JPH10320876A - ディスク駆動装置 - Google Patents

ディスク駆動装置

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Publication number
JPH10320876A
JPH10320876A JP10189783A JP18978398A JPH10320876A JP H10320876 A JPH10320876 A JP H10320876A JP 10189783 A JP10189783 A JP 10189783A JP 18978398 A JP18978398 A JP 18978398A JP H10320876 A JPH10320876 A JP H10320876A
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JP
Japan
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disk
magnetic
disk drive
hollow annular
annular portion
Prior art date
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Pending
Application number
JP10189783A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyoshi Masaki
清 正木
Kazuhiro Mihara
和博 三原
Shuichi Yoshida
修一 吉田
Michio Fukuyama
三千雄 福山
Tokuaki Urayama
徳昭 浦山
Masaaki Kikukawa
正明 菊川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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  • Holding Or Fastening Of Disk On Rotational Shaft (AREA)
  • Rotational Drive Of Disk (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスクのアンバランスによる好ましくない
振動の発生を抑制し、高速転送可能なディスク駆動装置
を提供するものである。 【解決手段】 中空環状部の内部に磁性を有する固体を
収納したバランサーと、磁性を有する固体を吸引保持す
る磁界発生手段とを設けて、バランサーがディスクと一
体的に回転可能に形成して、アンバランスなディスクの
高速回転時に発生する振動を抑制するように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体であるデ
ィスクのアンバランスが原因となる好ましくない振動や
騒音を抑制し、安定した記録や再生を可能にするディス
ク駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、データを記録・再生するディスク
駆動装置においては、データの転送速度を向上させるた
めにディスクの高速回転化が進んできた。しかしなが
ら、ディスクにはその厚みむらなどによる質量のアンバ
ランスなものが存在する。そのようなディスクを高速回
転させると、ディスクの回転中心に対して偏った遠心力
(アンバランス力)が作用し、そのアンバランス力によ
る振動が装置全体に伝わるという問題があった。このア
ンバランス力の大きさは、回転周波数の二乗に比例して
増大するため、ディスクの回転数を上げるにしたがい振
動は急激に大きくなる。したがって、ディスクを高速回
転させるとその振動によって騒音が発生したり、ディス
ク回転駆動用スピンドルモータの軸受が損傷したりする
と共に、安定した記録や再生が不可能になるという問題
が生じていた。さらに、ディスク駆動装置をコンピュー
タなどに内蔵した際には、他の周辺機器に振動が伝達し
て悪影響を及ぼすという問題も発生した。したがって、
ディスクの高速回転化によるデータ転送速度の向上を図
るためには、ディスクのアンバランスによる好ましくな
い振動を抑制する必要があった。
【0003】以下、図面を参照しながら、従来のディス
ク駆動装置の一例について説明する。図24は従来のデ
ィスク駆動装置を示す斜視図である。図24において、
ディスク1は、スピンドルモータ2により回転駆動され
ており、ヘッド3はディスク1に記録されているデータ
の読みとり、またはディスク1に対するデータの書き込
みを行う。ヘッド駆動機構5はラックとピニオンなどで
構成され、ヘッド駆動用モータ4の回転運動を直線運動
に変換してヘッド3に伝達する。このヘッド駆動機構5
によりヘッド3はディスク1の半径方向に移動する。サ
ブベース6にはスピンドルモータ2、ヘッド駆動用モー
タ4及びヘッド駆動機構5が取り付けられている。装置
外部からサブベース6に伝わる振動や衝撃は、インシュ
レータ7(弾性体)により減衰されており、サブベース
6は、このインシュレータ7を介してメインベース8に
取り付けられている。ディスク駆動装置本体はメインベ
ース8に取り付けられたフレーム9を介してコンピュー
タ装置などに組み込まれるよう構成されている。
【0004】図25は従来のディスク駆動装置のスピン
ドルモータ2の近傍を示す側面断面図である。ターンテ
ーブル110はスピンドルモータ2の軸21に固定さ
れ、ディスク1のクランプエリア11を回転可能に支持
している。ターンテーブル110には、ディスク1のク
ランプ孔12と嵌合するボス14が一体的に形成されて
いる。ディスク1がボス14と嵌合することにより、デ
ィスク1の芯出しが行われる。また、ボス14の上方に
は、位置決め孔113が形成されており、さらに対向ヨ
ーク15が固定されている。クランパ116には、ター
ンテーブル110に設けられた位置決め孔113と嵌合
し、芯出しされるための中心突起17が形成されてお
り、その周辺にリング状のマグネット18が固定されて
いる。クランパ116の下面にはディスク1と接触する
平坦な接触部19が形成されている。
【0005】以上のように構成された従来のディスク駆
動装置において、ディスク1がクランプされた状態のと
き、ディスク1はクランプ孔12とボス14が嵌合して
ターンテーブル110上に設置される。また、このとき
ディスク1は、クランパ116に内蔵されているマグネ
ット18とターンテーブル110に固定されている対向
ヨーク15との間に作用する吸引力により保持される。
このように保持されたディスク1は、スピンドルモータ
2により、ターンテーブル110、及びクランパ116
と一体的に回転駆動される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来のディスク駆動装置の構成においては、厚み
むらなどによる質量アンバランスを有するディスク1を
高速回転させると、図25に示したディスク1の重心G
1に遠心力(アンバランス力)Fが作用する。その作用
方向はディスク1の回転と共に回転する。このアンバラ
ンス力Fはターンテーブル110とスピンドルモータ2
を介してサブベース6に伝達されるが、サブベース6
は、弾性体であるインシュレータ7により支持されてい
るため、インシュレータ7の変形を伴ってこのアンバラ
ンス力Fにより大きく振れ回る。アンバランス力Fの大
きさはそのアンバランス量(gcmで表す)と回転周波
数の二乗の積に比例するため、サブベース6の振動加速
度も、ディスク1の回転周波数の二乗にほぼ比例して激
増する。その結果、サブベース6自身や、サブベース6
上に取り付けられたヘッド駆動機構5の共振などにより
騒音が発生したり、ディスク1とヘッド3が大きく振動
することにより安定した記録や再生が不可能になるとい
う問題点があった。
【0007】このような問題点に対して従来のディスク
駆動装置においては、インシュレータ7のバネ定数を高
めたり、板バネなどの弾性材をサブベース6とメインベ
ース8の間に挿入したりすることにより、サブベース6
の振動振幅を抑えるという対策がとられていた。しかし
ながら、このようにサブベース6とメインベース8の間
の連結部の剛性を高めると、逆に装置外部から振動や衝
撃が作用した際に、ディスク1やヘッド3などが搭載さ
れているサブベース6に振動や衝撃が直接的に伝わり、
安定した記録や再生が不可能になり、いわゆる装置の耐
振動・耐衝撃特性が低下するという問題があった。また
同様に、アンバランス力Fによるサブベース6の振動が
メインベース8とフレーム9を介してディスク駆動装置
外部に伝わり、コンピュータ機器に搭載されているディ
スク駆動装置以外の他の装置に悪影響を及ぼすという問
題もあった。さらには、アンバランス力Fにより、スピ
ンドルモータ2の軸受に大きな側圧がかかり、軸損トル
クの増大や軸受の損傷を招いたりして、軸受寿命が短く
なるという問題点も発生した。
【0008】本発明は上記問題点に鑑み、アンバランス
なディスクを高速回転させた場合にも安定して記録また
は再生が可能であり、また装置外部からの振動や衝撃に
対しても高い信頼性を有して、ディスクの高速回転によ
り高いデータ転送速度を有するディスク駆動装置を提供
するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明のディスク駆動装置は、内部に複数個の球
体又は液体を収納した中空環状部を有するバランサーが
当該ディスク駆動装置に装着されたディスクと一体的に
回転するように設けられたものであり、具体的な手段を
以下に示す。
【0010】本発明に係るディスク駆動装置は、装着さ
れたディスクと一体的に回転可能に設けられ、磁性を有
する固体が収納された中空環状部を有するバランサー
と、前記磁性を有する固体を吸引保持するための磁界発
生手段と、を具備する。このため、本発明のディスク駆
動装置はバランサー自身からの騒音発生を抑制すること
ができる。本発明に係るディスク駆動装置は、装着され
たディスクと一体的に回転可能に設けられ、磁性体が収
納された中空環状部を有するバランサーと、前記バラン
サーと一体的に回転可能に設けられ、前記磁性体を吸引
保持するための磁界発生手段と、を具備する。このた
め、本発明のディスク駆動装置はバランサー自身からの
騒音発生を抑制することができる。
【0011】本発明に係るディスク駆動装置は、装着さ
れたディスクと一体的に回転可能に設けられ、磁性体が
収納された中空環状部を有するバランサーと、前記磁性
体を吸引保持するための磁界発生手段と、前記磁界発生
手段の前記磁性体との対向面に設けられた衝撃を吸収す
るための部材と、を具備し前記磁性体が前記衝撃を吸収
するための部材に直接的に吸着可能に構成されている。
また、本発明に係るディスク駆動装置は、装着されたデ
ィスクと一体的に回転可能に設けられ、磁性体が収納さ
れた中空環状部を有するバランサーと、前記磁性体を吸
引保持するための磁界発生手段と、前記磁界発生手段の
前記磁性体との対向面に固着された弾性体と、を具備し
前記磁性体が前記弾性体に直接的に吸着可能に構成され
ている。このため、本発明のディスク駆動装置はバラン
サー自身からの騒音発生を抑制することができる。本発
明に係るディスク駆動装置は、装着されたディスクと一
体的に回転可能に設けられ、磁性体が収納された中空環
状部を有するバランサーと、前記磁性体を吸引保持する
ためのマグネットと、前記マグネットに接触し、一部が
前記磁性体の近傍に導出された磁性板により形成された
バックヨークと、を具備する。このため、本発明のディ
スク駆動装置はバランサー自身からの騒音発生を抑制す
ることができる。
【0012】本発明に係るディスク駆動装置は、磁性板
である対向ヨークが固定され、装着されたディスクが載
置され、前記ディスクを回転可能に支持するターンテー
ブルと、前記対向ヨークとの間に作用する吸引力で前記
ディスクを挟持するためのマグネットを内蔵し、磁性体
が収納された中空環状部を有するバランサーが一体的に
形成されたクランパと、を具備し、前記磁性体が前記マ
グネットとの間に作用する吸引力で保持されるよう構成
されている。このため、本発明のディスク駆動装置はバ
ランサー自身からの騒音発生を抑制することができる。
本発明に係るディスク駆動装置は、磁性板である対向ヨ
ークが固定され、装着されたディスクが載置され、前記
ディスクを回転可能に支持するターンテーブルと、前記
対向ヨークとの間に作用する吸引力で前記ディスクを挟
持するためのマグネットを内蔵し、磁性体が収納された
中空環状部を有するバランサーが一体的に形成されたク
ランパと、を具備し、前記マグネットの前記磁性体と対
向する面に衝撃を吸収するための部材が設けられ、前記
磁性体が前記衝撃を吸収するための部材に直接的に吸着
可能に構成されている。また、本発明に係るディスク駆
動装置は、磁性板である対向ヨークが固定され、装着さ
れたディスクが載置され、前記ディスクを回転可能に支
持するターンテーブルと、前記対向ヨークとの間に作用
する吸引力で前記ディスクを挟持するためのマグネット
を内蔵し、磁性体が収納された中空環状部を有するバラ
ンサーが一体的に形成されたクランパと、を具備し、前
記マグネットの前記磁性体と対向する面に弾性体が固着
され、前記磁性体が前記弾性体に直接的に吸着可能に構
成されている。また、本発明に係るディスク駆動装置
は、マグネットにおける対向ヨークと対向する面の反対
面に磁性板であるバックヨークを付設している。このた
め、本発明のディスク駆動装置はバランサー自身からの
騒音発生を抑制することができる。
【0013】本発明に係るディスク駆動装置は、マグネ
ットが固定され、装着されたディスクが載置され、前記
ディスクを回転可能に支持するターンテーブルと、前記
マグネットとの間に作用する吸引力で前記ディスクを挟
持するための対向ヨークを内蔵し、磁性体が収納された
中空環状部を有するバランサーを一体的に形成されたク
ランパと、を具備し、前記磁性体を前記マグネットとの
間に作用する吸引力により保持するよう構成されてい
る。このため、本発明のディスク駆動装置によれば、装
着されたアンバランスなディスクによる振動を確実に抑
制することができると共に、部品点数を最小限に抑えな
がらもバランサー自身からの騒音発生を抑制することが
できる。
【0014】本発明に係るディスク駆動装置用バランサ
ーは、磁性を有する固体が収納された中空環状部と、前
記磁性を有する固体を吸引保持するための磁界発生手段
と、を具備する。このため、本発明のディスク駆動装置
用バランサーは、バランサー自身からの騒音発生を抑制
することができる。
【0015】本発明に係るディスク駆動装置用バランサ
ーは、磁性体が収納された中空環状部と、前記磁性体を
吸引保持するための磁界発生手段と、前記磁界発生手段
の前記磁性体と対向する面に設けられ、前記磁性体に直
接的に吸着可能な衝撃を吸収するための部材と、を具備
する。また、本発明に係るディスク駆動装置用バランサ
ーは、磁性体が収納された中空環状部と、前記磁性体を
吸引保持するための磁界発生手段と、前記磁界発生手段
の前記磁性体と対向する面に固着され、前記磁性体に直
接的に吸着可能な弾性体と、を具備する。このため、本
発明のディスク駆動装置用バランサーは、バランサー自
身からの騒音発生を抑制することができる。
【0016】本発明に係るディスク駆動装置用バランサ
ーは、磁性体が収納された中空環状部と、前記磁性体を
吸引保持するためのマグネットと、前記マグネットに接
触し、一部が前記磁性体の近傍に導出された磁性板によ
り形成されたバックヨークと、を具備する。このため、
本発明のディスク駆動装置用バランサーは、バランサー
自身からの騒音発生を抑制することができる。
【0017】本発明に係るディスク駆動装置用クランパ
は、ターンテーブル上に載置されたディスクを回転可能
に挟持し、磁性を有する固体が収納された中空環状部を
有するバランサーと、前記磁性を有する固体を吸引保持
するための磁界発生手段と、を具備する。このため、本
発明のディスク駆動装置用クランパによれば、このクラ
ンパを組み込んだディスク駆動装置に装着されたアンバ
ランスなディスクによる振動を抑制することができると
ともに、バランサー自身からの騒音発生を抑制すること
ができる。
【0018】本発明に係るディスク駆動装置用ターンテ
ーブルは、磁性を有する固体が収納された中空環状部を
有するバランサーと、前記磁性を有する固体を吸引保持
するための磁界発生手段と、を具備し、装着されたディ
スクが載置され、前記ディスクを回転可能に支持するよ
う構成されている。このため、本発明のディスク駆動装
置用ターンテーブルによれば、このターンテーブルを組
み込んだディスク駆動装置に装着されたアンバランスな
ディスクによる振動を抑制することができるとともにバ
ランサー自身からの騒音発生を抑制することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
《第1の実施例》以下、本発明の第1の実施例のディス
ク駆動装置について、添付の図面を参照しながら説明す
る。図1は本発明の第1の実施例のディスク駆動装置に
おけるスピンドルモータ2の近傍を示す側面断面図であ
る。図2は本発明の第1の実施例のクランパ16aに設
けられた中空環状部23のみを示す平面断面図である。
図3は中空環状部23の外周壁面25の中心軸P2とス
ピンドルモータの回転中心軸P0の位置がずれている場
合を示す図である。図4は本発明のディスク駆動装置の
効果を示すためのサブベース6の振動加速度の実測値を
示したものである。なお、図24及び図25に示したデ
ィスク駆動装置における要素と実質的に同一な要素には
同一符号を付して、その説明は省略する。
【0020】図1において、第1の実施例のディスク駆
動装置は、ターンテーブル110上のディスク1がクラ
ンパ16aに挟着されて固定されており、スピンドルモ
ータ2により回転駆動されるよう構成されている。この
ディスク駆動装置において、ディスク1に記録されてい
るデータの読みとり、またはディスク1に対するデータ
の書き込みはヘッドにより行われている。サブベース6
にはスピンドルモータ2、ヘッド駆動用モータ及びヘッ
ド駆動機構等が取り付けられている。装置外部からサブ
ベース6に伝わる振動や衝撃は、インシュレータ7(弾
性体)により減衰されており、サブベース6は、このイ
ンシュレータ7を介してメインベース8に取り付けられ
ている。ディスク駆動装置本体はメインベース8に取り
付けられたフレームを介してコンピュータ装置などに組
み込まれるよう構成されている。
【0021】ターンテーブル110は、スピンドルモー
タ2の軸21に固定され、ディスク1のクランプエリア
11を回転可能に支持している。ターンテーブル110
には、ディスク1のクランプ孔12と嵌合するボス14
が一体的に形成されている。ディスク1がボス14と嵌
合することにより、ディスク1の芯出しは行われる。ま
た、ボス14の上部には対向ヨーク15が埋設されてい
る。クランパ16aには、ターンテーブル110に形成
された位置決め孔13と嵌合し、芯出しされるための中
心突起17が設けられており、その周辺にリング状のマ
グネット18が固定されている。クランパ16aの下面
にはディスク1と接触する平坦な接触部19が形成され
ている。
【0022】本発明の第1の実施例のディスク駆動装置
は、クランパ16aに球体バランサー22aが形成され
ている。図1及び図2に示すように、実施例1のクラン
パ16aには、ターンテーブル110に対して位置決め
するための中心突起(中心軸)17が形成されており、
その中心突起17と同軸に中空環状部23が設けられて
いる。中空環状部23の内部には、複数個(例えば、6
個)の球体24が移動可能に収納されている。中空環状
部23と球体24により球体バランサー22aが構成さ
れており、球体バランサー22aはクランパ16aと一
体的に形成されている。
【0023】一方、ターンテーブル110には、ターン
テーブル110を貫通した位置決め孔13が形成されて
おり、この位置決め孔13はスピンドルモータ2の回転
中心軸POとなるスピンドル軸21と嵌合している。こ
のため、ターンテーブル110は、スピンドル軸21に
固定されており、スピンドルモータ2と一体的に回転す
るよう構成されている。
【0024】上記クランパ16aによりディスク2がク
ランプされた状態において、前述の図25に示した従来
のディスク駆動装置と同様に、ディスク1はクランプ孔
12とボス14が嵌合して、ターンテーブル110上に
配置される。そして、ディスク1はクランパ16aに固
定されているマグネット18とターンテーブル110に
固定されている対向ヨーク15との間に作用する吸引力
により挟着され保持される。このとき、クランパ16a
に設けられた中心突起(中心軸)17は、ターンテーブ
ル110に設けられた位置決め孔13と嵌合して位置決
めされるので、中心突起(中心軸)17と同軸に設けら
れた中空環状部23は、スピンドルモータ2の回転中心
軸P0とほぼ同軸となる。そしてクランパ16aは、ス
ピンドルモータ2によりに、ディスク1及びターンテー
ブル110と一体的に回転駆動される。
【0025】また、第1の実施例のディスク駆動装置に
は、サブベース6をメインベース8に連結するために剛
性の低いインシュレータ(弾性体)7が用いられてお
り、インシュレータ7の変形によるサブベース6の機械
的振動におけるディスク1の記録面と平行な方向の1次
共振周波数をディスク1の回転周波数より低く設定して
いる。具体的には、ディスク2の回転周波数が約100
Hzであり、またヘッドがヘッド駆動機構により駆動され
る方向(アクセス方向)のサブベース6の振動とそれと
直交する方向のサブベース6の振動の1次共振周波数を
共に約60Hzに設定している。
【0026】以上のように構成された本発明の第1の実
施例のディスク駆動装置において、アンバランス量が大
きいディスク1を100Hzで回転させた場合の動作を図
1と図2を用いて説明する。まず、ディスク1にはその
重心G1に遠心力(アンバランス力と称する)Fが作用
し、その作用方向はディスク1の回転と共に回転する。
このアンバランス力Fによりインシュレータ7が変形
し、サブベース6とサブベース6に搭載された構成部品
全体がディスク1の回転周波数で振れ回る。ここでイン
シュレータ7の変形によるサブベース6の共振周波数
(約60Hz)はディスク1の回転周波数(約100Hz)
より低く設定されている。このため、サブベース6の変
位方向とアンバランス力Fの作用方向は常にほぼ逆方向
となる。したがって、図2に示すようにサブベース6上
で回転しているディスク1の振れ回りの中心軸P1は、
アンバランス力Fの作用するディスク1の重心G1とス
ピンドルモータの回転中心軸P0の間に配置される。
【0027】上記のような状態において、クランパ16
aに設けられた中空環状部23は、スピンドルモータ2
の回転中心軸P0と同軸に位置決めされているので、中
空環状部23の中心、すなわち外周壁面25の中心P2
とスピンドルモータ2の回転中心軸P0の位置は一致し
ており、中空環状部23は振れ回りの中心軸P1を中心
に振れ回り動作を行う。このとき、中空環状部23に収
納された球体24には振れ回りの中心軸P1と球体24
の重心を結ぶ方向の遠心力qが作用する。また、球体2
4は、中空環状部23の外周壁面25によりその移動が
規制されているため、球体24には外周壁面25からの
抗力Nが作用する。この外周壁面25からの抗力Nは、
外周壁面25の中心P2へ向かう方向に作用する。この
ため、球体24には遠心力qと抗力Nの合力となる移動
力Rが外周壁面25の中心P2を中心として球体24の
重心を通る円の接線方向で、かつ振れ回りの中心軸P1
から離れる向きに作用する。この移動力Rにより、球体
24は外周壁面25に沿って移動し、振れ回りの中心軸
P1を挟んでディスク1の重心G1とほぼ正反対の位置
に向けて集まる。この結果、集まってきた複数の球体2
4の全体に作用する遠心力Qは、ディスク1の重心Gに
作用するアンバランス力Fとほぼ逆向きに作用し、この
遠心力Qによりアンバランス力Fが相殺され、サブベー
ス6に作用する力は小さくなる。したがって、アンバラ
ンスなディスク1を回転させた場合に発生するサブベー
ス6の振動は抑制される。
【0028】また、第1の実施例のようにクランパ16
aに中空環状部23を設けた場合には、周囲に他の構成
要素が少ないディスク1の上方の空間を利用しているた
め、中空環状部23の直径をさらに大きく形成して、球
体24の1個当たりの質量や個数を増やすことも可能で
あり、アンバランス量がより大きいディスクに対しても
十分に振動を抑制できるという効果を奏する。
【0029】本発明の第1の実施例において、クランパ
16aに設けられた中心突起(中心軸)17は、スピン
ドルモータ2のスピンドル軸21と嵌合している孔、す
なわち、位置決め孔13と同一の孔に嵌合して位置決め
される。このため、第1の実施例のディスク駆動装置
は、クランパ16aの中心突起(中心軸)17と同軸に
形成された中空環状部23の中心がスピンドルモータ2
の回転中心軸P0と一致しており、球体24が確実にデ
ィスク1の重心G1と正反対の位置に集まり、振動抑制
の効果をより大きくすることができる。もし、前述の図
24に示した従来のディスク駆動装置のように、クラン
パ116が嵌合する孔とスピンドル軸21が固着されて
いる孔が異なった孔であったり、あるいはターンテーブ
ル110に設けられたテーパ部とクランパ116に設け
られたテーパ部を係合させて位置決めさせる構成におい
ては、孔同士の軸ずれやテーパ部の形状誤差などの影響
により、中空環状部の中心とスピンドルモータ2の回転
中心軸P0の位置ずれがさらに大きくなる可能性があ
る。このようなディスク駆動装置のクランパに本実施例
の中空環状部23を設けた場合には、次のような問題が
生じる。
【0030】中空環状部23の中心、すなわち外周壁面
25の中心P2がスピンドルモータ2の回転中心軸P0
からずれた場合の動作を図2と図3を用いて説明する。
図2は外周壁面25の中心軸P2とスピンドルモータの
回転中心軸P0が一致している場合を示したが、図3は
両者の位置がずれている場合を示している。図2におい
ては、外周壁面25の中心P2がスピンドルモータ2の
回転中心軸P0と同じ位置を維持しながら振れ回り動作
を行い、外周壁面25の中心P2は中心軸P1を中心と
して半径X1で振れ回る。
【0031】図3においては、外周壁面25の中心P2
がスピンドルモータ2の回転中心軸P0からΔXだけず
れた位置にあり、外周壁面25の中心P2は半径X2で
振れ回る。この状態において、球体24に作用する移動
力Rは、球体24の質量が同じ場合には球体24に作用
する遠心力qの方向と外周壁面25による抗力Nの方向
のなす角度θが大きいほど大きくなり、角度θは振れ回
りの回転半径X2が大きいほど大きくなる。定量的には
移動力Rの大きさは振れ回りの回転半径X2と回転周波
数の積に比例する。したがって、図3に示すように外周
壁面25の中心軸P2とスピンドルモータの回転中心軸
P0の位置がΔXだけずれて振れ回りの回転半径が小さ
くなっている場合には、移動力Rは小さくなる。移動力
Rが小さくなると、外周壁面25や中空環状部23の底
面における摩擦抵抗や転がり抵抗により、球体24の移
動が阻害され、球体24がディスク1の重心G1と正反
対の位置に集まらないという現象が発生する。以上のよ
うに、中空環状部23の中心とスピンドルモータ2の回
転中心軸P0の位置ずれが大きい場合には、球体24に
よる振動抑制の効果が小さくなる。
【0032】そこで本発明の第1の実施例においては、
クランパ16aに設けられた中心突起(中心軸)17を
スピンドルモータ2のスピンドル軸21と嵌合している
孔、すなわち、位置決め孔13と同一の孔に嵌合させ
て、クランパ16aが位置決めされるよう構成されてい
る。このため、クランパ16aの中心突起(中心軸)1
7と同軸に形成された中空環状部23の中心と、スピン
ドルモータ2の回転中心軸P0との位置ずれが実質的の
発生しない構造となっている。したがって、第1の実施
例のディスク駆動装置においては、球体24が確実にデ
ィスク1の重心G1と正反対の位置に集まり、振動抑制
の効果をより大きくすることができる。
【0033】なお、第1の実施例において、インシュレ
ータ7の変形によるサブベース6の機械的振動における
ディスク1の記録面と平行な方向の1次共振周波数は、
ディスク1の回転周波数より低く設定されている。これ
は、アンバランス力による振動変位の方向をアンバラン
ス力の作用方向とほぼ反対向きにするためである。一般
的に、バネと質量で構成される機械振動系においては、
その共振周波数の付近で質量に作用する外力の周波数と
外力による変位の周波数の位相がずれ始める。そして、
共振周波数より十分高い周波数において、それらの位相
のずれはほぼ電気角で180度となり、外力の作用する
向きと変位の向きが反対になる。つまり、サブベース6
の共振周波数を、ディスク1の回転周波数より低く、か
つアンバランス力による振動変位の方向がアンバランス
力の作用方向とほぼ反対向きになる周波数に設定する
と、前述のように、球体24はディスク1の重心G1と
ほぼ正反対の位置に集まり、球体24に作用する遠心力
Qの作用方向がアンバランス力の作用方向とほぼ正反対
の向きとなる。したがって、サブベース6の共振周波数
はディスク1の回転周波数のアンバランス力による振動
変位の方向を考慮して設定することが望ましい。
【0034】次に、線速度一定で記録もしくは再生する
ディスク駆動装置の場合、すなわちディスクの内周側と
外周側で回転周波数が変化する場合や、角速度一定で
も、単一ではない複数の回転周波数でディスクを回転さ
せるディスク駆動装置におけるサブベース6の共振周波
数の設定について考察する。ディスク1のアンバランス
による振動や騒音は、ディスク1の回転周波数が高くな
るにしたがって大きくなる。このため、サブベース6の
共振周波数は少なくともディスク1の最高回転周波数よ
り低く設定しないと、第1の実施例における球体バラン
サー22aによる十分な効果は得られない。また、サブ
ベース6の共振周波数は、振動が小さくディスク駆動装
置の動作に影響を及ぼすものでないときの回転周波数
や、騒音が十分小さく抑えられている回転周波数より、
必要以上に低く設定する必要はないが、アンバランス力
による振動や騒音が問題となり始める回転周波数(例え
ば、100Hz)よりは十分低く設定することが望まし
い。
【0035】図4は、アンバランス量が約1gcmのデ
ィスク1を用いて、第1の実施例のディスク駆動装置に
よる効果を調べた実験結果である。この実験において
は、ディスク1を約100Hzで回転させた場合のサブベ
ース6の振動加速度を実測した。図4の(a)は、球体
バランサーのない従来のディスク駆動装置の場合であ
る。図4の(a)に示すように、従来のディスク駆動装
置においては最大で約8Gの加速度で振動している。図
4の(b)は本発明の第1の実施例のディスク駆動装置
の場合であり、振動加速度が約3Gまで抑制されてい
る。このように、第1の実施例のディスク駆動装置にお
いては、振動加速度が抑制されているため、アンバラン
ス力Fによるスピンドルモータ2の軸受にかかる側圧が
小さくなり、軸損トルクの増大、軸受の損傷、及び軸受
寿命の短命化という問題は解決される。
【0036】以上のように、第1の実施例のディスク駆
動装置の構成により、インシュレータ7の剛性を高める
ことなく、装着されたアンバランスなディスク1による
サブベース6の振動を確実に抑制することができる。こ
のため、第1の実施例のディスク駆動装置は、バランス
が大きく崩れているディスク1を高速回転させても、安
定して記録または再生が可能であり、耐振動・耐衝撃特
性を損なうことなく、高速回転可能なディスク駆動装置
を実現することができる。
【0037】《第2の実施例》次に、本発明の第2の実
施例のディスク駆動装置について、図面を参照しながら
説明する。図5は本発明の第2の実施例のディスク駆動
装置におけるスピンドルモータ2の近傍を示す側面断面
図である。図6は第2の実施例のディスク駆動装置にお
けるクランパ16aに設けられた中空環状部23のみを
示した平面断面図である。なお、前述の図1に示した第
1の実施例のディスク駆動装置や、図24及び図25に
示したディスク駆動装置における要素と実質的に同一な
要素には同一符号を付して、その説明は省略する。本発
明の第2の実施例のディスク駆動装置は、前述の第1の
実施例におけるクランパ16aに設けられた中空環状部
23の球体24の代わりに液体26を封入して、液体バ
ランサー27を形成したものである。その他の構成は前
述の第1の実施例と同一である。液体としては、水や
油、さらには粉体を懸濁した流体等が用いられる。
【0038】このように構成された第2の実施例のディ
スク駆動装置において、アンバランス量の大きいディス
ク1を100Hzで回転させた場合、第1の実施例と同様
に、ディスク1の重心G1に作用するアンバランス力F
により、サブベース6とサブベース6に搭載された構成
部品全体がディスク1の回転周波数で振れ回る。第2の
実施例のディスク駆動装置において、インシュレータ7
の変形によるサブベース6の共振周波数(約60Hz)
は、ディスク1の回転周波数(100Hz)、つまりアン
バランス力Fによる振動周波数より低く設定されてい
る。このため、図6に示すように、ディスク1の振れ回
りの中心軸P1は、アンバランス力Fの作用するディス
ク1の重心G1とスピンドルモータの回転中心軸P0の
間に配置される。この様な状態において、クランパ16
aに設けられた中空環状部23に封入された液体26
は、振れ回りの中心軸P1から半径方向に外周壁面25
に向けて作用する遠心力Qにより、振れ回りの中心軸P
1を中心とした半径Sの自由水面28を形成する。この
ため、液体26は、ディスク重心G1と正反対の位置に
集中することになる。したがって前述の第1の実施例の
ように球体24を用いた場合と同様に、ディスク重心G
1と正反対の位置に集中した液体26に作用する遠心力
Qにより、ディスク1の重心G1に作用するアンバラン
ス力Fは相殺される。この結果、第2の実施例のディス
ク駆動装置において、ディスク1のアンバランスによる
サブベース6の振動は確実に抑制される。
【0039】第2の実施例では、第1の実施例における
バランサーである球体24の代わりに液体26を用いた
が、第1の実施例において用いた球体24が鋼球の場合
と第2の実施例の液体26を用いた場合とを比較する
と、一般的に液体の方が比重が小さくなるので液体26
に作用する遠心力Qは小さくなる。このため、第2の実
施例のディスク駆動装置においては、アンバランス力F
を完全に相殺するためには大きな体積の液体が必要とな
る。したがって液体を用いる場合には、バランサーに許
される装置内の占有スペースで可能な限り大きな遠心力
Qを発生できるように構成することが望ましい。
【0040】液体26に作用する遠心力Qの大きさは、
中空環状部23の外周壁面25の半径と封入した液体2
6の体積が大きいほど大きくなるが、この両者が限定さ
れている場合には、液体26の比重と自由水面28の半
径Sで決まる。自由水面28の半径Sの大きさは、中空
環状部23の中心とディスク1の振れ回りの中心軸P1
の距離、つまり振れ回りの回転半径X1が大きいほど大
きくなる。したがって、図3に示したように、中空環状
部23の中心P2がスピンドルモータの回転中心軸P0
からΔXだけずれている場合には、その分だけ自由水面
28の半径Sが小さくなる。しかしながら、第2の実施
例のディスク駆動装置は、前述の第1の実施例と同様
に、中空環状部23の中心P2と、スピンドルモータ2
の回転中心軸P0の位置ずれを実質的に無くすためにク
ランパ16aに設けられた中心突起(中心軸)17が、
スピンドルモータ2のスピンドル軸21と嵌合している
孔、すなわち、位置決め孔13と同一の孔に嵌合して位
置決めされる構成となっている。このため、第2の実施
例のディスク駆動装置は、振れ回りの回転半径X1が小
さくなることがなく、自由水面28の半径Sを大きくす
ることができ、限られた体積の中でより大きな遠心力Q
を発生させることが可能である。
【0041】また、第2の実施例では、第1の実施例に
おけるバランサーとしての球体24の代わりに液体26
を用いたが、液体の場合には、その移動を妨げる要因が
少ないので、バランサーをディスク重心G1と反対側に
確実に集中させることができ、第2の実施例のディスク
駆動装置においては安定した効果が得られる。つまり、
アンバランス量が比較的小さい場合や、より安定した性
能が必要となる場合には、第2の実施例のように液体を
用いたバランサーの方がより大きな効果を奏する。な
お、上記第2の実施例ではバランサーに液体を用いたも
ので示したが、粉体や液体と球体の混合流体を用いて
も、上記第2の実施例と同様の効果を奏する。
【0042】《第3の実施例》次に、本発明の第3の実
施例のディスク駆動装置について、図面を参照しながら
説明する。図7は本発明の第3の実施例のディスク駆動
装置におけるスピンドルモータ2の近傍を示す側面断面
図である。図8は第3の実施例のディスク駆動装置にお
けるクランパ16bに設けられた中空環状部23a、2
3bのみを示した平面断面図である。なお、前述の第1
の実施例及び第2の実施例のディスク駆動装置や、図2
4及び図25に示したディスク駆動装置における要素と
実質的に同一な要素には同一符号を付して、その説明は
省略する。
【0043】本発明の第3の実施例のディスク駆動装置
おいては、図7及び図8に示すように、クランパ16b
に形成されたターンテーブル110に対して位置決めす
るための中心突起(中心軸)17と同軸に2つの中空環
状部23a、23bが設けられている。内周側に位置す
る第1の中空環状部23aの内部には、複数個の球体2
4が移動可能に収納され、外周側に位置する第2の中空
環状部23bの内部には、液体26が封入されている。
したがって、第1の中空環状部23aと球体24、及び
第2の中空環状部23bと液体26によりバランサー2
9が構成されている。このバランサー29はクランパ1
6bと一体的に形成されている。それ以外の構成は、前
述の第1の実施例と同様であるのでその説明は省略す
る。
【0044】このように構成された第3の実施例のディ
スク駆動装置において、アンバランス量が大きいディス
ク1を100Hzで回転させた場合には、前述の第1の実
施例と同様に、ディスク1の重心G1に作用するアンバ
ランス力Fによりインシュレータ7が変形し、サブベー
ス6とサブベース6に搭載された構成部品全体がディス
ク1の回転周波数で振れ回る。第3の実施例において、
インシュレータ7の変形によるサブベース6の共振周波
数(約60Hz)はディスク1の回転周波数(約100H
z)より低く設定されているので、サブベース6の変位
方向とアンバランス力Fの作用方向は常にほぼ逆方向と
なる。したがって、図8に示すように、サブベース6上
で回転しているディスク1の振れ回りの中心軸P1は、
アンバランス力Fの作用するディスク1の重心G1とス
ピンドルモータの回転中心軸P0の間に配置される。
【0045】第3の実施例のディスク駆動装置おいて、
クランパ16bに設けられた第1の中空環状部23aと
第2の中空環状部23bは、同軸上に形成されており、
これらの中心P2はスピンドルモータ2の回転中心軸P
0と実質的に同軸に位置決めされている。したがって、
第1の中空環状部23aの外周壁面25a及び第2の中
空環状部23bの外周壁面25bの中心P2は、スピン
ドルモータ2の回転中心軸P0と一致しており、振れ回
りの中心軸P1を中心に振れ回り動作を行う。第1の中
空環状部23aに収納された複数の球体24は、前述の
第1の実施例と同様に、遠心力qaと外周壁面25aか
らの抗力Naの合力である移動力Rにより、外周壁面2
5aに沿って移動し、振れ回りの中心軸P1を挟んでデ
ィスク1の重心G1とほぼ正反対の位置に向けて集ま
り、遠心力Qaを発生させる。
【0046】また、第2の中空環状部23bに封入され
た液体26は、前述の第2の実施例と同様に遠心力Qb
により、振れ回りの中心軸P1を中心とした半径Sの自
由水面28を形成する。このため、液体26は、ディス
ク重心G1とほぼ正反対の位置に集中する。この結果、
ディスク1の重心G1とほぼ正反対の位置に集まってき
た複数の球体24及び液体26のそれぞれに作用する遠
心力Qa及び遠心力Qbにより、ディスク1の重心Gに
作用するアンバランス力Fが相殺され、アンバランスな
ディスク1を回転させた場合に発生するサブベース6の
振動は抑制される。
【0047】上記の第3の実施例のように、球体24を
収納した第1の中空環状部23aと液体26を封入した
第2の中空環状部23bの両方をクランパ16bに設け
ることにより、球体バランサーと液体バランサーのそれ
ぞれの欠点を補完して、より優れた振動抑制効果を得る
ことができる。次に、第3の実施例における球体バラン
サーと液体バランサーによる補完の効果を図8と図9を
用いて説明する。図9はバランスのとれた、理想的なデ
ィスクを回転させた場合の球体24と液体26の位置を
例示するものである。大きなアンバランスな状態のディ
スク1を回転させた場合には、図8のように球体24と
液体26は、ディスク重心G1とほぼ正反対の位置に集
中し、比重のより大きな球体24に作用する遠心力Qa
が主となってアンバランス力Fを相殺する。
【0048】一方、バランスのとれた理想的なディスク
1を回転させた場合には、球体24と液体26は不均一
な位置に分布される。この不均一な位置分布が原因とな
って、球体24自体や液体26自体によりクランパ16
bがアンバランスとなる可能性がある。したがって、図
9の(a)に示すように、複数個の球体24自体が互い
に釣り合う位置に移動し、液体26は均一に分布するこ
とが好ましい。しかしながら、球体24には第1の中空
環状部23aの外周壁面25aや底面の摩擦抵抗や転が
り抵抗が作用するため、球体24に作用する移動力Rが
これらの抵抗力より小さい場合には球体24の移動が阻
害される。球体24に作用する移動力Rは、前述の第1
の実施例の説明で述べたとおり、図3に示す振れ回りの
半径X1に比例しており、振れ回りの半径X1はアンバ
ランス力Fが大きいほど大きくなる。したがって、質量
アンバランスがほとんどないディスク1の場合には、球
体24が一時的に一カ所に集まりアンバランスな状態に
なるなどの、球体24自体によるアンバランスがある程
度以上大きくならないと、図9の(a)に示すように球
体24が互いのアンバランスと釣り合う位置に動くこと
ができない。ところが、第2の中空環状部23bに封入
された液体26は、その移動を妨げる要因が少ないので
アンバランスが小さい場合にも確実に移動する。したが
って、図9の(b)に示すように、球体24が好ましい
位置に移動できない場合でも、液体26は球体24自体
によるアンバランスと釣り合う位置に集まり、振動を抑
制することができる。
【0049】以上のように、本発明の第3の実施例の構
成により、高速回転させるディスク1の質量バランスが
大きく崩れている場合でも、質量バランスが取れている
場合でも、サブベース6の振動を抑制することができる
ので、第3の実施例のディスク駆動装置はどのようなデ
ィスク1に対しても騒音を発生することがなく、安定し
た記録または再生が可能となり、より高速回転可能なデ
ィスク駆動装置を実現することができる。
【0050】《第4の実施例》次に、本発明の第4の実
施例のディスク駆動装置について、図面を参照しながら
説明する。図10は本発明の第4の実施例のディスク駆
動装置におけるスピンドルモータ2の近傍を示す側面断
面図である。なお、前述の第1の実施例及び第2の実施
例のディスク駆動装置や、図24及び図25に示したデ
ィスク駆動装置における要素と実質的に同一な要素には
同一符号を付して、その説明は省略する。
【0051】本発明の第4の実施例のディスク駆動装置
は、図10に示すように、スピンドル軸21がターンテ
ーブル110に設けられた位置決め孔13と嵌合すると
共に、スピンドル軸21が位置決め孔13を貫通してい
る。ターンテーブル110の位置決め孔13を貫通した
スピンドル軸21は、クランパ16cの中心に形成され
た中心孔117に嵌合しており、クランパ16cはスピ
ンドル軸21に貫通されて位置決めされている。このク
ランパ16cの中心孔117と同軸に中空環状部23が
設けられており、その中空環状部23の内部には複数個
の球体24が収納されている。したがって、中空環状部
23と球体24で球体バランサー22bが構成されてお
り、球体バランサー22bはクランパ16cと一体的に
形成されている。上記以外の構成は前述の第1の実施例
と同様である。
【0052】上記のように構成された第4の実施例のデ
ィスク駆動装置において、アンバランス量が大きいディ
スク1を100Hzで回転させた場合には、図2に示した
前述の第1の実施例と同様に、サブベース6上で回転し
ているディスク1の振れ回りの中心軸P1は、アンバラ
ンス力Fの作用するディスク1の重心G1とスピンドル
モータの回転中心軸P0の間に配置される。図10に示
すように、第4の実施例のディスク駆動装置におけるク
ランパ16cに設けられた中空環状部23は、中心孔1
17と同軸に形成されている。また、この中心孔117
は、スピンドルモータ2の回転中心軸となるスピンドル
軸21と直接嵌合するように構成されている。したがっ
て、前述の図3に示した第1の実施例と同様に、中空環
状部23の外周壁面25の中心P2は、スピンドルモー
タ2の回転中心軸P0からのずれΔXは実質的に0に設
定されている。このため、前述の第1の実施例で述べた
ような中空環状部23の中心P2とスピンドルモータ2
の回転中心軸P0の位置ずれによって球体24による振
動抑制の効果が小さくなるという問題を回避することが
できる。以上のように、本発明の第4の実施例の構成に
よって、球体24を用いた場合のバランサーによる振動
抑制効果をより大きなものとすることができる。
【0053】《第5の実施例》次に、本発明の第5の実
施例のディスク駆動装置について、図面を参照しながら
説明する。図11は第5の実施例のディスク駆動装置に
おけるクランパに設けられた中空環状部23を示した平
面断面図である。なお、前述の第1の実施例及び第2の
実施例のディスク駆動装置や、図24及び図25に示し
たディスク駆動装置における要素と実質的に同一な要素
には同一符号を付して、その説明は省略する。
【0054】本発明の第5の実施例のディスク駆動装置
は、バランサー自体から発生する騒音の大きさを低減す
るものであり、図1に示した前述の第1の実施例と同様
に球体バランサー22cがクランパと一体的に構成され
ている。図11に示すように、第5の実施例のディスク
駆動装置は、中空環状部23の内部に金属製球体24c
と樹脂製球体24dを交互に配置して収納したものであ
る。それ以外の構成は前述の第1の実施例と同様であ
る。このように構成された第5の実施例のディスク駆動
装置において、アンバランス量が大きいディスク1を1
00Hzで回転させた場合には、前述の第1の実施例と同
様に、金属製球体24cと樹脂製球体24dは、それぞ
れに作用する移動力Rにより、ディスク重心G1とほぼ
正反対の位置に集中する。そして、それぞれに作用する
遠心力の合力Qが、ディスク重心G1に作用するアンバ
ランス力Fを相殺するため、第5の実施例のディスク駆
動装置におけるサブベース6の振動は抑制される。
【0055】次に、ディスク1が停止している状態や、
またはディスク1を停止している状態から目標回転周波
数まで加速していく途中や逆に停止させるために減速途
中における回転周波数が低い状態における球体バランサ
ーの球体の動作について説明する。ディスク1が停止し
ている状態では当然、球体には遠心力は作用しないし、
また回転周波数が低い状態では球体に作用する遠心力が
小さいので、球体は中空環状部23の外周壁面25に押
し付けられない場合が生じる。したがって、当該ディス
ク駆動装置の輸送中において外部から振動が加えられた
ときや、ディスク1の回転の加速動作初期時や減速動作
終了時には、球体が中空環状部23の内部で遊動して、
球体が互いに衝突したり、球体が中空環状部23の内壁
面に衝突する。このため、もし球体をすべて金属などの
硬度の高い材質のもので形成した場合には、上記状態に
おいて衝突音が発生し、その大きさが好ましくないレベ
ルまで大きくなる可能性がある。
【0056】そこで、本発明の第5の実施例において
は、図11に示すように中空環状部23の内部に金属製
球体24cと、より硬度が低い樹脂製球体24dを交互
に配置して収納し、少なくとも硬度の高い金属製球体2
4cが互いに直接衝突することを避ける構成になってい
る。このように構成したことにより、第5の実施例のデ
ィスク駆動装置は、ディスク1の停止中や、ディスク1
の回転の加速動作初期時や減速動作終了時に発生する衝
突音の大きさを低減することができる。なお、樹脂製球
体24dは樹脂材料のみで構成されていても良いが、金
属製球体に樹脂材料や防振ゴムなどをコーティングした
ものでも同様の効果を奏する。
【0057】以上のように、本発明の第5の実施例の構
成により、質量バランスが大きく崩れているディスク1
を高速回転させても安定した記録または再生が可能とな
ると共に、高速回転中ばかりでなく、ディスクの回転の
加速時や減速時、さらには装置の輸送途中などにも好ま
しくない騒音が発生しない高速回転可能なディスク駆動
装置を実現することができる。
【0058】《第6の実施例》次に、本発明の第6の実
施例のディスク駆動装置について、図面を参照しながら
説明する。図12は本発明の第6の実施例のディスク駆
動装置におけるスピンドルモータ2の近傍を示す側面断
面図である。なお、前述の第1の実施例及び第2の実施
例のディスク駆動装置や、図24及び図25に示したデ
ィスク駆動装置における要素と実質的に同一な要素には
同一符号を付して、その説明は省略する。本発明の第6
の実施例のディスク駆動装置は、第1の実施例において
クランパ16に設けた中空環状部23をターンテーブル
10に設けたものである。第6の実施例における中空環
状部23の内部には、複数個の球体24が移動可能に収
納されている。第6の実施例におけるクランパ116
は、前述の図24及び図25に示したディスク駆動装置
と同一のものを使用し、その他の第6の実施例の構成は
前述の第1の実施例と同一である。
【0059】第6の実施例のディスク駆動装置において
は、中空環状部23の内部に複数個の球体24が移動可
能に収納されている。したがって、常にスピンドルモー
タ2の軸21と一体的に構成されているターンテーブル
10に中空環状部23が設けられているので、中空環状
部23のスピンドルモータの回転中心軸P0に対して中
空環状部23の中心軸を同軸に形成することが容易であ
る。したがって、中空環状部23の外周壁面25の中心
軸P2とスピンドルモータの回転中心軸P0のずれを実
質的になくすことができ、常にボールバランサー22の
効果が安定して得られる。また、第6の実施例では、タ
ーンテーブル10に設けた中空環状部23の内部に複数
個の球体24を収納したが、当然、球体24の代わりに
液体26を封入しても同様の効果が得られる。
【0060】《第7の実施例》次に、本発明の第7の実
施例のディスク駆動装置について、図面を参照しながら
説明する。図13の(a)と(b)は、第7の実施例の
ディスク駆動装置におけるスピンドルモータ2の近傍を
示す側面断面図である。図13の(a)はディスク1が
停止若しくは低速度で回転している状態を示しており、
図13の(b)はディスク1が高速度で回転している状
態を示している。なお、前述の第1の実施例及び第2の
実施例のディスク駆動装置や、図24及び図25に示し
たディスク駆動装置における要素と実質的に同一な要素
には同一符号を付してその説明は省略する。本発明の第
7の実施例は、バランサー自体から発生する騒音の大き
さを低減することができるディスク駆動装置である。図
13の(a)と(b)に示すように、中空環状部23c
をターンテーブル10aに設け、その内部に複数の磁性
球体24eが収納されている。中空環状部23cと磁性
球体24eで構成される球体バランサー22dは、ター
ンテーブル10aと一体的に形成されている。第7の実
施例のディスク駆動装置は、中空環状部23cの内周側
にリング状のマグネット30が配置されている。また、
第7の実施例のディスク駆動装置におけるクランパ11
6は、従来のディスク駆動装置と同一のものを使用し、
その他の構成は前述の第1の実施例と同一である。
【0061】第7の実施例のディスク駆動装置は、中空
環状部23cの内部に複数の磁性球体24eを収納し、
中空環状部23cの内周側にリング状のマグネット30
が配置されているので、磁性球体24eにはマグネット
30からの吸引力が作用し、磁性球体24eは常に中空
環状部23cの内周壁面31に当接する方向に付勢され
ている。このため、ディスク1が停止している場合や、
ディスク1の回転の加速動作初期時や減速動作終了時の
回転周波数が低く、磁性球体24eに作用する遠心力が
小さい場合には、図13の(a)に示すように、磁性球
体24eはマグネット30の吸引力により中空環状部2
3cの内周壁面31に吸着している。したがって、前述
の第5の実施例の説明で述べたような、ディスク駆動装
置の輸送中などに外部から振動が加えられた場合や、デ
ィスク1の回転の加速動作初期時や減速動作終了時にお
いて、球体が互いに衝突したり、球体が中空環状部23
cの内壁面に衝突することがなく、好ましくない騒音の
発生を避けることができる。一方、ディスク1の回転周
波数が高くなり、ディスク1のアンバランスに起因する
振動が好ましくない大きさの高い回転周波数になったと
きには、図13の(b)に示すように、磁性球体24e
はその遠心力により中空環状部23cの外周壁面25c
に押し付けられる。
【0062】例えば、ディスク1の回転が加速されて、
ディスク1の回転周波数が上昇し、磁性球体24eに作
用する遠心力がマグネット30による吸引力より大きく
なる回転周波数まで上昇すると、内周壁面31に吸着し
ていた磁性球体24eは外周壁面25cに向けて飛び出
す。磁性球体24eが外周壁面25cに向けて飛び出す
ときの回転周波数をfsとし、磁性球体24eが外周壁
面25cに張り付いて保持されるのに十分な遠心力が発
生するときの回転周波数をfhとし、ディスク1のアン
バランスに起因する振動が好ましくない大きさとなる回
転周波数をfnとすると、これらの大小関係は、fh<
fs<fnとなるのが望ましい。つまり、ディスク1の
回転周波数がfhより低いときに、外部から振動や衝撃
が加えられても磁性球体24eを確実に吸着保持できる
ようにfsをfhより十分高くすることが望ましく、か
つfsはfnよりは低くして球体バランサー22cの振
動抑制効果が発揮されるようにマグネット30の吸引力
の大きさを設定することが好ましい。
【0063】また、第7の実施例のディスク駆動装置に
おいては、スピンドルモータ2のスピンドル軸21に固
着されたターンテーブル10aに中空環状部23cが設
けられているので、中空環状部23cのスピンドルモー
タの回転中心軸P0に対して中空環状部23cの中心軸
を同軸に形成することが容易である。したがって、前述
の図3に示したような外周壁面25の中心P2とスピン
ドルモータ2の回転中心軸P0との間のずれΔXはほと
んどなく、前述の第1の実施例で述べたような中空環状
部23の中心とスピンドルモータ2の回転中心軸P0の
位置ずれによって球体24による振動抑制の効果が小さ
くなるという問題を回避することができる。さらに、中
空環状部23cに収納する球体を比重の大きな磁性鋼球
とすれば、アンバランス力による振動の抑制効果をさら
に大きくすることも可能となる。以上のように、本発明
の第7の実施例の構成により、質量バランスが大きく崩
れているディスクを高速回転させても安定した記録また
は再生が可能となると共に、高速回転中ばかりでなく、
ディスクの回転の加速時や減速時、さらには装置の輸送
中などにも好ましくない騒音が発生しないディスク駆動
装置を実現することができる。
【0064】《第8の実施例》次に、本発明の第8の実
施例のディスク駆動装置について、図面を参照しながら
説明する。図14は第8の実施例のディスク駆動装置に
おけるスピンドルモータ2の近傍を示す側面断面図であ
る。なお、前述の第1の実施例及び第2の実施例のディ
スク駆動装置や、図24及び図25に示したディスク駆
動装置における要素と実質的に同一な要素には同一符号
を付して、その説明は省略する。
【0065】本発明の第8の実施例のディスク駆動装置
では、図14に示すように中空環状部23cをターンテ
ーブル10bに設け、その内部に複数の磁性球体24e
を収納しており、中空環状部23cと磁性球体24eで
構成された球体バランサー22dがターンテーブル10
bと一体的に形成されている。第8の実施例のディスク
駆動装置は、中空環状部23cの外周側にリング状のマ
グネット30が配設されている。その他の構成は前述の
第7の実施例と同一である。
【0066】このように構成された第8の実施例におい
て、前述の第7の実施例と同様に、磁性球体24eには
マグネット30からの吸引力が作用し、磁性球体24e
は常に中空環状部23cの外周壁面25cと当接する方
向に付勢されている。したがって、ディスク1が停止し
ている場合やディスク1の回転の起動時や減速終了時で
回転周波数が低く、磁性球体24eに作用する遠心力が
小さい場合には、磁性球体24eがマグネット30の吸
引力により中空環状部23cの外周壁面25cに吸着し
ている。したがって、前述の第7の実施例と同様に、デ
ィスク駆動装置の輸送中などに外部から振動が加えられ
た場合や、ディスク1の回転の加速動作初期時や減速動
作初期時に球体が互いに衝突したり、中空環状部23c
の内壁面に球体が衝突することがなく、好ましくない騒
音の発生を避けることができる。第8の実施例のディス
ク駆動装置は、前述の第7の実施例と異なり、ディスク
1の回転周波数の高さに関わらず、ディスク1が停止し
ている場合でも磁性球体24eは外周壁面25cに当接
し張り付いている。したがって、第8の実施例のディス
ク駆動装置において、磁性球体24eに作用するマグネ
ット30の吸引力が大きくなり過ぎず、かつ外周壁面2
5cの全周においてほぼ均一になるようにマグネット3
0の着磁を行えば、マグネット30の吸引力が磁性球体
24eのディスク重心G1と反対の位置への移動を阻害
することはなく、振動抑制効果も十分得ることができ
る。マグネット30の着磁は、例えば外周壁面25cの
中心軸方向に単極着磁することが好ましい。
【0067】以上のように、本発明の第8の実施例の構
成により、質量バランスが大きく崩れているディスクを
高速回転させても安定した記録または再生が可能となる
と共に、高速回転中ばかりでなく、ディスクの回転の加
速時や減速時、さらには装置の輸送中などにも好ましく
ない騒音が発生しない高速回転可能なディスク駆動装置
を実現することができる。
【0068】《第9の実施例》次に、本発明の第9の実
施例のディスク駆動装置について、図面を参照しながら
説明する。図15は第9の実施例のディスク駆動装置に
おけるスピンドルモータ2の近傍を示す側面断面図であ
る。図16は第9の実施例のディスク駆動装置における
ターンテーブル10cに設けられた中空環状部23cの
みの近傍を示した平面断面図である。なお、前述の第1
の実施例及び第2の実施例のディスク駆動装置や、図2
4及び図25に示したディスク駆動装置における要素と
実質的に同一な要素には同一符号を付してその説明は省
略する。
【0069】本発明の第9の実施例では、図15及び図
16に示すように中空環状部23cをターンテーブル1
0cに設け、その内部に複数の磁性球体24eを収納す
る球体バランサー22dが形成されている。そして、中
空環状部23cの外壁43の外側には電磁石40が配置
されている。電磁石40は、鉄心41と、鉄心41の中
央部に巻かれたコイル42により構成されており、鉄心
41の内側端面は中空環状部23cの外壁43に対して
所定の隙間をあけて対向するよう形成され、サブベース
6に固定されている。その他の構成は前述の第7の実施
例と同一である。
【0070】このように構成された第9の実施例におい
て、コイル42に通電することにより磁界を発生させ、
磁性球体24eに吸引力を作用させることができる。こ
の吸引力により磁性球体24eは中空環状部23cの外
周壁面25cに近づく方向に付勢される。よって、ディ
スク1が停止している場合や、ディスク1の回転の加速
動作初期時や減速動作終了時で回転周波数が低く、磁性
球体24eに作用する遠心力が小さい場合には、コイル
42に通電することにより磁性球体24eを外周壁面2
5cに吸着させるよう構成されている。このため、第9
の実施例のディスク駆動装置においては、球体同士の衝
突や球体の中空環状部23cの内壁面への衝突を防ぐこ
とができる。また、第9の実施例のディスク駆動装置
は、磁性球体24eを外周壁面25cに張り付かせるの
に十分な遠心力が発生する周波数でディスク1が回転し
ているとき、コイル42への通電を遮断する。これによ
り、前述の第1の実施例と同様に、磁性球体24eのデ
ィスク重心G1と反対の位置へ移動が可能な状態にする
ことができるよう構成されている。
【0071】このように第9の実施例のディスク駆動装
置は構成されているため、コイル42に流す電流量によ
り磁性球体24eに作用する吸着力の大きさをコントロ
ールすることができると共に、コイル42への通電のO
N/OFF切換動作により吸着状態と移動可能な状態の
切換を容易に行うことができる。したがって、吸着が必
要な際にはコイル42に十分な電流を流すことにより確
実に磁性球体24eの衝突による騒音の発生を防止する
ことができる。また、ディスク1が高速回転して、アン
バランス力による振動が大きくなるときには、コイル4
2の通電を遮断することにより確実に磁性球体24eを
ディスク重心G1と反対の位置に移動させ、振動抑制の
効果を十分発揮させることができる。
【0072】以上のように、本発明の第9の実施例の構
成により、質量バランスが大きく崩れているディスクを
高速回転させても安定した記録または再生が可能となる
と共に、高速回転中ばかりでなく、ディスクの回転の加
速時や減速時にも好ましくない騒音が発生しない高速回
転可能なディスク駆動装置を実現することができる。
【0073】《第10の実施例》次に、本発明の第10
の実施例のディスク駆動装置について、図面を参照しな
がら説明する。図17は第10の実施例のディスク駆動
装置におけるターンテーブル110の近傍を示す側面断
面図である。なお、前述の第1の実施例及び第2の実施
例のディスク駆動装置や、図24及び図25に示したデ
ィスク駆動装置における要素と実質的に同一な要素には
同一符号を付して、その説明は省略する。
【0074】本発明の第10の実施例では、図17に示
すように、クランパ16dに内蔵されているマグネット
18の外周側に中空環状部23dを形成し、その内部に
複数個の磁性球体24eが収納されている。中空環状部
23dと磁性球体24eで構成される球体バランサー2
2eは、クランパ16dと一体的に形成されている。図
17に示すように、第10の実施例のディスク駆動装置
は、マグネット18の上面にはバックヨーク50が固定
されている。このバックヨーク50の外周半径は、マグ
ネット18の外周半径より大きく形成されている。ま
た、マグネット18の外周側面51には防振ゴムなどの
弾性体52が装着されている。その他の構成は前述の第
1の実施例と同一である。
【0075】このように構成された第10の実施例にお
いては、前述の図13に示した第7の実施例におけるマ
グネット30の代わりにディスク1を挟持するための吸
引力を発生するマグネット18を流用して磁性球体24
eを吸着保持する構成である。磁性球体24eにはマグ
ネット18からの吸引力が作用し、磁性球体24eは常
にマグネット18の外周側面51に近づく方向に付勢さ
れている。このため、ディスク1が停止している場合
や、ディスク1の回転周波数が低く、磁性球体24eに
作用する遠心力が小さい場合には、磁性球体24eはマ
グネット18の吸引力によりマグネット18の外周側面
51に装着された弾性体52に吸着している。したがっ
て、前述の第7の実施例と同様に、ディスク駆動装置の
輸送中などに外部から振動が加えられた場合や、ディス
ク1の回転の加速動作初期時や減速動作終了時に球体が
互いに衝突したり、球体が中空環状部23dの内壁面に
衝突することがなく、好ましくない騒音の発生を避ける
ことができる。
【0076】マグネット18は、ディスク1を挟持する
に十分な吸引力を発生するために上下方向に着磁されて
いる。このため、マグネット18の側面への漏れ磁束を
利用して磁性球体24eを吸着保持することになり、磁
性球体24eに作用する吸引力は、マグネット18と対
向ヨーク15の間に作用する吸引力よりも極端に小さく
なっている。一方、マグネット18と対向ヨーク15と
の間の吸引力を大きくし過ぎるとディスク1のターンテ
ーブル110への装着を解除するときにこの吸引力に打
ち勝つために非常に大きな力が必要となる。この結果、
装着を解除するローディングモータ(図示せず)の消費
電流を大きくする必要が生じたり、場合によっては装着
の解除ができなくなるなどの不具合が発生する可能性が
ある。したがって、マグネット18の発生する磁界の大
きさを必要以上に大きくすることは好ましくなく、磁性
球体24eを吸着保持するのに十分な吸引力をマグネッ
ト18から得るためには、マグネット18の側面への漏
れ磁束を最大限に利用する必要がある。
【0077】そこで、第10の実施例のディスク駆動装
置においては、マグネット18の上面に固定されたバッ
クヨーク50の外周半径をマグネット18の外周半径よ
りも大きく形成している。このように第10の実施例の
ディスク駆動装置は構成されているため、ディスク1の
回転周波数が低いとき、磁性球体24eはマグネット1
8の外周側面51に設けられた弾性体52に確実に吸着
されている。すなわち、ディスク1の回転周波数が低い
にもかかわらず、磁性球体24eが遠心力により弾性体
52から離れかけても、バックヨーク50の外周端面か
ら磁性球体24eを通ってマグネット18の底面に至る
磁路が形成されているため、磁性球体24eには吸引力
が作用し続ける。したがって、第10の実施例のディス
ク駆動装置においては、高い回転周波数まで磁性球体2
4eを確実に吸着保持することができる。すなわち、第
10の実施例のディスク駆動装置は、磁性球体24eを
中空環状部23dの外周壁面25dに張り付かせるに十
分な遠心力が発生する回転周波数まで、磁性球体24e
を弾性体52に確実に吸着保持することができる。
【0078】また、ディスク1の回転周波数が下がって
きたときには、外周壁面25dに張り付いていた磁性球
体24eはマグネット18の吸引力によりマグネット1
8の外周側面51に引き寄せられる。このとき、磁性球
体24eは、マグネット18の外周側面51に弾性体5
2が装着されているので、マグネット18には直接衝突
せず、弾性体52に衝突し、その衝撃は吸収されるよう
構成されている。したがって、第10の実施例のディス
ク駆動装置は、ディスク1の回転を停止させる場合やデ
ィスク1の回転周波数を低く変化させて記録や再生を行
う場合などにも好ましくない騒音や衝撃による不具合の
発生を避けることができる。さらに本発明の第10の実
施例によれば、ディスク1を挟持するための吸引力を発
生するマグネット18を流用して磁性球体24eを吸着
保持する構成であるため、吸着保持用のマグネットなど
を新たに設ける必要がなく、部品点数を削減することが
できる。なお、マグネット18に装着する弾性体52
は、例えば防振材料で形成されたカバーでも良いし、マ
グネット18の外周側面51に防振材料をコーティング
することにより形成しても良い。
【0079】以上のように、本発明の第10の実施例の
構成により、質量バランスが大きく崩れているディスク
を高速回転させても安定した記録または再生が可能とな
ると共に、高速回転中ばかりでなく、ディスクの回転の
加速時や減速時、さらには回転数を随時変化させて記録
または再生する場合においても好ましくない騒音が発生
しないディスク駆動装置を実現することができる。
【0080】《第11の実施例》次に、本発明の第11
の実施例のディスク駆動装置について、図面を参照しな
がら説明する。図18は第11の実施例のディスク駆動
装置におけるクランパ16dとターンテーブル110の
近傍を示す側面断面図である。なお、前述の第1の実施
例及び第2の実施例のディスク駆動装置や、図24及び
図25に示したディスク駆動装置における要素と実質的
に同一な要素には同一符号を付して、その説明は省略す
る。
【0081】前述の第10の実施例の構成においては、
マグネット18の外周側面51に防振ゴムなどの弾性体
52を装着したが、本発明の第11の実施例のディスク
駆動装置では、図18に示すように、バックヨーク50
のマグネット18の外周側面51より外周側の端面と下
面部分にも防振ゴムなどの弾性体53を装着している。
その他の構成は前述の第10の実施例と同一である。
【0082】上記のように構成された第11の実施例の
ディスク駆動装置においては、バックヨーク50にも弾
性体53を装着しているので、好ましくない騒音や衝撃
による不具合の発生を避けることができる。ディスク1
の回転の減速時に回転周波数が下がり、磁性球体24e
がマグネット18の吸引力によりマグネット18の外周
側面51に引き寄せられたとき、マグネット18の外周
側面51に装着している弾性体52ではなく、バックヨ
ーク50の端面や下面部分に衝突した場合でも、好まし
くない騒音や衝撃による不具合の発生を避けることがで
きる。ディスク1が水平に置かれる場合には、磁性球体
24eが重力の影響でバックヨーク50に衝突する可能
性は少ないが、特に当該ディスク駆動装置を縦置きにし
てディスク1が鉛直方向に配置される場合には、磁性球
体24eがバックヨーク50に向けて引き寄せされる可
能性がある。
【0083】以上のように、本発明の第11の実施例の
構成により、質量バランスが大きく崩れているディスク
を高速回転させても安定した記録または再生が可能とな
ると共に、ディスク駆動装置を水平方向や、鉛直方向に
設置しても好ましくない騒音の発生しない優れたディス
ク駆動装置を実現することができる。
【0084】《第12の実施例》次に、本発明の第12
の実施例のディスク駆動装置について、図面を参照しな
がら説明する。図19は第12の実施例のディスク駆動
装置におけるスピンドルモータ2の近傍を示す側面断面
図である。なお、前述の第1の実施例及び第2の実施例
のディスク駆動装置や、図24及び図25に示したディ
スク駆動装置における要素と実質的に同一な要素には同
一符号を付して、その説明は省略する。
【0085】本発明の第12の実施例のディスク駆動装
置は、図19に示すように、ディスク1のクランプエリ
ア11を回転可能に支持するターンテーブル10cがス
ピンドルモータ2のスピンドル軸21に固定されてい
る。また、ターンテーブル10cのボス114の側面に
は、位置決めテーパ60が形成されており、その内側に
リング状のマグネット61が埋設されている。クランパ
16eには、ターンテーブル10cに形成された位置決
めテーパ60と係合し、クランパ16eの芯出しを行う
ためのテーパ孔63が形成されている。このテーパ孔6
3の上部には、リング状の対向ヨーク64が固定されて
いる。クランパ16eの下面には、ディスク1と接触す
る平坦な接触部19が形成されている。さらに、クラン
パ16eには、テーパ孔63の中心軸と同軸に中空環状
部23eが設けられている。中空環状部23eの内部に
は、複数個の磁性球体24eが移動可能に収納されてお
り、中空環状部23eと磁性球体24eで構成される球
体バランサー22fはクランパ16eと一体的に形成さ
れている。
【0086】上記クランパ16eによりディスク1がク
ランプされた状態において、ディスク1のクランプ孔1
2とターンテーブル10cのボス114が嵌合して、デ
ィスク1はターンテーブル10c上に芯出しされて配置
される。そして、ディスク1は、クランパ16eに固定
されている対向ヨーク64とターンテーブル10cに固
定されているマグネット61との間に作用する吸引力に
より挟持される。このとき、クランパ16eに形成され
たテーパ孔63は、ターンテーブル10cに設けられた
位置決めテーパ60と係合して位置決めされるので、テ
ーパ孔63の中心軸と同軸に設けられた中空環状部23
eは、スピンドルモータ2の回転中心軸P0と実質的に
同軸となる。このようにディスク1を挟着したクランパ
16eは、スピンドルモータ2によりに、ディスク1及
びターンテーブル10cと一体的に回転駆動される。
【0087】また、前述の第1の実施例と同様に、第1
2の実施例のディスク駆動装置はサブベース6をメイン
ベース8に連結するために剛性の低いインシュレータ
(弾性体)7が用いられている。第12の実施例のディ
スク駆動装置においては、インシュレータ7の変形によ
るサブベース6の機械的振動におけるディスク1の記録
面と平行な方向の1次共振周波数は約60Hzであり、デ
ィスク1の回転周波数(約100Hz)より低く設定され
ている。
【0088】このように構成された第12の実施例にお
いて、アンバランス量が大きいディスク1を約100Hz
で回転させた場合には、図2に示した前述の第1の実施
例と同様に、磁性球体24eは、移動力Rによりディス
ク重心G1とほぼ正反対の位置に集中する。この結果、
磁性球体24eに作用する遠心力Qによりディスク重心
G1に作用するアンバランス力Fが相殺され、サブベー
ス6の振動は抑制される。第12の実施例のディスク駆
動装置における磁性球体24eには、対向ヨーク64と
マグネット61からの漏れ磁束による吸引力が作用し、
磁性球体24eは常に対向ヨーク64の外周端面に近づ
く方向に付勢されている。したがって、ディスク1が停
止している場合やディスク1の回転周波数が低く、磁性
球体24eに作用する遠心力が小さい場合には、磁性球
体24eは対向ヨーク64からの吸引力により対向ヨー
ク64の外周端面に吸着する。以上のように、第12の
実施例のディスク駆動装置は、前述の第7の実施例と同
様に、ディスク駆動装置の輸送中など外部から振動が加
えられた場合や、ディスク1の回転の加速動作初期時や
減速動作終了時に球体が互いに衝突したり、球体が中空
環状部23eの内壁面に衝突することがなく、好ましく
ない騒音の発生を避けることができる。
【0089】以上のように、本発明の第12の実施例の
ディスク駆動装置においては、クランパ16eに対向ヨ
ーク64を設け、ターンテーブル10cにマグネット6
1を配設したディスク装着機構が設けられている。この
ようなディスク装着機構を用いても、質量バランスが大
きく崩れているディスク1を高速回転させても安定した
記録または再生が可能となると共に、好ましくない騒音
が発生しないディスク駆動装置を実現することができ
る。
【0090】《第13の実施例》次に、本発明の第13
の実施例のディスク駆動装置について、図面を参照しな
がら説明する。図20は第13の実施例のディスク駆動
装置におけるターンテーブル10cの近傍を示す側面断
面図である。なお、前述の第1の実施例及び第2の実施
例のディスク駆動装置や、図24及び図25に示したデ
ィスク駆動装置における要素と実質的に同一な要素には
同一符号を付して、その説明は省略する。
【0091】本発明の第13の実施例のディスク駆動装
置は、図20に示すように、前述の第12の実施例の構
成における対向ヨーク64の外周側に防振ゴムなどの弾
性体65を装着したものである。その他の構成は前述の
第12の実施例と同一である。このように構成された第
13の実施例において、対向ヨーク64に弾性体65が
装着されているので、ディスク1の回転の減速時に回転
周波数が下がってきて、磁性球体24eが対向ヨーク6
4からの吸引力により対向ヨーク64の外周端面に引き
寄せられる際に、対向ヨーク64に直接衝突することが
避けられ、磁性球体24eは弾性体65に衝突して、そ
の衝撃が吸収され、その磁性球体24eは弾性体65に
吸着される。したがって、好ましくない騒音や衝撃によ
る不具合の発生を避けることができる。
【0092】以上のように、本発明の第13の実施例の
ディスク駆動装置においては、クランパ16eに対向ヨ
ーク64を設け、ターンテーブル10cにマグネット6
1を配設したディスク装着機構が設けられている。この
ようなディスク装着機構を用いても、質量バランスが大
きく崩れているディスク1を高速回転させても安定した
記録または再生が可能なディスク駆動装置を実現できる
と共に、好ましくない騒音の発生を確実に防ぐことがで
きる。
【0093】《第14の実施例》次に、本発明の第14
の実施例のディスク駆動装置について、図面を参照しな
がら説明する。図21は第14の実施例のディスク駆動
装置におけるターンテーブル110の近傍を示す側面断
面図である。なお、前述の第1の実施例及び第2の実施
例のディスク駆動装置や、図24及び図25に示したデ
ィスク駆動装置における要素と実質的に同一な要素には
同一符号を付して、その説明は省略する。
【0094】本発明の第14の実施例のディスク駆動装
置では、図21に示すように、クランパ16fが、上ケ
ース70と下ケース71により構成されている。上ケー
ス70の外周側壁72の外側に下ケース71の外周側壁
73が配設されて、組み合わされている。上ケース70
の外周側壁72と下ケース71の外周側壁73との間に
は弾性体74が両者に密着して挟まれている。図21に
示すように、クランパ16fの上ケース70の上部内
面、外周側壁72の内面、下ケース71の底部内面、及
びマグネット18の外周側面により中空環状部23fが
形成されており、その内部に複数個の磁性球体24eが
収納されている。このように、第14の実施例のディス
ク駆動装置は、中空環状部23fと磁性球体24eで構
成される球体バランサー22gがクランパ16fと一体
的に形成されている。
【0095】また、第14の実施例のディスク駆動装置
は、前述の第11の実施例と同様に、マグネット18の
上面にバックヨーク50が固定されており、このバック
ヨーク50には弾性体53が固着されている。また、マ
グネット18の外周側面51にも弾性体52が固着され
ている。その他の構成は前述の第1の実施例と同一であ
る。このように構成された第14の実施例のディスク駆
動装置において、ディスク1が停止している場合や、デ
ィスク1の回転の加速時や減速時で回転周波数が低く、
磁性球体24eに作用する遠心力が小さい場合には、前
述の第11の実施例と同様に、磁性球体24eはマグネ
ット18の吸引力により弾性体52もしくは弾性体53
に吸着する。この状態において、ディスク1の回転を加
速して回転周波数を上昇させた場合には、磁性球体24
eに作用する遠心力がマグネット18による吸引力より
大きくなる回転周波数まで上昇すると、弾性体52もし
くは弾性体53に吸着していた磁性球体24eは外周壁
面25fに向けて飛び出し、外周壁面25fに衝突す
る。
【0096】磁性球体24eが外周壁面25fに向けて
飛び出す回転周波数をfsとし、磁性球体24eを外周
壁面25fに張り付かせるに十分な遠心力が発生する回
転周波数をfhとし、及びディスク1のアンバランスに
起因する振動が好ましくない大きさとなる回転周波数を
fnとすると、これらの回転周波数の大小関係は、前述
の第7の実施例と同様にfh<fs<fnとなるのが望
ましい。つまり、ディスク1の回転周波数がfhより低
いときには、外部から振動や衝撃が加えられても磁性球
体24eを確実に吸着保持できるようにマグネット18
による吸引力を大きくして、fsをfhより十分高く設
定することが好ましい。しかしながら、fsを高くすれ
ばするほど磁性球体24eが外周壁面25fに衝突する
速度が高くなり、磁性球体24eが衝突したときの衝撃
がディスク1に伝わって、ディスク1が振動することに
より記録や再生に障害が生じたり、衝突音が好ましくな
いレベルまで大きくなる可能性がある。
【0097】そこで、第14の実施例のディスク駆動装
置では、上ケース70の外周側壁72と下ケース71の
外周側壁73との間に弾性体74を挟んだ構成にしてい
る。この弾性体74の減衰作用により磁性球体24eが
外周壁面25fに衝突した際の衝撃が吸収され、ディス
ク1まで振動が伝達されることを防ぐと共に衝突音の大
きさを低減できる。したがって、ディスク1の回転周波
数が低いときに、磁性球体24eを確実に吸着保持する
ために磁性球体24eに作用するマグネット18による
吸引力を大きくしても、ディスク1の回転の加速時に磁
性球体24eが外周壁面25fに衝突したときの衝撃で
記録や再生に障害が生じたり、衝突音が好ましくないレ
ベルまで大きくなるという不具合の発生を防ぐことがで
きる。
【0098】以上のように、本発明の第14の実施例の
構成により、質量バランスが大きく崩れているディスク
を高速回転させても安定した記録または再生が可能とな
ると共に、ディスクが停止しているときや低速で回転し
ているときにディスク駆動装置に振動や衝撃が加えられ
ても好ましくない騒音が発生しないディスク駆動装置を
実現することができる。
【0099】《第15の実施例》次に、本発明の第15
の実施例のディスク駆動装置について、図面を参照しな
がら説明する。図22は第15の実施例のディスク駆動
装置におけるターンテーブル110の近傍を示す側面断
面図である。なお、前述の第1の実施例及び第2の実施
例のディスク駆動装置や、図24及び図25に示したデ
ィスク駆動装置における要素と実質的に同一な要素には
同一符号を付してその説明は省略する。
【0100】図22に示す本発明の第15の実施例は、
前述の第14の実施例と同様に、上ケース70の上部内
面、外周側壁72の内面、下ケース71の底部内面、及
びマグネット18の外周側面により中空環状部23fが
形成されている。図22に示すように、第15の実施例
のディスク駆動装置においては、上ケース70の外周側
壁72の下端部と下ケース71の底部内面との間に弾性
体75が両者に密着して挟まれている。その他の構成は
前述の第14の実施例と同一である。
【0101】このように構成された第15の実施例のデ
ィスク駆動装置においては、前述の第14の実施例と同
様に、上ケース70の外周側壁72の下端部と下ケース
71の底部上面との間に挟まれた弾性体75の振動減衰
作用により磁性球体24eが外周壁面25fに衝突した
際の外周側壁72の振動が減衰され、ディスク1に振動
が伝達されることを防ぐと共に衝突音の大きさを低減で
きる。したがって、ディスクが停止しているときや低速
で回転しているときに、ディスク駆動装置に振動や衝撃
が加えられても確実に磁性球体24eを吸着保持できる
レベルまでマグネット18による吸引力を大きくして
も、磁性球体24eが外周壁面25fに衝突した際の衝
撃で記録や再生に障害が生じたり、衝突音が好ましくな
いレベルまで大きくなるという不具合の発生を防ぐこと
ができる。さらに、第15の実施例のディスク駆動装置
は、前述の第14の実施例のディスク駆動装置に比べ
て、クランパ16fの上ケース70と下ケース71の組
立が容易となっている。これは、第15の実施例のディ
スク駆動装置では上ケース70の外周側壁72と下ケー
ス71の外周側壁73との間に弾性体74が配設されて
おらず、上ケース70の外周側壁72の下端部により下
ケース71の底部上面の弾性体75を押し付けて組み立
てることが可能であるためである。
【0102】以上のように、本発明の第15の実施例の
構成により、前述の第14の実施例と同様に、質量バラ
ンスが大きく崩れているディスクを高速回転させても安
定した記録または再生が可能となると共に、ディスクが
停止しているときや低速で回転しているときにディスク
駆動装置に振動や衝撃が加えられても好ましくない騒音
が発生しないディスク駆動装置を実現することができ
る。
【0103】《第16の実施例》次に、本発明の第16
の実施例のディスク駆動装置について、図面を参照しな
がら説明する。図23は本発明の第16の実施例のディ
スク駆動装置のスピンドルモータ2の近傍を示す側面断
面図である。なお、前述の第1の実施例及び第2の実施
例のディスク駆動装置や、前述の図24及び図25に示
したディスク駆動装置における要素と実質的に同一な要
素には同一符号を付して、その説明は省略する。
【0104】本発明の第16の実施例のディスク駆動装
置は、中空環状部23gをスピンドルモータ2のロータ
80に設けたものである。第16の実施例の中空環状部
23gの内部には複数個の球体24が移動可能に収納さ
れており、中空環状部23gと球体24により球体バラ
ンサー22fが構成されている。またクランパ116と
ターンテーブル110は従来のディスク駆動装置と同一
のものを使用し、その他の構成は前述の第1の実施例と
同一である。第16の実施例は、前述の第1の実施例
(図1)、第4の実施例(図10)、及び第7の実施例
(図13)と同様に、中空環状部23gの外周壁面25
gの中心軸P2がスピンドルモータの回転中心軸P0か
らずれるという問題点を改善するものであり、あらかじ
め中空環状部23gとスピンドルモータの回転中心軸P
0の同軸度を管理することで、常に安定した球体バラン
サー22fの効果を得ることができる。また、第16の
実施例では、ロータ80に設けた中空環状部23gの内
部に球体24の代わりに液体26を封入しても同様の効
果が得られる。
【0105】なお、図23に示す本発明の第16の実施
例のディスク駆動装置のように、内部に複数個の球体2
4が移動可能に収納されている中空環状部23gがアン
バランスなディスク1からスピンドルモータ2の回転軸
P0の方向に離して設けられている。この場合におい
て、サブベース6とこのサブベース6に搭載された構成
部品全体の重心をG2とする。ディスク1の重心G1に
作用するアンバランス力Fによる構成部品全体の重心G
2回りのモーメントF・L1と、アンバランス力Fの方
向と正反対の位置に集まった球体24に作用する遠心力
Qによる重心G2回りのモーメントQ・L2を比べる
と、遠心力Qとアンバランス力Fの大きさが同じでも、
L1の方がL2よりも大きいのでアンバランス力Fによ
るモーメントF・L1の方が大きくなる。これらの合モ
ーメントMにより、サブベース6は回転振動を起こす。
したがって、この回転振動が問題となる場合には、クラ
ンパ116やターンテーブル110などのディスク1と
近い要素の位置に中空環状部23を設け、その中に球体
24もしくは液体26を収納すれば、モーメントF・L
1とモーメントQ・L2の差を小さくすることができ
る。
【0106】また、中空環状部23gの大きさに制限が
あり、中空環状部23gの中に収納される球体24また
は液体26の質量が十分大きく形成できない場合には、
またはディスク1のアンバランス量が極端に大きい場合
には、遠心力Qがアンバランス力Fより小さくなり、モ
ーメントF・L1とモーメントQ・L2の差が大きくな
る。しかしながら、このような場合には、例えば中空環
状部をクランパ116の上部に形成することにより、重
心G2と遠心力Qの作用点の距離L2を大きく構成す
る。このように構成すれば、モーメントF・L1とモー
メントQ・L2の差が小さくなり、合モーメントMを小
さくできる。したがって、ディスク1のディスク面に平
行な方向の振動が十分抑制できない場合でも、合モーメ
ントMによる回転振動を低減することができる。
【0107】なお、第1の実施例から第16の実施例に
おいては、ディスク1にアンバランスが存在する場合の
動作と効果を示したが、ターンテーブル110、スピン
ドルモータ2のロータ、またはクランパ116などのス
ピンドルモータ2によって回転駆動されるいずれかの部
材において、アンバランスなものがある場合にも、その
アンバランスによる振動の抑制という効果が得られる。
【0108】以上、本発明のディスク駆動装置は、ディ
スク等の質量アンバランスによる振動を抑制するもので
あり、ディスクを回転させた状態で、ディスク上にデー
タを記録もしくはディスク上に記録されたデータを再生
するあらゆるディスク駆動装置に適用できる。例えば、
CDやCD−ROMなどの再生専用の光ディスク装置
や、より高精度な光学ヘッドのディスク上のトラックと
の相対距離制御(トラッキング制御)を必要とする記録
可能な装置に本発明の技術的思想を適用することによ
り、より信頼性の高い装置が実現できるという絶大な効
果を奏する。さらに光学ヘッドを用いた非接触な記録再
生を行う装置のみならず、接触式の磁気ヘッド、または
浮上型の磁気ヘッドを用いてディスクに記録再生する装
置においてもディスクのアンバランスによる好ましくな
い振動を抑制する効果を奏する。
【0109】
【発明の効果】以上のように本発明のディスク駆動装置
によれば、内部に複数個の球体や液体を収納したバラン
サーをディスクと一体的に回転可能に設けることによ
り、ディスクのアンバランスによるサブベースの振動を
確実に抑制することができ、アンバランスなディスクを
高速回転させても安定した記録または再生が可能で、低
騒音で、かつ強い耐振動・耐衝撃特性を有した高速なデ
ータ転送が可能なディスク駆動装置を実現することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるディスク駆動装
置のスピンドルモータ2の近傍を示す側面断面図であ
る。
【図2】図1の第1の実施例におけるディスク駆動装置
のクランパ16aに設けた中空環状部23を示す平面断
面図である。
【図3】外周壁面25の中心軸P2とスピンドルモータ
の回転中心軸P0の位置がずれている場合を示す説明図
である。
【図4】本発明の第1の実施例の効果を示すためのサブ
ベース6の振動加速度の実測値を示したものである。
【図5】本発明の第2の実施例におけるディスク駆動装
置のスピンドルモータ2の近傍を示す側面断面図であ
る。
【図6】図5の第2の実施例におけるディスク駆動装置
のクランパ16aに設けた中空環状部23を示す平面断
面図である。
【図7】本発明の第3の実施例におけるディスク駆動装
置のスピンドルモータ2の近傍を示す側面断面図であ
る。
【図8】図7の第3の実施例におけるディスク駆動装置
のクランパ16bに設けた中空環状部23a、23bを
示す平面断面図である。
【図9】図7の第3の実施例においてディスク1の質量
アンバランスが小さい場合の球体24と液体26の位置
を説明する中空環状部23a、23bの平面断面図であ
る。
【図10】本発明の第4の実施例におけるディスク駆動
装置のスピンドルモータ2の近傍を示す側面断面図であ
る。
【図11】本発明の第5の実施例におけるディスク駆動
装置のクランパに設けた中空環状部23を示す平面断面
図である。
【図12】本発明の第6の実施例におけるディスク駆動
装置のスピンドルモータ2の近傍を示す側面断面図であ
る。
【図13】本発明の第7の実施例におけるディスク駆動
装置の異なった状態おけるスピンドルモータ2の近傍を
示す側面断面図である。
【図14】本発明の第8の実施例におけるディスク駆動
装置のスピンドルモータ2の近傍を示す側面断面図であ
る。
【図15】本発明の第9の実施例におけるディスク駆動
装置のスピンドルモータ2の近傍を示す側面断面図であ
る。
【図16】図14の第9の実施例におけるディスク駆動
装置のターンテーブル10cに設けた中空環状部23c
の近傍と電磁石40を示す平面断面図である。
【図17】本発明の第10の実施例におけるディスク駆
動装置のターンテーブル110の近傍を示す側面断面図
である。
【図18】本発明の第11の実施例におけるディスク駆
動装置のクランパ16dとターンテーブル110の近傍
を拡大して示す側面断面図である。
【図19】本発明の第12の実施例におけるディスク駆
動装置のスピンドルモータ2の近傍を示す側面断面図で
ある。
【図20】本発明の第13の実施例におけるディスク駆
動装置のターンテーブル10cの近傍を示す側面断面図
である。
【図21】本発明の第14の実施例におけるディスク駆
動装置のターンテーブル110の近傍を示す側面断面図
である。
【図22】本発明の第15の実施例におけるディスク駆
動装置のターンテーブル110の近傍を示す側面断面図
である。
【図23】本発明の第16の実施例におけるディスク駆
動装置のスピンドルモータ2近傍を示す側面断面図であ
る。
【図24】従来のディスク駆動装置を示す斜視図であ
る。
【図25】従来のディスク駆動装置のスピンドルモータ
2の近傍を示す側面断面図である。
【符号の説明】
1 ディスク 2 スピンドルモータ 6 サブベース 7 インシュレータ 8 メインベース 16a クランパ 18 マグネット 21 スピンドル軸 22a 球体バランサー 23 中空環状部 24 球体 110 ターンテーブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福山 三千雄 香川県高松市古新町8番地の1 松下寿電 子工業株式会社内 (72)発明者 浦山 徳昭 香川県高松市古新町8番地の1 松下寿電 子工業株式会社内 (72)発明者 菊川 正明 香川県高松市古新町8番地の1 松下寿電 子工業株式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装着されたディスクと一体的に回転可能
    に設けられ、磁性を有する固体が収納された中空環状部
    を有するバランサーと、 前記磁性を有する固体を吸引保持するための磁界発生手
    段と、を具備することを特徴とするディスク駆動装置。
  2. 【請求項2】 装着されたディスクと一体的に回転可能
    に設けられ、磁性体が収納された中空環状部を有するバ
    ランサーと、 前記バランサーと一体的に回転可能に設けられ、前記磁
    性体を吸引保持するための磁界発生手段と、を具備する
    ことを特徴とするディスク駆動装置。
  3. 【請求項3】 装着されたディスクと一体的に回転可能
    に設けられ、磁性体が収納された中空環状部を有するバ
    ランサーと、 前記磁性体を吸引保持するための磁界発生手段と、 前記磁界発生手段の前記磁性体との対向面に設けられた
    衝撃を吸収するための部材と、を具備し前記磁性体が前
    記衝撃を吸収するための部材に直接的に吸着可能なディ
    スク駆動装置。
  4. 【請求項4】 装着されたディスクと一体的に回転可能
    に設けられ、磁性体が収納された中空環状部を有するバ
    ランサーと、 前記磁性体を吸引保持するための磁界発生手段と、 前記磁界発生手段の前記磁性体との対向面に固着された
    弾性体と、を具備し前記磁性体が前記弾性体に直接的に
    吸着可能なディスク駆動装置。
  5. 【請求項5】 装着されたディスクと一体的に回転可能
    に設けられ、磁性体が収納された中空環状部を有するバ
    ランサーと、 前記磁性体を吸引保持するためのマグネットと、 前記マグネットに接触し、一部が前記磁性体の近傍に導
    出された磁性板により形成されたバックヨークと、 を具備するディスク駆動装置。
  6. 【請求項6】 磁性板である対向ヨークが固定され、装
    着されたディスクが載置され、前記ディスクを回転可能
    に支持するターンテーブルと、 前記対向ヨークとの間に作用する吸引力で前記ディスク
    を挟持するためのマグネットを内蔵し、磁性体が収納さ
    れた中空環状部を有するバランサーが一体的に形成され
    たクランパと、を具備し、 前記磁性体が前記マグネットとの間に作用する吸引力で
    保持されるディスク駆動装置。
  7. 【請求項7】 磁性板である対向ヨークが固定され、装
    着されたディスクが載置され、前記ディスクを回転可能
    に支持するターンテーブルと、 前記対向ヨークとの間に作用する吸引力で前記ディスク
    を挟持するためのマグネットを内蔵し、磁性体が収納さ
    れた中空環状部を有するバランサーが一体的に形成され
    たクランパと、を具備し、 前記マグネットの前記磁性体と対向する面に衝撃を吸収
    するための部材が設けられ、前記磁性体が前記衝撃を吸
    収するための部材に直接的に吸着可能なディスク駆動装
    置。
  8. 【請求項8】 磁性板である対向ヨークが固定され、装
    着されたディスクが載置され、前記ディスクを回転可能
    に支持するターンテーブルと、 前記対向ヨークとの間に作用する吸引力で前記ディスク
    を挟持するためのマグネットを内蔵し、磁性体が収納さ
    れた中空環状部を有するバランサーが一体的に形成され
    たクランパと、を具備し、 前記マグネットの前記磁性体と対向する面に弾性体が固
    着され、前記磁性体が前記弾性体に直接的に吸着可能な
    ディスク駆動装置。
  9. 【請求項9】 マグネットにおける対向ヨークと対向す
    る面の反対面に磁性板であるバックヨークを付設した請
    求項6、7または8記載のディスク駆動装置。
  10. 【請求項10】 マグネットが固定され、装着されたデ
    ィスクが載置され、前記ディスクを回転可能に支持する
    ターンテーブルと、 前記マグネットとの間に作用する吸引力で前記ディスク
    を挟持するための対向ヨークを内蔵し、磁性体が収納さ
    れた中空環状部を有するバランサーを一体的に形成され
    たクランパと、を具備し、 前記磁性体を前記マグネットとの間に作用する吸引力に
    より保持するディスク駆動装置。
  11. 【請求項11】 磁性を有する固体が収納された中空環
    状部と、 前記磁性を有する固体を吸引保持するための磁界発生手
    段と、を具備するディスク駆動装置用バランサー。
  12. 【請求項12】 磁性体が収納された中空環状部と、 前記磁性体を吸引保持するための磁界発生手段と、 前記磁界発生手段の前記磁性体と対向する面に設けら
    れ、前記磁性体に直接的に吸着可能な衝撃を吸収するた
    めの部材と、を具備することを特徴とするディスク駆動
    装置用バランサー。
  13. 【請求項13】 磁性体が収納された中空環状部と、 前記磁性体を吸引保持するための磁界発生手段と、前記
    磁界発生手段の前記磁性体と対向する面に固着され、前
    記磁性体に直接的に吸着可能な弾性体と、を具備するこ
    とを特徴とするディスク駆動装置用バランサー。
  14. 【請求項14】 磁性体が収納された中空環状部と、 前記磁性体を吸引保持するためのマグネットと、 前記マグネットに接触し、一部が前記磁性体の近傍に導
    出された磁性板により形成されたバックヨークと、を具
    備するディスク駆動装置用バランサー。
  15. 【請求項15】 ターンテーブル上に載置されたディス
    クを回転可能に挟持し、磁性を有する固体が収納された
    中空環状部を有するバランサーと、 前記磁性を有する固体を吸引保持するための磁界発生手
    段と、を具備するディスク駆動装置用クランパ。
  16. 【請求項16】 磁性を有する固体が収納された中空環
    状部を有するバランサーと、 前記磁性を有する固体を吸引保持するための磁界発生手
    段と、を具備し、 装着されたディスクが載置され、前記ディスクを回転可
    能に支持するディスク駆動装置用ターンテーブル。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6731588B2 (en) * 2000-12-21 2004-05-04 Samsung Electronics Co., Ltd. Disk player, and self-compensating-dynamic-balancer (SCDB) integrated turntable, SCDB integrated clamper and SCDB integrated spindle motor employed in the same
US6961091B1 (en) 1999-03-23 2005-11-01 Minolta Co., Ltd. Digital camera with light adjusting control of flash

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US7058961B2 (en) 2000-12-21 2006-06-06 Samsung Electronics Co., Ltd. Disk player, and self-compensating-dynamic-balancer (SCDB) integrated turntable, SCDB integrated clamper and SCDB integrated spindle motor employed in the same

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