JP2006282558A - シクロアルキルアルキルエーテルの製造方法 - Google Patents

シクロアルキルアルキルエーテルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、固体酸触媒としての陽イオン交換樹脂を用い、脂環式オレフィンを出発原料としてシクロアルキルアルキルエーテルを工業的規模で製造する場合において、工業的規模で長期連続運転が可能で生産性に優れたシクロアルキルアルキルエーテルの製造方法を提供することにある。
【解決手段】 固定床流通式反応器を用い、陽イオン交換樹脂の存在下に、脂環式オレフィンとアルコールとを含む原料混合物を付加反応させて反応混合物とし、ここからシクロアルキルアルキルエーテルを製造する方法において、前記反応混合物を、塩基性水溶液と接触させた後に有機層と水層に分離し、該有機層を蒸留する工程を有することを特徴とするシクロアルキルアルキルエーテルの製造方法を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子部品及び精密機械部品の、洗浄溶剤、反応溶剤及び抽出溶剤、並びに電子・電気材料の溶剤および剥離剤などとして有用なシクロアルキルアルキルエーテルの製造方法に関する。
従来、オレフィンとアルコールの付加反応によるエーテル類の製造方法では、触媒として固体酸を用いることが一般的であり、例えば、(ア)触媒として結晶性アルミノシリケートを用いる方法(特許文献1)、(イ)触媒として外表面酸点の多い特殊なアルミノシリケートを用いる方法(特許文献2)、(ウ)触媒としてヘテロポリ酸の有する結晶水を該ヘテロポリ酸1分子あたり平均3.0分子以下に調整したタングステンの酸化物を用いる方法(特許文献3)、及び(エ)触媒として水分含有量を5重量%以下となるまで乾燥した陽イオン交換樹脂を用いる方法(特許文献4)等が知られている。
しかしながら、これらの製造法の中で陽イオン交換樹脂以外の固体酸を使用する場合(特許文献1〜3)には、高温又は高圧の条件が必要となり、生産性が低く設備が大がかりなものになる問題があった。また、固体酸として乾燥した陽イオン交換樹脂を用い、脂環式オレフィンを出発原料としてシクロアルキルアルキルエーテルを工業的規模で製造する場合(特許文献4)、乾燥した陽イオン交換樹脂は静電気が発生し易いので取り扱いが難しく、また付加反応後の反応混合物から工業的規模の蒸留を行なってシクロアルキルアルキルエーテル及び未反応原料を回収しようとすると、回収率が十分でないためにシクロアルキルアルキルエーテルの生産性が低下することに加え、蒸留塔に腐食が発生し、長期連続運転が出来ない場合があった。
特開昭59−25345号公報 特開昭61−249945号公報 特開平5−163188号公報 WO03/002500号公報
本発明の目的は、固体酸触媒としての陽イオン交換樹脂を用い、脂環式オレフィンを出発原料としてシクロアルキルアルキルエーテルを工業的規模で製造する場合において、工業的規模で長期連続運転が可能で生産性に優れたシクロアルキルアルキルエーテルの製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、(I)工業的規模の反応装置において、陽イオン交換樹脂のスルホン酸基等が脱離し、原料混合物中に残存していた水分と反応して強酸性水となり蒸留塔等の設備の腐食の原因となること、及び、(II)付加反応後の反応混合物を塩基性水溶液と接触させた後に有機層と水層に分離し、該有機層を蒸留することによりシクロアルキルアルキルエーテル及び未反応原料の回収率が向上して生産性が増大するとともに蒸留塔等の設備の腐食が防止できること、を見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)固定床流通式反応器を用い、陽イオン交換樹脂の存在下に、脂環式オレフィンとアルコールとを含む原料混合物を付加反応させて反応混合物とし、ここからシクロアルキルアルキルエーテルを製造する方法において、前記反応混合物を、塩基性水溶液と接触させた後に有機層と水層に分離し、該有機層を蒸留する工程を有することを特徴とするシクロアルキルアルキルエーテルの製造方法、
(2)前記水層を蒸留して未反応のアルコールを回収する工程を有することを特徴とする上記に記載のシクロアルキルアルキルエーテルの製造方法、
(3)前記原料混合物中の水分含有量が、0.15重量%以下であることを特徴とする上記に記載のシクロアルキルアルキルエーテルの製造方法、
(4)前記脂環式オレフィンがシクロペンテンであり、前記アルコールがメタノールである上記に記載の製造方法、
を提供するものである。
本発明のシクロアルキルアルキルエーテルの製造方法によれば、付加反応混合物から高い回収率でシクロアルキルアルキルエーテル及び未反応原料を蒸留回収できるため生産性が高くなり、かつ蒸留塔の腐食を発生させないため、工業的規模で長期連続運転が可能となる。
本発明のシクロアルキルアルキルエーテルの製造方法は、固定床流通式反応器を用い、陽イオン交換樹脂の存在下に、脂環式オレフィンとアルコールとを含む原料混合物を付加反応させて反応混合物とし、ここからシクロアルキルアルキルエーテルを製造する方法において、前記反応混合物を、塩基性水溶液と接触させた後に有機層と水層に分離し、該有機層を蒸留する工程を有することを特徴とする。
[1. 反応原料]
本発明においては、脂環式オレフィン及びアルコールを含む原料混合物を反応原料として用いるが、原料混合物中の水分量は、好ましくは0.15重量%以下、特に好ましくは0.1重量%以下である。水分量が上記範囲を超える場合、長期連続運転時に触媒活性が低下し反応収率が低下する恐れがあるとともに、蒸留塔等の設備腐食の原因となる強酸性水の生成量が増大する傾向がある。
なお、上記原料混合物中の水分量は、カールフィッシャー電量滴定法により求めた値である。
また、原料混合物中の水分量を上記水分量以下に減少させるには、理論段数30段以上の精留塔で蒸留する方法や、モレキュラーシーブ13X等の吸着剤と接触させる方法等が挙げられる。
本発明に用いる脂環式オレフィンは、脂肪族系の単環もしくは多環骨格を有し、かつ、これらの環骨格中に少なくとも1以上の炭素−炭素二重結合を有するものである。
上記環骨格は、好ましくはそれぞれ3〜10個の炭素で構成され、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、アルコキシ基、スルホン基及びシアノ基などの置換基を有していても良い。
脂環式オレフィンは、入手容易性および目的物がより効率よく得られる観点から、環骨格を構成する炭素数が5〜8個の単環を有する脂環式オレフィンが好ましく、置換基を有していてもよいシクロペンテンまたは置換基を有していてもよいシクロヘキセンが特に好ましい。
置換基を有してもよいシクロペンテンの具体例としては、シクロペンテン、1−メチルシクロペンテン、3−メチルシクロペンテン、1,3−ジメチルシクロペンテン、1−フルオロシクロペンテン及び1−フェニルシクロペンテン等が挙げられる。また、置換基を有してもよいシクロヘキセンとしては、シクロヘキセン、1−メチルシクロヘキセン、4−メチルシクロヘキセン、1,3−ジメチルシクロヘキセン、1−フルオロシクロヘキセン、4−クロロシクロヘキセン、1−フェニルシクロヘキセン及び4−フェニルシクロヘキセンなどが挙げられる。これらの中でも、シクロペンテンまたはシクロヘキセンが好ましく、シクロペンテンが特に好ましい。
本発明の原料混合物に用いるアルコールは、陽イオン交換樹脂の存在下で、脂環式オレフィンと付加反応し得るものであれば特に限定されないが、効率よくシクロアルキルアルキルエーテルが得られることなどの理由から、炭素数1〜10の直鎖及び分枝の飽和アルコール、並びに炭素数3〜8のシクロアルキルアルコールが好ましく、炭素数1〜6の直鎖及び分枝の飽和アルコールが特に好ましい。
炭素数1〜10の直鎖及び分枝の飽和アルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ペンチルアルコール及びn−ヘキシルアルコールなどが挙げられる。また、炭素数3〜8のシクロアルキルアルコールとしては、例えば、シクロプロピルアルコール、シクロペンチルアルコール及びシクロヘキシルアルコールなどが挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜3の直鎖及び分枝の飽和アルコールがさらに好ましく、メチルアルコールが特に好ましい。
アルコールの使用量は、脂環式オレフィン1モルに対して、通常、0.002〜11モル、好ましくは0.1〜5モル、特に好ましくは0.2〜1モルである。
アルコールの使用量が上記範囲を超えると、副反応(アルコールが二量化して対応するエーテルと水が生成する反応。)が起こり易くなり、腐食の原因となる酸性水が増大する傾向がある。また、アルコールの使用量が上記範囲未満だと、生産効率が悪くなる。
また、本発明を実施するにあたっては、陽イオン交換樹脂、脂環式オレフィンおよびアルコールに対して不活性な溶媒または希釈剤を原料混合物に添加することができる。
その場合、上記原料混合物中の水分量は、脂環式オレフィン、アルコール、上記溶媒及び希釈剤の混合物を基準に算出する。なお、原料混合物は、気化した状態で固定床流通式反応器に供給することが、反応収率の観点から好ましい。
使用することができる溶媒および希釈剤としては、例えば、n−ブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン及びn−デカンなどの脂肪族飽和炭化水素類;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、アニソール、クメン及びニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;シクロペンタン、アルキル置換シクロペンタン類、アルコキシ置換シクロペンタン類、ニトロ置換シクロペンタン類、シクロヘキサン、アルキル置換シクロヘキサン類、アルコキシ置換シクロヘキサン類、ニトロ置換シクロヘキサン類、シクロヘプタン、アルキル置換シクロヘプタン類、アルコキシ置換シクロヘプタン類、ニトロ置換シクロヘプタン類、シクロオクタン、アルキル置換シクロオクタン類、アルコキシ置換シクロオクタン類、ニトロ置換シクロオクタン類などの脂環式飽和炭化水素類;窒素、アルゴン、空気及びヘリウムなどが挙げられる。なお、上記溶媒及び希釈剤は、1種類単独でも2種類以上を混合して用いても良い。
溶媒及び希釈剤の使用量は特に限定されず、付加反応を阻害しない範囲で任意の量を選択できるが、脂環式オレフィン及びアルコールの合計量100重量部に対し、好ましくは100重量部以下、より好ましくは50重量部以下、特に好ましくは10重量部以下である。
[2.触媒]
触媒として使用する陽イオン交換樹脂は、微細な三次元網目構造の高分子基体に、陽イオンを交換可能な極性基(以下、「イオン交換基」という。)を有する不溶性で多孔質の合成樹脂からなるものである。
陽イオン交換樹脂は、陽イオン交換樹脂の幾何学的構造からの分類としてゲル型樹脂とポーラス型樹脂に大別することができるが、本発明においては、ゲル型樹脂およびポーラス型樹脂のいずれも使用することができる。陽イオン交換樹脂の型には、イオン交換基のプロトン部分がそのままプロトンであるプロトン酸型及び前記イオン交換樹脂のプロトンがアルカリ金属イオンに交換されたアルカリ金属塩型があるが、プロトン酸型の陽イオン交換樹脂が好ましい。
陽イオン交換樹脂としては、イオン交換基としてスルホン酸基またはカルボン酸基を有し、イオン交換基が結合する高分子基体として、フェノールとホルムアルデヒドを縮重合させて得られる高分子基体や、スチレンまたはハロゲン化スチレンとジビニルベンゼンとの共重合体基体を有するものが挙げられる。これらの中でも、入手および取扱いの容易さの観点から、イオン交換基としてスルホン酸基を有するスルホン酸型強酸性陽イオン交換樹脂の使用が好ましく、スチレンまたはハロゲン化スチレンとジビニルベンゼンとの共重合体を高分子基体とし、イオン交換基としてスルホン酸基を有するスルホン酸型スチレン系強酸性陽イオン交換樹脂の使用が特に好ましい。
陽イオン交換樹脂の好ましい具体例としては、三菱化学(株)製のスチレン系強酸性陽イオン交換樹脂ゲル型、製品名DIAION SK1B、SK012、SK104、SK106、SK110、SK112及びSK116;スチレン系強酸性陽イオン交換樹脂ポーラス型、製品名PK208、PK212、PK216、PK220及びPK228;スチレン系強酸性陽イオン交換樹脂ハイポーラス型、製品名HPK25、ダイヤイオンRCP−160M、RCP−160H及びRCP−170H;耐熱性スチレン系強酸性陽イオン交換樹脂、製品名RCP145;バイエル社製の強酸性バイエルキャタリストゲル型、製品名K1221、K1431、K1481及びK1491;強酸性バイエルキャタリストマクロポーラス型、製品名K2431、K2621及びK2641;ローム・アンド・ハース社製のアンバーライト(製品名XE−284);オルガノ(株)製のアンバーリスト、製品名CSP−2及びA−15;等が挙げられるが、これらの中でも高い比表面積を有する製品名DIAION RCP−160Mが好ましい。
これらの陽イオン交換樹脂の見かけ密度(陽イオン交換樹脂を、容積1リットルの容器に満たした際の該陽イオン交換樹脂の重量(g))は、通常500〜1,000g/リットル、好ましくは600〜900g/リットルである。陽イオン交換樹脂の平均粒径は特に限定されないが、通常0.02mm〜10mm、好ましくは0.3mm〜2mmの範囲である。また、陽イオン交換樹脂は、プロトン酸型で使用されることが好ましく、通常の再生処理を行なうことにより繰り返して使用することができる。
陽イオン交換樹脂は、触媒活性を向上させるため、(a)特許文献4と同様に乾燥して含水量を5重量%以下にしてから固定床流通式反応器に充填して付加反応の触媒として用いてもよいが、(b)固定床流通式反応器に湿潤状態(水で十分膨潤させた状態)で充填した後に、該固定床流通式反応器にメタノール等のアルコールを液状で供給して水を置換除去し、ついで窒素等の不活性ガスを供給してアルコールを置換除去する前処理を行なってから付加反応の触媒とすることが、静電気等の発生を防止でき、作業効率が良好なため好ましい。上記(b)において、アルコールで水を置換除去する場合、固定床流通式反応器出口でのアルコール中の水分量が、好ましくは1重量%以下、特に好ましくは0.5重量%以下になるまで置換除去を行なう。なお、置換除去に用いるアルコールの水分含有量は、0.4重量%以下が好ましく、0.3重量%以下がより好ましく、0.15重量%以下が特に好ましい。また、水を置換除去する際の温度は、好ましくは1〜180℃、より好ましくは5〜100℃、特に好ましくは10〜50℃の範囲であり、圧力は、絶対圧力で好ましくは1〜5000kPa、より好ましくは50〜500kPa、特に好ましくは50〜200kPaの範囲である。
さらに、不活性ガスでアルコールを置換除去する際の温度は、好ましくは1〜180℃、より好ましくは5〜100℃、特に好ましくは10〜50℃の範囲であり、圧力は、絶対圧力で好ましくは1〜5000kPa、より好ましくは1〜2000kPa、特に好ましくは50〜500kPaの範囲である。上記範囲にすることで、陽イオン交換樹脂の触媒活性がより一層向上する。
[3.反応装置]
付加反応は固定床流通式反応器を用い、反応器中に陽イオン交換樹脂を充填して触媒層を形成し、該触媒層に脂環式オレフィン及びアルコールを流通させることにより行なう。ここで、「触媒層」とは、固定床流通式反応器内に形成される、陽イオン交換樹脂の充填層をいい、陽イオン交換樹脂間の隙間は空間であっても良いし、アルコール等の液体又は気体で満たされていても良い。
なお、本発明において「固定床流通式反応器」とは、反応器内部に触媒層を有し、該触媒層に脂環式オレフィン及びアルコールを流通させることのできる全ての構造の反応器をいう。反応器の構造は特に限定されないが、管状の反応器が好ましい。管状の反応器としては、加熱装置を有する単管式反応器でも良いし、多管式熱交換型反応器でも良いが、反応熱の除熱効率の良い多管式熱交換型反応器が好ましい。
管状の反応器(以下、「管状反応器」と略す。)を用いる場合、管状反応器内径は、触媒粒径を勘案して任意に設定することができるが、好ましくは5〜1000mm、より好ましくは10〜200mmである。管状反応器内径が上記範囲を超えると付加反応熱の除去が難しくなり、逆に管状反応器径内径が上記範囲未満であると、必要とされる管状反応器の数が著しく増大し、設備が複雑化するとともに設置スペースの面で不利になる。
[4.付加反応]
付加反応温度は、脂環式オレフィン及びアルコールの沸点以上、かつ触媒である陽イオン交換樹脂の耐熱温度以下の範囲で任意に設定することができるが、好ましくは60〜180℃、より好ましくは70〜150℃である。付加反応温度が上記範囲未満の場合には付加反応速度が低下し、上記範囲を超える場合には触媒である陽イオン交換樹脂が熱により劣化して、触媒活性が低下する恐れがある。
また、固定床流通式反応器を熱媒体により加熱して付加反応を行なう場合、反応開始時の熱媒体温度を50〜75℃に0.1hr以上保ち、その後80〜100℃に上昇させることにより、反応初期の急激な温度上昇を防止出来るため、本発明の効果がより一層顕著なものとなる。
付加反応圧力は脂環式オレフィン及びアルコールが気体の状態となる圧力であれば、特に限定されないが、絶対圧力で0.01〜10000kPaが好ましく、1〜5000kPaがより好ましく、50〜200kPaが特に好ましい。圧力が上記範囲未満だと生産効率が低下する傾向がある。圧力が上記範囲を超えると副反応(アルコールが二量化して対応するエーテルと水が生成する反応。)が起こり易くなり、腐食の原因となる酸性水が増大する傾向がある。上記のようにして付加反応を行い、固定床流通式反応器出口から反応混合物を得ることが出来る。
[4.蒸留回収]
本発明においては、前記付加反応により得られた反応混合物を、塩基性水溶液と接触させた後に有機層と水層に分離し、該有機層を蒸留してシクロアルキルアルキルエーテルを得る工程を有する。付加反応後の反応混合物をそのまま蒸留してシクロアルキルアルキルエーテル及び未反応原料を回収する場合、シクロアルキルアルキルエーテル及び未反応原料の回収率が低下したり、陽イオン交換樹脂から脱離したスルホン酸基等に由来する強酸性水により蒸留塔の腐食が発生して長期連続運転ができない恐れがある。
また、本発明においては、前記水層を蒸留して未反応のアルコールを回収する工程を有することが好ましい。
付加反応により得られた反応混合物は、目的物であるシクロアルキルアルキルエーテル、未反応の脂環式オレフィン及びアルコールを含有している。
シクロアルキルアルキルエーテルと脂環式オレフィンの蒸留による分離は容易だが、シクロアルキルアルキルエーテルとアルコールは共沸するため蒸留による分離は容易ではない。
付加反応により得られた反応混合物を、塩基性水溶液と接触させた後に有機層と水層に分離すると、未反応のアルコールの大部分が水層に移行するため、有気層中にアルコールがほとんど存在しなくなる。そのため、有機層を蒸留することで、高い回収率でシクロアルキルアルキルエーテル及び未反応の脂環式オレフィンを回収することが可能となり、未反応の脂環式オレフィンを付加反応の原料として再使用できる。
さらに、前記水層を前記有機層とは別に、蒸留することで、上述したシクロアルキルアルキルエーテル及び未反応脂環式オレフィンの回収に加えて、未反応のアルコールも高い収率で回収でき、付加反応の原料として再使用できる。
なお、上記塩基性水溶液の代わりに水を用いた場合、未反応のアルコールが水層に移行しにくく、シクロアルキルアルキルエーテル、未反応の脂環式オレフィン及びアルコールの回収率が低下するばかりか、陽イオン交換樹脂から脱離したスルホン酸基等に由来する強酸性水により蒸留塔の腐食が発生して長期連続運転ができない恐れがある。
付加反応により得られた反応混合物を、塩基性水溶液と接触させる方法には、特に制限はなく、付加反応により得られた反応混合物を直ちに塩基性水溶液と接触させても良く、該反応混合物から低沸点の脂環式オレフィンを分離したのちに塩基性水溶液と接触させても良いが、付加反応により得られた反応混合物を直ちに塩基性水溶液と接触させることが回収率の観点及び蒸留塔への強酸水の混入防止の観点から好ましい。
図1に本発明の実施の一態様を示すが、本発明はこの態様に限定されるものではない。脂環式オレフィンとアルコールを含有する原料混合物が、気化された状態で、陽イオン交換樹脂を充填した固定床流通式反応器1に供給され付加反応が行なわれる。生成したシクロアルキルアルキルエーテル、未反応の脂環式オレフィン及びアルコールを含有する反応混合物は、いったん冷却器2で冷却され液体とされる。液体となった反応混合物を分離装置3に移送する配管の途中に塩基性水溶液を供給する。配管内及び分離装置3において反応混合物と塩基性水溶液を接触させ、反応混合物中に含まれる強酸性水を中和するとともに、未反応のアルコールを分離装置3内の水層に移行させて有機層から除去する。未反応のアルコールと強酸性水が除去された有機層は、第1の蒸留塔4に送られ、未反応の脂環式オレフィンが塔頂より留出し、粗シクロアルキルアルキルエーテルが塔底から抜き出される。塔頂から留出した未反応の脂環式オレフィンは反応原料として再使用できる。塔底から抜き出された粗シクロアルキルアルキルエーテルは、第2の蒸留塔5に送られて蒸留され、塔頂から目的物である高純度のシクロアルキルアルキルエーテルを留出させる。
一方、分離装置3において得られたアルコールを含む水層は第3の蒸留塔6に送られて蒸留され、塔頂より留出した未反応のアルコールを反応原料として再使用することができる。また、塔底から抜き出される塩基性水溶液は。反応混合物との接触に再度用いることができる。
塩基性水溶液の溶質として用いられる塩基は水溶性であれば特に制限を受けないが、反応混合物との接触後に有機層へ移行しにくく、水層を蒸留する際に揮発しないことから無機塩基が好ましい。
無機塩基の好ましい具体的としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸マグネシウム及び炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩;等が挙げられるが、本発明の効果がより顕著になることから、アルカリ金属水酸化物が好ましく、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムがより好ましく、水酸化ナトリウムが特に好ましい。なお、上記無機塩基は単独でも、2種以上を組み合わせて用いても良い。
塩基性水溶液の塩基濃度は、それぞれの飽和溶解度以下であれば特に制限を受けないが、好ましくは0.0001〜50重量%、より好ましくは0.001〜20重量%、特に好ましくは0.01〜5重量%の範囲である。
塩基濃度が上記範囲未満の場合、アルコールの有機層への移行が不十分となることに加え、陽イオン交換樹脂から脱離したスルホン酸基等に由来の酸(強酸性水)を中和することができず、蒸留塔等の設備の腐食の原因となる恐れがある。また、塩基濃度が上記範囲を超える場合、蒸留塔リボイラーのスケーリングが促進され、設備管理の面で不利になる恐れがある。
付加反応により得られた反応混合物と接触させる塩基性水溶液の量は、該反応混合物100重量部当たり、好ましくは0.5〜1000重量部、より好ましくは1〜1000重量部、特に好ましくは5〜60重量部である。
上記範囲にすることで、本発明の効果がより一層顕著なものとなる。
付加反応により得られた反応混合物を、塩基性水溶液と接触させる装置に特に制限はなく、例えば、スプレー塔、充填塔、バッフル塔及び多孔板抽出塔などの非動力式抽出装置;ミキサーセトラー抽出装置、シャイベル塔、回転円板抽出塔、オルドシュー・ラシュトン塔、グラエッサー抽出機、ルーワ抽出機及びクーニ塔などの撹拌式抽出装置;脈動充填塔、脈動多孔板塔及び振動板塔などの脈動式・振動式抽出装置;ポドビルニアク抽出機及びルウェスタ抽出機などの遠心式抽出装置;などを挙げることができる。なお、特別な装置を設けずに配管内で接触させることも可能である。
付加反応により得られた反応混合物と塩基性水溶液の接触時間は、特に制限されないが、分配平衡に達する時間の観点から、1秒〜5時間が好ましく、5秒〜2時間がより好ましく、1分〜1時間が特に好ましい。接触時間が上記範囲より短い場合、分配平衡に達することができずアルコールの水層への移行が不十分となる恐れがある。接触時間が上記範囲より長い場合、生産効率の面で極めて不利となる恐れがある。
本発明の製造方法は、シクロアルキルアルキルエーテルとして下記式(1)で表されるシクロアルキルアルキルエーテルを製造する場合に好ましく適用することができる。
Figure 2006282558
(式中、Rは置換基を有していてもよいシクロペンチル基又は置換基を有していてもよいシクロヘキシル基を表し、Rは炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数3〜8のシクロアルキル基を表す。)
前記式(1)で表されるシクロアルキルアルキルエーテルの好ましい具体例としては、シクロペンチルメチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル、シクロペンチルn−プロピルエーテル、シクロペンチルイソプロピルエーテル、シクロペンチルn−ブチルエーテル、シクロペンチルsec−ブチルエーテル、シクロペンチルtert−ブチルエーテル、シクロペンチルn−ペンチルエーテル、ジシクロペンチルエーテル、シクロペンチルシクロヘキシルエーテルなどのシクロペンチルアルキルエーテル類;シクロヘキシルメチルエーテル、シクロヘキシルエチルエーテル、シクロヘキシルn−プロピルエーテル、シクロヘキシルイソプロピルエーテル、シクロヘキシルn−ブチルエーテル、シクロヘキシルsec−ブチルエーテル、シクロヘキシルtert−ブチルエーテル、シクロヘキシルn−ペンチルエーテル、シクロヘキシルシクロプロピルエーテル、ジシクロヘキシルエーテルなどのシクロヘキシルアルキルエーテル類、などが挙げられる。これらの中でも、本発明の効果が一層顕著になることから、Rがシクロペンチル基であるシクロペンチルアルキルエーテルがより好ましく、シクロペンチルメチルエーテルまたはシクロペンチルエチルエーテルがさらに好ましく、シクロペンチルメチルエーテルが特に好ましい。
本発明の製造方法により得られるシクロアルキルアルキルエーテルは、電子部品及び精密機械部品の、洗浄溶剤、反応溶剤及び抽出溶剤、並びに電子・電気材料の溶剤および剥離剤などとして有用である。
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってその範囲を限定されるものではない。
(1)ガスクロマトグラフィーによる分析(以下、「GC分析」という。)は、次の条件で行なった。
分析機器:製品名Agilent 6850(Agilent社製)
カラム:キャピラリカラム 製品名HP−5 30m×0.25mmφ(日本ヒューレット・パッカード(株)製)
カラム温度:40℃(10分)、40℃→250℃(10℃/分)
注入口温度:200℃
検出器温度:300℃
キャリアーガス:He
検出器:FID
内部標準物質:n−デカン
(2)シクロペンテン転化率(以下、「CPE転化率」と略す。)(%)は、(原料混合物1g中のシクロペンテン重量−反応混合物1g中のシクロペンテン重量)/(原料混合物1g中のシクロペンテン重量)×100で算出した。
(3)シクロペンチルメチルエーテル選択率(以下、「CPME選択率」と略す。)(%)は、(反応混合物1g中のシクロペンチルメチルエーテルモル数)/(原料混合物1g中のシクロペンテンモル数−反応混合物1g中のシクロペンテンモル数)×100で算出した。
(4)水分量の測定は、カールフィッシャー電量滴定法(以下、「KF分析」と略す。)で、水分測定装置(製品名AQ−7 発生液:製品名アクアライト(RS−A)、対極液:製品名アクアライト(CN)、平沼産業(株)製)を用いて行なった。
[製造例1]
市販のスチレン系強酸性イオン交換樹脂(三菱化学(株)製、商品名:DIAION RCP−160M、耐熱温度:120℃、含水量:53重量%)を蒸留水に分散させ十分膨潤させた後に、該イオン交換樹脂245mlをメスシリンダーで計り取り、熱電対及び熱媒循環用ジャケットを軸方向に備えた固定床流通式反応器(管状、内径28mm、長さ500mm、SUS316製)に 充填して触媒層を形成した。その後該反応器に、原料供給用ポンプ、原料気化器、反応器出口ガス凝縮器、及び反応液採取用タンクを接続した。
次に、固定床流通式反応器に、25℃、絶対圧力101kPaの条件下で、メタノールを8.2ml/分の通液速度で2.5時間導入し、触媒層の水をメタノールで置換除去した。通液終了時に固定床流通式反応器出口から排出されるメタノールを採取し、水分量を測定したところ、水分含有量は0.25重量%であった。
その後、固定床流通式反応器反応管に、25℃、絶対圧力111kPaの条件下、30ml/分の供給速度で窒素を1分間導入して、窒素ガスによるメタノールの置換除去を行ない、触媒活性を向上のための前処理を行なった固定床流通式反応器を得た。
[実施例1]
(付加反応)
製造例1で得られた固定床流通式反応器の熱媒温度を70℃まで上昇させた後に、気化器によって気化されたシクロペンテンとメタノールの混合物(GC及びKF分析結果:シクロペンテン74.8重量%、シクロペンタン2.6重量%、メタノール22.5重量%、水分:229ppm)を0.54L/分(標準状態での体積換算)の供給速度で固定床流通式反応器に供給し反応を開始した。固定床流通式反応器の入口の絶対圧力は133kPa、固定床流通式反応器の出口の絶対圧力は101kPaであった。反応初期の発熱が終わった段階で反応管の熱媒温度を90℃まで上昇させ、その時点から5時間経過後に固定床流通式反応器出口より排出される反応混合物の採取を開始し、反応混合物(以下、「反応混合物A」と略す。)を得た。
反応混合物AのGC分析及びKF分析を行なったところ、シクロペンテン64.0重量%、シクロペンタン2.6重量%、メタノール13.3重量%、シクロペンチルメチルエーテル14.9重量%、不純物4.0重量%、水分1.2重量%であった。
また、計算で求めたCPE転化率は14.4%、CPME選択率は93.7%であった。
(塩基性水溶液との接触・分離)
次に反応混合物A2755gと0.08重量%水酸化ナトリウム水溶液826gを攪拌器付きの分液フラスコに入れ、内容物を200rpmの回転速度で5分間攪拌し、10分間静置した。
静置により二層分離したので、有機層(上層)と水層(下層)を分取し、有機層(以下、「有機層A」と略す。)2330gと水層(以下、「水層A」と略す。)1251gを得た。有機層AをKF分析したところ水分量は844重量ppmであった。また、水層のpHを測定したところ12.5であり、水層は塩基性であった。
さらに、有機層AをGC分析したところ、シクロペンテンが75.3重量%、シクロペンタンが3.1重量%、メタノールが0.7重量%、シクロペンチルメチルエーテルが17.3%、その他の不純物が3.5重量%含まれていた。また、水層をGC分析及びKF分析したところ、メタノールが28.1重量%、シクロペンテンが0.7重量%、シクロペンチルメチルエーテルが0.4重量%、その他の微量有機物が2.1重量%含まれており、水分は68.7重量%であった。
上記分析結果より、付加反応により得られた反応混合物を、塩基性水溶液と接触させた後に有機層と水層に分離することで、アルコールが選択的に水層に移行することが確認された。
(有機層Aの蒸留によるシクロペンチルメチルエーテル及びシクロペンテンの回収)
上記で得られた有機層Aのうち2222gを、理論段数17段の規則充填物を充填した蒸留塔を用い、還流比10(重量比率)、塔頂の絶対圧力1.01kPaの条件でバッチ蒸留し、沸点範囲34〜45℃の第1留分、沸点範囲45〜101℃の第2留分、沸点範囲101〜102℃の第3留分及び釜内残分を得た。第1留分の組成は、シクロペンテン96.1重量%、シクロペンタン2.9重量%、メタノール0.9重量%、水分846重量ppmであり、第2留分の組成は、シクロペンテン58.3重量%、シクロペンタン30.3重量%、シクロペンチルメチルエーテル9.4重量%であった。第1留分の収量は1639.9gであり、反応混合物Aからのシクロペンテンの回収率は95.0%であった。また第3留分は純度99.9重量%以上のシクロペンチルメチルエーテルであり、水分は83ppmであった。釜内残分の組成は、シクロペンチルメチルエーテル15.7重量%、その他84.3重量%であった。第3留分の収量は392.4gで、反応混合物Aからのシクロペンチルメチルエーテルの回収率は95.6%であった。なお、蒸留塔を繰り返し使用しても蒸留塔に腐食は発生しなかった。
(水層Aの蒸留によるアルコールの回収)
上記で得られた水層Aのうち1154gを、理論段数17段の規則充填物を充填した蒸留塔を用い、還流比10(重量比率)、塔頂の絶対圧力1.01kPaの条件で蒸留し、沸点範囲60〜70℃の第1留分及び釜内残分を得た。第1留分の組成は、メタノール98.7重量%、シクロペンチルメチルエーテル1.3重量%、水分77ppmであった。第1留分の収量は348.8gであり、反応混合物Aからのメタノールの回収率は93.9%であった。また、GCによる釜内残分の分析では有機物は認められなかった。なお、蒸留塔を繰り返し使用しても蒸留塔に腐食は発生しなかった。
[比較例1]
上記の反応混合物A2755gを、そのまま理論段数40段の規則充填物を充填した蒸留塔を用い、還流比を6(重量比率)、塔頂の絶対圧力1.01kPaの条件でバッチ蒸留し、沸点範囲36〜60℃の第1留分、沸点範囲60〜101℃の第2留分、沸点範囲101〜106℃の第3留分及び釜内残分を得た。第1留分の組成は、シクロペンテン87.0重量%、メタノール13.0重量%であった。第2留分の組成は、メタノール84.0重量%、シクロペンチルメチルエーテル16.0重量%であった。反応混合物Aからのシクロペンテンの回収率は92.1%であった。また第3留分は純度99.9重量%以上のシクロペンチルメチルエーテルであり、水分は2940ppmであった。釜内残分の組成は、シクロペンチルメチルエーテル9.6重量%、その他90.4重量%であった。第3留分の収量は348.9gで、反応混合物Aからのシクロペンチルメチルエーテルの回収率は85.0%であり、蒸留塔を繰り返し使用することにより蒸留塔に腐食が発生した。
付加反応により得られた反応混合物を、塩基性水溶液と接触させた後に有機層と水層に分離し、分離した該有機層を蒸留した実施例1では、反応混合物から高い回収率でシクロペンチルメチルエーテルが回収でき、蒸留塔の腐食の発生も無い。一方、付加反応により得られた反応混合物をそのまま蒸留した比較例1では、シクロペンチルメチルエーテルの回収率が低い上に、蒸留塔に腐食が発生した。
図1は、本発明方法の実施の一態様の工程系統図である。

Claims (4)

  1. 固定床流通式反応器を用い、陽イオン交換樹脂の存在下に、脂環式オレフィンとアルコールとを含む原料混合物を付加反応させて反応混合物とし、ここからシクロアルキルアルキルエーテルを製造する方法において、前記反応混合物を、塩基性水溶液と接触させた後に有機層と水層に分離し、該有機層を蒸留する工程を有することを特徴とするシクロアルキルアルキルエーテルの製造方法。
  2. 前記水層を蒸留して未反応のアルコールを回収する工程を有することを特徴とする請求項1に記載のシクロアルキルアルキルエーテルの製造方法。
  3. 前記原料混合物中の水分含有量が、0.15重量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のシクロアルキルアルキルエーテルの製造方法。
  4. 前記脂環式オレフィンがシクロペンテンであり、前記アルコールがメタノールである請求項1ないし3のいずれかに記載の製造方法。
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