JP4197065B2 - ディスク駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体であるディスクの質量のアンバランスが原因となる好ましくない振動や騒音を抑制し、安定した記録再生を可能にするディスク駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、データを記録再生するディスク駆動装置においては、データの転送速度を向上させるためにディスクの高速回転化が進んできた。しかしながら、ディスクにはその厚みむらや偏心などによる質量アンバランスが存在する。このような質量アンバランスを有するディスクを高速回転させると、ディスクの回転中心に対して偏った遠心力(アンバランス力)が作用し、そのアンバランス力による振動が装置全体に伝わるという問題があった。このアンバランス力の大きさは、回転周波数の自乗に比例して増加するため、ディスクの回転数を上げるに従い振動は急激に大きくなっていた。従って、ディスクを高速回転させると振動し、その振動によって騒音が発生したり、ディスク回転駆動用スピンドルモータの軸受けが損傷したりすると共に、ディスクの振動が記録再生を行うヘッドを振動させ、安定した記録再生が不可能になるという問題が生じていた。さらに、ディスク駆動装置をコンピュータなどに内蔵した際には、他の周辺機器にディスクの振動が伝達して悪影響を及ぼすという問題も発生した。
【0003】
このような問題を解決するため、従来のディスク駆動装置においては、シャーシが大きく振動した場合に記録再生を行うことが不可能と判断して、ディスクの回転数を自動的に低減させる機能が一般的に搭載されている。このような機能を有する従来のディスク駆動装置は、質量アンバランスの大きなディスクを高速回転させた場合において、大きな振動の発生を検知したとき、その振動が比較的小さくなるまでディスクの回転数を自動的に低減させ、記録再生を確実に行うよう構成されていた。
しかし、ディスクの質量アンバランス量の大小に関わらず、ディスクの高速記録再生に対する市場からの要求は高く、ディスクの質量アンバランスによる好ましくない振動を抑制することがこの分野の課題であった。
なお、ディスクの質量をM(g)、ディスクの中心からディスクの重心までの距離をL(cm)とすれば、質量アンバランス量A(gcm)は、A=M×Lで表される。
【0004】
前記課題に対して特開平10−83622号公報では、バランサーと称される質量アンバランスを解消する機構を提案している。
以下、図面を参照しながら、従来のバランサーを搭載したディスク駆動装置の一例について説明する。
図31は従来のディスク駆動装置を示す斜視図である。図31において、ディスク1は、スピンドルモータ2により回転駆動されている。ヘッド3はディスク1に記録されているデータの再生(読み取り)、またはディスク1に対するデータの記録(書き込み)を行う。
【0005】
ラックギア26とピニオンギア27からなるトラバース機構5は、ヘッド3をディスク1の内周から外周、または外周から内周へ移動させるための機構である。上記トラバース機構5は、トラバースモータ4がピニオンギア27を回転駆動することにより駆動されるよう構成されている。ピニオンギア27の回転運動は、ラックギア26により直線運動に変換されてヘッド3に伝えられる。サブベース6にはスピンドルモータ2、トラバースモータ4およびトラバース機構5等が取り付けられている。サブベース6はインシュレータ7(弾性体)を介してメインベース8に取り付けられており、装置外部からサブベース6に伝わる振動や衝撃はインシュレータ7により減衰されている。ディスク駆動装置の本体はメインベース8に取り付けられたフレーム(図示せず)を介してコンピュータ装置などに組み込まれるよう構成されている。
【0006】
図32は従来のディスク駆動装置のスピンドルモータ2の近傍を示す側面断面図である。ターンテーブル10はスピンドルモータ2のスピンドル軸21に固定され、ディスク1のクランプエリア11を回転可能に支持している。ターンテーブル10には、ディスク1のクランプ穴12と嵌合するボス14が一体的に形成されている。ディスク1がボス14と嵌合することにより、ディスク1の芯出しが行われる。ボス14の上面の略中央には、位置決め穴13が形成されている。また、ボス14の上面には対向ヨーク15が埋設されている。
クランパ50には、ターンテーブル10に設けられた位置決め穴13と嵌合し、て芯出しするための中心突起17が形成されている。また、クランパ50の中心突起17の周辺にはリング状のマグネット18が固定されている。マグネット18の外周には中空環状部20が設けられ、その中空環状部20の中には磁性を有するボール24が6個配置されている。
ディスク1が停止している場合には、ボール24はマグネット18の磁力により吸着されている。載置されるディスク1の質量アンバランスの大きさによって、ボール24の直径と個数が調整される。クランパ50の下面にはディスク1と接触する平坦な接触部19が形成されている。
【0007】
以上のように構成された従来のディスク駆動装置において、ディスク1がクランプされた状態のとき、ディスク1はクランプ穴12とボス14が嵌合してターンテーブル10上に載置される。また、このときディスク1は、クランパ50に内蔵されているマグネット18と、ターンテーブル10に固定されている対向ヨーク15との間に作用する磁力により保持される。このように保持されたディスク1は、スピンドルモータ2により、ターンテーブル10およびクランパ50と一体的に回転駆動される。
この時、ディスク1に質量アンバランスが存在すると、図32に示したディスク1の重心G1に遠心力(アンバランス力)Fが作用する。その作用方向はディスク1の回転と共に回転する。このアンバランス力Fによる振動はターンテーブル10とスピンドルモータ2を介してサブベース6に伝達される。サブベース6は弾性体であるインシュレータ7によりメインベース8により支持されているため、サブベース6はインシュレータ7の変形を伴ってこのアンバランス力Fにより大きく振れ回る。アンバランス力Fの大きさは、ディスク1の質量アンバランス(gcmで表す)と回転周波数の自乗の積に比例する。このため、サブベース6の振動加速度も、ディスク1の回転周波数の自乗にほぼ比例して急激に増加する。
【0008】
図33は従来のディスク駆動装置における中空環状部等で構成されたバランサー22の動作を説明する図である。上記のように質量のアンバランスなディスク1がディスク駆動装置に装着された状態において、クランパ50に設けられたバランサー22の中空環状部20は、スピンドルモータ2の回転中心軸P0と同軸に位置決めされている。この結果、中空環状部20の中心、すなわち、中空環状部20の内側外周壁面25の中心P2とスピンドルモータ2の回転中心軸P0の位置は一致している。
ディスク1の重心G1に遠心力(アンバランス力)Fが作用することにより、中空環状部20は振れ回り(旋回)動作を行い、その振れ回りの中心軸P1はディスク1の質量アンバランスが大きいほど、スピンドルモータ2の回転中心軸P0からのオフセット量は大きくなる。その結果、ディスク1の質量アンバランスが大きいほどインシュレータ7に支持されるサブベース6の振動の振幅は大きくなる。
このとき、中空環状部20に収納されたボール24には振れ回りの中心軸P1と、ボール24の重心を結ぶ方向の遠心力qが作用する。また、ボール24は、中空環状部20の外周壁面25によりその移動が規制されているため、ボール24には内側外周壁面25からの抗力Nが作用する。この内側外周壁面25からの抗力Nは、外周壁面25の中心P2へ向かう方向に作用する。
【0009】
このため、ボール24には遠心力qと抗力Nの合力となる移動力Rが、内側外周壁面25の中心P2を中心としてボール24の重心を通る円の接線方向で、かつ振れ回りの中心軸P1から離れる方向に作用する。この移動力Rにより、ボール24は内側外周壁面25に沿って移動し、振れ回りの中心軸P1を挟んでディスク1の重心G1から、ほぼ180度回転した位置に集まる。
この結果、集まってきた6個のボール24の全体に作用する遠心力Qは、ディスク1の重心G1に作用するアンバランス力Fと逆方向に作用し、この遠心力Qによりアンバランス力Fが相殺される。このため、ディスク1、スピンドルモータ2を介して、サブベース6に作用する力は小さくなる。その結果、振れ回り中心軸P1からスピンドルモータ2の回転中心軸P0までのオフセット量は小さくなり、インシュレータ7に支持されたサブベース6の振動の振幅は小さくなる。したがって、質量アンバランスの大きなディスク1を回転させた場合に発生するサブベース6の振動は抑制される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のディスク駆動装置の構成において、質量アンバランスを有するディスクを高速回転させた場合の振動低減効果は大きい。しかし、質量アンバランスの小さなディスクを高速回転させた場合、ある場合には下記の理由によってバランサー機構を組み込んでいない従来のディスク駆動装置よりも振動が大きくなる場合があった。
従来のバランサー機構を組み込んだディスク駆動装置の構成においては、質量アンバランスを有するディスク1を高速回転させると、図33に示したようにディスク1の重心G1に遠心力(アンバランス力)Fが作用し、クランパ50に設けられた中空環状部20の中に収納された磁性のボール24がディスク1の重心G1と振れ回り中心P1の反対方向に集まる。この結果、前記アンバランス力Fはボール24の遠心力Qによりキャンセルされるため、サブベース6が振動するという従来の装置における問題を解消していた。
【0011】
しかし、ボール24に作用する力には、遠心力q、中空環状部20の内側外周壁面25からの反力である抗力N、および遠心力qと抗力Nとの合成力である移動力Rの他に、抗力Nと内側外周壁面25の摩擦係数に比例して大きくなり、移動力と反対方向に作用する摩擦力Mが存在する。この摩擦力Mがボール24に作用するため、移動力Rが摩擦力Mを上回った場合にボール24は移動を開始する。従って、ディスク1の質量アンバランスが所定の値以上となったときだけ、ボール24は質量アンバランスを解消する方向に移動を行うのである。
【0012】
反対に、質量アンバランスが所定の値以下であるディスク1や、質量アンバランスの全くないディスク1を高速回転させた場合には、ディスク1とサブベース6の振れ回り中心P1のオフセット量、および振動の振幅も比較的小さくなる。このような場合、ボール24の移動力Rは、摩擦力Mよりも小さいため、ボール24は質量アンバランスを解消する位置に移動することは不可能となる。ディスク1の回転速度が増加し、遠心力qによってマグネット18から離脱後のボール24の位置は予測不能となってしまう。
その結果として、質量アンバランスの全くないディスク1を高速回転させた場合、中空環状部20内のいずれかの場所でボール24が集中し、本来のディスク1が有する質量アンバランスより、全体のアンバランスを増加させることがあった。
このように、本来ならばディスク1の質量アンバランスによるディスク駆動装置の振動を防止する目的で設けられた機構が上記のように反対に作用するという問題があった。
一般的に、市場に流通しているディスク1の場合、質量アンバランスの少ないディスク1が圧倒的に多いため、従来のバランサーを組み込んだディスク駆動装置において上記のように反対に振動が大きくなるという問題の発生頻度が非常に高く、そのことが従来のバランサーを組み込んだディスク駆動装置において解決すべき重大な問題であった。
本発明は、上記問題を解決して、ディスクの質量アンバランスの大小に関わらず、高速回転させた場合にも安定して記録または再生が可能であり、高いデータ転送速度を有するディスク駆動装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のディスク駆動装置は、環状軌道を複数に分割し、分割されたそれぞれの軌道に移動可能なバランス部材を有するバランサーをディスクと一体的に回転可能に設けられたものであり、具体的な手段を以下に示す。
本発明のディスク駆動装置は、複数の円弧状の軌道と、前記円弧状の軌道上を移動可能に設けられたバランス部材とを有するバランサーを具備する。
これにより、本発明のディスク駆動装置によれば、ディスクの質量アンバランスの大小に関わらず、サブベースの振動を確実に抑制することができるので、安定した記録または再生が可能であり、耐振動・耐衝撃特性を損なうことなく、高速回転可能なディスク駆動装置を実現することができる。
【0014】
本発明に係るディスク駆動装置は、環状軌道を複数に分割する分割手段と、前記分割手段により形成される円弧状の軌道と、前記円弧状の軌道上を移動可能に設けられたバランス部材とを有するバランサーを具備する。
これにより、本発明のディスク駆動装置によれば、ディスクの質量アンバランスの大小に関わらず、サブベースの振動を確実に抑制することができるので、安定した記録または再生が可能であり、耐振動・耐衝撃特性を損なうことなく、高速回転可能なディスク駆動装置を実現することができる。
【0015】
本発明に係るディスク駆動装置では、前記分割手段を衝撃を吸収するよう構成してもよい。
これにより、本発明のディスク駆動装置によれば、バランサー自身からの騒音発生を抑制することができる。
【0016】
本発明に係るディスク駆動装置では、前記円弧状の軌道の少なくとも一部において、ディスクの回転軸から少なくとも1個の軌道までの距離が、前記ディスクの回転方向において増加するよう構成してもよい。
これにより、本発明のディスク駆動装置によれば、ディスクの質量アンバランスの大小に関わらず、サブベースの振動を確実に抑制することができるので、安定した記録または再生が可能であり、耐振動・耐衝撃特性を損なうことなく、高速回転可能なディスク駆動装置を実現することができる。
【0017】
本発明に係るディスク駆動装置では、前記分割手段を環状軌道に対して回転可能に保持するよう構成してもよい。
これにより、本発明のディスク駆動装置によれば、ディスクの質量アンバランスの大小に関わらず、サブベースの振動を確実に抑制することができるので、安定した記録または再生が可能であり、耐振動・耐衝撃特性を損なうことなく、高速回転可能なディスク駆動装置を実現することができる。
【0018】
本発明に係るディスク駆動装置では、前記バランス部材を磁性材料で形成し、前記分割手段の近傍に磁極を配置した磁界発生手段を具備してもよい。
これにより、本発明のディスク駆動装置によれば、ディスクの回転の高速・低速に関わらず、バランサー自身からの騒音発生を抑制することができる。
【0019】
本発明に係るディスク駆動装置では、前記バランス部材を磁性材料で形成し、前記分割手段の近傍に磁極を配置した磁界発生手段を具備し、そして前記環状軌道において前記磁界発生手段の磁極の位置と対向する位置に衝撃吸収材を設けてもよい。
これにより、本発明のディスク駆動装置によれば、ディスクの回転の高速・低速に関わらず、バランサー自身からの騒音発生を抑制することができる。
【0020】
本発明に係るディスク駆動装置では、前記バランス部材を磁性材料で形成し、前記バランス部材を磁力吸引するための磁界発生手段が具備され、前記分割手段と前記環状軌道との接続部分を曲面で形成してもよい。
これにより、本発明のディスク駆動装置によれば、ディスクの回転の高速・低速に関わらず、バランサー自身からの騒音発生を抑制することができる。
【0021】
本発明に係るディスク駆動装置では、前記環状軌道が複数あってもよい。
これにより、本発明のディスク駆動装置によれば、ディスクの質量アンバランスの大小に関わらず、サブベースの振動を確実に抑制することができる
【0022】
本発明に係るディスク駆動装置用バランサーは、複数の円弧状の軌道と、前記円弧状の軌道上を移動可能に設けられたバランス部材とを有する。
これにより、本発明のディスク駆動装置用バランサーによれば、ディスクの質量アンバランスの大小に関わらず、サブベースの振動を確実に抑制することができるので、バランサーからの振動、騒音を抑えることができる。
【0023】
本発明に係るディスク駆動装置用バランサーは、環状軌道を複数に分割する分割手段と、前記分割手段により形成される円弧状の軌道と、前記円弧状の軌道上を移動可能に設けられたバランス部材とを有する。
これにより、本発明のディスク駆動装置用バランサーによれば、ディスクの質量アンバランスの大小に関わらず、サブベースの振動を確実に抑制することができるので、バランサーからの振動、騒音を抑えることができる。
【0024】
本発明に係るディスク駆動装置用バランサーでは、前記分割手段を衝撃を吸収するよう構成してもよい。
これにより、本発明のディスク駆動装置用バランサーによれば、バランサー自身からの騒音発生を抑制することができる。
【0025】
本発明に係るディスク駆動装置用バランサーでは、前記円弧状の軌道の少なくとも一部において、ディスクの回転軸から少なくとも1個の軌道までの距離が、ディスクの回転方向において増加するよう構成してもよい。
これにより、本発明のディスク駆動装置用バランサーによれば、ディスクの質量アンバランスの大小に関わらず、サブベースの振動を確実に抑制することができるので、バランサーからの振動、騒音を抑えることができる。
【0026】
本発明に係るディスク駆動装置用バランサーでは、前記分割手段を前記環状軌道に対して回転可能に保持するよう構成してもよい。
これにより、本発明のディスク駆動装置用バランサーによれば、ディスクの質量アンバランスの大小に関わらず、サブベースの振動を確実に抑制することができるので、バランサーからの振動、騒音を抑えることができる。
【0027】
本発明に係るディスク駆動装置用バランサーでは、前記バランス部材を磁性材料で形成し、前記バランス部材を磁力吸引するための磁界発生手段が具備されるよう構成してもよい。
これにより、本発明のディスク駆動装置用バランサーによれば、ディスクの回転の高速・低速に関わらず、バランサー自身からの騒音発生を抑制することができる。
【0028】
本発明に係るディスク駆動装置用バランサーでは、前記バランス部材が磁性材料で形成され、前記バランス部材を磁力吸引するための磁界発生手段を具備し、前記分割手段と前記環状軌道との接続部分を曲面により形成してもよい。
これにより、本発明のディスク駆動装置用バランサーによれば、ディスクの回転の高速・低速に関わらず、バランサー自身からの騒音発生を抑制することができる。
【0029】
本発明に係るディスク駆動装置用クランパは、複数の円弧状の軌道と、前記円弧状の軌道上を移動可能に設けられたバランス部材とを有するバランサーを具備し、ターンテーブルに載置されたディスクを回転可能に挟持するよう構成されている。
これにより、本発明のディスク駆動装置用クランパによれば、ディスクの質量アンバランスの大小に関わらず、サブベースの振動を確実に抑制することができるので、バランサーからの振動、騒音を抑えることができる。
【0030】
本発明に係るディスク駆動装置用スピンドルモータは、複数の円弧状の軌道と、前記円弧状の軌道上を移動可能に設けられたバランス部材とを有するバランサーを具備する。
これにより、本発明のディスク駆動装置用スピンドルモータによれば、ディスクの質量アンバランスの大小に関わらず、サブベースの振動を確実に抑制することができるので、バランサーからの振動、騒音を抑えることができる。
【0031】
本発明に係るディスク駆動装置用スピンドルモータは、複数の円弧状の軌道と、前記円弧状の軌道上を移動可能に設けられたバランス部材とを有するバランサーを具備し、前記バランサーがロータと一体的に回転可能に設けられている。
これにより、本発明のディスク駆動装置用スピンドルモータによれば、ディスクの質量アンバランスの大小に関わらず、サブベースの振動を確実に抑制することができるので、バランサーからの振動、騒音を抑えることができる。
【0032】
本発明に係るディスク駆動装置用スピンドルモータは、複数の円弧状の軌道と、前記円弧状の軌道上を移動可能に設けられたバランス部材とを有するバランサーを具備し、前記バランサーがスピンドル軸と一体的に回転可能に設けられている。
これにより、本発明のディスク駆動装置用スピンドルモータによれば、ディスクの質量アンバランスの大小に関わらず、サブベースの振動を確実に抑制することができるので、バランサーからの振動、騒音を抑えることができる。
【0033】
本発明に係るディスク駆動装置用ターンテーブルは、複数の円弧状の軌道と、前記円弧状の軌道上を移動可能に設けられたバランス部材とを有するバランサーを具備し、装着されたディスクが載置され、前記ディスクを回転可能に支持するディスク駆動装置用ターンテーブル。
これにより、本発明のディスク駆動装置用スピンドルモータによれば、ディスクの質量アンバランスの大小に関わらず、サブベースの振動を確実に抑制することができるので、バランサーからの振動、騒音を抑えることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
《第1の実施例》
以下、本発明の第1の実施例のディスク駆動装置について、添付の図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の第1の実施例のディスク駆動装置のスピンドルモータ2の近傍を示す側面断面図である。図2は本発明の第1の実施例のディスク駆動装置におけるクランパに設けたバランサーのボールに作用する力を説明する平面断面図である。
【0035】
図1において、第1の実施例のディスク駆動装置は、ターンテーブル10上のディスク1がクランパ16に挟着されており、ディスク1がスピンドルモータ2により回転駆動されるよう構成されている。このディスク駆動装置において、ディスク1に記録されているデータの読みとり、またはディスク1に対するデータの書き込みはヘッドにより行われている。サブベース6にはスピンドルモータ2、トラバースモータおよびトラバース機構等が取り付けられている。サブベース6は、インシュレータ7を介してメインベース8に取り付けられており、装置外部からサブベース6に伝わる振動や衝撃は、インシュレータ7により減衰されている。ディスク駆動装置はメインベース8に取り付けられたフレームを介して、コンピュータ装置などに組み込まれるよう構成されている。
【0036】
ターンテーブル10は、スピンドルモータ2の回転軸21に固定され、ディスク1のクランプエリア11を回転可能に支持している。ターンテーブル10には、ディスク1のクランプ孔12と嵌合するボス14が一体的に形成されている。ディスク1がボス14と嵌合することにより、ディスク1の芯出しが行われる。また、ボス14の上部には対向ヨーク15が埋設されている。
クランパ16には、ターンテーブル10に形成された位置決め孔13と嵌合し、ディスク1の芯出しをするための中心突起17が設けられている。クランパ16の中心突起17の周辺にはリング状のマグネット18が固定されている。
【0037】
本発明の第1の実施例のディスク駆動装置において、バランサー221はクランパ16に設けられている。図1に示すように、実施例1のクランパ16には、ターンテーブル10に対して、位置決めするための中心突起(中心軸)17と同軸に中空環状部20が設けられている。
図2は第1の実施例のディスク駆動装置におけるクランパ16に設けられたバランサー221の内部構成を示す図であり、環状軌道となる中空環状部20に封入された複数のボール24a,24b,24c,24dに作用する力を説明する平面断面図である。図2に示すように、中空環状部20の内部には、複数の隔壁30a,30b,30c,30dにより円周方向について分割された複数の円弧状のバランス室23a,23b,23c,23dが形成されている。それらの円弧状のバランス室23a,23b,23c,23dのそれぞれには、ボール24a,24b,24c,24dが1個づつ移動可能に収納されている。上記のように、バランサー221は、複数の円弧状のバランス室23a,23b,23c,23dとそれぞれに収納されたボール24a,24b,24c,24dとによって構成されており、このバランサー221はクランパ16と一体的に形成されている。クランパ16の下面にはディスク1と接触する平坦な接触部19が形成されている。
図1に示すように、ターンテーブル10にはターンテーブル10を貫通する位置決め孔13が形成されており、この位置決め孔13はスピンドルモータ2の回転中心軸P0となるスピンドル軸21と嵌合している。これにより、ターンテーブル10は、スピンドル軸21に固定されており、スピンドルモータ2と一体的に回転するよう構成されている。
【0038】
上記クランパ16によりディスク1がクランプされた状態において、前述の図32に示した従来のディスク駆動装置と同様に、ディスク1はクランプ孔12とボス14が嵌合して、ターンテーブル10上に載置される。そして、ディスク1はクランパ16に設けられているマグネット18と、ターンテーブル10に固定されている対向ヨーク15との間に作用する磁力により挟着されクランプされる。このとき、クランパ16に設けられた中心突起(中心軸)17は、ターンテーブル10に設けられた位置決め孔13と嵌合して位置決めされる。従って、中心突起(中心軸)17と同軸に設けられた中空環状部20は、スピンドルモータ2の回転中心軸P0(図2)と同軸となる。これにより、クランパ16は、スピンドルモータ2の駆動により、ディスク1およびターンテーブル10と一体的に回転駆動される。
また、本発明の第1の実施例のディスク駆動装置には、サブベース6をメインベース8に連結するために、ウレタンゴムなどの弾性体を整形したインシュレータ7が用いられている。それによって、インシュレータ7の変形によるサブベース6の機械的振動におけるディスク1の記録面と平行な方向の1次共振周波数をディスク1の回転周波数より低く設定している。具体的には、ディスク1の回転周波数は約100Hzに設定している場合には、またヘッドがトラバース駆動機構により駆動される方向(トラッキング方向)のサブベース6の振動と、それと直交する方向(ジッタ方向)のサブベース6の振動の1次共振周波数を共に約60Hzに設定している。
【0039】
以上のように構成された本発明の第1の実施例のディスク駆動装置において、質量アンバランスが大きいディスク1を100Hzで回転させた場合の動作について図1と図2を用いて説明する。
まず、図2の(a)はでぃすく1を100Hzで回転させた場合の初期状態を示している。図2の(a)に示すように、ディスク1の重心Gに遠心力(アンバランス力Fと称する)が作用し、その作用方向はディスク1の回転と共に回転する。このアンバランス力Fによりインシュレータ7(図1)が変形し、サブベース6とサブベース6に搭載された構成部品全体が、ディスク1の回転周波数で振れ回り振動する。ここでインシュレータ7の変形によるサブベース6の共振周波数(約60Hz)は、ディスク1の回転周波数(約100Hz)より低く設定されている。これにより、サブベース6の変位方向とアンバランス力Fの作用方向は常にほぼ逆方向となる。したがって、サブベース6上で回転しているディスク1の振れ回り中心軸P1は、アンバランス力Fの作用するディスク1の重心Gとスピンドルモータ2の回転中心軸P0との間にオフセットされる。
【0040】
上記のような状態において、クランパ16に設けられた中空環状部20は、スピンドルモータ2の回転中心軸P0と同軸に位置決めされているため、中空環状部20の中心、すなわち各円弧状のバランス室23a,23b,23c,23dの内側外周壁面25a,25b,25c,25dの円弧中心P2とスピンドルモータ2の回転中心軸P0の位置は一致している。これにより、中空環状部20は振れ回りの中心軸P1を中心に振れ回り動作を行う。
このとき、中空環状部20に収納されたボール24aには振れ回りの中心軸P1と、ボール24a自身の重心を結ぶ方向の遠心力q1が作用する。また、ボール24aは、中空環状部20の内側外周壁面25aによりその移動が規制されているため、ボール24aには内側外周壁面25aからの抗力N1が作用する。この内側外周壁面25aからの抗力N1は、内側外周壁面25aの中心P2へ向かう方向に作用する。これにより、ボール24aには遠心力q1と抗力N1の合成力となる移動力R1が、内側外周壁面25aの中心P2を中心としてボール24aの重心を通る円の接線方向で、かつ振れ回りの中心軸P1から離れる方向に作用する。この移動力R1により、ボール24aは内側外周壁面25aに沿って移動し、隔壁30aにより移動が制限される位置まで移動して停止する。
このとき、上記のボール24aと同様に他のボール24b,24c,24dは、それぞれの隔壁30b、30d、30aにより移動が制限される位置まで移動して停止する。
その結果、図2の(b)に示すように、各ボール24a,24b,24c,24dに作用する遠心力q1,q2,q3,q4の合成ベクトルである遠心力Qは、ディスク1の重心Gに作用するアンバランス力Fとほぼ逆向きに作用する。この結果、遠心力Qによりアンバランス力Fが相殺され、サブベース6に作用する力は大幅に小さくなる。したがって、質量アンバランスを有するディスク1を回転させた場合に発生するサブベース6の振動は抑制される。
【0041】
次に、第1の実施例のディスク駆動装置において、質量アンバランスを有するディスク1を回転させた場合の各ボール24a,24b,24c,24dの移動について図3を参照して説明する。
図3はディスク駆動装置に質量アンバランスを有するディスク1を装着して加速回転させた場合のクランパ16内のボール24a,24b,24c,24dの位置の変化を経時的に示した図である。図3に示した状態は、質量アンバランスを有するディスク1の重心Gの位置が隔壁30aの延長線上(半径方向)にある状態であり、この状態でディスク1がクランプされた状態を示している。図3において、ディスク1の回転数が増加するにつれて、バランサーの状態は白抜きの矢印の方向に変わる。
【0042】
図3の(a)はディスク1が停止しているときの状態を示しており、各ボール24a,24b,24c,24dはマグネット18に吸着されて停止している。図3の(b)はディスク1の加速初期の状態を示しており、ディスク1の回転数が低く、このとき[遠心力]<[磁力]の関係を有しているため、ボール24a,24b,24c,24dはまだマグネット18に吸着されたままマグネット18の外周面に沿って移動している。図3の(b)において、ディスク1は右方向(時計方向)に回転しており、ボール24a,24b,24c,24dは慣性力のためディスク1の回転方向とは逆の左方向に回転するようにマグネット18の外周面に沿って移動している。
【0043】
図3の(c)はディスク1の加速中期の状態を示しており、ディスク1の回転数が高く、このとき[遠心力]>[磁力]の関係を有しているため、マグネット18からボール24a,24b,24c,24dが離脱し、円弧状のバランス室23a,23b,23c,23dの内側外周壁面25a,25b,25c,25dに到達する。このとき、ボール24a,24b,24c,24dは依然としてディスク1と逆方向に移動し、各隔壁30a,30b,30c,30dに接触した後に停止する。
図3の(d)はディスク1の加速終期の状態を示しており、ディスク1の振れ回り振動の振幅が増大している状態を示す。その影響でサブフレーム6の振れ回り振動の振幅も増大している。このとき、サブフレーム6の振れ回り振動のトラッキング方向、とジッタ方向の振動の位相差は90度であるため、ディスク1の重心Gと90度ずれた方向(図3の(d)の左側)に、ボール24a,24b,24c,24dの遠心力の合成力が集中するようにボール24a,24b,24c,24dが移動する。
【0044】
図3の(e)はディスク1の加速終了の状態を示しており、最高速度(最高回転周波数)の100Hzにディスク1の回転数が到達した状態を示している。
このとき、サブフレーム6の振れ回り振動のトラッキング方向(ヘッドが駆動されている方向)と、ジッタ方向(トラッキング方向と直交する方向)の振動の位相差は180度である。それ故、ディスク1の重心Gと180度ずれた方向(図3の(e)の下側)に、ボール24a,24b,24c,24dの遠心力の合成力が集中するようにボール24a,24b,24c,24dが移動する。従って、ディスク1の質量アンバランスは十分にキャンセルされ、サブベース6の振れ回り振動は抑制される。
【0045】
次に、第1の実施例のディスク駆動装置において、質量アンバランスのない、均一な質量バランスを有するディスク1を100Hzの高速の回転周波数で回転させた場合のボール24a,24b,24c,24dの移動状態について説明する。
図4はディスク駆動装置に質量アンバランスのない均一なディスク1を装着して加速回転させた場合のクランパ16内のボール24a,24b,24c,24dの位置の変化を経時的に示した図である。図4において、ディスク1の回転数が増加するにつれて、バランサーの状態は白抜きの矢印の方向に変わる。図4に示す場合には、ディスク1に質量アンバランスがないため重心Gの表示は省略する。またディスク1の重心Gと隔壁30と位置関係もこのディスク1には質量アンバランスがないため無視する。
【0046】
図4の(a)はディスク1の停止状態を示しており、磁性を有するボール24a,24b,24c,24dはマグネット18に吸着されている。
図4の(b)はディスク1の加速初期の状態を示しており、ディスク1の回転数が低いため、このとき[遠心力]<[磁力]の関係を有する状態であり、ボール24a,24b,24c,24dはマグネット18に吸着されたままの状態である。このとき、ディスク1は右方向(時計方向)に回転しており、ボール24a,24b,24c,24dは慣性力のためディスク1の回転方向とは逆の左方向(反時計方向)に回転するようマグネット18の外周面に沿って移動している。
【0047】
図4の(c)はディスク1の加速中初期の状態を示しており、ディスク1の回転数が高く、このとき[遠心力]>[磁力]の関係を有する状態となり、ボール24a,24b,24c,24dはマグネット18から離脱し、各円弧状のバランス室23a,23b,23c,23dの内側外周壁面25a,25b,25c,25dに到達する。このとき、ボール24a,24b,24c,24dは依然としてディスク1の回転方向と逆の方向に移動し、各隔壁30a,30b,30c,30dに接触した後に停止する。
図4の(d)はディスク1の加速終期の状態を示しており、ボール24a,24b,24c,24dはそれぞれの隔壁30a,30b,30c,30dに接触した位置で安定する。
【0048】
このように、隔壁30a,30b,30c,30dは中心軸の回りの角(以下中心角という)が90度ごとに均一な間隔で設けられているため、ボール24a,24b,24c,24dが隔壁30a,30b,30c,30dに接触した位置で安定し、ボール24a,24b,24c,24dは等間隔で配置され、ボール24a,24b,24c,24dの配置によるアンバランスは全く発生しない。
本発明の第1の実施例のディスク駆動装置のバランサー221においては、環状軌道である中空環状部20を分割する隔壁を中心角が90度ごとの均一な間隔で4個設けた場合について説明したが、図5〜図9に示すように、中空環状部20を分割する隔壁の数は4個に限定されることはなく、2、3、4、6、8個程度の隔壁により中空環状部20を分割しても同様な効果を得ることができる。図5〜図9において、前述の第1の実施例のディスク駆動装置における要素と同じ機能を有するものには同一の符号を付し、かつ同じ要素が複数ある場合には当該要素の符号の後に小文字のアルファベット(a,b,c,・・・)を順番に付けて示す。図には示さず省略しているが、隔壁の数は5個または7個であっても上記実施例と同様な効果を得ることができる。
【0049】
本発明の第1の実施例のディスク駆動装置において、中空環状部20を分割する部材として、図2に示した隔壁形状の部材を用いて説明したが、中空環状部20内に封入するバランス部材としてボール、円柱、立方体、ディスク状部材、板状部材などの固体の部材を用いる場合には、中空環状部20を分割する部材が隔壁形状の部材である必要はない。例えば、図10に示すような中空環状部20の内側外周壁面25の一部からその内側に突設する突起形状の部材31a,31b,31c,31dを設けて、上記バランス部材が各円弧状のバランス室23a,23b,23c,23d内を移動可能に構成してもよい。また、図11に示すような中空環状部20の環状空間内に所定間隔を有して柱状の部材32a,32b,32c,32dを形成して、ボール24a,24b,24c,24dなどの固体のバランス部材が隣のバランス室23a,23b,23c,23dに移動できないよう構成してもよい。上記のように中空環状部20を分割することにより、隔壁30a,30b,30c,30dにより中空環状部20を分割した場合と同様な効果を得ることができる。
【0050】
本発明の第1の実施例のディスク駆動装置において、ボール24a,24b,24c,24dは磁性体材料で構成したが、バランス部材として非磁性体材料で構成されたボールを使用しても、第1の実施例のディスク駆動装置は質量がアンバランスなディスクの振動を抑制することができる。
本発明の第1の実施例のように、バランサー221をクランパ16に設けた場合には、他の構成要素が少ないディスク1の上方の空間を利用しているため、中空環状部20の直径をさらに大きく形成することや、ボールの1個当たりの質量や個数を増やすことも可能である。したがって、中空環状部20の直径を大きくしたり、ボール1個当たりの質量や個数を増やすことにより、質量アンバランスがより大きいディスクに対しても十分に振動を抑制することができる。
【0051】
本発明の第1の実施例のディスク駆動装置においては、バランサー221をクランパ16に設けた例を説明したが、別の構造においても中空環状部20がディスク1の回転中心と同軸に配置されディスク1と一体的に回転可能に設けられていれば、上記第1の実施例と同様の効果を得ることができる。例えば、ディスク1を装着するターンテーブル10にバランサーを設けたり、スピンドルモータ2のロータ部にバランサーを設けたり、またはサブベース6のスピンドルモータ2と反対側にバランサーを設けて、中空環状部をスピンドルモータ軸21と一体的に回転可能に配設しても、上記第1の実施例と同様の効果を奏する。
本発明の第1の実施例のディスク駆動装置において、ボールを収納する中空環状部20の形状は内側外周壁面25a,25b,25c,25dが同一半径を有する円環状とした。しかし、本発明のディスク駆動装置において、複数の中空環状部は必ずしも同一半径を有する円環状である必要はない。例えば図12に示すように、複数の隔壁43a,43b,43c,43dと半径の異なる内側外周壁面25a,25b,25c,25dとにより形成された2種類の円弧状のバランス室23a,230b,23c,230dの組み合わせによっても、上記第1の実施例と同様な効果が得ることができる。
図13は第1の実施例の他のバランサーの構成の一例を示す平面断面図(a)と、また別のバランサーの構成の一例を示す縦断面図(b)である。図13の(a)に示す例では、ディスク駆動装置における中空環状部20として複数の隔壁44a,44b,44c,44dにより形成された中心角が略180度の円弧状のバランス室23a,23b,23c,23dが半径方向に重複、即ち2重になるよう配置されている。この構造でも、上記第1の実施例と同様な効果が得ることができる。図13の(a)に示したバランサー221の形状は、円弧状のバランス室23a,23b,23c,23dが内側と外側で略90度ずれている構造を示している。図13の(a)のバランサー221は円弧状のバランス室23a,23b,23c,23dが半径方向に2重になっている構造を示した。図13の(b)に縦断面図で示すように、同一径の円弧状のバランス室をディスク1の回転軸の方向に2重に配置し、隔壁の位置を略90度ずらして配置した構造であっても、上記第1の実施例と同様な効果が得ることができる。
【0052】
《第2の実施例》
次に、本発明の第2の実施例のディスク駆動装置について、図面を参照しながら説明する。図14、図15および図16は本発明の第2の実施例のディスク駆動装置におけるクランパに設けたバランサー222の内部構造を示す平面断面図である。なお、前述の第1の実施例のディスク駆動装置における要素と実質的に同じ機能を有する要素には同一符号を付して先の実施例の説明を援用し、重複した説明は省略する。また、第2の実施例におけるバランサー222は前述の図1に示した縦断面図のバランサー221と同様に表れるため、第2の実施例のバランサー222に関する縦断面図は省略する。本発明の第2の実施例のディスク駆動装置は、前述の第1の実施例におけるクランパ16(図1)に設けられた中空環状部20に弾性体を設けたものであり、この弾性体が中空環状部20を分割する隔壁に貼り付けられたり、または隔壁自体が弾性体で構成されている。
【0053】
上記のようにバランサー222に弾性体が設けられた第2の実施例のディスク駆動装置において、ディスク駆動装置を縦置きで駆動した場合について説明する。
前述の第1の実施例の図1に示したディスク駆動装置を縦置きにして動作させる場合、ディスク1の記録面が鉛直方向となるようクランパ16が保持して駆動を行う。ディスク駆動装置を縦置きにしてディスク1を高速で回転させた場合には、クランパ16の中空環状部20の円弧状の各バランス室23a,23b,23c,23d内に収納されたボール24a,24b,24c,24dは、重力の影響よりも遠心力の方が支配的となり、中空環状部20の内側外周壁面25a,25b,25c,25dに張り付いた状態となる。この状態でボール24a,24b,24c,24dは容易に移動はしなくなる。
しかし、ディスク1を低速で回転させた場合や、回転開始直後の低速回転時には、各ボール24a,24b,24c,24dに働く遠心力が小さいため、重力の方が支配的となり、マグネット18から離れたボール24a,24b,24c,24dが隔壁30a,30b,30c,30dと衝突して、騒音を発生させる。
図14に示すように、隔壁30a,30b,30c,30dの両面には弾性体33が貼り付けられている。これにより、ディスク1を低速で回転させた場合のボール24a,24b,24c,24dと隔壁30a,30b,30c,30dとの衝突した際に発生する騒音は大幅に低減される。弾性体33の材質は天然ゴム、合成ゴム、スポンジなどボール24a,24b,24c,24dと隔壁30との衝突の際の衝撃を吸収できる衝撃吸収材であればよい。
【0054】
図15は第2の実施例におけるバランサー222の隔壁を弾性体で構成した例を示す平面断面図である。図15に示すように、弾性体の隔壁34a,34b,34c,34dを中空環状部20に形成しているため、前述の図14に示したバランサー222と同様な効果が得られる。このように、隔壁34a,34b,34c,34dを弾性体で形成して中空環状部20を分割するためには、隔壁34a,34b,34c,34dが十分にボール24a,24b,24c,24dによる衝撃を吸収し、かつ隔壁としての機能を果たすように、隔壁34a,34b,34c,34dはバランサー222に強固に固定または接着されている。弾性体の材質としてはボール24a,24b,24c,24dの衝突による衝撃を吸収できる材質であればよく、例えば天然ゴム、合成ゴムなどの衝撃吸収材であればよい。
しかし、図15に示した中空環状部20の隔壁34a,34b,34c,34dは弾性体のみで形成されているため、隔壁としての剛性が不足することもありうる。そこで、図16に示すように、マグネット18の外周を包むように弾性体材料により成形された管状の隔壁保持体36を被せ、その隔壁保持体36の外周面から放射状に突出するよう一体成形された隔壁35a,35b,35c,35dを有するバランサー222を設けてもよい。図16に示したバランサー222における隔壁35a,35b,35c,35dは、隔壁としての剛性を確保すことができ、隔壁35a,35b,35c,35dとボール24a,24b,24c,24dとの衝突による衝撃を吸収して、騒音を大幅に低減することができる。図16に示した隔壁35a,35b,35c,35dの弾性体の材質としては、天然ゴム、合成ゴムなどの衝撃吸収材で、図16に示した隔壁35a,35b,35c,35dの特殊形状を成形できる材質であればよい。
上記のように、本発明の第2の実施例のディスク駆動装置は、ディスク駆動装置を縦置きにして動作させた場合にディスク1を低速で回転させたとき、ボールと隔壁との衝突によって発生する騒音を低減するものである。
【0055】
前述の第1の実施例のディスク駆動装置においては、ディスク駆動装置を縦置きにして、ディスク1を低速で回転させたとき、ボールと隔壁との衝突による騒音の発生を回避するために、ボールに磁性材料を採用して低速回転時にはマグネット18に吸着させ、高速回転となった時に遠心力でマグネットからボールが離脱する構成であった。
しかし、本発明の第2の実施例のディスク駆動装置においては、隔壁に弾性材を設けているため、ボールと隔壁との衝突音が大幅に低減されている。これにより、第2の実施例においては低速回転時にボールをマグネットに吸着しておく必要がなく、ボールの材質として磁性、非磁性いずれの材質を使用しても騒音の発生は大幅に抑制される。
【0056】
なお、上記の第2の実施例においては隔壁が4個の場合について説明したが、本発明のディスク駆動装置における隔壁の数は4個に限定されるものではなく、2〜8個程度の隔壁で中空環状部を分割しても上記第2の実施例と同様な効果を得ることができる。
第2の実施例の隔壁は中空環状部を完全に分割する隔壁形状であるが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、バランス部材が移動できる空間を形成できる構成のものであればよい。例えば、前述の図10に示したように、隔壁は中空環状部の内側外周壁面の一部が内側に突設した突起に弾性体を貼り付けて構成してもよく、また前述の図11に示したように、中空環状部の環状空間内に設けた柱状体部に弾性体を貼り付けて構成してもよい。このように構成することにより、バランス部材であるボール等と隔壁との衝突音が低減され隔壁の場合と同様な効果が得られる。
【0057】
本発明の第2の実施例のディスク駆動装置においては、バランサー222をクランパ16に設けた構成で示した。しかし、それとは異なる構成であっても、中空環状部をディスク1の回転中心と同軸で、ディスク1と一体的に回転可能に設けてあれば、上記第2の実施例と同様の効果を奏する。例えば、バランサーをディスク1を装着するターンテーブル10に設けたり、スピンドルモータ2のロータ部に設けたり、またはサブベース6のスピンドルモータ2と反対側に設けて、バランサーをスピンドルモータ軸21と一体的で回転可能に構成することにより、上記第2の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0058】
《第3の実施例》
次に、本発明の第3の実施例のディスク駆動装置について、図面を参照しながら説明する。図17は本発明の第3の実施例のディスク駆動装置のクランパに設けたバランサー223の内部構造を示した平面断面図である。なお、前述の第1の実施例および第2の実施例において説明したディスク駆動装置における要素と実質的に同じ機能を有する要素には同一符号を付して先の実施例の説明を援用し、重複した説明は省略する。また、第3の実施例におけるバランサー223は前述の図1に示した縦断面図のバランサー221と同様に表れるため、第3の実施例のバランサー223に関する縦断面図は省略する。
第3の実施例のディスク駆動装置は、前述の第1の実施例および第2の実施例のディスク駆動装置において発生頻度は低いが希に発生するボール24が最適位置に移動しないという問題を解決したものであり、以下その解決策について説明する。
【0059】
第3の実施例のディスク駆動装置において、バランス部材であるボール24a,24b,24c,24dの移動力Rに注目する。ディスク1を最高速で回転させた場合のクランパ16の中空環状部20に収納されたボール24a,24b,24c,24dに作用する力R1,R2,R3,R4は、前述の図2の(a)と(b)において矢印にて示したように発生する。特に、各ボール24a,24b,24c,24dの位置と移動力R1,R2,R3,R4との関係が明らかな図2の(b)を用いて、以下説明を行う。
各ボール24a,24b,24c,24dに作用する各移動力R1,R2,R3,R4の大きさを比較すると、質量アンバランスを有するディスク1の重心Gから約90度ずれた位置のボール24b,24cに作用する移動力R2,R3は、約180度ずれた位置のボール24a、24dに作用する移動力R1、R4に比べて非常に大きい。このように、ディスク1の重心Gとボール24a,24b,24c,24dの成す角度によって移動力R1,R2,R3,R4は大きく異なる。0〜180度の区間で移動力Rを求めると、0度と180度の位置では移動力Rは最小値を示し、90度の位置で移動力Rは最大値を示す。
【0060】
このような、ボール位置と移動力Rとの関係があるために、第1の実施例と第2の実施例においては、希にディスク1の重心G側にボールが取り残され、アンバランスの改善が十分に行われない場合があるという問題が発生している。
次に、前述の第1の実施例においてバランサーのボールが最適位置に移動しないという問題の発生メカニズムについて具体的な例を挙げて説明する。
図18は第1の実施例において問題となるバランサーのボールが最適位置に移動しない場合を説明する図である。図18の(a)から(c)は前述の図3の(a)から(c)に示した中空環状部内において移動するボールの経時的変化を示した図の状態と同じである。図18において、ディスク1の回転数が増加するにつれて、バランサーの状態は白抜きの矢印の方向に変わる。
図18の(e)に示すように、ボール24aはディスク1の重心Gと略0度の位置、すなわちアンバランス側に取り残されている。この原因を追求すると、発明者により次のような発生メカニズムが明らかとなった。
【0061】
図18の(a)〜(c)までは前述の図3に示したボール24a,24b,24c,24dと同じ位置にある。しかし、図18の(d)に示す状態においては、ボール24a,24b,24c,24dの遠心力の合成力が左側に集中しているが、右下のボール24bに働く移動力Rが小さいため、ボール24bは右側に取り残されいる。
また、ディスク1が最高速で回転している場合の図18の(e)に示す状態においては、ボール24a,24b,24c,24dの遠心力の合成力が下側に集中しているが、ボール24aはその移動力Rが小さいために上側に取り残されている。このとき、ボール24bはその移動力Rが増加して下側へ移動する。従って、前述の第1の実施例においては、ディスク1が最高速に到達したときに複数のボール24a,24b,24c,24dのうち少なくとも1つがディスク1のアンバランス側に取り残されて適切な位置に配置されない場合があるため、ボール24a,24b,24c,24dの適切な配置によるディスク1の質量アンバランスをキャンセルする効果は大幅に低下する場合があるとい問題があった。
【0062】
上記の問題を解決するために、本発明の第3の実施例のディスク駆動装置においては、図17に示す通り、各円弧状のバランス室23a,23b,23c,23dの内側外周壁面25a,25b,25c,25dの円弧の中心点をディスク1の回転中心から少しだけずらして形成されている。図17において、円弧の中心から各内側外周壁面25a,25b,25c,25dまで半径を矢印にて示す。ディスク1の回転中心と内側外周壁面25a,25b,25c,25dの円弧の中心が一致していれば、ディスク1が回転した時に発生するボール24a,24b,24c,24dの遠心力Qは、内側外周壁面25a,25b,25c,25dから受ける抗力Nと1直線上で各ボール24a,24b,24c,24dに作用する。この結果、各ボール24a,24b,24c,24dを移動させるような移動力Rは発生しない。
しかし、図17に示したように中空環状部20の各内側外周壁面25a,25b,25c,25dの円弧の中心とディスク1の回転中心をずらした場合、ディスク1の回転によりボール24a,24b,24c,24dに遠心力Qが発生したとき、内側外周壁面25a,25b,25c,25dから受ける抗力Nは遠心力Qと同一直線上においてボール24a,24b,24c,24dに作用しない。この結果、遠心力Qと抗力Nの合成力が発生し、この合成力がボール24a,24b,24c,24dに作用する。この合成力の作用方向は右回転方向(図17における時計方向)であり、各ボール24a,24b,24c,24dに移動力Rが発生する。従って、第3の実施例のディスク駆動装置は、ディスク1の回転中心に対して、半径の大きい方向にボール24a,24b,24c,24dは移動しやすい構造を有している。
【0063】
次に、図17に示した内側外周壁面25a,25b,25c,25dを有するバランサー223をクランパ16に搭載した第3の実施例のディスク駆動装置に質量アンバランスを有するディスク1を装着して高速で回転させた場合について説明する。
図18の(e)に示した状態において、ボール24aには微小ながら右回転方向に移動力Rが作用して、上側にあるボール24aは破線で示す右側の位置に移動する。
第3の実施例において、内側外周壁面25a,25b,25c,25dの円弧の中心をディスク1の回転中心からずらす偏心距離は10〜100μm程度である。この偏心距離を必要以上に大きくすると、円弧中心をずらしたことによる移動力Rがディスク1の質量アンバランスによって発生する振れ回り振動によって発生する移動力Rを上回り、すべてのボール24a,24b,24c,24dが右回転方向(時計方向)に移動してしまい、ディスク1の質量アンバランスをキャンセルすることは不可能となる。
【0064】
図19は本発明の第3の実施例のディスク駆動装置における別のバランサー223の内部構造を示した平面断面図である。図19に示すように、本発明の第3の実施例のディスク駆動装置では、各内側外周壁面25a,25b,25c,25dにおける隔壁30a,30b,30c,30dの近傍の一部に平坦部分37a,37b,37c,37dをそれぞれ設けている。これらの平面部分37a,37b,37c,37dは、図18の(e)に示したようにボール24aが取り残されやすい位置にだけ設けるものである。このように隔壁30a,30b,30c,30dの近傍で内側外周壁面25a,25b,25c,25dにおける一部に平坦部分37a,37b,37c,37dを設けることにより、ボール24a,24b,24c,24dには微小ながら右回転方向に移動力Rが作用して、図17に示した内側外周壁面25a,25b,25c,25dの円弧の中心をディスク1の回転中心から少しだけずらした場合と同一の効果が得られる。なぜなら、平坦部分37a,37b,37c,37dのディスク1の回転中心からの距離が右回転方向へ移動するほど距離が長くなり、外周壁面25a,25b,25c,25dの円弧の中心をずらした場合と同様な構成を有するからである。
図17に示した内側外周壁面の円弧の中心を偏心させてバランサーを構成するより、図19に示した隔壁近傍の一部に平坦部分を設けてバランサーを構成する方が、樹脂の成型品で量産を行う際に金型を加工する精度の管理は容易となり、加工時間、加工コストの面で大幅な低減を実現することができる。
【0065】
本発明の第3の実施例のディスク駆動装置において、バランス部材であるボールは磁性材料で形成した例で示したが、非磁性材料で形成したボールを使用しても第3の実施例と同様な効果を得ることができる。
また、本発明の第3の実施例においては隔壁の数が4個の場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、2〜8個程度の隔壁により中空環状部を分割して構成しても第3の実施例と同様な効果を得ることができる。
また、本発明の第3の実施例のディスク駆動装置において、バランサー223をクランパ16に設けた例で説明したが、バランサーはディスク1の回転中心と同軸で、ディスク1と一体的に回転可能に設けられていれば、第3の実施例と同様の効果を得ることができる。例えば、バランサーをディスク1を装着するターンテーブル10に設けたり、スピンドルモータのロータ部に設けたり、または、サブベース6のスピンドルモータ2と反対側に設けて、バランサーをスピンドルモータ軸21と一体的に回転可能に構成してもよい。
さらに、第3の実施例において円弧状のバランス室の内側外周壁面の形状は真円の円弧の一部である例で説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、楕円の円弧の一部であっても同様な効果を得ることができる。
【0066】
《第4の実施例》
次に、本発明の第4の実施例のディスク駆動装置について、図面を参照しながら説明する。
図20および図21は本発明の第4の実施例のディスク駆動装置のクランパに設けたバランサー224の内部構造を示す平面断面図であり、それぞれバランサー224内のボールの動きを示している。なお、前述の第1の実施例、第2の実施例、第3の実施例におけるディスク駆動装置における要素と実質的に同じ機能を有する要素には同一符号を付し、先の実施例の説明を援用し、重複した説明は省略する。また、第4の実施例におけるバランサー224は前述の図1に示した縦断面図のバランサー221と同様に表れるため、第4の実施例のバランサー224に関する縦断面図は省略する。
本発明の第4の実施例のディスク駆動装置は、クランパ16に設けられたバランサー224における中空環状部20を分割する隔壁が回転自在に保持されるよう構成されている。
第4の実施例のディスク駆動装置においては、隔壁38a,38b,38cが中空環状部20を3分割するように設けられている。隔壁38a,38b,38cは、マグネット18の外周に回転自在に保持されるリング状の隔壁保持体39に一体的に形成されている。これにより、各隔壁38a,38b,38cは120度の間隔を保持したまま、中空環状部20内で回転することが可能となっている。また、隔壁38a,38b,38cで仕切られた中空環状部20の円弧状の各バランス室23a,23b,23c内には磁性の金属のボール24a,24b,24cがそれぞれ収納されている。
【0067】
上記のように構成された第4の実施例のディスク駆動装置において、質量アンバランスを有するディスク1を100Hzの高速で回転させた場合のボール24a,24b,24cの移動状態について説明する。
図20は第4の実施例のディスク駆動装置に質量アンバランスを有するディスク1を装着して加速回転させた場合のクランパ16内のボール24a,24b,24cの位置の変化を経時的に示した図である。図20に示した状態は、質量アンバランスを有するディスク1の重心Gの位置が中心突起17の上側のマグネット18の領域にある状態であり、この状態でディスク1がクランプされた状態を示している。図20において、ディスク1の回転数が増加するにつれて、バランサーの状態は白抜きの矢印の方向に変わる。
【0068】
図20の(a)はディスク1が停止しているときの状態を示しており、ボール24a,24b,24cがマグネット18には吸着されている。
図20の(b)はディスク1の加速初期の状態を示しており、ディスク1の回転数が低く、このとき[遠心力]<[磁力]の関係を有しているため、ボール24a,24b,24cはまだマグネット18の磁力により隔壁保持体39を通して吸着されたままである。このとき、ディスク1は右回転(図20の(b)において時計方向に回転)しており、ボール24は慣性力のためディスク1の回転とは逆の左回転(図20の(b)において反時計方向に回転)で隔壁保持体39の外周面を移動している。
【0069】
図20の(c)はディスク1の加速中期の状態を示しており、ディスク1の回転数が高く、このとき[遠心力]>[磁力]の関係となり、マグネット18の磁力からボール24a,24b,24cは離脱し、中空環状部20の内側外周壁面25に到達する。
図20の(c)に示した状態において、ディスク1の振れ回り振動の振幅が増大し、その影響でサブフレーム6の振れ回り振動の振幅も増大する。このとき、サブフレーム6の振れ回り振動のトラッキング方向(ヘッドの移動方向)とジッタ方向(トラッキング方向と直交する方向)の振動の位相差は90度のため、ディスク1の重心Gと90度ずれた方向(図20の(c)の左側)にボール24a,24b,24cの遠心力の合成力が集中し、ボール24a,24b,24cはその方向へそれぞれ移動する。
【0070】
図20の(d)はディスク1の加速終期の状態を示しており、サブフレーム6の振れ回り振動のトラッキング方向とジッタ方向の振動の位相差は180度に近づくため、左側のボールにおいて隔壁38を左回転方向に押す移動力Rが大きくなる。この結果、ディスク1の重心Gと約180度ずれた方向(下側)に、ボール24a,24b,24cの遠心力の合成力が集中し、ボール24a,24b,24cと隔壁38a,38b,38cは回転移動する。しかし、図20の(d)に示した状態ではまだ、ボール24a,24b,24cの遠心力の合成力は少し左下の方向に向いており、ディスク1の質量アンバランスの遠心力とボール24a,24b,24cの遠心力は相殺されず、それぞれの遠心力による合成力が存在する。
【0071】
図20の(e)はディスク1の加速終了の状態を示しており、ディスク1の回転数は最高速度の100Hzに到達している。このとき、3個のボール24a,24b,24cは質量アンバランスのディスク1の重心Gの位置から180度ずれた位置に集結し、ディスク1の質量アンバランスは十分にキャンセルされる。従って、実施例4のディスク駆動装置におけるサブベース6の振れ回り振動は抑制される。
上記のように第4の実施例のディスク駆動装置においては、各隔壁38a,38b,38cが120度の均一な間隔で設けられており、隔壁38a,38b,38cが回転可能に保持されているため、前述の実施例3において図18を用いて説明した問題、すなわち隔壁が固定されているためにディスク1のアンバランスを増長する位置にボールが取り残されるという問題は、第4の実施例において発生することがない。
【0072】
次に、第4の実施例のディスク駆動装置において、質量アンバランスを有さないディスク1をディスク駆動装置に装着して、ディスク1を100Hzの高速で回転させた場合のボールの移動状態を図21を用いて説明する。
図21において、ディスク1の回転数が増加するにつれて、バランサーの状態は白抜きの矢印の方向に変わる。図21において、ディスク1には質量アンバランスがないので重心Gの表示は省略する。また、ディスク1の重心と隔壁との位置関係は、ディスク1に質量アンバランスが存在しないため、考慮する必要がない。
【0073】
図21の(a)はディスク1が停止しているときの状態を示しており、ボール24a,24b,24cはマグネット18には吸着している。
図21の(b)はディスク1の加速初期の状態を示している。このとき、ディスク1の回転数が低く、このとき[遠心力]<[磁力]の関係を有しているため、ボール24a,24b,24cはまだマグネット18の磁力により隔壁保持体39を通して吸着されたままである。このとき、ディスク1は右回転しており、ボール24a,24b,24cは慣性力のためディスク1の回転方向と逆の左方向に回転して隔壁保持体39の外周面を移動している。
【0074】
図21の(c)はディスク1の加速中期の状態を示している。このとき、ディスク1の回転数が高く、このとき[遠心力]>[磁力]の関係を有しているため、ボール24a,24b,24cはマグネット18の磁力から離脱し、中空環状部20の内側外周壁面25に到達する。このとき、ボール24a,24b,24cは依然としてディスク1の回転方向とは逆の方向(左回転)に移動している。
【0075】
図21の(d)はディスク1の加速終期の状態を示しており、ボール24a,24b,24cが隔壁38a,38b,38cと接触する。しかし、隔壁38a,38b,38cは回転自由に保持されているため、ボール24a,24b,24cの慣性力により、ボール24a,24b,24cと隔壁38a,38b,38cは一体的に左方向(反時計方向)へ回転する。
図21の(e)はディスク1の加速終了の状態を示しており、ディスク1の回転数は最高速度の100Hzに到達している。このときボール24a,24b,24cの慣性力は低下しており、ボール24a,24b,24cと隔壁38a,38b,38cの回転は接触した状態で停止する。
【0076】
このように、第4の実施例のディスク駆動装置においては、隔壁38a,38b,38cが120度ごとの均一な間隔で設けられているため、ボール24a,24b,24cが隔壁38a,38b,38cに接触した位置で安定すれば、ボール24a,24b,24cの配置に起因するアンバランスは全く発生しない。また、前述の第2の実施例において説明した問題、即ち隔壁が固定されているため、ディスク駆動装置を縦置きにしてディスク1を低速で回転させた場合に、隔壁とボールが衝突することによって騒音が発生するという問題は、第4の実施例において隔壁が回転自在に保持されている構造であるため解決されている。例えばボールが隔壁に衝突しても、第4の実施例においては、隔壁が回転することによりボールが衝突した時の衝撃が吸収されるため、ボールと隔壁との衝突による騒音が発生しない。
本発明の第4の実施例のディスク駆動装置において、磁性材料により形成されたボールを用いて説明を行ったが、第4の実施例においてはボールと隔壁が衝突する際の騒音が発生しないので、ボールを磁力により吸着する必要がなく、非磁性材料により形成されたボールを用いて構成しても上記第4の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0077】
本発明の第4の実施例のディスク駆動装置において、中空環状部20を分割する隔壁の数については、中心角120度ごとに均一な間隔で3個設けた場合について説明した。しかし、図22から図26にバランサーの平面断面図で示したように、中空環状部20を分割する隔壁の数は3個に限定されることはなく、2,3,4,6,8個などの隔壁により中空環状部20を分割しても上記第4の実施例と同様な効果を得ることができる。図22から図26において、前述の要素と同じ機能を有するものには同じ符号を付し、複数存在する要素にはアルファベットの小文字(a,b,c,・・・)を符号の後に順番に付けて示す。なお、図では省略してはいるが、隔壁の数は5個または7個であっても同様な効果を得ることは言うまでもない。
本発明の第4の実施例のディスク駆動装置は、バランサーをクランパ16に設けた例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、中空環状部がディスク1の回転中心と同軸で、ディスク1と一体的に回転可能に設けられていれば、上記第4の実施例と同様の効果を得ることができる。例えば、バランサーをディスク1を装着するターンテーブル10に設けたり、スピンドルモータ2のロータ部に設けたり、または、サブベース6のスピンドルモータ2と反対側に設けて、バランサーをスピンドルモータ軸21と一体的で回転可能に構成してもよい。
【0078】
《第5の実施例》
次に、本発明の第5の実施例のディスク駆動装置について、図面を参照しながら説明する。図27および図28は本発明の第5の実施例のディスク駆動装置のクランパに設けたバランサー225の内部構造を示した平面断面図である。なお、図27および図28において前述の第1の実施例、第2の実施例、第3の実施例および第4の実施例におけるディスク駆動装置の要素と実質的に同じ機能を有する要素には同一符号を付し、先の実施例の説明を援用し、重複した説明は省略する。また、第5の実施例におけるバランサー225は前述の図1に示した縦断面図のバランサー221と同様に表れるため、第5の実施例のバランサー225に関する縦断面図は省略する。
本発明の第5の実施例のディスク駆動装置は、バランサー225の中空環状部20を分割する隔壁が固定型と回転型の2種類を有するものが混在するよう構成したものである。固定型隔壁40a,40bは中空環状部20を2分割するようバランサー225に固定されており、回転型隔壁38a,38bはマグネット18の外周を回転可能に保持されている。中空環状部20を2分割するように設けられた回転型隔壁38a,38bは、マグネット18の外周に回転可能に保持されるリング状の隔壁保持体39に一体的に構成されている。
4個の隔壁38a,38b,40a,40bに分割された円弧状のバランス室23a,23b,23c,23dには、それぞれ1個ずつ磁性材料で形成されたボール24a,24b,24c,24dが収納されている。これにより、ボール24a,24b,24c,24dは回転型隔壁38a,38bと固定型隔壁40a,40bに囲まれた円弧状のバランス室23a,23b,23c,23d内に収納されているため、ボール24a,24b,24c,24dが移動可能なバランス室23a,23b,23c,23dの大きさは可変となる。
【0079】
次に、第5の実施例のディスク駆動装置において、質量アンバランスを有するディスク1を回転駆動させた場合のボールの移動状態を図27を用いて説明する。
上記のように構成された本発明の第5の実施例のディスク駆動装置において、ディスク駆動装置に質量アンバランスを有するディスク1を載置して、ディスク1を100Hzの高速で回転させた場合について説明する。図27において、ディスクの回転数が増加するにつれて、バランサーの状態は白抜きの矢印の方向に変わる。
【0080】
図27の(a)はディスク1が停止しているときの状態を示しており、ボール24a,24b,24c,24dはマグネット18に吸着している。
図27の(b)はディスク1が加速初期の状態を示している。ディスク1の回転数が低く、このとき[遠心力]<[磁力]の関係を有しているため、ボール24a,24b,24c,24dはまだマグネット18の磁力で隔壁保持体39を通して吸着されたままである。このとき、ディスク1は右回転(時計方向)し、ボール24a,24b,24c,24dは慣性力のためディスク1の回転とは逆の方向である左回転(反時計方向)で隔壁保持体39の外周面を移動している。
【0081】
図27の(c)はディスク1の加速中期の状態を示している。ディスク1の回転数が高く、このとき[遠心力]>[磁力]の関係を有しているため、ボール24a,24b,24c,24dはマグネット18の磁力から離脱し、中空環状部20の内側外周壁面25に到達する。このとき、ディスク1の振れ回り振動の振幅が増大し、その影響でサブフレーム6の振れ回り振動の振幅も増大する。このときのサブフレーム6の振れ回り振動のトラッキング方向(ヘッドの移動方向)とジッタ方向(トラッキング方向と直交する方向)の振動の位相差は90度であるため、ディスク1の重心Gと90度ずれた方向(図27の(c)の左側)に、ボール24a,24b,24c,24dの遠心力の合成力が集中し、その方向にボール24a,24b,24c,24dは移動する。
【0082】
図27の(d)はディスク1の加速終期の状態を示している。このとき、サブフレーム6の振れ回り振動のトラッキング方向とジッタ方向の振動の位相差は180度に近づくため、ディスク1の重心Gと約180度ずれた方向(下側)に、ボール24a,24b,24c,24dの遠心力の合成力が集中するように、ボール24a,24b,24c,24dは移動する。しかし、図27の(d)の状態ではまだ、ボール24a,24b,24c,24dの遠心力の合成力は少し左下を向いており、ディスク1の質量アンバランスの遠心力とボール24の遠心力が逆向きとはならず、これらの遠心力の合成力が存在する。
【0083】
図27の(e)はディスク1の加速終了の状態を示しており、このときのディスク1の回転周波数は最高速度の100Hzに到達している。図27の(e)において、左側のボール24dは隔壁38bを左方向(反時計方向)に回転するように押す移動力Rが大きいので、ボール24dは他の3個のボール24a,24b,24cと隔壁を左方向に回転するよう押圧する。この結果、ボール24a,24b,24c,24dの遠心力の合成力はディスク1の質量アンバランスと概略180度ずれた状態となり、ディスク1の質量アンバランスは十分にキャンセルされる。従って、第5の実施例のディスク駆動装置におけるサブベース6の振れ回り振動は抑制される。
このように、中空環状部20は回転する隔壁38a,38bと固定された隔壁40a,40bによって、大きさの変わる複数の円弧状のバランス室23a,23b,23c,23dで区切られているので、前述の第1の実施例のように固定された隔壁だけの場合や、前述の第4の実施例のように回転する隔壁だけの場合と比較して、第5の実施例のボール24a,24b,24c,24dの移動可能な範囲は大幅に拡大する。それにより、第5の実施例におけるボール24a,24b,24c,24dはディスクの質量アンバランスの重心Gから180度反対側に集中しやすくなる。その結果、第5の実施例のディスク駆動装置においてはボール24a,24b,24c,24dの重量および個数、中空環状部の直径を比較的小さく設定することが可能となる。
【0084】
次に、第5の実施例のディスク駆動装置において、質量アンバランスを有さない均一なディスク1を装着し、回転周波数が100Hzの高速でディスク1を回転させた場合のボール24a,24b,24c,24dの移動状態について図28を用いて説明する。図28において、ディスク1の回転数が増加するにつれて、バランサーの状態は白抜きの矢印の方向に変わる。図28において、ディスク1は質量アンバランスがないため重心Gの表示は省略している。
【0085】
図28の(a)はディスク1が停止している状態を示しており、ボール24a,24b,24c,24dはマグネット18に吸着されている。
図28の(b)はディスク1の加速初期の状態を示している。このとき、ディスク1の回転数が低く、[遠心力]<[磁力]の関係を有しているため、ボール24a,24b,24c,24dはまだマグネット18の磁力で隔壁保持体39を通して吸着されたままである。図28の(b)に示す状態において、ディスク1は右方向(時計方向)に回転しており、ボール24a,24b,24c,24dは慣性力のためディスク1の回転方向とは逆の左方向(反時計方向)に回転して隔壁保持体39の外周面を移動している。
【0086】
図28の(c)はディスク1の加速中期の状態を示している。このとき、ディスク1の回転数が高く、[遠心力]>[磁力]の関係を有しているため、ボール24a,24b,24c,24dはマグネット18の磁力から離脱し、中空環状部20の内側外周壁面25に到達する。このとき、ボール24a,24b,24c,24dは依然としてディスク1の回転方向とは逆方向(反時計方向)に移動している。
図28の(d)はディスク1の加速終期の状態を示しており、ボール24a,24b,24c,24dが隔壁38a,38b,40a,40bと接触している。しかし、2個の隔壁38a,38bはマグネット18に回転自由に保持されているため、ボール24b,24dの慣性力により、ボール24b,24dと隔壁38a,38bは一体的に左回転(反時計方向に回転)する。なお、固定された隔壁40a,40bに接触したボール24a,24cはその位置で停止する。
【0087】
図28の(e)はディスク1の加速終了の状態を示しており、ディスク1の回転数は最高速度の100Hzに到達している。この時までにボール24b,24dは2個の回転型隔壁38a,38bを押して、2個の固定型隔壁40a,40bに当接して停止しているボール24a,24cに当接して停止する。その後、ボール24b,24dの慣性力が低下し、ボール24a,24b,24c,24dと隔壁38a,38b,40a,40bの回転は接触した状態で停止する。
このように、回転型隔壁38a,38bと固定型隔壁40a,40bがそれぞれが180度離れた位置関係にあるため、ボール24a,24b,24c,24dが隔壁38a,38b,40a,40bに接触した位置で安定すれば、ボール24a,24b,24c,24dの重量によるアンバランスは全く発生しない。
【0088】
本発明の第5の実施例のディスク駆動装置において、回転型隔壁が2個、固定型隔壁が2個の計4個の隔壁により中空環状部を分割した例について説明したが、本発明は中空環状部を分割する隔壁の数は4個に限定されることはなく、4〜8個程度の隔壁により分割しても同様な効果を得ることができる。但し、質量アンバランスを有さない均一なディスクの場合において、ボールの配置の均一性を確保するために、回転型隔壁と固定型壁の個数は同数である方が好ましい。
本発明の第5の実施例のディスク駆動装置において、バランサーをクランパに設けた例で示したが、本発明のバランサーはディスクの回転中心と同軸で、ディスクと一体的に回転可能に設けられていれば、上記第5の実施例と同様の効果を得ることができる。例えば、バランサーをディスクを装着するターンテーブルに設けたり、スピンドルモータのロータ部に設けたり、またはサブベースのスピンドルモータと反対側に設けて、バランサーをスピンドルモータ軸と一体的で回転可能に構成してもよい。
前述の実施例2に示したように、隔壁に弾性体を取り付けたり、隔壁自体を弾性体で形成することは上記第5の実施例においても実施可能であり、そのように実施することにより、ディスクが低速で回転している場合に発生しやすい隔壁とボールとの衝突による騒音は改善できる。
また、本発明の第5の実施例のディスク駆動装置は、磁性を有するボールを使用した場合について説明したが、ボールの材質として非磁性を用いても磁性のボールを使用した場合と同様な結果が得られる。
【0089】
《第6の実施例》
次に、本発明の第6の実施例のディスク駆動装置について、図面を参照しながら説明する。図29は本発明の第5の実施例のディスク駆動装置のクランパに設けたバランサー226の内部構造を示した平面断面図である。なお、図29において前述の第1の実施例、第2の実施例、第3の実施例、第4の実施例および第5の実施例の説明におけるディスク駆動装置の要素と実質的に同じ機能を有する要素には同一符号を付し、先の実施例の説明を援用し、重複した説明は省略する。また、第6の実施例におけるバランサー226は前述の図1に示した縦断面図のバランサー221と同様に表れるため、第6の実施例のバランサー226に関する縦断面図は省略する。
【0090】
本発明の第6の実施例のディスク駆動装置におけるバランサー226は、クランパ16に設けられており、中空環状部20を4つの隔壁30a,30b,30c,30dにより分割して、円弧状のバランス室23a,23b,23c,23dを有している。バランサー226の中央にはマグネット18が設けられており、マグネット18の磁極(図29において磁極をN、Sで示す)が隔壁30a,30b,30c,30dに対して所定の位相関係となるよう配置されている。上記所定の位置関係を詳しく述べると、マグネット18の磁極は各隔壁30a,30b,30c,30dの近傍に配置されており、ディスク1の回転が停止または低速で回転している場合に、磁性体のボール24a,24b,24c,24dがマグネット18の磁極位置に吸着された状態を保つよう構成されている。
【0091】
図29は、第6の実施例のディスク駆動装置において、ディスク1の回転が停止または低速で回転している場合における隔壁30a,30b,30c,30dと磁性体のボール24a,24b,24c,24dとマグネット18との位置関係を示している。図29に示すように、マグネット18の磁極(N極、S極)の位置に対向する中空環状部20の各内側外周壁25a,25b,25c,25dの位置には弾性体41a,41b,41c,41dが埋設されている。
図29に示すバランサー226において、省略したディスク駆動装置に装着したディスク1は右回り(時計方向)に回転している。従って、前述の第1の実施例から第5の実施例の場合と同様に、ディスク1を回転させる場合の加速時において、ボール24a,24b,24c,24dが慣性力で移動して、隔壁30a,30b,30c,30dと接触する位置にマグネット18の磁極が配置されている。このようにマグネット18の磁極を配置することによって、ボール24a,24b,24c,24dはディスク1の停止時または低速回転時に、常に隔壁30a,30b,30c,30dに接触した位置で吸着され停止している。このような状態において、ディスク1を高速で回転させると、ボール24a,24b,24c,24dに作用する遠心力がマグネット18の磁力より大きくなったとき、隔壁30a,30b,30c,30dに沿ってボール24a,24b,24c,24dはマグネット18から離脱する。ディスク1の低速時においては、ボール24a,24b,24c,24dがマグネット18から離脱しないように磁力により吸着されていたため、離脱後のボール24の速度は急激に速いものとなる。
【0092】
しかし、隔壁30a,30b,30c,30dの近傍で内側外周壁面25a,25b,25c,25dは、ボール24a,24b,24c,24dの衝突予定面に弾性体41a,41b,41c,41dが設けられているため、第6の実施例のバランサー226は衝突時の衝撃を吸収する構成となっている。このように構成されているため、第6の実施例のディスク駆動装置は、ボール24a,24b,24c,24dと内側外周壁面25a,25b,25c,25dとの衝突時に発生する騒音は改善されている。
弾性体41a,41b,41c,41dの材質としては、天然ゴム、合成ゴム、スポンジなどの衝撃吸収材で形成されていればよく、ボール24a,24b,24c,24dと内側外周壁面25a,25b,25c,25dとの衝突の際の衝撃を吸収できる材質であればよい。内側外周壁面25a,25b,25c,25dの全面に弾性体を設けることも可能であるが、内側外周壁面25a,25b,25c,25dをボール24a,24b,24c,24dが容易に移動できるようにするためには、内側外周壁面25a,25b,25c,25dの平滑さおよびボール24a,24b,24c,24dの遠心力によって変形しない十分な剛性が必要となる。そのような要求を満たすためには、内側外周壁面25a,25b,25c,25dの材料としては成形精度の高いABS、ポリカーボネート、ポリアセタールなどの材料や、剛性の確保が可能な樹脂や、アルミニウム、真鍮などの金属材料が望ましい。
【0093】
前述の第1の実施例から第5の実施例におけるディスク駆動装置においては、マグネットの磁極の位置が特定されていないため、ボールがマグネットから離脱する位置を特定することができなかった。従って、実施例1から実施例5において、ボールと内側外周壁面との衝突音の回避は困難であった。しかし、実施例6のディスク駆動装置においては、ボール24a,24b,24c,24dのマグネット18から離脱する位置を特定することができるため、マグネット18からボール24a,24b,24c,24dが離脱する際に発生するボール24a,24b,24c,24dと内側外周壁面25a,25b,25c,25dとの衝突音の発生を大幅に抑制することができる。
【0094】
前述の第1の実施例から第5の実施例において、マグネットの磁力が大きい場合、マグネットから遠心力によってボールが離脱するとき、離脱するときのディスクの回転数は高く、ボールの離脱する速度は速くなる。このようにマグネットの磁力が大きい場合、ディスクを高速で回転させる場合、加速中において予定されていたディスクの回転数より遅れてボールがマグネットから離脱したとき、ボールと内側外周壁面との衝突により大きな衝撃音が発生することがある。
一方、マグネットの磁力が小さい場合には、ボールがマグネットから離脱するときのディスクの回転数が低く、ボールの離脱するときのディスクの速度は遅くなる。このようにマグネットの磁力が小さい場合には、ディスク駆動装置を縦置きでディスクを低速で回転させた時に、サブベースの振動などによる外乱により、ディスクが予定すの回転数に達する前にボールがマグネットから離脱し、ボールと隔壁が衝突する衝撃音が発生することがある。
第1の実施例から第5の実施例におけるディスク駆動装置において、マグネットの磁力は大きすぎても小さすぎても騒音の問題が発生しやすいため、マグネットが最適な磁力を発生できるように、マグネットには厳密な着磁作業が必要であった。
【0095】
本発明の第6の実施例のディスク駆動装置においては、マグネットの着磁作業に上記各実施例程には厳密性を必要としない。なぜならば、ボール24a,24b,24c,24dがマグネット18から離脱する位置を特定できるため、マグネット18からボール24a,24b,24c,24dが離脱し、内側外周壁面25a,25b,25c,25dに衝突する際の騒音に対して対策を実施することができる。従って、第6の実施例においては、マグネット18の磁力が余裕をもって十分に大きく着磁することができ、高精度の着磁作業を必要としないという優れた効果を有する。
本発明の第6の実施例のディスク駆動装置においては、中空環状部を分割する隔壁の数を4個の場合で説明したが、本発明は隔壁の数は4個に限定されるものではなく、中空環状部を2〜8個程度の隔壁により分割した構成でも第6の実施例と同様な効果を得ることができる。
また、本発明の第6の実施例のディスク駆動装置において、バランサーをクランパに設けた例で説明したが、バランサーはディスクの回転中心と同軸で、ディスクと一体的で回転可能に設けられていれば、第6の実施例と同様の効果を得ることができる。例えば、バランサーをディスクを装着するターンテーブルに設けたり、スピンドルモータのロータ部に設けたり、またはサブベースのスピンドルモータと反対側の位置に設けて、バランサーをスピンドルモータ軸と一体的で回転可能に構成してもよい。
【0096】
《第7の実施例》
次に、本発明の第7の実施例のディスク駆動装置について、図面を参照しながら説明する。図30は本発明の第7の実施例のディスク駆動装置のクランパに設けたバランサー227の内部構造を示した平面断面図である。なお、図30において前述の第1の実施例、第2の実施例、第3の実施例、第4の実施例、第5の実施例および第6の実施例におけるディスク駆動装置の要素と実質的に同じ機能を有する要素には同一符号を付し、先の実施例の説明を援用し、重複した説明は省略する。また、第7の実施例におけるバランサー227は前述の図1に示した縦断面図のバランサー221と同様に表れるため、第7の実施例のバランサー227に関する縦断面図は省略する。
本発明の第7の実施例のディスク駆動装置は、クランパ16に設けられたバランサーの中空環状部20を特殊な形状の隔壁42a,42b,42c,42dにより分割し、隔壁42a,42b,42c,42dに対するマグネット18の磁極(N極、S極)の位置を所定の関係となるよう構成したものである。
図30は、第7の実施例のディスク駆動装置のバランサーにおける隔壁42a,42b,42c,42dと磁性体のボール24a,24b,24c,24dとマグネット18の磁極との位置関係を示している。図30に示すように、隔壁42a,42b,42c,42dの近傍にマグネット18の磁極を配置し、ディスク1の回転が停止または低速で回転している場合には、磁性体のボール24a,24b,24c,24dがマグネット18の磁極位置に吸着された状態を保つよう構成したものである。また、隔壁42a,42b,42c,42dの形状は、曲面を有して、内側外周壁面25a,25b,25c,25dに連続するよう構成されている。
【0097】
図30に示すように、第7の実施例におけるバランサー227は、ディスク1を回転させる場合の加速時において、ボール24a,24b,24c,24dが慣性力で移動し、隔壁42a,42b,42c,42dに接触する予定の位置にマグネット18の磁極(N極、S極)が配置されている。それゆえ、ボール24a,24b,24c,24dはディスク1の停止時または低速回転時に常に隔壁42a,42b,42c,42dに接触した位置に吸着される。このような状態において、ディスク1を高速で回転させると、ボール24a,24b,24c,24dに作用する遠心力がマグネット18の磁力より大きくなったとき、ボール24a,24b,24c,24dは隔壁42a,42b,42c,42dに沿って移動し、マグネット18から離脱する。
第7の実施例において、隔壁42a,42b,42c,42dのボール当接面がバランサー227の中心から半径方向に延びた直線と平行な形状に形成されておらず、曲面を有する形状である。それにより、ボール24a,24b,24c,24dがマグネット18から離脱するとき、隔壁42a,42b,42c,42dの曲面に沿って転動しながら中空環状部20の内側外周壁面25a,25b,25c,25dに到達する。
図30に示すように、隔壁42a,42b,42c,42dから内側外周壁面25a,25b,25c,25dへ連続する曲面形状は、ボール24a,24b,24c,24dの曲率より小さい曲率で形成されている。それにより、ボール24a,24b,24c,24dが内側外周壁面25a,25b,25c,25dに到達する際には、ボール24a,24b,24c,24dの遠心力が内側外周壁面25a,25b,25c,25dに沿って転動する方向に変換される。従って、第7の実施例において、ボール24a,24b,24c,24dがマグネット18から離脱した後にボール24a,24b,24c,24dと内側外周壁面25a,25b,25c,25dが衝突することはなく、衝突時に発生する騒音が防止されている。
【0098】
以上のように、本発明の第7の実施例のディスク駆動装置においては、前述の第6の実施例の場合と同様に、ボールがマグネットから離脱する位置を特定でき、かつボールが内側外周壁面に衝突しないようにこ構成されているため、マグネットの磁力は余裕をもって十分に大きく着磁することができる。
本発明の第7の実施例のディスク駆動装置においては、中空環状部を分割する隔壁の数を4個の場合で説明したが、本発明は隔壁の数は4個に限定されるものではなく、中空環状部を2〜8個程度の隔壁により分割した構成でも第7の実施例と同様な効果を得ることができる。
また、本発明の第7の実施例のディスク駆動装置において、バランサーをクランパに設けた例で説明したが、バランサーはディスクの回転中心と同軸で、ディスクと一体的で回転可能に設けられていれば、第7の実施例と同様の効果を得ることができる。例えば、バランサーをディスクを装着するターンテーブルに設けたり、スピンドルモータのロータ部に設けたり、またはサブベースのスピンドルモータと反対側の位置に設けて、バランサーをスピンドルモータ軸と一体的で回転可能に構成してもよい。
【0099】
【発明の効果】
以上のように、本発明のディスク駆動装置によれば、中空環状部で示した環状軌道を隔壁により複数の円弧状の軌道に分割し、各軌道を移動するバランス部材で構成されたバランサーをディスクと一体的で回転可能に設けることにより、ディスクの質量アンバランスの大小に関わらず、ディスクを高速回転させた場合に発生しやすい振動を確実に抑制することができる効果を奏する。
この効果によって、本発明は、ディスクを高速回転させても安定した記録または再生が可能であり、低騒音で、かつ強い耐振動・耐衝撃特性を有した高速なデータ転送が可能なディスク駆動装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるディスク駆動装置のスピンドルモータの近傍を示す側面断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例におけるディスク駆動装置のバランサーのボールに作用する力を示す平面断面図である。
【図3】本発明の第1の実施例におけるディスク駆動装置で質量アンバランスを有するディスクを高速回転させた場合のバランサーにおけるボールの動きを説明する図である。
【図4】本発明の第1の実施例におけるディスク駆動装置で質量アンバランスのない均一なディスクを高速回転させた場合のバランサーにおけるボールの動きを説明する図である。
【図5】本発明の第1の実施例におけるディスク駆動装置の別のバランサーの構成を示す平面断面図である。
【図6】本発明の第1の実施例におけるディスク駆動装置の別のバランサーの構成を示す平面断面図である。
【図7】本発明の第1の実施例におけるディスク駆動装置の別のバランサーの構成を示す平面断面図である。
【図8】本発明の第1の実施例におけるディスク駆動装置の別のバランサーの構成を示す平面断面図である。
【図9】本発明の第1の実施例におけるディスク駆動装置の別のバランサーの構成を示す平面断面図である。
【図10】本発明の第1の実施例におけるディスク駆動装置の別のバランサーの構成を示す平面断面図である。
【図11】本発明の第1の実施例におけるディスク駆動装置の別のバランサーの構成を示す平面断面図である。
【図12】本発明の第1の実施例におけるディスク駆動装置の別のバランサーの構成を示す平面断面図である。
【図13】本発明の第1の実施例におけるディスク駆動装置の他の2種類のバランサーの構成を示す平面断面図(a)と縦断面図(b)である。
【図14】本発明の第2の実施例におけるディスク駆動装置のバランサーの構成を示す平面断面図である。
【図15】本発明の第2の実施例におけるディスク駆動装置の別のバランサーの構成を示す平面断面図である。
【図16】本発明の第2の実施例におけるディスク駆動装置の別のバランサーの構成を示す平面断面図である。
【図17】本発明の第3の実施例におけるディスク駆動装置のバランサーの構成を示す平面断面図である。
【図18】本発明の第1の実施例におけるディスク駆動装置のバランサーにおける問題点を説明する図である。
【図19】本発明の第3の実施例におけるディスク駆動装置の別のバランサーの構成を示す平面断面図である。
【図20】本発明の第4の実施例におけるディスク駆動装置で質量アンバランスを有するディスクを高速回転させた場合のバランサーにおけるボールの動きを説明する図である。
【図21】本発明の第4の実施例におけるディスク駆動装置で質量アンバランスのない均一なディスクを高速回転させた場合のバランサーにおけるボールの動きを説明する図である。
【図22】本発明の第4の実施例におけるディスク駆動装置の別のバランサーの構成を示す平面断面図である。
【図23】本発明の第4の実施例におけるディスク駆動装置の別のバランサーの構成を示す平面断面図である。
【図24】本発明の第4の実施例におけるディスク駆動装置の別のバランサーの構成を示す平面断面図である。
【図25】本発明の第4の実施例におけるディスク駆動装置の別のバランサーの構成を示す平面断面図である。
【図26】本発明の第4の実施例におけるディスク駆動装置の別のバランサーの構成を示す平面断面図である。
【図27】本発明の第5の実施例におけるディスク駆動装置で質量アンバランスを有するディスクを高速回転させた場合のバランサーにおけるボールの動きを説明する図である。
【図28】本発明の第5の実施例におけるディスク駆動装置で質量アンバランスを有するディスクを高速回転させた場合のバランサーにおけるボールの動きを説明する図である。
【図29】本発明の第6の実施例におけるディスク駆動装置のバランサーの構成を示す平面断面図である。
【図30】本発明の第7の実施例におけるディスク駆動装置のバランサーの構成を示す平面断面図である。
【図31】従来のディスク駆動装置を示す斜視図である。
【図32】従来のディスク駆動装置のスピンドルモータの近傍を示す側面断面図である。
【図33】従来のディスク駆動装置におけるバランサーのボールの動きを説明する図である。
【符号の説明】
1 ディスク
2 スピンドルモータ
6 サブベース
7 インシュレータ
8 メインベース
10 ターンテーブル
16 クランパ
18 マグネット
20 中空環状部
23a,23b,23c,23d 円弧状のバランス室
24a,24b,24c,24d ボール
25a,25b,25c,25d 内側外周壁面
30a,30b,30c,30d 隔壁
221 バランサー

Claims (21)

  1. 複数の円弧状の軌道と、前記円弧状の軌道上を移動可能に設けられたバランス部材とを有するバランサーを具備することを特徴とするディスク駆動装置。
  2. 環状軌道を複数に分割する分割手段と、前記分割手段により形成される円弧状の軌道と、前記円弧状の軌道上を移動可能に設けられたバランス部材とを有するバランサーを具備することを特徴とするディスク駆動装置。
  3. 前記分割手段が衝撃を吸収するように構成されていることを特徴とする請求項2記載のディスク駆動装置。
  4. 前記円弧状の軌道の少なくとも一部において、ディスクの回転軸から少なくとも1個の軌道までの距離が、前記ディスクの回転方向において増加していることを特徴とする請求項1または2記載のディスク駆動装置。
  5. 前記分割手段が環状軌道に対して回転可能に保持されていることを特徴とする請求項2または3記載のディスク駆動装置。
  6. 前記バランス部材が磁性材料で形成され、前記分割手段の近傍に磁極を配置した磁界発生手段を具備することを特徴とする請求項2または3記載のディスク駆動装置。
  7. 前記バランス部材が磁性材料で形成され、前記分割手段の近傍に磁極を配置した磁界発生手段を具備し、前記環状軌道において前記磁界発生手段の磁極の位置と対向する位置に衝撃吸収材を設けたことを特徴とする請求項2または3記載のディスク駆動装置。
  8. 前記バランス部材が磁性材料で形成され、前記バランス部材を磁力吸引するための磁界発生手段を具備し、前記分割手段と前記環状軌道との接続部分が曲面により形成されたことを特徴とする請求項2または3記載のディスク駆動装置。
  9. 前記環状軌道が複数あることを特徴とする請求項2記載のディスク駆動装置。
  10. 複数の円弧状の軌道と、前記円弧状の軌道上を移動可能に設けられたバランス部材とを有することを特徴とするディスク駆動装置用バランサー。
  11. 環状軌道を複数に分割する分割手段と、前記分割手段により形成される円弧状の軌道と、前記円弧状の軌道上を移動可能に設けられたバランス部材とを有することを特徴とするディスク駆動装置用バランサー。
  12. 前記分割手段が衝撃を吸収するよう構成されていることを特徴とする請求項11記載のディスク駆動装置用バランサー。
  13. 前記円弧状の軌道の少なくとも一部において、ディスクの回転軸から少なくとも1個の軌道までの距離が前記ディスクの回転方向において増加していることを特徴とする請求項10または11記載のディスク駆動装置用バランサー。
  14. 前記分割手段が前記環状軌道に対して回転可能に保持されていることを特徴とする請求項11記載のディスク駆動装置用バランサー。
  15. 前記バランス部材が磁性材料で形成され、前記バランス部材を磁力吸引するための磁界発生手段を具備することを特徴とする請求項10または11記載のディスク駆動装置用バランサー。
  16. 前記バランス部材が磁性材料で形成され、前記バランス部材を磁力吸引するための磁界発生手段を具備し、前記分割手段と前記環状軌道との接続部分が曲面により形成されていることを特徴とする請求項11記載のディスク駆動装置用バランサー。
  17. 複数の円弧状の軌道と、前記円弧状の軌道上を移動可能に設けられたバランス部材とを有するバランサーを具備し、ターンテーブルに載置されたディスクを回転可能に挟持するよう構成されたことを特徴とするディスク駆動装置用クランパ。
  18. 複数の円弧状の軌道と、前記円弧状の軌道上を移動可能に設けられたバランス部材とを有するバランサーを具備することを特徴とするディスク駆動装置用スピンドルモータ。
  19. 複数の円弧状の軌道と、前記円弧状の軌道上を移動可能に設けられたバランス部材とを有するバランサーを具備し、前記バランサーがロータと一体的に回転可能に設けられたディスク駆動装置用スピンドルモータ。
  20. 複数の円弧状の軌道と、前記円弧状の軌道上を移動可能に設けられたバランス部材とを有するバランサーを具備し、前記バランサーがスピンドル軸と一体的に回転可能に設けられたディスク駆動装置用スピンドルモータ。
  21. 複数の円弧状の軌道と、前記円弧状の軌道上を移動可能に設けられたバランス部材とを有するバランサーを具備し、装着されたディスクが載置され、前記ディスクを回転可能に支持するディスク駆動装置用ターンテーブル。
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