JP2009085228A - 等速ジョイント用ブーツ - Google Patents

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Abstract

【課題】大径筒部側の第1山部が大径筒部側に倒れ易くなるような形状的工夫を施すことにより、大径筒部側の谷部の耐久性を高める。
【解決手段】大径筒部1は、蛇腹部3側の端部に蛇腹部3に連なる肩部12を有している。蛇腹部3は、肩部12から第1谷部30に向かって径方向内方に傾斜して延びる外側傾斜辺部35と、外側傾斜辺部35と屈曲部36を介して連なり屈曲部36から第1谷部30に向かって径方向内方に延びる内側辺部37とを有している。第1山部31の外径φAと屈曲部36の外径φBとがφB<φAの関係式を満たし、大径筒部1が相手部材(ジョイントアウターレース5)に取り付けられた状態において、相手部材の端面5aと第1谷部30との間に、外側傾斜辺部35が端面5a側に近接する方向に変形することを許容する隙間d(0<d≦5.5t)が形成される。
【選択図】図2

Description

本発明は等速ジョイント用ブーツに関し、より詳しくは前輪駆動車のドライブシャフト用ジョイントなどに不可欠な等速ジョイントに被覆され、等速ジョイントのジョイント部への水や埃の侵入を阻止する等速ジョイント用ブーツに関する。
自動車のエンジン側から駆動輪への駆動伝達、特に前輪駆動車のドライブシャフトに等速ジョイントが用いられている。この等速ジョイントには、ジョイント部を潤滑するためのグリースを封入したり、ジョイント部への水や埃の侵入を防止したりするためのブーツが装着されている。
このような等速ジョイント用ブーツとして、ジョイントアウターレースなどのハウジングにクランプやバンド等の締結具により締結される大径筒部と、大径筒部より小径でクランプやバンド等の締結具によりシャフトに締結される小径筒部と、大径筒部と小径筒部とを一体的に連結する略三角錐台形状の蛇腹部とから構成されたものが知られている。
この等速ジョイント用ブーツは、使用時には、大径筒部が締結されたジョイントアウターレース及び小径筒部が締結されたシャフトと共に回転する。そして、ジョイントアウターレースに対してシャフトが傾いて、ジョイントアウターレースとシャフトのなす角度(ジョイント角)が変化すれば、ジョイントアウターレース及びシャフトと共に回転する等速ジョイント用ブーツの蛇腹部がジョイント角の変化に応じて変形することで、ジョイント部をシールする。また、ハウジングに対してシャフトが軸方向に相対移動してスライドイン(ハウジングにシャフトが近付く)又はスライドアウト(ハウジングからシャフトが離れる)すれば、等速ジョイント用ブーツの蛇腹部が圧縮又は引張方向に変形することで、ジョイント部をシールする。
このような等速ジョイント用ブーツにおいては、蛇腹部の谷部がシャフトに当接することで、谷部に摩耗や亀裂が発生するという問題がある。すなわち、スライドインし、かつ大きなジョイント角でシャフトが傾くようにハウジング及びシャフトが相対変位すれば、大径筒部側で屈曲内側にある谷部がシャフトに高い面圧で当接する。このような谷部とシャフトとの当接の繰り返しにより、谷部に摩耗や亀裂が発生する。なお、屈曲内側とは、ハウジングに対してシャフトが傾いたときに屈曲する蛇腹部の屈曲内側のことをいう(以下、同様)。
かかる大径筒部側の谷部とシャフトとの当接は、大径筒部側で屈曲内側の山部を大径筒部側に倒れ易くすることで、効果的に抑えることができると考えられる。
しかし、従来の多くの等速ジョイント用ブーツにおいては、大径筒部側の第1山部を大径筒部側に倒れ易くするような形状的工夫があまり施されていなかった。このため、従来の多くの等速ジョイント用ブーツにおいては、大径筒部側の谷部の耐久性が低いという問題があった。
なお、大径筒部側の第1山部が大径筒部側により倒れ易くなるような形状的工夫を施した等速ジョイント用ブーツも知られている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1に記載された等速ジョイント用ブーツでは、大径筒部における蛇腹部に連なる肩部の外形を、蛇腹部側に向かってテーパ状に傾斜させるとともに、大径筒部側の第1山部の外径を大径筒部の外径よりも大きくしている。そして、この特許文献1には、この等速ジョイント用ブーツによれば、大きなジョイント角でシャフトが傾いたときでも、屈曲内側において、大径筒部の肩部が外側に張り出すことがなく、また蛇腹部が良好に折り重ねられるので、肩部や谷部の亀裂発生を抑えることができると記載されている。
本発明では、前記特許文献1に記載された等速ジョイント用ブーツとは異なる形状的工夫を施す。
特開2003−83449号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、等速ジョイント用ブーツにおいて、大径筒部側の第1山部が大径筒部側に倒れ易くなるような形状的工夫を施すことにより、大径筒部側の谷部の耐久性を高めることを解決すべき技術課題とする。
上記課題を解決する本発明の等速ジョイント用ブーツは、相手部材に取り付けられる大径筒部と、該大径筒部と離間して同軸的に配置され該大径筒部より小径の小径筒部と、該大径筒部と該小径筒部とを一体に連結する全体の外形状が略円錐台形状の膜状をなし、該大径筒部側から第1谷部、第1山部、第2谷部、第2山部、…の順で交互に形成された複数の谷部及び山部を有する蛇腹部とからなる等速ジョイント用ブーツにおいて、前記大径筒部は、前記蛇腹部側の端部に該蛇腹部に連なる肩部を有し、前記蛇腹部は、前記大径筒部の前記肩部から前記小径筒部側に向かって径方向内方に傾斜して延びる外側傾斜辺部と、該外側傾斜辺部と屈曲部を介して連なり該屈曲部から該第1谷部に向かって径方向内方に延びる内側辺部とを有し、前記第1山部の外径φAと前記屈曲部の外径φBとが下記(1)に示す関係式を満たし、前記大径筒部が前記相手部材に取り付けられた状態において、該相手部材の前記蛇腹部側の端面と前記第1谷部との間に、前記外側傾斜辺部が該端面側に近接する方向に変形することを許容する隙間d(0<d)が形成されることを特徴とする。
φB<φA …(1)
本発明の等速ジョイント用ブーツでは、大径筒部がハウジング等の相手部材に取り付けられた状態において、相手部材の蛇腹部側の端面と第1谷部との間に隙間dが形成されている。このため、使用時にスライドインするようにハウジング等の相手部材とシャフトとが相対変位すれば、蛇腹部の外側傾斜辺部が、相手部材の蛇腹部側の端面に近接する方向に変形する。また、シャフトが傾くようにハウジング等の相手部材とシャフトとが相対変位すれば、蛇腹部の屈曲内側における外側傾斜辺部が、相手部材の蛇腹部側の端面に近接する方向に変形する。このような外側傾斜辺部の変形が起これば、変形した外側傾斜辺部に隣接する第1山部が大径筒部側に倒れ易くなる。
また、本発明の等速ジョイント用ブーツでは、第1山部の外径φAと屈曲部の外径φBとが、φB<φAの関係を満たしている。すなわち、外側傾斜辺部と内側辺部との間の屈曲部は、第1山部の頂点よりも内周側にある。このため、第1山部が大径筒部側に倒れるように変形する際、第1山部の頂点付近が、屈曲部より内周側にある内側辺部に当接することはない。したがって、第1山部の頂点付近の大径筒部側への倒れ込みが内側辺部により邪魔されることはない。そして、屈曲部の外周側には、外側傾斜辺部がある。この外側傾斜辺部の傾斜により、第1山部の頂点付近が大径筒部側に倒れ込むことを許容する空間が広がる。しかもこの外側傾斜辺部は、前述のとおり、スライドイン時やシャフトの傾動時にはハウジング等の相手部材の端面に近接する方向に変形する。このため、変形した外側傾斜辺部に隣接する第1山部の頂点付近が大径筒部側に倒れ込むことを許容する空間がより広がる。
したがって、本発明の等速ジョイント用ブーツでは、スライドインし、かつ大きなジョイント角でシャフトが傾くようにハウジング及びシャフトが相対変位したときであっても、屈曲内側において、第1山部やそれに続く第2山部、第3山部、…が大径筒部側に大きく倒れ込むことが可能となる。その結果、屈曲内側における第1谷部や第2谷部、第3谷部…がシャフトに高い面圧で当接することを効果的に抑えることができる。
よって、本発明の等速ジョイント用ブーツによれば、シャフトとの当接により大径筒部側の蛇腹部の谷部に発生する摩耗や亀裂を効果的に抑えることができ、大径筒部側の蛇腹部の谷部における耐久性を向上させることが可能となる。
本発明の等速ジョイント用ブーツにおいて、前記蛇腹部の前記第1谷部における肉厚tと前記隙間dとが下記(2)に示す関係式を満たすことが好ましい。
d≦5.5t …(2)
前記隙間dが大きすぎると、等速ジョイント用ブーツの軸方向長さが一定の下では、蛇腹部の軸方向長さの短縮化により蛇腹部における膜長が不足するという不都合がある。その点、蛇腹部の第1谷部における肉厚tと隙間dとがd≦5.5tの関係式を満たせば、かかる不都合を解消することができる。また、等速ジョイント用ブーツのコンパクト化の点でも有利となる。
本発明の等速ジョイント用ブーツにおいて、前記第1山部の外径φAと前記肩部の外径φCとが下記(3)に示す関係式を満たすことが好ましい。
φA≦φC …(3)
第1山部の頂点が大径筒部の肩部よりも外周側に位置すると、第1山部の頂点付近が大径筒部側に倒れ込むように変形したときに、大径筒部に締結されたクランプ等の締結具と第1山部の頂点付近が干渉するおそれがある。第1山部の頂点付近が締結具と干渉すれば、第1山部の頂点付近に摩耗や亀裂が発生する。その点、第1山部の外径φAと肩部の外径φCとがφA≦φCの関係式を満たせば、かかる不都合を解消することができる。また、等速ジョイント用ブーツのコンパクト化の点でも有利となる。
ここで、本明細書において、軸方向とは筒状を呈する等速ジョイント用ブーツの軸方向のことを、径方向内方とは同等速ジョイント用ブーツの径方向内方のことを、径方向外方とは同等速ジョイント用ブーツの径方向外方を、それぞれ意味する。
以下、本発明の等速ジョイント用ブーツの具体的な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る等速ジョイント用ブーツをシャフト及び相手部材に取り付けた状態を部分的に示し、この等速ジョイント用ブーツの中心軸に沿う部分縦断面図である。図2は、図1の要部を拡大して示す部分拡大断面図である。
この等速ジョイント用ブーツは、大径筒部1と、大径筒部1と離間して同軸的に配置された大径筒部1より小径の小径筒部2と、大径筒部1と小径筒部2とを一体に連結する全体の外形状が略円錐台形状で膜状の蛇腹部3とから構成されている。
なお、以下の説明において、軸方向一端側とは等速ジョイント用ブーツの大径筒部1側(図1における左側)のことを、軸方向他端側とは等速ジョイント用ブーツの小径筒部2側(図1における右側)のことを、それぞれ意味する。
この等速ジョイント用ブーツは、熱可塑性樹脂より一体成形されたものである。この熱可塑性樹脂としては、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリオレフィン系などの熱可塑性エラストマーの単体またはブレンド体を用いることができる。また、等速ジョイント用ブーツを一体成形するには、プレスブロー成形、押出しブロー成形、射出ブロー成形、射出成形等の公知の成形方法を用いることができる。
大径筒部1、小径筒部2及び蛇腹部3は、外力が作用していない自然状態において、それぞれ等速ジョイント用ブーツの中心軸に対して同軸に配置されている。
大径筒部1の外周表面には金属バンド又はクランプ等の締結具4が係合する環状のクランプ溝10が形成されている。また、大径筒部1の内周表面には断面円弧状の環状突部11が形成されている。同じく、小径筒部2の外周表面には金属バンド又はクランプ等の締結具4が係合する環状のクランプ溝20が形成されている。また、小径筒部2の内周表面には断面円弧状の環状突部21が形成されている。
蛇腹部3は、大径筒部1側から順に第1谷部30、第1山部31、第2谷部32、第2山部33、……というように、複数の谷部及び山部が交互に形成されている。この蛇腹部3の肉厚は、軸方向に略一定とされている。
ここに、本実施形態の等速ジョイント用ブーツにおいては、大径筒部1が蛇腹部3側の端部に蛇腹部3に連なる肩部12を有している。この肩部12は、軸方向に沿って直線状に延びるストレート部となっている。すなわち、肩部12は短筒状を呈している。
また、蛇腹部3は、大径筒部1側の端部に、外側傾斜辺部35と、屈曲部36と、内側辺部(内側直立辺部)37とを有している。
外側傾斜辺部35は、円錐台形状を呈しており、大径筒部1の肩部12の蛇腹部3側の端縁121から小径筒部2側に向かって(軸方向他端側に向かって)径方向内方に傾斜して直線状に延びている。
この外側傾斜辺部35の傾斜角度θ(肩部12の端縁121から傾斜して延びる外側傾斜辺部35の延長線と等速ジョイント用ブーツの中心軸とがなす角度θ)は、30〜60度とすることが好ましく、30〜45度とすることがより好ましい。この外側傾斜辺部35の傾斜角度θが大きすぎると、後述する隙間dを必要量確保することが困難となる。一方、外側傾斜変部35の傾斜角度θが小さすぎると、後述する屈曲部36の外径をφBとしたとき、このφBが大きくなり、シャフトが傾いた時に蛇腹部3の屈曲内側における第1山部31が大径筒部1側に倒れにくくなる。
また、外側傾斜辺部35の長さDは、ジョイントアウターレース5の外径をφEとしたとき、0.03φE≦D≦0.15φEであることが好ましく、0.04φE≦D≦0.1φEであることがより好ましい。蛇腹部3の第1谷部30の外径を変えずに外側傾斜辺部35の長さを変化させれば、それに応じて内側辺部37の長さが変化する。外側傾斜辺部35の長さDが長くなりすぎると、後述する隙間dが大きくなりすぎて蛇腹部3における膜長が不足し、逆に短くなりすぎると後述する隙間dを必要量確保することが困難となる。
屈曲部36は、外側傾斜辺部35の軸方向他端側の端縁に設けられている。内側辺部37は、外側傾斜辺部35と屈曲部36を介して連なり屈曲部36から第1谷部30に向かって径方向内方に垂直又は略垂直に直線状に延びている。この内側辺部37は、屈曲部36から軸方向一端側に向かって径方向内方に傾斜して延びていてもよい。
内側辺部37と等速ジョイント用ブーツの中心軸とがなす角度(屈曲部36から径方向内方に延びる内側辺部37の延長線と等速ジョイント用ブーツの中心軸とがなす角度)は外側傾斜辺部35の傾斜角度θよりも大きい。この内側辺部37と等速ジョイント用ブーツの中心軸とがなす角は約70度以上で90度以下とすることが好ましい。この内側辺部37傾斜角度が小さすぎると、外側傾斜変部35の傾斜角度θが一定の下では、屈曲部36の外径φBが大きくなり、シャフトが傾いた時に蛇腹部3の屈曲内側における第1山部31が大径筒部1側に倒れにくくなる。なお、内側辺部37は、屈曲部36から軸方向一端側に向かって径方向内方に傾斜して延びるものではない。
このように、大径筒部1の肩部12並びに蛇腹部3の外側傾斜辺部35、屈曲部36及び内側辺部37の形状や寸法の設計がなされることにより、大径筒部1が相手部材としてのジョイントアウターレース5に締結された状態において、ジョイントアウターレース5の蛇腹部3側の端面5aと第1谷部30との間に、外側傾斜辺部35が該端面5a側に近接する方向に変形することを許容する所定の大きさの隙間d(軸方向隙間d、0<d)が形成されている。このジョイントアウターレース5の端面5aと第1谷部30との間の隙間dの大きさは、蛇腹部3の第1谷部30における肉厚をtとしたとき、d≦5.5t(より好ましくは、d≦3.0t)の関係式を満たすように設定されている。
ここに、前記隙間dが小さすぎると、外側傾斜辺部35がジョイントアウターレース5の端面5aに近接する方向に変形する変形量が不足する。このため、隙間dは、0.5t≦d(より好ましくは、2t≦d)の関係式を満たすように設定されていることが好ましい。
さらに、本実施形態の等速ジョイント用ブーツでは、以下に示すような形状や寸法設計の工夫が施されている。
すなわち、第1山部31の外径をφAとし、屈曲部36の外径をφBとしたとき、第1山部31の外径φA及び屈曲部36の外径φBは、φB<φAの関係式を満たすように設定されている。
また、肩部12の外径をφCとしたとき、第1山部31の外径φA及び肩部12の外径φCは、φA≦φCの関係式を満たすように設定されている。
上記構成を有する本実施形態の等速ジョイント用ブーツは、大径筒部1が相手部材であるジョイントアウターレース5に嵌着されるとともに、小径筒部2が相手部材であるシャフト6に嵌着されて使用に供される。この取付状態で、大径筒部1の環状突部11がジョイントアウターレース5の環状溝51に係合するとともに、クランプ溝20内に配設された締結具4で大径筒部1がジョイントアウターレース5に締結されている。また、小径筒部2の環状突部21がシャフト6の環状溝61に係合するとともに、クランプ溝20内に配設された締結具4で小径筒部2がシャフト6に締結されている。
本実施形態の等速ジョイント用ブーツでは、こうして大径筒部1がジョイントアウターレース5に取り付けられた状態において、前述のとおり、ジョイントアウターレース5の端面5aと第1谷部30との間に所定の大きさの隙間dが形成されている。このため、使用時にスライドインするようにジョイントアウターレース5とシャフト6とが相対変位すれば、蛇腹部3の外側傾斜辺部35が、ジョイントアウターレース5の蛇腹部3側の端面5aに近接する方向(外側傾斜辺部35の傾斜角度θが大きくなる方向)に変形する。また、シャフト6が傾くようにジョイントアウターレース5とシャフト6とが相対変位すれば、蛇腹部3の屈曲内側における外側傾斜辺部35が、ジョイントアウターレース5の端面5aに近接する方向(外側傾斜辺部35の傾斜角度θが大きくなる方向)に変形する。そして、このような外側傾斜辺部35の変形が起これば、変形した外側傾斜辺部35に隣接する第1山部31が大径筒部1側に倒れ易くなる。
また、本実施形態の等速ジョイント用ブーツでは、第1山部31の外径φAと屈曲部36の外径φBとが、φB<φAの関係を満たしている。すなわち、外側傾斜辺部35と内側辺部37との間の屈曲部36は、第1山部31の頂点よりも内周側にある。このため、第1山部31が大径筒部1側に倒れるように変形する際、第1山部31の頂点付近が、屈曲部36より内周側にある内側辺部37に当接することはない。したがって、第1山部31の頂点付近の大径筒部1側への倒れ込みが内側辺部37により邪魔されることはない。そして、屈曲部36の外周側には、外側傾斜辺部35がある。この外側傾斜辺部35の傾斜により、第1山部31の頂点付近が大径筒部1側に倒れ込むことを許容する空間が広がる。しかもこの外側傾斜辺部35は、前述のとおり、スライドイン時やシャフト6の傾動時にはジョイントアウターレース5の端面5aに近接する方向に変形する。このため、変形した外側傾斜辺部35に隣接する第1山部31の頂点付近が大径筒部1側に倒れ込むことを許容する空間がより広がる。
したがって、本実施形態の等速ジョイント用ブーツでは、スライドインし、かつ大きなジョイント角でシャフト6が傾くようにジョイントアウターレース5及びシャフト6が相対変位したときであっても、蛇腹部3の屈曲内側において、第1山部31やそれに続く第2山部33、…が大径筒部1側に大きく倒れ込むことが可能となる。その結果、屈曲内側における第1谷部30や第2谷部32、…がシャフト6に高い面圧で当接することを効果的に抑えることができる。
よって、本実施形態の等速ジョイント用ブーツによれば、シャフト6との当接により大径筒部1側の蛇腹部3の第1谷部30、第2谷部32、…に発生する摩耗や亀裂を効果的に抑えることができ、大径筒部1側の蛇腹部3の谷部における耐久性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態の等速ジョイント用ブーツでは、蛇腹部3の第1谷部30における肉厚tと前記隙間dとがd≦5.5tの関係式を満たしているので、蛇腹部3のスペースが狭くなり、膜長不足になるという不都合がなく、また、等速ジョイント用ブーツを軸方向にコンパクト化する点でも有利となる。
さらに、本実施形態の等速ジョイント用ブーツでは、第1山部31の外径φAと肩部12の外径φCとがφA≦φCの関係式を満たしているので、第1山部31の頂点付近が大径筒部1側に倒れ込むように変形しても、大径筒部1に締結された締結具4と干渉するおそれがない。このため、第1山部31の頂点付近と締結具4とが干渉することによって発生する第1山部31の摩耗や亀裂を防止することができる。また、等速ジョイント用ブーツを径方向にコンパクト化する点でも有利となる。
(実施例)
前述した実施形態に準ずる等速ジョイント用ブーツを準備した。
この実施例の等速ジョイント用ブーツは、ポリエステル系の熱可塑性エラストマーよりなり、射出ブロー成形により一体成形した。
この実施例の等速ジョイント用ブーツにおける、主な部位の形状や寸法等は以下のように設定した。
蛇腹部3において、谷部及び山部はそれぞれ5個ずつ成形した。蛇腹部3の外側傾斜辺部35において、傾斜角度θは45度とし、長さDとジョイントアウターレース5の外径φEとの関係はD=0.04φEとした。内側辺部37と等速ジョイント用ブーツの中心軸とがなす角度は90度とした。ジョイントアウターレース5の端面5aと第1谷部30との間の前記隙間dの大きさは、蛇腹部3の第1谷部30における肉厚をtとしたとき、d=2tとした。第1山部31の外径φA及び屈曲部36の外径φBの関係は、φA=1.08φBとした。第1山部31の外径φA及び肩部12の外径φCの関係は、φC=1.03φAとした。
(比較例)
主な部位の形状や寸法等は以下のように設定すること以外は、実施例と同様にして比較例の等速ジョイント用ブーツを準備した。
図3に示されるように、比較例1の等速ジョイント用ブーツにおいては、蛇腹部3における外側傾斜辺部35、屈曲部36及び内側辺部37を無くした。すなわち、比較例1の等速ジョイント用ブーツにおいては、傾斜辺部38が、大径筒部1の肩部12の蛇腹部3側の端縁121から第1谷部30に向かって径方向内方に傾斜して直線状に延びている。この傾斜辺部38と等速ジョイント用ブーツの中心軸とがなす角度(肩部12の端縁121から径方向内方に傾斜して延びる傾斜辺部38の延長線と等速ジョイント用ブーツの中心軸とがなす角度)は60度とした。
また、ジョイントアウターレース5の端面5aと第1谷部30との間の前記隙間dの大きさは、蛇腹部3の第1谷部30における肉厚をtとしたとき、実施例と同様、d=2tとした。第1山部31の外径φA及び肩部12の外径φCの関係は、φC=0.98φAとした。
(FEM解析による蛇腹破損の評価)
実施例及び比較例の等速ジョイント用ブーツについて、それぞれ蛇腹破損が何時間で発生するかについて、FEM(有限要素法)解析によるシミュレーションを行った。
その結果を図6に示すように、実施例の等速ジョイント用ブーツでは、300時間以上経過しても、蛇腹部3の第1谷部30等に亀裂が発生しなかった。これは、図4に示されるように、蛇腹部3の屈曲内側において、第1山部31や第2山部33、…が大径筒部1側にうまく倒れ込み、第1谷部30や第2谷部32、…とシャフト6との面圧が低くなったか、第1谷部30や第2谷部32、…がシャフト6に当接しなかったためである。
これに対し、比較例の等速ジョイント用ブーツでは、200時間経過後に、蛇腹部3の第1谷部30に亀裂が発生した。これは、図5に示されるように、蛇腹部3の屈曲内側において、第1山部31や第2山部33、…が大径筒部1側にうまく倒れ込まなかったために、第1谷部30や第2谷部32、…とシャフト6との面圧が高くなったためである。
これにより、第1山部31、第2山部32、…を大径筒部1側に倒れ込み易くする工夫によって、蛇腹部3の谷部の耐久性を向上させることができることを確認できた。
本発明の実施形態に係る等速ジョイント用ブーツを相手部材に取り付けた状態を部分的に示し、この等速ジョイント用ブーツの中心軸線に沿った部分断面図である。 本実施形態に係り、図1の要部を拡大して示す部分拡大断面図である。 比較例の等速ジョイント用ブーツの要部を拡大して示す部分拡大断面図である。 実施例の等速ジョイント用ブーツの使用状態を示す断面図である。 比較例の等速ジョイント用ブーツの使用状態を示す断面図である。 実施例及び比較例の等速ジョイント用ブーツについて、FEM解析により蛇腹破損を評価した結果を示す図である。
符号の説明
1…大径筒部 2…小径筒部
3…蛇腹部 4…締結具
5…ジョイントアウターレース(相手部材)
6…シャフト 12…肩部
30…第1山部 31…第1谷部
32…第2山部 33…第2谷部
35…外側傾斜辺部 36…屈曲部
37…内側辺部

Claims (3)

  1. 相手部材に取り付けられる大径筒部と、該大径筒部と離間して同軸的に配置され該大径筒部より小径の小径筒部と、該大径筒部と該小径筒部とを一体に連結する全体の外形状が略円錐台形状の膜状をなし、該大径筒部側から第1谷部、第1山部、第2谷部、第2山部、…の順で交互に形成された複数の谷部及び山部を有する蛇腹部とからなる等速ジョイント用ブーツにおいて、
    前記大径筒部は、前記蛇腹部側の端部に該蛇腹部に連なる肩部を有し、
    前記蛇腹部は、前記大径筒部の前記肩部から前記小径筒部側に向かって径方向内方に傾斜して延びる外側傾斜辺部と、該外側傾斜辺部と屈曲部を介して連なり該屈曲部から該第1谷部に向かって径方向内方に延びる内側辺部とを有し、
    前記第1山部の外径φAと前記屈曲部の外径φBとが下記(1)に示す関係式を満たし、
    前記大径筒部が前記相手部材に取り付けられた状態において、該相手部材の前記蛇腹部側の端面と前記第1谷部との間に、前記外側傾斜辺部が該端面側に近接する方向に変形することを許容する隙間dが形成されることを特徴とする等速ジョイント用ブーツ。
    φB<φA …(1)
  2. 前記蛇腹部の前記第1谷部における肉厚tと前記隙間dとが下記(2)に示す関係式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の等速ジョイント用ブーツ。
    d≦5.5t …(2)
  3. 前記第1山部の外径φAと前記肩部の外径φCとが下記(3)に示す関係式を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の等速ジョイント用ブーツ。
    φA≦φC …(3)
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JP2021042833A (ja) * 2019-09-13 2021-03-18 株式会社フコク 等速ジョイント用ブーツ

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