JP2006283856A - ハイブリッド車の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 EV走行時および回生走行時における動力損失を低減してハイブリッド車の燃費を向上させる。
【解決手段】 エンジンと、第2モータ・ジェネレータと、少なくとも二組の遊星歯車機構とを備え、低速モードと、中速モードと、高速モードとを設定可能なハイブリッド車を対象とする制御装置であって、前記ハイブリッド車が前記原動機を停止して走行することを判断する走行状態判断手段(ステップS2)と、前記原動機を停止して前記ハイブリッド車が走行することが判断された場合に前記中速モードを禁止する中速モード禁止手段(ステップS3)とを備えている。したがってEV走行時や回生走行時に動力循環を回避して燃費を向上させることができる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、車両の走行のための動力源として複数種類の動力装置を備えているハイブリッド車の制御装置に関し、特に複数の運転モードを設定可能なハイブリッド車の制御装置に関するものである。
この種の駆動装置の一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された駆動装置では、エンジンの出力トルクが、二組の遊星歯車機構を組み合わせて構成された歯車機構もしくはラビニョ型遊星歯車機構を介して第1モータ/発電機とシャフトならびにスリーブシャフトとに分配されるとともに、第1モータ/発電機によって生じた電力で駆動される第2モータ/発電機がスリーブシャフトに連結されている。さらにそのスリーブシャフトと第3の遊星歯車機構におけるサンギヤとが連結されるとともに、その第3の遊星歯車機構におけるキャリヤが出力部材に連結され、その出力部材と前記シャフトとの間にクラッチが設けられ、かつ第3遊星歯車機構のリングギヤを選択的に固定するブレーキが設けられている。
この特許文献1に記載された装置では、第1モータ/発電機の回転数を制御することによりエンジンの回転数を燃費が最適となる回転数に設定することができ、その際に第1モータ/発電機が発電をおこない、その電力で第2モータ/発電機を駆動することにより、装置全体としての出力軸トルクを必要十分なトルクとすることができる。また、第1モータ/発電機もしくは第2モータ/発電機の回転数がゼロとなるメカニカルポイントでは、エンジンの動力の一部を電力に変換して出力側に伝達することがないので、動力の伝達効率が良好になる。
また、この特許文献1に記載された装置によれば、ブレーキやクラッチの係合の組み合わせを切り換えることにより遊星歯車機構の回転要素同士の連結状態が変更され、作動モードが切り換えられる。これらの作動モードは2種類用意され、車両の走行状態に合わせて切り換えることで動力伝達効率が最適となるように作動モードを設定することができる。
特開2000−62483号公報
上記の特許文献1に記載されている各作動モードは、動力伝達経路を構成している遊星歯車機構の回転要素同士を、クラッチなどによって適宜に連結することにより設定される。そして、各作動モードで設定される変速比は、回転要素同士の連結の仕方で異なるのみならず、使用される遊星歯車機構のギヤ比(サンギヤの歯数とリングギヤの歯数との比)によっても異なる。すなわち、動力伝達経路を構成するギヤリングに選択の余地があるが、例えば広い変速比領域のいずれにおいてもモータ/発電機の出力を低減するようにギヤトレーンを構成すると、変速比が小さい状態でトルク不足が生じないようにするために、モータ/発電機のトルクを大きくしなければならなくなる。これに対して、モータ/発電機のトルクが小さくて良いようにギヤトレーンを構成すると、モータ/発電機の出力(特に回転数)が大きくなる課題があった。その結果、従来では、設定できるモードが二つであることと相まって、例えば高車速状態で、第1モータ/発電機の回転数が大きくなり、ピニオン回転数の制限などにより、エンジンの回転数が最適燃費状態から外れ、燃費が悪化する可能性があった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、エネルギー効率を向上させることのできるハイブリッド車の制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、第1の差動機構を構成する第1入力要素に原動機が連結されるとともにその差動機構における第1反力要素に発電機能を有する第1電動機が連結され、さらにその差動機構における第1出力要素に前記第1電動機との間で電力を授受できかつ発電機能のある第2電動機が連結され、さらに互いに差動作用を行う第2入力要素と第2反力要素と第2出力要素とを有しかつ前記第1出力要素から入力されたトルクを増幅して出力する低速モードと前記第1の差動機構と共に四つの回転要素を有する複合差動機構を構成する中速モードと前記第1出力要素から入力されたトルクをそのまま出力する高速モードとを設定する第2の差動機構が設けられたハイブリッド車の制御装置において、前記ハイブリッド車が前記原動機を停止して走行することを判断する走行状態判断手段と、前記原動機を停止して前記ハイブリッド車が走行することが判断された場合に前記中速モードを禁止する中速モード禁止手段とを備えていることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記原動機を停止して前記ハイブリッド車が走行することが判断された場合に、前記ハイブリッド車の走行状態に応じて前記低速モードと前記高速モードとのいずれかを選択的に設定する運転モード設定手段を更に備えていることを特徴とするハイブリッド車の制御装置である。
さらに、請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記各運転モードを設定するように前記各要素を選択的に連結もしくは固定する複数の係合機構と、前記運転モードを低速モードと高速モードとの間で切り替える場合に、前記原動機の回転数を前記第1電動機により低速モードと中速モードとの同期回転数に設定した状態で所定の係合機構を係合させて中速モードを設定しかつ前記原動機の回転数を中速モードと高速モードとの同期回転数に設定した状態で他の所定の係合機構を係合させて高速モードを設定する切替制御手段とを備えていることを特徴とするハイブリッド車の制御装置である。
またさらに、請求項4の発明は、請求項2の発明において、前記各運転モードを設定するように前記各要素を選択的に連結もしくは固定する複数の摩擦係合機構と、前記運転モードを低速モードと高速モードとの間で切り替える場合に、低速モードを設定するための摩擦係合機構と高速モードを設定するための摩擦係合機構とのいずれか一方をスリップさせつつ次第に係合させ、かつ他方をスリップさせつつ次第に解放させる切替制御手段とを備えていることを特徴とするハイブリッド車の制御装置である。
一方、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記第2の差動機構は、前記第1出力要素に連結された第1サンギヤと、該第1サンギヤに隣接して配置された第2サンギヤと、これらのサンギヤに対して同心円上に配置されかつ出力部材に連結されたリングギヤと、前記第2サンギヤおよびリングギヤに噛み合うピニオンギヤならびに該ピニオンギヤおよび前記第1サンギヤに噛み合う他のピニオンギヤを保持するキャリヤとを回転要素とするラビニョ型遊星歯車機構によって構成され、前記第1サンギヤを選択的に固定するブレーキ機構と、前記キャリヤを前記第1入力要素に選択的に連結する第1クラッチ機構と、前記第2遊星歯車機構における少なくともいずれか二つの回転要素を選択的に連結して第2遊星歯車機構の全体を一体化する第2クラッチ機構とを備え、これらのブレーキ機構および各クラッチ機構の係合・解放の状態に応じて少なくとも三つの運転モードを設定するように構成されていることを特徴とするハイブリッド車の制御装置である。
また、請求項6の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記第2の差動機構は、前記第1出力要素に連結されたサンギヤと、このサンギヤに対して同心円上に配置されたリングギヤと、このサンギヤおよびリングギヤに噛み合うピニオンギヤを保持するキャリヤとを回転要素とするシングルピニオン型遊星歯車機構によって構成され、前記リングギヤを選択的に固定するブレーキ機構と、前記キャリヤを前記第1入力要素に選択的に連結する第1クラッチ機構と、前記キャリヤを前記出力部材に選択的に連結する第2クラッチ機構と、前記リングギヤを前記出力部材に選択的に連結する第3クラッチ機構とを備え、これらのブレーキ機構および各クラッチ機構の係合・解放の状態に応じて少なくとも三つの運転モードを設定するように構成されていることを特徴とするハイブリッド車の制御装置である。
請求項1の発明によれば、原動機の出力した動力を第1の差動機構によって第1電動機と出力部材とに分配し、もしくは原動機と第1電動機との動力を第1の差動機構によって合成して出力部材に出力し、その出力部材に対して第2電動機によって動力を加減することに加え、その出力部材を第2の差動機構に連結し、あるいは各差動機構の所定の回転要素を互いに連結することにより、少なくとも三つの運転モードを設定することができる。そして、原動機を停止して走行する場合、すなわち、いずれかの電動機の出力する動力で走行し、あるいは車両の有する慣性力で走行しつついずれかの電動機でエネルギー回生を行う場合、中速モードが禁止される。その結果、相対的に動力損失の大きい中速モードが設定されないので、電力の消費を抑制し、また回生効率を向上させることができ、ひいてはハイブリッド車の燃費を向上させることができる。
また、請求項2の発明によれば、いずれかの電動機の動力で走行する場合、あるいはハイブリッド車の有する走行慣性力でエネルギー回生しつつ走行する場合、第2の差動機構を減速機として機能させる低速モードと、第2の差動機構をいわゆる直結状態として出力部材のトルクをそのまま出力する高速モードとのいずれかが選択的に設定される。したがって低車速時や高車速時において、電動機を高速回転させたり、あるいはその出力トルクを大きくしたりする必要が少なくなり、その結果、効率の良い走行を行うことができるとともに、電動機の大容量化や大型化を回避することができる。
さらに、請求項3の発明によれば、運転モードを低速モードと高速モードとの間で切り替える場合、一時的に中速モードが経由される。この中速モードは、前記各差動機構の所定の回転要素を互いに連結していわゆる四要素の複合差動機構を構成する運転モードであるから、運転モードを設定するための係合機構の係合・解放状態の切り替えによって原動機などの回転部材の回転数が変化しない同期状態が、低速モードと高速モードとのいずれの間にも存在する。上述した電動機での走行時やエネルギー回生状態での走行時に運転モードを切り替える場合、その同期状態で係合機構が切り替えられ、その結果、運転モードの変更に伴うショックを防止もしくは抑制することができる。
またさらに、請求項4の発明によれば、上述した電動機での走行時やエネルギー回生状態での走行時に、低速モードと高速モードとの間で運転モードを切り替える場合、一方の運転モードを設定している摩擦係合機構をスリップさせつつ次第に解放させ、同時に他方の運転モードを設定するための摩擦係合装置をスリップさせつつ次第に係合させる。そのため、中速モードを経由しないので、短時間に運転モードを切り替えることができる。また、摩擦係合装置をいわゆるスリップ係合およびスリップ解放させるものの出力部材に掛かるトルクが相対的に小さい状態であるから、いずれかの電動機でトルク補償を行って切替ショックを防止もしくは抑制することが容易であり、また摩擦係合装置の大型化を抑制できる。
そして、請求項5の発明あるいは請求項6の発明によれば、上述した請求項1ないし4のいずれかの発明と同様の作用・効果に加え、一つの差動機構と、一つのラビニョ型遊星歯車機構もしくはシングルピニオン型遊星歯車機構と、三つの係合機構とによって、三つの運転モードを設定することができる。
つぎにこの発明を具体例に基づいて説明する。図6はこの発明の第1の具体例を示す図であって、ここに示す具体例では、原動機としての内燃機関(エンジン:ENG)1と、発電機能のある電動機として二つのモータ・ジェネレータ(MG1、MG2)2,3とが動力源として設けられ、また、二組の遊星歯車機構21,22が用いられている。そのエンジン1は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン、あるいは天然ガスエンジンなどの燃料を燃焼して動力を出力する動力機関であり、好ましくはスロットル開度などの負荷を電気的に制御でき、また所定の負荷に対して回転数を制御することにより燃費が最も良好な最適運転点に設定できる内燃機関である。
このエンジン1がこの発明の第1の差動機構に相当する第1の遊星歯車機構21に連結されている。第1遊星歯車機構21は、要は、差動作用を成す三要素の機構であれば良く、図6に示す例ではシングルピニオン型の遊星歯車機構であって、動力分配機構を構成しており、そのキャリヤ15にエンジン1のクランクシャフトなどの出力部材が連結されている。なお、エンジン1とキャリヤ15との間に、発進用のクラッチやトルクコンバータ(ロックアップクラッチ付のトルクコンバータ)などの動力伝達機構を適宜に設けてもよいことは勿論である。したがってキャリヤ15が入力要素となっている。
また、第1遊星歯車機構21のサンギヤ14に第1モータ・ジェネレータ(MG1)2が連結されている。この第1モータ・ジェネレータ2は、一例として、ロータ5に永久磁石を備えた同期電動機によって構成されており、発電機および電動機として機能するように構成されている。そして、そのロータ5がサンギヤ14に連結され、ステータがケーシング11などに固定されている。したがってサンギヤ14が反力要素となっている。
前記キャリヤ15によって回転自在に保持しているピニオンギヤP1がサンギヤ14に噛み合っており、さらにそのサンギヤ14と同心円上に配置された内歯歯車であるリングギヤ16にそのピニオンギヤP1が噛み合っている。したがって、リングギヤ16が出力要素となっている。
このリングギヤ16が第2遊星歯車機構22のサンギヤ18に連結されるとともに、第2モータ・ジェネレータ3にも連結されている。この第2モータ・ジェネレータ(MG2)3は前述した第1モータ・ジェネレータ2と同様に、発電機能と電動機としての機能とを備えた同期電動機が一例として使用される。そして、第2モータ・ジェネレータ3のロータ7が第1遊星歯車機構21のリングギヤ16と第2遊星歯車機構22のサンギヤ17とに連結され、コイルを有するステータ6がケーシング11などの固定部に固定されている。
第2遊星歯車機構22はこの第2モータ・ジェネレータ3に隣接して、エンジン1とは反対側(図6での右側)に、同軸上に配置されている。これは、第2モータ・ジェネレータ3のロータ7の内周側に位置する構成部品を少なくしてその小径化に対する阻害要因をなくすためである。この第2遊星歯車機構22は、ラビニョ型遊星歯車機構であって、実質上、変速機もしくは運転モード切換機構を構成している。
すなわち、この第2遊星歯車機構22は第1サンギヤ(S1)17と第2サンギヤ(S2)18とが設けられており、その第1サンギヤ17にショートピニオンギヤ72が噛合するとともに、そのショートピニオンギヤ72がこれより軸長の長いロングピニオンギヤ73に噛合し、そのロングピニオンギヤ73が前記各サンギヤ17,18と同心円上に配置されたリングギヤ(R)19に噛合している。なお、各ピニオンギヤ72,73は、キャリヤ(C)20によって自転かつ公転自在に保持されている。また、第2サンギヤ18がロングピニオンギヤ73に噛合している。したがって第1サンギヤ17とリングギヤ19とは、各ピニオンギヤ72,73と共にダブルピニオン型遊星歯車機構に相当する機構を構成し、また第2サンギヤ18とリングギヤ19とは、ロングピニオンギヤ73と共にシングルピニオン型遊星歯車機構に相当する機構を構成している。
そして、第1サンギヤ17を選択的に固定する第1ブレーキB1と、前記キャリヤ20と伝達軸12とを選択的に連結する第1のクラッチC1と、第2遊星歯車機構22における所定の二つの回転要素、具体的には、サンギヤ17,18同士を選択的に連結する第2のクラッチC2とが設けられている。なお、伝動軸12は第1遊星歯車機構21のキャリヤ15に連結されている。これらのブレーキB1、クラッチC1,C2は摩擦力によって係合力を生じるいわゆる摩擦係合装置であり、多板形式の係合装置あるいはバンド形式の係合装置を採用することができる。そして、これらのブレーキB1、クラッチC1,C2は、油圧や電磁力などによる係合力に応じてそのトルク容量が連続的に変化するように構成されている。
さらに、第2サンギヤ18に第1遊星歯車機構21の出力要素であるリングギヤ16が接続され、また一方、リングギヤ19がディファレンシャル8を介してドライブシャフト9に接続され、さらにドライブシャフト9は車輪10に接続されている。したがって、上記の第2遊星歯車機構22は、第2サンギヤ18がいわゆる入力要素であり、またリングギヤ19が出力要素となっている。
そして、電子制御装置100が設けられ、各モータ・ジェネレータ2,3がバッテリなどの所定の蓄電装置およびインバータに接続され、そのインバータを制御することにより各モータ・ジェネレータ2,3のトルクや回転数あるいは発電量などを制御するように構成されている。さらに、各クラッチC1,C2を係合状態あるいは解放状態に制御できるようになっている。
上記の各クラッチC1,C2、およびブレーキB1を係合・解放させることにより三つの運転モード(あるいは動力伝達経路)を設定することができる。その運転モードを設定するための各クラッチC1,C2およびブレーキB1の係合・解放状態を示す作動係合表を図7に示してある。なお、図7において「on」は係合状態を示し、「off」は解放状態を示す。これらの各運転モードを簡単に説明すると、先ず、低速モードは、図6に示すハイブリッド駆動装置が搭載され車両が低車速で走行する際に設定されるモードであり、ブレーキB1を係合させて第2遊星歯車機構22を減速機として機能させるモードである。したがって、第1遊星歯車機構21は、第2遊星歯車機構22に対してリングギヤ16のみが連結されているので、単独で増減速作用もしくは動力の合成・分配作用を行い、その動力を第2遊星歯車機構22に伝達する。これに対して、第2遊星歯車機構22は、サンギヤ17がブレーキB1によって固定され、その状態でサンギヤ18に第1遊星歯車機構21からトルクが伝達されるので、そのサンギヤ18が入力要素、サンギヤ17が固定要素(もしくは反力要素)、リングギヤ19が出力要素となる。したがって、第2遊星歯車機構22が減速機として機能する。
この状態における共線図を図8に示してある。図8はモータ・ジェネレータ2,3の動力で発進もしくは走行するいわゆるEV走行状態あるいはハイブリッド車の有する慣性エネルギーを回生している回生走行状態についての図であり、直線Aが第1遊星歯車機構21の状態を示し、直線Bが第2遊星歯車機構22の状態を示している。EV走行の場合、第2モータ・ジェネレータ3がモータとして機能して駆動トルクを出力し、これに対して第1モータ・ジェネレータ2が発電機として機能する。したがって第1遊星歯車機構21のリングギヤ16と第2遊星歯車機構22における第2のサンギヤ18とが正回転方向に駆動され、また第1遊星歯車機構21のサンギヤ14が逆回転方向に回転する。その場合、キャリヤ15およびこれに連結されたエンジン1の回転が止まるように、各モータ・ジェネレータ2,3の回転数が制御される。
他方、第2遊星歯車機構22では、ブレーキB1によって第1のサンギヤ17が固定されているので、出力要素となるリングギヤ19が、第2遊星歯車機構22においては入力要素となる第2のサンギヤ18より低速度で正方向に回転する。すなわち、第2遊星歯車機構22に入力された動力が、減速されて出力軸13に出力され、したがって第2遊星歯車機構22が減速機として機能して出力トルクが増幅される。
なお、回生走行時には、動力が出力軸13側から入力され、トルクの作用方向が上記の場合とは反対になるから、各モータ・ジェネレータ2,3が発電機として機能する。
車速がある程度増大した後に、中速モードに切り替えられる。この中速モードは、図7に示すように、第1のクラッチC1を係合させて設定される。すなわち、低速モードを設定していたブレーキB1を解放するとともに、第1のクラッチC1を係合させることになる。その第1のクラッチC1は、各遊星歯車機構21,22のキャリヤ15,20同士を連結するものであるから、これらのキャリヤ15,20の回転数が異なっている状態で係合させれば、その係合に伴ってキャリヤ15,20の回転数の変化が生じる。その場合のショックを防止もしくは抑制するために、クラッチC1を滑りを伴って次第に係合させ、あるいは各キャリヤ15,20の回転数を一致させた状態で係合させる同期切替を実行する。
図9は、一例として同期状態での共線図であって、第1モータ・ジェネレータ2の回転数を低下させ、あるいはエンジン1を起動して回転させ、もしくはこれらとともに第2モータ・ジェネレータ3の回転数を低下させると、図9に示す共線図上で各直線A,Bの勾配が互いに近づく方向に変化し、ついには重なる。すなわち、第1のクラッチC1で連結される各キャリヤ15,20の回転数が一致する。この状態が低速モードと中速モードとの同期状態であり、この状態でブレーキB1が解放され、また第1クラッチC1が係合させられ、運転モードが切り替えられる。したがってこのような同期切替によれば、係合装置の係合・解放状態の切り替えによっては回転部材の回転数が変化しないので、ショックを回避もしくは抑制することができる。
なお、中速モードでは、第1遊星歯車機構21のリングギヤ16が第2遊星歯車機構22の第2のサンギヤ18に連結され、かつ第1の遊星歯車機構21のキャリヤ15が第2遊星歯車機構22のキャリヤ20に連結されるので、これら二つの遊星歯車機構21,22が、四つの回転要素を備えた複合遊星歯車機構(複合差動機構)を構成する。したがってその共線図は図9に直線Aと直線Bとを重ねて記載した一本の直線で回転数を示す図となる。
さらに、より高速で走行する場合に適した高速モードについて説明すると、この高速モードは、図7に示すように、第2のクラッチC2を係合させることにより設定される。したがって第2遊星歯車機構22は、所定の二つの回転要素、具体的には二つのサンギヤ17,18が連結されるのでその全体が一体化される。そのため、第2遊星歯車機構22についての共線図は、図10および図11に横一直線で示す直線Bで表される。なお、共線図上でのその位置は、ハイブリッド車が走行していれば、車速が「0」を示す線より車速に応じた上側の位置である。したがって第1遊星歯車機構21についての共線図が、上記の直線Bと同様に、車速に応じた位置での横一直線で表される状態を設定すれば、その状態が中速モードと高速モードとの同期状態となる。第1のクラッチC1で連結される各キャリヤ15,20の回転数、および第2のクラッチC2で連結されるサンギヤ17,18の回転数が同じになるからである。その状態を図10に示してある。
そして、高速モードでは、第1クラッチC1および第1ブレーキB1が、解放状態とされるから、第1遊星歯車機構21は前述した低速モードの場合と同様の状態になる。すなわち、EV走行の場合には、第2モータ・ジェネレータ3をモータとして駆動し、かつ第1モータ・ジェネレータ2を発電機として機能させるとともにその回転数によってエンジン1をその回転を止める状態に制御する。あるいは回生走行の場合には、エンジン1を止めた状態で各モータ・ジェネレータ2,3を発電機あるいはモータとして機能させる。その場合、第2遊星歯車機構22はその全体が一体となって回転するから、すなわち直結状態となるから、各モータ・ジェネレータ2,3の回転数は、低速モードの場合に比較して低回転数となる。
ところで、この発明に係る上記のハイブリッド車では、エンジン1を駆動するとともに、その動力を第1モータ・ジェネレータ2と出力軸13に分配し、その際に第1モータ・ジェネレータ2で得られた電力で第2モータ・ジェネレータ3をモータとして駆動するとともにその動力を出力軸13に加え、さらに第1モータ・ジェネレータ2によってエンジン1を最適燃費点で運転するように制御することができる。また、エンジン1を停止し、あるいは非駆動状態として、EV走行や回生走行が可能である。これに対して、上記の中速モードは、各遊星歯車機構21,22によって複合遊星歯車機構を構成して設定されるから、低速モードや高速モードとは異なった動作状態となる。そこで、この発明に係る制御装置は、EV走行や回生走行の場合に以下に述べる制御を実行するように構成されている。
図1はその制御の一例を示しており、ここに示すルーチンは、所定の短時間毎に繰り返し実行される。先ず、入力信号の処理が実行される(ステップS1)。ここで、入力信号は、エンジン回転数や車速、設定されている運転モード、各モータ・ジェネレータ2,3についてバッテリの充電状態(SOC:State of Charge)、アクセル開度などで表されるエンジン要求出力、EV走行の選択スイッチからの信号などである。
つぎに、ハイブリッド車の運転状態が、EV走行もしくは回生走行を行う状態か否かが判断される(ステップS2)。例えばEV走行選択スイッチがオン操作されている場合には、EV走行を行うことが判断され、またバッテリが電力を十分に受容できる状態でかつ減速走行している場合には、ハイブリッド車の有する慣性エネルギーを回生するために回生走行を行うことが判断される。
このステップS2で否定的に判断された場合、すなわちエンジン1を駆動して走行する運転状態の場合には、特に制御を行うことなくリターンする。これとは反対にステップS2で肯定的に判断された場合には、中速モードが禁止される(ステップS3)。設定するべき運転モードの判断は、アクセル開度で代表される要求駆動力や車速などをパラメータとした運転領域として予め定めておき、検出された車速やアクセル開度などの運転状態がいずれの運転領域に属するかを判断して行うことができる。このような運転領域をマップとして用意しておく場合には、中速モードに相当する運転領域を設定していないマップに切り替えることによりステップS3の禁止制御を実行することができる。あるいは検出されたデータを補正して、中速モードの判断が成立しないようにしてもよい。
ついで、検出された運転状態に応じて低速モードもしくは高速モードが設定される(ステップS4)。中速モードを禁止した場合、通常状態では中速モードが設定される運転領域が、低速モードもしくは高速モードの運転領域とされ、したがってこのような二つの運転モードを設定したマップに基づいて制御を行うことにより、低速モードと高速モードとのいずれかによってEV走行もしくは回生走行することになる。
中速モードでは、各遊星歯車機構21,22が四要素の複合遊星歯車機構を構成し、この中速モードでエンジン1の回転を止めてEV走行すると、第1モータ・ジェネレータ2がモータとして駆動トルクを出力し、そのトルクの一部を第2モータ・ジェネレータ3が受けて発電機として動作し、さらにその第2モータ・ジェネレータ3で生じた電力を第1モータ・ジェネレータ2に供給することになる。すなわち、第1モータ・ジェネレータ2の出力した動力の一部を、動力の流れ方向でのいわゆる下流側で第2モータ・ジェネレータ3によって電力に変化し、その電力をいわゆる上流側の第1モータ・ジェネレータ2に戻すことになる。これが、いわゆる電力動力循環と称される状態であり、動力損失の要因になる。この動力循環を可及的に抑制するためには、エンジン1を回転させればよいが、このような制御を行うと、エンジン1を不必要に連れ回りさせて摩擦による動力損失が生じる。
また一方、回生走行は、出力軸13側から入力されるトルクによっていずれかのモータ・ジェネレータ2,3で電力としてエネルギー回生を行う状態であり、エンジン1の回転を止めて回生走行すると、第1モータ・ジェネレータ2が発電機として機能し、かつ第2モータ・ジェネレータ3がモータとして機能するとともに、その第1モータ・ジェネレータ2で発生した電力を第2モータ・ジェネレータ3に供給するので、この場合にも電力動力循環が生じる。そして、これを回避するためにエンジン1を回転させれば、エンジン1を不必要に連れ回りさせて摩擦による動力損失が生じる。
結局、中速モードでは、EV走行および回生走行のいずれであっても、動力の損失が増大し、ハイブリッド車の全体としては燃費効率が悪化する。したがって、この発明に係る制御装置は、図1に示すように、EV走行時もしくは回生走行時に中速モードを設定しないので、上述した動力損失を回避し、燃費の悪化を防止もしくは抑制することができる。
また、中速モードが禁止された場合、ハイブリッド車の運転状態に応じて低速モードもしくは高速モードが設定される。そのため、通常時には中速モードが設定される運転状態で他の運転モードが設定されても、各モータ・ジェネレータ2,3の回転数やトルクを特に大きくする必要がない。そのためモータ・ジェネレータ2,3の小型化を図ることができる。
上記のように、EV走行時もしくは回生走行時には、中速モードが禁止されて低速モードと高速モードとが許可されるから、ハイブリッド車の運転状態が変化すると、低速モードと高速モードとの間での運転モードの切り替え判断が成立する。この発明に係る制御装置は、その判断に基づく運転モードの切り替え制御を以下のように実行する。図2は、その制御の一例として低速モードから高速モードへの切り替えの制御例を示しており、先ず、入力信号の処理が実行され(ステップS11)、ついでEV走行もしくは回生走行を行う状態か否かが判断される(ステップS12)。これらステップS11およびステップS12の制御は、前述した図1のステップS1およびステップS2と同じである。
エンジン1を駆動して走行する運転状態であることによりステップS12で否定的に判断された場合には、特に制御を行うことなくリターンする。これに対してステップS12で肯定的に判断された場合には、低速モードから高速モードへ運転モードを切り替える運転状態か否かが判断される(ステップS13)。この判断は、前述した図1に示す制御例と同様に、検出された車速やアクセル開度と運転モードを定めたマップとに基づいておこなうことができる。
このステップS13で否定的に判断された場合には、特に制御を行うことなくリターンする。これに対してステップS13で肯定的に判断された場合には、第1モータ・ジェネレータ2の回転数を制御することにより、エンジン回転数を上昇させる(ステップS14)。その状態を図3のタイムチャートに示してあり、t1時点に第1モータ・ジェネレータ2の回転数が正回転方向に増大させられ、それに伴ってエンジン回転数が増大する。
すなわち、EV走行もしくは回生走行の状態では、エンジン1は停止し、あるいは非駆動状態となっており、そのエンジン1が連結された第1遊星歯車機構21の共線図は図8に直線Aで示す状態となる。したがって、この状態から第1モータ・ジェネレータ2を逆回転状態から正回転方向に回転数を変化させれば、図9に示すように各遊星歯車機構21,22についての共線図を示す直線A,Bが重なり、低速モードと中速モードとの同期状態となる。ステップS15では、このようにして同期状態が成立したか否かが判断される。
ステップS15で否定的に判断された場合には、ステップS14に戻ってエンジン回転数を上昇させる制御を継続する。これに対してステップS15で肯定的に判断された場合、すなわち低速モードと中速モードとの同期状態が成立した場合には、低速モードから中速モードへの同期切替が実行される(ステップS16)。これは、図3のt2時点である。この同期切替は、走行のための中速モードを設定する制御ではなく、運転モードを高速モードに切り替える過渡状態として、係合装置の切り替えに伴う所定の回転部材の回転数の変化を生じさせない状態を設定する制御である。したがってステップS16では、ブレーキB1が解放されるとともに、第1のクラッチC1が係合させられる。その場合、これらのブレーキB1および第1のクラッチC1の係合・解放状態の切り替えに伴ってショックが生じることはない。
このステップS16の制御に続けて、言い換えれば、一時的な中速モードで走行することなく直ちに、各モータ・ジェネレータ2,3の回転数を制御することによりエンジン回転数が下降させられる(ステップS17)。例えば各遊星歯車機構21,22の状態が前述した図9の共線図で示す状態にあれば、第1モータ・ジェネレータ2の回転数を正回転方向で車速(リングギヤ19の回転数)に対応する回転数に変化させ、また第2モータ・ジェネレータ3の回転数を低下させる。その結果、各遊星歯車機構21,22で構成される四要素の複合遊星歯車機構における各回転要素の回転数が一致する。これが、中速モードと高速モードとの同期状態であり、その共線図は前述した図10に示すとおりである。
ステップS18では、その同期状態が成立したか否かが判断され、否定的に判断された場合には、ステップS17のエンジン回転数の下降制御が継続される。これと反対に同期状態が成立してステップS18で肯定的に判断された場合には、中速モードから高速モードへの同期切替が実行される(ステップS19)。具体的には、第1のクラッチC1を解放し、第2のクラッチC2を係合させる。これは、図3のt3時点である。ついで、エンジン1を停止し、その回転数を“0”とする(ステップS20)。すなわち、エンジン1の回転数が“0”となるように各モータ・ジェネレータ2,3の回転数を制御するとともに、燃料の噴射制御や点火制御などを禁止する。これは、図3のt4時点である。
こうして高速モードが設定されるので、低速モードから高速モードへの切り替え制御の完了判断を成立させる(ステップS21)。
したがって、図2に示す制御を実行するこの発明に係る制御装置では、走行のために使用する運転モードが低速モードと高速モードとに制限されていることに伴って低速モードと高速モードとの間での切り替えをおこなう場合、中速モードとの間の同期状態を一時的に経由もしくは設定して運転モードの切り替えを行うから、運転モードを設定するための係合装置の係合・解放状態の切り替えに伴ってエンジン1などの所定の回転部材の回転数が変化しない。そのため、運転モードの切り替えに起因する慣性トルクが殆ど生じないので、ショックが悪化したり、ハイブリッド車の乗り心地が悪化したりすることを防止もしくは抑制することができる。また、ブレーキB1や第1のクラッチC1などの係合装置に滑りが殆ど生じないので、係合装置を低コストのものとし、あるいは噛み合い式のものとすることができる。さらに、運転モードの切り替えのために一時的に中速モードを設定するとしても、中速モードで走行する訳ではないから、駆動効率や回生効率さらには燃費が悪化するなどのことを防止もしくは抑制することができる。
つぎに、低速モードと高速モードとの間での運転モードの切り替えの他の例を図4に基づいて説明する。この図4に示す制御例は、一例として低速モードから高速モードへの切り替え制御の例であり、したがって上記の図2に示す制御例と同様に、入力信号の処理(ステップS31)、EV走行もしくは回生走行を行う運転状態か否かの判断(ステップS32)、低速モードから高速モードへの切り替えを行う運転状態か否かの判断(ステップS33)が順に行われる。なお、ステップS32で否定的に判断された場合、およびステップS33で否定的に判断された場合には、特に制御を行うことなくリターンする。
一方、低速モードから高速モードへの切り替えを行う運転状態であることによりステップS33で肯定的に判断された場合には、低速モードから高速モードへの切り替えを行うための係合装置のスリップ係合を伴う掴み替えが実行される(ステップS34)。ステップS33で肯定的に判断された場合の状態は、共線図では前記の図8で表され、またタイムチャートでは図5のt1時点で示される。
係合装置の掴み替えは、具体的には、低速モードを設定していたブレーキB1のいわゆる係合圧を低下させて次第にスリップさせ、またほぼ同時に高速モードを設定するための第2のクラッチC2の係合圧を増大させて解放状態から次第にスリップ状態とする。このようなスリップを伴う解放制御および係合制御を進行させると、図5に示すように第1モータ・ジェネレータ2の回転数が正回転方向に増大し、また第2モータ・ジェネレータ3の回転数が低下する。そして、最終的には、ブレーキB1を完全に解放するとともに第2のクラッチC2を完全に係合させ、高速モードへの切り替えを終了する(ステップS35)。これは、共線図では図11に示す状態であり、また図5のタイムチャートではt2時点である。
このような切り替え制御による各遊星歯車機構21,22の動作状態の変化を共線図で示すと、低速モードでは前述した図8に示す状態となっており、これが図11に示す状態に変化する。したがって、エンジン回転数や出力軸13もしくはこれと一体のリングギヤ19の回転数は運転モードの切り替えの前後で殆ど変化しないが、他の回転部材の回転数が変化する。しかしながら、その回転数の変化は、ブレーキB1および第2のクラッチC2を滑らせつつ次第に生じさせるから、ショックが増大することがなく、またこの運転モードの切り替え制御は、駆動トルクが相対的に小さいEV走行時などに実行されるので、運転モードの切替時のトルク補償をモータ・ジェネレータ2,3によって行うことが可能であり、したがってショックや乗り心地の悪化を防止もしくは抑制することができ、これに加えて係合装置の摩擦を抑制してその耐久性の低下を防止することができる。また、上記の図2に示すいわゆる中速モードを経由する場合と比較して短時間に運転モードを切り替えることができる。さらに、運転モードの切り替え過渡時にエンジン回転数をモータ・ジェネレータ2,3で増減させることがないので、そのための動力損失を回避でき、ひいてはハイブリッド車の全体としての燃費を向上させることができる。
なお、この発明で対象とするハイブリッド車の動力伝達経路は、上述した図6に示す構成に限定されないのであり、他の例を示すと図12のとおりである。この図12に示す例は、前述した図6に示す構成の内、第2遊星歯車機構22を、ラビニョ型遊星歯車機構に替えてシングルピニオン型遊星歯車機構によって構成した例である。したがって、以下の説明では、図6に示す構成と同一の部分に図6と同一の符号を付してその説明を省略し、図6の構成とは異なる部分について説明する。
図12において、第2遊星歯車機構22を構成しているシングルピニオン型遊星歯車機構は、外歯歯車であるサンギヤ31と、そのサンギヤ31に対して同心円上に配置された内歯歯車であるリングギヤ32と、これらサンギヤ31とリングギヤ32とに噛み合っているピニオンギヤを自転自在かつ公転自在に保持しているキャリヤ33とを回転要素とする差動機構である。そのサンギヤ31が第1遊星歯車機構21のリングギヤ16に連結されている。
また、リングギヤ32とケーシング11などの固定部との間に、リングギヤ32を選択的に固定するブレーキB1が配置されている。さらに、キャリヤ33を出力軸13に選択的に連結する第2のクラッチC2が設けられ、そして、リングギヤ32を出力軸13に選択的に連結する第3のクラッチC3が設けられている。なお、第1のクラッチC1は、伝達軸12を介して各キャリヤ15,33を選択的に連結するようになっている。
この図12に示す構成であっても、前述した低速モードと、中速モードと、高速モードとを設定することができ、そのための各ブレーキB1およびクラッチC1,C2,C3の係合・解放状態を図13に示してある。各運転モードについて簡単に説明すると、低速モードは、ブレーキB1を係合させて第2遊星歯車機構22のリングギヤ32を固定し、かつ第2のクラッチC2を係合させてキャリヤ33を出力軸13に連結されて設定される。したがって第2遊星歯車機構22では、サンギヤ31が入力要素、リングギヤ32が固定要素もしくは反力要素、キャリヤ33が出力要素となるので、第2遊星歯車機構22が減速機を構成し、その結果、前述した図6に示す例と同様に低速モードが設定される。
また、中速モードは、第1のクラッチC1を係合させて各キャリヤ15,33を連結し、各第3のクラッチC3を係合させてリングギヤ32を出力軸13に連結することにより設定される。すなわち、各遊星歯車機構21,22は、キャリヤ15,33同士が連結され、またリングギヤ16とサンギヤ31とが連結されるので、四要素の複合遊星歯車機構を構成し、したがって前述した図6に示す例と同様に中速モードが設定される。
さらに、高速モードは、第2のクラッチC2と第3のクラッチC3とを係合させて設定される。すなわち、第2遊星歯車機構22のキャリヤ33とリングギヤ32とが連結されるから、第2遊星歯車機構22の全体が一体化され、その結果、入力要素となっているサンギヤ31に入力されたトルクがそのまま出力軸13に出力される。すなわち、前述した図6に示す例と同様に高速モードが設定される。
ここで、上述した各具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、前述したステップS2,S12,S32の各機能的手段が、この発明の走行状態判断手段に相当し、ステップS3の機能的手段が、この発明の中速モード禁止手段に相当し、ステップS4の機能的手段が、この発明の運転モード設定手段に相当し、ステップS16,S19,S34の各機能的手段が、この発明の切替制御手段に相当する。
この発明に係る制御装置による中速モードを禁止する制御の制御例を説明するためのフローチャートである。 この発明に係る制御装置による低速モードから高速モードに切り替える制御の一例を説明するためのフローチャートである。 図2に示す制御を行った場合の各回転部材の回転数の変化を示すタイムチャートである。 この発明に係る制御装置による低速モードから高速モードに切り替える制御の他の例を説明するためのフローチャートである。 図4に示す制御を行った場合の各回転部材の回転数の変化を示すタイムチャートである。 この発明に係るハイブリッド車における動力伝達経路の一例を模式的に示すスケルトン図である。 その駆動装置で低速モードと中速モードと高速モードとを設定するための各係合装置の係合・解放状態をまとめて示す図表である。 その低速モードにおける運転状態の一例を示す共線図である。 低速モードから中速モードへの同期切替時の運転状態を示す共線図である。 中速モードから高速モードへの同期切替時の運転状態を示す共線図である。 その高速モードにおける運転状態を示す共線図である。 この発明を適用できるハイブリッド車の他の動力伝達経路の例を示すスケルトン図である。 図12に示すハイブリッド車で各運転モードを設定するための係合装置の係合・解放の状態をまとめて示す図表である。
符号の説明
1…原動機(エンジン)、 2…第1モータ・ジェネレータ、 3…第2モータ・ジェネレータ、 13…出力軸、 21…第1遊星歯車機構、 22…第2遊星歯車機構、 B1…ブレーキ機構、 C1,C2,C3…クラッチ機構、 100…電子制御装置。

Claims (6)

  1. 第1の差動機構を構成する第1入力要素に原動機が連結されるとともにその差動機構における第1反力要素に発電機能を有する第1電動機が連結され、さらにその差動機構における第1出力要素に前記第1電動機との間で電力を授受できかつ発電機能のある第2電動機が連結され、さらに互いに差動作用を行う第2入力要素と第2反力要素と第2出力要素とを有しかつ前記第1出力要素から入力されたトルクを増幅して出力する低速モードと前記第1の差動機構と共に四つの回転要素を有する複合差動機構を構成する中速モードと前記第1出力要素から入力されたトルクをそのまま出力する高速モードとを設定する第2の差動機構が設けられたハイブリッド車の制御装置において、
    前記ハイブリッド車が前記原動機を停止して走行することを判断する走行状態判断手段と、
    前記原動機を停止して前記ハイブリッド車が走行することが判断された場合に前記中速モードを禁止する中速モード禁止手段と
    を備えていることを特徴とするハイブリッド車の制御装置。
  2. 前記原動機を停止して前記ハイブリッド車が走行することが判断された場合に、前記ハイブリッド車の走行状態に応じて前記低速モードと前記高速モードとのいずれかを選択的に設定する運転モード設定手段を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車の制御装置。
  3. 前記各運転モードを設定するように前記各要素を選択的に連結もしくは固定する複数の係合機構と、
    前記運転モードを低速モードと高速モードとの間で切り替える場合に、前記原動機の回転数を前記第1電動機により低速モードと中速モードとの同期回転数に設定した状態で所定の係合機構を係合させて中速モードを設定した直後に前記原動機の回転数を中速モードと高速モードとの同期回転数に設定した状態で他の所定の係合機構を係合させて高速モードを設定する切替制御手段と
    を備えていることを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド車の制御装置。
  4. 前記各運転モードを設定するように前記各要素を選択的に連結もしくは固定する複数の摩擦係合機構と、
    前記運転モードを低速モードと高速モードとの間で切り替える場合に、低速モードを設定するための摩擦係合機構と高速モードを設定するための摩擦係合機構とのいずれか一方をスリップさせつつ次第に係合させ、かつ他方をスリップさせつつ次第に解放させる切替制御手段と
    を備えていることを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド車の制御装置。
  5. 前記第2の差動機構は、前記第1出力要素に連結された第1サンギヤと、該第1サンギヤに隣接して配置された第2サンギヤと、これらのサンギヤに対して同心円上に配置されかつ出力部材に連結されたリングギヤと、前記第2サンギヤおよびリングギヤに噛み合うピニオンギヤならびに該ピニオンギヤおよび前記第1サンギヤに噛み合う他のピニオンギヤを保持するキャリヤとを回転要素とするラビニョ型遊星歯車機構によって構成され、
    前記第1サンギヤを選択的に固定するブレーキ機構と、
    前記キャリヤを前記第1入力要素に選択的に連結する第1クラッチ機構と、
    前記第2遊星歯車機構における少なくともいずれか二つの回転要素を選択的に連結して第2遊星歯車機構の全体を一体化する第2クラッチ機構とを備え、
    これらのブレーキ機構および各クラッチ機構の係合・解放の状態に応じて少なくとも三つの運転モードを設定するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のハイブリッド車の制御装置。
  6. 前記第2の差動機構は、前記第1出力要素に連結されたサンギヤと、このサンギヤに対して同心円上に配置されたリングギヤと、このサンギヤおよびリングギヤに噛み合うピニオンギヤを保持するキャリヤとを回転要素とするシングルピニオン型遊星歯車機構によって構成され、
    前記リングギヤを選択的に固定するブレーキ機構と、
    前記キャリヤを前記第1入力要素に選択的に連結する第1クラッチ機構と、
    前記キャリヤを前記出力部材に選択的に連結する第2クラッチ機構と、
    前記リングギヤを前記出力部材に選択的に連結する第3クラッチ機構とを備え、
    これらのブレーキ機構および各クラッチ機構の係合・解放の状態に応じて少なくとも三つの運転モードを設定するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のハイブリッド車の制御装置。
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