JP2006281812A - ラックブーツ - Google Patents

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勝久 太田
Yuji Furuta
裕二 古田
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智 鈴木
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Abstract

【課題】蛇腹部の一部が径方向に大きく変形しても蛇腹部の他の部分にまで変形が伝達されず、設計の自由度が高く、相手材の動きに干渉しないラックブーツを提供すること。
【解決手段】相手側大径部材と相手側小径部材との間に介装されたボールジョイントを覆うとともに、第1筒部が相手側大径部材に固定され、第2筒部が該相手側小径部材に固定され、蛇腹部の内周面がボールジョイントと離間して配置されるラックブーツに、山部の一つからなり頂部が平坦に形成され隆起高さが山部よりも小さい分断山部と、谷部の一つからなり頂部が平坦に形成され陥没高さが谷部よりも小さい分断谷部と、の少なくとも一方を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、ラックピニオン式ステアリングのステアリング装置に取り付けられるラックブーツに関する。
ラックブーツは、自動車のステアリングギアボックスとタイロッドとの間のボールジョイントを覆う樹脂製の部材である。ラックブーツは、ステアリングラックブーツあるいはステアリングブーツとも呼ばれている。一般的なラックブーツを模式的に表す軸方向断面図を図10に示し、一般的なラックブーツの形状を以下に説明する。
ラックブーツは、第1筒部100と、第2筒部200と、蛇腹部300とからなる。第1筒部100および第2筒部200は、各々筒状に形成されている。蛇腹部300は、複数の山部301と複数の谷部302とをもつ。山部301は外周方向に隆起する。谷部302は内周方向に陥没する。蛇腹部300は、山部301と谷部302とが交互に連続し、互いに隣接する山部301と谷部302とが連絡壁部306で連結されてなる中空形状(所謂蛇腹状)に形成されている。蛇腹部300の一端側には第1筒部100が形成され、他端側には第2筒部200が形成されている。第1筒部100はステアリングギアボックス400に取り付けられる。第2筒部200はタイロッド401に取り付けられる。そして、蛇腹部300はステアリングギアボックス400から延びるラックバー402、タイロッド401、ラックバー402とタイロッド401とを連結するボールジョイント403等から構成されるステアリング部材を覆う。
このようなラックブーツでは、複数の山部301や複数の谷部302がほぼ同形状に形成されている。そして、山部301の頂部303および谷部302の頂部304は湾曲形状に形成されている。したがって、蛇腹部300が軸方向に伸縮変形する場合には、湾曲形状の頂部303を持つ山部301や湾曲形状の頂部304をもつ谷部302は、開いたりすぼまったりして変形する。このような変形によって、湾曲形状の頂部303や頂部304をもつ蛇腹部300は、軸方向に伸縮変形し易く、軸方向の剛性が低くなる。軸方向の剛性が低い蛇腹部300は、径方向の変形も容易である。よって、このような蛇腹部300を持つラックブーツは、内部の空気が膨張し内圧が高くなったときに蛇行変形し易い。
したがって、蛇腹部300の径方向の変形の大きさによっては蛇腹部300の変形させたくない部分までもが径方向に大きく変形する場合がある。
ラックブーツでは、蛇腹部300が径方向に大きく変形すると、谷部302がステアリング部材に近接した位置に動いてステアリング部材に接触する。谷部302がステアリング部材に接触すると、蛇腹部300にステアリング部材が噛み込む場合がある。また、谷部302がステアリング部材に接触すると、谷部302とステアリング部材とが摺接する場合がある。これらの場合には、ラックブーツが早く消耗する。蛇腹部300が径方向に大きく変形すると、山部301がラックブーツ近傍に配置されている他の部材と接触する場合もある。この場合にも、蛇腹部300に他の部材が噛み込んだり、山部301と他の部材とが摺接すると、ラックブーツが早く消耗する。このような噛み込みや消耗を回避するために、蛇腹部300が径方向に大きく変形しないラックブーツが望まれていた。
この点に鑑み、特許文献1には、蛇腹部のうちボールジョイントの外側に配される部分をボールジョイントの外形に対応した形状に形成するとともにボールジョイントに当接させるラックブーツが紹介されている。このラックブーツでは、蛇腹部のうちボールジョイントの外側に配される部分であるスカート部がボールジョイントに当接しているため、スカート部は軸方向にも径方向にも変形しない。したがって、蛇腹部の軸方向および径方向の変形は、スカート部より第2筒部側の部分と、スカート部よりも第1筒部側の部分とに分断される。このため、例えばスカート部よりも第2筒部側の部分が軸方向や径方向に変形しても、この変形はスカート部で分断されて、スカート部よりも第1筒部側の部分に伝達されない。
特開平7−259995号公報
特許文献1に紹介されているラックブーツでは、スカート部を境に蛇腹部の変形の伝達が分断される。しかし、スカート部をステアリング部材等の相手材に固定するために、ラックブーツの形状は相手材の形状に大きく支配される。よってラックブーツの設計の自由度が小さい問題もあった。また、スカート部のボールジョイントへの固定が緩いと、スカート部がボールジョイントから外れる場合がある。この場合には、ラックブーツに上述した噛み込みや摺接が発生し易くなる。
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、蛇腹部が径方向に変形し難く、設計の自由度が高いラックブーツを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明のラックブーツは、外周方向に隆起する複数の山部と内周方向に陥没する複数の谷部とをもち山部と谷部とが交互に連続して形成され互いに隣接する山部と谷部とが連絡壁部で接続されてなる中空状の蛇腹部と、蛇腹部の一端側に形成されている第1筒部と、蛇腹部の他端側に形成されている第2筒部とを備え、相手側大径部材と相手側小径部材との間に介装されたボールジョイントを覆うとともに、第1筒部が相手側大径部材に固定され、第2筒部が相手側小径部材に固定され、蛇腹部の内周面がボールジョイントと離間して配置されるラックブーツであって、上記山部の一つからなり頂部が平坦に形成され隆起高さがその他の上記山部よりも小さい分断山部と、上記谷部の一つからなり頂部が平坦に形成され陥没高さがその他の上記谷部よりも小さい分断谷部と、の少なくとも一方をもつことを特徴とする。
本発明のラックブーツにおいて、上記分断山部は頂部の肉厚が上記連絡壁部の肉厚よりも大きいことが好ましい。
本発明のラックブーツにおいて、上記分断谷部は頂部の肉厚が上記連絡壁部の肉厚よりも大きいことが好ましい。
本発明のラックブーツにおいて、上記蛇腹部は、上記第1筒部に連なる一般蛇腹部と、一般蛇腹部と上記第2筒部とに連なり上記山部の外周径と上記谷部の内周径とが上記第2筒部に向けて徐々に小さくなるテーパ蛇腹部とを持つことが好ましい。この場合、上記分断山部または上記分断谷部は上記一般蛇腹部に形成されていることが望ましい。
本発明のラックブーツは、蛇腹部が分断山部と分断谷部との少なくとも一方をもつ。分断山部および分断谷部は頂部が平坦に形成されている。
蛇腹部の変形は、軸方向の伸縮運動と径方向の揺動運動との組合わせからなる。山部の頂部や谷部の頂部が湾曲して形成されている場合には、連絡壁部、山部、谷部が協働して軸方向の伸縮運動と径方向の揺動運動とに寄与する。このため、ラックブーツが径方向に変形し易い。
本発明のラックブーツでは、分断山部や分断谷部の頂部が平坦に形成されている。頂部が平坦に形成されているために、分断山部や分断谷部は軸方向に変形し難くなっている。また、分断山部の隆起高さはその他の山部よりも小さく、分断谷部の陥没高さはその他の谷部よりも小さいため、分断山部や分断谷部に連なる連絡壁部は短丈になっている。このため、分断山部や分断谷部に連なる連絡壁部もまた変形し難くなっている。したがって、蛇腹部の伸縮運動および揺動運動の連続性は分断山部や分断谷部により分断される。よって。本発明のラックブーツは蛇腹部全体が径方向に大きく変形し難くなる。
分断山部の隆起高さはその他の山部(以下、一般山部と呼ぶ)よりも小さく、分断谷部の陥没高さがその他の谷部(以下、一般谷部と呼ぶ)よりも小さい。このため、分断山部または分断谷部に隣接する連絡壁部の長さは他の連絡壁部よりも短い。したがって、本発明のラックブーツは、分断山部または分断谷部を中心とする連絡壁部の揺動代(揺動半径)が小さい。よって、分断山部や分断谷部付近の蛇腹部は、軸方向に大きく変形し難い。このため、本発明のラックブーツでは、軸方向の大きな変形に由来する径方向の大きな変形が防止され、径方向の大きな変形がより確実に防止される。
本発明のラックブーツは、相手材に固定することなく、径方向の変形の伝達を分断するために、設計の自由度が大きくなる。
本発明のラックブーツにおいて、分断山部の肉厚を連絡壁部の肉厚よりも大きくした場合には、分断山部の強度が高くなり、連絡壁部が大きく揺動する際にも分断山部の形状が維持される。よって、分断山部付近の変形は抑制され、蛇腹変形の連続性が分断されるとともに、ラックブーツの径方向の大きな変形がより確実に抑制される。
本発明のラックブーツにおいて、分断谷部の肉厚を連絡壁部の肉厚よりも大きくした場合にも、分断山部の肉厚を連絡壁部の肉厚よりも大きくした場合と同様に、分断谷部の強度が高くなり、分断谷部付近の変形は抑制され、蛇腹変形の連続性が分断されるとともに、ラックブーツの径方向の大きな変形がより確実に抑制される。
本発明のラックブーツにおいて、蛇腹部が一般蛇腹部とテーパ蛇腹部とを持つ場合には、径方向の剛性が高いテーパ蛇腹部によっても、ラックブーツの径方向の大きな変形が抑制される。また、この場合、径方向の剛性が比較的小さい一般蛇腹部に分断山部または分断谷部を形成することで、ラックブーツの径方向の変形を効果的に抑制できる。
以下、本発明のラックブーツを図面を基に説明する。
実施例1のラックブーツは、二つの分断山部をもつ。また、実施例1のラックブーツでは、二つの分断山部の頂部の肉厚が連絡壁部と同程度になっている。実施例1のラックブーツを模式的に表す軸方向断面図を図1に示し、図1の要部拡大図を図2に示す。
実施例1のラックブーツは、蛇腹部1と第1筒部2と第2筒部3とを備えている。蛇腹部1、第1筒部2、および、第2筒部3は、ブロー成形により一体に形成されている。第1筒部2はリング状をなし、ステアリングギアボックス70に取り付けられる。第2筒部3は第1筒部2よりも小径のリング状をなし、タイロッド71に取り付けられる。
蛇腹部1は、第1筒部2と第2筒部3とを連絡する中空形状に形成されている。蛇腹部1は、外周方向に隆起する複数の山部4と、内周方向に陥没する複数の谷部5とをもつ。山部4と谷部5とは、山部4、谷部5、山部4、谷部5・・・というように交互に連続して配置されている。互いに隣接する山部4と谷部5とは連絡壁部6で接続されている。蛇腹部1のうち第2筒部3側の部分は、山部4の外周径と谷部5の内周径とが第2筒部3に向けて徐々に小さくなるテーパ形状に形成され、テーパ蛇腹部15を構成している。蛇腹部1のうち第1筒部2とテーパ蛇腹部15とを連絡する部分が一般蛇腹部16となる。テーパ蛇腹部15と一般蛇腹部16とのうちボールジョイント72に対面する部分は、谷部5の内周径がボールジョイント72の外周径よりも僅かに大きく形成されている。すなわち、蛇腹部1のうち、ボールジョイント72に対面する部分はボールジョイント72に径方向で近接している。
分断山部40は、山部4の一つからなり、頂部である分断頂部41が平坦に形成されている。分断山部40の隆起高さは一般山部42よりも小さい。すなわち、谷部5の頂部である谷頂部51の内周面と分断頂部41の内周面との径方向の距離(分断山部40の隆起高さa)は、一般山部42の頂部である一般山頂部43の内周面と谷頂部51の内周面との径方向の距離(一般山部42の隆起高さb)よりも小さい。実施例1のラックブーツにおいて、分断山部40の隆起高さaは、一般山部42の隆起高さbの1/2である。一般蛇腹部16のうちボールジョイント72とラックバー73との境界部分に対面する部分を境界対面部17とする。実施例1のラックブーツにおいて、分断山部40は、一般蛇腹部16のうち、第1筒部2との境界部分と境界対面部17との略中央部分に形成されている。
分断頂部41は、軸方向に平坦に形成されている。一般山頂部43および谷頂部51は軸方向に湾曲した形状に形成されている。山部4および谷部5は、それぞれ周方向に連続している。分断頂部41は、内周径および外周径が軸方向に一定なリング状を呈している。
連絡壁部6は、分断山部40と谷部5とを連絡する分断連絡壁部60と、一般山部42と谷部5とを連絡する一般連絡壁部61とからなる。実施例1のラックブーツでは、分断連絡壁部60の径方向および軸方向の長さは、一般連絡壁部61の径方向および軸方向の長さよりも短い。
実施例1のラックブーツでは、一般蛇腹部16に分断山部40が形成されている。分断山部40は分断頂部41が平坦に形成されているために、軸方向に変形し難くなっている。また、分断連絡壁部60は短丈であり、変形し難くなっている。したがって、一般蛇腹部16の軸方向への伸縮運動の連続性と、一般蛇腹部16の径方向への揺動運動の連続性とは、分断山部40により分断される。よって、本実施例のラックブーツは蛇腹部1全体が径方向に大きく変形し難い。また、テーパ蛇腹部15は小径であるために径方向の剛性が高い。このため、テーパ蛇腹部15もまた径方向に大きく変形し難い。さらに、一般蛇腹部16のうちボールジョイント72に対面する部分と、テーパ蛇腹部15のうちボールジョイント72に対面する部分とは、ボールジョイント72に径方向で近接している。このため、一般蛇腹部16およびテーパ蛇腹部15は、径方向変形開始後まもなくボールジョイント72に当接する。よって、一般蛇腹部16およびテーパ蛇腹部15の径方向の変形は、ボールジョイント72によっても規制される。
なお、テーパ蛇腹部15と、テーパ蛇腹部15から分断山部40までの一般蛇腹部16と、分断山部40から第2筒部までの一般蛇腹部16とは、各々独立して径方向および軸方向に変形でき、蛇腹機能を発揮する。
実施例1のラックブーツでは、径方向に比較的変形し易い一般蛇腹部16に分断山部40を形成しているため、蛇腹部1の径方向の変形を効果的に抑制している。
実施例1のラックブーツでは、蛇腹部1を相手材であるステアリング部材に固定することなく、径方向の大きな変形を抑制できる。よって、実施例1のラックブーツは設計の自由度が高くなる。
実施例1のラックブーツは、分断山部40をもつものであるが、分断山部40の代わりに分断谷部を設ける場合にも、同様の効果が発揮される。また、分断山部40と分断谷部とをともに設けても同様の効果が発揮される。
実施例2のラックブーツは、二つの分断山部をもつこと、蛇腹部のうちボールジョイントに対面する部分がボールジョイントに径方向で離間していること、および、分断山部の配置位置以外は実施例1と同じものである。実施例2のラックブーツを模式的に表す軸方向断面図を図3に示す。
実施例2のラックブーツにおいて、分断山部40は実施例1と同じ形状である。分断山部40の一つは、一般蛇腹部16のうちボールジョイント72と対面する部分に形成されている。分断山部40の残りの一つは、一般蛇腹部16のうち第1筒部2寄りの部分に形成されている。
実施例2のラックブーツでは、テーパ蛇腹部15は小径に形成されているために径方向に変形し難い。
本実施例では、蛇腹部のうちボールジョイントに対面する部分がボールジョイントに径方向で離間している。このため、実施例1のようにボールジョイント72により径方向の変形を規制する効果はない。しかし、一般蛇腹部16のうちボールジョイント72に対面する部分には、分断山部40が形成されている。このため、一般蛇腹部16のうちボールジョイント72に対面する部分は分断山部40の機能により径方向に変形し難くなっている。
さらに、一般蛇腹部16の複数箇所に分断山部40を形成していることで、一般蛇腹部16のうち分断山部40間に配される部分の長さが小さくなっている。このため、一般蛇腹部16における軸方向への伸縮運動および径方向への揺動運動の連続性は、分断山部40によって小さな範囲で分断される。したがって、実施例2のラックブーツでは、蛇腹部1の径方向の変形をさらに効果的に抑制している。
また、実施例2のラックブーツでは、蛇腹部1を相手材であるステアリング部材に固定することなく、径方向の大きな変形を抑制できる。よって、実施例2のラックブーツは設計の自由度が高くなる。
実施例3のラックブーツは、分断頂部の肉厚が連絡壁部の肉厚よりも大きく形成されていること以外は実施例1と同じものである。実施例3のラックブーツを模式的に表す軸方向断面図を図4に示し、図4の要部拡大図を図5に示す。
実施例3のラックブーツでは、分断頂部41の肉厚が連絡壁部6の肉厚よりも大きく形成されているために、分断山部40の強度が高くなっている。このため、分断山部40はさらに軸方向に変形し難くなっている。また、分断山部40の強度が高いため、分断連絡壁部60がさらに変形し難い。よって、実施例3のラックブーツでは、蛇腹部1の伸縮運動および揺動運動の連続性が分断山部で分断され、蛇腹部1全体が径方向に大きく変形し難い。
実施例4のラックブーツは、分断山部にかえて分断谷部をもつこと以外は実施例1と同じものである。実施例4のラックブーツを軸方向に切断した様子を模式的に表す要部拡大図を図6に示す。
分断谷部50は、谷部5の一つからなる。実施例4では谷頂部が分断頂部51となっている。分断頂部51は平坦に形成されている。分断谷部50の陥没高さcは一般谷部52の陥没高さdよりも小さい、実施例4のラックブーツにおいて、分断谷部50の陥没高さは、一般谷部52の陥没高さの1/2である。
実施例4のラックブーツでは、分断山部の代わりに分断谷部50が設けられているが、分断頂部51が平坦に形成されているために、実施例1のラックブーツと同様に軸方向に変形し難くなっている。また、分断連絡壁部60は短丈であり、変形し難くなっている。したがって、一般蛇腹部の軸方向への伸縮運動の連続性と、一般蛇腹部の径方向への揺動運動の連続性とは、分断谷部50により分断される。よって、本実施例のラックブーツもまた蛇腹部全体が径方向に大きく変形し難い。
(比較例1)
比較例1のラックブーツは、分断山部をもたないこと以外は実施例1と同じである。比較例1のラックブーツを軸方向に切断した様子を模式的に表す要部拡大図を図7に示す。
比較例1のラックブーツは、図10に示した従来のラックブーツと同じである。すなわち、比較例1のラックブーツは、分断山部および分断谷部をもたず、山部4および谷部5の頂部はそれぞれ湾曲形状に形成されている。
(変形試験)
実施例3および比較例1のラックブーツについて、3山4谷(谷部−連結壁部−山部−連結壁部−谷部−連結壁部−山部−連結壁部−谷部−連結壁部−山部−連結壁部−谷部)を1単位として、径方向の変形性および軸方向の伸び性をFEM解析により算出した。
各ラックブーツに径方向の荷重を負荷した際に、1単位の各ラックブーツが径方向に変形する量を調べ、径方向の変形性とした。各ラックブーツの径方向の変形性を表すグラフを図8に示す。図8中縦軸は各ラックブーツに負荷した径方向の荷重(N)を示す。図8中横軸は、各ラックブーツが径方向に変形した量(mm)である。図8中横軸のうち、正の数はラックブーツが外周方向に伸びた量を示し、負の数はラックブーツが内周方向に圧縮された量を示す。
また、各ラックブーツに軸方向の荷重を負荷した際に、1単位の各ラックブーツが軸方向に伸びる量を調べ、軸方向の伸び性とした。各ラックブーツの軸方向の伸び性を表すグラフを図9に示す。図9中縦軸は各ラックブーツに負荷した軸方向の荷重(N)を示す。図9中横軸は、各ラックブーツの長さ(mm)である。軸方向の荷重を負荷しない各ラックブーツの長さは30.0(mm)であり、図9中横軸の数値が30.0を超えるとラックブーツが軸方向に伸びていることを示し、30.0に満たないとラックブーツが軸方向に圧縮されていることを示す。
図8に示すように、実施例3のラックブーツは、比較例1のラックブーツに比べて、径方向に変形させるのに大きい荷重を要する。よって、実施例3のラックブーツは径方向に大きく変形し難い。
図9に示すように、実施例3のラックブーツは比較例1のラックブーツに比べて、軸方向に変形させるのに大きい荷重を要する。よって、実施例3のラックブーツは軸方向に大きく変形し難い。
本試験の結果から、本発明のラックブーツは、分断山部40付近の蛇腹部が径方向に大きく変形し難いことがわかる。これは、径方向の大きな変形が分断山部40で分断されることに由来すると考えられる。
また、本試験の結果から、本発明のラックブーツは分断山部40付近の蛇腹部が軸方向にも大きく変形し難いことがわかる。これは、分断山部40の隆起高さが一般山部42よりも小さく、分断山部40に連続する分断連結壁部が径方向に短くなっているため、分断連結壁部の揺動代が小さくなっていることに由来すると考えられる。なお、本変形試験は、分断山部40を含む3山4谷部分を試験したものであるため、分断山部40から離間した蛇腹部に関しては、軸方向に充分に変形すると考えられる。
実施例1のラックブーツを模式的に表す軸方向断面図である。 図1の要部拡大図である。 実施例2のラックブーツを模式的に表す軸方向断面図である。 実施例3のラックブーツを模式的に表す軸方向断面図である。 図4の要部拡大図である。 実施例4のラックブーツを軸方向に切断した様子を模式的に表す要部拡大図である。 比較例1のラックブーツを軸方向に切断した様子を模式的に表す要部拡大図である。 実施例3および比較例1のラックブーツの径方向の変形性を表すグラフである。 実施例3および比較例1のラックブーツの軸方向の伸び性を表すグラフである。 一般的なラックブーツを模式的に表す軸方向断面図である。
符号の説明
1:蛇腹部 2:第1筒部 3:第2筒部 4:山部 5:谷部 6:連絡壁部 40:分断山部

Claims (5)

  1. 外周方向に隆起する複数の山部と内周方向に陥没する複数の谷部とをもち該山部と該谷部とが交互に連続して形成され互いに隣接する該山部と該谷部とが連絡壁部で接続されてなる中空状の蛇腹部と、該蛇腹部の一端側に形成されている第1筒部と、該蛇腹部の他端側に形成されている第2筒部とを備え、相手側大径部材と相手側小径部材との間に介装されたボールジョイントを覆うとともに、該第1筒部が該相手側大径部材に固定され、該第2筒部が該相手側小径部材に固定され、該蛇腹部の内周面が該ボールジョイントと離間して配置されるラックブーツであって、
    前記山部の一つからなり頂部が平坦に形成され隆起高さがその他の前記山部よりも小さい分断山部と、前記谷部の一つからなり頂部が平坦に形成され陥没高さがその他の前記谷部よりも小さい分断谷部と、の少なくとも一方をもつことを特徴とするラックブーツ。
  2. 前記分断山部は頂部の肉厚が前記連絡壁部の肉厚よりも大きい請求項1記載のラックブーツ。
  3. 前記分断谷部は頂部の肉厚が前記連絡壁部の肉厚よりも大きい請求項1記載のラックブーツ。
  4. 前記蛇腹部は、前記第1筒部に連なる一般蛇腹部と、該一般蛇腹部と前記第2筒部とに連なり前記山部の外周径と前記谷部の内周径とが前記第2筒部に向けて徐々に小さくなるテーパ蛇腹部とを持つ請求項1記載のラックブーツ。
  5. 前記分断山部または前記分断谷部は前記一般蛇腹部に形成されている請求項4記載のラックブーツ。
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