある。シャフト16が非磁性体でなる場合は、必ずしも円筒部材55は必要でない。このように収容部材53自体が磁性体の部分を有しているので、薄型化または小型化を実現することができる。
図12は、本発明の第8の実施の形態に係る自動平衡装置を示す断面図である。
本実施の形態に係る自動平衡装置80は、図7に示した自動平衡装置70と類似の構成を備えている。外周側のリング状の蓋部材74には、図13に示すように周方向にほぼ同じ間隔で規制部材74aが一体的に形成されている。この規制部材は、図4及び図5に示した規制部材15と同様の機能を有する。このような構成により、簡単な構造で薄型化または小型化を実現することができる。
図14は、本発明の第9の実施の形態に係る自動平衡装置を示す断面図である。
本実施の形態に係る自動平衡装置90は、図4及び図5に示す規制部材15が設けられた収容部材23を備えており、ヨークは備えられていない。このように、マグネット6の磁力の強度によっては、ヨークなしでバランサ11を保持するようにすることもできる。
本発明は以上説明した実施の形態には限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、図2において、ヨーク7と収容部材13との間に隙間を形成して、表面張力等によりバランサ11が保持されるようにしてもよい。
例えば、上記第1〜第8の実施の形態のうち少なくとも2つを組み合わせることも可能である。例えば、図4及び図5で示した規制部材15が、図6以降で示した各自動平衡装置に設けられていてもよい。あるいは、図10で示した側面43bが、その他の各実施の形態に係る自動平衡装置に設けられていてもよい。
2…磁場(磁力線)
6、6a〜6c、26、36…マグネット
7、7a〜7d、27、28、37…ヨーク
10、20、30、40、50、60、70、80、90…自動平衡装置
11…バランサ
13、23、33、43、53…収容部材
15…規制部材
16…回転軸(シャフト)
51…板部材
54、74…蓋部材
55…円筒部材
60…自動平衡装置
61…モータ
65…ターンテーブル
100…ディスク駆動装置
6、6a〜6c、26、36…マグネット
7、7a〜7d、27、28、37…ヨーク
10、20、30、40、50、60、70、80、90…自動平衡装置
11…バランサ
13、23、33、43、53…収容部材
15…規制部材
16…回転軸(シャフト)
51…板部材
54、74…蓋部材
55…円筒部材
60…自動平衡装置
61…モータ
65…ターンテーブル
100…ディスク駆動装置
Claims (12)
- 磁性流体でなるバランサと、
回転可能に設けられ、回転による遠心力により前記バランサが回転の外周側へ移動するように前記バランサを内部に収容する収容部材と、
前記収容部材に一体的に回転可能なマグネット及びヨークを有し、前記マグネット及び前記ヨークにより形成される磁場により前記バランサを保持することが可能な保持部材と
を具備することを特徴とする自動平衡装置。 - 請求項1に記載の自動平衡装置であって、
前記収容部材の前記外周側に設けられ、該収容部材が回転するときに前記バランサの周方向の移動を規制する規制部材をさらに具備することを特徴とする自動平衡装置。 - 請求項1に記載の自動平衡装置であって、
前記マグネットは、前記収容部材の回転の内周側に配置されるとともに、前記収容部材の回転の軸方向に着磁され、
前記ヨークは、前記軸方向で前記マグネットを挟み込む一対の磁性部材を有することを特徴とする自動平衡装置。 - 請求項1に記載の自動平衡装置であって、
前記マグネットは、前記収容部材の回転の内周側に配置されるとともに、前記収容部材の回転の径方向に着磁され、
前記ヨークは、前記径方向で前記マグネットを挟み込む一対の磁性部材を有することを特徴とする自動平衡装置。 - 請求項3に記載の自動平衡装置であって、
前記一対の磁性部材は、前記収容部材の内部に収容され、前記内周側に向かうにしたがい、徐々に、互いに距離が小さくなるように設けられていることを特徴とする自動平衡装置。 - 請求項1に記載の自動平衡装置であって、
前記マグネットは、前記収容部材の回転の内周側に配置されるとともに、前記収容部材の回転の軸方向に着磁されるとともに、前記軸方向に複数設けられ、
前記ヨークは、前記軸方向で前記各マグネットをそれぞれ挟み込むように設けられた複数の板部材で構成されていることを特徴とする自動平衡装置。 - マグネットと、
磁性流体でなるバランサと、
一部が磁性体でなり、回転可能に設けられ、回転による遠心力により前記バランサが回転の外周側へ移動するように前記バランサを内部に収容し、かつ、前記マグネット及び前記磁性体により形成される磁場により前記バランサを保持することが可能な収容部材と
を具備することを特徴とする自動平衡装置。 - 請求項7に記載の自動平衡装置であって、
前記マグネットは、前記収容部材の回転の内周側に配置されるとともに、前記収容部材の回転の軸方向に着磁され、
前記収容部材は、
前記軸方向で前記マグネットを挟み込むように設けられ、前記磁性体を構成する一対の磁性部材と、
前記各磁性部材の間であって前記内周側及び外周側にそれぞれ配置された一対の非磁性部材と
を有することを特徴とする自動平衡装置。 - 請求項8に記載の自動平衡装置であって、
前記各非磁性部材は、前記収容部材の内部を密閉するためのシール材であることを特徴とする自動平衡装置。 - 磁性流体でなるバランサと、
回転可能に設けられ、回転による遠心力により前記バランサが回転の外周側へ移動するように前記バランサを内部に収容する収容部材と、
前記収容部材に一体的に回転可能に設けられ、生成する磁場により前記バランサを保持することが可能なマグネットと、
前記収容部材の外周側に設けられ、該収容部材が回転するときに前記バランサの周方向の移動を規制する規制部材と
を具備することを特徴とする自動平衡装置。 - 磁性流体でなるバランサと、
回転可能に設けられ、回転による遠心力により前記バランサが回転の外周側へ移動するように前記バランサを内部に収容する収容部材と、
前記収容部材に一体的に回転可能なマグネット及びヨークを有し、前記マグネット及び前記ヨークにより形成される磁場により前記バランサを保持することが可能な保持部材と、
前記収容部材を回転駆動する駆動部と
を具備することを特徴とする回転装置。 - 信号を記録可能なディスクを保持する保持部と、
磁性流体でなるバランサと、
回転可能に設けられ、回転による遠心力により前記バランサが回転の外周側へ移動するように前記バランサを内部に収容する収容部材と、
前記収容部材に一体的に回転可能なマグネット及びヨークを有し、前記マグネット及び前記ヨークにより形成される磁場により前記バランサを保持することが可能な保持部材と、
前記保持部と前記収容部材と前記保持部材とを一体的に回転駆動する駆動部と
を具備することを特徴とするディスク駆動装置。
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JP2005105646A JP2006283894A (ja) | 2005-04-01 | 2005-04-01 | 自動平衡装置、回転装置及びディスク駆動装置 |
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- 2005-04-01 JP JP2005105646A patent/JP2006283894A/ja active Pending
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