JP2006282259A - ボイル・レトルト用密封容器 - Google Patents

ボイル・レトルト用密封容器 Download PDF

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Abstract

【課題】 容器内に浸透する酸素を吸収し、食品の酸化による変色や成分劣化を防止可能であり、内容物保存適性に優れ、ボイル・レトルト処理のような過酷な条件に耐えうる、ボイル・レトルト用密封容器を提供する。
【解決手段】 ガスバリア性成形容器20と、これに内容物30を収納してヒートシールされた蓋材10からなる密封容器であって、当該ガスバリア性成形容器20が、熱可塑性樹脂からなる外層12と、バリア性熱可塑性樹脂からなる中間層14と、熱可塑性樹脂層からなる内層16とを順次積層する構成からなり、当該蓋材10が、耐熱性基材フィルムからなる外層2と、バリア性中間層4と、酸素吸収材を含有する熱可塑性樹脂層からなる中間層6と熱可塑性樹脂層からなる内層8とを順次積層する積層体からなり、前記の成形容器に内容物を収納して、前記の蓋を熱封緘した状態でボイル・レトルト殺菌可能な密封容器である。
【選択図】 図3

Description

本発明はボイル・レトルト用密封容器に関する。更に詳しくは、外部からの酸素、包装袋内部に残存している酸素および溶存酸素を吸収する機能、酸素バリア性、品質保存適性、耐熱性、耐水性、耐圧性、および易開封性の機能に優れ、食品等の内容物を収納して容器のフランジ部を蓋材で密封した状態でボイル・レトルト処理に耐えうるボイル・レトルト用密封容器に関するものである。
従来、固形あるいは液状の飲食品、化粧品、薬品、雑貨品、その他等の内容物を合成樹脂の成形容器に収納して開口部を蓋材で密封し、流通、保管することが行われている。
上記の成形容器に、例えばスープ、ミルク、コーヒー、紅茶、果汁飲料等の食品を充填包装し、蓋材で密封した包装体で、チルドまたは常温で流通販売されている。また、コンビニエンスストア等に設置されたホットウォーマー内で約45℃〜70℃の飲み頃温度に加温して、販売されている。
そして、上記の合成樹脂の成形容器には、容器本体に外部から酸素透過を遮断するガスバリア性機能を付与させる目的で、容器壁を多層構造とし、熱可塑性樹脂からなる外層と、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のガスバリア層からなる中間層と、熱可塑性樹脂からなる内層を積層する多層構造の成形容器が知られている。
しかしながら、合成樹脂の成形本体にガスバリア性機能を付与しても、食品を充填する際に空気中の酸素が容器内に残存するので、この残存酸素により食品を酸化して、食品の変色や成分が劣化してしまい、商品価値が損なわれるという問題がある。
また、上記の合成樹脂の成形容器に食品等の内容物を充填して蓋体で密封した包装体の場合、成形容器に食品を充填し蓋体で密封した後、レトルトないしボイル処理中に、あるいは、ホットウォーマーによる加温中に、エチレン−ビニルアルコール共重合体のガスバリア性能が低下し、レトルトないしボイル処理後、数日間で常温、乾燥状態下でガスバリア性能が回復するという特徴を有する。
このため、ホットウォーマーによる加温中、あるいはレトルトないしボイル処理後、数日間で容器の外部より酸素が侵入し、この酸素により食品を酸化し、食品の変色や成分が劣化してしまい、商品価値が損なわれるという問題がある。
上記の外部からの酸素透過を防止すると共に、積層材の層中に酸素吸収剤を含有する層を介在させ、これにより当該容器中に残存する酸素等を吸収させる機能を付与した成形容器として、成形容器本体の層構成が、内面側から外面側に向けて、ヒートシール性熱可塑性樹脂内層、酸素吸収剤として例えば還元性鉄等の還元性を有する金属粉を配合した熱可塑性樹脂層、熱可塑性樹脂クッション層、酸素バリヤー層及び耐熱性樹脂外層の積層体容器材料からなる密封容器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−40024号公報
しかしながら、特許文献1の密封容器では、蓋体を剥離して開封する際、蓋体の開封性が悪く、酸素吸収剤を配合した熱可塑性樹脂層を構成する鉄粉が表面に露出されてしまい、外観を損なうという恐れがある。
また、密封容器の開封性を重視して、蓋体の剥離面にイージーピール性シーラント材を用いたり、蓋体と容器間のシール条件等の変更により弱シールとすると、レトルトないしボイル処理のような過酷な条件により、ボイル・レトルト処理中に蓋材が開封してしまったり、層間剥離を起こして液漏れ発生の原因となる恐れがあるという問題点があった。
本発明の目的は、レトルトないしボイル処理中に成形容器内に浸透する酸素を吸収し、食品の酸化による変色や成分劣化を防止可能であり、内容物保存適性に優れ、かつ、蓋体が開封しやすく、かつ、レトルトないしボイル処理のような過酷な条件に耐えうる、ボイル・レトルト用密封容器を提供することである。
そこで、上記課題を解決すべく、本発明に係るボイル・レトルト用密封容器では、ガスバリア性成形容器、及び、これに内容物を収納してヒートシールされた蓋材からなる密封容器であって、かつ、前記のガスバリア性成形容器が、外側から、熱可塑性樹脂からなる外層と、ガスバリア性熱可塑性樹脂からなる中間層と、熱可塑性樹脂層からなる内層とを順次積層する構成からなり、かつ、前記の蓋材が、外側から、耐熱性基材フィルムからなる外層と、ガスバリア性層としてアルミニウム箔からなる中間層と、酸素吸収材を含有する熱可塑性樹脂層からなる中間層と、熱可塑性樹脂層からなる内層とを順次積層する積層体からなり、かつ、前記の成形容器に内容物を収納して、前記の蓋を熱封緘した状態で、ボイル殺菌またはレトルト殺菌に耐えうる密封容器であることを特徴とする。
また、本発明に係るボイル・レトルト用密封容器において、前記の蓋材を構成する酸素吸収材が、鉄粉であることを特徴とする。
また、本発明に係るボイル・レトルト用密封容器において、前記の蓋材を構成する熱可塑性樹脂層からなる内層が、ポリプロピレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、または、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂からなることを特徴とする。
また、本発明に係るボイル・レトルト用密封容器において、前記のガスバリア性成形容器を構成するガスバリア性熱可塑性樹脂からなる中間層が、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ナイロン樹脂層とエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体層とナイロン樹脂層とからなる共押出樹脂層、ナイロン樹脂層とMXDナイロン樹脂層とナイロン樹脂層とからなる共押出樹脂層、または、MXDナイロン樹脂層からなることを特徴とする。
また、本発明に係るボイル・レトルト用密封容器において、前記のガスバリア性成形容器を構成する外層および内層が、ポリプロピレン樹脂からなることを特徴とする。
また、本発明に係るボイル・レトルト用密封容器において、前記のガスバリア性成形容器のフランジ部の表面を形成する樹脂層が、易開封性熱可塑性樹脂層からなることを特徴とする。
また、本発明に係るボイル・レトルト用密封容器において、前記のガスバリア性成形容器本体が、真空・圧空成形してなる成形容器であることを特徴とする。
また、前記の密封容器は、70〜100℃の温水中でのボイル殺菌処理に耐えうるボイル殺菌処理用容器、または、100℃〜135℃でのレトルト殺菌処理に耐えうるレトルト殺菌処理用容器であることを特徴とする。
本発明に係るボイル・レトルト用密封容器は、ボイル・レトルト処理後に成形容器内に浸透する酸素、ホットウォーマーによる加温により成形容器内に浸透する酸素や容器内に残存する酸素を吸収し、食品を酸化による変色や成分劣化を防止可能であり、内容物保存適性に優れ、かつ、蓋体が手で開封しやすく、中間層を構成する鉄材の露出することなく、フランジ面で剥離可能であり、かつ、レトルトないしボイル処理のような過酷な条件下においても、層間剥離、開封等がなく、レトルトないしボイル処理に耐えうるという利点を有する。
上記の本発明について以下に図面等を用いて更に詳しく説明する。
まず、本発明に係るボイル・レトルト用密封容器を構成する積層材等の構成についてその一二例を例示して図面を用いて説明すると、図1は、本発明に係る蓋材を構成する積層材であり、図2は、本発明に係るガスバリア性成形容器を構成する積層材であり、図3は、本発明に係るボイル・レトルト用密封容器100の断面図であり、図4は、本発明のボイル・レトルト可能な包装体の蓋材と容器の熱接着部の構造を示す図で(a)は接着した状態の断面図、(b)は蓋を剥離した状態の断面図である。
図1は、本発明に係る蓋材10を構成する積層材である。
本発明に係る蓋材10は、図1に示すように、外側から、耐熱性基材フィルムからなる外層2と、接着剤層3と、ガスバリア性層としてアルミニウム箔からなる中間層4と、接着剤層5と、酸素吸収材を含有する熱可塑性樹脂層からなる中間層6と、熱可塑性樹脂層からなる内層8とを順次積層する積層体から構成される。
なお、図示しないが、本発明に係る蓋材10は、図1において、更に耐ピンホール性を付与する層を積層することができる。
本発明に係る蓋材10は、外部からの酸素を遮断すると共に、レトルトないしボイル処理中に成形容器内に浸透する酸素や容器内に残存する酸素を吸収することが可能であり、かつ、レトルトないしボイル処理のような過酷な条件下でも蓋体の開封や蓋体の層間剥離等がなく、耐熱、耐圧性があり、かつ、フランジから剥離可能であるという利点を有する。
本発明に係る蓋材10を構成する耐熱性基材フィルム(外層)2としては、蓋材10の基本素材となることから、成形容器を密封後、外部からの物理的衝撃から、包装材、内容物を保護するための耐衝撃性、ヒートシールに耐える耐熱性、印刷適性を有する樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
具体的には、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、フッ素系樹脂、その他等の強靱な樹脂のフィルムないしシ−ト、その他等を使用することができる。
また、必要に応じてこれらの基材フィルムに例えばアルミニウム等の金属、または、例えばアルミニウム、酸化アルミナ、酸化珪素等の無機物を蒸着して使用してもよい。
なお、必要に応じて、例えば、文字、図形、記号、絵柄、模様等の所望の印刷絵柄を通常の印刷インキで表刷り印刷あるいは裏刷り印刷等が施されていてもよい。
上記の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、未延伸フィルム、あるいは一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。
そのフィルムの厚さとしては、5〜100μm位、好ましくは、10〜50μm位が望ましい。
本発明に係る蓋材10を構成する耐ピンホール性を付与する層(中間層)としては、機械的、物理的、化学的、その他等において優れた性質を示し、その強度に優れ、更に、耐熱性、耐ピンホール性、耐突き刺し性等の物性に優れたフィルムないしシートを使用することができる。
具体的には、耐ピンホール性を付与する層の材料としては、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアセタール樹脂、フッ素系樹脂その他等の強靭な樹脂のフィルムないしシ−トを用いることができる。
而して、上記の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、未延伸フィルム、あるいは一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。
また、本発明において、その樹脂のフィルムないしシートの厚さとしては、強度、耐ピンホール性、耐突き刺し性、剛度、その他等について必要最低限に保持され得る厚さであれば良く、厚すぎると、コストが上昇するという欠点もあり、逆に、薄すぎると、強度、耐突き刺し性、剛度、その他等が低下して好ましくないものである。
そのフィルムの厚さとしては、5〜100μm位、好ましくは、6〜50μm位が望ましい。
本発明に係る蓋材10を構成するガスバリア性を付与する層(中間層)4としては、水蒸気、水、ガス等を透過しない性質等を有する材料を使用することができ、これは、単体の基材でもよく、あるいは二種以上の基材を組み合わせてなる複合基材等であってもよい。
具体的には、このバリア層の材料としては、アルミニウム箔、アルミニウム等の金属、シリカ、アルミナ等のセラミックをPETフィルム等のプラスチックフィルムに真空蒸着又はスパッタリング等によって蒸着膜を形成して使用する場合もある。
セラミックとしては、この他に、酸化インジウム錫(ITO)、又は、亜鉛、錫、チタン、ジルコニウム、バナジウム、バリウム、クロム等の金属酸化物、窒化珪素、炭化珪素等が使用できる。
これらの材料は、一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。
また、上記の蒸着膜を支持する樹脂のフィルムとしては、これに蒸着層を設けることから、機械的、物理的、化学的、その他等において優れた性質を有し、特に強度を有して強靭であり、かつ、耐熱性を有する樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。
上記のフィルムないしシ−トの厚さとしては、任意であるが、通常、5〜300μm位が好ましく、10〜100μm位が望ましい。
更に、上記において、アルミニウム箔としては、5〜30μm位の厚さのもの、また、金属または無機酸化物の蒸着膜としては、厚さ50〜3000Å位のものを使用することが好ましく、100〜1000Å位のものが望ましい。
本発明に係る蓋材10において、中でも、アルミニウム箔をラミネートした蓋材は、レボイル・レトルト処理工程の湿潤状態下において、ガスバリア性に非常に優れ、外部からの光を遮断する性質を有するため、内容物の保存性に優れるものである。
また、アルミニウム箔をラミネートした蓋材は、カップ容器内にお湯を注ぐ際、容器の蓋を一部開口して起立し、その後は再密閉できるように、蓋材に折癖を保持することができるので好ましい。即ち、アルミニウム箔をラミネートした蓋材は、蓋を起こして開けた場合でも、そのままの起こした状態が保持され開封したままの状態を維持させる性質を有するものあるので好ましい。
また、カール性を生じにくい性質を有するので、特に枚葉の蓋材として容器にヒートシールする際、自動供給などの作業性が良いものであるため好ましい。
本発明に係る蓋材10を構成する酸素吸収性の機能を付与する中間層6としては、酸素吸収材を含有する熱可塑性樹脂層からなるものである。
酸素吸収剤としては、従来から使用されている酸素吸収剤を全て適用することができるが、一般には還元性でしかも実質上水に不溶なものが好ましい。
具体的に、例えば、還元性鉄、還元性亜鉛、還元性錫粉等の還元性を有する金属粉、例えば、酸化第一鉄、四三酸化鉄等の金属低位酸化物、例えば、炭化鉄、硅素鉄、鉄カルボニル、水酸化第一鉄等の一種又は二種以上を組み合わせたものを主成分とした還元性金属化合物等を使用できる。
これらの酸素吸収剤は、必要に応じてアルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、第三燐酸塩、活性アルミナ、活性白土のような助剤と組み合わせて使用することができる。
これらの酸素吸収剤は、一般に、平均粒径が50μm以下であることが平滑な酸素吸収性層を得ることができるので好ましく、30μm以下の粒径であることがより好ましい。
また、酸素吸収剤は、下記の樹脂100重量部当たり1〜90重量部が好ましく、10〜50重量部の割合で熱可塑性樹脂層に添加することが好ましい。
酸素吸収剤が1重量部未満であると、酸素吸収性の機能を発現しないので好ましくなく、90重量部を超えると、フィルム形成性に劣るので好ましくない。
酸素吸収剤を含有する熱可塑性樹脂層6としては、フィルム形成することができる樹脂であって、ボイル・レトルト殺菌処理に耐えられる樹脂であることが必要であり、具体的に、例えば、直線状(線状)低密度ポリエチレン樹脂(密度が0.92以上のものが好ましい。)、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、アイソタクティックポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン− 1 共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン1共重合体、ポリエステル樹脂、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、或いはこれらのブレンド物等からなる樹脂を使用することができる。
上記の樹脂には、必要に応じて、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアルコール、ビニルアルコール− アクリル酸共重合体、ポリエチレンオキサイド変性物、アクリル酸ソーダ重合体、アクリル酸、アクリル酸塩、グラフト化澱粉、澱粉のアクリルニトリルグラフト化加水分解物、アクリル酸グラフト化セルロース、アクリル酸塩グラフト化セルロース等の澱粉乃至セルロース系のグラフト誘導体等の高吸水性樹脂を吸水剤として添加することができる。
また、これらの樹脂以外にも硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、燐酸二ナトリウム、二燐酸ナトリウム等の無機塩類、シリカゲル、アルミナゲル、珪藻土、各種ゼオライト等の吸水性無機化合物を配合することができる。
また、上記の樹脂には、必要に応じて、染料、顔料等の着色剤、分散剤、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤等を添加してもよい。
本発明に係る蓋材10を構成する内層8としては、容器本体のフランジにヒートシールすることができ、ボイル・レトルト殺菌処理に耐え、酸素吸収性層(中間層6)に強固に接着し、手で蓋を開封する際、酸素吸収性層と内層との層間で層間剥離や凝集破壊することなく、フランジから剥離可能な熱可塑性樹脂層を用いることができる。
上記の熱可塑性樹脂層を構成する樹脂としては、具体的に、例えば、直線状(線状)低密度ポリエチレン樹脂(密度が0.92以上のものが好ましい。)、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、アイソタクティックポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン− 1 共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン1共重合体、ポリエステル樹脂、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、或いはこれらのブレンド物等からなる樹脂を使用することができる。
上記の樹脂において、酸素吸収性の機能を付与する中間層6と同じ樹脂を使用することが、酸素吸収性層と内層との層間密着性に優れる点で好ましく、酸素吸収性層と内層とを共押し出しして積層することができる。
また、酸素吸収層が酸素吸収剤によって着色されているため、これを隠蔽するように、チタンホワイト等の従来公知の白色顔料を配合して着色するのが好ましい。
本発明に係る蓋材10を構成する各層を積層する方法について説明すると、ドライラミネーション法、無溶剤型ラミネーション法、ウェットラミネーション法、押出しラミネーション法、共押出しラミネーション法、サンドイッチラミネーション法、その他等で行うことができ、中でも、ドライラミネーション法が好ましい。
本発明において、ラミネート用接着剤を使用することにより、各層間の密着性を向上すると共に、ラミネート用接着剤層の伸長度を向上させ、ラミネート加工の後加工適性を向上させ、後加工時におけるアルミニウム等の金属箔のクラック等を防止し、更に、ボイル処理、レトルト処理を施しても層間剥離せずにラミネート強度が強固なものとなるという利点を有するものである。
上記の積層を行う際に、必要ならば、例えば、コロナ処理、オゾン処理等の前処理をフィルムに施すことができる。
上記のラミネ−ト用接着剤の組成系としては、水性型、溶剤型、エマルジョン型、分散型等のいずれの形態でもよく、また、その性状は、フィルム・シート状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよく、更に、接着機構については、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれの形態でもよいものである。
かかるラミネ−ト用接着剤等としては、例えば、イソシアネ−ト系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジェン系、有機チタン系等のアンカ−コ−ティング剤、あるいはポリウレタン系、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、2−エチルヘキシルエステル等のポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロ−ス系、ポリアミド系、ポリイミド系、尿素樹脂、メラミン樹脂等のアミノ樹脂系、フェノール樹脂系、エポキシ樹脂系、反応型(メタ)アクリル系、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等のゴム系、シリコーン系、アルカリ金属シリケート、低融点ガラス等からなる無機系接着剤、その他等の接着剤等を好ましく使用でき、例えば、イソシアネ−ト系樹脂(硬化剤)と、水酸基を有するポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ウレタン変性ポリオール、エポキシ化合物(主剤)との二液硬化型接着剤が望ましい。
これらの中でもポリエステルを用いることは耐熱性の点で好ましい。
なお、上記ラミネート用接着剤には、例えば、シランカップリング剤等の接着促進剤を任意に添加することができる。
シランカップリング剤は、その分子の一端にある官能基、クロロ、アルコキシ、または、アセトキシ基等が加水分解し、シラノール基を形成し、これが、金属箔や金属、無機酸化物の蒸着膜表面上の活性な基と脱水縮合反応等を起こして強固な結合を形成し、他方で、シランカップリング剤の他端にあるビニル基、メタクリロキシ基、アミノ基、エポキシ基等の有機官能基が、耐ピンホール性層、最内層等を構成する物質と強固に反応することで、ラミネート強度を高め、強固な層間強度を可能にするものである。
即ち、シランカップリング剤が有する無機性と有機性とを利用し、金属箔、無機酸化物の蒸着膜と、接着剤層、アンカーコート剤層、その他等の層を介して、紙基材、合成樹脂フィルム基材との密着性を向上させ、これにより、ラミネート強度を高めるものである。
そして、これらの接着剤を形成する方法としては、例えば、ダイレクトロールコート、リバースロールコート、グラビア(ダイレクト)コート、エアナイフコート、スクイズコート、ブレードコート、コンマコート、カーテンフローコート、キスコート、押し出しコート、その他の方法によって形成することができる。
接着剤のコーティング量としては、0.1g/m2〜10g/m2位(乾燥状態)が好ましく、1g/m2〜5g/m2位(乾燥状態)が望ましい。
図2は、本発明に係るガスバリア性成形容器20を構成する積層材である。
本発明に係るガスバリア性成形容器20は、図2に示すように、外側から、熱可塑性樹脂からなる外層12と、ガスバリア性熱可塑性樹脂からなる中間層14と、熱可塑性樹脂層からなる内層16とを順次積層する構成からなる。
本発明に係るガスバリア性成形容器20を構成する熱可塑性樹脂からなる外層12および内層16としては、真空・圧空成形してなる深絞り成形用の樹脂として使用できると共に、ボイル・レトルト処理が可能であることが必要であり、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状(直鎖状)低密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポモポリプロピレン樹脂、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、、その共重合体等のポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン-スチレン共重合体、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、その他等の各種の成形用樹脂を使用することができる。
本発明において、包装用容器としての機能、強度等を充足するために、中でも、ポリプロピレン樹脂または高密度ポリエチレン樹脂を使用することがより好ましいものである。
本発明に係るガスバリア性成形容器20を構成するガスバリア性熱可塑性樹脂からなる中間層14としては、酸素ガス、水蒸気等の透過を防止するガスバリア性を有する樹脂であって、真空・圧空成形してなる深絞り成形用の樹脂として使用できる樹脂であることが必要であり、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ナイロン系樹脂(ポリアミド系樹脂)、アクリルニトリル系樹脂、ポリビニルアルコ−ル、エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物、その他等の樹脂のフィルムないしシ−ト、更に、樹脂に顔料等の着色剤を、その他、所望の添加剤を加えて混練してフィルム化してなる遮光性を有する各種の着色樹脂のフィルムないしシ−ト等を併用して使用することができる。これらの材料は、一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。上記のフィルムないしシ-トの厚さとしては、任意であるが、通常、6μm〜100μm位、更には、7μm〜30μm位が望ましい。更に、上記において、無機酸化物の蒸着薄膜としては、厚さ50Åないし1000Å位のものを使用することができる。また、上記の蒸着膜を支持する樹脂のフィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリカ−ボネ−トフィルム、ポリビニルアルコ−ルフィルム、エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム、その他等を使用することができる。
本発明においては、中でも、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ナイロン樹脂層とエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体層とナイロン樹脂層とからなる共押出樹脂層、ナイロン樹脂層とMXDナイロン樹脂層とナイロン樹脂層とからなる共押出樹脂層、または、MXDナイロン樹脂層からなるものが、ボイル・レトルト処理を行う際、耐水性、耐熱性に優れるので好ましい。
上記のエチレン−ビニルアルコール共重合体としては、エチレン含有量、20mol%〜60mol%程度が好ましく、25mol%〜50mol%であるエチレンビニルアルコール共重合体を、ケン化度が95%以上となるようにケン化して得られる共重合体ケン化物であるエチレンビニルアルコール共重合体を使用することができる。
エチレン含有率が20mol%未満であっるか、またはケン化度が95%未満であると、高湿下のガスバリア性に劣り、またエチレン含有率が60mol%を越えると高湿下だけでなく、低湿下でもガスバリア性に劣るので好ましくない。
本発明に係るガスバリア性成形容器20は、そのフランジ部の表面を形成する易開封性熱可塑性樹脂層としては、熱可塑性樹脂であれば、特に制限されず、具体的に、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状(直鎖状)低密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポモポリプロピレン樹脂、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、、その共重合体等のポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、その他等の各種の成形用樹脂を使用することができる。
本発明においては、上記の樹脂を単独または混合した樹脂を使用することができる。
具体的には、容器のフランジ部の表面を形成する樹脂層に、中間層であるバリア層まで到達しない程度に切り込まれたハーフカットを形成することが好ましく、例えば、品名「マジックトップ」(出光ユニテック株式会社製)等が挙げられる。このことによって、ハーフカットの形成部分から樹脂層を切れやすくすることができるので、開封しやすくなる点で好ましい。
上記の樹脂には、必要に応じて、染料、顔料等の着色剤、分散剤、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤等を添加してもよい。
上記の各層は、ドライラミネーション法、共押出コーティング法等のコーティング法によって積層される。
上記で得られた積層体のフィルムまたはシートを用いて、一般的に真空成形、圧空成形等の成形方法により熱成形容器とすることが可能である。
そして、本発明にかかるガスバリア性成形容器20は、その開口部から、お粥等の流動食品、ゼリ−状食品、液体ス−プ、ミルク、コーヒー、紅茶、果汁、調味料、カレ−、シチュ−、ミ−トソ−ス、その他等の種々の飲食品、化粧品、医薬品、化学品その他等の内容物を充填し、しかる後、その開口部に蓋材を使用し、ヒ−トシ−ル等により強固に密接着させて、密閉した密閉包装体を製造し、更に、上記の密閉包装体を、例えば、70℃〜100℃位の温水で、内容物によって異なるが、3分〜60分程度のボイル殺菌処理する方法により、または、通常のレトルト釜を使用し、例えば、温度、100℃〜135℃位で、圧力、1Kgf/cm2〜3Kgf/cm2位、10分〜60分間位のレトルト殺菌処理する方法により、レトルト処理あるいはボイル処理して、レトルトないしボイル処理した包装製品を製造することができるものである。
上記のレトルト殺菌温度については、通常、120℃、30分〜60分程度のレトルト条件で行われるが、105℃〜115℃のセミレトルト、130℃以上のハイレトルト(HTST)等で行うことができる。
次に、本発明に係るボイル・レトルト用密封包装用容器100について、実施例を示して更に具体的に説明する。
〔ガスバリア性容器本体20の作製〕
ガスバリア性容器成形用積層シートとして、層構成、(外側)ポリプロピレン系樹脂層(厚み790μm)/接着性樹脂層(厚み20μm)/エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体層(厚み120μm)/接着性樹脂層(厚み20μm)/ポリプロピレン系樹脂層(厚み790μm)/易開封性熱可塑性樹脂層(厚み60μm)(内側)の商品名「マジックトップSMP」、出光ユニテック株式会社製を用いて、圧空真空成形法により直径88mm、230ml(満杯容量)のガスバリア性成形容器20を作製した。
なお、蓋材の熱接着予定部は、少なくとも4mm幅のスペースが設けられるように形成した。容器の開口部周囲のフランジ部には、蓋材10と熱接着予定部の内側に、ハーフカットを設けたものである。
〔蓋材10の作製〕
上記の蓋材10として、外側から、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム層(厚み12μm)と、2軸延伸ナイロンフィルム(厚み15μm)と、アルミニウム箔(厚み7μm)と、ポリプロピレン樹脂に平均粒径30μmの鉄粉を混練してなる酸素吸収材性層(厚み30μm、商品名「オーマック」、三菱ガス化学株式会社製)と、未延伸ポリプロピレン樹脂層(厚み40μm)とを二液硬化型ポリウレタン系接着剤を介して順次積層して貼り合わせ、層構成、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム層(厚み12μm)/二液硬化型ポリウレタン系接着剤層/2軸延伸ナイロンフィルム(厚み15μm)/二液硬化型ポリウレタン系接着剤層/アルミニウム箔(厚み9μm)/二液硬化型ポリウレタン系接着剤層/酸素吸収材性層(厚み30μm)/未延伸ポリプロピレン樹脂層(厚み40μm)を作製した。
〔ボイル・レトルト用密封包装体100の作製〕
上記で製造したガスバリア性成形容器20に、その開口部から充填包装する内容物30として、スープを充填し、包装体の内部の空気を窒素ガスとガス置換した後、その開口部に、上記で製造した蓋材10で密閉して、外側からヒートシールして密閉包装体を製造した。
次に、上記の密閉包装体をレトルト釜に入れ、温度、125℃、圧力、2.1Kgf/cm2 、時間、60分間からなるレトルト処理条件でレトルト処理(加熱殺菌処理)を行い、レトルト処理済の包装製品を製造した。
上記のレトルト処理済の包装製品は、ボイル・レトルト処理中やホットウォーマーによる加温中に成形容器内に浸透する酸素や容器内のヘッドスペースに残存する酸素を吸収可能であり、食品を酸化による変色や成分劣化を防止可能であるため、内容物保存適性に優れており、レトルト処理後に、層間剥離や容器の変形等もなく、密封容器を開封する際、蓋体のつまみ部をつまんで容易に開封しやすく、中間層を構成する鉄材の露出することなく、容器本体のフランジ面で剥離するため、外観にも優れるものであった。
前記の実施例1と同様のガスバリア性容器本体20および蓋体10を用い、内容物30として、スープに替えてコーヒーを充填し、包装体の内部の空気を窒素ガスとガス置換した後、その開口部に、上記で製造した蓋材で密閉して、外側からヒートシールして実施例2に係る密閉包装体100を製造した。
次に、上記の密閉包装体をレトルト釜に入れ、温度、125℃、圧力、2.1Kgf/cm2、時間、60分間からなるレトルト処理条件でレトルト処理(加熱殺菌処理)を行い、レトルト処理済の包装製品を製造した。
上記のレトルト処理済の包装製品100は、ボイル・レトルト処理後、1週間、23℃で保存後、更に2週間、ホットウォーマー(60℃)で保存した結果、ホットウォーマーによる加温中に成形容器内に浸透する酸素や容器内のヘッドスペースに残存する酸素を吸収可能であり、食品を酸化による変色や成分劣化を防止可能であるため、内容物であるコーヒーの味、風味が劣化せず、保存適性に優れており、レトルト処理後に、層間剥離や容器の変形等もなく、密封容器を開封する際、蓋体のつまみ部をつまんで容易に開封しやすく、中間層を構成する鉄材の露出することなく、容器本体のフランジ面で剥離するため、外観にも優れるものであった。
前記の実施例1のボイル・レトルト用密封包装用容器の蓋材10の層構成において、アルミニウム箔に替えて厚み12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に厚さ100Åのアルミニウムの蒸着層を形成した蒸着フィルムを使用する以外は、全て実施例1と同様にして、層構成、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム層(厚み12μm)/アルミニウム蒸着膜(100Å)/二液硬化型ポリウレタン系接着剤層/2軸延伸ナイロンフィルム(厚み15μm)/二液硬化型ポリウレタン系接着剤層/酸素吸収材性層(厚み30μm)/未延伸ポリプロピレン樹脂層(厚み40μm)を作製した。
上記で作製した蓋体を実施例1と同様のガスバリア性容器本体に内容物を充填後、窒素置換後、フランジ部でヒートシールして、容器を密封して、レトルト釜に入れ、温度、125℃、圧力、2.1Kgf/cm2 、時間、60分間からなるレトルト処理条件でレトルト処理(加熱殺菌処理)を行い、実施例3に係るレトルト処理済の包装製品100を作製した。
上記のレトルト処理済の包装製品は、ボイル・レトルト処理中やホットウォーマーによる加温中に成形容器内に浸透する酸素や容器内のヘッドスペースに残存する酸素を吸収可能であり、食品を酸化による変色や成分劣化を防止可能であるため、内容物保存適性に優れており、レトルト処理後に、層間剥離や容器の変形等もなく、密封容器を開封する際、蓋体のつまみ部をつまんで容易に開封しやすく、中間層を構成する鉄材の露出することなく、容器本体のフランジ面で剥離するため、外観にも優れるものであった。
(比較例1)
前記の実施例1のボイル・レトルト用密封包装用容器の蓋材10の層構成において、ポリプロピレン樹脂に鉄粉を混練してなる酸素吸収材性層を形成しない以外は、全て実施例1と同様にして、層構成、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム層(厚み12μm)/二液硬化型ポリウレタン系接着剤層/2軸延伸ナイロンフィルム(厚み15μm)/二液硬化型ポリウレタン系接着剤層/アルミニウム箔(厚み7μm)/二液硬化型ポリウレタン系接着剤層/未延伸ポリプロピレン樹脂層(厚み40μm)を作製した。
上記で作製した蓋体を実施例1と同様のガスバリア性容器本体に内容物を充填後、窒素置換後、フランジ部でヒートシールして、容器を密封して、レトルト釜に入れ、温度、125℃、圧力、2.1Kgf/cm2 、時間、60分間からなるレトルト処理条件でレトルト処理(加熱殺菌処理)を行い、比較例1のレトルト処理済の包装製品を作製した。
その結果、レトルト処理後に、容器の外部より酸素が侵入し、この酸素により食品を酸化し、食品の変色や成分が劣化してしまった。
(比較例2)
前記の実施例1のボイル・レトルト用密封包装用容器の蓋材10の層構成において、アルミニウム箔、2軸延伸ナイロンフィルムに替えて、厚み15μmのMXナイロンフィルムを使用する以外は、全て実施例1と同様にして、層構成、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム層(厚み12μm)/二液硬化型ポリウレタン系接着剤層/MXナイロンフィルム(厚み15μm)/二液硬化型ポリウレタン系接着剤層/酸素吸収材性層(厚み30μm)/未延伸ポリプロピレン樹脂層(厚み40μm)を作製した。
上記で作製した蓋体10を実施例1と同様のガスバリア性容器本体に内容物を充填後、窒素置換後、フランジ部でヒートシールして、容器を密封して、レトルト釜に入れ、温度、125℃、圧力、2.1Kgf/cm2 、時間、60分間からなるレトルト処理条件でレトルト処理(加熱殺菌処理)を行い、比較例3のレトルト処理済の包装製品を作製した。
その結果、レトルト処理後に、容器の外部より酸素が侵入し、この酸素により食品を酸化し、食品の変色や成分が劣化してしまった。
〔内容物酸化濃度の経時変化〕
実施例1および比較例1のボイル・レトルト用密封包装容器(満杯容量230ml)を用いて、内容物30として、水を180ml充填し、窒素置換後、蓋体でヒートシールした。
しかる後、レトルト釜に入れ、温度、125℃、圧力、2.1Kgf/cm2 、時間、60分間からなるレトルト処理条件でレトルト処理(加熱殺菌処理)を行い、レトルト処理済の包装製品を作製した。
次いで、23℃で保存し、容器内のヘッドスペースの酸素濃度(%)をジルコニア式酸素濃度計により経時的に測定した。その結果を表1および図5に示す。
なお、図5の縦軸は、容器内ヘッドスペースの酸素濃度を示し、横軸は、経過時を示すグラフを図5に示す。
容器内のヘッドスペースの酸素濃度(%)を経時的に測定した結果、比較例1の包装体の場合、レトルト処理直後から経時的に容器内のヘッドスペースの酸素濃度が増加しているのに対し、実施例の包装体の場合、レトルト処理後から7日まで、容器のヘッドスペースの酸素濃度の増加が抑制されていることが確認できた。
また、7日以降においては、実施例の酸素濃度が低下していくことが確認できた。
本発明に係る蓋材を構成する積層材である。 本発明に係るガスバリア性成形容器を構成する積層材である。 本発明に係るボイル・レトルト用密封容器の断面図である。 本発明のボイル・レトルト可能な包装体の蓋材と容器の熱接着部の構造を示す図で(a)は接着した状態の断面図、(b)は蓋を剥離した状態の断面図である。 本発明のボイル・レトルト可能な包装容器におけるヘッドスペースの酸素濃度の経時変化の測定結果を示すグラフである。
符号の説明
2 耐熱性基材フィルム(外層)
3 接着剤層
4 ガスバリア性層(中間層)
5 接着剤層
6 酸素吸収材を含有する熱可塑性樹脂層(中間層)
7 印刷層
8 熱可塑性樹脂層からなる内層
10 蓋材
12 熱可塑性樹脂(外層)
13、15 接着層
14 ガスバリア性熱可塑性樹脂(中間層)
16 熱可塑性樹脂層(内層)
18 易開封生熱可塑性樹脂層
20 ガスバリア性成形容器
22 摘み片
24 フランジ部
26 ハーフカット部
28 シール部
30 内容物
100 ボイル・レトルト用密封包装用容器

Claims (8)

  1. ガスバリア性成形容器、及び、これに内容物を収納してヒートシールされた蓋材からなる密封容器であって、
    かつ、前記のガスバリア性成形容器が、外側から、熱可塑性樹脂からなる外層と、ガスバリア性熱可塑性樹脂からなる中間層と、熱可塑性樹脂層からなる内層とを順次積層する構成からなり、
    かつ、前記の蓋材が、外側から、耐熱性基材フィルムからなる外層と、ガスバリア性層としてアルミニウム箔からなる中間層と、酸素吸収材を含有する熱可塑性樹脂層からなる中間層と、熱可塑性樹脂層からなる内層とを順次積層する積層体からなり、
    かつ、前記の成形容器に内容物を収納して、前記の蓋を熱封緘した状態で、ボイル殺菌またはレトルト殺菌に耐えうる密封容器であることを特徴とするボイル・レトルト用密封容器。
  2. 前記の蓋材を構成する酸素吸収材が、鉄粉であることを特徴とする請求項1記載のボイル・レトルト用密封容器。
  3. 前記の蓋材を構成する熱可塑性樹脂層からなる内層が、ポリプロピレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、または、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂からなることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のボイル・レトルト用密封容器。
  4. 前記のガスバリア性成形容器を構成するガスバリア性熱可塑性樹脂からなる中間層が、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ナイロン樹脂層とエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体層とナイロン樹脂層とからなる共押出樹脂層、ナイロン樹脂層とMXDナイロン樹脂層とナイロン樹脂層とからなる共押出樹脂層、または、MXDナイロン樹脂層からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のボイル・レトルト用密封容器。
  5. 前記のガスバリア性成形容器を構成する外層および内層が、ポリプロピレン樹脂からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のボイル・レトルト用密封容器。
  6. 前記のガスバリア性成形容器のフランジ部の表面を形成する樹脂層が、易開封性熱可塑性樹脂層からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のボイル・レトルト用密封容器。
  7. 前記のガスバリア性成形容器本体が、真空・圧空成形してなる深絞り成形容器であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のボイル・レトルト用密封容器。
  8. 前記の密封容器は、70〜100℃の温水中でのボイル殺菌処理に耐えうるボイル殺菌処理用容器、または、100℃〜135℃でのレトルト殺菌処理に耐えうるレトルト殺菌処理用容器であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のボイル・レトルト用密封容器。

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